JP2021027708A - スライド吊金車、及びその金車を用いた延線工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多導体延線工事における手間を省略し、かつ新線の損傷を抑制する。【解決手段】スライド吊金車100は、既設電線Aを案内する旧線案内部1が幅方向の中間に設けられ、一対の新線Bを案内する一対の新線案内部2が幅方向の両端に設けられている。旧線案内部1は、上下に対向する旧線案内ローラー11と旧線案内ローラー11を軸支するローラー支持枠13とを有している。新線案内部2は、ローラー支持枠13に上下の両端を固定される有端環状のガイドレール21と、ガイドレール21に沿って上下方向に摺動する輪状の新線案内環22とを有している。【選択図】図1

Description

この発明は、既設電線(以下、「旧線」ともいう。)を新しい電線(以下、「新線」ともいう。)に交換する延線工事を、スライド吊金車を用いて行う技術に関し、特に、2本の新線の延線を同時に行う二導体同時延線を行うことで、多数本の新線を同時に延線できる多導体延線工事用のスライド吊金車、及びこれを用いた延線工法に関する。
従来、新線を鉄塔間に張設する延線工事では、各鉄塔に固定した金車にかけ渡したメッセンジャーワイヤの後端を新線の先端に連結し、ウインチでメッセンジャーワイヤの先端側を巻き上げることで、新線を電線ドラムから引き出して張設するようにしている。
この延線工事には、引抜工法と吊金工法がある。引抜工法は、鉄塔に固定される固定金車のみで電線を支持し、径間では電線をフリーにした状態で延線を行う工法である。この引抜工法では、延線時に新線が垂れ下がるため、鉄道や高速道路等の地上施設を新線が横断する際には、該地上施設を足場やネット等の設備で防護する必要がある。
一方、吊金工法は、新線の上方の旧線、あるいは、別途張設した支持ワイヤに、多数の吊金車を吊り下げ、該吊金車で新線を支持しながら新線を巻き上げるものである。この吊金工法では、吊金車の設置が必要となるものの、新線は径間でも吊金車で支持されるため垂れ下がることがなく、地上設備を防護する手間が省ける。このことから、地上設備の防護作業に手間がかかる場合は、広く吊金工法が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
吊金工法では、古くから、旧線を用いて吊金車を展開したのち、新線と旧線を反転させて新線で吊金車を支持しながら旧線を回収する反転吊金車工法が用いられていたところ、金車により反転方向がばらついて旧線と新線が交差し、新線に傷がつくという問題があった。
そこで、特許文献1では、旧線で支持しながら吊金車を展開する際に、吊金車とともに支持ロープを張設し、ガイドレールを摺動するロープ保持具により旧線より上方へ持ち上げ、支持ロープで吊金車を支持しながら、旧線の回収や新線の延線を行う工法が提案されている。
特開平5−64324
しかし、特許文献1のような吊金車工法では、電線と支持ロープとからなる2本の線材で上下を交換するため、支持ローブをガイドロッドに沿って摺動させるロープ保持具がうまくガイドロッドを摺動せず、逆方向に吊金車を反転すると、元に戻すのに非常に手間がかかるという問題や、新線を傷付けるという問題がある。また、同時に2本、4本と多数の新線を張設する多導体延線工事の場合、新線1本ごとに吊金車を展開する必要があり、非常に手間がかかるという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、多導体延線工事における手間を省略し、かつ新線の損傷を抑制することが可能なスライド式吊金車、及びこれを用いた延線工法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、幅方向の中間に設けられ、既設電線を案内する旧線案内部と、幅方向の両端に設けられ、新線を案内する一対の新線案内部とを備え、前記旧線案内部は、上下に対向する一、又は複数対の旧線案内ローラーと、前記一、又は複数対の旧線案内ローラーを軸支するローラー支持枠とを有し、前記新線案内部は、前記ローラー支持枠に上下の両端を固定される有端環状のガイドレールと、前記ガイドレールに沿って上下方向に摺動する輪状の新線案内環とを有するスライド吊金車である。
このように、本発明のスライド吊金車では、幅方向の中間に上下に対向するローラーからなる旧線案内部を設け、幅方向の両端に一対の輪状の新線案内環を設けたので、旧線案内部に旧線を通し、この旧線に当該スライド吊金車を吊り下げた状態で、一対の新線案内環に新線を挿通するようにして2本の新線を同時に延線することできる。
また、幅方向の中間に旧線案内部を設け、幅方向の両端に設けたガイドレールに沿って一対の新線案内環を摺動させるように設けたので、旧線と一対の新線の上下を交代するにあたり、これら3本の線材で吊金車を操作できるため、吊金車が反転しないように操作することが容易である。
前記新線案内環は、周方向に配設される少なくとも2つの新線案内ローラーを有することが好ましい。こうすることで、新線をスムーズに延線して新線に傷をつけることを抑制できる。
本発明は、上記いずれかのスライド吊金車を用いた延線工法を含み、特に、前記旧線案内部に旧線を通し、当該旧線に沿って複数の前記スライド吊金車を展開するスライド吊金車展開工程と、前記一対の新線案内環を通して、一対の支持ワイヤを延線する支持ワイヤ延線工程と、前記一対の新線案内環を前記ガイドレールに沿って上方へスライドさせて前記一対の支持ワイヤを前記旧線に対し相対的に持ち上げて、前記一対の支持ワイヤにより前記スライド吊金車を支持する支持ワイヤ仮上げ工程と、前記一対の支持ワイヤにより複数の前記スライド吊金車を支持しながら前記旧線を前記旧線案内部から引き抜くとともに、前記旧線に連結した1本の樹脂ロープを前記旧線案内部に通して延線する旧線回収工程と、前記一対の新線案内環を前記ガイドレールに沿って下方へスライドさせて前記一対の支持ワイヤを引き下げ、前記樹脂ロープを前記一対の支持ワイヤに対し相対的に持ち上げて、前記樹脂ロープにより前記スライド吊金車を支持する樹脂ロープ仮上げ工程と、前記一対の支持ワイヤの後端側に連結した一対の新線を前記新線案内環を通して延線する二新線同時延線工程とを備え、前記樹脂ロープとして、前記旧線よりも軽い線材を用いるスライド吊金車を用いることが好ましい。
本発明に係る延線工法は、このように、旧線をより軽い樹脂ロープに交換したのち2本の新線の延線を行うので、2本の新線の延線を行う際に鉄塔にかかる負担を抑制できる。
以上説明したように、本発明のスライド吊金車、及び延線工法では、二線同時延線工事における新線の損傷を抑制しながら、工事の省力化を図ることができる。
本発明の一の実施形態に係るスライド吊金車を示す斜視図である。 図1に示したスライド式吊金車の新線案内環が上方へスライドする様子を示す斜視図である。 図1に示したスライド吊金車の正面図である。 本発明に係る延線工法の空打ち金車展開工程を示す説明図である。 図3に示した空打ち金車の斜視図である。 本発明に係る延線工法のスライド吊金車展開工程を示す説明図である。 本発明に係る延線工法の支持ワイヤ延線工程を示す説明図である。 本発明に係る延線工法の支持ワイヤ仮上げ工程を示す説明図である。 本発明に係る延線工法の旧線回収工程を示す説明図である。 本発明に係る延線工法の三ワイヤ同時延線工程を示す説明図である。 本発明に係る延線工法の樹脂ロープ延線工程を示す説明図である。 本発明に係る延線工法の樹脂ロープ仮上げ工程を示す説明図である。 本発明に係る延線工法の第3延線ワイヤ張設工程を示す説明図である。 本発明に係る延線工法の二新線同時延線工程を示す説明図である。 本発明に係る延線工法のスライド吊金車回収工程を示す説明図である。
以下、適宜図面を用いながら本発明の実施形態について詳述する。図1、乃至図3は、本発明の一の実施形態に係るスライド吊金車100を示している。スライド吊金車100は、幅方向の中間に設けられる旧線案内部1と、幅方向の両端に設けられる一対の新線案内部2,2と、固定ロープ掛止部3とを備えている。
尚、本発明は、以下の実施形態に限られるものではない。
旧線案内部1は、図3に示すように、上下に対向する一対の旧線案内ローラー11,11と、左右一対の側方ローラー12、12と、旧線案内ローラー11,11、及び側方ローラー12,12を軸支するローラー支持枠13とを有している。
旧線案内ローラー11は軸方向の中央ほど小径となる鼓型をなし、アルミニウム合金製の芯材をウレタンゴムで被覆して形成されている。側方ローラー12は円柱形をなし、MCナイロン製である。
ローラー支持枠13は、SS400等の一般鋼材を加工して、全体として略長方形の枠型に形成されている。ローラー支持枠13は、幅方向の左側(図3の左側)における上下方向の中央部分に、開口部15aを有する略長方形の支持枠本体15と、開口部15aを開閉するとともに、ローラー支持枠13の一側の縦辺を構成する開閉辺14とを備えている。開口部15aは、上下の旧線案内ローラー11,11の間に開口している。
支持枠本体15は、幅方向の右側(図3の右側)の縦辺をなす右辺16と、右辺16の上下の端部から左側へ延出する上辺171、及び下辺172と、上辺171、及び下辺172の左側の端部から上下方向の内側へ延出する上側ブランチ181、下側ブランチ182とを有している。
右辺16は、板材を折り曲げてコ字状に形成した上下一対の縦材161,161と、縦材161,161を連結するとともに、側方ローラー12を上下方向の軸周りに回動可能に軸支するコ字材19とを有している。
開閉辺14は、板材を折曲げたコ字材からなる、上下一対の縦材141,142と、縦材141、及び縦材142を連結するとともに側方ローラー12を上下方向の軸191周りに回動可能に軸支するコ字材19と、下側の縦材142の基端側(図3の下側)に設けられる開閉軸14aを有している。開閉軸14aは、下辺172の右端に設けられる軸受に軸支されている。開閉辺14を開く際は、図3において、摘み14bを引き上げた状態で閂板14cを上方へスライドさせる。開閉辺14を閉じ、摘み14bを引き上げた状態で、閂板14cを引き下げるとロックする。
一対の新線案内部2,2は、それぞれ、ローラー支持枠13に上下の両端を固定される有端環状のガイドレール21と、ガイドレール21に沿って上下方向に摺動する輪状の新線案内環22とを有している。
ガイドレール21は、SS400等の鋼材からC字状(有端環状)に形成され、両端が右辺16、又は開閉辺14に溶接固定されている。左側のガイドレール21は、開閉辺14とともに、開閉軸14a周りに回動して、開口部15aを開閉する。
新線案内環22は、正面視で略円形をなし、軸方向をその周方向として輪状に並ぶ五つの新線案内ローラー22a,22a,…と、隣接する新線案内ローラー22a,22aの間に設けられて、当該隣接する新線案内ローラー22a,22aを軸支する軸受け金具22bと、相隣る軸受け金具22b,22bを連結固定する5つの山形をなす枠部材22c,22cと、U字フック22fとを備えている。U字フック22fと対向する新線案内ローラー22aは、ピン22eを不図示の付勢ばねに抗して、軸方向に押圧することで、開閉可能に構成されている。
新線案内環22は、ガイドレール21に摺動可能に環装されたO型カラビナ23にU字フック22fを係合することで、ガイドレール21に対し摺動可能に連結されている。
固定ロープ掛止部3は、板厚方向を幅方向とする板辺からなり、前後に板厚方向に貫通する曳行ロープ掛止孔3a,3aを有している。
(スライド吊金車を用いた延線工法)
次に、図4乃至図15を用いて、本発明にかかるスライド吊金車100を用いた延線工法について説明する。図9に示すように、NO.1鉄塔からNO.4鉄塔まで3つの径間P1,P2,P3に張設された旧線Aを新線Bに張り替える。図4には、2本の鉄塔間に上下4本の電線を記載しているが、最も上のものがアースを取った地線であり、下の3本が送電線である。実際は、鉄塔の左右(図4の手前側と奥側)に4本ずつ計8本の電線が設けられているが、便宜上、図4には片側4本のみを図示している。ここでは、1本の旧送電線(旧線A)を4本の新送電線(新線B)に交換する場合の手順を説明する。
図4に示すように、径間P1には、自動車道路や鉄道線路が存在しているため、電線の垂れ下がりが許されず、スライド吊金車100を用い、径間P2,P3は、地上に建造物を有さないため、スライド吊金車100は用いず、引抜工法で行う。
図4、乃至図15において、No.1鉄塔側がドラム場(D場)、NO.4鉄塔側がエンジン場(E場)となる。図中の符号6はウインチ、符号7はドラムを示している。
(空打ち金車展開工程S1)
図4は、空打ち金車展開工程S1(以下、単に「工程S1」のようにいうことがある。)を示している。空打ち金車展開工程S1は、張替え対象の既設電線(旧線A)に多数の空打ち金車(図5参照)を展開する工程である。空打ち金車5は、ローラー51とローラー51の回転軸から吊設されるロープ掛止部52と、落下防止ロープ53とを有している。工程S1において、作業者は、旧線に対しスライド自在に吊設した宙乗り機に乗り作業を行う。作業者は、図4に示す向きに、NO.2鉄塔からNO.1塔に向かって宙乗り機で旧線Aに沿って移動しながら、予め、パイロットロープR1をロープ掛止部52に掛止して連結した多数の空打ち金車5,5,…を、1つずつ順に旧線Aに掛止する。パイロットロープR1は、例えば12mmのナイロンロープからなる。
(スライド吊金車展開工程S2)
図6は、スライド吊金車展開工程S2を示している。スライド吊金車展開工程S2は、張替え対象の旧線Aに多数のスライド吊金車100,100,…を展開する工程である。
工程S1で、張替え対象の旧線Aに空打ち金車5,5,…を展開したら、図6(a)に示すように、固定ロープ掛止部3により固定ロープR2で連結した多数のスライド吊金車100,100,…を、その開閉辺14を開いて旧線Aに掛止し、最もNO.2鉄塔に近い側のスライド吊金車100をパイロットロープR1のNO.1鉄塔側の端部に連結する。しかるのち、エンジン場のウインチ6で、パイロットロープR1を、図6(a)の白抜き矢印で示すように、No.2鉄塔側に巻き上げて、空打ち金車5,5,…を回収するとともに、多数のスライド吊金車100,100,…をNo.1鉄塔とNo.2鉄塔の径間に展開する。この際、同時に、一対の新線案内環22,22に挿通するようにして、2本の延線ロープR3,R3も張設しておく。延線ロープR3は、例えば、φ12mmのナイロンロープからなる。工程S2においては、図6(b)に示すように、新線案内環22,22に挿通した延線ロープR3,R3は、旧線Aよりも下方に位置している。
(支持ワイヤ延線工程S3)
図7は、支持ワイヤ延線工程S3を示している。支持ワイヤ延線工程S3は、工程S2に続けて、径間P1に、2本の支持ワイヤR4,R4を延線する工程である。支持ワイヤR4は、例えば、φ10mmのワイヤからなる。工程S2において径間P1に張設した2本の延線ロープR3,R3のNO.1鉄塔側の端部にそれぞれ支持ワイヤR4を連結し、エンジン場のウインチ6で延線ロープR3,R3をNO.2鉄塔側へ巻き上げることで、2本の支持ワイヤR4,R4が、新線案内環22,22を通るようにして径間P1に張設される。工程S3においては、図7(b)に示すように、新線案内環22,22に挿通した支持ワイヤR4,R4は、旧線Aよりも下方に位置している。
(支持ワイヤ仮上げ工程S4)
図8は、支持ワイヤ仮上げ工程S4を示している。支持ワイヤ仮上げ工程S4は、2本の支持ワイヤR4,R4を旧線A、及び固定ロープR2より上方へ仮上げする工程である。工程S3の終了後、旧線Aの張力を緩めることで旧線Aを引き下げ、かつ支持ワイヤR4,R4の張力を高めることで、図8(a)、図8(b)に白抜き矢印で示すように、支持ワイヤR4,R4を持ち上げる。この際、一対の新線案内環22,22が旧線Aを挟んで両側を通過するように確認しながら支持ワイヤR4,R4を持ち上げる。
このように、旧線A、及び支持ワイヤR4,R4の3本の線材で、スライド吊金車100の姿勢を制御できるので、スライド吊金車の反転を抑制できる。
(旧線回収工程S5)
図9は、旧線回収工程S5の様子を示している。旧線回収工程S5は、NO.1鉄塔からNO.4鉄塔までの3つの径間P1,P2,P3から旧線Aを引き抜く工程である。先の工程S4で、支持ワイヤR4,R4を仮上げたら、本工程S5において、NO.4鉄塔上で、延線クランプ8を用いて旧線Aに第1延線ワイヤR5を連結する。第1延線ワイヤR5としては、例えば、φ14mmのワイヤが用いられる。NO.1鉄塔側をドラム場、NO.4鉄塔側をエンジン場として、旧線Aをウインチ6でNO.1鉄塔側のドラムへ巻き上げ、径間P3、径間P2、径間P1の順に旧線Aを引き抜く。本工程S5では、図9(b)に示すように、新線案内環22挿通した支持ワイヤR4,R4でスライド吊金車100を支持しながら、旧線Aを引き抜く。
(三ワイヤ同時延線工程S6)
図10は、三ワイヤ同時延線工程S6の様子を示している。三ワイヤ同時延線工程S6は、径間P2、及び径間P3に3本の第2延線ワイヤR6,R6,R6を張設する工程である。工程S5の終了後、第1延線ワイヤR5のNO.4鉄塔側の端部に延線ヨーク9により3本の第2延線ワイヤR6,R6,R6を連結し、ドラム場のウインチ6で、第1延線ワイヤR5をNO.1鉄塔側へ巻き上げる。3本の第2延線ワイヤR6,R6,R6のNO.1鉄塔側の端がNO.2鉄塔に到達したら、図11に示すように、3本の第2延線ワイヤR6,R6,R6をNO.2鉄塔に固定する。本工程S6では、図10(b)に示すように、新線案内環22挿通した支持ワイヤR4,R4でスライド吊金車100を支持しながら、旧線案内部1に挿通した第1延線ワイヤR5を巻き上げる。
(樹脂ロープ延線工程S7)
図11は、樹脂ロープ延線工程S7を示している。樹脂ロープ延線工程S7は、径間P1において、第1延線ワイヤR5を、ケプラーロープ(「ケプラー」は登録商標)等の樹脂製ロープからなる樹脂ロープR7に交換する工程である。工程S6の終了後、NO.2鉄塔上で、延線クランプ8により、第1延線ワイヤR5のNO.2鉄塔側の端部に樹脂ロープR7を連結し、NO.1側のウインチ6により、第1延線ワイヤR5をNO.1鉄塔側へ巻き上げ、これにより、NO.2鉄塔の樹脂ロープR7が引き出され、図11(b)に示すように、スライド吊金車100の旧線案内部1を通って、径間P1に張設される。
(樹脂ロープ仮上げ工程S8)
図12は、樹脂ロープ仮上げ工程S8を示している。樹脂ロープ仮上げ工程S8は、工程S7において、径間P1に張設した樹脂ロープR7を仮上げする工程である。工程S7が終了すると、図12(b)に示すように、一対の支持ワイヤR4,R4の張力を下げることで、新線案内環22をガイドレール21に沿ってスライドさせて下降させ、樹脂ロープR7を相対的に引き上げる。一対の支持ワイヤR4,R4は、図12(a)に示すように、NO.2側の端部がNO.2鉄塔上で残り2本の第2延線ワイヤR6,R6にそれぞれ連結される。
(第3延線ワイヤ張設工程S9)
図13は、第3延線ワイヤ張設工程S9を示している。第3延線ワイヤ張設工程S9は、全径間P1,P2,P3に一対の第3延線ワイヤR8,R8を張設する工程である。第3延線ワイヤR8は、例えば、14mmの金属ワイヤからなる。工程S8が終了したら、一対の支持ワイヤR4,R4のNO.1鉄塔側の端部に、延線クランプ8,8で、NO.1鉄塔近傍のドラムから引き出した一対の第3延線ワイヤR8,R8を連結し、NO.4鉄塔側のウインチ6で、一対の第3延線ワイヤR8,R8、及び一対の支持ワイヤR4,R4に連結された2本の第2延線ワイヤR6,R6を引っ張り、全径間P1からP3に一対の第3延線ワイヤR8,R8を張設する。スライド吊金車100は、図13(b)に示すように、旧線案内部1に挿通された樹脂ロープR7に支持され、一対の第3延線ワイヤR8,R8は、スライド吊金車100の新線案内環22,22を通って曳行される。
尚、工程S9では、支持ワイヤR4,R4を、第3延線ワイヤR8,R8を延線するための延線ワイヤとして用いている。
(二新線同時延線工程S10)
図14は、二新線同時延線工程S10を示している。二新線同時延線工程S10は、全径間P1,P2,P3に一対の新線B,Bを張設する工程である。工程S9の終了後、一対の第3延線ワイヤR8,R8のNO.1鉄塔側の端部に、延線クランプ8,8で、ドラムから引き出した一対の新線B,Bを連結し、NO.4鉄塔近傍のウインチ6で、一対の第3延線ワイヤR8,R8を巻き上げて、全径間P1,P2,P3に一対の新線B,Bを張設する。スライド吊金車100は、図14(b)に示すように、旧線案内部1に挿通された樹脂ロープR7に支持され、一対の新線B,Bは、スライド吊金車100の新線案内環22,22を通って曳行される。
(スライド吊金車回収工程S11)
図15は、スライド吊金車回収工程S11を示している。スライド吊金車回収工程S11は、径間P1に展開したスライド吊金車100を回収する工程である。工程S10が終了したら、図15(b)に示すように、新線B,Bに張力を加えて、仮上げする。しかる後、一対の新線B,Bでスライド吊金車100を支持しながら、NO.1鉄塔側のウインチ6で、固定ロープR2を巻き上げ、スライド吊金車100をNO.1鉄塔側へ回収する。この際、径間P2,P3に張設されたまま残っている第2延線ワイヤR6が、固定ロープR2に曳行されるが、これを空打ち金車展開工程S1における旧線Aに置き換えて、工程S1を実施して、空打ち金車5,5,…を径間P1に展開する。
この後、詳細な手順は省略するが、工程S1から工程S11におけるロープやワイヤの本数や使用方法その他の手順を適宜に変更しながら、全径間P1,P2,P3にさらに一対の新線B,Bを延線する。このように、二新線同時延線を2度繰り返すことにより、1本の旧線Aを4本の新線B,B,…に張り替えることができる。
以上、本実施形態にかかるスライド吊金車100は、幅方向の中間に旧線案内部1を備え、幅方向の両端に一対のガイドレール21に沿って摺動する新線案内環22,22を備えるので、旧線案内部1に挿通した旧線Aと新線案内環22,22に挿通した一対の新線B,Bの上下を交代するにあたり、これら3本の線材で吊金車を操作できるため、吊金車の反転を容易に回避できる。
また、新線案内環22は、周方向に並ぶ少なくとも2つの(5つの)新線案内ローラー22a,…を備えるので、新線B,Bを傷をつけることなく、スムーズに延線できる。
また、新線案内環22は、ガイドレール21の軸周りに回動可能な環状金具を介してガイドレール21に連結されているので、新線案内環22をガイドレール21の軸周りにも回動させることができ、より柔軟に新線案内環22を揺動させられるので、新線に傷がつくことをさらに抑制することができる
本発明の多導体延線工法は、旧線Aを旧線Aより軽い樹脂ロープR7に交換してから、一対の新線の延線を行うので、鉄塔に係る負担を抑制できる。
以上、本発明のスライド吊金車は、上述した実施形態に限られるものではなく、旧線案内ローラーをスライド吊金車の幅方向に複数対設けてもよい。新線案内環22は、新線案内ローラーを備えなくともよいし、1つのみ備えてもよい。
また、本発明のスライド吊金車を用いた延線工法は、旧線案内部に旧線を通し、当該旧線に沿って複数の前記スライド吊金車を展開するスライド吊金車展開工程と、一対の新線を、前記新線案内環を通して延線する二新線同時延線工程とを行ったのち、一対の新線案内環を前記ガイドレールに沿って上方へスライドさせて一対の新線を旧線に対し相対的に持ち上げて、一対の新線によりスライド吊金車を支持する新線仮上げ工程を行い、旧線回収工程で、一対の新線でスライド吊金車を支持しながら前記旧線を引き抜くようにしてもよい。
100 スライド吊金車
1 旧線案内部
11 旧線案内ローラー
13 ローラー支持枠
2 新線案内部
21 ガイドレール
22 新線案内環
22a 新線案内ローラー
23 環状金具

Claims (4)

  1. 幅方向の中間に設けられ、既設電線を案内する旧線案内部と、
    幅方向の両端に設けられ、新線を案内する一対の新線案内部と
    を備え、
    前記旧線案内部は、上下に対向する一、又は複数対の旧線案内ローラーと、前記一、又は複数対の旧線案内ローラーを軸支するローラー支持枠とを有し、
    前記新線案内部は、前記ローラー支持枠に上下の両端を固定される有端環状のガイドレールと、
    前記ガイドレールに沿って上下方向に摺動する輪状の新線案内環とを有するスライド吊金車。
  2. 前記新線案内環は、周方向に配設される少なくとも2つの新線案内ローラーを有する請求項1に記載のスライド吊金車。
  3. 請求項1、又は請求項2に記載のスライド吊金車を用いる延線工法。
  4. 請求項1、又は請求項2に記載のスライド吊金車を用い、
    前記旧線案内部に旧線を通し、当該旧線に沿って複数の前記スライド吊金車を展開するスライド吊金車展開工程と、
    前記一対の新線案内環を通して、一対の支持ワイヤを延線する支持ワイヤ延線工程と、
    前記一対の新線案内環を前記ガイドレールに沿って上方へスライドさせて前記一対の支持ワイヤを前記旧線に対し相対的に持ち上げて、前記一対の支持ワイヤにより前記スライド吊金車を支持する支持ワイヤ仮上げ工程と、
    前記一対の支持ワイヤにより複数の前記スライド吊金車を支持しながら前記旧線を前記旧線案内部から引き抜くとともに、前記旧線に連結した1本の樹脂ロープを前記旧線案内部に通して延線する旧線回収工程と、
    前記一対の新線案内環を前記ガイドレールに沿って下方へスライドさせて前記一対の支持ワイヤを引き下げ、前記樹脂ロープを前記一対の支持ワイヤに対し相対的に持ち上げて、前記樹脂ロープにより前記スライド吊金車を支持する樹脂ロープ仮上げ工程と、
    前記一対の支持ワイヤの後端側に連結した一対の新線を前記新線案内環を通して延線する二新線同時延線工程と
    を備え、
    前記樹脂ロープとして、前記旧線よりも軽い線材を用いるスライド吊金車を用いることを特徴とする延線工法。
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