JP2021037939A - 自動車用の液圧式のブレーキシステムおよびブレーキシステムを運転するための方法 - Google Patents

Abstract

【課題】ブレーキシステムにおいて、圧力発生器を、自動車または自動車の運転者の制動要求に依存して制御する方法を提供する。【解決手段】少なくとも２つのブレーキ回路（３，４）を備え、これらのブレーキ回路は、少なくとも１つの液圧式に操作可能なホイールブレーキ（５，６，７，８）と少なくとも１つの電気式に運転可能な圧力発生器（９，１０）とを有し、前記圧力発生器が、自動車または自動車の運転者の制動要求に依存して制御可能である形式のもので、各圧力発生器に、これらの圧力発生器を運転するためのそれぞれ１つの電動アクチュエータ（１１，１２）が対応配設されており、少なくとも１つの制御可能なエマージェンシバルブ（２６）が前記ブレーキ回路の間に介在されていて、前記エマージェンシバルブが、第１の切替え位置で前記ブレーキ回路を互いに分離し、第２の切替え位置で互いに接続する。【選択図】図１

Description

本発明は、自動車のための液圧式のブレーキシステムであって、少なくとも２つのブレーキ回路を備えており、これらのブレーキ回路は、それぞれ少なくとも１つの液圧式に操作可能なホイールブレーキとそれぞれ少なくとも１つの電気式に運転可能な圧力発生器とを有しており、この場合、圧力発生器が、自動車または自動車の運転者の制動要求に依存して制御可能である形式のものに関する。

また、本発明はこのようなブレーキシステムを運転するための方法であって、この場合、圧力発生器を、自動車または自動車の運転者の制動要求に依存して制御する方法に関する。

冒頭に述べた形式のブレーキシステムは従来技術により公知である。従来のブレーキシステムは、液圧式のブレーキシステムとして構成されていて、この液圧式のブレーキシステムにおいては、運転者によって操作され得るブレーキペダルが、例えばマスタブレーキシリンダおよびブレーキ倍力装置を介在して、それぞれ１つまたは複数のホイールブレーキを有する１つまたは複数のブレーキ回路に、液圧式に接続されている。自動車がますます電化されるのに伴って、ブレーキシステムの電気的な支援も増大する。この場合、運転者による力の導入に加えて、必要であればブレーキ回路のうちの少なくとも１つに液圧を追加的にまたはブレーキペダル操作とは無関係に発生させる単数または複数の圧力発生器を設けることが公知である。このために、それぞれのブレーキ回路に１つの圧力発生器が対応配設されており、この圧力発生器は、電動機式または電磁式のアクチュエータによって駆動可能である。これによって、いわゆるワイヤレスのまたは無線の制動も可能である（ブレーキバイワイヤ）。この場合、ブレーキ回路内への運転者の液圧的な介入は行われない。しかしながらブレーキペダルがそれぞれのブレーキ回路から液圧的に遮断されている場合、運転者は例えばペダル感覚が変わったことによって、もはやブレーキシステムにおける故障を自分で認識することはできない。従って、特にブレーキシステムに関連して高い自動化率を有する自動車においては、故障が発生したときに自動車の安全運転をさらに保証するために、安全上重要なシステムが冗長に構成されなければならない。特に、ブレーキシステムの個別故障時に自動車がより安全な状態へ移行せしめられることが重要である。

請求項１の特徴を有する本発明によるブレーキシステムは、簡単な方法および形式で、特に冗長な液圧システムを設けることなしに、個別の故障が発生したときにブレーキシステムを常により安全な状態に移行させることができる、という利点を有している。この場合、提案された解決策は、取付けスペースを節約しかつ安価に実現可能である。本発明によるブレーキシステムは、各圧力発生器に、これらの圧力発生器を運転するためのそれぞれ１つの固有の電動アクチュエータが対応配設されており、少なくとも１つの制御可能なエマージェンシバルブがブレーキ回路の間に介在されていて、ブレーキ回路を第１の切替え位置で互いに分離し、第２の切替え位置で互いに接続することを特徴としている。これによって、圧力発生器は、通常時に互いに独立してそれぞれ所属のブレーキ回路内で液圧を生ぜしめることができる。通常時に、エマージェンシバルブは第１の切替え位置で、ブレーキ回路が互いに分離されているように接続されている。エマージェンシバルブの制御によって、ブレーキ回路が互いに接続され、それにより、例えば一方の圧力発生器の故障時に残っている方の圧力発生器が、２つのブレーキ回路内に液圧を生ぜしめるために利用され得る。これによって、簡単な方法および形式でブレーキシステムはより安全な運転状態に移行せしめられる。

特に、エマージェンシバルブは、無電流状態で第１の切替え位置を占める無電流閉鎖式の弁として構成されている。エマージェンシバルブが制御されない場合、ブレーキ回路は互いに分離されている。ブレーキシステム内の故障が検知されると初めて、特に圧力発生器またはこの圧力発生器に対応配設された電動アクチュエータに関連して、ブレーキ回路を互いに接続するために、エマージェンシバルブが電気的に制御される。

本発明の好適な実施態様によれば、電動アクチュエータは、自動車の電気的な車載電源網の互いに分離されたまたは分離可能な車載電源網部分に接続されている。これによって、それぞれの電動アクチュエータの個別のエネルギ供給が保証されるので、車載電源網部分の故障時に、残りの電動アクチュエータをさらに制御することができ、それにより、エマージェンシバルブの制御によって２つのブレーキ回路内に液圧を発生させることができる。

好適な形式で、各電動アクチュエータはそれぞれ１つのコントロールユニットに接続されている。これによって、電動アクチュエータの個別の制御が保証されている。特に、コントロールユニットは電気的な車載電源網のそれぞれ１つの車載電源網部分に対応配設されているので、コントロールユニットは互いに独立してエネルギ供給され、運転される。

好適な形式で、ブレーキシステムは、運転者の制動要求を検出するために、操作可能なブレーキエレメント、特にブレーキペダルを有しており、この場合、ブレーキ回路がブレーキエレメントから持続的に液圧的に遮断されている。従って、提供されたブレーキシステムは、機械的／液圧的に分離された（ブレーキバイワイヤ）ブレーキシステムであって、このブレーキシステムにおいて、ブレーキ回路内への運転者の液圧的な介入は不可能であり、電動アクチュエータおよび／または圧力発生器の一方が故障したときのためのフォールバック位置としても不可能である。これにより、液圧的な接続または緊急接続を省略することができ、ブレーキシステムの製造時におけるコストおよび取付けスペースを節約することができる。

好適な形式で、ブレーキシステムは、ブレーキ回路の一方または両方に接続されている、少なくとも１つの別の制御可能な圧力発生器を有している。別の圧力発生器は、特に制御可能な電動アクチュエータを有しており、この電動アクチュエータは、その運転時に一方または両方の圧力発生器を同時に制御するために、一方または好適には両方の別の圧力発生器に接続されており、両方の圧力発生器を同時に制御する場合、それぞれ１つの圧力発生器がブレーキ回路の一方に対応配設されている。単数または複数の別の圧力発生器によって、ブレーキシステムの運転多様性が高められ、例えばより短い時間でより高い液圧が提供可能であることが保証される。

好適な形式で、圧力発生器がそれぞれ吸込み側でタンク、特に共通のタンクに接続されており、このタンクは液圧媒体を収容し、貯蔵し、かつ提供するために構成されている。これにより、圧力発生器に、好適には１つの共通のタンクから液圧媒体が供給される。

好適な形式で、各ホイールブレーキに、個別に操作可能な吸入バルブおよび個別に操作可能な吐出バルブが対応配設されており、この場合、吸入バルブが無電流開放式の弁として構成されている。従って、吸入バルブはパッシブバルブとして構成されているので、それぞれのホイールブレーキにおける制動力は単数または複数の圧力発生器の駆動によってのみ調節可能である。液圧を例えば１つの個別のホイールブレーキに集中させるために、個別のホイールブレーキに短時間で高い液圧が発生するので、例えば多数の別の吸入バルブは閉鎖される。

好適な形式で、吐出バルブが吸込み側で別の圧力発生器に接続されている。別の圧力発生器が設けられていれば、吐出バルブの開放時におよびひいては各ホイールブレーキの制動力の低下時に許容される戻し案内された液圧媒体が、別の圧力発生器の吸込み側に供給され、それによって、この別の圧力発生器の制御時に、液圧媒体が別の圧力発生器にさらに提供される。その限りにおいて、このブレーキシステムは閉じたブレーキシステムに関するものである。何故ならば、この場合、液圧媒体は圧力発生器を通り過ぎてタンクにガイドされないからである。

好適な形式で、ブレーキ回路が切替え弁を有しており、この切替え弁によってブレーキ回路がそれぞれ所属の圧力発生器に接続可能であるか、または圧力発生器から分離可能である。切替え弁によって、圧力発生器および／または電動アクチュエータが故障したときでも、ブレーキ回路を液圧により個別に負荷することが保証されている。エマージェンシバルブによって、提供された圧力が２つのブレーキ回路に分配され、必要であれば、一方の切替え弁を制御することによって、一方のブレーキ回路に限定される。

従って、好適な形式で、切替え弁がエマージェンシバルブに後置接続されている。

請求項１３の特徴を有する本発明による方法は、各圧力発生器が１つの固有の電動アクチュエータによって運転され、エマージェンシ作動中にブレーキ回路が、ブレーキ回路間に介在された、通常運転中にブレーキ回路を互いに分離するエマージェンシバルブの制御によって互いに接続される、ことを特徴とする。エマージェンシ作動は、特に、電動アクチュエータおよび／または圧力発生器のうちの一方に関連したブレーキシステム内の機能故障が存在することが検知されると、実行される。このために、ブレーキシステムの電動アクチュエータおよび圧力発生器はその機能正常性が特に連続的に監視される。

好適な形式で、少なくとも１つのホイールブレーキにおける制動力が、１つの電動アクチュエータの制御だけによって、調節される。この場合、制動力は電動アクチュエータの制御によって上昇され、低下される。弁の制御は省かれるので、ブレーキシステムの安価でエネルギ効率的な運転が保証されている。

好適な形式で、ホイールブレーキの少なくとも１つにおける制動力は、選択的に、ホイールブレーキの１つに対応配設された少なくとも１つの吸入バルブの制御によって調節される。例えば１つのホイールブレーキに高められた制動力が要求されると、好適な形式で他のホイールブレーキの吸入バルブが閉じられるので、提供された液圧はこの１つのホイールブレーキだけに作用する。この場合、最大ブレーキ性能で自動車の高い走行安定性を保証するために、特に、吸入バルブは、ブレーキシステムのすべてのホイールブレーキが所望の液圧で負荷されるように制御され、この場合、液圧がホイールブレーキ個別に調節される。

自動車用の好適なブレーキシステムの第１実施例の簡略図である。 ブレーキシステムの第２実施例の簡略図である。

本発明を、以下に図面を用いて詳しく説明する。

図１は、ここには詳しく図示していない自動車の好適なブレーキシステム１の第１実施例の簡略図を示す。ブレーキシステム１は、特に充填可能なタンク２を有しており、このタンク２は、ブレーキシステム１のための液圧媒体、特にブレーキ液を貯蔵しかつ提供する。タンクは２つのブレーキ回路３および４に流体接続されている。タンク２内に破線で示されているように、オプション的に各ブレーキ回路３，４のためにそれぞれ固有のタンク２が設けられている。

各ブレーキ回路３，４は、図示の実施例によれば２つのホイールブレーキ５，６若しくは７，８を有しており、これらのホイールブレーキ５，６，７，８は、それぞれ液圧式に操作可能なホイールブレーキとして構成されている。図示の実施例によれば、４つのホイールと２つの車軸を有する自動車において、ホイールブレーキ５は前車軸の右ホイールに対応配設され、ホイールブレーキ６は後車軸の左ホイールに対応配設され、ホイールブレーキ７は前車軸の左ホイールに対応配設され、ホイールブレーキ８は後車軸の右ホイールに対応配設されている。

各ブレーキ回路はそれぞれ１つの圧力発生器９，１０を有しており、この圧力発生器は、それぞれのブレーキ回路３，４内で液圧的な圧力を発生させる。このために、圧力発生器９，１０は、吐出側でそれぞれのブレーキ回路３，４に接続されていて、吸込み側でタンク２に接続されている。各圧力発生器９，１０にそれぞれ１つの電動アクチュエータ１１若しくは１２が対応配設されている。図示の実施例では、電動アクチュエータ１１，１２は電動機として構成されていて、圧力発生器９，１０はピストンポンプとして構成されている。オプション的に、圧力発生器９，１０は、回転ポンプ等として構成されていてもよい。電動アクチュエータ１１，１２として、電磁アクチュエータも対象となる。

各圧力発生器９，１０は、吐出側で所属のブレーキ回路３，４のホイールブレーキ５，６若しくは７，８に流体接続されている。この場合、ホイールブレーキ５，６，７，８に、無電流開放式の弁として構成されたそれぞれ１つの吸入バルブ１３，１４，１５，１６が対応配設されており、この吸入バルブを通じて、無電流状態でそれぞれの圧力発生器９，１０が、対応配設されたホイールブレーキ５，６，７，８の入口側に直接接続されている。さらに、各ホイールブレーキ５乃至８に、それぞれ無電流閉鎖式の弁として構成された制御可能な吐出バルブ１７，１８，１９，２０が対応配設されている。吐出バルブ１７乃至２０は、図示の実施例によれば、吐出側でそれぞれのブレーキ回路３，４の蓄圧器２１若しくは２２に、並びにオプション的にそれぞれのブレーキ回路３，４の別の圧力発生器２３，２４の吸入側に接続されている。これに対して圧力発生器２３，２４は吐出側で吸入バルブ１３，１４若しくは１５，１６に接続されている。別の圧力発生器２３，２４に、ここでは電動機としての共通の電動アクチュエータ２５が対応配設されており、この電動アクチュエータ２５は必要であれば、２つの圧力発生器２３，２４、特に液圧ポンプを駆動する。各蓄圧器２１，２２内に液圧媒体が中間貯蔵され得るので、圧力変動は避けられ、液圧媒体が常に圧力発生器２３，２４のために提供され得る。

２つのブレーキ回路３，４は、エマージェンシバルブ２６を通って圧力発生器９，１０の下流側および吸入バルブ１３乃至１６の上流側で、並びにオプション的な圧力発生器２３，２４の上流側で互いに液圧式に接続可能である。エマージェンシバルブ２６は、電気式に制御可能であって、無電流の若しくは制御されていない切替え位置で閉鎖されているように構成されているので、ブレーキ回路３，４は互いに分離されている。エマージェンシバルブ２６を電気式に制御することによって、このエマージェンシバルブ２６は、第１の切替え位置から第２の切替え位置に移動せしめられ、この第２の切替え位置でブレーキ回路３，４は、エマージェンシバルブ２６を通して液圧式に互いに接続されている。

ブレーキシステム１の好適な構成によって、圧力発生器９，１０または所属の電動アクチュエータ１１，１２のうちの１つが誤機能に基づいて故障した場合、それにも拘わらず残りの圧力発生器１０，９によって液圧が発生され、エマージェンシバルブ２６の制御によって２つのブレーキ回路３，４に提供され得るので、ブレーキシステム１のすべてのホイールブレーキ５乃至８に制動力が調節可能である。これによって、圧力発生器９，１０または所属の電動アクチュエータ１１，１２のうちの１つが故障した場合でも、自動車の安全な走行状態が常に保証されている。例えば圧力発生器９が故障すると、エマージェンシバルブ２６が開放されるか若しくは第２の切替え状態へ移行せしめられるので、圧力発生器１０によって提供された圧力が２つのブレーキ回路３，４に分配される。

フェールセーフをさらに高めるために、電動アクチュエータ１１，１２がそれぞれ１つの固有のコントロールユニット２７若しくは２８に接続されているので、これらの電動アクチュエータは互いに独立して駆動可能である。特にコントロールユニット２７，２８は、ここには図示していない自動車の車載電源網のそれぞれ１つの車載電源網部分２９若しくは３０に接続されているかまたは接続可能であるので、電動アクチュエータ１１，１２のエネルギ供給部内にも互いに独立して接続しているかまたは接続可能である。車載電源網部分２９，３０が故障するか、またはコントロールユニット２７，２８のうちの１つが故障すると、ホイールブレーキ５乃至８のさらなる運転は、好適なエマージェンシバルブ２６によってさらに保証されている。

以上記載した実施例は、さらに別の圧力発生器２３，２４の制御によって要求された液圧の調節時に高い変動性が保証されている、閉じたブレーキシステムに関するものである。無電流開放式の吸入バルブとしての吸入バルブ１３乃至１６の構成によって、ホイールブレーキにおける液圧力およびひいてはホイールブレーキ５乃至８における制動力が圧力発生器９，１０の制御だけによって調整可能であることが保証されている。さらに、単数または複数の吸入バルブを閉鎖することによって、圧力発生器９，１０により提供された液圧が、吸入バルブが開放維持されている、選択されたホイールブレーキに集中され得る。

図２は、ブレーキシステム１の別の実施例を示し、この場合、図１から既知の構成要素には同じ符号が付けられている。以下では、主に相違点についてのみ詳しく説明する。

前記実施例とは異なり、ここでは、ブレーキシステム１は、吐出バルブ１７乃至２０が吐出側からそれぞれタンク２に直接に接続されている、開放されたブレーキシステムとして構成されているので、流出する液圧媒体はタンク２に直接に戻し案内される。さらに、この実施例によればオプション的に、追加的な圧力発生器２３，２４並びに電動アクチュエータ２５は省かれる。

さらにこの実施例によれば、それぞれのブレーキ回路３，４内のエマージェンシバルブ２６の下流側にそれぞれ１つの電気的に制御可能な切替え弁３１若しくは３２が接続されており、これらの切替え弁３１，３２はそれぞれ無電流状態で開放している。切替え弁３１，３２の制御によって、圧力発生器９，１０とブレーキ回路３，４との接続は中断される。これによって、例えば高められた制動力が前車軸または後車軸に必要とされる場合に、エマージェンシ運転中時に、エマージェンシバルブ２６の開放後に、切替え弁３１，３２の一方の制御によって、残りの圧力発生器によって提供された圧力をブレーキ回路３，４の一方に集中させることが可能である。ここではブレーキ回路３，４がＸ分割で設けられているが、一方のブレーキ回路３が前車軸のホイールブレーキ５，７を有していて、他方のブレーキ回路４が後車軸のホイールブレーキ６，８を有している、ブレーキ回路３，４の並列若しくはＩＩ分割の構成も考えられる。この場合、特にホイールブレーキの車軸個別の圧力負荷が、既に前述したように可能である。

従って、エマージェンシ運転中に、圧力発生器９，１０はそれぞれ１つのブレーキ回路３，４にだけ作用するが、エマージェンシバルブ２６の制御によって４つのすべてのホイールブレーキ５乃至８に作用することもできる。従って、圧力発生器９，１０のうちの１つが故障したときに、さらに、自動車の４つのすべてのホイールを制動することも可能である。特に、ブレーキシステム１は、エマージェンシバルブ２６が２つのコントロールユニット２７，２８によって互いに独立して制御可能であるので、ここではエマージェンシバルブ２６の電気的に冗長な制御が保証されている、ように構成されている。従って、コントロールユニット２７，２８または車載電源網部分２９，３０のうちの一方が故障した場合のために、さらにエマージェンシバルブ２６の操作も保証されている。

図示の実施例では、ブレーキシステム１がそれぞれブレーキバイワイヤシステムとして構成されており、このブレーキバイワイヤシステムにおいて、圧力発生器９，１０並びにブレーキ回路３，４が、運転者によって操作可能なブレーキペダル３３から液圧的に遮断されている。コントロールユニット２７，２８は、検出されたブレーキペダル位置に依存して、圧力発生器９，１０をホイールブレーキ５乃至８における所望のブレーキトルクを調節するように制御するために、好適にはブレーキペダル位置を絶えず監視するように、ブレーキペダル３３に接続されている。

１ ブレーキシステム
２ タンク
３，４ ブレーキ回路
５，６，７，８ ホイールブレーキ
９，１０ 圧力発生器
１１，１２ 電動アクチュエータ
１３，１４，１５，１６ 吸入バルブ
１７，１８，１９，２０ 吐出バルブ
２１，２２ 蓄圧器
２３，２４ 圧力発生器
２５ 電動アクチュエータ
２６ エマージェンシバルブ
２７，２８ コントロールユニット
２９，３０ 車載電源網部分
３１，３２ 切替え弁
３３ ブレーキペダル、ブレーキエレメント

Claims (15)

1. 自動車のための液圧式のブレーキシステム（１）であって、少なくとも２つのブレーキ回路（３，４）を備えており、これらのブレーキ回路（３，４）は、それぞれ少なくとも１つの液圧式に操作可能なホイールブレーキ（５，６，７，８）とそれぞれ少なくとも１つの電気式に運転可能な圧力発生器（９，１０）とを有しており、この場合、前記圧力発生器（９，１０）が、自動車または自動車の運転者の制動要求に依存して制御可能である形式のものにおいて、
   各圧力発生器（９，１０）に、これらの圧力発生器を運転するためのそれぞれ１つの電動アクチュエータ（１１，１２）が対応配設されており、少なくとも１つの制御可能なエマージェンシバルブ（２６）が前記ブレーキ回路（３，４）の間に介在されていて、前記エマージェンシバルブ（２６）が、第１の切替え位置で前記ブレーキ回路（３，４）を互いに分離し、第２の切替え位置で互いに接続することを特徴とする、自動車のための液圧式のブレーキシステム。
2. 前記エマージェンシバルブ（２６）が、無電流状態で第１の切替え位置を占める無電流閉鎖式のエマージェンシバルブとして構成されていることを特徴とする、請求項１記載のブレーキシステム。
3. 前記電動アクチュエータ（１１，１２）が、自動車の電気的な車載電源網の互いに分離されたまたは分離可能な車載電源網部分（２９，３０）に接続されていることを特徴とする、請求項１または２記載のブレーキシステム。
4. 各電動アクチュエータ（１１，１２）がそれぞれ１つのコントロールユニット（２７，２８）に接続されていることを特徴とする、請求項１から３までのいずれか１項記載のブレーキシステム。
5. 前記ブレーキシステム（１）が、運転者の制動要求を検出するために、操作可能なブレーキエレメント、特にブレーキペダル（３３）を有しており、前記ブレーキ回路（３，４）が前記ブレーキエレメントから持続的に液圧的に遮断されていることを特徴とする、請求項１から４までのいずれか１項記載のブレーキシステム。
6. 前記ブレーキシステム（１）が、前記ブレーキ回路（３，４）の一方または両方に接続されている、少なくとも１つの別の制御可能な圧力発生器（２３，２４）を有していることを特徴とする、請求項１から５までのいずれか１項記載のブレーキシステム。
7. 前記圧力発生器（９，１０）が吸込み側でタンク（２）に接続されており、前記タンク（２）は液圧媒体を収容し、貯蔵し、かつ提供するために構成されていることを特徴とする、請求項１から６までのいずれか１項記載のブレーキシステム。
8. 各ホイールブレーキ（５，６，７，８）に、個別に操作可能な吸入バルブ（１３，１４，１５，１６）および個別に操作可能な吐出バルブ（１７，１８，１９，２０）が対応配設されており、この場合、前記吸入バルブ（１３，１４，１５，１６）が無電流開放式の弁として構成されていることを特徴とする、請求項１から７までのいずれか１項記載のブレーキシステム。
9. 吐出バルブ（１７，１８，１９，２０）が吸込み側で少なくとも１つの前記別の圧力発生器（２３，２４）に接続されていることを特徴とする、請求項１から８までのいずれか１項記載のブレーキシステム。
10. 吐出バルブ（１７，１８，１９，２０）がタンク（２）に接続されていることを特徴とする、請求項１から９までのいずれか１項記載のブレーキシステム。
11. 各ブレーキ回路（３，４）がそれぞれ１つの切替え弁（３１，３２）を有しており、前記切替え弁によって前記ブレーキ回路（３，４）がそれぞれ所属の前記圧力発生器（９，１０）に接続可能であるか、または前記圧力発生器から分離可能であることを特徴する、請求項１から１０までのいずれか１項記載のブレーキシステム。
12. 切替え弁（３１，３２）が前記エマージェンシバルブ（２６）に後置接続されていることを特徴とする、請求項１から１１までのいずれか１項記載のブレーキシステム。
13. 自動車のブレーキシステム（１）、特に請求項１から１２までのいずれか１項記載のブレーキシステム（１）を運転するための方法であって、少なくとも２つのブレーキ回路（３，４）を備えており、前記ブレーキ回路（３，４）がそれぞれ少なくとも１つの液圧式に操作可能なホイールブレーキ（５，６，７，８）とそれぞれ少なくとも１つの電気式に運転可能な圧力発生器（９，１０）とを有しており、この場合、前記圧力発生器（９，１０）が、自動車または自動車の運転者の制動要求に依存して制御可能である方法において、
    各圧力発生器（９，１０）をそれぞれ１つの電動アクチュエータ（１１，１２）によって運転し、前記ブレーキ回路（３，４）を、前記ブレーキ回路（３，４）の間に介在された、通常運転中に前記ブレーキ回路（３，４）を互いに分離するエマージェンシバルブ（２６）の制御によって、エマージェンシ運転のために互いに接続することを特徴とする、自動車のブレーキシステムを運転するための方法。
14. 少なくとも１つの前記ホイールブレーキ（５，６，７，８）における制動力を、前記電動アクチュエータ（１１，１２）のうちの一方の制御だけによって、調節することを特徴とする、請求項１３記載の方法。
15. 少なくとも１つの前記ホイールブレーキ（５，６，７，８）における制動力を、前記ホイールブレーキ（５，６，７，８）の１つに対応配設された少なくとも１つの吸入バルブ（１３，１４，１５，１６）の制御によって調節することを特徴とする、請求項１から１４までのいずれか１項記載の方法。

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