JP2021027188A - インダクタとその製造方法 - Google Patents

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勇多 八谷
Yuta Hachiya
勇多 八谷
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Abstract

【課題】外部への磁束漏れを抑制することが可能なインダクタとその製造方法を提供する。【解決手段】磁性粉を含有する磁性部6及び磁性部6に埋設されるコイル8を有する素体2と、素体上に配置され、コイル8に接続される一対の外部電極4と、を備えたインダクタ1であって、コイル8は、導線を第1軸の周りと第1軸に略平行な第2軸の周りとを交互に周回する様に巻回した巻回部10と、巻回部10から引き出された一対の引き出し部18、20を備える。引き出し部18は、外部電極4に接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、インダクタとその製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化かつ高性能化にともない、その電子機器に用いられるインダクタも小型化、かつ高性能化が求められている。一般的に、断面が矩形形状の導線(平角線)を用いて形成されたコイルを備えるインダクタは高い電流性能を有することが知られており、平角線を用いたインダクタの開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−225887号公報
特許文献1に記載されたインダクタは、平角線を2段に巻回している。このようなインダクタは、コイルの巻数を増やすことや巻回の段数を増やすことでさらにインダクタンス値を高くすることができる。しかしながら、コイルの巻数や巻回の段数を増加させると、起磁力が増加し、磁束がインダクタの外部に漏れやすくなるという問題があった。さらに、コイルの巻数や巻回の段数を増加させると、インダクタの寸法が大きくなり、インダクタの小型化という要求に応じることが困難になることや、コイルの全長が長くなり、直流抵抗が大きくなるという問題もあった。
本発明の1態様は、外部への磁束漏れを抑制することが可能なインダクタとその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の1態様に係るインダクタは、磁性粉を含有する磁性部、及び磁性部に埋設されるコイルを有する素体と、素体上に配置され、コイルに接続される一対の外部電極と、を備え、コイルは、導線を第1軸の周りと第1軸に略平行な第2軸の周りとを交互に周回する様に巻回した巻回部と、巻回部から引き出された一対の引き出し部を備え、一対の引き出し部は、それぞれ一対の外部電極に接続されている。
本発明の1態様に係るインダクタを製造する方法は、導線を、その長さ方向に略直交する第1方向及び第1方向と反対方向の第2方向に交互に引っ張り、複数の蛇行部が連続するミアンダ形状に形成する工程と、第1方向側の第1基準蛇行部と、第1基準蛇行部に連続する第2方向側の第2基準蛇行部とを、長さ方向において略同一の位置に配置する工程と、前記第1基準蛇行部及び前記第2基準蛇行部の上方及び下方に、他の蛇行部を離間して配置する工程と、を含むコイルを形成する工程を有する。
本発明の1態様は、外部への磁束漏れを抑制することが可能なインダクタを提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るインダクタを示す斜視図である。 図1に示すインダクタのコイルの斜視図である。 図2に示すコイルの上面図である。 図2に示すコイルの製造工程を示す斜視図である。 図2に示すコイルの製造工程を示す斜視図である。 図2に示すコイルの製造工程を示す側面図である。 図2に示すコイルの製造工程を示す上面図である。 図2に示すコイルの製造工程を示す上面図である。 図2に示すコイルの製造工程を示す上面図である。 図2に示すコイルの製造工程を示す上面図である。 従来のインダクタのシミュレーション結果を示す図である。 本発明のインダクタのシミュレーション結果を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」及び、それらの用語を含む別の用語)を用いる。それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一の部分又は部材を示す。
後述の実施形態や実施例では、前述と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態や実施例ごとには逐次言及しないものとする。
1.実施形態
図1から図3を参照して、本発明の実施形態に係るインダクタ1の説明を行う。
図1は、本発明の実施形態に係るインダクタを示す斜視図である。図2は、図1に示すインダクタのコイルの斜視図である。図3は、図2に示すコイルの上面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るインダクタ1は、磁性粉を含有する磁性部6、及び磁性部6に埋設されるコイル8を有する素体2と、素体2上に配置され、コイル8に接続される一対の外部電極4と、を備える。
コイル8は、導線を第1軸A1の周りと第1軸A1に略平行な第2軸A2の周りを交互に周回し、第1軸A1と第2軸A2との間の所定の位置で、第1軸A1及び第2軸A2の延在方向に離隔して配置される様に巻回した巻回部と、巻回部から引き出された一対の引き出し部を備える。
一対の外部電極は、それぞれ一対のコイルの引き出し部に接続されている。
(コイル)
コイル8は、導線が巻回された巻回部10と、巻回部10から引き出された一対の引き出し部18、20とを含む。巻回部10は、導線が第1軸A1の周りを周回する第1巻回部12と、第1軸A1に略平行な第2軸A2の周りを周回する第2巻回部14とを含む。導線は、第1軸A1と第2軸A2とを交互に周回して第1巻回部12及び第2巻回部14を形成している。
図3に示すように、第1巻回部12は、上面視において、第1軸A1を中心に導線が時計回りに巻回されている。第2巻回部14は、上面視において、第2軸A2を中心に導線が反時計回りに巻回されている。つまり、導線は、第1軸A1の周りと第2軸A2の周りを8の字を描くように周回している。本実施形態において、第1巻回部12と第2巻回部14とは、上面視形状が矩形形状になるように巻回されている。上面視における第1巻回部12の矩形形状と第2巻回部14の矩形形状とは同一寸法であり、1辺を共有している。それゆえ、巻回部10の上面視形状は、1辺を共有した2つの矩形形状で構成される略8の字形状である。共有される1辺は、第1軸A1と第2軸A2との間に延在し、本実施形態では、第1軸A1と第2軸A2の中間に延在して共有導線部22を形成する。
第1巻回部12及び第2巻回部14のそれぞれの寸法は、例えば、上面視の矩形形状の横が0.4mm〜1.4mm、縦が0.5mm〜0.9mmであり、高さが0.4〜0.8mmである。
また、図2に示すように、コイル8の一方の引き出し部18は、コイル8の高さ方向(第1軸A1及び第2軸A2の延在方向)の最上部であり、他方の引き出し部20は、コイル8の高さ方向の最下部である。巻回部10は引き出し部18から引き出し部20に向けて、各巻回部12、14の各周が順に低くなるように巻回されている。つまり、高さ方向において、最上部の引き出し部18から、第1巻回部12の第1周12a、第2巻回部14の第1周14a、第1巻回部12の第2周12b、第2巻回部14の第2周14bの順に高い位置に配置されており、以降の各巻回部12、14の各周も同様に最下部の引き出し部20まで順に配置されている。各巻回部12、14の各周の導線は、高さ方向において互いに離隔して配置されている。従って、上面視において共有する辺を形成する第1巻回部12と第2巻回部14との共有導線部22も、高さ方向に離隔して配置されている。
コイル8を形成するために用いられる導線は、導体の表面に絶縁性を有する被覆層と、被覆層の表面に融着層を有する導線であって、対向する幅広面を有する、断面が矩形形状の導線(いわゆる、平角線)である。導体は、例えば銅等で形成され、幅が96μm〜170μm、厚みが46μm〜85μmである。被覆層は、ポリアミドイミド等の絶縁性樹脂で形成され、厚みが例えば、1μm〜7μm、好ましくは6μmである。融着層は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等で形成され、厚みが、例えば1μm〜3μm、好ましくは1.5μmである。従って、導線の線幅方向の長さ(幅広面幅、線幅)は、例えば100μm〜190μmであり、厚さ(対向する幅広面間の長さ)は、例えば50μm〜105μmである。
(磁性部)
磁性部6は、図1に示すように、コイル8の巻回部10と、引き出し部18、20の側面とを覆ってコイルを埋設している。引き出し部18、20の端面はそれぞれ後述の素体2の対向する2つの側面2c、2eに露出している。
磁性部6は、磁性粉と樹脂の混合物を加圧成形して形成される。混合物における磁性粉の充填率が60wt%以上、好ましくは80wt%以上である。磁性粉は、Fe、Fe−Si−Cr、Fe−Ni−Al、Fe−Cr−Al、Fe−Si、Fe−Si−Al、Fe−Ni、Fe−Ni−Mo等の鉄系の金属磁性粉、他の組成系の金属磁性粉、アモルファス等の金属磁性粉、表面がガラス等の絶縁体で被覆された金属磁性粉、表面を改質した金属磁性粉、ナノレベルの微小な金属磁性粉末が用いられる。樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂又は、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる。
(素体)
素体2は、前述のコイル8と磁性部6とにより構成される。素体2は、外観形状が略直方体であり、例えば、幅方向の長さが1.4mm〜2.2mmであり、奥行き方向の長さが0.6mm〜1.8mmであり、高さが0.6mm〜1.4mmである。
(外部電極)
外部電極4は、素体2の表面に形成され、互いが離隔して配置された一対の外部電極である。一方の外部電極4は、素体2の側面2cとそれに隣接する面2a、2b、2d、2fの一部とを覆っており、コイル8の引き出し部20と電気的に接続している。他方の外部電極4は、素体2の側面2eとそれに隣接する面2a、2b、2d、2fの一部とを覆っており、コイルの引き出し部18と電気的に接続している。一対の外部電極4は、例えば、金属粒子と樹脂を含有する導電性樹脂により形成される。金属粒子は銀が用いられる。樹脂はエポキシ樹脂が用いられる。また、一対の外部電極4は、金属粒子と樹脂を含有する導電性樹脂上に、ニッケルから形成される第1層と、第1層上に形成され、スズから形成される第2層とを備えるめっき層が形成されても良い。
(効果)
このように構成されたインダクタは、第1巻回部12の巻回方向と第2巻回部14の巻回方向とが異なる。これにより、図2に点線で示す様に、コイルに電流を印加した際に生じる磁束が、第1巻回部12及び第2巻回部14の間を周回し、インダクタの外部へ磁束が漏れることを抑制することができる。
さらに、このように構成されたインダクタに係るコイル8は、並列して配置される2つの巻回部12、14を含む。これにより、本発明に係るインダクタは、コイル8の高さを変えずに巻数を2倍にすることができ、それ故、インダクタの高さを高くすることなくインダクタンス値を大きくすることができる。
また、このように構成されたインダクタに係るコイルは、第1巻回部12と第2巻回部14が共有導線部22を備えている。これにより、第1巻回部12と第2巻回部14とを完全に別々の巻回部として構成するよりも、導線の長さを短縮することができ、直流抵抗の増加を抑えることができる。
以上のように構成されたインダクタは、磁性粉を含有する磁性部6、及び磁性部6に埋設されるコイル8を有する素体2と、素体2上に配置され、コイル8に接続される一対の外部電極4と、を備え、コイル8は、導線を第1軸A1の周りと第1軸A1に略平行な第2軸A2の周りとを交互に周回する様に巻回した巻回部と、巻回部から引き出された一対の引き出し部を備え、引き出し部18、20は、外部電極4に接続される。
2.製造方法
次に、実施形態に係るインダクタの製造方法について説明する。
実施形態に係るインダクタの製造方法は、
(1)略8の字形状に導線を巻回してコイル8を形成する工程と、
(2)コイル8を磁性部6で覆って素体2を形成する工程と、
(3)素体2の表面に外部電極4を形成する工程と、を含む。
コイルを形成する工程はさらに、
(1−1)1本の導線100を複数の蛇行部が連続するミアンダ形状に成形する蛇行部を形成する工程と、
(1−2)導線100の一端102から他端104に向けて傾斜をつける工程と、
(1−3)第1基準蛇行部108Sと、第1基準蛇行部108Sに連続する第2基準蛇行部110Sとの長さ方向xにおける位置を略同一に配置する基準蛇行部を配置する工程と、
(1−4)第1基準蛇行部108S及び第2基準蛇行部110Sの上方及び下方に、他の蛇行部を離隔して重ねて配置する蛇行部を配置する工程と、
(1−5)コイルの形状を整える工程と、
を含む。
以下に、各工程を詳細に説明する。特に、コイルを形成する工程は、図4Aから図4Gを参照しながら説明する。図4A及び図4Bは、図2に示すコイルの製造工程を示す斜視図である。図4Cは、図2に示すコイルの製造工程を示す側面図である。図4Dから図4Gは、図2に示すコイルの製造工程を示す上面図である。
(蛇行部を形成する工程)
本工程では、図4A及び図4Bに示すように、直線状の1本の導線100をその導線の長さ方向xに略直交する第1方向y1及び第1方向y1と反対方向の第2方向y2とに交互に引っ張り、複数の蛇行部が連続するミアンダ形状に形成する。導線100は、断面が矩形形状で、一対の幅広面100aを有する平角線である。導線100は、例えば治具106を用いて第1方向y1及び第2方向y2に互い違い引っ張られる。このとき、第1方向y1及び第2方向y2は、図4Bに示すように、導線100の幅広面100aに略直交な方向でもいいし、導線100の幅広面100aと略平行な方向でもよい。第1方向y1及び第2方向y2を、導線100の幅広面100aに略直交な方向にすると、導線100と治具106との接触面積が増え、導線100を引っ張りやすくなる。一方、第1方向y1及び第2方向y2を、導線100の幅広面100aと略平行な方向にすると、完成したコイル8の高さを低くすることができ、結果的に底背化されたインダクタを得ることができる。また、第1方向y1側の蛇行部108と第2方向y2側の蛇行部110の寸法は異なっていてもよい。しかしながら、同一方向側の蛇行部の寸法は同一であることが望ましい。
(傾斜をつける工程)
本工程では、図4Cに示すように、導線100の一端102が他端104よりも高くなるように、導線の一端102から他端104に向けて傾斜をつける。
(基準蛇行部を配置する工程)
本工程では、図4D及び図4Eに示すように、第1方向y1側の第1基準蛇行部108Sと、第1基準蛇行部108Sに連続する第2方向y2側の第2基準蛇行部110Sとを、それぞれの長さ方向xにおける位置が略同一になるように配置する。これは、第1基準蛇行部108Sと第2基準蛇行部110Sとを、長さ方向xにおいて互いに寄せることで実施され得る。なお、第1基準蛇行部108Sは、第1方向y1側の複数の蛇行部108の中央に位置する蛇行部であることが望ましい。
(蛇行部を配置する工程)
本工程では、図4Fに示すように、第1基準蛇行部108S及び第2基準蛇行部110Sの上方及び/又は下方に、他の蛇行部108、110を離隔して重ねて配置する。具体的には、以下の工程を実施する。
(a)第1基準蛇行部108Sの上方に、第1方向y1側の蛇行部108であって第1基準蛇行部108Sから導線の一端102の間に位置する蛇行部を、第2基準蛇行部110Sの上方に、第2方向y2側の蛇行部110であって第2基準蛇行部110Sから導線の一端102の間に位置する蛇行部をそれぞれ離隔して重ねる。このとき、蛇行部108と蛇行部110は、高さが低い順に第1基準蛇行部108Sと第2基準蛇行部110Sの上方に位置するように重ねる。これは、導線100が傾斜をつけられているため、第1基準蛇行部108Sに近い蛇行部から順に第1基準蛇行部108Sの上方に位置するように各蛇行部を配置し、第2基準蛇行部110Sに近い蛇行部から順に第2基準蛇行部110Sの上方に位置するように各蛇行部を配置することで実現され得る。
(b)第1基準蛇行部108Sの下方に、第1方向y1側の蛇行部108であって第1基準蛇行部108Sから導線の他端104の間に位置する蛇行部を、第2基準蛇行部110Sの下方に、第2方向y2側の蛇行部110であって第2基準蛇行部110Sから導線の他端104の間に位置する蛇行部をそれぞれ離隔して重ねる。このとき、蛇行部108と蛇行部110は、高さが高い順に第1基準蛇行部108Sと第2基準蛇行部110Sの下方に位置するように重ねる。これは、導線100が傾斜をつけられているため、第1基準蛇行部108Sに近い蛇行部から順に第1基準蛇行部108Sの下方に位置するように各蛇行部を配置し、第2基準蛇行部110Sに近い蛇行部から順に第2基準蛇行部110Sの下方に位置するように各蛇行部を配置することで実現され得る。
これらの工程は、導線の一端102から他端104に向けて高低差がついているため、第1基準蛇行部108Sと第2基準蛇行部110Sとを固定して、導線の両端部102、104を長さ方向xにおいて縮めるように押すことで同時に実施され得る。
本工程により、図4Gに示すように、2つの巻回部12’、14’が形成される。
(コイルの形状を整える工程)
本工程では、蛇行部を配置する工程で形成された2つの巻回部12’、14’を有するコイルの形状が整えられる。まず、蛇行部を配置する工程で形成された2つの巻回部12’、14’は、図4Gに点線で示される様に、巻回部12’、14’の横方向と同じ幅と巻回部12’、14’の高さと同じ高さとを有する一対の治具109が、巻回部12’、14’の内周部にそれぞれ挿入される。そして、一対の治具109を互いに近づけるように間隔を狭めつつ、治具106を第1方向y1及び第2方向y2で互いに寄せることにより、2つの巻回部12’、14’が上面視において所望の辺の長さを有する矩形形状になるように、コイルの形状が整えられる。これにより、共有導線部22を有する第1巻回部12及び第2巻回部14により形成される巻回部10が得られる。さらに、重ね合わされた複数の蛇行部108の最上部と最下部に位置する導線100を所望の位置で切断し、所定の位置で折り曲げて引き出し部18、20を形成する。これにより、上面視形状が2つの矩形形状により形成された略8の字形状のコイル8が得られる。なお、蛇行部を配置する工程で形成された2つの巻回部12’、14’は、重ね合わされた複数の蛇行部108の最上部と最下部に位置する導線100を所望の位置で切断し、所定の位置で折り曲げて略8の字形状のコイル8とすることもできる。この場合、第1巻回部12及び第2巻回部14の上面視の形状は五角形となり、共有導線部は図4Gにおいて巻回部12’、14’を繋いでいる導線が交差している部分によって形成される。この様に形成することにより、図4Gに点線で示される一対の治具109を用いることなく、共有導線部を有する第1巻回部及び第2巻回部により形成される巻回部が得られる。
(2)素体を形成する工程
本工程では、コイル形成工程で得られたコイル8を金型のキャビティに収容し、キャビティ内に、磁性粉と樹脂の混合物を充填する。このとき、コイル8は、引き出し部18、20の断面がキャビティの側面に接するようにキャビティ内に収容されることが望ましい。さらに、金型内で磁性粉と樹脂の混合物を樹脂の軟化温度以上の温度(例えば、60℃〜150℃)に加温した状態で、100kg/cm〜500kg/cm程度で加圧し、樹脂の硬化温度以上の温度(例えば、100℃〜220℃)に加温して成形・硬化する。これにより、磁性部6とコイル8が一体化されて、側面にコイル8の引き出し部18、20の断面が露出した素体2が形成される。なお、硬化は、成形後に行っても良い。
(3)外部電極を形成する工程)
本工程では、コイルの引き出し部18の断面及び引き出し部20の断面が露出する素体2の側面2c、2eと、それらに隣接する4つの面2a、2b、2d、2fの一部に跨って、互いに離隔した一対の外部電極4が形成される。一対の外部電極4は、素体2の前述の位置に導電性ペーストのような流動性を有する導電性樹脂をディップにより塗布し、硬化させることにより形成される。また、一対の外部電極4は、導電性樹脂上にめっきを施して形成しても良い。めっきは、導電性樹脂上に形成されるニッケル層とニッケル層上に形成されるスズ層により構成される。
以上、実施形態に係るインダクタの製造方法について説明したが、傾斜をつける工程は、蛇行部を形成する工程と同時に行われても良いし、蛇行部を配置する工程の前又は、蛇行部を配置する工程と同時に行われても良い。
以上のように構成されたインダクタの製造方法は、導線100を、その長さ方向xに略直交する第1方向y1及び第1方向y1と反対方向の第2方向y2に交互に引っ張り、複数の蛇行部が連続するミアンダ形状に形成する工程と、第1方向y1側の第1基準蛇行部108Sと、第1基準蛇行部108Sに連続する第2方向y2側の第2基準蛇行部110Sとを、長さ方向xにおいて略同一の位置に配置する工程と、第1基準蛇行部108S及び第2基準蛇行部110Sの上方及び下方に他の蛇行部108、110を離間して配置する工程と、を含むコイルを形成する工程を有する。
3.実施例
図5Aと図5Bを参照して本発明の実施例について説明する。
図5Aは従来のインダクタのシミュレーション結果を示す図であり、図5Bは本発明のインダクタのシミュレーション結果を示す図である。
図5Aでシミュレーションされる従来のインダクタは、1つの巻軸の周りを周回する1つの巻回部を有するコイルが素体内に埋設されたものである。この従来のインダクタの素体の寸法は幅2mm、奥行き1.6mm、高さ1mmである。この時、コイルの巻回部は、線幅が100μm、厚みが50μmの導線を4ターン巻いて形成され、上面視形状が矩形形状であり、その矩形形状を縦×横が1.8mm×1.4mmの長方形となる様に形成された。この様な従来のインダクタについてシミュレーションモデルを作成し、インダクタンス値とこのシミュレーションモデルに0.001Aの直流電流を印加した際の、コイルの上面から1mm離れた平面における磁束密度分布を測定した。
図5Bでシミュレーションされる本発明のインダクタは、実施形態に示す様に、2つの巻軸の周りを交互に周回する2つの巻回部を有するコイルが素体内に埋設されたものである。この本発明のインダクタの素体の寸法は幅2mm、奥行き1.6mm、高さ1mmである。この時、コイルの巻回部は、線幅が100μm、厚みが50μmの導線を各巻回部がそれぞれ4ターン有する様に巻いて形成され、上面視形状が同一寸法の2つの矩形形状で形成される略8の字形状であり、それぞれの巻回部の矩形形状を縦×横が0.9mm×1.4mmの長方形となる様に形成された。この様な本発明のインダクタについてシミュレーションモデルを作成し、インダクタンス値とこのシミュレーションモデルに0.001Aの直流電流を印加した際の、コイルの上面から1mm離れた平面における磁束密度分布を測定した。
図5Aと図5Bのシミュレーションを行うにあたって、それぞれの素体を構成する磁性部の透磁率は同じになる様に設定した。
シミュレーションの結果より、従来のインダクタのインダクタンス値は0.587μHであり、本発明のインダクタのインダクタンス値は1.05μHであった。
また、図5Aでは、巻回部の巻軸から半径約2mmの位置に51で示す様に、5×10−7T以上の高い磁束密度が測定された。一方、図5Bでは、2つの巻回部の巻軸の中間点から半径約0.5mmの位置に52で示す様に、5×10−7T以上の高い磁束密度が測定された。
以上の結果から、本発明のインダクタは従来のインダクタと比較して高いインダクタンス値を有し、かつ、従来のインダクタよりも磁束のインダクタンス外への漏れが少ないことが示された。従って、インダクタは、インダクタンス値の向上と磁束の漏れを抑制することとを同時に実現することが可能であることが知見された。
4.変形例
前述のように構成されたインダクタは、上面視形状が、2つの同一寸法の矩形形状により形成された略8の字形状であったが、これに限られるものではない。例えば、本発明に係るインダクタは、上面視形状が2つの円形形状や多角形状により形成された略8の字形状であってもよい。また、例えば、本発明に係るインダクタは、上面視形状が、寸法の異なる2つの矩形形状、円系形状、多角形状により形成された略8の字形状であってもよい。
前述では、本発明の実施形態、実施例を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施形態、実施例における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
1 インダクタ
2 素体
4 外部電極
6 磁性部
8 コイル
10 巻回部
12 第1巻回部
14 第2巻回部
18 引き出し部
20 引き出し部
22 共有導線部
100 導線
100a 幅広面
102 一端
104 他端
106 治具
108 第1方向側の蛇行部
108S 第1基準蛇行部
109 一対の治具
110 第2方向側の蛇行部
110S 第2基準蛇行部
A1 第1軸
A2 第2軸
x 長さ方向
y1 第1方向
y2 第2方向

Claims (5)

  1. 磁性粉を含有する磁性部、及び前記磁性部に埋設されるコイルを有する素体と、前記素体上に配置され、前記コイルに接続される一対の外部電極と、を備えたインダクタであって、
    前記コイルは、導線を第1軸の周りと前記第1軸に略平行な第2軸の周りとを交互に周回する様に巻回した巻回部と、前記巻回部から引き出された一対の引き出し部を備え、
    前記一対の引き出し部は、それぞれ前記一対の外部電極に接続されていることを特徴とするインダクタ。
  2. 前記導線が平角線である請求項1に記載のインダクタ。
  3. 導線を、その長さ方向に略直交する第1方向及び前記第1方向と反対方向の第2方向に交互に引っ張り、複数の蛇行部が連続するミアンダ形状に形成する工程と、
    前記第1方向側の第1基準蛇行部と、前記第1基準蛇行部に連続する前記第2方向側の第2基準蛇行部とを、前記長さ方向において略同一の位置に配置する工程と、
    前記第1基準蛇行部及び前記第2基準蛇行部の上方及び下方に、他の蛇行部を離間して配置する工程と、
    を含むコイル形成工程を有するインダクタの製造方法。
  4. 前記導線は、一対の幅広面を有する平角線であり、前記幅広面が前記第1方向及び前記第2方向と略平行である、請求項3に記載のインダクタの製造方法。
  5. 前記導線は、一対の幅広面を有する平角線であり、前記幅広面が前記第1方向及び前記第2方向と略直交である、請求項3に記載のインダクタの製造方法。
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