JP2021023268A - 核酸アプタマー、ヒト間葉系幹細胞吸着剤、ヒト間葉系幹細胞の分離方法、ヒト間葉系幹細胞の検出方法 - Google Patents

核酸アプタマー、ヒト間葉系幹細胞吸着剤、ヒト間葉系幹細胞の分離方法、ヒト間葉系幹細胞の検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒト間葉系幹細胞を特異的に分離できる技術や、ヒト間葉系幹細胞を検出する方法の提供。【解決手段】特定の塩基配列、もしくは、特定の塩基配列において1〜5個の塩基が置換、欠失、挿入又は付加された塩基配列であるヒト間葉系幹細胞に結合性を有する核酸アプタマー、その核酸アプタマーを含むヒト間葉系幹細胞吸着剤。【選択図】図1

Description

本発明は、核酸アプタマー、ヒト間葉系幹細胞吸着剤、ヒト間葉系幹細胞の分離方法、ヒト間葉系幹細胞の検出方法に関する。
近年、再生医療に関する研究開発が活発化しており、幹細胞を用いた技術はその中核を占めている。幹細胞の中でも、生体内に存在する体性幹細胞の一種である間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cells;以下、「MSC」ともいう。)は、骨、軟骨、筋肉等の多様な細胞への分化能を有し、骨髄、脂肪組織、歯髄等の多様な採取源があることから、再生医療で使用される組織や臓器の細胞供給源として期待されている(非特許文献1)。
MSCは多様な採取源から取得できる一方で、採取源にはMSC以外の細胞も存在することから、従来より、採取した組織等の細胞集団からMSCのみを効率よく分離する方法が検討されてきた。このような方法として、例えば、MSCの細胞表面マーカーに対する抗体及びフローサイトメーター等を利用した方法等が挙げられる。
Pittenger,M.F. et al.:Science,284:143−147,1999
しかし、従来の方法では、MSCを特異的に分離することが困難であり得た。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、ヒト間葉系幹細胞を特異的に分離できる技術の提供を目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ヒト間葉系幹細胞に対して選択的な結合性を有する新規な核酸アプタマーを見出した。さらに、該核酸アプタマーは、ヒト間葉系幹細胞の吸着剤として利用できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下を提供する。
(1) 以下の(a)又は(b)の塩基配列を含み、且つ、ヒト間葉系幹細胞に結合性を有する核酸アプタマー。
(a)配列番号1〜8のいずれかに示される塩基配列
(b)配列番号1〜8のいずれかに示される塩基配列において、1〜5個の塩基が置換、欠失、挿入又は付加された塩基配列
(2) 以下の(c)又は(d)の塩基配列を含み、且つ、ヒト間葉系幹細胞に結合性を有する核酸アプタマー。
(c)配列番号9〜16のいずれかに示される塩基配列
(d)配列番号9〜16のいずれかに示される塩基配列において、1〜5個の塩基が置換、欠失、挿入又は付加された塩基配列
(3) 前記核酸アプタマーがDNAアプタマーである、(1)又は(2)に記載の核酸アプタマー。
(4) 前記(a)、前記(b)、前記(c)又は前記(d)の塩基配列の3’末端及び/又は5’末端が修飾されている、(1)から(3)のいずれかに記載の核酸アプタマー。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の核酸アプタマーを含むヒト間葉系幹細胞吸着剤。
(6) さらに、前記核酸アプタマーが固定化された不溶性担体を含む、(5)に記載のヒト間葉系幹細胞吸着剤。
(7) (5)又は(6)に記載のヒト間葉系幹細胞吸着剤を用いる工程を含む、ヒト間葉系幹細胞の分離方法。
(8) (1)から(4)のいずれかに記載の核酸アプタマーと、ヒト間葉系幹細胞とを接触させる工程を含む、ヒト間葉系幹細胞の検出方法。
本発明によれば、ヒト間葉系幹細胞を特異的に分離できる技術が提供される。
実施例で用いたフルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーの構成を示したものである。 フローサイトメトリーによる、実施例で用いたフルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーの、hMSCへの結合能評価を示したものである。 フローサイトメトリーによる、実施例で用いたフルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーの、HL60細胞への結合能評価を示したものである。 ドットブロットによる、実施例で用いたフルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーの、hMSCへの結合能評価を示したものである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれに特に限定されない。
<本発明のアプタマー>
本発明のアプタマーは、以下の(a)、(b)、(c)又は(d)のいずれかの塩基配列を含み、且つ、ヒト間葉系幹細胞(以下、「hMSC」ともいう。)に結合性を有する核酸アプタマーである。
(a)配列番号1〜8のいずれかに示される塩基配列
(b)配列番号1〜8のいずれかに示される塩基配列において、1〜5個の塩基が置換、欠失、挿入又は付加された塩基配列
(c)配列番号9〜16のいずれかに示される塩基配列
(d)配列番号9〜16のいずれかに示される塩基配列において、1〜5個の塩基が置換、欠失、挿入又は付加された塩基配列
本発明のアプタマーは、本発明者らがMSCと特異的に結合できる分子を探索した結果、「Cell−SELEX法」(Guo,K.T. et al. Int.J.Mol.Sci.9:668−678,2008等を参照。)を利用して発明されたものである。
配列番号1〜16に示される塩基配列を、表1に示す。なお、以下、塩基配列は、5’末端から3’末端の方向に左から右へ記載する。
なお、配列番号9〜16に示される塩基配列は、それぞれ、配列番号1〜8に示される塩基配列の3’末端側に、3塩基のチミンからなる「リンカー配列」(TTT)及びポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction;PCR)で増幅するための18塩基からなる「プライマー配列」を付加した塩基配列である。
本発明において、「核酸アプタマー」とは、特定の標的と高い特異性で結合できる核酸分子を意味する。本発明において、核酸アプタマーの標的は、ヒト間葉系幹細胞(human Mesenchymal stem cells;以下、「hMSC」ともいう。)である。
本発明において、核酸アプタマーを構成する核酸は、任意の核酸であってもよく、例えば、DNA、RNA、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明のアプタマーは、加水分解に対する安定性が高い等の取扱いが容易な点から、好ましくはDNAを含むアプタマー(DNAアプタマー)である。本発明のアプタマーは、より好ましくは、DNAからなるアプタマーである。
本発明のアプタマーは、上記(b)又は(d)に示されるとおり、hMSCに対する結合性を有する限り、配列番号1〜16のいずれかに示される塩基配列において、1〜5個の塩基が置換、欠失、挿入又は付加された塩基配列であってもよい。以下、(b)又は(d)の態様の核酸アプタマーを「改変を含む核酸アプタマー」ともいう。
改変を含む核酸アプタマーがhMSCに対する結合性を有するかどうかは、実施例に示したフローサイトメトリーやドットプロット等の、hMSCに対する結合性を評価できる方法によって容易に特定できる。例えば、hMSCに対する結合性が、hMSC以外の細胞に対する結合性よりも相対的に高ければ、改変を含む核酸アプタマーがhMSCに対する結合性を有すると評価できる。
改変を含む核酸アプタマーが有する改変(置換、欠失、挿入又は付加)は、hMSCに対する結合性を阻害しないように適宜設定できる。例えば、遺伝的アルゴリズム(例えば、in silico maturation法(Ikebukuro,K. et al. Nucl.Acids Res., Vol.33, No.12, e108, 2005))等を用いて、適切な改変を選択できる。
改変を含む核酸アプタマーが有する改変は、核酸アプタマーのhMSCに対する結合性を大きく損なわない範囲で設定でき、好ましくは3個以下、より好ましくは1個の塩基の改変(置換、欠失、挿入又は付加)である。
本発明のアプタマーは、MSCに対する結合性を有する限り、核酸アプタマーの安定性を向上させる点や、後述するhMSCの検出及びhMSCの吸着剤への応用をしやすくする点等から、(a)、(b)、(c)又は(d)の塩基配列の3’末端及び/又は5’末端に任意の配列や修飾が付加されたものであってもよい。付加され得る配列としては、例えば、PCRで増幅するためのプライマー配列、スペーサー配列、メチル基等が挙げられる。付加され得る修飾としては、DNA修飾、標識物質(蛍光性物質等)による修飾、反応性官能基(カルボキシル基等)、ビオチンによる修飾、プライマー配列に対する相補鎖等が挙げられる。これらの配列や修飾の種類や長さは、(a)、(b)、(c)又は(d)の塩基配列の立体構造に大きな影響を与えず、MSCに対する結合性を損なわない範囲で適宜設定できる。
PCRで増幅するためのプライマー配列としては、合計10〜30塩基程度の配列長が好ましく、例えば、配列番号18や配列番号19で示される20塩基程度の配列を挙げることができる。
スペーサー配列としては、核酸アプタマーの立体構造を維持しやすいという観点から、合計2〜10塩基程度の配列長が好ましい。
DNA修飾は、本発明のアプタマーの安定性を向上させる観点等から有効である。
標識物質による修飾は、hMSCの検出に利用しやすいという観点等から有効である。標識物質としては、例えば、蛍光性物質、放射性物質、反応性を有するタンパク質(酵素や抗体等)、ビオチン等が挙げられる。これらのうち、修飾や検出が容易である点で、蛍光性物質が好ましい。
蛍光性物質としては、当該技術分野において通常使用される蛍光性物質を用いることができ、例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミン、Cy色素、Alexa Fluorシリーズ蛍光色素(サーモフィッシャーサイエンティフィック製)、DyLightシリーズ蛍光色素(サーモフィッシャーサイエンティフィック製)、緑色蛍光タンパク質等が挙げられる。
反応性官能基(カルボキシル基等)、ビオチンによる修飾は、本発明のアプタマーをhMSCの吸着剤へ応用する際に有効である。
プライマー配列に対する相補鎖は、本発明のアプタマーがPCRで増幅するためのプライマー配列を有する場合に、該プライマー配列に対応した配列として適宜設定される。相補鎖は、核酸アプタマーの立体構造を維持しやすいという観点から、合計10〜30塩基程度の配列長が好ましい。
本発明のアプタマーが(c)又は(d)の塩基配列を含む場合、該塩基配列に含まれるプライマー配列に対する好ましい相補鎖としては、配列番号21に示される塩基配列からなるものが挙げられる。
本発明のアプタマーの3’末端及び/又は5’末端にプライマー配列や修飾を付加する場合、これらのプライマー配列や修飾は、例えば以下のように配置され得る。
(1)スペーサー配列が、(a)、(b)、(c)又は(d)の塩基配列と、プライマー配列や修飾と、の間に配置される。
(2)プライマー配列に対する相補鎖が、(a)、(b)、(c)又は(d)の塩基配列と、プライマー配列と、の間に配置される。
本発明のアプタマーの長さは、hMSCに対する結合性を有する限り特に限定されない。例えば、高い安定性を有する点や容易に製造可能である点から、好ましくは合計15〜100塩基、より好ましくは合計20〜50塩基の配列長である。
<本発明のアプタマーの製造方法>
本発明のアプタマーは、当該技術分野において核酸合成方法として知られる公知の方法によって製造できる。
<本発明のアプタマーの特性>
本発明のアプタマーは、ヒト間葉系幹細胞(hMSC)への特異的な結合性を有する。
本発明において、「ヒト間葉系幹細胞(hMSC)」としては、CD44、CD73、CD90、CD105等のhMSC陽性マーカータンパク質を発現していれば、その由来は特に限定されない。例えば、骨髄由来MSC、脂肪組織由来hMSC、歯髄由来hMSC、臍帯血由来hMSC、羊膜由来hMSC等が挙げられる。
本発明において、「ヒト間葉系幹細胞(hMSC)への特異的な結合性を有する」とは、hMSCへの結合性と比較して、hMSC以外の細胞への結合性が低いか、又は結合性が認められないことを意味する。hMSC及びhMSC以外の結合性は、実施例に示した結合能の評価方法等で特定できる。
なお、hMSC以外の細胞としては、上記のhMSC陽性マーカータンパク質を発現していない細胞(例えば、HeLa細胞(ヒト子宮頸部類上皮がん)、HL60細胞(ヒト急性前骨髄性白血病由来細胞株)、Ramos細胞(ヒトバーキットリンパ腫細胞))が挙げられる。
<ヒト間葉系幹細胞吸着剤>
本発明のアプタマーは、hMSCに対するその特異的な結合性を利用し、ヒト間葉系幹細胞吸着剤として好ましく利用できる。
本発明のヒト間葉系幹細胞吸着剤(以下、「本発明の吸着剤」ともいう。)は、本発明のアプタマーを含む。本発明の吸着剤は、ヒト間葉系幹細胞に対する高い結合能を有する。
本発明の吸着剤は、ヒト間葉系幹細胞の単離が容易になるという観点から、好ましくは、本発明のアプタマーと、該アプタマーが固定化された不溶性担体と、を含む。
不溶性担体としては、本発明のアプタマーを保持できる不溶性物質であれば特に限定されないが、以下が挙げられる。
アガロース、セルロース、キチン、キトサン、デキストラン、及びプルラン等の多糖類を原料とした多糖系担体、並びに、これらを架橋剤で架橋した架橋多糖系担体;
ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、及びポリスチレン等の合成高分子系担体、並びに、これらを架橋剤で架橋した架橋合成高分子系担体。
上記のうち、親水性が高く、hMSC以外の細胞や生体分子(タンパク質等)との非特異的な吸着を低減しやすいという点で、アガロース、セルロース、デキストラン、及びプルラン等の電荷を有さない多糖系担体、並びに、これらの架橋多糖系担体や、ポリメタクリレート、及びポリビニルアルコール等の親水性合成高分子系担体、並びに、これらの架橋親水性合成高分子系担体が好ましい。
不溶性担体は、多孔性又は無孔性のいずれであってもよい。
不溶性担体の形状に特に制限はなく、粒子状、スポンジ状、平膜状、平板状、中空状、繊維状等のいずれであってもよい。上記のうち、吸着剤への細胞吸着を効率的に行いやすいという点から、粒子状の担体が好ましく、真球状の粒子状担体がより好ましい。
不溶性担体は、本発明のアプタマーを担体に固定化するための修飾が容易に行えるという点で、水酸基を有する粒子状担体であることが好ましい。このような粒子状担体としては、ポリ(メタ)アクリレートを原料とした「トヨパール」(東ソー製)や、アガロースを原料とした「Sepharose」(GEヘルスケア製)、セルロースを原料とした「セルフィア」(旭化成製)等の市販品を使用することもできる。
不溶性担体の粒径は、hMSCが吸着剤の表面と十分接触でき、且つ、吸着剤に結合しない細胞が吸着剤間の隙間を目詰まりさせずに通過しやすいという点で、好ましくは100μm以上500μm以下であり、より好ましくは100μm以上300μm以下である。粒径が100μm未満の場合には吸着剤に結合しない細胞による目詰まりが発生しやすく、hMSCの分離が不十分となる可能性がある。粒径が500μm超の場合には、吸着剤とhMSCとの接触が不十分となりやすく、hMSCの吸着剤への結合量が低下する可能性がある。
不溶性担体の粒径は、例えば、ベックマンコールター(株)製の精密粒度分布測定装置等を用いて測定することができる。
本発明のアプタマーを不溶性担体に固定化する方法は、不溶性担体の種類等に応じて、核酸を固定できる任意の方法を採用できる。例えば、共有結合を形成せずに固定化する方法、共有結合を形成させて固定化する方法等が挙げられる。
共有結合を形成せずに固定化する方法は、通常、アフィニティー結合(アビジン−ビオチンのアフィニティー結合等)や配位結合等を利用する。
例えば、アビジン−ビオチンのアフィニティー結合を利用した方法は以下のように実施できる。当該技術分野において一般的な方法により3’及び/又は5’末端にビオチンを導入した本発明のアプタマーを、アビジン固定化担体に固定化する方法が、アビジン−ビオチンのアフィニティー結合を利用した方法として挙げられる。
アビジン−ビオチンのアフィニティー結合を利用した方法で用いるアビジン固定化担体としては、担体に導入した、アミノ基との反応性を有する官能基(ホルミル基や活性エステル基等)と、アビジン中に存在するリジン残基の側鎖アミノ基とを反応させる方法等の、担体へのタンパク質固定化方法として一般的に使用される方法によりアビジンを固定化した担体を用いることができる。また、「ストレプトアビジンセファロースハイパフォーマンス」(GEヘルスケア製)等の市販品も用いることができる。
アビジン−ビオチンのアフィニティー結合を利用した方法で用いるアビジンとしては、ストレプトアビジン、アビジン様組換えタンパク質(「Tamavidin2」(富士フイルム、和光純薬等)等)を用いることができる。
アビジン−ビオチンのアフィニティー結合を利用した方法における、担体へのホルミル基の導入法としては、例えば、水酸基を有する担体を、エピクロロヒドリンやエチレングリコールジグリシジルエーテル等でエポキシ化したのち、アミノ基を有する糖類(D−グルコサミンやD−グルカミン等)を反応させ、隣接する水酸基を担体に導入し、次いで、過ヨウ素酸ナトリウムを作用させる方法が挙げられる。
アビジン−ビオチンのアフィニティー結合を利用した方法における、担体への活性エステル基の導入法としては、例えば、水酸基を有する担体と、ハロ酢酸(モノクロロ酢酸、モノブロモ酢酸等)とを反応させたのち、縮合剤存在下でN−ヒドロキシスクシンイミドと反応させる方法が挙げられる。
共有結合を形成させて固定化する方法は、通常、本発明のアプタマーに導入した固定化用官能基と、反応性官能基を導入した担体との反応等を利用する。
共有結合を形成させて固定化する方法としては、例えば、当該技術分野において一般的な方法により3’末端及び/又は5’末端にアミノ基を導入した本発明のアプタマーを、アミノ基との反応性を有する反応性官能基(ホルミル基、カルボキシル基、活性エステル基、エポキシ基等)を導入した担体と反応させて固定化する方法が挙げられる。
<本発明の吸着剤を用いたヒト間葉系幹細胞の分離方法>
本発明の吸着剤を用いることで、任意の細胞混合物から、該細胞混合物中のhMSCを、hMSC以外の細胞から選択的に分離することができる。
例えば、本発明の吸着剤と、hMSC及びhMSC以外の細胞を含む細胞混合液とを接触させた後、細胞は通過するが吸着剤は通過しない大きさの目開きを有するフィルター等を利用して吸着剤に結合しなかった細胞を除去することにより、hMSCを吸着剤に結合した形で分離することができる。吸着剤に結合したhMSCは、例えば、核酸分解酵素を作用させて本発明のアプタマーを分解することにより、回収することができる。
本発明の吸着剤と、細胞混合液との接触方法は特に制限されず、細胞混合物中に吸着剤を添加し、一定時間振盪する方法や、吸着剤をカラムに充填して細胞混合物と接触させる方法等が挙げられる。
<ヒト間葉系幹細胞の検出方法>
本発明のアプタマーは、hMSCに対する特異的な結合性を利用し、ヒト間葉系幹細胞の検出方法において好ましく利用できる。
本発明のヒト間葉系幹細胞の検出方法(以下、「本発明の検出方法」ともいう。)は、本発明のアプタマーと、ヒト間葉系幹細胞とを接触させる工程を含む。接触させる条件(本発明のアプタマーやhMSCの量、温度、時間)等は特に限定されず、hMSC表面に本発明のアプタマーが十分に接触できる条件であればよく、例えば、接触時の温度については20℃から30℃、接触時間については10分から3時間を挙げることができる。
例えば、(a)、(b)、(c)又は(d)の塩基配列の3’末端及び/又は5’末端に、標識物質(蛍光性物質等)による修飾を有する本発明のアプタマーを利用し、以下のように本発明の検出方法を実施できる。
(1)任意のhMSC(組織培養用シャーレ等で培養したhMSC、生体から採取した組織や骨髄液中に含まれるhMSC等)と、本発明のアプタマーと、を接触させることにより、該アプタマーをhMSCに結合させる。
(2)接触後、蛍光顕微鏡で観察することにより、hMSCを検出する。
以下に、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<試験1:Cell−SELEX法によるhMSC結合性DNAアプタマーの探索>
ランダムDNAライブラリー(配列番号17、配列長:72mer、ユーロフィンジェノミクス製)を用い、「Cell−SELEX法」(Guo,K.T. et al. Int.J.Mol.Sci.9:668−678,2008等を参照。)によりhMSC結合性アプタマーの探索を行った。このライブラリーは、30塩基からなるランダム領域と、その3’末端及び5’末端にリンカーを介して18塩基からなるプライマー領域と、を含む。
表2に、以下の試験で用いた、(1)ランダムDNAライブラリー(配列番号17)、(2)PCR増幅に用いたフォワードプライマー(配列番号18)、及びリバースプライマー(配列番号19)、並びに、(3)ブロック配列(配列番号20及び21)の塩基配列を示す。ランダムDNAライブラリー及びフォワードプライマーは蛍光検出を可能とするため5’末端側をFITC修飾したものを用いた。リバースプライマーは一本鎖DNA分子の分離を可能にするため5’末端側をビオチン修飾したものを用いた。
なお、表2のランダムDNAライブラリーにおいて、「N30」は30塩基からなるランダム領域を意味し、「ttt」は3塩基のチミンからなるリンカー配列を示す。
以下の試験で用いた各緩衝液の組成を表3に示す。なお、各緩衝液において、溶媒として高純水製造システム(「Elix UV」、メルクミリポア製)で製造した高純水をオートクレーブ滅菌した滅菌水を用いた。
(DNAライブラリープール試料の調製)
Cell−SELEX法に使用するランダムDNAライブラリープール試料は、ランダムDNAライブラリーを最終濃度が5μMとなるように緩衝液Aに溶解し、95℃で10分間加熱処理したのち、30分かけて25℃まで冷却し、最終濃度が1μMとなるように緩衝液Aで希釈することにより調製した。
(hMSC試料の準備)
Cell−SELEX法に使用するhMSC(JCRB1133:ヒト骨髄由来間葉系幹細胞)は、JCRB細胞バンクより入手した。
(hMSC試料の培養)
hMSC試料の培養及び培養物の処理を以下の方法で行った。
[使用培地]
10%FBS(Biological Industries製、以下の試験においても同様。)、L−グルタミン水溶液(富士フイルム和光純薬製、以下の試験においても同様。)及びペニシリン−ストレプトマイシン水溶液(富士フイルム和光純薬製、以下の試験においても同様。)を含むD−MEM(低グルコース、シグマアルドリッチ製)を用いた。
[培養条件]
直径10cmの組織培養用シャーレ(コーニング製)にhMSCを播種し、コンフルエントになるまで、5%CO雰囲気下、37℃で培養を行った。
[培養物の処理]
培養後、以下の操作を順に行い、hMSCに結合性を有する一本鎖DNA分子(以下、「hMSC結合性DNA分子」ともいう。)を調製した。
(1)培養後、シャーレから培地を除去したのち、緩衝液Bを用いて、培養物を2回洗浄した。
(2)洗浄後のシャーレに、ランダムDNAライブラリープール試料1mLを添加し、室温で1時間放置してhMSCとランダムDNAライブラリーとを接触させた。次いで、緩衝液Bを用いて3回洗浄し、hMSCに結合しなかったランダムDNAライブラリーを除去した。
(3)DNA分解酵素を含まない水(0.5mL)をシャーレに添加し、セルスクレーパーを用いてシャーレからhMSCを剥離して遠心分離容器に添加したのち、4℃において150gで3分間、遠心分離処理を行い、上清を廃棄した。
(4)遠心分離容器に緩衝液C(0.12mL)を添加してhMSCを含む沈殿物を懸濁し、95℃で10分間加熱処理してhMSCに結合したDNA分子を遊離させたのち、13100gで5分間遠心分離処理を行い、hMSCに結合性を有するDNA分子を含む上清を回収した。
(5)回収したhMSC結合性DNA分子を、95℃で10分間加熱処理したのち、30分かけて25℃まで冷却して一本鎖に調製した。
(hMSC結合性DNA分子のスクリーニング)
上記で回収したhMSC結合性DNA分子を、定量PCRにより増幅することで、該hMSC結合性DNA分子の回収量を算出した。
[定量PCRの条件]
定量PCRは、DNAポリメラーゼとしてAmpliTaq Gold DNAポリメラーゼ(アプライドバイオシステムズ製)を用い、プライマーとして表2に記載のフォワードプライマー及びリバースプライマーを用いた。定量PCRの条件は用いた試薬や装置に基づき適切に設定した。
(hMSC結合性DNA分子の定量−1(1〜9ラウンド))
上記「(hMSC試料の培養)」の項に示した1連の操作を「1ラウンド」として繰り返し、Cell−SELEX法によるhMSC結合性DNA分子のスクリーニングを、合計9ラウンド行った。
なお、4ラウンド目はカウンターセレクションとして、hMSCの代わりにJCRB細胞バンクより入手したHeLa細胞(JCRB9004:ヒト子宮頸部類上皮がん細胞)を使用し、HeLa細胞に結合しないDNA分子を回収した。4ラウンド目におけるカウンターセレクションは以下の方法で行った。
(1)HeLa細胞の培養は、直径10cmの組織培養用シャーレ(コーニング製)を用いて、培地として10%FBS、L−グルタミン溶液及びペニシリン−ストレプトマイシン溶液を含むD−MEM(シグマアルドリッチ製)を用い、5%CO雰囲気下、37℃で行った。
(2)HeLa細胞をコンフルエントになるまで培養し、シャーレから培地を除去したのち、緩衝液Bを用いて2回洗浄した。
(3)洗浄後のシャーレに、3ラウンド目に回収したhMSC結合性DNA分子溶液1mLを添加し、室温で1時間放置してHeLa細胞とhMSC結合性DNA分子とを接触させたのち、緩衝液Bを用いて3回洗浄し、HeLa細胞に結合しないhMSC結合性DNA分子を回収した。
(hMSC結合性DNA分子の定量−2(10〜13ラウンド))
9ラウンド目で回収したhMSC結合性DNA分子について、下記のカウンターセレクション及びポジティブセレクションを併用した方法により、Cell−SELEX法によるhMSC結合性DNA分子のスクリーニングを行った。
[hMSC結合性DNA分子のカウンターセレクション]
カウンターセレクションは、JCRB細胞バンクより入手したHL60細胞(JCRB0085:ヒト急性前骨髄性白血病由来細胞)を用いて、以下の方法で行った。
(2)HL60細胞の培養は、培地として10%FBSとペニシリン−ストレプトマイシン溶液を添加したRPMI 1640培地(富士フイルム和光純薬製)を用い、浮遊培養用シャーレ(住友ベークライト製)にHL60細胞を播種し、5%CO雰囲気下、37℃で行った。培養終了後、HL60細胞を遠心分離容器に添加したのち、遠心分離処理により細胞を回収し、緩衝液Bを用いて2回洗浄した。
(3)洗浄後、9ラウンド目で回収した一本鎖調製後のhMSC結合性DNA分子を添加し、室温で1時間放置して、HL60細胞と、ランダムDNAライブラリーとを接触させたのち、4℃において150gで3分間、遠心分離処理を行い、HL60細胞に結合しないhMSC結合性DNA分子を含む上清を回収した。
[hMSC結合性DNA分子のポジティブセレクション]
ポジティブセレクションは、hMSCを用いて、以下の方法で行った。
(1)上記「(hMSC試料の培養)」の項に示した方法と同様に、直径10cmの組織培養用シャーレでhMSCを培養後、緩衝液Bを用いて2回洗浄した。
(2)洗浄後のシャーレに、9ラウンド目で回収したhMSC結合性DNA分子を含む上清を添加し、室温で1時間放置して、hMSCと、hMSC結合性DNA分子とを接触させたのち、緩衝液Bを用いて3回洗浄し、hMSCに結合しないhMSC結合性DNA分子を除去した。
(3)DNA分解酵素を含まない水0.5mLをシャーレに添加し、セルスクレーパーを用いてシャーレからhMSCを剥離して遠心分離容器に添加したのち、4℃において150gで3分間、遠心分離処理を行い、上清を廃棄した。
(4)遠心分離容器に緩衝液C(0.12mL)を添加してhMSCを含む沈殿物を懸濁し、95℃で10分間加熱処理してhMSCに結合したDNA分子を遊離させたのち、13100gで5分間遠心分離処理を行い、hMSCに結合性を有するDNA分子を含む上清を回収した。
(5)回収したhMSC結合性DNA分子は、上記[定量PCRの条件]の項と同様の条件で定量PCRを用いた増幅を行ったのち、hMSC結合性DNA分子の回収量を算出するとともに、95℃で10分間加熱処理したのち、30分かけて25℃まで冷却した。
上記[hMSC結合性DNA分子のカウンターセレクション]及び[hMSC結合性DNA分子のポジティブセレクション]に示した一連の操作を「1ラウンド」として繰り返し、合計4ラウンド(10〜13ラウンド)行った。
表4に、各ラウンド(全13ラウンド)で使用したランダムDNAライブラリー量、hMSC結合性DNA分子の回収量及び回収率を示す。
<試験2:hMSC結合性DNAアプタマーの配列解析>
上記試験1のスクリーニングで得られたhMSC結合性DNA分子の配列解析を以下の方法で行った。
(1)hMSC結合性DNA分子を、「Ex taq DNAポリメラーゼ」(タカラバイオ製)を用いてPCRにより増幅し、「FastGene Gel/PCR Extraction Kit」(日本ジェネティクス製)により精製した。
(2)精製したPCR増幅産物を、「pGEM−T Easyベクター」(プロメガ製)にTAクローニングし、得られたサブクローニングベクターにより、大腸菌DH5αを形質転換した。
(3)形質転換された大腸菌DH5αを培養し、生育したコロニーについて「illustra TempliPhi DNA Amplification Kit」(GEヘルスケア製)を用いて、配列解析用の鋳型を調製し、hMSC結合性DNA分子の塩基配列を決定した。
(4)塩基配列を決定したhMSC結合性DNA分子の中で、重複配列が観察された8種の塩基配列をhMSC結合性DNAアプタマー候補配列として特定した。これらの候補配列を表5(配列番号1〜8)に示す。
なお、表5において、「G4」に丸印が付された候補配列は、該配列がG−quadruplex構造(G4構造)を形成可能であることを示す。G4構造は一つの配列に対して複数の立体構造を形成可能であり、その中で特定の構造が標的分子に対して強い結合を示す可能性が示唆されている。
<試験例3:フローサイトメトリーによるhMSC結合性DNAアプタマーの結合能評価>
表5に示した各候補配列(配列番号1〜8のいずれかの塩基配列)について、プライマー配列等を付加することでアプタマー(以下、「hMSC結合性DNAアプタマー」ともいう。)を調製し、以下の方法により、hMSCに対する結合能をフローサイトメトリーにより評価した。
(フローサイトメトリーに用いたアプタマー試料)
図1に、フローサイトメトリーによる評価に使用したhMSC結合性DNAアプタマーの構成を示す。より詳細には、このアプタマーは、以下の関係を満たすように「アプタマー候補配列」、「TTT」、「プライマー配列」、「相補鎖」、「FITC(フルオレセイン修飾)」を含む。
「アプタマー候補配列」は、各候補配列(配列番号1〜8のいずれかの塩基配列)に相当する。
この「アプタマー候補配列」の3’末端側には、3塩基のチミンからなるリンカー配列「TTT」を介して、18塩基からなる「プライマー配列」が付加されている。「アプタマー候補配列」、「TTT」、及び「プライマー配列」の塩基配列を表6に示す。
上記プライマー配列に対する「相補鎖」(配列番号21)を介して、この分子はフルオレセイン修飾(「FITC」)されている。
以下、フローサイトメトリーによる評価に使用した、図1の構成を有する上記hMSC結合性DNAアプタマーを、「フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマー」ともいう。
(フローサイトメトリーの方法)
試験1の「(hMSC試料の培養)」の項に示した方法と同様に、hMSC(JCRB1133)をコンフルエントになるまで培養後、D−PBS(−)1mLを添加し、セルスクレーパーを用いてシャーレからhMSCを剥離してhMSC懸濁液を調製した。
調製したhMSC懸濁液を1.5mL容の遠心分離容器に添加したのち、4℃において150gで4分間、遠心分離処理を行い、上清を廃棄した。遠心分離容器内のhMSCを再度D−PBS(−)で懸濁し、懸濁液中のhMSC数を測定して細胞数が1.5×10個となるように調製した。
得られた細胞懸濁液に、濃度を500nMに調整したフルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマー溶液(詳細を後述する。)を添加し、室温で1時間放置して、hMSCとフルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーとを接触させた。
室温で1時間放置後、D−PBS(−)を用いてhMSCを3回洗浄し、フローサイトメーター(BD ACCURI C6 PLUS、BDバイオサイエンス製)を用いてフルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーのhMSCへの結合性を評価した。
また、hMSCの代わりにHL60細胞(JCRB0085)を用いた以外は前記と同様の方法を行うことにより、フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーのHL60細胞への結合性を評価した。
(フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマー溶液の調製)
上記のフルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマー溶液(濃度:500nM)は、以下のように調製した。
フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーを緩衝液Dに溶解し、95℃で10分間加熱処理したのち、30分かけて25℃まで冷却した。冷却後の溶液を緩衝液Aで希釈して、フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマー濃度を500nMに調製した。
(フローサイトメトリーの結果)
フローサイトメトリーによる評価結果を図2及び図3に示す。
図2及び図3において、「DNA」と示した実線グラフは、フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーを用いた結果を示す。「抗体」と示した実線グラフは、フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーを用いる代わりに、該アプタマーの陽性対照である、MSC陽性マーカータンパク質であるCD105に対する抗体(フルオレセイン標識抗CD105抗体:サーモフィッシャーサイエンティフィック製)を用いた結果を示す。
図2及び図3において、破線グラフは、フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマー又はフルオレセイン標識抗CD105抗体を用いる代わりに、これらの陰性対照である2次抗体(フルオレセイン標識抗マウスIgG抗体)を用いた結果を示す。
図2に、フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーを、hMSCと接触させた後のフローサイトメトリーによる評価結果を示す。図2に示すように、「DNA」と示した実線グラフは、いずれも、陰性対照である破線グラフよりもピークが右にずれており、評価した8種類全てのフルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーが、hMSCに結合性を有することが明らかとなった。
図3に、フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーを、HL60細胞と接触させた後のフローサイトメトリーによる評価結果を示す。図3に示すように、「DNA」と示した実線グラフは、いずれも、陰性対照である破線グラフとピークの位置がほぼ変わらず、評価した8種類全てのフルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーがHL60細胞に結合しないことが明らかとなった。
<試験例4:ドットブロットによるhMSC結合性DNAアプタマーの結合能評価>
表5に示した各候補配列(配列番号1〜8のいずれかの塩基配列)について、以下の方法により、hMSCに対する結合能をドットブロットにより評価した。
(ドットブロットに用いたアプタマー試料)
フローサイトメトリーによる評価に使用したhMSC結合性DNAアプタマーを含む塩基配列の構成は、図1及び上記「(フローサイトメトリーに用いたアプタマー試料)」の項で説明したものと同様である。
(ドットブロットの方法)
試験1の「(hMSC試料の培養)」の項に示した方法と同様に、hMSC(JCRB1133)をコンフルエントになるまで培養後、D−PBS(−)1mLを添加し、セルスクレーパーを用いてシャーレからhMSCを剥離してhMSC懸濁液を調製した。
調製したhMSC懸濁液を1.5mL容の遠心分離容器に添加したのち、4℃において150gで4分間、遠心分離処理を行い、上清を廃棄した。遠心分離容器内のhMSCを再度D−PBS(−)で懸濁し、懸濁液中のhMSC数を測定したのち、細胞数が1.5×10個となるようニトロセルロース膜上にhMSCを固定した。
hMSCを固定したニトロセルロース膜を緩衝液E中で室温において1時間振盪してブロッキングしたのち、再度緩衝液Eで洗浄した。
次に、hMSCを固定したニトロセルロース膜を、フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマー溶液(濃度:400nM)とともに室温で1時間振盪して、hMSCとフルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーとを接触させたのち、緩衝液Eを用いて3回洗浄した。なお、フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマー溶液の調製方法は、試験例3の「(フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマー溶液の調製)」の項と同様である。
洗浄後のニトロセルロース膜を、画像解析装置(Typhoon8600、GEヘルスケアライフサイエンス製)を用いて、フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーのhMSCへの結合性を評価した。
また、hMSCの代わりにHL60細胞(JCRB0085)を用いた以外は前記と同様の方法を行うことにより、フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーのHL60細胞への結合性を評価した。
ドットブロットによる評価結果を図4に示す。ニトロセルロース膜上に明確なブロットが認められることは、フルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーと、細胞(hMSC又はHL60細胞)との結合性が高いことを意味する。
図4に示されるとおり、評価した8種類全てのフルオレセイン修飾hMSC結合性DNAアプタマーがhMSCに選択的に結合性を有することが明らかとなった。
<試験例5:hMSC結合性DNAアプタマーを不溶性担体に固定化した吸着剤の製造>
本発明のアプタマーは、MSCの特異的な吸着剤や回収剤として有用であり得る。そこで、上記試験例3及び4において、hMSCに結合能を持つことが確認されたhMSC結合性DNAアプタマーを用いて、これを不溶性担体に固定化した吸着剤を調製した。
(吸着剤の製造に用いたアプタマー試料)
hMSC結合性DNAアプタマーとしては、図1及び上記試験例3の「(フローサイトメトリーに用いたアプタマー試料)」の項で説明したものと同様の構成を有する試料を用いた。ただし、アプタマー候補配列、TTT、及びプライマー配列の塩基配列が、配列番号11又は配列番号13の塩基配列であるものを用いた。また、「FITC(フルオレセイン修飾)」の代わりにビオチン修飾を用いた。
以下、吸着剤の製造に使用した上記hMSC結合性DNAアプタマーを、「ビオチン修飾hMSC結合性DNAアプタマー」ともいう。
(吸着剤の製造に用いた不溶性担体)
不溶性担体として、水に懸濁した「トヨパールHW−40EC」(東ソー製、100−300μm)を、目開きが150μmのステンレス製標準ふるい(東京スクリーン製)と250μmのステンレス製標準ふるい(東京スクリーン製)を用いて分級したのち、グラスフィルターでろ過したものを使用した。
なお、本明細書の実施例において、特段の説明がない限り、不溶性担体を「重量」で記載した場合は、水に懸濁した不溶性担体をグラスフィルターでろ過したのちに秤量した含水重量を意味する。不溶性担体を「容積」で記載した場合は、水に懸濁した不溶性担体を目盛付き容器に添加し、12時間以上放置したときの沈降容積を目視により測定した値を意味する。
(吸着剤の製造方法)
上記のアプタマー試料及び不溶性担体を用いて、以下の方法により、吸着剤を製造した。
(1)100mL容のテフロン(登録商標)製容器に、2.5gのトヨパールHW−40EC、3.75mLの水、0.5gの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(東京化成製)を添加したのち、振盪機内で50℃、120rpmの条件で30分間振盪した。
(2)振盪後、反応容器に47μLの48%NaOH水溶液を添加し、振盪機内で50℃、120rpmの条件で8時間振盪することにより担体にエポキシ基を導入した。
(3)反応終了後、担体を、グラスフィルター上で、ろ液が中性になるまで水で洗浄したのち、担体全量を100mL容のテフロン(登録商標)製容器に添加した。
(4)反応容器に5.0mLの0.5M D−グルカミン水溶液(東京化成製のD−グルカミンから調製)を添加したのち、振盪機内で50℃、120rpmの条件で3時間振盪することにより担体に隣接する水酸基を導入した。
(5)反応終了後、担体を、グラスフィルター上で、ろ液が中性になるまで水で洗浄したのち、担体全量を100mL容のテフロン(登録商標)製容器に添加した。
(6)反応容器に5.0mLの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液(濃度:5.0mg/mL、関東化学製の過ヨウ素酸ナトリウムから調製)を添加したのち、振盪機内で30℃、120rpmの条件で60分間振盪することにより担体のホルミル化を行った。
(7)反応終了後、担体をグラスフィルター上で水、D−PBS(−)で順次洗浄したのち、ホルミル化担体全量を100mL容のテフロン(登録商標)製容器に添加した。
(8)ホルミル化担体を添加した反応容器に、3.0mLの緩衝液Fと、1.5mLのTamavidin2(富士フイルム和光純薬製、アビジン様組換えタンパク質)のD−PBS(−)溶液(濃度1.0mg/mL)を添加し、振盪機内で30℃、120rpmの条件で60分間振盪した。次いで、150μLの水素化ホウ素ナトリウム水溶液(濃度4.0mg/mL、関東化学製の水素化ホウ素ナトリウムから調製)を添加し、さらに30℃、120rpmの条件で60分間振盪することにより還元アミノ化による担体へのアビジン様組換えタンパク質の固定化を行った。
(9)反応終了後、反応液全量を15mL容の容器に移し、D−PBS(−)で繰り返し洗浄することにより、目的のTamavidin2固定化担体を得た。
(10)Micro BCA Protein Assay Kit(サーモフィッシャーサイエンティフィック製)を用い、反応に使用したTamavidin2量から洗浄液中の未反応のTamavidin2量を差し引くことで各担体へのTamavidin2の固定化量を測定した結果、固定化量は0.45mg/mL−吸着剤であった。
(11)得られたTamavidin2固定化担体500mgと、ビオチン修飾hMSC結合性DNAアプタマーのD−PBS(−)溶液500μL(濃度:200nM)とを5mL容の容器に添加した。
(12)容器を振盪機内で30℃、120rpmの条件で60分間振盪することにより、Tamavidin2固定化担体へのビオチン修飾hMSC結合性DNAアプタマーの固定化を行った。
(13)固定化終了後の担体を、遠心分離処理によりD−PBS(−)で繰り返し洗浄することにより、目的のhMSC結合性DNAアプタマー固定化担体を製造した。
なお、以下、配列番号11の塩基配列を含むhMSC結合性DNAアプタマーを用いたhMSC結合性DNAアプタマー固定化担体を「hMSC吸着剤A」ともいう。配列番号13の塩基配列を含むhMSC結合性DNAアプタマーを用いたhMSC結合性DNAアプタマー固定化担体を「hMSC吸着剤B」ともいう。
<試験例6:hMSC吸着剤の評価−1>
以下の方法により、試験例5で製造した2種類のhMSC吸着剤について、hMSCへの結合能(吸着能)を評価した。
(1)試験1の「(hMSC試料の培養)」の項に示した方法と同様に、hMSC(JCRB1133:ヒト骨髄由来間葉系幹細胞)をコンフルエントになるまで培養後、トリプシン−EDTA溶液(シグマアルドリッチ製)で処理することによりhMSCをシャーレから剥離し、培地で懸濁した。
(2)培地で懸濁したhMSCを容器に添加したのち、遠心分離処理により細胞を回収し、緩衝液Gで再懸濁したのち、35μmのセルストレーナー(コーニング製)で処理することによりシングルセル化した。シングルセル化した細胞の密度をコールターカウンターZ2型(ベックマンコールター製)で測定し、評価用のhMSC懸濁液を調製した。
(3)2.5mL容シリンジ(テルモ製)と注射針(テルモ製、22G)との間に目開き100μmのポリエステルメッシュフィルター(BioLab製)を装着したカラムを作製した。
(4)hMSC吸着剤A及びBをそれぞれ緩衝液Gで懸濁することにより、50%(v/v)懸濁液を調製し、上記(3)で作製したカラムに1.0mLの50%懸濁液を添加し、各吸着剤をカラムに充填した(吸着剤容量:500μL)。
(5)吸着剤を充填したカラムに、上記(2)で調製したhMSC懸濁液(5.0×10個/50μL)を添加したのち、カラムに1.0mLの緩衝液Gを添加して吸着剤を洗浄し、コールターカウンターを用いて回収した洗浄液中の細胞密度を測定することにより、hMSCの回収率を測定した。
hMSC吸着剤A及びBによる、hMSCの回収率を表7の「試験例6」の項に示す。以下、「細胞回収率」の値が低いほど、吸着剤のhMSCへの結合能(吸着能)が高いことを示す。表7の結果から、hMSC吸着剤A及びBはいずれもhMSCへの結合能が高いことがわかった。
<試験例7:hMSC吸着剤の評価−2>
試験例6では、hMSC吸着剤A及びBはいずれもhMSCへの結合能が示された。この結合能がhMSCに特異的であるかを評価するために、hMSCの代わりに、JCRB細胞バンクより入手したRamos細胞(JCRB9119:ヒトバーキットリンパ腫細胞)を用いて、以下の方法により、hMSC吸着剤A及びBによる結合能を評価した。
(1)培地として10%FBSとペニシリン−ストレプトマイシン溶液を添加したRPMI 1640培地を用い、浮遊培養用シャーレ(住友ベークライト製)に細胞を播種し、5%CO雰囲気下、37℃でRamos細胞の培養を行った。
(2)培養終了後、遠心分離処理により細胞を回収し、試験例6の「(2)」で示した方法と同様に、緩衝液Fで再懸濁してシングルセル化した。シングルセル化した細胞の密度をコールターカウンターZ2型で測定し、評価用のRamos細胞懸濁液を調製した。
(3)試験例6の「(3)」及び「(4)」で示した方法と同様にカラムの作製及び吸着剤の充填を行った(吸着剤容量:500μL)。
(4)吸着剤を充填したカラムに、上記(2)で調製したRamos細胞懸濁液(4.9×10個/50μL)を添加したのち、カラムに1.0mLの緩衝液Gを添加して吸着剤を洗浄し、コールターカウンターを用いて回収した洗浄液中の細胞密度を測定することにより、Ramos細胞の回収率を測定した。
hMSC吸着剤A及びBによる、Ramos細胞の回収率を表7の「試験例7」の項に示す。表7に示されるとおり、いずれの結果も細胞回収率の値が高く、hRamos細胞は吸着剤A及びBに吸着しないことがわかった。
<試験例8:hMSC結合性DNAアプタマーを固定化していない不溶性担体の評価>
hMSC吸着剤A及びBの代わりに、hMSC結合性DNAアプタマーを固定化していない不溶性担体(トヨパールHW−40EC(150−250μm))を用いた以外は、試験例6及び7と同様の方法で、hMSCとRamos細胞の回収率を測定した。
上記不溶性担体による、hMSC及びRamos細胞の回収率を表7の「試験例8」の項に示す。表7に示されるとおり、いずれの結果も細胞回収率の値が高く、hMSC及びRamos細胞のいずれも上記不溶性担体に吸着しないことがわかった。

Claims (8)

  1. 以下の(a)又は(b)の塩基配列を含み、且つ、ヒト間葉系幹細胞に結合性を有する核酸アプタマー。
    (a)配列番号1〜8のいずれかに示される塩基配列
    (b)配列番号1〜8のいずれかに示される塩基配列において、1〜5個の塩基が置換、欠失、挿入又は付加された塩基配列
  2. 以下の(c)又は(d)の塩基配列を含み、且つ、ヒト間葉系幹細胞に結合性を有する核酸アプタマー。
    (c)配列番号9〜16のいずれかに示される塩基配列
    (d)配列番号9〜16のいずれかに示される塩基配列において、1〜5個の塩基が置換、欠失、挿入又は付加された塩基配列
  3. 前記核酸アプタマーがDNAアプタマーである、請求項1又は2に記載の核酸アプタマー。
  4. 前記(a)、前記(b)、前記(c)又は前記(d)の塩基配列の3’末端及び/又は5’末端が修飾されている、請求項1から3のいずれかに記載の核酸アプタマー。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の核酸アプタマーを含むヒト間葉系幹細胞吸着剤。
  6. さらに、前記核酸アプタマーが固定化された不溶性担体を含む、請求項5に記載のヒト間葉系幹細胞吸着剤。
  7. 請求項5又は6に記載のヒト間葉系幹細胞吸着剤を用いる工程を含む、ヒト間葉系幹細胞の分離方法。
  8. 請求項1から4のいずれかに記載の核酸アプタマーと、ヒト間葉系幹細胞とを接触させる工程を含む、ヒト間葉系幹細胞の検出方法。

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