JP2021036757A - ギヤードモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ギヤードモータの耐震性能を向上させる。【解決手段】ロータおよびステータを有するモータと、前記モータの出力軸に装着される歯車部材と、前記モータおよび前記歯車部材を収容するケースと、を備え、前記ケース内には、該ケース内における位置が固定された部位または部材である位置決め部が設けられ、前記歯車部材はその軸線方向における両側への移動が前記位置決め部により制限され、前記ケース内において前記歯車部材がその軸線方向に移動可能な範囲は、前記出力軸の軸線方向のクリアランスよりも小さいことを特徴とするギヤードモータにより解決する。【選択図】図3
Description
本発明はギヤードモータの耐震技術に関する。
下記特許文献1には、ウォーム(22A)をコイルばね(40A,40B)でその軸線方向に付勢し、モータ(20)の駆動時におけるウォームギヤ(22A,27)の高負荷状態(ウォームの軸線方向への移動)を透過型フォトインタラプタ(50A,50B)で検知することにより、ウォームギヤの損傷を防ごうとするギヤードモータ(1)が開示されている。
ウォームギヤ(ウォームおよびウォームホイール)は、互いの歯面を滑らせて回転を伝達する。ウォームギヤを用いたギヤードモータを振動に晒される環境下で使用する場合、振動によりウォームとウォームホイールの歯面が小刻みに衝突し、騒音や欠歯を生じるおそれがある。また、ギヤードモータの駆動源がブラシ付モータである場合、ブラシ付モータの出力軸と一体化されたロータがその軸線方向に振動することで、ブラシの摩耗を加速させるおそれがある。
上記問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、ギヤードモータの耐震性能を向上させることにある。
上記課題を解決するため、本発明のギヤードモータは、ロータおよびステータを有するモータと、前記モータの出力軸に装着される歯車部材と、前記モータおよび前記歯車部材を収容するケースと、を備え、前記ケース内には、該ケース内における位置が固定された部位または部材である位置決め部が設けられ、前記歯車部材はその軸線方向における両側への移動が前記位置決め部により制限され、前記ケース内において前記歯車部材がその軸線方向に移動可能な範囲は、前記出力軸の軸線方向のクリアランスよりも小さいことを特徴とする。
歯車部材のその軸線方向への移動をケース内における位置が固定された位置決め部で制限することにより、振動による歯車部材のガタツキを軽減することができる。また、歯車部材とモータの出力軸とが一体的に固定されている場合、出力軸のガタツキも軽減される。
このとき、前記歯車部材はウォームギヤを構成するねじ歯車であることが好ましい。本発明では歯車部材の軸線方向への移動が位置決め部により制限される。そのため、歯車部材がねじ歯車(ウォーム)であっても、ウォームホイールとの歯面の衝突やこれに伴う騒音が抑えられる。
また、本発明のギヤードモータは、前記歯車部材のその軸線方向における前記モータ側の端部を該歯車部材の後端としたときに、前記歯車部材は、その外周面に歯部が形成されたギヤ部と、該ギヤ部よりも後端側に設けられた軸部である後端側軸部と、を有し、前記後端側軸部は、その軸線方向における一部の直径が拡大されたフランジ状部を有し、前記位置決め部は、前記後端側軸部を回転可能に支持する後端側軸受部を有し、前記歯車部材は、前記フランジ状部が前記後端側軸受部に係合することにより、前記モータ側への移動が制限される構成とすることが好ましい。歯車部材を後端側軸受部で支持することにより、歯車部材の回転中心の位置精度を高めることができる。また、後端側軸受部を位置決め部の一部としても利用することによりギヤードモータの構造効率が高められる。
このとき、前記後端側軸受部は前記ケースの一部であることが好ましい。ケースの一部が後端側軸受部(位置決め部)を構成することにより、ケース内における後端側軸受部の位置精度が最大化されるとともに、後端側軸受部を別途製造したり組み付けたりする工程を省略することができる。
また、本発明のギヤードモータは、前記モータのモータケースにより前記ケース内における位置が固定されるアダプタ部材をさらに備え、前記モータは前記ケースに移動不能に固定され、前記位置決め部の、前記歯車部材が前記モータ側へ移動することを制限する部位が、前記アダプタ部材により構成されていてもよい。ケースとは別にアダプタ部材を用意し、ケースに固定されたモータケースの位置を基準としてアダプタ部材により歯車部材のモータ側への移動を制限することにより、既存のギヤードモータに対して事後的に本発明の耐震構造を付加することが可能となる。また、歯車部材のサイズや形状が一つではない場合に、アダプタ部材のみを変更することで様々な歯車部材に対応することが可能となる。
このとき、前記アダプタ部材は金属製であり、前記歯車部材の前記アダプタ部との接触部は樹脂製であることが好ましい。これにより金属部品同士の摩耗や腐食を防ぐことができる。
また、本発明のギヤードモータは、前記歯車部材のその軸線方向における前記モータ側とは反対側の端部を該歯車部材の先端としたときに、前記位置決め部は、前記歯車部材の先端が突き当たる面である先端側壁部を有することが好ましい。このとき、前記先端側壁部は前記ケースの内面であることがより好ましい。ケースの内面が先端側壁部(位置決め部)を構成することにより、ケース内における先端側壁部の位置精度が最大化されるとともに、先端側壁部を別途製造したり組み付けたりする工程を省略することができる。
また、本発明のギヤードモータは、前記歯車部材のその軸線方向における前記モータ側の端面に前記出力軸が差し込まれる穴部が形成されており、前記出力軸は、前記穴部に、前記歯車部材と前記出力軸とが一体的に固定される程度に圧力をかけて押し込まれることが好ましい。本発明のギヤードモータは、振動による歯車部材のガタツキが位置決め部により制限される。歯車部材と出力軸とが一体的に固定されることで、歯車部材とともに出力軸のガタツキも抑えられる。
その他、本発明のギヤードモータは、前記出力軸のその軸線方向における任意の位置に固定される結合部材をさらに備え、前記モータは前記ケースに移動不能に固定され、前記歯車部材のその軸線方向における前記モータ側の端面には、前記結合部材が嵌入される嵌合穴が形成されており、前記結合部材を前記出力軸の軸線方向に見たときの外周形状は非真円形状であり、前記嵌入穴は前記結合部材と周方向に係合する形状であり、前記歯車部材が装着され前記ケースに収容された前記出力軸がその軸線方向に移動可能な範囲が、前記出力軸の軸線方向のクリアランスよりも小さくなる構成としてもよい。歯車部材と出力軸とが一体的に固定されない構成であっても、結合部材を備え、出力軸が歯車部材に嵌合されたときの出力軸のその軸線方向における位置を調節可能とすることにより、出力軸をその限界までモータの奥に差し込んだ状態で出力軸の位置を固定することができる。これにより出力軸のガタツキが軽減される。
また、本発明のギヤードモータは、前記モータがブラシ付モータであることが好ましい。本発明のギヤードモータは、振動による歯車部材のガタツキが位置決め部により制限され、これに結合された出力軸のガタツキも軽減される。これにより、振動に晒される環境下で使用した場合でも、ブラシの過度な摩耗が防止される。
このように、本発明によれば、ギヤードモータの耐震性能を向上させることができる。
[構成概要]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本実施形態に係るギヤードモータ1の透視斜視図である。以降の説明において、「上」および「下」とは、図1等に描かれた座標軸表示のZ軸に平行な方向をいい、Z1側を「上」、Z2側を「下」とする。「前」および「後ろ」とは、同座標軸表示のX軸に平行な方向をいい、X1側を「前」、X2側を「後ろ」とする。同様に、「左右」とは同座標軸表示のY軸に平行な方向をいう。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本実施形態に係るギヤードモータ1の透視斜視図である。以降の説明において、「上」および「下」とは、図1等に描かれた座標軸表示のZ軸に平行な方向をいい、Z1側を「上」、Z2側を「下」とする。「前」および「後ろ」とは、同座標軸表示のX軸に平行な方向をいい、X1側を「前」、X2側を「後ろ」とする。同様に、「左右」とは同座標軸表示のY軸に平行な方向をいう。
ギヤードモータ1は、ブラシ付DCモータ2(以下、単に「モータ2」という。)の回転を減速歯車列により減速し、出力部442を回転させるモータユニットである。ギヤードモータ1は、作動時に振動を生じる上位装置に組み付けられて使用される。
ギヤードモータ1の出力部442の先端面(上面)には、内周面にセレーションが刻まれた嵌合穴443が形成されている。嵌合穴443には図示しない他の装置の連結部が嵌合される。本形態の出力部442の連結構造は一例に過ぎず、他の装置の連結部の形状に応じて適宜変更可能である。
ギヤードモータ1の構成部品を収容するケース5の上蓋である上ケース51には、出力部442をケース外に露出させる開口リブ511が設けられている。開口リブ511は、上ケース51の開口部の周縁が円筒状に肉厚に形成された部位である。開口リブ511の上面は、その内周面側の縁部が環状に窪んでおり、その窪みにはOリング59が配置されている。Oリング59は、ギヤードモータ1と他の装置との連結部に生じる隙間を塞ぎ、機構内に水分や塵埃が侵入することを防止する。なお、後述する図3に示されるように、ギヤードモータ1では、上ケース51と下ケース52との嵌合部にも環状のゴムパッキン53が設けられており、ギヤードモータ1単体での気密性も確保されている。
[動力伝達機構]
図2は、ギヤードモータ1の平面図である。図2ではケース5の上ケース51が取り外されている。図2に示されるように、モータ2と、出力部442を有する歯車部材である第4歯車44との間には、減速歯車列を構成するウォーム3、第1歯車41、第2歯車42、および第3歯車41が配置されている。ウォーム3はモータ2の出力軸213に装着されたねじ歯車部材である。第1歯車41から第3歯車43は、ピッチ円径の異なる歯車が軸線方向に一体化された複合歯車である。また、第1歯車41から第3歯車43は、ケース5内に設けられた固定軸49に回転可能に支持されている。
図2は、ギヤードモータ1の平面図である。図2ではケース5の上ケース51が取り外されている。図2に示されるように、モータ2と、出力部442を有する歯車部材である第4歯車44との間には、減速歯車列を構成するウォーム3、第1歯車41、第2歯車42、および第3歯車41が配置されている。ウォーム3はモータ2の出力軸213に装着されたねじ歯車部材である。第1歯車41から第3歯車43は、ピッチ円径の異なる歯車が軸線方向に一体化された複合歯車である。また、第1歯車41から第3歯車43は、ケース5内に設けられた固定軸49に回転可能に支持されている。
ウォーム3は、ウォームホイールである第1歯車41の大径歯車部411と噛合している。第1歯車41の小径歯車部411は第2歯車42の大径歯車部421と噛合しており、第2歯車42の小径歯車部422は、第3歯車43の大径歯車部431と噛合している。そして、第3歯車43の小径歯車部432は第4歯車44の歯車部441と噛合している。これら減速歯車列によりモータ2の回転は減速され、出力部442に伝達される。
[耐震構造]
図3は、ギヤードモータ1の側面視断面図である。以下、図3を参照してギヤードモータ1の耐震構造について説明する。
図3は、ギヤードモータ1の側面視断面図である。以下、図3を参照してギヤードモータ1の耐震構造について説明する。
(モータの構成)
モータ2は一般的な構造のブラシ付モータである。モータ2は、モータケース29の内周面に環状に貼付された永久磁石であるステータ23、ステータ23の環内に配置されたロータ21、およびロータ21に電力を供給するブラシ22により構成されている。ロータ21は、電機子コイル211、整流子212、および出力軸213を有しており、これらは周方向に一体的に回転する。
モータ2は一般的な構造のブラシ付モータである。モータ2は、モータケース29の内周面に環状に貼付された永久磁石であるステータ23、ステータ23の環内に配置されたロータ21、およびロータ21に電力を供給するブラシ22により構成されている。ロータ21は、電機子コイル211、整流子212、および出力軸213を有しており、これらは周方向に一体的に回転する。
モータ2は、ケース5の内面からケース5内に延出した壁状の部位であるモータ固定部57を有している。モータ2は、モータ固定部57により上下・左右・前後への移動が制限されることでケース5内における位置が固定されている。
出力軸213は、モータケース29をその軸線方向に貫通しており、モータケース29の前端部に設けられたベアリング281、およびモータケース29の後端部に設けられたベアリング282により回転可能に支持されている。出力軸213とベアリング281,282とは固定されておらず、出力軸213は、電機子コイル211の前端とベアリング281との間の隙間、および整流子212の後端とベアリング282との間の隙間を足した隙間であるクリアランスC2の範囲内で自由に動くことができる。なお、本発明のモータはブラシ付モータには限られず、ブラシレスモータであってもよい。
(ウォームの構造)
モータ2の出力軸213にはウォームギヤを構成するウォーム3が装着されている。ウォーム3は、その外周面にねじ歯車が切られたギヤ部32、ギヤ部32よりも先端(前端)側に設けられた軸部である先端側軸部31、および、ギヤ部32よりも後端側に設けられた軸部である後端側軸部33を有している。
モータ2の出力軸213にはウォームギヤを構成するウォーム3が装着されている。ウォーム3は、その外周面にねじ歯車が切られたギヤ部32、ギヤ部32よりも先端(前端)側に設けられた軸部である先端側軸部31、および、ギヤ部32よりも後端側に設けられた軸部である後端側軸部33を有している。
このうち後端側軸部33は、その先端側から後端側に向かって、順に、小径部331、フランジ状部332、および大径部333を有している。小径部331はギヤ部32から連続する部位であり、ギヤ部32と同じ直径の軸部である。フランジ状部332は、ウォーム3の直径が鍔状に拡大された部位である。大径部333はフランジ状部332よりも直径の小さな軸部である。また、後端側軸部33の後端面34には、後述する結合部材24と出力軸213とが嵌入される嵌入穴38が形成されている。
(位置決め部)
ケース5内には、ウォーム3の先端側軸部31を回転可能に支持する軸受部である先端側軸受部55、ウォーム3の後端側軸部33を回転可能に支持する軸受部である後端側軸受部56、ウォーム3の先端が突き当たる面である先端側壁部54が設けられている。
ケース5内には、ウォーム3の先端側軸部31を回転可能に支持する軸受部である先端側軸受部55、ウォーム3の後端側軸部33を回転可能に支持する軸受部である後端側軸受部56、ウォーム3の先端が突き当たる面である先端側壁部54が設けられている。
先端側軸受部55は、上ケース51からケース5の内部に延出した柱状の部位と、下ケース52のうちケース5の前面にあたる壁部の内面に設けられた柱状の部位とにより構成されている。これら柱状部は上ケース51および下ケース52が結合されたときに一続きの柱上部を形成する。各柱状部を前後方向から見たときに、これら柱状部の対向面には半円形状の窪みが設けられている。上ケース51および下ケース52が結合され、その窪みが上下につながることで、先端側軸部31を支持する円形の穴が形成される(図1参照)。また、先端側軸受部55の穴の奥には、先端側軸部31の先端3aが突き当たる面である先端側壁部54が設けられている。先端側壁部54は下ケース52の内面である。
同様に、後端側軸受部56は、上ケース51および下ケース52からケース5の内部に延出した壁状の部位により構成されている。これら壁状部は上ケース51および下ケース52が結合されたときに一続きの壁状部を形成する。各壁状部を前後方向から見たときに、これら壁部の対向面には、互いに対応する位置に半円形状の窪みが設けられている。上ケース51および下ケース52が結合され、その窪みが上下につながることで、後端側軸部33を支持する円形の穴が形成される(図1参照)。後端側軸受部56は後端側軸部33の大径部333を支持している。
ここで、ギヤードモータ1は、ウォーム3のその軸線方向における両側への移動を制限する位置決め部Pを有している。位置決め部Pは、ケース5内における位置が固定された部位または部材であり、本形態では、先端側壁部54および後端側軸受部56が位置決め部Pを構成している。
ウォーム3の先端側への移動は、ウォーム3の先端3aが先端側壁部54に当接することにより制限され、ウォーム3の後端側への移動は、ウォーム3のフランジ状部332が後端側軸受部56に係合することで制限される。ケース5内においてウォーム3がその軸線方向に動くことができる範囲であるクリアランスC1は、クリアランスC2よりも小さい。つまり、ウォーム3の軸線方向のクリアランスは、出力軸213の軸線方向のクリアランスよりも小さい。
ギヤードモータ1では、ウォーム3のその軸線方向への移動を位置決め部Pで制限することにより、振動によるウォーム3のガタツキが軽減されている。仮にギヤードモータ1が位置決め部Pを備えない場合、ウォーム3は出力軸213のクリアランスC2の範囲でガタツキを生じさせることとなる。特に、ウォームギヤ(ウォーム3およびウォームホイール411)は、互いの歯面を滑らせて回転を伝達する。ウォームギヤを有するギヤードモータ1を振動に晒される環境下で使用する場合、振動によりウォーム3とウォームホイール411の歯面が小刻みに衝突し、騒音や欠歯を生じるおそれがある。ギヤードモータ1では、位置決め部Pによりウォーム3のクリアランスC1を最小限に抑えることで、このような問題を解消している。
また、ギヤードモータ1では、位置決め部Pがいずれもケース5の一部により構成されており、組立時の誤差や公差を考慮する必要がない。これによりケース5内における位置決め部Pの位置精度が最大化されるとともに、位置決め部Pを構成する部材を別途製造したり組み付けたりする工程が省略されている。また、本形態では、ウォーム3が先端側軸受部55および後端側軸受部56で支持されていることにより、ウォーム3の回転中心の位置精度も高められている。さらに、後端側軸受部56が位置決め部Pの一部としても利用されていることによりギヤードモータ1の構造効率が全体として高められている。
(ウォームおよびモータ出力軸の結合構造)
図4は、モータ2の出力軸213とウォーム3との嵌合構造を示す分解斜視図である。
図4は、モータ2の出力軸213とウォーム3との嵌合構造を示す分解斜視図である。
モータ2の出力軸213には、その軸線方向における任意の位置に結合部材24が固定されている。結合部材24は、板面に貫通穴242が設けられた平板状の小片であり、金属製の部材である。出力軸213は、結合部材24の中央に形成された貫通穴242に挿通され、容易には抜き取れない強度で固定されている。結合部材24を出力軸213の軸線方向に見たときの外周形状は略小判形であり、その円周方向における対称位置には一対の直線部241が設けられている。
ウォーム3の後端面34には、出力軸213および結合部材24が嵌入される嵌合穴38が形成されている。嵌入穴38の周方向の形状は結合部材24の外形と略同一である。これにより嵌入穴38と結合部材24とは周方向に係合し、出力軸213とウォーム3とが周方向に一体的に回転する。なお、結合部材24と嵌入穴38とを周方向に係合させる構造は本形態のものには限られず、結合部材24が非真円形状であり、嵌入穴38の形状がこれと周方向に係合可能な形状であればよい。
本形態のギヤードモータ1では、結合部材24は出力軸213とともに嵌入穴38に押し込まれ、容易には抜き取れない強度で嵌入穴38に固定される。
上でも述べたように、ギヤードモータ1では位置決め部Pによりウォーム3のガタツキが制限される。ウォーム3と出力軸213とが結合部材24を介して一体的に固定されることで、ウォーム3とともに出力軸213のガタツキも抑えられる。特に、ギヤードモータ1では、モータ2がブラシ付モータである。モータ2の出力軸213やロータ21がその軸線方向に小刻みに振動すると、ブラシ22の摩耗が加速されるおそれがある。出力軸213のガタツキが抑えられることで、振動に晒される環境下であってもブラシ22の過度な摩耗が防止される。
図5は、モータ2の出力軸213とウォーム3とを結合する他の構造を示す側面視断面図である。ウォーム3に対して出力軸213を一体的に固定するうえで結合部材24は必須ではない。図5に示すように、ウォーム3の後端面34に出力軸213の直径よりも僅かに小さな穴部39を設け、穴部39に対して、ウォーム3と出力軸213とが一体的に固定される程度に圧力をかけて出力軸213を押し込むことで出力軸213のガタツキ防止効果は得られる。
その他、図3に示す例において、例えば結合部材24の外形寸法を嵌入穴38の寸法よりも小さくし、結合部材24の前後方向における位置が嵌入穴38に固定されない構造とすることも可能である。その場合、ウォーム3と出力軸213との嵌合時における相対位置を結合部材24で調節することにより出力軸213のクリアランスC2を除去することができる。より具体的には、結合部材24が嵌入穴38の底部に突き当たるまで出力軸213を嵌入穴38に差し込んだときに、出力軸213がその限界までモータ2の奥に差し込まれていれば、出力軸213はその前方への移動も後方への移動も制限されることとなる。すなわち、出力軸213のその軸線方向における位置がウォーム3に固定されていなくても、ウォーム3と出力軸213との嵌合の深さを結合部材24で調節することにより出力軸213のガタツキを抑えることができる。
[他の実施形態]
図6および図7は、ギヤードモータ1の他の実施形態であるギヤードモータ1bの構成を示す図である。図6はギヤードモータ1bの透視斜視図である。図7はギヤードモータ1bの側面視断面図である。なお、以下の説明では、先の実施形態の各構成と同様の構成については、先の実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6および図7は、ギヤードモータ1の他の実施形態であるギヤードモータ1bの構成を示す図である。図6はギヤードモータ1bの透視斜視図である。図7はギヤードモータ1bの側面視断面図である。なお、以下の説明では、先の実施形態の各構成と同様の構成については、先の実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ギヤードモータ1bは、モータ2のモータケース29によりケース5内における位置が定められるアダプタ部材6を備えており、先の実施形態における後端側軸受部56、およびモータ固定部57の一部が省略されている。なお、ギヤードモータ1bでは、モータ2は図示しないねじでケース5に接合されている。
アダプタ部材6はコの字形に折り曲げられた金属製の板材である。アダプタ部材6はそのコの字の開口を上に向けるように配置されている。アダプタ部材6は、板面が前後に向けられた前側板部61および後ろ側板部62と、これら前側板部61および後ろ側板部62を接続し、またこれら板部61,62の間隔を定める接続部63とにより構成されている。
前側板部61および後ろ側板部62の板面には貫通穴が設けられている。前側板部61の貫通穴にはウォーム3の大径部333が、後ろ側板部62の貫通穴にはモータケース29の前面に設けられた凸部291が挿通されている。なお凸部291の内部にはベアリング281が収められている。ギヤードモータ1bでは、アダプタ部材6の前側板部61が、位置決め部Pのうちウォーム3がモータ2側へ移動することを制限する部位、すなわち先の実施形態における後端側軸受部56に相当する部位を担っている。なお、本形態のウォーム3は樹脂製であり、金属部品同士の摩耗や腐食は生じない。また、本形態のアダプタ部材6は、後ろ側板部62の貫通穴にモータケース29の凸部291を挿通することでアダプタ部材6をモータケース29に固定しているが、後ろ側板部62は必須の構成ではなく、モータケース29によりアダプタ部材6の位置を固定可能であればその具体的な形状や構造は問わない。
ギヤードモータ1bでは、ケース5とは別にアダプタ部材6を用意し、ケース5に固定されたモータケース29の位置を基準としてアダプタ部材6によりウォーム3のモータ2側への移動を制限することにより、既存のギヤードモータに対して事後的に本発明の耐震構造を付加することが可能とされている。また、ウォーム3のサイズや形状が一つではない場合でも、アダプタ部材6のみを変更することで様々なウォーム3に対応することが可能である。なお、アダプタ部材6には、先の実施形態における後端側軸受部56に相当する部位(前側板部61)だけでなく、形状を工夫することで先端側壁部54に相当する部位をもたせることも可能である。
図8はアダプタ部材6の変形例であるアダプタ部材6bの構造を示す側面視断面図である。アダプタ部材6の前側板部61はウォーム3の大径部333が挿通される貫通穴を有する軸受部であるが、アダプタ部材6bの前側板部64は、ウォーム3の後端面64が突き当たる壁部である。これにより、既存のより多様な種類のギヤードモータに対して本発明の耐震構造を付加することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
1,1b:ギヤードモータ,2:ブラシ付DCモータ(モータ),21:ロータ,22:ブラシ,23:ステータ,24:結合部材,241:直線部,C1,C2:クリアランス,29:モータケース,3:ウォーム(ねじ歯車,歯車部材),3a:先端,31:先端側軸部,32:ギヤ部,33:後端側軸部,331:小径部,332:フランジ状部,333:大径部,34:後端面,38:勘合穴,39:穴部,5:ケース,51:上ケース,52:下ケース,P:位置決め部,54:先端側壁部(位置決め部),55:先端側軸受部,56:後端側軸受部(位置決め部),57:モータ固定部,6,6b:アダプタ部材(位置決め部),61,64:前側壁部(位置決め部),62:後ろ側壁部,63:接続部
Claims (11)
- ロータおよびステータを有するモータと、
前記モータの出力軸に装着される歯車部材と、
前記モータおよび前記歯車部材を収容するケースと、を備え、
前記ケース内には、該ケース内における位置が固定された部位または部材である位置決め部が設けられ、
前記歯車部材はその軸線方向における両側への移動が前記位置決め部により制限され、
前記ケース内において前記歯車部材がその軸線方向に移動可能な範囲は、前記出力軸の軸線方向のクリアランスよりも小さいことを特徴とするギヤードモータ。 - 前記歯車部材はウォームギヤを構成するねじ歯車であることを特徴とする請求項1に記載のギヤードモータ。
- 前記歯車部材のその軸線方向における前記モータ側の端部を該歯車部材の後端としたときに、
前記歯車部材は、その外周面に歯部が形成されたギヤ部と、該ギヤ部よりも後端側に設けられた軸部である後端側軸部と、を有し、
前記後端側軸部は、その軸線方向における一部の直径が拡大されたフランジ状部を有し、
前記位置決め部は、前記後端側軸部を回転可能に支持する後端側軸受部を有し、
前記歯車部材は、前記フランジ状部が前記後端側軸受部に係合することにより、前記モータ側への移動が制限されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のギヤードモータ。 - 前記後端側軸受部は前記ケースの一部であることを特徴とする請求項3に記載のギヤードモータ。
- 前記モータのモータケースにより前記ケース内における位置が固定されるアダプタ部材をさらに備え、
前記モータは前記ケースに移動不能に固定され、
前記位置決め部の、前記歯車部材が前記モータ側へ移動することを制限する部位は、前記アダプタ部材により構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のギヤードモータ。 - 前記アダプタ部材は金属製であり、前記歯車部材の前記アダプタ部との接触部は樹脂製であることを特徴とする請求項5に記載のギヤードモータ。
- 前記歯車部材のその軸線方向における前記モータ側とは反対側の端部を該歯車部材の先端としたときに、
前記位置決め部は、前記歯車部材の先端が突き当たる面である先端側壁部を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のギヤードモータ。 - 前記先端側壁部は前記ケースの内面であることを特徴とする請求項7に記載のギヤードモータ。
- 前記歯車部材のその軸線方向における前記モータ側の端面には、前記出力軸が差し込まれる穴部が形成されており、
前記出力軸は、前記穴部に、前記歯車部材と前記出力軸とが一体的に固定される程度に圧力をかけて押し込まれることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のギヤードモータ。 - 前記出力軸のその軸線方向における任意の位置に固定される結合部材をさらに備え、
前記モータは前記ケースに移動不能に固定され、
前記歯車部材のその軸線方向における前記モータ側の端面には、前記結合部材が嵌入される嵌合穴が形成されており、
前記結合部材を前記出力軸の軸線方向に見たときの外周形状は非真円形状であり、前記嵌入穴は前記結合部材と周方向に係合する形状であり、
前記歯車部材が装着され前記ケースに収容された前記出力軸がその軸線方向に移動可能な範囲は、前記出力軸の軸線方向のクリアランスよりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のギヤードモータ。 - 前記モータはブラシ付モータであることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のギヤードモータ。
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JP2019158238A JP2021036757A (ja) | 2019-08-30 | 2019-08-30 | ギヤードモータ |
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- 2019-08-30 JP JP2019158238A patent/JP2021036757A/ja active Pending
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