JP2021028092A - 吸着パッドおよびピッキング装置 - Google Patents

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恭嗣 原田
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Abstract

【課題】非常に軟らかい袋で包装された対象物をピッキング可能にする。【解決手段】吸着パッドは、ピッキング装置が備える吸引パイプ付きエンドエフェクタに取り付けられて使用される。前記吸着パッドは、吸引孔を有し前記吸引パイプに取り付けられる基部と、前記基部に接続され、ワークを吸引するための開口を先端に有する外周部と、前記外周部の内側で且つ前記開口よりも奥に取り付けられる規制部材とを備える。前記規制部材は、空気を通過させる複数の孔を有し、前記ワークの通過を規制する。【選択図】図4

Description

本開示は、吸着パッドおよびピッキング装置に関する。
エンドエフェクタの先端に取り付けられた吸着パッドを利用してワークを吸着して保持し、別の場所に移動させるピッキングロボットが知られている。例えば、特許文献1および2は、吸着パッドを備えたピッキングロボットの例を開示している。
特開平7−178691号公報 特開2019−10719号公報
従来の吸着パッドでは、例えば衣料品用の透明な包装袋のように非常に軟らかい袋で包装された対象物をピッキングすることが難しかった。
本開示は、非常に軟らかい袋で包装された対象物でもピッキングすることが可能な吸着パッド、および当該吸着パッドを備えたピッキング装置を提供する。
本開示の実施形態による吸着パッドは、ピッキング装置が備える吸引装置に取り付けられて使用される。前記吸着パッドは、吸引孔を有し前記吸引装置に取り付けられる基部と、前記基部に接続され、ワークを吸引するための開口を先端に有する外周部と、前記外周部の内側で且つ前記開口よりも奥に取り付けられる規制部材とを備える。前記規制部材は、空気を通過させる複数の孔を有し、前記ワークの通過を規制する。
上記の吸着パッドによれば、例えば衣料品用の透明な包装袋のような非常に軟らかい袋で包装された対象物をピッキングすることが可能である。
ピッキングロボットの構成例を示す図である。 ピッキングロボットの基本的な動作を説明するための第1の図である。 ピッキングロボットの基本的な動作を説明するための第2の図である。 吸着パッドの構成例を模式的に示す斜視図である。 吸着パッドの断面構造の例を模式的に示す図である。 吸着パッドの他の構成例を示す斜視図である。 吸着パッドの断面構造の他の例を模式的に示す図である。 吸着パッドの断面構造のさらに他の例を模式的に示す図である。 吸着パッドの断面構造のさらに他の例を模式的に示す図である。 規制部材の具体例を示す図である。 規制部材の一部が網状の構造を有する例を示す平面図である。 規制部材の一部が多孔質体によって構成される例を示す平面図である。 吸着開始時点のワークの状態の例を示す図である。 吸着途中のワークの状態の例を示す図である。 吸着完了時点のワークの状態の例を示す図である。 吸着完了後のワークの状態の例を示す図である。 規制部材の他の例を示す図である。 リングを備える吸着パッドの一例を示す斜視図である。 リングを備える吸着パッドの一例を示す側面図である。 2つのリングを備える吸着パッドの一例を示す側面図である。 2つのリングを備える吸着パッドの他の例を示す側面図である。
以下、本開示のより具体的な実施形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。本明細書においては、同一のまたは類似する構成要素には、同一の参照符号を付している。
図1は、ピッキング装置の一例であるピッキングロボット100の実施形態を示す図である。ピッキングロボット100は、アーム110と、アーム110の先端に接続された吸引パイプ付きエンドエフェクタであるロボットハンド120と、ロボットハンド120の先端に取り付けられた複数の吸着パッド300とを備える。アーム110は、複数の関節部を有する。各関節部は1つ以上のモータを備え、所定の可動域内で回転することができる。各モータは、図示されていない制御装置に接続され、制御される。ロボットハンド120における吸引パイプは、図示されていない真空発生器に接続される。真空発生器は、例えばピッキングロボット100に近接して配置される。真空発生器はロボットハンド120に搭載されていてもよい。本実施形態では、ロボットハンド120を軽量にするため、真空発生器はロボットハンド120の外部に設けられている。真空発生器は、図示されていない制御装置によって制御される。図1に示すピッキングロボット100は、制御装置からの指令に従い、箱30の中のワークを保持して所定の位置に移動させるピッキング動作を行うように構成されている。
このようなピッキングロボット100は、例えば物流拠点において搬送される複数の商品の箱から、注文内容に応じた特定の商品を順次ピッキングして、出荷用の箱に収納する作業に用いられ得る。
本実施形態では、ロボットハンド120の先端に複数の吸着パッド300が設けられている。吸着パッド300の個数および配置は、取り扱われるワークの種類に応じて決定される。吸着パッド300が多いほど、より大型で重いワークを保持することができる。小さく軽量のワークのみを取り扱う場合、吸着パッド300の個数は1個であってもよい。各吸着パッド300は、パイプを介して真空発生器に接続される。
ワークの種類は特に限定されないが、本実施形態では、主にアパレル商品(例えば、シャツ、パンツ、靴下、ベルトなど)をワークとする。ロボット100は、例えば複数の箱の中に収納された多様な商品の中から、特定の商品を認識して保持し、他の箱に移動させる動作を行うように構成される。
図2Aおよび図2Bは、ロボット100の基本的な動作を説明するための図である。図2Aは、ロボット100が保持対象のワーク50を認識し、保持しようとしている状態を示している。図2Bは、ロボット100が対象のワーク50を保持しながら移動している状態を示している。図2Bに示すように、吸着パッド300の先端がワーク50に接触した状態で、吸着パッド300の内部空間を真空に近付けることにより、ワーク50が吸着パッド300に吸着される。これにより、ワーク50を所定の位置まで運ぶことができる。
従来、このような動作を行うピッキングロボットが保持できる対象物は限られていた。例えば、表面がある程度固い物品であれば、問題なく保持することができた。しかし、非常に柔らかく伸縮性のある袋に包装された衣料品などの商品については、保持することが困難であった。また、本実施形態において対象とするピッキング作業では、サイズ、重量、硬軟、厚さ、形状などが多種多様な商品を扱う必要性があり、作業速度の観点から、一種類の吸着パッド300で可能な限り多くの商品を確実に保持できることが求められる。しかし、従来の吸着パッドは、特定の少品種のワークに最適化されており、多種多様なワークを保持できる吸着パッドは存在しなかった。
本実施形態では、改良された吸着パッド300を用いることにより、ワーク50が非常に柔らかく伸縮性のある袋に包装されている場合でも、物品を傷つけたり落下させることなく保持することができる。さらに、一種類の吸着パッド300で、多種多様な物品を保持することができる。
以下、本実施形態における吸着パッド300の構成を説明する。
図3は、吸着パッド300の構成例を模式的に示す斜視図である。吸着パッド300は、ロボットハンド120に取り付けられる基部310と、基部310に接続された外周部320とを有する。基部310は、空気が通過する吸引孔312を中央に有する。基部310の先端は、ネジ状の構造を備える。このネジ状の部分がロボットハンド120におけるパイプの先端に嵌め合わせられることにより、吸着パッド300がパイプに取り付けられる。なお、吸着パッド300とパイプとの接続は、ネジによらず、任意の構造によって実現され得る。外周部320は、ワーク50を吸引するための開口322を先端に有する柔軟な材料によって構成されている。基部310および外周部320の内部は、開口322から吸引孔312にわたって空気が通過する空洞になっている。
本実施形態における吸着パッド300は、外周部320の内部に規制部材330をさらに備える。図3において、規制部材330は点線で示されている。規制部材330は、外周部320の内側で且つ開口322よりも奥(図の上側)に取り付けられる。規制部材330は、空気を通過させる複数の孔332を有している。規制部材330は、空気は通過させるが、ワーク50の通過を規制する。このような規制部材330を外周部320の内部に設けることにより、非常に柔らかく伸縮性のある袋に包装された商品を傷つけることなく保持することが可能である。
図4は、吸着パッド300の断面構造を模式的に示す図である。この吸着パッド300は、基部310の吸引孔312の中心を通る軸Cに対して回転対称な構造を有する。すなわち、基部310および外周部320は、軸Cを中心とする回転対称体である。規制部材330は、軸Cに沿って見た場合に円形状を有する。なお、吸着パッド300は、回転対称体とは異なる構造を有していてもよい。例えば、外周部320および規制部材330の、軸Cに垂直な断面の形状が、楕円、任意の多角形、または星形であってもよい。
外周部320は、例えばラバー(ゴム)などの柔軟性のある材料によって構成され得る。外周部320は、薄いプラスチックなどの他の素材で構成されていてもよい。本実施形態における外周部320は、蛇腹(bellows)構造を有する。すなわち、外周部320は、軸Cを中心とする仮想的な円の周方向に沿って延びる複数の溝324および複数の山325が軸Cに沿って交互に並ぶ構造を有する。図3および図4の例では、蛇腹構造は、4つの山325と、それらの間の3つの溝324とを有する。なお、4つの山325のうち、最も下方にある山325は、他の山325の半分に相当する形状を有し、その先端の円形状の縁が開口322を規定する。言い換えれば、外周部320のうち、ワーク50に接する部分は、外側に向けて拡がるスカート状の形状を有する。このような構造により、ワーク50との間の隙間を減少させ、高い吸着性能を実現することができる。なお、溝324および山325の数はこの例に限定されない。例えば図5に例示するように、5つの山325と、それらの間の4つの溝324とを有していてもよい。
図4に示すように、規制部材330は、蛇腹構造における複数の溝324の1つに沿って配置されている。図4の例では、規制部材330は、複数の溝324のうち、開口322から数えて3番目、すなわち基部310の吸引孔312に最も近い溝324に沿って配置されている。規制部材330の外周部は、基部310に最も近い溝324の上側(すなわち基部310の側)の内表面に接している。規制部材330の外周部は、当該内表面に接着されていてもよいし、接着されずに配置されていてもよい。このような構造により、規制部材330が外周部320から脱落しにくくすることができる。なお、規制部材330の配置は、この例に限定されない。規制部材330は、複数の溝324のうちの開口322に最も近い溝324よりも奥の任意の溝に沿って配置され得る。例えば、規制部材330は、複数の溝324のうち、開口322よりも吸引孔312に近い溝に沿って配置され得る。規制部材330を吸引孔312の近くに配置するほど、軟らかい袋で包装された物品に対する吸引性能を向上させることができる。
図6から図8は、規制部材330の配置の様々な変形例を示す断面図である。図6の例における規制部材330は、開口322から2番目の溝324Bに沿って当該溝324Bの上側に配置されている。図7の例における規制部材330は、開口322に最も近い溝324Aの上側に配置されている。図8の例における規制部材330は、基部310に最も近い溝324Cの下側(すなわち開口322の側)に配置されている。これらの例のように、規制部材330は、外周部320の内部の任意の箇所に配置され得る。規制部材330の配置は、保持すべきワーク50の重量、形状、大きさ、および材質に応じて決定される。
規制部材330は、例えばプラスチックによって構成され得る。規制部材330は、他にも、金属、ラバー、または軽石のような無機物で構成されていてもよい。例えば、パンチングメタルのような、多数の細孔を有する金属板を規制部材330として用いてもよい。ただし、規制部材330を金属で構成した場合、規制部材330またはその破片が仮に落下した場合に、問題が生じる場合が想定される。そのような場合には、規制部材330は、プラスチックまたは非導電性無機物質などの誘電体材料で構成され得る。比較的軽量で軟らかいプラスチックまたはラバーなどの材料で規制部材330を構成することにより、脱落時のリスクを低減することができる。
図9は、規制部材330の具体例を示す図である。図9の(a)は、中心軸Cに沿って見た規制部材330を示す平面図である。図9の(b)は、中心軸Cを含む平面で切断した規制部材330の断面図である。この例における規制部材330は、扁平な椀状またはカップ状の構造を有する。この規制部材330は、複数の孔332を有する底部334と、底部334に繋がる側壁336とを備える。この例における側壁336は、底部334に近付くにつれて軸Cに対する傾斜角が大きくなる構造を備える。側壁336の少なくとも一部が、外周部320における複数の溝324の1つの内表面に接するように取り付けられている。各孔332は、底部334を貫通する。図9(b)に示すように、この規制部材330は、半凸レンズに近い断面形状を有する。軸Cに沿って見た規制部材330の形状は円形であるが、例えば多角形などの他の形状であってもよい。
図9には、規制部材330の寸法の一例がミリメートル(mm)単位で記載されている。この例では、規制部材330の直径は、約37mmである。規制部材330の厚さ、すなわち中心軸Cに沿った方向の寸法は、約9mmである。底部334の厚さ、すなわち各孔332の厚さは、約1.5mmである。各孔332の直径は、例えば3mmから6mm程度である。規制部材330の構造および寸法は、この例に限定されず、用途に応じて適切な値に設定される。全ての孔332の形状および寸法が同一である必要はなく、孔332によって形状および寸法の少なくとも一方が異なっていてもよい。各孔332が大きすぎると、ワーク50の一部が孔332を通過する可能性が高くなる。各孔332の直径は、用途にもよるが、規制部材330の直径の例えば5分の1未満に設定され得る。
ここで、軸Cに沿って見た規制部材330の外周部の輪郭によって規定される円の半径をRとする。図9に示す規制部材330における複数の孔332は、当該円の中心からR/2以上の半径の円で囲まれる領域にわたって分布している。このように複数の孔332が規制部材330の比較的広い範囲にわたって分布する構造により、優れた吸着性能を実現できる。複数の孔332の数および総面積は、要求される吸着性能に応じて決定される。孔332の数および総面積が大きいほど、吸着力が高くなる。一例として、規制部材330の開口322に面する側の表面のうち、外周部320に接触していない部分の面積に占める複数の孔332の開口の総面積の割合は、例えば50%以上、ある例では70%以上に設定され得る。
図9の例では、規制部材330の各孔332の開口は、数mm程度の直径の円形状を有するが、必ずしもこのような構造である必要はない。例えば、ナノメートル(nm)またはマイクロメートル(μm)オーダーの径を有する多数の微細な孔が規制部材330に設けられていてもよい。そのような構造の例として、規制部材330の少なくとも一部が網状の構造を有していてもよい。あるいは、規制部材330の少なくとも一部が多孔質体で構成されていてもよい。多孔質体は、例えば連続気泡構造体であってもよい。
図10は、規制部材330の一部が網状の構造を有する例を示す平面図である。この例における規制部材330は、多数の小さい孔332を有するメッシュ部材331を有する。この例における各孔332は、例えば数μmから数mm程度の寸法を有する。メッシュ部材331は、規制部材330の中央部を含む部分、例えば図9(b)に示す底部334に相当する部分に設けられ得る。このような構造により、通気性を確保しながらワーク50の通過を規制することができる。
図11は、規制部材330の一部が多孔質体333によって構成される例を示す平面図である。多孔質体333として、例えば発泡プラスチックなどの発泡体を用いることができる。多孔質体333は、例えば数nmから数μm程度の寸法を有する多数の孔を内部に有する。それらの孔は、一定の形状を有しておらず、隣接する孔同士が繋がっていることもある。このような多孔質体333は、規制部材330の中央部を含む部分、例えば図9(b)に示す底部334に相当する部分に設けられ得る。このような構造によっても、通気性を確保しながらワーク50の通過を規制することができる。
続いて、図12Aから図12Dを参照しながら、本実施形態における吸着パッド300の作用効果を、規制部材330が設けられていない構成と対比して説明する。図12Aから図12Dにおいて、左側の図(a)は、規制部材330が設けられていない構成を示し、右側の図(b)は、規制部材330が設けられた構成を示している。これらの図において、点線の円は、ワーク50のうち、吸着パッド300によって吸着される部分の大きさを示し、上向きの矢印は空気が上向きに流れることを表している。ワーク50は、非常に薄く軟らかい伸縮性のある衣料用の透明袋とする。
図12Aから図12Dは、吸着開始から吸着完了までのワーク50の状態の例を時系列的に表している。図12Aは、吸着開始時点のワーク50の状態を示している。図12Bは、吸着途中のワーク50の状態を示している。図12Cは、吸着完了時点のワーク50の状態を示している。図12Dは、吸着完了後のワーク50の状態を示している。図12Aおよび図12Bに示す段階では、規制部材330がない場合(a)とある場合(b)とで、ワーク50の状態に大きな差はない。吸引パイプ付きロボットハンド120からの吸引によって吸着パッド300の内部空間の圧力が低下するにつれて、ワーク50は吸着パッド300の内部に引き込まれてゆく。
その後の挙動は、規制部材330の有無によって大きく異なる。規制部材330が設けられていない場合、図12Cの(a)に示すように、ワーク50の一部が吸着パッド300の基部310の吸引孔312を塞ぐことになる。すると、ワーク50と外周部320との間の空間が真空に保たれなくなる。図12Cの(a)において点線の円で示すように、ワーク50の吸着される部分の面積が急減する。その結果、大気圧による上向きの力の大きさが重力の大きさを下回ることになり、図12Dの(a)に示すように、ワーク50は落下する。なお、ワーク50の包装材の材質によっては、吸着時に吸われた包装材にシワが生じて吸引力が低下する可能性もある。その場合もワーク50は落下する。
これに対し、複数の孔を有する規制部材330が設けられている場合、図12Cに示すように、ワーク50が規制部材330に比較的広い面積で吸着される。ワーク50の吸着される部分の面積が極端に小さくならないため、上向きの力の大きさが重力の大きさを下回ることはない。したがって、図12Dの(b)に示すように、ワーク50は落下することなく保持され続ける。
図12Dの(b)に示す状況には、ワーク50が規制部材330の複数の孔の一部のみを塞ぐ場合と、全ての孔を塞ぐ場合とがある。ワーク50が規制部材330の一部の孔のみを塞ぐ場合、残りの孔を介して空気が除去されるため、外周部320とワーク50との間の空間が真空に保たれる。この場合、ワーク50は、外周部320の内部に引き込まれたワーク50の部分の表面積に比例する比較的大きい力で保持される。この力は、規制部材330の位置が基部310に近いほど大きくなる。よって、本実施形態では、外周部320の複数の溝のうち、吸引孔312に最も近い溝に沿って規制部材330が設けられている。一方、ワーク50が規制部材330の全ての孔を塞ぐ場合、吸着に寄与する上向きの力は、孔332の開口の総面積に比例する。よって、孔の開口の総面積が小さいと、ワーク50に働く上向きの力の大きさが重力の大きさを下回る可能性がある。そのような状況を避けるため、孔の開口の総面積は、ワーク50に働く上向きの力の大きさが重力の大きさを下回らない程度の大きさに設計され得る。具体的には、ワーク50の質量をm[kg]、重力加速度をg[m/s]、大気圧をp[Pa]、規制部材330における全ての孔の開口の総面積をS[m]とするとき、pS>mgを満たすように設計され得る。規制部材330における全ての孔の開口の総面積が吸引孔312の開口の面積よりも大きければ、規制部材330が設けられていない構成よりも吸着性能が向上する。ある例において、規制部材330における複数の孔の開口の総面積は、吸引孔312の開口の面積の3倍よりも大きい値に設定され得る。他の例において、複数の孔の開口の総面積は、吸引孔312の開口の面積の5倍よりも大きい値に設定され得る。
なお、規制部材330における各孔が大きすぎると、ワーク50の一部が孔を通過して吸引孔312を塞ぐ可能性がある。そのような事態を避けるため、各孔の大きさは、ワーク50が吸引孔312を塞がない程度の大きさに設計される。
以上のように、本実施形態によれば、吸着パッド300の外周部320の内側に、複数の孔を有する規制部材330が設けられる。これにより、非常に軟らかい袋またはフィルムをピッキングする場合であっても保持力の低下を抑制することができる。また、吸引孔が分散するため、商品を傷つけにくい。また、袋またはフィルム以外のワークに対しては、規制部材330がない場合と同程度の吸着性能を維持できる。このため、多品種のピッキングを、一種類の吸着パッド300で実現することができる。
ロボットピッキングには、一般に速度と確実性の両立が要求される。しかし、非常に軟らかい袋で包装された物品のピッキングは難しく、従来、そのような物品のピッキングは避けられてきた。本実施形態では、上記の吸着パッド300を使用することにより、非常に軟らかい袋で包装された商品がワーク50に含まれる場合であっても、経済的な速度で安定的に多様な商品に対応することが可能になる。
次に、本実施形態の変形例を説明する。
上記の実施形態では、吸着パッド300の外周部320および規制部材330の、軸Cに垂直な断面の形状は、円形である。このような構造に限定されず、吸着パッド300は多様な構造を有し得る。例えば、外周部320および規制部材330の、軸Cに垂直な断面の形状は、楕円、多角形、または星形などの、任意の形状を有していてよい。
図13は、一例として、楕円形状の規制部材330の例を示している。このような規制部材330は、外周部320の、軸Cに垂直な断面の形状が楕円形である場合に採用され得る。図13に示す規制部材330における複数の孔332は、規制部材330の板状部分の表裏を貫通する貫通孔である。このような構造に限定されず、図10および図11に示す例のように、少なくとも一部がメッシュ構造体または多孔質体によって形成されていてもよい。メッシュ構造体は、例えば多角形または円形の多数の孔を有する網目状または格子状の構造を有する。多孔質体は、例えば軽石、スポンジ、またはタワシのような構造体でもよい。
規制部材330は、板形状またはカップ形状の部材に限定されない。規制部材330は、例えば、球、円柱、角柱、円錐、または角錘などの、任意の形状を有していてよい。
吸着パッド300の外周部320は、蛇腹構造に限らず、任意の構造を有し得る。例えば、吸着パッド300は、円筒状、または多角形もしくは星形断面をもつストレートな筒状の構造を有していてもよい。規制部材330が落下することなく外周部320の内部に保持される構造である限り、外周部320の構造は任意である。
吸着パッド300は、外周部320を外側から押さえることによって規制部材330の落下を抑制する少なくとも1つのリングをさらに備えていてもよい。図14は、そのようなリング340を備える吸着パッド300の一例を示す斜視図である。図15は、この吸着パッド300の側面図である。図15には、外周部320の内部にある規制部材330の位置も模式的に示されている。リング340は、例えばラバーなどの伸縮性を有する材料によって構成され得る。この例におけるリング340は、外周部320の蛇腹構造における複数の溝のうち、基部310に最も近い溝の外側に配置されている。規制部材330は、リング340と基部310との間に配置されている。リング340を設けることにより、規制部材330を外周部320の内部に保持し易くなり、落下の可能性を低減することができる。
図16は、吸着パッド300が2つのリング340を備える例を示す側面図である。この例では、2つのリング340が、外周部320における複数の溝のうちの隣接する2つの溝の外側に設けられている。規制部材330は、それらの2つのリング340の間に配置されている。この例のように、複数のリング340を設けることにより、規制部材330をより安定的に保持することができる。
図17は、吸着パッド300の他の構成例を示す断面図である。この例における吸着パッド300の外周部320は、蛇腹構造とは異なる構造を有する。規制部材330は、図17において破線で示すように、球体に近い形状を有する。吸着パッド300は、規制部材330を抑えるための2つのリング340を有する。このような構造によれば、吸着パッド300の外周部320が蛇腹構造を有していなくても、規制部材330を外周部320の内部に安定的に保持することができる。
以上のように、本開示は以下の項目に記載の吸着パッドおよびピッキング装置を含む。
[項目1]
ピッキング装置が備える吸引パイプ付きエンドエフェクタに取り付けられて使用される吸着パッドであって、
吸引孔を有し、前記吸引パイプに取り付けられる基部と、
前記基部に接続され、ワークを吸引するための開口を先端に有する外周部と、
前記外周部の内側で且つ前記開口よりも奥に取り付けられ、空気を通過させる複数の孔を有し、前記ワークの通過を規制する規制部材と、
を備える吸着パッド。
[項目2]
前記外周部は、蛇腹構造を有し、
前記規制部材は、前記蛇腹構造における複数の溝の1つに沿って配置されている、項目1に記載の吸着パッド。
[項目3]
前記規制部材は、前記複数の溝のうち、前記開口に最も近い溝よりも奥の溝に沿って配置されている、項目2に記載の吸着パッド。
[項目4]
前記規制部材は、前記複数の溝のうち、前記開口よりも前記吸引孔に近い溝に沿って配置されている、項目2または3に記載の吸着パッド。
[項目5]
前記規制部材は、前記複数の溝のうち、前記吸引孔に最も近い溝に沿って配置されている、項目2から4のいずれかに記載の吸着パッド。
[項目6]
前記規制部材は、前記複数の孔を有する底部と、前記底部に繋がる側壁とを有し、
前記側壁の少なくとも一部が、前記外周部の複数の溝の1つの内表面に接するように配置されている、
項目2から5のいずれかに記載の吸着パッド。
[項目7]
前記外周部は、前記基部に繋がる部分よりも、前記開口を規定する前記先端が広がった形状を有する、項目1または2に記載の吸着パッド。
[項目8]
前記外周部を外側から押さえることによって前記規制部材の落下を抑制するリングをさらに備える、項目1から7のいずれかに記載の吸着パッド。
[項目9]
前記複数の孔の開口の総面積は、前記吸引孔の開口の面積よりも大きい、項目1から6のいずれかに記載の吸着パッド。
[項目10]
前記ワークの質量をm[kg]、重力加速度をg[m/s]、大気圧をp[Pa]、前記規制部材における前記複数の孔の開口の総面積をS[m]とするとき、pS>mgを満足する、項目1から9のいずれかに記載の吸着パッド。
[項目11]
前記複数の孔の開口の総面積は、前記吸引孔の開口の面積の3倍よりも大きい、項目1から10のいずれかに記載の吸着パッド。
[項目12]
前記複数の孔の開口の総面積は、前記吸引孔の開口の面積の5倍よりも大きい、項目1から11のいずれかに記載の吸着パッド。
[項目13]
前記規制部材の少なくとも一部は、網状の構造を有する、項目1から12のいずれかに記載の吸着パッド
[項目14]
前記規制部材の少なくとも一部は、多孔質体で構成されている、項目1から13のいずれかに記載の吸着パッド。
[項目15]
前記規制部材は、プラスチック材料で構成されている、項目1から14のいずれかに記載の吸着パッド。
[項目16]
前記外周部はラバー材料で構成されている、項目1から15のいずれかに記載の吸着パッド。
[項目17]
前記外周部は、前記吸引孔の中心および前記開口の中心を通る軸を中心とする回転対称体であり、
前記規制部材は、前記軸に沿って見た場合に円形状を有する、
項目1から16のいずれかに記載の吸着パッド。
[項目18]
項目1から17のいずれかに記載の吸着パッドと、
前記吸引パイプ付きエンドエフェクタと、
を備えるピッキング装置。
本開示の技術は、ワークをピッキングして移動させる用途に利用することができる。例えば、物流拠点などの倉庫または工場におけるピッキングロボットに利用することができる。
30 箱
50 ワーク
100 ピッキングロボット
110 アーム
120 吸引パイプ付きロボットハンド
300 吸着パッド
310 基部
312 吸引孔
320 外周部
324 溝
330 規制部材
331 メッシュ部材
332 孔
333 多孔質体
334 底部
336 側壁
340 リング

Claims (18)

  1. ピッキング装置が備える吸引パイプ付きエンドエフェクタに取り付けられて使用される吸着パッドであって、
    吸引孔を有し、前記吸引パイプに取り付けられる基部と、
    前記基部に接続され、ワークを吸引するための開口を先端に有する外周部と、
    前記外周部の内側で且つ前記開口よりも奥に取り付けられ、空気を通過させる複数の孔を有し、前記ワークの通過を規制する規制部材と、
    を備える吸着パッド。
  2. 前記外周部は、蛇腹構造を有し、
    前記規制部材は、前記蛇腹構造における複数の溝の1つに沿って配置されている、請求項1に記載の吸着パッド。
  3. 前記規制部材は、前記複数の溝のうち、前記開口に最も近い溝よりも奥の溝に沿って配置されている、請求項2に記載の吸着パッド。
  4. 前記規制部材は、前記複数の溝のうち、前記開口よりも前記吸引孔に近い溝に沿って配置されている、請求項2または3に記載の吸着パッド。
  5. 前記規制部材は、前記複数の溝のうち、前記吸引孔に最も近い溝に沿って配置されている、請求項2から4のいずれかに記載の吸着パッド。
  6. 前記規制部材は、前記複数の孔を有する底部と、前記底部に繋がる側壁とを有し、
    前記側壁の少なくとも一部が、前記外周部の複数の溝の1つの内表面に接するように配置されている、
    請求項2から5のいずれかに記載の吸着パッド。
  7. 前記外周部は、前記基部に繋がる部分よりも、前記開口を規定する前記先端が広がった形状を有する、請求項1から6のいずれかに記載の吸着パッド。
  8. 前記外周部を外側から押さえることによって前記規制部材の落下を抑制するリングをさらに備える、請求項1から7のいずれかに記載の吸着パッド。
  9. 前記複数の孔の開口の総面積は、前記吸引孔の開口の面積よりも大きい、請求項1から6のいずれかに記載の吸着パッド。
  10. 前記ワークの質量をm[kg]、重力加速度をg[m/s]、大気圧をp[Pa]、前記規制部材における前記複数の孔の開口の総面積をS[m]とするとき、pS>mgを満足する、請求項1から9のいずれかに記載の吸着パッド。
  11. 前記複数の孔の開口の総面積は、前記吸引孔の開口の面積の3倍よりも大きい、請求項1から10のいずれかに記載の吸着パッド。
  12. 前記複数の孔の開口の総面積は、前記吸引孔の開口の面積の5倍よりも大きい、請求項1から11のいずれかに記載の吸着パッド。
  13. 前記規制部材の少なくとも一部は、網状の構造を有する、請求項1から12のいずれかに記載の吸着パッド
  14. 前記規制部材の少なくとも一部は、多孔質体で構成されている、請求項1から13のいずれかに記載の吸着パッド。
  15. 前記規制部材は、プラスチック材料で構成されている、請求項1から14のいずれかに記載の吸着パッド。
  16. 前記外周部はラバー材料で構成されている、請求項1から15のいずれかに記載の吸着パッド。
  17. 前記外周部は、前記吸引孔の中心および前記開口の中心を通る軸を中心とする回転対称体であり、
    前記規制部材は、前記軸に沿って見た場合に円形状を有する、
    請求項1から16のいずれかに記載の吸着パッド。
  18. 請求項1から17のいずれかに記載の吸着パッドと、
    前記吸引パイプ付きエンドエフェクタと、
    を備えるピッキング装置。
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