JP2021028567A - バーナ - Google Patents

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岳志 斉藤
Takeshi Saito
岳志 斉藤
義之 萩原
Yoshiyuki Hagiwara
義之 萩原
康之 山本
Yasuyuki Yamamoto
康之 山本
雅志 山口
Masashi Yamaguchi
雅志 山口
尚樹 清野
Naoki Kiyono
尚樹 清野
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Abstract

【課題】自励振動火炎で被加熱物を加熱する際、NOXの排出量を抑制可能なバーナを提供する。【解決手段】一対の側壁の間隔が下流側に向かって漸次拡開する断面扇形状で、中心流体Dを噴出させる中心流体噴出口2、中心流体噴出口2の周囲に配置され、周囲流体Aを噴出させる第1周囲流体噴出口3、第1周囲流体噴出口3よりも中心流体噴出口2から離間して配置され、周囲流体Bを噴出させる第2周囲流体噴出口4、及び、第2周囲流体噴出口4よりも中心流体噴出口2から離間して配置され、周囲流体Cを噴出させる第3周囲流体噴出口5からなり、中心流体Dを包み込むように周囲流体Aが噴出され、さらに、周囲流体B及び周囲流体Cが噴出されることで、中心流体Dに向けて周囲流体A,B,Cが順次噴出される複数の流体噴出口を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、バーナに関するものである。
一般に、製鉄プロセスにおいては、加熱炉を用いて中間製品 (ビレット、ブルーム又はスラブ) を1200℃程度まで加熱した後、これを圧延工程に向けて搬送し、最終製品に加工成形する。この際、直火式の加熱炉においては、炉内にバーナを設置し、バーナが形成する火炎によって被加熱物の加熱が行われる。このように、炉内に火炎を直接導入する、所謂直火式の構成を採用することで、例えば、ラジアントチューブバーナ等を用いた間接式の加熱炉と比較して、熱量効率を高めることができる。
一方、上記のような直火式の加熱炉では、火炎の燃焼ガス等に含まれる酸素によって中間製品の表面酸化が生じるという問題がある。これは、中間製品の表面が酸化してスケールとなることで、最終製品の歩留が低下するためである。従って、直火式の加熱炉においては、一般に、バーナを中間製品と平行に配置して、火炎の輻射伝熱によって中間製品を加熱する方法が採用されている。
しかしながら、従来の構造のバーナを加熱炉に設置して用いた場合、当該バーナは対流伝熱向けに特化されていることから輻射伝熱の効率が低く、中間製品と平行に配置した使用形態では、従来に比べで伝熱効率が低くなり、歩留まりが低下するという問題がある。加えて、特許文献1のバーナで酸素富化燃焼を行った場合には、NOの排出量が増加することから、加熱炉に適用される大気汚染防止法の基準値以下となるように、NOの排出量を抑制する必要がある。
また、輻射伝熱量は、火炎と被加熱物との温度差、及び相対距離に依存して変化するため、1本のバーナのみで加熱を行うと、例えば、ビレット等の長尺の中間製品を被加熱物とした場合には加熱ムラが生じ、その後の圧延工程で正常な圧延処理を行うことが難しくなる。このため、輻射伝熱式の加熱炉においては、通常、複数本のバーナを並列配置することで、中間製品を均一に加熱できるよう工夫がなされている。しかしながら、このような構成ではバーナの本数が増加するため、装置コストが増大したり、メンテナンス性が低下したりするという問題がある。
上記のような加熱ムラが生じる問題を解決するため、所謂、噴流の自励振動現象を利用することで火炎を振動させることが提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。特許文献1,2に記載のバーナによれば、外部からの駆動力を必要とすることなく噴流が周期的に変化する自励振動現象を応用したノズル構造を採用することで、火炎向きを周期的に変化できるので、高い伝熱効率を保ちつつ、均一加熱を行うことが可能になる。これにより、特許文献1,2のバーナは、従来のラジアントチューブバーナ等と比較して、広い範囲を均一に加熱することが可能になる。従って、特許文献1,2のバーナを上記の加熱に適用した場合には、装置コストの削減や加熱均一性の向上といった効果が期待できる。
特開2005−113200号公報 特開2013−079753号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載の自励振動現象を応用したバーナにおいて、支燃性ガスによる酸素富化燃焼を行うと、燃料ガスが自励振動することから、燃料ガスと支燃性ガスとを、流量及び流速を最適なバランスとして混合することが難しくなる場合がある。このような場合には、従来の構造のバーナの場合と同様、NOの排出量が増加することから、加熱炉に適用される大気汚染防止法の基準値以下となるようにNOの排出量を抑制する必要がある。
また、上記のように、燃料ガスと支燃性ガスとの混合が適正でないと、特に、バーナの中心軸から離れた位置に被加熱物が配置された場合に、輻射伝熱による伝熱効率が低下することから、被加熱物を均一に加熱できなくなるおそれがある。
ここで、燃料ガスと支燃性ガスとの混合を促進し、対流伝熱効率を高めるため、例えば、火炎の振動を速めることも考えられる。しかしながら、火炎の振動を速くした場合には、火炎長が短くなり、被加熱物を均一に加熱できなくなるという問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、自励振動で火炎を振動させながら被加熱物を加熱する際に、NOの排出量を抑制することが可能なバーナを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、先端部に設けられた複数の流体噴出口の各々から酸素を含む支燃性ガス又は燃料ガスの少なくとも何れかを噴出し、これらを燃焼させるバーナであって、前記複数の流体噴出口は、中心流体Dを噴出させる中心流体噴出口、周囲流体Aを噴出させる第1周囲流体噴出口、周囲流体Bを噴出させる第2周囲流体噴出口及び周囲流体Cを噴出させる第3周囲流体噴出口からなり、且つ、前記中心流体Dを包み込むように前記周囲流体Aが噴出され、さらに、前記周囲流体B及び前記周囲流体Cが噴出されることで、前記中心流体Dに向けて前記周囲流体A,B,Cが順次噴出されるものであり、前記中心流体噴出口の上流側における流体噴出流路の側壁には、それぞれ対向する位置で一対の開口部が設けられているとともに、該一対の開口部同士が連通管で連通されており、前記流体噴出流路における前記開口部よりも下流側は、前記開口部が配置された一対の側壁の間隔が下流側に向かって漸次拡開する断面扇形状とされており、前記第1周囲流体噴出口は、平面視で前記中心流体噴出口の周囲に配置されており、前記第2周囲流体噴出口は、平面視における前記中心流体噴出口からの位置が、前記第1周囲流体噴出口よりも離間した位置で、且つ、前記中心流体噴出口の拡開方向と直交する方向の位置に配置されており、前記第3周囲流体噴出口は、平面視における前記中心流体噴出口からの位置が、前記第2周囲流体噴出口よりも離間した位置で、且つ、前記中心流体噴出口の拡開方向と直交する方向の位置に配置されていることを特徴とするバーナである。
本発明に係るバーナによれば、中心流体Dを噴出させる中心流体噴出口、その周囲に配置され、周囲流体Aを噴出させる第1周囲流体噴出口、この第1周囲流体噴出口よりも中心流体噴出口から離間し、且つ、中心流体噴出口の拡開方向と直交する方向の位置に配置され、周囲流体Bを噴出させる第2周囲流体噴出口、及び、この第2周囲流体噴出口よりも中心流体噴出口から離間し、且つ、中心流体噴出口の拡開方向と直交する方向の位置に配置され、周囲流体Cを噴出させる第3周囲流体噴出口からなり、中心流体Dを包み込むように周囲流体Aが噴出され、さらに、周囲流体B及び周囲流体Cが噴出されることで、中心流体Dに向けて周囲流体A,B,Cが順次噴出される複数の流体噴出口を備えた構成を採用している。
このように、自励振動によって火炎を振動させるバーナにおいて、中心流体噴出口及びその周囲の第1周囲流体噴出口に加え、さらに、最適化された位置で第2周囲流体噴出口及び第3周囲流体噴出口が設けられていることで、中心流体と周囲流体とを段階的に混合及び燃焼させることができる。これにより、第1〜3周囲流噴出口から噴出させる各周囲流体の流量及び流速を最適なバランスに調整できる。
従って、被加熱物を加熱する際、NOの排出量を抑制することが可能になる。
本発明の一実施形態であるバーナについて模式的に説明する図であり、中心流体噴出口と各周囲流体噴出口との位置関係の一例を示す平面図である。 本発明の一実施形態であるバーナについて模式的に説明する図であり、図1中に示したバーナのE−E断面図である。 本発明の一実施形態であるバーナについて模式的に説明する図であり、(a),(b)は、図1,2に示したバーナにおける中心流体の噴出方向の変動状態を示す概念図である。 本発明の一実施形態であるバーナについて模式的に説明する図であり、バーナと被加熱体との位置関係の一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態であるバーナ及びバーナを用いた加熱方法について模式的に説明する図であり、バーナで形成される火炎と被加熱体との位置関係の一例を上方から示した概略図である。 本発明のバーナ及びバーナを用いた加熱方法の実施例について説明する図であり、実施例及び各比較例のバーナにおける、バーナ面からの距離と伝熱量との関係を示すグラフである。
以下、本発明を適用した一実施形態であるバーナ及びバーナを用いた加熱方法について、図1〜図6を適宜参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本発明に係るバーナ及び加熱方法は、例えば、製鉄プロセスにおいて、加熱炉を用いて中間製品 (ビレット、ブルーム又はスラブ) を1200℃程度まで加熱する用途に適用することが可能なものである。
<バーナ>
以下、本発明に係るバーナの構成及び燃焼方法について詳述する。
[バーナの構成]
図1〜図4は、本発明の一実施形態であるバーナ1の構造を説明する図であり、図1は中心流体噴出口と各周囲流体噴出口との位置関係の一例を示す平面図、図2は図1中に示したE−E断面図(横断面図)である。また、図3は、本発明の一実施形態であるバーナ1における流体の噴出方向の変動状態を示す概念図である。また、図4は、バーナ1と被加熱体50との位置関係の一例を示す概略図である。なお、図1〜図4(及び、実施例の欄で説明する図5)においては、各流体噴出口及び開口部等の配置関係やサイズを示すための模式図であることから、ノズルとしての管壁等、詳細な部分の図示を一部省略している。
図1〜図4に示すように、本実施形態のバーナ1は、先端部に設けられた複数の流体噴出口の各々から支燃性ガス又は燃料ガスの少なくとも何れかを噴出し、燃焼させるものである。
具体的には、本実施形態のバーナ1は、複数の流体噴出口が、中心流体噴出口2、第1周囲流体噴出口3、第2周囲流体噴出口4及び第3周囲流体噴出口5からなる。
中心流体噴出口2の上流側における流体噴出流路6の側壁61には、それぞれ対向する位置で一対の開口部62a,62bが設けられているとともに、これら一対の開口部62a,62b同士が連通管7で連通されている。
また、バーナ1は、流体噴出流路6における開口部62a,62bよりも下流側が、開口部62a,62bが配置された一対の側壁63,63の間隔が下流側に向かって漸次拡開する断面扇形状とされている。
第1周囲流体噴出口3は、平面視で中心流体噴出口2の周囲に配置されている。
また、第2周囲流体噴出口4は、平面視における中心流体噴出口2からの位置が、第1周囲流体噴出口3よりも離間した位置で、且つ、中心流体噴出口2の拡開方向と直交する方向の位置に配置されている。
そして、第3周囲流体噴出口5は、平面視における中心流体噴出口2からの位置が、第2周囲流体噴出口4よりも離間した位置で、且つ、中心流体噴出口2の拡開方向と直交する方向の位置に配置されている。
また、図1に示す例のバーナ1においては、第2周囲流体噴出口4及び第3周囲流体噴出口5が、それぞれ、中心流体噴出口2の拡開方向に沿って複数配置されており、図示例では、それぞれ2箇所に設けられている。
本実施形態のバーナ1においては、支燃性ガス及び燃料ガスを、中心流体噴出口2又は各周囲流体噴出口3,4,5から、それぞれ別個に噴出させるが、何れのガスが、どの噴出口から噴出されても構わない。例えば、本実施形態のバーナ1においては、中心流体噴出口2から燃料ガスを噴出させ、各周囲流体噴出口3,4,5から支燃性ガスを噴出するように構成することができる。
中心流体噴出口2は、上流側の流体噴出流路6から支燃性ガス又は燃料ガスが供給されることで、外部に何れかのガスを噴出する開口部(ノズル)として構成される。中心流体噴出口2は、後述するように、流体噴出流路6における断面形状が略矩形状とされていることに伴い、その平面視形状が矩形状とされている。
流体噴出流路6は、導入口6aに図示略の中央流体供給管路が接続されることで、支燃性ガス又は燃料ガスの何れかが導入され、上記の中心流体噴出口2から噴出させる。また、流体噴出流路6は、例えば、流体(ガス)流れ方向に直交する方向での断面形状が略矩形状に形成されることで、上述したような一対の側壁61,61を有し、これら側壁61,61に、それぞれ対向するように一対の開口部62a,62bが配置される。また、図2に示すように、一対の開口部62a,62bの間は、連通管7で連通される。
また、流体噴出流路6は、上記のように、開口部62a,62bよりも下流側における一対の側壁63,63の間隔が下流側に向かって漸次拡開する断面扇形状となるように、即ち、縦断面が略V字状となる一対の側壁63として形成されている。また、流体噴出流路6における開口部62a,62bよりも上流側は、対向した各側壁間が略平行に延在した、断面略矩形状で角筒型の流路64として形成されている。
本実施形態のバーナ1は、上記構成のように、流体噴出流路6をなす一対の側壁61,61に、連通管7で連通した一対の開口部62a,62bを対向して配置することで、中心流体噴出口2から噴出する支燃性ガス又は燃料ガスに、所謂フリップフロップノズルの自励振動を発生させることができる。即ち、図3(a),(b)に示すように、バーナ1においては、流体噴出流路6の流路64から流れる流体(支燃性ガス又は燃料ガス)が、一対の開口部62a,62bの間を通り抜けて、断面扇形状とされた一対の側壁63間に流入した際、この側壁63の一面63a及び他面63bに交互に付着するように自励振動しながら、中心流体噴出口2から噴出する(図1中に示す矢印Rも参照)。
なお、自励振動による流体の振幅や周波数は、開口部62a,62b、一対の側壁63及び連通管7の各部における寸法や、流体の流速等の各種条件に応じて変化する。そこで、これらの各部における寸法を最適に設定することにより、中心流体噴出口2から噴出する流体を、一定程度の範囲内で、所望の角度及び周波数で振動させるように調整することが可能になる。
なお、フリップフロップノズルによる自励振動は、上記のように、一対の62a,62B間を連通管7で連通させることで発生させることができる。一方、上記のような自励振動は、例えば、一対の開口部62a,62b間を連通する連通管7の経路上に、図示略の圧力制御機構を設けることで発生させることも可能である。このような圧力制御機構を設けることにより、例えば、一方の開口部62aの圧力が静圧より低い圧力に制御されるときには、他方の開口部62bの圧力が静圧よりも高い圧力になるように制御され、一対の開口部62a,62bの圧力を交互に反転させることができる。このように、一対の開口部62a,62bの圧力を交互に反転させることで、中心流体噴出口2から噴出する流体(支燃性ガス又は燃料ガス)の噴出方向を周期的に変化させ、上記のような自励振動を発生させることが可能になる。
より詳細に説明すると、図示略の圧力制御機構を用いて、一方の開口部62aの圧力を静圧よりも低くし、対向する位置に配置された他方の開口部62bの圧力を静圧よりも高くすると、図3(a)に示すように、流体の流れは、一対の側壁63の一面63a側に傾いて噴出する。一方、一方の開口部62aの圧力を静圧よりも高くし、他方の開口部62bの圧力を静圧よりも低くすると、図3(b)に示すように、流体の流れは、一対の側壁63の他面63b側に傾いて噴出する。本実施形態のバーナ1は、上記のような構成及び動作により、流体の噴出方向を周期的に変化させて中心流体噴出口2から噴出させることができる。
なお、図2中に示した、流体噴出流路6における一対の側壁63の開き角度、即ち、中心流体噴出口2の開口角度αは、特に限定されず、所望する火炎の開き角度を勘案しながら設定すればよいが、流体の噴出方向の振動を安定的に発生させ、均一な加熱を実現する観点からは、90°以下とすることが好ましい。
第1周囲流体噴出口3は、図1中に示すように、中心流体噴出口2の周囲に、この中心流体噴出口2を取り囲むように配置されている。
また、第1周囲流体噴出口3には図示略の周囲流体供給管路が接続され、支燃性ガス又は燃料ガスの何れかが導入されることで、何れかのガスを噴出させる開口部(ノズル)として構成される。
ここで、本実施形態において説明する、「第1周囲流体噴出口3が中心流体噴出口2の周囲に配置されている」とは、平面視において、第1周囲流体噴出口3が中心流体噴出口2の周囲を取り囲むように配置されていることを意味しており、また、中心流体噴出口2と第1周囲流体噴出口3とが隣接した位置に配置されていることをいう。
第1周囲流体噴出口3を、中心流体噴出口2に対して上記のような配置関係となるように構成することで、燃料ガスを噴出する位置と実質的に隣接した位置から支燃性ガスを噴出させることができる。
本実施形態においては、上記のように、中心流体噴出口2の周囲を取り囲むように第1周囲流体噴出口3が配置されることで、中心流体噴出口2から噴出される中心流体(例えば燃料ガス)と、第1周囲流体噴出口3から噴出される周辺流体(例えば、支燃性ガス)とが効果的に混合される。また、第1周囲流体噴出口3から噴出される周辺流体が火炎の外側方向に向かうことで還元領域が広がり、火炎を形成する際の燃焼効率が向上する効果が得られる。
なお、第1周囲流体噴出口3の形状としては、図1中に示すような平面視矩形状とされ、中心流体噴出口2の周囲を取り囲むように配置されている構成を採用してもよい。また、第1周囲流体噴出口3の平面視形状は、図1に示す例には限定されず、図示を省略するが、例えば、平面視円形状とされていてもよいし、あるいは、複数の開口部(孔)によって第1周囲流体噴出口3の周囲を取り囲むように構成してもよい。
第2周囲流体噴出口4は、上述したように、平面視における中心流体噴出口2からの位置が、第1周囲流体噴出口3よりも離間した位置で設けられる。また、第2周囲流体噴出口4は、バーナ1を平面視した場合に、中心流体噴出口2の拡開方向と直交する方向の位置、即ち、図示例では、第1周囲流体噴出口3よりも下方(図1中の縦長方向における下側)に配置される。即ち、第2周囲流体噴出口4は、中心流体噴出口2から噴出される中心流体の自動振動方向とは直交する方向の位置で配置される。また、第2周囲流体噴出口4は、中心流体噴出口2の拡開方向に沿って複数で配置され、図示例では、2箇所の第2周囲流体噴出口4が、中心流体噴出口2の拡開方向に直交する中心線Sを介して均等配置されている。
第2周囲流体噴出口4の平面視形状としては、特に限定されないが、図1に例示するような平面視円形状の他、例えば、スリット形状や矩形状とすることも可能である。
第3周囲流体噴出口5は、上述したように、平面視における中心流体噴出口2からの位置が、第2周囲流体噴出口4よりも離間した位置で設けられる。また、第3周囲流体噴出口5は、バーナ1を平面視した場合に、中心流体噴出口2の拡開方向と直交する方向の位置、即ち、図示例では、第2周囲流体噴出口4よりも下方(図1中の縦長方向における下側)に配置される。即ち、第3周囲流体噴出口5は、第2周囲流体噴出口4の場合と同様、中心流体噴出口2から噴出される中心流体の自動振動方向とは直交する方向の位置で配置される。また、第3周囲流体噴出口5も、第2周囲流体噴出口4と同様、中心流体噴出口2の拡開方向に沿って複数で配置され、図示例では、2箇所の第3周囲流体噴出口5が、中心流体噴出口2の中心線Sを介して均等配置されている。
第3周囲流体噴出口5の平面視形状としても、第2周囲流体噴出口4と同様、特に限定されないが、図1に例示するような平面視円形状の他、例えば、スリット形状や矩形状とすることが可能である。
ここで、第2周囲流体噴出口4及び第3周囲流体噴出口5は、図4に示す例のように、中心流体噴出口2と、後述する被加熱物50との間の位置で開口させることが好ましい。第2周囲流体噴出口4及び第3周囲流体噴出口5を上記配置とすることで、中心流体噴出口2から噴出する中心流体Dに、第1周囲流体噴出口3、第2周囲流体噴出口4及び第3周囲流体噴出口5からそれぞれ噴出される周囲流体A,B,Cを、順次段階的に混合して燃焼させる混合・燃焼形態とすることができる。本実施形態では、中心流体Dと各周囲流体A,B,Cとの混合及び燃焼形態、即ち、燃料ガスと支燃性ガスとの混合及び燃焼形態を上記のような形態とすることで、火炎長を延ばすことができるとともに、火炎を被加熱物に近い位置で形成させることが可能になる。
なお、第2周囲流体噴出口4及び第3周囲流体噴出口5は、図1や図4に示す例においては、それぞれ2箇所ずつ設けられているが、これらの設置数は、特に限定されず、例えば、燃料ガスや支燃性ガスの流速や流量等を勘案しながら適宜決定することができる。
本実施形態のバーナ1においては、中心流体噴出口2、第1周囲流体噴出口3、第2周囲流体噴出口4及び第3周囲流体噴出口5の各々の間の距離は、特に限定されず、例えば、燃料ガスや支燃性ガスの流速や流量等を勘案しながら適宜決定することができる。
一方、本実施形態では、図1中に示すように、中心流体噴出口2の相当径をL、中心流体噴出口2から第2周囲流体噴出口4までの中心間距離をL、第2周囲流体噴出口4から第3周囲流体噴出口5までの中心間距離をLB−Cとしたとき、これらの関係が下記式(1)及び(2)を満たすことがより好ましい。
≦15L ・・・・・(1)
B−C≦15L ・・・・・(2)
上記のように、中心流体噴出口2と第2周囲流体噴出口4との中心間距離L、及び、第2周囲流体噴出口4と第3周囲流体噴出口5との中心間距離LB−Cを、中心流体噴出口2の相当径Lの15倍以下とすることで、中心流体噴出口2のサイズに対する各周囲流体噴出口間の距離が最適な範囲となる。即ち、中心流体噴出口2と第2周囲流体噴出口4との間隔、及び、第2周囲流体噴出口4と第3周囲流体噴出口5との間隔が最適化されることで、中心流体D(例えば燃料ガス)に、各周囲流体A,B,C(例えば支燃性ガス)が順次段階的に混合される際、各流体の流量及び流速が最適なバランスで混合される。これにより、上述したような、火炎長を延ばす効果がより顕著に得られるとともに、火炎を被加熱物により近い位置で形成させることが可能になる。
上記の中心間距離L及び中心間距離LB−Cが、中心流体噴出口2の相当径Lの15倍を超えると、中心流体噴出口2と第2周囲流体噴出口4との間隔、及び、第2周囲流体噴出口4と第3周囲流体噴出口5との間隔が、中心流体噴出口2のサイズに対して大きくなりすぎる。このため、中心流体(例えば、燃料ガス)に、各周囲流体(例えば、支燃性ガス)が順次段階的に混合される際に、各流体の流量及び流速を最適なバランスとして混合することができず、火炎長を延ばす効果が得られ難くなり、また、火炎を被加熱物50に近い位置で形成させることが難しくなるおそれがある。
なお、上記の中心流体噴出口2の相当径Lとは、図1中に示すように、中心流体噴出口2の拡開方向に直交する方向における、この中心流体噴出口2の開口寸法のことをいう。
なお、本実施形態のバーナ1は、中心流体噴出口2から噴出される中心流体Dの噴出量、並びに、第1周囲流体噴出口3、第2周囲流体噴出口4及び第3周囲流体噴出口5からそれぞれ噴出される各周囲流体A,B,Cの噴出量を、個別に制御可能に構成されていることが好ましい。このように、各流体の噴出量を個別に制御する方法としては、詳細な図示を省略するが、例えば、各噴出口に接続されて各流体を供給する管路に、それぞれ、流量制御手段を設けることが挙げられる。
[バーナの燃焼方法]
次に、上記構成を備えた本実施形態のバーナ1を燃焼させる方法について説明する。
本実施形態のバーナ1は、詳細な図示を省略するが、基本的には、中心流体噴出口2から噴出される中心流体Dを燃料ガスとし、第1周囲流体噴出口3、第2周囲流体噴出口4及び第3周囲流体噴出口5から噴出される周囲流体A,B,Cを支燃性ガスとすることで、燃料ガス(中心流体D)の噴出方向で火炎を形成することができる。
燃料ガスとしては、典型的には天然ガス(LNG)等を例示することができるが、例えば、重油等の液体燃料であっても構わない。
また、支燃性ガスとしては、例えば、酸素と空気との混合ガスを例示できる。このような混合ガスとしては、上記の空気の代わりに、例えば、窒素ガス、炭酸ガス又は排ガス等を用い、これを酸素と混合して用いることも可能である。また、上記の混合ガスに用いる酸素としては、工業用純酸素を用いてもよい。
また、本実施形態のバーナ1を燃焼させる際は、上記のように、中心流体噴出口2から噴出される燃料ガスを、自励振動によって噴出方向を交互且つ周期的に変化させながら噴出させる(図3(a),(b)を参照)。この際、中心流体噴出口2から周期的に変化した角度で噴出される燃料ガス(中心流体D)に対し、第1周囲流体噴出口3からは、燃料ガスを包み込むように支燃性ガス(周囲流体A)が噴出され、火炎の形成に寄与する。
そして、上記の火炎に向けて、第2周囲流体噴出口4から支燃性ガス(周囲流体B)が噴出され、さらに、第3周囲流体噴出口5から支燃性ガス(周囲流体C)が噴出される。
上記のように、燃料ガスからなる中心流体Dに向けて、支燃性ガスからなる周囲流体A,B,Cが順次噴出されることで、燃焼効率が向上し、NOの排出量を効果的に抑制できる。また、火炎による伝熱効率が向上し、被加熱物50(図4参照)を均一に加熱することが可能になる。
なお、中心流体噴出口2から噴出される燃料ガス(中心流体D)の、上記の自励振動による噴出方向の切り替え周期は、特に限定されず、バーナの中心軸Jから離れた位置においても、優れた伝熱効率で均一に加熱することが可能な範囲で適宜設定すればよい。
本実施形態のバーナ1によれば、自励振動によって火炎を振動させる構成において、各流体噴出口の配置等を最適化した構成を備えることで、広域で均一に加熱できる効果と、バーナの中心軸Jから離れた位置まで高い伝熱効率を得る効果の両方が得られる。また、各周囲流体噴出口3,4,5から噴出される支燃性ガス(周囲流体A,B,C)の流量及び流速を最適なバランスに調整できるので、良好な燃焼状態を保持してNOの排出量を抑制することが可能になる。
<バーナを用いた加熱方法>
本発明に係る加熱方法は、上記構成を備えた本発明に係るバーナ1を用い、被加熱物50を加熱する方法である。
本実施形態の加熱方法は、上記構成とされたバーナ1を用いて被加熱物を加熱する方法なので、自励振動で振動する火炎によって被加熱物を加熱する際、NOの排出量を抑制し、且つ、バーナ1の中心軸Jから離れた位置であっても均一に広域で加熱できる方法である。
本実施形態の加熱方法における被加熱物としては、特に限定されないが、上述したような、製鉄プロセスにおいて、加熱炉を用いて加熱することが必要な中間製品、例えば、ビレット、ブルーム又はスラブ等が挙げられる。図5中においては、被加熱物50として、角柱状のビレットを示している。
本実施形態の加熱方法によれば、上記のバーナ1を用いて、図7に例示するようなビレット等の被加熱物50を加熱する方法なので、各種の被加熱物を広域で均一に加熱できるとともに、バーナの中心軸Jから離れた位置まで高い伝熱効率が得られ、さらに、良好な燃焼状態を保持してNOの排出量を抑制できる。
なお、本実施形態の加熱方法においては、第1周囲流体噴出口3、第2周囲流体噴出口4及び第3周囲流体噴出口5から噴出させる周囲流体A,B,Cの総流量に対する各周囲流体A,B,Cの割合を、それぞれQ,Q,Qとしたとき、これらの割合が、それぞれ、下記式(3)、(4)又は(5)で表される範囲であることが好ましい。
=0.05〜0.20 ・・・・・(3)
=0.20〜0.80 ・・・・・(4)
=0.20〜0.80 ・・・・・(5)
本実施形態では、各周囲流体A,B,Cの割合Q,Q,Qを上記関係とすることにより、各流体をより最適な流量バランスで混合し、より優れた燃焼効率で火炎を形成させることが可能になる。即ち、上記式(3)で表されるように、中心流体噴出口2から噴出される中心流体Dに最初に混合される周囲流体Aの割合Qを若干少なめとし、周囲流体Bの割合Q及び周囲流体Cの割合Qを、周囲流体Aの割合Q以上に設定することで、各流体をより最適な流量バランスで混合し、燃焼させることが可能になる。
また、本実施形態の加熱方法は、中心流体噴出口から2噴出させる中心流体Dの流速をV、第2周囲流体噴出口4及び第3周囲流体噴出口5から噴出させる周囲流体B,Cの流速を、それぞれV,Vとしたとき、これらの関係が下記式(6)を満たすことがより好ましい。
V≦VB≦VC≦8V ・・・・・(6)
本実施形態では、中心流体Dの流速V、周囲流体Bの流速V、及び周囲流体Cの流速Vを上記関係とすることにより、各流体をより最適な流速バランスで混合し、より優れた燃焼効率で火炎を形成させることが可能になる。即ち、上記式(6)で表されるように、周囲流体Bの流速V及び周囲流体Cの流速Vを、それぞれ中心流体Dの流速V以上且つ流速Vの8倍以下に設定するとともに、周囲流体Cの流速Vを周囲流体Bの流速V以上に設定することで、各流体をより最適な流速バランスで混合し、燃焼させることが可能になる。
なお、本実施形態のバーナ1を用いた加熱方法による加熱対象(被加熱物)としては、上記のような製鋼プロセスで用いられる中間製品等には限定されず、例えば、高熱で均一な加熱を必要とする各種の被加熱物を加熱する場合において、何ら制限無く適用することが可能である。
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態のバーナ1によれば、中心流体Dを噴出させる中心流体噴出口2、その周囲に配置され、周囲流体Aを噴出させる第1周囲流体噴出口3、この第1周囲流体噴出口3よりも中心流体噴出口2から離間し、且つ、中心流体噴出口2の拡開方向と直交する方向の位置に配置され、周囲流体Bを噴出させる第2周囲流体噴出口4、及び、この第2周囲流体噴出口4よりも中心流体噴出口2から離間し、且つ、中心流体噴出口2の拡開方向と直交する方向の位置に配置され、周囲流体Cを噴出させる第3周囲流体噴出口3からなり、中心流体Dを包み込むように周囲流体Aが噴出され、さらに、周囲流体B及び周囲流体Cが噴出されることで、中心流体Dに向けて周囲流体A,B,Cが順次噴出される複数の流体噴出口を備えた構成を採用している。
このように、自励振動によって火炎を振動させるバーナ1において、中心流体噴出口2及びその周囲の第1周囲流体噴出口3に加え、さらに、最適化された位置で第2周囲流体噴出口4及び第3周囲流体噴出口5が設けられていることで、中心流体Dと周囲流体A,B,Cとを段階的に混合及び燃焼させることができる。これにより、第1〜3周囲流噴出口3,4,5から噴出させる各周囲流体A,B,Cの流量及び流速を最適なバランスに調整できるので、良好な燃焼状態を保持し、且つ伝熱効率が高められる。また、自励振動による火炎の振動を速くした場合でも、形成させる火炎の長さを確保することができる。
従って、被加熱物50を加熱する際、NOの排出量を抑制し、且つ、バーナ1の中心軸Jから離れた位置であっても均一に広域で加熱することが可能になる。
また、本実施形態のバーナ1を用いた加熱方法によれば、上記構成を備えたバーナ1を用いた加熱方法なので、上記同様、自励振動機能を有するバーナによる広域での均一加熱を達成しつつ、バーナ1の中心軸Jから離れた位置に被加熱物が配置された場合であっても、優れた伝熱効率で均一に加熱することが可能になる。
以下、本発明のバーナ及びバーナを用いた加熱方法について、実施例を示してより詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
<バーナの仕様及び運転条件>
本実施例においては、図1〜図4に示すような構成とされたバーナ1を準備し、以下に示す各条件で燃焼・加熱試験を行った。
本実施例においては、図2中に示した、バーナ1の中心流体噴出口2の開口角度αを30°としたものを用いた。また、本実施例では、図4中に示した、中心流体噴出口2から第2周囲流体噴出口3までの中心間距離L、第2周囲流体噴出口3から第3周囲流体噴出口4までの中心間距離LB−Cが、下記表1に示す値とされたバーナ1を使用した。
また、本実施例においては、燃料ガスとしてプロパンガスを用い、支燃性ガスとしては酸素富化率が40%の酸素富化空気を用い、燃料ガスを中心流体噴出口2に、支燃性ガスを第1周囲流体噴出口3、第2周囲流体噴出口4及び第3周囲流体噴出口5に流し、火炎を形成させた。
また、バーナ運転条件としては、燃料ガス(プロパンガス)の流量を13Nm/h、支燃性ガスの流量を170Nm/hとし、酸素比1.05で燃焼させた。なお、この酸素比とは、燃料ガスが完全燃焼するのに必要な酸素量を1とした場合の、酸素の割合をいう。
また、中心流体噴出口2における、自励振動による燃料ガスの振動周期は1秒とした。
<加熱条件>
本実施例においては、火炎の振動方向Rに直交する方向、即ち、中心流体噴出口2の拡開方向に直交する方向への対流伝熱効率について、図4及び図5中に示す被加熱物50の代替物として抜熱体を用い、この抜熱体の表面温度を測定することで評価した。
また、本実施例においては、第1〜3周囲流体噴出口3,4,5から噴出させる周囲流体A,B,Cの総流量に対する各々の割合Q,Q,Q、並びに、中心流体噴出口2から噴出させる中心流体Dの流速V、第2周囲流体噴出口4及び第3周囲流体噴出口5から噴出させる周囲流体B,Cの流速V,Vを、下記表1に示す条件とした。
そして、本実施例では、上記各条件下において、燃焼状態及びNOの排出量について評価し、結果を下記表1に示した。ここで、NOの排出量については、11%酸素計算値にて示した。
なお、下記表1中に示した燃焼状態の評価において、「○」は良好な燃焼状態であることを示し、「×」は不良な燃焼状態 (不完全燃焼気味で煤の形成が多い) ことを示している。
さらに、本実施例では、バーナ面−測定面の距離を変化させて測定する試験を実施し、バーナの軸方向への対流伝熱効率について評価し、発明例及び比較例1,2,参考例6,7におけるバーナ面からの距離と伝熱量との関係を図6のグラフに示した。
Figure 2021028567
表1中に示す実施例は、本願請求項1の規定に基づく条件で燃焼試験を行った結果である。
図6のグラフに示すように、発明例においては、当該グラフ中に示す全ての条件の中で、最も高い伝熱効率を示している。これは、中心流体噴出口2から噴出した燃料ガスが、第2周囲流体噴出口4から噴出した支燃性ガスと混合することで火炎が高温化し、残りの燃料ガスが、さらに第3周囲流体噴出口5から噴出した支燃性ガスと混合することで火炎が高温化することで、抜熱体に近い位置に高温火炎を形成でき、輻射伝熱効率が増加したものと考えられる。
また、表1中に示す結果より、発明例においては、排出されるNOの濃度も低水準であることがわかる。これは、支燃性ガスを、燃料ガスに対して遠方から高速で吹き込むことにより、燃料ガスが段階的に燃焼することで緩慢燃焼化し、NOの発生量が抑えられる、所謂ステージング燃焼による効果と考えられる。
比較例1は、第1周囲流体噴出口3のみから支燃性ガスを噴出させた点以外は、上記の発明例と同様の条件で評価を行ったものである。即ち、比較例1は、従来型の自励振動バーナを用いた条件である。
図6のグラフ及び表1中に示すように、比較例1においては、上記の発明例と比較して、伝熱効率が低く、また、NO濃度が高い結果となった。
比較例2は、第1周囲流体噴出口3及び第2周囲流体噴出口4のみから支燃性ガスを噴出させた点以外は、上記の発明例と同様の条件で評価を行ったものである。
図6のグラフに示すように、比較例2においては、比較例1に比べて伝熱効率は高められているものの、上記の発明例には及ばないことがわかる。これは、比較例2においては、高温の火炎が形成されているものの、火炎と抜熱体との距離が大きめであるため、十分に輻射伝熱が増加しなかったためと考えられる。また、表1中に示すように、比較例2においては、NO濃度が比較的高い結果となった。
比較例3は、第1周囲流体噴出口3及び第3周囲流体噴出口5のみから支燃性ガスを噴出させた点以外は、上記の発明例と同様の条件で評価を行ったものである。
比較例3においては、バーナを設置した試験炉内に大量の煤が形成される様子が確認され、表1中に示すように燃焼状態が不良であった。これは、中心流体噴出口2から噴出した燃料ガスが、第3周囲流体噴出口5から噴出する支燃性ガスと十分に混合されず、結果として不完全燃焼が生じたものと考えられる。
比較例4は、第2周囲流体噴出口4及び第3周囲流体噴出口5のみから支燃性ガスを噴出させた点以外は、上記の発明例と同様の条件で評価を行ったものである。
比較例4においては、比較例3と同様に、バーナを設置した試験炉内に大量の煤が形成する様子が確認され、表1中に示すように燃焼状態が不良であった。この理由は、比較例3の場合と同様と考えられる。また比較例4では、保炎が不十分であり、時々火炎が吹き飛ぶ様子も確認された。
参較例6は、第2周囲流体噴出口4から噴出する支燃性ガスの流速Vを増加させた点以外は、上記の発明例と同様の条件で評価を行ったものである。
参較例6においては、燃焼状態に問題はなかったものの、NO濃度が高く、また、図6のグラフに示すように、上記の比較例2程度には伝熱効率が高められていたものの、それ以上にはならなかった。これは、第2周囲流体噴出口4から噴出する支燃性ガスの流速Vが、第3周囲流体噴出口5から噴出する支燃性ガスの流速Vに比べて速すぎるために、残りの燃料ガスと、第3周囲流体噴出口5から噴出する支燃性ガスとが十分に混合されなかったためと考えられる。
参較例7は、第3周囲流体噴出口5から噴出する支燃性ガスの流速Vを増加させた点以外は、上記の発明例と同様の条件で評価を行ったものである。
参較例7においては、燃焼状態に問題はなく、また、NO濃度も抑制されていたものの、図6のグラフに示すように、上記の比較例1、即ち従来の条件のバーナを用いた場合と比較して伝熱効率が低下する結果となった。これは、第3周囲流体噴出口5から噴出する支燃性ガスの流速Vが速すぎるために、対流伝熱による寄与が大きくなり、また、高温の火炎を形成させる前に支燃性ガスが抜熱体に衝突してしまい、逆に抜熱体から熱を奪う作用が大きくなったためと考えられる。
以上説明したような実施例の結果より、本発明に係るバーナが、従来型の構造を有する自励振動バーナと比較して、輻射伝熱効率を向上させ、且つ、NOの排出量を低減できることがわかる。従って、本発明に係るバーナ及びこれを用いた加熱方法を、例えば、製鋼プロセスで用いられる加熱炉等に適用することで、NOの排出量を抑制しながら、バーナの中心軸から離れた位置であっても均一に広域で加熱することが可能であることが明らかである。
本発明のバーナ及びバーナを用いた加熱方法は、自励振動で火炎を振動させながら被加熱物を加熱するにあたり、NOの排出量を抑制することが可能なので、製鋼プロセスにおいて用いられる加熱炉等の他、バーナを用いて被加熱物を加熱する各種用途において非常に好適である。
1…バーナ
2…中心流体噴出口
3…第1周囲流体噴出口
4…第2周囲流体噴出口
5…第3周囲流体噴出口
6…流体噴出流路
6a…導入口
61…(一対の)側壁
62a,62b…(一対の)開口部
63…(一対の)側壁
63a…一面
63b…他面
64…(角筒型の)流路
7…連通管
50…被加熱物
D…中央流体(燃料ガス)
A,B,C…周囲流体(支燃性ガス)
J…中心軸(中心流体噴出口における流体の噴出方向)
S…中心線(中心流体噴出口の拡開方向に直交する中心線)
L…中心流体噴出口の相当径
…中心流体噴出口から第2周囲流体噴出口までの中心間距離
B−C…第2周囲流体噴出口から第3周囲流体噴出口までの中心間距離
,Q,Q…周囲流体の総流量に対する各周囲流体の割合
V,V,V…流速(中心流体又は周囲流体)

Claims (1)

  1. 先端部に設けられた複数の流体噴出口の各々から酸素を含む支燃性ガス又は燃料ガスの少なくとも何れかを噴出し、これらを燃焼させるバーナであって、
    前記複数の流体噴出口は、中心流体Dを噴出させる中心流体噴出口、周囲流体Aを噴出させる第1周囲流体噴出口、周囲流体Bを噴出させる第2周囲流体噴出口及び周囲流体Cを噴出させる第3周囲流体噴出口からなり、且つ、前記中心流体Dを包み込むように前記周囲流体Aが噴出され、さらに、前記周囲流体B及び前記周囲流体Cが噴出されることで、前記中心流体Dに向けて前記周囲流体A,B,Cが順次噴出されるものであり、
    前記中心流体噴出口の上流側における流体噴出流路の側壁には、それぞれ対向する位置で一対の開口部が設けられているとともに、該一対の開口部同士が連通管で連通されており、
    前記流体噴出流路における前記開口部よりも下流側は、前記開口部が配置された一対の側壁の間隔が下流側に向かって漸次拡開する断面扇形状とされており、
    前記第1周囲流体噴出口は、平面視で前記中心流体噴出口の周囲に配置されており、
    前記第2周囲流体噴出口は、平面視における前記中心流体噴出口からの位置が、前記第1周囲流体噴出口よりも離間した位置で、且つ、前記中心流体噴出口の拡開方向と直交する方向の位置に配置されており、
    前記第3周囲流体噴出口は、平面視における前記中心流体噴出口からの位置が、前記第2周囲流体噴出口よりも離間した位置で、且つ、前記中心流体噴出口の拡開方向と直交する方向の位置に配置されていることを特徴とするバーナ。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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