JP2021030338A - 歯溝加工方法及び歯溝加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯溝のテーパ角が小さい場合であっても1種の歯切り工具で交差角を十分に大きく確保して加工することができ、さらに交差角を変更せずに歯溝の対向する歯側面をそれぞれ加工することができる歯溝加工方法及び歯溝加工装置を提供する。【解決手段】歯溝加工方法は、工作物の所定歯溝の基準点を周方向にずらす場合に、ずれ角度をスカイビング加工における位相補正角と定義する。交差角を所定交差角とし、第一位相補正角及び第二位相補正角に基づいて、歯切り工具によりテーパ角を有する第一歯側面及び第二歯側面を加工する(第一歯側面加工工程S4、第二歯側面加工工程S7)。【選択図】図13

Description

本発明は、歯溝を加工する歯溝加工方法及び歯溝加工装置に関する。
特許文献1−4には、車両に用いられるトランスミッションのシンクロメッシュ機構におけるスリーブの内歯の歯溝加工を、スカイビング加工で行う歯溝加工方法及び歯溝加工装置が記載されている。このスカイビング加工は、シンクロメッシュ機構におけるシンクロコーンの外歯の歯溝加工にも適用可能である。シンクロコーンの外歯の歯溝の左右歯側面は、歯すじ方向に左右対称のテーパ状に形成される。つまり、隣り合う歯側面の対向距離は、軸方向に行くに従って、大きくなっている。
特開2019−018335号公報 特開2016−093882号公報 特開2019−018334号公報 特開2016−079558号公報
シンクロコーンの外歯の歯溝加工をスカイビング加工で行う場合、右歯側面を右歯用の歯切り工具により加工し、左歯側面を左歯用の歯切り工具により加工する。この場合、2種の歯切り工具が必要となるため、工具コストが嵩む傾向にある。また、右歯用の歯切り工具から左歯用の歯切り工具への工具交換により、加工誤差が発生するおそれがある。また、右歯側面の加工から左歯側面の加工に移行する際に、歯溝加工における交差角(工作物の中心軸の平行線と工具の中心軸とが交差する角度)の変更が必要となるため、タクトタイムが増加する傾向にある。
シンクロコーンの外歯の歯溝のテーパ状の右歯側面及び左歯側面を1種の歯切り工具で加工することも考えられる。上記のように、左右異なる歯切り工具により加工する場合には、それぞれの歯切り工具の工具ねじれ角は異なる角度とすることができる。しかし、1種の歯切り工具で加工する場合には、当該歯切り工具の工具ねじれ角は、0°にされる。
ここで、シンクロコーンの外歯は、スリーブの内歯との噛み合い及び噛み合い解除をスムーズに行うため、歯溝の右歯側面及び左歯側面の各テーパ角は比較的小さな角度となっている。このため、1種の歯切り工具により加工する場合において、工具ねじれ角を0°で共通化することによって、交差角が小さな角度のテーパ角に応じた角度となり、交差角もテーパ角に伴って比較的小さな角度となる。そして、交差角が小さい角度だと歯切り工具の切削速度が小さくなり、工具摩耗が大きくなるという問題がある。また、この歯切り工具であっても右歯側面の加工から左歯側面の加工に移行する際に、交差角の変更が必要となるため、タクトタイムが増加する傾向にある。
本発明は、歯溝のテーパ角が小さい場合であっても1種の歯切り工具で交差角を十分に大きく確保して加工することができ、さらに交差角を変更せずに歯溝の対向する歯側面をそれぞれ加工することができる歯溝加工方法及び歯溝加工装置を提供することを目的とする。
本発明の歯溝加工方法は、歯切り工具で工作物に歯溝をスカイビング加工により加工する歯溝加工方法であって、前記歯溝の第一歯側面は、前記工作物の中心軸の平行線に対して第一テーパ角を有し、前記歯溝における前記第一歯側面に対向する第二歯側面は、前記第一テーパ角とは異なる第二テーパ角を有し、前記工作物の所定歯溝の基準点を周方向にずらす場合に、ずれ角度を前記スカイビング加工における位相補正角と定義し、前記工作物の中心軸の平行線と前記歯切り工具の中心軸との交差角を所定交差角とし、前記位相補正角を第一位相補正角として、前記歯切り工具により前記第一歯側面を前記スカイビング加工により加工する第一歯側面加工工程と、前記交差角を前記所定交差角と同一とし、前記位相補正角を前記第一位相補正角とは異なる第二位相補正角として、前記第一歯側面を加工した前記歯切り工具と同一の前記歯切り工具により前記第二歯側面を前記スカイビング加工により加工する第二歯側面加工工程と、を備える。
本発明の歯溝加工装置は、歯切り工具で工作物に歯溝をスカイビング加工により加工する歯溝加工装置であって、前記歯溝の第一歯側面は、前記工作物の中心軸の平行線に対して第一テーパ角を有し、前記歯溝における前記第一歯側面に対向する第二歯側面は、前記第一テーパ角とは異なる第二テーパ角を有し、前記工作物の所定歯溝の基準点を周方向にずらす場合に、ずれ角度を前記スカイビング加工における位相補正角と定義し、前記工作物の中心軸の平行線と前記歯切り工具の中心軸との交差角を所定交差角とし、前記位相補正角を第一位相補正角として、前記歯切り工具により前記第一歯側面を前記スカイビング加工により加工する第一歯側面加工制御部と、前記交差角を前記所定交差角と同一とし、前記位相補正角を前記第一位相補正角とは異なる第二位相補正角として、前記第一歯側面を加工した前記歯切り工具と同一の前記歯切り工具により前記第二歯側面を前記スカイビング加工により加工する第二歯側面加工制御部と、を備える。
本発明の歯溝加工方法及び歯溝加工装置によれば、歯溝の第一歯側面を加工するとき、第一歯側面の基準点を第一位相補正角だけ工作物の周方向にずらし、第二歯側面を加工するとき、第二歯側面の基準点を第二位相補正角だけ工作物の周方向にずらしている。これにより、歯溝のテーパ角が小さい場合であっても1種の歯切り工具で交差角を十分に大きく確保して加工することができる。よって、工具摩耗を低減でき、工具コストを抑制できる。さらに、交差角を変更せずに歯溝の対向する歯側面をそれぞれ加工することができる。よって、タクトタイムを低減できる。
歯溝加工装置の構成を示す図である。 スカイビング加工における工作物と歯切り工具において、交差角を設定したときを歯切り工具の径方向に見た図である。 図2Aを歯切り工具の中心軸線方向に見た図である。 スカイビング加工の動作を説明する図であって、歯切り工具の径方向に見た図である。 図3Aを歯切り工具の中心軸線方向に見た図である。 スカイビング加工で形成するシンクロコーンの外歯車の一部を示す図である。 図4Aを外歯車の径方向に見た図である。 歯切り工具を示す図である。 図5Aの歯切り工具の刃を径方向に見た一部断面図である。 スカイビング加工における歯切り工具の動作を説明する図であって、工作物の径方向に見た図である。 左右対称のテーパ状の形状の溝加工を行うときの位相補正角を説明する図であって、工作物の径方向に見た図である。 左右非対称のテーパ状の形状の溝加工を行うときの位相補正角を説明する図であって、工作物の径方向に見た図である。 はすば歯車の補正角を説明する図であって、基準円筒を示す斜視図である。 図7Aの基準円筒におけるΔLの位置の軸方向に直角な断面図である。 歯溝加工で削り残しが無い状態を工作物の径方向に見た図である。 歯溝加工で削り残しが有る状態を工作物の径方向に見た図である。 基準歯溝における右歯側面及び左歯側面の各加工開始位置の割り出しを説明するための図である。 左右対称のテーパ状の形状を工作物の径方向に見た図である。 図10Aの歯面の諸元の一例を示す図である。 図10Aの形状を溝加工するときの加工条件を本実施形態と従来例で比較した図である。 左右非対称のテーパ状の形状を工作物の径方向に見た図である。 図10Aの歯面の諸元の一例を示す図である。 図10Aの形状を溝加工するときの加工条件を本実施形態と従来例で比較した図である。 歯溝加工装置の加工制御部の構成を示す図である。 基準歯溝を加工しないときの加工制御部の動作を説明するためのフローチャートである。 基準歯溝を加工しないときの右歯側面を加工した状態を示す図であり、工作物の径方向に見た図である。 基準歯溝を加工しないときの左歯側面の加工開始位置の割り出しを示す図であり、工作物の径方向に見た図である。 基準歯溝を加工しないときの左歯側面を加工した状態を示す図であり、工作物の径方向に見た図である。 基準歯溝を加工するときの加工制御部の前半の動作を説明するためのフローチャートである。 基準歯溝を加工するときの加工制御部の後半の動作を説明するためのフローチャートである。 基準歯溝を加工したときの左右歯側面の加工開始位置を割り出すための左右歯側面用基準点を示す図であり、工作物の径方向に見た図である。 基準歯溝を加工したときの右歯側面の加工開始位置から右歯側面を加工した状態を示す図であり、工作物の径方向に見た図である。
(1.歯溝加工装置10の構成)
歯溝加工装置の構成について図1を参照して説明する。図1に示すように、歯溝加工装置10は、例えば、工作物Wと歯切り工具Tの相対的な位置及び姿勢を変化させる駆動軸として、3つの直進軸及び2つの回転軸を有する5軸マシニングセンタである。
本例では、歯溝加工装置10は、直進軸としての直交3軸(X軸,Y軸,Z軸)、並びに、回転軸としてのB軸及びCw軸を有する。本例においては、B軸は、Y軸回りの回転軸であり、Cw軸は、工作物Wの中心軸回りの回転軸である。なお、歯溝加工装置10は、歯切り工具Tの中心軸回りの回転軸であるCt軸を有し、Ct軸を含めると6軸マシニングセンタとなる。
歯溝加工装置10は、歯切り工具Tを支持してCt軸に回転可能であり、且つ、Y軸方向及びZ軸方向にそれぞれ移動可能な工具主軸11を備える。さらに、歯溝加工装置10は、工作物Wを支持してCw軸に回転可能であり、且つ、B軸に回転可能であり、X軸方向に移動可能な工作物主軸12を備える。
歯溝加工装置10は、歯溝の加工の動作制御を行う加工制御部13等を備える。本例では、加工制御部13は、スカイビング加工により工作物Wに歯溝を加工する制御を行う。なお、上記構成に限定されず、工具主軸11と工作物主軸12は相対移動可能な構成であればよい。
(2.スカイビング加工)
スカイビング加工について、図2A、図2B、図3A及び図3Bを参照して説明する。スカイビング加工は、図2A及び図2Bに示すように、歯切り工具Tの中心軸Ctを工作物Wの中心軸Cwに平行な軸線に対して交差角θを有する状態にする。また、X軸方向から見た場合に、歯切り工具Tの中心軸Ctと工作物Wの中心軸Cwとは平行である。
そして、図3A及び図3Bに示すように、工作物Wの中心軸Cw回りへの工作物Wの回転(図示では時計回り)と歯切り工具Tの中心軸Ct回りへの歯切り工具Tの回転(図示では反時計回り)とを同期させながら、歯切り工具Tを工作物Wに対して工作物Wの中心軸Cw方向に送ることで、工作物Wに歯溝を加工する方法である。スカイビング加工においては、工作物Wが1回転する間に、工作物Wの各歯溝の部分が、歯切り工具Tによって1回だけ加工される。
(3.工作物W)
本例の歯溝加工装置10では、自動車のトランスミッションのシンクロメッシュ機構に使われる図4A及び図4Bに一部を示す一般的なシンクロコーンSCの外歯Gの歯溝加工を、スカイビング加工で行う場合を例に説明する。シンクロコーンSCの外歯Gは、図略のスリーブの内歯と噛み合うが、ギヤ抜け防止のため、シンクロコーンSCの外歯Gの歯溝Gg(歯Gt)は、テーパ状に形成される。
つまり、シンクロコーンSCの外歯Gの歯溝Ggの右歯側面Gsr(第一歯側面)と左歯側面Gsl(第二歯側面)は、中心軸Cwの平行線に対し左右対称のテーパ状に形成される。そして、歯溝Ggの右歯側面Gsrが有する中心軸Cwの平行線に対するテーパ角ΦR(第一テーパ角)及び左歯側面Gslが有する中心軸Cwの平行線に対するテーパ角ΦL(第二テーパ角)は、上述の噛み合わせの解除をスムーズに行えるように、比較的小さな角度(例えば、3°)となっている。また、歯溝Ggの右歯側面Gsrと左歯側面Gslは、工作物Wの中心軸線Cw回りに角度σだけ離間している。
なお、以下の説明では、右歯側面Gsr及び左歯側面Gsの角度の標記は、中心軸Cwの平行線に対し時計回りを正、反時計回りを負とする。よって、図4Bに示すように、テーパ状の歯溝Ggの先細り側が図の下方に位置するとき、右歯側面Gsrは、中心軸Cwの平行線に対し時計回りの方向に傾斜しているため、右歯側面Gsrのテーパ角ΦRは、正となる。また、左歯側面Gslは、中心軸Cwの平行線に対し反時計回りの方向に傾斜しているため、左歯側面Gslのテーパ角ΦLは、負となる。
また、本例の歯溝加工装置10で加工可能な歯溝Ggの形状は、中心軸Cwの平行線に対し左右対称のテーパ状の形状(右側面Gsrが有する中心軸Cwの平行線に対するテーパ角ΦRと、左歯側面Gslが有する中心軸Cwの平行線に対するテーパ角ΦLは、絶対値が同一で正負が異なる形状)に限られるものではなく、中心軸Cwの平行線に対し左右非対称のテーパ状の形状(右側面Gsrが有する中心軸Cwの平行線に対するテーパ角ΦRと、左歯側面Gslが有する中心軸Cwの平行線に対するテーパ角ΦLは、絶対値及び正負が異なる形状)も可能である。
(4.歯切り工具T)
図5Aに示すように、歯切り工具Tの工具刃Tcは、外周に複数の刃Tccを有する円錐台形状であり、歯切り工具Tの工具軸Taは、小径端面Tbに一体部位として形成される。歯切り工具Tの工具刃Tcの大径端面Tdにおける刃Tccの形状は、本例ではインボリュート曲線形状に形成される。
そして、図5Bに示すように、刃Tccには、中心軸Ctと直角な平面に対し角度γ傾斜したすくい角が大径端面Td側に設けられ、中心軸Ctと平行な直線に対し角度δ傾斜した前逃げ角が工具周面側に設けられる。刃Tccは、両側の刃すじTeの中央を通る直線Leを径方向に見たとき、中心軸Ctに対し角度β傾斜したねじれ角を有する。
(5.歯切り工具Tの設計方法)
上述の歯切り工具Tの設計方法について説明する。解決課題でも述べたように、歯溝加工における交差角θが小さい角度だと歯切り工具Tの切削速度が小さくなり、工具摩耗が大きくなるという問題がある。
スカイビング加工において歯切り工具Tの切削速度を適切な値にできる交差角θは、加工実績から約20°から約30°が望ましい。よって、歯切り工具Tのねじれ角βは、上記交差角θに基づいた値(約20°から約30°)に設定される。歯切り工具Tの他の工具諸元は、外歯車Gの歯車諸元から設定される。そして、設定した歯切り工具Tの他の工具諸元に基づいて、歯切り工具Tを設計する。
なお、加工対象は外歯Gであるため、加工時における歯切り工具Tと工作物Wとの干渉は回避できるが、工作物Wを支持する治具等との干渉は回避できるように歯切り工具Tを設計する。また、加工対象として内歯も同様に加工でき、その場合は加工時に歯切り工具Tと工作物Wとの干渉を回避できるように歯切り工具Tを設計する。
(6.歯溝加工の要点)
通常、はすば歯車の歯溝加工において、歯溝の右歯側面と左歯側面は、ねじれ角が同一のため、一つの補正角が用いられて加工される。これに対し、本例のテーパ状の歯溝加工では、歯溝Ggの右歯側面Gsrのテーパ角ΦRと左歯側面Gslのテーパ角ΦLが異なるため、テーパ角ΦR,ΦLに合わせた補正角(本例では、位相補正角という)がそれぞれ用いられて加工される。
本例のテーパ状の歯溝加工で用いる位相補正角は、はすば歯車の歯溝加工で用いる補正角とは異なるものであり、はすば歯車の歯溝加工には適用できない。具体的には、補正角を用いた場合は、はすば歯車の歯溝(歯)のねじれ角の大小に関わらず、はすば歯車の歯形を高精度なインボリュート形状に加工できる。一方、位相補正角を用いた場合は、外歯車Gの歯形はインボリュート形状から崩れた形状に加工される。
しかし、本例のシンクロコーンSCは、外歯Gの歯溝Ggのテーパ角が比較的小さく、スリーブとシンクロすれば良い。このため、はすば歯車のような加工精度は、外歯Gには要求されず、外歯Gの歯形がインボリュート形状から崩れた形状に加工されても、特に問題は生じない。以上から、本例のテーパ状の歯溝加工で用いる位相補正角は、はすば歯車の歯溝加工には適用できない。
本例のテーパ状の歯溝加工に用いる位相補正角は、以下のように定義する。図6Aに示すように、歯切り工具Tを工作物Wの中心軸Cw方向に初期位置Psから終期位置Peまで(工作物Wの厚さΔZ)相対移動させるスカイビング加工において、初期位置Ps及び終期位置Peの両者において歯切り工具Tの刃Tssの位置が同一位置に位置する。
ここで、初期位置Psとは別の加工基準点Pbから終期位置Peに至る基準歯側面を有する基準歯溝(所定歯溝)を外歯Gの歯溝Ggとなる部分に設定する。この基準歯溝における基準歯側面は、基準角を有する。そして、基準角は、右歯側面Gsrのテーパ角ΦRと左歯側面Gslのテーパ角ΦLとの中間値を取る。これにより、左右対称の右歯側面Gsrと左歯側面Gslの加工条件の決定に容易に対応できる。基準歯溝は、歯溝Ggの形状により異なり、以下に場合分けして説明する。
先ず、歯溝Ggの形状が、中心軸Cwの平行線に対し左右対称のテーパ状の形状(右歯側面Gsrのテーパ角ΦRと左歯側面Gslのテーパ角ΦLは、絶対値が同一で正負が異なる形状)である場合を説明する。本例では、基準歯側面の基準角は、右歯側面Gsrのテーパ角ΦRと左歯側面Gslのテーパ角ΦLとの中央値とするので、0°となる。よって、図6Bに示すように、基準歯側面Gsbは、初期位置Psから終期位置Peに至ることになる。つまり、加工基準点Pb(基準点)は、初期位置Psと一致する。
そして、テーパ状の歯溝Ggの例えば右歯側面Gsrの加工を行うには、加工基準点Pbを周方向にずらす必要がある。すなわち、加工基準点Pbを初期位置Psから周方向にずれ量ΔCだけずらす必要がある。このときの歯切り工具Tに対して(同期)、工作物Wの回転ずれ角度をスカイビング加工における位相補正角と定義する。また、周方向にずらすときに、歯切り工具Tの加工位置は工作物Wの中心軸Cw方向への移動を伴うことになる。
次に、歯溝Ggの形状が、中心軸Cwの平行線に対し左右非対称のテーパ状の形状(右歯側面Gsrのテーパ角ΦRと左歯側面Gslのテーパ角ΦLは、絶対値及び正負が異なる形状)である場合を説明する。本例では、基準歯側面の基準角は、右歯側面Gsrのテーパ角ΦRと左歯側面Gslのテーパ角ΦLとの中央値とするので、0°以外の数値となる。よって、図6Cに示すように、基準歯側面Gsbは、初期位置Psから周方向にずれ量ΔCC1だけずれた加工基準点Pb(基準点)から終期位置Peに至ることになる。また、周方向にずらすときに、歯切り工具Tの加工位置は工作物Wの中心軸Cw方向への移動を伴うことになる。
そして、テーパ状の歯溝Ggの例えば右歯側面Gsrの加工を行うには、加工基準点Pbを周方向に更にずらす必要がある。すなわち、上記加工基準点Pbを更に周方向にずれ量ΔCC2だけずらす必要がある。このときの歯切り工具Tに対して(同期)、工作物Wの回転ずれ角度をスカイビング加工における位相補正角と定義する。また、周方向にずらすときに、歯切り工具Tの加工位置は工作物Wの中心軸Cw方向への移動を伴うことになる。
ここで、一般的に、図7Aに示すように、はすば歯車については、基準円筒M上でねじれ角εを有するつるまき線rは、基準円筒M上での始点qsから終点qeまでの1回転に対して基準円筒Mの中心軸方向にリードLだけ進む。
このため、基準円筒Mの中心軸方向に任意距離ΔLだけ進んだときの円筒断面(図7B参照)において、つるまき線r上の点qと円筒中心Cmと始点qsの円筒断面上の投影点qssとのなす角が補正角Rとなる。この補正角Rは、式(1)で算出できる。なお、式(1)のmhは、はすば歯車のモジュールであり、Thは、はすば歯車の歯数である。
Figure 2021030338
この(1)式を用いた式(2)は、本例の歯溝Ggの右歯側面Gsrを加工するための位相補正角A+αの算出式である。なお、式(2)において、Aは、基準歯側面Gsbの基準位相補正角、A+αは、右歯側面Gsrの位相補正角(第一位相補正角)、ψは、基準歯側面の基準角、ΦRは、右歯側面Gsrのテーパ角、ΔZは、歯切り工具Tの初期位置Psから終期位置Peまでの移動量、mは、外歯Gのモジュール、Tは、外歯Gの歯数である。
そして、位相補正角A+αで工作物Wの中心軸Cwの回転角度を補正することで、歯溝Ggの右歯側面Gsrの加工が可能となる。なお、本例では、基準位相補正角Aは、0である。以上は、歯溝Ggの左歯側面Gslの位相補正角A−α(第二位相補正角)の算出にも適用可能である。
Figure 2021030338
右左歯側面Gslの位相補正角A+αから基準位相補正角Aを引いた値と、左歯側面Gslの位相補正角A−αから基準位相補正角Aを引いた値とは、符号が逆であり、絶対値が同一となる。これにより、左右対称の右左歯側面Gslと左歯側面Gslを高精度に加工できる。
(7.歯溝加工の問題点)
上述の歯溝加工方法では、外歯Gの歯溝Ggの最大歯溝幅(歯Gtの歯幅が最も小さくなるときの歯溝幅)と、歯切り工具Tの刃Tccの刃幅との関係が問題となる。図8Aに示すように、最大歯溝幅hgが、刃幅htの2倍の大きさよりも小さいときは、右歯側面Gsr及び左歯側面Gslの加工のみで、歯溝Ggに削り残しが無い状態にできる。しかし、図8Bに示すように、最大歯溝幅hgが、刃幅htの2倍の大きさよりも大きいときは、右歯側面Gsr及び左歯側面Gslの加工のみでは、歯溝Ggに三角柱状の削り残しBが有る状態になる。
この場合は、右歯側面Gsr及び左歯側面Gslの加工を行う前に、工作物Wの外周における歯溝Ggとなる部分に対し、基準歯側面Gsbを有する基準歯溝Gbの溝加工を行う必要がある。基準歯側面Gsbの基準角ψは、右歯側面Gsrのテーパ角ΦRと左歯側面Gslのテーパ角ΦLの中間値とする。
そして、図9に示すように、渦電流タッチセンサ等の位置検出センサ(図示省略)で、工作物Wの加工開始側の端面Wfの外周Wsと基準歯溝Gbの基準右歯側面Gsbrとの交点を、右歯側面用基準点Qrとして検出する。そして、右歯側面用基準点Qrに対する右歯側面Gsrの形成位置のずれ量から、右歯側面Gsrの加工開始位置を割り出す。これにより、右歯側面Gsrの加工開始位置の精度を向上できる。そして、歯切り工具Tを右歯側面Gsrの加工開始位置に位置決めし、右歯側面Gsrの加工を行う。
同様に、工作物Wの加工開始側の端面Wfの外周Wsと基準歯溝Gbの基準左歯側面Gsblとの交点を、左歯側面用基準点Qlとして検出する。そして、左歯側面用基準点Qlに対する左歯側面Gslの形成位置のずれ量から、左歯側面Gslの加工開始位置を割り出す。これにより、左歯側面Gslの加工開始位置の精度を向上できる。そして、歯切り工具Tを左歯側面Gslの加工開始位置に位置決めし、左歯側面Gslの加工を行う。これにより、歯溝Ggに削り残しBが無い状態にできる。なお、基準歯溝Gbの溝加工は、右歯側面Gsr及び左歯側面Gslの加工を行った後に行うようにしてもよい。
(8.歯溝加工条件)
歯溝加工方法は、スカイビング加工により加工するための歯溝加工の加工条件を決定し、決定した加工条件も基づいてスカイビング加工により歯溝加工を行う。歯溝加工条件の具体例を、本例(基準歯溝Gbを加工しない場合(第一例)、基準歯溝Gbを加工する場合(第二例))、従来の2種の歯切り工具で加工する場合(第一比較例)、従来の1種の歯切り工具で加工する場合(第二比較例)で説明する。
先ず、図10Aに示すように、歯溝Ggの形状が、中心軸Cwの平行線に対し左右対称のテーパ状の形状(右歯側面Gsrのテーパ角ΦRと左歯側面Gslのテーパ角ΦLは、絶対値が同一で正負が異なる形状)である場合を説明する。図10Bに示すように、外歯Gの歯溝Ggの歯面の諸元としては、右歯側面Gsrのテーパ角ΦRは、+3°、左歯側面Gslのテーパ角ΦLは、−3°、基準歯溝Gbの基準角ψは、右歯側面Gsrのテーパ角ΦRと左歯側面Gslのテーパ角ΦLとの中央値とするので、0°とする。
図10Cに示すように、右歯側面Gsrと左歯側面Gslを加工する工具種は、第一例及び第二例ではともに共通、第一比較例では右用と左用、第二比較例では共通となる。右歯側面Gsrを加工する際の交差角θ、工具ねじれ角β、位相補正角は、第一例及び第二例では、20°、20°、A1+α1(A1=0)、第一比較例では、20°、23°、B(B≠0)、第二比較例では、3°、0°、C(C≠0)となる。左歯側面Gslを加工する際の交差角θ、工具ねじれ角β、位相補正角は、第一例及び第二例では、20°、20°、A1−α2(A1=0、α1=α2)、第一比較例では、20°、23°、−B(B≠0)、第二比較例では、3°、0°、−C(C≠0)となる。
よって、第一例及び第二例、並びに、第二比較例は、第一比較例と比較して、1種の歯切り工具でよいため、工具コストの上昇及び工具交換による加工誤差の発生を抑制できる。また、第一例及び第二例は、第二比較例と比較して、交差角を大きくとることができ、さらに、交差角の変更が不要であるので、工具摩耗及びタクトタイムの増加を抑制できる。
次に、図11Aに示すように、歯溝Ggの形状が、中心軸Cwの平行線に対し左右非対称のテーパ状の形状(右歯側面Gsrのテーパ角ΦRと左歯側面Gslのテーパ角ΦLは、絶対値及び正負が異なる形状)である場合を説明する。図11Bに示すように、外歯Gの歯溝Ggの歯面の諸元としては、右歯側面Gsrのテーパ角ΦRは、+3°、左歯側面Gslのテーパ角ΦLは、−2°、基準歯溝Gbの基準角ψは、右歯側面Gsrのテーパ角ΦRと左歯側面Gslのテーパ角ΦLとの中央値とするので、+0.5°とする。
図11Cに示すように、右歯側面Gsrと左歯側面Gslを加工する工具種は、第一例及び第二例ではともに共通、第一比較例では右用と左用、第二比較例では共通となる。右歯側面Gsrを加工する際の交差角θ、工具ねじれ角β、位相補正角は、第一例及び第二例では、20.5°、20.5°、A2+α3(A2≠0)、また、第一例及び第二例の別例では、20°、20°、A3+α5(A2=0)、第一比較例では、20°、23°、E(E≠0)、第二比較例では、3°、0°、G(G≠0)となる。左歯側面Gslを加工する際の交差角θ、工具ねじれ角β、位相補正角は、第一例及び第二例では、20°、20°、A2−α4(A2≠0、α3=α4)、また、第一例及び第二例の別例では、20°、20°、A3−α6(A2=0、α5≠α6)、第一比較例では、20°、22°、−F(F≠0)、第二比較例では、3°、0°、−H(H≠0)となる。
よって、第一例及び第二例、並びに、第二比較例は、第一比較例と比較して、1種の歯切り工具でよいため、工具コストの上昇及び工具交換による加工誤差の発生を抑制できる。また、第一例及び第二例は、第二比較例と比較して、交差角を大きくとることができ、さらに、交差角の変更が不要であるので、工具摩耗及びタクトタイムの増加を抑制できる。
(9.加工制御部13の構成)
図12に示すように、歯溝加工装置10の加工制御部13は、基準加工条件決定部14、第一歯側面加工条件決定部15、第二歯側面加工条件決定部16、基準歯溝加工制御部17、第一歯側面加工制御部18、及び、第二歯側面加工制御部19を備える。基準加工条件決定部14は、基準角ψを有する基準歯溝Gbをスカイビング加工により加工するための条件であって、交差角θを所定交差角とし、且つ、位相補正角を右歯側面Gsrの位相補正角及び左歯側面Gslの位相補正角とは異なる基準位相補正角とする基準加工条件を決定する。
第一歯側面加工条件決定部15は、右歯側面Gsrをスカイビング加工により加工するための条件であって、交差角θを所定交差角とし、且つ、位相補正角を右歯側面Gsrの位相補正角(第一位相補正角)とする右歯側面加工条件を、基準加工条件決定部14で決定した基準加工条件に基づいて決定する。第二歯側面加工条件決定部16は、左歯側面Gslをスカイビング加工により加工するための条件であって、交差角θを所定交差角とし、且つ、位相補正角を左歯側面Gslの位相補正角(第二位相補正角)とする左歯側面加工条件を、基準加工条件決定部14で決定した基準加工条件に基づいて決定する。
基準歯溝加工制御部17は、基準加工条件決定部14で決定した基準加工条件に基づいて、交差角θを所定交差角とし、位相補正角を基準位相補正角として、歯切り工具Tにより基準角ψを有する基準歯溝Gbをスカイビング加工により加工する。第一歯側面加工制御部18は、第一歯側面加工条件決定部15で決定した右歯側面加工条件に基づいて、交差角θを上記所定交差角と同一とし、位相補正角を右歯面Gsrの位相補正角として、基準歯溝Gbを加工した歯切り工具Tと同一の歯切り工具Tにより右歯側面Gsrをスカイビング加工により加工する。
第二歯側面加工制御部19は、第二歯側面加工条件決定部16で決定した左歯側面加工条件に基づいて、交差角θを上記所定交差角と同一とし、位相補正角を右歯面Gsrの位相補正角とは異なる左歯面Gslの位相補正角として、右歯面Gsrを加工した歯切り工具Tと同一の歯切り工具Tにより左歯側面Gslをスカイビング加工により加工する。
この歯溝加工装置10によれば、歯溝Ggの右歯側面Gsrを加工するとき、右歯側面Gsrの加工基準点Pbを右歯側面Gsrの位相補正角だけ工作物Wの周方向にずらしている。また、左歯側面Gslを加工するとき、左歯側面Gslの加工基準点を左歯側面Gslの位相補正角だけ工作物Wの周方向にずらしている。このように歯すじ(歯面)に対して、加工点をずらすことで、歯溝Ggのテーパ角Φが小さい場合であっても1種の歯切り工具T(工具交換しない)で交差角θを十分に大きく確保して加工することができる。よって、工具摩耗を低減でき、工具コストを抑制できる。さらに、交差角θを変更せずに歯溝Ggの対向する歯側面Gsr,Gslをそれぞれ加工することができる。よって、タクトタイムを低減できる。
(10.加工制御部13の動作)
加工制御部13の動作その1として、基準歯溝Gbを加工しない場合を、図13のフローチャート及び図14A−14Cの動作図を参照して説明する。加工制御部13は、右歯側面Gsrを加工するための所定交差角θ及び右歯側面Gsrの位相補正角等の右歯側面加工条件を決定する(ステップS1、第一歯側面加工条件決定工程)。
さらに、加工制御部13は、右歯側面加工条件の所定交差角θ及び左歯側面Gslを加工するための左歯側面Gslの位相補正角等の左歯側面加工条件を決定する(ステップS2、第二歯側面加工条件決定工程)。そして、加工制御部13は、上記所定交差角θを有する状態に設定する(ステップS3)。
そして、図14Aに示すように、加工制御部13は、右歯側面加工条件の右側面Gsrの位相補正角を用いて工作物Wを回転制御しつつ、同期回転している歯切り工具Tと工作物Wを工作物Wの中心軸Cw方向に相対移動制御を行って、任意の加工開始位置Prから歯切り工具Tで工作物Wに右歯側面Gsrを有する溝加工を行う(ステップS4、第一歯側面加工工程)。
加工制御部13は、右歯側面Gsrを有する溝加工が完了したか否かを判断し(ステップS5)、右歯側面Gsrを有する溝加工が完了していないときは(ステップS5:No)、ステップS2に戻って上述の処理を繰り返す。右歯側面Gsrを有する溝加工が完了したら(ステップS5:Yes)、工作物Wの回転を停止するとともに、歯切り工具Tと工作物Wの相対移動を停止する。
そして、図14Bに示すように、加工制御部13は、予め記憶している工作物Wにおける対向する右歯側面Gsrと左歯側面Gslとの工作物Wの中心軸Cw回りの離間角度σだけ工作物Wを図示矢印方向に回転して、左歯側面Gslを有する溝加工の加工開始位置Plを割り出す。そして、割り出した左歯側面Gslを有する溝加工の加工開始位置Plに歯切り工具Tを位置決めする(ステップS6)。
加工制御部13は、上記所定交差角θはそのままで、左側面Gslの位相補正角を用いて工作物Wの回転制御を行いつつ、同期回転している歯切り工具Tと工作物Wを工作物Wの中心軸Cw方向に相対移動制御を行って、歯切り工具Tで工作物Wに左歯側面Gslを有する溝加工を行う(ステップS7、第二歯側面加工工程)。
加工制御部13は、左歯側面Gslを有する溝加工が完了したか否かを判断し(ステップS8)、左歯側面Gslを有する溝加工が完了していないときは(ステップS8:No)、ステップS5に戻って上述の処理を繰り返す。左歯側面Gslを有する溝加工が完了したら(ステップS8:Yes)、工作物Wの回転を停止するとともに、歯切り工具Tと工作物Wの相対移動を停止し、全ての処理を終了する。以上により、歯溝Ggに削り残しBが無いテーパ状の歯溝Ggを得ることができる。
加工制御部13の動作その2として、基準歯溝Gbを加工する場合を、図15A−15Bのフローチャート及び図16A−16Bの動作図を参照して説明する。なお、図15においては、図13のフローチャートと同一の動作は同一符号を付して詳細な説明を省略する。加工制御部13は、基準歯溝Gbを加工するための所定交差角θ及び基準位相補正角等の基準加工条件を決定する(ステップS11、基準加工条件決定工程)。そして、加工制御部13は、右歯側面加工条件及び左歯側面加工条件を決定し(ステップS1,S2)、上記所定交差角θを有する状態に設定する(ステップS3)。
加工制御部13は、決定した基準加工条件に基づいて、基準歯溝Gbの位相補正角を用いて工作物Wを回転制御しつつ、同期回転している歯切り工具Tと工作物Wを工作物Wの中心軸Cw方向に相対移動制御を行って、任意の加工開始位置から歯切り工具Tで工作物Wに基準歯溝Gbの加工を行う(ステップS12、基準歯溝加工工程)。
加工制御部13は、基準歯溝Gbの加工が完了したか否かを判断し(ステップS13)、基準歯溝Gbの加工が完了していないときは(ステップS13:No)、ステップS12に戻って上述の処理を繰り返す。基準歯溝Gbの加工が完了したら(ステップS13:Yes)、工作物Wの回転を停止するとともに、歯切り工具Tと工作物Wの相対移動を停止する。
そして、図15Aに示すように、加工制御部13は、位置検出センサ(図示省略)で、右歯側面用基準点Qr及び左歯側面用基準点Qlを検出する(ステップS14)。そして、加工制御部13は、右歯側面用基準点Qrに基づいて、右歯側面Gsrの加工開始位置Prを割り出し、歯切り工具Tを右歯側面Gsrの加工開始位置Prに位置決めする(ステップS15)。そして、加工制御部13は、上記所定交差角θはそのままで、歯切り工具Tで工作物Wに右歯側面Gsrを有する溝加工を行う(ステップS4、第一歯側面加工工程)。
加工制御部13は、右歯側面Gsrを有する溝加工が完了したか否かを判断し(ステップS5)、右歯側面Gsrを有する溝加工が完了していないときは(ステップS5:No)、ステップS4に戻って上述の処理を繰り返す。右歯側面Gsrを有する溝加工が完了したら(ステップS5:Yes)、工作物Wの回転を停止するとともに、歯切り工具Tと工作物Wの相対移動を停止する。
そして、加工制御部13は、左歯側面用基準点Qlに基づいて、左歯側面Gslの加工開始位置を割り出し、歯切り工具Tを左歯側面Gslの加工開始位置に位置決めする(ステップS16)。そして、加工制御部13は、上記所定交差角θはそのままで、歯切り工具Tで工作物Wに左歯側面Gslを有する溝加工を行う(ステップS7、第二歯側面加工工程)。
加工制御部13は、左歯側面Gslを有する溝加工が完了したか否かを判断し(ステップS8)、左歯側面Gslを有する溝加工が完了していないときは(ステップS8:No)、ステップS7に戻って上述の処理を繰り返す。左歯側面Gslを有する溝加工が完了したら(ステップS8:Yes)、工作物Wの回転を停止するとともに、歯切り工具Tと工作物Wの相対移動を停止し、全ての処理を終了する。以上により、歯溝Ggに削り残しBが無いテーパ状の歯溝Ggを得ることができる。
10:歯溝加工装置、 11:工具主軸、 12:工作物主軸、 13:加工制御部、 T:歯切り工具、 W:工作物、 G:外歯、 Gg:歯溝、 Gt:歯、 Gsr:右歯側面(第一歯側面)、 Gsl:左歯側面(第二歯側面)、 Gb:基準歯溝、 φR:右歯側面のテーパ角、 φL:左歯側面のテーパ角、 A+α:右歯側面の位相補正角、 A−α:左歯側面の位相補正角、 ψ:基準角、 β:刃すじのねじれ角、 θ:歯溝加工の交差角
特開2019−018335号公報 特開2016−093882号公報 特開2019−018334号公報 特開2018−079558号公報
歯溝加工装置の構成を示す図である。 スカイビング加工における工作物と歯切り工具において、交差角を設定したときを歯切り工具の径方向に見た図である。 図2Aを歯切り工具の中心軸線方向に見た図である。 スカイビング加工の動作を説明する図であって、歯切り工具の径方向に見た図である。 図3Aを歯切り工具の中心軸線方向に見た図である。 スカイビング加工で形成するシンクロコーンの外歯車の一部を示す図である。 図4Aを外歯車の径方向に見た図である。 歯切り工具を示す図である。 図5Aの歯切り工具の刃を径方向に見た一部断面図である。 スカイビング加工における歯切り工具の動作を説明する図であって、工作物の径方向に見た図である。 左右対称のテーパ状の形状の溝加工を行うときの位相補正角を説明する図であって、工作物の径方向に見た図である。 左右非対称のテーパ状の形状の溝加工を行うときの位相補正角を説明する図であって、工作物の径方向に見た図である。 はすば歯車の補正角を説明する図であって、基準円筒を示す斜視図である。 図7Aの基準円筒におけるΔLの位置の軸方向に直角な断面図である。 歯溝加工で削り残しが無い状態を工作物の径方向に見た図である。 歯溝加工で削り残しが有る状態を工作物の径方向に見た図である。 基準歯溝における右歯側面及び左歯側面の各加工開始位置の割り出しを説明するための図である。 左右対称のテーパ状の形状を工作物の径方向に見た図である。 図10Aの歯面の諸元の一例を示す図である。 図10Aの形状を溝加工するときの加工条件を本実施形態と従来例で比較した図である。 左右非対称のテーパ状の形状を工作物の径方向に見た図である。 図1Aの歯面の諸元の一例を示す図である。 図1Aの形状を溝加工するときの加工条件を本実施形態と従来例で比較した図である。 歯溝加工装置の加工制御部の構成を示す図である。 基準歯溝を加工しないときの加工制御部の動作を説明するためのフローチャートである。 基準歯溝を加工しないときの右歯側面を加工した状態を示す図であり、工作物の径方向に見た図である。 基準歯溝を加工しないときの左歯側面の加工開始位置の割り出しを示す図であり、工作物の径方向に見た図である。 基準歯溝を加工しないときの左歯側面を加工した状態を示す図であり、工作物の径方向に見た図である。 基準歯溝を加工するときの加工制御部の前半の動作を説明するためのフローチャートである。 基準歯溝を加工するときの加工制御部の後半の動作を説明するためのフローチャートである。 基準歯溝を加工したときの左右歯側面の加工開始位置を割り出すための左右歯側面用基準点を示す図であり、工作物の径方向に見た図である。 基準歯溝を加工したときの右歯側面の加工開始位置から右歯側面を加工した状態を示す図であり、工作物の径方向に見た図である。
つまり、シンクロコーンSCの外歯Gの歯溝Ggの右歯側面Gsr(第一歯側面)と左歯側面Gsl(第二歯側面)は、中心軸Cwの平行線に対し左右対称のテーパ状に形成される。そして、歯溝Ggの右歯側面Gsrが有する中心軸Cwの平行線に対するテーパ角ΦR(第一テーパ角)及び左歯側面Gslが有する中心軸Cwの平行線に対するテーパ角ΦL(第二テーパ角)は、上述の噛み合わせの解除をスムーズに行えるように、比較的小さな角度(例えば、3°)となっている。また、歯溝Ggの右歯側面Gsrと左歯側面Gslは、工作物Wの中心軸Cw回りに角度σだけ離間している。
なお、以下の説明では、右歯側面Gsr及び左歯側面Gsの角度の標記は、中心軸Cwの平行線に対し時計回りを正、反時計回りを負とする。よって、図4Bに示すように、テーパ状の歯溝Ggの先細り側が図の下方に位置するとき、右歯側面Gsrは、中心軸Cwの平行線に対し時計回りの方向に傾斜しているため、右歯側面Gsrのテーパ角ΦRは、正となる。また、左歯側面Gslは、中心軸Cwの平行線に対し反時計回りの方向に傾斜しているため、左歯側面Gslのテーパ角ΦLは、負となる。
スカイビング加工において歯切り工具Tの切削速度を適切な値にできる交差角θは、加工実績から約20°から約30°が望ましい。よって、歯切り工具Tのねじれ角βは、上記交差角θに基づいた値(約20°から約30°)に設定される。歯切り工具Tの他の工具諸元は、外歯Gの歯車諸元から設定される。そして、設定した歯切り工具Tの他の工具諸元に基づいて、歯切り工具Tを設計する。
本例のテーパ状の歯溝加工に用いる位相補正角は、以下のように定義する。図6Aに示すように、歯切り工具Tを工作物Wの中心軸Cw方向に初期位置Psから終期位置Peまで(工作物Wの厚さΔZ)相対移動させるスカイビング加工において、初期位置Ps及び終期位置Peの両者において歯切り工具Tの刃Tccの位置が同一位置に位置する。
右歯側面Gsの位相補正角A+αから基準位相補正角Aを引いた値と、左歯側面Gslの位相補正角A−αから基準位相補正角Aを引いた値とは、符号が逆であり、絶対値が同一となる。これにより、左右対称の右左歯側面Gslと左歯側面Gslを高精度に加工できる。
図10Cに示すように、右歯側面Gsrと左歯側面Gslを加工する工具種は、第一例及び第二例ではともに共通、第一比較例では右用と左用、第二比較例では共通となる。右歯側面Gsrを加工する際の交差角θ、工具ねじれ角β、位相補正角は、第一例及び第二例では、20°、20°、A1+α1(A1=0)、第一比較例では、20°、23°、B(B≠0)、第二比較例では、3°、0°、C(C≠0)となる。左歯側面Gslを加工する際の交差角θ、工具ねじれ角β、位相補正角は、第一例及び第二例では、20°、20°、A1−α2(A1=0、α1=α2)、第一比較例では、-20°、-23°、−B(B≠0)、第二比較例では、-3°、0°、−C(C≠0)となる。
図11Cに示すように、右歯側面Gsrと左歯側面Gslを加工する工具種は、第一例及び第二例ではともに共通、第一比較例では右用と左用、第二比較例では共通となる。右歯側面Gsrを加工する際の交差角θ、工具ねじれ角β、位相補正角は、第一例及び第二例では、20.5°、20.5°、A2+α3(A2≠0)、また、第一例及び第二例の別例では、20°、20°、A3+α5(A2=0)、第一比較例では、20°、23°、E(E≠0)、第二比較例では、3°、0°、G(G≠0)となる。左歯側面Gslを加工する際の交差角θ、工具ねじれ角β、位相補正角は、第一例及び第二例では、20.5°、20.5°、A2−α4(A2≠0、α3=α4)、また、第一例及び第二例の別例では、20°、20°、A3−α6(A2=0、α5≠α6)、第一比較例では、20°、22°、−F(F≠0)、第二比較例では、−2°、0°、−H(H≠0)となる。
基準歯溝加工制御部17は、基準加工条件決定部14で決定した基準加工条件に基づいて、交差角θを所定交差角とし、位相補正角を基準位相補正角として、歯切り工具Tにより基準角ψを有する基準歯溝Gbをスカイビング加工により加工する。第一歯側面加工制御部18は、第一歯側面加工条件決定部15で決定した右歯側面加工条件に基づいて、交差角θを上記所定交差角と同一とし、位相補正角を右歯面Gsrの位相補正角として、基準歯溝Gbを加工した歯切り工具Tと同一の歯切り工具Tにより右歯側面Gsrをスカイビング加工により加工する。
第二歯側面加工制御部19は、第二歯側面加工条件決定部16で決定した左歯側面加工条件に基づいて、交差角θを上記所定交差角と同一とし、位相補正角を右歯面Gsrの位相補正角とは異なる左歯面Gslの位相補正角として、右歯面Gsrを加工した歯切り工具Tと同一の歯切り工具Tにより左歯側面Gslをスカイビング加工により加工する。
加工制御部13は、右歯側面Gsrを有する溝加工が完了したか否かを判断し(ステップS5)、右歯側面Gsrを有する溝加工が完了していないときは(ステップS5:No)、ステップSに戻って上述の処理を繰り返す。右歯側面Gsrを有する溝加工が完了したら(ステップS5:Yes)、工作物Wの回転を停止するとともに、歯切り工具Tと工作物Wの相対移動を停止する。
加工制御部13は、左歯側面Gslを有する溝加工が完了したか否かを判断し(ステップS8)、左歯側面Gslを有する溝加工が完了していないときは(ステップS8:No)、ステップSに戻って上述の処理を繰り返す。左歯側面Gslを有する溝加工が完了したら(ステップS8:Yes)、工作物Wの回転を停止するとともに、歯切り工具Tと工作物Wの相対移動を停止し、全ての処理を終了する。以上により、歯溝Ggに削り残しBが無いテーパ状の歯溝Ggを得ることができる。
そして、図15Bに示すように、加工制御部13は、位置検出センサ(図示省略)で、右歯側面用基準点Qr及び左歯側面用基準点Qlを検出する(ステップS14)。そして、加工制御部13は、右歯側面用基準点Qrに基づいて、右歯側面Gsrの加工開始位置Prを割り出し、歯切り工具Tを右歯側面Gsrの加工開始位置Prに位置決めする(ステップS15)。そして、加工制御部13は、上記所定交差角θはそのままで、歯切り工具Tで工作物Wに右歯側面Gsrを有する溝加工を行う(ステップS4、第一歯側面加工工程)。

Claims (7)

  1. 歯切り工具で工作物に歯溝をスカイビング加工により加工する歯溝加工方法であって、
    前記歯溝の第一歯側面は、前記工作物の中心軸の平行線に対して第一テーパ角を有し、
    前記歯溝における前記第一歯側面に対向する第二歯側面は、前記第一テーパ角とは異なる第二テーパ角を有し、
    前記工作物の所定歯溝の基準点を周方向にずらす場合に、ずれ角度を前記スカイビング加工における位相補正角と定義し、
    前記工作物の中心軸の平行線と前記歯切り工具の中心軸との交差角を所定交差角とし、前記位相補正角を第一位相補正角として、前記歯切り工具により前記第一歯側面を前記スカイビング加工により加工する第一歯側面加工工程と、
    前記交差角を前記所定交差角と同一とし、前記位相補正角を前記第一位相補正角とは異なる第二位相補正角として、前記第一歯側面を加工した前記歯切り工具と同一の前記歯切り工具により前記第二歯側面を前記スカイビング加工により加工する第二歯側面加工工程と、
    を備える、歯溝加工方法。
  2. 前記第一テーパ角と前記第二テーパ角との中間値を基準角と定義し、
    前記歯溝加工方法は、さらに、
    前記交差角を前記所定交差角と同一とし、前記位相補正角を前記第一位相補正角及び前記第二位相補正角とは異なる基準位相補正角として、前記第一歯側面を加工した前記歯切り工具と同一の前記歯切り工具により前記基準角を有する基準歯溝を前記スカイビング加工により加工する基準歯溝加工工程を備え、
    前記第一歯側面加工工程及び前記第二歯側面加工工程は、前記基準歯溝加工工程の後に行う、請求項1に記載の歯溝加工方法。
  3. 前記基準角は、前記第一テーパ角と前記第二テーパ角との中央値である、請求項2に記載の歯溝加工方法。
  4. 前記基準角は、0°である、請求項2に記載の歯溝加工方法。
  5. 前記第一テーパ角と前記第二テーパ角との中間値を基準角と定義し、
    前記歯溝加工方法は、さらに、
    前記基準角を有する歯溝を前記スカイビング加工により加工するための条件であって、前記交差角を前記所定交差角とし、且つ、前記位相補正角を前記第一位相補正角及び前記第二位相補正角とは異なる基準位相補正角とする基準加工条件を決定する基準加工条件決定工程と、
    前記第一歯側面を前記スカイビング加工により加工するための条件であって、前記交差角を前記所定交差角とし、且つ、前記位相補正角を前記第一位相補正角とする第一歯側面加工条件を、前記基準加工条件に基づいて決定する第一歯側面加工条件決定工程と、
    前記第二歯側面を前記スカイビング加工により加工するための条件であって、前記交差角を前記所定交差角とし、且つ、前記位相補正角を前記第二位相補正角とする第二歯側面加工条件を、前記基準加工条件に基づいて決定する第二歯側面加工条件決定工程と、
    を備え、
    前記第一歯側面加工工程は、前記第一歯側面加工条件に基づいて加工し、
    前記第二歯側面加工工程は、前記第二歯側面加工条件に基づいて加工する、請求項1−4の何れか1項に記載の歯溝加工方法。
  6. 前記第一位相補正角から前記基準位相補正角を引いた値と、前記第二位相補正角から前記基準位相補正角を引いた値とは、符号が逆であり、絶対値が同一である、請求項5に記載の歯溝加工方法。
  7. 歯切り工具で工作物に歯溝をスカイビング加工により加工する歯溝加工装置であって、
    前記歯溝の第一歯側面は、前記工作物の中心軸の平行線に対して第一テーパ角を有し、
    前記歯溝における前記第一歯側面に対向する第二歯側面は、前記第一テーパ角とは異なる第二テーパ角を有し、
    前記工作物の所定歯溝の基準点を周方向にずらす場合に、ずれ角度を前記スカイビング加工における位相補正角と定義し、
    前記工作物の中心軸の平行線と前記歯切り工具の中心軸との交差角を所定交差角とし、前記位相補正角を第一位相補正角として、前記歯切り工具により前記第一歯側面を前記スカイビング加工により加工する第一歯側面加工制御部と、
    前記交差角を前記所定交差角と同一とし、前記位相補正角を前記第一位相補正角とは異なる第二位相補正角として、前記第一歯側面を加工した前記歯切り工具と同一の前記歯切り工具により前記第二歯側面を前記スカイビング加工により加工する第二歯側面加工制御部と、
    を備える、歯溝加工装置。
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