JP2021027095A - 積層セラミック電子部品 - Google Patents

積層セラミック電子部品 Download PDF

Info

Publication number
JP2021027095A
JP2021027095A JP2019142230A JP2019142230A JP2021027095A JP 2021027095 A JP2021027095 A JP 2021027095A JP 2019142230 A JP2019142230 A JP 2019142230A JP 2019142230 A JP2019142230 A JP 2019142230A JP 2021027095 A JP2021027095 A JP 2021027095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electronic component
hydrogen
ceramic electronic
laminated ceramic
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019142230A
Other languages
English (en)
Inventor
照夫 渥美
Teruo Atsumi
照夫 渥美
誉志紀 岩崎
Yoshiki Iwasaki
誉志紀 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
Priority to JP2019142230A priority Critical patent/JP2021027095A/ja
Publication of JP2021027095A publication Critical patent/JP2021027095A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)

Abstract

【課題】メッキ工程で発生する水素による悪影響を受けにくい積層セラミック電子部品を提供する。【解決手段】積層セラミック電子部品は、セラミック素体と、外部電極と、を具備する。上記セラミック素体は、第1軸方向に積層された複数の内部電極と、上記第1軸と直交する第2軸方向を向き、上記複数の内部電極のうちの少なくとも一部が引き出された端面と、を有する。上記外部電極は、上記端面を覆い、メッキ膜と、上記メッキ膜と上記端面との間に位置し、Cr、W、及びPtの少なくとも1つの元素を主成分とする保護膜と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、外部電極を備えた積層セラミック電子部品に関する。
一般的に、積層セラミックコンデンサの製造工程には、外部電極を形成するためのメッキ工程が含まれる。このメッキ工程では、水素が発生し、発生した水素が外部電極内に吸蔵されて残存しやすい。積層セラミックコンデンサでは、外部電極内の水素のセラミック素体内への拡散によって、絶縁抵抗の低下などの不具合が発生する。
これに対し、特許文献1には、外部電極内の水素による悪影響を抑制可能な積層セラミックコンデンサが開示されている。特許文献1に記載の積層セラミックコンデンサでは、外部電極内の水素を吸収する保護膜を設けることにより、外部電極内の水素のセラミック素体への拡散を抑制することができる。
特開2016−58719号公報
しかしながら、水素を吸収する保護膜では、水素の吸収に伴って脆化が進行する。したがって、このような保護膜では、水素の影響による脆化によって電気抵抗の上昇や機械的強度の低下が生じやすい。これにより、積層セラミックコンデンサでは、性能の低下などの不具合が発生しやすくなる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、メッキ工程で発生する水素による悪影響を受けにくい積層セラミック電子部品を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る積層セラミック電子部品は、セラミック素体と、外部電極と、を具備する。
上記セラミック素体は、第1軸方向に積層された複数の内部電極と、上記第1軸と直交する第2軸方向を向き、上記複数の内部電極のうちの少なくとも一部が引き出された端面と、を有する。
上記外部電極は、上記端面を覆い、メッキ膜と、上記メッキ膜と上記端面との間に位置し、Cr、W、及びPtの少なくとも1つの元素を主成分とする保護膜と、を含む。
この構成では、外部電極におけるメッキ膜よりも内側に保護膜が設けられている。この保護膜は、主成分のCr、W、及びPtの少なくとも1つの作用によって、水素を遮蔽する機能を有する。このため、外部電極における保護膜より外側の領域で吸蔵された水素は、保護膜に遮蔽されることにより、セラミック素体への侵入が妨げられる。
上記保護膜は、上記端面に隣接していてもよい。
上記保護膜は、上記端面の全領域を覆っていてもよい。
上記外部電極は、少なくとも1層のメッキ膜を含んでもよい。
上記外部電極は、上記保護層と隣接する少なくとも1層のスパッタ膜を含んでもよい。
上記外部電極は、上記保護膜と、上記少なくとも1層のメッキ膜と、上記少なくとも1層のスパッタ膜と、から構成されていてもよい。
上記メッキ膜は、Ni、Cu、Sn、Pd、及びAgの少なくとも1つの元素を主成分としていてもよい。
上記セラミック素体は、上記第1軸方向を向いた主面と、上記第1軸及び上記第2軸と直交する第3軸方向を向いた側面と、を更に有してもよい。
上記外部電極は、上記端面から上記主面及び上記側面に延出していてもよい。
メッキ工程で発生する水素による悪影響を受けにくい積層セラミック電子部品を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサの図1のA−A'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの図1のB−B'線に沿った断面図である。 様々な元素について算出した水素安定化エネルギE(H)を示すグラフである。 上記積層セラミックコンデンサの他の実施形態を示す断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。 ステップS01におけるセラミック素体の分解斜視図である。 ステップS02で得られるセラミック素体の斜視図である。 ステップS03を示す断面図である。 ステップS03を示す断面図である。 ステップS03を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図面には、適宜相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は全図において共通である。
[積層セラミックコンデンサ10の基本構成]
図1〜3は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10を示す図である。図1は、積層セラミックコンデンサ10の斜視図である。図2は、積層セラミックコンデンサ10の図1のA−A'線に沿った断面図である。図3は、積層セラミックコンデンサ10の図1のB−B'線に沿った断面図である。
積層セラミックコンデンサ10は、セラミック素体11と、第1外部電極14と、第2外部電極15と、を具備する。セラミック素体11の外面は、X軸方向を向いた第1及び第2端面E1,E2と、Y軸方向を向いた第1及び第2側面と、Z軸方向を向いた第1及び第2主面と、を有する。
また、セラミック素体11には、バレル研磨などで面取りされることにより、第1及び第2端面E1,E2、第1及び第2側面、並びに第1及び第2主面を相互に接続する丸みを帯びた稜部が形成されている。なお、セラミック素体11には、面取りされていなくてもよく、各面を相互に直接接続する稜線が形成されていてもよい。
第1外部電極14は、セラミック素体11の第1端面E1を覆っている。第2外部電極15は、セラミック素体11の第2端面E2を覆っている。外部電極14,15は、セラミック素体11を挟んでX軸方向に対向し、積層セラミックコンデンサ10の端子として機能する。
外部電極14,15は、セラミック素体11の端面E1,E2から主面及び側面に沿ってX軸方向内側にそれぞれ延出し、主面及び側面上において相互に離間している。これにより、外部電極14,15では、図2に示すX−Z平面に平行な断面、及びX−Y平面に平行な断面がいずれもU字状となっている。
なお、外部電極14,15の形状は、図1,2に示すものに限定されない。例えば、外部電極14,15は、セラミック素体11の端面E1,E2から一方の主面のみに延び、X−Z平面に平行な断面がL字状となっていてもよい。また、外部電極14,15は、いずれの主面及び側面にも延出していなくてもよい。
第1外部電極14は、保護膜140と、下地膜141と、中間膜142と、表面膜143と、を含む4層構造を有する。第1外部電極14では、セラミック素体11側の内側から外側に向けて、保護膜140、下地膜141、中間膜142、表面膜143の順に積層されている。つまり、第1外部電極14では、保護膜140が最内層を構成している。
第2外部電極15は、保護膜150と、下地膜151と、中間膜152と、表面膜153と、を含む4層構造を有する。第2外部電極15では、セラミック素体11側の内側から外側に向けて、保護膜150、下地膜151、中間膜152、表面膜153の順に積層されている。つまり、第2外部電極15では、保護膜150が最内層を構成している。
保護膜140,150は、セラミック素体11の表面を直接覆っている。積層セラミックコンデンサ10では、保護膜140,150が、セラミック素体11に対してメッキ工程で発生する水素による悪影響が加わりにくくする機能を有する。本実施形態に係る保護膜140,150の詳細については後述する。
下地膜141,151は、例えば、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Pd(パラジウム)、及びAg(銀)の少なくとも1つの元素を主成分とする金属や合金で形成することができる。下地膜141,151は、例えば、スパッタリング法によって形成された少なくとも1層のスパッタ膜や、導電性金属ペーストを焼き付けた少なくとも1層の焼き付け膜などとして構成することができる。また、下地膜141,151は、スパッタ膜と焼き付け膜とが組み合わされて構成されていてもよい。
中間膜142,152及び表面膜143,153は、例えば、Ni、Cu、Sn(錫)、Pd、及びAgの少なくとも1つの元素を主成分とする金属や合金で形成することができる。中間膜142,152及び表面膜143,153は、例えば、湿式メッキ法で形成されたメッキ膜として構成することができる。
セラミック素体11は、誘電体セラミックスで形成されている。セラミック素体11は、誘電体セラミックスに覆われた第1内部電極12及び第2内部電極13を有する。複数の内部電極12,13は、いずれもX−Y平面に沿って延びるシート状であり、Z軸方向に沿って交互に配置されている。
つまり、セラミック素体11には、内部電極12,13がセラミック層を挟んでZ軸方向に対向する対向領域が形成されている。第1内部電極12は、対向領域から第1端面E1に引き出され、第1外部電極14に接続されている。第2内部電極13は、対向領域から第2端面E2に引き出され、第2外部電極15に接続されている。
このような構成により、積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極14と第2外部電極15との間に電圧が印加されると、内部電極12,13の対向領域において複数のセラミック層に電圧が加わる。これにより、積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極14と第2外部電極15との間の電圧に応じた電荷が蓄えられる。
セラミック素体11では、内部電極12,13間の各セラミック層の容量を大きくするため、高誘電率の誘電体セラミックスが用いられる。高誘電率の誘電体セラミックスとしては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)に代表される、バリウム(Ba)及びチタン(Ti)を含むペロブスカイト構造の材料が挙げられる。
なお、誘電体セラミックスは、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸カルシウム(CaTiO)、チタン酸マグネシウム(MgTiO)、ジルコン酸カルシウム(CaZrO3)、チタン酸ジルコン酸カルシウム(Ca(Zr,Ti)O)、ジルコン酸バリウム(BaZrO)、酸化チタン(TiO)などの組成系でもよい。
[保護膜140,150の詳細構成]
外部電極14,15の中間膜142,152及び表面膜143,153を形成するための湿式メッキ法(特に電解メッキ法)によるメッキ工程では、セラミック素体11を劣化させる作用の強い水素が発生する。メッキ工程で発生した水素は、外部電極14,15の下地膜141,151、中間膜142,152、及び表面膜143,153内に吸蔵されやすい。
下地膜141,151、中間膜142,152、及び表面膜143,153内に吸蔵された水素のセラミック素体11への拡散が内部電極12,13の対向領域まで進行すると、内部電極12,13間のセラミック層の絶縁抵抗が低下する。これにより、積層セラミックコンデンサ10では、絶縁不良が発生しやすくなる。
なお、外部電極14,15に吸蔵される水素は、メッキ工程で発生した水素に限らず、例えば、大気中の水蒸気などの水分に含まれる水素などであってもよい。また、外部電極14,15に吸蔵される水素は、水素原子や水素イオンや水素同位体など、水素のとりうるいずれの状態であってもよい。
積層セラミックコンデンサ10では、外部電極14,15内に吸蔵された水素がセラミック素体11内に拡散することを防止するために、外部電極14,15の最内層として保護膜140,150が設けられる。保護膜140,150は、セラミック素体11を覆うことで、外部電極14,15内に吸蔵された水素からセラミック素体11を保護する。
より詳細に、保護膜140,150は、水素を遮蔽する機能を有する。したがって、外部電極14,15内の水素は、保護膜140,150によって遮蔽されるため、端面E1,E2からセラミック素体11への侵入が妨げられる。このため、積層セラミックコンデンサ10では、セラミック素体11内への水素の拡散が抑制される。
また、保護膜140,150は、水素を遮蔽する作用によって、水素を吸収しにくくなる。したがって、保護膜140,150では、水素の吸収による脆化が生じにくく、つまり脆化に伴う電気抵抗の上昇や機械的強度の低下が生じにくい。これにより、積層セラミックコンデンサ10では、保護膜140,150の劣化による不具合が生じにくい。
本実施形態では、保護膜140,150における水素を遮蔽する機能を得るために、保護膜140,150の主成分として水素を遮蔽する作用を有する元素を用いる。これに対し、本願の発明者は、水素安定化エネルギE(H)を指標として水素を遮蔽する作用を有する元素を見出した。各元素における水素安定化エネルギE(H)は、以下の式で定義される。
E(H)=E(crystal)+1/2E(H)−E(crystal+H)
なお、E(crystal)は、各元素について経験的に安定とされる結晶構造のエネルギとして算出される。E(H)は、水素ガスのエネルギとして算出される。E(crystal+H)は、水素原子を挿入した結晶構造のエネルギとして算出される。
上記の式中の「E(crystal)+1/2E(H)」は、水素が結晶中に吸蔵されていない状態を想定した結晶構造と水素との合計エネルギを表現している。したがって、水素が結晶中に吸蔵されていない状態の安定性の高い元素ほど、「E(crystal)+1/2E(H)」が小さくなる。
これに対し、上記の式中のE(crystal+H)は、上記の状態とは反対に、水素が結晶中に吸蔵された状態を想定した水素を含む結晶構造のエネルギを表現している。したがって、水素が結晶中に吸蔵された状態の安定性が高い元素ほど、E(crystal+H)が小さくなる。
つまり、水素安定化エネルギE(H)が大きい元素ほど、水素が結晶中に吸蔵された状態の安定性が高いことがわかる。反対に、水素安定化エネルギE(H)が小さい元素ほど、水素が結晶中に吸蔵されていない状態の安定性が高いことがわかる。なお、水素安定化エネルギE(H)のマイナスの値は、絶対値が大きいほど小さいものとしている。
水素が結晶中に吸蔵されていない状態の安定性が高く、つまり水素安定化エネルギE(H)が小さい元素ほど、水素を遮蔽する作用が強くなる傾向があるものと考えられる。したがって、保護膜140,150では、水素を遮蔽する機能を得るために、水素安定化エネルギE(H)が低い元素を主成分として用いる必要がある。
上記の式を用いて、様々な元素について水素安定化エネルギE(H)を算出した。表1は、各元素についての水素安定化エネルギE(H)を示している。なお、表1には、経験的に安定とされる結晶構造が複数存在する元素について、それぞれの結晶構造ごとの水素安定化エネルギE(H)が示されている。また、表1に示す結晶構造について、「hcp」は六方最密構造を示し、「bcc」は体心立方格子を示し、「fcc」は面心立方格子を示している。
Figure 2021027095
図4は、表1に示す各元素について水素安定化エネルギE(H)をプロットしたグラフである。図4には、E(H)=−0.40[eV]の直線が示されている。本実施形態では、この直線より下の領域にプロットが存在する元素を保護膜140,150の主成分とすることで、保護膜140,150における水素を遮蔽する機能を確保することができる。
つまり、積層セラミックコンデンサ10では、保護膜140,150の主成分として、水素安定化エネルギE(H)が−0.40[eV]未満である元素、つまり具体的にはCr(クロム)、W(タングステン)、Pt(白金)の少なくとも1つの元素を用いる。これにより、外部電極14,15において、最内層の保護膜140,150が水素を遮蔽する機能を発揮することができる。
また、保護膜140,150は、水素を遮蔽する作用によって、水素を吸収しにくくなる。したがって、保護膜140,150では、水素の吸収による脆化が生じにくく、つまり脆化に伴う電気抵抗の上昇や機械的強度の低下が生じにくい。これにより、積層セラミックコンデンサ10では、保護膜140,150の劣化による不具合が生じにくい。
なお、積層セラミックコンデンサ10では、図2に示すような保護膜140,150が下地膜141,151とセラミック素体11との間の全領域に配置されている構成は必須ではない。保護膜140,150は、少なくとも湿式メッキ法で形成されるメッキ膜とセラミック素体11との間の領域の一部に配置されていればよい。
ただし、積層セラミックコンデンサ10では、水素による悪影響を効果的に抑制するために、保護膜140,150がセラミック素体11の端面E1,E2に隣接する位置に配置されていることが好ましい。更に、保護膜140,150は、セラミック素体11の端面E1,E2の全領域を覆っていることがより好ましい。
また、積層セラミックコンデンサ10では、保護膜140,150が湿式メッキ法で形成されるメッキ膜よりも内側に配置されていればよい。したがって、積層セラミックコンデンサ10では、例えば、図5に示すように保護膜140,150が下地膜141,151と中間膜142,152との間に配置されていてもよい。
[積層セラミックコンデンサ10の製造方法]
図6は、積層セラミックコンデンサ10の製造方法を示すフローチャートである。図7〜11は、積層セラミックコンデンサ10の製造過程を示す図である。以下、積層セラミックコンデンサ10の製造方法について、図6に沿って、図7〜11を適宜参照しながら説明する。
(ステップS01:セラミック素体作製)
ステップS01では、未焼成のセラミック素体11を作製する。未焼成のセラミック素体11は、図7に示すように、複数のセラミックシートをZ軸方向に積層して熱圧着することにより得られる。セラミックシートに予め所定のパターンの導電性ペーストを印刷しておくことにより、内部電極12,13を配置することができる。
セラミックシートは、セラミックスラリーをシート状に成形した未焼成の誘電体グリーンシートである。セラミックシートは、例えば、ロールコーターやドクターブレードなどを用いてシート状に成形される。セラミックスラリーの成分は、所定の組成のセラミック素体11が得られるように調整される。
(ステップS02:焼成)
ステップS02では、ステップS01で得られた未焼成のセラミック素体11を焼成する。これにより、セラミック素体11が焼結し、図8に示すセラミック素体11が得られる。セラミック素体11の焼成は、例えば、還元雰囲気下、又は低酸素分圧雰囲気下において行うことができる。セラミック素体11の焼成条件は、適宜決定可能である。
(ステップS03:外部電極形成)
ステップS03では、ステップ02で得られたセラミック素体11に外部電極14,15を形成する。これにより、図1〜3に示す積層セラミックコンデンサ10が完成する。具体的に、ステップS04では、保護膜140,150と、下地膜141,151と、中間膜142,152と、表面膜143,153と、を形成する。
まず、図9に示すように、ステップ02で得られたセラミック素体11の端面E1,E2を覆うように保護膜140,150を形成する。保護膜140,150の形成には、水素の発生が伴う湿式メッキ法以外の方法を用いることができ、例えば、スパッタリング法や蒸着法などを用いることができる。
次に、図10に示すように、セラミック素体11に設けられた保護膜140,150上に下地膜141,151を形成する。下地膜141,151の形成には、例えば、スパッタリング法や、セラミック素体11に導電性金属ペーストを焼き付ける焼き付け法などを用いることができる。
なお、保護膜140,150の主成分を構成する元素がセラミック素体11に拡散しやすい性質を有する場合、保護膜140,150を維持するために、外部電極14,15の形成には加熱プロセスを用いないことが好ましい。この観点から、下地膜141,151の形成には、焼き付け法ではなく、スパッタリング法などを用いることが好ましい。
続いて、図11に示すように、セラミック素体11に設けられた下地膜141,151上に中間膜142,152を形成する。更に、中間膜142,152上に表面膜143,153を形成することにより、図1,2に示す外部電極14,15が完成する。中間膜142,152及び表面膜143,153の形成には湿式メッキ法を用いる。
湿式メッキ法(特に電解メッキ法)では、その過程において水素が発生し、発生した水素が下地膜141,151や、中間膜142,152及び表面膜143,153自体に侵入する。しかしながら、保護膜140,150で覆われたセラミック素体11では、端面E1,E2から内部への水素の侵入が妨げられる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、本発明に係る外部電極の構成は、上記実施形態のような4層構造に限定されず、2層構造、3層構造、又は5層以上の構造であってもよい。また、本発明に係る外部電極は、湿式メッキで形成されたメッキ膜が、保護膜の内側に配置されず、かつ保護膜の外側に少なくとも1層配置された構成であればよい。
また、本発明は、積層セラミックコンデンサのみならず、外部電極を有する積層セラミック電子部品全般に適用可能である。本発明を適用可能な積層セラミック電子部品としては、積層セラミックコンデンサ以外に、例えば、チップバリスタ、チップサーミスタ、積層インダクタなどが挙げられる。
10…積層セラミックコンデンサ
11…セラミック素体
12,13…内部電極
14,15…外部電極
140,150…保護膜
141,151…下地膜
142,152…中間膜
143,153…表面膜
E1,E2…端面

Claims (7)

  1. 第1軸方向に積層された複数の内部電極と、前記第1軸と直交する第2軸方向を向き、前記複数の内部電極のうちの少なくとも一部が引き出された端面と、を有するセラミック素体と、
    前記端面を覆い、メッキ膜と、前記メッキ膜と前記端面との間に位置し、Cr、W、及びPtの少なくとも1つの元素を主成分とする保護膜と、を含む外部電極と、
    を具備する積層セラミック電子部品。
  2. 請求項1に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記保護膜は、前記端面に隣接している
    積層セラミック電子部品。
  3. 請求項2に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記保護膜は、前記端面の全領域を覆っている。
    積層セラミック電子部品。
  4. 請求項2又は3に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記外部電極は、前記保護層と隣接する少なくとも1層のスパッタ膜を含む
    積層セラミック電子部品。
  5. 請求項4に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記外部電極は、前記保護膜と、前記少なくとも1層のメッキ膜と、前記少なくとも1層のスパッタ膜と、から構成される
    積層セラミック電子部品。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記メッキ膜は、Ni、Cu、Sn、Pd、及びAgの少なくとも1つの元素を主成分とする
    積層セラミック電子部品。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記セラミック素体は、前記第1軸方向を向いた主面と、前記第1軸及び前記第2軸と直交する第3軸方向を向いた側面と、を更に有し、
    前記外部電極は、前記端面から前記主面及び前記側面に延出している
    積層セラミック電子部品。
JP2019142230A 2019-08-01 2019-08-01 積層セラミック電子部品 Pending JP2021027095A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019142230A JP2021027095A (ja) 2019-08-01 2019-08-01 積層セラミック電子部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019142230A JP2021027095A (ja) 2019-08-01 2019-08-01 積層セラミック電子部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021027095A true JP2021027095A (ja) 2021-02-22

Family

ID=74664040

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019142230A Pending JP2021027095A (ja) 2019-08-01 2019-08-01 積層セラミック電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021027095A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024075470A1 (ja) * 2022-10-07 2024-04-11 太陽誘電株式会社 積層セラミックコンデンサとその製造方法
US12080480B2 (en) 2021-10-01 2024-09-03 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer capacitor

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10106883A (ja) * 1996-10-03 1998-04-24 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミック電子部品
JP2012243998A (ja) * 2011-05-20 2012-12-10 Taiyo Yuden Co Ltd チップ状電子部品
JP2016058719A (ja) * 2014-09-09 2016-04-21 株式会社村田製作所 積層セラミックコンデンサ
JP2018101751A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 太陽誘電株式会社 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
JP2018121010A (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 太陽誘電株式会社 積層セラミック電子部品

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10106883A (ja) * 1996-10-03 1998-04-24 Murata Mfg Co Ltd 積層セラミック電子部品
JP2012243998A (ja) * 2011-05-20 2012-12-10 Taiyo Yuden Co Ltd チップ状電子部品
JP2016058719A (ja) * 2014-09-09 2016-04-21 株式会社村田製作所 積層セラミックコンデンサ
JP2018101751A (ja) * 2016-12-21 2018-06-28 太陽誘電株式会社 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
JP2018121010A (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 太陽誘電株式会社 積層セラミック電子部品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US12080480B2 (en) 2021-10-01 2024-09-03 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Multilayer capacitor
WO2024075470A1 (ja) * 2022-10-07 2024-04-11 太陽誘電株式会社 積層セラミックコンデンサとその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11335507B2 (en) Multi-layer ceramic capacitor and method of producing the same
US10734159B2 (en) Multilayer ceramic capacitor and method for manufacturing multilayer ceramic capacitor
JP7015636B2 (ja) 積層セラミック電子部品
KR20180042125A (ko) 적층 세라믹 콘덴서 및 그 제조 방법
CN108364789B (zh) 层叠陶瓷电子部件
JP6954519B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP7446705B2 (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法
JP7182926B2 (ja) 積層セラミック電子部品
US20210035744A1 (en) Multilayer ceramic electronic device
JP2020102479A (ja) 積層セラミック電子部品及びその製造方法
JP2021027095A (ja) 積層セラミック電子部品
JP6851747B2 (ja) 積層セラミック電子部品
JP2024111123A (ja) 積層セラミック電子部品
JP2021077827A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2020174110A (ja) 積層セラミック電子部品及び回路基板
JP2021182585A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法、積層セラミック電子部品及び回路基板
JP6975200B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP6858217B2 (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法
JP6935707B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
WO2024180937A1 (ja) 積層セラミック電子部品及びその製造方法
JP7056864B2 (ja) セラミック電子部品
US11756737B2 (en) Multi-layer ceramic capacitor
JP2021100020A (ja) 積層セラミック電子部品及びその製造方法
US20230170142A1 (en) Multi-layer ceramic electronic component
WO2024161811A1 (ja) 積層セラミック電子部品及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220629

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20220707

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220715

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230830

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20231031