JP2021025624A - エルボ管継手及び管路の施工方法 - Google Patents

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【課題】 小さな出入ズミを乗り越える管路にも好適に対応可能なエルボ管継手を提供する。【解決手段】 エルボ管継手11は、樹脂パイプ51が挿入接続される継手本体12Sと、同じサイズの樹脂パイプ51が挿入接続される継手本体12Lと、各継手本体12S,12Lにそれぞれ構築され、樹脂パイプ51を保持するためのワンタッチ継手からなる抜け止め機構23と、抜け止め機構23を継手本体12S,12Lに対して取り付けるためのキャップ20とを備えている。継手本体12S,12Lは、互いの軸線L1,L2が直交するように配置されている。軸線L1,L2の交点Pから継手本体12Sに対応するパイプ挿入口20aまでの距離D1を、交点Pから継手本体12Lに対応するパイプ挿入口20aまでの距離D2よりも短くした。【選択図】 図1

Description

本発明は、エルボ管継手及び当該エルボ管継手を用いた管路の施工方法に関する。
図5は、特許文献1に開示されたエルボ管継手101を示す。エルボ管継手101は、樹脂パイプ151が挿入接続される一方の継手本体102と、当該樹脂パイプ151と同じサイズの樹脂パイプ151が挿入接続される他方の継手本体102と、一方の継手本体102及び他方の継手本体102にそれぞれ構築され、対応する樹脂パイプ151を保持するためのワンタッチ継手からなる抜け止め機構103と、抜け止め機構103を対応する継手本体102に対して取り付けるためのキャップ104とを備えている。一方の継手本体102と他方の継手本体102とは、互いの軸線L3,L4が直角に交差するように配置されている。
各継手本体102には、対応する樹脂パイプ151の挿入位置を規定する位置決め面102aが設けられている。一方の継手本体102の軸線L3と他方の継手本体102の軸線L4との交点Qを基準とすると、一方の継手本体102の位置決め面102aと他方の継手本体102の位置決め面102aとは、対応する軸線L3,L4の方向における距離C3,C4が同じに設定されている。したがって、交点Qから一方の継手本体102に対応するキャップ104のパイプ挿入口104aまでの距離D3と、交点Qから他方の継手本体102に対応するキャップ104のパイプ挿入口104aまでの距離D4とは同じである。
特開2019−011857号公報
ところが、図6に示すように、エルボ管継手101を2つ用いて小さな段差(出入ズミ)Kを乗り越える管路を施工する場合、エルボ管継手101は交点Qからパイプ挿入口104aまでの距離D3,D4(図5参照)が絶対的に長いため、特に出ズミに対応するエルボ管継手101を当該出ズミに沿って上手く配置できない問題があった。
本発明の目的は、小さな出入ズミを乗り越える管路にも好適に対応可能なエルボ管継手及び当該エルボ管継手を用いた管路の施工方法を提供すること。
上記目的を達成するために請求項1の発明のエルボ管継手は、樹脂パイプが挿入接続される一方の継手本体と、前記樹脂パイプと同じサイズの樹脂パイプが挿入接続される他方の継手本体と、前記一方の継手本体及び前記他方の継手本体にそれぞれ構築され、対応する前記樹脂パイプを保持するためのワンタッチ継手からなる抜け止め機構と、前記抜け止め機構を対応する前記継手本体に対して取り付けるためのキャップとを備え、前記一方の継手本体と前記他方の継手本体とが互いの軸線が直角に交差するように配置されたエルボ管継手において、前記各継手本体には対応する前記樹脂パイプの挿入位置を規定する位置決め面が設けられており、前記一方の継手本体の軸線と前記他方の継手本体の軸線との交点を基準とすると、前記一方の継手本体の前記位置決め面を前記他方の継手本体の前記位置決め面よりも軸線方向において前記交点に近い位置に設けることで、当該交点から前記一方の継手本体に取り付けられる前記キャップのパイプ挿入口までの距離を、当該交点から前記他方の継手本体に取り付けられる前記キャップのパイプ挿入口までの距離よりも短くした。
上記目的を達成するために請求項2の発明は、出入ズミを乗り越える管路を施工する方法であって、請求項1のエルボ管継手を2つ用いるとともに、当該2つのエルボ管継手について前記一方の継手本体同士を出ズミと入ズミとの間に配置する管路の施工方法である。
エルボ管継手の縦断面図。 エルボ管継手を用いて施工された管路の縦断面図。 別例のエルボ管継手の縦断面図。 別の別例のエルボ管継手の縦断面図。 従来のエルボ管継手の縦断面図。 従来のエルボ管継手を用いて施工された管路の縦断面図。
以下、本発明を、給水給湯用の管路において具体化した一実施形態について説明する。
図1に示すように、エルボ管継手11は、同じサイズの配管50が挿入接続される円筒状の継手本体12を2つ備えている。各継手本体12は、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の合成樹脂製である。配管50は、樹脂パイプ51の端部に筒状のインコア52が挿入されてなる。樹脂パイプ51は、ポリオレフィン(架橋ポリエチレン、ポリブテン等)等の合成樹脂製である。インコア52が樹脂パイプ51に没入することは、インコア52の端部に形成されたフランジ52aによって抑制されている。インコア52は、樹脂パイプ51の端部の真円度を高く保持するためのものである。
エルボ管継手11において、一方の継手本体12と他方の継手本体12とは、互いの軸線L1,L2が直角に交差するように配置されている。一方の継手本体12と他方の継手本体12とは、一部分以外は同一構造を有するとともに、一方の継手本体12と他方の継手本体12とには、同一構造のワンタッチ継手が構築されている。したがって、説明の必要がある場合を除き、同一の部分については一方の継手本体12のみを説明して、他方の継手本体12の説明は省略する。
継手本体12には外筒部15が突出形成されている。外筒部15の内側には、配管50の挿入を許容する挿入空間13が形成されている。外筒部15の内周面において基端側には、段部15aが設けられている。外筒部15の内周面において段部15aよりも先端側には、係止段差15bが設けられている。外筒部15の内周面の基端には、インコア52の先端面に当接して配管50の挿入位置を規定する位置決め面15cが設けられている。位置決め面15cは、対応する継手本体12の軸線L1,L2と直交する仮想平面上に存在する。
係止段差15bには、ポリアセタール樹脂製のシールリング押さえ16が係止されている。シールリング押さえ16と段部15aとの間には、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム等のゴム製のシールリング17が、間隔をおいて一対配置されている。一対のシールリング17の間には、スペーサリング18が配置されている。挿入空間13に配管50が挿入された状態では、樹脂パイプ51の外周面と外筒部15の内周面との間でシールリング17が押し潰されることにより、両周面間の水密が確保される。
エルボ管継手11は、配管50を継手本体12に保持するための抜け止め機構23と、抜け止め機構23を継手本体12に対して取り付けるためのキャップ20とを備えている。キャップ20は、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の合成樹脂製である。キャップ20の内周面には、2条の係止凹条21が形成されている。外筒部15の外周面には、2条の係止凸条19が形成されている。キャップ20は、外筒部15に外嵌されるとともに、係止凹条21が外筒部15の係止凸条19にスナップ係合することで、外筒部15に対して連結されている。キャップ20において先端部の内周面には、先端側ほど縮径する傾斜面22が設けられている。
抜け止め機構23を構成するロックリング24は、ステンレス鋼等の金属製の薄板よりなり、円環状をなしている。ロックリング24の内周部には、複数の抜け止め片24aが、内端側へ傾斜するように突出形成されている。ロックリング24とキャップ20との間には、抜け止め機構23を構成する割リング26が介在されている。割リング26は、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の合成樹脂製である。割リング26は、ロックリング24の抜け止め片24aの傾斜角度をバックアップ保持する。
シールリング押さえ16とキャップ20と間には、抜け止め機構23を構成するロックリング押さえ25が挟着されている。ロックリング押さえ25と割リング26との間には、ロックリング24が挟持されている。挿入空間13に差し込まれ、割リング26及びロックリング24を挿通された配管50に対して、引抜力が作用したとする。この場合、ロックリング24の抜け止め片24aが、樹脂パイプ51の外周面に対して食い込むことで、配管50のエルボ管継手11からの抜け出しが防止される。また、この場合、割リング26が、キャップ20の傾斜面22の案内によって縮径して樹脂パイプ51の外周面を締め付けることで、配管50のエルボ管継手11からの抜け出しが防止される。
さて、前述したように、一方の継手本体12と他方の継手本体12とには、同一構造のワンタッチ継手が構築されている。また、一方の継手本体12と他方の継手本体12とには、同じサイズの配管50が挿入接続される。したがって、一方の継手本体12(以降「継手本体12S」とする)の位置決め面15cから、継手本体12Sに対応するキャップ20のパイプ挿入口20aまでの軸線L1の方向における距離C1と、他方の継手本体12(以降「継手本体12L」とする)の位置決め面15cから、継手本体12Lに対応するキャップ20のパイプ挿入口20aまでの軸線L2の方向における距離C2とは同じである。
しかし、継手本体12Sの軸線L1と継手本体12Lの軸線L2との交点Pを基準とすると、継手本体12Sの位置決め面15cは、継手本体12Lの位置決め面15cよりも、対応する軸線L1,L2の方向において、交点Pに近い位置に設けられている。したがって、交点Pから継手本体12Sに対応するパイプ挿入口20aまでの軸線L1の方向における距離D1は、交点Pから継手本体12Lに対応するパイプ挿入口20aまでの軸線L2の方向における距離D2よりも短い。
それにともない、継手本体12Sにおいて位置決め面15c付近の肉部15dは、継手本体12Sと継手本体12Lとの境界に位置するL字状の流路31へと突出し、さらには流路31に対して継手本体12Lの軸線L2付近にまで入り込んでいる。よって、流路31は、肉部15dの当該突出によって、継手本体12L側から継手本体12S側に向かって湯水の通過断面積が減少している。当該通過断面積の減少を緩やかとするために、流路31の内面において肉部15dに対応する部分31aは、テーパー状に形成されている。
流路31の当該部分31aをテーパー状に形成することで、継手本体12Lから出て継手本体12S側へと向かう湯水の流れの一部は、部分31aとは反対側に曲げられる。したがって、継手本体12Lの位置決め面15cにおいて部分31aとは反対側には切欠き15c−1が形成されており、また流路31においても切欠き15c−1に対して段差無く接続する形状とされているため、前述した湯水の流れの曲げがスムーズに行われる。なお、継手本体12Sの位置決め面15cにおいても、流路31のL字状の内側に対応する部分に切欠き15c−2が形成されており、継手本体12Lと継手本体12Sとの間での湯水の流れは、流路31においてスムーズに曲げられる。
上記実施形態においては、次のような作用効果を奏し得る。
(1)図2に示すように、エルボ管継手11を2つ用いて小さな段差(出入ズミ)Kを乗り越える管路を施工する場合、距離D1(図1参照)が短い継手本体12S同士を出ズミと入ズミとの間に配置すれば、特に出ズミに対応するエルボ管継手11を当該出ズミに沿って上手く配置できる。
(2)エルボ管継手11の抜け止め機構23がワンタッチ継手であるため、2つのエルボ管継手11において互いに対向する継手本体12S側のパイプ挿入口20a間の距離をほぼゼロとする施工(接続)が可能であり、小さな出入ズミKに対して特に好適に対応できる。
(別例)
上記実施形態は、例えば以下のように変更できる。
○図3に示すように、流路31の内面において肉部15dに対応する部分31aを段差状とすること。
○図4に示すように、継手本体12Sにおいて位置決め面15c付近の肉部15dを、継手本体12Sと継手本体12Lとの境界に位置するL字状の流路31に突出させないこと。このようにすれば、流路31における湯水の流通抵抗を小さくできる。
○配管50からインコア52を削除すること。この場合、インコア52と同等の機能を有する内筒部を継手本体12に設けること。
11…エルボ管継手、12…継手本体、12S…一方の継手本体、12L…他方の継手本体、15c…位置決め面、20…キャップ、20a…パイプ挿入口、23…抜け止め機構、51…樹脂パイプ、K…出入ズミ。

Claims (2)

  1. 樹脂パイプが挿入接続される一方の継手本体と、前記樹脂パイプと同じサイズの樹脂パイプが挿入接続される他方の継手本体と、前記一方の継手本体及び前記他方の継手本体にそれぞれ構築され、対応する前記樹脂パイプを保持するためのワンタッチ継手からなる抜け止め機構と、前記抜け止め機構を対応する前記継手本体に対して取り付けるためのキャップとを備え、前記一方の継手本体と前記他方の継手本体とが互いの軸線が直角に交差するように配置されたエルボ管継手において、
    前記各継手本体には対応する前記樹脂パイプの挿入位置を規定する位置決め面が設けられており、前記一方の継手本体の軸線と前記他方の継手本体の軸線との交点を基準とすると、前記一方の継手本体の前記位置決め面を前記他方の継手本体の前記位置決め面よりも軸線方向において前記交点に近い位置に設けることで、当該交点から前記一方の継手本体に取り付けられる前記キャップのパイプ挿入口までの距離を、当該交点から前記他方の継手本体に取り付けられる前記キャップのパイプ挿入口までの距離よりも短くしたエルボ管継手。
  2. 出入ズミを乗り越える管路を施工する方法であって、請求項1のエルボ管継手を2つ用いるとともに、当該2つのエルボ管継手について前記一方の継手本体同士を出ズミと入ズミとの間に配置する管路の施工方法。
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