JP2021032576A - 対象物選出システム、対象物選出装置およびプログラム - Google Patents

対象物選出システム、対象物選出装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】地震等の振動に起因して影響を受ける対象物を、より容易に選出することができる対象物選出システム等を提供する。【解決手段】設置された地点における振動の大きさを示す数値を含む情報を出力する複数の振動センサ10と、複数の振動センサ10の各々により出力された数値を基に、複数の振動センサ10の中から一組の振動センサを選択し、選択された一組の振動センサ10の各々が設置された地点を特定する情報である地点情報を取得する選択部23および地点取得部24と、位置情報を対応付けた対象物の中から、地点取得部24により取得された地点情報に係る地点の間に位置する対象物を選出する構造物選出部25と、を備える対象物選出システム1。【選択図】図3

Description

本発明は、対象物選出システム、対象物選出装置、プログラムに関する。
従来技術として、地震が発生したときに、地表に設置された地震計により地震の揺れを検出し、地震による被害を予測するシステムが存在する。
特許文献1には、地震の地震動波形データを経過時刻データとともに検出する地震センサと、地震動波形データ等に基づいて震源距離と地震のマグニチュードを含む地震情報を推定演算する地震計コンピュータを有する地震計装置が記載されている。そして、複数個の地震計装置を、第1回線で中央コンピュータを有する中央処理装置に接続し、地震対策処置制御装置を、第2回線等で複数個の地震計装置に接続した地震情報ネットワークシステムが記載されている。さらに、地震の発生時には、地震計コンピュータは、推定演算で得た震源距離と地震のマグニチュードに基づき、地震が地震計装置と近傍に及ぼす地震被害の程度を示す地震被害指標値を推定演算することが記載されている。
特開2006−284226号公報
ところが、地震計は、地震による振動を測定する装置であり、構造物等の対象物の実際の振動を測定する装置ではない。また、地震計は、その地域の地震の振動を測定するという目的から、密に設置されているわけではない。そして、密に設置しようとしても、地震計は高価であることから、実際には困難である。よって、地震に起因して被害を受ける対象物の選出は、地震計では一般的には困難である。また、地震に限らず、振動により影響を受ける対象物を選出する要求が存在する。
本発明の目的は、地震等の振動に起因して影響を受ける対象物を、より容易に選出することができる対象物選出システム等を提供することを目的とする。
かくして本発明によれば、設置された地点における振動の大きさを示す数値を含む情報を出力する複数の振動センサと、複数の振動センサの各々により出力された数値を基に、複数の振動センサの中から一組の振動センサを選択し、選択された一組の振動センサの各々が設置された地点を特定する情報である地点情報を取得する地点情報取得手段と、位置情報を対応付けた対象物の中から、地点情報取得手段により取得された地点情報に係る地点の間に位置する対象物を選出する構造物選出手段と、を備える対象物選出システムが提供される。この場合、地震等の振動に起因して影響を受ける対象物を、より容易に選出することができる。
ここで、構造物選出手段は、数値を基に振動の大きさの分布を示すマップを作成し、マップを基に対象物を選出するようにすることができる。この場合、振動の分布を把握することができる。
また、構造物選出手段は、マップを基に予め定められた構造物を選出するようにすることができる。この場合、損傷を受けやすい構造物を、より高い精度で選出することができる。
さらに、構造物選出手段は、数値の間の差が大きい隣接する複数の振動センサの間に位置する対象物を選出するようにすることができる。この場合、対象物を、より簡易に選出することができる。
またさらに、構造物選出手段は、数値と予め定められた数値との差が大きい複数の振動センサの間に位置する対象物を選出するようにすることができる。この場合、本来出力されるべき数値と異なる対象物を選出することで、対象物を、より簡易に選出することができる。
また、構造物選出手段は、複数の振動センサの各々により検出された振動の振動モードを基に対象物を選出するようにすることができる。この場合、固有振動数を基に振動の影響を把握することができる。
そして、構造物選出手段は、複数の振動センサの各々により検出された振動により生じる応力を基に対象物を選出するようにすることができる。この場合、応力を基に振動の影響を把握することができる。
また、構造物選出手段は、地震の振動により影響を受ける対象物を選出するようにすることができる。この場合、地震により影響を受けうる対象物を選出することができる。
さらに、構造物選出手段は、対象物として、地震により損傷の可能性がある構造物を選出するようにすることができる。この場合、地震により損傷を受けうる対象物を選出することができる。
そして、構造物選出手段は、事故に起因する振動を基に、対象物として、事故が生じた場所を選出するようにすることができる。この場合、対象物として事故の位置を選出することができる。
また、構造物選出手段は、振動を基に、対象物として疲労が蓄積した部位を選出するようにすることができる。この場合、疲労が蓄積された対象物を選出することができる。
さらに、本発明によれば、設置された地点における振動の大きさを示す数値を含む情報を出力する複数の振動センサの各々により出力された数値を基に、複数の振動センサの中から一組の振動センサを選択し、選択された一組の振動センサの各々が設置された地点を特定する情報である地点情報を取得する地点情報取得手段と、位置情報を対応付けた対象物の中から、地点情報取得手段により取得された地点情報に係る地点の間に位置する対象物を選出する構造物選出手段と、を備える対象物選出装置が提供される。この場合、地震等の振動に起因して影響を受ける対象物を、より容易に選出することができる。
またさらに、本発明によれば、コンピュータに、設置された地点における振動の大きさを示す数値を含む情報を出力する複数の振動センサの各々により出力された数値を基に、複数の振動センサの中から一組の振動センサを選択し、選択された一組の振動センサの各々が設置された地点を特定する情報である地点情報を取得する地点情報取得機能と、位置情報を対応付けた対象物の中から、地点情報取得機能により取得された地点情報に係る地点の間に位置する対象物を選出する構造物選出機能と、を実現させるためのプログラムが提供される。この場合、地震等の振動に起因して影響を受ける対象物を、より容易に選出することができる機能をコンピュータにより実現できる。
本発明によれば、地震等の振動に起因して被害を受ける対象物を、より容易に選出することができる対象物選出システム等を提供することができる。
本実施の形態における対象物選出システムの構成例を示す図である。 対象物選出システムの概略動作の例について示した図である。 対象物選出システムの機能構成例を示したブロック図である。 対象物選出システムの動作について説明したフローチャートである。 振動の大きさを表すマップを作成し、このマップを基に構造物を選択する方法について示した図である。 (a)は、地震により損傷を受けた可能性のある箇所を選出する方法の第1の例を示した図である。(b)は、地震により損傷を受けた可能性のある箇所を選出する方法の第2の例を示した図である。 (a)〜(b)は、最大加速度を基に、事故が生じた場所を選出する方法について示した図である。 振動モードを利用して構造物の疲労を求める方法を示した図である。 (a)〜(b)は、振動モードを利用して構造物の疲労を求める方法を示した図である。 (a)〜(b)は、振動モードを利用して構造物の疲労を求める方法を示した図である。 振動により生じる応力から、構造物の疲労を求める方法を示した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<対象物選出システム1全体の説明>
図1は、本実施の形態における対象物選出システム1の構成例を示す図である。
図示するように本実施の形態の対象物選出システム1は、振動を検知する振動センサ10と、振動センサ10が取得した振動に関するデータを管理する管理サーバ20と、管理サーバ20からの通知を受け取る端末装置30と、振動センサ10、管理サーバ20および端末装置30とを接続するネットワーク40と、を備える。
振動センサ10は、設置された地点における振動の大きさを示す数値を含む情報を出力する。振動センサ10は、図示するように複数設けられる。これらの振動センサ10は、振動を測定したい地点に設置される。振動センサ10が設置される地点は、例えば、予め定められた構造物の表面や内部である。また、地表に設置してもよいが、地表から離れた位置に設置してもよい。構造物は、例えば、家屋やビルディング等の建物の他、道路や鉄道で使用される橋梁、高架橋、トンネル、あるいは、ダム、飛行場の滑走路、道路などであってもよい。さらに、これらを構成する部材等であってもよい。
振動センサ10は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)加速度センサである。これにより、振動センサ10は、一般的な地震計に比較して、小型化、軽量化が可能となる。そのため、隙間など小さな空間に設置することもできる。さらに、低消費電力であるため、電池により動作させることができ、商用電源を必要としない。よって、電源工事が困難な場所にも設置できる。即ち、設置の自由度が高い。
この振動センサ10は、より安価であるため、一般的な地震計に比較して、振動の測定点を増やしやすく、より密に設置することができる。
振動センサ10が、MEMS加速度センサである場合、例えば、振動の加速度を数値化した情報を出力することができる。ただし、これに限られるものではなく、振動に関する情報であればよい。例えば、最大加速度、速度、最大速度、振幅、最大振幅、周波数等を数値化した情報を出力してもよい。また、これらから算出される計測震度、SI値、応答速度、応答加速度等を出力してもよい。さらに、振動センサ10の固有IDや測定時刻の情報を、併せて出力することができる。
また、振動センサ10にGPS(Global Positioning System)を内蔵させ、GPSにより取得した振動センサ10が設置される地点の情報である地点情報を出力することもできる。
地点情報は、例えば、振動センサ10の地球上の位置の情報であり、北緯および東経等により記述される。また、地点情報は、例えば、建物内の位置の情報であり、設置される階数やその階における平面上の位置についての情報である。さらに、地点情報は、例えば、任意の箇所に原点を設定したときに、その原点を基準とした座標の情報である。この座標の情報は、2次元の直交座標系であるx、y座標系、3次元の直交座標系であるx、y、z座標系により記述できる。また、このような直交座標系ではなく、極座標系や円筒座標系を用いてもよい。
SI値は、地震等の振動の強さを表す指標の一つであり、振動の速度応答スペクトルS(T)を用いて次の数1式で定義される。
数1式より、SI値は、固有周期Tが0.1s以上2.5s以下の範囲での速度応答スペクトルS(T)の平均値である。この範囲の固有周期は、一般的な構造物の固有周期に対応する。そのため、SI値は、一般的な構造物がどれだけ大きく揺れるかを示す指標となる。つまり、SI値が大きい振動は、構造物を大きく揺らすことを意味する。そして、揺れの大きさと構造物に生じる被害とは相関関係にあるため、SI値は、構造物の被害の受けやすさを示す指標ともなる。即ち、SI値が大きいほど、振動により構造物がより大きく揺れ、被害もより生じやすい。
また、SI値と計測震度とは、相関性が非常に高く、高価な地震計を用いなくても、SI値を利用すれば、地震の計測震度を求めることができる。
振動センサ10は、ネットワーク40に接続し、管理サーバ20に対し、振動に関する情報を送信情報として送信する。この場合、振動センサ10は、例えば、無線通信回線にて送信を行う。無線通信回線の種類としては、携帯電話回線、PHS(Personal Handy-phone System)回線、Wi−Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、UWB(Ultra Wideband)等の既存の方式による回線を用いることができる。なお、無線通信回線に限られるものではなく、有線通信回線を利用して、ネットワーク40に接続し、送信情報を送信してもよい。なお、振動センサ10に数値等の情報を蓄積するデータ蓄積部を設け、一定期間の情報を一括送信してもよい。
なお、振動センサ10は、他の機能を有する機器とともに設置してもよい。例えば、振動センサ10を、都市ガスやプロパンガスの使用量を測定するガスメータに内蔵または併設させるようにする。これにより、通常時は、振動センサ10が有する通信機能により、ガスメータにより測定したガスの使用量に関する情報を送信する。ガスの使用量に関する情報には、ガスの使用量の他、例えば、測定日時、ガスメータの機器番号などが含まれる。そして、地震などの振動を検知した場合は、上述した振動に関する情報を送信する。なお、ガスメータ以外の他の例としては、電気メータ、水道メータ、電話機などが挙げられる。
管理サーバ20は、構造物等の対象物を選出する対象物選出装置の一例であり、対象物選出システム1全体の管理をするサーバコンピュータである。詳しくは後述するが、複数の振動センサ10から取得した送信情報を管理する。さらに、管理サーバ20は、これらの振動センサ10の地点情報を取得する。そして、取得したこれらの情報を基に、一組の振動センサを選択し、振動による影響を受けうる対象物を選択する。
端末装置30は、例えば、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット等のコンピュータ装置である。端末装置30は、通信を行うためにネットワーク40に接続する。端末装置30が、ネットワーク40に接続するには、振動センサ10と同様に、無線通信回線を使用してもよく、有線通信回線を使用してもよい。そして、端末装置30は、管理サーバ20から、送信される情報として通知情報を受信する。
管理サーバ20および端末装置30は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)と、記憶手段であるメインメモリを備える。ここで、CPUは、OS(基本ソフトウェア)やアプリ(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアを実行する。また、メインメモリは、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域である。さらに、管理サーバ20および端末装置30は、外部との通信を行うための通信インタフェース(以下、「通信I/F」と表記する)と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構と、入力ボタン、タッチパネル、キーボード等の入力機構とを備える。また、管理サーバ20および端末装置30は、補助記憶装置として、ストレージを備える。ストレージは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)である。
ネットワーク40は、振動センサ10、管理サーバ20および端末装置30の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、アクセスポイントである。
<対象物選出システム1の動作の概略説明>
図2は、対象物選出システム1の概略動作の例について示した図である。
まず、振動センサ10が、振動を検知すると、振動の加速度等からSI値を算出する(1A)。
次に、振動センサ10は、算出したSI値を含む振動に関する情報を、送信情報として管理サーバ20に送信する(1B)。送信情報は、ネットワーク40を介し、管理サーバ20に送られる。
管理サーバ20は、複数の振動センサ10から取得した送信情報を、記憶し、蓄積する(1C)。
次に、管理サーバ20は、複数の振動センサ10の中から、予め定められた条件により、一組の振動センサ10を選択する(1D)。さらに、管理サーバ20は、前述の振動センサ10の各々の地点情報を取得する(1E)。
そして、管理サーバ20は、選択した一組の振動センサ10の間にある対象物を選択する(1F)。
さらに、管理サーバ20は、選択した対象物を、端末装置30に通知する(1G)。端末装置30では、例えば、通知された対象物についての情報が表示される。
次に、本実施の形態の対象物選出システム1の詳細な機能構成および動作について説明する。
<対象物選出システム1の機能構成の説明>
図3は、対象物選出システム1の機能構成例を示したブロック図である。
なおここでは、対象物選出システム1が有する種々の機能のうち本実施の形態に関係するものを選択して図示している。
振動センサ10は、振動を検知する振動検知部11と、外部に情報を送信する送信部12とを備える。
振動検知部11は、例えば、上述したMEMS加速度センサであり、地震の振動の加速度を測定し、これをSI値等に数値化する。
また、送信部12は、数値化したSI値等の情報を含む送信情報を管理サーバ20に対し送信する。送信部12は、例えば、通信I/Fであり、ネットワーク40を介し、管理サーバ20に送信情報を送信する。
管理サーバ20は、外部と通信を行う送受信部21と、複数の振動センサ10から送られた送信情報を記憶する記憶部22と、送信情報を基に一組の振動センサ10を選択する選択部23と、複数の振動センサ10の地点情報を取得する地点取得部24と、選択した一組の振動センサ10の送信情報および地点情報を基に構造物等の対象物を選出する構造物選出部25と、を備える。
送受信部21は、複数の振動センサ10や端末装置30との間で通信を行い、送信情報など所定の情報のやりとりを行う。
記憶部22は、送受信部21が取得した情報を記憶する。
選択部23は、複数の振動センサ10の各々により出力された数値を基に、複数の振動センサ10の中から一組の振動センサ10を選択する。詳しくは後述するが、例えば、管理サーバ20は、数値として、より大きいSI値を出力した複数の振動センサ10を一組の振動センサ10として選択する。また、例えば、管理サーバ20は、隣接する複数の振動センサ10において、SI値の差が予め定められた閾値より大きいSI値を出力したものを一組の振動センサ10として選択する。
地点取得部24は、選択された一組の振動センサ10の各々が設置された地点を特定する情報である地点情報を取得する。地点情報は、各々の振動センサ10が有する固有IDと関連付けて予め記憶しておいたものを取得することができる。つまり、振動センサ10は、移動しないので、振動センサ10についての固有IDと地点情報とを関連付け、記憶部22に記憶しておく。そして、送信情報に含まれる固有IDの情報を基に、記憶部22から地点情報を取得することができる。また、各々の振動センサ10が、GPSにより地点情報を取得し、地点情報を送信情報に含ませて送信し、これを管理サーバ20が、取得するようにしてもよい。
選択部23および地点取得部24は、地点情報取得手段の一例であると捉えることができる。
構造物選出部25は、構造物選出取得手段の一例であり、位置情報を対応付けた対象物の中から、選択部23および地点取得部24により取得された地点情報に係る地点の間に位置する対象物を選出する。
ここで、対象物とは、構造物選出部25により選出され、振動により影響を受けうると判断される対象である。具体的には、地震等の振動により、構造物が損傷を受けうる場合、構造物選出部25は、この構造物を対象物として選出する。また、構造物の一部が、損傷を受けうる場合、構造物選出部25は、損傷を受けうる部位を対象物として選出することもできる。
また、位置情報は、対象物の位置を示す情報であり、地点情報と同様の内容を有する。即ち、位置情報は、例えば、対象物の地球上の位置の情報である。
送受信部21は、例えば、通信I/Fである。また、記憶部22は、例えば、ストレージ等の補助記憶装置である。さらに、選択部23、地点取得部24、構造物選出部25の各機能は、例えば、CPUにより実現することができる。
端末装置30は、情報の送受信を行う送受信部31と、画像の表示を行う表示部32と、情報を入力する入力部33と、を備える。
送受信部31は、管理サーバ20との間で情報の送受信を行う。送受信部31は、例えば、通信I/Fであり、ネットワーク40を介し、管理サーバ20と情報の送受信を行う。
表示部32は、画像の表示を行う。表示部32は、例えば、タッチパネルである。この場合、表示部32は、各種情報が表示されるディスプレイと、指やスタイラスペン等で接触された位置を検出する位置検出シートとを備える。接触された位置を検出する手段としては、接触による圧力をもとに検出する抵抗膜方式や、接触した物の静電気をもとに検出する静電容量方式など、どのようなものが用いられてもよい。
入力部33は、端末装置30のユーザが、所定の操作を行うための入力機構である。
例えば、上述したタッチパネルである。この場合、タッチパネルは、表示部32および入力部33の双方の機能を有する。つまり、管理サーバ20からの通知を表示するとともに、表示された画面に対し、タッチを行うことで、専用アプリの起動・終了や専用アプリに対する操作を行うことができる。なお、これに限られるものではなく、入力部33は、キーボードやマウス等で構成されていてもよい。
<対象物選出システム1の動作の説明>
次に、対象物選出システム1の動作について、より詳細に説明を行う。
図4は、対象物選出システム1の動作について説明したフローチャートである。
まず、振動センサ10の振動検知部11が、振動を検知したか否かを判断する(ステップ101)。
その結果、振動を検知していない場合(ステップ101でNo)、ステップ101に戻る。
対して、振動を検知した場合(ステップ101でYes)、振動検知部11は、振動を測定し、SI値等の数値を算出する(ステップ102)。
次に、振動検知部11は、算出した数値を含む送信情報を作成し、送信部12を介して管理サーバ20に対し送信する(ステップ103)。
管理サーバ20では、送信情報を送受信部21を介して受信し、記憶部22が送信情報を記憶する(ステップ104)。
次に、選択部23が、送信情報に含まれる数値を基に、一組の振動センサ10を選択する(ステップ105)。
そして、地点取得部24が選択した一組の振動センサ10の地点情報を、例えば、記憶部22から取得する(ステップ106)。
さらに、構造物選出部25が、地点情報から選択した一組の振動センサ10の間にあり、予め定められた条件に合致する対象物を選出する(ステップ107)。
そして、送受信部21は、選出された対象物に関する情報を端末装置30に対し、通知情報として送信する(ステップ108)。
通知情報を受けた端末装置30では、送受信部31が通知情報を受け取り、その内容を、表示部32が表示する(ステップ109)。なおこのとき、端末装置30を操作するユーザが、受領確認などを入力部33により入力し、管理サーバ20に対し送信してもよい。
次に、以上説明した対象物選出システム1のさらに具体的な動作の例について説明を行う。
[第1の実施形態]
ここでは、まず、対象物選出システム1の動作の第1の実施形態について説明を行う。
第1の実施形態では、振動センサ10は、地震の振動を検知し、数値としてSI値を出力する。そして、管理サーバ20は、複数の振動センサ10により送信されたSI値を基に、地震の振動により影響を受ける対象物を選出する。さらに具体的には、管理サーバ20は、対象物として、地震により損傷の可能性がある構造物を選出する。ここでは、SI値から、地震の振動の大きさを表すマップを作成し、これを利用する方法について説明を行う。
(振動の大きさを表すマップを利用する方法)
図5は、振動の大きさを表すマップを作成し、このマップを基に構造物を選択する方法について示した図である。
図5は、複数の振動センサ10により送信されたSI値を基に振動の大きさの分布を示すマップMaを作成した例を示している。
図示するマップMaでは、予め用意された地図を用い、この地図上に振動の大きさの分布を重畳して表示した例を示している。振動の大きさの分布は、複数の振動センサ10により送信されたSI値を基に、これらの振動センサ10のSI値を補間することで、算出することができる。このマップMaでは、SI値がより大きかった地点ほど濃い色で表示を行い、SI値がより小さかった地点ほど薄い色で表示を行っている。振動センサ10は、上述したように密に設置できるため、振動の分布として、より細かい分布を算出することができる。
また、このマップMaでは、振動センサ10の設置された地点を表す白点10Tを表示している。そして、図5では、これらの振動センサ10の中から選択部23が選択した振動センサ10を黒点10Sで表示している。この場合、選択部23は、周辺に比べ、特にSI値が大きかった振動センサ10を選択している。ここでは、予め定められた閾値より大きいSI値を出力した振動センサ10を選択している。さらに、図5では、構造物選出部25が、選出した構造物Tm1を表示している。構造物選出部25は、マップMaを基に予め定められた構造物を選出する。この場合、構造物選出部25は、特にSI値が大きかった振動センサ10の地点情報の間に位置する対象物として構造物Tm1を選出している。この場合、マップMaから、特に振動が大きかったエリアArがわかるため、このエリアAr内の特定の構造物Tm1を選出している。
この構造物Tm1は、予め定められた構造物の中から選出される。予め定められた構造物は、例えば、予めリスト化しておく。このリストには、構造物の位置情報も併せて記載される。
これらの構造物は、例えば、古い耐震基準により建設された構造物である。つまり、地震の振動により、損傷をより受けやすい構造物が選出される。また、公共施設など避難先に行くのに必要となる橋、道路等である。つまり、地震の振動により、損傷を受けた場合、避難先に行くのに適さなくなる構造物である。また、これらの構造物は、例えば、インフラとして重要な施設である。具体的には、エネルギー施設、水供給施設、交通施設、情報施設などの生活に必要なインフラ設備に関連する構造物である。つまり、地震の振動により、損傷を受けた場合、生活に支障が生じるおそれがある構造物である。具体的には、水道管、鉄道設備、パイプラインなどが該当する。
構造物選出部25は、このリストを参照し、構造物の位置情報を基に、図5に示したエリアAr内に、これらの構造物が位置しているか否かを判断する。そして、位置していた場合、マップMaにおいて構造物Tm1として選出する。そして、このマップMaは、端末装置30に通知情報として送られ、端末装置30にて表示される。マップMaを送る送信先は、例えば、市町村の防災担当部門、消防署、警察署等に設置されている端末装置30、あるいは構造物Tm1内に設置されている端末装置30などである。
なお、上述した例では、対象物として損傷を受けうる構造物Tm1を選出したが、このような人工的な構造物に限られるものではなく、自然物を対象物としてもよい。例えば、地震の振動により、地滑りが生じうる箇所を選出するようにしてもよい。
また、上述した例では、振動が大きかったエリアAr内の構造物Tm1を選出したが、これに限られるものではない。例えば、エリアArの外縁部Ar1において、振動の大きさが大きく変化している場所に構造物が存在する場合、即ち、振動の大きさが異なるエリアを跨いで構造物が存在する場合、構造物に対する損傷が大きくなることがある。よって、このような場所に存在する構造物を選出してもよい。
[第2の実施形態]
次に、対象物選出システム1の動作の第2の実施形態について説明を行う。
第2の実施形態では、振動センサ10は、地震の振動を検知し、数値としてSI値を出力する。そして、管理サーバ20は、複数の振動センサ10により送信されたSI値を基に、対象物として、建物内において地震により損傷を受けた可能性のある箇所を選出する。
(数値の間の差を利用する方法)
図6(a)は、地震により損傷を受けた可能性のある箇所を選出する方法の第1の例を示した図である。ここでは、以下に説明するように、振動センサ10により出力されたSI値の差を利用する。
図6(a)では、建物Tm2内に、ガス配管H1〜H3が配される場合を示している。これらのガス配管H1〜H3は、例えば、建物Tm2の異なる階毎に配される。また、ガス配管H1〜H3は、長さ等がほぼ同じであり、ほぼ同様の構造を有する。さらに、ガス配管H1〜H3は、ガス配管H4〜H6により接続される。
また、図示するように、ガス配管H1〜H3には、振動センサ10として、振動センサ10H1〜10H6が設置されている。この場合、ガス配管H1〜H3に、それぞれ2個ずつの振動センサ10が設置される、そのため、地震が生じた際には、振動センサ10H1〜10H6は、それぞれ、ガス配管H1〜H3の振動を測定し、SI値を出力する。
そして、管理サーバ20は、振動センサ10H1〜10H6の各々の間のSI値の差を算出する。つまり、ガス配管H1〜H3の各々は、ほぼ同様の構造を有するため、SI値も近い値となることが予想される。しかし、振動センサ10H1〜10H6の何れかから出力されたSI値が、他とは大きく異なる場合、この振動センサが取り付けられるガス配管に損傷が生じていることが考えられる。例えば、振動センサ10H1、10H2のSI値が、他とは大きく異なる場合、ガス配管H1に損傷が生じていることが予想される。例えば、振動センサ10H1、10H2のSI値が、他とは大きく異なる場合、ガス配管H1に損傷が生じていることが予想される。振動センサ10H3、10H5のSI値が、他とは大きく異なる場合、ガス配管H5に損傷が生じていることが予想される。
この場合、管理サーバ20は、一組の振動センサ10として、同一の建物内に設置された複数の振動センサ10を選択する。さらに、管理サーバ20は、他の振動センサ10に対し、SI値の差が予め定められた閾値以上異なる場合に、この振動センサ10を選択する。そして、この振動センサ10が設置されたガス配管が、地震により損傷を受けた可能性があると判断する。この場合、管理サーバ20は、数値の間の差が大きい隣接する複数の振動センサ10の間に位置する対象物としてガス配管を選出する、と言うこともできる。
図6(b)は、地震により損傷を受けた可能性のある箇所を選出する方法の第2の例を示した図である。ここでは、振動センサ10により出力されたSI値と予め定められた値との差を利用する。
(数値と予め定められた値との差を利用する方法)
図6(b)では、図6(a)と同様に、建物Tm2内に、ガス配管H1〜H6が配される場合を示している。ただし、ガス配管H1〜H3は、長さが異なり、それぞれが異なる構造を有する。また、図6(a)と同様に、ガス配管H1〜H3には、振動センサ10H1〜10H6が設置されている。
管理サーバ20は、振動センサ10H1〜10H3の各々の間のSI値と本来出力されると予測されるSI値とを比較する。この本来出力されると予測されるSI値は、この地域に設置される地震計等の他の装置から推測することができる。しかし、振動センサ10H1〜10H6の何れかから出力されたSI値が、予測されるSI値に対し、大きく異なる場合、この振動センサが取り付けられるガス配管に損傷が生じていることが考えられる。例えば、振動センサ10H1、10H2のSI値が、予測されるSI値に対し、大きく異なる場合、ガス配管H1に損傷が生じていることが予想される。振動センサ10H3、10H5のSI値が、予測されるSI値に対し、大きく異なる場合、ガス配管H5に損傷が生じていることが予想される。
この場合、管理サーバ20は、一組の振動センサ10として、同一の建物内に設置された複数の振動センサ10を選択する。さらに、管理サーバ20は、これらの振動センサ10から出力されたSI値の何れかが、予想されるSI値から予め定められた閾値以上異なる場合に、この振動センサ10を選択する。そして、この振動センサ10が設置されたガス配管が、地震により損傷を受けた可能性があると判断する。この場合、管理サーバ20は、数値と予め定められた数値との差が大きい複数の振動センサの間に位置する対象物としてガス配管を選出する、と言うこともできる。
[第3の実施形態]
次に、対象物選出システム1の動作の第3の実施形態について説明を行う。
第3の実施形態では、振動センサ10は、突発的な事故の振動を検知し、数値として最大加速度を出力する。そして、管理サーバ20は、複数の振動センサ10により送信された最大加速度を基に、対象物として事故が生じた場所を選出する。なお、ここで事故とは、車両や船舶同士などの衝突、車両や船舶の建物等への衝突の他、爆発等も含む。また、土砂崩れなどの自然災害であってもよい。
(事故が生じた場所を特定する方法)
図7(a)〜(b)は、最大加速度を基に、事故が生じた場所を選出する方法について示した図である。
このうち、図7(a)は、振動センサ10の設置の状態について示した図である。図示するように、道路Dに、振動センサ10として、振動センサ10D1〜10D5が設置されている。振動センサ10D1〜10D5は、道路Dに沿って一定間隔で設置される。振動センサ10D1〜10D5は、道路Dに沿って埋設されることで設置されてもよく、電柱や信号機等に取り付けることで設置されてもよい。
そして、事故が生じたときは、車両が通常走行する場合より、大きい振動が生じる。そして、振動センサ10D1〜10D5の何れかが、予め定められた閾値より大きい最大加速度を検知する。このときの最大加速度は、管理サーバ20に送られ、管理サーバ20では、事故が生じたことを判断できる。
図7(b)は、振動センサ10D1〜10D5が出力した最大加速度について示した図である。
振動センサ10D1〜10D5の中で、振動センサ10D2および振動センサ10D3の最大加速度が、閾値を超えている。これから、振動センサ10D2と振動センサ10D3との間で、事故が生じたと推定できる、具体的には、管理サーバ20は、事故が生じたことを判断したときに、最も大きい最大加速度を出力した振動センサ10と次に大きい最大加速度を出力した振動センサ10を選択する。そして、この両者の間の道路D上で事故が生じたと推定する。この場合、管理サーバ20は、事故に起因する振動を基に、対象物として、事故が生じた場所を選出する、と言うことができる。
[第4の実施形態]
次に、対象物選出システム1の動作の第4の実施形態について説明を行う。
第4の実施形態では、振動センサ10は、構造物に設置され、振動をモニタリングする。そして、振動センサ10は、数値として振動の加速度を出力する。さらに、管理サーバ20は、複数の振動センサ10により送信された加速度を基に、構造物の中で疲労が大きい対象物を選出する。なおここで、「疲労」とは、構造物が力学的応力を継続的に、あるいは繰り返し受けた場合に、その構造物の強度が低下する現象を言う。このうち、金属からなる構造物で発生する場合、金属疲労と呼ばれ、特に問題になりやすい。ただし、これに限られるものではなく、樹脂、ガラス、セラミックスなど金属以外の材料で構成される場合も生じうる。
(振動モードを利用する方法)
ここでは、まず、振動モードを利用して構造物の疲労を求める場合について説明する。
図8、図9(a)〜(b)、図10(a)〜(b)は、振動モードを利用して構造物の疲労を求める方法を示した図である。なおここでは、構造物が橋梁である場合を例にして説明を行う。
このうち、図8は、振動センサ10の設置の状態について示している。
図示する例では、橋梁Kは、鉄道用のトラス橋である。そして、振動センサ10として、振動センサ10K1〜10K9が設置されている。この場合、橋梁Kの橋桁K1〜K3に、それぞれ3個ずつの振動センサ10が設置される、そして、鉄道車両が通過する際には、これらの振動センサ10K1〜10K9が振動を検知する。
図9(a)は、振動センサ10K1〜10K9の何れかで取得した振動の波形Wvを示している。ここで、横軸は、時間を表し、縦軸は、加速度を表す。
この場合、少なくとも10sの間、橋梁Kを鉄道車両が走行したことを示している。
また、図9(b)は、図9(a)に示した波形Wvを基に求めたパワースペクトルPsである。ここで、横軸は、振動数を表し、縦軸は、パワーを表す。
パワースペクトルPsに示すように、振動数が、3.25Hzおよび6.35Hzの箇所に、それぞれピークP1およびピークP2が存在する。これらの周波数3.25Hzおよび周波数6.35Hzは、橋梁Kの固有周波数である。また、前者を1次モードの固有周波数、後者を2次モードの固有周波数と言うことがある。なお、2次モードの固有周波数より大きい固有周波数が存在することもあり、これは、周波数の小さい方から、3次モードの固有周波数、4次モードの固有周波数、 … となるが、ここでは、検出されていない。
そして、橋梁Kに疲労が蓄積されると、固有振動数に変化が生じることがある。
図10(a)は、疲労の程度と1次モードの固有周波数の関係について示した図である。また、図10(b)は、疲労の程度と2次モードの固有周波数の関係について示した図である。ここで、横軸は、疲労の程度を表し、縦軸は、固有周波数を表す。
図示するように、この場合、疲労が蓄積されるに従い、1次モードおよび2次モードの固有周波数は、双方とも小さくなっていく。
よって、固有周波数により、疲労の程度がわかるため、管理サーバ20は、固有周波数により、疲労が蓄積された対象物を選出することができる。この場合は、振動センサ10K1〜10K9により、対象物として、橋桁K1〜K3の疲労を判断することができる。また、構造物に、複数の振動センサを設置するため、構造物が橋梁Kのように大きいものである場合でも、その何れの箇所に疲労が蓄積されているかを判断できる。
例えば、振動センサ10K1および振動センサ10K2について、図10に示す固有振動数の変化が大きいことが検出された場合は、振動センサ10K1および振動センサ10K2の間の主桁K1aで疲労が蓄積されていることが推定される。
この場合、管理サーバ20は、一組の振動センサ10として、1次モードや2次モードの固有周波数が予め定められた閾値以上減少したものとして、振動センサ10K1および振動センサ10K2を選択する。そして、管理サーバ20は、複数の振動センサ10の各々により検出された振動の振動モードを基に対象物として主桁K1aを選出する。
(応力を算出して利用する方法)
次に、振動により生じる応力から構造物の疲労を求める場合について説明する。なおここでは、構造物が、図8〜図10と同様の橋梁Kである場合を例にして説明を行う。
ここでは、まず図9(a)に示す振動の波形Wvから、橋桁K1〜K3に生じる応力を算出する。この応力は、周波数応答解析など既知の方法で算出することができる。周波数応答解析とは、指定した周波数で繰返し荷重が負荷される場合の応答を把握する解析手法である。
図11は、振動により生じる応力から、構造物の疲労を求める方法を示した図である。横軸は、橋桁K1〜K3で振動センサ10が設置される位置を表し、縦軸は、振動センサ10の位置において橋桁K1〜K3の主桁K1a〜K3aに加わる応力を示す。
応力の大小と疲労の程度とは相関関係にある。つまり、加わる応力が大きい場合、疲労は蓄積されやすい。対して、加わる応力が小さい場合、疲労は蓄積されにくい。よって、応力の大小により、時間に対する疲労の程度が推定できる。この場合、主桁K1a〜K3aの何れの箇所に、疲労が蓄積されていくかがわかる。本実施の形態の場合、構造物に、複数の振動センサ10を設置するため、構造物が橋梁Kのように大きいものである場合でも、各部に生じる応力の算出精度が向上する。なお、加わる応力がさらに大きい応力集中が生じる箇所がある場合、特に疲労が蓄積されやすい。図11に示す例では、振動センサ10K1および振動センサ10K2の位置について、応力が他よりも大きい。そして、振動センサ10K1および振動センサ10K2の位置で疲労が蓄積されることが推定できる。この場合、主桁K1aに、疲労が蓄積されていると推定される。
この場合、管理サーバ20は、一組の振動センサ10として、応力が大きい箇所に対応する振動センサ10K1および振動センサ10K2を選択する。そして、管理サーバ20は、複数の振動センサ10の各々により検出された振動により生じる応力を基に対象物として主桁K1aを選出する。
このように、第4の実施形態は、管理サーバ20は、振動を基に、対象物として疲労が蓄積した構造物を選出する、と言うこともできる。
以上詳述した対象物選出システム1によれば、地震等の振動に起因して被害を受ける対象物をより容易に選出することができる。また、高価な地震計を使用する必要はなく、より簡易な振動センサ10を使用することで、例えば、建物毎や構造物を構成する部材毎等に振動センサ10を設置することができ、振動の測定点を多くすることができる。その結果、対象物の選出がより容易になる。
なお、上述した第1の実施形態〜第4の実施形態では、それぞれ目的とする対象物を選出するための方法を説明したが、それぞれの方法は、他の実施形態でも適用が可能である。例えば、第4の実施形態で、構造物の疲労が大きい対象物を選出するために、振動モードや応力を利用する方法を示したが、これは、第2の実施形態で、対象物として、建物内において地震により損傷を受けた可能性のある箇所を選出するために適用することができる。
<プログラムの説明>
ここで、以上説明を行った本実施の形態における管理サーバ20が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。そして、この処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。即ち、管理サーバ20に設けられたコンピュータ内部の図示しないCPUが、上述した各機能を実現するプログラムを実行し、これらの各機能を実現させる。
よって、本実施の形態で、管理サーバ20が行う処理は、コンピュータに、設置された地点における振動の大きさを示す数値を含む情報を出力する複数の振動センサ10の各々により出力された数値を基に、複数の振動センサ10の中から一組の振動センサを選択し、選択された一組の振動センサの各々が設置された地点を特定する情報である地点情報を取得する地点情報取得機能と、位置情報を対応付けた対象物の中から、地点情報取得機能により取得された地点情報に係る地点の間に位置する対象物を選出する構造物選出機能と、を実現させるためのプログラムとして捉えることもできる。
なお、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろんCD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、種々の変更または改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1…対象物選出システム、10…振動センサ、20…管理サーバ、21…送受信部、22…記憶部、23…選択部、24…地点取得部、25…構造物選出部、30…端末装置

Claims (13)

  1. 設置された地点における振動の大きさを示す数値を含む情報を出力する複数の振動センサと、
    前記複数の振動センサの各々により出力された前記数値を基に、当該複数の振動センサの中から一組の振動センサを選択し、選択された一組の振動センサの各々が設置された前記地点を特定する情報である地点情報を取得する地点情報取得手段と、
    位置情報を対応付けた対象物の中から、前記地点情報取得手段により取得された前記地点情報に係る前記地点の間に位置する対象物を選出する構造物選出手段と、
    を備える対象物選出システム。
  2. 前記構造物選出手段は、前記数値を基に振動の大きさの分布を示すマップを作成し、当該マップを基に対象物を選出することを特徴とする請求項1に記載の対象物選出システム。
  3. 前記構造物選出手段は、前記マップを基に予め定められた構造物を選出することを特徴とする請求項2に記載の対象物選出システム。
  4. 前記構造物選出手段は、前記数値の間の差が大きい隣接する複数の振動センサの間に位置する対象物を選出することを特徴とする請求項1に記載の対象物選出システム。
  5. 前記構造物選出手段は、前記数値と予め定められた数値との差が大きい複数の振動センサの間に位置する対象物を選出することを特徴とする請求項1に記載の対象物選出システム。
  6. 前記構造物選出手段は、前記複数の振動センサの各々により検出された振動の振動モードを基に対象物を選出することを特徴とする請求項1に記載の対象物選出システム。
  7. 前記構造物選出手段は、前記複数の振動センサの各々により検出された振動により生じる応力を基に対象物を選出することを特徴とする請求項1に記載の対象物選出システム。
  8. 前記構造物選出手段は、地震の振動により影響を受ける対象物を選出することを特徴とする請求項1に記載の対象物選出システム。
  9. 前記構造物選出手段は、前記対象物として、地震により損傷の可能性がある構造物を選出することを特徴とする請求項8に記載の対象物選出システム。
  10. 前記構造物選出手段は、事故に起因する振動を基に、前記対象物として、事故が生じた場所を選出することを特徴とする請求項1に記載の対象物選出システム。
  11. 前記構造物選出手段は、振動を基に、前記対象物として疲労が蓄積した部位を選出することを特徴とする請求項1に記載の対象物選出システム。
  12. 設置された地点における振動の大きさを示す数値を含む情報を出力する複数の振動センサの各々により出力された当該数値を基に、当該複数の振動センサの中から一組の振動センサを選択し、選択された一組の振動センサの各々が設置された当該地点を特定する情報である地点情報を取得する地点情報取得手段と、
    位置情報を対応付けた対象物の中から、前記地点情報取得手段により取得された前記地点情報に係る前記地点の間に位置する対象物を選出する構造物選出手段と、
    を備える対象物選出装置。
  13. コンピュータに、
    設置された地点における振動の大きさを示す数値を含む情報を出力する複数の振動センサの各々により出力された当該数値を基に、当該複数の振動センサの中から一組の振動センサを選択し、選択された一組の振動センサの各々が設置された当該地点を特定する情報である地点情報を取得する地点情報取得機能と、
    位置情報を対応付けた対象物の中から、前記地点情報取得機能により取得された前記地点情報に係る前記地点の間に位置する対象物を選出する構造物選出機能と、
    を実現させるためのプログラム。
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