JP2021022807A - プロジェクターの制御方法、及び、プロジェクター - Google Patents

プロジェクターの制御方法、及び、プロジェクター Download PDF

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Abstract

【課題】投射面に投射される画像の歪みを抑制すること。【解決手段】プロジェクターが、第1画像を投射面に投射することによって、投射面に第1投射画像を表示し、第1投射画像を撮像して得られる第1撮像データを取得し、第1撮像データに基づいて、投射面における三次元形状の種別を判定し、複数の点を示す第2画像を投射面に投射することによって、投射面に第2投射画像を表示し、第2投射画像を撮像して得られる第2撮像データを取得し、第2撮像データと投射面における三次元形状の種別とに基づいて、投射面上における複数の点の各々の位置を特定し、複数の点の各々の位置に基づいて、投射面に投射される画像の歪みを補正する補正データを生成し、プロジェクターに入力される画像データを補正データに基づいて補正し、画像データを補正して得られる補正画像データに基づく補正画像を投射面に投射する。【選択図】図2

Description

本発明は、プロジェクターの制御方法、及び、プロジェクターに関する。
従来、投射面が曲面である等といった平面でない場合であっても、歪みがない画像を投射するために、プロジェクターが投射する画像内の歪みが相殺されるように補正する技術が開示されている。例えば、特許文献1には、複数の点を含む補正用画像を投射面に投射し、投射面に表示される補正用画像を撮像して、撮像データを取得し、撮像データから複数の点の各々の位置を特定し、特定される複数の格子点の各々の位置と複数の格子点の各々の本来の位置との相違から補正データを生成するプロジェクターが開示されている。
特開2011−257622号公報
しかしながら、上述した従来技術では、撮像データから特定される、複数の点の各々の位置には、測定誤差が含まれるため、投射面に投射される画像が歪む場合があるという問題がある。
本発明の好適な態様に係るプロジェクターの制御方法は、第1画像を投射面に投射することによって、前記投射面に第1投射画像を表示し、前記第1投射画像を撮像して得られる第1撮像データを取得し、前記第1撮像データに基づいて、前記投射面における三次元形状の種別を判定し、複数の点を含む第2画像を前記投射面に投射することによって、前記投射面に第2投射画像を表示し、前記第2投射画像を撮像して得られる第2撮像データを取得し、前記第2撮像データと前記投射面における三次元形状の種別とに基づいて、前記投射面上における前記複数の点の各々の位置を特定し、前記複数の点の各々の位置に基づいて、前記投射面に投射される画像の歪みを補正する補正データを生成し、プロジェクターに入力される画像データを前記補正データに基づいて補正し、前記画像データを補正して得られる補正画像データに基づく補正画像を前記投射面に投射する。
また、本発明の好適な態様に係るプロジェクターは、画像を投射面に投射する投射部と、前記投射面に投射される前記画像を撮像して得られる撮像データを取得する取得部と、前記投射面における三次元形状の種別を判定する判定部と、前記投射面上に投射される複数の点の各々の位置を特定する特定部と、前記投射面に投射される画像の歪みを補正する補正データを生成する生成部と、プロジェクターに入力される画像データを補正する補正部と、を備え、前記投射部が、第1画像を投射面に投射することによって、前記投射面に第1投射画像を表示し、前記取得部が、前記第1投射画像を撮像して得られる第1撮像データを取得し、前記判定部が、前記第1撮像データに基づいて、前記投射面における三次元形状の種別を判定し、前記投射部が、複数の点を示す第2画像を前記投射面に投射することによって、前記投射面に第2投射画像を表示し、前記取得部が、前記第2投射画像を撮像して得られる第2撮像データを取得し、前記特定部が、前記第2撮像データと前記投射面における三次元形状の種別とに基づいて、前記投射面上における前記複数の点の各々の位置を特定し、前記生成部が、前記複数の点の各々の位置に基づいて、前記補正データを生成し、前記補正部が、入力される前記画像データを前記補正データに基づいて補正し、前記投射部が、前記画像データを補正して得られる補正画像データに基づく補正画像を前記投射面に投射する。
プロジェクションシステム1を示す図。 プロジェクター8の構成例を示す図。 第1の態様における形状判定画像G1を示す図。 格子画像G2の一例を示す図。 投射部84の一例を示す図。 投射面SCにおける三次元形状の種別が平面形状である場合の形状判定投射画像PG1の例を示す図。 投射面SCにおける三次元形状の種別がコーナー面形状である場合の形状判定投射画像PG1の例を示す図。 投射面SCにおける三次元形状の種別がシリンダー側面形状である場合の形状判定投射画像PG1の例を示す図。 投射面SCにおける三次元形状の種別が正弦曲線形状である場合の形状判定投射画像PG1の例を示す図。 投射面SCにおける三次元形状の種別が平面形状である場合の格子投射画像PG2の例を示す図。 格子撮像データGI2を元に特定した格子点GPbの三次元座標を示す図。 格子点GPbの三次元座標の特定例を示す図。 投射面SCの三次元形状の種別がコーナー面形状の場合におけるフィッティング処理の一例を示す図。 回帰直線及び補正後の複数の格子点GPb’の一例を示す図。 フィルタリング処理後における補正後の複数の格子点GPbを示す図。 補正前の複数の単位領域UAの一例を示す図。 補正後の複数の単位領域UAの一例を示す図。 補正データ生成処理を示すフローチャートを示す図。 投射面形状判定処理を示すフローチャートを示す図。 フィッティング処理を示すフローチャートを示す図。 フィルタリング処理を示すフローチャートを示す図。 画像データ投射処理を示すフローチャートを示す図。 第1変形例での投射面SCにおける三次元形状の種別の判定方法を示す図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
A.第1実施形態
まず、第1実施形態に係るプロジェクター8を説明する。
A.1.プロジェクションシステム1の概要
図1に、プロジェクションシステム1を示す。プロジェクションシステム1は、画像提供装置4と、プロジェクター8とを含む。画像提供装置4は、例えば携帯電話、PC、DVDプレーヤー、ゲーム装置、又はUSBメモリーやPCカード等の携帯型情報記憶媒体などである。本実施形態では、投射する画像の歪みを補正可能とするプロジェクター8について説明する。
画像提供装置4は、画像データGDを、プロジェクター8に入力する。プロジェクター8は、入力される画像データGDを補正し、画像データGDを補正して得られる補正画像データCGDを生成し、補正画像データCGDに基づく補正画像CGを、投射面SCに投射する。補正画像データCGDは、図2に示す。
画像データGDに施す補正とは、投射面SCに投射される画像の歪みを補正する処理である。画像の歪みが発生する状況としては、例えば以下に示す2つの状況がある。第1状況は、投射面SCが互いに交差する複数の平面からなる場合、投射面SCが曲面である場合、又は投射面SCに凹凸がある場合等、投射面SCが一つの平面ではない場合である。第2状況は、プロジェクター8が投射面SCに対して斜めに投射する場合である。図1に示す投射面SCの形状は、第1平面PL1と第1平面PL1と交差する第2平面PL2とから構成される形状である。
プロジェクター8は、投射面SCに投射される画像の歪みが相殺されるように補正し、補正画像データCGDを生成する。
以下の説明では、X軸、Y軸、及び、Z軸を定義する。X軸、Y軸、及び、Z軸は、互いに直交する。プロジェクター8の載置面MSは、XZ平面に平行であるとし、Y軸は、載置面MSに垂直である。さらに、説明を簡略化するため、投射面SCが第1平面PL1と第2平面PL2とから構成される場合には、第1平面PL1及び第2平面PL2は互いに直交しており、第1平面PL1は、YZ平面に平行であり、第2平面PL2は、XY平面に平行であるとする。
A.2.第1実施形態の構成
図2に、プロジェクター8の構成例を示す。プロジェクター8は、通信部82と、記憶部83と、投射部84と、撮像部86と、処理部88とを有する。通信部82は、インターネット等のネットワークを介して、画像提供装置4等の他の装置と通信する機器である。通信部82は、無線通信又は有線通信によって他の装置と通信するための回路を有する。通信部82は、画像提供装置4から、画像データGDを受信する。
記憶部83は、処理部88が読み取り可能な記録媒体である。記憶部83は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の記憶回路の1種類以上で構成される。記憶部83は、処理部88が実行する制御プログラムを含む複数のプログラム、形状判定画像データGH1、及び、格子画像データGH2を記憶する。
形状判定画像データGH1が示す形状判定画像G1が、「第1画像」の一例である。格子画像データGH2が示す格子画像G2は、「第2画像」の一例である。
形状判定画像データGH1は、投射面SCにおける三次元形状の種別を判定するために用いられる。形状判定画像G1には、例えば、以下に示す2つの態様がある。第1の態様における形状判定画像G1は、縞模様を含む画像である。
図3に、第1の態様における形状判定画像G1を示す。形状判定画像G1は、横方向に平行な矩形で構成された縞模様、いわゆるストライプである。図3に示す形状判定画像G1は、白色及び黒色を用いている。形状判定画像G1は、白色と黒色との組み合わせに限らなく、任意の色の組み合わせが可能である。第2の態様における形状判定画像G1は、矩形の画像である。
以下の説明では、特に記載の無い場合、形状判定画像G1は、第1の態様であるとする。
格子画像データGH2は、投射面SCに投射される画像の歪みを補正する補正データCDを生成するために用いられる。
図4に、格子画像G2の一例を示す。格子画像G2は、複数の格子点GPaを示す。複数の格子点GPaは、「複数の点」の一例である。格子画像G2は、交差する矩形で構成された格子模様である。図4に示す格子画像G2は、白色、及び、黒色を用いている。格子画像G2は、白色と黒色の組み合わせに限らなく、任意の色の組み合わせが可能であり、2色に限らず3色以上を用いてもよい。図4に示す白抜きの丸が、格子点GPaを示す。図4では、図面の煩雑化を抑えるため、複数の格子点GPaのうち一部の格子点GPaのみを代表して符号を付与してある。白抜きの丸は、説明のために表示しており、実際の格子画像G2には付与されていない。複数の格子点GPaは、複数の矩形が交差する領域の頂点である。
説明を図2に戻す。投射部84は、画像を投射面SCに投射する。例えば、投射部84は、形状判定画像G1を投射面SCに投射することによって、図6〜図9に示す形状判定投射画像PG1を投射面SCに表示する。また、投射部84は、格子画像G2を投射面SCに投射することによって、図10に示す格子投射画像PG2を表示する。
なお、形状判定投射画像PG1が、「第1投射画像」の一例である。また、格子投射画像PG2が、「第2投射画像」の一例である。
図5に、投射部84の一例を示す。投射部84は、光源841と、光変調装置の一例である3つの液晶ライトバルブ842R、842G、及び842Bと、投射光学系の一例である投射レンズ843と、ライトバルブ駆動部844等を含む。投射部84は、光源841から射出される光を液晶ライトバルブ842で変調して画像を形成し、画像を投射レンズ843から拡大投射する。これにより、投射レンズ843は、形状判定投射画像PG1及び格子投射画像PG2等の画像を、投射面SCに表示する。
光源841は、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、LED、又はレーザー光源等から形成される光源部841aと、光源部841aが放射する光の方向のばらつきを低減するリフレクター841bとを含む。LEDは、Light Emitting Diodeの略である。光源841から射出される光は、不図示のインテグレーター光学系によって輝度分布のばらつきが低減され、その後、不図示の色分離光学系によって光の3原色である赤色、緑色、青色の色光成分に分離される。赤色、緑色、青色の色光成分は、それぞれ液晶ライトバルブ842R、842G、842Bに入射する。
液晶ライトバルブ842は、一対の透明基板間に液晶が封入される液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ842には、マトリクス状に配列された複数の画素842pからなる矩形の画素領域842aが形成されている。液晶ライトバルブ842では、液晶に対して画素842pごとに駆動電圧を印加することが可能である。ライトバルブ駆動部844が、画像データGDに応じた駆動電圧を各画素842pに印加すると、各画素842pは、画像データGDに応じた光透過率に設定される。このため、光源841から射出される光は、画素領域842aを透過することで変調され、投射面SCに投射する画像が色光ごとに形成される。
説明を図2に戻す。撮像部86は、投射面SCを撮像し、撮像画像を示す撮像データを出力する装置である。出力される撮像画像は、例えば、行列状に配置される複数の画素で構成される。撮像データは、撮像画像の画素ごとの輝度等に関するデータを含む。撮像部86は、例えば撮像光学系及び撮像素子を含んで構成される。撮像光学系は、少なくとも1つの撮像レンズを含む光学系であり、プリズム等の各種の光学素子を備えてもよいし、ズームレンズやフォーカスレンズ等を備えてもよい。撮像素子は、例えば、CCDイメージセンサー又はCMOSイメージセンサー等で構成される。CCDは、Charge Coupled Deviceの略である。CMOSは、Complementary MOSの略である。
撮像部86は、形状判定投射画像PG1を撮像して得られる形状判定撮像データGI1を出力する。また、撮像部86は、格子投射画像PG2を撮像して得られる格子撮像データGI2を出力する。形状判定撮像データGI1は、「第1撮像データ」の一例である。格子撮像データGI2は、「第2撮像データ」の一例である。
処理部88は、例えば、CPU等のコンピューターである。CPUは、Central Processing Unitの略である。処理部88は、1又は複数のプロセッサーで構成されてもよい。処理部88は、記憶部83に記憶されるプログラムを読み取り実行することによって、取得部881、判定部883、特定部884、生成部886、及び、補正部888として機能する。
取得部881は、形状判定撮像データGI1を取得する。また、取得部881は、格子撮像データGI2を取得する。
判定部883は、形状判定撮像データGI1に基づいて、投射面SCにおける三次元形状の種別を判定する。より詳細には、判定部883は、三次元形状に関する複数の種別の中から投射面SCにおける三次元形状の種別を判定する。三次元形状に関する複数の種別は、平面形状、図1に示すような第1平面PL1と第2平面PL2とから構成される形状、円柱の側面の形状、楕円柱の側面の形状、及び、プロジェクター8の載置面MSに対して垂直な方向からの平面視において投射面SCが正弦曲線に射影される形状である。プロジェクター8の載置面MSに対して垂直な方向は、言い換えれば、+Y方向及び−Y方向である。
以下の記載では、第1平面PL1と第2平面PL2とから構成される形状を、「コーナー面形状」と称する。また、円柱の側面の形状及び楕円柱の側面の形状を総称して、「シリンダー側面形状」と称する。プロジェクター8の載置面MSに対して垂直な方向からの平面視において投射面SCが正弦曲線に射影される形状を、「正弦曲線面形状」と称する。
なお、平面形状、コーナー面形状、シリンダー側面形状、及び、正弦曲線面形状は、「第1の種別」及び「第2の種別」の一例である。
図6に、投射面SCにおける三次元形状の種別が平面形状である場合の形状判定投射画像PG1の例を示す。投射面SCが平面形状である場合、形状判定投射画像PG1の形状は、四角形である。
図7に、投射面SCにおける三次元形状の種別がコーナー面形状である場合の形状判定投射画像PG1の例を示す。投射面SCがコーナー面形状である場合、形状判定投射画像PG1の形状は、四角形が、第1平面PL1と第2平面PL2とが交差する直線L1で折れ曲がった形状となる。
図8に、投射面SCにおける三次元形状の種別がシリンダー側面形状である場合の形状判定投射画像PG1の例を示す。投射面SCがシリンダー側面形状である場合、形状判定画像G1の形状は、四角形の上辺及び下辺が四角形の中心から離れるように弧を描く形状となる。
図9に、投射面SCにおける三次元形状の種別が正弦曲線形状である場合の形状判定投射画像PG1の例を示す。投射面SCが正弦曲線面形状である場合、形状判定投射画像PG1の形状は、四角形の上辺及び下辺が正弦曲線を描く形状となる。
説明を図2に戻す。判定部883は、形状判定撮像データGI1が示す形状判定投射画像PG1に含まれる線分に基づいて、三次元形状に関する複数の種別の中から投射面SCにおける三次元形状の種別を判定する。形状判定投射画像PG1に含まれる線分は、形状判定画像G1において縞模様を構成する矩形同士の境界線に対応する線分である。形状判定画像G1が第2の態様である場合、形状判定投射画像PG1に含まれる線分は、形状判定画像G1における矩形の上辺又は下辺に対応する線分である。
形状判定投射画像PG1に含まれる線分が、折れ曲がっていない1つの直線である場合、判定部883は、投射面SCにおける三次元形状の種別が、平面形状であると判定する。また、形状判定投射画像PG1に含まれる線分が折れ線である場合、判定部883は、投射面SCにおける三次元形状の種別が、コーナー面形状であると判定する。また、形状判定投射画像PG1に含まれる線分が円又は楕円の弦である場合、判定部883は、投射面SCにおける三次元形状の種別が、シリンダー側面形状であると判定する。また、形状判定投射画像PG1に含まれる線分が正弦曲線である場合、判定部883は、投射面SCにおける三次元形状の種別が、正弦曲線面形状であると判定する。
判定部883は、投射面SCにおける三次元形状の種別を示す形状データSDを出力する。形状データSDは、投射面SCにおける三次元形状の種別を示す識別子である。形状データSDは、平面形状を示す識別子、コーナー面形状を示す識別子、シリンダー側面形状を示す識別子、正弦曲線面形状を示す識別子、及び、投射面SCにおける三次元形状の種別が判定不能であることを示す識別子のいずれかである。
特定部884は、格子撮像データGI2と、形状データSDが示す投射面SCにおける三次元形状の種別とに基づいて、投射面SC上における複数の格子点GPbの各々の位置を特定する。より詳細には、特定部884は、格子撮像データGI2を基に複数の格子点GPbの各々について三次元座標を特定し、複数の格子点GPbの各々について特定される複数の三次元座標を、投射面SCにおける三次元形状の種別に基づき補正する処理を施して、投射面SC上における複数の格子点GPbの各々の位置を特定する。例えば、投射面SCにおける三次元形状の種別がコーナー面形状であった場合には、特定された格子撮像データGI2の複数の格子点GPbの各々について、所定の補正をする処理を施して投射面SC上における複数の格子点GPbの各々の位置を特定し、投射面SCにおける三次元形状の種別がシリンダー側面形状であった場合には、特定された格子撮像データGI2の複数の格子点GPbの各々について、投射面SCにおける三次元形状がコーナー面形状であった場合とは異なる補正をする処理を施して投射面SC上における複数の格子点GPbの各々の位置を特定する。複数の格子点GPbは、格子撮像データGI2が示す格子投射画像PG2に示される格子点であり、格子画像G2に含まれる格子点GPaに対応する。複数の格子点GPbの各々について特定される複数の三次元座標を、投射面SCにおける三次元形状の種別に基づき補正する処理は、フィッティング処理、及び、フィルタリング処理により構成される。
図10に、投射面SCにおける格子投射画像PG2の例を示す。投射面SCが平面形状である場合、格子投射画像PG2は、歪まない。しかし、投射面SCがコーナー面形状、シリンダー側面形状、又は、正弦曲線面形状である場合、格子投射画像PG2は、形状判定投射画像PG1と同様に、歪む。
図11に、格子撮像データGI2を元に特定した格子点GPbの三次元座標を示す。図11では、XYZ空間をシミュレーションする仮想空間であるxyz空間における格子点GPbを示す。以下の説明では、xyz空間における互いに直交する3軸をx軸、y軸、及び、z軸として、X軸、Y軸、及び、Z軸と区別する。図11に示す白抜きの丸が格子点GPbである。図11では、図面の煩雑化を抑えるため、複数の格子点GPbのうち一部の格子点GPbのみを代表して符号を付与してある。
図12に、格子点GPbの三次元座標の特定例を示す。格子点GPbの三次元座標の特定には、例えば、三角測量が用いられる。図12に示すように、投射部84、撮像部86、及び、格子点GPbを頂点とする三角形TR1が形成される。投射部84と撮像部86とを結ぶ辺の長さL1は、プロジェクター8の設計時に予め決定される値である。投射部84と撮像部86とを結ぶ辺の両端の角度θ1及び角度θ2のうち、投射部84の方向の角度θ1は、投射部84が画像を投射する方向、及び、格子画像G2内における格子点GPbの位置によって特定される値である。角度θ2は、撮像部86が画像を撮像する方向、及び、格子撮像データGI2が示す画像内における格子点GPbの位置によって特定される値である。長さL1、角度θ1、及び、角度θ2が特定されることにより、プロジェクター8は、三角形TR1を特定できるため、三角形TR1の頂点である格子点GPbの三次元座標(xgb,ygb,zgb)を特定することができる。
ただし、三角測量によって特定された格子点GPbの三次元座標には、測定誤差が含まれる場合がある。そこで、特定部884は、フィッティング処理及びフィルタリング処理を実行する。
フィッティング処理において、特定部884は、格子点GPbの三次元座標に基づいて、形状データSDが示す投射面SCの三次元形状の方程式を算出する。以下の説明では、投射面SCの三次元形状の方程式を満たす面を、「フィッティング面」と称する。例えば、投射面SCにおける三次元形状の種別が平面形状である場合、特定部884は、投射面SCを構成する平面の方程式を、格子点GPbの三次元座標を引数とした最小二乗法によって特定する。より詳細には、特定部884は、下記に示す平面の方程式に対して、格子点GPbの三次元座標を引数とした最小二乗法によって、係数a、係数b、及び係数c、定数dを算出する。
ax+by+cz=d
また、投射面SCにおける三次元形状の種別がコーナー面形状である場合、特定部884は、投射面SCを構成する複数の平面の各々の方程式を、格子点GPbの三次元座標を引数とした最小二乗法によって特定する。
また、投射面SCにおける三次元形状の種別がシリンダー側面形状又は正弦曲線面形状である場合、特定部884は、格子点GPbの三次元座標を引数として、LM法等といった非線形最小二乗問題を解くアルゴリズムにより、投射面SCを構成する曲面の方程式を特定する。LMは、Levenberg-Marquardtの略である。
図13に、投射面SCにおける三次元形状の種別がコーナー面形状の場合におけるフィッティング処理の一例を示す。図13では、xyz空間を+y方向から見る場合のxz平面図におけるフィッティング面FS及び格子点GPbを示す。図13では、図面の煩雑化を抑えるため、複数の格子点GPbのうち一部の格子点GPbのみを代表して符号を付与してある。図13に示すフィッティング面FSは、最小二乗法によって得られる方程式を満たす点で構成される。
フィルタリング処理において、特定部884は、xyz空間において、複数の格子点GPbをフィッティング面FSに射影する。より詳細には、複数の格子点GPbをフィッティング面FSの法線ベクトル方向へ射影する。
次に、特定部884は、xyz空間において、射影後の複数の格子点GPbに対して、各列の格子点GPbに対する回帰直線VL、及び、各行の格子点GPbに対する回帰直線HLを、最小二乗法を用いて特定する。そして、特定部884は、回帰直線VL及び回帰直線HLの交点を、補正後の複数の格子点GPb’として特定する。
図14に、回帰直線及び補正後の複数の格子点GPb’の一例を示す。図14では、xyz空間を+x方向から見た場合のyz平面図における、複数の格子点GPbと、回帰直線VLと、回帰直線HLと、補正後の複数の格子点GPb’とを示す。図14に示す黒丸が、格子点GPb’である。図14では、図面の煩雑化を抑えるため、複数の格子点GPbのうち一部の格子点GPbを代表して符号を付与してあり、複数の格子点GPb’のうち一部の格子点GPb’を代表して符号を付与してある。
図15に、フィルタリング処理後における補正後の複数の格子点GPbを示す。図15では、xyz空間における、補正後の複数の格子点GPb’を示す。補正後の複数の格子点GPb’は、図11に示す複数の格子点GPbと比較して、より整列されている。
説明を図2に戻す。生成部886は、補正後の複数の格子点GPb’の各々の位置に基づいて、補正データCDを生成する。補正データCDの具体例及び生成例については、補正部888の説明で説明する。
補正部888は、画像データGDを補正データCDに基づいて補正する。補正データCDは、投射部84が投射する投射領域PRを分割して得られる複数の単位領域UAを変形させて得られる変形後の単位領域UAを示す。補正部888は、画像データGDが示す画像を変形前の単位領域UAに応じて分割して得られる分割画像を、補正データCDが示す変形後の単位領域UAに収まるように補正する。
図16に、補正前の複数の単位領域UAの一例を示す。図16に示す単位領域UA1、単位領域UA2、単位領域UA3、及び、単位領域UA4は、投射領域PRを分割した領域である。格子点GPc1、格子点GPc2、格子点GPc3、格子点GPc4、格子点GPc5、格子点GPc6、格子点GPc7、格子点GPc8、及び、格子点GPc9は、単位領域UA1、単位領域UA2、単位領域UA3、及び、単位領域UA4のそれぞれにおいて頂点に位置する。格子点GPcの個数は、格子点GPaの個数と一致してもよいし、異なってもよい。図16に示すように、補正前の単位領域UAのそれぞれの形状は、矩形である。
以下の説明では、同種の要素を区別する場合には、格子点GPc1、格子点GPc2のように参照符号を使用する。一方、同種の要素を区別しない場合には、格子点GPcのように、参照符号のうちの共通符号だけを使用する。
格子点GPcの個数は、2以上の単位領域UAが形成できればよい。図15の例では、説明を容易にするため、9個の格子点GPcと、2個の単位領域UAを示す。
図17に、補正後の複数の単位領域UAの一例を示す。図17では、複数の単位領域UAの形状の変形済みの状態を示す。具体的には、図17では、格子点GPc2が、下方向に移動し、かつ、格子点GPc8が上方向に移動して、単位領域UA1、単位領域UA2、単位領域UA3、及び、単位領域UA4が変形している。補正部888は、変形前の単位領域UA内の画像を、変形後の単位領域UAに収まるように補正する。補正データCDの内容は、それぞれの変形後の格子点GPcの位置である。図17に示す変形後の格子点GPcの位置に従って補正される補正画像CGは、仮に投射面SCにおける三次元形状の種別が平面形状であれば、歪む。しかしながら、投射面SCにおける三次元形状の種別がコーナー面形状である場合、歪みの無い画像が得られる。
補正データCDの生成例として、生成部886は、例えば、xyz空間において、任意の画像、例えば、格子画像G2を投射部84の位置から投射させ、撮像部86から投射面SCを見たときの画像をシミュレーションして補正データCDを生成する。生成部886は、投射面SCを見たときの画像が矩形になるように、補正データCDを生成する。
説明を図2に戻す。投射部84は、画像データGDを補正して得られる補正画像データCGDに基づく補正画像CGを投射面SCに投射する。
A.3.第1実施形態の動作
次に、図18から図22までを用いて、プロジェクター8の動作を示す。プロジェクター8は、補正データCDを生成する補正データ生成処理と、補正データCDに基づいて画像データGDを補正して、補正画像データCGDに基づく補正画像CGを投射する画像データ投射処理とを実行する。
図18は、補正データ生成処理を示すフローチャートである。プロジェクター8は、ステップS1において、図19に示す投射面形状判定処理を実行する。
図19は、投射面形状判定処理を示すフローチャートである。投射部84は、ステップS11において、形状判定画像データGH1に基づいて形状判定画像G1を投射することによって、投射面SCに形状判定投射画像PG1を表示する。次に、取得部881は、ステップS12において、撮像部86が形状判定投射画像PG1を撮像して得られる形状判定撮像データGI1を取得する。そして、判定部883は、ステップS13において、形状判定撮像データGI1が示す形状判定投射画像PG1から、線分を抽出する。次に、判定部883は、ステップS14において、線分が1つの直線か否かを判定する。ステップS14の判定結果が肯定の場合、判定部883は、ステップS15において、投射面SCにおける三次元形状の種別が平面形状であると判定する。
一方、ステップS14の判定結果が否定の場合、すなわち線分が1つの直線でない場合、判定部883は、ステップS16において、線分が折れ線か否かを判定する。ステップS16の判定結果が肯定の場合、判定部883は、ステップS17において、投射面SCにおける三次元形状の種別がコーナー面形状であると判定する。
一方、ステップS16の判定結果が否定の場合、判定部883は、ステップS18において、線分が円又は楕円の弧か否かを判定する。ステップS18の判定結果が肯定の場合、判定部883は、ステップS19において、投射面SCにおける三次元形状の種別がシリンダー側面形状であると判定する。
一方、ステップS18の判定結果が否定の場合、すなわち線分が円及び楕円の弧でない場合、判定部883は、ステップS20において、線分が正弦曲線か否かを判定する。ステップS20の判定結果が肯定の場合、判定部883は、ステップS21において、投射面SCにおける三次元形状の種別が正弦曲線面形状であると判定する。
一方、ステップS20の判定結果が否定の場合、すなわち線分が正弦曲線でない場合、判定部883は、ステップS22において、投射面SCにおける三次元形状の種別が判定不能と決定する。ステップS15、ステップS17、ステップS19、ステップS21、又は、ステップS22の処理終了後、判定部883は、ステップS23において、投射面SCにおける三次元形状の種別を示す形状データSDを出力する。ステップS23の処理終了後、プロジェクター8は、図19に示す一連の処理を終了し、図18に示すステップS2の処理を実行する。
説明を図18に戻す。プロジェクター8は、ステップS2において、処理部88は、投射面SCにおける三次元形状の種別が判定できたか否かを判定する。ステップS2の判定結果が否定の場合、すなわち、形状データSDが、投射面SCにおける三次元形状の種別が判定不能であることを示す識別子である場合、処理部88は、図18に示す一連の処理を終了する。
一方、ステップS2の判定結果が肯定の場合、すなわち、形状データSDが、平面形状を示す識別子、コーナー面形状を示す識別子、シリンダー側面形状を示す識別子、及び、正弦曲線面形状を示す識別子のいずれかである場合、特定部884は、ステップS3において、図20に示すフィッティング処理を実行する。
図20は、フィッティング処理を示すフローチャートである。投射部84は、ステップS31において、格子画像データGH2に基づいて格子画像G2を投射することによって、投射面SCに格子投射画像PG2を表示する。次に、取得部881は、ステップS32において、撮像部86が格子投射画像PG2を撮像して得られる格子撮像データGI2を取得する。特定部884は、ステップS33において、形状データSDが示す投射面SCにおける三次元形状の種別が平面形状か否かを判定する。ステップS33の判定結果が肯定の場合、特定部884は、ステップS34において、格子点GPbの三次元座標を引数とした最小二乗法によって、投射面SCを構成する平面の方程式を特定する。
一方、ステップS33の判定結果が否定の場合、ステップS35において、特定部884は、投射面SCにおける三次元形状の種別がコーナー面形状か否かを判定する。ステップS35の判定結果が肯定の場合、ステップS36において、特定部884は、格子点GPbの三次元座標を引数とした最小二乗法によって、投射面SCを構成する複数の平面の各々の方程式を特定する。
一方、ステップS35の判定結果が否定の場合、すなわち、形状データSDが示す投射面SCにおける三次元形状の種別が、シリンダー側面形状又は正弦曲線面形状である場合、特定部884は、ステップS37において、格子点GPbの三次元座標を引数として、LM法等といった非線形最小二乗問題を解くアルゴリズムにより、投射面SCを構成する曲面の方程式を特定する。
ステップS34、ステップS36、又は、ステップS37の処理終了後、プロジェクター8は、図20に示す一連の処理を終了し、図18のステップS4の処理を実行する。
説明を図18に戻す。特定部884は、ステップS4において、図21に示すフィルタリング処理を実行する。
図21は、フィルタリング処理を示すフローチャートである。特定部884は、ステップS41において、xyz空間において、複数の格子点GPbをフィッティング面FSに射影する。次に、特定部884は、ステップS42において、射影後の複数の格子点GPbに対して、各列の格子点GPbに対する回帰直線VL、及び、各行の格子点GPbに対する回帰直線HLを、最小二乗法を用いて特定する。そして、特定部884は、ステップS43において、回帰直線VL及び回帰直線HLの交点を、補正後の複数の格子点GPb’として特定する。ステップS43の処理終了後、プロジェクター8は、図21に示す一連の処理を終了し、図18のステップS5の処理を実行する。
説明を図18に戻す。生成部886は、ステップS5において、複数の格子点GPb’の各々の位置に基づいて、補正データCDを生成する。生成部886は、補正データCDを記憶部83に保存する。ステップS5の処理終了後、プロジェクター8は、図18に示す一連の処理を終了する。
図22は、画像データ投射処理を示すフローチャートを示す図である。処理部88は、ステップS51において、画像提供装置4から画像データGDが入力されたか否かを判定する。ステップS51の判定結果が否定の場合、すなわち画像データGDが入力されていない場合、処理部88は、一定期間経過後に再びステップS51の処理を実行する。
一方、ステップS51の判定結果が肯定の場合、処理部88は、ステップS52において、記憶部83に補正データCDが保存されているか否かを判定する。ステップS52の判定結果が肯定の場合、補正部888は、ステップS53において、補正データCDに基づいて画像データGDを補正する。そして、投射部84は、ステップS54において、補正画像データCGDに基づく補正画像CGを投射面SCに投射する。
一方、ステップS52の判定結果が否定の場合、ステップS55において、画像データGDに基づく画像を投射面SCに投射する。ステップS54、又は、ステップS55の処理終了後、プロジェクター8は、図22に示す一連の処理を終了する。
A.4.第1実施形態の効果
以上説明したように、第1実施形態によれば、プロジェクター8は、形状判定画像G1を投射面SCに投射することによって、投射面SCに形状判定投射画像PG1を表示し、形状判定投射画像PG1を撮像して得られる形状判定撮像データGI1を取得し、形状判定撮像データGI1に基づいて、投射面SCにおける三次元形状の種別を判定し、複数の格子点GPaを示す格子画像G2を投射面SCに投射することによって、投射面SCに格子投射画像PG2を表示し、格子投射画像PG2を撮像して得られる格子撮像データGI2を取得し、格子撮像データGI2と投射面SCにおける三次元形状の種別とに基づいて、投射面SC上における複数の格子点GPbの各々の位置を特定し、複数の格子点GPbの各々の位置に基づいて、投射面SCに投射される画像の歪みを補正する補正データCDを生成し、プロジェクター8に入力される画像データGDを補正データCDに基づいて補正し、画像データGDを補正して得られる補正画像データCGDに基づく補正画像CGを投射面SCに投射する。
格子撮像データGI2のみに基づいて複数の格子点GPbの各々の位置を特定すると、測定誤差が含まれるため、投射面SCに投射される補正画像CGが歪む場合がある。これに対し、第1実施形態では、形状判定撮像データGI1に基づき判定した投射面SCにおける三次元形状の種別によって複数の格子点GPbの各々の位置が精度良く特定できるので、投射面SCに投射される補正画像CGの歪みを抑制できる。
また、形状判定画像G1は、縞模様を含む。縞模様に含まれる線分が投射面SCにおける三次元形状の種別に応じて変形されるので、プロジェクター8は、縞模様を含む形状判定投射画像PG1を用いて投射面SCにおける三次元形状の種別を判定することにより、投射面SCの三次元形状を精度良く判定できる。
また、形状判定撮像データGI1に基づいて、投射面SCにおける三次元形状の種別を判定する処理では、第1の種別と第2の種別とを含む複数の種別の中から投射面SCにおける三次元形状の種別を判定する。複数の格子点GPbの各々の位置を特定する処理では、格子撮像データGI2を基に複数の格子点GPbの各々について三次元座標を特定し、複数の格子点GPbの各々について特定される複数の三次元座標を、投射面SCにおける三次元形状の種別に基づき補正する処理を施して、投射面SC上における複数の格子点GPbの各々の位置を特定する。第1実施形態では、投射面SCにおける三次元形状の種別を判定することによって、特定した形状の種別を示す方程式を用いて複数の格子点GPbの各々の位置を精度良く特定できるので、投射面SCに投射される補正画像CGの歪みを抑制できる。
また、形状判定画像G1には、線分が含まれ、形状判定撮像データGI1が示す画像に含まれる線分に基づいて、判定部883は、複数の種別の中から投射面SCにおける三次元形状の種別を判定する。形状判定投射画像PG1に含まれる線分には、三次元形状の種別に応じて互いに異なる特徴が現れるので、プロジェクター8は、投射面SCにおける三次元形状の種別を精度良く判定できる。
また、複数の種別は、平面形状、コーナー面形状、シリンダー側面形状、及び、正弦曲線面形状である。投射面SCが人工物であれば、投射面SCにおける三次元形状の種別は、上述の4つの種別のいずれかに該当する可能性が十分にあると言える。従って、投射面SCにおける三次元形状の種別を判定できる機会は十分にあり、投射面SCに投射される補正画像CGの歪みを抑制できる機会を十分に得ることができる。
B.変形例
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
B.1.第1変形例
第1実施形態では、形状判定画像データGH1は、第1の態様である縞模様を含む画像、又は、第2の態様である矩形の画像であると説明したが、これに限らない。例えば、形状判定画像G1は、複数の領域URに分割されてもよい。複数の領域URの各々は、例えば、複数の格子点のうち4つの格子点を頂点とする領域でもよい。従って、形状判定画像G1は、複数の格子点を含む画像、即ち、格子画像G2でもよい。形状判定画像G1が複数の格子点を含む場合における、判定部883の投射面SCの三次元形状の判定方法について、図23を用いて説明する。
図23に、第1変形例での投射面SCにおける三次元形状の種別の判定方法を示す。判定部883は、形状判定撮像データGI1が示す画像に含まれる複数の領域URの各々の法線ベクトルNVの向きに基づいて、三次元形状に関する複数の種別の中から投射面SCにおける三次元形状の種別を判定する。複数の領域URの各々は、複数の格子点GPdのうちの4つの格子点を頂点とする。図23では、図面の煩雑化を抑えるため、複数の格子点GPdのうち一部の格子点GPaのみを代表して符号を付与してあり、複数の領域URのうち一部の領域URのみを代表して符号を付与してありある。
例えば、判定部883は、領域URが隣り合う法線ベクトルNV同士の向きの差分が全て所定の閾値以内であり、かつ、全ての法線ベクトルNVの向きのばらつき度合いが所定の閾値より小さい場合、投射面SCにおける三次元形状の種別が平面形状であると判定する。法線ベクトルNVの向きのばらつき度合いとは、例えば、xz平面における法線ベクトルNVの向きを示す角度の標準偏差、又は、分散値である。
また、判定部883は、領域URが隣り合う法線ベクトルNV同士の向きの差分が、ある領域URの付近では所定の閾値以上であり、他の全ての領域URでは所定の閾値以内である場合、投射面SCにおける三次元形状の種別がコーナー面形状であると判定する。
また、判定部883は、領域URが隣り合う法線ベクトルNV同士の向きの差分が所定の閾値以内であり、かつ、法線ベクトルNVの向きが投射面SCに沿って徐々に変化する場合、投射面SCにおける三次元形状の種別がシリンダー面形状であると判定する。投射面SCにおける三次元形状の種別がシリンダー面形状である場合、投射面SCに沿って法線ベクトルNVの向きが徐々に変化するためである。
また、判定部883は、領域URが隣り合う法線ベクトルNV同士の向きの差分が所定の閾値以内であり、かつ、法線ベクトルの向きが投射面SCに沿って徐々に変化し、この変化に周期性がある場合、投射面SCの三次元形状が正弦曲線面形状であると判定する。
以上の記載によれば、第1変形例による判定部883は、形状判定撮像データGI1が示す形状判定投射画像PG1に含まれる複数の領域URの各々の法線ベクトルNVの向きに基づいて、三次元形状に関する複数の種別の中から投射面SCにおける三次元形状の種別を判定する。法線ベクトルNVの向きには、三次元形状の種別で互いに異なる特徴が現れるので、プロジェクター8は、投射面SCにおける三次元形状の種別を精度良く判定できる。
B.2.その他の変形例
上述のプロジェクター8は撮像部86を有するが、撮像部86を有さなくてもよい。例えば、プロジェクションシステム1は、プロジェクター8の外部にカメラを有し、プロジェクター8は、カメラから、形状判定撮像データGI1及び格子撮像データGI2を取得してもよい。
上述の各形態では、判定部883は、複数の三次元形状として、平面形状、コーナー面形状、シリンダー側面形状、及び、正弦曲線形状の中から、投射面SCにおける三次元形状の種別を判定するが、これに限らなく、平面形状、コーナー面形状、シリンダー側面形状、及び、正弦曲線形状のいずれか2つ、又はいずれか3つの中から、投射面SCにおける三次元形状の種別を判定してもよい。例えば、判定部883は、複数の三次元形状として、平面形状、コーナー面形状の中から、投射面SCにおける三次元形状の種別を判定してもよい。
上述の各形態では、投射面SCに投射される画像の歪みを補正する補正データCDを生成するために用いられる画像として複数の格子点を含む格子画像データGH2を用いたが、投射面SCに投射される画像の歪みを補正する補正データCDを生成するために用いられる画像は、格子状に並んだ点に画像データに限られず、複数の点を含むドットパターンを含む画像データであってもよい。
上述の各形態における投射部84では、光変調装置として液晶ライトバルブが用いられたが、光変調装置は液晶ライトバルブに限らず適宜変更可能である。例えば、光変調装置は、3枚の反射型の液晶パネルを用いた構成であってもよい。また、光変調装置は、1枚の液晶パネルを用いた方式、3枚のDMDを用いた方式、1枚のデジタルミラーデバイスを用いた方式等の構成であってもよい。DMDは、Digital Micromirror Deviceの略である。光変調装置として1枚のみの液晶パネル又はDMDが用いられる場合には、色分離光学系や色合成光学系に相当する部材は不要である。また、液晶パネル及びDMD以外にも、光源が発する光を変調可能な構成は、光変調装置として採用できる。
上述の各態様において、処理部88がプログラムを実行することによって実現される要素の全部又は一部は、例えばFPGA又はASIC等の電子回路によりハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現されてもよい。FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略である。ASICは、Application Specific ICの略である。また、上述の各態様にかかるプロジェクター8の制御方法としても特定される。
1…プロジェクションシステム、4…画像提供装置、8…プロジェクター、82…通信部、83…記憶部、84…投射部、86…撮像部、88…処理部、881…取得部、883…判定部、884…特定部、886…生成部、888…補正部、CD…補正データ、CG…補正画像、CGD…補正画像データ、G1…形状判定画像、G2…格子画像、GD…画像データ、GI1…形状判定撮像データ、GI2…格子撮像データ、GPa、GPb、GPc、GPd…格子点、MS…載置面、NV…法線ベクトル、PG1…形状判定投射画像、PG2…格子投射画像、PL1…第1平面、PL2…第2平面、SC…投射面。

Claims (7)

  1. プロジェクターの制御方法であって、
    第1画像を投射面に投射することによって、前記投射面に第1投射画像を表示し、
    前記第1投射画像を撮像して得られる第1撮像データを取得し、
    前記第1撮像データに基づいて、前記投射面における三次元形状の種別を判定し、
    複数の点を含む第2画像を投射することによって、前記投射面に第2投射画像を表示し、
    前記第2投射画像を撮像して得られる第2撮像データを取得し、
    前記第2撮像データと前記投射面における三次元形状の種別とに基づいて、前記投射面上における前記複数の点の各々の位置を特定し、
    前記複数の点の各々の位置に基づいて、前記投射面に投射される画像の歪みを補正する補正データを生成し、
    前記プロジェクターに入力される画像データを前記補正データに基づいて補正し、
    前記画像データを補正して得られる補正画像データに基づく補正画像を前記投射面に投射する、
    プロジェクターの制御方法。
  2. 前記第1画像は、縞模様を含む、
    請求項1に記載のプロジェクターの制御方法。
  3. 前記第1撮像データに基づいて、前記投射面における三次元形状の種別を判定する処理では、第1の種別と第2の種別とを含む三次元形状に関する複数の種別の中から前記投射面における三次元形状の種別を判定し、
    前記複数の点の各々の位置を特定する処理では、
    前記第2撮像データを基に前記複数の点の各々について三次元座標を特定し、
    前記複数の点の各々について特定される複数の三次元座標を、前記投射面における三次元形状の種別に基づき補正する処理を施して、前記投射面上における前記複数の点の各々の位置を特定する、
    請求項1又は2に記載のプロジェクターの制御方法。
  4. 前記第1画像には、線分が含まれ、
    前記第1撮像データが示す前記第1投射画像に含まれる線分に基づいて、前記複数の種別の中から前記投射面における三次元形状の種別を判定する、
    請求項3に記載のプロジェクターの制御方法。
  5. 前記第1画像は、複数の領域に分割され、
    前記第1撮像データが示す前記第1投射画像に含まれる複数の領域の各々の法線ベクトルの向きに基づいて、前記複数の種別の中から前記投射面における三次元形状の種別を判定する、
    請求項3に記載のプロジェクターの制御方法。
  6. 前記複数の種別は、平面形状、第1平面と前記第1平面と交差する第2平面とから構成される形状、円柱の側面の形状、楕円柱の側面の形状、及び、前記プロジェクターの載置面に対して垂直な方向からの平面視において前記投射面が正弦曲線に射影される形状である、
    請求項3から5までのいずれか1項に記載のプロジェクターの制御方法。
  7. プロジェクターであって、
    画像を投射面に投射する投射部と、
    前記投射面に投射される前記画像を撮像して得られる撮像データを取得する取得部と、
    前記投射面における三次元形状の種別を判定する判定部と、
    前記投射面上に投射される複数の点の各々の位置を特定する特定部と、
    前記投射面に投射される画像の歪みを補正する補正データを生成する生成部と、
    前記プロジェクターに入力される画像データを補正する補正部と、
    を備え、
    前記投射部が、第1画像を前記投射面に投射することによって、前記投射面に第1投射画像を表示し、
    前記取得部が、前記第1投射画像を撮像して得られる第1撮像データを取得し、
    前記判定部が、前記第1撮像データに基づいて、前記投射面における三次元形状の種別を判定し、
    前記投射部が、複数の点を示す第2画像を前記投射面に投射することによって、前記投射面に第2投射画像を表示し、
    前記取得部が、前記第2投射画像を撮像して得られる第2撮像データを取得し、
    前記特定部が、前記第2撮像データと前記投射面における三次元形状の種別とに基づいて、前記投射面上における前記複数の点の各々の位置を特定し、
    前記生成部が、前記複数の点の各々の位置に基づいて、前記補正データを生成し、
    前記補正部が、前記画像データを前記補正データに基づいて補正し、
    前記投射部が、前記画像データを補正して得られる補正画像データに基づく補正画像を前記投射面に投射する、
    プロジェクター。
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