JP2021023224A - 生育値算出方法、および生育値算出システム - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、ドローンを用いて作物の生長度合を観測する手法として、特許文献2に開示された技術とは異なり、ドローンに設けられた距離センサを用いる手法が考え得る。ドローンから作物までの距離は、圃場の傾斜や凹凸に影響を受ける。すなわち、作物の草丈が同じ場合であっても、高度が高い地面で生育されている作物からドローンまでの距離は、高度が低い地面で生育されている作物からドローンまでの距離よりも短くなる。
そこで、この発明の一つの目的は、飛行装置から作物までの距離に基づいて作物の生育値を算出する構成において、生育値の算出精度の向上を図れる生育値算出方法、および生育値算出システムを提供することである。
この発明の他の実施形態は、圃場において作物の生育を開始する前の第1タイミングに飛行装置を一定高度で水平飛行させて、前記圃場内の各位置において、前記飛行装置の下方の地面と前記飛行装置との間の第1距離を測定する第1距離測定部と、前記第1タイミングにおける前記飛行装置の高度から、前記第1距離測定部によって測定された前記第1距離を減じて、前記圃場内の各位置における圃場起伏情報を算出する圃場起伏情報算出部と、前記圃場において作物の生育を開始した後の第2タイミングに前記飛行装置を一定高度で水平飛行させて、前記飛行装置の下方の作物と前記飛行装置の間の第2距離を測定する第2距離測定部と、前記第2タイミングにおける前記飛行装置の高度から、前記第2距離測定部によって測定された前記第2距離を減じて前記圃場の各位置における作物高度を算出し、前記作物高度を前記圃場起伏情報で補正した値を生育値として算出する生育値算出部とを含む、生育値算出システムを提供する。
図1は、本発明の一実施形態に係る生育値算出システム1の構成を示す模式図である。図1を参照して、生育値算出システム1は、圃場F内での作物Cの生育状況を把握するために圃場F内の各位置における作物Cの生育度合の指標となる作物Cの背の高さ(草丈値)を生育値として算出するシステムである。
飛行装置3は、通信網6を介して、生育値算出サーバ4と無線通信可能である。生育値算出サーバ4は、生育値算出サーバ4を運営する事業者のセンタ5内に配置されている。生育値算出サーバ4は、センタ5内のオペレータによって操作される。
図2は、生育値算出システム1の電気的構成を示すブロック図である。
測位データ算出部24は、飛行機体20に取り付けられた衛星信号受信用アンテナ27に電気的に接続されている。衛星信号受信用アンテナ27は、衛星測位システムを構成する測位衛星からの信号を受信するものである。衛星測位システムは、たとえば、GNSS(Global Navigation Satellite System)である。
通信部26は、飛行装置制御部40が生育値算出サーバ4と通信するための通信インターフェースである。
飛行装置3は、圃場Fに作物の植え付けを行う前の所定の第1タイミングに、圃場Fの上空を飛行する。図3は、飛行装置3が飛行する際の飛行経路Rの一例を示す模式図である。飛行経路Rは、飛行装置3が圃場Fの全体の上空を満遍なく飛行できるように、たとえば、所定の方向における圃場Fの一端から他端に向けて蛇行しながら延びている。飛行装置3は、予め設定された飛行経路Rに沿って、一定の高度に飛行機体20を維持しながら水平飛行する。
図4Bは、測距センサ23が、飛行装置3と作物Cとの間の距離(第2距離L2)を測定するときの様子を説明するための模式図である。図4Bを参照して、第2タイミングにおいて飛行装置3が飛行経路Rに沿って飛行する間、測距センサ23は、測距センサ23が第1距離L1を測定したときと同じ位置(測定点P)で第2距離L2を測定するために、所定の間隔(たとえば、10cm)毎に第2距離L2を測定する(第2距離測定工程)。測距センサ23は、第2距離測定部の一例である。
飛行装置3は、第2タイミングにおいて飛行する間、気圧センサ25によって取得される高度H2が一定となるように、駆動部22を制御する。高度H2は、圃場Fの地面の高さに関わらず一定である。そのため、第2距離L2は、仮に、作物Cの生育度合が一定とすれば、圃場Fにおいて地面の高度が高い箇所ほど小さくなり、圃場Fにおいて地面の高度が低い箇所ほど大きくなる(図4Bに二点鎖線で示す飛行装置3を参照)。高度H2は、第1タイミングにおける飛行装置3の高度H1と同じ高度である必要はない。
生育値算出サーバ4は、生育値算出サーバ4を制御するサーバ制御部50を含む。サーバ制御部50は、CPUおよびメモリ(ROM、RAM等)51を備えたマイクロコンピュータを含む。サーバ制御部50には、通信部52、操作表示部53、操作部54および記憶部55が電気的に接続されている。
サーバ制御部50は、圃場F内の各位置における圃場起伏情報Aeを算出する圃場起伏情報算出部60と、算出された圃場起伏情報Aeと測位データに含まれる位置情報とを関連付けて圃場起伏マップM1を生成する圃場起伏マップ生成部61と、圃場F内の各位置における生育値Ceを算出する生育値算出部62と、算出された生育値Ceと圃場起伏マップM1とに基づいて生育値マップM2を生成する生育値マップ生成部63とを含む。
ここで、高度H1は、気圧センサ25によって算出される高度であり、第1距離L1は、測距センサ23によって算出される距離である。すなわち、高度H1および第1距離L1として、各センサ23,25によって算出された値を用いた場合、測距センサ23および気圧センサ25の相対高さの影響を受ける。具体的には、算出された圃場起伏情報Aeに、測距センサ23および気圧センサ25の相対高さが加算されてしまう。そのため、高度H1および第1距離L1の少なくとも一方を補正する必要がある。
逆に、図示しないが、気圧センサ25は、気圧センサ25と基準位置Sとの間の距離から測距センサ23と気圧センサ25との間の距離を減じた値を、高度H1とすることで、高度H1を補正してもよい。この場合、高度H1は、測距センサ23と基準位置Sとの間の距離となる。
図6は、圃場起伏マップ生成部61によって生成される圃場起伏マップM1の一例である。圃場起伏マップM1では、圃場Fが複数の測定点Pをそれぞれ包含する複数のメッシュmに分割され、各メッシュmに圃場起伏情報Aeが付与される。つまり、圃場Fには、測定点Pと同数のメッシュmが付与される。
生育値算出部62は、作物高度Beを圃場起伏情報Aeで補正した値を生育値Ceとして算出する。詳しくは、生育値算出部62は、作物高度Beから圃場起伏情報Aeを減じた値を生育値Ceとする(Ce=Be−Ae)図7は、生育値マップ生成部63によって生成される生育値マップM2の一例である。このように生育値算出部62によって生育値算出工程が実行される。i番目のメッシュmにおける作物高度には、符号「Cei」を付す。
この実施形態によれば、飛行装置3の高度H2から第2距離L2を減じて算出された作物高度Beが作物の生育値とされるのではなく、当該作物高度Beが圃場起伏情報Aeに基づいて補正された値が生育値Ceとされる。具体的には、飛行装置3の高度H2から第2距離L2を減じた値から、圃場起伏情報Aeを減じた値が生育値Ceとされる。そのため、生育値Ceに与える圃場Fの傾斜や凹凸の影響を低減できる。その結果、生育値Ceの算出精度の向上を図れる。
たとえば、圃場Fに作物の生育が開始された後の複数のタイミングで、飛行装置3と作物との間の距離を測定して、生育値Ceを複数回算出してもよい。生育値Ceを複数回測定することで所定の期間の生育量Deを算出することもできる。
また、第2タイミングにおける飛行装置3の高度H2と第3タイミングにおける飛行装置3の高度H3が等しい場合には、生育値Ceを算出することなく、第2距離L2から第3距離L3を減じることで生育量Deを算出することもできる。
3 :飛行装置
60 :圃場起伏情報算出部
61 :圃場起伏マップ生成部
62 :生育値算出部
Ae :圃場起伏情報
Aei :圃場起伏情報
Be :作物高度
Bei :作物高度
C :作物
Ce :生育値
Cei :生育値
F :圃場
H :高度
H1 :高度
H2 :高度
H3 :高度
L1 :第1距離
L2 :第2距離
M1 :圃場起伏マップ
P :測定点
Claims (6)
- 圃場において作物の生育を開始する前の第1タイミングに飛行装置を一定高度で水平飛行させて、前記飛行装置に設けられた距離測定部を用いて、前記圃場内の各位置において、前記飛行装置の下方の地面と前記飛行装置との間の第1距離を測定する第1距離測定工程と、
前記第1タイミングにおける前記飛行装置の高度から前記第1距離測定工程において測定された前記第1距離を減じて、前記圃場内の各位置における圃場起伏情報を算出する圃場起伏情報算出工程と、
前記圃場において作物の生育を開始した後の第2タイミングに前記飛行装置を一定高度で水平飛行させて、前記距離測定部を用いて、前記飛行装置の下方の作物と前記飛行装置との間の第2距離を測定する第2距離測定工程と、
前記第2タイミングにおける前記飛行装置の高度から前記第2距離測定工程において測定された前記第2距離を減じて前記圃場の各位置における作物高度を算出し、前記作物高度を前記圃場起伏情報で補正した値を生育値として算出する生育値算出工程とを含む、生育値算出方法。 - 前記生育値算出工程が、前記第2タイミングにおいて飛行する前記飛行装置の高度から前記第2距離測定工程において測定された前記第2距離を減じた値から前記圃場起伏情報を減じた値を生育値として算出する工程を含む、請求項1に記載の生育値算出方法。
- 前記第1タイミングに前記飛行装置を一定高度で水平飛行させる際に、前記飛行装置の位置情報を取得する位置情報取得工程と、
前記圃場起伏情報算出工程において算出された前記圃場起伏情報と、前記位置情報取得工程によって取得された前記位置情報とを関連付けて圃場起伏マップを生成する圃場起伏マップ生成工程とをさらに含む、請求項1または2に記載の生育値算出方法。 - 圃場において作物の生育を開始する前の第1タイミングに飛行装置を一定高度で水平飛行させて、前記圃場内の各位置において、前記飛行装置の下方の地面と前記飛行装置との間の第1距離を測定する第1距離測定部と、
前記第1タイミングにおける前記飛行装置の高度から、前記第1距離測定部によって測定された前記第1距離を減じて、前記圃場内の各位置における圃場起伏情報を算出する圃場起伏情報算出部と、
前記圃場において作物の生育を開始した後の第2タイミングに前記飛行装置を一定高度で水平飛行させて、前記飛行装置の下方の作物と前記飛行装置の間の第2距離を測定する第2距離測定部と、
前記第2タイミングにおける前記飛行装置の高度から、前記第2距離測定部によって測定された前記第2距離を減じて前記圃場の各位置における作物高度を算出し、前記作物高度を前記圃場起伏情報で補正した値を生育値として算出する生育値算出部とを含む、生育値算出システム。 - 前記生育値算出部は、前記第2タイミングにおいて飛行する前記飛行装置の高度から前記第2距離測定部によって測定された前記第2距離を減じた値から前記圃場起伏情報を減じた値を生育値として算出する、請求項4に記載の生育値算出システム。
- 前記第1タイミングに前記飛行装置を一定高度で水平飛行させる際に、前記飛行装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記圃場起伏情報算出部において算出された前記圃場起伏情報と、前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報とを関連付けて圃場起伏マップを生成する圃場起伏マップ生成部とをさらに含む、請求項4または5に記載の生育値算出システム。
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