JP2021036310A - 光偏向器、光走査システム、画像投影装置、画像形成装置、レーザレーダ - Google Patents

光偏向器、光走査システム、画像投影装置、画像形成装置、レーザレーダ Download PDF

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【課題】小型で大振幅の光偏向器を提供する。【解決手段】本光偏向器は、固定部と反射面を有する可動部と、前記可動部を支持する一対の弾性支持部と、前記弾性支持部と前記固定部とを接続する一対の接続部と、前記接続部を変形させることにより前記可動部を揺動させる駆動部と、を有し、前記接続部は前記固定部に対して片持ち支持され、前記接続部は折り返し構造である。【選択図】図12

Description

本発明は、光偏向器、光走査システム、画像投影装置、画像形成装置、レーザレーダに関する。
近年、半導体製造技術を応用したマイクロマシニング技術の発達に伴い、シリコンやガラスを微細加工して製造される光偏向器としてMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスの開発が進んでいる。
光偏向器の一例としては、ミラー部を挟んで両側に一対の圧電アクチュエータ部が配置され、ミラー部の端部に連結部を介して圧電アクチュエータ部が接続されたミラー駆動装置が挙げられる。このミラー駆動装置では、ミラー部と圧電アクチュエータ部とを、折り返し構造の連結部により連結しており、この連結部には検出用の検出電極が乗せられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、近年では、光偏向器に小型化と共に大振幅が要求されている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、小型で大振幅の光偏向器を提供することを目的とする。
本光偏向器は、固定部と反射面を有する可動部と、前記可動部を支持する一対の弾性支持部と、前記弾性支持部と前記固定部とを接続する一対の接続部と、前記接続部を変形させることにより前記可動部を揺動させる駆動部と、を有し、前記接続部は前記固定部に対して片持ち支持され、前記接続部は折り返し構造である。
開示の技術によれば、小型で大振幅の光偏向器を提供できる。
光走査システムの一例の概略図である。 光走査システムの一例のハードウェア構成図である。 光走査システムの駆動装置の一例の機能ブロック図である。 光走査システムに係る処理の一例のフローチャートである。 ヘッドアップディスプレイ装置を搭載した自動車の実施形態に係る概略図である。 ヘッドアップディスプレイ装置の一例の概略図である。 光書込装置を組み込んだ画像形成装置の一例である。 光書込装置の一例の概略図である。 物体認識装置の一例であるレーザレーダ装置を搭載した自動車の概略図である。 レーザレーダ装置の一例の概略図である。 パッケージングされた光偏向器の一例の概略図である。 第1実施形態に係る光偏向器を例示する平面図である。 第1実施形態に係る光偏向器を例示する斜視図である。 第1実施形態に係るミラー部が可動する様子を側面方向から見た模式図である。 比較例に係るミラー部が可動する様子を側面方向から見た模式図である。 共振周波数について説明する図である。 第2実施形態に係る光偏向器を例示する平面図である。 第2実施形態の変形例に係る光偏向器を例示する斜視図である。 第3実施形態に係る光偏向器を例示する平面図である。 第3実施形態に係る光偏向器を例示する斜視図である。 ミラー駆動周波数付近の周波数応答特性の一例を示す図である。 第4実施形態に係る光偏向器を例示する平面図である。 第5実施形態に係る光偏向器を例示する平面図である。 第5実施形態に係る光偏向器を例示する斜視図である。 第5実施形態の変形例1に係る光偏向器を例示する平面図である。 第5実施形態の変形例2に係る光偏向器を例示する平面図である。 第5実施形態に係る支持層の効果を示すシミュレーション結果の一例である。 第6実施形態に係る光偏向器を例示する平面図(表面側)である。 第6実施形態に係る光偏向器を例示する平面図(裏面側)である。 第7実施形態に係る光偏向器を例示する平面図(表面側)である。 第7実施形態に係る光偏向器を例示する平面図(裏面側)である。 第7実施形態に係る支持層の効果を示すシミュレーション結果の一例である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[光走査システム]
まず、図1〜図4を参照して、本発明の実施形態に係る駆動装置を適用した光走査システムについて詳細に説明する。
図1に、光走査システムの一例の概略図を示す。
図1に示すように、光走査システム10は、駆動装置11の制御に従って光源装置12から照射された光を光偏向器13の有する反射面14により偏向して被走査面15を光走査するシステムである。
光走査システム10は、駆動装置11,光源装置12、反射面14を有する光偏向器13により構成される。
駆動装置11は、例えばCPU(Central Processing Unit)及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等を備えた電子回路ユニットである。光偏向器13は、例えば反射面14を有し、反射面14が可動であるMEMS(Micro Electromechanical Systems)デバイスである。光源装置12は、例えばレーザを照射するレーザ装置である。なお、被走査面15は、例えばスクリーンである。
駆動装置11は、取得した光走査情報に基づいて光源装置12及び光偏向器13の制御命令を生成し、制御命令に基づいて光源装置12及び光偏向器13に駆動信号を出力する。
光源装置12は、入力された駆動信号に基づいて光の照射を行う。
光偏向器13は、入力された駆動信号に基づいて反射面14を1軸方向または2軸方向の少なくともいずれかに動作させる。
これにより、光走査システム10は、例えば、光走査情報の一例である画像情報に基づいた駆動装置11の制御によって、光偏向器13の反射面14を2軸方向に往復動作させ、反射面14に入射する光源装置12からの照射光を偏向して光走査することにより、被走査面15に任意の画像を投影することができる。
なお、光偏向器の詳細及び本実施形態の駆動装置による制御の詳細については後述する。
次に、図2を参照して、光走査システム10の一例のハードウェア構成について説明する。
図2は、光走査システム10の一例のハードウェア構成図である。
図2に示すように、光走査システム10は、駆動装置11、光源装置12及び光偏向器13を備え、それぞれが電気的に接続されている。
[駆動装置]
このうち、駆動装置11は、CPU20、RAM21(Random Access Memory)、ROM22(Read Only Memory)、FPGA23、外部I/F24、光源装置ドライバ25、光偏向器ドライバ26を備えている。
CPU20は、ROM22等の記憶装置からプログラムやデータをRAM21上に読み出し、処理を実行して、駆動装置11の全体の制御や機能を実現する演算装置である。
RAM21は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の記憶装置である。
ROM22は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の記憶装置であり、CPU20が光走査システム10の各機能を制御するために実行する処理用プログラムやデータを記憶している。
FPGA23は、CPU20の処理に従って、光源装置ドライバ25及び光偏向器ドライバ26に適した制御信号を出力する回路である。
外部I/F24は、例えば外部装置やネットワーク等とのインタフェースである。外部装置には、例えば、PC(Personal Computer)等の上位装置、USBメモリ、SDカード、CD、DVD、HDD、SSD等の記憶装置が含まれる。また、ネットワークは、例えば自動車のCAN(Controller Area Network)やLAN(Local Area Network)、インターネット等である。外部I/F24は、外部装置との接続または通信を可能にする構成であればよく、外部装置ごとに外部I/F24が用意されてもよい。
光源装置ドライバは、入力された制御信号に従って光源装置12に駆動電圧等の駆動信号を出力する電気回路である。
光偏向器ドライバ26は、入力された制御信号に従って光偏向器13に駆動電圧等の駆動信号を出力する電気回路である。
駆動装置11において、CPU20は、外部I/F24を介して外部装置やネットワークから光走査情報を取得する。なお、CPU20が光走査情報を取得することができる構成であればよく、駆動装置11内のROM22やFPGA23に光走査情報を格納する構成としてもよいし、駆動装置11内に新たにSSD等の記憶装置を設けて、その記憶装置に光走査情報を格納する構成としてもよい。
ここで、光走査情報とは、被走査面15にどのように光走査させるかを示した情報であり、例えば、光走査により画像を表示する場合は、光走査情報は画像データである。また、例えば、光走査により光書込みを行う場合は、光走査情報は書込み順や書込み箇所を示した書込みデータである。他にも、例えば、光走査により物体認識を行う場合は、光走査情報は物体認識用の光を照射するタイミングと照射範囲を示す照射データである。
本実施形態に係る駆動装置11は、CPU20の命令及び図2に示したハードウェア構成によって、次に説明する機能構成を実現することができる。
[駆動装置の機能構成]
次に、図3を参照して、光走査システム10の駆動装置11の機能構成について説明する。図3は、光走査システムの駆動装置の一例の機能ブロック図である。
図3に示すように、駆動装置11は、機能として制御部30と駆動信号出力部31とを有する。
制御部30は、例えばCPU20、FPGA23等により実現され、外部装置から光走査情報を取得し、光走査情報を制御信号に変換して駆動信号出力部31に出力する。例えば、制御部30は、制御手段を構成し、外部装置等から画像データを光走査情報として取得し、所定の処理により画像データから制御信号を生成して駆動信号出力部31に出力する。
駆動信号出力部31は、印加手段を構成し、光源装置ドライバ25、光偏向器ドライバ26等により実現され、入力された制御信号に基づいて光源装置12または光偏向器13に駆動信号を出力する。駆動信号出力部31(印加手段)は、例えば、駆動信号を出力する対象ごとに設けられてもよい。
駆動信号は、光源装置12または光偏向器13の駆動を制御するための信号である。例えば、光源装置12においては、光源から照射される光の照射タイミング及び照射強度を制御する駆動電圧である。また、例えば、光偏向器13においては、光偏向器13の有する反射面14を動作させるタイミング及び動作範囲を制御する駆動電圧である。なお、駆動装置は、光源装置12や受光装置等の外部装置から光源から照射される光の照射タイミングや受光タイミングを取得し、これらを光偏向器13の駆動に同期するようにしてもよい。
[光走査処理]
次に、図4を参照して、光走査システム10が被走査面15を光走査する処理について説明する。図4は、光走査システムに係る処理の一例のフローチャートである。
ステップS11において、制御部30は、外部装置等から光走査情報を取得する。
ステップS12において、制御部30は、取得した光走査情報から制御信号を生成し、制御信号を駆動信号出力部31に出力する。
ステップS13において、駆動信号出力部31は、入力された制御信号に基づいて駆動信号を光源装置12及び光偏向器13に出力する。
ステップS14において、光源装置12は、入力された駆動信号に基づいて光照射を行う。また、光偏向器13は、入力された駆動信号に基づいて反射面14の動作を行う。光源装置12及び光偏向器13の駆動により、任意の方向に光が偏向され、光走査される。
なお、上記光走査システム10では、1つの駆動装置11が光源装置12及び光偏向器13を制御する装置及び機能を有しているが、光源装置用の駆動装置及び光偏向器用の駆動装置と、別体に設けてもよい。
また、上記光走査システム10では、一つの駆動装置11に光源装置12及び光偏向器13の制御部30の機能及び駆動信号出力部31の機能を設けているが、これらの機能は別体として存在していてもよく、例えば制御部30を有した駆動装置11とは別に駆動信号出力部31を有した駆動信号出力装置を設ける構成としてもよい。なお、上記光走査システム10のうち、反射面14を有した光偏向器13と駆動装置11により、光偏向を行う光偏向システムを構成してもよい。
[画像投影装置]
次に、図5及び図6を参照して、本実施形態の駆動装置を適用した画像投影装置について詳細に説明する。
図5は、画像投影装置の一例であるヘッドアップディスプレイ装置500を搭載した自動車400の実施形態に係る概略図である。また、図6はヘッドアップディスプレイ装置500の一例の概略図である。
画像投影装置は、光走査により画像を投影する装置であり、例えばヘッドアップディスプレイ装置である。
図5に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置500は、例えば、自動車400のウインドシールド(フロントガラス401等)の付近に設置される。ヘッドアップディスプレイ装置500から発せられる投射光Lがフロントガラス401で反射され、ユーザーである観察者(運転者402)に向かう。
これにより、運転者402は、ヘッドアップディスプレイ装置500によって投影された画像等を虚像として視認することができる。なお、ウインドシールドの内壁面にコンバイナを設置し、コンバイナによって反射する投射光によってユーザーに虚像を視認させる構成にしてもよい。
図6に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置500は、赤色、緑色、青色のレーザ光源501R,501G,501Bからレーザ光が出射される。出射されたレーザ光は、各レーザ光源に対して設けられるコリメータレンズ502,503,504と、2つのダイクロイックミラー505,506と、光量調整部507と、から構成される入射光学系を経た後、反射面14を有する光偏向器13にて偏向される。
そして、偏向されたレーザ光は、自由曲面ミラー509と、中間スクリーン510と、投射ミラー511とから構成される投射光学系を経て、スクリーンに投影される。
なお、上記ヘッドアップディスプレイ装置500では、レーザ光源501R,501G,501B、コリメータレンズ502,503,504、ダイクロイックミラー505,506は、光源ユニット530として光学ハウジングによってユニット化されている。
上記ヘッドアップディスプレイ装置500は、中間スクリーン510に表示される中間像を自動車400のフロントガラス401に投射することで、その中間像を運転者402に虚像として視認させる。
レーザ光源501R,501G,501Bから発せられる各色レーザ光は、それぞれ、コリメータレンズ502,503,504で略平行光とされ、2つのダイクロイックミラー505,506により合成される。合成されたレーザ光は、光量調整部507で光量が調整された後、反射面14を有する光偏向器13によって二次元走査される。光偏向器13で二次元走査された投射光Lは、自由曲面ミラー509で反射されて歪みを補正された後、中間スクリーン510に集光され、中間像を表示する。中間スクリーン510は、マイクロレンズが二次元配置されたマイクロレンズアレイで構成されており、中間スクリーン510に入射してくる投射光Lをマイクロレンズ単位で拡大する。
光偏向器13は、反射面14を2軸方向に往復可動させ、反射面14に入射する投射光Lを二次元走査する。この光偏向器13の駆動制御は、レーザ光源501R,501G,501Bの発光タイミングに同期して行われる。
以上、画像投影装置の一例としてのヘッドアップディスプレイ装置500の説明をしたが、画像投影装置は、反射面14を有した光偏向器13により光走査を行うことで画像を投影する装置であればよい。
例えば、机等に置かれ、表示スクリーン上に画像を投影するプロジェクタや、観測者の頭部等に装着される装着部材に搭載され、装着部材が有する反射透過スクリーンに投影、または眼球をスクリーンとして画像を投影するヘッドマウントディスプレイ装置等にも、同様に適用することができる。
また、画像投影装置は、車両や装着部材だけでなく、例えば、航空機、船舶、移動式ロボット等の移動体、あるいは、その場から移動せずにマニピュレータ等の駆動対象を操作する作業ロボットなどの非移動体に搭載されてもよい。
[光書込装置]
次に、図7及び図8を参照して、本実施形態の駆動装置11を適用した光書込装置について詳細に説明する。
図7は、光書込装置600を組み込んだ画像形成装置の一例である。また、図8は、光書込装置の一例の概略図である。
図7に示すように、上記光書込装置600は、レーザ光によるプリンタ機能を有するレーザプリンタ650等に代表される画像形成装置の構成部材として使用される。画像形成装置において光書込装置600は、1本または複数本のレーザビームで被走査面15である感光体ドラムを光走査することにより、感光体ドラムに光書込を行う。
図8に示すように、光書込装置600において、レーザ素子などの光源装置12からのレーザ光は、コリメータレンズなどの結像光学系601を経た後、反射面14を有する光偏向器13により1軸方向または2軸方向に偏向される。
そして、光偏向器13で偏向されたレーザ光は、その後、第一レンズ602aと第二レンズ602b、反射ミラー部602cからなる走査光学系602を経て、被走査面15(例えば感光体ドラムや感光紙)に照射し、光書込みを行う。走査光学系602は、被走査面15にスポット状に光ビームを結像する。
また、光源装置12及び反射面14を有する光偏向器13は、駆動装置11の制御に基づき駆動する。
このように上記光書込装置600は、レーザ光によるプリンタ機能を有する画像形成装置の構成部材として使用することができる。
また、走査光学系を異ならせて1軸方向だけでなく2軸方向に光走査可能にすることで、レーザ光をサーマルメディアに偏向して光走査し、加熱することで印字するレーザラベル装置等の画像形成装置の構成部材として使用することができる。
上記光書込装置に適用される反射面14を有した光偏向器13は、ポリゴンミラー等を用いた回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、光書込装置の省電力化に有利である。
また、光偏向器13の振動時における風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、光書込装置の静粛性の改善に有利である。光書込装置は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また光偏向器13の発熱量もわずかであるため、小型化が容易であり、よって画像形成装置の小型化に有利である。
[物体認識装置]
次に、図9及び図10を参照して、上記本実施形態の駆動装置を適用した物体認識装置について詳細に説明する。図9は、物体認識装置の一例であるレーザレーダ装置を搭載した自動車の概略図である。また、図10はレーザレーダ装置の一例の概略図である。
物体認識装置は、対象方向の物体を認識する装置であり、例えばレーザレーダ装置である。
図9に示すように、レーザレーダ装置700は、例えば自動車701に搭載され、対象方向を光走査して、対象方向に存在する被対象物702からの反射光を受光することで、被対象物702を認識する。
図10に示すように、光源装置12から出射されたレーザ光は、発散光を略平行光とする光学系であるコリメータレンズ703と、平面ミラー704とから構成される入射光学系を経て、反射面14を有する光偏向器13で1軸もしくは2軸方向に走査される。
そして、投光光学系である投光レンズ705等を経て装置前方の被対象物702に照射される。光源装置12及び光偏向器13は、駆動装置11により駆動を制御される。被対象物702で反射された反射光は、光検出器709により光検出される。
すなわち、反射光は受光光学系である集光レンズ706等を経て撮像素子707により受光され、撮像素子707は検出信号を信号処理回路708に出力する。信号処理回路708は、入力された検出信号に2値化やノイズ処理等の所定の処理を行い、結果を測距回路710に出力する。
測距回路710は、光源装置12がレーザ光を発光したタイミングと、光検出器709でレーザ光を受光したタイミングとの時間差、または受光した撮像素子707の画素ごとの位相差によって、被対象物702の有無を認識し、さらに被対象物702との距離情報を算出する。
反射面14を有する光偏向器13は多面鏡に比べて破損しづらく、小型であるため、耐久性の高い小型のレーダ装置を提供することができる。
このようなレーザレーダ装置は、例えば車両、航空機、船舶、ロボット等に取り付けられ、所定範囲を光走査して障害物の有無や障害物までの距離を認識することができる。
上記物体認識装置では、一例としてのレーザレーダ装置700の説明をしたが、物体認識装置は、反射面14を有した光偏向器13を駆動装置11で制御することにより光走査を行い、光検出器により反射光を受光することで被対象物702を認識する装置であればよく、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、手や顔を光走査して得た距離情報から形状等の物体情報を算出し、記録と参照することで対象物を認識する生体認証や、対象範囲への光走査により侵入物を認識するセキュリティセンサ、光走査により得た距離情報から形状等の物体情報を算出して認識し、3次元データとして出力する3次元スキャナの構成部材などにも同様に適用することができる。
[パッケージング]
次に、図11を参照して、本実施形態の駆動装置により制御される光偏向器のパッケージングについて説明する。
図11は、パッケージングされた光偏向器の一例の概略図である。
図11に示すように、光偏向器13は、パッケージ部材801の内側に配置される取付部材802に取り付けられ、パッケージ部材の一部を透過部材803で覆われて、密閉されることでパッケージングされる。
さらに、パッケージ内は窒素等の不活性ガスが密封されている。これにより、光偏向器13の酸化による劣化が抑制され、さらに温度等の環境の変化に対する耐久性が向上する。
次に、以上に説明した光偏向システム、光走査システム、画像投影装置、光書込装置、物体認識装置に使用される光偏向器の詳細及び本実施形態の駆動装置による制御の詳細について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
実施形態の用語における回動、揺動、可動は光偏向を行うために、ミラー部110を動作させることを示す用語であることから同義であるとする。更に、矢印により示した方向のうち、X方向は軸Aと平行な方向、Y方向は軸Bと平行な方向、Z方向はXY平面と直交する方向とする。なお、Z方向は「積層方向」の一例である。
また、本願において、[垂直」、「平行」、「直交」等は、厳密に[垂直」、「平行」、「直交」等である場合に限定する趣旨ではなく、作用上支障のない範囲でおおよそ[垂直」、「平行」、「直交」等である場合も含む。具体的には、[垂直」及び「直交」は両線のなす角度が90±10°の範囲を含み、「平行」は両線のなす角が0±10°である場合も含むものとする。
〈第1実施形態〉
図12は、第1実施形態に係る光偏向器を例示する平面図であり、光偏向器を表面側(反射面側)から視た図である。図13は、第1実施形態に係る光偏向器を例示する斜視図であり、光偏向器を裏面側から視た図である。
図12及び図13に示す光偏向器100は、反射面を有する可動部を回動させて、反射面へ入射する光を1軸方向(X軸に平行な軸Aの周り)に偏向する片持ちタイプの光偏向器である。
光偏向器100は、軸Aの周りのミラー部110の回動を可能にする構造を備えている。すなわち、光偏向器100は、ミラー部110が1軸方向に回動することにより、入射する光を1軸方向に走査しながら偏向可能である。以下、光偏向器100の構造について詳説する。
光偏向器100は、入射した光を反射する反射面112を有するミラー部110と、トーション梁120a及び120bと、接続部130a及び130bと、駆動部140a及び140bと、固定部150と、電極接続部160とを有している。
光偏向器100は、例えば、1枚のSOI(Silicon On Insulator)基板をエッチング処理等により成形し、成形した基板上に反射面112や駆動部140a及び140bを形成することで、各構成部が一体的に形成されている。なお、上記の各構成部の形成は、SOI基板の成形後に行ってもよいし、SOI基板の成形中に行ってもよい。
SOI基板は、単結晶シリコン(Si)からなる第1のシリコン層の上に酸化シリコン層が設けられ、酸化シリコン層の上に更に単結晶シリコンからなる第2のシリコン層が設けられた基板である。以降、第1のシリコン層をシリコン支持層、第2のシリコン層をシリコン活性層とする。
シリコン活性層は、X軸方向またはY軸方向に対してZ軸方向への厚みが小さいため、シリコン活性層のみで構成された部材は、弾性を有する弾性部としての機能を備える。シリコン活性層の厚みは、例えば、20〜60μm程度である。なお、SOI基板は、必ず平面状である必要はなく、曲率等を有していてもよい。
なお、以降の説明は、光偏向器100がSOI基板から形成されている場合の例であるが、エッチング処理等により一体的に成形でき、部分的に弾性を持たせることができる基板であれば、光偏向器100の形成に用いられる部材はSOI基板に限られない。このような基板としては、例えば、Si基板をウエハー接合した基板や厚膜形成したポリシリコンを利用した基板、金属ガラスやサファイヤといったSi以外を材料とした基板等が挙げられる。
ミラー部110は、軸Aの周りに回動可能な可動部であり、例えば、ミラー部基体111と、ミラー部基体111の+Z側の面上に形成された反射面112とを有する。ミラー部110及びミラー部基体111の形状は特に限定されないが、例えば円形状や楕円形状等が挙げられる。ミラー部基体111は、例えば、シリコン活性層から構成される。反射面112は、例えば、アルミニウム、金、銀等を含む金属薄膜で構成される。
また、ミラー部110は、ミラー部基体111の−Z側の面にミラー部補強用のリブが形成されていてもよい。リブは、例えば、シリコン支持層及び酸化シリコン層から構成され、可動によって生じる反射面112の歪みを抑制する。
ミラー部110の中心(重心)は、例えば、トーション梁120a及び120bの中心軸である軸Aに対して、接続部130a及び130bと固定部150との接続箇所に近接する方向にオフセットされていてもよい。オフセットされている構成とすることで、可動部の振幅を大きくすることができる。
トーション梁120a及び120bは、ミラー部基体111に一端が接続し、軸A方向にそれぞれ延びてミラー部110を軸Aの周りに可動可能に支持する一対の弾性支持部である。トーション梁120a及び120bは、例えば、シリコン活性層から構成される。
接続部130a及び130bは、トーション梁120a及び120bと固定部150とを接続する一対の接続部であり、固定部150に対して片持ち支持されている。接続部130aと接続部130bは、例えば、反射面112の中心を通るY軸に平行な軸に対して線対称となるように、ミラー部110を挟んで配置されている。
接続部130a及び130bは、トーション梁120a及び120bの中心軸である軸Aに対して片側に配置されており、接続部130a及び130bでミラー部110とトーション梁120a及び120bを固定部150に対して片持ち支持した構成である。
接続部130aは、軸Aに垂直な方向(Y軸に平行な方向)を長手方向とする短冊状の駆動梁131a、131b、及び131cと、駆動梁同士を折り返し構造となるよう連結する連結部とを有している。駆動梁131a、131b、及び131cは、連結部を介して折り返すように連結された折り返し構造である。
具体的には、駆動梁131aのY+側端部はトーション梁120aのミラー部基体111側とは反対側の端部に接続されている。又、駆動梁131aのY−側端部は、連結部133aを介して駆動梁131bのY−側端部に接続されている。駆動梁131bのY+側端部は、連結部133bを介して駆動梁131cのY+側端部に接続されている。駆動梁131cのY−側端部は固定部150の内周部に接続されている。駆動梁131cと固定部150との接続箇所は、固定端135aである。
同様に、接続部130bは、軸Aに垂直な方向(Y軸に平行な方向)を長手方向とする短冊状の駆動梁132a、132b、及び132cと、駆動梁同士を折り返し構造となるよう連結する連結部とを有している。駆動梁132a、132b、及び132cは、連結部を介して折り返すように連結された折り返し構造である。
具体的には、駆動梁132aのY+側端部はトーション梁120bのミラー部基体111側とは反対側の端部に接続されている。又、駆動梁132aのY−側端部は、連結部134aを介して駆動梁132bのY−側端部に接続されている。駆動梁132bのY+側端部は、連結部134bを介して駆動梁132cのY+側端部に接続されている。駆動梁132cのY−側端部は固定部150の内周部に接続されている。駆動梁132cと固定部150との接続箇所は、固定端135bである。
駆動部140aは接続部130aの表面側(反射面112が形成されている側)に形成され、ユニモルフ構造をなしている。駆動部140bは接続部130bの表面側に形成され、ユニモルフ構造をなしている。駆動部140a及び140bは、接続部130a及び130bを変形させることによりミラー部110を揺動させる。
駆動部140aは、軸Aに垂直な方向(Y軸に平行な方向)を長手方向とする短冊状の駆動素子141a、141b、及び141cを有している。駆動素子141aは駆動梁131aの表面側に形成され、駆動素子141bは駆動梁131bの表面側に形成され、駆動素子141cは駆動梁131cの表面側に形成されている。つまり、折り返し構造である接続部130aの各々の折り返し部には駆動素子が設けられている。
同様に、駆動部140bは、軸Aに垂直な方向(Y軸に平行な方向)を長手方向とする短冊状の駆動素子142a、142b、及び142cを有している。駆動素子142aは駆動梁132aの表面側に形成され、駆動素子142bは駆動梁132bの表面側に形成され、駆動素子142cは駆動梁132cの表面側に形成されている。つまり、折り返し構造である接続部130bの各々の折り返し部には駆動素子が設けられている。
駆動素子141a、141b、141c、142a、142b、及び142cは圧電素子であり、例えば、弾性部であるシリコン活性層の+Z側の面上に順次形成された下部電極、圧電部、及び上部電極を有している。上部電極及び下部電極は、例えば、金(Au)または白金(Pt)等から形成できる。圧電部は、例えば、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)から形成できる。
固定部150側からそれぞれ奇数番目の駆動梁と偶数番目の駆動梁をセットで交互に逆相で駆動することで、ミラー部110を軸Aの周りに揺動させることができる。
固定部150は、例えば、ミラー部110を囲うように形成された矩形形状の支持体である。固定部150は、例えば、シリコン支持層、酸化シリコン層、及びシリコン活性層から構成される。なお、固定部150は、ミラー部110を完全に囲うように形成される必要はなく、例えば、図12における上下方向に開放部を設けることも可能である。
電極接続部160は、例えば、固定部150の+Z側の面上に形成されている。電極接続部160は、例えば、駆動素子141a〜141c、及び142a〜142cの各上部電極及び各下部電極と、アルミニウム(Al)等の電極配線を介して、電気的に接続されている。電極接続部160は、例えば、光偏向器100の外部に配置される制御装置等と電気的に接続される。なお、上部電極及び/または下部電極は、それぞれが電極接続部160と直接接続されていてもよいし、電極同士を接続する等により間接的に接続されていてもよい。
例えば、固定部150側から偶数番目に配置された駆動素子の各上部電極及び各下部電極は電極接続部160に含まれる第1電極に接続され、固定部150側から奇数番目に配置された駆動素子の各上部電極及び各下部電極は電極接続部160に含まれる第2電極(第1電極とは異なる電極)に接続される。この場合、電極接続部160に含まれる第1電極と第2電極に交互に電圧が印加されると、ミラー部110が揺動する。
なお、本実施形態では、駆動部140aは接続部130aの表面側に形成され、駆動部140bは接続部130bの表面側に形成されている。しかし、駆動部は接続部の裏面側(−Z側の面)に設けても良いし、接続部の表面側及び裏面側の双方に設けても良い。
また、ミラー部110を軸Aの周りに回転振動可能であれば、各構成部の形状は実施形態の形状に限定されない。例えば、トーション梁120a及び120bや接続部130a及び130bが曲率を有した形状を有していてもよい。
更に、駆動部140a及び140bの上部電極の+Z側の面上、固定部150の+Z側の面上の少なくとも何れかに酸化シリコン層等からなる絶縁層が形成されていてもよい。
このとき、絶縁層の上に電極配線を設け、また、上部電極または下部電極と電極配線とが接続される接続スポットのみ、開口部として部分的に絶縁層を除去または絶縁層を形成しないことにより、駆動部140a及び140b並びに電極配線の設計自由度を向上し、更に電極同士の接触による短絡を抑制できる。また、酸化シリコン層は、反射防止材としての機能を備えてもよい。
次に、光偏向器100のミラー部110の動作について詳細について説明する。図14は、第1実施形態に係るミラー部が可動する様子を側面方向から見た模式図である。
光偏向器100では、トーション梁120a及び120bと駆動梁131a〜131c及び132a〜132cの長手方向が直交して配置されている。そのため、駆動梁131a〜131c及び132a〜132cの曲げで発生する回転力を効率よくトーション梁120a及び120bの捻り方向の変形に伝えることができる。また、接続部130a及び130bはトーション梁120a及び120bとミラー部110を片持ちした構造であるため、接続部130a及び130bの先端は自由端になっており、大きな振幅で振動することができる。
また、ミラー部110の中心(重心)は、トーション梁120a及び120bの中心軸である軸Aに対して、接続部130a及び130bと固定部150との接続箇所に近接する方向にオフセットされている。このようにすることで、駆動梁131a〜131c及び132a〜132cの振動によってモーメントを発生させ、ミラー部110を大きく揺動させることが可能である。
光偏向器100において、駆動梁を折り返し構造として共振モードを利用して駆動することで、図14に示すように、駆動梁の折り返し構造で変形量を累積することができる。例えば、図14において、駆動梁131aの先端の変形量は、駆動梁131bの先端の変形量よりも大きくなっている。
このように、駆動梁の折り返し構造で変形量を累積することで、トーション梁120a及び120bのねじり共振モードを励起することができる。その結果、トーション梁120a及び120bの振幅が増大し、ミラー部110に大きなモーメントMを与えることができる。
なお、図14において、矢印dは駆動素子141a及び141bの歪む方向、ΔSは軸Aに対するミラー部110の中心のオフセット量、wは駆動梁の先端の振れ方向、zは駆動梁の先端の変形量、θはミラー部110の回転角度である。
図15は、比較例に係るミラー部が可動する様子を側面方向から見た模式図である。比較例に係る光偏向器は、駆動梁の折り返し構造を採用していなく、ミラー部110xの両側に一対の駆動梁131x及び駆動部141xが形成されている。
比較例に係る光偏向器は、駆動梁の折り返し構造を有しないため、図14の場合のように駆動梁の折り返し構造で変形量が累積する効果を得られない。そのため、小さなモーメントMしか発生せず、駆動梁131xの先端の変形量z、及びミラー部110xの回転角度θは図14の場合よりも小さな値となる。
このように、第1実施形態に係る光偏向器100では、駆動梁の折り返し構造で変形量を累積してトーション梁120a及び120bのねじり共振モードを励起し、トーション梁120a及び120bの振幅を増大させるため、従来よりも大振幅の光偏向器100を実現できる。また、接続部130a及び130bを折り返し構造とすることで、接続部130a及び130bをコンパクトに形成できるため、光偏向器100を小型化できる。つまり、小型で大振幅の光偏向器100を実現できる。
また、接続部130a及び130bを折り返し構造とすることで、駆動梁の振幅を大きくしてもミラー部110の振幅を増大した際の応力を緩和できる。
図16は、共振周波数について説明する図である。図16において、fc1は接続部の一次の曲げ変形モードの共振周波数を、fc2はトーション梁のねじり変形のモードによるミラーの共振周波数を示している。共振周波数fc1は、共振周波数fc2の近傍であることが好ましい。言い換えれば、共振周波数fc1は、共振周波数fc2に対して、トーション梁のねじり変形のモードによるミラー部の共振を励起可能な周波数範囲内に設定されていることが好ましい。このような設定により、接続部の一次の曲げ変形モードの共振でミラー部の共振(トーション梁によるねじりモード)を増幅する効果があるため、ミラー部のより大きな振幅が得られる。ここで、近傍とは、共振周波数fc1と共振周波数fc2が互いの振動モードが影響し合って連成振動を生じる範囲をいう。このような範囲内であれば、共振周波数fc1は、トーション梁のねじり変形のモードによるミラー部の共振を励起可能である。
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、駆動チャンネルを1つにする例を示す。なお、第2実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図17は、第2実施形態に係る光偏向器を例示する平面図であり、光偏向器を表面側(反射面側)から視た図である。なお、第2実施形態に係る光偏向器を裏面側から視た図は、図13と同様である。
図17に示す光偏向器100Aは、駆動部140a及び140bが駆動部140c及び140dに置換された点が、光偏向器100(図12及び図13参照)と相違する。
駆動部140cは、駆動素子141a及び141cを有しており、駆動素子141bを有していない。すなわち、固定部150側から1番目に位置する駆動梁131aには駆動素子141aが形成され、固定部150側から3番目に位置する駆動梁131cには駆動素子141cが形成されている。しかし、固定部150側から2番目に位置する駆動梁131bには駆動素子が形成されていない。
同様に、駆動部140dは、駆動素子142a及び142cを有しており、駆動素子142bを有していない。すなわち、固定部150側から1番目に位置する駆動梁132aには駆動素子142aが形成され、固定部150側から3番目に位置する駆動梁132cには駆動素子142cが形成されている。しかし、固定部150側から2番目に位置する駆動梁132bには駆動素子が形成されていない。
光偏向器100Aでは、各々の駆動素子に電圧を印加しても各々の駆動梁は片側のみにしか反り変形することができないが、共振動作のためミラー部110を両側に振動させることができる。
このように、共振動作の場合、片側のみの変形を利用してもミラー部110を両側に動作させることが可能である。そのため、折り返し構造の固定部150側から奇数番目に配置された駆動梁のみに駆動素子が設け、片側のみの変形を利用してミラー部110を搖動させてもよい。この場合、駆動素子には1チャンネルのみの電圧を印加すればよいので、駆動ドライバは1チャンネル分のみを準備すればよく、光偏向器100Aの駆動ドライバの低コスト化が可能となる。固定部150側から偶数番目に配置された駆動梁のみに駆動素子を形成する場合も、上記と同様の効果が得られる。
なお、接続部の曲げモードの共振周波数は、2番目の駆動梁を変形させない方が高くなりやすい。そこで、ミラー部110の共振周波数の目標値しだいではあるが、ミラー部110の共振周波数を高くしたい場合には、例えば、図18に示すように、2番目の駆動梁の部分には補強部(リブ)となる駆動梁支持層150a及び150bとしてシリコン支持層を形成したままとしてもよい。駆動梁支持層150a及び150bの各々の幅は、例えば、各々が設けられる駆動梁の幅と略同一とすることができる。また、この場合、2本目の駆動梁は変形に寄与しないため、幅を細くしてもよい。
このように、駆動素子が設けられていない駆動梁の部分に、補強部となる駆動梁支持層が設けられてもよい。なお、固定部150側から偶数番目に配置された駆動梁のみに駆動素子を形成する場合は、固定部150側から奇数番目に配置された駆動梁の部分に、補強部となる駆動梁支持層を設ければよい。
〈第3実施形態〉
第3実施形態では、駆動梁の本数を偶数本にする例を示す。なお、第3実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図19は、第3実施形態に係る光偏向器を例示する平面図であり、光偏向器を表面側(反射面側)から視た図である。図20は、第3実施形態に係る光偏向器を例示する斜視図であり、光偏向器を裏面側から視た図である。
図19及び図20に示す光偏向器100Bは、接続部130a及び130bが接続部130c及び130dに置換され、駆動部140a及び140bが駆動部140e及び140fに置換された点が、光偏向器100(図12及び図13参照)と相違する。
接続部130cは、駆動梁131a及び131bを有しており、駆動梁131cを有していない。光偏向器100の駆動梁131cの位置(図12参照)には、固定部150の内周部からトーション梁120a方向に延伸する、軸Aに垂直な方向を長手方向とする延伸部150cが形成されている。また、延伸部150cのトーション梁120a側の端部からトーション梁120aと平行に延伸する、軸Aに平行な方向を長手方向とする延伸部150dが形成されている。延伸部150c及び150dは、例えば、シリコン支持層、酸化シリコン層、及びシリコン活性層から構成される。延伸部150c及び150dは、固定部150と一体に形成されている。
駆動梁131a及び131bは、連結部を介して折り返すように連結された折り返し構造である。具体的には、駆動梁131aのY+側端部はトーション梁120aのミラー部基体111側とは反対側の端部に接続されている。又、駆動梁131aのY−側端部は、連結部133aを介して駆動梁131bのY−側端部に接続されている。駆動梁131bのY+側端部は、延伸部150dを介して延伸部150cのY+側端部に接続されている。延伸部150cのY−側端部は固定部150の内周部に接続されている。
同様に、接続部130dは、駆動梁132a及び132bを有しており、駆動梁132cを有していない。光偏向器100の駆動梁132cの位置(図12参照)には、固定部150の内周部からトーション梁120b方向に延伸する、軸Aに垂直な方向を長手方向とする延伸部150eが形成されている。また、延伸部150eのトーション梁120b側の端部からトーション梁120bと平行に延伸する、軸Aに平行な方向を長手方向とする延伸部150fが形成されている。延伸部150e及び150fは、例えば、シリコン支持層、酸化シリコン層、及びシリコン活性層から構成される。延伸部150e及び150fは、固定部150と一体に形成されている。
駆動梁132a及び132bは、連結部を介して折り返すように連結された折り返し構造である。具体的には、駆動梁132aのY+側端部はトーション梁120bのミラー部基体111側とは反対側の端部に接続されている。又、駆動梁132aのY−側端部は、連結部134aを介して駆動梁132bのY−側端部に接続されている。駆動梁132bのY+側端部は、延伸部150fを介して延伸部150eのY+側端部に接続されている。延伸部150eのY−側端部は固定部150の内周部に接続されている。
駆動部140eは、駆動素子141a及び141bを有しており、駆動素子141cを有していない。すなわち、固定部150側から1番目に位置する駆動梁131aには駆動素子141aが形成され、固定部150側から2番目に位置する駆動梁131bには駆動素子141bが形成されている。
同様に、駆動部140fは、駆動素子142a及び142bを有しており、駆動素子142cを有していない。すなわち、固定部150側から1番目に位置する駆動梁132aには駆動素子142aが形成され、固定部150側から2番目に位置する駆動梁132bには駆動素子142bが形成されている。
固定部150側からそれぞれ奇数番目の駆動梁と偶数番目の駆動梁をセットで交互に逆相で駆動することで、ミラー部110を揺動させることができる。
光偏向器100と同様に、接続部の一次の曲げモードの共振周波数を、トーション梁のねじり変形によるミラーの共振周波数の近傍に設定することで、接続部の一次の曲げモードの共振でミラー部の共振(トーション梁によるねじりモード)を増幅する効果があるため、ミラー部のより大きな振幅が得られる。
このように、接続部の駆動梁の本数を偶数本とすることで接続部の固定端135c及び135dが固定部150の中央付近に位置することになるため、ミラー部110の駆動の反力による固定部150の振動が抑制できる。なお、固定端135cは延伸部150dと駆動梁131bとの接続箇所であり、固定端135dは延伸部150fと駆動梁132bとの接続箇所である。
図21は、ミラー駆動周波数付近の周波数応答特性の一例を示す図であり、駆動梁1枚の構成(比較例)に対して、光偏向器100Bは大きな振幅角が得られていることがわかる。
〈第4実施形態〉
第4実施形態では、第1実施形態に係る光偏向器を利用した2軸の光偏向器の例を示す。なお、第4実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。なお、本実施形態では、軸Aを回動の中心とした光走査を主走査とし、軸Bを回動の中心とした光走査を副走査とする。
図22は、第4実施形態に係る光偏向器を例示する平面図である。図22に示す光偏向器200は、反射面を有する可動部を回動させて、反射面へ入射する光を2軸方向(軸A及び軸Bの周り)に偏向する光偏向器である。
光偏向器200は、主走査方向に相当する軸Aの周りのミラー部110の回動と、副走査方向に相当する軸Bの周りのミラー部110の回動とを可能にする構造を備えている。すなわち、光偏向器200は、ミラー部110が2軸方向に回動することにより、入射する光を2軸方向に走査しながら偏向可能である。光偏向器200では、光偏向器100を主走査方向(高速軸)に利用している。以下、光偏向器200の構造について詳説する。
光偏向器200は、光偏向器100と、固定部150と固定部250とを接続する一対の接続部230a及び230bと、接続部230a及び230bを変形させる駆動部240a及び240bと、固定部150の外周側に設けられた固定部250と、電極接続部260とを有する。
駆動部140a及び140bは、接続部130a及び130bを変形させることにより可動部を接続部130a及び130bの曲げ方向と直交する軸A周りに搖動させる。また、駆動部240a及び240bは、接続部230a及び230bを変形させることにより可動部を軸Aと直交する軸B回りに搖動させる。
光偏向器200は、例えば、1枚のSOI基板をエッチング処理等により成形し、成形した基板上に反射面112や駆動部140a及び140b、駆動部240a及び240b、電極接続部260等を形成することで、各構成部が一体的に形成されている。なお、上記の各構成部の形成は、SOI基板の成形後に行ってもよいし、SOI基板の成形中に行ってもよい。
なお、SOI基板は、必ず平面状である必要はなく、曲率等を有していてもよい。また、エッチング処理等により一体的に成形でき、部分的に弾性を持たせることができる基板であれば光偏向器200の形成に用いられる部材はSOI基板に限られない。
接続部230aは、軸Bに垂直な方向(X軸に平行な方向)を長手方向とする短冊状の駆動梁231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、及び231hを有している。231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、及び231hは、連結部を介して折り返すように連結された折り返し構造である。駆動梁231aの一端は光偏向器100の固定部150の外周部に接続され、駆動梁231hの一端は固定部250の内周部に接続されている。
同様に、接続部230bは、軸Bに垂直な方向(X軸に平行な方向)を長手方向とする短冊状の駆動梁232a、232b、232c、232d、232e、232f、232g、及び232hを有している。232a、232b、232c、232d、232e、232f、232g、及び232hは、連結部を介して折り返すように連結された折り返し構造である。駆動梁232aの一端は光偏向器100の固定部150の外周部に接続され、駆動梁232hの一端は固定部250の内周部に接続されている。
このとき、接続部230aと光偏向器100の固定部150との接続箇所と、接続部230bと光偏向器100の固定部150との接続箇所は、例えば、反射面112の中心に対して点対称となる位置とすることができる。また、接続部230aと固定部250との接続箇所と、接続部230bと固定部250との接続箇所は、例えば、反射面112の中心に対して点対称となる位置とすることができる。
駆動部240aは接続部230aの表面側(反射面112が形成されている側)に形成され、ユニモルフ構造をなしている。駆動部240bは接続部230bの表面側に形成され、ユニモルフ構造をなしている。
駆動部240aは、軸Bに垂直な方向(X軸に平行な方向)を長手方向とする短冊状の駆動素子241a、241b、241c、241d、241e、241f、241g、及び241hを有している。駆動素子241a〜241hは、それぞれ駆動梁231a〜231hの表面側に形成されている。
同様に、駆動部240bは、軸Bに垂直な方向(X軸に平行な方向)を長手方向とする短冊状の駆動素子242a、242b、242c、242d、242e、242f、242g、及び242hを有している。駆動素子242a〜242hは、それぞれ駆動梁232a〜232hの表面側に形成されている。
駆動素子241a〜241h、及び駆動素子242a〜242hは圧電素子であり、例えば、弾性部であるシリコン活性層の+Z側の面上に順次形成された下部電極、圧電部、及び上部電極を有している。上部電極及び下部電極は、例えば、金(Au)または白金(Pt)等から形成できる。圧電部は、例えば、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)から形成できる。
駆動梁131a〜131c及び132a〜132cにおいて、固定部150側からそれぞれ奇数番目の駆動梁と偶数番目の駆動梁をセットで交互に逆相で駆動することで、ミラー部110を軸Aの周りに揺動させることができる。また、駆動梁231a〜231h及び232a〜232hにおいて、固定部250側からそれぞれ奇数番目の駆動梁と偶数番目の駆動梁をセットで交互に逆相で駆動することで、ミラー部110を軸Bの周りに揺動させることができる。すなわち、ミラー部110を搖動させることで、反射面112へ入射する光を2軸方向(軸A及び軸Bの周り)に偏向することができる。
固定部250は、例えば、光偏向器100の固定部150を囲うように形成された矩形形状の支持体である。固定部250は、例えば、シリコン支持層、酸化シリコン層、及びシリコン活性層から構成される。なお、固定部250は、光偏向器100の固定部150を完全に囲うように形成される必要はなく、例えば、図22における上下方向に開放部を設けることも可能である。
電極接続部260は、例えば、固定部250の+Z側の面上に形成されている。電極接続部260は、例えば、駆動素子141a〜141c、142a〜142c、241a〜241h、及び242a〜242hの各上部電極及び各下部電極と、アルミニウム(Al)等の電極配線を介して、電気的に接続されている。電極接続部260は、例えば、光偏向器200の外部に配置される制御装置等と電気的に接続される。なお、上部電極及び/または下部電極は、それぞれが電極接続部260と直接接続されていてもよいし、電極同士を接続する等により間接的に接続されていてもよい。
なお、本実施形態では、駆動部240aは接続部230aの表面側に形成され、駆動部240bは接続部230bの表面側に形成されている。しかし、駆動部は接続部の裏面側(−Z側の面)に設けても良いし、接続部の表面側及び裏面側の双方に設けても良い。
また、ミラー部110を軸Aの周り及び軸Bの周りに駆動可能であれば、各構成部の形状は実施形態の形状に限定されない。例えば、トーション梁120a及び120bや接続部130a及び130bが曲率を有した形状を有していてもよい。
更に、駆動部240a及び240bの上部電極の+Z側の面上、固定部250の+Z側の面上の少なくとも何れかに酸化シリコン層等からなる絶縁層が形成されていてもよい。
このとき、絶縁層の上に電極配線を設け、また、上部電極または下部電極と電極配線とが接続される接続スポットのみ、開口部として部分的に絶縁層を除去または絶縁層を形成しないことにより、駆動部240a及び240b並びに電極配線の設計自由度を向上し、更に電極同士の接触による短絡を抑制できる。また、酸化シリコン層は、反射防止材としての機能を備えてもよい。
このように、第1実施形態に係る光偏向器100を利用した2軸の光偏向器200を実現できる。光偏向器100では接続部130a及び130bをコンパクトに形成できるため、2軸構成において可動部である光偏向器100が軽量化され、副走査方向(低速軸)の共振周波数を高くできる。また、そのため、駆動部240a及び240bへの印加電圧を低減できる。
なお、光偏向器100に代えて、光偏向器100Aまたは100Bを用いてもよい。特に、光偏向器200において、光偏向器100Bを主走査方向(高速軸)に利用する場合、接続部の固定端135c及び135dが固定部150の中央付近に位置することになるため、ミラー部110の駆動の反力による固定部150の振動が抑制できる。
すなわち、固定端135c及び135dをトーション梁120a及び120bと垂直な方向においてミラー部110の回転中心軸に近接させることで、固定部150への駆動の反力によるモーメントの発生を抑制し、駆動動作時の反力による固定部への不要振動を低減できる。そのため、より安定して大振幅を得ることができる。
光偏向器200において、2次元的に光ビームを走査する際の走査方法としては、例えばラスタ走査方式を用いることができる。すなわち、軸Aを中心とした方向には、例えば、光偏向器100が有する共振モードの励振周波数に合わせた高速(数kHz〜数十kHz)の正弦波信号によってミラー部110を走査する。一方、軸Bを中心とした方向には、例えば、より低速(数十Hz)の鋸波状波形の駆動信号によってミラー部110を走査する。例えば光ビーム走査を利用した画像描画装置では、画像情報に対応して光ビームをミラー部110の走査角に合わせて点滅させることで、画像を描画できる。
〈第5実施形態〉
第2実施形態で補強部について説明したが、第5実施形態では補強部のバリエーションの例を示す。なお、第5実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図23は、第5実施形態に係る光偏向器を例示する平面図であり、光偏向器を裏面側から視た図である。図24は、第5実施形態に係る光偏向器を例示する斜視図であり、光偏向器を裏面側から視た図である。なお、第5実施形態に係る光偏向器を表面側から視た図は図12と同様である。すなわち、接続部130aの表面側には駆動素子141a、141b、及び141cを有する駆動部140aが形成され、接続部130bの表面側には駆動素子142a、142b、及び142cを有する駆動部140bが形成されている。
図23及び図24に示す光偏向器100Cでは、接続部130aにおいて駆動梁131aと131bとを連結する連結部133a、及び駆動梁131bと131cとを連結する連結部133bの裏面側に、それぞれ補強部(リブ)となる連結部支持層151a及び151bが設けられている。又、接続部130bにおいて駆動梁132aと132bとを連結する連結部134a、及び駆動梁132bと132cとを連結する連結部134bの裏面側に、それぞれ補強部となる連結部支持層152a及び152bが設けられている。
連結部支持層151a、151b、152a、及び152bは、軸Aに平行な方向(X軸に平行な方向)を長手方向とする細長状に形成され、隣接する駆動梁の連結部の裏面からZ−方向に突起している。連結部支持層151a、151b、152a、及び152bは、例えば、シリコン支持層から形成される。
接続部130a及び130bは、単純に曲げ変形をすることが望ましいが、実際には折り返して隣接する駆動梁からの力を受けて、接続部130a及び130bにねじれ変形が生じる。駆動素子141a〜141c及び142a〜142cへの印加電圧を増やしてミラー部110の振幅を大きくすると、ねじれ変形が大きくなって接続部130a及び130bが破壊するおそれがある。
そこで、光偏向器100Cでは、接続部130a及び130bの裏面側に連結部支持層151a、151b、152a、及び152bを設け、接続部130a及び130bのねじれ変形を抑制している。これにより、駆動素子141a〜141c及び142a〜142cへの印加電圧を増やしてもミアンダ構造の接続部130a及び130bが破壊されるおそれが低減する。その結果、破壊限界角の増大と、それに伴うミラー部110の振幅の増大を実現できる。
図17に示す光偏向器100Aのような、駆動素子141a及び141cを有して駆動素子141bを有しない駆動部140c、駆動素子142a及び142cを有して駆動素子142bを有しない駆動部140dを備えた構造の場合も同様である。
すなわち、図17に示す光偏向器100Aの構造の場合も、図23及び図24に示した連結部支持層151a、151b、152a、及び152bを設けることで、接続部130a及び130bのねじれ変形を抑制できる。これにより、駆動素子141a及び141c並びに142a及び142cへの印加電圧を増やしてもミアンダ構造の接続部130a及び130bが破壊されるおそれが低減する。その結果、破壊限界角の増大と、それに伴うミラー部110の振幅の増大を実現できる。
なお、図25に示す光偏向器100Dのように、連結部支持層151a、151b、152a、及び152bに加え、軸Aに垂直な方向(Y軸に平行な方向)を長手方向とする細長状に形成された駆動梁支持層151c及び152cを設けてもよい。駆動梁支持層151cは駆動梁131bの裏面からZ−方向に突起して、駆動梁支持層152cは駆動梁132bの裏面からZ−方向に突起している。駆動梁支持層151c及び152cは、例えば、シリコン支持層から形成される。駆動梁支持層151c及び152cの各々の幅は、例えば、各々が設けられる駆動梁の幅よりも狭い。
図25に示す光偏向器100Dのように、連結部の裏面に設けた連結部支持層と繋がらない形で、駆動梁の裏面に駆動梁支持層を設ける構成としてもよい。このような構成とすることで、連結部の裏面の連結部支持層、駆動梁の裏面の駆動梁支持層のうち、どちらか一方を設けた場合よりも、ミアンダ構造の接続部130a及び130bのねじれ変形を抑制し、接続部130a及び130bでの破壊を防止できる。その結果、破壊限界角の増大と、それに伴うミラー部110の振幅の増大を実現できる。又、図23の支持層構造の場合よりも接続部130a及び130bの剛性が上がるため、共振周波数を高くすることが可能である。
図26に示す光偏向器100Eのように、図25に示す連結部支持層151a及び152bと駆動梁支持層151cを繋げて1本の連続した支持層151dとし、図25に示す連結部支持層152a及び152bと駆動梁支持層152cを繋げて1本の連続した支持層152dとしてもよい。このような構成とすることで、図25に示す光偏向器100Dのように連結部の裏面に設けた連結部支持層と繋がらない形で駆動梁の裏面に駆動梁支持層を設ける構成とした場合よりも、ミアンダ構造の接続部130a及び130bのねじれ変形を更に抑制し、接続部130a及び130bでの破壊を更に防止できる。その結果、破壊限界角の更なる増大と、それに伴うミラー部110の振幅の更なる増大を実現できる。又、図26の支持層構造では、図25の支持層構造よりも接続部130a及び130bのねじれ変形を更に抑制できるため、共振周波数を更に高くすることが可能である。
図27は、支持層の効果を示すシミュレーション結果の一例である。図27(a)〜(c)は、図13のように接続部及び駆動梁の裏面側に支持層を設けていない場合の主要3モードのシミュレーション結果である。これに対し、図27(d)〜(f)は、図26に示す支持層151d及び152dを設けた場合の主要3モードのシミュレーション結果である。
なお、図27(a)及び(d)のモード1は接続部の曲げが主体のモード、図27(b)及び(e)のモード2はトーション梁のねじれが主体のモード、図27(c)及び(f)のモード3は接続部の曲げがミラー部の両側で逆位相となるモードである。
光偏向器の動作として利用するのは、トーション梁のねじれであるモード2のミラー共振であり、例えば、モード2のミラー共振が高いほど走査性能が高い光偏向器を実現できる。モード3は、ミラー共振と直交する方向に振動を発生するため、レーザ光の軌跡がリサージュ波形を生じるためリサージュ共振と呼ばれている。モード3のリサージュ共振が高いほど、接続部の剛性が高く、接続部のねじれ変形がし難いと考えることができる。
図27(a)〜(f)のモードの横に記載されている数値は、それぞれのモードでの共振周波数である。図27(a)〜(c)と図27(d)〜(f)とを比較すると、モード1〜3の何れにおいても、接続部及び駆動梁の裏面側に支持層を有する図26の構造の方が共振周波数が増加していることがわかる。なお、図27では、ミラー部の裏面側にも支持層が形成されているが、ミラー部の裏面側に支持層が形成されていない場合も効果は同様であり、接続部及び駆動梁の裏面側に支持層を有する図26の構造の方が共振周波数が増加する。
〈第6実施形態〉
第6実施形態では、接続部が所定の対称線に対して線対称に配置される例を示す。なお、第6実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図28は、第6実施形態に係る光偏向器を例示する平面図であり、光偏向器を表面側(反射面側)から視た図である。図29は、第6実施形態に係る光偏向器を例示する平面図であり、光偏向器を裏面側から視た図である。
図28及び図29に示す光偏向器100Fは、接続部130a及び130bが接続部130g及び130hに置換され、駆動部140a及び140bが駆動部140g及び140hに置換された点が、光偏向器100(図12及び図13参照)と相違する。
接続部130gは、軸Aに垂直な方向(Y軸に平行な方向)を長手方向とする短冊状の駆動梁131a〜131eと、駆動梁同士を折り返し構造となるよう連結する連結部とを有している。つまり、駆動梁131a〜131eは、連結部を介して折り返すように連結された折り返し構造である。
具体的には、駆動梁131aのY−側端部は固定部150の内周部に接続されており、駆動梁131aのY+側端部は駆動梁131bのY+側端部と接続されている。駆動梁131bのY−側端部は、駆動梁131c及び131dのY−側端部と接続されている。駆動梁131dのY+側端部は、駆動梁131eのY+側端部と接続されている。駆動梁131eのY−側端部は固定部150の内周部に接続されている。そして、トーション梁120aのミラー部基体111側とは反対側の端部は、5つの駆動梁の中心に位置する駆動梁131cのY+側端部と接続されている。
同様に、接続部130hは、軸Aに垂直な方向(Y軸に平行な方向)を長手方向とする短冊状の駆動梁132a〜132eと、駆動梁同士を折り返し構造となるよう連結する連結部とを有している。つまり、駆動梁132a〜132eは、連結部を介して折り返すように連結された折り返し構造である。
具体的には、駆動梁132aのY−側端部は固定部150の内周部に接続されており、駆動梁132aのY+側端部は駆動梁132bのY+側端部と接続されている。駆動梁132bのY−側端部は、駆動梁132c及び132dのY−側端部と接続されている。駆動梁132dのY+側端部は、駆動梁132eのY+側端部と接続されている。駆動梁132eのY−側端部は固定部150の内周部に接続されている。そして、トーション梁120bのミラー部基体111側とは反対側の端部は、5つの駆動梁の中心に位置する駆動梁132cのY+側端部と接続されている。
駆動部140gは接続部130gの表面側に形成され、ユニモルフ構造をなしている。駆動部140hは接続部130hの表面側に形成され、ユニモルフ構造をなしている。駆動部140g及び140hは、接続部130g及び130hを変形させることによりミラー部110を揺動させる。
駆動部140gは、軸Aに垂直な方向(Y軸に平行な方向)を長手方向とする短冊状の駆動素子141a〜141eを有している。駆動素子141aは駆動梁131aの表面側に形成され、駆動素子141bは駆動梁131bの表面側に形成され、駆動素子141cは駆動梁131cの表面側に形成されている。又、駆動素子141dは駆動梁131dの表面側に形成され、駆動素子141eは駆動梁131eの表面側に形成されている。つまり、折り返し構造である接続部130gの各々の折り返し部には駆動素子が設けられている。駆動素子141a〜141eは圧電素子である。
同様に、駆動部140hは、軸Aに垂直な方向(Y軸に平行な方向)を長手方向とする短冊状の駆動素子142a〜142eを有している。駆動素子142aは駆動梁132aの表面側に形成され、駆動素子142bは駆動梁132bの表面側に形成され、駆動素子142cは駆動梁132cの表面側に形成されている。又、駆動素子142dは駆動梁132dの表面側に形成され、駆動素子142eは駆動梁132eの表面側に形成されている。つまり、折り返し構造である接続部130hの各々の折り返し部には駆動素子が設けられている。駆動素子142a〜142eは圧電素子である。
図28において、対称線S1は、駆動梁131cの中心を通りY軸に平行な直線であり、駆動梁131cを長手方向に略二分する。又、対称線S2は、駆動梁132cの中心を通りY軸に平行な直線であり、駆動梁132cを長手方向に略二分する。光偏向器100Fでは、駆動梁131a及び131bの形状と駆動梁131d及び131eの形状は、駆動梁131cの長手方向と略平行な方向に対して線対称である。つまり、接続部130gは対称線S1に対して線対称に配置され、対称線S1は駆動梁131cとトーション梁120aとの接続部を通る。又、駆動梁132a及び132bの形状と駆動梁132d及び132eの形状は、駆動梁132cの長手方向と略平行な方向に対して線対称である。つまり、接続部130hは対称線S2に対して線対称に配置され、対称線S2は駆動梁132cとトーション梁120bとの接続箇所を通る。
各駆動素子に電圧を印加した際、駆動梁がミラー部を保持するトーションバーを駆動すると、駆動梁は曲げ変形をするとともに、ミアンダ構造の接続部130g及び130hにねじれ変形が生じてしまう。上記のように駆動梁とトーションバーとの接続箇所の両側に対称に駆動梁を配置することで、ねじれ変形が抑制され、ミアンダ構造の接続部130g及び130hの破壊を防止できる。
又、上記のように駆動梁とトーションバーとの接続箇所の両側に対称に駆動梁を配置することで、ミアンダ構造の接続部130g及び130hの剛性が増加するため、ミラー部110の共振周波数を高くすることが容易になる。更に、駆動素子を有する駆動梁の個数が多くなることで駆動力が増し、ミラー部110の駆動感度を向上できる。
〈第7実施形態〉
第7実施形態では、駆動チャンネルを1つにする例を示す。なお、第7実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図30は、第7実施形態に係る光偏向器を例示する平面図であり、光偏向器を表面側から視た図である。図31は、第7実施形態に係る光偏向器を例示する平面図であり、光偏向器を裏面側から視た図である。
図30及び図31に示す光偏向器100Gは、駆動部140a及び140bが駆動部140i及び140jに置換された点が、光偏向器100F(図28及び図29参照)と相違する。
駆動部140iは、駆動素子141a、141c、及び141eを有しており、駆動素子141b及び141dを有していない。すなわち、固定部150側から1番目に位置する駆動梁131aには駆動素子141aが形成され、固定部150側から3番目に位置する駆動梁131cには駆動素子141cが形成され、固定部150側から5番目に位置する駆動梁131eには駆動素子141eが形成されている。しかし、固定部150側から2番目に位置する駆動梁131b及び4番目に位置する駆動梁131dには駆動素子が形成されていない。
同様に、駆動部140jは、駆動素子142a、142c、及び142eを有しており、駆動素子142b及び142dを有していない。すなわち、固定部150側から1番目に位置する駆動梁132aには駆動素子142aが形成され、固定部150側から3番目に位置する駆動梁132cには駆動素子142cが形成され、固定部150側から5番目に位置する駆動梁132eには駆動素子142eが形成されている。しかし、固定部150側から2番目に位置する駆動梁132b及び4番目に位置する駆動梁132dには駆動素子が形成されていない。
光偏向器100Gでは、各々の駆動素子に電圧を印加しても各々の駆動梁は片側のみにしか反り変形することができないが、共振動作のためミラー部110を両側に振動させることができる。
このように、共振動作の場合、片側のみの変形を利用してもミラー部110を両側に動作させることが可能である。そのため、折り返し構造の固定部150側から奇数番目に配置された駆動梁のみに駆動素子が設け、片側のみの変形を利用してミラー部110を搖動させてもよい。この場合、駆動素子には1チャンネルのみの電圧を印加すればよいので、駆動ドライバは1チャンネル分のみを準備すればよく、光偏向器100Gの駆動ドライバの低コスト化が可能となる。固定部150側から偶数番目に配置された駆動梁のみに駆動素子を形成する場合も、上記と同様の効果が得られる。
なお、接続部の曲げモードの共振周波数は、2番目及び4番目の駆動梁を変形させない方が高くなりやすい。そこで、図31に示すように、光偏向器100Gでは、駆動部140iの2番目及び4番目の駆動梁の裏面側の駆動梁支持層と、隣接する駆動梁同士を接続する連結部の裏面側の連結部支持層とを繋げて1本の連続した支持層151eを形成している。又、駆動部140jの2番目及び4番目の駆動梁の裏面側の駆動梁支持層と、隣接する駆動梁同士を接続する連結部の裏面側の連結部支持層とを繋げて1本の連続した支持層152eを形成している。支持層151e及び152eは、例えば、シリコン支持層から形成される。
駆動梁の裏面と連結部の裏面に1本の連続した支持層151e及び152eを設けることで、ミアンダ構造の接続部130g及び130hのねじれ変形を抑制し、接続部130g及び130hでの破壊を防止できる。その結果、破壊限界角の更なる増大と、それに伴うミラー部110の振幅の更なる増大を実現できる。又、ミラー部110の共振周波数を高くすることが可能である。なお、2本目及び4本目の駆動梁は変形に寄与しないため、駆動に寄与する他の駆動梁よりも幅を細くしておくと、小型化に有利である。
図32は、支持層の効果を示すシミュレーション結果の一例である。図32(a)〜(c)は、図31に示す支持層151e及び152eを設けた場合の主要3モードのシミュレーション結果である。
図32(a)〜(c)のモードの横に記載されている数値は、それぞれのモードでの共振周波数である。図32(a)〜(c)と図27(d)〜(f)とを比較すると、モード1〜3の何れにおいても、図31の構造の方が、図26の構造よりも共振周波数が増加していることがわかる。なお、図31では、ミラー部の裏面側にも支持層が形成されているが、ミラー部の裏面側に支持層が形成されていない場合も効果は同様であり、図31の構造の方が図26の構造よりも共振周波数が増加する。
なお、固定部150側から偶数番目に配置された駆動梁のみに駆動素子を形成する場合は、固定部150側から奇数番目に配置された駆動梁の部分に、駆動梁支持層を設ければよい。
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上記の各実施形態において、可動部を搖動させる駆動手段に圧電素子を用いた圧電駆動方式を用いる例を示したが、これには限定されず、例えば静電力を利用して駆動する静電駆動方式や、電磁力を利用して駆動する電磁駆動方式を用いてもよい。又、第4実施形態において、主走査方向に可動部を搖動させる駆動手段、副走査方向に可動部を搖動させる駆動手段として何れも同じ駆動方式を採用しているが、これらは互いに異なる駆動方式を採用してもよい。
10 光走査システム
11 駆動装置
12 光源装置
13 光偏向器
14 反射面
15 被走査面
25 光源装置ドライバ
26 光偏向器ドライバ
30 制御部
31 駆動信号出力部
100、100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G、200 光偏向器
110 ミラー部
111 ミラー部基体
112 反射面
120a、120b トーション梁
130a、130b、130c、130d、130g、130h、230a、230b 接続部
131a、131b、131c、131d、131e、132a、132b、132c、132d、132e、231a、231b、231c、231d、231f、231g、231h、232a、232b、232c、232d、232e、232f、232g、232h 駆動梁
133a、133b、133c、134a、134b、134c 連結部
135a、135b、135c、135d 固定端
140a、140b、140c、140d、140e、140f、240a、240b 駆動部
141a、141b、141c、142a、142b、142c 駆動素子
150、250 固定部
150a、150b、151c、152c、 駆動梁支持層
150c、150d、150e、150f 延伸部
151a、151b、152a、152b 連結部支持層
151d、151e、152d、152e、 支持層
160、260 電極接続部
241a、241b、241c、241d、241e、241f、241g、241h、242a、242b、242c、242d、242e、242f、242g、242h 駆動素子
400 自動車
401 フロントガラス
402 運転者
500 ヘッドアップディスプレイ装置
501B、501G、501R レーザ光源
502、503、504 コリメータレンズ
505、506 ダイクロイックミラー
507 光量調整部
509 自由曲面ミラー
510 中間スクリーン
511 投射ミラー
530 光源ユニット
600 光書込装置
601 結像光学系
602 走査光学系
602a 第一レンズ
602b 第二レンズ
602c 反射ミラー部
650 レーザプリンタ
700 レーザレーダ装置
701 自動車
702 被対象物
703 コリメータレンズ
704 平面ミラー
705 投光レンズ
706 集光レンズ
707 撮像素子
708 信号処理回路
709 光検出器
710 測距回路
801 パッケージ部材
802 取付部材
803 透過部材
特開2014−066876号公報

Claims (18)

  1. 固定部と
    反射面を有する可動部と、
    前記可動部を支持する一対の弾性支持部と、
    前記弾性支持部と前記固定部とを接続する一対の接続部と、
    前記接続部を変形させることにより前記可動部を揺動させる駆動部と、を有し、
    前記接続部は前記固定部に対して片持ち支持され、
    前記接続部は折り返し構造であることを特徴とする光偏向器。
  2. 前記接続部は、複数の駆動梁と、前記駆動梁同士を折り返し構造となるよう連結する連結部と、を有し、
    各々の前記駆動梁は、前記弾性支持部の中心軸に垂直な方向を長手方向とすることを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  3. 前記連結部には、連結部支持層が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光偏向器。
  4. 前記複数の駆動梁のうち、前記固定部側から奇数番目に配置された駆動梁のみ、または前記固定部側から偶数番目に配置された駆動梁のみに、駆動素子が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の光偏向器。
  5. 前記駆動素子が設けられていない駆動梁には、駆動梁支持層が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の光偏向器。
  6. 前記駆動梁支持層の幅が前記駆動梁の幅と略同一であることを特徴とする請求項5に記載の光偏向器。
  7. 前記駆動梁支持層の幅が前記駆動梁の幅よりも狭いことを特徴とする請求項5に記載の光偏向器。
  8. 前記連結部には、連結部支持層が設けられ、
    前記連結部支持層と、前記駆動梁支持層とは繋がっていることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の光偏向器。
  9. 前記連結部には、連結部支持層が設けられ、
    前記連結部支持層と、前記駆動梁支持層とは繋がっていないことを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の光偏向器。
  10. 前記接続部は、
    前記弾性支持部と接続される第1の駆動梁と、
    一端が前記第1の駆動梁と接続され、他端が前記固定部と接続される第2の駆動梁と、
    一端が前記第1の駆動梁と接続され、他端が前記固定部と接続される第3の駆動梁と、を有し、
    前記第2の駆動梁の形状と前記第3の駆動梁の形状は、前記第1の駆動梁の長手方向と略平行な方向に対して線対称であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の光偏向器。
  11. 前記接続部の一次の曲げ変形モードの共振周波数は、前記弾性支持部のねじり変形のモードによる前記可動部の共振を励起可能な周波数範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の光偏向器。
  12. 前記駆動部には駆動素子が設けられ、
    前記固定部側から偶数番目に配置された前記駆動素子は第1電極に接続され、前記固定部側から奇数番目に配置された前記駆動素子は第2電極に接続されていることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の光偏向器。
  13. 前記第1電極と前記第2電極に交互に電圧が印加されると、前記可動部が揺動することを特徴とする請求項12に記載の光偏向器。
  14. 前記固定部の外周側に設けられた第2固定部と、
    前記固定部と前記第2固定部とを接続する一対の第2接続部と、
    前記第2接続部を変形させる第2駆動部と、を有し、
    前記駆動部は、前記接続部を変形させることにより前記可動部を前記弾性支持部の中心軸周りに搖動させ、
    前記第2駆動部は、前記第2接続部を変形させることにより前記可動部を前記弾性支持部の中心軸と直交する軸回りに搖動させることを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の光偏向器。
  15. 請求項1乃至14の何れか一項に記載の光偏向器を有することを特徴とする光走査システム。
  16. 請求項1乃至14の何れか一項に記載の光偏向器を有することを特徴とする画像投影装置。
  17. 請求項15に記載の光走査システムを有することを特徴とする画像形成装置。
  18. 請求項1乃至14の何れか一項に記載の光偏向器を有することを特徴とするレーザレーダ。
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