JP2021023006A - 変換装置、制御方法、及び車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチング素子のターンオン損失を低減することにより効率を改善することが可能な変換装置を提供する。【解決手段】電力を変換して負荷に供給する絶縁型の変換装置であって、フルブリッジ接続された複数のスイッチング素子を含むスイッチング回路と、スイッチング回路を制御する制御部とを含み、制御部は、スイッチング回路に入力される入力電圧と、スイッチング回路を介して負荷に流れる負荷電流とに基づいて、位相シフト方式及びハードスイッチング方式のいずれかの制御方式でスイッチング回路を制御する。【選択図】図1

Description

本開示は、変換装置、制御方法、及び車両に関する。
従来、変圧器によって一次側と二次側とが絶縁された絶縁型の変換装置が知られている。そうした変換装置が後掲の特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の変換装置は、一次側と二次側とを絶縁する変圧器を含む。変圧器の一次側巻線にはインバータが接続されており、変圧器の二次側巻線には整流ダイオードが接続されている。インバータは、4つのスイッチング素子からなるフルブリッジ回路である。変換装置の出力側には負荷が接続されており、変換装置にて変換された電力が負荷に供給される。
また従来、フルブリッジ回路におけるスイッチング素子の制御方式として、位相シフト方式が知られている。位相シフト方式とは、フルブリッジ回路を構成する4つのスイッチング素子のうち、対角のスイッチング素子に与える駆動信号に位相差を設ける方式である。これに対し、対角のスイッチング素子に与える駆動信号に位相差を設けない制御方式をハードスイッチング方式という。
位相シフト方式では、位相差を設けることで電力伝達期間と還流期間とを繰り返す。還流期間中はトランス(変圧器)の漏れインダクタンス等により1次側の電流が維持される。この電流と回路のLC成分とによって、ソフトスイッチングである零電圧スイッチング(ZVS:Zero Voltage Switching)が行われる。これに対し、ハードスイッチング方式では、ZVSが成立しない。そのため、位相シフト方式では、ハードスイッチング方式に比べて、スイッチング損失が低減される。ただし、軽負荷又は無負荷等の負荷電流値が小さい場合に位相シフト方式を採用すると、スイッチング素子のターンオン時にボディダイオードの逆回復が生じ、変換装置の効率が低下するという不具合がある。なお、負荷電流値が大きい場合はボディダイオードの逆回復が生じない。そのため、この場合は、位相シフト方式を用いても変換装置の効率が低下するという不具合は生じない。
特許文献1では、こうした点に鑑み、負荷に流れる電流値が所定の電流値以下の場合、すなわち軽負荷又は無負荷の場合、変換装置は、インバータをハードスイッチング方式で駆動する。負荷に流れる電流値が所定の電流値を超えると、変換装置は、インバータの制御方式をハードスイッチング方式から位相シフト方式に切替える。すなわち、特許文献1に記載の技術は、ボディダイオードの逆回復が生じる軽負荷又は無負荷の場合にハードスイッチング方式でインバータを駆動し、ボディダイオードの逆回復が生じない重負荷の場合に位相シフト方式でインバータを駆動する。
特開2010−178501号公報
位相シフト方式では、一次側に流れる電流(負荷電流)を利用してスイッチング素子の電圧を軽減することで、ターンオン時のソフトスイッチングを実現する。十分なソフトスイッチング効果を得るためには、それに応じた負荷電流が必要となる。必要な負荷電流は、入力電圧に応じて変動し得る。
特許文献1に開示の技術では入力電圧は何ら考慮されないため、入力電圧によっては十分なソフトスイッチング効果が得られないという問題がある。特に、変換装置を車載用途に用いた場合、入力電圧が大きく変動することがあり、そうした場合、ターンオン損失が大きくなることが十分に考えられる。そのため、ターンオン損失低減という観点で考えると、特許文献1に記載の技術は未だ改善の余地がある。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本開示の1つの目的は、スイッチング素子のターンオン損失を低減することにより効率を改善することが可能な変換装置、その変換装置の制御方法、及び変換装置を搭載した車両を提供することである。
上記目的を達成するために、本開示の第1の局面に係る変換装置は、電力を変換して負荷に供給する絶縁型の変換装置である。この変換装置は、フルブリッジ接続された複数のスイッチング素子を含むスイッチング回路と、スイッチング回路を制御する制御部とを含む。制御部は、スイッチング回路に入力される入力電圧と、スイッチング回路を介して負荷に流れる負荷電流とに基づいて、位相シフト方式及びハードスイッチング方式のいずれかの制御方式でスイッチング回路を制御する。
本開示の第2の局面に係る制御方法は、負荷に対して電力を供給する絶縁型の変換装置において実行され、フルブリッジ接続された複数のスイッチング素子を含むスイッチング回路を制御する。この制御方法は、スイッチング回路に入力される入力電圧、及び、スイッチング回路を介して負荷に流れる負荷電流を検出するステップと、スイッチング回路に入力される入力電圧と、負荷に流れる負荷電流とに基づいて、位相シフト方式及びハードスイッチング方式のいずれかの制御方式でスイッチング回路を制御するステップとを含む。
本開示の第3の局面に係る車両は、蓄電装置と、蓄電装置から供給される電力を変換する、上記第1の局面に係る変換装置と、変換装置により変換された電力が供給される負荷とを含む。
本開示によれば、スイッチング素子のターンオン損失を低減することにより効率を改善することが可能な変換装置、その変換装置の制御方法、及び変換装置を搭載した車両を提供できる。
図1は、第1の実施の形態に係るDC/DCコンバータの回路図である。 図2は、制御部のハードウェア構成を示すブロック図である。 図3は、制御部の機能的構成を示すブロック図である。 図4は、位相シフト方式における各スイッチング素子のゲート電位の変化を時系列で示す図である。 図5は、位相シフト方式の制御におけるDC/DCコンバータの動作と電流の流れを示す図である。 図6は、ハードスイッチング方式における各スイッチング素子のゲート電位の変化を時系列で示す図である。 図7は、ハードスイッチング方式の制御におけるDC/DCコンバータの動作と電流の流れを示す図である。 図8は、位相シフト方式におけるスイッチング素子の素子電圧の波形を示す図である。 図9は、ハードスイッチング方式におけるスイッチング素子の素子電圧の波形を示す図である。 図10は、位相シフト方式におけるスイッチング素子の素子電圧の波形を示す図である。 図11は、ハードスイッチング方式におけるスイッチング素子の素子電圧の波形を示す図である。 図12は、ターンオン時の素子電圧VFETと一次側電流との関係を示す図である。 図13は、制御部で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図14は、制御部で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図15は、第2の実施の形態に係るDC/DCコンバータを制御するための制御部に記憶されるテーブルの一例を示す図である。 図16は、制御部で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図17は、第3の実施の形態に係る車両の概略構成を示す図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の好適な実施形態を列記して説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組合せてもよい。
(1)本開示の第1の局面に係る電力変換装置は、電力を変換して負荷に供給する絶縁型の変換装置である。この変換装置は、フルブリッジ接続された複数のスイッチング素子を含むスイッチング回路と、スイッチング回路を制御する制御部とを含む。制御部は、スイッチング回路に入力される入力電圧と、スイッチング回路を介して負荷に流れる負荷電流とに基づいて、位相シフト方式及びハードスイッチング方式のいずれかの制御方式でスイッチング回路を制御する。
スイッチング回路は制御部によって制御される。制御部は、位相シフト方式及びハードスイッチング方式のいずれの制御方式でスイッチング回路を制御するのかを、スイッチング回路に入力される入力電圧と、負荷に流れる負荷電流とに基づいて決定する。負荷電流のみならず入力電圧をも考慮して、より適切な制御方式でスイッチング回路を制御できるので、スイッチング素子のターンオン損失を低減できる。これにより、変換装置の効率を改善できる。
(2)好ましくは、制御部は、スイッチング回路に入力された入力電圧に応じて、電流しきい値を可変的に設定する設定部と、設定部により設定された電流しきい値と負荷電流の値とを比較する比較部と、比較部の比較結果に応じて、位相シフト方式及びハードスイッチング方式のいずれかの制御方式を選択する選択部と、選択部により選択された制御方式にてスイッチング回路の駆動を制御する駆動制御部とを含む。これにより、入力電圧が変動した場合でも、その入力電圧に応じたより適切な制御方式でスイッチング回路を制御できる。スイッチング素子のターンオン損失を効果的に低減できるので、変換装置の効率を容易に改善できる。
(3)より好ましくは、設定部は、入力電圧が第1の電圧であることに応答して、電流しきい値を第1の電流しきい値に設定し、入力電圧が第1の電圧より小さい第2の電圧であることに応答して、電流しきい値を第1の電流しきい値より小さい第2の電流しきい値に設定する。これにより、制御方式を選択する(切替える)ための電流しきい値を、入力電圧の変動に応じて設定できる。そのため、入力電圧が変動した場合でも、その入力電圧に応じたより適切な制御方式でスイッチング回路を容易に制御できる。
(4)さらに好ましくは、選択部は、比較部によって、負荷電流が電流しきい値より大きいとの比較結果が得られたことに応答して、制御方式として位相シフト方式を選択し、比較部によって、負荷電流が電流しきい値以下であるとの比較結果が得られたことに応答して、制御方式としてハードスイッチング方式を選択する。これにより、ターンオン損失の低減効果が高くなる制御方式を容易に選択できる。
(5)さらに好ましくは、設定部は、位相シフト方式におけるスイッチング素子のターンオン時の素子電圧と、負荷電流との関係に基づいて、入力電圧に応じた電流しきい値を設定する。これにより、入力電圧に応じた電流しきい値を容易に設定できる。
(6)さらに好ましくは、設定部は、スイッチング素子のターンオン時の素子電圧が入力電圧の1/2となるときの負荷電流に基づいて、電流しきい値を設定する。これにより、入力電圧に応じた電流しきい値をさらに容易に設定できる。
(7)さらに好ましくは、上記変換装置は、一次側にスイッチング回路が接続された変圧器と、変圧器の二次側に接続された整流回路とをさらに含む。これにより、高効率の変換装置を容易に得ることができる。
(8)本開示の第2の局面に係る制御方法は、負荷に対して電力を供給する絶縁型の変換装置において実行され、フルブリッジ接続された複数のスイッチング素子を含むスイッチング回路を制御する。この制御方法は、スイッチング回路に入力される入力電圧、及び、スイッチング回路を介して負荷に流れる負荷電流を検出するステップと、スイッチング回路に入力される入力電圧と、負荷に流れる負荷電流とに基づいて、位相シフト方式及びハードスイッチング方式のいずれかの制御方式でスイッチング回路を制御するステップとを含む。このような制御方法で変換装置を制御することにより、負荷電流のみならず入力電圧をも考慮して、より適切な制御方式でスイッチング回路を制御できる。これにより、スイッチング素子のターンオン損失を低減できるので、変換装置の効率を改善できる。
(9)本開示の第3の局面に係る車両は、蓄電装置と、蓄電装置から供給される電力を変換する、上記第1の局面に係る変換装置と、変換装置により変換された電力が供給される負荷とを含む。これにより、車両において、蓄電装置から供給された電力を変換装置によって効率よく変換して、負荷に供給できる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る変換装置、制御方法及び車両の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(第1の実施の形態)
[全体構成]
図1を参照して、本実施の形態に係る変換装置は、絶縁型の電力変換装置の一種である降圧型のDC/DCコンバータ50である。DC/DCコンバータ50の入力端には、直流電源10が接続され、出力端には負荷20が接続される。DC/DCコンバータ50は、直流電源10から供給される高圧の電力を低圧の電力に変換して負荷20に供給する。
[回路構成]
本実施の形態に係るDC/DCコンバータ50は、トランスTR、インバータ回路100、電圧センサ110、電流センサ120、平滑コンデンサC0、整流回路130、平滑回路140、及び制御部150を含む。
トランスTRは、一次側と二次側とを絶縁する、センタータップ式の変圧器である。このトランスTRは、一次側コイル60、二次側コイル62、及び、コア部材64を含む。二次側コイル62は、第1のコイル62aと、第1のコイル62aと直列に接続された第2のコイル62bとを含む。
インバータ回路100は、トランスTRの一次側に配置されている。このインバータ回路100は、複数のスイッチング素子Q1〜Q4を含むスイッチング回路である。これらスイッチング素子Q1〜Q4は、フルブリッジ接続されることによってフルブリッジ回路を構成している。具体的には、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とが互いに直列接続されて第1のレグを構成している。同様に、スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4とが互いに直列接続されて第2のレグを構成している。第1のレグと第2のレグとは互いに並列接続されている。
第1のレグにおけるスイッチング素子Q1及びQ2の接点は、トランスTRの一次側コイル60の一方端と接続されている。トランスTRの一次側コイル60の他方端は、第2のレグにおけるスイッチング素子Q3及びQ4の接点と接続されている。
スイッチング素子Q1〜Q4は、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)から構成されている。なお、スイッチング素子Q1〜Q4は、MOSFET以外の例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、又はHEMT(High Electron Mobility Transistor)等のパワー半導体デバイスであってもよい。各スイッチング素子Q1〜Q4は、制御部150に接続されており、制御部150からのゲート信号によりオン・オフ制御が可能とされている。各スイッチング素子Q1〜Q4のオン・オフ制御により、インバータ回路100は、直流を交流に変換する。
電圧センサ110はDC/DCコンバータ50の入力側に設けられている。この電圧センサ110は、DC/DCコンバータ50に入力される入力電圧Vinを検出し、その入力電圧信号を制御部150に提供する。電流センサ120もDC/DCコンバータ50の入力側に設けられている。この電流センサ120は、一次側に流れる電流(一次側電流I)を検出し、その一次側電流信号を制御部150に提供する。一次側電流は、インバータ回路100及びトランスTR等を介して、二次側に伝達されて負荷20に流れる。そのため、DC/DCコンバータ50は、電流センサ120で一次側電流を検出することで、負荷20に流れる負荷電流を検出する。以下では、「一次側電流」を「負荷電流」と呼ぶことがある。平滑コンデンサC0は、DC/DCコンバータ50の入力側において、インバータ回路100を構成する各レグと並列に接続されている。
整流回路130は、トランスTRを介して伝送されたインバータ回路100からの出力を整流する回路である。整流回路130は、整流ダイオード132及び134を含む。整流ダイオード132のカソードは二次側コイル62の一方端(第1のコイル62aの一方端)に接続されており、整流ダイオード134のカソードは二次側コイル62の他方端(第2のコイル62bの他方端)に接続されている。第1のコイル62aの他方端は第2のコイル62bの一方端に接続されており、その接点は平滑回路140の一方の入力端に接続されている。整流ダイオード132のアノード及び整流ダイオード134のアノードは、いずれも、平滑回路140の他方の入力端に接続されている。
平滑回路140は、整流回路130からの整流出力に含まれる脈流分を除去して平滑化する回路である。この平滑回路140は、二次側コイル62の接点(第1のコイル62aと第2のコイル62bの接点)に直列に接続されるコイルLと、出力側に接続された平滑用のコンデンサC1とを含む。
[制御部の構成]
制御部150は、インバータ回路100に対してゲート信号を出力することにより、各スイッチング素子Q1〜Q4の動作をPWM(Pulse Width Modulation)制御する。
《ハードウェア構成》
図2を参照して、制御部150はマイクロコンピュータであって、CPU(Central Processing Unit)152、及びメモリ154を含む。メモリ154には、インバータ回路100の各スイッチング素子Q1〜Q4の動作を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。メモリ154はまた、後述するFlagを記憶するフラグ記憶領域(図示せず)を含む。このコンピュータプログラムをCPU152が実行することで、制御部150は、入力電圧と負荷電流とに基づいて、位相シフト方式及びハードスイッチング方式のいずれかの制御方式でインバータ回路100の駆動を制御する処理を実行する。
《機能的構成》
図3を参照して、制御部150は、インバータ回路100の制御を行うための機能部として、制御方式判定部160、及び、制御信号生成部180を含む。制御方式判定部160は、入力電圧と負荷電流とに基づいて、位相シフト方式及びハードスイッチング方式のうち、スイッチング素子Q1〜Q4のターンオン損失がより低減される制御方式を判定して設定する。制御信号生成部180は、設定された制御方式で各スイッチング素子Q1〜Q4を制御するための制御信号(ゲート信号)を生成してインバータ回路100に出力する。
制御方式判定部160は、電圧センサ110から提供される入力電圧信号を受ける電圧入力部162と、電流センサ120から提供される一次側電流(負荷電流)信号を受ける負荷電流入力部164と、入力電圧に応じて電流しきい値を設定する電流しきい値設定部166と、負荷電流(負荷電流値)と電流しきい値とを比較する比較部168と、比較部168の比較結果に基づいて制御方式を選択して設定する制御方式選択部170とを含む。
電流しきい値設定部166は、入力電圧に応じた電流しきい値を設定する。入力電圧が変動すると、電流しきい値設定部166は、入力電圧の変動に合わせて動的(可変的)に電流しきい値を設定する。電流しきい値の詳細については後述する。
比較部168は、負荷電流と電流しきい値とを比較し、負荷電流が電流しきい値より大きいか否かを判定する。制御方式選択部170は、比較部168の比較結果(判定結果)に基づいて、インバータ回路100を制御する制御方式として、位相シフト方式及びハードスイッチング方式のいずれかを選択する。具体的には、比較部168によって負荷電流が電流しきい値より大きいとの比較結果が得られた場合、制御方式選択部170は、制御方式として位相シフト方式を選択する。一方、比較部168によって負荷電流が電流しきい値以下であるとの比較結果が得られた場合、制御方式選択部170は制御方式としてハードスイッチング方式を選択する。
[制御方式]
図4〜図7を参照して、DC/DCコンバータ50を制御するための制御方式について説明する。本実施の形態では、上述のように、入力電圧及び負荷電流に応じて、位相シフト方式又はハードスイッチング方式でインバータ回路100が制御される。
《位相シフト方式》
図4を参照して、位相シフト方式は、インバータ回路100を構成するスイッチング素子Q1〜Q4のうち、対角のスイッチング素子Q1及びQ4(又はスイッチング素子Q2及びQ3)に与える駆動信号に所定の位相差を設ける制御方式である。位相シフト方式では、第1のレグ(スイッチング素子Q1及びQ2)のオン・オフ信号に対して第2のレグ(スイッチング素子Q3及びQ4)のオン・オフ信号をそれぞれ所定の位相シフト量だけずらすことで出力電圧の実効値を制御する。
基本的な位相シフト方式は、Mode1〜Mode4の4つの動作モードを繰返す。Mode1では、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q4がオンしており、スイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q3がオフしている。Mode2では、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q3がオンしており、スイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4がオフしている。Mode3では、スイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q3がオンしており、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q4がオフしている。Mode4では、スイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4がオンしており、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q3がオフしている。
各Modeの間には、スイッチング素子Q1〜Q4のうちのいずれか1つのスイッチング素子のみがオンしているデッドタイムが配される。位相シフト方式では、このデッドタイム中にLC共振によるソフトスイッチング(ZVS)動作を行うことが可能である。
図5を参照して、上述のように、Mode1では、第1のレグの一方のスイッチング素子Q1と、スイッチング素子Q1に対して対角に配置される、第2のレグの他方のスイッチング素子Q4とがオンしている。これにより、Mode1では、一次側に、破線矢印で示すように電流が流れ、トランスTRに、白抜き矢印で示す正の電圧が印加される。トランスTRに正の電圧が印加されることにより、二次側に破線矢印で示す電流が流れる。
Mode2では、第2のレグの一方のスイッチング素子Q3がオンしており、他方のスイッチング素子Q4がオフしている。これにより、破線矢印で示すように、トランスTRの漏れインダクタンスのエネルギーによって電流が一次側を還流する。二次側には、破線矢印で示すように、リアクトルのエネルギーによる電流が流れる。
Mode3では、スイッチング素子Q2と、スイッチング素子Q2に対して対角に配置されるスイッチング素子Q3とがオンしている。これにより、Mode3では、破線矢印で示すように一次側に電流が流れ、トランスTRに、白抜き矢印で示す負の電圧が印加される。トランスTRに負の電圧が印加されることにより、二次側に破線矢印で示す電流が流れる。
Mode4では、第2のレグの一方のスイッチング素子Q3がオフしており、他方のスイッチング素子Q4がオンしている。これにより、破線矢印で示すように、トランスTRの漏れインダクタンスのエネルギーによって電流が一次側を還流する。二次側には、破線矢印で示すように、リアクトルのエネルギーによる電流が流れる。
Mode1及びMode3は、電力が一次側から二次側に伝達される伝達モードである。Mode2及びMode4は、トランスTRの漏れインダクタンスのエネルギーで電流が一次側を還流する還流モードである。このように、位相シフト方式では、伝達モードと還流モードとを交互に繰返す。すなわち、位相シフト方式では、電流を還流させる還流モードを挟みながら、トランスTRに正負の電圧を印加する。
《ハードスイッチング方式》
ハードスイッチング方式は、インバータ回路100を構成するスイッチング素子Q1〜Q4のうち、対角のスイッチング素子Q1及びQ4(又はスイッチング素子Q2及びQ3)に与える駆動信号に位相差を設けない制御方式である。
図6を参照して、ハードスイッチング方式もMode1〜Mode4の4つの動作モードを繰返す。Mode1では、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q4がオンしており、スイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q3がオフしている。Mode2では、スイッチング素子Q1〜Q4の全てがオフしている。Mode3では、スイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q3がオンしており、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q4がオフしている。Mode4では、Mode2と同様、スイッチング素子Q1〜Q4の全てがオフしている。
図7を参照して、上述のように、Mode1では、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q4とがオンしている。Mode1では、破線矢印で示すように、一次側に電流が流れ、トランスTRに、白抜き矢印で示す正の電圧が印加される。トランスTRに正の電圧が印加されることにより、二次側に破線矢印で示す電流が流れる。すなわち、位相シフト方式と同様、一次側から二次側に電力が伝達される。
Mode2では、スイッチング素子Q1〜Q4の全てがオフしており、一次側に電流は流れない。二次側には、破線矢印で示すように、リアクトルのエネルギーによる電流が流れる。
Mode3では、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q4とがオンしている。Mode3では、破線矢印で示すように、一次側に電流が流れ、白抜き矢印で示すように、トランスTRに負の電圧が印加される。トランスTRに負の電圧が印加されることにより、二次側に破線矢印で示す電流が流れる。
Mode4では、スイッチング素子Q1〜Q4の全てがオフしており、Mode2と同様、一次側に電流は流れない。二次側には、破線矢印で示すように、リアクトルのエネルギーによる電流が流れる。
ハードスイッチング方式では、位相シフト方式とは異なり、ソフトスイッチング(ZVS)動作が成立しない。
[制御方式によるターンオン電圧の違い]
位相シフト方式におけるターンオン時の素子電圧VFET(VFET_min)は、入力電圧Vin、一次側電流I、トランスの漏れインダクタンスLs、回路の容量成分(素子の寄生容量又はスナバコンデンサ容量)Cを用いて以下の式(1)のように表される。なお、ソフトスイッチング時に素子に印加される電圧にはLC共振が発生する。LC共振が発生したときの最も電圧が低い状態をVFET_minと定義する。
Figure 2021023006
式(1)より明らかなように、一次側電流Iが大きいほどターンオン時の素子電圧VFETは小さくなる。一方、軽負荷等の一次側電流Iが小さい場合は、ターンオン時の素子電圧VFETは大きくなる。したがって、一次側電流(負荷電流)Iが小さい軽負荷ほどスイッチング素子のターンオン損失は大きくなる傾向にある。
ハードスイッチング方式では、各スイッチング素子のターンオン直前は、全てのスイッチング素子がオフ状態となっている。図7を参照して、例えば、スイッチング素子Q1のターンオンを考える。この場合、Mode4からMode1への移行となる。Mode4では、スイッチング素子Q1〜Q4の全てがオフしている。そのため、各レグには、入力電圧Vinが印加される。各レグには2つのスイッチング素子が直列接続されているため、入力電圧Vinが2つのスイッチング素子で分圧されて、各スイッチング素子には理論的には1/2Vinの電圧が印加される。すなわち、ターンオン直前のスイッチング素子Q1の素子電圧は理論的には1/2Vinとなる。ただし、実際にはLC共振の影響を受けるため、素子電圧は1/2Vin又は1/2Vin近傍を中心に変動する。
位相シフト方式では、一次側に流れる電流を利用して素子電圧を軽減することで、ターンオン時のソフトスイッチングを実現する。しかし、軽負荷では一次側の電流が小さいために、十分なソフトスイッチング効果を得ることができないことがある。この場合、入力電圧Vinの半分(1/2Vin)以上の状態でターンオンするケースも発生する。一方、ハードスイッチング方式では、ターンオン時の素子電圧を1/2Vinにまで抑制可能である。したがって、負荷電流がある一定以下の領域では、位相シフト方式よりも、ハードスイッチング方式の方がターンオン損失を低減可能である。
これらについて、シミュレーションによる確認を行った。その結果を図8〜図11に示す。図8及び図10は、位相シフト方式におけるスイッチング素子の素子電圧の波形を示す図であり、図9及び図11は、ハードスイッチング方式におけるスイッチング素子の素子電圧の波形を示す図である。図8及び図9は、一例として、入力電圧400V、一次側電流8Aの場合における素子電圧の波形を示しており、図9及び図11は、一例として、入力電圧400V、一次側電流3Aの場合における素子電圧の波形を示している。なお、図8〜図11の波形は、インバータ回路100を構成するスイッチング素子を代表して、スイッチング素子Q1の素子電圧波形とした。
図8及び図9を参照して、位相シフト方式ではターンオン時の素子電圧VFETは約0Vであった。これに対し、ハードスイッチング方式ではターンオン時の素子電圧VFETは約180V(入力電圧Vinの約半分)であった。このことから、一次側電流(負荷電流)Iが比較的大きい8Aの場合、ハードスイッチング方式よりも位相シフト方式の方がターンオン損失を低減可能であることが確認できた。
図10及び図11を参照して、一次側電流(負荷電流)Iが3Aの場合、位相シフト方式ではターンオン時の素子電圧VFETは約270Vとなった。これに対し、ハードスイッチング方式ではターンオン時の素子電圧VFETは約200V(入力電圧Vinの約半分)であった。位相シフト方式におけるターンオン時の素子電圧VFETは、ハードスイッチング方式に比べて、約70V高い結果となった。このことから、一次側電流(負荷電流)Iが3Aの場合は、すなわち、軽負荷の場合は、位相シフト方式よりもハードスイッチング方式の方がターンオン時の素子電圧VFETが低くなり、ターンオン損失を低減可能であることが確認できた。
[入力電圧の変動による影響]
入力電圧Vinは常に一定ではなく変動することがある。特に、DC/DCコンバータを車載用途に用いた場合、入力電圧Vinは一定ではなく、例えば200V〜400V等の範囲で大きく変動する。位相シフト方式の制御において、入力電圧Vinが大きい場合、一次側電流がある程度大きくなければターンオン時の素子電圧VFETは1/2Vinより小さくならない(VFET<1/2Vinとはならない)。すなわち、入力電圧Vinが変動すると、VFET<1/2Vinとなるために必要な負荷電流(一次側電流)Iも変動する。
図12に、1次側電流I及び入力電圧Vinを変動させた場合の素子電圧VFETの変化の一例を示す。図12の縦軸はスイッチング素子のターンオン時の素子電圧VFET(V)であり、横軸は一次側電流I(A)である。図12に示すVFETの値は上記式(1)を用いて算出した。そのため、トランスの漏れインダクタンスLs、及び回路の容量成分Cの値が変わればVFETの値も変わり得る。図12では、Ls=3.5μH、C=1nFとしたときの結果を示している。
図12を参照して、入力電圧Vinが200Vの場合、一次側電流Iが2.2Aの時に位相シフト方式を用いるとVFETが102Vとなる。このときのVFETの値は、ほぼ1/2Vinとなる。そのため、一次側電流Iが2.2A以下のときにVFET>1/2Vinとなる。したがって、入力電圧Vinが200Vの場合、一次側電流Iが2.2A以下では、位相シフト方式よりもハードスイッチング方式の方がターンオン時の素子電圧VFETが低くなる。換言すると、一次側電流Iが2.2Aより大きい場合、VFET<1/2Vinとなり位相シフト方式の方がターンオン時の素子電圧VFETが低くなる。
一方、入力電圧Vinが400Vの場合、一次側電流Iが4.4Aの時に位相シフト方式を用いるとVFETが203Vとなる。このときのVFETの値は、ほぼ1/2Vinとなる。そのため、一次側電流Iが4.4A以下でVFET>1/2Vinとなる。したがって、入力電圧Vinが400Vの場合、一次側電流Iが4.4A以下では、位相シフト方式よりもハードスイッチング方式の方がターンオン時の素子電圧VFETが低くなる。換言すると、一次側電流Iが4.4Aより大きい場合、VFET<1/2Vinとなり位相シフト方式の方がターンオン時の素子電圧VFETが低くなる。
このように、入力電圧Vinが変動すると、ハードスイッチング方式の方がターンオン時の素子電圧VFETが低くなる境界となる一次側電流(負荷電流)Iの値も変わり得る。この境界となる一次側電流Iを電流しきい値Ithと呼ぶ。
本実施の形態に係るDC/DCコンバータ50は、入力電圧Vinが変動した場合でもターンオン損失を効果的に低減するために、入力電圧Vinと負荷電流Iとに応じて、位相シフト方式による制御とハードスイッチング方式による制御とを相互に切替えるよう構成されている。具体的には、入力電圧Vinの変動に応じて、当該入力電圧Vinに応じた電流しきい値Ithが可変的に設定される。設定された電流しきい値Ithと負荷電流Iとが比較され、VFET<1/2Vinとなるか否かに基づいて、位相シフト方式による制御を行うか否かが決定される。
入力電圧Vinに応じた電流しきい値Ithは、演算により算出される。具体的には、各入力電圧Vinにおいて、VFET=1/2Vinとなる一次側電流Iの値を求める。算出した各一次側電流Iは各入力電圧Vinにおける電流しきい値Ithとなる。したがって、これらの値を近似することで、電流しきい値Ithを求めるための演算式が得られる。例えば、各入力電圧Vinにおける電流しきい値Ithを、図12の二点鎖線Rで示すように、以下の式(2)を用いて線形近似できる。
Figure 2021023006
式(2)において、Aは46であり、Bは0.6である。したがって、この場合の演算式として、以下の式(3)が得られる。
Figure 2021023006
式(3)を用いることにより、入力電圧Vinに応じた電流しきい値Ithが算出される。なお、式(2)及び式(3)は、主回路のL、Cの定数が特定の数値のとき(Ls=3.5μH、C=1nF)に成立する。そのため、主回路のL、Cの定数が変わると、式(3)で示した演算式も変わり得る。
[ソフトウェア構成]
図13を参照して、ターンオン損失の低減効果がより高い制御方式を設定するために、制御部150で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、制御部150に電源が投入されたことに応じて開始する。
このプログラムは、Flagを初期化(Flagに0を設定)するステップS1000と、ステップS1000の後に実行され、電圧センサ110及び電流センサ120からそれぞれ提供される入力電圧Vin及び負荷電流(一次側電流)Iを入力するステップS1010と、ステップS1010の後に実行され、入力電圧Vinに基づいて電流しきい値Ithを設定するステップS1020と、ステップS1020の後に実行され、負荷電流Iが電流しきい値Ithより大きいか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1030と、ステップS1030において、負荷電流Iが電流しきい値Ithより大きいと判定されたことに応答して、インバータ回路100を制御する制御方式として位相シフト方式を選択し、Flagに0を設定するステップS1040と、ステップS1030において、負荷電流Iが電流しきい値Ith以下であると判定されたことに応答して、インバータ回路100を制御する制御方式としてハードスイッチング方式を選択し、Flagに1を設定するステップS1050とを含む。ステップS1040又はステップS1050の処理が終了すると、制御はステップS1010に戻る。なお、ステップS1000の初期化処理において、Flagに設定する値は1であってもよい。
図14を参照して、インバータ回路100を駆動制御するために、制御部150で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、制御部150に電源が投入されたことに応じて開始し、図13に示されるプログラムによる処理と並行して実行される。
このプログラムは、Flagに設定されている値に応じて制御の流れを分岐させるステップS2000と、ステップS2000において、Flagの値が0であると判定された場合に実行され、所定の期間、位相シフト方式でインバータ回路100の各スイッチング素子Q1〜Q4を制御するステップS2100と、ステップS2000において、Flagの値が1であると判定された場合に実行され、所定の期間、ハードスイッチング方式でインバータ回路100の各スイッチング素子Q1〜Q4を制御するステップS2200とを含む。ステップS2100又はステップS2200の処理が終了すると、制御はステップS2000に戻る。
[動作]
本実施の形態に係るDC/DCコンバータ50は以下のように動作する。
制御部150は、起動時にFlagに0を設定してFlagを初期化する(図13のステップS1000)。制御方式の初期設定として位相シフト方式が設定される。制御部150は、インバータ回路100を位相シフト方式で制御する(図14のステップS2100)。電圧センサ110及び電流センサ120は、それぞれ、入力電圧Vin及び負荷電流Iを検出し制御部150に提供する。制御部150は、電圧センサ110及び電流センサ120から提供される入力電圧Vin及び負荷電流Iを入力する(図13のステップS1010)。制御部150は、上記した式(3)に入力電圧Vinを代入することにより、電流しきい値Ithを算出して設定する(ステップS1020)。
続いて制御部150は、負荷電流Iと電流しきい値Ithとを比較する。負荷電流Iが電流しきい値Ithより大きい場合(図13のステップS1030においてYES)、制御部150はFlagの値を0に設定する。一方、負荷電流Iが電流しきい値Ith以下の場合(図13のステップS1030においてNO)、制御部150はFlagの値を1に設定する。
制御部150は、所定の期間毎にFlagの値を参照し(図14のステップS2000)、Flagの値に応じて制御方式を切替えてインバータ回路100を制御する。具体的には、Flagが0の場合、制御部150は、位相シフト方式でインバータ回路100を駆動制御する(ステップS2100)。一方、Flagが1の場合、制御部150は、ハードスイッチング方式でインバータ回路100を駆動制御する(ステップS2200)。Flagの値が同じ場合、同じ制御方式の制御を継続する。
なお、Flagの初期化は、Flagに1を設定することにより行ってもよい。すなわち、デフォルトの制御方式はハードスイッチング方式であってもよい。
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係るDC/DCコンバータ50は以下に述べる効果を奏する。
インバータ回路100は制御部150によって制御される。制御部150は、位相シフト方式及びハードスイッチング方式のいずれの制御方式でインバータ回路100を制御するのかを、インバータ回路100に入力される入力電圧Vinと、負荷電流(一次側電流)Iとに基づいて決定する。そのため、負荷電流のみならず入力電圧をも考慮して、より適切な制御方式でインバータ回路100を制御できるので、スイッチング素子Q1〜Q4のターンオン損失を低減できる。これにより、DC/DCコンバータの効率を改善できる。
制御部150は、インバータ回路100に入力された入力電圧に応じて、電流しきい値を可変的に設定し、設定された電流しきい値と負荷電流の値とを比較する。制御部150は、比較結果に応じて、位相シフト方式及びハードスイッチング方式のいずれかの制御方式を選択し、選択した制御方式にてインバータ回路100の駆動を制御する。これにより、入力電圧が変動した場合でも、その入力電圧に応じたより適切な制御方式でスイッチング回路を制御できる。スイッチング素子Q1〜Q4のターンオン損失を効果的に低減できるので、DC/DCコンバータの効率を容易に改善できる。
制御部150は、位相シフト方式におけるスイッチング素子のターンオン時の素子電圧VFETと、負荷電流Iとの関係に基づいて、入力電圧Vinに応じた電流しきい値Ithを設定する。その際、制御部150は、スイッチング素子のターンオン時の素子電圧VFETが入力電圧Vinの1/2となるときの負荷電流に基づいて、電流しきい値Ithを設定する。これにより、入力電圧に応じた電流しきい値をさらに容易に設定できる。
(第1の実施の形態の変形例)
上記第1の実施の形態では、式(3)を用いた演算により、入力電圧Vinに応じた電流しきい値Ithを設定した。しかし、本開示はそのような実施の形態には限定されない。
本変形例では、演算式の代わりにテーブルを用いて、入力電圧Vinに応じた電流しきい値Ithを設定する。具体的には、入力電圧Vinと、その入力電圧Vinに応じた電流しきい値Ithとが対応付けられたテーブル(図示せず)がメモリに記憶されている。制御部は、電圧センサ110からの入力電圧Vinが入力されると、テーブルを参照して、入力電圧Vinに応じた電流しきい値Ithを抽出し設定する。
このような構成によっても、入力電圧に応じた電流しきい値を容易に設定できる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態に係るDC/DCコンバータは、ターンオン損失がより低減される制御方式を、テーブルを参照して設定する点において、第1の実施の形態とは異なる。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態では、制御部のメモリに、図15に示されるテーブルが記憶されている。図15を参照して、このテーブル200は、縦軸を負荷電流、横軸を入力電圧としたマトリクス形状である。このテーブル200には、各入力電圧における各負荷電流のときの制御方式がFlagの値で記憶されている。なお、テーブル200は、縦軸が入力電圧、横軸が負荷電流であってもよい。
第1の実施の形態と同様、テーブル200において、Flagの値が0の場合は位相シフト方式を示し、Flagの値が1の場合はハードスイッチング方式を示す。例えば、入力電圧が220Vで負荷電流が1.4Aの場合、制御方式として、ハードスイッチング方式が選択され、Flagに1が設定される。また例えば、入力電圧が400Vで負荷電流が8Aの場合、制御方式として、位相シフト方式が選択され、Flagに0が設定される。
テーブル200のFlagの値は、第1の実施の形態で示した方法と同様にして、入力電圧と負荷電流との組合せ毎にターンオン損失がより低減される制御方式を予め判定することで予め設定される。
[ソフトウェア構成]
本実施の形態に係るDC/DCコンバータでは、図13に示されるプログラムに代えて、図16に示されるプログラムが実行される。図16のプログラムは、図13のプログラムにおけるステップS1020〜ステップS1050に代えて、ステップS1100を含む。図13のステップS1000及びステップS1010における処理は、図16に示される各ステップにおける処理と同じである。以下、異なる部分について説明する。
図16を参照して、このプログラムは、ステップS1010の後に実行され、テーブル200を参照して、入力電圧Vin及び負荷電流Iに基づいて、Flagの値を設定し、制御をステップS1010に戻すS1100を含む。
[動作]
本実施の形態に係るDC/DCコンバータは以下のように動作する。なお、Flagの値を設定する動作を除いた動作は、上記第1の実施の形態と同様である。したがって、同様の動作についての詳細な説明は繰返さない。
制御部は、電圧センサ110及び電流センサ120から提供される入力電圧Vin及び負荷電流Iを入力する(図16のステップS1010)。制御部は、テーブル200を参照して、入力電圧Vin及び負荷電流Iに基づいてFlagの値を設定する(図16のステップS1100)。制御部は、所定の期間毎にFlagの値を参照し(図14のステップS2000)、Flagの値に応じて制御方式を切替えてインバータ回路を制御する(ステップS2100又はステップS2200)。
[本実施の形態の効果]
本実施の形態に係るDC/DCコンバータは以下に述べる効果を奏する。
制御部は、位相シフト方式及びハードスイッチング方式のいずれの制御方式でインバータ回路を制御するのかを、テーブル200を参照して、入力電圧Vinと負荷電流(一次側電流)Iとに基づいて決定する。そのため、負荷電流のみならず入力電圧をも考慮して、より適切な制御方式でインバータ回路を制御できる。したがって、第1の実施の形態と同様、DC/DCコンバータの効率を改善できる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、第1の実施の形態に係るDC/DCコンバータ50を車両に搭載する例について説明する。
図17を参照して、本実施の形態に係る車両300は、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、又はプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)である。車両300は、主機モータ310、インバータ320、高圧バッテリ330、低圧バッテリ340、DC/DCコンバータ50、及び補機350を含む。
主機モータ310は、走行用のモータであり、インバータ320から出力される交流電力により駆動される。インバータ320は、高圧バッテリ330の直流電力を交流電力に変換して主機モータ310に供給する。補機350は、低圧バッテリ340の直流電力により動作する電子機器であり、例えば、ECU(Electronic Control Unit)、ヘッドライト、室内灯等の低圧負荷を含む。
高圧バッテリ330は、例えば、リチウムイオンバッテリ等を複数接続して構成される高圧(例えば300V)の蓄電装置である。低圧バッテリ340は、例えば、鉛電池等の低圧(例えば12V)の蓄電装置である。
本実施の形態では、車両300が、上記第1の実施の形態で示したDC/DCコンバータ50を搭載することにより、高圧バッテリ330から供給された電力をDC/DCコンバータ50によって効率よく変換して、低圧バッテリ340又は補機350に供給できる。低圧バッテリ340は、DC/DCコンバータ50からの電力によって充電される。低圧バッテリ340はまた、充電した電力を放電することにより、補機350に電力を供給する。このように、DC/DCコンバータ50は、補機350に対して、直接的に又は低圧バッテリ340を介して間接的に電力を供給する。
なお、上記第1の実施の形態に係るDC/DCコンバータ50に代えて、第1の実施の形態の変形例に係るDC/DCコンバータ、又は、第2の実施の形態に係るDC/DCコンバータを車両300に搭載するようにしてもよい。
(変形例)
上記実施の形態では、変換装置の一例である降圧型のDC/DCコンバータに本開示を適用した例について示したが、本開示はそのような実施の形態には限定されない。変換装置は、昇圧型のDC/DCコンバータであってもよいし、昇降圧型のDC/DCコンバータであってもよい。
上記実施の形態において、制御部は、アナログIC、FPGA(Field−Programmable Gate Array)等の制御用ICであってもよい。制御部はさらに、その一部又は全部がハードウェア回路によって構成されてもよい。また、負荷電流の検出は、トランスの一次側に流れる電流を検出することで行ってもよいし、トランスの二次側に流れる電流を検出することで行ってもよい。すなわち、負荷電流の検出位置は、図1に示した位置に限定されない。
上記実施の形態では、インバータ回路がトランスの一次側に接続されたDC/DCコンバータの例について示したが、本開示はそのような実施の形態には限定されない。例えば、トランスの二次側にインバータ回路(フルブリッジ回路)が接続される構成であってもよい。さらに、例えばDAB(Dual Active Bridge)方式の絶縁型双方向DC/DCコンバータのように、トランスの一次側と二次側の両方にインバータ回路(フルブリッジ回路)が接続される構成であってもよい。
上記実施の形態では、負荷電流が電流しきい値より大きいときにDC/DCコンバータ(インバータ回路)を位相シフト方式で制御し、負荷電流が電流しきい値以下のときにDC/DCコンバータをハードスイッチング方式で制御する例について示したが、本開示はそのような実施の形態には限定されない。負荷電流が電流しきい値以上のときにDC/DCコンバータを位相シフト方式で制御し、負荷電流が電流しきい値未満のときにDC/DCコンバータをハードスイッチング方式で制御するようにしてもよい。
上記実施の形態では、スイッチング素子のターンオン時の素子電圧VFETが入力電圧Vinの1/2となるときの負荷電流Iに基づいて、電流しきい値Ithを設定する例について示したが、本開示はそのような実施の形態には限定されない。例えば、ターンオン時の素子電圧VFETが入力電圧Vinの1/2近傍となるときの負荷電流Iに基づいて、電流しきい値Ithを設定してもよい。さらに例えば、ターンオン時の素子電圧VFETが1/2Vin以外の値となるときの負荷電流Iに基づいて、電流しきい値Ithを設定するようにしてもよい。
上記実施の形態では、2つの整流ダイオードを含む整流回路を含むDC/DCコンバータの例について示したが、本開示はそのような実施の形態には限定されない。例えば、整流ダイオードに代えて、FET、IGBT又はHEMTのようなスイッチング素子を含む整流回路を設けるようにしてもよい。また、DC/DCコンバータの回路構成は適宜変更してもよい。
上記実施の形態では、Mode1〜Mode4の4つの動作モードを繰返す基本的な位相シフト方式の例について示したが、本開示はそのような実施の形態には限定されない。DC/DCコンバータを位相シフト方式で駆動する場合、上記実施の形態で示した位相シフト方式とは異なる位相シフト方式で駆動するようにしてもよい。
上記実施の形態では、二次側に2つのコイルを持つ、合計3つのコイルからなるトランスを用いた例について示したが、本開示はそのような実施の形態には限定されない。トランスのコイルの数は、2つであってもよいし、3つより多くてもよい。また、補助コイルを設ける構成としてもよい。
上記実施の形態では、整流回路をプッシュプル回路とする例について示したが、本開示はそのような実施の形態には限定されない。整流回路はプッシュプル回路以外の回路構成であってもよい。
なお、上記で開示された技術を適宜組合せて得られる実施形態についても、本開示の技術的範囲に含まれる。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本開示が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本開示の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
10 直流電源
20 負荷
50 DC/DCコンバータ
60 一次側コイル
62 二次側コイル
64 コア部材
100 インバータ回路
110 電圧センサ
120 電流センサ
130 整流回路
132、134 整流ダイオード
140 平滑回路
150 制御部
152 CPU
154 メモリ
160 制御方式判定部
162 電圧入力部
164 負荷電流入力部
166 電流しきい値設定部
168 比較部
170 制御方式選択部
180 制御信号生成部
200 テーブル
300 車両
310 主機モータ
320 インバータ
330 高圧バッテリ
340 低圧バッテリ
350 補機
C0 平滑コンデンサ
C1 コンデンサ
L コイル
Q1、Q2、Q3、Q4 スイッチング素子
TR トランス
FET ターンオン時の素子電圧
in 入力電圧
I 一次側電流、負荷電流
th 電流しきい値

Claims (9)

  1. 電力を変換して負荷に供給する絶縁型の変換装置であって、
    フルブリッジ接続された複数のスイッチング素子を含むスイッチング回路と、
    前記スイッチング回路を制御する制御部とを含み、
    前記制御部は、前記スイッチング回路に入力される入力電圧と、電力の変換時に前記スイッチング回路を介して前記負荷に流れる負荷電流とに基づいて、位相シフト方式及びハードスイッチング方式のいずれかの制御方式で前記スイッチング回路を制御する、変換装置。
  2. 前記制御部は、
    前記スイッチング回路に入力された前記入力電圧に応じて、電流しきい値を可変的に設定する設定部と、
    前記設定部により設定された前記電流しきい値と前記負荷電流の値とを比較する比較部と、
    前記比較部の比較結果に応じて、前記位相シフト方式及び前記ハードスイッチング方式のいずれかの制御方式を選択する選択部と、
    前記選択部により選択された制御方式にて前記スイッチング回路の駆動を制御する駆動制御部とを含む、請求項1に記載の変換装置。
  3. 前記設定部は、
    前記入力電圧が第1の電圧であることに応答して、前記電流しきい値を第1の電流しきい値に設定し、
    前記入力電圧が前記第1の電圧より小さい第2の電圧であることに応答して、前記電流しきい値を前記第1の電流しきい値より小さい第2の電流しきい値に設定する、請求項2に記載の変換装置。
  4. 前記選択部は、
    前記比較部によって、前記負荷電流が前記電流しきい値より大きいとの比較結果が得られたことに応答して、前記制御方式として前記位相シフト方式を選択し、
    前記比較部によって、前記負荷電流が前記電流しきい値以下であるとの比較結果が得られたことに応答して、前記制御方式として前記ハードスイッチング方式を選択する、請求項2又は請求項3に記載の変換装置。
  5. 前記設定部は、前記位相シフト方式における前記スイッチング素子のターンオン時の素子電圧と、前記負荷電流との関係に基づいて、前記入力電圧に応じた前記電流しきい値を設定する、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の変換装置。
  6. 前記設定部は、前記スイッチング素子のターンオン時の素子電圧が前記入力電圧の1/2となるときの前記負荷電流に基づいて、前記電流しきい値を設定する、請求項5に記載の変換装置。
  7. 一次側に前記スイッチング回路が接続された変圧器と、
    前記変圧器の二次側に接続された整流回路とをさらに含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の変換装置。
  8. 負荷に対して電力を供給する絶縁型の変換装置において実行され、フルブリッジ接続された複数のスイッチング素子を含むスイッチング回路を制御する制御方法であって、
    前記スイッチング回路に入力される入力電圧、及び、電力の変換時に前記スイッチング回路を介して前記負荷に流れる負荷電流を検出するステップと、
    前記スイッチング回路に入力される前記入力電圧と、前記負荷に流れる前記負荷電流とに基づいて、位相シフト方式及びハードスイッチング方式のいずれかの制御方式で前記スイッチング回路を制御するステップとを含む、制御方法。
  9. 蓄電装置と、
    前記蓄電装置から供給される電力を変換する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の変換装置と、
    前記変換装置により変換された電力が供給される負荷とを含む、車両。
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