JP2021024416A - 水中翼船 - Google Patents
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水中翼船であって、
船体と、
水中翼と、
上記船体の船底および翼走時喫水線より下方に上記水中翼を支持可能に構成された船首ストラットと、
上記船首ストラットを上記船体に支持させるための水中翼支持装置と、
上記船首ストラット又は上記船首ストラットと上記水中翼支持装置との接続部に形成される破断機構部であって、上記水中翼又は上記船首ストラットに所定以上の衝撃荷重が加えられた際に他の部位よりも優先して破断するように構成された破断機構部と、
上記船首ストラットにおける上記破断機構部よりも上記水中翼側の部位、又は上記水中翼の何れかと、上記船体とを機械的に接続する索条部材と、を備える。
上記(2)の構成によれば、索条部材は、水中翼の翼後縁に機械的に接続されるので、航行中に水中翼や船首ストラットが衝突物(海中障害物や浮遊物など)に衝突した際に、索条部材が破断することを防止することができる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。また、「ある方向に沿って」とは、「ある方向」に対してある程度の角度(例えば30度以内の角度)をなす場合も含んでいる。
以下、図1に示されるように、水中翼船1の船体2の前後方向X(図中左右方向)において、船体2の中央に対して船首21が位置する一方側(図中右側)を前側X1とし、船体2の中央に対して船尾22が位置する他方側(図中左側)を後ろ側X2とする。
水中翼船1は、停止時および低速航行時には、艇走時の喫水線WL1以下に沈みこんだ船体2の浮力により浮いて航走する(この状態を「艇走」という)。水中翼船1は、高速航行時には、水中翼3や後部水中翼11の揚力により、船体2が艇走時の喫水線WL1よりも上方に浮上して航走する(この状態を「翼走」という)。
船首ストラット4は、船首ストラット4の長手方向における一方側に位置する一端部41であって、翼走時において、鉛直方向Zに沿って船底23よりも下方に垂れ下がる一端部41を有し、一端部41に水中翼3を支持している。なお、水中翼3は、翼走時喫水線WL2より上方に引き上げ可能に構成され、艇走時に引き上げられるようになっていてもよい。
他の幾つかの実施形態では、水中翼3は、翼走時において、水中翼3の一部が翼走時喫水線WL2よりも上方に位置していてもよい。つまり、他の幾つかの実施形態では、水中翼船1は、半没翼型水中翼船からなる。
船尾ストラット12は、船尾ストラット12の長手方向における一方側に位置する一端部121であって、翼走時において、鉛直方向Zに沿って船底23よりも下方に垂れ下がる一端部121を有し、一端部121に後部水中翼11を支持している。なお、後部水中翼11は、翼走時喫水線WL2より上方に引き上げ可能に構成され、艇走時に引き上げられるようになっていてもよい。
水中翼船1は、図1、2に示されるような、船首ストラット4又は船首ストラット4と水中翼支持装置5との接続部8に形成される破断機構部9を備える。破断機構部9は、水中翼3又は船首ストラット4に所定以上の衝撃荷重が加えられた際に他の部位よりも優先して破断するように構成されている。
図2に示されるように、接続部8では、船首ストラット4の長手方向における上記一方側とは反対側(図中上側)に位置する他端部42に設けられた鍔部45と、水中翼支持装置5の鍔部51と、互いに突き合わされて、締結装置13により締結されている。締結装置13は、鍔部45および鍔部51の夫々に形成された貫通孔46、52を挿通する胴部131を有するヒューズボルト13Aと、ヒューズボルト13Aの胴部131の貫通孔46、52を挿通して突出した部分に螺合されるナット13Bと、を含む。
図示される実施形態では、図3に示されるように、上述した破断機構部9は、水中翼3や船首ストラット4に所定以上の衝撃荷重に加えられて破断する際に、船首ストラット4における破断機構部9よりも水中翼3側の部位および水中翼3が、船体2の幅方向Yにおける一方向Wを含む方向Bに向かって切り離されるように構成されている。
幾つかの実施形態では、上述した水中翼船1は、図4、5に示されるように、水中翼3の船首ストラット4に支持される側(上面32側)とは反対側(底面33側)に取付けられたエアバッグ171を備える。
図示される実施形態では、浮力体174は、内部に形成された気泡176に気体を充填するように構成された発砲樹脂体175を含む。気泡176に充填される気体としては、空気や、海水(船外水)や空気よりも軽い気体が挙げられる。
なお、本実施形態における浮力体174は、独立して実施可能である。例えば本実施形態における浮力体174は、エアバッグ171を備えない水中翼船に対して適用可能である。
図示される実施形態では、ビーコン鳴動装置18は、図5に示されるように、船首ストラット4における破断機構部9よりも水中翼3側の部位(破断後の船首ストラット4Aに相当する部位)の内部に画定された内部空間40に配置される。
他の幾つかの実施形態では、ビーコン鳴動装置18は、図5に示されるような、水中翼3の内部に画定された内部空間30に配置されていてもよい。
幾つかの実施形態では、図2に示されるように、上述した船体2は、鉛直方向Zに沿って延在する鉛直側支持面24と、鉛直側支持面24に交差する方向に沿って延在する水平側支持面25と、を含む。上述した水中翼支持装置5は、図2、5に示されるように、鉛直側支持面24および水平側支持面25に固定される固定部材6と、船首ストラット4を船首ストラット4の回転中心RA2周りに回動可能に支持するヨーク7であって、固定部材6に対してヨーク7の回転中心RA1周りに回動可能に支持されるヨーク7と、を含む。
図2に示されるように、下部ヨーク75は、下部ヨーク75の長手方向における一端が、上部ヨーク71に連結され、長手方向における一端とは反対側に位置する他端が、船首ストラット4に相対回転不能に固定されている。つまり、上述した鍔部51は、下部ヨーク75の他端に設けられて鍔部76である。このため、下部ヨーク75を回転中心RA2周りに回転させると、船首ストラット4が下部ヨーク75と一緒に回転する。
なお、本実施形態における水中翼支持装置5は、独立して実施可能である。例えば本実施形態における水中翼支持装置5は、索条部材10を備えない水中翼船に対して適用可能である。
上部ヨーク71は、長手方向における下部ヨーク75に連結される一端とは反対側に位置する他端に設けられる回動部73であって、連結ピン14Bを介して、ロッド155の先端と上部ヨーク71の上記他端とを相対回転可能に連結する回動部73を有する。
翼振り上げ用アクチュエータ151は、回動部73および回動部153に相対回転可能に連結しており、ロッド155を前後進させると、ロッド155の先端は、回転中心RA1を中心とする周方向に沿って移動する。ヨーク7は、ロッド155の前後進運動に連動して、回転中心RA1周りに回転することにより、水中翼3を振り上げたり、振り下ろしたりするようになっている。
噛合部164は、歯車163の回転に連動して回転するとともに、噛合部164の回転に連動して下部ヨーク75、下部ヨーク75に固定された船首ストラット4、水中翼3を回転中心RA2周りに回動させる。
2 船体
21 船首
22 船尾
23 船底
24 鉛直側支持面
25 水平側支持面
3 水中翼
3A 破断後の水中翼
30 内部空間
31 翼後縁
32 上面
33 底面
4 船首ストラット
4A 破断後の船首ストラット
40 内部空間
41 一端部
42 他端部
43 後端
44 前端
45 鍔部
46,46A,46B 貫通孔
5 水中翼支持装置
51 鍔部
6 固定部材
61 鉛直側固定部
62 第1の接続部
63 第1の水平側固定部
64 第2の接続部
65 第2の水平側固定部
7 ヨーク
71 上部ヨーク
72 貫通孔
73 回動部
75 下部ヨーク
76 鍔部
8 接続部
9 破断機構部
10 索条部材
11 後部水中翼
12 船尾ストラット
121 一端部
13 締結装置
13A ヒューズボルト
13B ナット
131 胴部
14A,14B 連結ピン
15 翼振り上げ装置
151 翼振り上げ用アクチュエータ
152 船体固定部材
153 回動部
154 胴体部
155 ロッド
16 翼旋回装置
161 翼旋回用アクチュエータ
162 電動モータ
163 歯車
164 噛合部
171 エアバッグ
172 エアバッグ本体
173 エアバッグ側索条部材
174 浮力体
175 発砲樹脂体
176 気泡
18 ビーコン鳴動装置
181 受信部
182 鳴動部
191 アンカーウインチ
192 アンカー
193 アンカー側索条部材
194 アンカー側駆動部
195 索条側ウインチ
196 索条側駆動部
197 駆動力供給装置
C 衝突物
CL 中心線
RA1,RA2 回転中心
W 幅方向における一方向
WL1 艇走時の喫水線
WL2 翼走時の喫水線
X 船体の前後方向
X1 前側
X2 後ろ側
Y 船体の幅方向
Z 鉛直方向
Claims (11)
- 水中翼船であって、
船体と、
水中翼と、
前記船体の船底および翼走時喫水線より下方に前記水中翼を支持可能に構成された船首ストラットと、
前記船首ストラットを前記船体に支持させるための水中翼支持装置と、
前記船首ストラット又は前記船首ストラットと前記水中翼支持装置との接続部に形成される破断機構部であって、前記水中翼又は前記船首ストラットに所定以上の衝撃荷重が加えられた際に他の部位よりも優先して破断するように構成された破断機構部と、
前記船首ストラットにおける前記破断機構部よりも前記水中翼側の部位、又は前記水中翼の何れかと、前記船体とを機械的に接続する索条部材と、を備える
水中翼船。 - 前記索条部材は、前記水中翼の翼後縁に機械的に接続される
請求項1に記載の水中翼船。 - 前記水中翼の前記船首ストラットに支持される側とは反対側に取り付けられたエアバッグをさらに備える
請求項1又は2に記載の水中翼船。 - 前記水中翼の内部に画定された内部空間に充填される浮力体をさらに備える
請求項1乃至3の何れか1項に記載の水中翼船。 - 前記浮力体は、内部に形成された気泡に気体を充填するように構成された発砲樹脂体を含む
請求項4に記載の水中翼船。 - 前記索条部材の繰り出しおよび巻き上げを行うように構成された索条側駆動部を含む索条側ウインチと、
アンカーに一端が機械的に接続されたアンカー側索条部材の繰り出しおよび巻き上げを行うように構成されたアンカー側駆動部を含むアンカーウインチと、
前記索条側駆動部および前記アンカー側駆動部の両方に駆動力を供給するように構成された駆動力供給装置と、をさらに備える
請求項1乃至5の何れか1項に記載の水中翼船。 - 前記船体は、鉛直方向に沿って延在する鉛直側支持面と、前記鉛直側支持面に交差する方向に沿って延在する水平側支持面と、を含み、
前記水中翼支持装置は、
前記鉛直側支持面および前記水平側支持面に固定される固定部材と、
前記船首ストラットを前記船首ストラットの回転中心周りに回動可能に支持するヨークであって、前記固定部材に対して前記ヨークの回転中心周りに回動可能に支持されるヨークと、を含む
請求項1乃至6の何れか1項に記載の水中翼船。 - 前記ヨークを前記ヨークの回転中心周りに回動させる翼振り上げ用アクチュエータを含む翼振り上げ装置であって、前記船体に支持される翼振り上げ装置をさらに備える
請求項7に記載の水中翼船。 - 前記船首ストラットと前記ヨークとをボルト締結するヒューズボルトであって、前記水中翼又は前記船首ストラットに所定以上の衝撃荷重が加えられた際に前記船首ストラットよりも優先して破断するように構成されたヒューズボルトをさらに備える
請求項7又は8に記載の水中翼船。 - 前記ヨークは、前記水中翼および前記船首ストラットを回転させるように構成された翼旋回装置を含み、
前記翼旋回装置は、前記船首ストラットを前記船首ストラットの前記回転中心周りに回動させる翼旋回用アクチュエータと、電力を回転トルクに変換して前記回転トルクにより前記翼旋回用アクチュエータを駆動させる電動モータと、を含む
請求項7乃至9の何れか1項に記載の水中翼船。 - 前記船首ストラットにおける前記破断機構部よりも前記水中翼側の部位、又は前記水中翼の内部に画定された内部空間に配置されるビーコン鳴動装置をさらに備え、
前記ビーコン鳴動装置は、ビーコン信号を受信するように構成された受信部と、前記受信部が受信する前記ビーコン信号の受信状態に応じて、報知音を出力させるように構成された鳴動部と、を含む
請求項1乃至10の何れか1項に記載の水中翼船。
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- 2019-08-05 JP JP2019143479A patent/JP6934494B2/ja active Active
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2020
- 2020-02-13 SG SG10202001320YA patent/SG10202001320YA/en unknown
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