JP2021034217A - 温度調整システムの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電池の昇温を適切に実施することができる電池温度調整システムの制御装置を提供することにある。
【解決手段】外側に配置された外側電池ブロック22A及びその外側電池ブロック22Aよりも内側に配置された内側電池ブロック22Bを有する蓄電池モジュール20と、温度センサ41A,41Bと、外側ヒータ31A及び内側ヒータ31Bとを有する電池温度調整システム10に用いられる制御装置40であって、蓄電池モジュール20が所定の低温状態であることを判定する温度判定部と、外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bとを昇温させる昇温制御部と、を備え、昇温制御部は、昇温開始時からの所定期間は、外側ヒータ31Aによる昇温のためのエネルギ投入量が内側ヒータ31Bによる昇温のためのエネルギ投入量に比べて大きくなるように、外側電池ブロック22A及び内側電池ブロック22Bの昇温制御を実施する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、蓄電池の温度を調整する温度調整システムの制御装置に関するものである。
蓄電池を大容量化するために、複数の蓄電池を直列や並列に接続して蓄電池モジュールを形成することが行われる。このような蓄電池モジュールにおいて、各蓄電池の温度が制御されている。例えば、特許文献1の2次電池システムでは、各蓄電池の温度が所定の範囲内になるようにフィードバックによる温度制御が実施されている。
特開2008‐109841号公報
ところで、各蓄電池の温度が所定の範囲より低い場合には、各蓄電池の温度を昇温させる昇温制御を実施する必要がある。しかしながら、特許文献1には、各蓄電池の温度が所定の範囲内にある場合のフィードバック制御についての記載はあるものの昇温時についての記載はない。そのため、各蓄電池の早期昇温を図るための技術の開発が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、蓄電池の昇温を適切に実施することができる電池温度調整システムの制御装置を提供することにある。
本手段では、並列に接続されている3つ以上の蓄電池が列状に並べて配置されており、その配列において外側に配置された外側蓄電池及びその外側蓄電池よりも内側に配置された内側蓄電池を有する蓄電池モジュールと、前記外側蓄電池及び前記内側蓄電池の各々の温度を検出する温度検出部と、前記外側蓄電池及び前記内側蓄電池を各々加熱する外側ヒータ及び内側ヒータとを有する電池温度調整システムに用いられる制御装置であって、前記温度検出部により検出された前記外側蓄電池の温度及び前記内側蓄電池の温度の少なくともいずれかに基づいて、前記蓄電池モジュールが所定の低温状態であることを判定する温度判定部と、前記蓄電池モジュールが前記低温状態であると判定された場合に、前記外側蓄電池と前記内側蓄電池とを昇温させる昇温制御部と、を備え、前記昇温制御部は、前記各蓄電池を昇温させる昇温期間において、昇温開始時からの所定期間は、前記外側ヒータによる昇温のためのエネルギ投入量が前記内側ヒータによる昇温のためのエネルギ投入量に比べて大きくなるように、前記外側蓄電池及び前記内側蓄電池の昇温制御を実施する。
列状に並べて配置された蓄電池モジュールにおいて、外側蓄電池では、内側蓄電池よりも放熱量が大きい。そのため、外側蓄電池は、内側蓄電池と同じようにヒータにより昇温加熱しても、内側蓄電池ほどには温度が上昇しない。したがって、外側蓄電池では、内側蓄電池よりも内部抵抗が高くなる。この際、外側蓄電池と内側蓄電池とは並列に接続されているため、内部抵抗が高い外側蓄電池に流れる電流が小さくなる。そのため、外側蓄電池では、通電に伴う外側蓄電池自体の発熱も小さくなる。そして、ますます内側蓄電池の温度と外側蓄電池の温度に差が生じてしまう。したがって、内側蓄電池と外側蓄電池とを同じようにヒータで加熱すると、外側蓄電池が内側蓄電池に比べて昇温されにくくなり、蓄電池モジュール全体が一定の温度に昇温されるのが遅くなってしまう。
そこで、蓄電池モジュールが昇温を必要とする所定の低温状態の場合に、昇温開始時から所定期間では、外側ヒータによる昇温のためのエネルギ投入量が内側ヒータによる昇温のためのエネルギ投入量よりも大きくなるように昇温制御が実施される。これにより、昇温開始時から所定期間では、外側ヒータによる昇温のためのエネルギ投入量を大きくすることで、外側蓄電池を内側蓄電池よりも先に昇温させることができる。そして、外側蓄電池の内部抵抗が内側蓄電池の内部抵抗よりも低くなり、外側蓄電池に流れる電流が大きくなることで、通電に伴う外側蓄電池の発熱も大きくなる。そのため、蓄電池モジュール全体の昇温を早期に行うことができ、蓄電器モジュール全体としての本来の性能が早期に発揮できるようになる。
蓄電池の温度調整システムの概略構成図 蓄電池温度と内部抵抗との関係を示す図 充電時に蓄電池モジュールの温度を昇温制御するためのフローチャート 蓄電池のSOCと内部抵当との関係を示す図 充電電流と所定温度及び充電許可温度との関係を示す図 外気温と所定温度及び充電許可温度との関係を示す図 SOCと所定温度及び充電許可温度との関係を示す図 蓄電池モジュールの温度を示すタイムチャート 本実施形態と比較例との温度及び内部抵抗の変化を示す図 走行時に蓄電池モジュールの温度を調整するフローチャート
<実施形態>
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、例えば電気自動車やPHVのようなモータを駆動源として走行する車両において、当該車両のモータ等の各種機器に電力を供給する車載電池の温度調整システムとして具体化するものとしている。
図1は、蓄電池モジュール20の温度を調整する温度調整システム10の概略構成図である。図1(a)は、温度調整システム10の概略構成図であり、図1(b)は、蓄電池モジュール20における各電池セル21の接続状態を示す図である。蓄電池モジュール20は、リチウムイオン蓄電池等の二次電池である。蓄電池モジュール20は、インバータ12にスイッチ11を介して接続されている。インバータ12は、蓄電池モジュール20から供給された直流電流を3相に変換して、モータ13に供給する。
また、蓄電池モジュール20は、車両の駐車中に、車外の給電装置Pから所定の充電電流Iが供給されることで充電される。車両に設けられたコネクタC1に、給電装置Pから伸びるケーブルに設けられたコネクタC2が嵌合される。そして、コネクタC1,C2を嵌合して給電装置Pと蓄電池モジュール20とを電気的に接続することで、蓄電池モジュール20が充電される。コネクタC1,C2が嵌合された状態では、車両側のECU45は給電装置Pと通信可能になっており、車両側のECU45又は給電装置Pにより充電が制御される。車両に接続される給電装置Pには、いわゆる普通充電装置と急速充電装置がある。普通充電装置は、単相100V又は200Vの交流電源が入力されて、所定の充電電流Iを出力する。一方、急速充電装置は、三相200Vの交流電源から電力が入力されて、給電装置Pからは最大500Vの所定の充電電流Iが出力される。車両側のECU45は、給電装置Pとの通信により、給電装置Pが普通充電装置であるか急速充電装置であるかを判別し、充電電流Iを取得する。
蓄電池モジュール20は、複数の電池セル21により構成されている。各電池セル21は、積層方向に複数(本実施形態では6個)並べることで電池ブロック22を構成している。また、各電池セル21は、積層方向の厚さが薄い直方体状をしている。そして、蓄電池モジュール20では、電池セル21の積層方向とは直交する方向(電池セル21の長手方向)に、列状に3列以上(本実施形態では3列)電池ブロック22が並べて配置されている。蓄電池モジュール20は、その配列において外側に配置された外側電池ブロック22Aと、その配列において外側電池ブロック22Aよりも内側に配置された内側電池ブロック22Bとを有している。蓄電池モジュール20において、電気的には、電池セル21が直列に接続された各電池ブロック22が並列に接続されている。
なお、本実施形態では、電池ブロック22が蓄電池に相当しており、外側電池ブロック22Aが外側蓄電池に相当し、内側電池ブロック22Bが内側蓄電池に相当する。各電池ブロック22に含まれる電池セル21の数は、必要に応じて変更すればよい。また、電池ブロック22が並列に接続し、この電池ブロック22を並列に接続したものをさらに直列に接続して蓄電池モジュール20が構成されていてもよい。また、電池セル21同士を並列に接続していてもよい。そして、電池セル21同士が列状に並べて配置されていてもよい。この場合には、各電池セル21が蓄電池に相当している。また、電池セル21は直方体状でなく、円筒状であってもよい。
各電池セル21に接触するように温度調整装置31が設けられている。より具体的には、各電池セル21の端子が設けられている面に対向する平面に温度調整装置31が接触し、各電池セル21の温度を調整している。温度調整装置31として、外側電池ブロック22Aの各電池セル21を加熱する外側ヒータ31Aと、内側電池ブロック22Bの各電池セル21を加熱する内側ヒータ31Bとが設けられている。外側ヒータ31Aと内側ヒータ31Bとは同じ加熱能力を有していることが望ましい。なお、外側電池ブロック22A及び内側電池ブロック22Bを加熱する各ヒータ31A,31Bは、本実施形態のように別の部材として設けるのではなく、場所ごとに加熱できる1つのヒータを用いてもよい。その場合であっても、外側電池ブロック22Aを加熱する場所が外側ヒータに相当し、内側電池ブロック22Bを加熱する場所が内側ヒータに相当する。また、温度調整装置31として、各ヒータ31A,31Bだけでなく、各電池セル21を冷却する冷却機構を有していてもよい。
各ヒータ31A,31Bには、電源部32から電力が供給されている。この電源部32には、蓄電池モジュール20から電力が供給されている。各ヒータ31A,31Bと電源部32との間には、スイッチ33A,33Bが設けられている。2つの外側ヒータ31Aは、スイッチ33Aにより同時にオンオフされる一方、1つの内側ヒータ31Bは、スイッチ33Bによりオンオフされる。つまり、各スイッチ33A,33Bをオンオフすることで、各ヒータ21A,21Bにより各電池ブロック22A,22Bを加熱するかしないかが切り替えられる。なお、各ヒータ31A,31Bへの電力供給の制御、つまり各電池ブロック22A,22Bへの加熱の制御は、単純なスイッチ33A,33Bのオンオフによって行う代わりに、PWM制御などにより行ってもよい。各スイッチ33A,33Bに対してPWM制御を行うことで外側ヒータ31Aと内側ヒータ31Bとの加熱量を異ならせてもよい。
各電池ブロック22A,22Bの外表面には、外側電池ブロック22A及び内側電池ブロック22Bの温度Tco,Tciを検出する温度検出部として温度センサ41A,41Bが設けられている。各温度センサ41A,41Bは、各電池ブロック22A,22Bに設けられており、各電池ブロック22A,22Bの積層方向の中央付近に設けられている。各温度センサ41A,41Bは、電池セル21の端子が設けられている面上に設けられている。なお、各温度センサ41A,41Bは、各電池ブロック22に複数設けられていてもよい。また、外側電池ブロック22Aが複数ある場合に、外側電池ブロック22Aのうち最も外側に配された、つまり最も外気の影響を受けやすい外側電池ブロック22Aにのみ温度センサ41Aが設けられていてもよい。内側電池ブロック22Bが複数ある場合に内側電池ブロック22Bのうち最も内側に配された内側電池ブロック22Bにのみ温度センサ41Bが設けられていてもよい。以下において、温度センサ41Aで検出した外側電池ブロック22Aの温度Tcoを外側温度Tcoと省略し、温度センサ41Bで検出した内側電池ブロック22Bの温度Tciを内側温度Tciと省略する。
また、温度調整システム10には、蓄電池モジュール20の周囲の温度である外気温Taを検出する外気温センサ42が設けられている。外気温センサ42は、車両の外部の温度を取得している。
温度調整システム10は、蓄電池モジュール20を監視し、各スイッチ33A,33Bを制御する制御装置40を備えている。制御装置40は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等を含むマイコンにより構成されている。制御装置40は、蓄電池モジュール20に流れる電流の値や蓄電状態を取得している。蓄電状態として、具体的にはSOC(State of Charge)を取得している。なお、蓄電状態を示す指標として、SOCの代わりに蓄電池モジュール20の電圧を用いてもよい。
また、制御装置40は、各センサ41A,41B,42に接続されている。そして、制御装置40は、各温度センサ41A,41Bで検出した各電池ブロック22A,22Bの温度等に基づいて、各スイッチ33A,33Bのオンオフを制御する。具体的には、制御装置40は、各電池ブロック22A,22Bの温度が所定の範囲内になるように、各スイッチ33A,33Bをフィードバック制御する。
制御装置40には、その上位の制御装置であるECU45が接続されている。制御装置40は、CAN等の通信ネットワークによりECU45等に接続されて相互に通信可能となっており、各種データが互いに共有できるものとなっている。また、ECU45は、各コネクタC1,C2が嵌合された状態で、給電装置Pと通信可能になっている。ECU45は、給電装置Pから、充電電流Iや積算充電量等の蓄電池モジュール20への給電状況を取得する。そして、制御装置40は、ECU45を介して蓄電池モジュール20への給電状況を取得する。なお、給電装置Pは、ECU45を介して制御装置40と通信するのではなく、制御装置40と直接通信していてもよい。
ところで、蓄電池モジュール20は、その温度が所定の範囲内にない場合には、蓄電池モジュール20本来の性能を発揮することができない。各蓄電池の温度と内部抵抗との関係を示す図である図2に示すように、蓄電池モジュール20の温度が所定の範囲よりも低い場合、具体的には0度以下の場合には、内部抵抗が非常に高くなる。そのため、蓄電池モジュール20の温度を昇温させる昇温制御を実施させる必要がある。
しかしながら、蓄電池モジュール20の昇温制御を実施する際に、外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bとを同じように加熱すると、外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bとの間に、昇温度合いのばらつきが生じることになる。外側電池ブロック22Aは、内側電池ブロック22Bよりも外気に接する表面積が大きいため、放熱量が大きくなる、そのため、外側電池ブロック22Aは、内側電池ブロック22Bと同じように外側ヒータ31Aにより加熱しても、内側電池ブロック22Bほどには昇温しない。図2に示すように、蓄電池モジュール20が低温であるほど、温度に対する内部抵抗の変化も大きくなっている。つまり、昇温制御が必要な温度領域では、温度の差に伴う内部抵抗の差も大きくなる。そのため、昇温制御中に放熱量の差による各電池ブロック22A,22B間の温度差が生じると、小さな温度差であっても、外側電池ブロック22Aの内部抵抗は、内側電池ブロック22Bの内部抵抗に比べて高くなる。
また、本実施形態の蓄電池モジュール20では、外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bとが、電気的に並列接続されている。そのため、外側電池ブロック22Aの内部抵抗が大きいと、外側電池ブロック22Aに流れる電流が小さくなる。これにより、外側電池ブロック22Aでは、通電に伴う発熱も小さくなってしまう。そして、ますます外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bとの温度差が大きくなってしまう。したがって、昇温のために外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bとを同じように各ヒータ31A,31Bで加熱すると、外側電池ブロック22Aが内側電池ブロック22Bに比べて昇温されにくくなり、蓄電池モジュール20全体が所定の範囲内の温度に昇温されるのが遅くなってしまう。
そこで、本実施形態では、蓄電池モジュール20が昇温を必要とする所定の低温状態の場合に、昇温開始時から所定期間Ti1は、外側ヒータ31Aによる昇温のためのエネルギ投入量が内側ヒータ31Bによる昇温のためのエネルギ投入量よりも大きくなるように昇温制御が実施される。具体的には、外側温度Tcoが所定温度T2よりも低い場合には、外側ヒータ31Aのみをオン状態にする制御が実施される。
図3は、充電時に蓄電池モジュール20を昇温制御するためのフローチャートである。本フローチャートによる処理は、充電時、つまり車両に設けられたコネクタC1に、外部の給電装置PのコネクタC2が嵌合され、外部電源である給電装置Pにより蓄電池モジュール20が充電されている間、制御装置40により周期的に実行される。
まず、昇温制御するにあたり、可変の閾値である所定温度T2及び充電を許可するための最低温度である充電許可温度T3を設定する。所定温度T2は、外側ヒータ31Aのみで加熱するか、外側ヒータ31A及び内側ヒータ31Bで加熱するかを判定するための閾値である。外側温度Tcoが所定温度T2まで上昇すると、外側電池ブロック22Aが昇温されて、その内部抵抗が下がったと判断できる。
充電許可温度T3は、充電を実施できるかを判定するための閾値である。外側温度Tcoが充電許可温度T3まで上昇すると、外側電池ブロック22Aの内部抵抗がある程度下がって、充電を許可できる。車両に搭載された蓄電池モジュール20では、寒冷地の冬等には外気温Taが−30℃等になることがあり、外側電池ブロック22Aの温度が極低温になることがある。外気温Taが低い状態では外側電池ブロック22Aの放熱量も大きくなるため、外側ヒータ31Aによる昇温がされにくい。この場合には、極めて内部抵抗が高い状態となっているため、各電池ブロック22A,22Bに充電すると内部抵抗による発熱が大きくなる可能性がある。そのため、外側ヒータ31Aによる昇温効果よりも充電に伴う発熱による昇温効果が大きくなってしまい、内側電池ブロック22Bが先に昇温してしまう可能性がある。また、内部抵抗が高い状態での充電は、各電池セル21の劣化につながることがある。そこで、充電時に各電池ブロック22A,22Bの充電を許可できる最低限の温度である充電許可温度T3を設定し、給電装置Pによる充電の実施条件として、蓄電池モジュール20の温度が所定の充電許可温度T3よりも高いことが含まれている。
これらの所定温度T2及び充電許可温度T3は、充電電流I、外気温Ta、蓄電池モジュール20のSOCに基づいて可変であることが望ましい。蓄電池モジュール20の充電時に、内部抵抗による発熱に伴う各電池ブロック22A,22Bの温度上昇の傾きは、充電電流Iに依存している。外側電池ブロック22Aの放熱量は、外気温Taに依存している。各電池ブロック22A,22Bの内部抵抗は、図4に示すように、蓄電池モジュール20のSOCにより異なっている。そのため、充電電流I、外気温Ta、蓄電池モジュール20のSOCに基づいて、所定温度T2及び充電許可温度T3を設定することで、外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bとの昇温開始温度の温度差を適切にすることができる。
S10では、所定温度T2及び充電許可温度T3が設定されているかを判定する。充電開始後最初の処理の場合には、所定温度T2及び充電許可温度T3が設定されていない。そこで、所定温度T2及び充電許可温度T3が設定されていないと判定した場合(S10:No)、所定温度T2及び充電許可温度T3を設定するために、S11に進む。
S11では、外側温度Tco、内側温度Tci、外気温Ta、蓄電池モジュール20のSOC、充電電流Iを取得する。各電池ブロック22A,22Bの温度Tco,Tciとして、各温度センサ41A,41Bの検出した温度を取得する。この際、各電池ブロック22A,22Bに複数個の温度センサ41A,41Bが設けられている場合には、複数個のセンサ41A,41Bで検出した温度の平均値を用いてもよいし、最も低い温度又は最も高い温度を用いてもよい。また、外気温Taとして、外気温センサ42で検出した温度を取得する。充電電流Iとして、給電装置Pから供給される電流の値を、ECU45を介して給電装置Pから取得する。給電装置Pの種別、すなわち急速充電装置か普通充電装置かによって供給できる電流の値が決まっている。給電装置Pの供給できる電流の値を充電電流Iとして取得する。
そして、S12では、S11で取得した充電電流I、外気温Ta及び蓄電池モジュール20のSOCに基づいて、所定温度T2及び充電許可温度T3を設定する。この際に、充電電流I、外気温Ta及び蓄電池モジュール20のSOCに応じて、所定温度T2及び充電許可温度T3を設定する。例えば、所定温度T2は−10℃、充電許可温度T3は、−20℃としてもよい。なお、充電電流I、外気温Ta及び蓄電池モジュール20のSOCの少なくとも1つに基づいて、所定温度T2及び充電許可温度T3を設定してもよい。
図5は、充電電流Iと所定温度T2及び充電許可温度T3との関係を示す。充電電流Iが大きいほど、所定温度T2及び充電許可温度T3を高い温度に設定する。各電池ブロック22A,22Bに流される電流が大きいほど、内部抵抗による発熱に伴う温度上昇の傾きが急になる。そのため、各電池ブロック22A,22Bに流される電流が大きいほど、外側電池ブロック22Aの昇温が進んでから、両方の電池ブロック22A,22Bが昇温される充電を開始すること、つまり充電許可温度T3を高くすることが望ましい。また、各電池ブロック22A,22Bに流される電流が大きいほど、外側電池ブロック22Aの昇温が進んでから、内側ヒータ31Bによる加熱を開始すること、つまり所定温度T2を高くすることが望ましい。そこで、予め算出した図5に示す関係に基づき、充電電流Iに応じた所定温度T2及び充電許可温度T3を設定する。これにより、急速充電時(充電電流Iが大きい場合)には、普通充電時(充電電流Iが小さい場合)よりも所定温度T2及び充電許可温度T3が高い温度になるように、所定温度T2及び充電許可温度T3を設定する。
図6は、外気温Taと所定温度T2及び充電許可温度T3との関係を示す。外気温Taが低いほど、所定温度T2及び充電許可温度T3を高い温度に設定する。外気温Taが低いほど、外側電池ブロック22Aの放熱量が大きくなり、外側電池ブロック22Aの昇温が緩やかになる。そのため、外気温Taが低いほど、外側電池ブロック22Aの昇温が進んでから、両方の電池ブロック22A,22Bが昇温される充電を開始すること、つまり充電許可温度T3を高くすることが望ましい。また、外気温Taが低いほど、外側電池ブロック22Aの昇温が進んでから、内側ヒータ31Bによる加熱を開始すること、つまり所定温度T2を高くすることが望ましい。そこで、外気温Taが低いほど、所定温度T2及び充電許可温度T3が高い温度になるように、予め算出した図6に示す関係に基づき、所定温度T2及び充電許可温度T3を設定する。
図7は、蓄電池モジュール20のSOCと所定温度T2及び充電許可温度T3との関係を示す。蓄電池モジュール20のSOCが低いほど、所定温度T2及び充電許可温度T3が高い温度になることが望ましい。各電池ブロック22A,22Bの内部抵抗は、温度やSOC等によって決まっている。蓄電池モジュール20のSOCが低いほど、蓄電池モジュール20の内部抵抗が大きくなる。そのため、SOCによる内部抵抗が高いため、温度による内部抵抗を下げてから、蓄電池モジュール20の充電を開始すること、つまり充電許可温度T3を高くすることが望ましい。また、SOCが低いほど、内部抵抗が高く、充電による発熱が大きくなる。そのため、外側電池ブロック22Aの昇温が進んでから、内側ヒータ31Bによる加熱を開始すること、つまり所定温度T2を高くすることが望ましい。そこで、蓄電池モジュール20のSOCが低いほど、所定温度T2及び充電許可温度T3が高い温度になるように、予め算出した図7に示す関係に基づき、所定温度T2及び充電許可温度T3を設定する。
S13では、外側温度Tcoより内側温度Tciが高いかを判定する。外側温度Tcoと内側温度Tciとが異なる状態で、昇温が開始されることがある。例えば、車両の走行中には、蓄電池モジュール20は通電され、蓄電池モジュール20は所定の範囲の温度に昇温されている。そして、車両が駐車され、蓄電池モジュール20の通電が停止されると、放熱により蓄電池モジュール20の温度が外気温まで下がる。この際、外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bとの放熱量の差によって、外側温度Tcoの方が内側温度Tciよりも先に下がる。そして、外側温度Tcoより内側温度Tciが高い状態で、蓄電池モジュール20の充電が開始され、蓄電池モジュール20が昇温されることがある。このような場合には、内側電池ブロック22Bの昇温を遅らせるために、所定温度T2及び充電許可温度T3を高く設定することが望まれる。
S13で、外側温度Tcoより内側温度Tciが高いと判定された場合(S13:Yes)には、S14では、所定温度T2及び充電許可温度T3を変更する。具体的には、内側温度Tciと外側温度Tcoの温度差が所定より大きい(例えば、Tci−Tco>3)場合には、S12で設定された所定温度T2及び充電許可温度T3を例えば5℃程度高くする。具体的には、S12で設定された所定温度T2が−10℃だった場合、所定温度T2を−5℃に変更する。同様に、S12で設定された充電許可温度T3が−20℃だった場合、充電許可温度T3を−15℃に変更する。なお、温度差が小さい場合には、S12で設定された所定温度T2及び充電許可温度T3をそのまま用いてもよい。また、温度差が大きいほどS12で設定した所定温度T2及び充電許可温度T3からの変更度合いを大きくするようにしてもよい。
S10で、所定温度T2及び充電許可温度T3が設定されていると判定した場合(S10:Yes)、つまり充電を開始して2回目以降の処理の場合、S15に進む。S15では、外側温度Tco及び内側温度Tciを取得する。S11と同様に、外側温度Tco及び内側温度Tciとして、各温度センサ41A,41Bの検出した温度を取得する。
S13で、外側温度Tcoより内側温度Tciが高くないと判定された場合(S13:No)、並びにS14及びS15の処理の後、S21に進む。S21では、外側温度Tcoがフィードバック制御の下限温度T1よりも高いかを判定する。下限温度T1は、各ヒータ31A,31Bのオンオフを温度によりフィードバック制御するための最低限の温度である。下限温度T1は、例えば0℃に予め設定されている。なお、下限温度T1についても、外気温Ta等に基づいて可変としてもよい。また、S21では、外側温度Tcoではなく、内側温度Tciと下限温度T1を比較してもよいし、外側温度Tcoが内側温度Tciに対して所定以上低温であるかを判定してもよい。そして、S21が「温度判定部」に相当し、S21でYesになった場合が、所定の低温状態である。
S21で、外側温度Tcoがフィードバック制御の下限温度T1よりも高いと判定された場合(S21:No)、S22では、外側温度Tcoより内側温度Tciに基づいて、フィードバック制御する。外側温度Tco及び内側温度Tciが所定の範囲内になるように、各ヒータ31A,31Bへの通電をスイッチ33A,33Bへの指令により制御する。S22で、フィードバック制御を実施して処理を終了する。なお、外側温度Tcoが下限温度T1よりも高いと判定された場合、つまり所定の低温状態にない場合には、各ヒータ31A,31Bによる加熱を終了してもよい。この場合にも通電による発熱により各電池ブロック22A,22Bは昇温する。
S21で、外側温度Tcoがフィードバック制御の下限温度T1よりも低いと判定された場合(S21:Yes)、つまり蓄電池モジュール20が所定の低温状態にある場合には、S35〜S37のいずれかの昇温制御を実施する。そして、どの昇温制御を実施するかを、S31〜S34で判定する。なお、S31〜S37が昇温制御部に相当する。
S31では、外側温度Tcoが所定温度T2より低いかを判定する。S31で、外側温度Tcoが所定温度T2よりも低いと判定された場合(S31:Yes)、S32では、外側温度Tcoが内側温度Tciより大きく、かつその温度差が所定以上かを判定する。昇温開始時から外側温度Tcoが所定温度T2よりも低い所定期間Ti1内には、外側ヒータ31Aによる昇温のためのエネルギ投入量が内側ヒータ31Bによる昇温のためのエネルギ投入量よりも大きくなるように昇温制御が実施される。しかしながら、所定期間Ti1内であっても、外側温度Tcoと内側温度Tciとの温度差が所定以上になった場合には、内側電池ブロック22Bの昇温が外側電池ブロック22Aの昇温に対して遅くなる可能性がある。そのような場合には、内側電池ブロック22Bの内側ヒータ31Bによる昇温を開始することが望ましい。そこで、S32では、内側温度Tciと外側温度Tcoとの温度差が所定以上かを判定する。
S32で、外側温度Tcoから内側温度Tciをひいた値、つまり外側温度Tcoと内側温度Tciの温度差が所定より小さいと判定された場合(S32:Yes)、S33に進む。S33では、外側温度Tcoが充電許可温度T3より小さいかを判定する。
S33で、外側温度Tcoが充電許可温度T3より小さいと判定された場合(S33:Yes)、S34に進む。S34では、蓄電池モジュール20のSOCが閾値Thより大きいかを判定する。外側ヒータ31A及び内側ヒータ31Bは蓄電池モジュール20からその電力が供給されている。そのため、蓄電池モジュール20の蓄電状態が所定の低蓄電状態である場合、つまり蓄電池モジュール20の電池残量があまりない場合には、各ヒータ31A,31Bへの電力の供給が行えなくなるおそれがある。そこで、蓄電池モジュール20のSOCが所定より低い場合、つまり蓄電池モジュール20の蓄電状態が所定の低蓄電状態である場合には、外側温度Tcoが充電許可温度T3よりも低い場合であっても、充電を優先する。
S34で、蓄電池モジュール20のSOCが閾値Thより大きいと判定された場合(S34:Yes)、S35では、スイッチ33Aのみオン状態にし、スイッチ33Bをオフ状態で維持して処理を終了する。つまり、外側ヒータ31Aのみ外側電池ブロック22Aを加熱し、内側ヒータ31Bでは内側電池ブロック22Bを加熱しない。また、充電許可温度T3より外側温度Tcoが低いので、蓄電池モジュール20への通電を許可せず、充電を実施しない。具体的には、ECU45に通電を許可しない信号を出力し、給電装置Pからの出力を停止させる。
S33で、外側温度Tcoが充電許可温度T3より大きいと判定された場合(S33:No)、S37に進む。また、S34で、蓄電池モジュール20のSOCが閾値Thより小さいと判定された場合(S34:No)、S36に進む。
S36では、スイッチ33Aのみオン状態にし、スイッチ33Bをオフ状態で維持する。つまり、外側ヒータ31Aのみ外側電池ブロック22Aを加熱し、内側ヒータ31Bでは内側電池ブロック22Bを加熱しない。また、充電許可温度T3より外側温度Tcoが高いので、蓄電池モジュール20への通電を許可し、充電を実施して、処理を終了する。具体的には、ECU45に通電を許可する信号を出力し、給電装置Pからの電力を供給させて処理を終了する。
なお、S35及びS36では、外側ヒータ31Aのみ加熱させ、内側ヒータ31Bで加熱させないことで、外側ヒータ31Aによる昇温のためのエネルギ投入量が内側ヒータ31Bによる昇温のためのエネルギ投入量より大きくなるようにしている。この代わりに、S35及びS36では、外側ヒータ31Aと内側ヒータ31Bとを同時に加熱させつつ、PWM制御等により外側ヒータ31Aの昇温のためのエネルギ投入量(加熱量)が内側ヒータ31Bの昇温のためのエネルギ投入量(加熱量)より大きくなるようにしてもよい。例えば、外側ヒータ31Aのデューティ比を100%にし、内側ヒータ31Bのデューティ比を20%にしてもよい。
S31で、外側温度Tcoが所定温度T2よりも高いと判定された場合(S31:No)、S37に進む。また、S32で、外側温度Tcoから内側温度Tciをひいた値、つまり外側温度Tcoと内側温度Tciの温度差が所定以上の場合(S32:No)、にも、S37に進む。
S37では、スイッチ33A及びスイッチ33Bをオン状態にし、外側ヒータ31Aは外側電池ブロック22Aを加熱し、内側ヒータ31Bは内側電池ブロック22Bを加熱する。つまり、外側ヒータ31A及び内側ヒータ31Bによる昇温のためのエネルギ投入量が同じになるように制御する。また、充電許可温度T3より外側温度Tcoが高いので、蓄電池モジュール20への通電を許可し、充電を実施して、処理を終了する。具体的には、ECU45に通電を許可する信号を出力し、給電装置Pからの電力を供給させて処理を終了する。
次に、図8に基づき、充電時の各電池ブロック22A,22Bの昇温について説明する。図8は、充電時の蓄電池モジュール20の温度のタイムチャートである。図8において、実線が外側温度Tcoを示しており、破線が内側温度Tciを示している。
タイミングt11より以前では、蓄電池モジュール20には通電されておらず、蓄電池モジュール20の温度が調整されていないため、蓄電池モジュール20は所定の低温状態になっている。また、外側温度Tcoと内側温度Tciが同じ温度となっている。タイミングt11で、車両に設けられたコネクタC1に、外部の給電装置PのコネクタC2が嵌合され、充電が開始される。タイミングt11では、外側温度Tcoが下限温度T1よりも低い、つまり蓄電池モジュール20が所定の低温状態にあるため、蓄電池モジュール20の昇温が開始される。
タイミングt11では、所定温度T2よりも外側温度Tcoが低いことから、外側電池ブロック22Aのみが外側ヒータ31Aにより加熱される。また、充電許可温度T3より外側温度Tcoが低いことから、蓄電池モジュール20は充電されない。そのため、内側電池ブロック22Bは昇温されず、内側温度Tciは、変化しない。
タイミングt12で、外側温度Tcoが充電許可温度T3まで上昇すると、蓄電池モジュール20への充電が開始される。充電が開始されると、内側電池ブロック22Bも内部抵抗による発熱で昇温し始める。タイミングt12では、外側温度Tcoが内側温度Tciよりも高いため、外側電池ブロック22Aの内部抵抗の方が内側電池ブロック22Bの内部抵抗よりも小さくなる。そのため、内側電池ブロック22Bより外側電池ブロック22Aに多く電流が流れ、外側電池ブロック22Aの通電による発熱が大きくなる。その結果、外側電池ブロック22Aの方が内側電池ブロック22Bより放熱量が大きくても、外側電池ブロック22Aの温度上昇の傾きが内側電池ブロック22Bの温度上昇の傾きよりも大きくなる。なお、タイミングt12以降も外側電池ブロック22Aのみが外側ヒータ31Aにより加熱される。
タイミングt13で、外側温度Tcoが所定温度T2まで上昇すると、外側電池ブロック22A及び内側電池ブロック22Bが各ヒータ31A,31Bにより加熱され、昇温する。内側電池ブロック22Bは放熱されにくいため、昇温のためのエネルギ投入量が同じになると、外側電池ブロック22Aよりも昇温しやすい。つまり、内側電池ブロック22Bの温度上昇の傾きは外側電池ブロック22Aの温度上昇の傾きより大きくなる。そのため、タイミングt13では、外側温度Tcoの方が内側温度Tciよりも高くなっていても、徐々に外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bの温度差は小さくなる。また、外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bとの内部抵抗の差は、各電池ブロック22A,22Bの温度が上昇するにつれ小さくなり、通電電流の差も小さくなる。
タイミングt14で、外側温度Tcoが下限温度T1まで上昇すると、昇温制御を終了する。タイミングt14では、タイミングt13時点であった外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bとの温度差が小さくなっており、内側温度Tciも下限温度T1にほぼ到達している。そのため、同じタイミングで昇温制御を終了しても問題はない。
なお、各電池ブロック22A,22Bを昇温させる期間、つまり各電池ブロック22A,22Bの昇温開始時(タイミングt11)から下限温度T1になる時(タイミングt14)までの期間が昇温期間Ti2になる。また、昇温期間Ti2のうち、昇温開始時(タイミングt11)から所定温度T2になる時(タイミングt13)までの期間が所定期間Ti1になる。
昇温期間Ti2において、所定期間Ti1の間は、外側ヒータ31Aのみが外側電池ブロック22Aを加熱するように昇温制御され、所定期間Ti1の経過後は、外側ヒータ31Aと内側ヒータ31Bとによる各電池ブロック22A,22Bへの加熱が同じになるように昇温制御される。これにより、昇温されにくい外側電池ブロック22Aを先に昇温し、外側電池ブロック22Aの内部抵抗が下がった状態、つまり外側電池ブロック22Aに電流が流れやすい状態にしてから、内側電池ブロック22Bの昇温を開始することができる。そのため、外側電池ブロック22A及び内側電池ブロック22Bの両方を早期に昇温することができ、蓄電池モジュール20全体としての本来の性能が早期に発揮できるようになる。
次に、比較例と本実施形態とを比較する。図9は、本実施形態と比較例との温度及び内部抵抗の変化を示す図である。図9において、実線は本実施形態における外側電池ブロック22Aを示しており、破線は本実施形態及び比較例における内側電池ブロック22Bを示しており、一点鎖線は比較例における外側電池ブロック22Aを示している。
図9における比較例として、本実施形態と同じ構成で制御のみが異なるものを用いている。比較例では、外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bとを同じタイミングから同じ出力の各ヒータ31A,31Bにより昇温している。
図9において、本実施形態では、タイミングt1で外側電池ブロック22Aを外側ヒータ31Aにより加熱するとともに、タイミングt2で内側電池ブロック22Bを内側ヒータ31Bにより加熱している。また、比較例では、タイミングt2で外側電池ブロック22A及び内側電池ブロック22Bを外側ヒータ31A及び内側ヒータ31Bにより加熱している。
比較例では、外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bの温度が上昇するにつれ、外側電池ブロック22Aからの放熱量が大きくなるため、外側電池ブロック22Aの温度が内側電池ブロック22Bの温度より低くなる。これにより、外側電池ブロック22Aの内部抵抗は内側電池ブロック22Bの内部抵抗よりも大きくなる。そのため、通電による昇温にも差が生じ、外側電池ブロック22Aの温度が内側電池ブロック22Bの温度と乖離する。
一方、本実施形態では、予め外側電池ブロック22Aを加熱し、内側電池ブロック22Bの内部抵抗より外側電池ブロック22Aの内部抵抗が小さくなっている。そして、内側電池ブロック22Bを加熱すると、内側電池ブロック22Bは放熱されにくいため、外側温度Tcoと内側温度Tciは同等になる。また、外側電池ブロック22Aの内部抵抗と内側電池ブロック22Bの内部抵抗も同等になる。予め外側電池ブロック22Aを加熱することで、比較例より早く外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bとを昇温することができる。
図10は、走行時に蓄電池モジュール20の温度を昇温制御するためのフローチャートである。本フローチャートによる処理は、車両のIGスイッチ又はPowerスイッチがオン状態の間、つまり車両が走行可能な間、制御装置40により、周期的に実行される。なお、S10、S12〜S15及びS21,S22の処理は、図3のフローチャートと同じであるため、説明を省略する。また、S11では、充電電流Iを取得しない点で図3のS11の処理と異なっているが、他は同じであるため、説明を省略する。
S21で、外側温度Tcoがフィードバック制御の下限温度T1よりも低いと判定された場合(S21:Yes)、つまり蓄電池モジュール20が所定の低温状態にある場合には、S43又はS44の昇温制御を実施する。そして、どちらの昇温制御を実施するかを、S41及びS42で判定する。なお、S41〜S44が昇温制御部に相当する。
S41では、外側温度Tcoが所定温度T2より低いかを判定する。S41で、外側温度Tcoが所定温度T2よりも高いと判定された場合(S41:No)、S42に進む。S42では、蓄電池モジュール20のSOCが閾値Thより大きいかを判定する。なお、閾値Thは、蓄電池モジュール20のSOCが外側ヒータ31A及び内側ヒータ31Bの両方に電力を供給できるか判定するための値である。充電時(図3のフローチャート)の閾値Thと同じでもよいし、異なっていてもよい。
S41で、外側温度Tcoが所定温度T2よりも低いと判定された場合(S41:Yes)、S43に進む。また、S42で、蓄電池モジュール20のSOCが閾値Thより小さいと判定された場合(S42:Yes)、S43に進む。S43では、スイッチ33Aのみオン状態にし、スイッチ33Bをオフ状態で維持する。つまり、外側ヒータ31Aのみ外側電池ブロック22Aを加熱し、内側ヒータ31Bでは内側電池ブロック22Bを加熱しない。つまり、外側ヒータ31Aによる昇温のためのエネルギ投入量が内側ヒータ31Bによる昇温のためのエネルギ投入量より大きくなる状態にして、処理を終了する。
S42で、蓄電池モジュール20のSOCが閾値Thより大きいと判定された場合(S42:No)、S44では、スイッチ33A及びスイッチ33Bをオン状態にし、外側ヒータ31Aは外側電池ブロック22Aを加熱し、内側ヒータ31Bは内側電池ブロック22Bを加熱する。つまり、外側ヒータ31Aによる昇温のためのエネルギ投入量と内側ヒータ31Bによる昇温のためのエネルギ投入量とが同じになる状態にして、処理を終了する。
走行時には、図10のフローを実行することで、充電時と同様に、走行時にも蓄電池モジュール20の昇温を適切に行うことができる。なお、S41で、外側温度Tcoが所定温度T2よりも低いと判定された場合に、図3のS32のように温度差が大きくなっているかを判定してもよい。この際、温度差が所定より大きくなっている場合には、S42に進むとよい。温度差が小さい場合には、S43に進むとよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
蓄電池モジュール20が昇温を必要とする所定の低温状態の場合に、昇温開始時から所定期間Ti1は、外側ヒータ31Aによる昇温のためのエネルギ投入量が内側ヒータ31Bによる昇温のためのエネルギ投入量よりも大きくなるように昇温制御が実施される。これにより、昇温開始時から所定期間Ti1は、外側ヒータ31Aによる昇温のためのエネルギ投入量を大きくすることで、外側電池ブロック22Aを内側電池ブロック22Bよりも先に昇温させることができる。そして、外側電池ブロック22Aの内部抵抗が内側電池ブロック22Bの内部抵抗よりも低くなり、外側電池ブロック22Aに流れる電流が大きくなることで、通電に伴う外側電池ブロック22Aの発熱も大きくなる。そのため、蓄電池モジュール20全体の昇温を早期に行うことができ、蓄電池モジュール20全体としての本来の性能が早期に発揮できるようになる。
昇温期間Ti2のうち、昇温開始時から外側温度Tcoが所定温度T2まで上昇するまでの所定期間Ti1は、外側ヒータ31Aによる昇温のためのエネルギ投入量を大きくし、所定期間Ti1経過後は、外側ヒータ31A及び内側ヒータ31Bによる昇温のためのエネルギ投入量を同じにし、外側電池ブロック22A及び内側電池ブロック22Bを昇温させる。これにより、昇温開始時から外側温度Tcoが所定温度T2に上昇するまでは、外側電池ブロック22Aへの昇温のためのエネルギ投入量が、内側電池ブロック22Bへの昇温のためのエネルギ投入量より大きくなり、外側電池ブロック22Aの内部抵抗が下がった状態になる。そのため、外側電池ブロック22Aに電流が流れやすい状態にしてから、内側電池ブロック22Bの内側ヒータ31Bによる昇温を開始でき、蓄電池モジュール20全体の昇温を早期に行うことができる。
外側電池ブロック22Aが所定温度T2まで上昇するまでの所定期間Ti1内であっても、外側温度Tcoが内側温度Tciより所定差以上大きくなった場合には、外側ヒータ31A及び内側ヒータ31Bによる昇温のためのエネルギ投入量を同じにし、外側電池ブロック22A及び内側電池ブロック22Bを昇温させる。これにより、外側電池ブロック22Aが所定温度T2になっていなくても、外側温度Tcoが内側温度Tciよりも所定差以上大きく、内側電池ブロック22Bの昇温が外側電池ブロック22Aの昇温に対して遅れそうな場合には、内側電池ブロック22Bの内側ヒータ31Bによる昇温を開始する。そのため、内側電池ブロック22Bの昇温が外側電池ブロックAに対して遅くなりすぎることなく、蓄電池モジュール20全体の昇温を早期に行うことができる。
蓄電池モジュール20の充電時に、内部抵抗による発熱に伴う温度上昇の傾きは、充電電流Iに依存している。そこで、充電電流Iに基づいて、所定温度T2が設定される。これにより、適切に外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bの昇温タイミングを設定することができ、蓄電池モジュール20全体の昇温を早期に行うことができる。
外側電池ブロック22Aの放熱量は、外気温Taに依存している。そこで、外気温Taに基づいて、所定温度T2が設定される。これにより、適切に外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bの昇温タイミングを設定することができ、蓄電池モジュール20全体の昇温を早期に行うことができる。
蓄電池モジュール20の内部抵抗は、蓄電池モジュール20の蓄電状態(SOC)により異なっている。そこで、蓄電池モジュール20の蓄電状態に基づいて、所定温度T2が設定される。これにより、適切に外側電池ブロック22Aと内側電池ブロック22Bの昇温タイミングを設定することができ、蓄電池モジュール20全体の昇温を早期に行うことができる。
内側温度Tciが外側温度Tcoより高い場合には、所定温度T2及び充電許可温度T3を高く設定する。これにより、外側温度Tcoが十分高くなるまで、内側電池ブロック22Bの昇温が抑制される。そのため、昇温開始時に外側温度Tcoが内側温度Tciより低くても、外側電池ブロック22Aの内部抵抗を内側電池ブロック22Bの内部抵抗に比べて低くすることができる。
例えば、外気温Taが極低温の場合には、外側電池ブロック22Aの温度が極低温になることがある。外側電池ブロック22Aの温度が極低温の場合、つまり外気温Taが極低温の場合には、外側電池ブロック22Aの放熱量も大きくなるため、外側ヒータ31Aによる昇温がされにくい。この場合には、極めて内部抵抗が高い状態となっているため、各電池ブロック22A,22Bに充電すると内部抵抗による発熱が大きくなる可能性がある。そのため、充電による発熱が大きくなってしまい、外側ヒータ31Aと内側ヒータ31Bとの昇温のためのエネルギ投入量の差に関わらず、内側電池ブロック22Bが先に昇温してしまう可能性がある。
そこで、給電装置Pによる充電の実施条件として、外側温度Tcoが充電許可温度T3よりも高いことが含まれている。つまり、外側温度Tcoが充電許可温度T3より低い場合には、蓄電池モジュール20への充電を停止する。一方、外側温度Tcoが充電許可温度T3よりも低い場合には、外側ヒータ31Aによる昇温のためのエネルギ投入量が内側ヒータ31Bによる昇温のためのエネルギ投入量よりも大きくなるように昇温制御が実施される。これにより、外側電池ブロック22Aが充電許可温度T3まで昇温するまでは、通電による各ブロック22A,22Bでの内部発熱がなく、各ヒータ31A,31Bの昇温のためのエネルギ投入量の差が昇温の傾きの差となる。そのため、蓄電池モジュール20が極低温で、外側電池ブロック22Aが昇温されにくい状態でも、内側電池ブロック22Bが外側電池ブロック22Aよりも先に昇温されることを抑制できる。また、内部抵抗が高い状態で充電を実施することを抑制できる。
外側ヒータ31A及び内側ヒータ31Bは蓄電池モジュール20からその電力が供給されている。そのため、蓄電池モジュール20のSOCが低い場合、つまり蓄電池モジュール20の電池残量があまりない場合には、各ヒータ31A,31Bへの電力の供給が行えなくなるおそれがある。そこで、充電時に外側温度Tcoが充電許可温度T3よりも低い場合であっても、充電を優先するために、蓄電池モジュール20への通電を許可する。これにより、蓄電状態が低い場合には、外側温度Tcoが充電許可温度T3よりも低くても充電することができ、各ヒータ31A,31Bに電力を供給することができる。
<他の実施形態>
本発明は、上記実施形態に限定されず、例えば以下のように実施してもよい。ちなみに、以下の別例の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、また、任意に組み合わせて適用してもよい。
・昇温開始時からの所定期間は、所定温度T2になるまでの期間ではなく、タイマーで設定した期間としてもよい。タイマーで設定する時間は、一定値としてもよいし、充電電流Iや外気温Taや蓄電池モジュール20のSOCや外側温度Tcoの初期値に基づいて可変としてもよい。
・車両のIGスイッチ又はPowerスイッチがオンになる前、つまり図10のフローチャートを実施する前に、予め蓄電池モジュール20を昇温させる制御を行っていてもよい。例えば、図3によるフローチャートにより、各ヒータ31A,31Bを用いて各電池ブロック22A,22Bを昇温させる。この際、充電電流による通電の代わりに、インバータ12内に設けられたコンデンサを用いて、周知の方法によりコンデンサと蓄電池モジュール20との間で電力授受を行うことで、蓄電池モジュール20に通電させてもよい。
・図10のフローチャートを実施する際に、蓄電池モジュール20の温度によって、通電を停止させてもよい。車両の走行の際には、蓄電池モジュール20からモータ13に電力供給されるため、蓄電池モジュール20は通電される。しかしながら、蓄電池モジュール20の温度が低い状態での通電は望ましくない。そこで、S43の状態では、車両の走行ができないものとして、その旨の警告表示を行い、モータ13への電力供給を行わなくてもよい。
・本開示に記載の制御部(制御装置)及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
10…温度調整システム、20…蓄電池モジュール、22A…外側電池ブロック、22B…内側電池ブロック、31A…外側ヒータ、31B…内側ヒータ、40…制御装置。

Claims (9)

  1. 並列に接続されている3つ以上の蓄電池(22)が列状に並べて配置されており、その配列において外側に配置された外側蓄電池(22A)及びその外側蓄電池よりも内側に配置された内側蓄電池(22B)を有する蓄電池モジュール(20)と、前記外側蓄電池及び前記内側蓄電池の各々の温度を検出する温度検出部(41A,41B)と、前記外側蓄電池及び前記内側蓄電池を各々加熱する外側ヒータ(31A)及び内側ヒータ(31B)とを有する電池温度調整システム(10)に用いられる制御装置(40)であって、
    前記温度検出部により検出された前記外側蓄電池の温度及び前記内側蓄電池の温度の少なくともいずれかに基づいて、前記蓄電池モジュールが所定の低温状態であることを判定する温度判定部と、
    前記蓄電池モジュールが前記低温状態であると判定された場合に、前記外側蓄電池と前記内側蓄電池とを昇温させる昇温制御部と、を備え、
    前記昇温制御部は、前記各蓄電池を昇温させる昇温期間において、昇温開始時からの所定期間は、前記外側ヒータによる昇温のためのエネルギ投入量が前記内側ヒータによる昇温のためのエネルギ投入量に比べて大きくなるように、前記外側蓄電池及び前記内側蓄電池の昇温制御を実施する温度調整システムの制御装置。
  2. 前記昇温制御部は、前記昇温期間のうち前記昇温開始時から前記外側蓄電池の温度が所定温度に上昇するまでの前記所定期間には、前記外側ヒータによる昇温のためのエネルギ投入量が前記内側ヒータによる昇温のためのエネルギ投入量に比べて大きくなるように前記外側蓄電池及び前記内側蓄電池の昇温制御を実施する一方、前記昇温期間のうち前記所定期間の経過後には、前記外側ヒータ及び前記内側ヒータによる昇温のためのエネルギ投入量が同じになるように前記外側蓄電池及び前記内側蓄電池の昇温制御を実施する請求項1に記載の温度調整システムの制御装置。
  3. 前記昇温制御部は、前記外側蓄電池の温度が前記所定温度に上昇するまでの前記所定期間内であっても、前記外側蓄電池の温度と前記内側蓄電池の温度との差が所定以上になった場合には、前記外側ヒータ及び前記内側ヒータによる昇温のためのエネルギ投入量が同じになるように前記外側蓄電池及び前記内側蓄電池の昇温制御を実施する請求項2に記載の温度調整システムの制御装置。
  4. 車両に搭載された前記蓄電池モジュールに対して車外の給電装置(P)からの充電が可能であり、前記給電装置による充電時に前記蓄電池モジュールの温度調整を行う電池温度調整システムに適用され、
    前記所定温度は、前記給電装置から前記蓄電池モジュールへの充電電流に基づいて設定される請求項2又は請求項3に記載の温度調整システムの制御装置。
  5. 前記所定温度は、前記蓄電池モジュールの周囲の外気温に基づいて設定される請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の温度調整システムの制御装置。
  6. 前記所定温度は、前記電池モジュールの蓄電状態に基づいて設定される請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載の温度調整システムの制御装置。
  7. 前記昇温開始時に前記内側蓄電池の温度が前記外側蓄電池の温度より高い場合には、前記昇温開始時に前記外側蓄電池の温度が前記内側蓄電池の温度と同じ場合よりも、前記所定温度を高く設定する請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載の温度調整システムの制御装置。
  8. 車両に搭載された前記蓄電池モジュールに対して車外の給電装置(P)からの充電が可能であり、前記給電装置による充電時に前記蓄電池モジュールの温度調整を行う電池温度調整システムに適用され、
    前記給電装置による充電の実施条件として、前記蓄電池モジュールの温度が所定の充電許可温度(T3)よりも高いことが含まれており、
    前記昇温制御部は、前記蓄電池モジュールが、前記充電許可温度よりも低温の状態になっている場合に、前記外側ヒータによる昇温のためのエネルギ投入量が前記内側ヒータによる昇温のためのエネルギ投入量に比べて大きくなるように、前記外側蓄電池及び前記内側蓄電池の昇温制御を実施する請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の温度調整システムの制御装置。
  9. 前記外側ヒータ及び前記内側ヒータは前記蓄電池モジュールから電力を供給されており、
    前記蓄電池モジュールの蓄電状態が所定の低蓄電状態である場合には、前記蓄電池モジュールの温度が前記充電許可温度より低い場合であっても、前記給電装置から前記蓄電池モジュールに対する充電が実施される請求項8に記載の温度調整システムの制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7575682B2 (ja) 2021-03-03 2024-10-30 マツダ株式会社 車両用電源システムおよび車両用電池ユニットの制御方法

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