JP2021025111A - ばね用鋼 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い強度を有し、製造性にも優れたばね用鋼を提供する。【解決手段】質量%で、0.45%≦C≦0.60%、1.8%≦Si≦2.8%、0.2%≦Mn≦0.8%、0.05%≦Cu≦1.0%、1.01%≦Ni≦2.5%、0.75%≦Cr≦2.5%、0.007%≦Al≦0.1%、0.001%≦N≦0.010%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、P<0.02%、S<0.02%、O<0.002%であるばね用鋼とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ばね用鋼に関し、さらに詳しく車両等に適用可能なばねを構成するばね用鋼に関する。
車両の懸架ばねに代表される種々のばねにおいて、軽量化が望まれている。所望されるばね特性を維持しながら、ばねの軽量化を達成するためには、ばねを構成するばね用鋼の強度を高めることが重要となる。例えば、特許文献1,2において、ばね用鋼の引張強度の向上が図られている。
特開平4−247824号公報 特開2006−291291号公報
ばね用鋼の高強度化は、V等の元素の添加による結晶粒微細化、C含有量の増大等による焼戻し硬さの向上、合金元素の添加、ショットピーニング処理等による圧縮残留応力の付与等の手段により、実現することができる。しかし、ばね用鋼を高強度化すると、延靱性が低下し、ばね用鋼の製造性が低くなってしまう傾向がある。よって、上記のような手段により、ばね用鋼を高強度化できるとしても、製造性の確保等の制約から、引張強度にして2000MPa程度までしか、高強度化が行われてこなかった。製造性を確保しながら、さらに高い引張強度を示すばね用鋼の開発が望まれている。
本発明が解決しようとする課題は、高い強度を有し、製造性にも優れたばね用鋼を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明にかかるばね用鋼は、質量%で、0.45%≦C≦0.60%、1.8%≦Si≦2.8%、0.2%≦Mn≦0.8%、0.05%≦Cu≦1.0%、1.01%≦Ni≦2.5%、0.75%≦Cr≦2.5%、0.007%≦Al≦0.1%、0.001%≦N≦0.010%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、P<0.02%、S<0.02%、O<0.002%である。
ここで、焼入れ・焼戻しを経た際の引張強度が、2100MPa以上であるとよい。
また、旧オーステナイト結晶粒の結晶粒度番号が、9番以上であるとよい。
前記ばね用鋼は、さらに、質量%または質量ppmで、0.01%≦Mo≦1.0%、0.05%≦V≦0.5%、0.01%≦Ti≦0.1%、0.01%≦Nb≦0.1%、5ppm≦B≦30ppmから選択される1種または2種以上を含有するとよい。
下記の式(1)によって求められるP1が、P1≧0であるとよい。
P1=1.97−3.16C+1.40Si−1.59Mn−1.35Cu−0.62Ni−0.49Cr (1)
ただし、式(1)において、各元素記号は、質量%を単位とした各元素の含有量を示す。
下記の式(2)によって求められるP2が、P2≧0であるとよい。
P2=1.1Ni−2.0C (2)
ただし、式(2)において、各元素記号は、質量%を単位とした各元素の含有量を示す。
下記の式(3)によって求められるP3が、P3≧15.2であるとよい。
P3=18.3C+1.7Si+0.3Mn+0.2Cu+1.1Ni+1.4Cr (3)
ただし、式(3)において、各元素記号は、質量%を単位とした各元素の含有量を示す。
上記発明にかかるばね用鋼は、上記成分組成を有することにより、高い強度を有するとともに、製造性に優れる。
ここで、焼入れ・焼戻しを経た際の引張強度が、2100MPa以上である場合には、高いばね特性を与えるのに十分な強度を有するばね用鋼となる。
また、旧オーステナイト結晶粒の結晶粒度番号が、9番以上である場合には、ばね用鋼における結晶粒が十分に微細となり、高い引張強度と製造性を両立しやすくなる。
ばね用鋼が、さらに、上記所定量のMo,V,Ti,Nb,Bから選択される1種または2種以上を含有する場合には、ばね用鋼の製造性を確保しながら、さらにばね用鋼の強度を高めやすくなる。
上記式(1)によって求められるP1が、P1≧0である場合には、ばね用鋼において、ベイナイトの生成を効果的に抑えることができる。
上記の式(2)によって求められるP2が、P2≧0である場合には、ばね用鋼の延靱性を確保し、伸線加工時の破断を効果的に抑制することができる。
上記の式(3)によって求められるP3が、P3≧15.2である場合には、ばね用鋼において、2100MPa以上の引張強度を確保しやすい。
以下、本発明の一実施形態にかかるばね用鋼について、詳細に説明する。本実施形態にかかるばね用鋼は、自動車用懸架ばねをはじめとして、種々の分野に利用可能なばねを構成するのに用いられる材料であり(熱間巻き用および冷間巻き用の両方を含む)、以下のような成分組成を有する。
<ばね用鋼の成分組成>
本実施形態にかかるばね用鋼は、所定量のC,Si,Mn,Cu,Ni,Cr,Al,Nを必須元素として含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。また、P,S,Oが所定の含有量以下に制限されている。各成分元素の含有量とその限定理由を以下に説明する。以下、各成分元素の含有量の単位は、質量%または質量ppmである。各物性については、特記しないかぎり、大気中、室温にて計測される値とする。
(1)0.45%≦C≦0.60%
Cの含有量は、ばね用鋼の焼戻し硬さに大きく影響する。Cの含有量が多いほど、焼戻し硬さが高くなり、その結果として、焼入れ・焼戻し後のばね用鋼の強度を高めることができる。Cの含有量を0.45%以上とすることで、ばね用鋼に要求される2100MPa以上の引張強度を、得やすくなる。さらなる焼戻し硬さおよび強度の向上の観点から、Cの含有量は、0.47%以上であれば、さらに好ましい。
一方、Cの含有量を多くしすぎると、ばね用鋼の靱性が低下してしまうとともに、耐食性も低くなる。そこで、Cの含有量は、0.60%以下に抑えられる。靱性および耐食性の確保の観点から、Cの含有量は、0.58%以下であると、さらに好ましい。
(2)1.8%≦Si≦2.8%
Siは、ばね用鋼において、焼戻し硬さおよび耐水素脆性、耐へたり性を高めるのに寄与する。それらの効果を十分に得る観点から、Siの含有量は、1.8%以上とされる。
一方、Siの含有量が多くなりすぎると、ばね用鋼において、脱炭による加工性の悪化を招きやすくなる。そこで、加工性を確保する観点から、Siの含有量は、2.8%以下とされる。さらに好ましくは、Siの含有量は、2.73%以下であるとよい。
(3)0.2%≦Mn≦0.8%
Mnは、ばね用鋼の焼入れ性を高める元素である。さらに、Mnは、有害元素となるSと反応し、MnSを形成することにより、Sを無害化する役割を果たす。それらの効果を十分に得る観点から、Mnの含有量は、0.2%以上とされる。
一方、ばね用鋼にMnを多量に含有させすぎると、被削性や加工性の低下、またベイナイトの生成による製造性の低下を招く。それらの現象、特にベイナイトの生成を抑制する観点から、Mnの含有量は、0.8%以下とされる。さらに好ましくは、Mnの含有量は、0.6%以下であるとよい。
(4)0.05%≦Cu≦1.0%
Cuは、ばね用鋼において、耐食性を向上させる効果を有する。その効果を十分に得る観点から、Cuの含有量は、0.05%以上とされる。
一方、Cuの含有量を多くしすぎると、熱間加工時に、ばね用鋼に割れが発生しやすくなる。それを避ける観点から、Cuの含有量は、1.0%以下とされる。
(5)1.01%≦Ni≦2.5%
Niは、ばね用鋼の耐水素脆性を高める役割を果たす。また、Niを添加することで、ばね用鋼の延靱性を高めることができる。それらの効果を十分に得る観点から、Niの含有量は、1.01%以上とされる。ばね用鋼において、強度を高めると、延靱性が低下する傾向があるが、Niを添加することで、引張強度の上昇に伴う延靱性の低下を補填することができる。従来一般のばね用鋼においては、材料コストの上昇を抑える観点から、Niは多量には添加されてこなかった。しかし、ばね用綱にNiを1.01%以上添加することで、2100MPa以上にまで引張強度を高めた際にも、十分な延靱性を担保し、伸線加工工程を含む実際の製造ラインで、ばね用鋼を製造するのに十分な製造性を確保することができる。延靱性をさらに高める観点から、ばね用鋼におけるNiの含有量は、1.03%以上、1.05%以上、また1.1%以上であると、さらに好ましい。
一方、Niを多量に含有させすぎても、ベイナイトが生成しやすくなり、ばね用鋼の製造性が、かえって低くなってしまう。そこで、ベイナイトの生成を抑える観点から、Niの含有量は、2.5%以下とされる。ベイナイト生成を一層抑制する観点から、Niの含有量は、2.2%以下であると、さらに好ましい。
(6)0.75%≦Cr≦2.5%
Crは、焼戻し時に析出物を生成することで、ばね用鋼の焼戻し硬さを向上させ、その結果として、ばね用鋼の強度を向上させる元素となる。また、Crは、ばね用鋼の耐水素脆性を高める効果も有する。それらの効果を十分に得る観点から、Crの含有量は、0.75%以上とされる。それにより、上記所定量以上のCを含有することの効果と合わせて、ばね用鋼において、2100MPa以上の引張強度を達成しやすくなる。強度向上および耐水素脆性向上の効果をさらに高める観点から、Crの含有量は、1.0%以上、さらには1.21%以上であると、より好ましい。
一方、Crを多量に含有させすぎると、ばね用鋼において、腐食ピットの影響が大きくなりやすい。そこで、Crの含有量は、2.5%以下とされる。Crの含有量は、2.2%以下であると、さらに好ましい。
(7)0.007%≦Al≦0.1%
Alは、ばね用鋼において、脱酸剤として作用する。また、Alは、結晶粒の微細化にも寄与する。結晶粒の微細化により、ばね用鋼の強度を向上させることができる。それらの効果を十分に得る観点から、Alの含有量は、0.007%以上とされる。Alの含有量は0.008%以上であると、さらに好ましい。
一方、Alを多く含有させすぎると、Al系介在物の生成によって、かえってばね用鋼の強度が低下してしまう。そこで、ばね用鋼の強度を確保する観点から、Alの含有量は、0.1%以下とされる。
(8)0.001%≦N≦0.010%
ばね用鋼にNが含有されると、鋼中で炭窒化物を形成することにより、結晶粒を微細化する効果を示す。結晶粒微細化、およびそれに伴う強度向上の効果を十分に得る観点から、Nの含有量は、0.001%以上とされる。
一方、Nの含有量が多すぎると、窒化物の生成により、ばね用鋼の強度がかえって低下してしまう可能性がある。窒化物の生成を抑える観点から、Nの含有量は、0.01%以下とされる。
本実施形態にかかるばね用鋼は、上記所定量のC,Si,Mn,Cu,Ni,Cr,Al,Nを含有し、残部は、Feと不可避的不純物よりなる。ここで、不可避的不純物としては、以下のような元素および上限量が想定される。
(9)P<0.02%
(10)S<0.02%
PおよびSは、原料等に起因して、ばね用鋼に不可避的に混入するものである。しかし、それぞれ0.02%未満の量であれば、含有されても、粒界偏析による脆化等、ばね用鋼としての特性に顕著な影響を与えるものとはなりにくい。よって、PおよびSの含有量は、それぞれ0.02%未満に抑えられる。
(11)O<0.002%
Oも、原料に由来して、また大気中からの溶解により、ばね用鋼に、不可避的に混入する。しかし、0.002%未満であれば、含有されても、粗大酸化物形成による強度低下等、ばね用鋼としての特性に顕著な影響を与えるものとはなりにくい。よって、Oの含有量は、0.002%未満に抑えられる。
鋼成分の残部は、Feおよび不可避的不純物であり、上記のP,S,O以外にも、原料や製造工程中から不可避的に混入する不純物が想定される。
本実施形態にかかるばね用鋼は、上述した必須元素に加えて、さらに、以下の元素から選択される1種または2種以上の元素を任意に含有していても良い。各元素の含有量および限定理由は、次のとおりである。
(12)0.01%≦Mo≦1.0%
Moは、ばね用鋼に含有されることで、焼入れ性および焼戻し硬さを向上させることができる。それらの効果を十分に得る観点から、Moの含有量は、0.01%以上とされる。
一方、Moを多量に含有させすぎると、ばね用鋼の加工性や切削性が低くなってしまう。そこで、ばね用鋼の加工性および切削性を確保する観点から、Moの含有量は、1.0%以下とされる。
(13)0.05%≦V≦0.5%
Vは、ばね用鋼に含有されることで、結晶粒の微細化や、焼戻し硬さの向上に効果を有する。それらの効果を十分に得る観点から、Vの含有量は、0.05%以上とされる。
一方、Vを多量に含有させすぎると、ばね用鋼の加工性や切削性が低くなってしまう。そこで、ばね用鋼の加工性および切削性を確保する観点から、Vの含有量は、0.5%以下とされる。Vの含有量は、0.3%以下であれば、さらに好ましい。
(14)0.01%≦Ti≦0.1%
(15)0.01%≦Nb≦0.1%
TiやNbがばね用鋼に含有されると、鋼中で炭窒化物を形成することにより、結晶粒を微細化するものとなる。結晶粒微細化、およびそれによる強度向上の効果を十分に得る観点から、TiおよびNbの含有量は、それぞれ、0.01%以上とされる。
一方、TiやNbを多量に含有させすぎると、粗大な窒化物を生成することにより、ばね用鋼の強度がかえって低下してしまう。粗大な窒化物の生成を回避する観点から、TiおよびNbの含有量は、それぞれ、0.1%以下とされる。
(16)5ppm≦B≦30ppm
Bは、ばね用鋼に含有されることで、PおよびSが粒界に偏析することを防止し、ばね用鋼の疲労強度を向上させる役割を果たす。その効果を十分に得る観点から、Bの含有量は、5ppm以上とされる。
一方、Bを多量に含有させすぎると、鋼中にBの窒化物が生成し、ばね用鋼の靱性が低下してしまう。十分な靱性を確保する観点から、Bの含有量は、30ppm以下とされる。
本実施形態にかかるばね用鋼は、上記のように、必須元素であるC,Si,Mn,Cu,Ni,Cr,Al,Nを、それぞれ所定量含有しているが、さらに、それらの含有量比より定まる以下の組成パラメータP1,P2,P3のいずれか少なくとも1つが、所定の数値範囲を満たしていることが好ましい。以下、組成パラメータP1,P2,P3の定義式において、各元素記号は、質量%を単位として、ばね用鋼における各元素の含有量を示すものとする。
(17)P1≧0
パラメータP1は、以下の式(1)によって定義される。
P1=1.97−3.16C+1.40Si−1.59Mn−1.35Cu−0.62Ni−0.49Cr (1)
パラメータP1は、ばね用鋼におけるベイナイト生成の有無の指標となるものである。P1の値が大きいほど、ベイナイトが生成しにくい。圧延時にベイナイトが生成すると、鋼材の硬さが上昇し、伸線加工等における加工性が低下してしまう。P1≧0としておくことで、ベイナイトの生成を効果的に抑制することができる。なお、式(1)は、各元素の含有量を様々に異ならせて製造したばね用鋼において、圧延を行った後、断面の金属組織において、ベイナイトが生成されているか否かに基づいて、定めたものである。ベイナイトが生成している場合と生成していない場合を区画できる組成パラメータとして、重回帰により、パラメータP1を求めた。
(18)P2≧0
パラメータP2は、以下の式(2)によって定義される。
P2=1.1Ni−2.0C (2)
パラメータP2は、ばね用鋼における延靱性の指標となるものである。P2の値が大きいほど、延靱性が高くなりやすい。ばね用鋼が十分に高い延靱性を有していないと、伸線加工時に、破断が起こりやすくなる。P2≧0としておくことで、十分に高い延靱性を確保し、伸線時の破断を抑制することができる。なお、式(2)は、各元素の含有量を様々に異ならせて製造したばね用鋼において、圧延後の伸線加工時において、破断が起こったか否かに基づいて、定めたものである。破断が起こった場合と破断が起こっていない場合を区画できる組成パラメータとして、重回帰により、パラメータP2を求めた。
(19)P3≧15.2
パラメータP3は、以下の式(3)によって定義される。
P3=18.3C+1.7Si+0.3Mn+0.2Cu+1.1Ni+1.4Cr (3)
パラメータP3は、ばね用鋼が高い引張強度を有するかどうかの指標となるものである。P3の値が大きいほど、高い引張強度が得られやすくなる。P3≧15.2としておくことで、ばね用鋼において、2100MPa以上の引張強度が得られやすくなる。なお、式(3)は、各元素の含有量を様々に異ならせて製造したばね用鋼において、焼入れ・焼戻し後に2100MPa以上の引張強度が得られるか否かに基づいて、定めたものである。2100MP以上の引張強度が得られた場合と、得られなかった場合を区画できる組成パラメータとして、重回帰により、パラメータP3を求めた。
<ばね用鋼の金属組織>
本実施形態にかかるばね用鋼においては、旧オーステナイト結晶粒の結晶粒度番号が、9番以上となっていることが好ましい。結晶粒度番号が大きいほど、つまり結晶粒が微細であるほど、ばね用鋼の強度を向上させやすくなる。
旧オーステナイト結晶粒の結晶粒度は、後の実施例にも示すように、焼入れ・焼戻し後に、エッチングを行った断面において、組織観察を行うことにより、評価することができる。結晶粒度番号は、JIS G0551に準じて規定される。ばね用鋼の強度および延靱性向上の効果をさらに高める観点から、旧オーステナイト結晶粒の結晶粒度番号は、10番以上、さらには11番以上であると、さらに好ましい。
ばね用鋼の金属組織における結晶粒径は、上記で説明したように、Al,N,V,Ti,Nbをはじめとする成分元素の含有量に影響され、Al,N,V,Ti,Nbの含有量が多いほど、結晶粒が微細化する傾向がある。結晶粒度番号の上限は、特に限定されるものではない。
<ばね用鋼の特性>
本実施形態にかかるばね用鋼は、上記成分組成を有することにより、高い強度と製造性を両立するものとなる。本実施形態にかかるばね用鋼は、引張強度にして2100MPa以上のように、高い強度を有し、同時に、圧延後の伸線加工において破断を起こさないだけの高い製造性を有する。
本ばね用鋼は、特に、引張強度の向上に効果を有するCおよびCrを比較的多量に含有することにより、高い強度を示す。上記のように、本ばね用鋼は、焼入れ・焼戻しを経て、2100MPa以上の引張強度を有することが好ましい。より好ましくは、引張強度は、2200MPa以上となるとよい。引張強度を評価する際の焼入れ・焼戻しは、ばね用鋼に対して通常適用される範囲の条件で行えばよい。おおむね、焼入れ温度は850℃以上1050℃以下、焼戻し温度は300℃以上500℃以下とすればよい。好適な焼入れ温度としては950℃、焼戻し温度としては400℃を例示することができる。焼入れ時間としては30分、焼戻し時間としては60分を例示することができる。引張強度は、JIS Z2241に準じた引張試験により、評価することができる。本ばね用鋼においては、各成分元素の含有量を上記所定の範囲とすることに加え、組成パラメータの1つであるP3を、P3≧15.2とすれば、特に高い引張強度を達成しやすい。
一方、本ばね用鋼においては、Mnをはじめとするベイナイトを生成させやすい元素の含有量を低く抑えることにより、ベイナイト生成による製造性の低下を抑制している。さらに、本ばね用鋼は、上記のように高い引張強度を有するものであり、通常は、引張強度が高いほど、鋼材の延靱性が低下する傾向があるが、比較的多量のNiを添加することで、高強度化による延靱性の低下を補い、十分な延靱性が得られるようにしている。それら成分組成の効果により、本ばね用鋼においては、高い延靱性を担保し、製造ラインにおいて、伸線時の破断等を避けて、優れた製造性を確保することができる。特に、組成パラメータP1について、P1≧0とすることで、ベイナイトの生成を効果的に抑制し、高い製造性を確保しやすくなる。さらに、組成パラメータP2について、P2≧0とすれば、延靱性の不足による伸線時の破断を回避し、特に高い製造性を得ることができる。
本ばね用鋼の硬さは、圧延後の状態で27HRC以上、また35HRC以下であることが好ましい。また、フェライト脱炭深さが、圧延後の状態で0.2mm以下であるとよい。さらに、絞り値が、焼入れ・焼戻し後の状態で、40.0%以上、さらには41.0%以上、41.5%以上であるとよい。
本実施形態にかかるばね用鋼を製造するには、例えば、まず、所定成分を含有する鋼材を溶製する。得られた鋼塊を、分塊圧延し、さらに熱間圧延を行って、圧延線材とすればよい。そして、得られた圧延線材に対して、焼入れ・焼戻しを行う。焼入れ時の加熱温度としては、850℃以上1050℃以下、加熱時間としては、10分以上120分以下を例示することができる。焼戻し時の加熱温度としては、300℃以上500℃以下、加熱時間としては、10分以上120分以下を例示することができる。
以下に本発明の実施例、比較例を示す。なお、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。以下、いずれの試験も、特記しないかぎり、室温、大気中にて行っている。
<試料の作製>
実施例1〜28および比較例1〜13にかかる試料として、表1,2に示す成分元素を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼材を溶製した。得られた鋼塊を分塊圧延し、155mm角とした後、熱間圧延を行って、φ13mmの圧延線材とした。圧延終了後の線材は、空冷した。次に説明する各評価試験のうち、フェライト脱炭、圧延後硬さ、ベイナイト生成、伸線加工時の破断に関する試験は、この圧延線材に対して行った。
下記の各評価試験のうち、結晶粒度、引張強度、絞り値に関しては、上記で得られた圧延線材に対して、焼入れ・焼戻しを行ってから、試験を実施した。焼入れは、油焼入れにて行い、加熱温度は950℃、加熱時間は30分とした。焼戻しは、400℃にて60分間行った。
<評価試験の方法>
・フェライト脱炭
圧延線材の横断面の金属組織を、光学顕微鏡で観察し、フェライト脱炭層の厚さを測定した。
・圧延後硬さ
圧延線材の横断面について、ロックウェルCスケールを用いて、硬さを測定した。測定は、面内の5点で行い、それらの測定値の平均値を、圧延後硬さとした。
・ベイナイト生成
圧延線材の横断面の金属組織を光学顕微鏡で観察し、ベイナイトが生成しているか否かを確認した。
・伸線加工時の破断
圧延線材に、ボンデ被膜処理を施したうえで、伸線加工を行い、φ12mmの伸線材とした。伸線加工時に、鋼材に破断が発生したか否かを評価した。破断が発生した場合には、表3,4に、「破断」と表示し、破断が発生しなかった場合には、「なし」と表示している。
・結晶粒度
焼入れ・焼戻しを経た後の鋼材に対して、組織観察を行い、旧オーステナイト粒径を計測した。計測に際しては、鋼材の横断面が観察面となるように、鋼材を切断し、観察用試料片を得た。観察用試料片は、樹脂に包埋して、研磨した。その状態で、結晶粒現出液にて、試料片をエッチングした。その後、JIS G0551に準じて、結晶粒度番号を評価した。
・引張強度
焼入れ・焼戻しを経た後の鋼材から、丸棒引張試験片を作製し、引張試験を行った。引張試験は、万能引張試験機を用いて、JIS Z2241に準じて行い、鋼材の引張強度を計測した。クロスヘッド速度は、10mm/minとした。なお、上記伸線加工時の破断の評価試験において、破断が発生した試料については、引張試験時の破断により、引張強度を評価することができなかった。
・絞り値
上記引張強度の計測のために引張試験を行った後の試験片に対して、破断面の断面積を計測し、絞り値を算出した。
<評価結果>
表1,2に、各実施例および比較例にかかる試料の成分組成と、それらの含有量から算出した組成パラメータP1,P2,P3の値を示す。また、表3,4に、各評価試験の結果を示す。
Figure 2021025111
Figure 2021025111
Figure 2021025111
Figure 2021025111
表1に示されるように、実施例1〜28においては、鋼材が、各必須元素および添加元素を、所定範囲の含有量で含有している。そのことと対応して、いずれの実施例においても、2100MPa以上の引張強度が得られている。さらに、ベイナイト生成が起こっておらず、それに対応して、伸線加工時に鋼材に破断を生じない、高い製造性が得られている。旧オーステナイト結晶粒の結晶粒度番号も、9番以上となっている。
各実施例において、引張強度は、パラメータP3との間に高い相関性を示しており、P3の値が大きくなるほど、引張強度が高くなる傾向が見られている。
一方、延靱性の指標となる絞り値は、パラメータP2との間に高い相関性を有しており、P2の値が大きくなるほど、絞り値が大きくなる傾向が見られている。また、ベイナイト生成の有無が、パラメータP1との間に相関を示しており、P1≦0となっている各実施例において、ベイナイト生成が起こっていない。つまり、各実施例においては、いずれも、ベイナイト生成が起こっておらず、そのことおよび延靱性の高さが、伸線加工時に破断を生じない高い製造性につながっていると言える。さらに、各実施例においては、フェライト脱炭深さも0.0mmとなっており、脱炭が防止されている。
比較例1〜13では、表2,4に示されるように、鋼材が上記所定の成分組成を有していない。そして、比較例1〜13では、いずれにおいても、伸線加工時に破断が発生しているか、あるいは、引張強度が2100MPaに達していない。つまり、十分な製造性と引張強度を両立するものとはなっていない。つまり、上記実施例のように、伸線加工時に破断が発生しないだけの良好な製造性と、2100MPa以上の高い引張強度を両立するためには、ばね用鋼が、上記所定の成分組成を有している必要がある。
比較例3,4,11では、ぞれぞれ、Si,C,Crの含有量が、所定範囲よりも少なくなっている。Si,C,Crは、ばね用鋼の強度を高める効果を有するが、比較例3,4,11では、それらの元素による強度向上の効果が十分に得られないことが、引張強度が2100MPa未満に低くなっていることの主な原因であると考えられる。上記で実施例について説明したように、パラメータP3は、引張強度と高い相関を有しており、比較例3,4,11では、いずれも、P3<15.2となっている。
比較例1,9では、Alの含有量が少なすぎることにより、結晶粒が粗大化し、結晶粒度番号が9番未満となっている。結晶粒が粗大化することにより、ばね用鋼の強度が低くなり、引張強度が2100MPa未満となっていると解釈される。
比較例5,7,10では、ベイナイトが生成してしまっている。それに伴って、ばね用鋼の製造性が低下し、伸線加工時に破断が生じている。比較例5,7,10では、それぞれ、C,Mn,Niの含有量が過剰となっており、ベイナイトの生成は、そのことと対応していると考えられる。さらに、実施例について説明したように、パラメータP1は、ベイナイト生成と相関を有しており、比較例5,7,10では、いずれも、P1<0となっている。
比較例6,8,12では、ベイナイトの生成は起こっていないものの、伸線加工時に破断が起こっている。これは、Niの含有量が、所定範囲よりも少なくなっていることと対応づけられる。Niは、ばね用鋼の延靱性を高める効果を有するが、比較例6,8,12では、Niの含有量が少なすぎて、Niによる延靱性向上の効果が十分に得られていないと考えられる。上記で実施例について説明したように、パラメータP2は、延靱性の指標となる絞り値と高い相関を有しているが、比較例6,8,12では、P2<0となっている。なお、比較例13は、鋼種SUP12に対応するものであるが、Niを全く含有しておらず、引張強度が著しく低くなっている。
比較例2では、Siの含有量が過剰となっている。0.3mmのフェライト脱炭深さが観測されているが、これは、過剰量のSiの含有により、脱炭が起こりやすくなっている結果であると考えられる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。

Claims (7)

  1. 質量%で、
    0.45%≦C≦0.60%、
    1.8%≦Si≦2.8%、
    0.2%≦Mn≦0.8%、
    0.05%≦Cu≦1.0%、
    1.01%≦Ni≦2.5%、
    0.75%≦Cr≦2.5%、
    0.007%≦Al≦0.1%、
    0.001%≦N≦0.010%を含有し、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
    P<0.02%、
    S<0.02%、
    O<0.002%であることを特徴とするばね用鋼。
  2. 焼入れ・焼戻しを経た際の引張強度が、2100MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載のばね用鋼。
  3. 旧オーステナイト結晶粒の結晶粒度番号が、9番以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のばね用鋼。
  4. さらに、質量%または質量ppmで、
    0.01%≦Mo≦1.0%、
    0.05%≦V≦0.5%、
    0.01%≦Ti≦0.1%、
    0.01%≦Nb≦0.1%、
    5ppm≦B≦30ppm
    から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のばね用鋼。
  5. 下記の式(1)によって求められるP1が、P1≧0であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のばね用鋼。
    P1=1.97−3.16C+1.40Si−1.59Mn−1.35Cu−0.62Ni−0.49Cr (1)
    ただし、式(1)において、各元素記号は、質量%を単位とした各元素の含有量を示す。
  6. 下記の式(2)によって求められるP2が、P2≧0であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のばね用鋼。
    P2=1.1Ni−2.0C (2)
    ただし、式(2)において、各元素記号は、質量%を単位とした各元素の含有量を示す。
  7. 下記の式(3)によって求められるP3が、P3≧15.2であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のばね用鋼。
    P3=18.3C+1.7Si+0.3Mn+0.2Cu+1.1Ni+1.4Cr (3)
    ただし、式(3)において、各元素記号は、質量%を単位とした各元素の含有量を示す。
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