JP2021025522A - 軸流羽根車、および換気扇 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動機の回転軸から容易に着脱可能な軸流羽根車を提供する。【解決手段】軸流羽根車2は、中心枠体の内側に配置される基部11に着脱自在に連結されて基部11と協働して羽根部15を回転軸に保持する保持部16と、基部11および保持部16のいずれか一方に設けられる第一凹部47と、基部11および保持部16のいずれか他方に設けられて第一凹部47に嵌脱自在に嵌め合わされる第一凸部48と、を有して保持部16を基部11に着脱自在に固定する第一固定機構18と、を備え、第一固定機構18は、中心枠体の外側に露出し、かつ第一凸部48が第一凹部47に嵌合している状態における位置から移動することで第一凹部47と第一凸部48との嵌合を解除して基部11、羽根部15、および保持部16を分解可能な状態にする操作片51を有している。【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、軸流羽根車、および換気扇に関する。
従来の送風ファンは、電動機の回転軸に回り止め金具を介して取付けられ、電動機の回転軸に嵌め込まれるボス部と、このボス部の外周部に設けられ、回り止め金具に掛かり合って送風ファンの回り止めをなす掛合部と、この掛合部の外周部に設けられて複数のファンブレードを支持するファン支え部と、を備えている。
電動機の回転軸の先端部にはねじ部が設けられ、電動機の回転軸の電動機ケース近傍には、位置決め用リングが設けられている。回転軸のねじ部に、インサート成形されたねじ用ボスを有する押え摘み蓋を締め付けることで、従来の送風ファンおよび回り止め金具は、位置決め用リングと押え摘み蓋との間に挟み込まれて電動機の回転軸に固定される。
ところで、回転軸にねじ部を設けたり、回転軸に溝を設けたりする等の羽根車を取付けるための加工をすることが困難な場合がある。例えば、予めねじ部を設けた回転軸を電動機に組み込む際に、ねじ部が電動機の軸受を傷付ける可能性がある。このような場合には、回転軸にねじ部を設けることが難しい。
一方、ねじ部のない回転軸に、羽根車を固定する場合もある。このような場合には、回転軸を挿入可能な孔と、孔に沿って延びる切欠きと、を有するボス部を羽根車のハブに設け、このボス部の外周にリングを嵌め込み、ボス部を締め付けて孔に挿入された回転軸を固定する固定構造を採用できる。しかしながら、このような固定構造は、羽根車の着脱を許容することが難しい。
そこで、本発明は、電動機の回転軸にねじ部を設けたり、回転軸に溝を設けたりする等の羽根車を取付けのための加工を必要とすることなく、電動機の回転軸から容易に着脱可能な軸流羽根車、および換気扇を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る軸流羽根車は、電動機の回転軸に固定される基部と、前記基部に着脱自在に取り付けられる保持部と、前記保持部に固定される羽根部と、を備えている。
また、本発明の実施形態に係る軸流羽根車は、電動機の回転軸に固定される基部と、筒状の中心枠体と、前記中心枠体の径方向外側へ放射状に突出する複数の羽根と、を有する羽根部と、前記中心枠体の内側に配置される前記基部に着脱自在に連結されて前記基部と協働して前記羽根部を前記回転軸に保持する保持部と、前記基部および前記保持部のいずれか一方に設けられる凹部と、前記基部および前記保持部のいずれか他方に設けられて前記凹部に嵌脱自在に嵌め合わされる凸部と、を有して前記保持部を前記基部に着脱自在に固定する固定機構と、を備え、前記固定機構は、前記中心枠体の外側に露出し、かつ前記凸部が前記凹部に嵌合している状態における位置から移動させることで前記凹部と前記凸部との嵌合を解除して前記基部、前記羽根部、および前記保持部を分解可能な状態にする操作片を有している。
また、本発明の実施形態に係る軸流羽根車は、電動機の回転軸に固定される基部と、筒状の中心枠体と、前記中心枠体の径方向外側へ放射状に突出する複数の羽根と、を有する羽根部と、前記中心枠体に設けられる孔部と、前記基部に設けられて前記孔部に抜き差し自在に差し込まれる操作片と、前記操作片に設けられて前記操作片が前記孔部に差し込まれた状態で前記孔部の縁に引っ掛かる爪部と、を有して前記羽根部を前記基部に着脱自在に固定する固定機構と、を備え、前記操作片は、前記中心枠体の外側に露出し、かつ前記爪部が前記孔部に引っ掛かっている状態における位置から移動させることで前記爪部と前記孔部との引っ掛かりを解除して前記基部と前記羽根部とを分解可能な状態にする。
また、本発明の実施形態に係る換気扇は、前記軸流羽根車を備えている。
本発明に係る軸流羽根車、および換気扇の実施形態について図1から図11を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当する構成には同一の符号を付している。
[第1実施形態]
本発明に係る軸流羽根車、および換気扇の第1実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
本発明に係る軸流羽根車、および換気扇の第1実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る換気扇の分解斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る換気扇100は、本体枠101と、本体枠101に装着される化粧パネル103と、本体枠101に支持される電動機105と、電動機105の回転軸Sに取り付けられる軸流ファン1と、を備えている。
図2は、本発明の第1実施形態に係る軸流羽根車の斜視図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係る軸流羽根車の分解斜視図である。
図4は、図2のIV−IV線における、本発明の第1実施形態に係る軸流羽根車の断面図である。
図5は、図2のV−V線における、本発明の第1実施形態に係る軸流羽根車の断面図である。
図2から図5に示すように、本実施形態に係る軸流ファン1は、いわゆるプロペラファンである。軸流ファン1は、実線矢印で示す回転方向Rへ回転して実線矢印で示す流れ方向Fへ流体、もっぱら空気を流動させる。なお、軸流ファン1を回転方向Rの反対方向へ回転させると、流体は流れ方向Fの反対方向へ流動する。軸流ファン1は、換気扇に適用されて、室内の空気を室外へ排気する用途、または室外の空気を室内へ送り込む用途に用いられる。
軸流ファン1は、軸流羽根車2(軸流インペラー、Axial flow impeller)と、軸流羽根車2を回転駆動させる電動機105と、を備えている。
電動機105は、軸流羽根車2へ回転駆動力を伝達する回転軸Sを備えている。回転軸Sは、軸流羽根車2の回転中心である。回転軸Sは、出力軸とも呼ばれる。
軸流羽根車2は、いわゆるプロペラファンの羽根車(Impeller)である。軸流羽根車2は、単にプロペラとも呼ばれる。軸流羽根車2は、電動機105の回転軸Sに固定される基部11と、筒状の中心枠体12と中心枠体12の径方向外側へ放射状に突出する複数の羽根13とを有する羽根部15と、基部11と協働して羽根部15を回転軸Sに保持する保持部16と、保持部16を基部11に着脱自在に固定する第一固定機構18と、保持部16を羽根部15に固定する第二固定機構19と、を備えている。基部11、羽根部15、保持部16、第一固定機構18、および第二固定機構19は、例えば樹脂の成形品である。
基部11は、軸流羽根車2を回転軸Sに支えている。基部11は、回転軸Sに接着されていても良いし、回転軸Sと基部との間に生じる摩擦力で容易には抜け出ないように強固に固定されていても良い。基部11は、例えば回転軸Sを締まり嵌めで嵌め込む孔を備えていても良い。
本実施形態に係る基部11は、回転軸Sに固定されるボス部21と、ボス部21から軸流羽根車2の径方向外側へ広がるフランジ部22と、フランジ部22から軸流羽根車2の回転中心線方向へ突出するスリーブ部23と、を備えている。
ボス部21は、回転軸Sを挿入可能な穴25を有している。ボス部21は、フランジ部22を境にして、電動機105に近い外側ボス部27と、電動機105から遠い内側ボス部28と、を有している。穴25は、外側ボス部27から内側ボス部28の先端付近まで形成されている。
外側ボス部27は、穴25に通じ、かつ穴25に沿って延びる切欠き31を備えている。
基部11は、外側ボス部27の外周に嵌め込まれ、外側ボス部27を締め付ける固定環32によって、穴25に挿入された回転軸Sに固定されている。換言すると、軸流羽根車2は、外側ボス部27の外周に嵌め込まれ、外側ボス部27を締め付けて縮径させる固定環32によって、回転軸Sに固定されている。つまり、固定環32の内径寸法は、外側ボス部27の外径寸法よりも小さい。
固定環32は、例えば金属製であって、樹脂製のボス部21に比べて極めて薄い肉厚を有している。固定環32は、切欠き31を有する外側ボス部27の外周に嵌め込まれて、外側ボス部27を縮径させる。そうすると、ボス部21の内周面、つまり穴25の一部が穴25に挿入された回転軸Sに強く押さえ付けられる。両者の間に作用する摩擦力は、軸流羽根車2全体を回転軸Sに強固に固定して軸流羽根車2と回転軸Sとを回転一体化する。例えば、回転する軸流羽根車2は、その回転中心線方向へ推進力を生じるが、外側ボス部27と回転軸Sとの間に生じる摩擦力は、軸流羽根車2が回転軸Sの軸方向へ移動してしまうことを妨げるのに十分な力を発生させている。
外側ボス部27は、キー33を一体に有している。一方、固定環32は、キー33を配置する切欠き35を有している。つまり、固定環32は、切欠き35で分断されるC形状断面を有している。そのため、固定環32は、外側ボス部27を容易に挿入できる一方で、所要の力で外側ボス部27を縮径させて基部11と回転軸Sとを強固に固定できる。また、固定環32は、軸流ファン1の回転によって外側ボス部27から抜け出ることもない。
フランジ部22は、羽根部15の中心枠体12の電動機105に近い側の端部12bを支持する座面11aを有している。
スリーブ部23は、羽根部15の中心枠体12の内周面に対面している。スリーブ部23は、スリーブ部23の突出端からフランジ部22へ向かって狭くなるテーパ状、または楔状の切欠き23aを有している。本実施形態における軸流ファン1は、切欠き23aを2つ有している。切欠き23aは、2つ以上でも良く、スリーブ部23の回転バランスを均一化できるように、軸流ファン1の回転方向Rへ等間隔に複数あっても良い。
羽根部15の中心枠体12は、軸流羽根車2の回転中心線に沿う方向へ延びる筒状の側壁部38と、側壁部38の電動機105から遠い側の端部38aに設けられる底板部39と、を備えている。側壁部38の電動機105に近い側の端部38bは、開放されている。側壁部38の電動機105から遠い方の端部38aは、中心枠体12の電動機105から遠い側の端部12aに相当し、側壁部38の電動機105に近い側の端部38bは、中心枠体12の電動機105に近い側の端部12bに相当する。
中心枠体12は、保持部16および基部11の大部分を囲んで覆い隠している。中心枠体12、保持部16、および基部11は、軸流羽根車2のいわゆるハブに相当する部位を占めている。
底板部39は、基部11のボス部21の突出端、つまり内側ボス部28の突出端を挿入可能なボス受け部41を有している。ボス受け部41は、羽根部15を基部11に連結する際に、内側ボス部28の突出端の外周、つまりボス部21の先端部の外周に嵌め込まれる。ボス受け部41は、羽根部15を基部11に連結する際に、ガイドの役割を担うとともに、羽根部15と基部11との同心度を確保して軸流羽根車2の回転バランスを整える。
保持部16は、基部11に着脱自在に連結される。保持部16は、羽根部15の中心枠体12を基部11と保持部16との間に挟み込んでいる。基部11と保持部16とは、羽根部15の中心枠体12を、軸流羽根車2の回転中心線の方向へ挟み込んでいる。基部11と保持部16とで中心枠体12を挟み込むことにより、羽根部15は、回転軸Sに固定される。
保持部16は、基部11のボス部21の内側ボス部28を挿し通す孔44を有するハブ部45と、ハブ部45の径方向外側に配置されて電動機105から遠い側へ延びる第一腕部46と、を備えている。
ハブ部45は、内側ボス部28の根元の近傍まで挿し通されて、基部11のフランジ部22に近づく。
第一腕部46は、基部11のフランジ部22に近いハブ部45から羽根部15の中心枠体12の電動機105から遠い側の端部12aに達する突出長さを有している。第一腕部46は、羽根部15の中心枠体12の電動機105から遠い側の端部12aを支持する座面16aを有している。つまり、羽根部15の中心枠体12は、保持部16の座面16aと基部11の座面11aとの間に挟み込まれている。換言すると、保持部16の座面16aと基部11の座面11aとは、羽根部15の中心枠体12を挟み込んで軸流ファン1の回転中心線方向における羽根部15の移動を妨げている。
本実施形態に係る軸流ファン1は2つの第一腕部46を備えている。また、第一腕部46は、2つ以上でも良く、保持部16の回転バランスを均一化できるように、軸流ファン1の回転方向Rへ等間隔に複数あっても良い。
さらに、第一腕部46は、ハブ部45に片持ち梁状に支持されている。第一腕部46は、人の手指の力で容易に撓ませることが可能な剛性を有していることが好ましい。
第一固定機構18は、基部11に設けられる第一凹部47と、保持部16に設けられて第一凹部47に嵌脱自在に嵌め合わされる第一凸部48と、を備えている。
第一凹部47は、基部11のスリーブ部23に設けられている。第一凹部47は、例えばスリーブ部23を貫通する孔である。
第一凸部48は、保持部16の第一腕部46に設けられている。第一凸部48は、保持部16を基部11に連結させる際に、スリーブ部23の内側の面に接触して第一腕部46を撓ませる傾斜面49を有している。また、第一凸部48は、保持部16を基部11に連結させた後に、第一凹部47に引っ掛かって基部11から保持部16が離脱することを妨げる。
なお、第一凹部47は、基部11および保持部16のいずれか一方に設けられていれば良く、第一凸部48は、基部11および保持部16のいずれか他方に設けられていれば良い。換言すると、第一固定機構18は、基部11および保持部16のいずれか一方に設けられる第一凹部47と、基部11および保持部16のいずれか他方に設けられて第一凹部47に嵌脱自在に嵌め合わされる第一凸部48と、を備えている。
また、第一固定機構18は、中心枠体12の外側に露出する操作片51を備えている。操作片51は、保持部16に一体化されている。操作片51は、第一凸部48が第一凹部47に嵌合している状態における位置から移動することで第一凹部47と第一凸部48との嵌合を解除して基部11、羽根部15、および保持部16を分解可能な状態にする。
第一固定機構18の第一凹部47、第一凸部48、および操作片51は、それぞれ複数かつ同数、例えば一対ずつある。それぞれの第一凹部47および第一凸部48と操作片51は軸方向に同じ位置に形成されている。複数の第一凹部47、複数の第一凸部48、および複数の操作片51は、軸流羽根車2の回転方向へ等間隔に配置されている。つまり、一対の第一凹部47、一対の第一凸部48、および一対の操作片51は、軸流羽根車2の回転中心線を対称線として線対称に配置されている。
軸流羽根車2の回転中心線方向視において、操作片51は、中心枠体12の外周面より内側、つまり軸流羽根車2の回転中心線に近い側に配置されている。
羽根部15の中心枠体12は、中心枠体12の外側に操作片51を露出させる開口部52を有している。開口部52は、中心枠体12の底板部39および側壁部38に渡っている。側壁部38における開口部52の縁は、保持部16の座面16aに接する、中心枠体12の電動機105から遠い側の端部12aである。
開口部52は、第一凹部47と第一凸部48との嵌合を解除可能なように操作片51を移動させることが可能な開口形状を有している。例えば、開口部52は、軸流羽根車2の回転中心線に近づく方向へ向かって大きく開き、操作片51を軸流羽根車2の回転中心線に近づく方向へ向かって移動させることが可能な開口形状を有している。したがって、操作片51を軸流羽根車2の回転中心線に近づく方向へ向かって移動させると、それにともなって第一凸部48が軸流羽根車2の回転中心線へ向かって移動し、第一凹部47と第一凸部48との嵌合が解除される。
第二固定機構19は、羽根部15と保持部16とを一体化している。第二固定機構19は、羽根部15の中心枠体12内に設けられる第二凹部55、および第三凹部56と、保持部16のハブ部45から軸流羽根車2の径方向外側へ突出して、第二凹部55に嵌め合わされる第二凸部57と、第二凸部57の途中から軸流羽根車2の回転中心線方向へ延びる第二腕部58と、第二腕部58の突出端に設けられて第三凹部56に嵌め合わされる第三凸部59と、を備えている。
第二凹部55は、中心枠体12の側壁部38の内周面に設けられている溝である。第二凹部55は、軸流羽根車2の回転中心線方向へ延びている。第二凹部55は、中心枠体12の開放端、つまり側壁部38の電動機105に近い側の端部38bに達している。
第二凸部57は、保持部16を中心枠体12内に配置する際、側壁部38の端部38bから第二凹部55に入り込む。
第三凹部56は、中心枠体12の側壁部38に設けられた孔である。
第三凸部59は、第二腕部58の突出端から径方向外側へ向かって突出している。第三凸部59は、保持部16を中心枠体12内に配置する際、一時的に中心枠体12の内周面に接触して第二腕部58を軸流羽根車2の回転中心線へ近づけるように撓ませる。そして、第三凹部56に到達すると、第二腕部58の復元力によって、第三凸部59は、第三凹部56に入り込む。
羽根部15と保持部16とは、保持部16に一体の操作片51が羽根部15の中心枠体12の開口部52に引っ掛かることで、通常は分離することはない。一方、操作片51を中心枠体12の中心へ向かって移動させると、操作片51は、開口部52を通じて中心枠体12の内側へ容易に侵入できる。そこで、第二固定機構19は、操作片51の移動に係わらず、羽根部15と保持部16とを一体化して、両者が分離することを防いでいる。
第二固定機構19は、基部11のスリーブ部23の切欠き23aを通じて、スリーブ部23の内側に位置する保持部16のハブ部45から羽根部15の中心枠体12の内周面へ到達している。
なお、第一固定機構18の第一凹部47と第一凸部48との寸法関係、第二固定機構19の第二凹部55と第二凸部57との寸法関係、第三凹部56と第三凸部59との寸法関係は、回転軸Sから羽根部15へ伝達される回転駆動力を、いずれの嵌合部位から伝達するものであっても良い。また、2箇所以上の嵌合部位が、回転軸Sから羽根部15へ伝達される回転駆動力を分担して伝達するものであっても良い。例えば、回転軸Sから基部11に伝達される回転駆動力は、第一固定機構18の第一凹部47と第一凸部48とが軸流羽根車2の回転方向へ接触することで基部11から保持部16へ伝達される。そして、保持部16に伝達された回転駆動力は、第二固定機構19の第三凹部56と第三凸部59とが軸流羽根車2の回転方向へ接触することで保持部16から羽根部15へ伝達される。
以上のような構成を有する軸流羽根車2は、次のように組み立てられる。
先ず、固定環32が電動機105の回転軸Sに挿し通され、電動機105の回転軸Sが基部11の穴25に差し込まれる。次いで、固定環32が基部11の外側ボス部27に装着される。そうすると、基部11は、回転軸Sに固定される。
次いで、保持部16が羽根部15の中心枠体12内に挿入される。このとき、保持部16に一体の操作片51は、中心枠体12の開口部52に配置されて中心枠体12の外側に露出する。これと同時に、第二固定機構19が羽根部15と保持部16とを一体化させる。つまり、保持部16が羽根部15の中心枠体12内に挿入される際に、保持部16に一体の第三凸部59が、中心枠体12の内周面に接して第二腕部58を撓ませる。保持部16は、第二腕部58を撓ませた状態で、さらに中心枠体12の奥側へ挿入される。そうすると、操作片51が中心枠体12の開口部52に達し、かつ第三凸部59が中心枠体12の第三凹部56に嵌まり込み、第二腕部58の撓みの全部または一部が復元する。また、保持部16が羽根部15の中心枠体12内に挿入される際に、保持部16に一体の第二凸部57が、中心枠体12の第二凹部55に挿入される。そうすると、保持部16は羽根部15に一体化される。
次いで、保持部16と羽根部15との組立体が、基部11に装着される。先ず、基部11の内側ボス部28が保持部16のハブ部45の孔44に差し込まれる。そして、保持部16に一体の第二凸部57、第二腕部58、および第三凸部59を基部11のスリーブ部23の切欠き23aで避けつつ、基部11のスリーブ部23が保持部16の第一腕部46と中心枠体12との隙間に差し込まれる。そして、保持部16と羽根部15との組立体が、内側ボス部28へより深く挿入されるにつれて、第一固定機構18の第一凸部48がスリーブ部23の内周面に接して保持部16の第一腕部46を撓ませる。また、内側ボス部28の先端が、中心枠体12のボス受け部41に嵌め込まれる。保持部16と羽根部15との組立体と基部11とが、図3および図4に示されるような組立状態に至ると、第一凸部48がスリーブ部23の第一凹部47に嵌め込まれ、第一腕部46の撓みの全部または一部が復元する。そうすると、軸流羽根車2の組立が完了する。
また、軸流羽根車2は、次のように分解される。
先ず、操作片51が、第一凸部48が第一凹部47に嵌合している状態における位置から移動させられる。具体的には、ユーザーが操作片51を摘まんで操作片51を軸流羽根車2の回転中心線へ近づけるように移動させる。そうすると、操作片51に一体の保持部16の第一腕部46が撓み、第一凸部48がスリーブ部23の第一凹部47から抜け出して保持部16と基部11との固定が解除される。そして、ユーザーが操作片51を摘まんだまま、電動機105もしくは基部11から離れる方向へ保持部16と羽根部15との組立体を引っ張る。そうすると、保持部16と羽根部15との組立体が、基部11および電動機105の回転軸Sから分離される。
なお、保持部16と羽根部15との組立体を基部11に再装着する手順は、前述した装着手順と同じであり、再装着手順の説明を省略する。
以上のように、本実施形態に係る軸流羽根車2は、電動機105の回転軸Sに固定される基部11と、羽根部15と、羽根部15の中心枠体12の内側に配置される基部11に着脱自在に連結されて基部11と協働して羽根部15を回転軸Sに保持する保持部16と、保持部16を基部11に着脱自在に固定する第一固定機構18と、を備えている。第一固定機構18は、中心枠体12の外側に露出し、かつ第一凸部48が第一凹部47に嵌合している状態における位置から移動することで第一凹部47と第一凸部48との嵌合を解除して基部11、羽根部15、および保持部16を分解可能な状態にする操作片51を備えている。そのため、軸流羽根車2は、電動機105の回転軸Sにねじ部を設けることなく、基部11を適宜の固定方法で回転軸Sに固定しておくことで、羽根部15を基部11および電動機105の回転軸Sへ容易に着脱することができる。また、羽根部15と保持部16を一体化することで、操作片51を移動するとともに引っ張ることができる。つまり、羽根部15のみを引っ張るよりも操作が容易となる。
また、本実施形態に係る軸流羽根車2は、軸流羽根車2の回転方向へ等間隔に配置される複数の第一凹部47、第一凸部48、および操作片51を備えている。そのため、軸流羽根車2は、羽根部15の着脱作業の容易化と回転バランスの安定化とを両立できる。また、軸流羽根車2は、個々に連結される第一凹部47と第一凸部48との負担を軽減し、第一固定機構18による羽根部15と基部11との連結を強固にできる。
さらに、本実施形態に係る軸流羽根車2は、回転中心線方向視において、中心枠体12の外周縁より内側に配置される操作片51を備えている。そのため、軸流羽根車2は、送風性能を損なうことなく羽根部15の着脱作業を容易化できる。
また、本実施形態に係る軸流羽根車2は、回転軸Sを挿入可能な穴25と、穴25に通じ、かつ穴25に沿って延びる切欠き31と、を有する基部11のボス部21と、ボス部21の外周に嵌め込まれ、ボス部21を締め付けて穴25に挿入された回転軸Sを基部11に固定する固定環32を、を備えている。そのため、軸流羽根車2は、電動機105の回転軸Sにねじ部を設けることなく、基部11を回転軸Sに容易に固定しておくことができる。
[第2実施形態]
本発明に係る軸流羽根車、および換気扇の第2実施形態について、図6から図11を参照して説明する。
本発明に係る軸流羽根車、および換気扇の第2実施形態について、図6から図11を参照して説明する。
本実施形態に係る軸流羽根車2A、および換気扇100において第1実施形態の軸流羽根車2、および換気扇100と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る軸流羽根車の斜視図である。
図7は、本発明の第2実施形態に係る軸流羽根車の分解斜視図である。
図8は、図6のVIII−VIII線における、本発明の第2実施形態に係る軸流羽根車の断面図である。
図9は、図6のIX−IX線における、本発明の第2実施形態に係る軸流羽根車の断面図である。
図10は、本発明の第2実施形態に係る軸流羽根車の基部の斜視図である。
図6から図10に示すように、本実施形態に係る軸流ファン1Aは、いわゆるプロペラファンである。軸流ファン1Aは、実線矢印で示す回転方向Rへ回転して実線矢印で示す流れ方向Fへ流体、もっぱら空気を流動させる。なお、軸流ファン1Aを回転方向Rの反対方向へ回転させると、流体は流れ方向Fの反対方向へ流動する。軸流ファン1Aは、換気扇100に適用されて、室内の空気を室外へ排気する用途、または室外の空気を室内へ送り込む用途に用いられる。
軸流ファン1Aは、軸流羽根車2A(軸流インペラー、Axial flow impeller)と、軸流羽根車2Aを回転駆動させる電動機105と、を備えている。
電動機105は、軸流羽根車2Aへ回転駆動力を伝達する回転軸Sを備えている。回転軸Sは、軸流羽根車2Aの回転中心である。回転軸Sは、出力軸とも呼ばれる。
軸流羽根車2Aは、いわゆるプロペラファンの羽根車(Impeller)である。軸流羽根車2Aは、単にプロペラとも呼ばれる。軸流羽根車2Aは、電動機105の回転軸Sに固定される基部11Aと、筒状の中心枠体12Aと中心枠体12Aの径方向外側へ放射状に突出する複数の羽根13とを有する羽根部15Aと、羽根部15Aを基部11Aに着脱自在に固定する固定機構61と、を備えている。基部11A、羽根部15A、および固定機構61は、例えば樹脂の成形品である。
基部11Aは、軸流羽根車2Aを回転軸Sに支えている。基部11Aは、回転軸Sに接着されていても良いし、回転軸Sと基部との間に生じる摩擦力で容易には抜け出ないように強固に固定されていても良い。基部11Aは、例えば回転軸Sを締まり嵌めで嵌め込む孔を備えていても良い。
本実施形態に係る基部11Aは、回転軸Sに固定されるボス部21と、ボス部21から枝分かれして電動機105から離れる方向へ延びる腕部65と、ボス部21の径方向外側へ突出して回転軸Sの軸方向へ延びるリブ66と、を備えている。
ボス部21は、回転軸Sを挿入可能な穴25を有している。ボス部21は、ボス部21から枝分かれする腕部65を境にして、電動機105に近い第一部位71と、電動機105から遠い第二部位72と、を有している。穴25は、第一部位71から第二部位72の先端付近まで達している。
第二部位72の突出端部には、回転軸Sの延長線上に突出する突起部73が設けられている。突起部73は、先端へ向かって先細るテーパ形状を有している。
第一部位71は、穴25に通じ、かつ穴25に沿って延びる切欠き31を備えている。
基部11Aは、第一部位71の外周に嵌め込まれ、第一部位71を締め付ける固定環32によって、穴25に挿入された回転軸Sに固定されている。換言すると、軸流羽根車2Aは、第一部位71の外周に嵌め込まれ、第一部位71を締め付けて縮径させる固定環32によって、回転軸Sに固定されている。つまり、固定環32の内径寸法は、第一部位71の外径寸法よりも小さい。
腕部65は、ボス部21から分岐して片持ち梁状に延びている。換言すると、腕部65は、ボス部21に片持ち梁状に支持されている。腕部65は、第二部位72に並行して延びている。腕部65は、軸流ファン1Aの径方向へ薄く、軸流ファン1Aの回転方向Rへ厚い、板形状の片持ち梁状に延びている。そのため、腕部65は、軸流ファン1Aの径方向へ弾性変形して撓む。腕部65は、軸流ファン1Aの径方向へ撓みやすく、軸流ファン1Aの回転方向Rへ撓みにくい。腕部65は、人の手指の力で容易に撓ませることが可能な剛性を有していることが好ましい。
腕部65は、羽根部15Aの中心枠体12Aの外側に達する突出長さを有している。換言すると、腕部65の一部は、羽根部15Aの中心枠体12Aの外側に突出している。この突出部分は、羽根部15Aを基部11Aから取り外す際に利用される操作片51Aである。換言すると、操作片51Aは、腕部65に一体化されている。
腕部65の外側の面には、爪部75が設けられている。
腕部65は、複数あることが好ましい。本実施形態に係る基部11Aは、2つの腕部65を備えている。2つの腕部65は、第二部位72を中心にしてU文字形状を描いている。腕部65は、3つ以上でも良い。腕部65は、基部11Aの回転バランスを均一化できるように、軸流ファン1Aの回転方向Rへ等間隔に配列されていることが好ましい。
リブ66は、第二部位72の外面から突出している。リブ66は、第二部位72の軸方向へ延びている。リブ66は、電動機105から遠ざかる方向へ向く座面76を有している。座面76は、リブ66の電動機から遠い側の端面である。
リブ66は、複数あることが好ましい。本実施形態に係る基部11Aは、2つのリブ66を備えている。リブ66は、3つ以上でも良い。リブ66は、基部11Aの回転バランスを均一化できるように、軸流ファン1Aの回転方向Rへ等間隔に配列されていることが好ましい。また、リブ66および腕部65は、基部11Aの回転バランスを均一化できるように、軸流ファン1Aの回転方向Rへ交互に配列されていることが好ましい。
羽根部15Aの中心枠体12Aは、軸流羽根車2Aの回転中心線に沿う方向へ延びる筒状の側壁部38と、側壁部38の電動機105から遠い側の端部38aに設けられる底板部39と、を備えている。側壁部38の電動機105に近い側の端部38bは、開放されている。側壁部38の電動機105から遠い方の端部38aは、中心枠体12Aの電動機105から遠い側の端部12aに相当し、側壁部38の電動機105に近い側の端部38bは、中心枠体12Aの電動機105に近い側の端部12bに相当する。
中心枠体12Aは、基部11Aの大部分を囲んで覆い隠している。中心枠体12A、および基部11Aは、軸流羽根車2Aのいわゆるハブに相当する部位を占めている。
底板部39は、基部11Aのボス部21の突出端、つまり第二部位72の突出端を挿入可能なボス受け部41を有している。ボス受け部41は、羽根部15Aを基部11Aに連結する際に、第二部位72の外周、つまりボス部21の外周に嵌め込まれる。ボス受け部41は、羽根部15Aを基部11Aに連結する際に、ガイドの役割を担うとともに、羽根部15Aと基部11Aとの同心度を確保して軸流羽根車2Aの回転バランスを整える。ボス受け部41は、ボス部21の突起部73を嵌合させる中心穴77を有している。中心穴77は、テーパ形状の突起部73に適合する穴形状を有し、回転軸Sから遠いほど開口径が縮径されている。このテーパ状の嵌合部は、羽根部15Aと基部11Aとの連結において芯出しすることで、基部11Aのボス部21の突起部73と羽根部15Aの中心を合わせる機能を有している。
また、底板部39は、基部11Aの腕部65が抜き差し自在に差し込まれる孔部78を有している。孔部78は、基部11Aの腕部65と同数設けられている。孔部78は、腕部65に一体の操作片51Aを中心枠体12Aの外側に露出させる。
固定機構61は、中心枠体12Aに設けられる孔部78と、基部11Aに設けられて孔部78に抜き差し自在に差し込まれる操作片51Aと、操作片51Aに設けられて操作片51Aが孔部78に差し込まれた状態で孔部78の縁に引っ掛かる爪部75と、を備えている。
爪部75および操作片51Aは、一括して孔部78に差し込まれて中心枠体12Aの外側に露出する。爪部75は、羽根部15Aを基部11Aに連結させる際に、孔部78に接触して腕部65を撓ませる傾斜面49を有している。また、爪部75は、羽根部15Aを基部11Aに連結されると、孔部78の縁に引っ掛かって基部11Aから羽根部15Aが離脱することを妨げる。
孔部78に差し込まれた操作片51Aは、回転軸Sから基部11Aへ伝達される回転駆動力を基部11Aから羽根部15Aへ伝達する。
操作片51Aは、中心枠体12Aの外側に露出し、かつ爪部75が孔部78に引っ掛かっている状態における位置から移動することで爪部75と孔部78との引っ掛かりを解除して基部11Aと羽根部15Aとを分解可能な状態にする。
軸流羽根車2Aの回転中心線方向視において、操作片51Aは、中心枠体12Aの外周面より内側、つまり軸流羽根車2Aの回転中心線に近い側に配置されている。
孔部78は、孔部78と爪部75との嵌合を解除可能なように操作片51Aを移動させることが可能な開口形状を有している。例えば、孔部78は、軸流羽根車2Aの回転中心線へ向かって大きく開き、操作片51Aを軸流羽根車2Aの回転中心線に近づく方句へ向かって移動させることが可能な開口形状を有している。操作片51Aの移動は、腕部65の撓みによる。したがって、操作片51Aを軸流羽根車2Aの回転中心線に近づく方向へ向かって移動させると、それにともなって爪部75が軸流羽根車2Aの回転中心線へ向かって移動し、爪部75と孔部78との引っ掛かりが解除される。
固定機構61の孔部78、爪部75、および操作片51Aは、それぞれ複数かつ同数、例えば一対ずつある。複数の孔部78、爪部75、および操作片51Aは、軸流羽根車2Aの回転方向へ等間隔に配置されている。つまり、一対の孔部78、一対の爪部75、および一対の操作片51Aは、軸流羽根車2Aの回転中心線を対称線として線対称に配置されている。
さらに、中心枠体12Aは、基部11Aの座面76に押し当てられて孔部78と爪部75とに働く面圧を増加させる予荷重付与部79を有している。予荷重付与部79は、中心枠体12Aの側壁部38から底板部39へ向かって逆L文字形状に突出している。予荷重付与部79は、中心枠体12Aの側壁部38から分岐して片持ち梁状に延びている。予荷重付与部79は、羽根部15Aを基部11Aに連結する際に、固定機構61の爪部75が孔部78の縁に引っ掛かるのに先んじて基部11Aの座面76に接触し、爪部75が孔部78の縁に引っ掛かった状態では、弾性変形により撓んで基部11Aの座面76に押し当てられる。基部11Aの座面76に押し当てられる予荷重付与部79の反力によって、孔部78と爪部75とに働く面圧が増加する。
中心枠体12Aの予荷重付与部79、および基部11Aの座面76は、それぞれ複数かつ同数、例えば一対ずつある。複数の予荷重付与部79、および座面76は、軸流羽根車2Aの回転方向へ等間隔に配置されている。つまり、一対の予荷重付与部79、および一対の座面76は、軸流羽根車2Aの回転中心線を対称線として線対称に配置されている。
図11は、図6のVIII−VIII線における、本発明の第2実施形態の変形例に係る軸流羽根車の斜視断面図である。
図6に加えて図11に示すように、本実施形態に係る軸流ファン1Aは、中心枠体12Aに設けられて基部11Aの操作片51Aが孔部78に差し込まれる際に、基部11Aの爪部75を孔部78へ案内する案内部81を備えている。案内部81は、中心枠体12Aの側壁部38の内周面から底板部39の内面に渡って延びるリブ状のレールである。案内部81の電動機105に近い側の端部81bは、中心枠体12Aの側壁部38に接し、案内部81の電動機105から遠い側の端部81aは、中心枠体12Aの孔部78に達している。案内部81は、中心枠体12Aの側壁部38から孔部78に向かう斜面を有している。案内部81は、中心枠体12A内に基部11Aが挿入されると、基部11Aの爪部75に接し、爪部75に一体の腕部65を基部11Aのボス部21の方へ撓ませる。この腕部65の撓みによって爪部75は孔部78へ円滑に案内され、かつ孔部78を通り抜けて中心枠体12Aの外側、つまり底板部39の外面側に達して孔部78の縁に引っ掛かる。
以上のような構成を有する軸流羽根車2Aは、次のように組み立てられる。
先ず、固定環32が電動機105の回転軸Sに挿し通され、電動機105の回転軸Sが基部11Aの穴25に差し込まれる。次いで、固定環32が基部11Aの第一部位71に装着される。そうすると、基部11Aは、回転軸Sに固定される。
次いで、基部11Aが羽根部15Aの中心枠体12A内に挿入される。このとき、基部11Aに一体の操作片51Aは、中心枠体12Aの孔部78に配置されて中心枠体12Aの外側に露出する。また、基部11Aのボス部21が中心枠体12Aボス受け部41に挿入される。さらに羽根部15Aを電動機105に近づけると、操作片51Aに一体の爪部75が中心枠体12A内の案内部81に接し、案内部81に乗り上がる。爪部75が案内部81に乗り上げた状態で、さらに羽根部15Aが電動機105に近づくと、腕部65がボス部21へ近づく方向へ撓む。中心枠体12Aは、基部11Aの腕部65が撓んだ状態で、さらに電動機105に近づけられる。そして、爪部75が中心枠体12Aの外側に達するより前に、中心枠体12Aの予荷重付与部79が基部11Aの座面76に接する。さらに羽根部15Aが電動機105に近づくと、操作片51Aおよび爪部75が中心枠体12Aの外側に達し、腕部65の撓みの全部または一部が復元する。このとき、予荷重付与部79が基部11Aの座面76を押さえ付ける力が、予荷重付与部79の弾性変形によって増し、爪部75と孔部78との間に作用する面圧が増加する。そうすると、羽根部15Aは基部11Aに一体化され、軸流羽根車2Aの組立が完了する。
ここから
また、軸流羽根車2Aは、次のように分解される。
また、軸流羽根車2Aは、次のように分解される。
先ず、操作片51Aが、軸流羽根車2Aの回転中心線へ向かって移動させられる。具体的には、ユーザーが操作片51Aを摘まんで操作片51Aを軸流羽根車2Aの回転中心線へ近づけるように移動させる。そうすると、操作片51Aに一体の腕部65が撓み、爪部75と中心枠体12Aの孔部78との引っ掛かりが解除される。羽根部15Aは、予荷重付与部79が弾性変形によって蓄積したエネルギーを消費して基部11Aの座面76を押し、電動機105から遠ざかる。そして、爪部75は孔部78を通じて中心枠体12Aの内側へ移動する。そして、ユーザーが電動機105または基部11Aから離れる方向へ羽根部15Aを引っ張る。そうすると、羽根部15Aが、基部11Aおよび電動機105の回転軸Sから分離される。
以上のように、本実施形態に係る軸流羽根車2Aは、電動機の回転軸に固定される基部11Aと、筒状の中心枠体12Aと、中心枠体12Aの径方向外側へ放射状に突出する複数の羽根13と、を有する羽根部15Aと、羽根部15Aを基部11Aに着脱自在に固定する固定機構61と、を備えている。固定機構61は、中心枠体12Aに設けられる孔部78と、基部11Aに設けられて孔部78に抜き差し自在に差し込まれる操作片51Aと、操作片51Aに設けられて操作片51Aが孔部78に差し込まれた状態で孔部78の縁に引っ掛かる爪部75と、を備えている。操作片51Aは、中心枠体12Aの外側に露出し、かつ爪部75が孔部78に引っ掛かっている状態における位置から移動することで爪部75と孔部78との引っ掛かりを解除して基部11Aと羽根部15Aとを分解可能な状態にする。そのため、軸流羽根車2Aは、電動機105の回転軸Sにねじ部を設けることなく、基部11Aを適宜の固定方法で回転軸Sに固定しておくことで、羽根部15Aを基部11Aおよび電動機105の回転軸Sへ容易に着脱することができる。
また、本実施形態に係る軸流羽根車2Aは、基部11Aの座面76に押し当てられて孔部78と爪部75とに働く面圧を増加させる予荷重付与部79を備えている。そのため、軸流羽根車2Aは、羽根部15Aの着脱作業の容易化し、かつ基部11Aおよび羽根部15Aに製造上で生じる寸法のバラツキに寄らず、基部11Aと羽根部15Aとの連結を安定できる。基部11Aと羽根部15Aとの連結の安定は、軸流羽根車2Aの回転時における振動の抑制に寄与する。
さらに、本実施形態に係る軸流羽根車2Aは、電動機105の回転軸Sを中心に、軸流羽根車2Aの回転方向へ等間隔に配置される複数の孔部78、複数の操作片51A、および複数の爪部75を備えている。そのため、軸流羽根車2Aは、羽根部15Aの着脱作業の容易化と回転バランスの安定化とを両立できる。また、軸流羽根車2Aは、個々に連結される孔部78と爪部75との負担を軽減し、固定機構61による羽根部15Aと基部11Aとの連結を強固にできる。
また、本実施形態に係る軸流羽根車2Aは、中心枠体12Aに設けられて操作片51Aが孔部78に差し込まれる際に爪部75を孔部78へ案内する案内部81を備えている。そのため、軸流羽根車2Aは、基部11Aへ羽根部15Aを装着する作業を容易化し、かつ基部11Aおよび羽根部15Aの組立状態を安定できる。
したがって、本実施形態に係る軸流羽根車2、2Aおよび換気扇100によれば、電動機105の回転軸Sにねじ部を設けたり、電動機105の回転軸Sに溝を設けたりする等の軸流羽根車2、2Aを取付けのための加工を必要とすることなく、軸流羽根車2、2Aを電動機105の回転軸Sから容易に着脱できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1、1A…軸流ファン、2、2A…軸流羽根車、11、11A…基部、11a…座面、12、12A…中心枠体、12a…中心枠体の電動機から遠い側の端部、12b…中心枠体の電動機に近い側の端部、13…羽根、15、15A…羽根部、16…保持部、16a…座面、18…第一固定機構、19…第二固定機構、21…ボス部、22…フランジ部、23…スリーブ部、23a…切欠き、25…穴、27…外側ボス部、28…内側ボス部、31…切欠き、32…固定環、33…キー、35…切欠き、38…側壁部、38a…側壁部の電動機から遠い側の端部、38b…側壁部の電動機に近い側の端部、39…底板部、41…ボス受け部、44…孔、45…ハブ部、46…第一腕部、47…第一凹部、48…第一凸部、49…傾斜面、51、51A…操作片、52…開口部、55…第二凹部、56…第三凹部、57…第二凸部、58…第二腕部、59…第三凸部、固定機構61、腕部65、リブ66、第一部位71、第二部位72、突起部73、爪部75、座面76、中心穴77、孔部78、予荷重付与部79、案内部81、案内部の電動機から遠い側の端部81a、案内部の電動機に近い側の端部81b。
Claims (11)
- 電動機の回転軸に固定される基部と、
前記基部に着脱自在に取り付けられる保持部と、
前記保持部に固定される羽根部と、を備える軸流羽根車。 - 電動機の回転軸に固定される基部と、
筒状の中心枠体と、前記中心枠体の径方向外側へ放射状に突出する複数の羽根と、を有する羽根部と、
前記中心枠体の内側に配置される前記基部に着脱自在に連結されて前記基部と協働して前記羽根部を前記回転軸に保持する保持部と、
前記基部および前記保持部のいずれか一方に設けられる凹部と、前記基部および前記保持部のいずれか他方に設けられて前記凹部に嵌脱自在に嵌め合わされる凸部と、を有して前記保持部を前記基部に着脱自在に固定する第一固定機構と、を備え、
前記第一固定機構は、前記中心枠体の外側に露出し、かつ前記凸部が前記凹部に嵌合している状態における位置から移動させることで前記凹部と前記凸部との嵌合を解除して前記基部と前記保持部とを分解可能な状態にする操作片を有する軸流羽根車。 - 前記凹部、前記凸部、および前記操作片は複数あって、前記軸流羽根車の回転方向へ等間隔に配置されている請求項2に記載の軸流羽根車。
- 前記軸流羽根車の回転中心線方向視において、前記操作片は、前記中心枠体の外周縁より内側に配置されている請求項2または3に記載の軸流羽根車。
- 前記羽根部と前記保持部のいずれか一方に設けられる凹部と、前記羽根部と前記保持部のいずれか他方に設けられて前記凹部に嵌脱自在に嵌め合わされる凸部と、を有し、前記羽根部を前記保持部に着脱自在に固定する第二固定機構を備える請求項1から4のいずれか1項に記載の軸流羽根車。
- 前記基部は、前記回転軸を挿入可能な穴と、前記穴に通じ、かつ前記穴に沿って延びる切欠きと、を有するボス部を備え、
前記ボス部の外周に嵌め込まれ、前記ボス部を締め付けて前記穴に挿入された前記回転軸を前記基部に固定する固定環を備える請求項1から5のいずれか1項に記載の軸流羽根車。 - 電動機の回転軸に固定される基部と、
筒状の中心枠体と、前記中心枠体の径方向外側へ放射状に突出する複数の羽根と、を有する羽根部と、
前記中心枠体に設けられる孔部と、前記基部に設けられて前記孔部に抜き差し自在に差し込まれる操作片と、前記操作片に設けられて前記操作片が前記孔部に差し込まれた状態で前記孔部の縁に引っ掛かる爪部と、を有して前記羽根部を前記基部に着脱自在に固定する固定機構と、を備え、
前記操作片は、前記中心枠体の外側に露出し、かつ前記爪部が前記孔部に引っ掛かっている状態における位置から移動させることで前記爪部と前記孔部との引っ掛かりを解除して前記基部と前記羽根部とを分解可能な状態にする軸流羽根車。 - 前記基部は、座面を有し、
前記羽根部は、前記座面に押し当てられて前記孔部と前記爪部とに働く面圧を増加させる予荷重付与部を有する請求項7に記載の軸流羽根車。 - 前記孔部、前記操作片、および前記爪部は複数あって、前記軸流羽根車の回転方向へ等間隔に配置されている請求項7または8に記載の軸流羽根車。
- 前記中心枠体に設けられて前記操作片が前記孔部に差し込まれる際に前記爪部を前記孔部へ案内する案内部を備える請求項7から9のいずれか1項に記載の軸流羽根車。
- 請求項1から10のいずれか1項に記載の軸流羽根車を備える換気扇。
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