JP2021035116A - モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 平均トルクの向上と、トルクリップルの低減とを同時に実現することができる永久磁石埋め込み型のモータを提供する。【解決手段】 第1の領域3121aの周方向の長さLaと、第2の領域3121bの周方向の長さLbが、それぞれ、永久磁石の周方向の長さLdの0.56/9.9(≒6/100)倍以上2.08/9.9(≒20/100)倍以下になり、且つ、板厚tbが、軟磁性体板の薄肉部312a以外の領域の板厚taの4/7(=0.20/0.35)倍以上5/7(=0.25/0.35)倍以下になるように薄肉部312a〜312jをロータコア310に形成する。【選択図】 図1

Description

本発明は、モータに関し、特に、永久磁石が埋め込まれたロータを有するモータに用いて好適なものである。
近年、モータの小型化の要望が一段と増しており、モータの出力密度(コアの大きさ(外径寸法)に対するモータの出力の比)を大きくすることが求められている。モータの出力密度を向上させることは、モータのトルク特性を改善することと等価である。
そこで、特許文献1では、永久磁石埋め込み型のモータに対し、高トルク密度化、高出力密度化、および小型化を実現することを目的とする技術が開示されている。特許文献1では、ロータコアの磁束保持用の開口部の端部コーナに沿って鉤状をなす領域を高硬度部とし、高硬度部をロータコアの他の領域よりも高硬度にすることが記載されている。
特許文献1では、高硬度部の圧縮率を5〜25[%]とし、高硬度部の硬度をロータコアの他の領域よりもビッカース硬度で1.3〜2.3倍にする。また、特許文献1には、モータの発生トルクに起因する有効磁束量の代替指標として回転誘起電圧の大きさを評価することにより、ロータコアの本体部の周方向に沿った側の磁石スロット縁の部分で永久磁石とオーバーラップする長さL2を、永久磁石の周方向の長さの0以上1/6以下の間に設定することが開示されている。
特許第5855792号公報
しかしながら、モータの平均トルクを大きくすることに加えて、トルクリップルを低減する必要がある場合がある。例えば、モータの位置制御を高精度に行うためには、トルクリップルを低減する必要がある。
特許文献1に記載の技術では、モータの平均トルクの向上と、磁束の高調波に起因する鉄損の低減とに着目して、ロータコアの一部の領域を硬くするようにしているが、トルクリップルを低減させることは考慮されていない。このため、特許文献1に記載の技術では、モータの平均トルク向上と、トルクリップルの低減とを同時に実現することが容易ではないという問題点がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、平均トルクの向上と、トルクリップルの低減とを同時に実現することができる永久磁石埋め込み型のモータを提供することを目的とする。
本発明のモータは、軸方向に貫通し、周方向に間隔を有して配置される複数の貫通孔を有するロータコアと、前記複数の貫通孔のそれぞれに配置された複数の永久磁石と、を有するロータと、内周面が前記ロータコアの外周面と間隔を有して対向し、且つ、前記ロータと略同軸となるように配置されたステータコアを有するステータと、を有するモータであって、前記ロータコアは、板面同士が対向するように積み重ねられた複数の軟磁性体板を有し、前記ロータコアは、複数の薄肉部を有し、前記薄肉部が形成されている領域には、前記貫通孔よりも外周側の領域であって、前記貫通孔の周方向の端部寄りの領域があり、前記薄肉部の内周側の端の領域には、前記永久磁石の外周側の面が配置されている領域があり、前記薄肉部における前記軟磁性体板の板厚は、前記薄肉部以外の前記軟磁性体板の板厚の4/7倍以上5/7倍以下であり、前記薄肉部の内周側の端の領域のうち、前記永久磁石の外周側の面が配置されている領域の周方向の長さは、当該永久磁石の周方向の長さの6/100倍以上20/100倍以下であり、前記ロータコアの外周面の領域のうち、前記薄肉部が形成されている領域に空隙部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、平均トルクの向上と、トルクリップルの低減とを同時に実現することができる永久磁石埋め込み型のモータを提供することができる。
モータの構成の一例を示す図である。 ロータコアの領域のうち、永久磁石が収容される領域を拡大して示す図である。 ロータコアの領域のうち、薄肉部が形成される領域の一例を示す図である。 薄肉部の構成の一例を示す図である。 ロータコアの外周面の様子の一例を示す図である。 モータの平均トルクとトルクリップルの解析結果の一例を示す図である。 トルクと時間との関係のグラフと、当該グラフから得られる最大トルク、最小トルク、およびトルクリップルを示す図である。 トルクと機械角の関係を示すグラフと、当該グラフから得られる正のトルク、負のトルク、およびトルク合計を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。尚、各図において、X、Y、Z軸は、各図における向きの関係を示すものであり、その原点は、各図に示す位置に限定されない。また、X、Y、Z軸の表記において、○の中に●が付されているものは、紙面の奥側から手前側に向かう方向を示し、○の中に×が付されているものは、紙面の手前側から奥側に向かう方向を示す。
<モータ100の概略>
図1は、モータ100の構成の一例を示す図である。図1は、モータ100を、その軸の方向(Z軸方向)から見た図である。図1において、モータ100は、ステータ200と、ロータ300とを有する。尚、図1等では、表記の都合上、モータ100が有する構成の一部を省略し、また、モータ100が有する構成を必要に応じて簡略化して示す。また、以下の説明では、モータ100の軸方向、モータ100の径方向、およびモータ100の周方向を、必要に応じて、それぞれ、軸方向、径方向、周方向と略称する。
ステータ200は、ステータコア210を有する。ステータコア210は、複数のティース部220a〜220lと、ヨーク部230とを有する。ヨーク部230は、周方向に配置される概ね中空円筒形状の部分である。複数のティース部220a〜220lは、ヨーク部230の内周面からモータ100の軸Oの方向に向かって、径方向に延設される部分であり、周方向において略等間隔で配置される。ステータコア210は、図1に示す平面形状を有する軟磁性体板(電磁鋼板等)を積み重ねて一体とすることにより構成される。ステータコア210の軸は、モータ100の軸Oと略同軸になる。ステータ200は、ステータコア210の他に、ティース部220a〜220lに対して巻き回されるコイル等を有するが、図1では、その図示を省略している。尚、ステータ200は、公知の技術で実現することができる。
ロータ300は、ロータコア310と、複数の永久磁石320a〜320jとを有する。ロータコア310は、その外周面が、ティース部220a〜220lの先端面と間隔を有して相互に対向し、且つ、その軸がモータ100の軸Oと略同軸になるように配置される。ロータコア310は、概ね中空円筒形状を有する。ロータコア310の中心に形成される中空の部分には、シャフトが配置される。ベアリング等を介してシャフトとロータコア310とが相互に接続される。シャフトの回転に伴いロータコア310も回転する。
ロータコア310には、その外周面寄りの領域に、軸方向において貫通する複数の貫通孔311a〜311jが形成される。これら複数の貫通孔311a〜311jには、永久磁石320a〜320jが1つずつ収容(埋設)される。従って、複数の貫通孔311a〜311jのそれぞれは、永久磁石320a〜320jの1つを収容することができる大きさおよび形状を有する。また、複数の貫通孔311a〜311jは、周方向において、略等間隔で配置される。従って、永久磁石320a〜320jも、周方向において、略等間隔で配置される。また、本実施形態では、複数の貫通孔311a〜311jの形状および大きさは、略同じであるものとする。また、永久磁石320a〜320jの形状および大きさも、略同じであるものとする。永久磁石320a〜320jの材質も同じものであるものとする。
本実施形態では、永久磁石320a〜320jは、直方体形状を有する。また、永久磁石320a〜320jの材質は、Nd-Fe-B系希土類磁石である。
図1に示すように、永久磁石320a〜320jが収容された状態で、永久磁石320a〜320jの周方向の端面の少なくとも一部の領域が、ロータコア310と間隔を有するようにしている。即ち、永久磁石320a〜320jの周方向の端面の少なくとも一部の領域と、ロータコア310との間に空隙部が形成されるようにしている。
ロータコア310は、同一の形状および大きさの軟磁性体板(電磁鋼板等)を積み重ねて一体とすることにより構成される。ロータコア310には、薄肉部312a〜312jが形成される。薄肉部312a〜312jは、ロータコア310を構成する軟磁性体板の一部の領域の板厚を他の領域よりも薄くすることにより形成される。薄肉部312a〜312jは、貫通孔311a〜311jよりも外周側(モータ100の外側)の領域であって、貫通孔311a〜311jの周方向の端部寄りの領域を含む領域に形成される。また、薄肉部312a〜312jの内周側の端(モータ100の軸O側)の領域には、永久磁石320a〜320jの外周側の面(外周面)が配置される領域がある。即ち、薄肉部312a〜312jが占める空間の境界に位置する仮想面のうち内周側に位置する面(内周面)には、永久磁石320a〜320jの外周側の面(外周面)と対向(重複)する領域がある。
<薄肉部312a〜312jの構成>
以下、このような薄肉部312a〜312jが形成される領域の具体例を説明する。
図2は、図1に示すロータコア310の領域のうち、永久磁石320a、320bが収容される領域を拡大して示す図である。前述したように、永久磁石320a、320bは、それぞれ、貫通孔311a、311bの内部に収容(埋設)される。ここで、周方向において相互に隣り合う2つの貫通孔を第1の貫通孔および第2の貫通孔とする。図2に示す例では、第1の貫通孔は貫通孔311aであり、第2の貫通孔は貫通孔311bである。
図1に示す例において、貫通孔311a、311b以外の、周方向において相互に隣り合う2つの貫通孔「311b、311c」、「311c、311d」、「311d、311e」、「311e、311f」、「311f、311g」、「311g、311h」、「311h、311i」、「311i、311j」、「311j、311a」の組み合わせでは、「」内の前者が第1の貫通孔であり、後者が第2の貫通孔になる。
これら第1の貫通孔および第2の貫通孔のそれぞれ(全て)に対して以下に説明する薄肉部312a〜312jが形成される。以下では、貫通孔311a、311bを例に挙げて、薄肉部312aが形成される領域の一例を説明する(その他の薄肉部312b〜312jは、薄肉部312aと形成される位置が異なるだけであるので、それらの詳細な説明を省略する)。尚、以下の説明では、必要に応じて、貫通孔311aを第1の貫通孔311aと称し、貫通孔311bを第2の貫通孔311bと称する。
図3は、ロータコア310の領域のうち、薄肉部312aが形成される領域の一例を示す図である。図3において、薄肉部312aは、第1の領域3121a、第2の領域3122a、第3の領域3123a、第4の領域3124a、第5の領域3125a、および第6の領域3126aに形成される。
第1の領域3121aは、第1の貫通孔311aよりも外周側の領域のうち、第2の貫通孔311b寄りの領域である。第1の領域3121aの内周側の端の領域には第1の貫通孔311aに配置される永久磁石320aの外周面が配置される。本実施形態で示す例では、薄肉部312aの内周側の端の領域のうち、永久磁石320aの外周側の面が配置される領域は、第1の領域3121aの内周側の端の領域になる。
第2の領域3122aは、第2の貫通孔311bよりも外周側の領域のうち、第1の貫通孔311a寄りの領域である。第2の領域3122aの内周側の端の領域には第2の貫通孔311bに配置される永久磁石320bの外周面が配置される。本実施形態で示す例では、薄肉部312aの内周側の端の領域のうち、永久磁石320bの外周側の面が配置される領域は、第2の領域3122aの内周側の端の領域になる。
第3の領域3123aは、第1の領域3121aに続く第2の貫通孔311b寄りの領域であって、第1の貫通孔311aよりも外周側の領域である。
第4の領域3124aは、第2の領域3122aに続く第1の貫通孔311a寄りの領域であって、第2の貫通孔311bよりも外周側の領域である。
第5の領域3125aは、第3の領域3123aと第4の領域3124aとの間の領域であって、第3の領域3123aおよび第4の領域3124aに続く領域である。
第1の領域3121a、第2の領域3122a、第3の領域3123a、第4の領域3124a、および第5の領域3125aの周方向の端部が向く方向は、径方向から大きくずれていなければ特に限定されない。第1の領域3121a、第2の領域3122a、第3の領域3123a、第4の領域3124a、および第5の領域3125aの周方向の端部が向く方向は、径方向と略平行な方向の他、例えば、第1の領域3121aおよび第2の領域3122aの周方向の端部が、永久磁石320a、320bの周方向の端部と略平行になるようにしてもよい。
第6の領域3126aは、第5の領域3125aに続く領域であって、第5の領域3125aからモータ100の軸Oに向かう方向に延設される領域である。本実施形態では、第5の領域3125aに続く領域であって、第5の領域3125aからモータ100の軸Oに向かう方向に延設される領域の一部の領域を、第6の領域3126aとする場合を例に挙げて示す。ただし、第5の領域3125aに続く領域であって、第5の領域3125aからモータ100の軸Oに向かう方向に延設される領域の全部の領域を、第6の領域としてもよい。
図4は、薄肉部312aの構成の一例を示す図である。図4(a)は、薄肉部312aを、軸方向(Z軸方向)から見た図である。図4(b)は、図4(a)のI−I断面図であり、図4(c)は、図4(a)のII−II断面図である。図4に示すように、薄肉部312aの領域は、他の領域よりも板厚が薄くなっている。図4(b)および図4(c)では、軟磁性体板の薄肉部312a以外の領域の板厚をtaで示し、薄肉部312aの板厚をtbで示し、薄肉部312aの凹み量(凹みの深さ)をtcで示す。この場合、薄肉部312aの板厚は、ta−tcになる。尚、特許文献1には、圧縮率の定義がなされていないが、その下限値が5[%]であることから、軟磁性体板の薄肉部312a以外の領域の板厚taに対する、薄肉部312aの凹み量(凹みの深さ)tcの比を百分率で表したもの(圧縮率=(tc/ta)×100)であると考えられる。
以上のような薄肉部312aは、プレス加工により形成することができる。プレス加工により、薄肉部312aにより板厚が薄くなった領域には圧縮の残留応力(圧縮歪)が付与される(薄肉部312aにより板厚が薄くなった領域の方が軟磁性体板の他の領域よりも圧縮の残留応力(圧縮歪)が大きくなる)。従って、薄肉部312aにより板厚が薄くなった領域の磁気抵抗を高めることができる。ただし、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、切削加工により薄肉部312aを形成してもよい。尚、プレス加工により薄肉部312aが形成される場合には、薄肉部312aの表面には切削痕は形成されない。これに対し、切削加工により薄肉部が形成される場合には、当該薄肉部の表面に切削痕が形成される。また、切削加工により薄肉部が形成される場合には、当該薄肉部の領域とその他の領域とで、圧縮の残留応力(圧縮歪)の大きさは変わらない(略同じである)。
前述したように、周方向において相互に隣り合う2つの貫通孔311b〜311c、311c〜311d、311d〜311e、311e〜311f、311f〜311g、311g〜311h、311h〜311i、311i〜311j、311j〜311aについても、薄肉部312aと同じように薄肉部312b、312c、312d、312e、312f、312g、312h、312i、312jが形成される。これら複数の薄肉部312a〜312jの形状および大きさは略同じである。従って、周方向においてこれら複数の薄肉部312a〜312jが略等間隔で形成される。
以上のようにして複数の薄肉部312a〜312jが形成されるように加工された軟磁性体板として同じ形状および大きさを有する複数の軟磁性体板を用意する。そして、当該複数の軟磁性体板を積み重ねて一体とすることによりロータコア310を形成する。
図5は、ロータコア310の外周面の様子の一例を示す図である。図5(a)は、ロータコア310の外周面の全体の様子の一例を示し、図5(b)は、図5(a)に示す複数の軟磁性体板の1枚を拡大して示す図である。
図5(a)に示すように、本実施形態では、凹みが形成されている面を同じ側(Z軸の正の方向側)にし、板厚が薄くなっている領域の面内方向の位置(X座標およびY座標)が略同じなるように、複数の軟磁性体板を積み重ねて一体とすることによりロータコア310を形成する。これにより、軸方向(Z軸方向)で隣り合う位置にある2つの軟磁性体板の間の、薄肉部312a〜312jが形成される領域に、空隙部が形成される。図5(b)は、図5(a)に示す複数の軟磁性体板のうちの1枚を拡大して示す。図5(b)において、Z軸の正の方向側においてX軸方向に並ぶ矩形で示す領域313a〜313eがそれぞれ空隙部になる。このような空隙部を形成することにより、当該空隙部における磁気抵抗を高めることができる。前述したように本実施形態では、ロータコア310を構成する全ての軟磁性体板は同じ形状を有する。このため、図5(a)に示すように、ロータコア310が構成された状態において、ロータコア310を構成する全ての軟磁性体板に空隙部が形成される。
<La、Lb、Lc1、Lc2の定義>
次に、薄肉部312a〜312jの形状を規定する寸法について説明する。ここでは、薄肉部312aを例に挙げて、薄肉部312a〜312jの形状を規定する寸法について説明する。
図2および図3において、第1の領域3121aの内周側の端の領域の周方向の長さをLaとする。第2の領域3121bの内周側の端の領域の周方向の長さをLbとする。第5の領域3125aの径方向の中心位置における径方向の長さをLc1とし、第6の領域3126aの径方向の中心位置における径方向の長さをLc2とし、それらの和をLc(=Lc1+Lc2)とする。また、図2では、永久磁石320a、320bの周方向の長さをLdと表記している。
前述したように本実施形態では、薄肉部312a〜312jの形状および大きさは略同じである。従って、全ての薄肉部312a〜312jについて、前述した長さLa、Lb、Lc(Lc1、Lc2)は同じ長さになる(薄肉部312a〜312jの長さLaは同じであり、薄肉部312a〜312jの長さLbは同じであり、薄肉部312a〜312jの長さLc。Lc1、Lc2は同じである)。
<特許文献1の問題点>
前述したように特許文献1に記載の技術では、高硬度部を形成することを特徴としている。具体的に特許文献1に記載の技術では、圧縮率が5〜25[%]となるように磁性体板を圧縮加工し、高硬度部の硬度をロータコアの他の領域よりもビッカース硬度で1.3〜2.3倍にする。
そして、特許文献1に記載の技術では、磁石引張降伏荷重上昇率と圧縮率との関係から、圧縮率を5〜25[%]の範囲に規定している。この磁石引張降伏荷重上昇率と圧縮率との関係では、圧縮率が15[%]付近で、圧縮率の増加に伴い磁石引張降伏荷重上昇率が減少することが示されている。
また、回転誘起電圧上昇率と圧縮率との関係と、磁石引張降伏荷重上昇率と圧縮率との関係とのそれぞれにおいて、圧縮率が5〜25[%]の範囲であれば、回転誘起電圧上昇率および磁石引張降伏荷重上昇率が適正であることを確認して、長さL1(永久磁石の端縁に沿った方向における磁石スロット間内での長さ)の範囲と、長さL2(ロータコアの本体部の周方向に沿った側の磁石スロット縁の部分で永久磁石とオーバーラップする長さ)の範囲とを規定している。
また、特許文献1に記載の技術では、高硬度部の硬度を、一般部の硬度に対し、ビッカース硬度で1.3〜2.3倍(高硬度部の硬さを250〜390[Hv])の範囲とし、高硬度部の硬度の上下限値を設定している。
以上のことから、特許文献1に記載の技術において、圧縮率を25[%]を超えて設定すると、特許文献1に記載の目的に反する結果になる虞がある。
また、特許文献1に記載の技術では、圧縮率が14[%]である場合、長さL2(ロータコアの本体部の周方向に沿った側の磁石スロット縁の部分で永久磁石とオーバーラップする長さ)が、永久磁石の周方向の長さの1/6倍を上回ると、モータの発生トルクの代替指標となる回転誘導電圧上昇率が低下する傾向になる結果が示されている。従って、特許文献1に記載の技術では、長さL2を、永久磁石の周方向の長さの1/6倍を上回るようにすると、特許文献1に記載の目的に反する結果になる虞がある。
そして、特許文献1に記載の技術では、モータ100のトルクリップルを考慮していない。更に、特許文献1に記載の技術では、モータ100のトルクを直接の評価対象としていない。
<調査結果>
これに対し、本発明者は、薄肉部312a〜312jの形状および大きさを異ならせることにより、モータ100の平均トルクおよびトルクリップルがどのように変化するのかを、電磁場解析を行うことにより調査した。
具体的に、薄肉部312aの板厚tb(図4(b)および図4(c)を参照)を異ならせることにより、薄肉部312a〜312jの形状および大きさを異ならせた。また、長さLa、Lb、Lc(Lc1、Lc2)を異ならせることにより、薄肉部312a〜312jの形状および大きさを異ならせた。その結果、本発明者は、トルクリップルを考慮すると、薄肉部312a〜312jの形状および大きさの範囲は、従来の知見からでは類推できない範囲になるということを見出した。以下、調査結果の一例を説明する。
<<解析条件>>
電磁場解析を行った際の条件の一例は、以下の通りである。
ステータコア210の内径:φ40.0[mm]
ステータコア210の外径:φ77.0[mm]
ロータコア310の内径:φ20.0[mm]
ロータコア310の外径:φ39.5[mm]
ロータコア310の薄肉部312a〜312jの形成方法:プレス加工(圧縮加工)
ステータコア210およびロータコア310の積厚(軸方向の長さ):45[mm]
ステータ200およびロータ300間のギャップ:0.25[mm]
ステータコア210、ロータコア310を構成する軟磁性体板の材質・板厚:35A300・0.35[mm]
モータ100の極数:10
ステータ200のスロット数:12
ステータコイル1つ当たりの巻回数:73
永久磁石320a〜320jの残留磁束密度:1.395[T]
永久磁石320a〜320jの周方向の長さLd:9.9[mm]
励磁電流の実効値:12[A]
励磁方式(励磁周波数):正弦波励磁(250[Hz])
回転方向:反時計回り(図1、図2の白抜きの矢印線の方向)
以上の条件で、第1の領域3121aの周方向の長さLa、第2の領域3121bの周方向の長さLb、および第6の領域3126aの径方向の長さLc2(図2、図3を参照)と、薄肉部312a〜312jの板厚tb(図4を参照)とを異ならせた場合のそれぞれにおける平均トルク[N・m]とトルクリップル[N・m]とを電磁場解析により求めた。
<<解析結果>>
図6は、平面形状(長さLa、Lb、Lc)および板厚tbを異ならせた各条件1〜9の薄肉部312a〜312jを有するモータ100の平均トルク(図6(a))とトルクリップル(図6(b))の解析結果の一例を表形式で示す図である。図6(a)および図6(b)には、各条件1〜9における薄肉部の平面形状(長さLa、Lb、Lc)および板厚tbを併せて示す。
尚、条件1〜9における第5の領域3125aの径方向の中心位置における径方向の長さLc1は、同じである。よって、第5の領域3125aの径方向の中心位置における径方向の長さLc1と第6の領域3126aの径方向の中心位置における径方向の長さLc2との和Lcを変更することは、長さLc2を変更することと等価である。
図6(a)および図6(b)において、基準は、薄肉部を形成しない場合の解析結果であることを示す。即ち、平均トルクが基準の欄に示す値よりも大きくなっていれば、薄肉部を形成することにより平均トルクが大きくなることを示し、そうでなければ、薄肉部を形成することにより平均トルクが小さくなることを示す。
また、トルクリップルが基準の欄に示す値よりも小さくなっていれば、薄肉部を形成することによりトルクリップルが小さくなることを示し、そうでなければ、薄肉部を形成することによりトルクリップルが大きくなることを示す。図6(b)において、トルクリップルが基準の欄に示す値よりも小さくなっている欄の背景を白とし、トルクリップルが基準の欄に示す値よりも大きくなっている欄の背景をグレーとしている。
図6(a)に示すように、平均トルクについては、何れの条件であっても、薄肉部を形成することにより平均トルクは大きくなる(基準の欄に示す7.177[N・m]よりも大きい値になる)ことが分かる。
これに対し、図6(b)に示すように、トルクリップルについては、薄肉部312a〜312jを形成することにより(薄肉部を形成しない場合に比べて)小さくなる場合と大きくなる場合とがある。即ち、トルクリップルの低減が可能な薄肉部の形状および大きさの範囲に制約があることが分かる。
以上のように、薄肉部312a〜312jの形状および大きさは、平均トルクよりもトルクリップルに大きく影響を与えることが分かる。このことは、特許文献1からでは得られない知見である。
そして、図6(b)の条件1および条件2より、第1の領域3121aの周方向の長さLaと、第2の領域3121bの周方向の長さLbとが「0」、「0.4」であると、トルクリップルは、薄肉部を形成しない場合(基準)よりも大きくなることが分かる。そして、条件3〜7より、薄肉部312a〜312jの板厚tbの範囲が0.20[mm]以上0.25[mm]以下の範囲では、第1の領域3121aの周方向の長さLaと、第2の領域3121bの周方向の長さLbが「0.56」以上「2.08」以下の範囲において、トルクリップルは、薄肉部を形成しない場合(基準)の値以下になることが分かる。ここで、条件3に示す値は、トルクリップルが、薄肉部を形成しない場合(基準)の値以下になる条件を探索するために、他の条件の値から線形補間を行うことにより得られた推定値である。
そして、薄肉部312a〜312jの板厚tbの範囲が0.20[mm]以上0.25[mm]以下の範囲では、第1の領域3121aの周方向の長さLaと、第2の領域3121bの周方向の長さLbが、条件3〜条件5に示す値よりも大きくなり、条件6〜条件7に示す値に変更されると、トルクリップルは条件3〜条件5の場合に比べて減少することが分かる。また、条件6〜条件7では、平均トルクも条件3〜条件5に比べて大きいことが分かる。よって、平均トルクおよびトルクリップルを総合的に考慮すると、条件6〜条件7の方が、条件3〜条件5よりも好ましいことが分かる。更に、条件6の場合においてトルクリップルが最低になるため、トルクリップルの低減を重視する場合には、条件6が最も好ましいことが分かる。また、トルクリップルが基準の値よりも小さい条件2〜7では、条件7の場合において平均トルクが最大になるため、平均トルクの向上を重視する場合には、条件7が最も好ましいことが分かる。ここで、条件7に示す値は、トルクリップルが、薄肉部を形成しない場合(基準)の値以下になる条件を探索するために、他の条件の値から線形補間を行うことにより得られた推定値である。
また、薄肉部312a〜312jの板厚tbの範囲が0.20[mm]以上0.25[mm]以下の範囲であっても、第1の領域3121aの周方向の長さLaと、第2の領域3121bの周方向の長さLbが、条件7に示す値よりも更に大きくなり、条件8〜条件9に示す値に変更されると、トルクリップルは、薄肉部を形成しない場合(基準)よりも大きくなることがあることが分かる。
以上のように、第1の領域3121aの周方向の長さLaと、第2の領域3121bの周方向の長さLbの範囲が、条件3〜条件7に示す範囲であり、且つ、薄肉部312a〜312jの板厚tbの範囲が0.20[mm]以上0.25[mm]以下の範囲である場合、トルクリップルは、薄肉部を形成しない場合(基準)よりも小さくなる。
また、薄肉部312a〜312jの板厚tbの範囲が0.20[mm]以上0.25[mm]以下の範囲である場合、第1の領域3121aの周方向の長さLaと、第2の領域3121bの周方向の長さLbの範囲が、条件6〜条件7に示す範囲であれば、トルクリップルは、より小さくなると共に平均トルクは、より大きくなる。
また、第1の領域3121aの周方向の長さLaと、第2の領域3121bの周方向の長さLbの範囲が、条件3〜条件7に示す範囲である場合、薄肉部312a〜312jの板厚tbの範囲が0.20[mm]およびその近傍の値であれば、トルクリップルは、より小さくなる。
そして、第1の領域3121aの周方向の長さLaと、第2の領域3121bの周方向の長さLbが条件6に示す値およびその近傍の値であり、且つ、薄肉部312a〜312jの板厚tbの範囲が0.20[mm]およびその近傍の値である場合に、トルクリップルは、最も小さくなる。
ところで、条件4と条件5とを比較すると、第6の領域3126aを長くすることによって、平均トルクは大きくなるものの、トルクリップルも大きくなる。
このことから、第6の領域3126aを有するように薄肉部312a〜312jを形成してもよいが、第6の領域3126aの長さの、平均トルクおよびトルクリップルへの寄与は大きくない。従って、第6の領域3126aは、必ずしも形成する必要がないことが分かる。
また、本発明者らの知見によると、電気機器の鉄心に使用される軟磁性体板の一般的な板厚の範囲内(0.2[mm]〜0.5[mm])では、薄肉部の板厚tbが大きすぎると、薄肉部により形成される空隙部が小さくなると共に、薄肉部に付与される圧縮の残留応力(圧縮歪)が小さくなり、磁気特性を劣化させることができない虞がある。一方、薄肉部の板厚tbが小さすぎると、硬さおよび強度を確保することができなくなる虞がある。このような観点から、本実施形態では、薄肉部312a〜312jの板厚tbの範囲を0.20[mm]以上0.25[mm]以下とした。
ここで、トルクリップルについてのより詳細な解析結果を示す。
図7は、基準(薄肉部を形成しない条件)、条件5、条件6、条件8におけるトルクと時間との関係を示すグラフと(図7(a))、当該グラフから得られる最大トルク、最小トルク、およびトルクリップル(図7(b))を示す図である。図7は、薄肉部312a〜312jの板厚tbが0.2[mm]における値である。
前述したように、条件5と条件6とを比較すると、第1の領域3121aの周方向の長さLaと、第2の領域3121bの周方向の長さLbとを長くすることにより、平均トルクおよびトルクリップルが改善することが分かる。ただし、条件6と条件8とを比較すると、第1の領域3121aの周方向の長さLaと、第2の領域3121bの周方向の長さLbとを長くし過ぎると、逆に、平均トルクが小さくなり、トルクリップルが大きくなることが分かる。
図8は、条件6および条件8におけるトルクと機械角の関係を示すグラフ(図8(a))と、当該グラフから得られる正のトルク、負のトルク、およびトルク合計(図8(b))を示す図である。図8は、薄肉部312a〜312jの板厚tbが0.2[mm]における値である。ここでは、トルクがマクスウェル応力であるものとした。図8(b)において、正のトルクは、図8(a)において、正の値を示すトルクの積算値であり、負のトルクは、図8(b)において、負の値を示すトルクの積算値であり、トルク合計は、正のトルクと負のトルクとの和である。
図8(a)および図8(b)に示すように、第1の領域3121aの周方向の長さLaと、第2の領域3121bの周方向の長さLbとを大きくし過ぎると、モータ100の回転方向に対して正のトルクが減少し、回転方向に対して負のトルクが増加していることが分かる。即ち、第1の領域3121aの周方向の長さLaと、第2の領域3121bの周方向の長さLbとを大きくし過ぎると、モータ100の回転方向に対する力を生じさせるトルク(正のトルク)が減少し、モータ100の回転方向と反対方向に対する力を生じさせるトルク(負のトルク)が増加する。このことから、条件8では条件6に比べ、トルクリップルが増加すると考えられる。
以上のように、トルクリップルが増加するのは、モータ100の回転方向に対する力を生じさせるトルク(正のトルク)が減少し、モータ100の回転方向と反対方向に対する力を生じさせるトルク(負のトルク)が増加することに起因すると考えられる。
<La/Ld、Lb/Ld、tb/taの好ましい範囲>
以下の説明では、軟磁性体板の薄肉部312a以外の領域の板厚taを、必要に応じて、未加工領域の板厚taと称する。また、第1の貫通孔3121aに配置される永久磁石320aの周方向の長さLd、第2の貫通孔3122aに配置される永久磁石320bの周方向の長さLdを、必要に応じて、永久磁石の周方向の長さLdと称する。
そして、図6に示した条件3〜7の結果を踏まえると、前述した調査結果より、薄肉部312a〜312jの板厚tbが、未加工領域の板厚taの4/7(=0.20/0.35)倍以上5/7(=0.25/0.35)倍以下であり、且つ、第1の領域3121aの周方向の長さLa、第2の領域3121bの周方向の長さLbが、それぞれ、永久磁石の周方向の長さLdの0.56/9.9(≒6/100)倍以上2.08/9.9(≒20/100)倍以下である場合に、基準(薄肉部を形成しない場合)に比べて、平均トルクおよびトルクリップルを改善することができると言える。
即ち、以下の(1a)式と、以下の(2a)式および(3a)式(または(2a´)式および(3a´)式)とが満足すると、基準(薄肉部を形成しない場合)に比べて、平均トルクおよびトルクリップルを改善することができると言える。
4/7≦tb/ta≦5/7 ・・・(1a)
0.56/9.9≦La/Ld≦2.08/9.9 ・・・(2a)
0.56/9.9≦Lb/Ld≦2.08/9.9 ・・・(3a)
6/100≦La/Ld≦20/100 ・・・(2a´)
6/100≦Lb/Ld≦20/100 ・・・(3a´)
ここで、「(=0.56/9.9≒6/100)」および「(=2.08/9.9≒20/100)」としているのは、実用上、寸法を決定する際の計算を容易にするためであり、このような近似をしても、平均トルクおよびトルクリップルに大きな変化はないと考えられるためである(このことは、以下の説明においても同じである)。
また、図6に示した条件6〜7の結果を踏まえると、薄肉部312a〜312jの板厚tbが、未加工領域の板厚taの4/7(=0.20/0.35)倍以上5/7(=0.25/0.35)倍以下であり、且つ、第1の領域3121aの周方向の長さLa、第2の領域3121bの周方向の長さLbが、それぞれ、永久磁石の周方向の長さLdの略20/100(≒1.9/9.9、≒2.08/9.9)倍である場合に、平均トルクおよびトルクリップルをより改善することができると言える。
即ち、以下の(1b)式と、以下の(2b)式および(3b)式とが満足すると、基準(薄肉部を形成しない場合)に比べて、平均トルクおよびトルクリップルをより改善することができると言える。
4/7≦tb/ta≦5/7 ・・・(1b)
20/100≒La/Ld ・・・(2b)
20/100≒Lb/Ld ・・・(3b)
また、前述した説明において、「薄肉部312a〜312jの板厚tbが、未加工領域の板厚taの4/7(=0.20/0.35)倍以上5/7(=0.25/0.35)倍以下」の範囲を、「薄肉部312a〜312jの板厚tbが、未加工領域の板厚taの略4/7(=0.20/0.35)倍」に限定することにより、平均トルクおよびトルクリップルをより改善することができると言える。よって、薄肉部312a〜312jの板厚tbが、未加工領域の板厚taの略4/7(=0.20/0.35)倍であり、且つ、第1の領域3121aの周方向の長さLa、第2の領域3121bの周方向の長さLbが、それぞれ、永久磁石の周方向の長さLdの略20/100倍である場合に、平均トルクおよびトルクリップルをより一層改善することができると言える。
即ち、(1a)式および(1b)式に代えて、以下の(4)式を採用することにより、(1a)式および(1b)式の(4)式以外の範囲を採用した場合よりも、平均トルクおよびトルクリップルを改善することができると言える。
4/7≒tb/ta ・・・(4)
<まとめ>
以上のように本実施形態では、薄肉部312a〜312jの板厚tbが、未加工領域の板厚taの4/7(=0.20/0.35)倍以上5/7(=0.25/0.35)倍以下であり、且つ、第1の領域3121aの周方向の長さLa、第2の領域3121bの周方向の長さLbが、それぞれ、永久磁石の周方向の長さLdの0.56/9.9(≒6/100)倍以上2.08/9.9(≒20/100)倍以下になるように薄肉部312a〜312jをロータコア310に形成する。したがって、薄肉部312a〜312jにより形成される空隙部を大きくすることができ、この領域の磁気特性を大きく劣化させることができ、磁束を通りにくくすることができる。また、モータ100の回転方向に働く力を生じさせるトルクを増加させ、モータ100の回転方向と反対方向に働く力を生じさせるトルクを減少させることができる。よって、平均トルクの向上と、トルクリップルの低減とを同時に実現することができる永久磁石埋め込み型のモータ100を提供することができる。
尚、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100:モータ、200:ステータ、210:ステータコア、300:ロータ、310:ロータコア、311a〜311j:貫通孔、3121a:第1の領域、3122a:第2の領域、3123a:第3の領域、3124a:第4の領域、3125a:第5の領域、3126a:第6の領域、320a〜320j:永久磁石

Claims (5)

  1. 軸方向に貫通し、周方向に間隔を有して配置される複数の貫通孔を有するロータコアと、前記複数の貫通孔のそれぞれに配置された複数の永久磁石と、を有するロータと、内周面が前記ロータコアの外周面と間隔を有して対向し、且つ、前記ロータと略同軸となるように配置されたステータコアを有するステータと、を有するモータであって、
    前記ロータコアは、板面同士が対向するように積み重ねられた複数の軟磁性体板を有し、
    前記ロータコアは、複数の薄肉部を有し、
    前記薄肉部が形成されている領域には、前記貫通孔よりも外周側の領域であって、前記貫通孔の周方向の端部寄りの領域があり、
    前記薄肉部の内周側の端の領域には、前記永久磁石の外周側の面が配置されている領域があり、
    前記薄肉部における前記軟磁性体板の板厚は、前記薄肉部以外の前記軟磁性体板の板厚の4/7倍以上5/7倍以下であり、
    前記薄肉部の内周側の端の領域のうち、前記永久磁石の外周側の面が配置されている領域の周方向の長さは、当該永久磁石の周方向の長さの6/100倍以上20/100倍以下であり、
    前記ロータコアの外周面の領域のうち、前記薄肉部が形成されている領域に空隙部が形成されていることを特徴とするモータ。
  2. 前記薄肉部における前記軟磁性体板の板厚は、前記薄肉部以外の前記軟磁性体板の板厚の略4/7倍であることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 前記薄肉部の内周側の端の領域のうち、前記永久磁石の外周側の面が配置されている領域の周方向の長さは、当該永久磁石の周方向の長さの略20/100倍であることを特徴とする請求項1または2に記載のモータ。
  4. 前記薄肉部は、前記ロータコアの領域のうち、少なくとも第1の領域、第2の領域、第3の領域、第4の領域、および第5の領域に形成され、
    周方向において相互に隣り合う位置にある2つの前記貫通孔を第1の貫通孔および第2の貫通孔とした場合に、
    前記第1の領域は、前記第1の貫通孔よりも外周側の領域のうち、前記第2の貫通孔寄りの領域であり、前記第1の領域の内周側の端の領域には、前記第1の貫通孔に配置される前記永久磁石の外周面が配置されており、
    前記第2の領域は、前記第2の貫通孔よりも外周側の領域のうち、前記第1の貫通孔寄りの領域であり、前記第2の領域の内周側の端の領域には、前記第2の貫通孔に配置される前記永久磁石の外周面が配置されており、
    前記第3の領域は、前記第1の領域に続く前記第2の貫通孔寄りの領域であって、前記第1の貫通孔よりも外周側の領域であり、
    前記第4の領域は、前記第2の領域に続く前記第1の貫通孔寄りの領域であって、前記第2の貫通孔よりも外周側の領域であり、
    前記第5の領域は、前記第3の領域と前記第4の領域との間の領域であって、前記第3の領域および前記第4の領域に続く領域であり、
    前記薄肉部の内周側の端の領域のうち、前記永久磁石の外周側の面が配置されている領域は、前記第1の領域の内周側の端の領域および前記第2の領域の内周側の端の領域であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のモータ。
  5. 前記薄肉部は、前記ロータコアの領域のうち、第6の領域に更に形成され、
    前記第6の領域は、前記第5の領域に続く領域であって、前記第5の領域から前記モータの軸に向かう方向に延設される領域であることを特徴とする請求項4に記載のモータ。
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