JP2021026853A - 自発光表示パネルの製造方法及び機能層形成装置 - Google Patents

自発光表示パネルの製造方法及び機能層形成装置 Download PDF

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宙生 赤田
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Abstract

【課題】複数の画素が行列状に配された自発光表示パネルにおいて、列方向における発光層の膜厚の変化に起因する行方向の筋状の輝度ムラを目立たなくする。【解決手段】基板上に行列状に形成された画素電極の行方向における間に列方向に延伸する列バンクを並設する工程と、行方向に隣接する列バンク間の間隙に、複数のノズルが配されたヘッドを基板に対して行方向に相対的に移動させ、一部のノズルからインクを吐出して発光層を形成する工程とを含み、機能層を形成する工程において、同一種のインクを供給すべき複数の間隙のうち、第1の間隙においてインクを吐出するノズルの組み合わせを示す第1のパターンと、次に同種のインクが塗布される第2の間隔においてインクを吐出するノズルの組み合わせを示す第2のパターンが異なっており、第2のパターンは、第1のパターンを列方向の沿った一方方向にノズル1ピッチ分だけずらしてなる。【選択図】図8

Description

本開示は、複数の自発光素子を行列状に配してなる自発光表示パネルの製造方法および機能層形成装置に関する。
近年、自発光型の表示パネルとして、基板上に有機EL(Electro Luminescence)素子をマトリックス状(行列状)に複数配列した有機EL表示パネルが実用化されている。この有機EL表示パネルは、各有機EL素子が自発光を行うので視認性が高い。
この有機EL表示パネルでは、一般に各有機EL素子の発光層と、隣接する有機EL素子の発光層とは、絶縁材料からなる隔壁で仕切られている。
カラー表示用の有機EL表示パネルにおいては、このような有機EL素子が、RGB各色の画素を形成し、隣り合うRGBの画素が合わさってカラー表示における単位画素が形成されている。各有機EL素子は、陽極と陰極の一対の電極の間に有機発光材料を含む発光層等の機能膜が配設された素子構造を有し、駆動時には、一対の電極対間に電圧を印加し、陽極から発光層に注入されるホールと、陰極から発光層に注入される電子との再結合に伴って発光する。
最近では、デバイスの大型化が進み、効率の良い機能膜の成膜方法として、機能性材料を含むインクをインクジェット法等に基づいて塗布するウエットプロセスが提案されている。
例えば、特許文献1では、列方向に延びる隔壁間に同一濃度の有機材料溶液を滴下し、隔壁内容積に応じた溶液量を塗布することによって成膜することができるので、簡単で且つ容易なプロセスで均質な有機発光層の形成が可能となることが記載されている。
特開2007−234232号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、発光層を含む機能層に微小な膜厚のバラツキが残存する場合があり、これが行方向に連なった場合に、表示画像に筋状の輝度ムラが視認され得るという課題がある。
上記と同様な課題は、発光層として有機EL素子を用いた有機EL表示パネル以外にも、発光層が無機材料からなる無機EL表示パネルや、発光層が、量子ドット発光素子(QLED:quantum dot-LED)からなる量子ドット表示パネルなど、およそ発光素子を含む機能層をウエットプロセスで形成する自発光表示パネルについて共通に生じ得る課題である。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであって、行方向の筋状の輝度ムラが目立たない自発光表示パネルの製造方法および機能層形成装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様は、複数の画素が行列状に配された自発光表示パネルの製造方法であって、基板を準備する工程と、前記基板上に、複数の画素電極を行列状に形成する工程と、前記基板上方であって、前記画素電極の行方向における間に列方向に延伸する列バンクを並設する工程と、行方向に隣接する前記列バンク間の間隙に、複数のノズルが列設されたヘッドを、前記基板に対して行方向に相対的に移動させ、前記複数のノズルのうち選択された一部のノズルから機能性材料を含むインクを吐出した後、前記インクを乾燥させて機能層を形成する工程と、前記機能層上方に対向電極を形成する工程とを備え、前記機能層を形成する工程において、同一種のインクを供給すべき複数の前記間隙のうち、第1の間隙においてインクを吐出するノズルの組み合わせを示す第1のパターンと、次に同種のインクが塗布される第2の間隔においてインクを吐出するノズルの組み合わせを示す第2のパターンが異なっており、前記第2のパターンが、前記第1のパターンを前記列方向の沿った一方方向にノズル1ピッチ分だけずらしたパターンとなっていることを特徴とする。
ここで、「機能性材料」とは、特定の発光特性を有する材料や、正孔注入機能、正孔輸送機能、電子注入機能、電子輸送機能など、目的の表示パネルを構成するため特定の機能を発揮する材料を意味する。
本開示の一態様に係る自発光表示パネルの製造方法によれば、発光層を含む列状の機能層が並設されたパネル構造において、同一種のインクを塗布する機能層において列方向に生じる膜厚の変化が行方向に連続して生じるのを抑制して、行方向の筋状の輝度ムラを目立たなくすることができる。
実施の形態に係る有機EL表示装置の回路構成を示す模式ブロック図である。 有機EL表示装置に用いる有機EL表示パネルの各副画素における回路構成を示す模式回路図である。 有機EL表示パネルの模式平面図である。 図3におけるA0部の拡大平面図である。 列バンクと行バンクを形成した段階における基板の一部分の斜視図である。 (a)は、発光層の塗布装置の側面図、(b)は同装置の正面図を、それぞれ示す。 有機EL表示パネルの製造方法において、基板上の隣接する列バンク522Y間の間隙に発光層形成用のインクを塗布する工程を示す模式平面図である。 (a)は、本開示に係るインク吐出ノズルを決定する基本となる単位パターン、(b)は、パネル全体に展開した吐出ノズルのパターンを示す。 発光層の塗布装置における制御部の構成を示すブロック図である。 (a)は、有機EL表示パネルの寸法例を示す図であり、(b)は、吐出ノズルの単位パターンの決定方法を示すフローチャートである。 塗布装置の制御部における塗布処理の制御内容を示すフローチャートである。 本実施の形態により形成した、有機EL表示パネルの表示画像を示す写真である。 図4における有機EL表示パネルをA2−A2で切断した模式断面図である。 有機EL表示パネルの製造工程を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、有機EL表示パネルの製造における各工程での状態を示す模式断面図である。 (a)〜(c)は、図15に続く有機EL表示パネルの製造工程を示す模式断面図である。 (a)〜(d)は、図16に続く有機EL表示パネルの製造工程を示す模式断面図である。 (a)〜(g)は、有機EL表示パネルの製造において、別途カラーフィルタ基板を製造する工程を示す模式断面図である。 (a)、(b)は、図17に続く有機EL表示パネルの製造工程を示す模式断面図である。 (a)は別の開示に係る単位パターンの例を示し、(b)は、当該単位パターンをパネル全体に展開した吐出ノズルのパターンの例を示す。 (a)は、インクジェット法により、基板上の隣接する列バンク522Y間の間隙522zXに発光層形成用のインクを塗布する工程を示す模式的な側面図であり、(b)は、その平面図である。 (a)は、従来の有機EL表示パネルの表示画像を示す写真、(b)は(a)の位置X1からX4におけるY方向の輝度分布の測定結果である。
≪本開示の一態様に至った経緯≫
表示パネルの製造における効率の良い機能膜の形成方法として、機能性材料を含むインクをインクジェット法等に基づいて塗布するウエットプロセスが提案されている。ウエットプロセスは機能膜を塗り分ける際の位置精度が基板サイズに依存せず、デバイスの大型化への技術的障壁が比較的低いメリットがある。
図21(a)は、インクジェット法により、基板上の隣接する列バンク522Y間の間隙522zXに発光層形成用のインクを塗布する工程の一例を示す模式的な側面図であり、図21(b)は、その平面図である。
同工程では、図21(a)に示すように、基板100x表面に対してインクヘッドIを一方向に相対的に走査し、インクジェトヘッドIの複数のノズルから基板表面の所定領域にインクD‘を滴下し、インクの溶媒を蒸発乾燥させて発光層123Xを成膜する。
その際、図21(b)に示すように、基板上にインクを滴下して塗布するプロセスにおいて、インクヘッドの複数のノズルから吐出されるインクD’の滴下量のバラツキ等に起因して形成される発光層123Xの膜厚11〜13がノズル列に平行な方向(Y方向)で変動する傾向がある。
これは、主にインクヘッドのノズルから吐出されるインク滴の大きさのばらつき、ノズル間隔のばらつき、インク塗布面における濡れ広がりの不均一などに起因すると考えられる。
これに対して、特許文献1では、上述のとおり、Y方向の隔壁間に同一濃度の有機材料溶液を滴下し、隔壁内容積に応じた溶液量を塗布することによって成膜するようにしているので、簡単で且つ容易なプロセスで均質な有機発光層の形成が可能となるとしている。
すなわち、塗布されたインクがノズル列に平行な方向に画素間の流動を許容するライン状のバンク間隙からなる列状塗布領域を設けることにより、塗布されたインクがノズル列に平行な方向(Y方向)でレべリングされて機能層の膜厚バラツキが低減し、有機EL表示パネルにおいて筋状の輝度ムラを低減されることが可能となるものと考えられる。
しかしながら、発明者の検討によると、インクジェット装置のノズル列に平行な列状塗布領域を設けて塗布されたインクのレべリングした場合でも、機能層の微小な膜厚バラツキを完全に解消することは難しく、表示画面にX方向に伸びる筋状の輝度ムラが認識されるという課題があることが判明した。
図22(a)は、従来の有機EL表示パネルの表示画像を示す写真であり、X、Y方向とも、基板100x上の150副画素の領域を示した写真である。このように、発光層123Xの膜厚が異なると発光特性が異なるため、有機EL表示パネルとしてノズル走査方向に平行な筋状の輝度ムラ発生の原因となっていた。
特に、トップエミッション型の有機EL素子は、画素電極の表面部が高い光反射性を有する材料を用いるとともに、膜厚方向における光学的距離を最適に設定して光共振器構造を採用することにより出射される発光効率を向上させるように各機能層の膜厚が設計されているため、上述のように膜厚のムラが輝度ムラに与える影響は大きい。
図22(b)は、図22(a)のX方向における、位置X1からX4におけるY方向に150副画素に相当する領域の輝度分布の測定結果である。図22(b)によると、インクヘッドIの走査方向の異なる位置X1からX4での輝度分布は、列方向に類似した分布形状をなし、行方向に筋状の輝度ムラとして認識されることがわかる。
仮に、インクヘッドにおけるノズルの加工精度がさらに向上して、ノズル径やノズルピッチのバラツキが解消されたとしても、最近では、有機EL表示パネルの高精細化が進み、これに連れて間隙522zXの幅が狭くなってきており、目的の膜厚の発光層123Xを得るために、一つの間隙522zXに供給すべきインク量が少なくなり、インクヘッドIの全部のノズルを駆動する必要がなくなってきており、これが行方向における筋状の輝度ムラを惹起する新たな要因となってきている。
そこで、発明者らは、上記課題に鑑み、発光層を含む列状の機能層が並設された表示パネル構造において、列方向における機能層の膜厚の変化に起因する行方向の筋状の輝度ムラを目立たなくする構成について鋭意検討を行い、以下の開示の形態に至ったものである。
≪本開示の一態様の概要≫
本開示の態様に係る自発光表示パネルの製造方法は、複数の画素が行列状に配された自発光表示パネルの製造方法であって、基板を準備する工程と、前記基板上に、複数の画素電極を行列状に形成する工程と、前記基板上方であって、前記画素電極の行方向における間に列方向に延伸する列バンクを並設する工程と、行方向に隣接する前記列バンク間の間隙に、複数のノズルが列設されたヘッドを、前記基板に対して行方向に相対的に移動させ、前記複数のノズルのうち選択された一部のノズルから機能性材料を含むインクを吐出した後、前記インクを乾燥させて機能層を形成する工程と、前記機能層上方に対向電極を形成する工程とを備え、前記機能層を形成する工程において、同一種のインクを供給すべき複数の前記間隙のうち、第1の間隙においてインクを吐出するノズルの組み合わせを示す第1のパターンと、次に同種のインクが塗布される第2の間隔においてインクを吐出するノズルの組み合わせを示す第2のパターンが異なっており、前記第2のパターンが、前記第1のパターンを前記列方向の沿った一方方向にノズル1ピッチ分だけずらしたパターンとなっている。
係る構成により、列状の機能層が並設されたパネル構造において、一の間隙において膜厚の変化が生じたとしても、行方向に移動するに連れて、インクを吐出するノズルのパターンも移動するので、有機発光層を含む機能層の膜厚の変化の状態が行方向に連続しなくなり、筋状の輝度ムラの発生が軽減された自発光表示パネルを製造することができる。
また、本開示の別の態様は、前記第1のパターンは、列方向に連続するN個のノズルについて(Nは2以上の整数)、その吐出・非吐出の組み合わせを示す単位パターンを、複数回列方向に繰り返してなるパターンである。
係る態様により、第1のパターンを容易に作成できる。
また、本開示の別の態様は、上記機能層を形成する工程が、前記Nが所定の値以下のとき、同一種のインクを供給すべき、前記行方向における第M番目(Mは、1以上の整数)の間隙から第(M+N)番目の間隙まで、順に第1のパターンを前記一方方向にノズル1ピッチずつずらしていき、第(M+N+1)番目の間隙には、第1のパターンに復帰する処理を繰り返して、インクを塗布するようになっている。
係る態様により、第1のパターンを何回も利用して、行方向への吐出ノズルのパターンが容易に展開できると共に、画像表示領域の列方向端部付近で吐出ノズルのパターンが大きく乱れて輝度ムラが発生するのを抑制できる。
また、本開示の別の態様として、前記Nが所定の値より大きく、列方向に連続する吐出ノズルもしくは非吐出ノズルの個数の最大値のうち大きい方の数をL(Lは2以上でNより小さい整数)としたときに、同一種のインクを供給すべき、前記行方向における第M番目(Mは、1以上の整数)の間隙から第(M+L+1)番目の間隙まで、順に第1のパターンを前記一方方向にノズル1ピッチずつずらしていき、第(M+L+2)番目の間隙には、第1のパターンに復帰する処理を繰り返して、インクを塗布するようにしてもよい。
係る態様により、単位パターンの列方向長さが大きくなり、含まれるノズルの個数が、所定値以上となっても、早めに第1のパターンに復帰することができるので、画像表示領域の列方向端部付近で吐出ノズルのパターンが大きく乱れて輝度ムラが発生するのを抑制できると共に、行方向にL個以上連続してインクを吐出するノズルもしくは非吐出のノズルが現出することがないので、筋状の輝度ムラの発生が抑制される。
また、本開示の別の態様として、自発光表示パネルの画素形成領域における列方向の長さをWy、前記ノズルの列方向における1ピッチの長さをbとしたとき、Wy=(N×b)×h (hは、1以上の整数)の関係が成立する。
係る態様によれば、単位パターンを整数回繰り返して、第1のパターンを作成することができ、列方向における吐出ノズルのパターンのより均一化が図れる。
また、本開示の別の態様は、複数の画素が行列状に配されてなる自発光表示パネルにおける機能層を形成する機能層形成装置であって、前記基板上方であって、少なくとも複数の画素電極の行方向における間に列方向に延在する複数の列バンクのうち、行方向に隣接する列バンク間の間隙のそれぞれに、機能性材料を含むインクを塗布する塗布装置を備え、前記塗布装置は、複数のノズルが列設されたヘッドと、前記ヘッドを前記基板に対して前記行方向に相対的に移動させる移動部と、前記複数のノズルから一部のノズルを選択してインクを吐出させる吐出ノズル選択部と、を有し、前記吐出ノズル選択部は、同一種のインクを供給すべき複数の前記間隙のうち、第1の間隙においてインクを吐出するノズルの組み合わせを示す第1のパターンと、次に同種のインクが塗布される第2の間隔においてインクを吐出するノズルの組み合わせを示す第2のパターンが異なっており、前記第2のパターンが、前記第1のパターンを前記列方向の沿った一方方向にノズル1ピッチ分だけずらしたパターンとなるようにインクを吐出させるノズルを選択する。
係る構成により、発光層等を含む機能層に列方向の膜厚の変化が生じたとしても、筋状の輝度ムラとして認識しにくい自発光表示パネルを製造することができる。
≪実施の形態≫
1.表示装置の構成
(1)表示装置1の回路構成
以下では、自発光表示パネルの一例として有機EL表示パネルを使用した有機EL表示装置1(以後、「表示装置1」と称する)の回路構成について、図1を用い説明する。
図1に示すように、表示装置1は、有機EL表示パネル10(以後、「表示パネル10」と称する)と、これに接続された駆動制御回路部20とを有して構成されている。
表示パネル10は、有機材料の電界発光現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)パネルであって、複数の有機EL素子が、例えば、マトリクス状(行列状)に配列され構成されている。
駆動制御回路部20は、4つの駆動回路21〜24と制御回路25とにより構成されている。
(2)表示パネル10の回路構成
表示パネル10においては、複数の単位画素100eが行列状に配されて表示領域を構成している。各単位画素100eは、3個の有機EL素子、つまり、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色に発光する3個の副画素100seから構成される。各副画素100seの回路構成について、図2を用い説明する。
図2は、表示装置1に用いる表示パネル10の各副画素100seに対応する有機EL素子100における回路構成を示す回路図である。
図2に示すように、本実施の形態に係る表示パネル10では、各副画素100seが2つのトランジスタTr1、Tr2と一つのキャパシタC、及び発光部としての有機EL素子部ELとを有し構成されている。トランジスタTr1は、駆動トランジスタであり、トランジスタTr2は、スイッチングトランジスタである。
スイッチングトランジスタTr2のゲートG2は、走査ラインVscnに接続され、ソースS2 は、データラインVdatに接続されている。スイッチングトランジスタTr2 のドレインD2は、駆動トランジスタTr1のゲートG1に接続されている。
駆動トランジスタTr1のドレインD1は、電源ラインVaに接続されており、ソースS1 は、有機EL素子部ELの画素電極(アノード)に接続されている。有機EL素子部ELにおける共通電極(対向電極:カソード)は、接地ラインVcatに接続されている。
なお、キャパシタCの第1端は、スイッチングトランジスタTr2のドレインD2及び駆動トランジスタTr1のゲートG1と接続され、キャパシタCの第2端は、電源ラインVaと接続されている。
表示パネル10においては、隣接する複数の副画素100se(例えば、赤色(R)と緑色(G)と青色(B)の発光色の3つの副画素100se)を組み合せて1つの単位画素100eを構成し、各単位画素100eが分布するように配されて画素領域を構成している。そして、各副画素100seのゲートG2からゲートラインが各々引き出され、表示パネル10の外部から接続される走査ラインVscnに接続されている。同様に、各副画素100seのソースS2からソースラインが各々引き出され表示パネル10の外部から接続されるデータラインVdatに接続されている。
また、各副画素100seの電源ラインVa及び各副画素100seの接地ラインVcatは集約されて、表示装置1の電源ライン及び接地ラインに接続されている。
なお、各有機EL素子の駆動回路は、上記のものに限られず、他の構成でも構わない。
(3)表示パネル10の全体構成
(3−1)表示パネル10の概要
本実施の形態に係る表示パネル10について、図面を用いて説明する。なお、図面は模式図であって、その縮尺は実際とは異なる場合がある。
図3は、表示パネル10の模式平面図である。表示パネル10は、有機化合物の電界発光現象を利用した有機EL表示パネルであり、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が形成された基板100x(TFT基板)に、各々が画素を構成する複数の有機EL素子100が行列状に配され、上面より光を発するトップエミッション型の構成を有する。ここで、本明細書では、図3におけるX方向、Y方向、Z方向を、それぞれ表示パネル10における、行方向、Y方向、厚み方向とする。
図3に示すように、表示パネル10は、基板100x上をマトリックス状に区画してRGB各色の発光単位を規制する列バンク522Y(列隔壁)と行バンク122X(行絶縁層)とが配された区画領域10a(X、Y方向にそれぞれ10Xa、10Ya、区別を要しない場合は10aとする)と、区画領域10aの周囲に非区画領域10b(X、Y方向にそれぞれ10Xb、10Yb、区別を要しない場合は10bとする)とから構成されている。区画領域10aの列方向の外周縁は列バンク522Yの列方向の端部に相当する。非区画領域10bには、区画領域10aを取り囲む矩形状の封止部材(不図示)が形成されている。
(3−2)有機EL素子100の概要
図4は、図3におけるA0部の拡大平面図である。
表示パネル10の区画領域10aには、複数の有機EL素子100から構成される単位画素100eが行列状に配されている。各単位画素100eには、有機化合物により光を発する領域である、赤色に発光する100aR、緑色に発光する100aG、青色に発光する100aB(以後、100aR、100aG、100aBを区別しない場合は、「100a」と略称する)の3種類の自己発光領域100aが形成されている。すなわち、行方向に並んだ自己発光領域100aR、100aG、100aBのそれぞれに対応する3つの副画素100seが1組となりカラー表示における単位画素100eを構成している。
表示パネル10には、複数の画素電極119が基板100x上に行及び列方向にそれぞれ所定の距離だけ離れた状態で行列状に配されている。複数の画素電極119は、平面視において例えば、概矩形形状であり、画素電極119は光反射材料からなる。行方向に順に3つ並んだ画素電極119は、行方向に順に並んだ3つの自己発光領域100aR、100aG、100aBに対応する。
画素電極119とこれに隣接する画素電極119とは、互いに絶縁されている。隣接する画素電極119間には、絶縁層形式のライン状に延伸する絶縁層が設けられている。
1つの画素電極119と、これに行方向に隣接する画素電極119との間(1つの画素電極119の行方向の外縁119a3と、この画素電極119に行方向に隣接する画素電極119の行方向の外縁119a4との間)に位置する基板100x上の領域上方には、各条が列方向(図3のY方向)に延伸する列バンク522Yが複数列並設されている。そのため、自己発光領域100aの行方向外縁は、列バンク522Yの行方向外縁により規定される。
一方、1つの画素電極119と、これに列方向に隣接する画素電極119との間(1つの画素電極119の列方向の外縁119a2と、この画素電極119に列方向に隣接する画素電極119の列方向の外縁119a1との間)に位置する基板100x上の領域上方には、各条が行方向(図3のX方向)に延伸する行バンク122Xが複数行並設されている。行バンク122Xが形成される領域は、画素電極119上方の発光層123において有機電界発光が生じないために非自己発光領域100bとなる。そのため、自己発光領域100aの列方向における外縁は、行バンク122Xの列方向外縁により規定される。
隣り合う列バンク522Y間を間隙と定義したとき、間隙522zには、自己発光領域100aRに対応する赤色間隙522zR、自己発光領域100aGに対応する緑色間隙522zG、自己発光領域100aBに対応する青色間隙522zB(以後、間隙522zR、間隙522zG、間隙522zBを区別しない場合は、「間隙522z」と称する)が存在し、表示パネル10は、列バンク522Yと間隙522zとが交互に多数並んだ構成を採る。
表示パネル10では、複数の自己発光領域100aと非自己発光領域100bとが、間隙522zR、間隙522zG、間隙522zBに沿って列方向に交互に並んで配されている。非自己発光領域100bには、画素電極119とTFTのソースS1 とを接続する接続凹部(コンタクトホール、不図示)があり、画素電極119に対して電気接続するための画素電極119上のコンタクト領域が設けられている。
1つの副画素100seにおいて、列方向に設けられた列バンク522Yと行方向に設けられた行バンク122Xとは直交し、自己発光領域100aは、列方向において行バンク122Xと、この行バンク122Xに隣接する行バンク122Xの間に位置している。
図5は、列バンク522Yと行バンク122Xの形成状態を説明するため、上記表示パネル10の一部の斜視図である。同図に示すように、行バンク122Xの高さが列バンク522Yの高さよりも十分低い構造となっている(ラインバンク方式)。塗布装置のノズルから間隙522zG、522zBに吐出されたインクの液面が、行バンク122Xよりも高くなり、インクが列方向(Y方向)に流動して、インクの液面がレベリングされ、膜厚の列方向における変動が少なくなるようになっている。
2.塗布装置200
(1)塗布装置200の構成
図6(a)は、有機発光材料を含むインクを間隙522zに塗布するための塗布装置200の構成を示す側面図であり、図6(b)は、図6(a)をX方向から見た正面図である。
図6(a)に示すように、塗布装置200は、インクヘッド211を有するインク塗布部210と、貯留したインクをインクヘッド211に供給するインクタンク220と、列バンク522Yと行バンク122Xが形成され、発光層形成の前段階の基板(有機EL表示パネル10の中間製品。以下、「バンク形成後基板」と称する。)110をH方向に移動させる基板移動部230と、インクヘッド211におけるインク吐出動作や基板移動部230によるバンク形成後基板110の移動のタイミングおよび移動距離を制御する制御部250とからなる。
インク塗布部210は、水平に載置された台座231のY方向両端部に立設された一対の脚部212の上部にインクヘッド211を水平に横架してなる。インクヘッド211には、列方向(Y方向)に、インク滴を吐出するための複数のノズル2111が配され、それぞれピエゾ素子を駆動させて目標量のインク滴を吐出するように構成されている。
基板移動部230は、バンク形成後基板110を載置するテーブル234を備え、テーブル234は、台座231の上面に形成された2本のガイドレール232に案内されてX軸方向に移動可能なように台座231上に載置される。
台座231内部には、駆動源として、例えば、サーボモーター233が設けられており、ネジ送り機構やワイヤ駆動機構などの公知の駆動機構を介して、テーブル234が、ガイドレール232に沿ってX軸方向に移動するように構成される。
制御部250により、インク塗布部210によるインクのノズル2111からの吐出動作を制御すると共に、サーボモーター233を駆動制御して、バンク形成後基板110を所定量ずつ移動してインクを塗布する。
なお、本実施の形態では、インクヘッド211を固定し、バンク形成後基板110をX方向に移動させるようにしたが、バンク形成後基板110を移動させずに、インクヘッド211をX方向に移動させるように構成しても構わない。要するに、インクヘッド211がバンク形成後基板110に対してX方向に相対的に移動できるように構成されていればよい。
(2)塗布動作
図7は、基板100x上の行方向(X方向)に隣接する列バンク522Y間の間隙522zに、塗布装置200のインクヘッド211に配された全部のノズル2111を使用して発光材料を含むインクを吐出して塗布する様子を示す模式図である。
基板100xに対して赤色発光層、緑色発光層、青色発光層の何れか1つの色の発光層を形成するためのインクの塗布が終わると、次に、その基板に2色目の色のインクを塗布し、次にその基板に3色目のインクを塗布する工程が繰り返し行われ、RGBの3色の発光色用のインクをその色に対応する間隙522zR、522zG、522zBに順次塗布する(なお、以下、特に、発光色を区別しないときは、単に「間隙522z」という。)。
これにより、基板100x上には、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層が、図の紙面横方向(X方向)に繰り返して並んで形成される。
基板100xは、列バンク522YがY方向に沿った状態で、塗布装置200のテーブル234上に載置され、Y方向に沿って複数のノズル2111がライン状に配置されたインクヘッド211をX方向に基板100xに対し相対的に移動しながら、各ノズル2111から列バンク522Y同士の間隙522z内に設定された着弾目標を狙ってインクを着弾させることによって行う。
基本的に、図7のようにインクヘッド211のノズル2111を全て使用して、各間隙522zへのインクの塗布が行われていたが、しかし、前述のように、最近では、表示パネル10のさらなる高精細化が求められており、そのため各間隙の幅が狭くなって、一つの間隙に供給するインク量が少なくなってきている。さらに光共振器構造をとると、特に波長の短い青色を発光する画素について機能層ないしは発光層の膜厚を薄くする必要があるため、ますます間隙522zに供給するインク量が少なくなる傾向にある。
その一方で各ノズル2111から滴下するインク量を少なくすることにも限界があるため、複数のノズル2111のうち吐出に使用するノズルの数を選択して、間隙522zに供給するインク量を調整する必要が生じる。
そこで、一つの間隙522zGについて、インクを吐出するノズルの組み合わせ(列方向ノズルパターン)を決定し、同じ列方向ノズルパターンを、各間隙で繰り返して、インクを供給することが考えられる。 しかし、上述したように、ラインバンク方式の構成を採用していても、インクを吐出しないノズルがあれば、他の要因と相俟って、間隙522zG内の列方向に膜厚の変動が生じ、これが行方向に連続することにより筋状の輝度ムラの原因となる。
各色において、間隙522zにおいて使用するノズルの数を一定にしながら吐出ノズルと非吐出ノズルが行方向に所定回数以上連続して現出しないように、あらかじめ、有機EL表示パネルのパネルの表示領域全体についての吐出ノズルの組み合わせを設計して、後述する塗布装置のパターンメモリに記憶させ、当該記憶内容にしたがって、ノズルを駆動して塗布処理を実行するよにしてもよいが、当該パターンメモリの設計の負担が大きい上、容量の大きなメモリが必要となり、制御系に対する負荷も大きい。
そこで、本実施形態では、次のような方法でノズルパターンを決定しつつ、間隙522zごとに吐出するノズルパターンを周期的に変化させて、同一発光色の間隙522zで、吐出(もしくは非吐出)するノズルが行方向に所定回数(本実施の形態では7回)以上重ならないように制御している。
同じノズルの行方向における連続吐出または連続不吐出は、最大でも6連続以内であることが望ましい。それを超えると行方向における筋ムラとして、ユーザーに視認されるおそれが生じるからである。
(3)パターン形成処理
図8(a)は、本開示の一態様に係る列方向における吐出ノズルの組み合わせ(列方向ノズルパターン)を決定するための最小単位のノズルパターン(以下、「単位パターン」という。)P1の例を示す。本例では、単位パターンP1は、5個のノズルからなり、「●」は吐出ノズル、「○」は非吐出ノズルを示している。ノズルは、列方向にピッチb(例えば、20μm)で形成されており、上下両端部にb/2だけ幅をとるようにしているので、単位パターンP1の列方向長さaは5×b(=100μm)となる。
このような単位パターンP1は、パネルの画像領域の列方向の長さや幅、形成すべき発光層の膜厚、インク濃度などにより、間隙522zに供給すべきインク量を求めて決定される。詳しくは後述する。
図8(b)は、上記単位パターンP1に基づいて同一発光色、例えば、赤色(R)の発光層のインクをRの発光層用の間隙522zR(図7参照。なお、平面視において、この各間隙522zは、列方向に伸びる細長い開口ともみなすことができるので、以下では、「列開口」と呼ぶ場合もある。)に塗布する場合におけるパネル全体の塗布パターンのイメージを示す模式図である。ここでは、Rの発光層のみの塗布パターンのみを示しているため、他の緑色(G)、青色(B)の発光層が形成される列開口は図示を省略している(後述の図20(b)においても同様)。
まず、単位パターンP1を左端の開口部の最上部からノズル方向(列方向)に複数回繰り返して基準となる列方向のノズルパターン(以下、「列方向基準パターン」(第1のパターン)という。)を形成し、スキャン方向(図8(b)では右方向)における次のRの列開口では、上記列方向基準パターンをノズル方向にノズルの1ピッチbだけノズル方向(列方向)下方にずらして、2番目の列方向ノズルパターンとする。以下、スキャン方向に隣接するRの列開口に移動するたびに前列のRの列開口における列方向ノズルパターンをノズル方向下方に1ピッチbずらして当該列開口における列方向ノズルパターンを形成する。
このような列方向ノズルパターンのずらし処理を5列分(すなわち、単位パターンP1に含まれるノズル個数分)実行した後、次のRの列開口における列方向ノズルパターンは、1列目の列方向基準パターンに復帰し、以降、Rの列開口の5列分ごとに上記パターンずらし処理を繰り返す(このような5列ごとにの列方向基準パターンに復帰させて、また1ピッチずつ列方向にずらす処理を、以下「パターンずらし周期が5」であるという。)。
したがって、単位パターンP1のノズル個数を、一般的にN個(Nは2以上の整数)とすれば、上記パターンずらし周期は「N」となる。
このように列方向基準パターンをノズル1ピッチずつずらして、各列の列方向ノズルパターンを形成し、かつ、パターンずらし周期を単位パターンP1のノズル個数と一致させているので、行方向にも単位パターンと同じ吐出ノズルの組み合わせが繰り返して現出する(例えば、図8(b)の例では、左から1列目、2列目、・・・・の列方向ノズルパターンと、5行目、6行目、・・・の行方向ノズルパターンが同じになる)。そのため、吐出ノズルと非吐出ノズルの現出する頻度が、列方向と行方向と同じ程度になる。もともと、単位パターンは、求められたN個のノズルの中でできるだけ吐出ノズルと非吐出ノズルの現出頻度が均等になるように決定されているので、これにより、膜厚の変動のパターンが行方向に重なる度合いが低くなり、同一発光色の行方向における筋状の輝度ムラの発生を抑えることができる。
なお、図8(b)では、列方向ノズルパターンがスキャン方向に移動するに連れて1ピッチずつずれるのを分かりやすくするため、上端から4行目まで、「●」および「○」を記していない部分があるが(図8(b)の3角の破線Sで囲んだ部分)、この部分のノズルパターンは、全て「●」もしくは「○」でも、あるいは、単位パターンを列方向に繰り返した場合に破線S内に現われるべき単位パターンの一部分であっても構わない。もともと、パネルの端部分から数行は、ダミー電極となっており、画像表示領域ではなく、発光に寄与しないので筋状の輝度ムラの発生が問題とはならないからである。
ただし、ダミー電極の形成される領域において、塗布されたインク量に対する列バンクの保持マージン(隣接する一対の列バンクで塗布されたインクを保持できる量)が小さい場合には、列方向単位長さあたりの塗布インク量は、少なくとも上記単位パターンの一部に基づき供給されるインク量以下となるように吐出ノズルが設定されるのが望ましい。
この場合に、図8(b)の破線Sで囲んだ領域を全て「○」(非吐出)ノズルとすれば、インクが隣接する間隙に流れ込んで混色が生じるおそれもなく、かつ、インクの消費量の節約にも資する。
なお、1列毎の列方向ノズルパターンのずらし量は、1ピッチではなく、(k×N+1)ピッチであっても(kは1以上の整数)、列方向と同じノズルパターンを行方向にも繰り返して現出させることが可能であるが、その場合には図8(b)で言えば、領域Sの列方向の長さが大きくなり、ダミー電極を形成する領域を広げる必要がある。
しかし、最近では、できるだけパネルの画像表示領域の周囲の領域(いわゆる額縁領域)を狭くする傾向にあり、そのためにもダミー電極の形成幅も狭くする必要があるので、列毎のずらし量は1ピッチであるのが望ましい。
なお、1列毎に2以上N以下のピッチのずらし量では、単位パターンの内容によっては、行方向に多数連続して「●」もしくは「○」が現出するおそれがあるので望ましくない(簡易な例で言えば、Nが2個であって「○●」の単位パターンであるとき、ずらし量が2ピッチの場合には、行方向に「○」および「●」が連続して出現し、筋状の輝度ムラが発生する。)。
したがって、列方向ノズルパターンのずらし量を「1ピッチ」にすることにより、ダミー電極を設ける領域も小さくできるし、行方向に連続して「○」または「●」が連続して出現する回数を単位パターンで連続して現出する回数を超えることがないようにでき、行方向における筋状の輝度ムラの発生を効率的に抑制することができると言える。
また、上記パターン決定方法によれば、塗布装置の制御部では、単位パターンのデータさえ記憶しておけば、パネル全体のノズルパターンを決定できるので、制御系の負荷、特にノズルパターンのデータの保存に必要なメモリ容量を大幅に低減できるという利点もある。
(3)制御部250の構成
図9は、上記塗布装置200における制御部250の構成を示すブロック図である。
同図に示すように制御部250は、CPU(Central Processing Unit)251、RAM(Random Access Memory)252、ROM(Read Only Memory)253、パターンメモリ254などからなる。
CPU251は、操作パネル240から操作者の指示を受付けると、パターンメモリ254から単位パターンP1のデータ(例えば、吐出を「1」、不吐出「0」とし、N個のノズルについて、一番上のノズルからの順番を示す情報に、吐出(1)、不吐出(0)の情報を関連付けたデータ)を読み出すと共に、ROM253から塗布制御のプログラムを読み出して、RAM252を作業用記憶領域として当該プログラムを実行し、インク塗布部210における吐出に用いるノズルの選択や基板移動部230によるバンク形成後基板110の移動の制御などを行う。なお、パターンメモリ254は不揮発性メモリであることが望ましい。
<単位パターンP1の決定>
まず、単位パターンP1の決定方法について説明する。
図10(a)は、塗布対象となる表示パネルのサイズを示す平面図である。なお、本例では、表示パネルの大きさは、その画素形成領域(ダミー画素を含む)の大きさと等価であるとする。
図10(a)に示すように、表示パネルは、その列方向(Y方向)の長さがWyであり、行方向(X方向)の長さがWxである。Wy、Wxなどの単位は、特に付記しない限り[mm]とし、単位の表記は省略する。
図10(b)は、制御部250において係るサイズの表示パネルについて、単位パターンP1を決定する手順を説明するためのフローチャートである。
当該フローチャートにおいて、まず、塗布対象となる表示パネル(画素形成領域)の大きさ(Wy、Wx)を取得する(ステップS11)。これは、例えば、予め作業者等が、Wy、Wxの値を操作パネル240から入力して、パターンメモリに格納しておき、当該パターンメモリから読み出すことにより取得することができる。
次に、表示パネルの列方向長さWyが割り切れる単位パターン長さaを取得する(ステップS12)。上述のように単位パターンを列方向に繰り返して列方向基準パターンを得るので、Wyがaの整数倍であるのが望ましいからである。ここで、単位パターン長さaは、単位パターンに含まれるノズル数をN個(Nは2以上の整数とする。)、ノズルの列方向のピッチをbとすれば(図8(a))、a=N×bと示されるので、上記のような列方向長さWxが割り切れる単位パターン長さaを取得することにより、そのような条件を満たす単位パターンにおけるノズル個数Nを取得するができる。
そして、目標の発光層の膜厚を得るため、上記Nのうち何個のノズルを駆動してインク滴を吐出すればよいかを計算し、駆動するノズルの数Mを求める(Mは1以上N以下の整数)(ステップS13)。
なお、ステップS12で「表示パネルの列方向長さWyが割り切れる単位パターン長さa」として複数の解が得られる可能性が十分あるが、この場合には、一番小さな値から採用し、ステップS13において適切なMの値が見いだせない場合には、次に大きな単位パターン長さaに対して、ステップS13の処理を行う。以下、適切なMが見つかるまで、この処理を繰り返す。
また、反対に、「表示パネルの列方向長さWyが割り切れる単位パターン長さa」の解が得られなかった場合には、Wyをaで除した値ができるだけ整数値に近いものを単位パターンの候補として挙げて、それぞれについてステップS13の処理を実行して適切なMが発見できたaのうち一番小さなものを、単位パターン長さとして特定すればよい。
そして、N個のノズルのうち、駆動するM個のノズルを特定して単位パターンを作成し(ステップS14)、この情報をパターンメモリ内に格納する。ここでは、N個のノズルのうちM個の駆動ノズルができるだけ均一に分散するようにして決定される。
例えば、(N−M)の値が、N/2未満であれば(すなわち、「●」の数が「○」の数よりも多ければ)、取り敢えず、「●」と「○」を一つずつ交互に配置し、残った「●」を、上から順に上記「●」と「○」の間に1個ずつ挿入して、「●」の数がM個になった時点でのパターンを単位パターンとするなど、既存の均等配置のプログラムを利用して決定すればよい。あるいは、ROM253やパターンメモリに、予め想定されるNとMの組み合わせ毎に駆動ノズルが可及的に均等配置された単位パターンのサンプルを登録しておき、そこから読み出すようにすることも可能である。
なお、単位パターンのデータは必ずしも制御部250で決定しなくても、作業員などが、予め図10(b)の手順により決定して、操作パネル240を介して、パターンメモリに格納するようにしても構わない。
<塗布処理のフローチャート>
図11は、制御部250で実行される緑色(G)の発光層の塗布処理の制御手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS101で、この変数nを「1」に設定し、パターンメモリ254から単位パターンP1のデータを読み出して、これを列方向に所定回数(具体的には、Wy/a回)繰り返して、列方向基準パターンP2のデータを作成し、パターンメモリ254に保存する(ステップS102)。
次に、変数mを「0」に設定する(ステップS103)。ここで、変数nは、図10(a)の表示パネルの左端からカウントした、Gの発光層用インクを供給すべき列開口の列番号を示し、変数mは、列方向基準パターンを図10(a)の下方にずらすノズルのピッチ数を意味する。
そして、列方向基準パターンP2を列方向にmピッチ分だけ移動させて、吐出ノズル「●」に該当するノズルを駆動し、Gのn番目の列開口にインクを塗布する(ステップS104)。この段階では、まだ、n=1、m=0なので、列方向基準パターンP2をずらさずに、Gの1番目の列開口にインクを塗布することになる。
次に、全てのGの列開口にインクを塗布したか否かを判断し(ステップS105)、そうでなければ(ステップS105:NO)、基板移動部230によりバンク形成後基板110を副走査方向(図6(a)のH方向)に間隙3列分だけ移動して(ステップS106)、インクヘッドが次のGの列開口の真上にくるようにし、インクヘッドをnの値を1だけインクリメントする(ステップS107)。
次に、インクリメントされたnの値が、単位パターンP1のノズル数Nのk倍(kは1以上の整数)であるか否かを判定し(ステップS108)、そうでなければ(ステップS108:NO)、ステップS109で、mの値を1だけインクリメントしてステップS104に戻り、列方向基準パターンP2を列方向にmピッチ分だけ移動させて、吐出ノズル「●」に該当するノズルを駆動し、Gのn番目の列開口にインクを塗布する。
もし、ステップS108で、「n=kN」であれば(ステップS108:YES)、次に、ステップS103に戻ってmを「0」にリセットする。これにより列方向基準パターンP2を基準位置に戻り、その次の列開口から1ピッチずつ列方向基準パターンP2をずらしながら、インクをGの列開口に順次塗布していき、nがNの倍数になるとmを「0」にリセットする。これにより前述のパターンずらし周期をNとすることができる。
このような塗布処理を繰り返して、Gのインクを塗布すべき列開口に順次塗布していき、ステップS105で全てのGの列開口にインクを塗布したと判断された場合には(ステップS105:YES)、Gの発光層塗布処理を終了する。
そして、残りの色について上記発光層塗布処理を繰り返し実行する。この場合、インクタンク220に他の色の発光材料を含むインクを充填した他の塗布装置200を使用してもよいし、緑の発光層塗布処理に使用した塗布装置200のインクタンクを、他の色のインクを充填したインクタンクに交換して使用するようにしても構わない。
なお、作製する表示パネルの有機EL素子が光共振器構造を採用する場合には、通常各色の発光層の膜厚を異ならせる場合が多いので、各色毎に単位パターンが異なる。
図12は、上記塗布方法により各色の発光層を形成して、発光させたときの表示パネル10の表示画像を示す写真である(X、Y方向とも、図22(a)と同様、基板100x上の150副画素の領域)。このように、本実施の形態によれば、図22(a)の従来例に比して、ノズル走査方向に平行な筋状の輝度ムラがほとんど目立たなくなっているのが分かる。
なお、上記の工程が実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記工程の一部が、他の工程と同時(並列)に実行されてもよい。
3.表示パネル10の構成
図13は、図4における表示パネル10をA2−A2で切断した模式的な部分断面図である。
本実施の形態に係る表示パネル10は、Z軸方向下方に薄膜トランジスタが形成された基板(TFT基板)上に、複数の有機EL素子が配されてなる。
(1)基板100x
基板100xは表示パネル10の支持部材であり、基材(不図示)と、基材上に形成された薄膜トランジスタ層(TFT層:不図示)とを有する。
基材は、表示パネル10の支持部材であり、平板状である。基材の材料としては、電気絶縁性を有する材料、例えば、ガラス材料、樹脂材料、半導体材料、絶縁層をコーティングした金属材料などを用いることができる。
TFT層は、基材上面に形成された複数のTFT及び配線(TFTのソースS1と、対応する画素電極119を接続する)を含む複数の配線からなる。TFTは、表示パネル10の外部回路からの駆動信号に応じ、対応する画素電極119と外部電源とを電気的に接続するものであり、電極、半導体層、絶縁層などの多層構造からなる。
(2)平坦化層118
基板100xの上面には平坦化層118が設けられている。基板100xの上面に位置する平坦化層118は、TFT層によって凹凸が存在する基板100xの上面を平坦化するものである。また、平坦化層118は、配線及びTFTの間を埋め、配線及びTFTの間を電気的に絶縁している。
平坦化層118には、画素電極119と対応する画素のソースS1に接続される配線とを接続するために、当該配線の上方の一部にコンタクトホール(不図示)が開設されている。
(3)画素電極119
基板100xの上面に位置する平坦化層118上には、副画素100se単位で画素電極119が設けられている(図4参照)。
画素電極119は、発光層123へキャリアを供給するためのものであり、例えば陽極として機能した場合は、発光層123へホールを供給する。また、表示パネル10がトップエミッション型であるため、画素電極119は光反射性を有する。画素電極119の形状は、例えば、概矩形形状をした平板状である。平坦化層118のコンタクトホール(不図示)上には、画素電極119の一部を基板100x方向に凹入された画素電極119の接続凹部(コンタクトホール;不図示)が形成されており、接続凹部の底で画素電極119と対応する画素のソースS1に接続される配線とが接続される。
(4)ホール注入層120
画素電極119上には、図13に示すように、ホール注入層120が積層されている。ホール注入層120は、画素電極119から注入されたホールをホール輸送層121へ輸送する機能を有する。
ホール注入層120は、基板100x側から順に、画素電極119上に形成された金属酸化物からなるホール注入層120Aと、後述する間隙522zR、間隙522zG、間隙522zB内のホール注入層120A上それぞれに積層された有機物からなるホール注入層120Bとを含む。
本実施の形態では、後述する間隙522zR、間隙522zG、間隙522zB内では、ホール注入層120Bは列方向に延伸するように線状に設けられている構成を採る。しかしながら、ホール注入層120Bは、画素電極119上に形成されたホール注入層120A上にのみ形成され、間隙522z内では列方向に断続して設けられている構成としてもよい。
(5)バンク122
図13に示すように、画素電極119、ホール注入層120のXY方向端縁を被覆するように絶縁物からなるバンクが形成されている。バンクには、列方向に延伸して行方向に複数並設されている列バンク522Yと、行方向に延伸して列方向に複数並設されている行バンク122Xとがある。図4に示すように、列バンク522Yは、行バンク122Xと直交する行方向に沿った状態で設けられており、列バンク522Yと行バンク122Xとで格子状をなしている(以後、行バンク122X、列バンク522Yを区別しない場合は「バンク122」と称する)。
行バンク122Xの形状は、行方向に延伸する線状であり、列方向に平行に切った断面は、上方を先細りとする順テーパー台形状である。行バンク122Xは、各列バンク522Yを貫通するようにして、列方向と直交する行方向に沿った状態で設けられており、各々が列バンク522Yの上面522Ybよりも低い位置に上面を有する。
行バンク122Xは、画素電極119の列方向(Y方向)における外縁の上方に存在することにより、共通電極125との間の電気的リークを防止する。行バンク122Xは、その列方向の基部により列方向における各副画素100seの自己発光領域100aの外縁を規定する。
列バンク522Yの形状は、列方向に延伸する線状であり、行方向に平行に切った断面は、上方を先細りとする順テーパー台形状である。列バンク522Yは、発光層123の材料となる有機化合物を含んだインクの行方向への流動を堰き止めて発光層123の行方向外縁を規定するものである。
列バンク522Yは、画素電極119の行方向における外縁上方に存在することにより、共通電極125との間の電気的リークを防止する。列バンク522Yは、その行方向の基部において、行方向における各副画素100seの自己発光領域100aの外縁を規定する。
列バンク522Yは、インクに対する撥液性が所定の値以上であることが必要である。
(6)ホール輸送層121
図13に示すように、間隙522zR、522zG、522zB内におけるホール注入層120上には、ホール輸送層121が積層される。また、行バンク122Xにおけるホール注入層120上にも、ホール輸送層121が積層される(不図示)。ホール輸送層121は、ホール注入層120Bに接触している。ホール輸送層121は、ホール注入層120から注入されたホールを発光層123へ輸送する機能を有する。
本実施の形態では、後述する間隙522z内では、ホール輸送層121は、ホール注入層120Bと同様、列方向に延伸するように線状に設けられている構成を採る。
(7)発光層123
図13に示すように、ホール輸送層121上には、発光層123が積層されている。発光層123は、有機化合物からなる層であり、内部でホールと電子が再結合することで光を発する機能を有する。列バンク522Yにより規定された間隙522zR、間隙522zG、間隙522zB内では、発光層123は、列方向に延伸するように線状に設けられている。
赤色副画素100seR内の自己発光領域100aRに対応する赤色間隙522zR(図4参照)、緑色副画素100seG内の自己発光領域100aGに対応する緑色間隙522zG、青色副画素100seB内の自己発光領域100aBに対応する青色間隙522zBには、それぞれ各色に発光する発光層123R、123G、123Bが形成されている。
発光層123は、画素電極119からキャリアが供給される部分のみが発光するので、層間に絶縁物である行バンク122Xが存在する範囲では、有機化合物の電界発光現象が生じない。そのため、発光層123は、行バンク122Xがない部分のみが発光して、この部分が自己発光領域100aとなり、自己発光領域100aの列方向における外縁は、行バンク122Xの列方向外縁により規定される。
(8)電子輸送層124
図4、図13に示すように、列バンク522Y及び列バンク522Yにより規定された間隙522zを被覆するように電子輸送層124が積層して形成されている。電子輸送層124については、表示パネル10の少なくとも表示領域全体に連続した状態で形成されている。
電子輸送層124は、基板100x側から順に金属酸化物又はフッ化物等からなる電子輸送層124Aと、電子輸送層124A上に積層された有機物を主成分とする電子輸送層124Bとを含む(以後において、電子輸送層124A、124Bを総称する場合は「電子輸送層124」と表記する)。
電子輸送層124は、図13に示すように、発光層123上に形成されている。電子輸送層124は、共通電極125からの電子を発光層123へ輸送するとともに、発光層123への電子の注入を制限する機能を有する。
(9)共通電極125(対向電極)
図13に示すように、電子輸送層124上に、共通電極125が形成されている。共通電極125は、各発光層123に共通の電極となっている。共通電極125は、基板100x側から順に金属酸化物からなる共通電極125Aと、共通電極125A上に積層された金属を主成分とする共通電極125Bとを含む(以後において、共通電極125A、125Bを総称する場合は「共通電極125」と表記する)。
共通電極125は、図13に示すように、電子輸送層124上の画素電極119上方の領域にも形成される。共通電極125は、画素電極119と対になって発光層123を挟むことで通電経路を作り、発光層123へキャリアを供給するものであり、例えば陰極として機能した場合は、発光層123へ電子を供給する。
(10)封止層126
共通電極125を被覆するように、封止層126が積層形成されている。封止層126は、発光層123が水分や空気などに触れて劣化することを抑制するためのものである。封止層126は、共通電極125の上面を覆うように設けられている。
(11)接合層127
封止層126のZ軸方向上方には、上部基板130のZ軸方向下側の主面にカラーフィルタ層128が形成されたカラーフィルタ基板131が配されており、接合層127により接合されている。接合層127は、基板100xから封止層126までの各層からなる背面パネルとカラーフィルタ基板131とを貼り合わせるとともに、各層が水分や空気に晒されることを防止する機能を有する。
(12)カラーフィルタ(CF)基板131
接合層127の上に、上部基板130にカラーフィルタ層128が形成されたカラーフィルタ基板131が設置・接合されている。上部基板130には、表示パネル10がトップエミッション型であるため、例えば、カバーガラス、透明樹脂フィルムなどの光透過性材料が用いられる。また、上部基板130により、表示パネル10の剛性向上、水分や空気などの侵入防止などを図ることができる。
上部基板130には、画素の各色自己発光領域100aに対応する位置にカラーフィルタ層128が形成されている。カラーフィルタ層128は、R、G、Bに対応する波長の可視光を透過させるために設けられる透明層であり、各色画素から出射された光を透過させて、その色度を矯正する機能を有する。例えば、本例では、赤色間隙522zR内の自己発光領域100aR、緑色間隙522zG内の自己発光領域100aG、青色間隙522zB内の自己発光領域100aBの上方に、赤色、緑色、青色のフィルタ層128R、128G、128Bが各々形成されている。
上部基板130には、各画素の自己発光領域100a間の境界に対応する位置に遮光層129が形成されている。遮光層129は、R、G、Bに対応する波長の可視光を透過させないために設けられる黒色樹脂層であって、例えば光吸収性及び遮光性に優れる黒色顔料を含む樹脂材料からなる。
4.表示パネル10の製造方法
表示パネル10の製造方法について、図14の製造工程を示すフローチャート、および図15〜図19の表示パネル10の各製造工程における状態を示す模式断面図に基づき説明する。
(1)基板準備工程(図14:ステップS1)
複数のTFTや配線が形成された基板100xを準備する。基板100xは、公知のTFTの製造方法により製造することができる(図15(a))。
(2)平坦化層形成工程(図14:ステップS2)
基板100xを被覆するように、上述の平坦化層118の構成材料(感光性の樹脂材料)をフォトレジストとして塗布し、表面を平坦化することにより平坦化層118を形成する(図15(b))。
(3)画素電極・ホール注入層形成工程(図14:ステップS3)
スパッタリング法、真空蒸着法などの気相成長法を用い金属膜を積層して形成した後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いパターニングすることでなされる。
具体的には、先ず、平坦化層118の表面にドライエッチング処理を行い製膜前洗浄を行う。次に、画素電極119を形成するための第2金属層119xを気相成長法により平坦化層118の表面に製膜する(図15(c))。本例では、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金からなる膜をスパッタリング法により製膜する。
さらに、第2金属層119xの表面に製膜前洗浄を行った後、ホール注入層120Aを形成するための第3金属層120Axを気相成長法により第2金属層119xの表面に製膜する(図15(c))。本例では、タングステンをスパッタリング法により製膜する。
その後、感光性樹脂等からなるフォトレジスト層FRを塗布したのち、所定の開口部が施されたフォトマスクPMを載置し、その上から紫外線照射を行いフォトレジストを露光し、そのフォトレジストにフォトマスクPMが有するパターンを転写する(図15(d))。次に、フォトレジスト層FRを現像によってパターニングする。
その後、パターニングされたフォトレジスト層FRを介して、第3金属層120Ax、第2金属層119Xにエッチング処理を施してパターニングを行い、ホール注入層120A、画素電極119を形成する。
最後に、フォトレジスト層FRを剥離して、同一形状にパターニングされた画素電極119及びホール注入層120Aの積層体を形成する(図16(a))。
(4)バンク形成工程(図14:ステップS4)
ホール注入層120のホール注入層120Aを形成した後、ホール注入層120Aの縁を覆うようにバンクを形成する。バンクの形成では、先ず行バンク122Xを形成し、その後、間隙522zを形成するように列バンク522Yを形成する(図16(b))。
行バンク122xの形成は、先ず、ホール注入層120A上に、スピンコート法などを用い、バンク122Xの構成材料(例えば、感光性樹脂材料)からなる膜を積層形成する。そして、樹脂膜をパターニングして行バンク122Xを形成する。
行バンク122xのパターニングは、樹脂膜の上方にフォトマスクを利用し露光を行い、現像工程、焼成工程(約230℃、約60分)をすることによりなされる。
次に、列バンク522Yの形成工程では、ホール注入層120A上及び行バンク122X上に、スピンコート法などを用い、列バンク522Yの構成材料(例えば、感光性樹脂材料)からなる膜を積層形成する。そして、間隙522zの形成は、樹脂膜の上方にマスクを配して露光し、その後で現像することにより、樹脂膜をパターニングして間隙522zを開設して列バンク522Yを形成する。
具体的には、列バンク522Yの形成工程では、先ず、有機系の感光性樹脂材料、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等からなる感光性樹脂膜を形成した後、乾燥し、溶媒をある程度揮発させてから、所定の開口部が施されたフォトマスクを重ね、その上から紫外線照射を行い感光性樹脂等からなるフォトレジストを露光し、そのフォトレジストにフォトマスクが有するパターンを転写する。
次に、感光性樹脂を現像によって列バンク522Yをパターニングした絶縁層を、焼成(約230℃、約60分)することにより形成する。一般にはポジ型と呼ばれるフォトレジストが使用される。ポジ型は露光された部分が現像によって除去される。露光されないマスクパターンの部分は、現像されずに残存する。
ここで、ホール注入層120Aは、上述のとおり、スパッタリング法あるいは真空蒸着法などの気相成長法を用い金属(例えば、タングステン)からなる膜を形成した後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法を用い各画素単位にパターニングされるが、行バンク122X、列バンク522Yに対する焼成工程において、金属が酸化されホール注入層120Aとして完成する。
列バンク522Yは、列方向に延設され、行方向に間隙522zを介して並設される。
(5)有機機能層形成工程(図14:ステップS5)
列バンク522Yにより規定される間隙522z内に形成されたホール注入層120のホール注入層120A上に対して、ホール注入層120のホール注入層120B、ホール輸送層121、発光層123などの有機機能層を順に積層形成する。
ホール注入層120Bは、インクジェット法を用い、インクヘッド211のノズル2111からPEDOT(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物)などの導電性ポリマー材料を含むインクを列バンク522Yにより規定される間隙522z内に塗布した後、溶媒を揮発除去させる、あるいは、焼成することにより形成される(図16(c))。その後、フォトリソグラフィー法およびエッチング法を用い各画素単位にパターニングしてもよい。
ホール輸送層121は、インクジェット法やグラビア印刷法によるウェットプロセスを用い、構成材料を含むインクを列バンク522Yにより規定される間隙522z内に塗布した後、溶媒を揮発除去させる、あるいは、焼成することによりなされる。ホール輸送層121のインクを間隙522z内に塗布する方法は、上述したホール注入層120Bにおける方法と同じである。
発光層123の形成は、インクジェット法を用い、構成材料を含むインクを列バンク522Yにより規定される間隙522z内に塗布した後、焼成することによりなされる(図17(a))。具体的には、この工程では、副画素形成領域となる間隙522zに、インクジェット法によりR、G、Bいずれかの有機発光層の材料を含むインクをそれぞれ塗布し、塗布したインクを減圧下で乾燥させ、ベーク処理することによって、発光層123R、123G、123Bを形成する。
このとき、発光層123のインクの塗布では、塗布装置200を用いて、上述の方法でインクを塗布することにより、筋状の輝度ムラが発生しにくい。
なお、発光層123以外の、ホール注入層120のホール注入層120B、ホール輸送層121などの有機機能層のいずれかについても、塗布装置200を使用して発光層123の形成と同様な方法により形成するようにしてもよい。これにより、間隙522z内で列方向にそれらの機能層の膜厚の変動が生じたとしても、それが行方向に連続しないようにできるので、行方向における筋状の輝度ムラをより一層生じにくくすることができる。
(6)電子輸送層形成工程(図14:ステップS6)
発光層123を形成した後、表示パネル10の発光エリア(表示領域)全面にわたって、真空蒸着法などにより電子輸送層124を形成する(図17(b))。
真空蒸着法を用いる理由は、有機膜である発光層123に損傷を与えないためと、高真空化で行う真空蒸着法は成膜対象の分子が基板に向かって垂直方向に直進的に成膜されるため、膜厚を均一に形成しやすいからである。
電子輸送層124は、電子輸送層124Aと124Bの2層構造であり、電子輸送層124Aは、発光層123の上に、金属酸化物又はフッ化物を真空蒸着法などにより、例えば、1nm以上10nm以下の膜厚で成膜する。電子輸送層124Aの上に、有機材料と金属材料との共蒸着法により、電子輸送層124Bを、例えば10nm以上、50nm以下の膜厚で成膜する。
なお、電子輸送層124A、124Bの膜厚は、一例であり、上記数値に限られるものではなく、光学的な光取り出しとして最も有利となる適切な膜厚とする。
(7)共通電極形成工程(図14:ステップS7)
電子輸送層124を形成した後、電子輸送層124を被覆するように、共通電極125を形成する。共通電極125は、基板100x側から順に金属酸化物からなる共通電極125Aと、共通電極125A上に積層された金属を主成分とする共通電極125Bとを含む(図17(c))。
このうち、先ず、共通電極125Aは、電子輸送層124を被覆するように、スパッタリング法などにより形成する。本例では、共通電極125Aはスパッタリング法を用いてITO又はIZOなどの透明導電層を形成する構成としている。
次に、共通電極125Bは、共通電極125A上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法、又は真空蒸着法により形成する。本例では、共通電極125Bを真空蒸着法により銀を堆積することにより形成する構成としている。
(8)封止層形成工程(図14:ステップS8)
共通電極125を形成した後、共通電極125を被覆するように、封止層126を形成する(図17(d))。封止層126は、CVD法、スパッタリング法などを用い形成される。
(9)カラーフィルタ基板の貼着工程(図14:ステップS9)
次に、カラーフィルタ基板131を形成して、封止層126上に貼着する。
透明な上部基板130を準備し、紫外線硬化樹脂(例えば紫外線硬化アクリル樹脂)材料を主成分とし、これに黒色顔料を添加してなる遮光層129の材料を透明な上部基板130の一方の面に塗布して遮光材料層1290を形成する(図18(a))。
塗布した遮光材料層1290の上面に所定の開口部が施されたパターンマスクPM1を重ね、その上から紫外線照射を行う(図18(b))。
その後、パターンマスクPM1及び未硬化の遮光材料層1290を除去して現像し、キュアすると、例えば、概矩形状の断面形状の遮光層129が完成する(図18(c))。
次に、遮光層129を形成した上部基板130表面に、紫外線硬化樹脂成分を主成分とするカラーフィルタ層128(例えば、G)の材料を含むペースト1280Gを塗布し(図18(d))、所定のパターンマスクPM2を載置し、紫外線照射を行う(図18(e))。
その後はキュアを行い、パターンマスクPM2及び未硬化のペースト1280Gを除去して現像すると、カラーフィルタ層128Gが形成される(図18(f))。
この図18(d)、(e)、(f)の工程を赤色と青色のカラーフィルタ材料について同様に繰り返すことで、カラーフィルタ層128R、128Bを形成する(図18(g))。
なお、各色のペーストを用いる代わりに市販されているカラーフィルタ製品を利用してもよい。以上でカラーフィルタ基板131が形成される。
次に、基板100xから封止層126までの各層からなる背面パネルに、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂などの紫外線硬化型樹脂を主成分とする接合層127の材料を塗布する(図19(a))。
続いて、塗布した材料に紫外線照射を行い、背面パネルとカラーフィルタ基板131との相対的位置関係を合せた状態で両基板を貼り合わせる。このとき、両者の間にガスが入らないように注意する。その後、両基板を焼成して封止工程を完了すると、表示パネル10が完成する(図19(b))。
5. 変形例
実施の形態に係る表示パネル10を説明したが、本開示は、その本質的な特徴的構成要素を除き、以上の実施の形態に何ら限定を受けるものではない。例えば、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。以下では、そのような形態の一例として、本開示の変形例を説明する。
(1)上記実施形態では、単位パターンP1のノズル個数がNのとき、列方向基準パターンP2を順次ノズル1ピッチ分ずつずらして、行方向に隣接する同種のインクを供給すべき列開口にインクを塗布し、N列毎にずらし量をリセットする処理を繰り返して、表示パネル全体の塗布パターンを形成するようにしたが、Nの数が所定値より大きい場合には、上記ずれ量が大きくなり、図8(b)の領域Sの列方向の巾が必要以上に大きくなって、ダミー電極領域の幅を超えて発光領域まで及び、その部分で輝度ムラが発生するおそれがある。
そこで、単位パターンP1のノズル個数Nが所定値以上、具体的には列方向基準パターンP2の列方向ずれ量の最大値がダミー電極が設けられている行数(この行数は、製品の仕様にもよるが、通常10行程度)を超えないようにするのが望ましい。
図20は、この場合の変形例を示すものである。
図20(a)は、上記図10(b)の手順で求めたときにおける単位パターンのノズル個数Nが27個の場合の例を示す図である。このような場合には、図20(b)に示すように列方向に連続して現出する吐出ノズルもしくは非吐出ノズルの個数の最大値のうち大きい方の数L(図20(a)の例では、吐出ノズル「●」の連続個数「5」)に1を加えた値(L+1)(本例では5+1=6となる)を列方向ノズルパターンずらし周期に設定して、パネル全体のノズルパターンを形成する。
このようにすれば、表示パネルの発光領域にパターン不存在領域Sが侵入することがないので、発光領域の端部に輝度ムラが生じにくく、かつ、各行方向において、列方向ノズルパターンずらし周期を6に設定しているので、「●」が5つ連続しても次には必ず「○」が来るようになり、「●」が行方向に6以上連続して現出することがなく、筋状の輝度ムラの発生を抑制することが可能である。
「●」ではなく、「○」の方が5個連続するような場合も同様である。
なお、本変形例を実施する発光層塗布処理のフローチャートは、図11のステップS108において、「n=kN」の代わりに「n=k(L+1)」か否かを判定するようにすればよい。
(2)上記実施の形態では、特に発光層の形成の際に塗布装置200を用いていたが、上述したように他の機能層であっても有機材料を用いて塗布法により形成可能なものにあっては、塗布装置200を用いて形成するようにしてもかまわない。
機能層の膜厚の変動は、特に光共振器構造を採用する場合に輝度ムラに影響するからである。
(3)上記実施の形態における表示パネル10では、発光層123は、行バンク上を列方向に連続して延伸している構成としている。しかしながら、列方向に並ぶ行バンクのうちいくつかを他の行バンクより高くして、列状の発光層123が、当該高い行バンクによって一定の複数の副画素ごとに仕切られている構成としてもよい。
少なくとも、高い行バンクで仕切られた複数の副画素の範囲については、レベリングが可能であるし、仕切られた複数の副画素の範囲内で塗布に使用するノズルのパターンを変化させることにより、筋状の輝度ムラの発生を抑制することが可能であるからである。
(4)実施の形態に係る表示パネル10では、単位画素100eには、赤色画素、緑色画素、青色画素の3種類があったが、本発明はこれに限られない。例えば、発光層が1種類であってもよいし、発光層が赤、緑、青、白色などに発光する4種類であってもよい。
なお、本発明は、同一種のインクを塗布すべき隣接間隙間でノズルパターンを変更することに特徴があるので、発光層の発光色が1色である場合や、機能層の形成の場合には、それぞれ全間隙について同一種のインクが塗布されることになると解され、この場合には、1列毎に隣接する間隙522z間で塗布するためのノズルパターンを変更することが望ましい。
(5)上記実施の形態では、画素電極119と共通電極125の間に、ホール注入層120、ホール輸送層121、発光層123及び電子輸送層124が存在する構成であったが、本発明はこれに限られない。例えば、ホール注入層120、ホール輸送層121及び電子輸送層124を用いずに、画素電極119と共通電極125との間に発光層123のみが存在する構成としてもよい。また、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層などを備える構成や、これらの複数又は全部を同時に備える構成であってもよい。また、これらの層はすべてが有機化合物からなる必要はなく、有機発光層以外の一部の層において無機物などで構成されていてもよい。
(6)上記実施の形態では、発光層123の形成のため、塗布装置200を用いたが、フレキシブルな有機EL表示パネルなどの封止膜として、無機材料の薄膜と樹脂材料の薄膜を交互に重ねて形成し、当該樹脂材料の薄膜をインクジェット方式の塗布装置で形成するような場合にも、本実施の形態に係る塗布装置を適用することができる。
この場合には、ノズルパターンは隣接する列開口ごとに変更するのではなく、たとえば、何本かの主走査方向(Y方向:ノズルの列設方向)の塗布ごとに周期的もしくは非周期的に変更することになる。
(7)さらに、上記実施の形態では、トップエミッション型のEL表示パネルを一例としたが、本発明はこれに限定を受けるものではない。例えば、ボトムエミッション型の表示パネルなどに適用することもできる。その場合には、各構成について、適宜の変更が可能である。
(8)なお、上記実施の形態では、発光層として有機ELを使用した有機EL表示パネルの製造方法について説明したが、その他、発光層として無機ELを使用した無機EL表示パネルや、発光層として量子ドット発光素子(QLED:Quantum dot Light Emitting Diode)を使用した量子ドット表示パネル(例えば、特開2010−199067号公報参照)などの自発光表示パネルについても、発光層の構造や種類が異なるだけで、画素電極と対向電極との間に発光層やその他の機能層を介在させるという構成において有機EL表示パネルと同じであり、当該発光層やその他の機能層の形成に塗布方式を採用する場合には、本発明を適用することが可能である。
(9)上記実施の形態及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
≪補足≫
なお、特に本発明に含めるものではないが、上記実施形態のように列方向基準パターンを順にノズル1ピッチずつ列方向にずらしながら副走査方向にスキャンしてインクを供給するのではなく、当該ずらし量を列ごとに乱数表を用いて決定するようにしても構わない。このようにしても、行方向の筋状の輝度ムラを抑制できると解される。
本発明に係る自発光表示パネルの製造方法及び製造方法は、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータ、携帯電話などの電子機器における表示パネルの製造に広く利用することができる。
1 有機EL表示装置
10 有機EL表示パネル
100 有機EL素子
100e 単位画素
100se 副画素
100x 基板(TFT基板)
118 層間絶縁層
119 画素電極
120、120A、120B ホール注入層
121 ホール輸送層
122 バンク
122X 行バンク
522Y 列バンク
522z 間隙(列開口)
123 発光層
124、124A、124B 電子輸送層
125、125A、125B 共通電極(対向電極)
126 封止層
127 接合層
128 カラーフィルタ層
200 塗布装置
210 インク塗布部
211 インクヘッド
2111 ノズル
220 インクタンク
230 基板移動部
250 制御部

Claims (6)

  1. 複数の画素が行列状に配された自発光表示パネルの製造方法であって、
    基板を準備する工程と、
    前記基板上に、複数の画素電極を行列状に形成する工程と、
    前記基板上方であって、前記画素電極の行方向における間に列方向に延伸する列バンクを並設する工程と、
    行方向に隣接する前記列バンク間の間隙に、複数のノズルが列設されたヘッドを、前記基板に対して行方向に相対的に移動させ、前記複数のノズルのうち選択された一部のノズルから機能性材料を含むインクを吐出した後、前記インクを乾燥させて機能層を形成する工程と、
    前記機能層上方に対向電極を形成する工程とを備え、
    前記機能層を形成する工程において、同一種のインクを供給すべき複数の前記間隙のうち、第1の間隙においてインクを吐出するノズルの組み合わせを示す第1のパターンと、次に同種のインクが塗布される第2の間隔においてインクを吐出するノズルの組み合わせを示す第2のパターンが異なっており、前記第2のパターンが、前記第1のパターンを前記列方向の沿った一方方向にノズル1ピッチ分だけずらしたパターンとなっている
    ことを特徴とする自発光表示パネルの製造方法。
  2. 前記第1のパターンは、列方向に連続するN個のノズルについて(Nは2以上の整数)、その吐出・非吐出の組み合わせを示す単位パターンを、複数回列方向に繰り返してなるパターンである
    ことを特徴とする請求項1に記載の自発光表示パネルの製造方法。
  3. 機能層を形成する工程は、前記Nが所定の値以下のとき、同一種のインクを供給すべき、前記行方向における第M番目(Mは、1以上の整数)の間隙から第(M+N)番目の間隙まで、順に第1のパターンを前記一方方向にノズル1ピッチずつずらしていき、第(M+N+1)番目の間隙には、第1のパターンに復帰する処理を繰り返して、インクを塗布する
    ことを特徴とする請求項2に記載の自発光表示パネルの製造方法。
  4. 前記Nが所定の値より大きく、列方向に連続する吐出ノズルもしくは非吐出ノズルの個数の最大値のうち大きい方の数をL(Lは2以上でNより小さい整数)としたときに、
    同一種のインクを供給すべき、前記行方向における第M番目(Mは、1以上の整数)の間隙から第(M+L+1)番目の間隙まで、順に第1のパターンを前記一方方向にノズル1ピッチずつずらしていき、第(M+L+2)番目の間隙には、第1のパターンに復帰する処理を繰り返して、インクを塗布する
    ことを特徴とする請求項2に記載の自発光表示パネルの製造方法。
  5. 自発光表示パネルの画素形成領域における列方向の長さをWy、前記ノズルの列方向における1ピッチの長さをbとしたとき、Wy=(N×b)×h (hは、1以上の整数)の関係が成立する
    ことを特徴とする請求項2に記載の自発光表示パネルの製造方法。
  6. 複数の画素が行列状に配されてなる自発光表示パネルにおける機能層を形成する機能層形成装置であって、
    前記基板上方であって、少なくとも複数の画素電極の行方向における間に列方向に延在する複数の列バンクのうち、行方向に隣接する列バンク間の間隙のそれぞれに、機能性材料を含むインクを塗布する塗布装置を備え、
    前記塗布装置は、
    複数のノズルが列設されたヘッドと、
    前記ヘッドを前記基板に対して前記行方向に相対的に移動させる移動部と、
    前記複数のノズルから一部のノズルを選択してインクを吐出させる吐出ノズル選択部と、
    を有し、
    前記吐出ノズル選択部は、
    同一種のインクを供給すべき複数の前記間隙のうち、第1の間隙においてインクを吐出するノズルの組み合わせを示す第1のパターンと、次に同種のインクが塗布される第2の間隔においてインクを吐出するノズルの組み合わせを示す第2のパターンが異なっており、前記第2のパターンが、前記第1のパターンを前記列方向の沿った一方方向にノズル1ピッチ分だけずらしたパターンとなるようにインクを吐出させるノズルを選択する
    ことを特徴とする機能層形成装置。
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