JP2021031066A - 無菌充填機の無菌水供給配管内殺菌方法及び殺菌装置 - Google Patents

無菌充填機の無菌水供給配管内殺菌方法及び殺菌装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2021031066A
JP2021031066A JP2019148953A JP2019148953A JP2021031066A JP 2021031066 A JP2021031066 A JP 2021031066A JP 2019148953 A JP2019148953 A JP 2019148953A JP 2019148953 A JP2019148953 A JP 2019148953A JP 2021031066 A JP2021031066 A JP 2021031066A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sterile water
water supply
supply pipe
filling machine
sterile
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019148953A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7434749B2 (ja
Inventor
睦 早川
Mutsumi Hayakawa
睦 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2019148953A priority Critical patent/JP7434749B2/ja
Publication of JP2021031066A publication Critical patent/JP2021031066A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7434749B2 publication Critical patent/JP7434749B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】無菌充填機のチャンバー内をCOP処理及びSOP処理するに際して、各チャンバー内に噴射する無菌水を各チャンバーに供給する無菌水供給配管内及び無菌水を各チャンバー内に噴射する無菌水噴射ノズル内を確実に殺菌する無菌充填機の無菌水供給配管内殺菌方法及び殺菌装置を提供することを目的とする。【解決手段】殺菌された容器に殺菌された内容物を無菌雰囲気で充填し、内容物が充填された容器を密封する無菌充填機であって、無菌充填機を構成する部位ごとに遮蔽するチャンバーを有する無菌充填機において、チャンバー内に無菌水を供給する無菌水供給配管に殺菌剤を流す。【選択図】図1

Description

本発明は、殺菌された飲料等を殺菌されたPETボトル、紙容器、カップ、パウチ等の容器に無菌雰囲気で充填する無菌充填機において、無菌充填機の各所に無菌水を送る無菌水配管内を殺菌する方法及び殺菌装置に関する。
茶飲料、ミネラルウォータ、ジュース、スープ、栄養飲料、牛乳、乳飲料、つゆ、だし等をPET等の樹脂製ボトル、紙容器、カップ、パウチ等の容器に無菌充填する無菌充填機は、充填する内容物を切り替える際に、内容物供給系配管内を、まずCIP(Cleaning in Place)処理し、次にSIP(Sterilizing in Place)処理している。
CIP処理は、充填される内容物の貯留タンクから充填機の充填ノズルに至るまでの流路に、例えば水に苛性ソーダ等のアルカリ性薬剤を添加した洗浄液を流した後に、水に酸性薬剤を添加した洗浄液を流すことにより行われる。これにより、内容物供給管路内に付着した前回の飲料の残留物等が除去される。
SIP処理は、例えば、上記CIP処理で洗浄した流路内に加熱水蒸気や熱水等を流すことによって行われる。これにより、飲料充填経路内が殺菌され無菌状態とされる。
無菌充填機は、内容物を充填する容器を殺菌する殺菌部、殺菌された容器をリンスするリンス部、内容物殺菌装置により殺菌された内容物を殺菌された容器に充填する充填部、内容物が充填された容器を殺菌された蓋材により密封する密封部等が設けられる。これらの部位は外部と遮蔽されるチャンバー内に設けられ、無菌充填機の稼働中においてチャンバー内は無菌雰囲気に維持されなければならない。
充填部チャンバー及び密封部チャンバーの内部には前回の充填作業で充填した内容物の飛沫等が付着していることがあり、内容物の種類を切り替える場合は、前回の充填作業でチャンバーの内壁、チャンバー内の充填機等の設備の外面に付着した内容物の飛沫等をチャンバー内から除去するため、チャンバー内に対してCOP(Cleaning out of Place)処理が行われる。COP処理は、例えば水に苛性ソーダ等のアルカリ性薬剤を添加した洗浄液を流した後に、水に酸性薬剤を添加した洗浄液を流し、さらに洗浄液を洗い流すためにチャンバー内に無菌水をシャワー状に噴霧することにより行われる。
さらに、内容物の種類を切り替える際の各種作業中に微生物が無菌チャンバー内に侵入するおそれもあるので、チャンバー内に対してSOP(Sterilizing out of Place)処理も行われる。従来、チャンバー内をSOP処理する方法として、チャンバー内に、過酢酸の噴霧、無菌水の噴霧、加熱エアの吹き込み、過酸化水素の噴霧、加熱エアの吹き込みを順に行うことが試みられている(特許文献1参照)。
また、特許文献2には熱水散布、加熱した過酢酸系殺菌剤の散布、加熱無菌水散布によるすすぎという工程によるチャンバー内殺菌も提案されている(特許文献2参照)。
特許文献3には、チャンバー内にアルカリ性洗浄剤を噴射し、無菌水を噴射するCOP処理を行った後に、過酢酸噴射、無菌水噴射、過酸化水素水噴射、ホットエア吹き出し、冷却エアの吹き出しというSOP処理を順次行うことが提案されている(特許文献3参照)。
特開平11−208782号公報 特開2010−189034号公報 特開2014−55026号公報
殺菌された内容物を殺菌された容器に無菌雰囲気で充填し、殺菌された蓋材で密封する無菌充填機において、生産開始前に無菌充填機のチャンバー内の無菌雰囲気を確保するために、COP処理及びSOP処理が行われる。
COP処理には、洗浄剤としてアルカリ性又は酸性の洗浄剤が使用され、SOP処理には、殺菌剤として過酢酸又は過酸化水素が使用される。これらの洗浄剤や殺菌剤がチャンバー内に吹き付けられた後、チャンバー内に洗浄剤や殺菌剤が残留する場合には、チャンバー内に無菌水が吹き付けられることによりチャンバー内に残留する洗浄剤及び殺菌剤が洗い流される。
チャンバー内を洗い流すために各チャンバーに無菌水を供給するために、無菌水製造装置から、又は無菌水製造装置により製造された無菌水を貯留するタンクから各チャンバーに無菌水を供給する無菌水供給配管が設けられる。
各チャンバー内のCOP処理及びSOP処理で使用される無菌水以外にも、例えば、PETボトルへ飲料等を充填する無菌充填機では、飲料充填後の口部を洗浄するための無菌水、殺菌後のキャップ洗浄のための無菌水、殺菌後のPETボトル内をリンスするための無菌水等が使用されることもあり、このような無菌水を供給する無菌水供給配管が設けられることもある。
COP処理がSOP処理の前に行われること、洗浄剤に殺菌成分が配合されることがあり、各チャンバーに洗浄剤を供給する配管は殺菌の必要がない。殺菌剤を供給する配管は殺菌剤を流すことによって殺菌されるために配管内を殺菌する必要がない。しかし、各チャンバーに無菌水を供給する無菌水供給系配管内は、無菌水を供給する前に殺菌される必要がある。例えば、SOP処理後に殺菌剤を洗い流すためにチャンバー内に無菌水を吹き付ける際、吹き付けられる無菌水に無菌水供給系配管内に残存する菌等が混入すると、SOP処理が完了したチャンバー内に菌等が混入し、さらにこの菌等が内容物に混入し腐敗事故を発生させるおそれがある。
内容物を充填装置まで供給する配管内のSIP処理は、熱水又は加熱水蒸気を内容物供系給配管内に流し、熱殺菌することにより行われている。SIP処理と同様に熱水又は加熱水蒸気により各チャンバー内への無菌水供給配管内を殺菌する方法が想定される。各チャンバー内に無菌水を吹き付けるためのノズルは、一流体ノズル、二流体ノズル、回転ノズル等のスプレーノズルが使用される。しかし、スプレーノズルは充填バルブと異なり、大気に放出して使用するため、100℃以上の温度で配管内を殺菌することが困難であるため、無菌水供給配管内に熱水又は加熱水蒸気を流しても、耐熱性の細菌芽胞が生残する。加えて、スプレーノズルに使用されるパッキン等の部材が高温で劣化することがあり、高熱殺菌には不向きである。
充填ノズルでは、熱水及び加熱水蒸気をカップで受けて充填ノズルの先端で大気に放出せずに循環させること、又はカップで受ける加熱水蒸気を集約して配管内圧を大気圧以上に上げ、凝縮水のみを大気に開放することで、熱水及び加熱水蒸気の温度を下げることなく大きなエネルギーロスを伴わずにSIP処理することができる。また、無菌水を吹き付けるノズル先端をカップで受けることができないため、チャンバー内に無菌水を供給する無菌水供給配管は、熱水及び加熱水蒸気をノズル先端で大気に放出することとなるため、膨大なエネルギーを必要とすることとなり、無菌水供給配管内を熱水又は加熱水蒸気により殺菌することは困難である。
無菌水供給配管内を熱水又は加熱水蒸気により殺菌することは困難であり、殺菌剤を使用して殺菌しなければならない。しかし、全てのチャンバーに無菌水を供給する無菌水供給配管及び無菌水を各チャンバー内に噴射する無菌水噴射ノズルを殺菌するために殺菌剤供給装置を設けるのは設備費が必要となる。そのため、新たな設備費や大量の殺菌剤を必要としない、無菌水供給配管及び無菌水噴射ノズルを殺菌する方法及び装置が求められている。
本発明は無菌充填機のチャンバー内をCOP処理及びSOP処理するに際して、各チャンバー内に噴射する無菌水を各チャンバーに供給する無菌水供給配管内及び無菌水を各チャンバー内に噴射する無菌水噴射ノズル内を確実に殺菌する無菌充填機の無菌水供給配管内殺菌方法及び殺菌装置を提供することを目的とする。また、無菌水供給配管内及び無菌水を各チャンバー内に噴射する無菌水噴射ノズル内を殺菌するために、新たな設備費や大量の殺菌剤を必要としない無菌充填機の無菌水配管内殺菌方法及び殺菌装置を提供することを目的とする。
本発明に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法は、殺菌された容器に殺菌された内容物を無菌雰囲気で充填し、前記内容物が充填された前記容器を密封する無菌充填機であって、当該無菌充填機を構成する部位ごとに遮蔽するチャンバーを有する前記無菌充填機において、前記チャンバー内に無菌水を供給する無菌水供給配管に殺菌剤を流し、前記チャンバー内に前記無菌水を噴射する無菌水噴射ノズルから前記殺菌剤を前記チャンバー内に噴射することを特徴とする。
また、本発明に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法において、前記殺菌剤を殺菌剤供給側バルブから前記無菌水供給配管に流すとき、前記無菌水を供給する無菌水供給側バルブに殺菌剤が到達するように、前記殺菌剤を前記無菌水供給配管に供給すると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法において、前記無菌水を製造する無菌水製造装置から前記無菌水供給配管に前記無菌水を供給する無菌水供給側バルブ及び前記無菌水供給配管に前記殺菌剤を供給する殺菌剤供給側バルブに熱水又は加熱水蒸気を流すことにより前記無菌水供給側バルブ及び前記無菌水供給側バルブから前記殺菌剤供給側バルブまでの配管を殺菌すると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法において、前記無菌水を流すとき、前記無菌水供給配管内の圧力が、閉められた前記殺菌剤供給側バルブより上流側の配管圧力よりも高いと好適である。
また、本発明に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法において、前記チャンバー内に噴射された前記殺菌剤を回収し、回収された前記殺菌剤を、再利用すると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法において、前記殺菌剤が過酢酸、過酸化水素又はアルカリ性薬剤のいずれかを含むと好適である。
また、本発明に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法において、前記過酢酸の濃度が500mg/L〜5000mg/Lであると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法において、前記過酢酸の濃度を測定し、前記過酢酸の濃度を500mg/L〜5000mg/Lに保持すると好適である。
本発明に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置は、殺菌された容器に殺菌された内容物を充填し、前記内容物が充填された前記容器を密封する無菌充填機であって、当該無菌充填機を構成する部位ごとに遮蔽するチャンバーを有する前記無菌充填機において、前記チャンバー内に無菌水を供給する無菌水供給配管、前記無菌水供給配管への前記無菌水の供給を制御する無菌水供給側バルブ、前記無菌水供給配管に殺菌剤を供給する殺菌剤供給装置、前記無菌水供給配管への前記殺菌剤の供給を制御する殺菌剤供給側バルブ、前記チャンバー内に前記殺菌剤又は前記無菌水を噴射する無菌水噴射ノズルが設けられることを特徴とする。
また、本発明に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置において、前記無菌水供給側バルブから前記殺菌剤供給側バルブに熱水又は加熱水蒸気を流す熱水又は加熱水蒸気供給装置を設けると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置において、前記無菌水を前記無菌水供給配管に流すとき、前記無菌水供給配管内の圧力が、閉められた前記殺菌剤供給側バルブより上流側の配管圧力よりも高くなるように前記殺菌剤供給側バルブより上流側に大気開放バルブを設けると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置において、前記無菌水噴射ノズルから噴射される前記殺菌剤を回収する殺菌剤回収装置が設けられると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置において、前記殺菌剤回収装置が、前記チャンバーの底部に設けられた排出口から前記殺菌剤を回収する殺菌剤回収ポンプ、及び回収された殺菌剤を貯留する回収殺菌剤貯留タンクを備えると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置において、前記回収殺菌剤貯留タンクが、前記殺菌剤中の過酢酸濃度を500mg/L〜5000mg/Lに保持する過酢酸濃度調整装置を備え、当該過酢酸濃度調整装置が前記回収殺菌剤貯留タンクに貯留された前記殺菌剤中の過酢酸濃度を測定する過酢酸濃度測定装置及び測定された濃度に基づき、過酢酸の濃度を調整する過酢酸濃度調整ポンプを備えると好適である。
本発明の無菌充填機の無菌水供給配管内殺菌方法及び殺菌装置によれば、無菌充填機のチャンバー内をCOP処理及びSOP処理するに際して、各チャンバー内に噴射する無菌水を各チャンバーに供給する無菌水供給配管内及び無菌水を各チャンバー内に噴射する無菌水噴射ノズル内を確実に殺菌することができる。また、無菌水供給配管内及び無菌水を各チャンバー内に噴射する無菌水噴射ノズル内を殺菌するために、新たな設備を設ける費用及び大量の殺菌剤を必要としない無菌充填機の無菌水供給配管内殺菌方法及び殺菌装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置を示す。 本発明の実施の形態に係る無菌水貯留タンクを備える無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置を示す。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置における無菌水供給側バルブと殺菌剤供給配管との距離を示す。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機のチャンバー内に無菌水を噴射する無菌水噴射ノズル及び殺菌剤回収装置を示す。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機の殺菌剤貯留タンクを示す。 本発明の実施の形態に係る無菌水供給配管内の殺菌装置の他の例を示す。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
PETボトルへの飲料の無菌充填機は、通常、プリフォームが供給され、供給されたプリフォームを成形温度まで加熱する加熱部、加熱されたプリフォームを容器に成形する成形部、成形された容器を検査する検査部、検査された容器を殺菌する容器殺菌部、殺菌された容器をエアリンスするエアリンス部、殺菌された容器に内容物殺菌装置により殺菌された内容物を無菌雰囲気で充填する充填部、内容物が充填された容器を殺菌された蓋材により無菌雰囲気で密封する密封部及び密封された容器を排出する排出部からなる。無菌充填機は検査部及びエアリンス部を備えなくても構わない。また、供給されたプリフォームを加熱する前に殺菌するプリフォーム殺菌部を有する無菌充填機もある。プリフォーム殺菌部を有する無菌充填機は容器殺菌部を備えなくても構わない。
無菌充填機を構成する各部はチャンバーにより遮蔽されている。ここで、加熱部と成形部は単一のチャンバーにより遮蔽されても構わない。また、密封部と排出部も単一のチャンバーにより遮蔽されても構わない。さらに、充填部、密封部及び排出部が単一のチャンバーにより遮蔽されても構わない。
無菌充填機の製品生産中には、容器殺菌部のチャンバー、エアリンス部のチャンバー、充填部のチャンバー、密封部のチャンバー及び排出部のチャンバーは、除菌フィルタにより無菌化された無菌エアが供給され、各チャンバー内の圧力を陽圧にすることで、無菌充填機の無菌性が維持される。陽圧に保持する圧力は、充填部のチャンバー内が最も高く、エアリンス部のチャンバー、容器殺菌部のチャンバーと上流に行くほど低く設定される。また、例えば、充填部のチャンバー内の圧力を20Pa〜40Paとすると、他のチャンバー内の圧力は充填部のチャンバー内の圧力よりも低い。プリフォーム殺菌部を有する無菌充填機は、加熱部及び成形部もチャンバーに覆われ、加熱部チャンバー内及び成形部チャンバー内には無菌エアが供給され陽圧に保持される。
容器殺菌部のチャンバー、エアリンス部のチャンバー、充填部のチャンバー、密封部のチャンバー及び排出部のチャンバー内は、無菌充填機の稼働前にSOP処理が行われる。そのため、各チャンバー内には殺菌剤及び無菌水を噴射するノズルが備えられる。容器殺菌部のチャンバー内は無菌充填機稼働中に殺菌剤が噴霧されるため、SOP処理が行われなくても構わない。プリフォーム殺菌部を有する無菌充填機は、加熱部及び成形部を遮蔽するチャンバー内のSOP処理が行われる。
各チャンバー内のSOP処理の前に内容物が充填される充填部のチャンバーから下流のチャンバーはCOP処理される。内容物がチャンバー内に飛散して汚染が激しいチャンバー内は温水、熱水、又は苛性ソーダを主成分とするアルカリ性洗浄液又は酸性洗浄液を噴射することで洗浄される。容器殺菌部のチャンバーや排出部のチャンバーは汚染が限定的であるため、COP処理しなくても構わない。
無菌充填機により飲料を容器に充填する連続運転の後、内容物を変更する場合、又は長時間の連続運転によりチャンバー内が内容物の飛沫により汚染された場合は、無菌充填機の運転を停止して、無菌充填機のチャンバー内のCOP処理及びSOP処理を行う。内容物による汚染がないチャンバー内はSOP処理のみを行う。
COP処理によりチャンバー内に残存する洗浄液、SOP処理によりチャンバー内に残存する殺菌剤を洗い流すためにチャンバー内には無菌水が噴射される。チャンバー内には無菌水を噴射するために無菌水噴射ノズルが設けられる。無菌水噴射ノズルから洗浄液又は殺菌剤を噴射し、チャンバー内のCOP又はSOPを行っても構わない。各チャンバーに供給される無菌水はチャンバー内に残存する洗浄液及び殺菌剤を洗い流すために各チャンバーに供給されるが、無菌充填機稼働中に殺菌された容器の洗浄、内容物が充填された容器口部の洗浄及び殺菌された蓋材の洗浄にも使用される。
上述のように、チャンバーによって異なるが、チャンバーの機能によりCOP処理及びSOP処理を行うためにチャンバー内に洗浄液、殺菌剤及び無菌水を噴射するスプレーノズルが備えられる。スプレーノズルは、一流体ノズル、二流体ノズル、回転ノズル等のスプレーノズルであり、COP処理を行うときは洗浄液を噴射し、SOP処理を行うときは殺菌剤を噴射する。SOP処理に使用する殺菌剤として過酢酸及び過酸化水素を含む液体を使用する場合は、殺菌剤も液体となり、スプレーノズルは兼用できる。さらに無菌水も液体であり、無菌水も同一の液体用スプレーノズルからチャンバー内に噴射できる。
図4にチャンバー内に洗浄液、殺菌剤又は無菌水を噴射する無菌水噴射ノズルとしてのスプレーノズル及び無菌エアを供給する無菌エア供給装置を示す。図4に示すようにチャンバー1には流体ノズル2及び回転ノズル3が備えられる。流体ノズル2及び回転ノズル3は液体を噴射することができる。また、チャンバー1内には、液体ではなくガスを噴射するノズルを設けても構わない。
流体ノズル2は、一流体スプレーまたは殺菌剤を圧縮エアと混合して噴霧する二流体スプレーが使用され、殺菌剤を殺菌が必要な各チャンバー1内の全域に付着するように吹き付ける。吹き付けられた殺菌剤により、チャンバー1内が殺菌される。流体ノズル2はチャンバー1内の全域に殺菌剤が付着するように配置される。殺菌剤は容器を殺菌するために使用される殺菌剤と同様のものが使用でき、過酢酸や過酸化水素を含む殺菌剤を使用することが好ましい。殺菌剤の吹き付けは、異なる殺菌剤を複数回吹き付けても構わない。
無菌充填機の稼働中には、SOP処理後の各チャンバー内の無菌性を維持するために、図4に示すように、チャンバー1には無菌エア供給装置4が設けられる。無菌エア供給装置4は、ブロワ5によるエアを除菌フィルタ6により無菌化されたエアをチャンバー1内に供給する。エアを加熱装置7により加熱しても構わない。除菌フィルタ6のチャンバー側表面は殺菌剤が噴射されることで殺菌される。また、チャンバー1内の圧力を適正に保持するために、排気装置8を設けても構わない。
チャンバー1にはSOP処理の殺菌剤として過酸化水素のガス若しくはミスト又はこれらの混合物を使用する場合、ガス用スプレーノズルが設けられる。
チャンバー1の無菌水噴射ノズルとしてのスプレーノズルは、SOP処理の際に殺菌されなければならない。スプレーノズルの外面はチャンバー内に殺菌剤が噴射されるSOP処理により殺菌される。しかし、無菌水供給配管内は飲料供給系配管とは異なるため、SIP処理により殺菌されない。
液体を噴射する無菌水噴射ノズルにより洗浄液、殺菌剤及び無菌水をチャンバー内に噴射する場合、例えば、COP処理を行うために洗浄液を噴射し、洗浄液を洗い流すために無菌水を噴射し、SOP処理を行うために殺菌剤を噴射し、殺菌剤を洗い流すために無菌水を噴射する。このとき、殺菌剤を噴射後、無菌水を噴射するため、無菌水噴射ノズルまでの流路で殺菌剤が流される流路及び無菌水噴射ノズルの内部は殺菌されることとなる。
よって、液状の殺菌剤及び無菌水を同一の流路に流し、同一のスプレーノズルからチャンバー内に噴射する場合、無菌水供給配管15及び無菌水噴射ノズルを殺菌する必要はない。すなわち、無菌充填機において、チャンバー1に無菌水を供給する無菌水供給配管15に殺菌剤を流し、図4に示すチャンバー1内に無菌水を噴射する無菌水噴射ノズルとしての流体ノズル2及び回転ノズル3のような無菌水噴射ノズルから殺菌剤をチャンバー1内に噴射することにより無菌水供給配管15内及び無菌水噴射ノズル内を殺菌することができる。
図1に示すように、無菌水は、水供給タンク9から無菌水製造装置10に水を供給し、供給された水を無菌水製造装置10により加熱することにより殺菌し、無菌水を製造する。水の加熱は少なくとも120℃で4分以上行われる。又は、充填される内容物の殺菌条件以上の殺菌価で殺菌された水でも構わない。加熱されて殺菌された無菌水は常温まで冷却されて、チャンバー1内に噴射されるが、常温まで冷却せずに、常温を超える温度から100℃の温度でチャンバー1内に噴射されても構わない。常温を超える温度とすることで、無菌水の洗浄能力が向上する。好ましくは60℃〜100℃とすることで、無菌水の洗浄能力を各段に向上させることができる。
無菌水は無菌水製造装置10により製造されるが、無菌水製造装置10を無菌充填機に設けることなく、無菌充填機で充填する飲料等の内容物を殺菌する内容物殺菌装置により製造される無菌水でも構わない。
無菌水をチャンバー1内に供給する前に、無菌水製造装置10を殺菌するために、水を無菌水製造装置10に供給した後、水供給バルブ14及び無菌水供給側バルブ12を閉として無菌水製造装置10を循環する回路を設け、この無菌水循環回路に90℃以上、好ましくは120℃以上の熱水を4分以上循環させることで、無菌水循環回路内を殺菌する。無菌水供給側バルブ12は無菌水供給配管15への無菌水の供給を制御する。
一方、無菌水供給配管15に殺菌剤を供給する殺菌剤供給装置が設けられる。殺菌剤供給装置は殺菌剤供給タンク11及び殺菌剤供給タンク11から殺菌剤を無菌水供給配管15に供給するために必要に応じて設けられるポンプからなる。
殺菌剤供給タンク11の下流に殺菌剤の無菌水供給配管15への供給を制御する殺菌剤供給側バルブ13が設けられる。殺菌剤供給側バルブ13を開として、無菌水供給側バルブ12を閉とすることで、殺菌剤は無菌水供給配管15を経て各チャンバーの無菌水噴射ノズルに供給される。供給される殺菌剤を各チャンバーの無菌水噴射ノズルから各チャンバー内に噴射することにより各チャンバー内のSOP処理が行われる。このとき、殺菌剤を無菌水供給側バルブ12から下流に流すことで、無菌水供給側バルブ12から下流の無菌水供給配管15を殺菌することができる。
しかし、無菌水供給側バルブ12に接触するように殺菌剤を直接流すことができない。図3に示すように、殺菌剤は無菌水供給側バルブ12の手前までしか流すことはできない。無菌水供給側バルブ12の上流側は無菌水循環回路に加熱水を循環させることで殺菌することができる。また、無菌水供給側バルブ12はこのときに流される熱水から伝導する熱により殺菌することができる。しかし、無菌水供給側バルブ12の端部と殺菌剤を供給する無菌水供給配管15の無菌水供給側バルブ12側配管の端部とは距離がある。この距離を図3に示すようにXとすると、X部分の無菌水供給配管に殺菌剤は流れない。しかし、殺菌剤の流れる圧力によりX部分には殺菌剤が流れ込み、X部分を殺菌することができる。殺菌剤をX部分に流し込むためには、無菌水供給側バルブ12と殺菌剤供給側バルブ13の配管を直線とすることが好ましい。配管を直線とすることで、殺菌剤を流す圧力がX部分に直接作用し、X部分に存在する液体を押しのけて、X部分に殺菌剤が流し込むようにすることができる。
このとき、X部分を長くすると無菌水供給側バルブ12の殺菌剤供給側の端部まで殺菌剤が到達しない可能性がある。よって、Xは無菌水供給側バルブ12と殺菌剤供給側バルブ13の配管内直径をDmmとすると、Xは6×Dmm未満、好ましくは3×Dmm未満であり、且つ、レイノルズ数を30,000以上、300,000未満とする。6×Dmm未満で且つ上記レイノルズ数が得られる流量、配管径、温度を維持しながら殺菌剤を送液することで、無菌水供給側バルブ12の殺菌剤供給側の端部まで殺菌剤が到達し、無菌水供給側バルブ12の殺菌剤供給側の端部まで殺菌することができる。
無菌水供給側バルブ12の殺菌について、熱水からの伝熱による方法を述べたが、別の方法を図6により説明する。まず、無菌水製造装置10を殺菌する際に、無菌水供給側バルブ12を開け、殺菌剤供給側バルブ13及びバルブ30を閉じ、無菌水製造装置10を循環する無菌水循環回路内に熱水を循環させる。この操作により、無菌水供給側バルブ12の弁シートと無菌水供給側バルブ12、殺菌剤供給側バルブ13及びバルブ30により形成される配管内に無菌水循環路内を循環する熱水を流して殺菌することができる。このとき、無菌水製造装置10及びこれに付属するポンプは熱水供給装置となる。
ここで、無菌水供給側バルブ12、殺菌剤供給側バルブ13及びバルブ30の各配管直径をDmmとすると、殺菌剤供給側バルブ13及びバルブ30の端部と各バルブの配管が結合する配管の端部までの距離は、6×Dmm未満、好ましくは3×Dmm未満であり、且つレイノルズ数を30,000以上、300,000未満とする。この熱水を流す殺菌操作は、殺菌剤を送液する前に行う。この操作により無菌水供給側バルブ12、殺菌剤供給側バルブ13及びバルブ30までの配管内を殺菌することができる。
熱水循環ではなく、無菌水供給側バルブ12を開け、殺菌剤供給側バルブ13及びバルブ30を閉じ、無菌水供給側バルブ12側から加熱水蒸気供給装置(図示せず)から加熱水蒸気を供給することにより、無菌水供給側バルブ12、殺菌剤供給側バルブ13及びバルブ30までの配管内を殺菌しても構わない。
次に、無菌水供給側バルブ12を閉じ、殺菌剤供給タンク11から殺菌剤を各チャンバーに送液することで、無菌水供給配管15内を殺菌する。殺菌剤を所定条件で送液することで無菌水供給配管15内の殺菌が完了する。殺菌剤が送液された後、殺菌剤供給側バルブ13とバルブ28を閉じ、大気開放バルブ29を開けることで殺菌剤を排出させ、殺菌剤供給側バルブ13とバルブ28で形成される配管内の圧力を大気圧とする。このとき、閉じられた殺菌剤供給側バルブ13、閉じられたバルブ28及び開けられた大気開放バルブ29により形成される殺菌剤供給側バルブ13より上流側の配管内の配管圧力は、無菌水が流される無菌水供給配管15内の圧力よりも低い。
すなわち、無菌水供給配管15内の無菌水が流れる圧力は、閉じられた殺菌剤供給側バルブ13より上流側の配管内の配管圧力よりも高い。無菌水供給側バルブ12とバルブ30が開けられ、無菌水が各チャンバーへ送液され、無菌水供給配管15内に残存する殺菌剤は洗い流される。殺菌剤供給側バルブ13の殺菌剤側の圧力は無菌水供給配管15内の圧力より低いため、万が一殺菌剤供給側バルブ13が破損・リークしていても殺菌剤が無菌水供給配管15内に混入することはない。
無菌水の送液が完了した後、バルブ30を閉じ、無菌水供給配管15はチャンバー内の陽圧エアにより加圧保持される。これにより、無菌水供給配管15にリークがあった場合もチャンバー内に菌を吸い込むおそれはない。
殺菌剤は、過酢酸を含む殺菌剤が好ましく、過酢酸濃度が500mg/L以上で、好ましくは500mg/L〜5000mg/Lである。他に少なくとも過酸化水素及び酢酸を含む。このとき、過酢酸を含む殺菌剤を40℃〜95℃、好ましくは50℃〜95℃に加温することで殺菌効果が高まる。殺菌剤を加熱する装置は殺菌剤供給タンク11から殺菌剤供給側バルブ13との間に設けられる。
各チャンバーまでの無菌水供給配管15内を殺菌するために、過酢酸を使用する場合、過酢酸耐性菌(Bacillus cereus, Bacillus polymyxa, Paenibacillus chibensis, Paenibacillus favisporus等)を十分考慮する必要がある。まず殺菌剤供給タンク11に過酢酸原液を供給し、水で規定濃度(500mg/L〜5000mg/L)まで希釈した後、無菌水供給配管15に送液する前に、殺菌剤供給タンク11内の殺菌剤を殺菌剤供給タンク11の外部に設ける加熱装置及び循環ポンプにより40℃以上、好ましくは50〜95℃まで昇温させながら、少なくとも5分以上、好ましくは10分以上、循環させながら保持する。これにより、各チャンバー内に送液する前に、過酢酸耐熱性菌を減少・死滅させることが可能である。また、過酢酸の原液を水で希釈せずに無菌水で希釈することで、過酢酸耐性菌がチャンバー内へ送液されるリスクを低減させても構わない。
殺菌剤として、過酸化水素のほか、過酢酸に脂肪酸エステルを添加したもの、硝酸、塩素系殺菌剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性薬剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、二酸化塩素、オゾン水、酸性水、界面活性剤を単体で用いても良く、これらのうち2種以上を任意の割合で組み合わせて用いても構わない。
図1は無菌水製造装置10から各チャンバーに直接無菌水を供給する場合を示したが、図2のように無菌水製造装置10の下流に無菌水貯留タンク16を設け、貯留される無菌水を各チャンバーに供給しても構わない。無菌水製造装置10は、無菌水製造装置10内に熱水を循環させることで殺菌される。無菌水貯留タンク16は、加熱水蒸気を供給することにより殺菌される。加熱水蒸気を無菌水貯留タンク16に供給する場合、無菌水貯留タンク側バルブ17及び無菌水供給側バルブ12を閉とする。加熱水蒸気供給装置から無菌水貯留タンク16に供給される加熱水蒸気は、無菌水供給側バルブ12の手前で排出される。無菌水供給側バルブ12は、このときに供給される加熱水蒸気から伝導する熱により殺菌される。
しかし、無菌水供給側バルブ12の端部と殺菌剤を供給する無菌水供給配管15の無菌水供給側バルブ12側の端部とは距離があり、図3に示すと同様のX部分に殺菌剤は流れない。しかし、殺菌剤の流れる圧力によりX部分には殺菌剤が流れ込み、X部分を殺菌することができる。殺菌剤をX部分に流し込むためには、無菌水供給側バルブ12と殺菌剤供給側バルブ13の配管を直線とすることが好ましい。配管を直線とすることで、殺菌剤を流す圧力がX部分に直接作用し、X部分に存在する液体を押しのけて、X部分に殺菌剤が流し込むようにすることができる。無菌水供給側バルブ12は前述と同様の操作により殺菌することができる。
殺菌剤を無菌水供給配管15に流す前に無菌水供給配管15内に洗浄剤を流し、無菌水噴射ノズルにより各チャンバー内に洗浄液を噴射することで、各チャンバー内のCOP処理が行われる。洗浄液は図2及び図3の殺菌剤供給タンク11と並列に洗浄液供給タンクを設け、無菌水供給配管15に洗浄液を流すことができる。
洗浄液とは、例えばアルカリ性洗浄液であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基性化合物、又はエタノールアミン、ジエチルアミン等の有機塩基性化合物を含み、この他に、有機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、エチレンジアミン四酢酸等の金属イオン封鎖剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類等の非イオン界面活性剤、クメンスルホン酸ナトリウム等の可溶化剤、ポリアクリル酸等の酸系高分子の金属塩、腐食抑制剤、防腐剤、酸化防止剤、分散剤、消泡剤などを含んでも構わない。
アルカリ性洗浄液の噴射を行った後に、酸性洗浄液の噴射を行っても構わない。酸性洗浄液とは、塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸又は酢酸、蟻酸、オクタン酸、シュウ酸、クエン酸、コハク酸、グルコン酸等の有機酸であり、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類等の非イオン界面活性剤、クメンスルホン酸ナトリウム等の可溶化剤、ポリアクリル酸等の酸系高分子、腐食抑制剤、防腐剤、酸化防止剤、分散剤、消泡剤などを含んでも構わない。アルカリ性洗浄液の噴射を行っても内容物による汚染が洗浄されない場合、酸性洗浄液の噴射を行う。また、アルカリ性洗浄液の噴射を行わずに、酸性洗浄液を噴射させることだけでも構わない。アルカリ性洗浄液の噴射を行うこと、酸性洗浄液の噴射を行うことは、交互に繰り返し行っても構わない。
洗浄液を50℃以上に加温すると殺菌作用も有するため、例えばアルカリ性洗浄液を50℃以上に加熱してチャンバー内にアルカリ性洗浄液の噴射を行うことで、殺菌効果も期待できる。このとき、無菌水供給配管15は殺菌剤を供給しなくても殺菌することができる。
チャンバー1内に噴射される殺菌剤は、図4に示すように、チャンバー1の底部に設けられた排出口18に集められ、集められた殺菌剤は殺菌剤回収装置19により回収される。殺菌剤回収装置19は殺菌剤回収ポンプ20及び回収殺菌剤貯留タンク21を備えている。殺菌剤は、チャンバー1の底部に設けられた排出口18から殺菌剤回収ポンプ20により回収殺菌剤貯留タンク21に送られて貯留される。
回収殺菌剤貯留タンク21に貯留された殺菌剤は、殺菌剤回収装置19に設けられる回収殺菌剤供給ポンプ22により殺菌剤供給タンク11に供給され、無菌水供給配管15内の殺菌に再利用される。また、回収される殺菌剤は無菌水供給配管15内に殺菌と同時にチャンバー1内に噴射され、チャンバー1内のSOP処理にも再利用される。
図5に示すように、回収殺菌剤貯留タンク21には過酢酸濃度調整装置23が備えられると好適である。過酢酸濃度調整装置23は回収殺菌剤中の過酢酸の濃度を測定する過酢酸濃度測定装置24が備えられ、過酢酸の濃度が下がり、回収殺菌剤の過酢酸濃度が500mg/L近傍となった場合は、回収殺菌剤の一部を回収殺菌剤排出ポンプ25により排出して廃棄し、高濃度の過酢酸を有する新たな殺菌剤を殺菌剤貯留タンク26から、回収殺菌剤貯留タンク21に貯留される殺菌剤中の過酢酸が適当な濃度となるまで、新たな過酢酸を含む殺菌剤を過酢酸濃度調整ポンプ27により回収殺菌剤貯留タンク21に加える。過酢酸濃度調整装置23により、無菌水供給配管15内を殺菌する殺菌剤中の過酢酸濃度は常に適正に保たれる。すなわち、殺菌剤中の過酢酸の濃度は500mg/L〜5000mg/Lの範囲となるように調整される。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々変更可能である
1…チャンバー
10…無菌水製造装置
11…殺菌剤供給タンク
12…無菌水供給側バルブ
13…殺菌剤供給側バルブ
15…無菌水供給配管
16…無菌水貯留タンク
17…無菌水貯留タンク側バルブ
19…殺菌剤回収装置
23…過酢酸濃度調整装置

Claims (14)

  1. 殺菌された容器に殺菌された内容物を無菌雰囲気で充填し、前記内容物が充填された前記容器を密封する無菌充填機であって、当該無菌充填機を構成する部位ごとに遮蔽するチャンバーを有する前記無菌充填機において、
    前記チャンバー内に無菌水を供給する無菌水供給配管に殺菌剤を流し、前記チャンバー内に前記無菌水を噴射する無菌水噴射ノズルから前記殺菌剤を前記チャンバー内に噴射することを特徴とする無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法。
  2. 請求項1に記載の無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法において、
    前記殺菌剤を殺菌剤供給側バルブから前記無菌水供給配管に流すとき、前記無菌水を供給する無菌水供給側バルブに殺菌剤が到達するように、前記殺菌剤を前記無菌水供給配管に供給することを特徴とする無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法。
  3. 請求項1に記載の無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法において、
    前記無菌水を製造する無菌水製造装置から前記無菌水供給配管に前記無菌水を供給する無菌水供給側バルブ及び前記無菌水供給配管に前記殺菌剤を供給する殺菌剤供給側バルブに熱水又は加熱水蒸気を流すことにより前記無菌水供給側バルブ及び前記無菌水供給側バルブから前記殺菌剤供給側バルブまでの配管を殺菌することを特徴とする無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法において、
    前記無菌水を流すとき、前記無菌水供給配管内の圧力が、閉じられた前記殺菌剤供給側バルブより上流側の配管圧力よりも高いことを特徴とする無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法において、
    前記チャンバー内に噴射された前記殺菌剤を回収し、回収された前記殺菌剤を、再利用することを特徴とする無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法において、
    前記殺菌剤が過酢酸、過酸化水素又はアルカリ性薬剤のいずれかを含むことを特徴とする無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法。
  7. 請求項6に記載の無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法において、
    前記過酢酸の濃度が500mg/L〜5000mg/Lであることを特徴とする無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法。
  8. 請求項7に記載の無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法において、
    前記過酢酸の濃度を測定し、前記過酢酸の濃度を500mg/L〜5000mg/Lに保持することを特徴とする無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法。
  9. 殺菌された容器に殺菌された内容物を充填し、前記内容物が充填された前記容器を密封する無菌充填機であって、当該無菌充填機を構成する部位ごとに遮蔽するチャンバーを有する前記無菌充填機において、
    前記チャンバー内に無菌水を供給する無菌水供給配管、前記無菌水供給配管への前記無菌水の供給を制御する無菌水供給側バルブ、前記無菌水供給配管に殺菌剤を供給する殺菌剤供給装置、前記無菌水供給配管への前記殺菌剤の供給を制御する殺菌剤供給側バルブ、前記チャンバー内に前記殺菌剤又は前記無菌水を噴射する無菌水噴射ノズルが設けられることを特徴とする無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置。
  10. 請求項9に記載の無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置において、
    前記無菌水供給側バルブから前記殺菌剤供給側バルブに熱水又は加熱水蒸気を流す熱水又は加熱水蒸気供給装置を設けることを特徴とする無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置において、
    前記無菌水を前記無菌水供給配管に流すとき、前記無菌水供給配管内の圧力が、閉じられた前記殺菌剤供給側バルブより上流側の配管圧力よりも高くなるように前記殺菌剤供給側バルブより上流側に大気開放バルブを設けることを特徴とする無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置。
  12. 請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置において、
    前記無菌水噴射ノズルから噴射される前記殺菌剤を回収する殺菌剤回収装置が設けられることを特徴とする無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置。
  13. 請求項12に記載の無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置において、
    前記殺菌剤回収装置が、前記チャンバーの底部に設けられた排出口から前記殺菌剤を回収する殺菌剤回収ポンプ、及び回収された殺菌剤を貯留する回収殺菌剤貯留タンクを備えることを特徴とする無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置。
  14. 請求項13に記載の無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置において、
    前記回収殺菌剤貯留タンクが、前記殺菌剤中の過酢酸濃度を500mg/L〜5000mg/Lに保持する過酢酸濃度調整装置を備え、当該過酢酸濃度調整装置が前記回収殺菌剤貯留タンクに貯留された前記殺菌剤中の過酢酸濃度を測定する過酢酸濃度測定装置及び測定された濃度に基づき、過酢酸の濃度を調整する過酢酸濃度調整ポンプを備えることを特徴とする無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌装置。
JP2019148953A 2019-08-14 2019-08-14 無菌充填機の無菌水供給配管内殺菌方法及び殺菌装置 Active JP7434749B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019148953A JP7434749B2 (ja) 2019-08-14 2019-08-14 無菌充填機の無菌水供給配管内殺菌方法及び殺菌装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019148953A JP7434749B2 (ja) 2019-08-14 2019-08-14 無菌充填機の無菌水供給配管内殺菌方法及び殺菌装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021031066A true JP2021031066A (ja) 2021-03-01
JP7434749B2 JP7434749B2 (ja) 2024-02-21

Family

ID=74677196

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019148953A Active JP7434749B2 (ja) 2019-08-14 2019-08-14 無菌充填機の無菌水供給配管内殺菌方法及び殺菌装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7434749B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7245453B1 (ja) 2021-10-14 2023-03-24 大日本印刷株式会社 内容物充填システム及び殺菌方法
JP2023059278A (ja) * 2021-10-14 2023-04-26 大日本印刷株式会社 内容物充填システム及び殺菌方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11208782A (ja) * 1998-01-23 1999-08-03 Dainippon Printing Co Ltd 充填機の滅菌方法及びその滅菌装置
JP2018135134A (ja) * 2017-02-22 2018-08-30 大日本印刷株式会社 無菌充填機及び無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6696516B2 (ja) 2018-01-16 2020-05-20 大日本印刷株式会社 飲料充填装置の洗浄・殺菌方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11208782A (ja) * 1998-01-23 1999-08-03 Dainippon Printing Co Ltd 充填機の滅菌方法及びその滅菌装置
JP2018135134A (ja) * 2017-02-22 2018-08-30 大日本印刷株式会社 無菌充填機及び無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7245453B1 (ja) 2021-10-14 2023-03-24 大日本印刷株式会社 内容物充填システム及び殺菌方法
WO2023063421A1 (ja) * 2021-10-14 2023-04-20 大日本印刷株式会社 内容物充填システム及び殺菌方法
JP2023059187A (ja) * 2021-10-14 2023-04-26 大日本印刷株式会社 内容物充填システム及び殺菌方法
JP2023059278A (ja) * 2021-10-14 2023-04-26 大日本印刷株式会社 内容物充填システム及び殺菌方法
JP7388579B2 (ja) 2021-10-14 2023-11-29 大日本印刷株式会社 内容物充填システム及び殺菌方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7434749B2 (ja) 2024-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7434749B2 (ja) 無菌充填機の無菌水供給配管内殺菌方法及び殺菌装置
JPH11342919A (ja) 殺菌処理方法及び殺菌処理装置
JP7173215B2 (ja) 無菌充填機及び無菌充填機の充填バルブの冷却方法
CN112512955B (zh) 无菌填充机及其净化方法
JP2021191697A (ja) 無菌充填機及び無菌充填方法
JP2022160705A (ja) 殺菌方法
JP6927359B2 (ja) 無菌充填機及びその浄化方法
JP6729671B2 (ja) 無菌充填機チャンバー内の殺菌方法
JP2023055367A (ja) 無菌充填機の無菌水供給配管内の殺菌方法及び殺菌装置
JP6970393B2 (ja) 無菌充填機チャンバー内の殺菌方法
JP6970395B2 (ja) 無菌充填機チャンバー内の殺菌方法
JP6970394B2 (ja) 無菌充填機チャンバー内の殺菌方法
WO2023032754A1 (ja) 密封容器外面洗浄装置の洗浄方法及び無菌充填機
JP7365586B2 (ja) 殺菌方法
JP7300116B2 (ja) 内容物充填システム及び殺菌方法
JP2023178673A (ja) 無菌水の再利用方法及び無菌水を再利用する無菌充填機
JP2018135146A (ja) 無菌充填方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7434749

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150