JP2021036562A - 物品の製造方法 - Google Patents

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元気 米倉
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芳則 江尻
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Abstract

【課題】基材と、その表面上に形成された金属の焼結体層とを備える物品であって、基材に対する焼結体層の優れた密着性と焼結体層の優れた導電性の両方が十分に高水準である物品を提供するための物品の製造方法を提供すること。【解決手段】基材の表面に粗化処理を施す工程と、粗化処理が施された基材の表面上に、金属粒子を含有する組成物を用いて金属粒子含有層を形成する工程と、金属粒子が焼結して金属の焼結体層が形成されるように、金属粒子含有層に向けてレーザーを照射する工程と、を含む、物品の製造方法。【選択図】図3

Description

本発明は、物品の製造方法に関する。
回路パターンの形成方法として、プリンテッドエレクトロニクス法と称される方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。この方法は、金属粒子を含むインク、ペースト等で構成されたパターンをインクジェット印刷、スクリーン印刷、ディスペンス印刷等によって基材上に形成する工程と、金属粒子を含むパターンを加熱することによって導電性を有する回路パターンを形成する工程とを含む。インク又はペーストに含まれる金属粒子が熱によって焼結して焼結体層となることで導電性が発現する。
近年、配線の小型軽量化の観点から、Molded Interconnect Devices(以下「MID」という場合がある。)に注目が集まっている。MIDは、凹凸面、曲面等の三次元形状の面を有する成形体に直接配線が形成された部材であり、例えば、配線上にはんだを用いて電子部品が実装されることにより、種々の分野で利用されている。MIDの形成技術によれば、デバイスのデッドスペースに配線を形成した構造、ハーネスを除去した構造等が作製できるため、車載用部材の軽量化、スマートフォンの小型化等が可能となる。MIDの形成技術の一態様として、Laser Direct Structuring法(以下、「LDS法」という場合がある。)が知られている。LDS法は、金属粒子を含む成形体を製造する工程と、この成形体の表面の回路を形成すべき領域にレーザーを照射することによって金属粒子を導体化させる工程と、成形体表面の導体化した部分に無電解めっきを行うことで回路を形成する工程とを含む。
特開2012−072418号公報 特開2014−148732号公報
プリンテッドエレクトロニクス法においては、回路パターンを構成する焼結体層の基材に対する密着性と焼結体層の導電性がトレードオフの関係にある。すなわち、焼結体層の密着性を向上させるためのバインダー樹脂を金属粒子とともにインク又はペーストに配合すると、焼結体層の導電性が低下する傾向にある。従来のプリンテッドエレクトロニクス法はこの点において改善の余地があった。
本発明は、基材と、その表面上に形成された金属の焼結体層とを備える物品であって、基材に対する焼結体層の優れた密着性と焼結体層の優れた導電性の両方が十分に高水準である物品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、物品の製造方法に関する。この物品の製造方法は、基材の表面に粗化処理を施す工程と、粗化処理が施された基材の表面上に、金属粒子を含有する組成物を用いて金属粒子含有層を形成する工程と、金属粒子が焼結して金属の焼結体層が形成されるように、金属粒子含有層に向けてレーザーを照射する工程とを含む。
本発明者らの調査によると、従来、レーザー照射によって金属粒子を焼結させ、厚さ1μm程度の焼結体層を形成する技術は知られていた。しかし、この技術においては、レーザー照射領域において焼結体層のひび割れが生じる虞があった。ひび割れにより、基材に対する焼結体層の密着性と焼結体層の導電性が低下する。
これに対し、本発明の製造方法によれば、レーザー照射により、金属粒子を焼結させて基材上に焼結体層を形成できるとともに、焼結体層のひび割れを抑制することができる。本発明者らは、粗化処理により形成された基材表面の粗化部が焼結による収縮を抑制しているものと推察している。
本発明によれば、基材と、その表面上に形成された金属の焼結体層とを備える物品であって、基材に対する焼結体層の優れた密着性と焼結体層の優れた導電性の両方が十分に高水準である物品の製造方法が提供される。
図1は一実施形態に係る物品の製造方法により得られる物品を示す斜視図である。 図2(a)〜図2(c)は基材上に焼結体層を形成する工程を模式的に示す断面図である。 図3(a)及び図3(b)はそれぞれ粗化処理有及び粗化処理無の場合の金属焼結体層の外観写真である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において、「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。本明細書において、組成物中の各成分の含有率又は含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
<物品>
図1は、一実施形態に係る物品の製造方法により得られる物品を示す斜視図である。図1に示すように、物品1は、基材2と、基材2上に設けられた焼結体層3とを備える。焼結体層3が接する基材2の表面には粗化部2a(図2(a)参照)が形成されている。
基材2の形状は、用途等に応じて適宜選択される。基材2は、例えば凹凸形状等の三次元形状を有する立体物であってよい。基材2は、例えば、金型を用いて樹脂を成型することによって作製されたものである。基材2を構成する樹脂としては、耐熱性が低い樹脂(例えば後述するガラス転移温度及び/又は5%熱重量減少温度を有する樹脂)であってよく、例えば、熱可塑性樹脂であってよい。熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、液晶プラスチックなどであってよく、好ましくはポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート又は液晶プラスチックである。
樹脂のガラス転移温度は、150℃以下、120℃以下、又は80℃以下であってよく、30℃以上であってもよい。樹脂のガラス転移温度は、動的粘弾性測定によって測定され、具体的には、例えば、動的粘弾性測定装置を用い、周波数10Hz、昇温速度5℃/分、温度範囲20〜260℃の条件で、tanδが最大値を示す温度として測定される。
樹脂の5%熱重量減少温度は、400℃以下、300℃以下、250℃以下、又は200℃以下であってよい。樹脂の5%熱重量減少温度は、熱重量分析計(TGA)を用いて、窒素雰囲気下で、25℃から昇温速度:5℃/分で昇温させたときに、樹脂の重量が、25℃における(昇温前の)樹脂の重量に対して5重量%減少したときの温度として定義される。
焼結体層3は、例えば、基材2の一面2f側(図1においては上面側)の面上に設けられている。基材2の一面2fは、凹凸面、曲面等の三次元形状を有する面であってよい。焼結体層3は、導電性を有する層であり、例えば、電気回路を形成する配線であってよい(上面から見たときに線状であってよい)。
焼結体層3は、銅の焼結体を含む層であってよい。焼結体層3は、銅粒子を含む組成物を焼結させることによって得られるものであってよい(詳細は後述)。焼結体層3は、例えば多孔性の層であってよい。焼結体層3の気孔率は、10%以上、13%以上、又は15%以上であってよく、70%以下、55%以下、又は40%以下であってもよい。焼結体層3の気孔率は、走査型電子顕微鏡、走査型イオン顕微鏡等によって観察した焼結体層3の断面画像を、画像解析ソフトを用いて解析することにより得られる、焼結体層3断面の全面積に対する焼結体が存在しない非導電部分の面積の比率を意味する。
焼結体層3は、充分な厚さを有する細線状の配線になり得る。焼結体層3の厚さは、5.0μm以上、7.0μm以上又は10.0μm以上であってもよく、60μm以下、50μm以下又は32μm以下であってもよい。焼結体層3の線幅(上面からみたときの焼結体層(配線)3の短手方向(配線が延びる方向と垂直な方向)の長さ)は、1mm以下、0.7mm以下、0.5mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、又は0.2mm以下であってよい。
<物品の製造方法>
図2(a)〜図2(c)を参照しながら、物品1の製造方法について説明する。この製造方法は、基材2の表面に粗化処理を施す工程と、粗化処理が施された基材2の表面上に、金属粒子を含有する組成物を用いて金属粒子含有層3Pを形成する工程と、金属粒子が焼結して金属の焼結体層3が形成されるように、金属粒子含有層3Pに向けてレーザーを照射する工程とを含む。ここで、金属粒子は焼結性金属を含んでいてよく、例えば銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)等を含んでいてよい。焼結性金属とは、その金属粒子が融点よりも低い温度で加熱されたときに焼結体を形成し得る金属である。以下、焼結性金属が銅である場合を例にとり説明をするが、以下の記載において、「銅」を焼結性を有する他の「金属」に置き換えてよい。
(基材の表面に粗化処理を施す工程)
この工程は、基材2の一面2f側の面を粗化処理する工程である。これにより、基材2の表面に粗化部2aが形成され、基材2に対する焼結体層のより優れた密着性を達成できる。粗化処理の方法としては、例えばレーザー照射、研磨、サンドブラスト、ウェットブラスト、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理等が挙げられる。あるいは、凹凸加工された金型により基材を成型することで、予め粗化処理された基材2を得てもよい。粗化処理は、基材2の表面粗さRaが0.3〜6.0μm程度になるよう実施することができる。
(金属粒子含有層を形成する工程)
この工程は、粗化処理が施された基材2の一面2f側の面上に、銅粒子を含有する組成物を塗布することによって、当該組成物からなる(を含有する)金属粒子含有層3Pを形成する工程である(図2(a)参照)。本実施形態においては、基材2表面のパターンを形成すべき領域を覆うように、金属粒子含有層3Pを形成する。つまり、本実施形態においては基材2表面の所定の領域にいわゆるベタ塗りで金属粒子含有層3Pを形成する。
金属粒子含有層3Pは、例えば、エアロゾルジェットを用いた方法によって形成することができる。装置としては、アトマイザーとアトマイザーに連結された吐出ノズルとを備える噴霧装置を用いることができる。このような噴霧装置は、公知の噴射方法が適用される装置をそのまま使用することができる。公知の噴射方法としては、例えば、エアロゾルデポジション法、コールドスプレー法、サーマルスプレー法等が挙げられる。
この工程で用いられる組成物(金属焼結体層形成用組成物)は、少なくとも銅粒子を含有しており、例えば分散媒を更に含有している。銅粒子は、熱伝導率及び焼結性の観点から、主成分として銅を含有する。銅粒子における銅元素の割合は、水素、炭素、酸素を除く全元素を基準として、80原子%以上、90原子%以上、又は95原子%以上であってよい。当該元素割合が80原子%以上であると、銅に由来する熱伝導率及び焼結性が発現し易い傾向にある。
銅粒子の形状としては、特に制限されないが、例えば、球状、略球状、多面体状、針状、フレーク状、ロッド状等が挙げられる。銅粒子は、少なくともフレーク状の銅粒子を含み、さらに形状の異なる他の銅粒子を含んでいてもよい。異なる形状の銅粒子を含むことによって、形成される配線のひび割れが抑制され、かつ充分な厚さを有する配線を形成し易くなる傾向にある。この理由は必ずしも定かではないが、異なる形状の銅粒子が互いに隙間を補完し、銅粒子同士の融着等による体積減少の全方位的な発生が抑制されるためであると考えられる。これにより、充分な厚さを有する配線においても、ひび割れが抑制されると推察される。形状の異なるものの組み合わせは、特に制限されないが、例えば、フレーク状銅粒子(A1)と球状銅粒子(A2)との組み合わせであることが好ましい。
フレーク状銅粒子(A1)のメジアン径は、4.0μm以上である。これにより、レーザー焼成による焼結体層のひび割れを抑制することができる。この観点から、当該メジアン径は、5.0μm以上又は8.0μm以上であってもよい。当該メジアン径の上限は、良好な低温焼結性及び塗布性を維持し易いという観点から、20.0μmとすることができる。球状銅粒子(A2)のメジアン径は、0.1〜2.0μm、0.1〜1.2μm、0.1〜0.9μm、又は0.1〜0.6μmであってもよい。このようなメジアン径を有するフレーク状銅粒子(A1)と球状銅粒子(A2)とを組み合わせることによって、低温での融着性により優れる傾向にある。粒子のメジアン径は、レーザー折式粒度分布計(例えば、サブミクロン粒子アナライザN5 PLUS(ベックマン・コールター社)等)で測定したD50の値(体積分布の累積中央値)を意味する。
組成物中の、フレーク状銅粒子(A1)の含有量に対する球状銅粒子(A2)の含有量の割合(球状銅粒子(A2)の含有量/フレーク状銅粒子(A1)の含有量)は、0.25〜4.0、0.3〜3.0、又は0.4〜2.5であってもよい。フレーク状銅粒子(A1)の含有量に対する球状銅粒子(A2)の含有量がこのような範囲であると、ひび割れがより抑制される傾向にある。
銅粒子の含有量は、組成物全質量100質量部に対して、20〜80質量部であってもよい。銅粒子の含有量は、30質量部以上、40質量部以上、又は50質量部以上であってもよい。銅粒子の含有量が、組成物全質量100質量部に対して、20質量部以上であると、より充分な厚みを有する配線を形成できる傾向にある。銅粒子の含有量は、75質量部以下、70質量部以下、又は65質量部以下であってもよい。銅粒子の含有量が、組成物全質量100質量部に対して、80質量部以下であると、装置からの吐出性により優れる傾向にある。
一実施形態として、銅粒子は、銅を含むコア粒子とコア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物とを有する銅含有粒子であってもよい。銅含有粒子は、例えば、銅を含むコア粒子と、コア粒子の表面の少なくとも一部に存在するアルキルアミンに由来する物質を含む有機物と、を有していてよい。当該アルキルアミンは、炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンであってよい。この銅含有粒子は、有機物を構成するアルキルアミンの炭化水素基の鎖長が比較的短いため、比較的低い温度(例えば、150℃以下)でも熱分解し、コア粒子同士が融着し易い。このような銅含有粒子としては、例えば、特開2016−037627号公報に記載の銅含有粒子を好適に用いることができる。なお、優れた導電性を達成する観点から、焼結体層3には有機物は残存していないことが好ましく、焼結体層3における有機物の含有量は好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以下である。本実施形態に係る製造方法によれば焼結体層3がバインダー樹脂(有機物)を含んでいなくても、焼結体層3の基材2に対する優れた密着性を達成できる。
有機物は、炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンを含んでいてもよい。炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンは、例えば、1級アミン、2級アミン、アルキレンジアミン等であってよい。1級アミンとしては、エチルアミン、2−エトキシエチルアミン、プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ブチルアミン、4−メトキシブチルアミン、イソブチルアミン、ペンチルアミン、イソペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン等を挙げることができる。2級アミンとしては、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルペンチルアミン等を挙げることができる。アルキレンジアミンとしては、エチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,6−ジアミノへキサン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン等を挙げることができる。
コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物は、炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミン以外の有機物を含んでいてもよい。有機物全体に対する炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンの割合は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。
コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物は、その割合がコア粒子及び有機物の合計に対して0.1〜20質量%であることが好ましい。有機物の割合が0.1質量%以上であると、充分な耐酸化性が得られる傾向にある。有機物の割合が20質量%以下であると、低温での導体化が達成され易くなる傾向にある。コア粒子及び有機物の合計に対する有機物の割合は0.3〜10質量%であることがより好ましく、0.5〜5質量%であることが更に好ましい。
銅含有粒子は、少なくとも銅を含み、必要に応じてその他の物質を含んでもよい。その他の物質としては、金、銀、白金、錫、ニッケル等の金属又はこれらの金属元素を含む化合物、還元性化合物又は有機物、酸化物、塩化物等を挙げることができる。導電性に優れる導体を形成する観点からは、銅含有粒子中の銅の含有率は50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。銅含有粒子の製造方法は特に制限されない。製造方法としては、例えば、特開2016−037626号公報に開示される銅含有粒子の製造方法が挙げられる。
分散媒は、特に制限されずに、導電インク、導電ペースト等の製造に一般に用いられる有機溶剤から用途に応じて適宜選択できる。分散媒は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。粘度調整の観点から、分散媒は、テルピネオール、イソボルニルシクロヘキサノール、ジヒドロテルピネオール、ジヒドロテルピネオールアセテート等であってよい。分散媒の含有量は、銅粒子100質量部に対して、1質量部以上、3質量部以上、又は5質量部以上であってよく、300質量部以下、200質量部以下、又は150質量部以下であってよい。
組成物は、必要に応じて、銅粒子及び分散媒以外のその他の成分を更に含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、シランカップリング剤、高分子化合物(樹脂)、ラジカル開始剤、還元剤等が挙げられる。また、その他の成分としては、銅粒子以外のその他の金属粒子が挙げられる。その他の金属粒子としては、例えば、ニッケル、銀、金、パラジウム、白金等の粒子が挙げられる。その他の金属粒子の含有量は、充分な接合性を得る観点から、組成物に含まれる金属粒子の全質量を基準として、20質量%未満であってよく、10質量%以下であってもよい。その他の金属粒子が含まれる場合、銅粒子の含有量を基準として設定される分散媒の含有量等は、銅粒子及び金属粒子の含有量を基準として設定することができる。
組成物の25℃における粘度は、組成物の使用方法に応じて適宜設定することができ、例えば、10〜5000mPa・s、50〜3000mPa・s、100〜1500mPa・s、又は200〜1000mPa・sであってよい。組成物の25℃における粘度は、E型粘度計(東機産業株式会社製、製品名:VISCOMETER−TV22、適用コーンプレート型ロータ:3°×R17.65)を用いて測定される25℃における粘度を意味する。
組成物の製造方法は、特に限定されずに、当該技術分野で通常用いられる方法を用いることができる。例えば、銅粒子及び分散媒、並びに必要に応じてその他の成分を分散処理することで調製することができる。分散処理は、石川式撹拌機、自転公転式撹拌機、超薄膜高速回転式分散機、ロールミル、超音波分散機、ビーズミル等のメディア分散機、ホモミキサー、シルバーソン撹拌機等のキャビテーション撹拌装置、アルテマイザー等の対向衝突法などを用いることができる。また、これらの手法を適宜組み合わせて用いてもよい。
(レーザーを照射する工程)
この工程は、銅粒子が焼結して銅の焼結体層3が形成されるように、金属粒子含有層3Pに向けてレーザーを照射する工程である(図2(b)参照)。この際、焼結体層3が接する粗化部2a’は、レーザー照射に起因する熱、すなわち、レーザー照射による直接的な熱及びレーザー照射によって加熱された銅粒子の熱の影響を受け、さらに粗化されてもよい。
装置としては、例えば、樹脂又はセラミックスの加工に使用されるレーザーマーカーを使用することができる。レーザーは、例えば、近赤外レーザー(波長:1064nm)、可視光レーザー(波長:532nm)、紫外レーザー(波長:355nm)等を使用することができる。
レーザー照射のパラメータとしては、例えば、レーザー平均出力(W)、周波数(Hz)及びスキャン速度(mm/s)が挙げられる。これらのパラメータは、金属粒子含有層3Pの厚さ、形成すべき焼結体層3の形状(線又は面)、基材2の材質に応じて適宜設定すればよい。例えば、金属粒子含有層3Pに向けて所定の条件でレーザーを照射したところ、金属粒子含有層3Pの下地である基材2の表面に焼けこげが生じた場合、レーザー出力を下げる、Qスイッチ周波数を高くする、スキャンスピードを高くする等の手段を講じればよい。なお、本発明者らの検討によると、焼結体層3を面状に形成する場合、焼結体層3を線状に形成する場合と比較してスキャンスピードを高くすることが好ましい。
焼結体層3がパターンを構成するように、金属粒子含有層3Pに対してレーザーを照射する相対的位置を移動させながら、レーザー照射を実施すればよい。レーザー照射は、レーザーを照射する領域に還元性ガスを吹き付けながら実施してもよいし、このようなガスの吹き付けを行うことなく、空気雰囲気下で実施してもよい。後述の実施例においては、空気雰囲気下(大気中)で金属粒子含有層3Pに向けてレーザーを照射しただけで銅色に輝く焼結体層3が形成された(図2(c)及び図3(a)参照)。
本実施形態に係る製造方法によれば、焼結体層3を形成する工程において、レーザーを用いているため、基材2の一面2fが三次元形状を有している場合でも、所定のパターンで焼結体層3を形成できる。レーザー照射によって焼結体層3及びこれに接する基材2の表面に粗化部2aを形成することで、導電性の低下をもたらすバインダー樹脂を使用しなくても基材2に対する焼結体層の優れた密着性を達成できる。
物品1は、MID(成形回路部品、立体成形回路部品、三次元成形回路部品等とも呼ばれる)として好適に用いることができる。具体的には、物品1は、スマートフォンアンテナ、車載用配線、積層板、太陽電池パネル、ディスプレイ、トランジスタ、半導体パッケージ、積層セラミックコンデンサ等として好適に使用される。物品1は、電気配線、放熱膜、表面被覆膜等の部材として利用することもできる。
本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、材料コストが低いという利点はあるものの、酸化され易い銅粒子を金属粒子として使用する場合を例示したが、銅粒子の代わりに、銀粒子、銀−パラジウム粒子、アルミニウム粒子又はニッケル粒子を使用してもよい。
また、上記実施形態においては、いわゆるベタ塗りの金属粒子含有層3Pを形成する場合を例示したが、焼結体層3のパターンに対応したパターンとなるように、金属粒子含有層3Pを形成してもよい。この場合、金属粒子含有層3Pの形成には非接触型の印刷方法を採用できる。具体的には、ジェットディスペンサーを用いた方法、エアロゾルジェットを用いた方法、ピエゾジェットディスペンサーを用いた方法等であってよく、基材2における三次元形状を有する面に対しても好適に印刷できる観点から、好ましくは、エアロゾルジェットを用いた方法である。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<組成物の調製>
以下に示す銅粒子(A)46質量部と、以下に示す有機溶剤(B)54質量部とを混合し、金属焼結体層形成用の組成物を調製した。なお、銅粒子のメジアン径(D50)は、サブミクロン粒子アナライザN5 PLUS(ベックマン・コールター社)を用いて測定した。
(銅粒子(A))
銅粒子(A)として、フレーク状銅粒子(A1)と球状銅粒子(A2)とを30:70(質量比)で混合したもの(フレーク状銅粒子(A1)の含有量に対する球状銅粒子(A2)の含有量の割合:2.3)を用いた。
フレーク状銅粒子(A1):製品名:3L3N、福田金属箔粉工業株式会社、メジアン径(D50):5.0μm
球状銅粒子(A2):製品名:CH0200、三井金属鉱業株式会社、メジアン径(D50):0.15μm
(有機溶剤(B))
有機溶剤として、テルピネオール70質量部と、テルソルブMTPH(商品名、日本テルペン化学株式会社製、イソボルニルシクロヘキサノール)30質量部とを混合したものを使用した。
(基材の表面に粗化処理を施す工程)
ポリプロピレン基板(サイズ:30mm×30mm)に対し、粗化処理を施した。具体的には、耐水研磨紙(三共理化学株式会社製、粒度#120)を用いて基材表面上を擦って粗化させた。粗化処理後の基材の表面粗さRaは4.7μmであった。
また、粗化処理が施されていないポリプロピレン基板(サイズ:30mm×30mm)を準備した。
(金属粒子含有層を形成する工程)
粗化処理が施されたポリプロピレン基板の両サイドをテープでマスキングした。このポリプロピレン基板を平板ステージに載せ、その表面に上記組成物を塗布した。テープの厚さ分だけ、ポリプロピレン基板上にペースト状の組成物が残るようにした。その後、110℃の温度条件で60分にわたって乾燥処理を行った。これにより、ポリプロピレン基板上に厚さ約20μmの金属粒子含有層を形成した。
粗化処理が施されていないポリプロピレン基板に対しても、同様に金属粒子含有層を形成した。
(レーザーを照射する工程)
粗化処理が施されたポリプロピレン基板上の金属粒子含有層に向けてレーザーを照射した。装置として、ファイバーレーザー加工機(株式会社群協製作所製、GunyucutGT1300R)を使用した。以下の条件でレーザーの照射を行った。
粗化処理が施されていないポリプロピレン基板上の金属粒子含有層に対しても、同様にレーザーの照射を行った。
・レーザー:近赤外レーザー(波長:1.07μm)
・レーザー平均出力:18W
・周波数:500Hz
・スキャンスピード:500〜4000mm/s
・レーザー照射雰囲気:大気
<各種評価>
(外観写真)
図3(a)及び図3(b)は、それぞれ粗化処理有及び粗化処理無の場合の金属焼結体層の外観写真である。同図に示されるように、粗化処理有の場合の方が、粗化処理無の場合に比して、金属焼結体層のひび割れが抑制されていた。粗化処理有の金属焼結体層を爪で引っかいても焼結体層が剥がれ落ちることはなかった。
(導電性評価)
各金属焼結体層(配線)について、それぞれ導電性評価を行った。具体的には、テスターを用いて配線15mm長さにおける抵抗値を測定した。粗化処理有の場合の配線抵抗は1.0Ω、粗化処理無の場合の配線抵抗は3.2Ωであった。
1…物品、2…基材、2a,2a’…粗化部、2f…基材の一面、3…焼結体層、3P…金属粒子含有層。

Claims (6)

  1. 基材の表面に粗化処理を施す工程と、
    粗化処理が施された前記基材の表面上に、金属粒子を含有する組成物を用いて金属粒子含有層を形成する工程と、
    前記金属粒子が焼結して金属の焼結体層が形成されるように、前記金属粒子含有層に向けてレーザーを照射する工程と、を含む、
    物品の製造方法。
  2. 前記焼結体層の厚さが5.0〜60μmである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 空気雰囲気下において、前記金属粒子含有層に向けてレーザーを照射する、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記金属粒子が銅粒子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記基材が樹脂で形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記樹脂がポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート又は液晶プラスチックである、請求項5に記載の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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