JP2021037443A - 液体凝集剤の希釈溶解装置 - Google Patents

液体凝集剤の希釈溶解装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インラインで比較的低コストで液体凝集剤を希釈溶解可能であり、かつ、液体凝集剤の原液配管において希釈水の侵入を防いで弁構造付近での閉塞を防ぐことが可能な、液体凝集剤の希釈溶解装置を提供する。【解決手段】インラインで希釈溶解される液体凝集剤の希釈溶解装置であって、希釈水配管と、連結する原液配管と、希釈水配管内に配置されており、希釈水と原液配管からの液体凝集剤とを撹拌するラインミキサーを有し、ラインミキサーはエレメント積層型で、1MPa未満の送液圧で撹拌が可能なものであり、原液配管は逆止弁を備え、逆止弁は弁構造とゴム製ノズルを有し、ゴム製ノズルは、液体凝集剤の送液圧により供給口が開いて希釈水配管側に液体凝集剤を供給可能なものであり、弁構造よりも連結部側への希釈水の侵入を防ぐものである液体凝集剤の希釈溶解装置。【選択図】図1

Description

本発明は、液体凝集剤が希釈水中に供給されて撹拌されることによりインラインで希釈溶解される液体凝集剤の希釈溶解装置に関する。
汚泥などを固液分離化する場合、液体凝集剤を添加することで固形成分をフロック化して行っている。
この液体凝集剤は油性・水性のものがあるが、どちらも水(希釈水)に溶解して使用される。水に溶解してよく撹拌しないとすぐにゲル化して希釈溶解装置等における配管の閉塞やダマの生成が起きたり、凝集剤としての能力不足となる。
このような液体凝集剤を希釈水に希釈溶解する装置としては、従来では、例えば配管内にラインミキサーを配置して撹拌しインラインで希釈溶解するものや、タンク内で希釈水と合わせて撹拌羽根でよく撹拌して希釈溶解するものが挙げられる(特許文献1参照)。
特開2006−346632号公報
従来のラインミキサーは、例えば株式会社ノリタケカンパニーリミテド製などの「スパイラル型」と株式会社フジキン製などの「エレメント積層型」がある。スパイラル型では高粘度の凝集剤では撹拌が充分でなく、エレメント積層型では内部で乱流が発生する事により撹拌されるため、撹拌効率が上がるほど抵抗が大きくなり、送液に高圧(1MPa以上)、高流速(2.5m/sec以上)が必要なため、設備が大きく、また高額となる。より具体的には、1MPa以上の送液圧に耐えられるような厚いステンレスやフランジを有する高圧用配管や、送液のための高圧用ポンプ設置のための工事が必要となる。このためコスト高になる。
また、希釈溶解のために別途タンクを用いる場合、従来の連続溶解は液体凝集剤の原液送液用のポンプ・タンク、原液と希釈水を混ぜて撹拌して送液するための希釈溶解ポンプ・タンクが必要であるし、それらの水位や連動制御が必要となり、高額かつ大きな設備が必要である。また未撹拌分が希釈溶解タンクの水面付近の内壁に付着して溶解残りができ、メンテナンスに手間がかかる。メンテナンスをせずに溶解残りを放置しておくと固まってしまい、該固まりが剥がれてタンク内の溶液にそのまま混入してしまうことになる。
またインラインでの希釈溶解において、液体凝集剤の供給は対象排水設備の運転に連動して行われるので、対象排水設備が停止すると溶解設備も停止する。液体凝集剤が送液されるホースからサイフォンがかかり流れ落ちない様に、また希釈水が液体凝集剤側に逆流しないように、液体凝集剤の希釈水への供給点直前に逆止弁が用いられる。しかしながら、逆止弁の弁構造と希釈水への供給点の間の液体凝集剤と希釈水が互いに触れる部分で常にゲルが発生して液体凝集剤を供給するライン(原液配管)を閉塞させる状況が発生する。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、インラインで比較的低コストで液体凝集剤を希釈溶解可能であり、かつ、液体凝集剤の原液配管において希釈水の侵入を防いで弁構造付近での閉塞を防ぐことが可能な、液体凝集剤の希釈溶解装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、液体凝集剤が希釈水中に供給されて撹拌されることによりインラインで希釈溶解される液体凝集剤の希釈溶解装置であって、
前記希釈水が送液される希釈水配管と、
該希釈水配管に連結されており、前記希釈水配管へ供給する前記液体凝集剤が送液される原液配管と、
該原液配管との連結部よりも下流側の前記希釈水配管内に配置されており、前記希釈水と前記原液配管からの前記液体凝集剤とを撹拌するラインミキサーを有しており、
前記ラインミキサーはエレメント積層型であり、かつ、1MPa未満の送液圧で前記希釈水と前記液体凝集剤の撹拌が可能なものであり、
前記原液配管は逆止弁を備えており、
該逆止弁は、前記希釈水配管からの前記希釈水の侵入を防ぐ弁構造と、該弁構造よりも前記希釈水配管との前記連結部側に配置されたゴム製ノズルを有しており、
該ゴム製ノズルは、前記液体凝集剤の送液圧により供給口が開いて前記希釈水配管側に前記液体凝集剤を供給可能なものであり、かつ、前記弁構造よりも前記希釈水配管との前記連結部側への前記希釈水の侵入を防ぐものであることを特徴とする液体凝集剤の希釈溶解装置を提供する。
上記のような1MPa未満という比較的低送液圧で希釈水と液体凝集剤の撹拌が可能なラインミキサーを有しているため、従来装置のように1MPa以上の送液圧に適した高圧用配管や高圧用ポンプ等の特別な部品が無くとも液体凝集剤の希釈溶解が可能である。そのため、配管とは別に希釈溶解用のタンクを有する従来装置はもちろんのこと、また、従来のインラインでの希釈溶解装置(1MPa以上の送液圧が必要)に比べても、低コストでコンパクトな設備のものとなる。コンパクトになれば省スペースであり、装置を設置する用地もより小さなものとすることができ、その面でも低コスト化を図ることができる。
また、上記のようなゴム製ノズルを有する逆止弁を備えているので、希釈水配管側に液体凝集剤を供給可能であるとともに、逆止弁の弁構造よりも希釈水配管との連結部側(すなわち、ゴム製ノズルと弁構造の間。以下、単に弁構造付近とも言う)へ希釈水配管からの希釈水の侵入を防ぐことができる。従来では、装置の稼働を止めたときに弁構造付近に希釈水が侵入し液体凝集剤と混ざりゲル化して、閉塞が生じてしまっていたが、本発明では上記のように希釈水の侵入を防いで弁構造付近の閉塞の発生を防止できる。
また、前記ラインミキサーは、0.3MPa以下の送液圧で前記希釈水と前記液体凝集剤の撹拌が可能なものとすることができる。
このようなものであれば、通常の水道の水圧程度であり、より簡便に希釈水を送液して液体凝集剤を希釈溶解可能である。
また、前記ゴム製ノズルの前記供給口は、スリット状であるものとすることができる。
このようなものであれば、供給口を比較的簡単に形成可能なものであるし、効率的に供給可能なものである。
本発明の液体凝集剤の希釈溶解装置であれば、1MPa以上の高圧用配管が不要で、低送液圧、低コスト、省スペースで液体凝集剤の希釈溶解が可能である。また、装置の稼働が停止した際に、逆止弁の弁構造付近において、液体凝集剤と侵入した希釈水の混合によるゲル化および閉塞化を防ぐことができる。
本発明の液体凝集剤の希釈溶解装置の一例を示す概略図である。 逆止弁の構造の一例を示す概略図である。 ゴム製ノズルの供給口が押し開かれている状態を示す説明図である。 第1エレメントの一例を示す概略図である。 第2エレメントの一例を示す概略図である。 第1エレメントと第2エレメントを積層した例を示す概略図である。 本発明におけるラインミキサーの一例を示す概略図である。 高流速時の原液供給開始からの経過時間と、希釈溶解した液体凝集剤の溶解濃度との関係を示すグラフである。 低流速時の原液供給開始からの経過時間と、希釈溶解した液体凝集剤の溶解濃度との関係を示すグラフである。 参考例、実施例1−3、比較例の評価結果である。
以下、本発明について図面を参照して実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1に本発明の液体凝集剤の希釈溶解装置の一例を示す。本発明の液体凝集剤の希釈溶解装置(以下、単に希釈溶解装置とも言う)1は、液体凝集剤が希釈水中に供給されて撹拌されることによりインラインで希釈溶解されるものであり、まず、希釈水が送液される希釈水配管2と、液体凝集剤が送液される原液配管3を備えている。なお、原液配管3は希釈水配管2に連結されており(連結部4)、液体凝集剤を希釈水配管2に供給できるようになっている。なお、ここでは原液配管3からの液体凝集剤を原液とも言う。
この液体凝集剤としては、例えば、ハイモロックV−330、ハイモロックMX−6125などが挙げられる。
希釈水配管2は希釈水を送液できるものであればよく、その希釈水の供給源として例えばタンク等(不図示)を備えたものとすることもできるが、水道の蛇口等に直接連結することも可能である。また、前処理装置5(例えばフィルター)を配置して、供給源からの希釈水に前処理を施しても良い。その他、適宜、バルブ6やポンプ7を設けることができる。
また、原液配管3も原液を送液できるものであればよく、原液の供給源(不図示のタンクなど)と連結されたホースとすることができる。原液配管についても同様、適宜、バルブやポンプを設けてもよい。
また、原液配管3には逆止弁8が備えられている。図2に逆止弁の構造の一例を示す。この逆止弁8は原液の逆流を防ぐとともに、希釈水配管2からの希釈水の侵入を防ぐ弁構造9と、該弁構造9よりも連結部4側に配置されたゴム製ノズル10を有している。
弁構造9は例えば従来から使用されているものを用いることができ、弁体11をばね12と共に配置したものとすることができるが、特にこれに限定されない。
また、ゴム製ノズル10の材質はゴムであればよく、例えばエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)とすることができる。ゴム製ノズル10の先端にはスリット状の供給口13が形成されており、装置が稼働しておらず、原液が供給されない場合(送液圧が所定値より低い場合)ゴムの弾力によりスリット状の供給口13は閉じられている。一方、原液の送液時は、所定の送液圧を超えるとスリット状の供給口13が押し開かれ、原液が滲み出て吐出するようになっている。図3は原液の送液圧によって供給口13が押し開かれている状態を示している。供給口13の形状は特に限定されず、1つあるいは複数の丸孔などとすることもできるが、ここではスリット状のものを例に挙げて説明する。スリット状であれば、形成が簡単であるし、より効率良く希釈水配管2に向けて原液を供給可能である。
なお、ゴム製ノズル10の配置は上記のように弁構造9よりも連結部4側に配置されていればよく、特に限定されないが、図2のように先端の供給口13が希釈水配管2の内部に挿入されているとより好ましい。また、供給口13のスリットの向きも適宜決定することができる。
原液が送液される場合には、原液の送液圧により弁体11を押し下げて弁構造9内を原液が通過し、さらに原液の送液圧により押し開いた供給口13を介してゴム製ノズル10から原液が排出される。これにより希釈水配管2内に原液が供給可能である。
原液が送液されない場合は、ゴム製ノズル10の供給口13は閉じられているため、希釈水配管2からの希釈水が、逆止弁8において、弁構造9よりも希釈水配管2との連結部4側(言い換えると、弁構造9とゴム製ノズル10との間の弁内空間14)への侵入を防ぐことができる。弁内空間14内は原液のみ存在し、希釈水と混ざり合うこともない。したがって、本発明では原液と希釈水との混合によりゲル化して閉塞することを防ぐことができる。装置稼働を一旦停止し、その後に再稼働する際、閉塞が生じていないため速やかに再稼働することができる。
なお、従来装置では、ゴム製ノズル10を備えていないため、弁内空間において、侵入してきた希釈水と原液とが混ざり合い、ゲル化して閉塞してしまっていた。再稼働の際にはその閉塞を解消のため、逆止弁の洗浄や交換をする必要があり、手間やコストがかかった。
また、本発明の希釈溶解装置1では、インラインでの希釈溶解のため、希釈水配管2内にエレメント積層型のラインミキサー15が配置されている。より具体的には連結部4よりも下流側に配置されており、希釈水配管2内を流れる希釈水と、原液配管3から希釈水配管2に供給される原液とを撹拌するものである。
なお従来装置でもラインミキサーを配置したものはあったが、撹拌には1MPa以上の希釈水の送液圧を必要とするものであった。そのため、希釈水配管やポンプとして高圧用のものをわざわざ工事して設置する必要があり、コスト高となる上、装置自体も比較的大きなものとなってしまっていた。
しかしながら、本発明におけるラインミキサー15は、撹拌に関して比較的抵抗が少なく、1MPa未満での希釈水の送液圧で希釈水と原液とを撹拌可能なものである。したがって、従来のような高圧用の配管やポンプとする必要がなく、大掛かりな設備になるのを防ぎ、低コストでコンパクトな省スペースのものとすることができる。高圧用の特殊なものを用意する必要がなく、通常の配管、ポンプで十分に送液できるレベルであり、低送液圧、低コスト、省スペースを実現することができる。
より好ましくは0.3MPa以下、さらには0.1MPa以下の送液圧で可能なものであれば、通常の水道における水圧程度であり、より簡便に希釈水を送液して撹拌することができる。例えば、ポンプ無しで、希釈水配管2を直接的に水道の蛇口に連結するだけで送液して撹拌することも可能である。
このような1MPa未満の送液圧で希釈水と原液を撹拌可能なエレメント積層型のラインミキサー15について図4A−4Dを参照して説明する。異なる形状のエレメントを交互に積層したものであり、図4Aに第1エレメントの一例を示し、図4Bに第2エレメントの一例を示す。また図4Cに第1エレメントと第2エレメントを積層した例を示す。また図4Dに本発明におけるラインミキサーの一例を示す。
図4Aに示すように、第1エレメント16は、まず、直径の異なる複数のリング17が同心円状に配置されている。ここでは4個のリングが配置されている。そして、複数のリング17の中心位置から見て放射状に伸び、かつ、隣接するリング17同士を連結する複数の架橋18が設けられている。ここではリング間あたり、12個の架橋が配置されている。なお、最外周のリングのみ、隣接するリングと連結する架橋の他に、外側に伸びる連結しない架橋18Aも有している。これらの複数の架橋は例えば周方向に30°間隔で等間隔に配置されている。最内周のリングを除き、各リングから外側および内側に複数の架橋が伸びているが、外側の架橋と内側の架橋の周方向の位置が重ならないように配置されている。
図4Bに示すように、第2エレメント19も同様に複数のリング20と複数の架橋21を有している。リングも架橋も第1エレメント16と同数である。なおリングについては、内側から数えて各番目のリングの直径サイズは、第1エレメント16のリング17よりも第2エレメント19のリング20の方が大きくなっている。また、第1エレメント16の場合とは異なり、最外周のリングには外側に伸びる架橋はなく、最内周のリングにのみ、隣接するリングと連結する架橋の他に、内側に伸びる連結しない架橋21Aも有している。
図4Cに示すように、これらの第1エレメント16および第2エレメント19を積層した場合、リングの直径サイズの差から、平面視において、互いのリングの位置が重ならないようになっている。なお、2つのエレメントの違いが分かりやすいように、ここでは第2エレメント19を太い点線で表している。
また、周方向の回転調整により、平面視において、第1エレメント16の最外周のリングから外側に伸びる連結しない架橋18Aと、第2エレメント19の最外周のリングとそれに隣接するリングを連結する架橋21の位置が重ならないようになっている。同時に、隣接するリング同士を連結する架橋においては、平面視において、第1エレメント16の架橋と第2エレメント19の架橋の位置は一部重なっている。
図4Dに示すように、ラインミキサー15は、このような積層を1つ以上重ねて両側をリング板22と円板23で挟んだものであり、連結部4よりも下流側の希釈水配管2内に配置される。構成が分かりやすいように各要素の間をあけて図示している。なお、リング板22、円板23、第1エレメント16、第2エレメント19は不図示の複数の軸棒により互いに連結されて固定されている。
原液が供給された希釈水はリング板22の中心の穴を通過し、第1エレメント16および第2エレメント19を通過する際に、リングや架橋と衝突して撹拌されつつ上流から下流へ、また、2つのエレメントの半径方向に流れ、反対側の円板23と希釈水配管2との隙間を通過する。なお、2つのエレメントの両側に配置する板は上記形状に限定されない。例えば、円板23の替わりに中心に穴の開いた別のリング板などを用いることもできる。
このようなラインミキサー15によって、原液を十分に希釈溶解することができる。しかも上述したように1MPa未満の送液圧で可能である。
また、希釈水の送液の流速の高低に関わらず、十分撹拌して希釈溶解可能である。例えば1m/sの高流速でも、0.2m/sのような低流速でも十分に撹拌できる。図1〜4Dに示す希釈溶解装置1において、原液供給開始からの経過時間と、希釈溶解した液体凝集剤の溶解濃度との関係を図5、6に示す。図5は高流速(1m/s)、設定溶解濃度が0.16%の場合であり、図6は低流速(0.2m/s)、設定溶解濃度が0.35%の場合である。
高流速時では30秒後には設定溶解濃度付近に到達しており、低流速時では1分後には設定溶解濃度付近に到達している。このように速やかに希釈溶解可能である。
このような静的ラインミキサーとしては、例えばアイセル株式会社製のエレメント積層型ミキサーが挙げられる。当然、ラインミキサー15は上記例に限定されず、1MPa未満の送液圧で撹拌可能なものであれば良い。
なお、そもそも従来では、ラインミキサーを用いてインラインで液体凝集剤の原液を希釈溶解する場合、1MPa以上の送液圧が必要であるとの考えが業界内では浸透しており、そのため高圧用の設備が必須とされていた。しかしながら、本発明者が鋭意研究した結果、液体凝集剤の分野においては、1MPa未満の送液圧でもインラインで十分に撹拌して希釈溶解可能であることを見出し、加えて、前述した逆止弁における閉塞の課題を解決可能な機構を見出し、上記本発明を完成させた。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(参考例、実施例1−3)
図1〜4Dに示す本発明の希釈溶解装置1を用いて、液体凝集剤の原液(ハイモロックV−330)の希釈溶解を行った。1MPa未満の送液圧で撹拌可能なラインミキサー15を希釈水配管2内に配設し、ばね付き弁構造9とゴム製ノズル10を備えた逆止弁8を原液配管3に配設した。
なお希釈水配管を水道の蛇口に連結し、希釈水として水道水を用いた。希釈水の送液は水道の蛇口をひねるだけで行い、別途、送液ポンプは配設しなかった。希釈水の送液圧は0.3MPa、流速は1m/sとした。
原液の送液量を変え、原液添加濃度が20ppm(参考例)、22ppm(実施例1)、24ppm(実施例2)、26ppm(実施例3)の希釈溶解した液体凝集剤(溶解液)を作製した。なお、原液添加濃度は、凝集剤原体濃度に換算した値である。各々、原液供給開始から5秒経過後に希釈溶解装置1から得られた溶解液である。
そして、作製した溶解液を用いて凝集試験を行った。対象水とてMLSS(活性汚泥浮遊物質)が3000mg/Lの汚泥を用意し、溶解液を添加してフロックを生じさせ、評価を行った。
(比較例)
従来装置における希釈溶解タンクを模して、希釈水を入れたビーカー内に液体凝集剤の原液を添加し、スターラーを用いて30分間撹拌してエイジングを行うことにより、原液添加濃度が20ppmの溶解液を作製した。
そして、実施例1等と同様の凝集試験を行って評価を行った。
参考例、実施例1−3、比較例の評価結果をまとめたものを図7に示す。
フロックの沈降性はいずれも良かった。
フロックサイズは従来法による比較例が2−3mmであるのに比べ、参考例では1−2mmであり、やや小さかった。実施例1では1.5−2.5mm程度であり、比較例とほぼ同等であった。実施例2では2−3mmであり比較例と同程度であった。また実施例3では3mm程度であり、比較例よりもより多く凝集できた。
原料添加濃度と合わせて考えると、希釈溶解タンクを用いた従来装置で作製した溶解液と同程度以上の凝集能力を得るには、本発明の希釈溶解装置で希釈水に供給する原液の量は、一見すると、少なくとも比較例と同程度の量、さらには1、2割ほど多く必要になると考えられる。
しかしながら、前述したように、従来装置の希釈溶解タンクの内壁には供給した原液が付着して溶解残りが生じる。この溶解残りの量を考慮すると、実際のところ、同程度の溶解液中の原液添加濃度を得るのに必要な原液量は同程度になると考えられる。言い換えると、同じ原液量で、本発明により従来よりも同程度以上の凝集能力を有する溶解液を作製できることになる。
また、上記実施例等とは別に、逆止弁の弁構造付近(弁内空間)の閉塞について実験したところ、高圧用配管等を用いたインラインでの従来の希釈溶解装置(ゴム製ノズル無し)では2日で弁構造付近がゲル化して閉塞してしまった。一方で本発明の希釈溶解装置では、5か月間使用した状態でも閉塞は生じていなかった。すなわち、低コストかつコンパクトな装置で、逆止弁の閉塞なしに溶解液を作製し続けることができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…本発明の液体凝集剤の希釈溶解装置、 2…希釈水配管、 3…原液配管、
4…希釈水配管と原液配管の連結部、 5…前処理装置、 6…バルブ、
7…ポンプ、 8…逆止弁、 9…弁構造、 10…ゴム製ノズル、
11…弁体、 12…ばね、 13…供給口、 14…弁内空間、
15…ラインミキサー、 16…第1エレメント、 17…第1エレメントのリング、
18、18A…第1エレメントの架橋、 19…第2エレメント、
20…第2エレメントのリング、 21、21A…第2エレメントの架橋、
22…リング板、 23…円板。

Claims (3)

  1. 液体凝集剤が希釈水中に供給されて撹拌されることによりインラインで希釈溶解される液体凝集剤の希釈溶解装置であって、
    前記希釈水が送液される希釈水配管と、
    該希釈水配管に連結されており、前記希釈水配管へ供給する前記液体凝集剤が送液される原液配管と、
    該原液配管との連結部よりも下流側の前記希釈水配管内に配置されており、前記希釈水と前記原液配管からの前記液体凝集剤とを撹拌するラインミキサーを有しており、
    前記ラインミキサーはエレメント積層型であり、かつ、1MPa未満の送液圧で前記希釈水と前記液体凝集剤の撹拌が可能なものであり、
    前記原液配管は逆止弁を備えており、
    該逆止弁は、前記希釈水配管からの前記希釈水の侵入を防ぐ弁構造と、該弁構造よりも前記希釈水配管との前記連結部側に配置されたゴム製ノズルを有しており、
    該ゴム製ノズルは、前記液体凝集剤の送液圧により供給口が開いて前記希釈水配管側に前記液体凝集剤を供給可能なものであり、かつ、前記弁構造よりも前記希釈水配管との前記連結部側への前記希釈水の侵入を防ぐものであることを特徴とする液体凝集剤の希釈溶解装置。
  2. 前記ラインミキサーは、0.3MPa以下の送液圧で前記希釈水と前記液体凝集剤の撹拌が可能なものであることを特徴とする請求項1に記載の液体凝集剤の希釈溶解装置。
  3. 前記ゴム製ノズルの前記供給口は、スリット状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体凝集剤の希釈溶解装置。
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