JP2021027255A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度特性を保持したまま色温度を下げることのできる、YAG系蛍光体を含む板状の波長変換部材を備えた発光装置を提供する。【解決手段】本発明の一態様として、発光源を有する発光ダイオード素子10と、前記発光源から発せられる光の波長を変換する、板状の波長変換部13と、波長変換部13の前記発光源側に設けられた、波長変換部13を固定するための接着層14と、を備え、波長変換部13にYAG系蛍光体131が含まれ、接着層14にYAG系蛍光体131よりも発光波長が長い第2の蛍光体141が含まれる、発光装置1を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置に関する。
従来の発光装置として、Gdを含むYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体を用いる発光装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)。YAG系蛍光体のYの一部をGdで置換することにより、発光波長を長波長側にシフトさせることができるため、発光装置の色温度を下げることができる。
また、特許文献1によれば、2種以上の蛍光体を組み合わせて用いることができ、その一例として赤色発光する窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CASN又はSCASN)系蛍光体を用いることができるとされている。
特許文献1の発光装置においては、フリップチップ実装された発光素子の上に、蛍光体を含む板状の透光性部材が、シリコーン樹脂などを母材とする導光部材により接着されている。
特開2019−96741号公報
しかしながら、YAG系蛍光体のYをGdで置換すると、温度特性が著しく低下するという問題がある。このため、特許文献1の発光装置は、色温度を下げるためにGdを含むYAG系蛍光体を用いる場合には、温度の上昇に伴い明るさが著しく低下するおそれがある。
一方で、板状の透光性部材に用いる蛍光体は、YAG系蛍光体のような組成的に安定性の高い蛍光体でなければ、板状に加工することが困難である。このため、YAG系蛍光体のYをGdで置換する代わりに、YAG系蛍光体と赤色発光する蛍光体を混ぜて用いて、発光装置の色温度を下げることは難しい。
本発明の目的は、温度特性を保持したまま色温度を下げることのできる、YAG系蛍光体を含む板状の波長変換部材を備えた発光装置を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記[1]〜[8]の発光装置を提供する。
[1]発光源を有する発光部と、前記発光源から発せられる光の波長を変換する、板状の波長変換部と、前記波長変換部の前記発光源側に設けられた、前記波長変換部を固定するための接着層と、を備え、前記波長変換部にYAG系蛍光体が含まれ、前記接着層に前記YAG系蛍光体よりも発光波長が長い第2の蛍光体が含まれる、発光装置。
[2]前記発光部が、発光層を前記発光源とする、フェイスダウン実装された発光ダイオード素子であり、前記波長変換部が、前記接着層により、前記発光ダイオード素子の透明基板に接着された、上記[1]に記載の発光装置。
[3]前記発光部が、レーザーダイオード素子であり、前記波長変換部が、前記接着層により、前記レーザーダイオード素子から離隔して配置された窓板に接着された、上記[1]に記載の発光装置。
[4]前記第2の蛍光体の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合が、前記YAG系蛍光体の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合よりも大きい、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の発光装置。
[5]前記接着層に前記YAG系蛍光体及び前記第2の蛍光体と発光波長の異なる第3の蛍光体が含まれ、前記第3の蛍光体の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合が、前記YAG系蛍光体の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合よりも大きい、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の発光装置。
[6]前記接着層の表面が外部に露出していない、上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の発光装置。
[7]前記YAG系蛍光体が、17質量%以下のGdを含む、又はGdを含まない、上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の発光装置。
[8]前記第2の蛍光体が赤色系蛍光体である、上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の発光装置。
本発明によれば、温度特性を保持したまま色温度を下げることのできる、YAG系蛍光体を含む板状の波長変換部材を備えた発光装置を提供することができる。
図1は、第1の実施の形態に係る発光装置の垂直断面図である。 図2は、第2の実施の形態に係る発光装置の垂直断面図である。 図3は、実施例又は比較例に係る蛍光体の温度特性を示すグラフである。 図4は、比較例に係る発光装置の垂直断面図である。 図5は、実施例又は比較例に係る発光装置の相関色温度と光束維持率の関係を示すグラフである。
〔第1の実施の形態〕
(発光装置の構成)
図1は、第1の実施の形態に係る発光装置1の垂直断面図である。発光装置1は、基板11に実装された発光ダイオード(LED)素子10と、LED素子10から発せられる光の波長を変換する、板状の波長変換部13と、波長変換部13のLED素子10側に設けられた、波長変換部13を固定するための接着層14とを備える。波長変換部13にはYAG系蛍光体131が含まれ、接着層14にはYAG系蛍光体131よりも発光波長が長い第2の蛍光体141が含まれる。
基板11は、例えば、Al基板、AlN基板等のセラミック基板、表面が絶縁膜で覆われたAl基板やCu基板等の金属基板、又はガラスエポキシ基板である。また、基板11は、銅等の導電材料からなる図示されない配線を有する。
LED素子10は、発光源である発光層を含む半導体層101と、発光層から発せられた光を透過する、サファイアなどからなる素子基板102を有する。LED素子10は、半導体層101を基板11側に向けた状態で実装、すなわちフェイスダウン実装されており、発光源である発光層の光取り出し側に透明部材である素子基板102が位置する。
LED素子10は、ピーク波長が430nm以上、470nm以下の範囲内にある青色系の光を発する。LED素子10の発する光の一部は、YAG系蛍光体131及び第2の蛍光体141の励起光となる。
LED素子10の半導体層101に接続された図示されない電極と、基板11の配線は、導電バンプや導電ペーストなどの導電性接合部材12により電気的に接続される。なお、LED素子10の代わりに、レーザーダイオード素子等のLED素子以外の発光素子を用いてもよい。
波長変換部13は、例えば、ベース材132と、ベース材132中に分散する粒子状のYAG系蛍光体131とを有する。
YAG系蛍光体131は、典型的には、(Y,Gd)Al12:Ceの組成を有する蛍光体である。また、Yの代わりにLuを含む(Lu,Gd)Al12:Ceなどの組成を有する蛍光体であってもよい。YAG系蛍光体131は、Y又はLuをGdで置換することにより発光波長が長波長側にシフトする性質を有する。
ベース材132は、LED素子10から発せられる光や、YAG系蛍光体131、第2の蛍光体141などの蛍光体から発せられる光を透過する。ベース材132の材料は、耐熱性に優れる、ガラスやアルミナなどの無機材料であることが好ましい。
なお、波長変換部13の代わりに、YAG系蛍光体を含む他の形態の波長変換部、例えば、板状のYAG系蛍光体の焼結体や、板状の単結晶YAG系蛍光体を用いてもよい。
接着層14は、LED素子10と波長変換部13とを接着するための接着材142と、接着材142中に分散する粒子状の第2の蛍光体141を有する。
第2の蛍光体141は、上述のように、YAG系蛍光体131よりも発光波長が長い蛍光体であり、例えば、ピーク波長が590nm以上、660nm以下の範囲内にある赤色系の蛍光体である。赤色系の蛍光体としては、例えば、Euで付活される窒化物系蛍光体やサイアロン系蛍光体を用いることができる。窒化物系蛍光体は、例えば、(Sr,Ca)Si:Eu、CaAlSiN:Eu、(Sr,Ca)AlSiN:Euなどの組成を有する蛍光体である。
第2の蛍光体141をYAG系蛍光体131と組み合わせて用いることにより、発光装置1の発光波長を長波長側にシフトさせることができる。このため、YAG系蛍光体131の発光波長を長波長側にシフトさせるために用いられるGdのYAG系蛍光体131における含有量を従来よりも低減する場合、又はYAG系蛍光体131がGdを含まない場合であっても、発光装置1の発する光の色温度を低くすることができる。
このため、発光装置1によれば、Gdの添加によるYAG系蛍光体131の温度特性の低下を抑えつつ、色温度を低く、例えば4700K以下にすることができる。なお、YAG系蛍光体131のGdの含有量がおよそ17質量%を超えると温度特性の低下が顕著になるため、YAG系蛍光体131がGdを含む場合の含有量は17質量%以下であることが好ましい。
また、第2の蛍光体141は波長変換部13の外部の接着層14に添加されるため、波長変換部13のみを用いる場合の発光色を基準として、色調整を行うことができる。すなわち、1種類の波長変換部13を用いて、様々な色温度の発光装置1を製造することができる。
また、発光装置1においては、YAG系蛍光体131と第2の蛍光体141のうち、発光波長の長い第2の蛍光体141が発光源を含むLED素子10側に位置する。このため、発光源側の蛍光体から発せられた蛍光が光取り出し側の蛍光体に吸収されて光取出効率が低下するという問題が生じにくい。
発光装置1に含まれる蛍光体全体としての温度特性を高くするため、第2の蛍光体141の温度特性が、YAG系蛍光体131の温度特性よりも高いことが好ましい。具体的には、例えば、第2の蛍光体141の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合が、YAG系蛍光体131の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合よりも大きいことが好ましい。
接着層14には、発光装置1の発する光の色度調整などの目的で、YAG系蛍光体131及び第2の蛍光体141と発光波長の異なる第3の蛍光体が含まれていてもよい。第3の蛍光体として、例えば、Gdを含有しないYAG蛍光体を用いることができる。
発光装置1に含まれる蛍光体全体としての温度特性を高くするため、この第3の蛍光体の温度特性も、YAG系蛍光体131の温度特性よりも高いことが好ましい。具体的には、第3の蛍光体の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合が、YAG系蛍光体131の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合よりも大きいことが好ましい。
接着材142は、例えば、シリコーン系樹脂など樹脂からなる。
なお、接着層14の接着材142の熱抵抗は、波長変換部13のベース材132の熱抵抗よりも大きい。このため、YAG系蛍光体131と第2の蛍光体141の両方を接着層14に含めると、放熱性が低いためにこれらの温度が高まり、発光効率が低下する。発光装置1においては、YAG系蛍光体131を波長変換部13に含めることにより、放熱性を確保している。
また、第2の蛍光体141は、YAG系蛍光体131ほど組成的に安定性が高くないため、第2の蛍光体141を波長変換部13に含めると波長変換部13の板状加工が困難になり、歩留まりが低下するなどの問題が生じる。
発光装置1は、図1に示されるように、基板11上のLED素子10の設置領域を取り囲むように形成された環状のダム15を有してもよい。ダム15は、例えば、シリコーン系樹脂やエポキシ系樹脂等の樹脂からなり、酸化チタン等の白色染料を含んでもよい。
ダム15の内側の領域には、LED素子10、波長変換部13、及び接着層14の露出した側面を覆う反射材16が充填される。反射材16は、LED素子10から発せられる光や、YAG系蛍光体131、第2の蛍光体141などの蛍光体から発せられる光を反射する性質を有する。反射材16は、例えば、酸化チタンや硫酸バリウムなどの反射性フィラーを含む、シリコーン系樹脂やエポキシ系樹脂などの樹脂からなる。
この場合、接着層14の表面のLED素子10と波長変換部13に接していない領域は、反射材16に覆われるため、接着層14の表面が外部に露出しない。このため、LED素子10から発せられた一次光や、第2の蛍光体141や第3の蛍光体から発せられた蛍光が波長変換部13を通過せずに取り出されることを防止できる。
また、反射材16の代わりに、LED素子10から発せられる光や、YAG系蛍光体131、第2の蛍光体141などの蛍光体から発せられる光を透過しない遮光部材を用いても同様の効果が得られる。また、反射材16は少なくとも接着層14の表面のLED素子10と波長変換部13に接していない領域を覆っていればよく、その形態はダム15の内側に充填されるものに限られない。また、反射材16は発光装置1に含まれなくてもよい。
〔第2の実施の形態〕
(発光装置の構成)
図2は、第2の実施の形態に係る発光装置2の垂直断面図である。発光装置2は、筐体21に収容されたレーザーダイオード(LD)素子20と、LD素子20から発せられる光の波長を変換する、板状の波長変換部23と、波長変換部23のLD素子20側に設けられた、波長変換部23を固定するための接着層24とを備える。波長変換部23にはYAG系蛍光体231が含まれ、接着層24にはYAG系蛍光体231よりも発光波長が長い第2の蛍光体241が含まれる。
筐体21は、ステンレスや鉄などの、高い気密性を得ることのできる材料からなる。筐体21は、LD素子20から発せられる光を取り出すための開口部を有し、その開口部には、LD素子20から発せられる光を透過するサファイアなどからなる窓板22が設けられている。
発光装置2においては、LD素子20(の発光源である発光層)の光取り出し側にLD素子20から離隔して窓板22が位置し、LD素子20から発せられた光は透明部材である窓板22を通して取り出される。
LD素子20は、ピーク波長が430nm以上、470nm以下の範囲内にある青色系の光を発する。LD素子20の発する光の一部は、YAG系蛍光体231及び第2の蛍光体241の励起光となる。
波長変換部23は、例えば、ベース材232と、ベース材232中に分散する粒子状のYAG系蛍光体231とを有する。YAG系蛍光体231とベース材232には、それぞれ第1の実施の形態のYAG系蛍光体131とベース材132と同じものを用いることができる。
また、波長変換部23の代わりに、YAG系蛍光体を含む他の形態の波長変換部、例えば、板状のYAG系蛍光体の焼結体や、板状の単結晶YAG系蛍光体を用いてもよい。
接着層24は、窓板22と波長変換部23とを接着するための接着材242と、接着材242中に分散する粒子状の第2の蛍光体241を有する。第2の蛍光体241と接着材242には、それぞれ第1の実施の形態の第2の蛍光体141と接着材142と同じものを用いることができる。
第2の蛍光体241をYAG系蛍光体231と組み合わせて用いることにより、発光装置2の発光波長を長波長側にシフトさせることができる。このため、YAG系蛍光体231の発光波長を長波長側にシフトさせるために用いられるGdのYAG系蛍光体231における含有量を従来よりも低減する場合、又はYAG系蛍光体231がGdを含まない場合であっても、発光装置2の発する光の色温度を低くすることができる。
このため、発光装置2によれば、Gdの添加によるYAG系蛍光体231の温度特性の低下を抑えつつ、色温度を低く、例えば4700K以下にすることができる。なお、YAG系蛍光体231のGdの含有量がおよそ17質量%を超えると温度特性の低下が顕著になるため、YAG系蛍光体231がGdを含む場合の含有量は17質量%以下であることが好ましい。
また、第2の蛍光体241は波長変換部23の外部の接着層24に添加されるため、波長変換部23のみを用いる場合の発光色を基準として、色調整を行うことができる。すなわち、1種類の波長変換部23を用いて、様々な色温度の発光装置2を製造することができる。
また、発光装置2においては、YAG系蛍光体231と第2の蛍光体241のうち、発光波長の長い第2の蛍光体241が発光源を含むLD素子20側に位置する。このため、発光源側の蛍光体から発せられた蛍光が光取り出し側の蛍光体に吸収されて光取出効率が低下するという問題が生じにくい。
発光装置1に含まれる蛍光体全体としての温度特性を高くするため、第2の蛍光体241の温度特性が、YAG系蛍光体231の温度特性よりも高いことが好ましい。具体的には、例えば、第2の蛍光体241の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合が、YAG系蛍光体231の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合よりも大きいことが好ましい。
接着層24には、発光装置2の発する光の色度調整などの目的で、YAG系蛍光体231及び第2の蛍光体241と発光波長の異なる第3の蛍光体が含まれていてもよい。第3の蛍光体として、例えば、Gdを含有しないYAG蛍光体を用いることができる。
発光装置2に含まれる蛍光体全体としての温度特性を高くするため、この第3の蛍光体の温度特性も、YAG系蛍光体231の温度特性よりも高いことが好ましい。具体的には、第3の蛍光体の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合が、YAG系蛍光体231の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合よりも大きいことが好ましい。
なお、接着層24の接着材242の熱抵抗は、波長変換部23のベース材232の熱抵抗よりも大きい。このため、YAG系蛍光体231と第2の蛍光体241の両方を接着層24に含めると、放熱性が低いためにこれらの温度が高まり、発光効率が低下する。発光装置2においては、YAG系蛍光体231を波長変換部23に含めることにより、放熱性を確保している。
また、第2の蛍光体241は、YAG系蛍光体231ほど組成的に安定性が高くないため、第2の蛍光体241を波長変換部23に含めると波長変換部23の板状加工が困難になり、歩留まりが低下するなどの問題が生じる。
発光装置2は、図2に示されるように、筐体21上の波長変換部23の設置領域を取り囲むように形成された環状のダム25を有してもよい。ダム25は、例えば、シリコーン系樹脂やエポキシ系樹脂等の樹脂からなり、酸化チタン等の白色染料を含んでもよい。
ダム25の内側の領域には、波長変換部23及び接着層24の露出した側面を覆う反射材26が充填される。反射材26は、LD素子20から発せられる光や、YAG系蛍光体231、第2の蛍光体241などの蛍光体から発せられる光を反射する性質を有する。反射材26は、例えば、酸化チタンや硫酸バリウムなどの反射性フィラーを含む、シリコーン系樹脂やエポキシ系樹脂などの樹脂からなる。
この場合、接着層24の表面の窓板22と波長変換部23に接していない領域は、反射材26に覆われるため、接着層24の表面が外部に露出しない。このため、LD素子20から発せられた一次光や、第2の蛍光体141や第3の蛍光体から発せられた蛍光が波長変換部23を通過せずに取り出されることを防止できる。
また、反射材の代わりに、LD素子20から発せられる光や、YAG系蛍光体231、第2の蛍光体241などの蛍光体から発せられる光を透過しない遮光部材を用いても同様の効果が得られる。また、反射材26は少なくとも接着層24の表面の窓板22と波長変換部23に接していない領域を覆っていればよく、その形態はダム25の内側に充填されるものに限られない。また、反射材26は発光装置2に含まれなくてもよい。
(実施の形態の効果)
上記の第1、2の実施の形態によれば、温度特性を保持したまま色温度を下げることのできる、YAG系蛍光体を含む板状の波長変換部材を備えた発光装置を提供することができる。
図3は、4500Kの色温度を実現するためのGdを含む従来のYAG蛍光体(試料Aとする)、4000Kの色温度を実現するためのより高濃度のGdを含む従来のYAG蛍光体(試料Bとする)、上記実施の形態のYAG系蛍光体131、231に相当する試料Aよりも低濃度のGdを含むYAG蛍光体(試料Cとする)、上記実施の形態の第2の蛍光体141、241に相当する赤色系の窒化物系蛍光体(試料Dとする)、上記実施の形態の第3の蛍光体に相当するGdを含まないYAG蛍光体(試料Eとする)の温度特性を示すグラフである。
図3の縦軸の発光効率維持率は、25℃のときの発光効率を各温度でどれだけ維持できるかを示すパラメータであり、25℃のときの発光効率に対する各温度での発光効率の割合で表される。
図3の試料A〜C、Eの温度特性を比較すると、YAG蛍光体におけるGdの含有量が小さいほど、温度の上昇に伴う発光効率の低下が小さいことがわかる。また、試料Dの温度特性から、赤色系の窒化物系蛍光体がGdを含まないYAG蛍光体とほぼ同等の温度特性を有することがわかる。
上記第1の実施の形態に係る発光装置1に相当する4つの発光装置(試料F〜Iとする)と、第2の蛍光体141及び第3の蛍光体を有しない比較例に係る3つの発光装置5(試料J〜Lとする)を製造し、その光学的特性を測定した。
図4は、比較例に係る発光装置5(試料J〜L)の垂直断面図である。発光装置5は、第2の蛍光体141及び第3の蛍光体を有さず、波長変換部53に含まれるYAG系蛍光体531へのGd添加によってのみ色温度の低下を図っている。そのため、YAG系蛍光体531のGdの含有量は、発光装置1のYAG系蛍光体131のGdの含有量よりも高い。
次の表1に、試料F〜Lの蛍光体波長及び測定した光学的特性を示す。表1における“YAG”、“第2”、“第3”は、それぞれYAG系蛍光体131又は531、第2の蛍光体141、第3の蛍光体を意味する。また、“光束維持率”は、駆動初期に試料から発せられる光束に対する熱安定時に試料から発せられる光束の割合である。ここで、駆動初期のLED素子及び蛍光体の温度はおよそ25℃であり、熱安定時のLED素子と蛍光体の温度はそれぞれおよそ100℃と130℃である。
Figure 2021027255
図5は、表1の試料F〜Lの相関色温度と光束維持率の関係をプロットしたグラフである。表1及び図5からわかるように、試料F〜Iは、第2の蛍光体141と第3の蛍光体を用いて、YAG系蛍光体131のGd含有量を抑えることにより、試料J〜Lと同等又はより低い色温度を実現しながら、試料J〜Lより高い光束維持率を実現している。このことは、第2の蛍光体141と第3の蛍光体を用いて、YAG系蛍光体131のGd含有量を抑えることにより、温度特性を保持したまま色温度を下げられることを示している。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び実施例に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。また、発明の主旨を逸脱しない範囲内において上記実施の形態及び実施例の構成要素を任意に組み合わせることができる。
また、上記の実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1、2 発光装置
10 発光ダイオード素子
102 素子基板
13、23 波長変換部
131、231 YAG系蛍光体
132、232 ベース材
14、24 接着層
141、241 第2の蛍光体
142、242 接着材
16 反射材
20 レーザーダイオード素子

Claims (8)

  1. 発光源を有する発光部と、
    前記発光源から発せられる光の波長を変換する、板状の波長変換部と、
    前記波長変換部の前記発光源側に設けられた、前記波長変換部を固定するための接着層と、
    を備え、
    前記波長変換部にYAG系蛍光体が含まれ、
    前記接着層に前記YAG系蛍光体よりも発光波長が長い第2の蛍光体が含まれる、
    発光装置。
  2. 前記発光部が、発光層を前記発光源とする、フェイスダウン実装された発光ダイオード素子であり、
    前記波長変換部が、前記接着層により、前記発光ダイオード素子の透明基板に接着された、
    請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記発光部が、レーザーダイオード素子であり、
    前記波長変換部が、前記接着層により、前記レーザーダイオード素子から離隔して配置された窓板に接着された、
    請求項1に記載の発光装置。
  4. 前記第2の蛍光体の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合が、前記YAG系蛍光体の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合よりも大きい、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記接着層に前記YAG系蛍光体及び前記第2の蛍光体と発光波長の異なる第3の蛍光体が含まれ、
    前記第3の蛍光体の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合が、前記YAG系蛍光体の25℃における発光効率に対する200℃における発光効率の割合よりも大きい、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 前記接着層の表面が外部に露出していない、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光装置。
  7. 前記YAG系蛍光体が、17質量%以下のGdを含む、又はGdを含まない、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 前記第2の蛍光体が赤色系蛍光体である、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の発光装置。
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