JP2021021374A - 内燃機関および車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンプレッサの過回転を防止するとともに、目標のブースト圧を得ることが可能な内燃機関および車両を提供する。【解決手段】内燃機関は、ノズルベーンを有する可変容量型ターボチャージャを備える内燃機関であって、ノズルベーンに連結されたリンクを有し、リンクを開閉することによりノズルベーンを開閉するリンク機構と、リンクの開度に応じて回転するコンプレッサと、指示された指示開度に基づいてリンクの開度が調整されるように、リンク機構を制御する制御部と、リンク機構の摩耗に起因して低下するコンプレッサ効率の第1低下分を算出する算出部と、を備え、制御部は、第1低下分に基づいて、指示開度の下限値を補正する。【選択図】図4
Description
本開示は、内燃機関および車両に関する。
内燃機関から排出される排ガスの流入容量を調整することによりブースト圧を可変する可変容量型ターボチャージャが知られている(例えば、特許文献1)。
例えば、可変容量型ターボチャージャは、ノズルベーンと、ノズルベーンに連結されたリンクを有し、リンクを開閉することによりノズルベーンを開閉するリンク機構と、リンクの開度に応じて回転するコンプレッサと、指示された指示開度に基づいてリンクの開度を調整するようにリンク機構を制御する制御部と、を備えている。なお、例えば、コンプレッサの過回転を防止するために、指示開度には下限値(リンク開度規制値)が設けられている。
ところで、指示された指示開度に基づいてリンクの開度が調整されるようにリンク機構を制御しても、例えば、リンク機構が摩耗している状態では、コンプレッサの回転数が正常状態(リンク機構が摩耗していない状態)よりも上昇せずに、目標のブースト圧を得ることができない場合がある。
目標のブースト圧を得るために指示開度を下げようとしても、指示開度を下限値よりも下げることができずに、目標のブースト圧を得ることできない場合があるという問題がある。
本開示の目的は、コンプレッサの過回転を防止するとともに、目標のブースト圧を得ることが可能な内燃機関および車両を提供することである。
上記の目的を達成するため、本開示における内燃機関は、
ノズルベーンを有する可変容量型ターボチャージャを備える内燃機関であって、
前記ノズルベーンに連結されたリンクを有し、前記リンクを開閉することにより前記ノズルベーンを開閉するリンク機構と、
前記リンクの開度に応じて回転するコンプレッサと、
指示された指示開度に基づいて前記リンクの開度が調整されるように、前記リンク機構を制御する制御部と、
前記リンク機構の摩耗に起因して低下するコンプレッサ効率の第1低下分を算出する算出部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1低下分に基づいて、前記指示開度の下限値を補正する。
ノズルベーンを有する可変容量型ターボチャージャを備える内燃機関であって、
前記ノズルベーンに連結されたリンクを有し、前記リンクを開閉することにより前記ノズルベーンを開閉するリンク機構と、
前記リンクの開度に応じて回転するコンプレッサと、
指示された指示開度に基づいて前記リンクの開度が調整されるように、前記リンク機構を制御する制御部と、
前記リンク機構の摩耗に起因して低下するコンプレッサ効率の第1低下分を算出する算出部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1低下分に基づいて、前記指示開度の下限値を補正する。
本開示における車両は、
上記内燃機関を備える。
上記内燃機関を備える。
本開示の内燃機関によれば、コンプレッサの過回転を防止するとともに、目標のブースト圧を得ることができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本開示の実施の形態における内燃機関の構成を概略的に示す図である。内燃機関1(エンジンともいう)は、車両(不図示)に搭載された多気筒エンジンである。本実施の形態においては、車両およびエンジン1の種類、形式、用途等は限定されるものではないが、ここでは、車両はトラック等の大型車両であり、車両に搭載されるエンジン1は直列4気筒ディーゼルエンジンである。
エンジン1は、エンジン本体2と、エンジン本体2に接続された吸気通路3および排気通路4と、ターボチャージャ14と、燃料噴射装置5とを備える。エンジン本体2は、シリンダヘッド、シリンダブロック、クランクケース等の構造部品と、その内部に収容されたピストン、クランクシャフト、バルブ等の可動部品とを有する。
燃料噴射装置5は、コモンレール式燃料噴射装置を有し、各気筒に設けられたインジェクタ7(燃料噴射弁)と、インジェクタ7に接続されたコモンレール8とを備える。インジェクタ7は、シリンダ9の燃焼室に燃料を直接噴射する。コモンレール8は、インジェクタ7から噴射される燃料を高圧状態で貯留する。
吸気通路3は、エンジン本体2(特にシリンダヘッド)に接続された吸気マニホールド10と、吸気マニホールド10の上流側に接続された吸気管11とを有する。吸気マニホール10は、吸気管11から送られてきた吸気を各気筒の吸気ポートに分配供給する。吸気管11には、上流側から下流側に向かって、エアクリーナ12、エアフローメータ13、ターボチャージャ14のコンプレッサ14C、インタークーラ15、および、電子制御式の吸気スロットルバルブ16が配置されている。エアフローメータ13は、エンジン1の単位時間あたりの吸入空気量(吸気流量)を検出するセンサであって、MAFセンサとも称される。
排気通路4は、エンジン本体2(特にシリンダヘッド)に接続された排気マニホールド20と、排気マニホールド20の下流側に配置された排気管21とを有する。排気マニホールド20は、各気筒の排気ポートから送られてきた排ガスを集合する。排気管21、もしくは、排気マニホールド20と排気管21との間には、ターボチャージャ14のタービン14Tが設けられている。排気管21におけるタービン14Tの下流側には、上流側から下流側に向かって、例えば、酸化触媒(不図示)、パティキュレートフィルタ(不図示)、選択還元型触媒(Selective Catalytic Reduction:SCR)(不図示)およびアンモニア酸化触媒(不図示)が配置される。
図2は、ノズル開度可変機構140Aの構成の一部を概略的に示す図である。本実施の形態におけるターボチャージャ14は、可変容量型ターボチャージャである。ターボチャージャ14は、タービン入口におけるノズル開度を可変するノズル開度可変機構140Aを有している。
ノズル開度可変機構140Aは、複数のノズルベーン14Nと、リンク機構140とを有する。リンク機構140は、第1環141と、第2環142と、複数のリンク143と、軸144と、動力部145(図1を参照)とを有する。
複数のノズルベーン14Nは、第1環141の周方向に所定間隔で配置されている。同様に、複数のリンク143は、複数のノズルベーン14Nにそれぞれ対応するように配置されている。ノズルベーン14Nは、軸144を介してリンク143の一端部143aに連結されている。
第1環141は、環形状を有し、ターボチャージャ14の本体側に固定されている。第2環142は、環形状を有し、第1環141の径方向外側に配置され、第1環141の周方向に沿って時計回り方向CW1および反時計回り方向CW2にそれぞれ回転可能に配置されている。ここでは、時計回り方向CW1は、ノズルベーン14Nおよびリンク143を開く方向(開度を高くする方向)である。また、反時計回り方向CW2は、ノズルベーン14Nおよびリンク143を閉じる方向(開度を低くする方向)である。
第2環142には、第1環141の周方向に沿って複数の凹部146が所定間隔で配置されている。リンク143の他端部143bは、凹部146に嵌合している。なお、以下の説明において、「リンク機構の摩耗」について言及するが、「リンク機構の摩耗」の一例としては、リンク143の他端部143bと凹部146とが互い擦れ合う場合に生じるリンク143の他端部143bおよび凹部146の摩耗である。
動力部145は、例えば、入力されるパルス列に応じて動作するステッピングモータである。制御部102(後述する)は、指示開度(図4を参照)に基づいて、第2環142を例えば時計回り方向CW1へ所定角度だけ回転するように動力部145を制御する。これにより、リンク143およびノズルベーン14Nは一体的に開く。また、複数のリンク143が同時に開き、それに応じて複数のノズルベーン14Nが同時に開く。制御部102は、エンジン1の回転数が高い場合(排ガス量が多い場合)、ノズルベーン14Nの開度が高くなるようにリンク機構140(動力部145)を制御する。
また、制御部102は、指示開度に基づいて、第2環142を例えば反時計回り方向CW2へ所定角度だけ回転するように動力部145を制御する。これにより、リンク143およびノズルベーン14Nは一体的に閉じる。また、複数のリンク143が同時に閉じ、それに応じて複数のノズルベーンが同時に閉じる。制御部102は、エンジン1の回転数が低い場合(排ガス量が少ない場合)、ノズルベーン14Nの開度が低くなるようにリンク機構140を制御する。これにより、ノズルが絞られるため、排ガスの流速が高まり、コンプレッサ14Cの回転数が上昇するため、低速時から高いブースト圧を得ることが可能となる。なお、コンプレッサ14Cの過回転を防止することを目的として、指示開度には下限値が設けられている。
図1に示すように、エンジン1は、排気再循環(Exhaust Gas Recirculation:EGR)装置30を備える。EGR装置30は、排気通路4内の排ガスの一部(EGRガス)を吸気通路3に還流させるためのEGR通路31と、EGR通路31を流れるEGRガスを冷却するEGRクーラ32と、EGRガスの流量を調節するためのEGRバルブ33とを備える。
本実施の形態に係る制御装置は、制御ユニットもしくはコントローラをなす電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)100を備える。ECU100は、エンジン全体を制御するものであって、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、入力装置および出力装置を有している。CPUは、ROMに格納されたプログラムをRAMに展開して後述する各機能を実行する。ECU100は、算出部101および制御部102としての各機能を有する。
制御部102は、指示開度に基づいてリンク143の開度が調整されるように、リンク機構140(動力部145)を制御する。
ところで、指示開度に基づいてリンク143が目標の開度となるように制御される場合であっても、リンク機構140の摩耗に起因して、リンク143が目標の開度まで低くならずに、コンプレッサ14Cの回転数が正常状態(リンク機構140が摩耗していない状態)の目標の回転数まで上がらずに、目標のブースト圧を得ることができない場合がある。ここで、「目標の開度」とは、例えば、指示開度に対応してリンク143が所定の開度になるように設定された設定値である。
なお、コンプレッサ14Cの過回転を防止することを目的として、指示開度には下限値が設けられている。目標のブースト圧を得るために指示開度を下げようとしても、指示開度を下限値よりも下げることができずに、目標のブースト圧を得ることできない場合がある。この場合、コンプレッサ14Cの効率(コンプレッサ効率)が低下する。
<コンプレッサ効率の第1低下分Δη1>
そこで、本実施の形態では、リンク機構140の摩耗に起因してコンプレッサ効率が低下する場合、リンク機構140の摩耗に起因して低下するコンプレッサ効率の第1低下分Δη1に基づいて、指示開度の下限値を補正する。指示開度の下限値を下げるように補正すれば、リンク143の実際の開度を、目標の開度まで低くすることができ、目標のブースト圧を得ることが可能となる。
そこで、本実施の形態では、リンク機構140の摩耗に起因してコンプレッサ効率が低下する場合、リンク機構140の摩耗に起因して低下するコンプレッサ効率の第1低下分Δη1に基づいて、指示開度の下限値を補正する。指示開度の下限値を下げるように補正すれば、リンク143の実際の開度を、目標の開度まで低くすることができ、目標のブースト圧を得ることが可能となる。
<コンプレッサ効率の第2低下分Δη2>
ところで、内燃機関1においては、吸気通路におけるコンプレッサより上流側の位置に、ブローバイガス通路の出口端が接続されている。それにより、ブローバイガスに混入され、オイルセパレータで分離しきれなかったミスト状のオイルが、ブローバイガスと共に吸気通路に還流される。
ところで、内燃機関1においては、吸気通路におけるコンプレッサより上流側の位置に、ブローバイガス通路の出口端が接続されている。それにより、ブローバイガスに混入され、オイルセパレータで分離しきれなかったミスト状のオイルが、ブローバイガスと共に吸気通路に還流される。
この還流されたオイルに起因して、コンプレッサにコーキング異常が発生する場合がある。コンプレッサの上流側ではオイルがまだ常温程度の低温であり、比較的低粘度の液体である。しかしながら、オイルが混入した吸気がコンプレッサで圧縮され、昇温、昇圧されると、その吸気に含まれていたオイルも高温に加熱され、比較的高粘度の液体に変性する。この高粘度オイルがコンプレッサホイールとコンプレッサハウジングの摺動部に付着し、摺動抵抗を増大させる。また、高粘度オイルが、コンプレッサホイールの下流側のコンプレッサ出口通路に付着し、出口通路を部分的に閉塞する。以上のように、高粘度オイルがコンプレッサ内部の様々な箇所に付着することを「コーキング」といい、コーキングによって引き起こされるコンプレッサの異常を「コーキング異常」という。コーキングに起因して低下するコンプレッサ効率の低下分を「第2低下分」という。
コンプレッサ効率は、リンク機構140の摩耗や、コーキングの他に、エンジンの新品時からの累積的な運転時間の長さに応じて低下する。したがって、エンジンの運転時間とコンプレッサ効率との間には一定の相関性がある。相関値としては、運転時間の他に車両の走行距離を用いることができる。相関値としては他にもインジェクタの燃料噴射量の積算値である積算燃料噴射量、またはエアフローメータ13で検出された吸入空気量の積算値である積算吸入空気量等を用いることが可能である。
以下、相関値として走行距離を用いた場合に、コンプレッサ効率が走行距離に応じて低下することについて説明する。
図3は、走行距離とコンプレッサ効率ηmとの関係を示す図である。図3の横軸は走行距離(km)を表し、縦軸はコンプレッサ効率ηm(%)を表す。コンプレッサ効率ηmは、コーキング異常が発生していない健全な状態でのコンプレッサ効率(推定コンプレッサ効率)であり、予め実機試験やシミュレーション等により求めることが可能である。
ECU100は、走行距離(km)とコンプレッサ効率ηmとの関係を予め記憶し、走行距離L1における推定コンプレッサ効率ηm1を算出し、さらに、実際のコンプレッサ効率ηa1と推定コンプレッサ効率ηm1との差Δη2を算出する。差Δη2は、コーキングに起因して低下するコンプレッサ効率の第2低下分である。
次に、実際のコンプレッサ効率ηaの算出方法について説明する。本実施の形態における内燃機関1は、実際のコンプレッサ効率ηa(%)を算出するため以下の構成を有している。
図1に示すように、ECU100には、種々のセンサ類が接続されている。回転速度センサ40は、エンジン1の回転速度(rpm)を検出する。アクセル開度センサ41は、アクセル開度を検出する。入口温度センサ47は、コンプレッサ14Cの入口部における吸気の温度を検出する。入口圧センサ48は、コンプレッサ14Cの入口部における吸気の圧力を検出する。出口温度センサ49は、コンプレッサ14Cの出口部における吸気の温度を検出する。出口圧センサ50は、コンプレッサ14Cの出口部における吸気の圧力を検出する。なお、入口温度センサ47および入口圧センサ48は、1つのボディに一体的に設けられてもよい。同様に、出口温度センサ49および出口圧センサ50は、1つのボディに一体的に設けられてもよい。大気圧センサ51は、大気圧を検出する。走行距離計52は、車両の走行距離を検出する。ブースト圧センサ53は、吸気スロットルバルブ16の下流側の位置における吸気圧(ブースト圧)を検出する。
ECU100は、次式に従ってコンプレッサの実際のコンプレッサ効率ηa(%)を計算する。
ここで、T1cは入口温度センサ47により検出されたコンプレッサ入口温度、P1cは入口圧センサ48により検出されたコンプレッサ入口圧力、T2cは出口温度センサ49により検出されたコンプレッサ出口温度、P2cは出口圧センサ50により検出されたコンプレッサ出口圧力、P0は大気圧センサ51により検出された大気圧である。
<コンプレッサ効率の総低下分Δη>
本実施の形態においては、リンク機構140の摩耗に起因して低下するコンプレッサ効率の第1低下分Δη1は、コンプレッサ効率ηaの総低下分Δηからコーキングに起因するコンプレッサ効率の第2低下分Δη2を減算した数値である(Δη1=Δη−Δη2)。
本実施の形態においては、リンク機構140の摩耗に起因して低下するコンプレッサ効率の第1低下分Δη1は、コンプレッサ効率ηaの総低下分Δηからコーキングに起因するコンプレッサ効率の第2低下分Δη2を減算した数値である(Δη1=Δη−Δη2)。
コンプレッサ効率の総低下分Δηは、例えば、エンジンの新品時(初期)のコンプレッサ効率から現在のコンプレッサ効率を減算した数値である。
ECU100(算出部101)は、コンプレッサ効率の総低下分Δηから第2低下分Δη2を減算することで、第1低下分Δη1を算出する。第1低下分Δη1は、リンク機構140の摩耗の進行に応じて増大する。なお、リンク機構140の摩耗の進行に応じて、指示開度に対応する目標の開度(以下、「目標の開度」という)と指示開度に対応するリンク143の実際の開度(以下、「実際の開度」という)との差は、大きくなる。したがって、目標の開度と実際の開度との差は、第1低下分Δη1に相関する。ECU100は、第1低下分η1に基づいて、指示開度と実際の開度との関係を示す関数(後述する線g)を求める。
図4は、指示開度と実際の開度との関係等を示す図である。図4の横軸は指示開度d(%)を表し、縦軸は実際の開度dg(%)を表す。図4に、指示開度と実際の開度との関係を線gで表す。また、指示開度と目標の開度との関係を線fで表す。また、指示開度の下限値dLを示す。なお、線fにおいて、指示開度の下限値dLは、実際の開度の下限値dfLに対応している。
図4に示すように、指示開度d1に対応する実際の開度dg1と指示開度d1に対応する目標の開度df1との間には差Δd(=dg1−df1)が生じている。差Δdが生じている状態では、指示開度に対する目標のブースト圧を得ることができない。線gにおいて、実際の開度df1に対応する指示開度dはd2である。したがって、差Δdを解消して、目標のブースト圧を得るためには、指示開度dをd1からd2に下げればよい。
しかしながら、指示開度d2は、下限値dLより小さいため(d2>dL)、指示開度dを下限値dLより下げることができない。
そこで、実施の形態では、ECU100は、線gにおいて実際の開度の下限値dfLに対応する指示開度の下限値dL1を算出し、指示開度の下限値dLを下限値dL1に補正する。これにより、指示開度dをd1からd2に下げることができるため、差Δdが解消され、目標のブースト圧を得ることができる。また、指示開度の下限値dLを下限値dL1に補正しても、実際の開度は下限値dfLを下回ることがないため、コンプレッサ14Cの過回転を防止することが可能となる。
上記実施の形態における内燃機関1によれば、ノズルベーン14Nを有する可変容量型ターボチャージャ14を備える内燃機関1であって、ノズルベーン14Nに連結されたリンク143を有し、リンク143を開閉することによりノズルベーン14Nを開閉するリンク機構140と、リンク143の開度に応じて回転するコンプレッサ14Cと、指示された指示開度に基づいてリンク143の開度が調整されるように、リンク機構140を制御する制御部102と、リンク機構140の摩耗に起因して低下するコンプレッサ効率の第1低下分Δη1を算出する算出部102と、を備え、制御部102は、第1低下分Δη1に基づいて、指示開度の下限値を補正する。これにより、指示開度の下限値を補正することで、指示開度を低くすることができるため、目標のブースト圧を得ることが可能となる。また、指示開度の下限値を補正しても、実際の開度が所定の下限値を下回ることがないため、コンプレッサ14Cの過回転を防止することが可能となる。
その他、上記実施の形態は、何れも本開示を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
上記実施の形態においては、ECU100は、第1低下分Δη1に基づいて、指示開度と実際の開度との関係を示す関数(線g)を求め、線gにおいて実際の開度の下限値dfLに対応する指示開度の下限値dL1を算出し、指示開度の下限値dLを下限値dL1に補正したが、第1低下分Δη1と指示開度の下限値との関係を示すマップを用いて、指示開度の下限値を補正してもよい。なお、このマップは、実機試験やシミュレーション等により作成することが可能である。
本開示は、コンプレッサの過回転を防止するとともに、目標のブースト圧を得ることが要求される内燃機関を備えた車両に好適に利用される。
1 エンジン
2 エンジン本体
14 ターボチャージャ
14C コンプレッサ
14N ノズルベーン
100 ECU
101 算出部
102 制御部
140 リンク機構
140A ノズル開度可変機構
143 リンク
145 動力部
2 エンジン本体
14 ターボチャージャ
14C コンプレッサ
14N ノズルベーン
100 ECU
101 算出部
102 制御部
140 リンク機構
140A ノズル開度可変機構
143 リンク
145 動力部
Claims (4)
- ノズルベーンを有する可変容量型ターボチャージャを備える内燃機関であって、
前記ノズルベーンに連結されたリンクを有し、前記リンクを開閉することにより前記ノズルベーンを開閉するリンク機構と、
前記リンクの開度に応じて回転するコンプレッサと、
指示された指示開度に基づいて前記リンクの開度が調整されるように、前記リンク機構を制御する制御部と、
前記リンク機構の摩耗に起因して低下するコンプレッサ効率の第1低下分を算出する算出部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1低下分に基づいて、前記指示開度の下限値を補正する、
内燃機関。 - 前記算出部は、内燃機関の運転時間に基づいて推定されるコンプレッサ効率である推定コンプレッサ効率、および、実際のコンプレッサ効率に基づいて、コーキングに起因してコンプレッサ効率が低下するコンプレッサ効率の第2低下分を算出し、当該算出した前記第2低下分に基づいて、前記第1低下分を算出する、
請求項1に記載の内燃機関。 - 前記算出部は、前記第1低下分に基づいて、前記指示開度とリンクの実際の開度との対応関係を算出し、
前記制御部は、前記対応関係に基づいて、前記指示開度の下限値を補正する、
請求項1または2に記載の内燃機関。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関を備える、車両。
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