JP2021036283A - 光学系、光学機器、および光学系の製造方法 - Google Patents

光学系、光学機器、および光学系の製造方法 Download PDF

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Masafumi Yamashita
雅史 山下
智希 伊藤
Tomoki Ito
智希 伊藤
知憲 栗林
Tomonori Kuribayashi
知憲 栗林
啓吾 古井田
Keigo Koida
啓吾 古井田
哲史 三輪
Tetsushi Miwa
哲史 三輪
陽子 小松原
Yoko Komatsubara
陽子 小松原
渡邊 勝也
Katsuya Watanabe
勝也 渡邊
杏菜 野中
Anna Nonaka
杏菜 野中
歩 槇田
Ayumi Makita
歩 槇田
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Abstract

【課題】色収差の補正において、1次の色消しに加え、2次スペクトルが良好に補正された光学系を提供する。【解決手段】光学系LSは、開口絞りSと、開口絞りSより像側に配置された以下の条件式を満足する正レンズL6とを有している。−0.010<ndP2−(2.015−0.0068×νdP2)、50.00<νdP2<65.00、0.545<θgFP2、−0.010<θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)、但し、ndP2:正レンズのd線に対する屈折率、νdP2:正レンズのd線を基準とするアッベ数、θgFP2:正レンズの部分分散比【選択図】図1

Description

本発明は、光学系、光学機器、および光学系の製造方法に関する。
近年、デジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置に用いられる撮像素子は、高画素化が進んでいる。このような撮像素子を用いた撮像装置に設けられる撮影レンズは、球面収差、コマ収差等の基準収差(単一波長の収差)に加え、白色光源において像の色にじみがないように色収差も良好に補正された、高い解像力を有するレンズであることが望まれている。特に、色収差の補正においては、1次の色消しに加え、2次スペクトルが良好に補正されていることが望ましい。色収差の補正の手段として、例えば、異常分散性を有する樹脂材料を用いる方法(例えば、特許文献1を参照)が知られている。このように、近年の撮像素子の高画素化に伴い、諸収差が良好に補正された撮影レンズが望まれている。
特開2016−194609号公報
本発明に係る光学系は、開口絞りと、前記開口絞りより像側に配置された以下の条件式を満足する正レンズとを有する。
−0.010<ndP2−(2.015−0.0068×νdP2)
50.00<νdP2<65.00
0.545<θgFP2
−0.010<θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)
但し、ndP2:前記正レンズのd線に対する屈折率
νdP2:前記正レンズのd線を基準とするアッベ数
θgFP2:前記正レンズの部分分散比であり、前記正レンズのg線に対する屈折率をngP2とし、前記正レンズのF線に対する屈折率をnFP2とし、前記正レンズのC線に対する屈折率をnCP2としたとき、次式で定義される
θgFP2=(ngP2−nFP2)/(nFP2−nCP2)
本発明に係る光学機器は、上記光学系を備えて構成される。
本発明に係る光学系の製造方法は、開口絞りと、前記開口絞りより像側に配置された以下の条件式を満足する正レンズとを有するように、レンズ鏡筒内に各レンズを配置する。
−0.010<ndP2−(2.015−0.0068×νdP2)
50.00<νdP2<65.00
0.545<θgFP2
−0.010<θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)
但し、ndP2:前記正レンズのd線に対する屈折率
νdP2:前記正レンズのd線を基準とするアッベ数
θgFP2:前記正レンズの部分分散比であり、前記正レンズのg線に対する屈折率をngP2とし、前記正レンズのF線に対する屈折率をnFP2とし、前記正レンズのC線に対する屈折率をnCP2としたとき、次式で定義される
θgFP2=(ngP2−nFP2)/(nFP2−nCP2)
第1実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図である。 図2(A)、図2(B)、および図2(C)はそれぞれ、第1実施例に係る光学系の無限遠合焦時、中間距離合焦時、近距離合焦時の諸収差図である。 第2実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図である。 図4(A)、図4(B)、および図4(C)はそれぞれ、第2実施例に係る光学系の無限遠合焦時、中間距離合焦時、近距離合焦時の諸収差図である。 第3実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図である。 図6(A)、図6(B)、および図6(C)はそれぞれ、第3実施例に係る光学系の無限遠合焦時、中間距離合焦時、近距離合焦時の諸収差図である。 第4実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図である。 図8(A)、図8(B)、および図8(C)はそれぞれ、第4実施例に係る光学系の無限遠合焦時、中間距離合焦時、近距離合焦時の諸収差図である。 第5実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図である。 図10(A)、図10(B)、および図10(C)はそれぞれ、第5実施例に係る光学系の無限遠合焦時、中間距離合焦時、近距離合焦時の諸収差図である。 第6実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図である。 図12(A)、図12(B)、および図12(C)はそれぞれ、第6実施例に係る光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。 第7実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図である。 図14(A)、図14(B)、および図14(C)はそれぞれ、第7実施例に係る光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。 第8実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図である。 図16(A)、図16(B)、および図16(C)はそれぞれ、第8実施例に係る光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。 第9実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図である。 図18(A)、図18(B)、および図18(C)はそれぞれ、第9実施例に係る光学系の無限遠合焦時、中間距離合焦時、近距離合焦時の諸収差図である。 第10実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成図である。 図20(A)、図20(B)、および図20(C)はそれぞれ、第10実施例に係る光学系の広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。 本実施形態に係る光学系を備えたカメラの構成を示す図である。 本実施形態に係る光学系の製造方法を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る好ましい実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る光学系を備えたカメラ(光学機器)を図21に基づいて説明する。このカメラ1は、図21に示すように撮影レンズ2として本実施形態に係る光学系を備えたデジタルカメラである。カメラ1において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2で集光されて、撮像素子3へ到達する。これにより被写体からの光は、当該撮像素子3によって撮像されて、被写体画像として不図示のメモリに記録される。このようにして、撮影者はカメラ1による被写体の撮影を行うことができる。なお、このカメラは、ミラーレスカメラでも、クイックリターンミラーを有した一眼レフタイプのカメラであっても良い。
本実施形態に係る光学系(撮影レンズ)LSの一例としての光学系LS(1)は、図1に示すように、開口絞りSと、開口絞りSより像側に配置された以下の条件式(1)〜(
4)を満足する正レンズ(L6)とを有している。
−0.010<ndP2−(2.015−0.0068×νdP2) ・・・(1)
50.00<νdP2<65.00 ・・・(2)
0.545<θgFP2 ・・・(3)
−0.010<θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)
・・・(4)
但し、ndP2:正レンズのd線に対する屈折率
νdP2:正レンズのd線を基準とするアッベ数
θgFP2:正レンズの部分分散比であり、正レンズのg線に対する屈折率をngP2とし、正レンズのF線に対する屈折率をnFP2とし、正レンズのC線に対する屈折率をnCP2としたとき、次式で定義される
θgFP2=(ngP2−nFP2)/(nFP2−nCP2)
なお、正レンズのd線を基準とするアッベ数νdP2は、次式で定義される
νdP2=(ndP2−1)/(nFP2−nCP2)
本実施形態によれば、色収差の補正において、1次の色消しに加え、2次スペクトルが良好に補正された光学系、およびこの光学系を備えた光学機器を得ることが可能になる。本実施形態に係る光学系LSは、図3に示す光学系LS(2)でも良く、図5に示す光学系LS(3)でも良く、図7に示す光学系LS(4)でも良く、図9に示す光学系LS(5)でも良く、図11に示す光学系LS(6)でも良い。また、本実施形態に係る光学系LSは、図13に示す光学系LS(7)でも良く、図15に示す光学系LS(8)でも良く、図17に示す光学系LS(9)でも良く、図19に示す光学系LS(10)でも良い。
条件式(1)は、正レンズのd線に対する屈折率とd線を基準とするアッベ数の適切な関係を規定するものである。条件式(1)を満足することで、球面収差、コマ収差等の基準収差の補正と、1次の色収差の補正(色消し)を良好に行うことができる。
条件式(1)の対応値が上記範囲を外れてしまうと、色収差の補正が困難になる。条件式(1)の下限値を−0.005に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実なものとするために、条件式(1)の下限値を、−0.001、0.000、0.003、0.005、0.007、さらに0.008に設定してもよい。
なお、条件式(1)の上限値を0.150未満に設定してもよい。これにより、球面収差、コマ収差等の基準収差の補正と、1次の色収差の補正(色消し)を良好に行うことができる。この場合、条件式(1)の上限値を0.100に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実なものとするために、条件式(1)の上限値を、0.080、0.060、0.050、さらに0.045に設定してもよい。
条件式(2)は、正レンズのd線を基準とするアッベ数の適切な範囲を規定するものである。条件式(2)を満足することで、球面収差、コマ収差等の基準収差の補正と、1次の色収差の補正(色消し)を良好に行うことができる。
条件式(2)の対応値が上記範囲を外れてしまうと、色収差の補正が困難になる。条件式(2)の下限値を50.50に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実なものとするために、条件式(2)の下限値を、51.00、51.50、52.00、さらに52.40に設定してもよい。
条件式(2)の上限値を64.00に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実なものとするために、条件式(2)の上限値を、63.00、62.50、62.00、61.50、61.00、60.00、さらに59.50に設定してもよい。
条件式(3)は、正レンズの異常分散性を適切に規定するものである。条件式(3)を満足することで、色収差の補正において、1次の色消しに加え、2次スペクトルを良好に補正することができる。
条件式(3)の対応値が上記範囲を外れてしまうと、色収差の補正が困難になる。条件式(3)の下限値を0.547に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実なものとするために、条件式(3)の下限値を、0.548、0.549、さらに0.550に設定してもよい。
条件式(4)は、正レンズの異常分散性を適切に規定するものである。条件式(4)を満足することで、色収差の補正において、1次の色消しに加え、2次スペクトルを良好に補正することができる。
条件式(4)の対応値が上記範囲を外れてしまうと、色収差の補正が困難になる。条件式(4)の下限値を−0.005に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実なものとするために、条件式(4)の下限値を−0.001に設定してもよい。
なお、条件式(4)の上限値を0.040未満に設定してもよい。これにより、球面収差、コマ収差等の基準収差の補正と、1次の色収差の補正(色消し)を良好に行うことができる。この場合、条件式(4)の上限値を0.030に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実なものとするために、条件式(4)の上限値を0.025、さらに0.020に設定してもよい。
本実施形態に係る光学系LSは、開口絞りSと、開口絞りSより物体側に配置された前群GFと、開口絞りSより像側に配置された後群GRとからなり、後群GRは、前記正レンズを有して以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
−10.00<fP2/fR<10.00 ・・・(5)
但し、fP2:正レンズの焦点距離
fR:後群GRの焦点距離、なお光学系LSが変倍光学系である場合、広角端状態における後群GRの焦点距離
条件式(5)は、正レンズの焦点距離と後群GRの焦点距離の適切な関係を規定するものである。条件式(5)を満足することで、球面収差、コマ収差等の基準収差を良好に補正することができる。
条件式(5)の対応値が上記範囲を外れてしまうと、球面収差、コマ収差等の基準収差を補正することが困難になる。条件式(5)の下限値を−9.50に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実なものとするために、条件式(5)の下限値を、−9.00、−8.50、−8.00、−7.00、−5.00、−3.00、−1.50、−0.05、0.05、さらに0.10に設定してもよい。
条件式(5)の上限値を8.50に設定することで、本実施形態の効果をより確実なも
のとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実なものとするために、条件式(5)の上限値を、7.50、6.50、5.00、4.00、さらに3.00に設定してもよい。
本実施形態に係る光学系LSにおいて、正レンズは、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
・ 10<fP2/f<15.00 ・・・(6)
但し、fP2:正レンズの焦点距離
f:光学系LSの焦点距離、なお光学系LSが変倍光学系である場合、広角端状態における光学系LSの焦点距離
条件式(6)は、正レンズの焦点距離と光学系LSの焦点距離の適切な関係を規定するものである。条件式(6)を満足することで、球面収差、コマ収差等の基準収差を良好に補正することができる。
条件式(6)の対応値が上記範囲を外れてしまうと、球面収差、コマ収差等の基準収差を補正することが困難になる。条件式(6)の下限値を0.20に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実なものとするために、条件式(6)の下限値を、0.30、0.40、0.45、さらに0.50に設定してもよい。
条件式(6)の上限値を14.20に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実なものとするために、条件式(6)の上限値を、12.00、10.00、8.50、さらに7.50に設定してもよい。
本実施形態に係る光学系LSにおいて、正レンズは、以下の条件式(3−1)を満足してもよい。
0.555<θgFP2 ・・・(3−1)
条件式(3−1)は、条件式(3)と同様の式であり、条件式(3)と同様の効果を得ることができる。条件式(3−1)の下限値を0.556に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実なものとするために、条件式(3−1)の下限値を0.557とすることが好ましい。
本実施形態に係る光学系LSにおいて、正レンズは、以下の条件式(4−1)を満足してもよい。
0.010<θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)
・・・(4−1)
条件式(4−1)は、条件式(4)と同様の式であり、条件式(4)と同様の効果を得ることができる。条件式(4−1)の下限値を0.011に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実なものとするために、条件式(4−1)の下限値を0.012とすることが好ましい。
なお、条件式(4−1)の上限値を0.030未満に設定してもよい。これにより、条件式(4)と同様の効果を得ることができる。この場合、条件式(4−1)の上限値を0.028に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実なものとするために、条件式(4−1)の上限値を、0.025、0.023、さらに0.020に設定してもよい。
本実施形態に係る光学系LSにおいて、正レンズは、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
DP2>0.400[mm] ・・・(7)
但し、DP2:正レンズの光軸上の厚さ
条件式(7)は、正レンズの光軸上の厚さを適切に規定するものである。条件式(7)を満足することで、コマ収差、色収差(軸上色収差および倍率色収差)等の諸収差を良好に補正することができる。
条件式(7)の対応値が上記範囲を外れてしまうと、コマ収差、色収差(軸上色収差および倍率色収差)等の諸収差を補正することが困難になる。条件式(7)の下限値を0.450[mm]に設定することで、本実施形態の効果をより確実なものとすることができる。本実施形態の効果をさらに確実なものとするために、条件式(7)の下限値を、0.490[mm]、0.550[mm]、0.580[mm]、0.650[mm]、0.680[mm]、0.750[mm]、0.800[mm]、0.850[mm]、0.880[mm]、0.950[mm]、0.980[mm]、1.050[mm]、1.100[mm]、1.140[mm]、1.250[mm]、さらに1.350[mm]に設定してもよい。
本実施形態に係る光学系LSにおいて、正レンズは、単レンズもしくは、2枚のレンズを接合した接合レンズにおける前記2枚のレンズのうち一方のレンズであることが望ましい。レンズの材料として、樹脂よりもガラスを用いた方が、温度による光学特性の変化が少ない。本実施形態では、正レンズの材料としてガラスを用いることができるため、正レンズが、レンズ面が空気と接しているレンズ(すなわち、単レンズもしくは、2枚のレンズを接合した接合レンズにおける前記2枚のレンズのうち一方のレンズ)であっても、温度による光学特性の変化が少ないので好ましい。
本実施形態に係る光学系LSにおいて、正レンズにおける物体側のレンズ面および像側のレンズ面のうち、少なくとも一方のレンズ面が空気と接していることが望ましい。レンズの材料として、樹脂よりもガラスを用いた方が、温度による光学特性の変化が少ない。本実施形態では、正レンズの材料としてガラスを用いることができるため、正レンズのレンズ面が空気と接していても、温度による光学特性の変化が少ないので好ましい。
本実施形態に係る光学系LSにおいて、正レンズは、ガラスレンズであることが望ましい。正レンズは、樹脂レンズよりもガラスレンズである方が、経年変化が少なく、温度による光学特性の変化が少ないので好ましい。
続いて、図22を参照しながら、上述の光学系LSの製造方法について概説する。まず、開口絞りSと、少なくとも開口絞りSより像側に正レンズを配置する(ステップST1)。このとき、開口絞りSより像側に配置された正レンズのうち少なくとも1枚が上記条件式(1)〜(4)等を満足するように、レンズ鏡筒内に各レンズを配置する(ステップST2)。このような製造方法によれば、色収差の補正において、1次の色消しに加え、2次スペクトルが良好に補正された光学系を製造することが可能になる。
以下、本実施形態の実施例に係る光学系LSを図面に基づいて説明する。図1、図3、図5、図7、図9、図11、図13、図15、図17、図19は、第1〜第10実施例に係る光学系LS{LS(1)〜LS(10)}の構成及び屈折力配分を示す断面図である。第1〜第10実施例に係る光学系LS(1)〜LS(10)の断面図では、合焦レンズ
群が無限遠から近距離物体に合焦する際の移動方向を、「合焦」という文字とともに矢印で示している。第6〜第8実施例に係る光学系LS(6)〜LS(8)および第10実施例に係る光学系LS(10)の断面図では、広角端状態(W)から望遠端状態(T)に変倍する際の各レンズ群の光軸に沿った移動方向を矢印で示している。
これら図1、図3、図5、図7、図9、図11、図13、図15、図17、図19において、各レンズ群を符号Gと数字の組み合わせにより、各レンズを符号Lと数字の組み合わせにより、それぞれ表している。この場合において、符号、数字の種類および数が大きくなって煩雑化するのを防止するため、実施例毎にそれぞれ独立して符号と数字の組み合わせを用いてレンズ群等を表している。このため、実施例間で同一の符号と数字の組み合わせが用いられていても、同一の構成であることを意味するものでは無い。
以下に表1〜表10を示すが、この内、表1は第1実施例、表2は第2実施例、表3は第3実施例、表4は第4実施例、表5は第5実施例、表6は第6実施例、表7は第7実施例、表8は第8実施例、表9は第9実施例、表10は第10実施例における各諸元データを示す表である。各実施例では収差特性の算出対象として、d線(波長λ=587.6nm)、g線(波長λ=435.8nm)、C線(波長λ=656.3nm)、F線(波長λ=486.1nm)を選んでいる。
[全体諸元]の表において、fはレンズ全系の焦点距離、FNОはFナンバー、2ωは画角(単位は°(度)で、ωが半画角である)、Yは像高を示す。TLは無限遠合焦時の光軸上でのレンズ最前面からレンズ最終面までの距離にBFを加えた距離を示し、BFは無限遠合焦時の光軸上でのレンズ最終面から像面Iまでの距離(バックフォーカス)を示す。fFは前群の焦点距離を示し、fRは後群の焦点距離を示す。なお、光学系が変倍光学系である場合、これらの値は、広角端(W)、中間焦点距離(M)、望遠端(T)の各変倍状態におけるそれぞれについて示している。
[レンズ諸元]の表において、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序を示し、Rは各光学面の曲率半径(曲率中心が像側に位置する面を正の値としている)、Dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔、ndは光学部材の材料のd線に対する屈折率、νdは光学部材の材料のd線を基準とするアッベ数を、θgFは光学部材の材料の部分分散比をそれぞれ示す。曲率半径の「∞」は平面又は開口を、(絞りS)は開口絞りSをそれぞれ示す。空気の屈折率nd=1.00000の
記載は省略している。光学面が非球面である場合には面番号に*印を付して、曲率半径Rの欄には近軸曲率半径を示している。
光学部材の材料のg線(波長λ=435.8nm)に対する屈折率をngとし、光学部材の材料のF線(波長λ=486.1nm)に対する屈折率をnFとし、光学部材の材料のC線(波長λ=656.3nm)に対する屈折率をnCとする。このとき、光学部材の材料の部分分散比θgFは次式(A)で定義される。
θgF=(ng−nF)/(nF−nC) …(A)
[非球面データ]の表には、[レンズ諸元]に示した非球面について、その形状を次式(B)で示す。X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離(サグ量)を、Rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)を、κは円錐定数を、Aiは第i次の非球面係数を示す。「E-n」は、「×10-n」を示す。例えば、1.234E-05=1.234×10-5である。なお、2次の非球面係数A2は0であり、その記載を省略している。
X(y)=(y2/R)/{1+(1−κ×y2/R21/2}+A4×y4+A6×y6+A8×y8+A10×y10+A12×y12 …(B)
光学系が変倍光学系でない場合、[近距離撮影時可変間隔データ]として、fはレンズ全系の焦点距離を、βは撮影倍率をそれぞれ示す。また、[近距離撮影時可変間隔データ]の表には、各焦点距離および撮影倍率に対応する、[レンズ諸元]において面間隔が「可変」となっている面番号での面間隔を示す。
光学系が変倍光学系である場合、[変倍撮影時可変間隔データ]として、広角端(W)、中間焦点距離(M)、望遠端(T)の各変倍状態に対応する、[レンズ諸元]において面間隔が「可変」となっている面番号での面間隔を示す。
[レンズ群データ]の表には、各レンズ群のそれぞれの始面(最も物体側の面)と焦点距離を示す。
[条件式対応値]の表には、各条件式に対応する値を示す。
以下、全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径R、面間隔D、その他の長さ等は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。
ここまでの表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での重複する説明は省略する。
(第1実施例)
第1実施例について、図1〜図2および表1を用いて説明する。図1は、本実施形態の第1実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す図である。第1実施例に係る光学系LS(1)は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、両凸形状の正レンズL2および物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL3からなる接合レンズと、両凹形状の負レンズL4と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL5と、両凸形状の正レンズL6と、から構成される。無限遠物体から近距離(有限距離)物体への合焦の際、光学系LS(1)全体が光軸に沿って物体側に移動する。開口絞りSは、(接合レンズの)負メニスカスレンズL3と負レンズL4との間に配設される。
本実施例では、正レンズL6が条件式(1)〜(4)等を満足する正レンズに該当する。負メニスカスレンズL1と、正レンズL2および負メニスカスレンズL3からなる接合レンズとが、開口絞りSよりも物体側に配置された前群GFを構成する。負レンズL4と、正メニスカスレンズL5と、正レンズL6とが、開口絞りSよりも像側に配置された後群GRを構成する。
以下の表1に、第1実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表1)
[全体諸元]
f 36.000
FNO 2.006
2ω 63.245
Y 21.700
TL 87.738
BF 37.938
fF 39.703
fR 101.311
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd θgF
1 37.66140 1.500 1.51680 64.12 0.5360
2 16.40870 16.000
3 34.41050 9.000 1.78797 47.17 0.5548
4 -25.79160 5.500 1.53172 48.96 0.5599
5 -369.88120 2.000
6 ∞ 4.000 (絞りS)
7 -24.44630 1.900 1.80518 25.35 0.6115
8 61.36910 2.200
9 -73.89840 4.000 1.74810 52.28 0.5465
10 -21.51350 0.100
11 94.80860 3.600 1.68348 54.80 0.5501
12 -60.08020 D12(可変)
[近距離撮影時可変間隔データ]
無限遠合焦状態 中間距離合焦状態 近距離合焦状態
f=36.000 β=-0.033 β=-0.237
D12 37.938 39.138 46.457
[条件式対応値]
<正レンズL6(fP2=54.319)>
条件式(1)
ndP2−(2.015−0.0068×νdP2)=0.041
条件式(2)νdP2=54.80
条件式(3),(3−1)θgFP2=0.5501
条件式(4),(4−1)
θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)=0.0004
条件式(5)fP2/fR=0.536
条件式(6)fP2/f=1.509
条件式(7)DP2=3.600
図2(A)は、第1実施例に係る光学系の無限遠合焦時の諸収差図である。図2(B)は、第1実施例に係る光学系の中間距離合焦時の諸収差図である。図2(C)は、第1実施例に係る光学系の近距離(至近距離)合焦時の諸収差図である。無限遠合焦時の各収差図において、FNOはFナンバー、Yは像高をそれぞれ示す。中間距離合焦時または近距離合焦時の各収差図において、NAは開口数、Yは像高をそれぞれ示す。なお、球面収差図では最大口径に対応するFナンバーまたは開口数の値を示し、非点収差図および歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。dはd線(波
長λ=587.6nm)、gはg線(波長λ=435.8nm)、CはC線(波長λ=6
56.3nm)、FはF線(波長λ=486.1nm)をそれぞれ示す。非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。なお、以下に示す各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用い、重複する説明は省略する。
各諸収差図より、第1実施例に係る光学系は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
(第2実施例)
第2実施例について、図3〜図4および表2を用いて説明する。図3は、本実施形態の第2実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す図である。第2実施例に係る光学系LS(2)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成されている。無限遠物体から近距離(有限距離)物体への合焦の際、第1レンズ群G1が光軸に沿って物体側に移動する。開口絞りSは、第1レンズ群G1内に配設される。各レンズ群記号に付けている符号(+)もしくは(−)は各レンズ群の屈折力を示し、このことは以下の全ての実施例でも同様である。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL1および物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2からなる接合レンズと、両凹形状の負レンズL3および両凸形状の正レンズL4からなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL5と、両凸形状の正レンズL6および両凹形状の負レンズL7からなる接合レンズと、両凹形状の負レンズL8および両凸形状の正レンズL9からなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL10と、両凸形状の正レンズL11と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL12および両凹形状の負レンズL13からなる接合レンズと、から構成される。第1レンズ群G1における(接合レンズの)負レンズL7と(接合レンズの)負レンズL8との間に、開口絞りSが配置される。本実施例では、第1レンズ群G1の正レンズL9が条件式(1)〜(4)等を満足する正レンズに該当する。正レンズL5は、像側のレンズ面が非球面である。正レンズL11は、像側のレンズ面が非球面である。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL21および両凹形状の負レンズL22からなる接合レンズから構成される。第2レンズ群G2の像側に、像面Iが配置される。負レンズL22は、像側のレンズ面が非球面である。
本実施例では、正メニスカスレンズL1および負メニスカスレンズL2からなる接合レンズと、負レンズL3および正レンズL4からなる接合レンズと、正レンズL5と、正レンズL6および負レンズL7からなる接合レンズとが、開口絞りSよりも物体側に配置された前群GFを構成する。負レンズL8および正レンズL9からなる接合レンズと、正レンズL10と、正レンズL11と、正メニスカスレンズL12および負レンズL13からなる接合レンズと、正レンズL21および負レンズL22からなる接合レンズとが、開口絞りSよりも像側に配置された後群GRを構成する。
以下の表2に、第2実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表2)
[全体諸元]
f 51.600
FNO 1.230
2ω 45.915
Y 21.600
TL 144.475
BF 18.202
fF 180.913
fR 55.423
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd θgF
1 59.68690 4.896 2.00100 29.13 0.5995
2 127.45590 1.800 1.55298 55.07 0.5446
3 33.65140 13.918
4 -52.00000 1.804 1.64769 33.72 0.5930
5 57.35910 7.146 1.75500 52.33 0.5475
6 -851.07300 0.500
7 78.83350 10.000 1.95375 32.32 0.5901
8* -87.59360 0.500
9 126.23440 10.526 1.59319 67.90 0.5440
10 -38.27230 1.800 1.64769 33.72 0.5930
11 55.47370 6.250
12 ∞ 8.720 (絞りS)
13 -35.23580 1.800 1.67300 38.26 0.5758
14 105.56420 7.874 1.67769 52.63 0.5546
15 -71.87010 0.500
16 75.31740 8.082 1.61800 63.34 0.5410
17 -80.32620 0.500
18 103.59820 10.000 1.95375 32.32 0.5901
19* -75.78570 0.500
20 -170.20920 3.978 1.59319 67.90 0.5440
21 -58.93950 1.800 1.67270 32.18 0.5973
22 45.31050 D22(可変)
23 128.40960 10.000 2.00100 29.13 0.5995
24 -62.62500 10.000 1.80301 25.53 0.6153
25* 100.00000 BF
[非球面データ]
第8面
κ=1.000,A4=1.07815E-06,A6=-1.82829E-10
A8=6.45395E-15,A10=-3.23669E-17,A12=0.00000E+00
第19面
κ=1.000,A4=3.25607E-06,A6=-7.96761E-10
A8=2.82282E-14,A10=5.01296E-16,A12=0.00000E+00
第25面
κ=1.000,A4=1.89064E-06,A6=-9.12196E-10
A8=1.33056E-11,A10=-3.29589E-14,A12=3.54880E-17
[近距離撮影時可変間隔データ]
無限遠合焦状態 中間距離合焦状態 近距離合焦状態
f=51.600 β=-0.033 β=-0.150
D22 3.379 5.843 14.468
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 61.764
G2 23 277.853
[条件式対応値]
<正レンズL9(fP2=64.247)>
条件式(1)
ndP2−(2.015−0.0068×νdP2)=0.021
条件式(2)νdP2=52.63
条件式(3),(3−1)θgFP2=0.5546
条件式(4),(4−1)
θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)=0.0012
条件式(5)fP2/fR=1.159
条件式(6)fP2/f=1.245
条件式(7)DP2=7.874
図4(A)は、第2実施例に係る光学系の無限遠合焦時の諸収差図である。図4(B)は、第2実施例に係る光学系の中間距離合焦時の諸収差図である。図4(C)は、第2実施例に係る光学系の近距離(至近距離)合焦時の諸収差図である。各諸収差図より、第2実施例に係る光学系は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
(第3実施例)
第3実施例について、図5〜図6および表3を用いて説明する。図5は、本実施形態の第3実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す図である。第3実施例に係る光学系LS(3)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成されている。無限遠物体から近距離(有限距離)物体への合焦の際、第1レンズ群G1が光軸に沿って物体側に移動する。開口絞りSは、第1レンズ群G1内に配設される。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL1および物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2からなる接合レンズと、両凹形状の負レンズL3および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4からなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL5と、両凸形状の正レンズL6および両凹形状の負レンズL7からなる接合レンズと、両凹形状の負レンズL8および両凸形状の正レンズL9からなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL10と、両凸形状の正レンズL11と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL12および両凹形状の負レンズL13からなる接合レンズと、から構成される。第1レンズ群G1における(接合レンズの)負レンズL7と(接合レンズの)負レンズL8との間に、開口絞りSが配置される。本実施例では、第1レンズ群G1の正レンズL9が条件式(1)〜(4)等を満足する正レンズに該当する。正レンズL5は、像側のレンズ面が非球面である。正レンズL11は、像側のレンズ面が非球面である。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL21および両凹形状の負レンズL22からなる接合レンズから構成される。第2レンズ群G2の像側に、像面Iが配置される。負レンズL22は、像側のレンズ面が非球面である。
本実施例では、正メニスカスレンズL1および負メニスカスレンズL2からなる接合レンズと、負レンズL3および正メニスカスレンズL4からなる接合レンズと、正レンズL5と、正レンズL6および負レンズL7からなる接合レンズとが、開口絞りSよりも物体側に配置された前群GFを構成する。負レンズL8および正レンズL9からなる接合レンズと、正レンズL10と、正レンズL11と、正メニスカスレンズL12および負レンズL13からなる接合レンズと、正レンズL21および負レンズL22からなる接合レンズとが、開口絞りSよりも像側に配置された後群GRを構成する。
以下の表3に、第3実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表3)
[全体諸元]
f 51.600
FNO 1.234
2ω 45.915
Y 21.600
TL 144.475
BF 16.971
fF 137.280
fR 57.798
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd θgF
1 59.91640 4.946 2.00100 29.13 0.5995
2 122.25270 1.800 1.55298 55.07 0.5446
3 34.65300 14.326
4 -52.14650 1.800 1.64769 33.72 0.5930
5 52.31690 7.062 1.75500 52.33 0.5475
6 1455.56290 0.500
7 82.68170 10.000 1.95375 32.32 0.5901
8* -81.45860 0.500
9 107.20010 10.172 1.59319 67.90 0.5440
10 -41.90310 1.800 1.64769 33.72 0.5930
11 65.19340 5.776
12 ∞ 11.584 (絞りS)
13 -36.98690 1.800 1.67300 38.26 0.5758
14 42.28040 10.320 1.63687 56.92 0.5592
15 -69.87670 0.500
16 91.14440 6.243 1.61800 63.34 0.5410
17 -132.47670 0.500
18 76.35240 7.378 1.95375 32.32 0.5901
19* -73.70530 0.500
20 -279.36470 4.064 1.59319 67.90 0.5440
21 -67.85000 1.800 1.67270 32.18 0.5973
22 39.74260 D22(可変)
23 132.84640 10.000 2.00100 29.13 0.5995
24 -57.20730 10.000 1.80301 25.53 0.6153
25* 100.00000 BF
[非球面データ]
第8面
κ=1.000,A4=1.11430E-06,A6=-9.64894E-11
A8=-4.80566E-14,A10=3.68135E-17,A12=0.00000E+00
第19面
κ=1.000,A4=3.12049E-06,A6=-1.16045E-09
A8=1.85421E-13,A10=2.55320E-16,A12=0.00000E+00
第25面
κ=1.000,A4=2.37837E-06,A6=-2.95041E-10
A8=1.26641E-11,A10=-2.67596E-14,A12=2.67579E-17
[近距離撮影時可変間隔データ]
無限遠合焦状態 中間距離合焦状態 近距離合焦状態
f=51.600 β=-0.033 β=-0.151
D22 4.133 6.498 15.209
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 61.384
G2 23 276.098
[条件式対応値]
<正レンズL9(fP2=42.897)>
条件式(1)
ndP2−(2.015−0.0068×νdP2)=0.009
条件式(2)νdP2=56.92
条件式(3),(3−1)θgFP2=0.5592
条件式(4),(4−1)
θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)=0.0130
条件式(5)fP2/fR=0.742
条件式(6)fP2/f=0.831
条件式(7)DP2=10.320
図6(A)は、第3実施例に係る光学系の無限遠合焦時の諸収差図である。図6(B)は、第3実施例に係る光学系の中間距離合焦時の諸収差図である。図6(C)は、第3実施例に係る光学系の近距離(至近距離)合焦時の諸収差図である。各諸収差図より、第3実施例に係る光学系は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
(第4実施例)
第4実施例について、図7〜図8および表4を用いて説明する。図7は、本実施形態の第4実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す図である。第4実施例に係る光学系LS(4)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成されている。無限遠物体から近距離(有限距離)物体への合焦の際、第2レンズ群G2が光軸に沿って物体側に移動する。開口絞りSは、第2レンズ群G2内に配設される。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL13と、両凹形状の負レンズL14および両凸形状の正レンズL15からなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL16と、から構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL21と、両凸形状の正レンズL22および両凹形状の負レンズL23からなる接合レンズと、両凹形状の負レンズL24および両凸形状の正レンズL25からなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL26および両凹形状の負レンズL27からなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL28と、両凹形状の負レンズL29と、から構成される。第2レンズ群G2における(接合レンズの)負レンズL23と(接合レンズの)負レンズL24との間に、開口絞りSが配置される。第2レンズ群G2の像側に、像面Iが配置される。本実施例では、第2レンズ群G2の正レンズL25が条件式(1)〜(4)等を満足する正レンズに該当する。正レンズL28は、像側のレンズ面が非球面である。負レンズL29は、像側のレンズ面が非球面である。
本実施例では、正メニスカスレンズL11と、負メニスカスレンズL12と、正メニスカスレンズL13と、負レンズL14および正レンズL15からなる接合レンズと、正メニスカスレンズL16と、正メニスカスレンズL21と、正レンズL22および負レンズL23からなる接合レンズとが、開口絞りSよりも物体側に配置された前群GFを構成する。負レンズL24および正レンズL25からなる接合レンズと、正レンズL26および負レンズL27からなる接合レンズと、正レンズL28と、負レンズL29とが、開口絞りSよりも像側に配置された後群GRを構成する。
以下の表4に、第4実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表4)
[全体諸元]
f 50.353
FNO 1.250
2ω 46.020
Y 21.600
TL 144.455
BF 18.783
fF 136.780
fR 60.662
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd θgF
1 174.78740 4.000 1.95375 32.32 0.5901
2 833.52260 0.581
3 1000.00000 1.800 1.48749 70.32 0.5291
4 44.92860 11.540
5 -84.24150 4.890 1.49700 81.61 0.5389
6 -42.86770 0.738
7 -41.24460 1.500 1.67300 38.26 0.5758
8 49.18950 10.179 1.76385 48.49 0.5589
9 -140.64700 0.300
10 76.99070 5.967 1.88100 40.14 0.5700
11 39076.81600 D11(可変)
12 67.65610 3.852 1.95375 32.32 0.5901
13 150.44840 0.300
14 49.50840 9.073 1.49782 82.57 0.5386
15 -105.39230 1.500 1.65412 39.68 0.5738
16 36.84600 6.335
17 ∞ 8.194 (絞りS)
18 -34.40800 1.500 1.72047 34.71 0.5834
19 42.48130 10.628 1.63353 57.98 0.5571
20 -47.42670 0.300
21 49.31990 10.689 1.76385 48.49 0.5589
22 -47.46320 1.500 1.61266 44.46 0.5640
23 89.59080 0.300
24 53.88640 7.000 1.88202 37.22 0.5770
25* -1746.44720 12.139
26 -103.22090 1.500 1.82115 24.06 0.6237
27* 179.50540 BF
[非球面データ]
第25面
κ=1.000,A4=-7.41276E-07,A6=1.64174E-09
A8=-9.05962E-13,A10=1.71045E-15,A12=0.00000E+00
第27面
κ=1.000,A4=1.28875E-05,A6=4.32796E-10
A8=1.14166E-11,A10=-1.22201E-14,A12=0.00000E+00
[近距離撮影時可変間隔データ]
無限遠合焦状態 中間距離合焦状態 近距離合焦状態
f=50.353 β=-0.033 β=-0.135
D11 9.368 7.591 2.315
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 201.517
G2 12 67.247
[条件式対応値]
<正レンズL25(fP2=37.071)>
条件式(1)
ndP2−(2.015−0.0068×νdP2)=0.013
条件式(2)νdP2=57.98
条件式(3),(3−1)θgFP2=0.5571
条件式(4),(4−1)
θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)=0.0127
条件式(5)fP2/fR=0.611
条件式(6)fP2/f=0.736
条件式(7)DP2=10.628
図8(A)は、第4実施例に係る光学系の無限遠合焦時の諸収差図である。図8(B)は、第4実施例に係る光学系の中間距離合焦時の諸収差図である。図8(C)は、第4実施例に係る光学系の近距離(至近距離)合焦時の諸収差図である。各諸収差図より、第4実施例に係る光学系は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
(第5実施例)
第5実施例について、図9〜図10および表5を用いて説明する。図9は、本実施形態の第5実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す図である。第5実施例に係る光学系LS(5)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成されている。無限遠物体から近距離(有限距離)物体への合焦の際、第2レンズ群G2が光軸に沿って物体側に移動する。開口絞りSは、第3レンズ群G3内に配設される。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11と、両凸形状の正レンズL12と、両凸形状の正レンズL13および両凹形状の負レンズL14からなる接合レンズと、から構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL21および両凹形状の負レンズL22からなる接合レンズから構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32および両凹形状の負レンズL33からなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL34と、両凹形状の負レンズL35および両凸形状の正レンズL36からなる接合レンズと、両凹形状の負レンズL37および両凸形状の正レンズL38からなる接合レンズと、から構成される。第3レンズ群G3における(接合レンズの)負レンズL33と正レンズL34との間に、開口絞りSが配置される。第3レンズ群G3の像側に、像面Iが配置される。本実施例では、第3レンズ群G3の正レンズL34が条件式(1)〜(4)等を満足する正レンズに該当する。
本実施例では、正メニスカスレンズL11と、正レンズL12と、正レンズL13および負レンズL14からなる接合レンズと、正メニスカスレンズL21および負レンズL2
2からなる接合レンズと、正レンズL31と、正レンズL32および負レンズL33からなる接合レンズとが、開口絞りSよりも物体側に配置された前群GFを構成する。正レンズL34と、負レンズL35および正レンズL36からなる接合レンズと、負レンズL37および正レンズL38からなる接合レンズとが、開口絞りSよりも像側に配置された後群GRを構成する。
以下の表5に、第5実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表5)
[全体諸元]
f 101.665
FNO 1.449
2ω 23.912
Y 21.600
TL 150.819
BF 39.283
fF 279.420
fR 68.576
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd θgF
1 203.34970 5.072 1.59349 67.00 0.5366
2 2438.74280 0.100
3 111.38720 8.451 1.49782 82.57 0.5386
4 -626.28530 0.100
5 68.22960 12.204 1.49782 82.57 0.5386
6 -226.28870 3.500 1.72047 34.71 0.5834
7 187.96140 D7(可変)
8 -152.19040 4.000 1.65940 26.87 0.6327
9 -79.15420 2.500 1.48749 70.32 0.5291
10 48.04460 D10(可変)
11 63.07640 7.100 2.00100 29.13 0.5995
12 -434.36210 0.100
13 186.16830 7.516 1.65160 58.57 0.5416
14 -54.90260 1.800 1.69895 30.13 0.6021
15 29.45820 5.586
16 ∞ 1.600 (絞りS)
17 130.39990 6.550 1.65240 55.27 0.5607
18 -42.75690 0.100
19 -42.89830 1.600 1.72047 34.71 0.5834
20 24.60610 7.766 1.77250 49.62 0.5518
21 -2376.38190 4.130
22 -48.65100 1.800 1.58144 40.98 0.5763
23 117.70920 5.197 2.00100 29.13 0.5995
24 -57.07940 BF
[近距離撮影時可変間隔データ]
無限遠合焦状態 中間距離合焦状態 近距離合焦状態
f=101.66538 β=-0.03333 β=-0.13367
D7 7.73518 10.65475 19.73518
D10 17.02913 14.10956 5.02913
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 91.71758
G2 8 -80.46818
G3 11 78.44227
[条件式対応値]
<正レンズL34(fP2=50.103)>
条件式(1)
ndP2−(2.015−0.0068×νdP2)=0.013
条件式(2)νdP2=55.27
条件式(3),(3−1)θgFP2=0.5607
条件式(4),(4−1)
θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)=0.0118
条件式(5)fP2/fR=0.731
条件式(6)fP2/f=0.493
条件式(7)DP2=6.550
図10(A)は、第5実施例に係る光学系の無限遠合焦時の諸収差図である。図10(B)は、第5実施例に係る光学系の中間距離合焦時の諸収差図である。図10(C)は、第5実施例に係る光学系の近距離(至近距離)合焦時の諸収差図である。各諸収差図より、第5実施例に係る光学系は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
(第6実施例)
第6実施例について、図11〜図12および表6を用いて説明する。図11は、本実施形態の第6実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す図である。第6実施例に係る光学系LS(6)は、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。広角端状態(W)から望遠端状態(T)に変倍する際、第1〜第5レンズ群G1〜G5がそれぞれ図11の矢印で示す方向に移動する。開口絞りSは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に配設される。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と、両凹形状の負レンズL13と、両凸形状の正レンズL14と、から構成される。負メニスカスレンズL11は、像側のレンズ面が非球面である。負メニスカスレンズL12は、像側のレンズ面が非球面である。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL21と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL22および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23からなる接合レンズと、から構成される。開口絞りSは、正メニスカスレンズL23の像側近傍に配置され、変倍の際、第2レンズ群G2とともに移動する。
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31および両凸形状の正レンズL32からなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL33と、から構成される。本実施例では、第3レンズ群G3の正レンズL33が条件式(1)〜(4)等を満足する正レンズに該当する。正レンズL32は、像側のレンズ面が非球面である。
第4レンズ群G4は、両凹形状の負レンズL41から構成される。無限遠物体から近距
離(有限距離)物体への合焦の際、第4レンズ群G4が光軸に沿って像側に移動する。
第5レンズ群G5は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL51から構成される。第5レンズ群G5の像側に、像面Iが配置される。負メニスカスレンズL51は、像側のレンズ面が非球面である。
本実施例では、負メニスカスレンズL11と、負メニスカスレンズL12と、負レンズL13と、正レンズL14と、正レンズL21と、負メニスカスレンズL22および正メニスカスレンズL23からなる接合レンズとが、開口絞りSよりも物体側に配置された前群GFを構成する。負メニスカスレンズL31および正レンズL32からなる接合レンズと、正レンズL33と、負レンズL41と、負メニスカスレンズL51とが、開口絞りSよりも像側に配置された後群GRを構成する。
以下の表6に、第6実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表6)
[全体諸元]
変倍比=2.018
W M T
f 14.420 20.000 29.100
FNO 4.079 4.079 4.079
2ω 115.788 91.418 67.717
Y 20.500 20.500 20.500
TL 108.287 100.728 97.082
BF 15.000 20.785 26.388
fF 11.448 16.095 25.109
fR -147.070 -170.944 -261.654
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd θgF
1 62.74780 3.000 1.69370 53.32 0.5474
2* 15.93720 5.662
3 31.45490 2.900 1.69370 53.32 0.5474
4* 21.64240 10.575
5 -79.52230 1.900 1.49782 82.57 0.5386
6 28.83090 0.100
7 27.92810 5.864 1.60094 35.56 0.5849
8 -574.63420 D8(可変)
9 25.01930 3.831 1.59349 67.00 0.5358
10 -1097.79190 0.352
11 14.26720 1.200 1.88300 40.66 0.5668
12 9.29540 4.520 1.52529 49.41 0.5596
13 79.41400 2.500
14 ∞ D14(可変) (絞りS)
15 270.87700 1.100 1.82561 36.05 0.5840
16 9.81980 3.786 1.49782 82.57 0.5386
17* -596.39240 3.148
18 34.32010 5.700 1.68348 54.80 0.5501
19 -19.72160 D19(可変)
20 -21.48630 1.000 1.58502 55.62 0.5488
21 62.03200 D21(可変)
22 -63.98190 1.200 1.51680 63.88 0.5360
23* -71.49970 BF
[非球面データ]
第2面
κ=0.000,A4=2.99E-06,A6=1.56E-08
A8=-1.09E-10,A10=1.79E-13,A12=0.00E+00
第4面
κ=0.000,A4=3.29E-05,A6=1.10E-08
A8=4.63E-10,A10=-1.24E-12,A12=3.11E-15
第17面
κ=1.000,A4=7.88E-06,A6=-6.14E-07
A8=1.05E-08,A10=-2.69E-10,A12=0.00E+00
第23面
κ=1.000,A4=3.06E-05,A6=2.73E-08
A8=-4.72E-11,A10=7.08E-13,A12=0.00E+00
[変倍撮影時可変間隔データ]
W M T
D8 26.267 13.125 1.5
D14 1.500 1.618 1.697
D19 2.000 2.718 4.261
D21 5.182 4.144 4.897
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 -22.500
G2 9 23.100
G3 15 28.500
G4 20 -27.200
G5 22 -1245.200
[条件式対応値]
<正レンズL33(fP2=19.145)>
条件式(1)
ndP2−(2.015−0.0068×νdP2)=0.041
条件式(2)νdP2=54.80
条件式(3),(3−1)θgFP2=0.5501
条件式(4),(4−1)
θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)=0.0004
条件式(5)fP2/fR=-0.130
条件式(6)fP2/f=1.328
条件式(7)DP2=5.700
図12(A)は、第6実施例に係る光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図12(B)は、第6実施例に係る光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図12(C)は、第6実施例に係る光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。各諸収差図より、第6実施例に係る光学系は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
(第7実施例)
第7実施例について、図13〜図14および表7を用いて説明する。図13は、本実施形態の第7実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す図である。第7実施例に係る光学系LS(7)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レ
ンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。広角端状態(W)から望遠端状態(T)に変倍する際、第1〜第5レンズ群G1〜G5がそれぞれ図13の矢印で示す方向に移動する。開口絞りSは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に配設される。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12からなる接合レンズから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、両凹形状の負レンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23と、から構成される。負メニスカスレンズL21は、物体側のレンズ面が非球面である。負レンズL21は、像側のレンズ面が非球面である。
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、両凸形状の正レンズL32および両凹形状の負レンズL33からなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL34および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL35からなる接合レンズと、から構成される。開口絞りSは、正レンズL31の物体側近傍に配置され、変倍の際、第3レンズ群G3とともに移動する。本実施例では、第3レンズ群G3の正レンズL31が条件式(1)〜(4)等を満足する正レンズに該当する。正レンズL31は、物体側のレンズ面が非球面である。
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL41と、両凸形状の正レンズL42と、から構成される。無限遠物体から近距離(有限距離)物体への合焦の際、第4レンズ群G4が光軸に沿って物体側に移動し、第5レンズ群G5が光軸に沿って像側に移動する。正レンズL42は、像側のレンズ面が非球面である。
第5レンズ群G5は、両凹形状の負レンズL51から構成される。第5レンズ群G5の像側に、像面Iが配置される。正レンズL51は、像側のレンズ面が非球面である。
本実施例では、負メニスカスレンズL11および正メニスカスレンズL12からなる接合レンズと、負レンズL21と、負レンズL22と、正メニスカスレンズL23とが、開口絞りSよりも物体側に配置された前群GFを構成する。正レンズL31と、正レンズL32および負レンズL33からなる接合レンズと、負メニスカスレンズL34および正メニスカスレンズL35からなる接合レンズと、負メニスカスレンズL41と、正レンズL42と、負レンズL51とが、開口絞りSよりも像側に配置された後群GRを構成する。
以下の表7に、第7実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表7)
[全体諸元]
変倍比=2.747
W M T
f 24.720 50.011 67.898
FNO 4.074 4.107 4.075
2ω 84.838 44.346 32.369
Y 20.735 21.600 21.600
TL 122.000 132.823 150.965
BF 24.245 49.372 55.721
fF -35.120 -41.087 -52.774
fR 32.395 33.090 34.250
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd θgF
1 79.38040 2.150 1.84666 23.80 0.6215
2 51.02390 8.034 1.75500 52.33 0.5475
3 1073.05060 D3(可変)
4 -787.39720 1.800 1.65550 46.34 0.5651
5* 15.02170 8.908
6 -58.26290 1.350 1.49782 82.57 0.5138
7 54.06630 0.100
8 30.99440 4.650 1.77396 24.31 0.6142
9 194.90020 D9(可変)
10 ∞ 1.500 (絞りS)
11* 32.88300 3.765 1.68348 54.80 0.5501
12 -482.16640 0.102
13 20.12780 4.081 1.59319 67.90 0.5440
14 -99.80710 1.500 1.76634 38.61 0.5791
15 25.27260 0.342
16 34.24310 2.000 1.95375 32.33 0.5916
17 14.97810 3.842 1.56992 38.72 0.5789
18 73.96770 D9(可変)
19 -17.50130 0.900 1.80415 28.31 0.6015
20 -23.09180 0.100
21 77.91830 6.224 1.59201 67.02 0.5358
22* -22.62830 D22(可変)
23 -344.21280 0.900 1.63563 48.44 0.5614
24* 92.95460 BF
[非球面データ]
第5面
κ=0.000,A4=2.68E-05,A6=3.48E-08
A8=1.69E-10,A10=0.00E+00,A12=0.00E+00
第11面
κ=1.000,A4=-9.83E-07,A6=-4.69E-09
A8=2.28E-10,A10=-1.34E-12,A12=0.00E+00
第22面
κ=1.000,A4=2.57E-05,A6=-7.85E-09
A8=1.82E-10,A10=-5.72E-13,A12=0.00E+00
第24面
κ=1.000,A4=-2.86E-06,A6=3.10E-08
A8=-9.24E-11,A10=2.91E-13,A12=0.00E+00
[変倍撮影時可変間隔データ]
W M T
D3 2.143 14.848 31.406
D9 24.905 6.054 3.035
D18 8.153 5.745 6.556
D22 10.307 4.557 2.000
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 121.600
G2 4 -25.300
G3 10 43.600
G4 19 40.800
G5 23 -115.100
[条件式対応値]
<正レンズL31(fP2=45.174)>
条件式(1)
ndP2−(2.015−0.0068×νdP2)=0.041
条件式(2)νdP2=54.80
条件式(3),(3−1)θgFP2=0.5501
条件式(4),(4−1)
θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)=0.0004
条件式(5)fP2/fR=1.394
条件式(6)fP2/f=1.827
条件式(7)DP2=3.765
図14(A)は、第7実施例に係る光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図14(B)は、第7実施例に係る光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図14(C)は、第7実施例に係る光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。各諸収差図より、第7実施例に係る光学系は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
(第8実施例)
第8実施例について、図15〜図16および表8を用いて説明する。図15は、本実施形態の第8実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す図である。第8実施例に係る光学系LS(8)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。広角端状態(W)から望遠端状態(T)に変倍する際、第2レンズ群G2と第4レンズ群G4とがそれぞれ図15の矢印で示す方向に移動する。開口絞りSは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に配設される。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11および両凸形状の正レンズL12からなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、から構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL23と、両凹形状の負レンズL24と、から構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL32と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL33と、両凹形状の負レンズL34と、両凸形状の正レンズL35および両凹形状の負レンズL36からなる接合レンズと、から構成される。開口絞りSは、正レンズL31の物体側近傍に配置され、変倍の際、第3レンズ群G3とともに像面Iに対して固定される。
本実施例では、第3レンズ群G3の正メニスカスレンズL32が条件式(1)〜(4)等を満足する正レンズに該当する。
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL41と、物体側に
凸面を向けた負メニスカスレンズL42および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL43からなる接合レンズと、から構成される。無限遠物体から近距離(有限距離)物体への合焦の際、第4レンズ群G4が光軸に沿って物体側に移動する。
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL51と、両凸形状の正レンズL52および両凹形状の負レンズL53からなる接合レンズと、像側に凹面を向けた平凹形状の負レンズL54と、両凸形状の正レンズL55と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL56と、から構成される。第5レンズ群G5の正レンズL52および負レンズL53からなる接合レンズ、および平凹形状の負レンズL54は、光軸と垂直な方向へ移動可能な防振レンズ群を構成し、手ブレ等による結像位置の変位(像面I上の像ブレ)を補正する。第5レンズ群G5の像側に、像面Iが配置される。
本実施例では、負メニスカスレンズL11および正レンズL12からなる接合レンズと、正メニスカスレンズL13と、負メニスカスレンズL21と、負レンズL22と、正メニスカスレンズL23と、負レンズL24とが、開口絞りSよりも物体側に配置された前群GFを構成する。正レンズL31と、正メニスカスレンズL32と、正メニスカスレンズL33と、負レンズL34と、正レンズL35および負レンズL36からなる接合レンズと、正レンズL41と、負メニスカスレンズL42および正メニスカスレンズL43からなる接合レンズと、負メニスカスレンズL51と、正レンズL52および負レンズL53からなる接合レンズと、負レンズL54と、正レンズL55と、正メニスカスレンズL56とが、開口絞りSよりも像側に配置された後群GRを構成する。
以下の表8に、第8実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表8)
[全体諸元]
変倍比=2.745
W M T
f 71.400 140.000 196.000
FNO 2.865 2.937 2.862
2ω 33.690 17.104 12.209
Y 21.600 21.600 21.600
TL 245.885 245.885 245.885
BF 53.818 53.818 53.818
fF -86.916 -153.374 -238.593
fR 66.539 63.400 66.539
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd θgF
1 126.09970 2.800 1.95000 29.37 0.6002
2 88.80350 9.900 1.49782 82.57 0.5386
3 -1065.60390 0.100
4 92.38010 7.700 1.43385 95.23 0.5386
5 704.74520 D5(可変)
6 67.87460 2.400 1.71999 50.27 0.5527
7 33.37900 10.250
8 -126.53630 2.000 1.61800 63.34 0.5410
9 103.06580 2.000
10 55.28910 4.400 1.84666 23.78 0.6192
11 196.15270 3.550
12 -72.78480 2.200 1.60300 65.44 0.5389
13 375.90450 D13(可変)
14 ∞ 2.500 (絞りS)
15 554.79490 3.700 1.83481 42.73 0.5648
16 -131.90030 0.200
17 87.53050 3.850 1.68348 54.80 0.5501
18 700.00000 0.200
19 57.26450 4.900 1.49782 82.57 0.5386
20 1785.19150 1.814
21 -113.79650 2.200 2.00100 29.13 0.5995
22 163.75720 4.550
23 106.94210 5.750 1.90265 35.72 0.5804
24 -66.90690 2.200 1.58144 40.98 0.5763
25 41.94060 D25(可変)
26 56.09740 4.800 1.49782 82.57 0.5386
27 -194.54090 0.100
28 44.63960 2.000 1.95000 29.37 0.6002
29 28.18890 5.550 1.59319 67.90 0.5440
30 159.43210 D30(可変)
31 53.09320 1.800 1.80400 46.60 0.5575
32 31.35420 5.150
33 105.97250 3.350 1.84666 23.78 0.6192
34 -105.97280 1.600 1.71999 50.27 0.5527
35 42.82450 2.546
36 ∞ 1.600 1.95375 32.32 0.5901
37 69.08980 3.750
38 103.22750 3.850 1.59319 67.90 0.5440
39 -174.73470 0.150
40 48.66080 3.900 1.71999 50.27 0.5527
41 148.20170 BF
[変倍撮影時可変間隔データ]
W M T
D5 3.100 35.817 51.100
D13 50.493 17.776 2.493
D25 17.135 14.346 17.135
D30 2.030 4.819 2.030
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 144.006
G2 6 -45.572
G3 14 93.764
G4 26 59.111
G5 31 -110.599
[条件式対応値]
<正メニスカスレンズL32(fP2=145.997)>
条件式(1)
ndP2−(2.015−0.0068×νdP2)=0.041
条件式(2)νdP2=54.80
条件式(3),(3−1)θgFP2=0.5501
条件式(4),(4−1)
θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)=0.0004
条件式(5)fP2/fR=2.194
条件式(6)fP2/f=2.045
条件式(7)DP2=3.850
図16(A)は、第8実施例に係る光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図16(B)は、第8実施例に係る光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図16(C)は、第8実施例に係る光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。各諸収差図より、第8実施例に係る光学系は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
(第9実施例)
第9実施例について、図17〜図18および表9を用いて説明する。図17は、本実施形態の第9実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す図である。第9実施例に係る光学系LS(9)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成されている。無限遠物体から近距離(有限距離)物体への合焦の際、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とが異なる移動量で光軸に沿って物体側に移動する。開口絞りSは、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に配設される。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、両凹形状の負レンズL11と、両凸形状の正レンズL12と、両凸形状の正レンズL13および両凹形状の負レンズL14からなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL15と、から構成される。開口絞りSは、負メニスカスレンズL15の像側近傍に配置され、合焦の際、第1レンズ群G1とともに移動する。負レンズL11は、像側のレンズ面が非球面である。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL21と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL22と、から構成される。本実施例では、第2レンズ群G2の正レンズL21が条件式(1)〜(4)等を満足する正レンズに該当する。
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL31と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL32と、両凸形状の正レンズL33と、から構成される。第3レンズ群G3の像側に、像面Iが配置される。正メニスカスレンズL31は、像側のレンズ面が非球面である。第3レンズ群G3と像面Iとの間には、カバーガラスCVが配設されている。
本実施例では、負レンズL11と、正レンズL12と、正レンズL13および負レンズL14からなる接合レンズと、負メニスカスレンズL15とが、開口絞りSよりも物体側に配置された前群GFを構成する。正レンズL21と、負メニスカスレンズL22と、正メニスカスレンズL31と、負メニスカスレンズL32と、正レンズL33とが、開口絞りSよりも像側に配置された後群GRを構成する。
以下の表9に、第9実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表9)
[全体諸元]
f 58.200
FNO 2.834
2ω 40.540
Y 21.700
TL 71.504
BF 0.100
fF 185.637
fR 41.887
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd θgF
1 -54.41680 1.200 1.73077 40.51 0.5727
2* 93.79380 1.000
3 49.58010 3.982 1.95375 32.33 0.5905
4 -46.84640 1.409
5 58.45600 4.042 1.59319 67.90 0.5440
6 -28.62670 1.200 1.73800 32.26 0.5899
7 65.78940 0.557
8 42.63400 1.200 1.80518 25.45 0.6157
9 26.81180 4.439
10 ∞ D10(可変) (絞りS)
11 65.15670 3.538 1.62731 59.30 0.5583
12 -33.71110 0.200
13 32.99860 1.200 1.68893 31.16 0.5993
14 23.75820 D14(可変)
15 40.89980 1.702 1.51680 64.13 0.5357
16* 41.52740 17.999
17 -17.43560 1.512 1.72916 54.61 0.5443
18 -156.01360 0.200
19 164.98860 4.192 1.95375 32.33 0.5905
20 -80.90270 12.307
21 ∞ 1.600 1.51680 64.13 0.5357
22 ∞ BF
[非球面データ]
第2面
κ=1.000,A4=1.38723E-05,A6=1.77268E-09
A8=-8.41163E-12,A10=0.00000E+00,A12=0.00000E+00
第16面
κ=1.000,A4=-1.13951E-05,A6=-7.02007E-09
A8=-1.01527E-10,A10=0.00000E+00,A12=0.00000E+00
[近距離撮影時可変間隔データ]
無限遠合焦状態 中間距離合焦状態 近距離合焦状態
f=58.200 β=-0.500 β=-1.000
D10 6.636 6.762 7.025
D14 1.292 18.125 34.903
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 185.637
G2 11 47.768
[条件式対応値]
<正レンズL21(fP2=35.911)>
条件式(1)
ndP2−(2.015−0.0068×νdP2)=0.016
条件式(2)νdP2=59.30
条件式(3),(3−1)θgFP2=0.5583
条件式(4),(4−1)
θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)=0.0161
条件式(5)fP2/fR=0.857
条件式(6)fP2/f=0.617
条件式(7)DP2=3.538
図18(A)は、第9実施例に係る光学系の無限遠合焦時の諸収差図である。図18(B)は、第9実施例に係る光学系の中間距離合焦時の諸収差図である。図18(C)は、第9実施例に係る光学系の近距離(至近距離)合焦時の諸収差図である。各諸収差図より、第9実施例に係る光学系は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
(第10実施例)
第10実施例について、図19〜図20および表10を用いて説明する。図19は、本実施形態の第10実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す図である。第10実施例に係る光学系LS(10)は、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。広角端状態(W)から望遠端状態(T)に変倍する際、第1〜第5レンズ群G1〜G5がそれぞれ図19の矢印で示す方向に移動する。開口絞りSは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に配設される。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11および両凸形状の正レンズL12からなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14と、から構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、両凹形状の負レンズL22と、両凸形状の正レンズL23と、両凹形状の負レンズL24と、から構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL31と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL32と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL33および両凸形状の正レンズL34からなる接合レンズと、から構成される。第3レンズ群G3は、光軸と垂直な方向へ移動可能な防振レンズ群を構成し、手ブレ等による結像位置の変位(像面I上の像ブレ)を補正する。開口絞りSは、正レンズL31の物体側近傍に配置され、変倍の際、第3レンズ群G3とともに移動する。本実施例では、第3レンズ群G3の正レンズL34が条件式(1)〜(4)等を満足する正レンズに該当する。正レンズL31は、両側のレンズ面が非球面である。
第4レンズ群G4は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL41および両凹形状の負レンズL42からなる接合レンズから構成される。無限遠物体から近距離(有限距離)物体への合焦の際、第4レンズ群G4が光軸に沿って像側に移動する。
第5レンズ群G5は、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL51および物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL52からなる接合レンズから構成される。第5レンズ群G5の像側に、像面Iが配置される。正レンズL51は、物体側のレンズ面が非球面である。第5レンズ群G5と像面Iとの間には、光学フィルターFLが配設されている。光学フィルターFLとして、例えば、NCフィルター(ニュートラルカラーフィルター)や、カラーフィルター、偏光フィルター、NDフィルター(減光フィルター)、IRフィ
ルター(赤外線カットフィルター)等が用いられる。
本実施例では、負メニスカスレンズL11および正レンズL12からなる接合レンズと、正メニスカスレンズL13と、正メニスカスレンズL14と、負メニスカスレンズL21と、負レンズL22と、正レンズL23と、負レンズL24とが、開口絞りSよりも物体側に配置された前群GFを構成する。正レンズL31と、負メニスカスレンズL32と、負メニスカスレンズL33および正レンズL34からなる接合レンズと、正レンズL41および負レンズL42からなる接合レンズと、正レンズL51および負メニスカスレンズL52からなる接合レンズとが、開口絞りSよりも像側に配置された後群GRを構成する。
以下の表10に、第10実施例に係る光学系の諸元の値を掲げる。
(表10)
[全体諸元]
変倍比=78.219
W M T
f 4.430 13.187 346.510
FNO 2.776 3.514 6.427
2ω 86.496 33.453 1.299
Y 3.350 4.000 4.000
TL 131.989 135.543 198.671
BF 0.400 0.400 0.400
fF -12.060 -16.645 -173.557
fR 25.234 30.446 -82.441
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd θgF
1 568.78065 2.300 1.78590 44.17 0.5629
2 86.67383 7.500 1.43700 95.10 0.5353
3 -310.32964 0.100
4 85.84592 6.100 1.49782 82.57 0.5409
5 1850.64210 0.100
6 91.59441 4.700 1.49782 82.57 0.5409
7 305.14505 D7(可変)
8 63.54828 1.000 1.83481 42.73 0.5651
9 11.98416 5.700
10 -21.15154 0.800 1.83481 42.73 0.5651
11 213.93350 0.100
12 27.96942 3.150 1.92286 20.88 0.6391
13 -40.84385 1.090
14 -19.86982 0.700 1.69680 55.52 0.5436
15 106.15599 1.750
16 ∞ D16(可変) (絞りS)
17* 12.12280 3.000 1.55332 71.68 0.5404
18* -88.75564 2.600
19 23.32880 1.000 1.90366 31.31 0.5952
20 11.81128 1.750
21 17.35800 0.500 1.83400 37.18 0.5783
22 9.64416 3.500 1.62731 59.30 0.5583
23 -62.13514 D23(可変)
24 292.73551 2.500 1.53172 48.78 0.5626
25 -90.00320 0.500 1.49782 82.57 0.5409
26 16.96477 D26(可変)
27* 19.66824 2.100 1.58913 61.22 0.5407
28 -27.01885 0.500 1.71736 29.57 0.6039
29 -58.11835 D29(可変)
30 ∞ 0.210 1.51680 63.88 0.5369
31 ∞ 0.850
32 ∞ 0.500 1.51680 63.88 0.5369
33 ∞ BF
[非球面データ]
第17面
κ=1.000,A4=-3.31986E-05,A6=-5.33039E-07
A8=1.22245E-08,A10=0.00000E+00,A12=0.00000E+00
第18面
κ=1.000,A4=4.28536E-05,A6=-5.76368E-07
A8=2.04479E-08,A10=-7.59709E-11,A12=0.00000E+00
第27面
κ=1.000,A4=-2.40095E-05,A6=4.06551E-07
A8=-7.66459E-09,A10=0.00000E+00,A12=0.00000E+00
[変倍撮影時可変間隔データ]
W M T
D7 0.750 29.140 96.663
D16 59.086 27.196 1.750
D23 1.000 10.405 20.470
D26 9.956 8.504 23.313
D29 7.197 6.298 2.475
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 121.707
G2 8 -10.214
G3 17 20.075
G4 24 -36.977
G5 27 26.912
[条件式対応値]
<正レンズL34(fP2=13.563)>
条件式(1)
ndP2−(2.015−0.0068×νdP2)=0.016
条件式(2)νdP2=59.30
条件式(3),(3−1)θgFP2=0.5583
条件式(4),(4−1)
θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)=0.0161
条件式(5)fP2/fR=0.537
条件式(6)fP2/f=3.062
条件式(7)DP2=3.500
図20(A)は、第10実施例に係る光学系の広角端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図20(B)は、第10実施例に係る光学系の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の諸収差図である。図20(C)は、第10実施例に係る光学系の望遠端状態における無限遠合焦時の諸収差図である。各諸収差図より、第10実施例に係る光学系は
、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。
上記各実施例によれば、色収差の補正において、1次の色消しに加え、2次スペクトルが良好に補正された光学系を実現することができる。
ここで、上記各実施例は本願発明の一具体例を示しているものであり、本願発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の内容は、本実施形態の光学系の光学性能を損なわない範囲で適宜採用することが可能である。
合焦レンズ群とは、合焦時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示すものとする。すなわち、単独または複数のレンズ群、または部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群としても良い。この合焦レンズ群は、オートフォーカスにも適用でき、オートフォーカス用の(超音波モータ等を用いた)モータ駆動にも適している。
第8実施例および第10実施例において、防振機能を有する構成のものを示したが、本願はこれに限られず、防振機能を有していない構成とすることもできる。また、防振機能を有していない他の実施例についても、防振機能を有する構成とすることができる。
レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工および組立調整が容易になり、加工および組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないので好ましい。
レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれでも構わない。また、レンズ面は回折面としても良く、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしても良い。
各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し、コントラストの高い光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施しても良い。これにより、フレアやゴーストを軽減し、高コントラストの高い光学性能を達成することができる。
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群 G4 第4レンズ群
G5 第5レンズ群
I 像面 S 開口絞り

Claims (11)

  1. 開口絞りと、前記開口絞りより像側に配置された以下の条件式を満足する正レンズとを有する光学系。
    −0.010<ndP2−(2.015−0.0068×νdP2)
    50.00<νdP2<65.00
    0.545<θgFP2
    −0.010<θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)
    但し、ndP2:前記正レンズのd線に対する屈折率
    νdP2:前記正レンズのd線を基準とするアッベ数
    θgFP2:前記正レンズの部分分散比であり、前記正レンズのg線に対する屈折率をngP2とし、前記正レンズのF線に対する屈折率をnFP2とし、前記正レンズのC線に対する屈折率をnCP2としたとき、次式で定義される
    θgFP2=(ngP2−nFP2)/(nFP2−nCP2)
  2. 前記開口絞りと、前記開口絞りより物体側に配置された前群と、前記開口絞りより像側に配置された後群とからなり、
    前記後群は、前記正レンズを有して以下の条件式を満足する請求項1に記載の光学系。
    −10.00<fP2/fR<10.00
    但し、fP2:前記正レンズの焦点距離
    fR:前記後群の焦点距離、なお前記光学系が変倍光学系である場合、広角端状態における前記後群の焦点距離
  3. 前記正レンズは、以下の条件式を満足する請求項1または2に記載の光学系。
    0.10<fP2/f<15.00
    但し、fP2:前記正レンズの焦点距離
    f:前記光学系の焦点距離、なお前記光学系が変倍光学系である場合、広角端状態における前記光学系の焦点距離
  4. 前記正レンズは、以下の条件式を満足する請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学系。
    0.555<θgFP2
  5. 前記正レンズは、以下の条件式を満足する請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学系。
    0.010<θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)
  6. 前記正レンズは、以下の条件式を満足する請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学系。
    DP2>0.400[mm]
    但し、DP2:前記正レンズの光軸上の厚さ
  7. 前記正レンズは、単レンズもしくは、2枚のレンズを接合した接合レンズにおける前記2枚のレンズのうち一方のレンズである請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学系。
  8. 前記正レンズにおける物体側のレンズ面および像側のレンズ面のうち、少なくとも一方のレンズ面が空気と接している請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学系。
  9. 前記正レンズは、ガラスレンズである請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学系。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学系を備えて構成される光学機器。
  11. 開口絞りと、前記開口絞りより像側に配置された以下の条件式を満足する正レンズとを有するように、
    レンズ鏡筒内に各レンズを配置する光学系の製造方法。
    −0.010<ndP2−(2.015−0.0068×νdP2)
    50.00<νdP2<65.00
    0.545<θgFP2
    −0.010<θgFP2−(0.6418−0.00168×νdP2)
    但し、ndP2:前記正レンズのd線に対する屈折率
    νdP2:前記正レンズのd線を基準とするアッベ数
    θgFP2:前記正レンズの部分分散比であり、前記正レンズのg線に対する屈折率をngP2とし、前記正レンズのF線に対する屈折率をnFP2とし、前記正レンズのC線に対する屈折率をnCP2としたとき、次式で定義される
    θgFP2=(ngP2−nFP2)/(nFP2−nCP2)
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