JP2021030596A - 印刷装置 - Google Patents

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賢治 工藤
Kenji Kudo
賢治 工藤
若林 守
Mamoru Wakabayashi
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Abstract

【課題】印刷画質の低下を抑えつつ、ウェブの表面と裏面との間での印刷画像の整合精度の低下を抑制できる印刷装置印刷装置を提供する。【解決手段】印刷制御部66A,66Bは、それぞれエンコーダ22A,22Bの出力パルス信号に基づき、それぞれ印刷部23A,23Bにおけるインクの吐出タイミングを制御する。印刷制御部66Aは、印刷部23Aにおけるページごとの印刷開始タイミングを示す表面1ページ目印刷開始信号および表面ページ切替信号を生成してこれらを印刷制御部66Bに出力する。印刷制御部66Bは、表面1ページ目印刷開始信号および表面ページ切替信号に基づき、印刷部23Bにおけるページごとの印刷開始タイミングを制御するとともに、裏面のページ長さが表面のページ長さに合うように裏面に印刷する画像を補正する。【選択図】図3

Description

本発明は、ウェブに印刷する印刷装置に関する。
長尺状のウェブを印刷媒体として搬送しつつ、インクジェットヘッドからウェブにインクを吐出して画像を印刷する印刷装置が知られている。
また、この種の印刷装置として、ウェブの表面用の印刷部と、ウェブの搬送方向における表面用の印刷部の下流側に配置された裏面用の印刷部とを備え、ウェブの両面に印刷可能なものがある(特許文献1参照)。
また、上記のような両面印刷可能な印刷装置として、表面用の印刷部および裏面用の印刷部が、相互に異なる色のインクを吐出する複数のインクジェットヘッドをそれぞれ有するものがある。ここで、各印刷部における複数のインクジェットヘッドは、ウェブの搬送方向に並列して配置されている。
このような印刷装置では、搬送されるウェブに同期して回転するローラに接続されたエンコーダの出力パルス信号に基づき、各インクジェットヘッドにおけるインクの吐出タイミングを制御することが行われている。
特開2003−63072号公報
上述のような吐出タイミング制御では、エンコーダから遠いインクジェットヘッドほど、ウェブの伸縮等の影響により、インクの着弾位置の精度が低下する。このため、例えば、エンコーダが表面用の印刷部の上流側近傍に配置されている場合、エンコーダから遠い裏面用の印刷部において、インクの着弾精度の低下によるインクジェットヘッド間のインクの着弾位置のずれが生じるおそれがある。すなわち、裏面の印刷画像において色ずれが生じ、印刷画質が低下するおそれがある。
これに対し、表面用の印刷部および裏面用の印刷部のそれぞれの近傍のローラにエンコーダを設置し、それらのエンコーダを用いて、それぞれの印刷部におけるインクの吐出タイミングを制御すれば、上述のような裏面における色ずれを抑えることができる。
このように表面用、裏面用の2つのエンコーダを設ける場合、通常、エンコーダが設けられる2つのローラには、直径が互いに同じローラが用いられる。しかし、その2つのローラの外周長が、メカ公差により互いに異なっていることがある。
このため、表面用の印刷部の位置と裏面用の印刷部の位置とで、それぞれに対応するエンコーダの出力パルス数に応じたウェブの搬送量が互いに異なることがある。これにより、ウェブの表面と裏面との間で、1ページ分の画像の長さの差やページの位置ずれといった印刷画像の整合精度の低下が生じることがある。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、印刷画質の低下を抑えつつ、ウェブの表面と裏面との間での印刷画像の整合精度の低下を抑制できる印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の印刷装置は、搬送されるウェブの第1面に印刷する第1印刷部と、ウェブの搬送方向における前記第1印刷部の下流側に配置され、搬送されるウェブの第2面に印刷する第2印刷部と、搬送されるウェブに同期して回転する第1ローラおよび第2ローラと、前記第1ローラの回転角度に応じてパルス信号を出力する第1エンコーダと、前記第2ローラの回転角度に応じてパルス信号を出力する第2エンコーダと、前記第1エンコーダの出力パルス信号に基づき前記第1印刷部における印刷タイミングを制御する第1印刷制御部と、前記第2エンコーダの出力パルス信号に基づき前記第2印刷部における印刷タイミングを制御する第2印刷制御部とを備え、前記第1印刷制御部は、前記第1印刷部におけるページごとの印刷開始タイミングを示すページ開始信号を生成して前記ページ開始信号を前記第2印刷制御部に出力し、前記第2印刷制御部は、前記ページ開始信号に基づき、前記第2印刷部におけるページごとの印刷開始タイミングを制御するとともに、前記第2面の1ページ分の画像の前記搬送方向における長さであるページ長さが前記第1面のページ長さに合うように前記第2面に印刷する画像を補正することを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、印刷画質の低下を抑えつつ、ウェブの表面と裏面との間での印刷画像の整合精度の低下を抑制できる。
第1実施形態に係る印刷システムの概略構成図である。 図1に示す印刷システムの制御ブロック図である。 図1に示す印刷システムの印刷装置が有する印刷装置制御部の構成を示すブロック図である。 図3に示す印刷装置制御部が有するヘッド制御部の構成を示すブロック図である。 印刷開始信号、表面1ページ目印刷開始信号、および表面ページ切替信号の説明図である。 表面のページごとの印刷開始タイミングの説明図である。 裏面のページごとの印刷開始タイミングの説明図である。 裏面のページごとの印刷開始タイミングの説明図である。 ウェブの表面と裏面との間のページの位置ずれの説明図である。 白スジが発生した画像の一例を示す図である。 画像切れによりトンボの画像の一部が欠けた状態を示す図である。 白スジによりトンボの画像が途中で切れた状態を示す図である。 第2実施形態に係る印刷システムの概略構成図である。 第2実施形態におけるヘッド制御部の構成を示すブロック図である。 マークが付されたウェブを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る印刷装置を備えた印刷システムの概略構成図である。図2は、図1に示す印刷システムの制御ブロック図である。図3は、図1に示す印刷システムの印刷装置が有する印刷装置制御部の構成を示すブロック図である。図4は、印刷装置制御部が有するヘッド制御部の構成を示すブロック図である。以下の説明において、図1の紙面に直交する方向を前後方向とする。また、図1における紙面の上下左右を上下左右方向とする。
図1、図2に示すように、第1実施形態に係る印刷システム1は、巻出装置2と、印刷装置3と、巻取装置4とを備える。
巻出装置2は、フィルム、紙等からなる長尺状の印刷媒体であるウェブWを印刷装置3へ巻き出す。巻出装置2は、ウェブロール支持軸11と、ブレーキ12と、巻出装置制御部13とを備える。
ウェブロール支持軸11は、ウェブロール16を回転可能に支持する。ウェブロール16は、ウェブWがロール状に巻かれたものである。
ブレーキ12は、ウェブロール支持軸11にブレーキをかける。これにより、ウェブロール16と後述する印刷装置3の搬送ローラ42との間のウェブWに張力が付与される。
巻出装置制御部13は、ブレーキ12を制御する。巻出装置制御部13は、CPU、メモリ、ハードディスク等を備えて構成される。
印刷装置3は、ウェブロール16から巻き出されたウェブWを搬送しつつ、ウェブWに画像を印刷する。印刷装置3は、搬送部21と、エンコーダ22A,22B(それぞれ第1エンコーダ、第2エンコーダに相当)と、印刷部23A,23B(それぞれ第1印刷部、第2印刷部に相当)と、印刷装置制御部24とを備える。なお、エンコーダ22A,22B等の符号におけるアルファベットの添え字を省略して総括的に表記することがある。
搬送部21は、ウェブロール16から巻き出されたウェブWを巻取装置4へ向けて搬送する。搬送部21は、エンコーダローラ31A,31B(それぞれ第1ローラ、第2ローラに相当)と、ガイドローラ32〜39と、20本のヘッド下ローラ40と、蛇行制御部41と、一対の搬送ローラ42と、搬送モータ43とを備える。
ここで、エンコーダローラ31A,31B、ガイドローラ32〜39、ヘッド下ローラ40、搬送ローラ42、および後述する蛇行制御部41の蛇行制御ローラ46,47により、搬送部21におけるウェブWの搬送経路Rが形成される。以下の説明における上流、下流は、搬送経路Rに沿ったウェブWの搬送方向における上流、下流を意味する。
エンコーダローラ31A,31Bは、それぞれ印刷部23A,23Bの上流側近傍においてウェブWをガイドするローラであって、それぞれエンコーダ22A,22Bが設置されたローラである。エンコーダローラ31A,31Bは、搬送されるウェブWに従動回転する。エンコーダローラ31A,31Bは、互いに同じ直径を有するように設計されたローラからなる。
ガイドローラ32〜39は、印刷装置3内で搬送されるウェブWをガイドするローラである。ガイドローラ32〜39は、搬送されるウェブWに従動回転する。
ガイドローラ32は、印刷装置3の下部の左端部に配置されている。ガイドローラ33は、ガイドローラ32と後述する蛇行制御部41の蛇行制御ローラ46との間に配置されている。ガイドローラ34は、後述する蛇行制御部41の蛇行制御ローラ47の左方のやや上方であって、エンコーダローラ31Aの下方の位置に配置されている。ガイドローラ35は、エンコーダローラ31A,31B間において、エンコーダローラ31Aとほぼ同じ高さで、印刷部23Aの下流側近傍に配置されている。
ガイドローラ36は、エンコーダローラ31Bとほぼ同じ高さで、印刷部23Bの下流側近傍に配置されている。ガイドローラ37は、ガイドローラ36の右下方に配置されている。ガイドローラ38は、ガイドローラ37のやや右側の下方に配置されている。ガイドローラ39は、ガイドローラ38の右方において、印刷装置3の下部の右端部に配置されている。
ヘッド下ローラ40は、エンコーダローラ31Aとガイドローラ35との間、およびエンコーダローラ31Bとガイドローラ36との間において、後述するヘッドユニット51の下でウェブWを支持する。エンコーダローラ31Aとガイドローラ35との間、およびエンコーダローラ31Bとガイドローラ36との間に、それぞれ10本ずつのヘッド下ローラ40が配置されている。そして、ヘッド下ローラ40は、各ヘッドユニット51の直下に2本ずつ配置されている。ヘッド下ローラ40は、搬送されるウェブWに従動回転する。
蛇行制御部41は、ウェブWの搬送方向に直交する幅方向(前後方向)における位置の変動である蛇行を補正するものである。蛇行制御部41は、蛇行制御ローラ46,47と、蛇行制御モータ48とを備える。
蛇行制御ローラ46,47は、ウェブWをガイドするとともに、ウェブWの蛇行を補正するためのローラである。蛇行制御ローラ46,47は、搬送されるウェブWに従動回転する。蛇行制御ローラ46,47は、左右方向から見て、ウェブWの幅方向に対して傾くように回動することで、ウェブWを幅方向に移動させて蛇行を補正する。蛇行制御ローラ46は、ガイドローラ33の右方に配置されている。蛇行制御ローラ47は、蛇行制御ローラ46の上方に配置されている。
蛇行制御モータ48は、左右方向に平行な回動軸回りに蛇行制御ローラ46,47を回動させる。
一対の搬送ローラ42は、ウェブWをニップしつつ、巻取装置4へ向けてウェブWを搬送する。一対の搬送ローラ42は、ガイドローラ38,39間に配置されている。
搬送モータ43は、搬送ローラ42を回転駆動させる。
エンコーダ22A,22Bは、それぞれエンコーダローラ31A,31Bに設置され、搬送されるウェブWに従動回転するエンコーダローラ31A,31Bの回転角度に応じてパルス信号を出力する。
印刷部23Aは、ウェブWの表面(第1面に相当)に画像を印刷する。印刷部23Aは、エンコーダローラ31Aとガイドローラ35との間のウェブWの上方近傍に配置されている。印刷部23Aは、ヘッドユニット51K,51C,51M,51Y,51Pを備える。
ヘッドユニット51K,51C,51M,51Y,51Pは、それぞれインクジェットヘッド56K,56C,56M,56Y,56Pを有する。ヘッドユニット51K,51C,51M,51Y,51Pは、ウェブWの搬送方向である副走査方向(左右方向)に並列して配置されている。このため、インクジェットヘッド56K,56C,56M,56Y,56Pも、副走査方向に並列して配置されている。
インクジェットヘッド56K,56C,56M,56Y,56Pは、それぞれブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、予備インク色のインクをウェブWに吐出して画像を印刷する。予備インク色としては、レッド、ライトシアン等が用いられる。
インクジェットヘッド56は、ウェブWに対向するインク吐出面に開口し、副走査方向に直交する主走査方向(前後方向)に沿って配置された複数のノズル(図示せず)を有し、ノズルからインクを吐出する。
印刷部23Bは、ウェブWの裏面(第2面に相当)に画像を印刷する。印刷部23Bは、印刷部23Aの下方において、エンコーダローラ31Bとガイドローラ36との間のウェブWの上方近傍に配置されている。すなわち、印刷部23Bは、印刷部23Aの最下流のインクジェットヘッド56の下流側に配置されている。印刷部23Bは、印刷部23Aと同様に、ヘッドユニット51K,51C,51M,51Y,51Pを備える。
印刷部23Bは、印刷部23Aを左右反転した構成である。印刷部23Bは、左右反転されている以外は、印刷部23Aと同様の構成である。
印刷装置制御部24は、印刷装置3の各部の動作を制御する。図3に示すように、印刷装置制御部24は、主制御部61と、搬送制御部62とを備える。
主制御部61は、印刷装置3全体の制御を司る。主制御部61は、印刷制御部66A,66B(それぞれ第1印刷制御部、第2印刷制御部に相当)を備える。
印刷制御部66A,66Bは、それぞれ印刷部23A,23Bを制御して画像を印刷させる。すなわち、印刷制御部66AはウェブWの表面側の印刷制御を行うものであり、印刷制御部66BはウェブWの裏面側の印刷制御を行うものである。印刷制御部66A,66Bには、それぞれエンコーダ22A,22Bの出力パルス信号が入力される。印刷制御部66A,66Bは、それぞれエンコーダ22A,22Bの出力パルス信号に基づき、それぞれ印刷部23A,23Bの各インクジェットヘッド56におけるインクの吐出タイミング(印刷タイミング)を制御する。
印刷制御部66A,66Bは、印刷動作時において、ウェブWの表裏で対応する各ページの印刷画像の位置を合わせるための表裏整合制御を行う。具体的には、印刷制御部66Aは、印刷部23Aにおける表面のページごとの印刷開始タイミングを示す後述の表面1ページ目印刷開始信号(ページ開始信号に相当)および表面ページ切替信号(ページ開始信号に相当)を生成し、これらを印刷制御部66Bに出力する。印刷制御部66Bは、表面1ページ目印刷開始信号および表面ページ切替信号に基づき、印刷部23Bにおける裏面のページごとの印刷開始タイミングを制御する。また、印刷制御部66Bは、裏面のページ長さが表面のページ長さに合うように裏面に印刷する画像を補正する。ここで、ページ長さは、ウェブWの搬送方向(副走査方向)における1ページ分の画像の長さである。
印刷制御部66Aは、ヘッド制御部67Ak,67Ac,67Am,67Ay,67Apを備える。ヘッド制御部67Ak,67Ac,67Am,67Ay,67Apは、それぞれ印刷部23Aのインクジェットヘッド56K,56C,56M,56Y,56Pの駆動を制御する。
印刷制御部66Bは、ヘッド制御部67Bk,67Bc,67Bm,67By,67Bpを備える。ヘッド制御部67Bk,67Bc,67Bm,67By,67Bpは、それぞれ印刷部23Bのインクジェットヘッド56K,56C,56M,56Y,56Pの駆動を制御する。
ヘッド制御部67は、CPU(Central Processing Unit)71,72と、FPGA(Field Programmable Gate Array)73と、メモリ74,75と、HDD(Hard Disk Drive)76とを備える。印刷制御部66A,66Bの各ヘッド制御部67は、いずれも同様の構成を有する。
CPU71は、外部装置から圧縮された画像データが入力されると、その画像データを伸長する処理を行う。
ここで、各ヘッド制御部67には、それぞれが制御するインクジェットヘッド56による印刷対象の圧縮された画像データが入力される。例えば、ヘッド制御部67Akには、ウェブWの表面に印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kによりブラックインクを吐出させるための画像データが入力される。また、例えば、ヘッド制御部67Bcには、ウェブWの裏面に印刷部23Bのインクジェットヘッド56Cよりシアンインクを吐出させるための画像データが入力される。
CPU72は、画像データとともに送信されてきたヘッダ情報をCPU71から受け取り、ヘッダ情報に基づき、FPGA73に各種の印刷設定を行う。ヘッダ情報は、ページサイズ、印刷解像度等の各種の印刷設定情報を含む。
ヘッド制御部67AkのCPU72は、ヘッダ情報が入力されると、搬送制御部62にウェブWの搬送開始の指示を行う。
また、ヘッド制御部67AkのCPU72は、ウェブWの搬送速度が所定の印刷搬送速度に達した後、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kの印刷開始タイミングになったことを通知するための印刷開始信号を、ヘッド制御部67AkのFPGA73に出力する。ここで、ヘッド制御部67AkのCPU72は、ウェブWの搬送開始からのエンコーダ22Aの出力パルス数が所定の印刷開始パルス数に達すると、図5に示す印刷開始信号をヘッド制御部67AkのFPGA73に出力する。印刷開始パルス数は、ウェブWの印刷搬送速度での定速搬送への移行後に設定されている印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kの印刷開始タイミングに応じた、ウェブWの搬送開始からのエンコーダ22Aの出力パルス数として予め設定されたものである。
FPGA73は、画像データに基づき、インクジェットヘッド56の各ノズルからインクを吐出させる。この際、FPGA73は、エンコーダ22の出力パルス信号に基づき、インクジェットヘッド56におけるインクの吐出タイミングを制御する。
ヘッド制御部67AkのFPGA73は、CPU72から印刷開始信号が入力されると、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kによる表面の1ページ目の印刷を開始させるとともに、表面1ページ目印刷開始信号を、印刷制御部66Aの他の各ヘッド制御部67(ヘッド制御部67Ac,67Am,67Ay,67Ap)および印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bkに出力する。表面1ページ目印刷開始信号は、印刷部23Aにおける表面の1ページ目の印刷開始タイミングを示すものであり、具体的には、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kによる表面の1ページ目の印刷開始タイミングを示すものである。
また、ヘッド制御部67AkのFPGA73は、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kによる各ページの印刷が完了するごとに、表面ページ切替信号を、印刷制御部66Aの他の各ヘッド制御部67および印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bkに出力する。表面ページ切替信号は、印刷部23Aにおける表面の2ページ目以降の印刷開始タイミングを示すものであり、具体的には、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kによる表面の2ページ目以降のページごとの印刷開始タイミングを示すものである。
また、ヘッド制御部67AkのFPGA73は、エンコーダ22Aの出力パルス信号を、印刷制御部66Aの他の各ヘッド制御部67に出力する。
印刷制御部66Aのヘッド制御部67Ak以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、ヘッド制御部67Akからの表面1ページ目印刷開始信号および表面ページ切替信号の入力タイミング、並びに、それぞれに対応するインクジェットヘッド56までの、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kからの搬送経路Rにおける距離に基づき、それぞれに対応するインクジェットヘッド56によるページごとの印刷開始タイミングを制御する。
ヘッド制御部67BkのFPGA73は、ヘッド制御部67Akからの表面1ページ目印刷開始信号および表面ページ切替信号の入力タイミング、並びに、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kから印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kまでの搬送経路Rにおける距離に基づき、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kによるページごとの印刷開始タイミングを制御する。
また、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、裏面のページ長さが表面のページ長さに合うように、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kで印刷する画像を補正する。
具体的には、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、エンコーダ22Aの出力パルス信号の平均パルス周期よりエンコーダ22Bの出力パルス信号の平均パルス周期の方が大きい場合、裏面のページ長さを縮小して表面のページ長さに一致させる。
この場合、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kが1ページ目に実際に印刷したライン数と、1ページ分の本来のライン数とに基づき、裏面縮小率を算出する。
ここで、1ページ目に実際に印刷したライン数は、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kによる裏面の1ページ目の印刷開始タイミングから、最初の表面ページ切替信号の入力タイミングに基づく裏面の2ページ目の印刷開始タイミングまでに印刷した主走査方向のライン数である。エンコーダ22Aよりエンコーダ22Bの方が出力パルス信号の平均パルス周期が大きい場合、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kが1ページ目に実際に印刷したライン数が、1ページ分の本来のライン数より少なくなる。
裏面縮小率は、裏面の印刷において、1ページ分の本来のライン数をページの切替タイミング(次ページの印刷開始タイミング)において印刷完了するための、副走査方向における裏面の1ページ分の画像の縮小率である。
ヘッド制御部67BkのFPGA73は、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kによる裏面の2ページ目以降の印刷制御において、裏面縮小率に基づき、エンコーダ22Bの出力パルス信号を補正して補正パルス信号を生成する。そして、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、補正パルス信号に基づき、インクジェットヘッド56Kにおけるインクの吐出タイミングを制御する。
ここで、エンコーダ22Aとエンコーダ22Bとの間の出力パルス信号の平均パルス周期の差は、エンコーダローラ31A,31Bの外周長の差に応じたものである。エンコーダローラ31A,31Bは、前述のように、互いに同じ直径に設計されたローラであるが、メカ公差により、エンコーダローラ31A,31Bには外周長の差がある。
エンコーダ22Aよりエンコーダ22Bの方が出力パルス信号の平均パルス周期が大きい場合、そのままエンコーダ22A,22Bの出力パルス信号に基づいて印刷を行うと、同じライン数を印刷しても、表面より裏面の方が、画像の印刷長さが長くなる。このため、表面ページ切替信号の入力タイミングに応じたページごとの印刷開始タイミングで裏面のページの切り替えを行うと、裏面では1ページ分の本来のライン数の印刷を完了できずに画像が途中で切れる画像切れが発生する。
そこで、この画像切れを防止するために、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、上述のようにエンコーダ22Bの出力パルス信号を補正することで、裏面のページ長さを縮小して表面のページ長さに一致させる。なお、上述のように裏面縮小率を算出する処理では、1ページ目についてはページ長さを縮小することはできないが、2ページ目以降においてページ長さを縮小して画像切れを防止する。
また、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、エンコーダ22Aよりエンコーダ22Bの方が出力パルス信号の平均パルス周期が小さい場合、裏面のページ長さを伸ばして表面のページ長さに一致させる。
この場合、裏面の各ページにおいて、1ページ分の本来のライン数が印刷された時点で、表面ページ切替信号の入力タイミングに基づく裏面の次ページの印刷開始タイミングになっていない。これに対し、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、裏面の各ページにおいて、本来のライン数が印刷完了した時点から次ページの印刷開始タイミングになるまで、本来のライン数の印刷完了の直前の少なくとも1つのラインの画像を挿入して印刷するよう印刷部23Bのインクジェットヘッド56を制御する。換言すれば、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、裏面のページの上流端部の少なくとも1つのラインの画像を当該ページの上流側に追加することにより、裏面のページ長さを伸ばして表面のページ長さに一致させる。
また、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kによる裏面の1ページ目の印刷を開始させるタイミングにおいて、裏面1ページ目印刷開始信号を、印刷制御部66Bの他の各ヘッド制御部67(ヘッド制御部67Bc,67Bm,67By,67Bp)に出力する。裏面1ページ目印刷開始信号は、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kによる裏面の1ページ目の印刷開始タイミングを示すものである。
また、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kによる各ページの印刷が完了するごとに、裏面ページ切替信号を、印刷制御部66Bの他の各ヘッド制御部67に出力する。裏面ページ切替信号は、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kによる裏面の2ページ目以降のページごとの印刷開始タイミングを示すものである。
また、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、エンコーダ22Bの出力パルス信号を、印刷制御部66Bの他の各ヘッド制御部67に出力する。
印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bk以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、ヘッド制御部67Bkからの裏面1ページ目印刷開始信号および裏面ページ切替信号の入力タイミング、並びに、それぞれに対応するインクジェットヘッド56までの、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kからの搬送経路Rにおける距離に基づき、それぞれに対応するインクジェットヘッド56によるページごとの印刷開始タイミングを制御する。
また、印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bk以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、ヘッド制御部67BkのFPGA73と同様に、裏面のページ長さが表面のページ長さに合うように、それぞれに対応するインクジェットヘッド56で印刷する画像を補正する。
ここで、印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bk以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、エンコーダ22Aの出力パルス信号の平均パルス周期よりエンコーダ22Bの出力パルス信号の平均パルス周期の方が大きい場合、ヘッド制御部67BkのFPGA73から前述の裏面縮小率を取得して用いる。なお、印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bk以外の各ヘッド制御部67のFPGA73がそれぞれにおいて裏面縮小率を算出してもよい。
メモリ74は、CPU71のワークエリアとして使用されるものである。メモリ75は、FPGA73のワークエリアとして使用されるものである。HDD76は、各種のプログラム等を記憶している。
搬送制御部62は、搬送部21によるウェブWの搬送を制御する。搬送制御部62は、CPU、メモリ等を備えて構成される。
巻取装置4は、印刷装置3で印刷されたウェブWを巻き取る。巻取装置4は、巻取軸81と、巻取モータ82と、巻取装置制御部83とを備える。
巻取軸81は、ウェブWを巻き取って保持する。
巻取モータ82は、巻取軸81を図1における時計回り方向に回転させる。巻取軸81の回転により、ウェブWが巻取軸81に巻き取られる。
巻取装置制御部83は、巻取モータ82の駆動を制御する。巻取装置制御部83は、CPU、メモリ、ハードディスク等を備えて構成される。
次に、印刷システム1の動作について説明する。
印刷システム1で印刷を行う際、印刷装置制御部24の各ヘッド制御部67に、それぞれが制御するインクジェットヘッド56による印刷対象の圧縮された画像データが、外部装置から入力される。
圧縮された画像データが入力されると、各印刷制御部66のCPU71は、圧縮された画像データを伸長する処理を行う。そして、CPU71は、伸長した画像データをFPGA73へ送る。また、CPU71は、画像データとともに送信されてくるヘッダ情報をCPU72へ送信する。CPU72は、ヘッダ情報に基づき、FPGA73に各種の印刷設定を行う。
ヘッド制御部67AkのCPU72は、ヘッダ情報が入力されると、搬送制御部62にウェブWの搬送開始の指示を行う。また、ヘッド制御部67AkのCPU72は、巻出装置制御部13および巻取装置制御部83にもウェブWの搬送開始の指示を行う。
ウェブWの搬送開始が指示されると、巻出装置制御部13は、ブレーキ12にブレーキ力の出力を開始させる。また、印刷装置制御部24の搬送制御部62は、搬送モータ43により搬送ローラ42の駆動を開始させる。また、巻取装置制御部83は、巻取モータ82により巻取軸81の駆動を開始させる。これにより、ウェブWのウェブロール16からの巻き出しおよび搬送が開始される。ブレーキ12によりウェブロール支持軸11にブレーキがかけられることで、ウェブロール16と搬送ローラ42との間においてウェブWに張力が付与されつつ、ウェブWが搬送される。
ウェブWの搬送が開始されると、その搬送速度が印刷搬送速度に達するまでは、ウェブWは所定の加速度で加速される。ウェブWの搬送速度が印刷搬送速度に達すると、搬送制御部62は、印刷搬送速度でウェブWを定速搬送するよう搬送モータ43による搬送ローラ42の駆動を制御する。
印刷搬送速度でのウェブWの定速搬送が開始された後、各ヘッド制御部67のFPGA73は、画像データに基づき、インクジェットヘッド56の各ノズルからインクを吐出させ、各ページの印刷を実行させる。この際、FPGA73は、エンコーダ22の出力パルス信号に基づき、インクジェットヘッド56における画像データに基づくインクの吐出タイミングを制御する。
ここで、印刷制御部66Aのヘッド制御部67Ak以外の各ヘッド制御部67のFPGA73には、ヘッド制御部67AkのFPGA73を介してエンコーダ22Aの出力パルス信号が入力される。印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bk以外の各ヘッド制御部67のFPGA73には、ヘッド制御部67BkのFPGA73を介してエンコーダ22Bの出力パルス信号が入力される。
上記の印刷動作時において、印刷制御部66A,66Bは、表裏整合制御を行う。
具体的には、ヘッド制御部67AkのCPU72は、ウェブWの搬送開始からのエンコーダ22Aの出力パルス数が前述の印刷開始パルス数に達すると、図5に示す印刷開始信号をヘッド制御部67AkのFPGA73に出力する。
ヘッド制御部67AkのFPGA73は、印刷開始信号が入力されると、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kによる表面の1ページ目の印刷を開始させる。それとともに、ヘッド制御部67AkのFPGA73は、図5に示す表面1ページ目印刷開始信号を、印刷制御部66Aの他の各ヘッド制御部67および印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bkに出力する。
ヘッド制御部67AkのFPGA73は、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kによる表面の1ページ目の印刷開始後、インクジェットヘッド56Kによる各ページの印刷を実行させる。また、ヘッド制御部67AkのFPGA73は、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kによる各ページの印刷が完了するごとに、図5に示す表面ページ切替信号を、印刷制御部66Aの他の各ヘッド制御部67および印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bkに出力する。
印刷制御部66Aのヘッド制御部67Ak以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、ヘッド制御部67Akからの表面1ページ目印刷開始信号および表面ページ切替信号の入力タイミング、並びに、それぞれに対応するインクジェットヘッド56までの、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kからの搬送経路Rにおける距離に基づき、それぞれに対応するインクジェットヘッド56によるページごとの印刷開始タイミングを制御する。
具体的には、印刷制御部66Aのヘッド制御部67Ak以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、表面1ページ目印刷開始信号が入力されると、それぞれに対応する設定遅延パルス数分だけ表面1ページ目印刷開始信号を遅延させる。そして、印刷制御部66Aのヘッド制御部67Ak以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、遅延後の表面1ページ目印刷開始信号に基づき、それぞれに対応するインクジェットヘッド56による表面の1ページ目の印刷を開始させる。
ここで、印刷制御部66Aのヘッド制御部67Ak以外の各ヘッド制御部67に対応する設定遅延パルス数は、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kから当該ヘッド制御部67が制御するインクジェットヘッド56までの搬送経路Rにおける距離分のエンコーダ22Aの出力パルス数である。
例えば、ヘッド制御部67Acに対応する設定遅延パルス数は、印刷部23Aにおけるインクジェットヘッド56Kからインクジェットヘッド56Cの搬送経路Rにおける距離分のエンコーダ22Aの出力パルス数である。
ヘッド制御部67AcのFPGA73は、図6に示すように、ヘッド制御部67Akからの表面1ページ目印刷開始信号を設定遅延パルス数分だけ遅延させる。そして、ヘッド制御部67AcのFPGA73は、遅延後の表面1ページ目印刷開始信号に基づき、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Cによる表面の1ページ目の印刷を開始させる。
また、印刷制御部66Aのヘッド制御部67Ak以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、表面ページ切替信号が入力されると、それぞれに対応する設定遅延パルス数分だけ表面ページ切替信号を遅延させる。そして、印刷制御部66Aのヘッド制御部67Ak以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、遅延後の表面ページ切替信号に基づき、それぞれに対応するインクジェットヘッド56が印刷するページの切り替えを実施する。
例えば、ヘッド制御部67AcのFPGA73は、図6に示すように、ヘッド制御部67Akからの表面ページ切替信号をヘッド制御部67Acに対応する設定遅延パルス数分だけ遅延させる。そして、ヘッド制御部67AcのFPGA73は、遅延後の表面ページ切替信号に基づき、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Cによる表面の2ページ目以降の各ページの印刷を開始させる。
また、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、ヘッド制御部67Akからの表面1ページ目印刷開始信号および表面ページ切替信号の入力タイミング、並びに、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kから印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kまでの搬送経路Rにおける距離に基づき、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kによるページごとの印刷開始タイミングを制御する。
具体的には、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、表面1ページ目印刷開始信号が入力されると、図7に示すように、ヘッド制御部67Bkに対応する設定遅延パルス数分だけ表面1ページ目印刷開始信号を遅延させる。そして、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、遅延後の表面1ページ目印刷開始信号に基づき、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kによる裏面の1ページ目の印刷を開始させる。
また、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kによる裏面の1ページ目の印刷を開始させるタイミングにおいて、図7に示す裏面1ページ目印刷開始信号を、印刷制御部66Bの他の各ヘッド制御部67に出力する。
ここで、ヘッド制御部67Bkに対応する設定遅延パルス数は、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kから印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kまでの搬送経路Rにおける距離分のエンコーダ22Bの出力パルス数である。
また、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、表面ページ切替信号が入力されると、図7に示すように、ヘッド制御部67Bkに対応する設定遅延パルス数分だけ表面ページ切替信号を遅延させる。そして、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、遅延後の表面ページ切替信号に基づき、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kが印刷するページの切り替えを実施する。
ここで、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、裏面のページ長さが表面のページ長さに合うように、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kで印刷する画像を補正する。
具体的には、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kによる裏面の1ページ目の印刷開始タイミングから、最初の表面ページ切替信号に基づく2ページ目の印刷開始タイミング(2ページ目への切替タイミング)までに印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kが印刷した主走査方向のライン数が、1ページ分の本来のライン数より少ない場合、前述の裏面縮小率を算出する。
そして、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kが印刷する裏面の2ページ目以降のページ長さを、裏面縮小率に基づき縮小することで、表面のページ長さに一致させる。具体的には、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kによる裏面の2ページ目以降の印刷制御において、裏面縮小率に基づき、エンコーダ22Bの出力パルス信号を補正して補正パルス信号を生成する。そして、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、補正パルス信号に基づき、インクジェットヘッド56Kにおけるインクの吐出タイミングを制御する。
また、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、裏面の各ページにおいて、1ページ分の本来のライン数が印刷された時点で次ページの印刷開始タイミング(ページの切替タイミング)になっていない場合、本来のライン数が印刷完了した時点から次ページの印刷開始タイミングになるまで、本来のライン数の印刷完了の直前の少なくとも1つのラインの画像を挿入して印刷するよう印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kを制御する。
例えば、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、本来のライン数が印刷完了した時点からページの切替タイミングになるまで、本来のライン数の印刷完了の直前の1ラインの画像を繰り返し挿入して印刷するよう印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kを制御する。
ここで、2ページ目以降においては、1ページ目の印刷処理の内容から、本来のライン数が印刷完了した時点からページの切替タイミングになるまでに挿入すべきライン数(挿入ライン数)が分かる。そこで、2ページ目以降において、例えば、挿入ライン数が2ラインである場合には、本来のライン数の印刷完了の直前の2ラインの画像を挿入するようにしてもよい。
また、2ページ目以降において、挿入ライン数が規定数(例えば3ライン)以上である場合に、本来のライン数の印刷完了の直前の挿入ライン数分の画像の濃度変化量に応じてラインの挿入方法を変えてもよい。
例えば、次のような挿入方法としてもよい。本来のライン数の印刷完了の直前の挿入ライン数分の画像が文字やイラスト等の濃度変化が小さい領域の画像であり、濃度変化量が閾値未満である場合は、本来のライン数の印刷完了の直前の1ラインを挿入ライン数分だけ繰り返して挿入する。一方、本来のライン数の印刷完了の直前の挿入ライン数分の画像が写真等の濃度変化が大きい領域の画像であり、濃度変化量が閾値以上である場合は、本来のライン数の印刷完了の直前の挿入ライン数のラインの画像を挿入する。
ヘッド制御部67BkのFPGA73は、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kによる各ページの印刷が完了するごとに、図7に示す裏面ページ切替信号を、印刷制御部66Bの他の各ヘッド制御部67に出力する。
印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bk以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、ヘッド制御部67Bkからの裏面1ページ目印刷開始信号および裏面ページ切替信号の入力タイミング、並びに、それぞれに対応するインクジェットヘッド56までの、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kからの搬送経路Rにおける距離に基づき、それぞれに対応するインクジェットヘッド56によるページごとの印刷開始タイミングを制御する。
具体的には、印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bk以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、裏面1ページ目印刷開始信号が入力されると、それぞれに対応する設定遅延パルス数分だけ裏面1ページ目印刷開始信号を遅延させる。そして、印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bk以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、遅延後の裏面1ページ目印刷開始信号に基づき、それぞれに対応するインクジェットヘッド56による裏面の1ページ目の印刷を開始させる。
ここで、印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bk以外の各ヘッド制御部67に対応する設定遅延パルス数は、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Kから当該ヘッド制御部67が制御するインクジェットヘッド56までの搬送経路Rにおける距離分のエンコーダ22Bの出力パルス数である。
例えば、ヘッド制御部67Bcに対応する設定遅延パルス数は、印刷部23Bにおけるインクジェットヘッド56Kからインクジェットヘッド56Cの搬送経路Rにおける距離分のエンコーダ22Bの出力パルス数である。
ヘッド制御部67BcのFPGA73は、図8に示すように、ヘッド制御部67Bkからの裏面1ページ目印刷開始信号を設定遅延パルス数分だけ遅延させる。そして、ヘッド制御部67BcのFPGA73は、遅延後の裏面1ページ目印刷開始信号に基づき、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Cによる裏面の1ページ目の印刷を開始させる。
また、印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bk以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、裏面ページ切替信号が入力されると、それぞれに対応する設定遅延パルス数分だけ裏面ページ切替信号を遅延させる。そして、印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bk以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、遅延後の裏面ページ切替信号に基づき、それぞれに対応するインクジェットヘッド56が印刷するページの切り替えを実施する。
例えば、ヘッド制御部67BcのFPGA73は、図8に示すように、ヘッド制御部67Bkからの裏面ページ切替信号をヘッド制御部67Bcに対応する設定遅延パルス数分だけ遅延させる。そして、ヘッド制御部67BcのFPGA73は、遅延後の裏面ページ切替信号に基づき、印刷部23Bのインクジェットヘッド56Cによる裏面の2ページ目以降の各ページの印刷を開始させる。
ここで、印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bk以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、ヘッド制御部67BkのFPGA73と同様に、裏面のページ長さが表面のページ長さに合うように、それぞれに対応するインクジェットヘッド56で印刷する裏面の画像を補正する。印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bk以外の各ヘッド制御部67のFPGA73は、ページ長さの縮小を行う場合、ヘッド制御部67BkのFPGA73から裏面縮小率を取得して用いる。なお、前述のように、印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bk以外の各ヘッド制御部67のFPGA73がそれぞれにおいて裏面縮小率を算出してもよい。
ここで、前述のように、エンコーダローラ31A,31Bにはメカ公差による外周長の差がある。エンコーダローラ31A,31Bの外周長に差があると、エンコーダ22Aとエンコーダ22Bとの間で出力パルス信号の平均パルス周期に差が生じる。これにより、エンコーダ22Aの出力パルス信号に基づいて印刷部23Aにより印刷されるウェブWの表面と、エンコーダ22Bの出力パルス信号に基づいて印刷部23Bにより印刷されるウェブWの裏面との間で、画像の印刷長さに差が生じる。この表面と裏面との間の画像の印刷長さの差は、表面と裏面との間の印刷画像の位置ずれを招く。
例えば、エンコーダローラ31Aの外周長Laがエンコーダローラ31Bの外周長Lbより大きい場合、エンコーダ22Aの出力パルス信号の平均パルス周期がエンコーダ22Bの出力パルス信号の平均パルス周期より大きくなる。これにより、ウェブWの表面の方が裏面よりも印刷長さが長くなる。このため、本実施形態のような表裏整合制御を行わない場合、図9に示すように、表裏で対応するページ間において、裏面のページが下流側にずれていく。
これに対し、印刷装置3では、表裏整合制御により、ウェブWの表面と裏面との間でページごとに位置を合わせている。このため、ウェブWの表面と裏面との間のページの位置ずれが抑制される。
また、印刷装置3では、裏面のページ長さが表面のページ長さに合うように、印刷部23Bが裏面に印刷する画像を補正しているので、エンコーダローラ31A,31Bの外周長の差に起因する表面と裏面との間でのページ長さの差が抑えられる。このため、表面と裏面との間でページ長さに差があることにより生じる裏面のページの画像切れや白スジの発生を抑えることが可能になる。
ここで、裏面に印刷する画像の補正を行わない場合、表面ページ切替信号に基づき裏面に印刷するページの切り替えが行われることによる裏面のページの画像切れや白スジが発生することがある。
すなわち、エンコーダ22Aよりエンコーダ22Bの方が出力パルス信号の平均パルス周期が大きい場合において、裏面に印刷する画像の補正を行わないとすると、裏面の各ページの印刷において、1ページ分の本来のライン数の印刷が完了する前に、強制的にページの切り替えが行われる。このため、裏面のページの画像切れが生じる。
また、エンコーダ22Aよりエンコーダ22Bの方が出力パルス信号の平均パルス周期が小さい場合において、裏面に印刷する画像の補正を行わないとすると、裏面の各ページの印刷において、1ページ分の本来のライン数の印刷が完了した後、ページの切り替えまでの間に余白が挿入される。このため、例えば、図10に示すように、連続するページを跨ぐ画像がある場合、挿入された余白による白スジが発生する。
また、後処理装置でページごとにウェブWを裁断する際の裁断位置を示すトンボ(トリムマーク)が印刷画像に含まれる場合には、上述の画像切れや白スジの影響により、後処理装置がトンボを認識できなくなるおそれがある。
例えば、裏面のページの画像切れが生じた場合、図11に示すように、裏面のトンボ86の画像の一部が欠け、裏面のトンボ86の横線(ウェブWの搬送方向に垂直な線)が細くなるとともに、縦線が若干短くなった状態となる。また、裏面のページに余白が挿入された場合、図12に示すように、裏面のトンボ86の画像に白スジが生じ、トンボ86の画像が途中で切れた状態となる。図11、図12のような裏面のトンボ86では、後処理装置がトンボ86を認識できないおそれがある。
これに対し、印刷装置3では、エンコーダ22Aよりエンコーダ22Bの方が出力パルス信号の平均パルス周期が大きい場合には、裏面のページ長さを縮小することで、裏面のページの画像切れの発生が防止される。このため、例えば、トンボ86を印刷する場合には、図11のような、裏面のトンボ86の画像の一部が欠けた状態となることが防止される。
また、印刷装置3では、エンコーダ22Aよりエンコーダ22Bの方が出力パルス信号の平均パルス周期が小さい場合には、裏面の各ページの印刷において、本来のライン数の印刷完了の直前の少なくとも1つのラインの画像を挿入することで、図10のような白スジの発生が防止される。また、例えば、トンボ86を印刷する場合には、図12のような、トンボ86の画像が途中で切れた状態となることが防止される。
以上説明したように、印刷装置3では、印刷装置制御部24は、印刷部23A,23Bにおけるインクの吐出タイミングを、それぞれエンコーダ22A,22Bの出力パルス信号に基づいて制御する。これにより、印刷部23A,23Bの両方におけるインクジェットヘッド56間のインクの着弾位置のずれが抑えられる。この結果、印刷画質の低下が抑えられる。
また、印刷装置制御部24の印刷制御部66Aは、表裏整合制御において、表面1ページ目印刷開始信号および表面ページ切替信号を生成し、これらを印刷制御部66Bに出力する。印刷制御部66Bは、表面1ページ目印刷開始信号および表面ページ切替信号に基づき、印刷部23Bにおける裏面のページごとの印刷開始タイミングを制御する。これにより、ウェブWの表面と裏面との間でページごとに位置を合わせることが可能になるので、エンコーダローラ31A,31Bの外周長の差に起因して生じる、ウェブWの表面と裏面との間での印刷画像の位置ずれを抑制できる。
また、印刷制御部66Bは、裏面のページ長さが表面のページ長さに合うように、裏面に印刷する画像の補正を行うので、エンコーダローラ31A,31Bの外周長の差に起因する表面と裏面との間のページ長さの差が抑えられる。
したがって、印刷装置3によれば、印刷画質の低下を抑えつつ、ウェブWの表面と裏面との間でのページ長さの差やページの位置ずれといった印刷画像の整合精度の低下を抑制できる。
また、印刷制御部66Bは、裏面のページ長さを伸ばして表面のページ長さに一致させる場合、本来のライン数の印刷完了の直前の少なくとも1つのラインの画像を挿入して印刷することにより、裏面のページ長さを伸ばす。すなわち、印刷制御部66Bは、裏面のページ長さを伸ばして表面のページ長さに一致させる場合、裏面のページの上流端部の少なくとも1つのラインの画像をページの上流側に追加することにより、裏面のページ長さを伸ばす。これにより、ウェブWの裏面の印刷画像における白スジの発生を抑制できる。
ところで、印刷部23Aで表面の各ページの印刷開始位置を示すマークを印刷し、このマークをマークセンサで読み取ったタイミングに基づいて印刷部23Bによる裏面の各ページの印刷開始タイミングを制御すれば、ウェブWの表裏で対応する各ページの印刷画像の位置を合わせることが可能である。しかし、この場合、マークの印刷およびマークセンサの設置が必要である。これに対し、本実施形態では、マークの印刷およびマークセンサの設置を要することなく、印刷画質の低下を抑えつつ、ウェブWの表面と裏面との間での印刷画像の位置ずれを抑制できる。
[第2実施形態]
次に、上述した第1実施形態の一部を変更した第2実施形態について説明する。図13は、第2実施形態に係る印刷装置を備えた印刷システムの概略構成図である。図14は、第2実施形態におけるヘッド制御部の構成を示すブロック図である。
図13に示すように、第2実施形態に係る印刷システム1Aは、第1実施形態の印刷システム1の印刷装置3を、印刷装置3Aに置き換えた構成である。
印刷装置3Aは、第1実施形態の印刷装置3に対し、マークセンサ(検出部に相当)91を追加した構成である。また、印刷システム1Aでは、図15に示すような複数のマーク92が表面に予め付されたウェブWが用いられるものとする。マーク92は、ページごとの印刷開始位置を示すものである。
マークセンサ91は、マーク92を検出し、印刷制御部66Aのヘッド制御部67AkのCPU72およびFPGA73にマーク検出信号を出力する。マークセンサ91は、印刷部23Aの上流側近傍に配置されている。
印刷装置3Aでは、印刷装置制御部24は、マークセンサ91がマーク92を検出したタイミングに基づき、マーク92に各ページの印刷開始位置を合わせるように、印刷部23Aにおけるページごとの印刷開始タイミングを制御する。
具体的には、ヘッド制御部67AkのCPU72は、印刷搬送速度でのウェブWの定速搬送の開始後において、マークセンサ91が任意のマーク92を検出して出力したマーク検出信号の入力タイミングからのエンコーダ22Aの出力パルス数が所定のセンサ・ヘッド間パルス数に達すると、印刷開始信号をヘッド制御部67AkのFPGA73に出力する。ここで、センサ・ヘッド間パルス数は、マークセンサ91から印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kまでの搬送経路Rにおける距離分のエンコーダ22Aの出力パルス数である。
ヘッド制御部67AkのFPGA73は、印刷開始信号が入力されると、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kによる表面の1ページ目の印刷を開始させる。それとともに、ヘッド制御部67AkのFPGA73は、表面1ページ目印刷開始信号を、印刷制御部66Aの他の各ヘッド制御部67および印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bkに出力する。
印刷開始信号の入力後、ヘッド制御部67AkのFPGA73は、マークセンサ91からマーク検出信号が入力されると、センサ・ヘッド間パルス数分だけマーク検出信号を遅延させる。そして、ヘッド制御部67AkのFPGA73は、遅延後のマーク検出信号に基づき、インクジェットヘッド56Kが印刷するページの切り替えを実施する。また、ヘッド制御部67AkのFPGA73は、印刷部23Aのインクジェットヘッド56Kによる各ページの印刷が完了するごとに、表面ページ切替信号を、印刷制御部66Aの他の各ヘッド制御部67および印刷制御部66Bのヘッド制御部67Bkに出力する。
ヘッド制御部67Akからの表面1ページ目印刷開始信号および表面ページ切替信号を受け取った印刷制御部66Aのヘッド制御部67Ak以外の各ヘッド制御部67が実行する処理は、上述した第1実施形態と同様である。また、印刷制御部66Bが実行する処理も、上述した第1実施形態と同様である。
以上説明したように、印刷装置3Aでは、印刷装置制御部24は、マークセンサ91がマーク92を検出したタイミングに基づき、印刷部23Aにおけるページごとの印刷開始タイミングを制御する。これにより、ウェブWのマーク92の位置に合わせて各ページを印刷するとともに、印刷画質の低下を抑えつつ、ウェブWの表面と裏面との間での印刷画像の整合精度の低下を抑制できる。
[その他の実施形態]
上述のように、本発明は第1および第2実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
上述した第1および第2実施形態では、エンコーダ22Aよりエンコーダ22Bの方が出力パルス信号の平均パルス周期が大きい場合、裏面のページ長さを表面のページ長さに一致させるように縮小した。しかし、裏面の印刷において、裏面のページ長さを表面のページ長さよりも小さくなるように縮小し、本来のライン数が印刷完了した時点からページの切替タイミングになるまで、本来のライン数の印刷完了の直前の少なくとも1つのラインの画像を挿入して印刷することで、裏面のページ長さを表面のページ長さに合わせるようにしてもよい。
上述した第1および第2実施形態では、エンコーダ22Aよりエンコーダ22Bの方が出力パルス信号の平均パルス周期が大きい場合、印刷部23Bで1ページ目に実際に印刷したライン数と、1ページ分の本来のライン数とに基づき、裏面縮小率を算出した。そして、裏面の2ページ目以降の印刷制御において、裏面縮小率に基づきページ長さを縮小した。しかし、裏面の1ページ目の印刷開始前に、ヘッド制御部67BkのFPGA73が、エンコーダ22A,22Bの出力パルス信号の平均パルス周期を算出し、それらの平均パルス周期に基づき、裏面縮小率を算出してもよい。この場合、ヘッド制御部67BkのFPGA73は、ヘッド制御部67AkのFPGA73を介してエンコーダ22Aの出力パルス信号を取得すればよい。この場合、裏面の1ページ目から裏面縮小率に基づくページ長さの縮小を実施できる。
上述した第1および第2実施形態では、エンコーダ22Aよりエンコーダ22Bの方が出力パルス信号の平均パルス周期が小さい場合、本来のライン数の印刷完了の直前の少なくとも1つのラインの画像を挿入して裏面のページ長さを伸ばした。しかし、裏面のページ長さを表面のページ長さに一致させるように、ライン数を変えずに拡大してもよい。
上述した第1および第2実施形態では、インクジェットヘッド方式の印刷装置について説明したが、電子写真方式等の他の方式のものでもよい。
上述した第1および第2実施形態では、巻出装置および巻取装置が別装置として印刷装置に接続された構成を示したが、印刷装置に巻出部および巻取部が組み込まれた構成でもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
[付記]
本出願は、以下の発明を開示する。
(付記1)
搬送されるウェブの第1面に印刷する第1印刷部と、
ウェブの搬送方向における前記第1印刷部の下流側に配置され、搬送されるウェブの第2面に印刷する第2印刷部と、
搬送されるウェブに同期して回転する第1ローラおよび第2ローラと、
前記第1ローラの回転角度に応じてパルス信号を出力する第1エンコーダと、
前記第2ローラの回転角度に応じてパルス信号を出力する第2エンコーダと、
前記第1エンコーダの出力パルス信号に基づき前記第1印刷部における印刷タイミングを制御する第1印刷制御部と、
前記第2エンコーダの出力パルス信号に基づき前記第2印刷部における印刷タイミングを制御する第2印刷制御部とを備え、
前記第1印刷制御部は、前記第1印刷部におけるページごとの印刷開始タイミングを示すページ開始信号を生成して前記ページ開始信号を前記第2印刷制御部に出力し、
前記第2印刷制御部は、前記ページ開始信号に基づき、前記第2印刷部におけるページごとの印刷開始タイミングを制御するとともに、前記第2面の1ページ分の画像の前記搬送方向における長さであるページ長さが前記第1面のページ長さに合うように前記第2面に印刷する画像を補正することを特徴とする印刷装置。
(付記2)
前記第2印刷制御部は、前記第2面のページ長さを伸ばして前記第1面のページ長さに合わせる場合、前記搬送方向における前記第2面のページの上流端部の前記搬送方向に直交する方向の少なくとも1つのラインの画像をページの上流側に追加することで、前記第2面のページ長さを伸ばすことを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
(付記3)
前記搬送方向における前記第1印刷部の上流側に配置され、前記第1面にページごとの印刷開始位置を示すマークが付されたウェブの前記マークを検出する検出部をさらに備え、
前記第1印刷制御部は、前記検出部が前記マークを検出したタイミングに基づき、前記第1印刷部におけるページごとの印刷開始タイミングを制御することを特徴とする付記1または2に記載の印刷装置。
1,1A 印刷システム
2 巻出装置
3,3A 印刷装置
4 巻取装置
21 搬送部
22,22A,22B エンコーダ
23,23A,23B 印刷部
24 印刷装置制御部
31,31A,31B エンコーダローラ
32〜39 ガイドローラ
40 ヘッド下ローラ
41 蛇行制御部
42 搬送ローラ
43 搬送モータ
46,47 蛇行制御ローラ
48 蛇行制御モータ
51,51K,51C,51M,51Y,51P ヘッドユニット
56,56K,56C,56M,56Y,56P インクジェットヘッド
61 主制御部
62 搬送制御部
66,66A,66B 印刷制御部
67,67Ak,67Ac,67Am,67Ay,67Ap ヘッド制御部
67Bk,67Bc,67Bm,67By,67Bp ヘッド制御部
71,72 CPU
73 FPGA
91 マークセンサ
92 マーク
R 搬送経路

Claims (3)

  1. 搬送されるウェブの第1面に印刷する第1印刷部と、
    ウェブの搬送方向における前記第1印刷部の下流側に配置され、搬送されるウェブの第2面に印刷する第2印刷部と、
    搬送されるウェブに同期して回転する第1ローラおよび第2ローラと、
    前記第1ローラの回転角度に応じてパルス信号を出力する第1エンコーダと、
    前記第2ローラの回転角度に応じてパルス信号を出力する第2エンコーダと、
    前記第1エンコーダの出力パルス信号に基づき前記第1印刷部における印刷タイミングを制御する第1印刷制御部と、
    前記第2エンコーダの出力パルス信号に基づき前記第2印刷部における印刷タイミングを制御する第2印刷制御部とを備え、
    前記第1印刷制御部は、前記第1印刷部におけるページごとの印刷開始タイミングを示すページ開始信号を生成して前記ページ開始信号を前記第2印刷制御部に出力し、
    前記第2印刷制御部は、前記ページ開始信号に基づき、前記第2印刷部におけるページごとの印刷開始タイミングを制御するとともに、前記第2面の1ページ分の画像の前記搬送方向における長さであるページ長さが前記第1面のページ長さに合うように前記第2面に印刷する画像を補正することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記第2印刷制御部は、前記第2面のページ長さを伸ばして前記第1面のページ長さに合わせる場合、前記搬送方向における前記第2面のページの上流端部の前記搬送方向に直交する方向の少なくとも1つのラインの画像をページの上流側に追加することで、前記第2面のページ長さを伸ばすことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記搬送方向における前記第1印刷部の上流側に配置され、前記第1面にページごとの印刷開始位置を示すマークが付されたウェブの前記マークを検出する検出部をさらに備え、
    前記第1印刷制御部は、前記検出部が前記マークを検出したタイミングに基づき、前記第1印刷部におけるページごとの印刷開始タイミングを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
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