JP2021029163A - 茶飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】脱カフェイン処理が施され、カフェイン含有量が所定量以下であるほうじ茶飲料において、茶飲料本来のほうじ茶感を向上させたほうじ茶飲料を提供する。
【解決手段】本発明は、ほうじ茶飲料であって、カフェイン含有量が3mg/100ml以下であり、4−エチルフェノール及びp−クレゾールのいずれか一方、あるいは両方を含有し、4−エチルフェノールの含有量が1.5〜50000ppbであり、p−クレゾールの含有量が1.0〜5000ppbである。
【選択図】なし

Description

本発明は、茶飲料に関するものであり、より詳しくは、脱カフェイン処理が施されてカフェイン含有量が所定量以下であるほうじ茶飲料に関する。
カフェインがもつエグ味等が苦手な消費者や、妊婦等のカフェインの摂取が制限される消費者、そのほか乳幼児や高齢者等の消費者には、カフェインの含有量が低減された、いわゆる低カフェイン飲料が求められている。
例えばほうじ茶にも、一般的な緑茶と同様にカフェインが含まれる。このようなほうじ茶飲料において、カフェインの摂取を避けたい人でも飲用できるようにするには、吸着剤を用いてカフェインを低減することや茶原料の使用量を低減することが考えられる。
ところが、カフェイン量の低減に伴い、にが渋みに関与する成分が低減して濃度感が損なわれることや、茶飲料本来の甘みが損なわれることがある。
このような問題に対して、例えば特許文献1には、カフェインを低減した容器詰ほうじ茶飲料に関する技術が提案されている。具体的には、ほうじ茶飲料において、飲料中における還元糖と非還元糖とを合わせた糖類の濃度と、還元糖に対する非還元糖の濃度比率を所定の範囲とし、没食子酸を所定の濃度で含有する飲料とすることで、焙煎香と適度な渋みによる濃度感があり、あっさりとした味わいのある飲料を提供できるとしている。
また、特許文献2においても、カフェインを低減した茶飲料に関する技術が提案されている。具体的には、茶飲料中におけるエタノールの含有量を所定範囲とすることで、茶本来の甘みを有する茶飲料を提供できるとしている。
例えばほうじ茶飲料において、カフェイン量を低減する処理、すなわち脱カフェイン処理としては種々の方法が知られているが、そのような脱カフェイン処理によってほうじ茶飲料に含まれる他の成分も失われることがある。そして、そのことにより、茶飲料本来のほうじ茶感が損なわれてしまうという問題がある。
特開2011−155878号公報 特開2015−122968号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、脱カフェイン処理が施され、カフェイン含有量が所定量以下であるほうじ茶飲料において、茶飲料本来のほうじ茶感を向上させた茶飲料を提供することを目的とする。
本発明者は、脱カフェイン処理を施したほうじ茶飲料において、4−エチルフェノール、p−クレゾールのいずれか一方、又はその両方を、それぞれ所定の濃度で含有させることで、脱カフェイン処理により失われるほうじ茶感を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、ほうじ茶飲料であって、カフェイン含有量が3mg/100ml以下であり、4−エチルフェノール及びp−クレゾールのいずれか一方、あるいは両方を含有し、前記4−エチルフェノールの含有量が1.5〜50000ppbであり、前記p−クレゾールの含有量が1.0〜5000ppbである、茶飲料である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記4−エチルフェノールの含有量が5〜10000ppbである、茶飲料である。
(3)本発明の第3の発明は、第1の発明において、前記p−クレゾールの含有量が5〜500ppbである、茶飲料である。
(4)本発明の第4の発明は、ほうじ茶飲料の製造方法であって、脱カフェイン処理を施し、カフェイン含有量が3mg/100ml以下となるように脱カフェイン処理後ほうじ茶を調製する工程と、前記脱カフェイン処理後ほうじ茶に、4−エチルフェノール及びp−クレゾールのいずれか一方、あるいは両方を、該4−エチルフェノールの含有量が1.5〜50000ppb、該p−クレゾールの含有量が1.0〜5000ppbとなるように添加する工程と、を有する、方法である。
(5)本発明の第5の発明は、脱カフェイン処理を施すことによりカフェイン含有量を3mg/100mlとしたほうじ茶飲料に対し、4−エチルフェノール及びp−クレゾールのいずれか一方、あるいは両方を、該4−エチルフェノールの含有量が1.5〜50000ppb、該p−クレゾールの含有量が1.0〜5000ppbとなるように添加する、ほうじ茶飲料の風味向上方法である。
本発明によれば、脱カフェイン処理が施されカフェイン含有量が所定量以下であるほうじ茶飲料において、茶飲料本来のほうじ茶感を向上させた茶飲料を提供できる。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。なお、本明細書にて、「X〜Y」(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
≪1.ほうじ茶飲料≫
本発明に係るほうじ茶飲料(以下、単に「茶飲料」ともいう)は、当該ほうじ茶飲料100mlあたりのカフェイン含有量が3mg以下(3mg/100ml以下)である、カフェイン含有量を低減させた茶飲料である。ここで、本発明に係る「ほうじ茶飲料」とは、焙煎した緑茶葉を抽出して得られるほうじ茶抽出液を含む液体飲料を意味するものであり、焙煎した緑茶葉を抽出して得られるほうじ茶抽出液のみからなる液体だけでなく、当該ほうじ茶抽出液を希釈した液体、当該ほうじ茶抽出液に穀物等の他の植物の抽出液を混合して得られる液体(ほうじ茶風味の飲料を含む)、あるいはこれらの液体に添加物を加えて得られる液体、またはこれらの液体を乾燥したものを分散させてなる液体等を含む。
この茶飲料においては、4−エチルフェノール及びp−クレゾールのいずれか一方、あるいは両方を含有する。そして、4−エチルフェノールを含有する場合には、茶飲料中のその含有量が1.5〜50000ppbであり、p−クレゾールを含有する場合には、茶飲料中のその含有量が1.0〜5000ppbである。
なお、4−エチルフェノールとp−クレゾールの両方を含有する場合でも、各成分の茶飲料中の含有量がそれぞれ上記の範囲となる。
このようなほうじ茶飲料によれば、脱カフェイン処理によりほうじ茶に含まれる所定の成分が失われ、あるいは低減した場合でも、ほうじ茶飲料本来の風味、いわゆるほうじ茶感を向上させることができる。また、特定の成分を増強したことに由来する薬品臭がほとんどなく、ほうじ茶飲料らしい香ばしい香りを奏する。ここで、「ほうじ茶感」とは、少なくとも、ほうじ茶らしい鼻に抜ける香ばしい香りを有することをいう。また、「ほうじ茶感」としては、ほうじ茶らしいすっきりとした後味を有することがより好ましい。
[カフェイン]
本発明に係る茶飲料におけるカフェイン含有量は、低カフェイン茶飲料を実現する点から、3mg/100mL以下、好ましくは2mg/100mL以下、より好ましくは1mg/100mL以下であり、定量分析による検出下限以下であってもよい。カフェイン含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフィ法(HPLC法)によって測定できる。
茶飲料においては、所定の脱カフェイン処理を施すことにより、カフェイン含有量を低減させることができる。具体的には、例えば、製茶時に湯又は水を散水する、湯又は水に浸漬する、超臨界炭酸ガス抽出した茶葉を使用する方法が挙げられる。また、茶葉から茶飲料を抽出する際に低温で抽出する、水蒸気蒸留により抽出する、二煎目以降の抽出液を使用する方法が挙げられる。さらに、茶葉抽出液を活性炭や樹脂等の吸着剤や白土等の鉱物で処理する方法が挙げられる。これらの脱カフェイン処理の方法は、単独で行ってもよく、あるいは複数の方法を組み合わせて行ってもよい。
[4−エチルフェノール]
本発明に係る茶飲料において、4−エチルフェノールを含有する場合、茶飲料中の含有量は1.5〜50000ppbの範囲である。なお、p−クレゾールを共に含有する場合においても、茶飲料中の4−エチルフェノールの含有量は上記の範囲である。
上述したように、本発明に係る茶飲料は、脱カフェイン処理が施されて、カフェイン含有量が3mg/100ml以下となった、カフェイン量を低減させた茶飲料である。この茶飲料において、4−エチルフェノールを含有することで、ほうじ茶飲料本来の風味、いわゆるほうじ茶感を向上させることができる。
ここで、4−エチルフェノールの含有量に関して、1.5ppb以上であることにより、カフェイン含有量が3mg/100ml以下である茶飲料において、ほうじ茶感を向上させることができる。また、5ppb以上であることが好ましく、8ppb以上であることがより好ましく、10ppb以上であることが特に好ましい。
また、4−エチルフェノールの含有量に関して、50000ppb以下であることにより、当該成分に由来する薬品臭のような異成分臭を生じさせることなく、ほうじ茶感を向上させることができる。また、25000ppb以下であることが好ましく、10000ppb以下であることがより好ましく、5000ppb以下であることが特に好ましい。
4−エチルフェノールは、フェノール類に属する有機化合物である。4−エチルフェノールとしては、特に限定されないが化合物の市販品を用いて配合することができる。また、大麦等の穀物成分等に微量に含まれていることが知られており、そのような成分の抽出液やその抽出液から単離したものを用いて配合することもできる。
茶飲料中の4−エチルフェノールの含有量は、4−エチルフェノールの化合物の配合量により調整できる。また、例えば大麦等の穀物成分の抽出物が含まれる茶飲料等では、その穀物成分の抽出物に含まれる4−エチルフェノールを含めて、その含有量を調整する。
なお、茶飲料中の4−エチルフェノールの含有量は、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて測定することができる。各原料中における濃度が把握できている場合には計算することもできる。
[p−クレゾール]
本発明に係る茶飲料において、p−クレゾールを含有する場合、茶飲料中の含有量は1.0〜5000ppbの範囲である。なお、4−エチルフェノールを共に含有する場合においても、茶飲料中のp−クレゾールの含有量は上記の範囲である。
上述したように、本発明に係る茶飲料は、脱カフェイン処理が施されて、カフェイン含有量が3mg/100ml以下となった、カフェイン量を低減させた茶飲料である。この茶飲料において、p−クレゾールを含有することで、ほうじ茶飲料本来の風味、いわゆるほうじ茶感を向上させることができる。
ここで、p−クレゾールの含有量に関して、1.0ppb以上であることにより、カフェイン含有量が3mg/100ml以下である茶飲料において、ほうじ茶感を向上させることができる。また、1.5ppb以上であることが好ましく、3.5ppb以上であることがより好ましく、5ppb以上であることが特に好ましい。
また、p−クレゾールの含有量の含有量に関して、5000ppb以下であることにより、当該成分に由来する薬品臭のような異成分臭を生じさせることなく、ほうじ茶感を向上させることができる。また、1000ppb以下であることが好ましく、750ppb以下であることがより好ましく、500ppb以下であることが特に好ましい。
p−クレゾールは、フェノール類に属する有機化合物である。p−クレゾールとしては、特に限定されないが化合物の市販品を用いて配合することができる。また、大麦等の穀物成分等に微量に含まれていることが知られており、そのような成分の抽出液やその抽出液から単離したものを用いて配合することもできる。
茶飲料中のp−クレゾールの含有量は、p−クレゾールの化合物の配合量により調整できる。また、例えば大麦等の穀物成分の抽出物が含まれる茶飲料等では、その穀物成分の抽出物に含まれる4−エチルフェノールを含めて、その含有量を調整する。
なお、茶飲料中のp−クレゾールの含有量は、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて測定することができる。各原料中における濃度が把握できている場合には計算することもできる。
[4−エチルフェノールとp−クレゾールの併用]
上述したように、本発明に係る茶飲料においては、4−エチルフェノールとp−クレゾールとを併用してそれぞれを含有させることができる。このときの、茶飲料中における各成分の含有量は、上記と同様の範囲である。すなわち、茶飲料中において、4−エチルフェノールの含有量が1.5〜50000ppbであり、p−クレゾールの含有量が1.0〜5000ppbである。
このように、茶飲料において、4−エチルフェノールとp−クレゾールとをそれぞれを含有し、例えば、上記の含有量範囲内において各成分の含有比率(例えば4−エチルフェノール含有量/p−クレゾール含有量)を調整することで、薬品臭の発生を抑制しながら、ほうじ茶感をより効果的に向上させることができる。
[その他の成分]
本発明に係る飲料においては、その効果を阻害しない範囲で、一般的な茶飲料に通常用いられる他の原料や添加剤を適宜配合できる。なお、配合量は目的とする効果に応じて適宜調整できる。具体的には、例えば、酸化防止剤、pH調整剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、品質安定剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
[容器]
本発明に係る茶飲料においては、容器に充填することで容器詰茶飲料とすることができる。容器としては、飲料業界で公知の密封容器であればよく、適宜選択して用いることができ、流通形態や消費者ニーズに応じて適宜決定できる。その具体例としては、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、紙、アルミ、スチール等の単体、又はこれらの複合材料又は積層材料からなる密封容器が挙げられる。特に、透明(半透明も含む)容器が好ましい。透明容器は全体が透明であっても、一部が透明であってもよい。
≪2.茶飲料の製造方法≫
本発明に係るほうじ茶飲料は、脱カフェイン処理を施して得られるほうじ茶に、上記の成分の含有量を適宜調整して配合することで製造できる。
具体的に、この茶飲料の製造方法は、脱カフェイン処理を施してカフェイン含有量が3mg/100ml以下となるように脱カフェイン処理後ほうじ茶を調製する工程と、脱カフェイン処理後ほうじ茶に、4−エチルフェノール及びp−クレゾールのいずれか一方、あるいは両方を、それぞれ所定の含有量となるように添加する工程と、を有する。より具体的には、4−エチルフェノールを含有させる場合にはその含有量が1.5〜50000ppbとなるように、p−クレゾールを含有させる場合にはその含有量が1.0〜5000ppbとなるように、添加する。
脱カフェイン処理の方法としては、上述したような種々の方法により行うことができる。また、脱カフェイン処理後ほうじ茶に対して4−エチルフェノール及び/又はp−クレゾールを添加する方法は、常法に従えばよく、例えば、準備されたそれぞれ所定量の成分を含有する抽出液等を順次又は同時に添加する。そして、各成分を添加したのち、撹拌等により混合することで製造できる。原料の混合順序等については、特に限定されない。
製造された茶飲料は、容器に充填して容器詰茶飲料とすることができ、容器に充填する前又は後に、適宜殺菌処理してもよい。
≪3.ほうじ茶風味の向上方法≫
上述したように、本発明に係るほうじ茶飲料は、脱カフェイン処理脱を施すことによってカフェイン含有量を低減させた茶飲料であり、4−エチルフェノール及びp−クレゾールのいずれか一方、あるいは両方を、それぞれ特定の含有量で含有することで、その脱カフェイン処理を経た茶飲料であっても、ほうじ茶本来の風味、いわゆるほうじ茶感を向上させる効果を奏する。このことから、脱カフェイン処理を施すことによりカフェイン含有量を3mg/100mlとしたほうじ茶飲料に、4−エチルフェノール及びp−クレゾールのいずれか一方、あるいは両方を、それぞれ特定の割合で配合するという、ほうじ茶飲料の風味向上方法と定義することができる。
このような方法に基づいて4−エチルフェノール及びp−クレゾールのいずれか一方、あるいは両方を配合することで、ほうじ茶本来の風味を向上させた、低カフェイン含有の茶飲料を提供することができる。
以下に、本発明の具体的な実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されない。
[試験1:4−エチルフェノールによるほうじ茶感向上の検証]
(ほうじ茶飲料の作製)
脱カフェイン(デカフェ)処理の前後のほうじ茶を各70g用意し、90℃の純水2100gで抽出し、2号ろ紙でろ過後、冷却して抽出液を得た。得られた抽出液の90%重量に対してL−アスコルビン酸ナトリウムを3.6g、L−アスコルビン酸を2.7g、重炭酸ナトリウムを2.43g添加し、純水で9000gに定容し、調合液を得た。得られた調合液をUHT殺菌(140℃、30秒間)した後、無菌的にボトル充填し、殺菌ほうじ茶を得た。
得られたほうじ茶(脱カフェイン処理ほうじ茶)に、4−エチルフェノールを添加してほうじ茶飲料を作製した。
茶飲料中における4−エチルフェノールの含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて測定した。具体的には、分析対象である飲料100μlをバイアル瓶(容量10ml)に入れ、ゲステル社製MPSを用いるMVM(Multi Volatile Method)法によりGC−MS(アジレント社製)に導入した。検量線は標準添加法にて作成し、内標としてシクロヘキサノールを用いた。
<GC−MSの分析条件>
・機器 GC:Agilent 7980B GC System(アジレント・テクノロジー社製)
MS:Agilent 7000D GC/MS Triple Quad(アジレント・テクノロジー社製)
捕集管(吸着剤):Tenax TA、Carbopack-B & Carbopack-X
・カラム :DB-WAX UI、20m×0.18mm、膜厚0.30μm(アジレント・テクノロジー社製)
・注入法 :スプリットレス
・キャリアガス :He(1.0ml/分)
・トランスファーライン :250℃
・昇温プログラム :40℃(3分間保持)→5℃/分→240℃(7分間保持)
・プリカーサーイオン>プロダクトイオン(CE(コリジョンエネルギー))
:4−エチルフェノール 107>77(20V)
・イオン化方法 :EI
・四重極温度 :150℃
・イオン源温度 :230℃
また、脱カフェイン処理前のほうじ茶のカフェイン含有量は9.74mg/100mlであり、脱カフェイン処理後のほうじ茶のカフェイン含有量は0.42mg/100mlであった。カフェイン含有量の測定は、超高速液体クロマトグラフィ(HPLC)法により、下記の条件で行った。
HPLC装置:超高速液体クロマトグラフィ Nexera(島津製作所社製)
カラム:Agilent ZORBAX EclipsePlus C18 粒子径1.8μm×内径3.0mm×長さ100mm
移動相A:0.17%リン酸含む超純水
移動相B:0.17%リン酸含むメタノール
試料注入量:3μl
送液量:1.2mL/分
カラムオーブン温度:45℃
測定波長:280nm
(官能評価)
作製したほうじ茶飲料について、専門パネル5名にて官能評価を行った。脱カフェイン処理前ほうじ茶を基準品、脱カフェイン処理後の4−エチルフェノール未添加品を対照品として比較評価した。
具体的には、ほうじ茶感の評価を行い、「鼻に抜ける香ばしい香り」、「ほうじ茶らしいすっきりとした後味」、それらを総合した「ほうじ茶らしさ」について、それぞれ点数化してその平均値を算出し、基準品を評点4点とし、4−エチルフェノール未添加の対象品を評点1点として評価した。なお、評価基準に関して、4点以上であれば基準品と同等以上にその性質を有することを意味し、1点を超えて点数が高いほど、対照品と比べてその性質が強いことを意味し、ほうじ茶感の向上効果があると評価できる。
また、「薬品臭」についても併せて評価した。基準品及び対照品をそれぞれ評点1点とし、評価にあたり、4点:薬品臭が強く許容できない、3点:薬品臭があり許容できない、2点:薬品臭が僅かに感じるが許容範囲、1点:薬品臭がない、を基準とした。
(結果)
下記表1に、ほうじ茶飲料中の4−エチルフェノール含有量と、官能評価の結果を示す。なお、基準品及び対照品における4−エチルフェノール、p−クレゾール、オイゲノールの含有量も併せて示す。
Figure 2021029163
表1に示すように、実施例1〜実施例6では、脱カフェイン処理後のほうじ茶に4−エチルフェノールを所定の含有量となるように含有させたことで、対照品に比べてほうじ茶感を向上させることができた。また、4−エチルフェノール添加による薬品臭もほとんど発生しなかった。
一方で、4−エチルフェノールを含有させたものの含有量を0.60ppb、1ppbと微量とした比較例1、比較例2では、対照品と同様にほうじ茶感が失われたままであった。また、4−エチルフェノールを100000ppbと高含有量で含有させた比較例3では、薬品臭が発生して許容できないものであり、それに伴ってほうじ茶感が失われた。
[試験2:p−クレゾールによるほうじ茶感向上の検証]
(ほうじ茶飲料の作製)
上記の試験1と同様に、殺菌ほうじ茶を得た。そして、得られたほうじ茶(脱カフェイン処理ほうじ茶)に、p−クレゾールを添加してほうじ茶飲料を作製した。なお、脱カフェイン処理前のほうじ茶のカフェイン含有量は9.74mg/100mlであり、脱カフェイン処理後のほうじ茶のカフェイン含有量は0.42mg/100mlであった。
茶飲料中におけるp−クレゾールの含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて測定した。具体的には、分析対象である飲料100μlをバイアル瓶(容量10ml)に入れ、ゲステル社製MPSを用いるMVM(Multi Volatile Method)法によりGC−MS(アジレント社製)に導入した。検量線は標準添加法にて作成し、内標としてシクロヘキサノールを用いた。
<GC−MSの分析条件>
・機器 GC:Agilent 7980B GC System(アジレント・テクノロジー社製)
MS:Agilent 7000D GC/MS Triple Quad(アジレント・テクノロジー社製)
捕集管(吸着剤):Tenax TA、Carbopack-B & Carbopack-X
・カラム :DB-WAX UI、20m×0.18mm、膜厚0.30μm(アジレント・テクノロジー社製)
・注入法 :スプリットレス
・キャリアガス :He(1.0ml/分)
・トランスファーライン :250℃
・昇温プログラム :40℃(3分間保持)→5℃/分→240℃(7分間保持)
・プリカーサーイオン>プロダクトイオン(CE(コリジョンエネルギー))
:p−クレゾール 107>77(20V)
・イオン化方法 :EI
・四重極温度 :150℃
・イオン源温度 :230℃
(官能評価)
上記の試験1と同様に、作製したほうじ茶飲料について、専門パネル5名にて官能評価を行った。脱カフェイン処理前ほうじ茶を基準品、脱カフェイン処理後のp−クレゾール未添加品を対照品とし、ほうじ茶感に関して、「鼻に抜ける香ばしい香り」、「ほうじ茶らしいすっきりとした後味」、それらを総合した「ほうじ茶らしさ」について、それぞれ点数化してその平均値を算出し、基準品を評点4点とし、p−クレゾール未添加の対象品を評点1点として評価した。また、「薬品臭」についても併せて評価した。
(結果)
下記表2に、ほうじ茶飲料中のp−クレゾール含有量と、官能評価の結果を示す。なお、基準品及び対照品における4−エチルフェノール、p−クレゾール、オイゲノールの含有量も併せて示す。
Figure 2021029163
表2に示すように、実施例7〜実施例12では、脱カフェイン処理後のほうじ茶にp−クレゾールを所定の含有量となるように含有させたことで、対照品に比べてほうじ茶感を向上させることができた。また、p−クレゾール添加による薬品臭もほとんど発生しなかった。
一方で、p−クレゾールを含有させたものの含有量を0.8ppbと微量とした比較例4では、対照品と同様にほうじ茶感が失われたままであった。また、p−クレゾールを9400ppb、99000ppbと高含有量で含有させた比較例5、比較例6では、薬品臭が発生して許容できないものであり、それに伴ってほうじ茶感が失われた。
[試験3:オイゲノールによるほうじ茶感向上の検証]
(ほうじ茶飲料の作製)
上記の試験1と同様に、殺菌ほうじ茶を得た。そして、得られたほうじ茶(脱カフェイン処理ほうじ茶)に、オイゲノールを添加してほうじ茶飲料を作製した。なお、脱カフェイン処理前のほうじ茶のカフェイン含有量は9.74mg/100mlであり、脱カフェイン処理後のほうじ茶のカフェイン含有量は0.42mg/100mlであった。
茶飲料中におけるオイゲノールの含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて測定した。具体的には、分析対象である飲料100μlをバイアル瓶(容量10ml)に入れ、ゲステル社製MPSを用いるMVM(Multi Volatile Method)法によりGC−MS(アジレント社製)に導入した。検量線は標準添加法にて作成し、内標としてシクロヘキサノールを用いた。
<GC−MSの分析条件>
・機器 GC:Agilent 7980B GC System(アジレント・テクノロジー社製)
MS:Agilent 7000D GC/MS Triple Quad(アジレント・テクノロジー社製)
捕集管(吸着剤):Tenax TA、Carbopack-B & Carbopack-X
・カラム :DB-WAX UI、20m×0.18mm、膜厚0.30μm(アジレント・テクノロジー社製)
・注入法 :スプリットレス
・キャリアガス :He(1.0ml/分)
・トランスファーライン :250℃
・昇温プログラム :40℃(3分間保持)→5℃/分→240℃(7分間保持)
・プリカーサーイオン>プロダクトイオン(CE(コリジョンエネルギー))
:オイゲノール 164>149(10V)
・イオン化方法 :EI
・四重極温度 :150℃
・イオン源温度 :230℃
(官能評価)
上記の試験1と同様に、作製したほうじ茶飲料について、専門パネル5名にて官能評価を行った。脱カフェイン処理前ほうじ茶を基準品、脱カフェイン処理後のオイゲノール未添加品を対照品とし、ほうじ茶感に関して、「鼻に抜ける香ばしい香り」、「ほうじ茶らしいすっきりとした後味」、それらを総合した「ほうじ茶らしさ」について、それぞれ点数化してその平均値を算出し、基準品を評点4点とし、オイゲノール未添加の対象品を評点1点として評価した。また、「薬品臭」についても併せて評価した。
(結果)
下記表3に、ほうじ茶飲料中のオイゲノール含有量と、官能評価の結果を示す。なお、基準品及び対照品における4−エチルフェノール、p−クレゾール、オイゲノールの含有量も併せて示す。
Figure 2021029163
表3に示すように、試験1で添加した4−エチルフェノール、試験2で添加したp−クレゾールとは異なり、香気成分であるオイゲノールを添加しても、ほうじ茶感の向上効果はほとんどなかった。一方、オイゲノール添加に伴って薬品臭が発生してしまった。

Claims (5)

  1. ほうじ茶飲料であって、
    カフェイン含有量が3mg/100ml以下であり、
    4−エチルフェノール及びp−クレゾールのいずれか一方、あるいは両方を含有し、
    前記4−エチルフェノールの含有量が1.5〜50000ppbであり、
    前記p−クレゾールの含有量が1.0〜5000ppbである、
    茶飲料。
  2. 前記4−エチルフェノールの含有量が5〜10000ppbである、
    請求項1に記載の茶飲料。
  3. 前記p−クレゾールの含有量が5〜500ppbである、
    請求項1に記載の茶飲料。
  4. ほうじ茶飲料の製造方法であって、
    脱カフェイン処理を施し、カフェイン含有量が3mg/100ml以下となるように脱カフェイン処理後ほうじ茶を調製する工程と、
    前記脱カフェイン処理後ほうじ茶に、4−エチルフェノール及びp−クレゾールのいずれか一方、あるいは両方を、該4−エチルフェノールの含有量が1.5〜50000ppb、該p−クレゾールの含有量が1.0〜5000ppbとなるように添加する工程と、
    を有する、ほうじ茶飲料の製造方法。
  5. 脱カフェイン処理を施すことによりカフェイン含有量を3mg/100mlとしたほうじ茶飲料に対し、4−エチルフェノール及びp−クレゾールのいずれか一方、あるいは両方を、該4−エチルフェノールの含有量が1.5〜50000ppb、該p−クレゾールの含有量が1.0〜5000ppbとなるように添加する、
    ほうじ茶飲料の風味向上方法。
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