JP2021025519A - ランキンサイクルシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】媒体の熱量が小さいときにおけるランキンサイクルシステムの作動効率を向上させることができるランキンサイクルシステムを提供する。【解決手段】潜熱蓄熱材10をその内部に封入する筐体11を囲う囲繞部材14を、筐体11と囲繞部材14の間に形成される第1空間15と囲繞部材14と蒸発器7の内壁面の間に形成される第2空間16の両方の空間に作動流体Wが貯留されるように蒸発器7の内部に設けて、排気Gの温度Tが設定閾値T1以下である場合に、アクチュエータ13により潜熱蓄熱材10の過冷却状態を解除して、第1空間15に貯留された作動流体Waを潜熱蓄熱材10の潜熱により加熱する。【選択図】図2
Description
本開示は、ランキンサイクルシステムに関する。
ランキンサイクル回路(ランキンサイクルシステム)の加熱器(蒸発器)の内部に媒体を導く廃熱媒体経路と作動流体を導く作動流体経路を区画する境界壁を有し、境界壁の内部に蓄熱材を設けて、媒体のエネルギー量が小さいときに蓄熱材に蓄えられたエネルギーを作動流体に放出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記の技術では、媒体のエネルギー量(熱量)が小さいときに、蒸発器の内部を通過する作動流体の全体に蓄熱材から放熱するので、作動流体の昇温に時間を要する。また、媒体の熱量に応じて蓄熱材から作動流体に放熱される熱量が変化し、蓄熱材から作動流体に集中的に大きな熱量が放熱されないので、作動流体の昇温にさらに時間を要する。その結果、ランキンサイクルシステムの作動効率が小さくなる。
本開示の目的は、媒体の熱量が小さいときにおけるランキンサイクルシステムの作動効率を向上させることができるランキンサイクルシステムを提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の態様のランキンサイクルシステムは、作動流体を循環させる作動流体用の流路と媒体を通過させる媒体用の流路の両方の流路に配置されて、作動流体と媒体との熱交換により作動流体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器の内部に配置されて潜熱蓄熱材がその内部に封入された筐体と、前記潜熱蓄熱材の過冷却状態を解除する過冷却解除手段と、ランキンサイクルシステムを制御する制御装置と、を備えて構成されるランキンサイクルシステムにおいて、媒体の温度を取得する温度取得装置を設けるとともに、前記筐体を囲う囲繞部材を、前記筐体と前記囲繞部材の間に形成される第1空間と前記囲繞部材と前記蒸発器の内壁面の間に形成される第2空間の両方の空間に作動流体が貯留されるように前記蒸発器の内部に設けて、前記制御装置が、前記温度取得装置の取得値が予め設定された設定閾値以下である場合に、前記過冷却解除手段により前記潜熱蓄熱材の過冷却状態を解除して、前記第1空間に貯留された作動流体を前記潜熱蓄熱材の潜熱により加熱する制御を行うように構成される。
本開示によれば、媒体の熱量が小さいときにおけるランキンサイクルシステムの作動効率を向上させることができる。
以下、本開示の実施形態のランキンサイクルシステム1について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、媒体としてエンジン(内燃機関)2の排気Gを例示しているが、一例である。また、作動流体Wは、例えば、エタノールである。
図1に例示するように、ランキンサイクルシステム1は、エンジン2の各気筒2aで新気と燃料との混合気を燃焼することにより発生する熱量(エネルギー量)を排気Gを介して作動流体Wに供給して、作動流体Wから動力を得るシステムである。
エンジン2の各気筒2aには排気通路3が連通している。排気通路3は、各気筒2aから排出される排気Gを通過させて大気に導く通路で、媒体を通過させる媒体用の流路を構成する配管(排気管)である。排気通路3には、後処理装置4が配置されている。後処理装置4は、その内部に担持した触媒装置4aにより排気Gに含まれる微粒子状物質、NOx(窒素酸化物)、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)等の成分を浄化処理する装置である。触媒装置4aは、浄化処理する成分に応じた複数の異なる触媒で構成されている。
ランキンサイクルシステム1は、作動流体Wを循環させる作動流体用の流路5に、ポンプ(循環装置)6と、蒸発器7と、膨張器8と、凝縮器9とを備えて構成される。ポンプ6は、液体状態の作動流体Wを圧送する装置である。蒸発器7は、ポンプ6より下流側の作動流体用の流路5と排気通路3の両方の流路に配置されて、作動流体Wと排気Gとの熱交換により液体状態の作動流体Wを蒸発させて気化させる装置である。膨張器8は、蒸発器7より下流側の作動流体用の流路5に配置されて、気体状態の作動流体Wを膨張させてその出力軸8aに動力を発生させる装置である。出力軸8aには断接装置(クラッチ等)を介して駆動装置(エンジンやモータ等)が接続されており、断接装置の接続時に出力軸8aに発生した動力が駆動装置に伝達される。凝縮器9は、膨張器8より下流側の作動流体用の流路5に配置されて、気体状態の作動流体Wを凝縮させて液化させる装置である。なお、本実施形態の図面では、液体状態の作動流体Wを実線矢印、気体状態の作動流体Wを白抜き矢印で示している。
本発明の実施形態の蒸発器7の構成について、図2、図3を参照しながら説明する。蒸発器7の内部には、潜熱蓄熱材10がその内部に封入された直方体形状の筐体11が配置されている。潜熱蓄熱材10は、液体状態と固体状態の間で相変化し、この相変化時の潜熱を蓄熱または放熱し、過冷却状態(その凝固温度以下になっても固体状態にならずに液体状態を維持する状態)となる。本実施形態の潜熱蓄熱材10は、例えば、酢酸ナトリウム3水和物(凝固温度は略50℃)である。潜熱蓄熱材10の凝固温度は、作動流体Wの加熱の観点から常温(5℃〜35℃)以上であればよい。筐体11の内部には、潜熱蓄熱材10の相状態に依らず潜熱蓄熱材10を封入可能なように空間12が形成されている。なお、潜熱蓄熱材10は、過冷却状態となる蓄熱材であればよく、気体状態と液体状態の間で相変化する構成であってもよい。
潜熱蓄熱材10には、アクチュエータ13が筐体11の外部から筐体11の上壁面を貫通して鉛直方向に挿入されている。アクチュエータ13は、その振動により潜熱蓄熱材10の過冷却状態を解除して潜熱蓄熱材10の凝固を開始する装置である。潜熱蓄熱材10の凝固は、アクチュエータ13で一度(一定時間)振動して衝撃を与えられることで全体に広がる。
なお、図3では、図の煩雑さを避けるためにアクチュエータ13を省略している。また、アクチュエータ13は過冷却解除手段の一例である。過冷却解除手段としては、その他に、潜熱蓄熱材10に対して外部から新たな潜熱蓄熱材の固相の核を投入する装置、潜熱蓄熱材10に電圧を印加する装置、潜熱蓄熱材10に超音波を放射する装置等がある。過冷却解除手段は、潜熱蓄熱材10の過冷却状態を解除できればよく、その装置によっては必ずしも潜熱蓄熱材10に接する必要はない。
蒸発器7の内部には、筐体11を囲う囲繞部材14が設けられる。本実施形態では、囲繞部材14は筐体11の側面及び底面を囲っているが一例である。囲繞部材14は、後述する第1空間15に作動流体Wが流入して貯留されるように筐体11を囲う構成であればよく、例えば球形状等の他の構成でもよい。
本実施形態の囲繞部材14は、側面用板材14aと、底面用板材14bとで構成される。側面用板材14aは、筐体11の各側面及び蒸発器7の内壁側面7aの間に対向して平行に配置されて、鉛直方向に延在する板材である。各側面用板材14aは対向する筐体11の側面を離間して覆い、その面積は対向する筐体11の側面の面積より大きい。なお、本実施形態では、ポンプ6側の筐体11の側面以外の3方向の側面に側面用板材14aが対向して配置されて、筐体11の全側面が側面用板材14a及び蒸発器7の内壁側面7aにより囲われる構成としているが、ポンプ6側の筐体11の側面にも側面用板材14aを対向して配置してもよい。この場合は、筐体11の全側面が側面用板材14aにより囲われる構成となる。
底面用板材14bは、筐体11の底面及び蒸発器7の内壁底面7bの間に対向して平行に配置されて、水平方向に延在する板材である。底面用板材14bは筐体11の底面を離間して覆い、その面積は筐体11の底面の面積より大きい。底面用板材14bは、排気管3の上面に載置されている。
側面用板材14a及び底面用板材14bは、これらの板材を介した熱伝導が可能である板材で、図示しない支持部材により蒸発器7の内壁面(内壁側面7aまたは内壁底面7b)に支持されている。また、筐体11の上面に対向して板材は設置されていない。
囲繞部材14は、筐体11と囲繞部材14の間に形成される第1空間15と囲繞部材14と蒸発器7の内壁面の間に形成される第2空間16の両方の空間に作動流体Wが貯留されるように設けられる。第1空間15は、底面用板材14bをその底面とし、側面用板材14aの延在長さをその高さとする直方体形状の空間から筐体11を除いた空間である。第2空間16は、蒸発器7の内壁底面7bをその底面とし、蒸発器7の内壁底面7bから側面用板材14aの上端までの鉛直方向の長さをその高さとする直方体形状の空間から第1空間15及び筐体11を除いた空間である。第1空間15に貯留された作動流体Wの液位が側面用板材14aの上端を超えると、第1空間15から第2空間16に作動流体Wの一部が溢れて移動する。
筐体11は、底面用板材14bから離間するように、囲繞部材14または筐体11の内壁面に図示しない支持部材を介して支持されており、その全体が第1空間15に貯留された液体状態の作動流体Waに浸かった状態となっている。蒸発器7の内部を通過する排気管3は、蒸発器7の内壁底面7bから離間して配置されて、その全体が第2空間16に貯留された液体状態の作動流体Wbに浸かった状態となっている。言い換えれば、排気管3は第1空間15を通過することなく第2空間16のみを通過している。
ここで、蒸発器7の内壁側面7aには、ポンプ6側から蒸発器7に流入する2つの作動流体用の流路5a、5bが接続されている。第1流路5aは、側面用板材14aの上端より鉛直方向上側の蒸発器7の内壁側面7aに接続されている。第1流路5aから蒸発器7の内部に流入した作動流体Wは、第1空間15と第2空間16の両方の空間に流入する。第2流路5bは、底面用板材14bより鉛直方向下側の蒸発器7の内壁側面7aに接続されている。第2流路5bから蒸発器7の内部に流入した作動流体Wは、第1空間15に流入せず、第2空間16にのみ流入する。
なお、第1空間15と第2空間16の両方に作動流体Wが流入するように蒸発器7の内壁側面7aに作動流体用の流路5が接続されればよいので、第2流路5bを設けることなく、蒸発器7の内壁側面7aに第1流路5aのみを接続する構成としてもよい。蒸発器7の内壁側面7aに第1流路5aのみを接続する構成とした場合には、第2流路5bの設置に必要なコストが低減されるとともに、省スペースとなる。この場合は、本実施形態のように、第1流路5aから第1空間15及び第2空間16の両方の空間に作動流体Wが流れるように構成する。
一方、蒸発器7の内壁側面7aに第1流路5aと第2流路5bの両方の流路を接続する構成とした場合には、第1空間15と第2空間16の両方に作動流体Wを比較的貯留しやすくすることができる。この場合は、第1流路5aから第1空間15のみに作動流体Wが流れるように構成してもよい。
本実施形態のランキンサイクルシステム1では、後処理装置4と蒸発器7の間の排気通路3に温度センサ17が配置される。温度センサ17は、排気Gの温度を取得(検出)するセンサである。なお、温度センサ17は温度取得装置の一例である。温度取得装置は、蒸発器7に流入する排気Gの温度を取得できればよく、温度センサ17に限定されない。
本実施形態のランキンサイクルシステム1には、ランキンサイクルシステム1を制御する制御装置18が備わる。制御装置18は、各種情報処理を行うCPU(Central Processing Unit)、その各種情報処理を行うために用いられるプログラムや情報処理結果を読み書き可能な内部記憶装置、及び各種インターフェースなどから構成されるハードウェアである。制御装置18は、各種装置13、17と電気的に接続される。
本実施形態のランキンサイクルシステム1では、制御装置18が、温度センサ17の取得値Tが設定閾値T1以下である場合に、アクチュエータ13を作動させて、アクチュエータ13の振動により潜熱蓄熱材10の過冷却状態を解除する制御を行う。潜熱蓄熱材10の過冷却状態を解除することで、第1空間15に貯留された作動流体Waを潜熱蓄熱材10の潜熱(凝固熱)により加熱する。設定閾値T1は、この閾値以下であると潜熱蓄熱材10が過冷却状態で、かつ、ランキンサイクルシステム1の作動効率が比較的低い状態であるとして実験等により予め設定される。また、アクチュエータ13の作動時間は、潜熱蓄熱材10に固相の核を形成可能な時間に実験等により予め設定される。
本実施形態のランキンサイクルシステム1の制御方法を制御フローの形で図4を参照しながら説明する。図4の制御フローは、エンジン2の始動時(例えば、エンジン2を搭載した車両のイグニッションキーがオンされた時等)に行われるか、または、エンジン2の運転状態時に周期的に行われる。
図4の制御フローがスタートすると、ステップS10で、温度センサ17の取得値Tが設定閾値T1以下であるか否かを判定する。取得値Tが設定閾値T1以下である場合(YES)には、ステップS20に進む。取得値Tが設定閾値T1を超える場合(NO)には、リターンに進んで、本制御フローを終了する。
ステップS20で、現時点から実験等により予め設定された設定時間が経過するまでエンジン2が運転状態であるか否かを判定する(エンジン2の運転予測判定を行う)。エンジン2が運転状態であると判定する場合(YES)には、ステップS30に進む。エンジン2が運転状態でないと判定する場合(NO)には、リターンに進んで、本制御フローを終了する。
ステップS30で、アクチュエータ13を作動して、潜熱蓄熱材10の過冷却状態を解除する。アクチュエータ13は、潜熱蓄熱材10に固相の核が形成されるのに十分な時間だけ作動した後停止する。ステップS30を実施後、リターンに進んで、本制御フローを終了する。
過冷却状態を解除される場合の潜熱蓄熱材10の温度推移について図5を参照しながら説明する。図5に例示するように、時刻t1で潜熱蓄熱材10の温度(図5の実践部)Taはその凝固温度Ta1まで低下するが、潜熱蓄熱材10は液体状態を維持して時刻t1以降にその温度Taはさらに低下する。時刻t2でアクチュエータ13が作動すると、潜熱蓄熱材10の凝固が開始し、潜熱蓄熱材10の温度Taは上昇して時刻t3で凝固温度Ta1に達する。このとき、作動流体Wの温度(図5の長破線部)Tbは、時刻t2から時刻t3の間の潜熱蓄熱材10の急激な昇温に連動して時刻t2から比較的緩やかに上昇して、時刻t4で潜熱蓄熱材10の凝固温度Ta1に達する。そして、時刻t5で潜熱蓄熱材10の凝固が完了する。潜熱蓄熱材10の温度Taは、その後低下して時刻t6でほぼ一定値に達する。なお、図5に示す、潜熱蓄熱材10の温度Taの推移と作動流体Wの温度Tbの推移はともに直線的であるが、一例である。
時刻t2から時刻t6までの間に、過冷却状態時に潜熱蓄熱材10に蓄熱された潜熱(図5にてクロスハッチングで示された領域Sに相当する熱量)が第1空間15に貯留された作動流体Waに放熱されて、作動流体Waは昇温する。
潜熱蓄熱材10の潜熱が、蒸発器7の内部の作動流体Wの全体に放熱されるのではなく、第1空間15に貯留された作動流体Waにのみ放熱される。第1空間15に貯留された作動流体Waは、蒸発器7の内部の作動流体Wの全体と比較して熱容量が小さいので、第1空間15に貯留された作動流体Waは比較的早期に潜熱蓄熱材10の凝固温度Ta1まで昇温する。
潜熱蓄熱材10の凝固温度Ta1が作動流体Wの液化(気化)温度以下である場合には、潜熱蓄熱材10の潜熱と排気管3を通過する排気Gの熱量の両方により作動流体Waを蒸発させることが可能となる。この場合は、作動流体Waは潜熱蓄熱材10の潜熱により凝固温度Ta1まで昇温した後排気Gの熱量によりその液化温度まで昇温して、作動流体Waは蒸発する。凝固温度Ta1までの作動流体Waの昇温に要する時間が短縮されるので、ランキンサイクルシステム1は早期に稼働しその作動効率を向上させることができる。
潜熱蓄熱材10の凝固温度Ta1が作動流体Wの液化温度以下である場合には、図2に例示するように、筐体11を囲繞部材14及び排気管3から離間させると、作動流体Waに対する潜熱蓄熱材10の伝熱面積が大きくなり、凝固温度Ta1までの作動流体Waの昇温に要する時間がさらに短縮されるので好ましい。
一方、潜熱蓄熱材10の凝固温度Ta1が作動流体Wの液化温度よりも高い場合には、作動流体Waは潜熱蓄熱材10の潜熱のみで蒸発可能である。作動流体Waが比較的早期に蒸発するので、ランキンサイクルシステム1は早期に稼働しその作動効率は向上する。
ただし、この場合には、凝固した潜熱蓄熱材10は周囲の液体状態の作動流体Waのみによっては再び液化できない。したがって、本実施形態のように排気管3が第1空間15を通過することなく第2空間16のみを通過する場合には、図6に例示するように、筐体11を囲繞部材14を介して排気管3に当接させる。あるいは、本実施形態とは異なり、排気管3が第1空間15のみを通過する場合には、筐体11を排気管3に直接当接させる。これらの構成によれば、凝固した潜熱蓄熱材10を排気管3を通過する排気Gの熱量により液化(融解)して、潜熱蓄熱材10を再び過冷却状態となることが可能な状態とすることができる。
なお、第2空間16に貯留された作動流体Wbは、第1空間15に貯留された作動流体Waの蒸発開始より後に、排気通路3を通過する排気Gの昇温に伴って徐々に蒸発して膨張器8側の作動流体用の流路5に流出する。
以上より、本実施形態のランキンサイクルシステム1によれば、媒体(排気)Gの熱量が小さいときにおけるランキンサイクルシステム1の作動効率を向上させることができる。
媒体用の流路(排気通路)3が第1空間15を通過することなく第2空間16を通過するように構成すると、潜熱蓄熱材10の過冷却状態の解除時の放熱が、排気管3に伝達されず、第1空間15に貯留された作動流体Waのみに伝達される。したがって、凝固温度Ta1までの作動流体Waの昇温に要する時間を短縮することができる。
なお、図示しないが、蒸発器7に接続される第1流路5a及び第2流路5bの各々を通過する作動流体Wの流量を調整する流量調整機構を設けて、制御装置18が、温度センサ17の取得値Tが設定閾値T1以下である場合に、エンジン2の運転状態に応じて流量調整機構を制御して、第1流路5aを通過する作動流体Wの流量を調整する制御を行うようにしてもよい。流量調整機構は、例えば、第1流路5a及び第2流路5bの各々に配置される流量調整弁である。
このようにすることで、第1空間15に貯留される作動流体Waの熱容量がエンジン2の運転状態に応じた熱容量となるので、ランキンサイクルシステム1の作動効率をエンジン2の運転状態に応じた作動効率に向上させることができる。
1 ランキンサイクルシステム
2 エンジン(内燃機関)
2a 各気筒
3 排気通路(媒体用の流路)
4 後処理装置
4a 触媒装置
5 作動流体用の流路
5a 第1流路
5b 第2流路
6 ポンプ
7 蒸発器
7a 蒸発器の内壁側面
7b 蒸発器の内壁底面
8 膨張器
8a 出力軸
9 凝縮器
10 潜熱蓄熱材
11 筐体
12 空間
13 アクチュエータ(過冷却解除手段)
14 囲繞部材
14a 側面用板材
14b 底面用板材
15 第1空間
16 第2空間
17 温度センサ(温度取得装置)
18 制御装置
2 エンジン(内燃機関)
2a 各気筒
3 排気通路(媒体用の流路)
4 後処理装置
4a 触媒装置
5 作動流体用の流路
5a 第1流路
5b 第2流路
6 ポンプ
7 蒸発器
7a 蒸発器の内壁側面
7b 蒸発器の内壁底面
8 膨張器
8a 出力軸
9 凝縮器
10 潜熱蓄熱材
11 筐体
12 空間
13 アクチュエータ(過冷却解除手段)
14 囲繞部材
14a 側面用板材
14b 底面用板材
15 第1空間
16 第2空間
17 温度センサ(温度取得装置)
18 制御装置
Claims (5)
- 作動流体を循環させる作動流体用の流路と媒体を通過させる媒体用の流路の両方の流路に配置されて、作動流体と媒体との熱交換により作動流体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器の内部に配置されて潜熱蓄熱材がその内部に封入された筐体と、前記潜熱蓄熱材の過冷却状態を解除する過冷却解除手段と、ランキンサイクルシステムを制御する制御装置と、を備えて構成されるランキンサイクルシステムにおいて、
媒体の温度を取得する温度取得装置を設けるとともに、
前記筐体を囲う囲繞部材を、前記筐体と前記囲繞部材の間に形成される第1空間と前記囲繞部材と前記蒸発器の内壁面の間に形成される第2空間の両方の空間に作動流体が貯留されるように前記蒸発器の内部に設けて、
前記制御装置が、
前記温度取得装置の取得値が予め設定された設定閾値以下である場合に、前記過冷却解除手段により前記潜熱蓄熱材の過冷却状態を解除して、前記第1空間に貯留された作動流体を前記潜熱蓄熱材の潜熱により加熱する制御を行うように構成されるランキンサイクルシステム。 - 前記媒体用の流路が前記第1空間を通過することなく前記第2空間を通過する請求項1に記載のランキンサイクルシステム。
- 前記潜熱蓄熱材の凝固温度が作動流体の液化温度以下である場合に、前記筐体を前記囲繞部材及び前記媒体用の流路から離間させる請求項1または2に記載のランキンサイクルシステム。
- 前記媒体用の流路が前記第1空間を通過し、かつ、前記潜熱蓄熱材の凝固温度が作動流体の液化温度より高い場合に、前記筐体を前記媒体用の流路に当接させる請求項1に記載のランキンサイクルシステム。
- 前記潜熱蓄熱材の凝固温度が作動流体の液化温度より高い場合に、前記筐体を前記囲繞部材を介して前記媒体用の流路に当接させる請求項2に記載のランキンサイクルシステム。
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