JP2021027260A - 回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路基板の大型化を防止しつつ、大電流に対する十分な電流容量を確保する。【解決手段】負荷を駆動する駆動回路と、駆動回路の電源パターンとグランドパターンとの少なくとも一方に設けられたスルーホールと、そのスルーホール内を貫通する棒状導体部材と、を備え、棒状導体部材が、表層から表層裏面に亘って、半田付けされている。【選択図】図11

Description

本発明は、回路基板に関する。
近年、産業界では、急速に電子化が進んでいる。特に、ハイブリッドカーや電気自動車の普及が著しい自動車分野においては、制御系だけでなく、モータ等駆動系にも電装部品が使用されている。
これらの部品が搭載される回路基板においては、比較的電流の小さい制御素子系の信号が流れる通常の配線パターンのほかに、駆動系の大電流が流れる配線パターンを設ける必要がある。
この対応として、制御系と駆動系の配線パターンをそれぞれ設けた複数の回路基板を接続する方式、あるいは、導体層を多層構造として、大電流が流れる配線パターンと、通常の配線パターンとを積層する方式が用いられてきた。
しかしながら、前者の方式では、回路基板の数が増加してしまい、ユニットのサイズが増大化する等の問題があった。一方で、後者の方式では、ユニットのサイズの増大化は軽減できるものの、配線の設計自由度が低下することから、回路基板が大型化してしまうという問題があった。
このような問題に対して、大電流が流れる厚導体配線パターンと、制御信号が流れる薄導体配線パターンと、を同一層に形成する回路基板(例えば、特許文献1参照)や導体配線パターンの厚みを変えず、大電流が流れる配線パターンに多数のスルーホールを設けて、インピーダンスを低下させる回路基板が提案されている。
特開2015−119073号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、厚導体配線パターンと、薄導体配線パターンと、を同一層に形成するため、回路基板の厚みを含んだ大きさが大きくなり、回路基板の大型化という問題を完全には解決できない。
また、大電流が流れる配線パターンに多数のスルーホールを設ける方法も、配線の設計自由度が低下することから、回路基板が大型化してしまうという問題を解決するには至らない。
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、回路基板の大型化を防止しつつ、大電流に対する十分な電流容量を確保できる回路基板を提供する。
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、負荷を駆動する駆動回路と、
前記駆動回路の電源パターンとグランドパターンとの少なくとも一方に設けられたスルーホールと、
該スルーホール内を貫通する棒状導体部材と、
を備え、
前記棒状導体部材が、表層から表層裏面に亘って、半田付けされていることを特徴とする回路基板を提案している。
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記棒状導体部材は、前記スルーホールよりもインピーダンスが低いことを特徴とする回路基板を提案している。
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記棒状導体部材は、前記電源パターンとグランドパターン端子との間に配置されるコンデンサのリードであることを特徴とする回路基板を提案している。
形態4;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記駆動回路は、前記電源パターンに接続された電源端子を有する第1のスイッチング素子と、前記グランドパターンに接続されたグランド端子を有するとともに前記第1のスイッチング素子と直列に接続された第2のスイッチング素子と、を備え、前記コンデンサは、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子の実装面の裏面側に実装されており、前記リードが前記電源端子と前記グランド端子の間に近接して配置されていることを特徴とする回路基板を提案している。
形態5;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記駆動回路は、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とをそれぞれ複数備え、前記コンデンサは、複数の前記第1のスイッチング素子の前記電源端子と複数の前記第2のスイッチング素子の前記グランド端子との間に近接して配置されていることを特徴とする回路基板を提案している。
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、回路基板の大型化を防止しつつ、大電流に対する十分な電流容量を確保できるという効果がある。
本発明の実施形態に係る回転電機を一部分解した状態で示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る回転電機を示す第2方向一方側から見た縦断面図である。 図2に示されるバスバーとコネクタとの接続状態を示す第1方向一方側から見た側面図である。 (A)は、図1に示されるECUユニットを示す下側から見た下面図であり、(B)は、(A)のECUユニットを示す側面図である。 図4に示されるECUユニットを分解した、下側から見た分解斜視図である。 図4に示されるECUユニットを分解した、上側から見た分解斜視図である。 図5に示されるヒートシンクを下側から見た下面図である。 図6に示される回路基板の上側から見た平面図である。 駆動回路と負荷としてのモータ巻線との電気的接続形態を例示した図である。 駆動回路のステップシーケンスを例示した図である。 棒状導体部材の回路基板における配置状態を示した図である。 棒状導体部材としてコンデンサのリード端子を用いた場合の配置状態を示した図である。 駆動回路を構成するスイッチング回路の配置例を示した図である。 スイッチング回路を構成するFETにおけるパッケージ内の配線例を示した図である。 2つのスイッチング回路を近接配置した例を示した図である。
<実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図1から図12を用いて説明する。
以下では、本実施形態に係る回路基板70を回転電機10を駆動制御するためのECUユニット14を構成する回路基板として説明する。
回転電機10は、例えば、車両(自動車)のステアリング装置に適用される回転電機として構成されている。図1及び図2に示されるように、回転電機10は、全体として略円柱状に形成されている。また、回転電機10は、モータ部12と、モータ部12の回転を制御するためのECUユニット14と、を含んで構成されている。
なお、以下の説明では、回転電機10の軸方向一方側(図1及び図2の矢印A方向側)を回転電機10の下側とし、回転電機10の軸方向他方側(図1及び図2の矢印B方向側)を回転電機10の上側としている。そして、以下の説明において、上下の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、回転電機10の上下方向を示すものとする。
また、以下の説明では、上側から見た平面視で、上下方向に対して直交する方向を第1方向(図1及び図2の矢印C及び矢印Dを参照)とし、第1方向に対して直交する方向を第2方向(図1の矢印E及び矢印Fを参照)としている。
さらに、平面視で、回転電機10の軸線ALを通過し且つ第1方向に延在する架空線を第1基準線L1(図4及び図7参照)とし、回転電機10の軸線ALを通過し且つ第2方向に延在する架空線を第2基準線L2(図4及び図7参照)としている。
図1及び図2に示されるように、モータ部12は、3相交流のブラシレスモータとして構成されている。このモータ部12は、ハウジング20と、ハウジング20内に収容されたプレートホルダ24、回転軸28、ステータ34、ロータ40、及びバスバーユニット46と、を含んで構成されている。
ハウジング20は、上側へ開放された略有底円筒状に形成されて、回転電機10の外郭を構成している。ハウジング20の下端部における外周部には、一対の取付片20Aが一体に形成されている。一対の取付片20Aは、ハウジング20の軸方向を板厚方向として配置されると共に、ハウジング20から第1方向一方側(図1及び図2の矢印C方向側)及び第1方向他方側(図1及び図2の矢印D方向側)へ突出されている。この取付片20Aには、取付孔20A1が貫通形成されている。そして、図示しないボルト等の締結部材が取付孔20A1内に挿入されて、当該締結部材によってハウジング20(すなわち、回転電機10)がステアリング装置に固定されている。
ハウジング20の開口端部における外周部には、径方向外側へ張出された複数の(本実施の形態では、3箇所)の固定部20Bが形成されている。そして、1箇所の固定部20Bが、ハウジング20から第1方向一方側へ突出されており、3箇所の固定部20Bが、ハウジング20の周方向に等間隔毎に配置されている。固定部20Bには、後述するヒートシンク60を固定するためのネジ部20B1が貫通形成されており、ネジ部20B1の内周面には、雌ネジが形成されている。
また、ハウジング20の底壁の中央部には、下側へ隆起された有底円筒状の固定筒部20Cが一体に形成されており、固定筒部20C内には、後述する回転軸28を支持するための第1ベアリング22が嵌入されている。固定筒部20Cの底壁には、後述する回転軸28を挿通させるための挿通孔20C1が貫通形成されており、第1ベアリング22の内部とハウジング20の外部とが挿通孔20C1によって連通されている。
プレートホルダ24は、上下方向を板厚方向とした略円形プレート状に形成されて、ハウジング20の上下方向中間部内に嵌入されている。プレートホルダ24の中央部には、後述する回転軸28を挿通させるための挿通孔24Aが貫通形成されている。さらに、プレートホルダ24の中央部には、後述する回転軸28を支持するための第2ベアリング26が固定されており、第2ベアリング26と第1ベアリング22とが同軸上に配置されている。
回転軸28は、上下方向に延在された丸棒状に形成されて、ハウジング20の内部において、ハウジング20と同軸上に配置されている。そして、回転軸28の下端側の部分が、第1ベアリング22によって回転可能に支持されており、回転軸28の上端側の部分が、第2ベアリング26によって回転可能に支持されている。回転軸28の上端部は、プレートホルダ24に対して上側へ突出しており、当該上端部には、マグネット30が固定されている。一方、回転軸28の下端部は、ハウジング20の底壁に対して下側へ突出しており、当該下端部には、ステアリング装置に連結されるギヤ32が固定されている。
ステータ34は、ハウジング20の内部において、プレートホルダ24の下側に配置されると共に、回転軸28の径方向外側に配置されている。ステータ34は、磁性体によって構成されたステータコア36を有しており、ステータコア36は、円筒状に形成されて、ハウジング20の内部に嵌入されている。また、ステータコア36には、U相、V相、W相に対応する巻線38が巻き回されている。
ロータ40は、ロータコア42を有しており、ロータコア42は、上下方向を軸方向とした円筒状に形成されて、ステータ34の径方向内側に配置されている。そして、回転軸28がロータコア42の軸芯部に嵌入されて、ロータコア42(ロータ40)と回転軸28とが一体回転可能に構成されている。また、ロータコア42内には、複数のマグネット44(永久磁石)が固定されている。これにより、ステータ34のU相、V相、W相の巻線38に電流を流すことで、ロータ40及び回転軸28が軸線AL回りに一体回転するようになっている。
バスバーユニット46は、ステータ34の上側に配置されて、プレートホルダ24によって保持されている。バスバーユニット46は、ステータ34のU相、V相、W相の巻線38に対応する3本のバスバー48と、バスバー48を保持するためのバスバーホルダ50と、を含んで構成されている。そして、バスバー48の一端部が、ステータ34のU相、V相、W相の各巻線38に接続されている。図3にも示されるように、バスバー48の他端部は、バスバー端子部48Aとして構成されており、バスバー端子部48Aは、プレートホルダ24から上側へ突出されて、第2方向に並んで配置されている。また、バスバー端子部48Aは、第1方向を板厚方向とし且つ上下方向に延在された略長尺板状に形成されている。そして、バスバー端子部48Aが、後述するコネクタ80の接続端子86に接続されている。
図1〜図3に示されるように、ECUユニット14は、ハウジング20の開口端部に組付けられて、回転電機10の上端部を構成している。このECUユニット14は、ヒートシンク60と、モータ部12を制御するための「基板」としての回路基板70と、回路基板70に接続されたコネクタアッシー90と、を含んで構成されている。
図1〜図7に示されるように、ヒートシンク60は、熱伝導性の高いアルミニウム合金等によって構成されている。ヒートシンク60は、上下方向を板厚方向とする略円盤状に形成されている。ヒートシンク60の上端部の外周部には、径方向外側へ張出されたフランジ部60Aが一体に形成されており、フランジ部60Aは、ヒートシンク60の周方向全周に亘って形成されている。そして、ヒートシンク60が、ハウジング20の開口部内に上側から嵌入され、フランジ部60Aが、ハウジング20の開口端面の上側に隣接して配置されている。これにより、ハウジング20の開口部がヒートシンク60によって閉塞されている。すなわち、ヒートシンク60が、ハウジング20の蓋部として構成されると共に、回転電機10の外郭の一部を構成している。
また、フランジ部60Aには、ハウジング20のネジ部20B1に対応する位置において、径方向外側へ張出された3箇所の第1固定部60Bが一体に形成されている。この第1固定部60Bには、固定孔60B1が貫通形成されている。そして、固定ネジSC1が、固定孔60B1内に上側から挿入されて、ハウジング20のネジ部20B1に螺合されることで、ヒートシンク60がハウジング20に固定されている。
また、フランジ部60Aの第1方向他方側の部分には、径方向外側へ張出された一対の第2固定部60Cが一体に形成されており、第2固定部60Cは、ヒートシンク60の周方向に並んで配置されている。この第2固定部60Cには、後述するコネクタアッシー90を固定するための第1固定ネジ部60C1が貫通形成されており、第1固定ネジ部60C1の内周面には、雌ネジが形成されている。
ヒートシンク60の外周部における上下方向中間部には、シール溝60Dが形成されている。シール溝60Dは、ヒートシンク60の径方向外側へ開放されると共に、ヒートシンク60の周方向全周に亘って延在されている。このシール溝60D内には、リング状のOリングOLが収容されており、OリングOLは、ゴム等の弾性部材によって構成されている。そして、ヒートシンク60のハウジング20への固定状態では、OリングOLが、弾性変形して、シール溝60Dの内周面及びハウジング20の内周面に密着している。これにより、ヒートシンク60とハウジング20の開口端部との間が、OリングOLによってシールされて、ハウジング20内の気密性を確保するようになっている。
図5及び図7に示されるように、ヒートシンク60の下面60Eの外周部には、後述する回路基板70を接地するための「接地部」としての第1接地部61が形成されている。第1接地部61は、ヒートシンク60の下面60Eから下側へ突出されると共に、ヒートシンク60の周方向に沿って延在されたリブ状に形成されている。また、第1接地部61の大半が、ヒートシンク60の第1方向一方側の外周部に形成されており、下側から見た下面視で、第1接地部61が、第1方向他方側へ開放された略C字形状(円弧状)に形成されている。すなわち、ヒートシンク60の下面60Eにおける外周部には、第1方向他方側の部分において、第1接地部61よりも上側へ一段下がった段差部62が形成されている。また、第1接地部61の長手方向両端部は、下面視で、第2基準線L2に対して第1方向他方側に配置されている(図7参照)。つまり、第1接地部61の長手方向の長さが、ヒートシンク60の周方向の全長の1/2以上に設定されている(本実施の形態では、第1接地部61の長手方向の長さが、ヒートシンク60の周方向の全長の略2/3に設定されている)。そして、段差部62が、下面視で第1方向一方側へ開放された円弧状に形成されている。
また、第1接地部61は、ヒートシンク60の径方向内側へ張り出された3箇所の「基板固定部」としての第1基板固定部61A、第2基板固定部61B、及び第3基板固定部61Cを有しており、第1基板固定部61A〜第3基板固定部61Cの先端面(下面)が、第1接地部61の先端面(下面)と面一に配置されている。第1基板固定部61A、第2基板固定部61B、及び第3基板固定部61Cには、下側へ開放された凹状の第1基板固定ネジ部61A1、第2基板固定ネジ部61B1、及び第3基板固定ネジ部61C1が、それぞれ形成されている。そして、第1基板固定ネジ部61A1、第2基板固定ネジ部61B1、及び第3基板固定ネジ部61C1の内周面には、雌ネジが形成されている。
また、第1基板固定部61Aは、第1接地部61の長手方向一方側の端部に形成されて、第1基準線L1に対して第2方向一方側(図7の矢印E方向側)で且つ第2基準線L2に対して第1方向他方側に配置されている。第2基板固定部61Bは、第1接地部61の長手方向一方側の部分に形成されている。詳しくは、第2基板固定部61Bは、下面視で、第1基準線L1に対して第2方向一方側で且つ第2基準線L2に対して第1方向一方側に配置されている。第3基板固定部61Cは、第1接地部61の長手方向他方側の部分に形成されている。詳しくは、第3基板固定部61Cは、下面視で、第1基準線L1に対して第2方向他方側(図7の矢印F方向側)で且つ第2基準線L2に対して第1方向一方側に若干ずれて配置されている。
さらに、ヒートシンク60の下面60Eには、後述する回路基板70を接地及び固定するための「接地部」としての第2接地部63が形成されている。第2接地部63は、下側へ突出された比較的高さの低い略円筒状に形成されており、第2接地部63の先端面(下面)が、第1接地部61の先端面(下面)と面一に配置されている。また、第2接地部63の内部には、第4基板固定ネジ部63Aが形成されており、第4基板固定ネジ部63Aの内側面には、雌ネジが形成されている。さらに、第2接地部63は、下面視で、第1基準線L1に対して第2方向他方側で且つ第2基準線L2に対して第1方向一方側の位置に配置されている。
また、ヒートシンク60の第1方向一方側の部分(詳しくは、第2基準線L2に対して第1方向他方側へ若干ずれた位置から第1方向一方側の部分)は、後述する回路基板70のFET74によって発生した熱を放熱するための放熱部65として構成されている。この放熱部65には、ヒートシンク60の下面60Eから下側へ突出された第1放熱部65A、第2放熱部65B、及び第3放熱部65Cが形成されている。第1放熱部65A〜第3放熱部65Cは、下面視で、それぞれ第1方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。そして、第1放熱部65A〜第3放熱部65Cにおける下面60Eからの突出量が、第1接地部61における下面60Eからの突出量と比べて小さく設定されている。すなわち、第1放熱部65A〜第3放熱部65Cの下面が、第1接地部61の下面よりも上側に配置されている。
また、第1放熱部65A〜第3放熱部65Cは、第2方向に所定の間隔を空けて並んで配置されている。具体的には、第1放熱部65Aは、下面視で、第3基板固定部61Cと第2接地部63との間に配置されている。換言すると、第3基板固定部61C、第1放熱部65A、及び第2接地部63が、第2方向一方側へこの順に並んで配置されている。
第2放熱部65B及び第3放熱部65Cは、下面視で、第2基板固定部61Bと第2接地部63との間の位置において、第2方向に並んで配置されている。換言すると、第2接地部63、第2放熱部65B、第3放熱部65C、及び第2基板固定部61Bが、第2方向一方側へこの順に並んで配置されている。
また、ヒートシンク60の下面60Eには、後述する回路基板70のコネクタ80の位置を決めるための一対の位置決め部66,67が形成されている。位置決め部66,67は、ヒートシンク60の下面60Eから下側へ突出されており、位置決め部66,67における下面60Eからの突出量が、第1接地部61における下面60Eからの突出量と比べて小さく設定されている。また、位置決め部66,67は、ヒートシンク60の下面60Eにおける第1方向一方側の外周側に配置されると共に、第1接地部61の径方向内側に隣接して配置されている。具体的には、一対の位置決め部66,67が、下面視で第1基準線L1に対して第2方向に対称となる位置に配置されている。
第2方向一方側の位置決め部66の下面には、下側へ開放された凹状の第1位置決め孔66Aが形成されており、第1位置決め孔66Aは、下面視で円形状に形成されている。一方、第2方向他方側の位置決め部67の下面には、下側へ開放された凹状の第2位置決め孔67Aが形成されており、第2位置決め孔67Aは、下面視で第2方向を長手方向とする略トラック形状に形成されている。そして、第2位置決め孔67Aの幅方向(第1方向)の寸法が、第1位置決め孔66Aの直径と一致する寸法に設定されている。
ヒートシンク60の下面60Eには、放熱部65を除く部分(第1方向他方側部分)において、下側へ開放された凹部60Fが形成されており、凹部60Fは、下面視で、略6角形状に形成されている。この凹部60Fの第1方向他方側の部分には、後述するコネクタアッシー90のターミナル94を挿通させるための「挿通部」としてのターミナル挿通部60Gが貫通形成されている。ターミナル挿通部60Gは、下面視で、第1方向一方側へ開放された略V字形状に形成されている。また、ターミナル挿通部60Gは、下面視で、第1接地部61に対して第1方向他方側に配置されると共に、段差部62の径方向内側に配置されている。
図6に示されるように、ヒートシンク60の上面には、第1方向一方側部分において、上側へ開放された肉逃げ60Hが形成されており、肉逃げ60Hは、平面視で略扇形状に形成されている。
さらに、ヒートシンク60の上面には、肉逃げ60Hとターミナル挿通部60Gとの間の位置において、後述するコネクタアッシー90を固定するための複数(本実施の形態では、3箇所)の第2固定ネジ部60Jが形成されている。第2固定ネジ部60Jは、ヒートシンク60の上側へ開放された凹状に形成されており、第2固定ネジ部60Jの内周面には、雌ネジが形成されている。そして、3箇所の第2固定ネジ部60Jが、平面視で、第2方向に所定の間隔を空けて配置されている。
<回路基板の構成>
図1〜図8に示されるように、回路基板70は、上下方向を板厚方向とした円板状に形成されており、回路基板70の直径が、ヒートシンク60の直径よりも僅かに小さく設定されている。そして、回路基板70が、ヒートシンク60と同軸上に配置されると共に、ヒートシンク60の第1接地部61及び第2接地部63の下側に隣接して配置されている。これにより、回路基板70の第1方向他方側の外周部とヒートシンク60の段差部62との間には、上下方向に隙間G1(図4(B)参照)が形成される構成になっている。
また、回路基板70には、ヒートシンク60の第1基板固定ネジ部61A1〜第4基板固定ネジ部63Aに対応する位置において、4箇所の基板固定孔70A(図6及び図8参照)が貫通形成されている。そして、固定ネジSC2が基板固定孔70A内に下側から挿入されて第1基板固定ネジ部61A1〜第4基板固定ネジ部63Aに螺合されることで、回路基板70が、ヒートシンク60に固定されている。これにより、モータ部12が、回路基板70の板厚方向一方側(下側)に配置されている。
ここで、回路基板70の上面(ヒートシンク60と上下方向に対向する対向面)におけるヒートシンク60の第1接地部61及び第2接地部63に接地される部分は、レジストが塗布されてない非塗布部71として構成されている(図8にて、灰色で塗り潰された部分を参照)。また、回路基板70の非塗布部71には、グランドパターンが形成されており、グランドパターンが、ヒートシンク60の第1接地部61及び第2接地部63に当接している。すなわち、回路基板70が、ヒートシンク60の第1接地部61及び第2接地部63にグランド接地されている。
また、回路基板70の上面は、ヒートシンク60の放熱部65と上下方向に対向配置される第1エリア70AR1(図8にて、ハッチングが施された部分を参照)と、ヒートシンク60の凹部60Fと上下方向に対向配置される第2エリア70AR2と、に区分けされている。そして、第1エリア70AR1には、主として回転電機10における電源系の電子部品が設けられており、第2エリア70AR2には、主として回転電機10における制御系の電子部品が設けられている。
具体的には、図6〜図8に示されるように、複数の「発熱素子」としてのFET74が、回路基板70の第1エリア70AR1に設けられている(実装されている)。つまり、複数のFET74が、下面視で、第1接地部61の径方向内側に配置されている。複数のFET74は、ヒートシンク60の第1放熱部65A、第2放熱部65B、及び第3放熱部65Cに対応する位置に配置されている。詳しくは、回路基板70には、ヒートシンク60の第1放熱部65A、第2放熱部65B、及び第3放熱部65Cに対応する位置において、一対のFET74がそれぞれ配置されており、対を成すFET74が第1方向に並んで配置されている(図7参照)。これにより、複数のFET74が、第1基準線L1に対して第2方向一方側に配置された第1グループ(第2放熱部65B及び第3放熱部65Cに対応する4個のFET74のグループ)と、第1基準線L1に対して第2方向他方側に配置された第2グループ(第1放熱部65Aに対応する2個のFET74のグループ)と、にグループ分けされている。そして、ヒートシンク60の第2接地部63が、FET74の第1グループと第2グループとの間に配置されている。より詳しくは、FET74の第1グループが、第2接地部63と第2基板固定部61Bとの間に配置され、FET74の第2グループが、第3基板固定部61Cと第2接地部63との間に配置されている。
また、回路基板70のヒートシンク60への固定状態では、FET74と、第1放熱部65A、第2放熱部65B、及び第3放熱部65Cと、の間に、上下方向において微小の隙間G2が形成されるように、第1放熱部65A、第2放熱部65B、及び第3放熱部65Cのヒートシンク60の下面60Eから突出量が設定されている(図12参照)。そして、当該隙間G2に、放熱用グリス(図示省略)が介在されている。これにより、FET74によって発生した熱が、放熱用グリスを介して、ヒートシンク60に伝達される構成になっている。
一方、回路基板70の下面(一側面)の中央部には、磁気センサ72が設けられている(実装されている)。この磁気センサ72は、モータ部12の回転軸28におけるマグネット30の上側に近接して配置されており、磁気センサ72とマグネット30とが上下方向に対向配置されている(図2参照)。これにより、回転軸28の回転量(回転角度)を磁気センサ72によって検出する構成になっている。
また、回路基板70には、ヒートシンク60の第1位置決め孔66A及び第2位置決め孔67Aに対応する位置において、一対の円形の基板側位置決め孔70B(図6参照)が貫通形成されている。この基板側位置決め孔70Bの直径寸法は、第1位置決め孔66Aの直径寸法と略同じに設定されている。
上述のように、本実施形態に係る回路基板70は、主として、大電流が流れる回転電機10における電源系の電子部品が配置されるエリア(70AR1)と、主として、小電流が流れる回転電機10における制御系の電子部品が配置されるエリア(70AR1)と、に分かれている。
本実施形態において、大電流が流れる回路としては、例えば、図9に示すようなモータドライブ回路が挙げられる。このモータドライブ回路は、6個のNch MOS FET74A、74B、74C、74D、74E、74Fから構成されている。より具体的には、2つのFETからなる回路ブロック(スイッチング回路)3つから構成されており、各回路ブロック(スイッチング回路)は、FET74A、74B、74CのドレインがVCC(電源)に接続されている。また、FET74A、74B、74CのソースがFET74D、74E、74Fのドレインに接続されている。さらに、FET74D、74E、74FのソースがGND(グランド)に接続されている。また、VCC−GND間には、カップリングコンデンサC1が設けられている。
また、FET74AのソースとFET74Dのドレインは、例えば、モータ巻線のU相に接続されている。FET74BのソースとFET74Eのドレインは、例えば、モータ巻線のV相に接続されている。FET74CのソースとFET74Fのドレインは、例えば、モータ巻線のW相に接続されている。
図10は、FET74A、74B、74C、74D、74E、74Fのステップシーケンス(ON/OFF状態)と、そのときのU相、V相、W相の励磁状態を示している。例えば、ステップ1の場合には、FET74Aのゲートと、FET74Fのゲートと、に図示しない制御部からのドライブ信号が供給されることにより、FET74Aと、FET74Fと、がON状態になる。このとき、巻線電流はU相からW相へ流れ、U相はN極に、W相はS極に励磁される。これにより、ロータは30度回転する。このような動作を12回繰り返すことにより、ロータが回転する。つまり、モータ部12を回転駆動させているときは、FET74A、74B、74Cのうちのいずれか1つと、FET74D、74E、74Fのうちのいずれか1つとがON状態となり、巻線電流をVCC(電源)から供給するため、常に大きな電流がVCC(電源)からGND(グランド)へと流れる。
また、モータドライブ回路(駆動回路)の電源パターンおよびグランドパターンには、ランド75Aにレジストインクが塗布されていないスルーホール75が設けられている。このスルーホール75には、当該スルーホール75内を貫通する棒状導体部材76が、設けられており、棒状導体部材76は、回路基板70の表層から回路基板70の表層裏面に亘って、図11に示すように半田付けがされている。また、棒状導体部材76は、スルーホール75よりもインピーダンスの低い金属、例えば、銅、アルミニウム、鉄、鉛等で形成されている。
また、棒状導体部材76として、モータドライブ回路(駆動回路)の電源端子とグランド端子との間に配置されるカップリングコンデンサのリードを用いてもよい。この場合、図12に示すように、カップリングコンデンサC1の陽極端子76Aを電源パターンに設けられたスルーホール75B内に貫通させ、カップリングコンデンサC1の陰極端子76Bをグランドパターンに設けられたスルーホール75C内に貫通させる。そして、カップリングコンデンサC1の陽極端子76Aおよび陰極端子76Bは、回路基板70の表層から回路基板70の表層裏面に亘って、図11に示すように半田付けがされている。また、カップリングコンデンサC1は、その底部に段付きゴムの防爆弁C1Aが設けられているタイプのものが好ましい。
FET74A、74B、74C、74D、74E、74Fは、例えば、SOP(Small Outline Package)に封止されている。図13は、例えば、FET74AとFET74Dとからなる回路ブロック(スイッチング回路)におけるFET74AおよびFET74Dの配置と配線パターンを示している。図13に示したFET74A、FET74Dのピン配列は、例えば、図14のようになっており、SOPの1番端子、2番端子、5番端子、6番端子にFETのドレインが接続され、3番端子にゲートが接続され、4番端子にソースが接続されている。図13において、カップリングコンデンサC1は、回路ブロック(スイッチング回路)の実装面の裏面側から回路ブロック(スイッチング回路)の電源端子(FET74Aの1番端子、2番端子、5番端子、6番端子)とグランド端子(FET74Dの4番端子)に近接して配置されている。なお、カップリングコンデンサC1の陽極端子76Aおよび陰極端子76Bは、回路基板70の表層から回路基板70の表層裏面に亘って、図11に示すように半田付けがされていてもよい。
また、図15に示すように、複数の回路ブロック(複数のスイッチング回路)のうち、少なくとも、2つの回路ブロック(複数のスイッチング回路)の双方の電源端子と双方のグランド端子との間にカップリングコンデンサC1を配置させ、カップリングコンデンサC1を共用している。図15は、2つの回路ブロック(複数のスイッチング回路)、例えば、FET74AとFET74Dとからなる回路ブロック(スイッチング回路)とFET74BとFET74Eとからなる回路ブロック(スイッチング回路)とを、双方の電源端子と双方のグランド端子とが近接して配置される配置パターンを例示したものである。なお、図15では、カップリングコンデンサC1をFET74A等が装着される回路基板70の面と同一の面に配置するよう実線で示したが、カップリングコンデンサC1をFET74A等が装着される回路基板70の面の裏面側に配置してもよい。また、カップリングコンデンサC1の陽極端子76Aおよび陰極端子76Bは、回路基板70の表層から回路基板70の表層裏面に亘って、図11に示すように半田付けがされていてもよい。
上記のように、本実施形態によれば、回路基板70は、負荷(モータ部12)を駆動する駆動回路(モータドライブ回路)を搭載するとともに、駆動回路(モータドライブ回路)の電源パターンおよびグランドパターンに設けられたスルーホール75と、このスルーホール75内を貫通する棒状導体部材76と、を備え、当該棒状導体部材76が、回路基板70の表層から表層裏面に亘って、半田付けされている。つまり、棒状導体部材76が、回路基板70の表層から表層裏面に亘って、半田付けされていることにより、インピーダンスが低くなる。そのため、不要な発熱を防止できることから、回路基板70の厚さ方向を含む基板サイズを大きくすることなく、大きな電流を流すことができる。
また、本実施形態によれば、棒状導体部材76は、スルーホール75よりもインピーダンスの低い金属からなる。回路基板70におけるスルーホール75は、厚さ数十μmの銅メッキで形成されているため、そのインピーダンスが高いが、棒状導体部材76は、例えば、素材が銅などであるため、そのインピーダンスは低く、熱伝導率にも優れている。
さらに、上述のように、棒状導体部材76が、回路基板70の表層から表層裏面に亘って、半田付けされている。そのため、インピーダンスが低くなることにより、不要な発熱を防止できることから、回路基板70の厚さ方向を含む基板サイズを大きくすることなく、大きな電流を流すことができる。
また、本実施形態によれば、棒状導体部材76は、駆動回路(モータドライブ回路)の電源端子とグランド端子との間に配置されるカップリングコンデンサC1のリードである。ここで、カップリングコンデンサC1のリードは、例えば、極めて純度の高い錫をメッキしたCP線とアルミニウム線とを溶接して形成されている。つまり、カップリングコンデンサC1のリードは、インピーダンスの低い金属により形成されている。そのため、インピーダンスが低いことにより、不要な発熱を防止できることから、回路基板70の厚さ方向を含む基板サイズを大きくすることなく、大きな電流を流すことができる。また、新たな部材を用いることなく、かつ、回路基板70の厚さ方向を含む基板サイズを大きくすることなく、大きな電流を流すことができる。
また、本実施形態によれば、カップリングコンデンサC1の底部には、段付きゴムの防爆弁が設けられている。そのため、カップリングコンデンサC1が装着される回路基板70の表層面の裏面側から表層面に亘って、カップリングコンデンサC1のリードに半田付けを行っても、カップリングコンデンサC1底部の防爆弁を損傷することがない。
また、本実施形態によれば、カップリングコンデンサC1が、駆動回路(モータドライブ回路)の実装面の裏面側から駆動回路(モータドライブ回路)の電源端子とグランド端子に近接して配置されている。このため、上記のように、新たな部材を用いることなく、かつ、回路基板70の厚さ方向を含む基板サイズを大きくすることなく、大きな電流を流すことができる。さらに、カップリングコンデンサC1が、駆動回路(モータドライブ回路)の実装面の裏面側から駆動回路(モータドライブ回路)の電源端子とグランド端子に近接して配置されていることから、電流のループを小さくして、ノイズの低減を図ることができる。また、回路基板70における部品の配置領域を有効に利用することができる。
また、本実施形態によれば、駆動回路(モータドライブ回路)が、電源端子とグランド端子とを備える複数のスイッチング回路(回路ブロック)からなり、この複数のスイッチング回路(回路ブロック)のうち、少なくとも、2つのスイッチング回路(回路ブロック)の双方の電源端子と双方のグランド端子との間にカップリングコンデンサC1を配置している。そのため、カップリングコンデンサC1を2つのスイッチング回路(回路ブロック)で共用することができ、全体として、カップリングコンデンサC1の数を削減することができる。また、比較的サイズの大きいカップリングコンデンサC1の数を削減することができることから、回路基板70における部品の配置領域を有効に利用することができる。
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計なども含まれる。
10 回転電機
12 モータ部
20 ハウジング
60 ヒートシンク
60F 凹部
60G ターミナル挿通部(挿通部)
61 第1接地部(接地部)
61A 第1基板固定部(基板固定部)
61B 第2基板固定部(基板固定部)
61C 第3基板固定部(基板固定部)
62 段差部
63 第2接地部(接地部)
70 回路基板(基板)
70AR1 第1エリア
70AR2 第2エリア
71 非塗布部
74A FET
74B FET
74C FET
74D FET
74E FET
74F FET
75 スルーホール
76 棒状導体部材
C1 カップリングコンデンサ
C1A 防爆弁

Claims (5)

  1. 負荷を駆動する駆動回路と、
    前記駆動回路の電源パターンとグランドパターンとの少なくとも一方に設けられたスルーホールと、
    該スルーホール内を貫通する棒状導体部材と、
    を備え、
    前記棒状導体部材が、表層から表層裏面に亘って、半田付けされていることを特徴とする回路基板。
  2. 前記棒状導体部材は、前記スルーホールよりもインピーダンスが低いことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
  3. 前記棒状導体部材は、前記電源パターンとグランドパターン端子との間に配置されるコンデンサのリードであることを特徴とする請求項1または2に記載の回路基板。
  4. 前記駆動回路は、
    前記電源パターンに接続された電源端子を有する第1のスイッチング素子と、
    前記グランドパターンに接続されたグランド端子を有するとともに前記第1のスイッチング素子と直列に接続された第2のスイッチング素子と、
    を備え、
    前記コンデンサは、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子の実装面の裏面側に実装されており、前記リードが前記電源端子と前記グランド端子の間に近接して配置されていることを特徴とする請求項3に記載の回路基板。
  5. 前記駆動回路は、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子とをそれぞれ複数備え、
    前記コンデンサは、複数の前記第1のスイッチング素子の前記電源端子と複数の前記第2のスイッチング素子の前記グランド端子との間に近接して配置されていることを特徴とする請求項4に記載の回路基板。
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