JP2021030884A - 演算装置 - Google Patents

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貴弘 稲垣
Takahiro Inagaki
貴弘 稲垣
知昭 森本
Tomoaki Morimoto
知昭 森本
司朗 門崎
Shiro Kadosaki
司朗 門崎
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Abstract

【課題】横加速度及び前後加速度の両方を考慮して移動経路を生成することが可能な演算装置を提供する。【解決手段】演算装置は、車両の自動運転制御を実行する際に用いられる移動経路を演算する装置である。演算装置は、G−Gダイアグラムと、ジャーク最小モデルに基く4次以上の関数とに基いて、目標前後加速度の時間に対する変化を表す第1時系列データと、目標横加速度の時間に対する変化を表す第2時系列データとを演算する。演算装置は、第1時系列データ及び第2時系列データをそれぞれ積分することにより移動経路を求める。【選択図】図4

Description

本発明は、車両の自動運転制御を実行する際に用いられる移動経路を演算する演算装置に関する。
従来より、自動運転制御(例えば、運転支援制御)を行う際の車両の移動経路を生成する演算装置が知られている。従来から知られる演算装置の一つ(以下、単に「従来装置」と称呼する。)は、車両の横方向の加速度(以降、「横加速度」と称呼する。)の特性をカーブ路に対応した所定の2次以上の時間関数の横加速度特性で設定し、当該設定された横加速度特性を積分することにより移動経路を生成する(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2015−114744号公報
久代育生、鈴木桂輔、「ジャーク最小モデルに基づく熟練運転者の操舵パターンの数学モデル」、自動車技術会論文集、2016、47巻5号、p1103-1110
従来装置は、上述の演算により、横加速度を滑らか推移させる移動経路を生成する。しかし、自動運転制御においては、横加速度だけでなく、車両の前後方向の加速度(以降、「前後加速度」と称呼する。)も考慮した移動経路の生成が求められる。
本発明は、上記課題を解決するためになされた。即ち、本発明の目的の一つは、横加速度及び前後加速度の両方を考慮して移動経路を生成することが可能な演算装置を提供することである。
本発明の演算装置(以下、「本発明装置」と称呼される場合がある。)は、車両(VA)の自動運転制御を実行する際に用いられる移動経路を演算する装置(300)である。
当該演算装置は、
前記自動運転制御における前記車両の前後方向の加速度(Gx)の目標値である目標前後加速度と、前記自動運転制御における前記車両の横方向の加速度(Gy)の目標値である目標横加速度との関係を表したG−Gダイアグラムと、ジャーク最小モデルに基く4次以上の関数(4次関数(1)、5次関数(2))とに基いて、前記目標前後加速度の時間に対する変化を表す第1時系列データと、前記目標横加速度の時間に対する変化を表す第2時系列データとを演算し、
前記第1時系列データ及び前記第2時系列データをそれぞれ積分することにより前記移動経路を求める
ように構成されている。
本発明装置は、自動運転制御における移動経路として、横加速度及び前後加速度の両方を考慮した経路を生成することができる。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記名称及び/又は符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る自動運転制御装置の概略構成図である。 図1に示した自動運転ECUの機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る演算装置の概略構成図である。 第1方式(ペダル先導方式)によって移動経路情報及び目標車速情報を求める流れを説明するための図である。 第2方式(ステアリング先導方式)によって移動経路情報及び目標車速情報を求める流れを説明するための図である。 第3方式(ペダル及びステアリング先導方式)によって移動経路情報及び目標車速情報を求める流れを説明するための図である。
(自動運転制御装置の構成)
本発明の実施形態に係る自動運転制御装置は、図1に示したように、車両VAに適用される。自動運転制御装置は、自動運転ECU10、エンジンECU20、ブレーキECU30、及び、電動パワーステアリングECU(以降、「EPS・ECU」と称呼する。)40を備えている。なお、これらのECUの幾つか又は全部が一つのECUに統合されてもよい。
これらのECUは、マイクロコンピュータを主要部として備える電気制御装置(Electric Control Unit)であり、図示しないCAN(Controller Area Network)を介して相互に情報を送信可能及び受信可能に接続されている。本明細書において、マイクロコンピュータは、CPU、RAM、ROM、不揮発性メモリ及びインタフェース(I/F)等を含む。CPUはROMに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現する。
自動運転ECU10は、以下に列挙する走行状態センサ11に接続されていて、これらのセンサの検出信号又は出力信号を受信するようになっている。なお、各センサは、自動運転ECU10以外のECUに接続されていてもよい。その場合、自動運転ECU10は、センサが接続されたECUからCANを介してそのセンサの検出信号又は出力信号を受信する。
走行状態センサ11は、車速センサ11a、位置センサ11b、及び、舵角センサ11cを含む。
車速センサ11aは、車両VAの走行速度(車速)を検出し、車速Vsを表す信号を出力するようになっている。
位置センサ11bは、GPS信号を受信するGPS受信機を含む。GPS受信機は、車両VAの現在の位置Pnowに関する情報を出力するようになっている。
舵角センサ11cは、車両VAの舵角θsを検出し、舵角θsを表す信号を出力するようになっている。舵角θsの値は、車両VAが基準走行方向から第1方向(例えば、左方向)に旋回した場合に正の値となり、車両VAが基準走行方向から第1方向とは反対の第2方向(例えば、右方向)に旋回した場合に負の値になる。なお、基準走行方向とは、車両が直進走行する際の方向であり、舵角θsがゼロとなる方向である。
なお、走行状態センサ11は、慣性計測ユニット(IMU)を含んでもよい。IMUは、慣性加速度に基いて、車両VAの位置、車両VAの移動方向及び車両VAの車速等に関する情報を出力する。
エンジンECU20は、アクセルペダル操作量センサ21に接続されている。アクセルペダル操作量センサ21は、アクセルペダル71に設けられている。アクセルペダル操作量センサ21は、アクセルペダル71の操作量(例えば、アクセル開度[%]。以降、「アクセル操作量」と称呼する。)APを検出し、アクセル操作量APを表す信号をエンジンECU20に出力するようになっている。
更に、エンジンECU20は、エンジンアクチュエータ22に接続されている。エンジンアクチュエータ22は、火花点火・ガソリン燃料噴射式・内燃機関23のスロットル弁の開度を変更するスロットル弁アクチュエータを含む。エンジンECU20は、車速Vs及びアクセル操作量AP等に基いてエンジンアクチュエータ22を駆動することによって、内燃機関23が発生するトルクを変更することができる。内燃機関23が発生するトルクは、変速機(図示略)を介して駆動輪に伝達される。従って、エンジンECU20は、エンジンアクチュエータ22を制御することによって、車両の駆動力を制御し加速状態(加速度)を変更することができる。
なお、車両が、ハイブリッド車両である場合、エンジンECU20は、車両駆動源としての「内燃機関及び電動機」の何れか一方又は両方によって発生する車両の駆動力を制御することができる。更に、車両が電気自動車である場合、エンジンECU20は、車両駆動源としての電動機によって発生する車両の駆動力を制御することができる。
ブレーキECU30は、ブレーキペダル操作量センサ31に接続されている。ブレーキペダル操作量センサ31は、ブレーキペダル72に設けられている。ブレーキペダル操作量センサ31は、ブレーキペダル72の操作量(以降、「ブレーキ操作量」と称呼する。)BPを検出し、ブレーキ操作量BPを表す信号を出力するようになっている。
更に、ブレーキECU30は、ブレーキアクチュエータ32に接続されている。車輪に対する制動力(制動トルク)は、ブレーキアクチュエータ32によって制御される。ブレーキECU30は、ブレーキ操作量BPに基いてブレーキアクチュエータ32を制御することによって、車輪に対する制動力を変更することができる。従って、ブレーキECU30は、ブレーキアクチュエータ32を制御することによって、車両の制動力を制御し加速状態(減速度、即ち、負の加速度)を変更することができる。
EPS・ECU40は、操舵トルクセンサ41に接続されている。操舵トルクセンサ41は、車両VAの図示しないステアリングシャフトに設けられている。操舵トルクセンサ41は、操舵ハンドルSWが操作(回転)されることにより操舵ハンドルSWに付与された操舵量(即ち、操舵トルクTr)を検出し、操舵トルクTrを示す信号をEPS・ECU40に出力する。操舵トルクTrが右回りであるか左回りであるかは、符号(正負)によって特定される。
更に、EPS・ECU40は、転舵用モータ(M)42に接続されている。転舵用モータ42は、「操舵ハンドルSW、操舵ハンドルSWに連結されたステアリングシャフト及び操舵用ギア機構等を含むステアリング機構」に組み込まれている。EPS・ECU40は、操舵トルクTrに基いて転舵用モータ42を駆動することによって、車両VAの転舵輪の舵角を変更する。
自動運転ECU10は、ステアリングアクチュエータ(ステアリングロボット)50に接続されている。ステアリングアクチュエータ50は、操舵ハンドルSWに取付けられている。ステアリングアクチュエータ50は、車両VAの舵角を変更するために操舵ハンドルSWを回転させるトルクを発生させるアクチュエータである。このようなステアリングアクチュエータは公知である(例えば、米国特許出願公開第2012/0179295号明細書及び特開2016−55787号公報等を参照。)。
更に、自動運転ECU10は、ペダルアクチュエータ(ペダルロボット)60に接続されている。ペダルアクチュエータ60は、アクセルペダル71及びブレーキペダル72に取付けられている。ペダルアクチュエータ60は、車両VAを加速及び減速するために、運転者の代わりにアクセルペダル71及びブレーキペダル72のそれぞれの押圧操作を行うアクチュエータである。このようなペダルアクチュエータは公知である(例えば、特開2010−91519号公報及び特開2017−20974号公報等を参照。)。
(自動運転制御)
次に、自動運転制御について説明する。自動運転制御は、ステアリング制御及びペダル制御を含む。図2に示すように、自動運転ECU10は、自動運転制御を実行するための機能上の構成要素として、走行試験情報格納部201と、ステアリング制御部202と、ペダル制御部203とを備えている。
走行試験情報格納部201は、車両VAが走行すべき移動経路(目標位置)に関する移動経路情報、及び、車両VAが追従すべき車速(目標車速)に関する目標車速情報を格納している。
移動経路情報においては、車両VAの目標位置が、予め規定されたx−y座標により定義される。x軸は、車両VAの前後方向に延びる軸であって、前方を正の値として有する座標軸である。y軸は、x軸と直交する軸であって、車両VAの左方向を正の値として有する座標軸である。x軸及びy軸の原点は、走行試験の開始時の車両VAの所定の位置(例えば、車両VAの前端部の車幅方向中心位置)である。
移動経路情報及び目標車速情報は互いに関付けられている。例えば、移動経路上のある目標位置と、その目標位置での目標車速とが互いに関連付けられてる。
ステアリング制御部202は、ステアリング制御を実行するように構成される。具体的には、ステアリング制御部202は、走行試験情報格納部201から移動経路情報(即ち、目標位置)を取得する。更に、ステアリング制御部202は、位置センサ11bから車両VAの現時点の位置Pnowの情報を取得する。ステアリング制御部202は、車両VAの位置Pnowと目標位置との偏差を演算し、当該演算された偏差に基いて補正操舵量Stを演算する。補正操舵量の演算処理は、様々な公知の方法の一つにより行われる(例えば、特開2016−55787号公報を参照。)。ステアリング制御部202は、補正操舵量Stに応じてステアリングアクチュエータ50を駆動し、以て、車両VAの位置を目標位置に一致させる(即ち、ステアリング制御を実行する。)。
ペダル制御部203は、ペダル制御を実行するように構成される。具体的には、ペダル制御部203は、走行試験情報格納部201から目標車速情報を取得する。更に、ペダル制御部203は、車速センサ11aから車両VAの現時点の車速Vsを取得する。ペダル制御部203は、車両VAの車速Vsと目標車速との偏差を演算し、当該演算された偏差に基いてアクセルペダル71又はブレーキペダル72に対する補正操作量Pmを演算する。補正操作量の演算処理は、様々な公知の方法の一つにより行われる(例えば、特開2017−20974号公報を参照。)。ペダル制御部203は、補正操作量Pmに応じてペダルアクチュエータ60を駆動し、以て、車両VAの車速を目標車速に一致させる(即ち、ペダル制御を実行する。)。
(演算装置の構成)
次に、上述した移動経路情報及び目標車速情報を演算及び出力する演算装置について説明する。図3に示すように、演算装置300は、CPU301と、RAM302と、ROM303と、ハードディスク(HDD)304と、I/Oインタフェース305とを備える。
演算装置300は、I/Oインタフェース305を介して入力装置310及び出力装置320に接続されている。入力装置310は、ユーザからの各種要求を受け付ける装置であり、キーボード及びマウスを含む。出力装置320は、演算装置300が行った処理結果を出力するディスプレイを含む。
ROM303は、CPU301が実行するプログラムを格納している。ROM303は、第1モジュール303aと、第2モジュール303bと、第3モジュール303cとを格納している。
HDD304は、CPU301が移動経路情報及び目標車速情報を演算する際に用いる各種データ304aを格納している。データ304aは、後述するG−Gダイアグラムに関するデータ、及び、後述するジャーク最小モデルの数式に関するデータ等を含む。
(演算装置の処理内容)
CPU301(以降において、単に「CPU」と称呼する。)は、ROM303に格納されている各モジュールを読み出して実行することにより、図4乃至図6に示す処理を実行するようになっている。このとき、CPUは、HDD304から、G−Gダイアグラムに関するデータ及びジャーク最小モデルの数式に関するデータを読み出す。以下、これらのデータについて説明する。
・G−Gダイアグラム
G−Gダイアグラムは、車両前後方向の加速度(以降、「前後加速度Gx」と称呼する。)及び車両横方向の加速度(以降、「横加速度Gy」と称呼する。)の推移を座標平面上に表現したものである。このようなG−Gダイアグラムは周知である。
図4乃至図6に示すように、本例のG−Gダイアグラムにおいては、横方向の軸が前後加速度Gxの軸として定義され、縦方向の軸が横加速度Gyの軸として定義されている。更に、車両VAの前方向に働く前後加速度Gxを正とし、車両VAの左方向に働く横加速度Gyを正とする。
本例におけるG−Gダイアグラムでは、自動運転制御における車両VAの前後加速度Gxの目標値である目標前後加速度と、自動運転制御における車両VAの横加速度Gyの目標値である目標横加速度との関係が示されている。より具体的には、G−Gダイアグラムでは、目標前後加速度と目標横加速度との関係が楕円方程式により定義されている。
なお、図4乃至図6においては、演算装置300の処理内容を説明するためにG−Gダイアグラムの一部のみが示されている。
・ジャーク最小モデル
従来より、人間の動きを近似する方法として、ジャーク最小モデルが知られている。更に、運転者の操舵操作及びペダル操作等がジャーク最小モデルにより再現できることが知られている(例えば、非特許文献1を参照。)。
本実施形態においては、ペダル操作(即ち、前後加速度Gxの時間に対する変化)及び操舵操作(即ち、横加速度Gyの時間に対する変化)が、ジャーク最小モデルに基いて表現される。
具体的には、前後加速度Gxの時間に対する変化及び横加速度Gyの時間に対する変化等は、ジャーク最小モデルに基いて以下の4次関数(1)又は5次関数(2)により定義される。
Figure 2021030884
ここで、Afは、対象の振幅を表す。例えば、前後加速度Gxの時間に対する変化を上述の関数で定義する場合、Afは、対象の前後加速度Gxの振幅である。τは、時間を表し、具体的には、「操作の開始から終了までの時間」を「0から1までの範囲の値」になるように正規化したものである。
次に、移動経路情報及び目標車速情報を求める流れを、図4乃至図6を参照して説明する。ユーザは、入力装置310を用いて、以下に述べる第1方式乃至第3方式の何れかを選択する。
1.第1方式(ペダル先導方式)
ユーザが第1方式を選択した場合、CPUは、ROM303に格納されている第1モジュール303aを実行することにより、以下のように移動経路情報及び目標車速情報を求める。この第1方式は、前後加速度Gxの時系列変化を先に決定することから、「ペダル先導方式」とも称呼される。
図4に示すように、CPUは、まず、上述したジャーク最小モデルの5次関数(2)を用いて、前後加速度Gxの時間に対する変化(時系列変化)を定義する。以降において、前後加速度Gxの時間に対する変化(時系列変化)は、「第1時系列データ」と称呼される場合がある。
次に、CPUは、G−Gダイアグラム上の楕円方程式及び前後加速度Gxの5次関数(2)から、横加速度Gyの時間に対する変化(時系列変化)を求める。CPUは、前後加速度Gxの5次関数(2)により求められた前後加速度Gxの値を楕円方程式に代入することにより、横加速度Gyの値を求めることができる。以降において、横加速度Gyの時間に対する変化(時系列変化)は、「第2時系列データ」と称呼される場合がある。
CPUは、第1時系列データ及び第2時系列データをそれぞれ2回積分することにより、目標位置の時間に対する変化(時系列変化)を求める。なお、目標位置は、走行試験の開始時の車両VAの位置を原点として、上述したx−y座標により表現される。更に、CPUは、第1時系列データを1回積分することにより、目標車速の時間に対する変化(時系列変化)を求める。
なお、CPUは、第2時系列データにおいて横加速度Gyが最大になる点(即ち、前後加速度Gxが「0」になる点)において移動経路として任意の定常円旋回を導入してもよい。
図3に示すように、CPUは、目標位置の時系列変化のデータを移動経路情報として出力する。更に、CPUは、目標車速の時系列変化のデータを目標車速情報として出力する。なお、CPUは、移動経路情報及び目標車速情報を出力装置320に表示してもよい。
2.第2方式(ステアリング先導方式)
ユーザが第2方式を選択した場合、CPUは、ROM303に格納されている第2モジュール303bを実行することにより、以下のように移動経路情報及び目標車速情報を求める。この第2方式は、横加速度Gyの時系列変化を先に決定することから、「ステアリング先導方式」とも称呼される。
図5に示すように、CPUは、まず、上述したジャーク最小モデルの5次関数(2)を用いて、横加速度Gyの時間に対する変化(第2時系列データ)を定義する。
次に、CPUは、G−Gダイアグラム上の楕円方程式及び横加速度Gyの5次関数(2)から、前後加速度Gxの時間に対する変化(第1時系列データ)を求める。CPUは、横加速度Gyの5次関数(2)により求められた横加速度Gyの値を楕円方程式に代入することにより、前後加速度Gxの値を求めることができる。
CPUは、第1時系列データ及び第2時系列データをそれぞれ2回積分することにより、目標位置の時間に対する変化(時系列変化)を求める。更に、CPUは、第1時系列データを1回積分することにより、目標車速の時間に対する変化(時系列変化)を求める。
なお、第1方式と同様に、CPUは、第2時系列データにおいて横加速度Gyが最大になる点(即ち、前後加速度Gxが「0」になる点)において移動経路として任意の定常円旋回を導入してもよい。
図3に示すように、CPUは、目標位置の時系列変化のデータを移動経路情報として出力する。更に、CPUは、目標車速の時系列変化のデータを目標車速情報として出力する。なお、CPUは、移動経路情報及び目標車速情報を出力装置320に表示してもよい。
3.第3方式(ペダル及びステアリング先導方式)
ユーザが第3方式を選択した場合、CPUは、ROM303に格納されている第3モジュール303cを実行することにより、以下のように移動経路情報及び目標車速情報を求める。この第3方式は、前後加速度Gxの時系列変化及び横加速度Gyの時系列変化を同時に決定することから、「ペダル及びステアリング先導方式」とも称呼される。
図6に示すように、CPUは、まず、上述したジャーク最小モデルの4次関数(1)を用いて、G−Gダイアグラム上の楕円方程式上の点が移動する移動角速度ωを定義する。
次に、CPUは、G−Gダイアグラム上の楕円方程式及び移動角速度ωの4次関数(1)から、前後加速度Gxの時間に対する変化(第1時系列データ)及び横加速度Gyの時間に対する変化(第2時系列データ)を求める。
CPUは、第1時系列データ及び第2時系列データをそれぞれ2回積分することにより、目標位置の時間に対する変化(時系列変化)を求める。更に、CPUは、第1時系列データを1回積分することにより、目標車速の時間に対する変化(時系列変化)を求める。
なお、第1方式と同様に、CPUは、第2時系列データにおいて横加速度Gyが最大になる点(即ち、前後加速度Gxが「0」になる点)において移動経路として任意の定常円旋回を導入してもよい。
図3に示すように、CPUは、目標位置の時系列変化のデータを移動経路情報として出力する。更に、CPUは、目標車速の時系列変化のデータを目標車速情報として出力する。なお、CPUは、移動経路情報及び目標車速情報を出力装置320に表示してもよい。
なお、第1方式乃至第3方式によって得られた目標車速情報及び移動経路情報は、所定の方法(ネットワーク又は記憶媒体等)を介して、自動運転ECU10の走行試験情報格納部201に格納される。
以上説明したように、本実施形態に係る自動運転制御用の演算装置300は、G−Gダイアグラムと、ジャーク最小モデルに基く4次以上の関数(4次関数(1)、5次関数(2))とに基いて、目標前後加速度の時間に対する変化を表す第1時系列データと、目標横加速度の時間に対する変化を表す第2時系列データとを演算する。そして、演算装置300は、第1時系列データ及び第2時系列データをそれぞれ2回積分することにより自動運転制御における移動経路情報を求める。更に、演算装置300は、第1時系列データを1回積分することにより自動運転制御における目標車速情報を求める。従って、演算装置300は、自動運転制御における移動経路として、横加速度Gy及び前後加速度Gxの両方を考慮した経路を生成することができる。
更に、本願の発明者は、運転者が操舵操作及びペダル操作を以下の(a)乃至(c)のような方式で決定するとの知見を得た。
(a)運転者は、ペダル操作を決めてから操舵操作を決める(即ち、ペダル先導方式)。
(b)運転者は、操舵操作を決めてからペダル操作を決める(即ち、ステアリング先導方式)。
(c)運転者は、ペダル操作及び操舵操作を同時に決める(即ち、ペダル及びステアリング先導方式)。
このように運転者ごとに操舵操作及びペダル操作を決定する方法が異なる。上述の(a)乃至(c)は、それぞれ、第1方式乃至第3方式に対応する。
従って、自動運転制御を用いて同じ走行試験(即ち、同じG−Gダイアグラムを用いた試験)を行う場合でも、本実施形態に係る演算装置300は、運転者の個性(特性)に応じて移動経路情報及び目標車速情報を決定することができる。その結果、自動運転制御であっても、運転者の個性(特性)に応じた車両VAの挙動を走行試験の結果として得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
(変形例1)
自動運転制御装置は、ステアリングアクチュエータ50及びペダルアクチュエータ60を備えなくてもよい。自動運転ECU10は、ステアリング制御を行う場合、補正操舵量Stに対応する操舵トルクTrを演算し、当該操舵トルクTrに基いて転舵用モータ42を駆動する制御信号をEPS・ECU40に送信してもよい。
更に、自動運転ECU10は、車両VAを加速させる場合、アクセルペダル71に対する補正操作量Pmに対応するアクセル操作量APを演算し、当該アクセル操作量APに基いてエンジンアクチュエータ22を駆動する制御信号をエンジンECU20に送信してもよい。なお、車両VAを減速させる場合も同様である。自動運転ECU10は、ブレーキペダル72に対する補正操作量Pmに対応するブレーキ操作量BPを演算し、当該ブレーキ操作量BPに基いてブレーキアクチュエータ32を駆動する制御信号をブレーキECU30に送信してもよい。
(変形例2)
走行試験情報格納部201に格納される情報は、上述の例に限定されない。目標車速情報の代わりに、目標前後加速度情報及び目標横加速情報が格納されてもよい。従って、演算装置300により得られた第1時系列データ及び第2時系列データが、そのまま走行試験情報格納部201に格納されてもよい。この場合、自動運転ECU10は、実前後加速度と目標前後加速度との偏差及び実横加速度及び目標横加速度の偏差に基いて、ペダル制御及びステアリング制御を実行するように構成されてもよい。
10…自動運転ECU、20…エンジンECU、30…ブレーキECU、40…EPS・ECU、50…ステアリングアクチュエータ、60…ペダルアクチュエータ、201…走行試験情報格納部、202…ステアリング制御部、203…ペダル制御部、300…演算装置。

Claims (1)

  1. 車両の自動運転制御を実行する際に用いられる移動経路を演算する演算装置であって、
    前記自動運転制御における前記車両の前後方向の加速度の目標値である目標前後加速度と、前記自動運転制御における前記車両の横方向の加速度の目標値である目標横加速度との関係を表したG−Gダイアグラムと、ジャーク最小モデルに基く4次以上の関数とに基いて、前記目標前後加速度の時間に対する変化を表す第1時系列データと、前記目標横加速度の時間に対する変化を表す第2時系列データとを演算し、
    前記第1時系列データ及び前記第2時系列データをそれぞれ積分することにより前記移動経路を求める
    ように構成された演算装置。

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