JP2021022670A - インダクタ - Google Patents

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一洋 伊藤
Kazuhiro Ito
一洋 伊藤
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Abstract

【課題】インダクタンス値の向上と直流重畳特性の改善とを同時に実現可能なインダクタを提供する。【解決手段】磁性粉を含有する磁性部、及び磁性部内に埋設されたコイル8を含むインダクタであって、コイルは、巻軸A1の周囲を周回し、巻軸が素体2の主面と交差する様に磁性部に埋設される。磁性部は、4つの角部の少なくとも1つに形成され、長手方向と短手方向とを有する扁平形状の磁性粉が、長手方向をコイルの巻軸の延在方向に略平行にして配置されている第1領域14と、コイルの巻軸と交差する一方の面と素体の一方の主面との間及びコイルの巻軸と交差する他方の面と素体の他方の主面との間の少なくとも一方であって、コイルの中空領域の延長部分に形成され、長手方向と短手方向とを有する扁平形状の磁性粉が、長手方向をコイルの巻軸の延在方向に交差させて配置されている第2領域と、球形状を有する磁性粉を含有する第3領域と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、インダクタに関する。
近年、高いインダクタンス値を有するインダクタを得るために、長手方向及び短手方向を有する扁平形状の磁性粉を用いて形成されたインダクタの開発が進められている。これは、扁平形状の磁性粉は、その長手方向である磁化容易軸方向に高い透磁率を有するという特徴を利用している。このようなインダクタの1つとして、コイルと、コイルを埋設し磁性粉を含有した層、及びその層を挟んで配置された、扁平形状の磁性粉を含有した層を含む磁性部と、コイルに接続された外部電極と、を備えるインダクタがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、この扁平形状の磁性粉を含有した層において、扁平形状の磁性粉の磁化容易方向が層の表面と平行であることが望ましい旨を開示している。
特開2008−288370号公報
特許文献1に記載されたようなインダクタは、扁平形状の磁性粉の磁化容易軸方向とコイルから生じる磁束の方向とが略一致することで、磁束密度が強められ、結果的にインダクタンス値が向上することが期待されていた。
しかしながら、扁平形状の磁性粉は磁気飽和を起こしやすい。そのため、特許文献1に記載されたようなインダクタでは、コイルの巻軸に交差する面に対向し磁束密度が集中する部分に配置された扁平形状の磁性粉が磁気飽和を起こしやすく、インダクタの直流重畳特性が大幅に低減することがあった。
本発明の1態様は、インダクタンス値の向上と直流重畳特性の低減の抑制とを同時に実現可能なインダクタを提供することを目的とする。
本発明の1態様に係るインダクタは、磁性粉を含有する磁性部、及び磁性部内に埋設されたコイルを含み、2つの主面と、2つの主面に隣接する4つの側面とを有する略直方体形状の素体と、コイルに接続され、素体の表面に配置される外部電極と、を備えたインダクタであって、コイルは、巻軸の周囲を周回し、巻軸が素体の主面と交差する様に磁性部に埋設され、磁性部は、素体の主面から見た平面視における4つの角部の少なくとも1つに形成され、長手方向と短手方向とを有する扁平形状の磁性粉が、長手方向をコイルの巻軸の延在方向に略平行にして配置されている第1領域と、コイルの巻軸と交差する一方の面と素体の一方の主面との間、及びコイルの巻軸と交差する他方の面と素体の他方の主面との間の少なくとも一方であって、コイルの中空領域の延長部分に形成され、長手方向と短手方向とを有する扁平形状の磁性粉が、長手方向をコイルの巻軸の延在方向に交差させて配置されている第2領域と、球形状を有する磁性粉を含有する第3領域と、を有する。
本発明の1態様は、インダクタンス値の向上と直流重畳特性の改善とを同時に実現可能なインダクタを提供する。
本発明の実施形態1に係るインダクタを示す斜視図である。 図1に示すインダクタの素体を示す斜視図である。 図2に示す素体における1つの第1領域及び1つの第2領域の拡大斜視図である。 図2に示す素体の上面図である。 図2に示す素体の上面図である。 図2に示す素体の側面図である。 実施形態2に係る素体の上面図である。 実施形態3に係る素体の上面図である。 実施形態4に係る素体の上面図である。 (a)従来のインダクタのシミュレーションモデルの斜視図と、(b)シミュレーション結果を示す図である。 (a)従来の別のインダクタのシミュレーションモデルの斜視図と、(b)シミュレーション結果を示す図である。 (a)本発明の実施形態1に係るインダクタのシミュレーションモデルの斜視図と、(b)シミュレーション結果を示す図である。 従来のインダクタと本発明のインダクタの直流重畳特性を比較したグラフである。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」及び、それらの用語を含む別の用語)を用いる。それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一の部分又は部材を示す。
後述の実施形態や実施例では、前述と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態や実施例ごとには逐次言及しないものとする。
1.実施形態1
図1から図6を参照しながら、本発明の実施形態1に係るインダクタの説明を行う。図1は、本発明の実施形態1に係るインダクタを示す斜視図である。図2は、図1に示すインダクタの素体を示す斜視図である。図3は、図2に示す素体における1つの第1領域及び1つの第2領域の拡大斜視図である。図4及び図5は、図2に示す素体の上面図である。図6は、図2に示す素体の側面図である。
インダクタ1は、図1及び図2に示すように、磁性粉を含有する磁性部6、及び磁性部6に埋設されたコイル8を含む素体2と、コイル8に接続され、素体2の表面に配置された一対の外部電極4と、を備える。コイル8は、巻軸A1の周囲を周回している。また、コイル8は、巻軸A1が素体2の上側主面2a及び下側主面2bに略直交するように、磁性部6内に埋設されている。磁性部6は、第1領域14と、第2領域20と、第3領域22とを含む。第1領域14は、素体2の2つの主面2a、2b間の磁性部6内において、素体2の主面から見た平面における4つの角部に形成された領域である。第2領域20は、コイル8の巻軸A1に交差する一方の面(上面)8aと素体2の一方の主面(上側主面)2aとの間、及びコイル8の巻軸A1に交差する他方の面(下面)8bと素体2の他方の主面(下側主面)2bとの間の磁性部6内において、コイル8の中空領域8cの延長部分内に形成された領域である。第3領域22は、第1領域14及び第2領域20を除いた磁性部6内に形成された領域である。図3に示すように、第1領域14には、長手方向と短手方向とを有する扁平形状の第1扁平状磁性粉24が、その長手方向をコイル8の巻軸A1の延在方向と略平行にして配置されている。第2領域20には、長手方向と短手方向とを有する扁平形状の第2扁平状磁性粉26が、その長手方向をコイル8の巻軸A1の延在方向と交差させて配置されている。第3領域22には、球形状の磁性粉が含有されている(図示を省略)。
以下、各構成部材について詳細に説明する。
<素体>
素体2は、磁性部6と、磁性部6に埋設されたコイル8から構成される。素体2は、対向する上側主面2a及び下側主面2bと、上側主面2a及び下側主面2bに略直交する4つの側面2c、2d、2e、2fと、を有し、外観形状が略直方体形状である。素体2は、例えば、幅Wが1mm〜12mm、奥行きDが1mm〜12mm、高さHが0.5mm〜6mmである。
<コイル>
コイル8は、巻回部10と、巻回部10の外周から引き出された一対の引き出し部12とを有する。巻回部10は、互いに対向する幅広面を有する断面が矩形形状の導線(いわゆる、平角線)を巻軸A1の周囲を周回する様に巻回して形成されている。導線は、導体と、導体の表面に形成された絶縁性を有する被覆層と、被覆層の表面に形成された融着層とを有する。この様に形成されたコイル8の巻回部10は、2つの面8a、8bと、外周表面10a、内周表面10bを備え、内周表面10bで囲まれた部分に中空領域8cを形成している。2つの面8a、8bは、巻軸A1に交差する様に形成される。また、外周表面10aと内周表面10bは、巻軸A1と平行に形成される。
巻回部10は、1本の導線をその両端部が外周に位置する様に上下2段に巻回して形成される(いわゆるα巻である)。一対の引き出し部12は、巻回部10の上段又は下段の外周からそれぞれ引き出されて形成される。
コイル8を形成する導線は、導体が例えば銅等で形成され、幅広面を構成する幅方向の長さが、例えば140μm〜170μm、厚み(幅広面と略直交する方向の長さ)が、例えば67μm〜85μmである。また、被覆層は、厚みが例えば2μm以上7μm、好ましくは6μmであり、ポリアミドイミド等の絶縁性樹脂で形成される。融着層は、厚みが、例えば1μm〜3μmであり、巻回部10を構成する導線同士を固定できる様に自己融着成分を含む熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等で形成される。
<磁性部>
磁性部6は、磁性粉と樹脂を含有し、コイル8を埋設している。コイル8は、巻軸A1が素体2の上側主面2a及び下側主面2bに略直行し、かつ、引き出し部12の先端12aがそれぞれ、素体2の奥行き方向に延在する2つの側面2c、2eに露出するように、磁性部6の内部に埋設されている。
磁性部6は、第1領域14と、第2領域20と、第3領域22とを含む。
(第1領域)
第1領域14は、図2に示すように、素体2の上側主面2a及び下側主面2bの間の磁性部6内において、素体2の上側主面2aから見た平面視における4つの角部に形成された4つの領域である。本実施形態に係る4つの第1領域14は、全て同一形状である。そのため、図3に示す1つの第1領域14を例に挙げて、第1領域14について説明する。
第1領域14は、略直角三角形形状の上面14a及び底面14bを有する三角柱である。第1領域14には、長手方向と短手方向とを有する扁平形状の第1扁平状磁性粉24が含有されている。第1扁平状磁性粉24は、長手方向がコイル8の巻軸A1と略平行な方向に配置されている。
図4及び図6を参照して、第1領域14の寸法について説明する。
第1領域14の上面14aは素体2の上側主面2aと同一面上に配置され、第1領域14の底面14bは素体2の下側主面2bと同一面上に配置される。そのため、第1領域の高さh1は、素体2の高さHと一致する。第1領域14の幅方向に延在する第1側面14cは、素体2の幅方向に延在する側面2d(又は2f)と同一面上に配置される。第1側面14cの幅方向の長さx1は、素体2の幅Wの半分以下である。第1領域14の奥行方向に延在する第2側面14dは、素体2の奥行方向に延在する側面2c(又は2e)と同一面上に配置される。つまり、第2側面14dは、第1側面14cに隣接する側面である。第2側面14dの奥行き方向の長さy1は、素体2の奥行きDの半分以下である。第1側面14cと第2側面14dとを接続する第3側面14eは平面であり、巻回部10の外周表面10aとの間に所定の距離d1以上を有する。所定の距離d1は、「コイルから生じる磁束はコイルの表面近傍で特に強い」という磁束の特性に起因して設定される距離である。そのため、所定の距離d1は、「巻回部10の外周表面10a近傍に生じる、磁束が強い領域に、第1領域14が抵触しない距離」に設定される。このように設定される所定の距離d1は、コイルの寸法やインダクタンス値等により異なるが、1つの例として、幅方向の長さが1.95mm、奥行き方向の長さが1.2mmであって、インダクタンス値が0.56μHのインダクタにおいて、0.00954mmを示すことができる。
(第2領域)
第2領域20は、図2に示すように、コイル8の上面8aと素体2の上側主面2aとの間、及びコイル8の下面8bと素体2の下側主面2bとの間の磁性部6内において、コイル8の中空領域8cの延長部分内に配置される2つの領域(上側第2領域16及び下側第2領域18)である。本実施形態に係る上側第2領域16及び下側第2領域18は、外観形状が同一である。そのため、図3には、1つの第2領域(上側第2領域16)を例示している。上側第2領域16は、上面16aと下面16bと4つの側面16c、16d、16e、16fとを有する略直方体形状である。同様に、下側第2領域18は、上面18aと下面18bと4つの側面18c、18d、18e、18fとを有する略直方体形状である。また、上側第2領域16及び下側第2領域18には、長手方向と短手方向とを有する扁平形状の第2扁平状磁性粉26が含有されている。第2扁平状磁性粉26は、長手方向がコイル8の巻軸A1と略直交する方向に配置されている。
図5及び図6を参照して上側第2領域16及び下側第2領域18の寸法について説明する。
本実施形態では、上側第2領域16と下側第2領域18とは、幅方向の長さx2と奥行き方向の長さy2は同一であるが、高さh2、h3は、磁性部6内に配置されるコイル8の位置に依拠して、異なり得る。
上側第2領域16及び下側第2領域18の幅方向の長さx2は、コイル8の中空領域8cの幅方向の長さx3より短い。上側第2領域16及び下側第2領域18の奥行き方向の長さy2は、コイル8の中空領域8cの奥行き方向の長さy3より短い。上側第2領域16及び下側第2領域18の幅方向の長さx2及び奥行き方向の長さy2は、可能な限り長い方が望ましい。上側第2領域16の高さh2は、コイル8の上面8aと素体2の上側主面2aとの間の長さと略一致する。下側第2領域18の高さh3は、コイル8の下面8bと素体2の下側主面2bとの間の長さと略一致する。そのため、上記したように、磁性部6内におけるコイル8の位置に依拠して、上側第2領域16の高さh2と下側第2領域18の高さh3とは異なり得る。例えば、コイル8が磁性部6内において素体2の上側主面2a寄りに配置されていると、上側第2領域16の高さh2は、下側第2領域18の高さh3よりも低くなる。
(第3領域)
第3領域22は、磁性部6の、第1領域14及び第2領域20を除いた領域である。第3領域22は、球形状の磁性粉が含有されている。
第1扁平状磁性粉24、第2扁平状磁性粉26、及び球形状の磁性粉は、例えば、Fe、Fe−Si−Cr、Fe−Ni−Al、Fe−Cr−Al、Fe−Si、Fe−Si−Al、Fe−Ni、Fe−Ni−Mo等の鉄を含む金属磁性体、他の組成系の金属磁性体、アモルファス合金、ナノ結晶等の金属磁性粉、フェライト粒子等を用いることができる。また、第1扁平状磁性粉24、第2扁平状磁性粉26、及び球形状の磁性粉は、表面をガラス等で覆ったり、表面を改質したりすることにより表面に絶縁層が形成されていても良い。さらに、磁性部6を構成する樹脂は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。第1扁平状磁性粉24、第2扁平状磁性粉26、及び球形状の磁性粉は、同一種類の磁性粉であってもよいし、組成、平均粒径等が異なる異種の磁性粉であってもよい。
<外部電極>
一対の外部電極4は、図1に示すように、コイル8の引き出し部12の先端12aを覆って素体2の表面上に、互いに離隔して配置される。外部電極4は、先端12aと電気的に接続されている。外部電極4は、例えば、金属粒子と樹脂を含有する導電性樹脂により形成される。金属粒子は銀が用いられる。樹脂はエポキシ樹脂が用いられる。
<効果>
以上のように構成されたインダクタは、第2扁平状磁性粉26が、その長手方向とコイル8の巻軸A1とが略直交するように配置されている第2領域20を、コイル8の中空領域8cの延長部分内に有する。これにより、コイル8が発生させる磁束が強められ、インダクタのインダクタンス値が高められる。さらに、第2領域20は、磁束が集中するコイル8の上面8a及び下面8bに対向する部分には配置されていない。これにより、第2領域20の第2扁平状磁性粉26が、コイル8から発生する磁束によって磁気飽和を起こすことが抑制される。従って、上記のように構成されたインダクタは、インダクタンス値を向上させることと、直流重畳特性の低減の抑制と、を同時に実現することが可能である。
さらに、以上のように構成されたインダクタは、第1扁平状磁性粉24が、その長手方向とコイル8の巻軸A1とが略平行になるように配置されている第1領域14を、素体2の上面から見た平面視における4つの角部に備えている。これにより、コイル8が発生させる磁束が強められ、インダクタのインダクタンス値が高められる。さらに、第1領域14の第3側面14eとコイル8の巻回部10の外周表面10aとが所定の距離d1以上離隔されており、互いが接していない。これにより、第1領域14の第1扁平状磁性粉24が、コイル8から発生する磁束によって磁気飽和を起こすことが抑制される。従って、上記のように構成されたインダクタは、インダクタンス値を向上させることと、直流重畳特性の低減の抑制と、を同時に実現することが可能である。
本発明に係る一態様に係るインダクタは、磁性粉を含有する磁性部6、及び磁性部6内に埋設され、巻軸A1の周囲を周回するコイル8を含み、2つの主面2a、2bと、2つの主面2a、2bに隣接する4つの側面2c、2d、2e、2fと有する略直方体形状の素体2と、コイル8に接続され、素体2の表面に配置される外部電極4と、を備えたインダクタであって、コイルは、巻軸A1の周囲を周回し、巻軸A1が素体2の主面2a、2bと交差する様に磁性部6に埋設され、磁性部6は、素体2の主面から見た平面視における4つの角部の少なくとも1つに形成され、長手方向と短手方向とを有する扁平形状の磁性粉が、長手方向をコイル8の巻軸A1の延在方向に略平行にして配置されている第1領域14と、コイル8の巻軸A1と交差する一方の面8aと素体2の一方の主面2aとの間、及びコイル8の巻軸A1と交差する他方の面8bと素体2の他方の主面2bとの間の少なくとも一方であって、コイル8の中空領域8cの延長部分に形成され、長手方向と短手方向とを有する扁平形状の磁性粉が、長手方向をコイル8の巻軸A1の延在方向に交差させて配置されている第2領域20と、球形状を有する磁性粉を含有する第3領域22と、を有する。
2.実施形態2
次に、図7を参照しながら、実施形態2に係るインダクタ101を説明する。図7は、実施形態2に係る素体の上面図である。
実施形態2に係るインダクタ101は、第1領域114の形状が実施形態1に係るインダクタ1と異なる。具体的には、実施形態1における第3側面14eは平面形状であったが、本実施形態における第3側面114eは湾曲形状である。そのため、以下では、実施形態1と異なる点のみ説明する。
(第3側面)
本実施形態に係る第3側面114eは、コイル8の巻回部10の外周表面10aと略平行に湾曲している。本実施形態においても、第3側面114eは、巻回部10の外周表面10aから所定の距離d1以上、離隔されている。
このように構成されたインダクタ101は、コイル8の巻回部10の外周表面10aと第3側面114eとの間の距離が略一定に保たれる。これにより、外周表面10aの周囲に生じる磁束が効率的に強められ、結果的にインダクタ101は高いインダクタンス値を有する。
3.実施形態3
次に、図8を参照しながら、実施形態3に係るインダクタ201を説明する。図8は、実施形態3に係る素体の上面図である。
実施形態3に係るインダクタ201は、第2領域220の形状が実施形態1に係るインダクタ1と異なる。具体的には、実施形態1における第2領域20は、略直方体形状であったが、本実施形態における第2領域216、218は、上面216a、218a及び下面216b、218bが略長円形状の円柱形状である。そのため、以下では、実施形態1と異なる点のみ説明する。
(第2領域)
本実施形態に係る上側第2領域216及び下側第2領域218の上面216a、218a及び下面216b、218bは、素体の上面からみた平面視形状が、コイル8の巻回部10の内周輪郭線と一致する又は内周輪郭線よりも小さい内周輪郭線の略相似形状である。それ故、上側第2領域216及び下側第2領域218の側面216c、218cと、コイル8の巻回部10の内周表面10bとは略平行である。
このように構成されたインダクタ201は、コイル8の巻回部10の内周表面10bと上側第2領域216の側面216cとの間の距離が、略一定に保たれる。また、コイル8の巻回部10の内周表面10bと下側第2領域218の側面218cとの間の距離も、略一定に保たれる。これにより、内周表面10bの周囲に生じる磁束が効率的に強められ、結果的にインダクタ201は高いインダクタンス値を有する。
4.実施形態4
次に、図9を参照しながら、実施形態4に係るインダクタ301を説明する。図9は、実施形態4に係る素体の上面図である。
実施形態4に係るインダクタ301は、実施形態2に係る第1領域114と同一形状の第1領域314、及び実施形態3に係る第2領域216、218と同一形状の第2領域316、318を備えるインダクタである。それ故、実施形態4に係る第1領域314及び第2領域320についての詳細は、実施形態2及び実施形態3を参照可能なため、ここでは説明を省略する。
このように構成されたインダクタ301もまた、巻回部10の外周表面10a及び内周表面10bの周囲に生じる磁束をより効率的に強めることができ、高いインダクタンス値を有する。
5.実施例
図10A〜図10Cを参照して、本実施例について説明する。図10Aは、(a)従来のインダクタのシミュレーションモデルの斜視図と、(b)シミュレーション結果を示す図である。図10Bは、(a)従来の別のインダクタのシミュレーションモデルの斜視図と、(b)シミュレーション結果を示す図である。図10Cは、(a)本発明の実施形態1に係るインダクタのシミュレーションモデルの斜視図と、(b)シミュレーション結果を示す図である。なお、図10A〜図10Cに示されたシミュレーションモデルは、各インダクタの1/8の形状である。
図10Aでシミュレーションされる従来のインダクタは、コイルを埋設する磁性部が、球形状の磁性粉のみから構成される。この従来のインダクタの素体の寸法は幅1.95mm、奥行き1.2mm、高さ0.8mmである。この素体を埋設されたコイルを含めてそれぞれ対称となる位置で切断して、(a)に示す1/8のシミュレーションモデルを作成した。8’はコイルを、6’は磁性部を示す。
図10Bでシミュレーションされる従来の別のインダクタは、磁性部が、コイルを埋設し球形状の磁性粉を含む球状磁性粉含有層と、球状磁性粉含有層の上面及び下面に配置された扁平状磁性粉含有層を有するものである。扁平状磁性粉含有層に含有される扁平形状の磁性粉は、その磁化容易方向が巻軸と略直交する様に配置される。この従来の別のインダクタは、素体の寸法が幅1.95mm、奥行き1.2mm、高さ0.8mm、扁平状磁性粉含有層の厚みが0.02mmである。この素体を磁性部とコイルがそれぞれ対称となる位置で切断して、(a)に示す1/8のシミュレーションモデルを作成した。8’’はコイルを、6’’は磁性部を、30は球状磁性粉含有層を、28は扁平状磁性粉含有層を、A1’’は巻軸を示す。
図10Cでシミュレーションされる本発明のインダクタの実施形態1は、コイルが埋設される磁性部が第1領域、第2領域及び第3領域を備える。第1領域は扁平形状の磁性粉を含有し、素体の主面から見た平面視における4つの角部に形成され、第2領域は扁平形状の磁性粉を含有し、コイルの巻軸と交差する面と素体の主面間のコイルの中空領域の延長部分のみに形成され、第3領域は球状の磁性粉を含有し、磁性部の残りの領域に形成される。第1領域の扁平形状の磁性粉は、その磁化容易方向が巻軸と平行する様に配置され、第2領域の扁平形状の磁性粉は、その磁化容易方向が巻軸と略直交する様に配置される。この本発明のインダクタの実施形態1は、素体の寸法が幅1.95mm、奥行き1.2mm、高さ0.8mmである。また、第1領域の寸法は第1側面の幅方向の長さが0.825mm、第2側面の奥行き方向の長さが0.5mmである。第1領域の第3側面とコイルの巻回部の外周表面との距離は0.00954mmである。さらに、第2領域の寸法は幅方向の長さが1mm、奥行き方向の長さが0.3mm、高さが0.15mmである。この素体を磁性部とコイルがそれぞれ対称となる位置で切断して、(a)に示す1/8のシミュレーションモデルを作成した。8はコイルを、6は磁性部を、14は第1領域、20は第2領域、22は第3領域を示す。
シミュレーションでは、各領域(層)の透磁率を仮想的に設定することで、各領域(層)に含有される磁性粉の特性を実現した。具体的には、扁平形状の磁性粉を含有する各領域(層)では、磁化容易軸方向の透磁率と磁化容易軸方向に直交する方向の透磁率とを異なる値に設定することで、扁平形状の磁性粉が磁化容易軸方向を有するという特性を実現した。具体的には、扁平形状の磁性粉を含有する各領域(層)では、磁化容易軸方向の透磁率と磁化容易軸方向に直交する方向の透磁率とを異なる値に設定することで、扁平形状の磁性粉が磁化容易軸方向を有するという特性を実現した。
シミュレーションにおいて、図10A(a)、図10B(a)、図10C(a)のいずれも球形状の磁性粉の比透磁率は同じに設定した。
また、図10B(a)は、扁平状磁性粉含有層28における扁平状磁性粉の磁化容易軸方向の比透磁率は球状磁性粉の比透磁率の約6.9倍、扁平状磁性粉の磁化容易軸方向に直交する方向の比透磁率は球状磁性粉の比透磁率の0.34倍に設定した。
さらに、図10C(a)は、第1領域14と第2領域20における扁平状磁性粉の磁化容易軸方向の比透磁率は球状磁性粉の比透磁率の約6.9倍、扁平状磁性粉の磁化容易軸方向に直交する方向の比透磁率は球状磁性粉の比透磁率の0.34倍に設定し、第1領域14と第2領域20における扁平状磁性粉の比透磁率は図10B(a)の扁平状磁性粉含有層28における扁平状磁性粉の比透磁率と同じに設定した。
この状態でそれぞれのインダクタのシミュレーションモデルへの印加電流を0.001A〜1.5Aの範囲で変化させて結果を得た。図10A(b)、図10B(b)、図10C(b)は、インダクタのシミュレーションモデルへの印加電流が0.001Aの時の磁束密度分布である。
図10C(b)のシミュレーション結果を、図10A(b)のシミュレーション結果と比較すると、図10C(b)に示す様に第2領域が設けられた部分の磁束密度が高くなった。また、第1領域の、巻回部の外周表面と対向する部分近傍の磁束密度も高くなった。これにより、本発明の実施形態1に係るインダクタは、第1領域の外周表面に対向する部分近傍、及び第2領域では磁束密度が向上することが知見された。
また、図10B(b)のシミュレーション結果を、図10A(b)のシミュレーション結果と比較すると、図10B(b)に示す様に扁平状磁性粉含有層が設けられた部分の磁束密度は高くなった。特に、コイルの巻軸と交差する面に対向する部分の磁束密度は最も高い磁束密度を示した。これにより、コイルの巻軸と交差する面に対向する部分に、扁平形状の磁性紛を含有する層を配置すると、当該部分の磁束密度が非常に高くなり、磁気飽和が発生していることが知見された。これに対し、本発明の実施形態1に係るインダクタは、図10C(b)に示す様に、コイルの巻軸と交差する面に対向する部分の磁束密度が異常に高くなるのを低減することができた。
本発明のインダクタと従来のインダクタに対して印加する直流電流を変化させ、それ故各シミュレーションモデルに負荷される磁場が変化した際のインダクタンス値の変化をシミュレーションにより測定した。図11に、各シミュレーションモデルに負荷する電流を0.001A〜1.5Aに変化させた際の結果をグラフにして示す。横軸は負荷される直流電流I(A)を示し、縦軸はインダクタンス値L(μH)を示す。1は磁性部が球形状の磁性粉のみから構成される従来のインダクタの測定結果を示し、2は磁性部が、コイルを埋設し球形状の磁性粉を含む球状磁性粉含有層と、球状磁性粉含有層の上面及び下面に配置された扁平状磁性粉含有層を有する従来のインダクタの測定結果を示し、3は本発明のインダクタの測定結果を示す。
(1)磁性部が球形状の磁性粉のみから構成される従来のインダクタは、印加電流を0.001Aから1.5Aに変化させたとき、インダクタンス値が0.5μHから0.44μHに減少した;
(2)磁性部が、コイルを埋設し球形状の磁性粉を含む球状磁性粉含有層と、球状磁性粉含有層の上面及び下面に配置された扁平状磁性粉含有層を有する従来のインダクタは、印加電流を0.001Aから1.5Aに変化させたとき、インダクタンス値が0.57μHから0.43μHに減少した;
(3)本発明のインダクタは、印加電流を0.001Aから1.5Aに変化させたとき、インダクタンス値が0.56μHから0.46μHに減少した;
(4)印加電流が約0.4Aのとき、磁性部が、コイルを埋設し球形状の磁性粉を含む球状磁性粉含有層と、球状磁性粉含有層の上面及び下面に配置された扁平状磁性粉含有層を有する従来のインダクタと本発明のインダクタのインダクタンス値の大小関係が逆転し、印加電流が0.4以上のとき本発明のインダクタのインダクタンス値が従来のものよりも高くなった。
以上の結果より、本発明のインダクタは、高いインダクタンス値を有し、かつ従来のインダクタよりも直流重畳特性がよいことが知見された。
6.変形例
上記では、第2領域20、220、320に含有される第2扁平状磁性粉26は、長手方向がコイル8の巻軸A1に略直交に配置されている。しかしながら、第2扁平状磁性紛26の長手方向はこれに限られず、巻軸A1に交差していればよい。
さらに、上記では、磁性部6は2つの第2領域16、18を含んでいた。しかしながら、磁性部6は、上側第2領域16、216、316又は下側第2領域18、218、318のどちらか一方のみを含んでいてもよい。また、磁性部6が2つの第2領域を有する場合、一方が略直方体形状であり、他方が上面及び下面が略長円形状の円柱形状であってもよい。
また、上記では、磁性部6は、同一形状の4つの第1領域14、114、214を含んでいた。しかしながら、磁性部6が備える第1領域14、114、214の数は4つに限定されるものではなく、1つ又は4つ以外の複数であってもよい。また、磁性部6が複数の第1領域を有す場合、各第1領域は異なる形状であってもよい。
上記では、本発明の実施形態、実施例を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施形態、実施例における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
1、101、201、301 インダクタ
2、102、202、302 素体
2a 上側主面
2b 下側主面
2c、2e 奥行き方向の側面
2d、2f 幅方向の側面
4 外部電極
6 磁性部
8 コイル
8a 上面
8b 下面
8c 中空領域
10 巻回部
10a 外周表面
10b 内周表面
12 引き出し部
12a 先端
14、114、314 第1領域
14a 上面
14b 底面
14c 第1側面
14d 第2側面
14e、114e 第3側面
16、216、316 上側第2領域
16a、18a 上面
16b、18b 下面
16c〜16f、18c〜18f、216c 側面
18、218、318 下側第2領域
20、220、320 第2領域
22 第3領域
24 第1扁平状磁性紛
26 第2扁平状磁性紛
28 扁平状磁性紛含有層
30 球状磁性粉含有層
A1 巻軸
D 奥行き
H 高さ
W 幅
x1〜x4、y1〜y2 長さ
h1、h2、h3 高さ

Claims (3)

  1. 磁性粉を含有する磁性部、及び前記磁性部内に埋設されたコイルを含み、2つの主面と、前記2つの主面に隣接する4つの側面とを有する略直方体形状の素体と、
    前記コイルに接続され、前記素体の表面に配置される外部電極と、を備えたインダクタであって、
    前記コイルは、巻軸の周囲を周回し、前記巻軸が前記素体の前記主面と交差する様に前記磁性部に埋設され、
    前記磁性部は、
    前記素体の前記主面から見た平面視における4つの角部の少なくとも1つに形成され、長手方向と短手方向とを有する扁平形状の磁性粉が、前記長手方向を前記コイルの前記巻軸の延在方向に略平行にして配置されている第1領域と、
    前記コイルの前記巻軸と交差する一方の面と前記素体の一方の主面との間、及び前記コイルの前記巻軸と交差する他方の面と前記素体の他方の主面との間の少なくとも一方であって、前記コイルの中空領域の延長部分に形成され、長手方向と短手方向とを有する扁平形状の磁性粉が、前記長手方向を前記コイルの前記巻軸の延在方向に交差させて配置されている第2領域と、
    球形状を有する磁性粉を含有する第3領域と、
    を有することを特徴とするインダクタ。
  2. 前記第1領域は、隣接する2つの前記側面と、前記コイルの前記巻軸と平行な外周表面と略平行な面と、を含む面に囲まれた領域である請求項1に記載のインダクタ。
  3. 前記第2領域は、前記コイルの前記巻軸と平行な内周表面と略平行な面と、を含む面に囲まれた領域である、請求項1又は2に記載のインダクタ。
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