JP2021019849A - 遊技機 - Google Patents

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和広 小林
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Abstract

【課題】本発明は、施錠装置による扉体の施錠時において不正行為を防止可能であり、かつ施錠装置の解錠時において前扉の開放が容易な遊技機を提供することを目的とする。【解決手段】遊技機100は、基体に対して開閉可能な前枠106と、前枠施錠状態または前枠解錠状態に遷移可能な施錠機構60と、前枠106に対する外力により前枠106と基体との間に間隙が生じる浮き状態の発生を防止する浮き防止状態または浮き防止状態が解除された浮き防止解除状態に遷移可能な浮き防止機構115と、を備え、施錠機構60は、解錠操作に基づいて前枠解錠状態に遷移し、浮き防止機構115は、解錠操作に基づいて浮き防止解除状態に遷移し、浮き防止機構115が浮き防止解除状態になるタイミングが、施錠機構60が前枠解錠状態になるタイミングと異なっている。【選択図】図1

Description

本発明は、弾球遊技機(パチンコ機)に代表される遊技機に関する。
従来、施錠装置による扉体の施錠時において不正行為を防止可能な遊技機が知られている。(例えば特許文献1)
特開2015−024211号公報
しかしながら、従来の遊技機は、施錠装置の解錠時において扉体の開放し易さが十分でないという問題がある。
本発明の目的は、施錠装置による扉体の施錠時において不正行為を防止可能であり、かつ施錠装置の解錠時において前扉の開放が容易な遊技機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様による遊技機は、基体の正面側に設けられ、該基体の幅方向の一端側を軸として該基体に対して開閉可能な扉体と、前記扉体の開放を規制する施錠状態または前記扉体の開放を許容する解錠状態に遷移可能な施錠機構と、前記扉体に対する外力により前記扉体と前記基体との間に間隙が生じる浮き状態の発生を防止する浮き防止状態または前記浮き防止状態が解除された浮き防止解除状態に遷移可能な浮き防止機構と、を備え、前記施錠機構は、所定の解錠動作に基づいて前記施錠状態から前記解錠状態に遷移し、前記浮き防止機構は、前記解錠動作に基づいて前記浮き防止状態から前記浮き防止解除状態に遷移し、前記浮き防止機構が前記浮き防止解除状態になるタイミングが、前記施錠機構が前記解錠状態になるタイミングと異なっていることを特徴とする。
また、上記本発明の一態様による遊技機において、前記浮き防止機構は、前記基体および前記扉体の上部に設けられていてもよい。
本発明の一態様によれば、施錠装置による扉体の施錠時において不正行為を防止可能であり、かつ施錠装置の解錠時において前扉の開放が容易な遊技機を提供することができる。
扉が開放された状態を示す遊技機の概略構成の斜視図である。 遊技機の正面図である。 遊技機に設けられた遊技盤の正面図である。 裏カバーを取り外した状態の遊技機の裏面図である。 裏カバーを取り付けた状態の遊技機の裏面図である。 遊技機のブロック図である。 メインRAMのメモリ領域の用途例を示す図である。 上部ユニットの背面図である。 仮止部の拡大図である。 取付補助部の拡大図である。 本止部の拡大図である。 上部ユニットおよび前枠の右側面図であって、上部ユニット4の着脱方法の手順を説明する図である(その1)。 上部ユニットおよび前枠の斜視図であって、上部ユニット4の着脱方法の手順を説明する図である(その2)。 上部ユニットおよび前枠の右側面図であって、上部ユニット4の着脱方法の手順を説明する図である(その3)。 上部ユニットおよび前枠の斜視図であって、上部ユニット4の着脱方法の手順を説明する図である(その4)。 図15の仮止部の近傍を拡大して示す斜視図である。 上部ユニットおよび前枠の斜視図であって、上部ユニット4の着脱方法の手順を説明する図である(その5)。 上部ユニットおよび前枠の背面図であって、上部ユニット4の着脱方法の手順を説明する図である(その6)。 前枠の背面斜視図である。 施錠機構および浮き防止機構の正面斜視図である。 施錠機構および浮き防止機構の背面斜視図である。 上部浮き防止機構の概略構成図である。 下部浮き防止機構の概略構成図である。 錠前の解錠操作による上部浮き防止機構の状態遷移を説明する図である。 錠前の解錠操作による下部浮き防止機構の状態遷移を説明する図である。 錠前の解錠操作による施錠機構の状態遷移を説明する図である。 施錠機構および内枠上部浮き防止ユニットの背面斜視図であって、リンクレバー第1解除部の作用を説明する図である。 施錠機構および内枠上部浮き防止ユニットの背面斜視図であって、リンクレバー第2解除部の作用を説明する図である。 変形前の上部ユニットの斜視図である。 変形前の上部ユニットの上面図である。 変形後の上部ユニットの斜視図である。 変形後の上部ユニットの上面図である。 上部ユニットの変形前のリンクレバーの斜視図である。 上部ユニットの変形前のリンクレバーの上面図である。 上部ユニットの変形前の左軸部の上面図である。 図35(a)のリンクレバーを取り外した状態の上面図である。 上部ユニットの変形前の左軸部を前方左下から後方右上に向かって見た状態を示す図である。 上部ユニットの変形前の左軸部を前方右上から後方左下に向かって見た状態を示す視図である。 上部ユニットの変形前の左軸部の正面図である。 変形前の上部ユニットの左側面の一部を拡大して示す斜視図である。 ロゴリンクの拡大図である。 上部ユニットの変形前のロゴリンクの斜視図である。 図41の第三部材の裏カバーを外した状態の斜視図である。 上部ユニットの変形前の第三部材を取り外した状態の斜視図である。 上部ユニットの変形後のリンクレバーの斜視図である。 上部ユニットの変形後のリンクレバーの上面図である。 上部ユニットの変形後の左軸部の上面図である。 上部ユニットの変形後の左軸部を前方右上から後方左下に向かって見た状態を示す視図である。 上部ユニットの変形後の左軸部の正面図である。 変形後の上部ユニットの左側面の一部を拡大して示す斜視図である。 上部ユニットの変形後のロゴリンクの斜視図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。以下、本実施形態による遊技機100の説明において、遊技機100に相対するようにして着席した遊技者から見て左側を左とし、遊技者から見て右側を右とし、遊技者から見て上側を上とし、遊技者から見て下側を下とし、遊技者から見て手前側を前とし、遊技者から見て奥側を後とする。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた内枠104と、内枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106(扉体の一例)と、を備えている。外枠102と内枠104を総称して基体と称する場合がある。
内枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら内枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。また、詳しくは後述するが、前枠106の上部には前枠106を装飾する立体形状のユニット部材である上部ユニット4が、着脱自在に取付けられている。
図1に示すように、本実施形態では、外枠102、内枠104および前枠106の幅方向(左右方向)の一端部(本例では、遊技機100ので左端部)にヒンジ機構が設けられていることから、外枠102、内枠104および前枠106の幅方向の他端部(本例では遊技機100の右端部)が自由端となる。そして、内枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、外枠102、内枠104および前枠106が平行になり、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して平行に対面することとなる。
内枠104および前枠106は、それぞれ外枠102に対して独立して開閉することが可能となっている。具体的には内枠104は、単独で、または前枠106と一体となって外枠に対して開閉可能である。また前枠106は、単独で基体(内枠104および外枠102)に対して開閉可能であり、かつ内枠104と一体となって外枠102に対して開閉可能である。また内枠104は、外枠102および前枠106よりも周長が小さくなっている。このため、外枠102に対して内枠104および前枠106が閉じられた状態では、内枠104が外枠102および前枠106内に収容され、当該内枠104を外部から視認することができなくなっている。
また、図1に示すように、内枠104の自由端(右端部)側には、遊技機100の正面に鍵穴6aを開口させた錠前6が設けられている。錠前6は、シリンダを有するシリンダ錠であって遊技機100の前方向へ突出している。また、内枠104の自由端側には、当該自由端の上下方向に沿って施錠機構60が設けられている。施錠機構60は、基体(内枠104及び外枠102)に対する前枠106の開放を規制する前枠施錠状態(施錠状態の一例)または基体に対する前枠106の開放を許容する前枠解錠状態(解錠状態の一例)に遷移可能に構成されている。施錠機構60は、前枠施錠状態において鍵穴6aに鍵を挿入して回転させる前枠解錠操作(所定の解錠操作の一例)に基づいて、前枠施錠状態から前枠解錠状態に遷移可能である。また、施錠機構60は、前枠解錠状態において後述する前枠施錠操作に基づいて、前枠解錠状態から前枠施錠状態に遷移可能である。
また、図1に示すように、前枠106の背面の自由端(右端部)側に上下方向に沿って配置された右背面板150には、複数(本例では3つ)の施錠被係止部5が設けられている。3つの施錠被係止部5は、右背面板150の上端から下端に亘って上下方向に離間して設けられている。また、前枠106の自由端側の下部には、半円形状の貫通孔である鍵穴露出部50が設けられている。鍵穴露出部50は、基体に対する前枠106の閉鎖時において、内枠104に設けられた錠前6と対面する位置に形成されている。このため、鍵穴露出部50は、前枠106の閉鎖時において内枠104に設けられた錠前6を露出可能である。施錠機構60の施錠状態において、施錠機構60と施錠被係止部5との間には係止関係が形成される。
また、本実施形態においては、施錠機構60とは別に、前枠106のこじ開け等の不正行為に対する強度を向上するための浮き防止機構115が設けられている。浮き防止機構115は、前枠106の上部および内枠104の上部に設けられた上部浮き防止機構7(浮き防止機構の一例)と、前枠106の下部および内枠104の下部に設けられた下部浮き防止機構8とで構成される。浮き防止機構115は、前枠施錠状態において前枠106と基体(内枠104および外枠102)との間に間隙(浮き)が生じる浮き状態の発生を防止可能な構成である。遊技機100は、浮きの発生を防止することにより、浮き部分に不正用器具(例えば針金等)を差し込むことによる前枠106のこじ開け(不正解錠)等の不正行為を防止することができる。
図1に示すように、上部浮き防止機構7は、前枠106の背面側上部に設けられた第一部材である前枠上部フック71と、内枠104の前面側上部に設けられた第二部材である内枠上部浮き防止ユニット70とを有している。詳しくは後述するが、前枠106の開放が規制された施錠状態において、上部浮き防止機構7の前枠上部フック71と上部浮き防止機構7の内枠上部浮き防止ユニット70との間には係止関係が形成される。これにより、上部浮き防止機構7は前枠106および基体(内枠104および外枠102)の上部における浮きの発生を防止して、前枠106および基体の上部に不正器具等が挿入されるおそれを極めて低減することができる。つまり、遊技機100は、不正解錠等の不正行為を防止することができる。
また、図1に示すように、下部浮き防止機構8は、前枠106の背面側下部に設けられた第一部材である前枠下部フック81と、内枠104の前面側下部に設けられた第二部材である内枠下部浮き防止ユニット80とを有している。詳しくは後述するが、前枠106の開放が規制された施錠状態において、下部浮き防止機構8の前枠下部フック81と、下部浮き防止機構8の内枠下部浮き防止ユニット780との間には係止関係が形成される。これにより、下部浮き防止機構8は前枠106および基体の下部における浮きの発生を防止して、前枠106および基体の下部の間に不正器具等が挿入されるおそれを極めて低減することができる。つまり、遊技機100は、不正解錠等の不正行為を防止することができる。
このように、本実施形態による遊技機100において、浮き防止機構115は、上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8を有している。これにより、遊技機100は、前枠106と基体の上部および下部との間における浮きの発生を防止し、前枠106および基体の間に不正器具等が挿入されるおそれを極めて低減することができる。したがって、浮き防止機構115を備える遊技機100は、浮きの発生をより確実に防止し、ひいては不正行為をより強固に防止することができる。浮き防止機構115および施錠機構60の構成の詳細は後述する。
(遊技機の詳細な構成)
次に、遊技機100の詳細な構成について図2および図3を用いて説明する。図2は、遊技機100の正面図である。図2では、遊技盤108の一部(図柄表示部10)のみが図示されている。図3は、遊技機100に設けられた遊技盤108の正面図である。図3では、開状態の第2始動口122、第1大入賞口126および第2大入賞口128が図示されている。
図2に示すように、遊技機100は、前枠106に着脱自在に取り付けられた上部ユニット(装飾ユニットの一例)4を備えている。上部ユニット4は、前枠106の上部に取り付けられる。上部ユニット4は、前枠106の前面側(遊技者側)において取付補助部41によって連結されている。取付補助部41は、上部ユニット4の左右両側部に設けられた上部ユニット側取付補助部411と、前枠106の左右の中央部に設けられた前枠側取付補助部413とを有している。上部ユニット4および取付補助部41の詳細については、後述する。また、本実施形態による遊技機100において、上部ユニット4は一の形態から他の形態に変形可能に構成されている。詳細は後述するが、図2に示す上部ユニット4は一の形態(第一形態)である。また、後述する図31、図32には、上部ユニット4の他の形態(第二形態)が図示されている。
また、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a,114b間を上昇して遊技領域116(図2では不図示)に導かれることとなる。
図3に示すように、遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。図3に示すように、遊技盤108には、多数の釘131や1つの風車133が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。なお、図3では、遊技領域116に設けられた多数の釘131が白丸で図示され、多数の釘131のうちの1つの釘131のみに参照符号が付されている。
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a,114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。遊技球の入球に基づいて払い出される賞球数は、入賞口ごとに異なっていてもよい。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
第1始動口120は、遊技領域116の下部であって、第1遊技領域116aを流下する遊技球のみが入球可能であるか、または、第1遊技領域116aに進入した遊技球の方が、第2遊技領域116bに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されている。
また、図3に示すように、第2始動口122は、第1始動口120の右隣であって第2遊技領域116bに位置している。第2始動口122は、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、または、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されている。第2始動口122は、可動片122aを有する始動可変入賞装置によって構成されており、第2始動口122への遊技球の進入容易性が可変するようになっている。具体的には、第2始動口122は、可動片122aが開閉可能に設けられており、可動片122aが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の進入が不可能または困難となっている。これに対して、第2遊技領域116bに設けられたゲート124を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122aが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122aが開状態になると、可動片122aが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。
さらに、第2遊技領域116bには、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、または、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に第1大入賞口126および第2大入賞口128が設けられている。なお、以下、第1大入賞口126および第2大入賞口128をまとめて単に大入賞口ともよぶ。第1大入賞口126には、開閉扉126aおよび開閉扉126bが開閉可能に設けられている。通常、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖して、第1大入賞口126への遊技球の入球が不可能となっている。また、開閉扉126aは、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖している時に下方に向かって下がった状態になっている。これにより、第1大入賞口126に遊技球が入球不可能な状態では、開閉扉126aと開閉扉126bとの間には、第2遊技領域116bを流下する遊技球が通過可能な空間が生じる。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉126bが開放され、開閉扉126aが開閉扉126bに向かって傾斜した状態に立ち上がる(図3参照)。開閉扉126aの先端と開閉扉126bの先端との間には、遊技球の直径よりも長さの短い間隙が形成される。このため、開閉扉126aおよび開閉扉126bが受け皿として機能し、第2遊技領域116bを流下する遊技球は第1大入賞口126への入球が可能となる。そして、第1大入賞口126に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
また、第2大入賞口128は、開閉扉128aが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが第2大入賞口128を閉鎖して、第2大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉128aが開放されて、開閉扉128aが受け皿として機能し、第2大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、第2大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。大入賞口への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球数は、大入賞口ごとに異なっていてもよい。
第1遊技領域116aには、第1始動口120の左側に2つの一般入賞口118が設けられている。また、第2遊技領域116bには、第1大入賞口126と第2始動口122との間に1つの一般入賞口118が設けられている。
図3に示すように、第1遊技領域116aには、2つの一般入賞口118を挟んで、遊技球を遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する2つの排出口130が設けられている。2つの排出口130の一方は、一般入賞口118の左上に隣接して設けられ、2つの排出口130の他方は、遊技領域116の最下部の中心部(第1始動口120の直下)に設けられている。また、第2遊技領域116bには、一般入賞口118の下方に1つの排出口130が設けられている。複数の排出口130により、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球が、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出される。
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている。
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。演出表示部200aには、図3に示すように演出図柄210a,210b,210cが変動表示され、これら各演出図柄210a,210b,210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側に退避しているが、上記の演出図柄210a,210b,210cの変動表示中等に、演出表示部200aの前面まで可動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108、上部ユニット4等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。演出照明装置204は例えばフルカラーLED等を有している。
音声出力装置206は、上部ユニット4の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付ける押下ボタン208aと、遊技者による入力操作(例えば、手前側に引く操作)を受け付ける演出レバー208bとの複数の操作手段を有している。押下ボタン208aおよび演出レバー208bは、遊技者が操作可能な操作装置に相当する。演出操作装置208は、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110(図1参照)よりも下方位置に設けられている。演出操作装置208は、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化され、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
演出操作装置208の後ろ側(遊技盤108側)には、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿135(後述の図13参照)が設けられている。上皿135が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿(不図示)に導かれることとなる。また、この下皿の底面には、当該下皿から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ(不図示)を図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、図2に示すように遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、図柄表示部10が設けられている。図柄表示部10には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172(いずれも図3では不図示、図6参照)が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
(遊技機裏面の構成)
図4は、裏カバー302を取り除いた状態の遊技機100の裏面図である。図4では、理解を容易にするため、主制御基板300に実装され且つ主制御基板ケース311で覆われた複数の構成要素のうちの性能表示器300dが図示されている。図5は、裏カバー302を取り付けた状態の遊技機100の裏面図である。
図4に示すように、遊技機100の裏面側には、主制御基板ケース311、遊技情報出力端子板312、賞球貯留タンク315、賞球払出流路317、副制御基板ケース319、払出球計数スイッチ316s、裏カバー302(図4では不図示、図5参照)、払出制御基板ケース313および内枠開放スイッチ145s等が設置されている。この他に遊技機100の裏側には、遊技機100の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)、電源プラグを備えた電源コード及び接続配線等(いずれも不図示)が設置されている。
遊技機100の裏面側中央には、遊技機100における遊技の基本動作を制御する主制御基板300が一部分を露出した状態で主制御基板ケース(ケース部材の一例)311に収容されて配置されている。主制御基板300の構成の詳細は後述する。主制御基板ケース311から露出した主制御基板300の一部分には、有利度合いが段階的に設定された設定値に関する操作に用いられる設定値操作部301が設けられている。設定値操作部301は、RAMクリアボタン305と、RAMクリアボタン305と隣り合わせて配置された設定キー差込口306とを有している。RAMクリアボタン305は、設定値に関する操作以外に、主制御基板300に設けられたメインRAM300c(図4では不図示)の初期化等にも用いられる。一方、設定キー差込口306は、設定値の変更および参照という設定値に関する操作のみに用いられる。設定値操作部301の詳細は後述する。また、主制御基板ケース311から露出した主制御基板300の一部分には、設定値操作部301以外に、主制御基板300に実装されたメインCPU300a(図4では不図示)等の電子部品に入力される所定信号や電力が供給される電子コネクタが設けられている。
主制御基板ケース311の上方には、副制御基板ケース319が配置されている。副制御基板ケース319は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する副制御基板330が一部分を露出した状態で副制御基板ケース319に収容されて配置されている。副制御基板ケース319から露出した副制御基板330の一部分には、副制御基板330に実装されたサブCPU330a等の電子部品に入力される所定信号や電力が供給される電子コネクタ等が設けられている。
遊技情報出力端子板312は、遊技機100の外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続されている。遊技機100の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、エラー情報、大当たり情報、始動口情報等)は、遊技情報出力端子板312から外部の電子機器に向けて出力される。
賞球貯留タンク315は、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球の払出しが行われる際には、賞球貯留タンク315に蓄えられた遊技球は、賞球払出流路317を通って遊技機100の前面側の上皿135(図13参照)に導かれる。払出球計数スイッチ316sは、賞球払出流路317を通って払い出される遊技球数を検出する。
払出制御基板ケース313は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う払出制御基板310が収められたケース部材である。副制御基板330及び払出制御基板310の詳細は後述する。
払出制御基板ケース313の左下領域には、内枠開放スイッチ145sが設けられている。内枠開放スイッチ145sについては後述する。また、電源コード(不図示)は、例えば遊技店の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続される。これにより、遊技機100の動作に必要な電源(電力)が確保される。
図5に示すように、遊技機100は、主制御基板300(いずれも図5では不図示、図4参照)を主制御基板ケース311ごと覆って設けられた裏カバー(カバー部材の一例)302を備えている。さらに、裏カバー302は、副制御基板330(いずれも図5では不図示、図4参照)を副制御基板ケース319ごと覆って設けられている。裏カバー302は、主制御基板300および副制御基板330に容易に触れることができないように主制御基板ケース311および副制御基板ケース319を覆うカバー部材である。裏カバー302は、遊技機100の背面側に着脱可能に取り付けられている。裏カバー302の詳細については後述する。
遊技機100は、設定値操作部301(図5では不図示、図4参照)が操作される場合に少なくとも、設定値操作部301を露出可能に覆う可動カバー(可動カバー部の一例)309を備えている。裏カバー302には、設定値操作部301を囲んで配置された開口部321が形成されている。可動カバー309は、開口部321が形成された場所に取り付けられている。これにより、可動カバー309は、設定値操作部301と対応する位置で裏カバー302に設けられる。可動カバー309は、左上角部に設けられた軸部392Lおよび右上角部に設けられた軸部392Rを回転軸として、回転可能に裏カバー302に取り付けられている。可動カバー309は、裏カバー302に形成された開口部321を覆うことができる大きさを有している。このため、可動カバー309は、閉じられた状態(閉状態)にあると、図5に示すように、設定値操作部301の後側に配置される。これにより、設定値操作部301に触れることができなくなる。一方、可動カバー309は、可動カバー309の軸部392L,392Rを回転軸として回転させられて開かれた状態(開状態)にあると、設定値操作部301の後側から退避される(図示は省略)。これにより、設定値操作部301は、裏カバー302の開口部321において露出されるので、設定値操作部301は、開口部321を介して操作可能になる。このため、作業者は、設定値操作部301に触れることができるので、設定値に関する操作を行うことができる。詳細は後述するが、設定値に関する操作には、設定値を変更するための操作と、設定値を確認するための操作が含まれる。
(主制御基板の構成)
主制御基板300上の左上領域には、性能表示器300dが設けられている。本実施形態における性能表示器300dは、4つのデシマルポイント付きの7セグメントLED表示器で構成されている。具体的には、性能表示器300dは、4つの表示領域361,362,363,364を有している。表示領域361〜364の7セグメントLED表示器を構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。表示領域361〜364は、カウンタ値に対応する各セグメントを点灯制御することで数字およびアルファベットを表示できる。
したがって、性能表示器300dは、最大4つの英数字を表示することができる。4つの表示領域361,362,363,364を有する性能表示器300dは、後述する設定値や賞球数に基づく算出処理結果の値(例えば、ベース値等)を表示する。
性能表示器300dは、例えばベース値を確認する者(警察官等)が表示内容を誤認なく確認できれば、図4に示す位置に限られず、主制御基板300上における主制御基板300の他の構成と重なり合うことのない確認容易な位置に設けられていてもよい。主制御基板ケース311は、内部に収容した主制御基板300が外部から視認できるように透明の材料(例えばポリカーボネート)で形成されている。
性能表示器300dの下側には、メインIC300xが配置されている。メインIC300xは、例えばV5チップであって、メインCPU300a、メインROM300b及びメインRAM300c(図4では不図示、図6参照)を内蔵している。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。また、メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御基板300上の左下端部には、RAMクリアボタン305が設けられている。主制御基板ケース311を封止した状態でRAMクリアボタン305が操作できるように、RAMクリアボタン305は主制御基板ケース311から外部に露出した状態で配置されている。RAMクリアボタン305が押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチ305s(図6参照)がRAMクリアボタン305の押圧操作を検出し、RAMクリア信号が出力される。RAMクリア信号は、例えば電源投入時において、メインCPU300aがメインRAM300cの初期化を行うか否かの判定等に用いられる。
(設定キー操作)
主制御基板300には、RAMクリアボタン305の他に設定キー差込口306が設けられている。設定キー差込口306は、後述する設定値の変更や設定値の参照に用いられる専用鍵(設定キー)を差し込むための差込口(鍵穴)である。本実施形態による遊技機100は、設定キーの操作とともにRAMクリアボタン305を押下することによって、設定値を1〜6の6段階に設定可能に構成されている。詳しくは後述するが、遊技機100は、設定中の設定値に応じて遊技が進行するものであり、設定値ごとに有利度合いが異なっている。
設定キー差込口306は、シリンダを有するシリンダ錠で構成されている。また、設定キー差込口306のシリンダは、主制御基板ケース311を貫通した状態(シリンダの周囲が主制御基板ケース311によって囲まれた状態)で設けられている。したがって、主制御基板300が主制御基板ケース311に封止された状態のままで設定キー差込口306に設定キーを差し込んで回転操作をすることが可能である。
(制御手段の内部構成)
図6は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。また、メインCPU300aは、演算処理時において、メインRAM300cやメインCPU300aの内部レジスタ(不図示)をデータのワークエリアとして用いる。
ここで、メインCPU300aがワークエリアとして用いるメモリ領域のうち、メインRAM300cに割り当てられたメモリ領域(F000H〜F3FFH)の用途例について図7を参照して説明する。
図7に示すように、本実施形態による遊技機100において、アドレスF000H〜F1FFHの領域は、格納するデータの種類に応じて第一領域から第四領域の4つの領域に分けられる。第一領域は、設定値に関連する情報(設定値関連情報)および遊技状態に関する情報(遊技状態関連情報)を格納する領域である。第二領域は、メインCPU300aの初期化処理において電源復帰に係る誤り検出に用いられるチェックサム関連情報およびバックアップ関連情報を格納する領域である。第三領域は、エラー関連情報および第一通常遊技状態情報を格納する領域である。第4領域は、第二通常遊技情報を格納する領域およびスタックエリアとして用いられる領域である。
第一領域から第4領域を含むアドレスF000H〜F1FFHの領域を、使用領域という。使用領域は、遊技機の進行に必須の情報(データ)を格納するメモリ領域であって、遊技規則によって使用容量が制限されている。
メインRAM300cにおいて、アドレスF300H〜F3FFHの領域は、遊技の進行に必須でない情報の格納に用いる領域であって、使用外領域という。本例では、使用外領域には、性能表示器300dの表示制御等に係る情報(性能表示関連情報)が格納される。また、使用外領域には、試験信号の出力制御に係る情報が格納されてもよい。試験信号は、遊技機100の現在の内部状態(例えば、特別遊技管理フェーズ、普通遊技管理フェーズ、発射位置指定の状態、大役遊技の実行状況、遊技状態(高確率、低確率、時短、非時短)等)を即時的(リアルタイム)に主制御基板300の外部に通知するために出力される信号である。
また、図7に示すように、使用領域と使用外領域との間の領域(アドレスF200H〜F2FFの領域)は、データの格納に用いられない未使用領域である。
このように、遊技機100において、メインRAM300cは、使用領域、使用外領域および未使用領域で構成されている。本例において、メインRAM300cには1バイトごとの領域にアドレス値が割り振られている。したがって、未使用領域として256バイトに相当する領域が割り当てられている。なお、未使用領域としては、少なくとも16バイト以上の領域が割り当てられていればよい。
図6に戻って、本実施形態の遊技機100が実行する遊技は主に、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口126に遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出スイッチ128sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、開閉扉126aを作動する開閉扉ソレノイド126c1と、第1大入賞口126を開閉する開閉扉126bを作動する第1大入賞口ソレノイド126c2と、第2大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する第2大入賞口ソレノイド128cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122、第1大入賞口126および第2大入賞口128の開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、遊技機100には、前枠開放スイッチ141s、アウト検出スイッチ143sおよび内枠開放スイッチ145sが接続されている。以下、内枠開放スイッチ145sと前枠開放スイッチ141sとを総称して開閉枠部材開放スイッチと称する場合がある。開閉枠部材開放スイッチは、内枠104や前枠106といった開閉枠部材が開放されていることを遊技機100に発生していることを検出するスイッチである。
前枠開放スイッチ141sは、前枠106が開放されていることを検出すると、主制御基板300に開放検出信号(オン信号)を出力する。また、内枠開放スイッチ145sは、内枠104が外枠102に対して開放されていることを検出すると、主制御基板300に開放検出信号(オン信号)を出力する。
また、図6には図示しないが、遊技機100には、開閉枠部材開放スイッチの他にも、遊技機100の各構成の異常または各構成に対する不正の可能性があることを検出する種々の異常検出スイッチが設けられていてもよい。例えば、遊技機100には、異常検出スイッチとして、電波を検出する電波検出スイッチ、磁気を検出する磁気検出スイッチ等が設けられていてもよい。
アウト検出スイッチ143sは、遊技領域116へ発射された遊技球が遊技機100の外部に排出されるときに通過する遊技球排出経路(不図示)を通過したことを検出すると、主制御基板300にアウト球検出信号(オン信号)を出力する。
一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126および第2大入賞口128の何れかに入球した遊技球、並びに何れの入賞口にも入球せずに排出口130へ入球した遊技球が、上述の遊技機球排出経路を通過する。つまり、遊技領域116へ発射された後に集約されて外部へ排出される全ての遊技球が、遊技球排出経路においてアウト検出スイッチ143sによって検出される。
さらに、遊技盤108の背面には、設定キースイッチ180sおよびRAMクリア検出スイッチ305sが設けられている。設定キースイッチ180sは、上述の設定キーによってアクセスが可能に構成されている。設定キースイッチ180sは、設定キー差込口306に差し込まれた設定キーの回転操作を検出すると、回転操作の状態(回転状態)を示す設定キー回転検出信号(オン信号)を主制御基板300に出力する。
また、RAMクリア検出スイッチ305sは、RAMクリアボタン305の押圧操作によってアクセス可能に構成されている。RAMクリア検出スイッチ305sは、RAMクリアボタン305の押下(押圧操作)を検出すると、押圧検出信号(オン信号)を主制御基板300に出力する。
本実施形態による遊技機100は、設定キースイッチ180sにアクセス可能な設定キーおよびRAMクリアボタン305を用いることで、設定値の変更が可能となっている。
ここで、設定値の変更手順について説明する。
(設定値変更手順)
まず、遊技機100の電源が未投入(電源断)の状態において、設定変更を行う作業者は、専用の鍵を用いて外枠102に対して内枠104を開放する。これにより、遊技機100の裏面に配置された主制御基板300等の構成要素が視認可能となる。
遊技機100の裏面には、上述のように設定キーを挿入するための設定キー差込口306と、RAMクリアボタン305とが設けられている(図4参照)。作業者は設定キー差込口306に設定キーを挿入し、設定キーを一の方向(例えば、時計回り方向)に回転操作(変更操作)する。さらに、作業者は、RAMクリアボタン305を押下する。
次いで、作業者は、設定キーを回転操作し、かつRAMクリアボタン305を押下した状態で遊技機100に電源を投入する。
電源が投入されると、内枠104が外枠102に対して開放されていることが内枠開放スイッチ145sによって検出され、開放検出信号(オン信号)が主制御基板300に入力される。また、電源投入によって設定キーが時計回りに回転される変更操作が行われたことが設定キースイッチ180sによって検出され、設定キー回転検出信号(オン信号)が主制御基板300に入力される。さらに、電源投入によってRAMクリアボタンが押下されたことがRAMクリア検出スイッチ305sによって検出され、押圧検出信号(オン信号)が主制御基板300に入力される。内枠開放スイッチ145s、設定キースイッチ180sおよびRAMクリア検出スイッチ305sによって、主制御基板300にオン信号が入力されたことに基づいて、遊技機100は設定値の変更(切替え)が可能な状態(設定変更状態)となる。
作業者は、設定変更状態においてRAMクリアボタン305を任意の回数だけ押下し、RAMクリア検出スイッチ305sにアクセスすることにより、複数段階(例えば6段階)のうちいずれかの段階に設定値を変更することができる。このとき、設定値は、例えば、性能表示器300dの表示領域361〜364に表示される。
作業者は、設定値を任意の値に変更すると、変更操作時に時計回りに回転させた設定キーを、反時計回りに回転させて元の位置に戻す(復帰操作)。復帰操作により、設定キーが元の位置に復帰したことが設定キースイッチ180sによって検出され、当該検出を示す信号(オフ信号)が設定キースイッチ180sから主制御基板300に入力される。主制御基板300は、当該オフ信号の入力に基づいて設定値の変更を確定する。なお、設定キースイッチ180sは、回転操作の検出に基づいて、定期的に設定キー回転検出信号(オン信号)を主制御基板300に出力し、復帰操作が検出されるまではオン信号の出力を継続し、復帰操作を検出すると主制御基板300への設定キー回転検出信号(オン信号)の出力を停止してもよい。この場合、主制御基板300は、当該オン信号の入力が停止したことに基づいて、設定値の変更を確定すればよい。
設定値の変更が確定し、作業者が設定キーを設定キー差込口306から抜き取ると、性能表示器300dに表示されていた設定値が消去され、設定値の表示が終了する(設定値が非表示となる)。最後に、作業者は、遊技機100の内枠104を閉じて専用の鍵によって施錠する。これにより、設定の変更作業が完了する。設定の変更作業が完了すると、通常の遊技が開始される。
詳細は後述するが、設定値が変更された場合、主制御基板300のメインCPU300aは、変更後の設定値をメインRAM300cの所定の領域(例えば、バックアップの対象となる使用領域のうち第一領域)に記憶する。これにより、遊技中において設定中の設定値を参照することができる。
このように、遊技機100は、電源投入時に設定キースイッチ180sにおいて設定キーの変更操作を検出(設定キーON)し、内枠開放スイッチ145sにおいて内枠104が解放されたこと(内枠開放状態)を検出し、かつRAMクリア検出スイッチ305sにおいてRAMクリアボタン305が押圧操作されたことを検出(RAMクリア押下状態)した場合に、設定変更状態(設定変更モード)となる。
設定変更状態では、特別遊技および普通遊技等の情報を表示する各表示器160〜172の表示は行われず、遊技球の発射や遊技球の賞球等の通常の遊技ができない状態となる。なお、設定変更状態において、各表示器160〜172は、消灯状態を維持してもよいし、または設定変更状態中において専用の(特定の)点灯パターンを維持して通常の表示とは異なる表示態様にしてもよい。
(設定確認状態)
以上、設定値の変更について説明したが、遊技機100は設定値を変更せずに現在設定中の設定値の確認することができる。
具体的には、上述の設定変更手順において設定キーを変更操作(時計回り方向に回転操作)した状態で、RAMクリアボタン305を押下せずに、遊技機100に電源を投入すると、現在設定中の設定値の確認が可能な状態(設定確認状態)となる。
つまり、遊技機100は、電源投入時に設定キースイッチ180sにおいて設定キーの変更操作を検出(設定キーON)し、内枠開放スイッチ145sにおいて内枠104画解放されたこと(内枠開放状態)を検出し、かつRAMクリア検出スイッチ305sにおいてRAMクリアボタン305が押圧操作されたことを検出していない(RAMクリア未押下状態)場合に、設定確認状態(設定確認モード)となる。
設定変更状態と同様に、設定確認状態では、各表示器160〜172の表示は行われず、遊技球の発射や遊技球の賞球等の通常の遊技ができない状態となる。なお、設定確認状態において、各表示器160〜172は、消灯状態を維持してもよいし、または設定確認中において専用の(特定の)点灯パターンを維持して通常の表示とは異なる表示態様にしてもよい。また、設定確認状態において、各表示器160〜172は、専用の(特定の)点灯パターンを維持して設定変更状態とは異なる表示態様にしてもよい。
図6に示すように、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、遊技球の払い出しが払出検知スイッチ315sによって検出され、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。払出モータ314の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出検知スイッチ315sからの検知信号および払出球計数スイッチ316sからの計数信号が払出制御基板310に入力される。
また、払出制御基板310には、下皿(不図示)の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
そして、下皿に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、発射制御基板320が双方向に通信可能に接続されている。発射制御基板320は、払出制御基板310から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。発射制御基板320は、操作ハンドル112に設けられ、操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御基板320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330c、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370を備えている。サブCPU330a、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370は、それぞれ個別の回路で構成されていてもよい。また、サブCPU330a、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370は、少なくとも2つ以上が1つの回路で構成(例えば1パッケージ化または1チップ化)され、この回路の機能ブロックとして構成されていてもよい。
副制御基板330は、主制御基板300に対して、主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370の少なくとも1つに送信する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
画像制御部340は、演出表示装置200の演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMを備えている。画像制御部340のROMには、演出表示部200aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。
音声制御部350は、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御を行う。また、照明制御部360は、副制御基板330から送信されるコマンドに基づいて、演出照明装置204を点灯させる点灯制御を行う。可動体制御部370は、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、演出役物装置202を可動したり、演出操作装置208の押下ボタン208aを遊技者側に飛び出させて可動したりする動作制御を行う。また、可動体制御部370は、押下ボタン208aが押下操作されたことを検出するボタン操作検出スイッチ208s1または演出操作装置208の演出レバー208bが入力操作されたことを検知するレバー操作検出スイッチ208s2から操作検出信号が入力された際に、所定のコマンドあるいは制御信号を副制御基板330に送信する。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、第1大入賞口126および第2大入賞口128が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。
また、非時短遊技状態というのは、可動片122bが開状態になりにくく、第2始動口122に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片122bが開状態になりやすく、第2始動口122に遊技球が入球しやすい遊技状態である。なお、遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定され、この遊技状態を本実施形態では通常遊技状態と称する。
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、第1大入賞口126(または第2大入賞口128)が開放されるとともに第1大入賞口126(または第2大入賞口128)への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
なお、詳細な説明は省略するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、この入球を契機に大役抽選に用いられる種々の乱数(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)の乱数値が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1〜第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部〜第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
上述のとおり、遊技機100では、第1始動口120または第2始動口122(図3参照)への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124(図3参照)への遊技球の通過または作動口119(図3参照)への遊技球の入球を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行される。同様に、遊技機100では、ゲート124への遊技球の通過または作動口119への遊技球の入球を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行される。
遊技機100では、主制御基板300に設けられたメインCPU300aは、特別遊技に係る各処理および普通遊技に係る各処理を、CPU初期化処理(詳細な説明は省略する)に所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「ミリ秒」を「ms」と表記する)で割り込むタイマ割込み処理において実行する。メインCPU300aは、このタイマ割込み処理における特別遊技に係る処理や普通遊技に係る処理の結果の情報を含むコマンドを副制御基板330に送信する。メインCPU300aは、例えば大役抽選の抽選結果の情報を含むコマンドや当該抽選結果を報知するために特別図柄を変動表示するための変動時間(変動パターン)の情報を含むコマンド等を副制御基板330に送信する。
遊技機100では、副制御基板330に設けられたサブCPU330aは、サブCPU初期化処理(詳細な説明は省略する)に所定の周期(本実施形態では例えば2ms)でタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を実行する。サブCPU330aは、サブタイマ割込み処理において、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて、演出表示部200aに表示する演出図柄210a,210b,210cの変動演出の表示パターン、演出役物装置202、演出照明装置204、音声出力装置206および押下ボタン208aのそれぞれの動作パターン等を決定する。さらに、サブCPU330aは、サブタイマ割込み処理において、決定した動作パターン等の情報を含む種々のコマンドを作成し、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370のうちの対応する制御部にこれらのコマンドを送信する。
(上部ユニットの構成)
次に、上部ユニット4および前枠106の詳細な構成について図2を参照しつつ図8から図13を用いて説明する。図8は、上部ユニット4の背面図である。図9は、仮止部(仮固定手段の一例)42の近傍を拡大して示す斜視図である。図9は理解を容易にするため、上部ユニット4に設けられたカバー部材411bの図示が省略されている。図10は、取付補助部41の近傍を拡大して示す図である。図10(a)は、取付補助部41の近傍を拡大して示す右側面図であり、図10(b)は、取付補助部41の近傍を拡大して示す斜視図である。図11は、本止部(固定手段の一例)43の近傍を示す図である。図12は上部ユニット4および前枠106の右側面図である。図13は上部ユニット4および前枠106の斜視図である。図12および図13では、理解を容易にするため、上部ユニット4が前枠106から取り外された状態が図示されている。
まず、本実施形態による遊技機100における上部ユニット4の詳細な構成について説明する。図8に示すように、上部ユニット4は、ベース部材40を有している。ベース部材40の上縁部は、前枠106(図2参照)の上部に倣う形状に形成されている。また、ベース部材40の下縁部は、透過板110が露出する前枠106の内周に倣う形状に形成されており、遊技盤108の視認を妨げないように形成されている。ベース部材40の左右方向の幅は前枠106の左右方向の幅とほぼ同じ幅に構成されている。
ベース部材40は、前側の樹脂板400a(図13参照)と、後側の樹脂板400bと、前側の樹脂板400aおよび後側の樹脂板400bに挟まれた薄板状の金属部材400c(図9参照)とを有している。ベース部材40には、複数のねじ貫通孔Pが設けられている。ねじ貫通孔Pは、樹脂板400aと樹脂板400bとの間に金属部材400cを挟んだ状態で固定するためのねじを挿通するために利用される。なお、図8では、ベース部材40に設けられた複数のねじ貫通孔Pが蛇の目形状で図示され、複数のねじ貫通孔Pのうちの1つのねじ貫通孔Pのみに参照符号を付している。また図8では、上部ユニット4においてベース部材40の背面の上部右側にリンクレバー460が図示されている。リンクレバー460は上部ユニット4を変形させる際に用いられる部材である。リンクレバー460についての詳細は後述する。
ベース部材40の前面側には所定の間隙を設けて第一部材14および第二部材15が取り付けられている。より具体的には、図2に示すように、第一部材14は、ベース部材40の左側の端部に取り付けられており、第二部材15は、ベース部材40の右側の端部に取り付けられている。また、第一部材14および第二部材15の間隙に張り渡されて、第三部材16が設けられている。
また、第二部材15の前面部は前側(遊技者側)に突出する屈曲した形状を有している(図12参照)。第二部材15の前面部の下部領域であって、かつ、演出操作装置208の右側の上方には、やや下方向に光を発する演出照明装置204が設けられている。また、第二部材15の前面部の上部領域には、上部領域から斜め上方に延在した端部に演出操作装置208よりも前に飛び出して音声出力装置206が設けられている(図12参照)。また、図示は省略するが、第一部材14の前面部は、第二部材15の前面部と同様に前側(遊技者側)に突出する屈曲した形状を有している。第一部材14の前面部の下部領域であって、かつ、演出操作装置208の左側の上方には、やや下方向に光を発する演出照明装置204が設けられている。また、第一部材14の前面部の上部領域には、上部領域から斜め上方に延在した端部に演出操作装置208よりも前に飛び出して音声出力装置206が設けられている。
また、第三部材16の中央部には演出照明装置204が設けられている(図2参照)。上部ユニット4に演出照明装置204および音声出力装置206が配置されることにより、遊技機100は光と音とで演出を盛り上げることができる。特に音声出力装置206は最も遊技者に近い場所に配置されるので、多くの遊技機が稼働しているパチンコ店内であっても、遊技機100は遊技者に臨場感のある音声を提供することができる。つまり遊技機100は、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
また、第一部材14、第二部材15および第三部材16は、前枠106と一体になるような装飾が施されている。これにより、上部ユニット4および前枠106により一体感が得られる。このため、前枠106に上部ユニット4が取り付けられていても、遊技者は違和感を覚えずに遊技に集中することができる。つまり遊技機100は、遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができる。このように、上部ユニット4は前枠106を装飾する装飾ユニットでもある。なお、遊技機100において装飾ユニットは前枠106に対して着脱自在に取り付け可能であればよい。したがって本発明において、装飾ユニットは本例の上部ユニット4に限られず、前枠106の下部に着脱自在に取り付け可能な下部ユニットであってもよいし、前枠106の左右側部の少なくとも一方に着脱自在に取り付け可能な側部ユニットであってもよい。また、装飾ユニットは、前枠106の上下左右の各領域うち2ヶ所以上の領域において、着脱可能に設けられてもよい。
回路基板450および回路基板451(図15参照)は、ベース部材40の前面に取り付けられている。回路基板450には、第一部材14に設けられた演出照明装置204および音声出力装置206を制御するために設けられている。回路基板451は、第二部材15および第三部材16に設けられた演出照明装置204および音声出力装置206を制御するために設けられている。回路基板450および回路基板451は、通常はベース部材40と第三部材16との間に設けられた上カバーに覆われて、遊技者から視認されないように配置されている。
第一部材14および第二部材15は、演出照明装置204、音声出力装置206等を有している。このため、第一部材14および第二部材15は所定の重量を有している。このため、本実施形態では、第一部材14および第二部材15は、金属部材400cに固定されてベース部材40に取り付けられている。これにより、ベース部材40は、第三部材16が設けられた第一部材14および第二部材15が取り付けられても、歪みや変形が生じることなくに所定の形状を維持できる。
(上部ユニットの着脱に係る構成)
第一部材14と、第二部材15と、第三部材16とがベース部材40に取り付けられて構成される上部ユニット4は、2段階(仮止めおよび本止め)の手順によって前枠106に取り付けられる。まず、1段階目の手順に相当する仮止めに用いられる仮止部42について図9を用いて説明する。図9では、上部ユニット4が前枠106に仮止めされている状態(仮止め状態)における仮止部42が拡大して図示されている。図9に示すように、前枠106と上部ユニット4とを仮止めする仮止部42は、上部ユニット側仮止部421と前枠側仮止部423とで構成されている。まず、上部ユニット側仮止部421の詳細な構成について説明する。
上部ユニット側仮止部421は、上部ユニット4においてベース部材40の背面の上部中央に配置されている(図8参照)。図9に示すように、上部ユニット側仮止部421は、後述する前枠106のフック423aに引っ掛けられる棒状部材421aと、棒状部材421aが取り付けられる留具421bとを有している。留具421bは、棒状部材421aが挿入可能な貫通孔を有している。留具421bは、ベース部材40の内部に組み込まれた金属部材400cと一体形成されている。ベース部材40は、金属部材400cの上部中央を切り欠いて形成された切欠部405を有している。留具421bは切欠部405の対向する端部のそれぞれから前方へ突出して形成されている。
図9に示すように、棒状部材421aは、円柱状に形成された金属部材である。棒状部材421aは、2つの留具421bの貫通孔間の長さよりも長く形成されている。棒状部材421aは、留具421b間に張り渡されると、切欠部405の対向する端部間にも張り渡される状態になる。棒状部材421aの右端部には、留具421bの貫通孔よりも長い直径のC字型部材406が設けられている。また、図示は省略するが、棒状部材421aの左端部にも、C字型部材406が設けられている。
C字型部材406は、貫通孔に挿入された棒状部材421aの両端のそれぞれに留具421bの外側から固定される。これにより、棒状部材421aは、C字型部材406によって左右方向の移動が抑制され、留具421bの貫通孔から抜けなくなる。留具421bに保持された棒状部材421aが、前枠側仮止部423のフック423aに係止されることにより、上部ユニット4が前枠106に仮止めされる。
次に、前枠側仮止部423の詳細な構成について説明する。前枠側仮止部423は、前枠106の前面側(遊技者側)の上部中央に設けられている(図13参照)。前枠側仮止部423は、上部ユニット4を前枠106に取り付ける際に、上部ユニット側仮止部421に対面する位置に形成されている。図9に示すように、前枠側仮止部423は、前枠106の前面に固定される固定部423bと、固定部423bの左右側部に設けられたフック423aとを有している。前枠側仮止部423は、左右両端が鉤状に形成された板状の金属板の当該左右両端の部分を、前方に折り曲げて形成されている。前枠側仮止部423において、折り曲げられた部分がフック423aを構成し、残余の部分が固定部423bを構成している。フック423aは、上部ユニット4に対向する面側から上部ユニット4が配置される側に向かって突出して形成されている。
フック423aは、フック傾斜部440と、係止部441と、頂部442とを有している。フック傾斜部440は、上方から下方に向かうに従って固定部423bからの距離が長くなるように下向きに傾斜する形状を有している。係止部441は、固定部423bから前方へ向かう所定箇所で上方に折り曲げられた形状をしている。頂部442は、フック傾斜部440の上端部と係止部441の上端とを接続する部分である。詳細は後述するが、上部ユニット4を前枠106に取り付ける際に、上部ユニット側仮止部421の棒状部材421aはフック423aの頂部442を上方に乗り越えて、係止部441に引っ掛けられる。これにより、前枠側仮止部423で上部ユニット側仮止部421が係止されて、仮止部42において上部ユニット4が前枠106に仮止めされる。
また、2つのフック423aの間隔は上部ユニット側仮止部421の2つの留具421bの間隔よりも若干狭くなっている。このため、上部ユニット4を前枠106に仮止めする際に、2つのフック423aが対向する面の裏面(外側の面)は、2つの留具421bが対向する面(内側の面)に接触する。これにより、前枠側仮止部423は仮止め状態において左右方向にずれにくくなる。つまり、上部ユニット4は安定した状態で前枠106に仮止めされる。
次に、仮止め作業の補助に用いられる取付補助部41について図10を用いて説明する。取付補助部41は、上部ユニット側取付補助部411と前枠側取付補助部413とで構成されている。まず、上部ユニット側取付補助部411の詳細な構成について説明する。
図10(a)に示すように、上部ユニット側取付補助部411は、下方に向かって突出するピン411aと、カバー部材411bと、第一補助印411cとを有している。ピン411aは、円柱形状の金属部材であり、ベース部材40内部の金属部材400cに組み込まれたねじの一部分である。より具体的には、金属部材400c(図9参照)のうちベース部材40の左右下端部にあたる箇所にはコの字型の金属部材(不図示)が取り付けられており、当該コの字型の金属部材にはねじが貫通している。このねじの先端部分は、ベース部材40およびカバー部材411bの下から突出しており、この先端部分がピン411aを構成している。ピン411aは、上部ユニット4を前枠106に取り付ける際に、後述するピン差込口413a(図10(b)参照)に差し込まれる。
カバー部材411bは、樹脂製の部材であり、ベース部材40の前面上部、側部および前面下部を覆っている(図12参照)。カバー部材411bには、第一補助印411cが形成されている。本例において、第一補助印411cはピン411aの差し込み方向を示す逆三角形状を有している。第一補助印411cは、ピン411aの上方に配置されており、後述するピン差込口413aにピン411aを差し込む際の目安となる。第一補助印411cは、取り付け作業時に作業者から視認可能であればよく、カバー部材411bに描画されたものでもよいし、カバー部材411bの側部表面において突出又は陥没するように形成されてもよい。図10では、図示は省略しているが、第一部材14にも第二部材15に形成された上部ユニット側取付補助部411と同様の構造の上部ユニット側取付補助部411が設けられている。
次に、前枠側取付補助部413の詳細な構成について説明する。図10(b)に示すように、前枠側取付補助部413は、ピン差込口413aを有している。ピン差込口413aは、前枠側取付補助部413の内部に取り付けられた金属部材(不図示)に形成されている。ピン差込口413aは、前枠側取付補助部413の奥行き方向に延在する長孔形状を有している。このため、上部ユニット4を前枠106に取り付ける際に、真上からだけでなく斜め上方からもピン差込口413aにピン411aを挿入できる。このように、ピン差込口413aはピン411aを差し込み易い形状を有している。また、前枠側取付補助部413には、第二補助印413cが形成されている。本例において、第二補助印413cはピン差込口413aの位置を示す三角形状である。第二補助印413cは、ピン差込口413aの右側下部に配置されており、ピン差込口413aにピン411aを差し込む際の目安となる。第二補助印413cは、取り付け作業時に作業者から視認可能であればよく、前枠側取付補助部413の右側下部の表面に描画されたものでもよいし、突出又は陥没するように形成されてもよい。
図10(a)および図10(b)に示すように、カバー部材411bに対面する前枠側取付補助部413の表面は、前枠106の上辺(図12参照)にほぼ平行な平行面と、所定箇所で下方に傾斜する傾斜面とを有している。ピン差込口413aは前枠側取付補助部413の当該平行面に形成されている。また、前枠側取付補助部413に対面するカバー部材411bの底部の表面は、切欠部405を除くベース部材40の上辺(図12参照)にほぼ平行な平行面と、所定箇所で下方に傾斜する傾斜面とを有している。前枠側取付補助部413の表面と上部ユニット側取付補助部411におけるカバー部材411bの底部表面とは、上部ユニット4を前枠106に取り付けた場合に、対面して配置されるように構成されている。
また、上部ユニット4を前枠106に取り付けるときに、カバー部材411bの底面の傾斜面は、前枠側取付補助部413の傾斜面に接する。このため、取り付け作業の際に、斜め上方からピン411aをピン差込口413aに挿入し易くなっており、上部ユニット4の取り付け作業の容易さが向上する。また、前枠側取付補助部413の表面の傾斜面は、上部ユニット4の自重(特に音声出力装置206の重量)によって上部ユニット4が前方から前枠106下側に向かう方向に回転する力をカバー部材411bの傾斜面から受けることができる。このため、上部ユニット4を前枠106に取り付けた際に、前枠側取付補助部413の前方端部の近傍に当該回転力が集中することを防止できる。このように、当該回転力が前枠側取付補助部413の所定箇所に局所的に加わりにくくなる。その結果、前枠側取付補助部413の破損や劣化を抑制することができる。
次に、上部ユニット4を前枠106に取り付ける手順の2段階目に相当する、本止めに用いられる本止部43について図8および図11を用いて説明する。図11では、上部ユニット4が前枠106に本止め(固定)されている状態(本止め状態)における本止部43が設けられた領域の前枠106の背面が図示されている。前枠106と上部ユニット4とを本止めする本止部43は、上部ユニット側本止部403(図8参照)および前枠側本止部404で構成されている。本止め状態では、上部ユニット側本止部403は前枠側本止部404に覆われる。このため、図11に示すように、上部ユニット側本止部403は前枠106の背面側から視認できなくなる。また、前枠側本止部404は前枠106の背面に設けられている。このため、前枠側本止部404は前枠106が閉鎖されると露出しない。つまり、本止部43は、前枠106が開放状態の場合に露出し、かつ前枠106が閉鎖状態の場合に露出しない領域に設けられている。
図8に示すように、上部ユニット側本止部403は、ベース部材40の背面に設けられている。上部ユニット側本止部403は、後側の樹脂板400bに形成された貫通孔431a〜431fを有している。以下、貫通孔431a〜431fを「貫通孔431」と総称する場合がある。6つの貫通孔431は、上部ユニット4を前枠106に本止めする際にねじを挿通するために設けられている。また、ベース部材40の内部に設けられた金属部材400c(図9参照)には、後側の樹脂板400bの貫通孔431a〜431fに対応する箇所に形成されている貫通孔の内壁面に、雌ねじが切られている。
貫通孔431は、ベース部材40の左右端部の上下方向の中央から上側領域に所定の広がりを持って設けられている。具体的には、ベース部材40の上端の左右方向の中心に直交する仮想線を対称軸として、貫通孔431aおよび貫通孔431fがほぼ線対称となり、貫通孔431cおよび貫通孔431dがほぼ線対称の関係になるように設けられている。貫通孔431bおよび貫通孔431eは、他の構成要素の配置位置を確保するため非対称となっている。この配置により、本止め状態において本止部43からベース部材40に対して掛かる力が、ベース部材40の特定箇所に集中せずにベース部材40全体に分散される。これにより、上部ユニット4を前枠106に取り付けた状態の安定性の向上が図られる。
次に、前枠側本止部404について、図11を用いて説明する。図11に示すように、前枠側本止部404は、前枠106の背面に設けられている。前枠側本止部404は、上部ユニット4を前枠106に仮止めした場合に、上部ユニット側本止部403に設けられている貫通孔431a〜431f(図8参照)とほぼ重なる位置に6つの貫通孔を有している。この6つの貫通孔には、本止ねじ433a〜433fが挿通される。以下、本止ねじ433a〜433fを「本止ねじ433」と総称する場合がある。
本止ねじ433は、上部ユニット側本止部403と前枠側本止部404とを工具を用いずに固定することのできる部材である(例えばユリアねじ)。6本の本止ねじ433それぞれを、前枠側本止部404の貫通孔および上部ユニット側本止部403の貫通孔431に挿通して回転させると、ベース部材40における金属部材400cの貫通孔の内壁面に切られた雌ねじに本止ねじ433の外壁面に切られた雄ねじがかみ合う。これにより、上部ユニット側本止部403と前枠側本止部404とが固定される。図11は、本止ねじ433を前枠側本止部404の貫通孔に取り付けた状態を図示している。上部ユニット側本止部403が前枠側本止部404に固定されることにより、上部ユニット4が前枠106に本止めされる。また図11に示すように、前枠106の上部右側に第二リンクレバー開口部490が形成されている。第二リンクレバー開口部490は、上部ユニット4を前枠106に取り付けた場合に、上部ユニット4に形成されている第一リンクレバー開口部489とほぼ重なる位置に形成されている。第一リンクレバー開口部489と第二リンクレバー開口部490とを介して、上部ユニット4を変形させる際に用いられるリンクレバー460が突出している。リンクレバー460についての詳細は後述する。
また、遊技機100において、上部ユニット4側で発生する静電気等は、ベース部材40を構成する金属部材400cから前枠106側の配置された金属部材を通る誘電経路によって除去可能である。具体的な誘電経路としては、例えば上部ユニット側仮止部421の留具421bを構成する金属部材400cから、金属製の棒状部材421aを介して前枠側仮止部423を構成する金属板を通る導電経路や、上部ユニット側本止部403の貫通孔431と対応するように金属部材400cに設けられた貫通孔から本止ねじ433を通る導電経路等がある。
上述のように、本止めの前段階の仮止め状態では、上部ユニット4の上部が仮止部42で支持され、上部ユニット4の左右の下部が左右2つの取付補助部41(図2参照)の2点で支持される。つまり本止め時において、上部ユニット4は前枠106に3点で支持される。これにより、前枠106に対して上部ユニット4が安定して仮止め状態を維持し、貫通孔431と前枠106の貫通孔の位置のずれを防止することができ、貫通孔431と前枠106の貫通孔の位置合わせが容易となっている。このため、仮止め状態時には、前枠106の背面側から前枠側本止部404の貫通孔を介して上部ユニット側本止部403の貫通孔431a〜431fに本止ねじ433a〜433fを容易に挿通できる。
〔上部ユニットの着脱方法〕
次に、本実施形態における上部ユニット4の着脱方法について図2および図8を参照しつつ図9および図12から図18を用いて説明する。図12は、上部ユニット4の取り付け方法の手順1を示す図である。図13は、上部ユニット4の取り付け方法の手順2を示す図である。図14は、上部ユニット4の取り付け方法の手順3を示す図である。図15は、上部ユニット4の取り付け方法の手順4を示す図である。図15は、理解を容易にするため、カバー部材411bの図示が省略されている。図16は、図15に示す仮止部42の近傍を拡大して示す斜視図である。図17は、上部ユニット4の取り付け方法の手順5を示す図である。図18は、上部ユニット4の取り付け方法の手順6を示す図である。まず、上部ユニット4を前枠106に取り付ける方法について説明する。
図12に示すように、取付け作業者(以下単に「作業者」という)は、上部ユニット4を持ち上げ、上部ユニット側取付補助部411のピン411aを前枠側取付補助部413のピン差込口413a(図13参照)に差し込める位置に持っていく(手順1)。その際に、作業者は上部ユニット4の前面を作業者の方向に傾けて、第一補助印411cを第二補助印413cに近づける。
次に、図13に示すように作業者は、ピン411aをピン差込口413aに差し込む(手順2)。具体的には、作業者は、まず、第一補助印411cの逆三角形の印および第二補助印413cの三角形の印を目安にしてピン411aをピン差込口413aの長孔の手前側に挿入すると(手順2)、図14に示すように、前枠側取付補助部413の上面と上部ユニット側取付補助部411の底面との接点を支点にして上部ユニット4を前枠106方向(太矢印方向)に回転させる(手順3)。具体的には、上部ユニット側仮止部421(図8参照)を前枠側仮止部423に近づけるように回転(移動)させる。
次に、図15および図16に示すように作業者は、上部ユニット側仮止部421の棒状部材421aを前枠側仮止部423におけるフック423aのフック傾斜部440の傾斜面に合わせる(手順4)。さらに作業者は、棒状部材421aをフック傾斜部440の傾斜面に接触させた後に、棒状部材421aをフック傾斜部440の傾斜面を滑らせながら前枠106方向に移動させて、図9および図17に示すように、棒状部材421aにフック423aの頂部442を乗り越えさせる(手順5)。これにより、棒状部材421aが係止部441に係止される。こうして、上部ユニット側仮止部421が前枠側仮止部423に取り付けられて、仮止部42において上部ユニット4が前枠106に仮止めされる。仮止め状態では、上部ユニット4の背面の樹脂板400b(図8参照)が前枠106の上部前面にほぼ密着した状態となる。
また、上述のように、上部ユニット側仮止部421は、金属製の棒状部材421aおよび金属部材400cと一体形成されている留具421bで構成され、さらに前枠側仮止部423は金属板で形成されている。つまり、上部ユニット側仮止部421と前枠側仮止部423とは、金属部材同士で係止される。このため、本実施形態による遊技機100は、撓み等の問題が発生することなく、確実に上部ユニット側仮止部421を前枠側仮止部423に係止可能となる。
上述の手順4および手順5の作業においても、作業者は取付補助部41を支点として、安定した状態で上部ユニット側仮止部421を前枠側仮止部423に取り付けることができる。このように、本実施形態による遊技機100は、取付補助部41を備えることにより、安全、かつ安定した状態での仮止め作業が可能となっている。また、仮止め状態では、作業者が手を放しても上部ユニット4が脱落しない。このため、作業者が少人数(例えば一人)で合っても、安定した状態で前枠106への上部ユニット4の取り付け作業を継続することができる。なお、上述の手順1〜5の工程が上部ユニット4の取り付け方法における仮止め工程に相当する。また、仮止め工程時に、上部ユニット4(より詳細には、上部ユニット4における演出照明装置204および音声出力装置206を制御する回路基板450,451)と、前枠106とを電気的に接続(例えばコネクタによる接続等)を行うようにしてもよい。
次に、図18に示すように作業者は、前枠106を開けて、前枠106の裏面側の6つの貫通孔にそれぞれ本止ねじ433a〜433fを取り付ける(手順6)。この手順6の工程が、上部ユニット4の取り付け方法における本止め工程に相当する。図18に示すように、前枠106は、背面側に本止部43を構成する前枠側本止部404を有している。つまり、本止部43は、前枠106が開放状態の場合に露出し、前枠106が閉鎖状態の場合に露出しない領域に設けられている。
図18に示すように作業者は、前枠106を開けて、前枠側本止部404の貫通孔にそれぞれ本止ねじ433a〜433fを取り付ける。前枠側本止部404には、上部ユニット側本止部403に設けられている貫通孔431a〜431fと同じ位置に貫通孔が設けられている。このため、前枠側本止部404の貫通孔に挿入された本止ねじ433a〜433fの雄ねじが、上部ユニット側本止部403の貫通孔431a〜431fを介して金属部材400cの内壁の雌ねじにかみ合って固定される。これにより、本止ねじ433によって前枠側本止部404が上部ユニット側本止部403にねじ止めされて、上部ユニット側本止部403が前枠側本止部404に取り付けられる。その結果、図18に示すように本止部43において上部ユニット4が前枠106に本止めされる。このように、遊技機100において、上部ユニット4は、仮止部42と本止部43とによって前枠106に取り付け可能に構成されている。
また上述したように、本実施形態による遊技機100において上部ユニット4は、本止め時には仮止部42において仮止め状態となっている。また、仮止め状態において上部ユニット4は、仮止部42および2ヶ所の取付補助部41によって3点で支持されている。このため、本止めの作業時において上部ユニット4は前枠106に安定的に支持されており、作業者が少人数(例えば一人)であっても本止め作業を容易に行うことができる。また、仮止め状態では、前枠106に対する上部ユニット4の位置ずれが防止されるため、前枠側本止部404の貫通孔と上部ユニット側本止部403に設けられている貫通孔431a〜431fとの位置合わせが容易となる。さらに、遊技機100において、前枠側本止部404を構成する本止ねじ433a〜433fは、例えばユリアねじであって、工具を用いることなく手で容易にねじ止めが可能である。このように、遊技機100は、前枠106に取り付けられている上部ユニット4の交換作業が煩雑になることを防止し、上部ユニット4を容易に交換することができる。
作業者が上部ユニット4を前枠106に本止めした後に前枠106を閉じて施錠する。これにより、前枠側本止部404は遊技盤108の上部等と対面し、遊技中に触れることができなくなる。つまり、前枠106を閉じている間には、上部ユニット4を前枠106から取り外すことはできなくなる。
また、遊技機100は、取付補助部41、仮止部42および本止部43を有することで、上部ユニット4を前枠106から取り外す作業も容易に行うことができる。例えば、本止部43における本止ねじ433a〜433fは、作業者が手で容易に取り外すことができる。さらに、上部ユニット4の取り外し時において、本止部43における本止め状態が解除されて仮止め状態になった場合も、上述のように上部ユニット4は前枠106に対して3点で支持されているため、意図せずに上部ユニット4が前枠106から脱落することなく、安定性が維持された状態で取り外し作業を継続することができる。このため、作業者が少人数(例えば一人)であっても前枠106から上部ユニット4を安全に取り外すことができる。このように、遊技機100は、前枠106に取り付けられている上部ユニット4の交換作業が煩雑になることを防止し、上部ユニット4を容易に交換することができる。なお、上部ユニット4を前枠106から取り外す場合には、上述の上部ユニット4の取り付け作業と逆の手順によって、上部ユニット4を前枠106から取り外すことができるため、詳細な説明は省略する。
以上説明したように、本実施形態による遊技機100は、基体(外枠102、内枠104)に対して開閉自在に取り付けられた前枠106と、前枠106に取り付けられる上部ユニット4とを備え、上部ユニット4は、前枠106と上部ユニット4とを仮止めする仮止部42、および前枠106と上部ユニット4とを本止めする本止部43によって前枠106に取り付け可能とされており、本止部43は、前枠106が開放状態の場合に露出し、前枠106が閉鎖状態の場合に露出しない領域に設けられている。
当該構成を備えた本実施形態による遊技機100によれば、仮止め状態を経て本止め工程を実行可能であるため本止め工程における作業が容易となり、さらに仮止め工程および本止め工程のいずれも、ドライバー等の工具を用いずに行うことができる。したがって、遊技機100は、上部ユニット4の交換作業が煩雑になることを防止して交換作業の負担軽減を図ることができるとともに、上部ユニット4を容易に交換することができる。
また遊技機100は、上部ユニット4を交換可能な盤面部品とすることで、盤面交換時(例えば遊技盤108の交換時)に合わせて上部ユニット4も交換でき、従来と比して低コストで新台感を出すことができる。
また遊技機100は、上部ユニット4を容易に着脱できるが、前枠106を開放しなければ本止ねじ433を外すことができない。また、前枠106は通常は専用の鍵によって施錠されている。これにより、遊技機100は、遊技者が上部ユニット4を取り外すことが不可能に構成される。
(遊技機の施錠に関する構成)
次に図1を参照しつつ、図19から図30を用いて遊技機100の施錠に関する構成について説明する。施錠に関する構成には、施錠被係止部5、錠前6、施錠機構60および浮き防止機構115(上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8)が含まれる。
まず、図1を参照しつつ図19を用いて前枠106側に配置された施錠に関する機構の構成要素について説明する。図19は、上部ユニット4が取り付けられた前枠106の背面斜視図である。図1に示すように、施錠に関する各構成は、前枠106および内枠104に設けられている。図19に示すように、前枠106には施錠に関する機構のうち、施錠被係止部5、上部浮き防止機構7を構成する前枠上部フック71および下部浮き防止機構8を構成する前枠下部フック81が設けられている。なお、図19では、理解を容易にするため演出操作装置208の図示は省略している。
図19に示すように、前枠106の自由端(右端部)には、3つの施錠被係止部5が取設けられている。施錠被係止部5は、上述のように内枠104側に設けられた施錠機構60(図1参照)との間に係止関係を形成して前枠106を内枠104に対して閉鎖状態に維持するための構成である。3つの施錠被係止部5は、前枠106の自由端に配置された右背面板150に形成されている。右背面板150は、平面視においてコの字形状を有する金属性の薄板部材で形成されており、前枠106の自由端に沿って上下方向に延伸する長尺部材である。右背面板150は、前枠106の自由端から後方に突出した側面150aと、側面150aを前枠106の左端部方向に折り曲げた背面150bと、背面150bと対向する前面150c(後述の図26参照)とを有している。
図19に示すように、3つの施錠被係止部5は、前枠106の背面側において右背面板150の背面150bの上下方向に離間して設けられている。本例では、3つの施錠被係止部5を上から順に施錠被係止部5a,5b,5cとする。図19に示すように、施錠被係止部5a,5b,5cのうち、施錠被係止部5b,5cは鍵穴露出部50を挟んで設けられている。また、施錠被係止部5a,5b,5cは、それぞれ矩形状の開口端250を有している。開口端250には、前枠106の閉鎖時において、施錠機構60に形成された後述する前枠係止爪621が挿通される。
次に、上部浮き防止機構7を構成する前枠上部フック71について説明する。図19に示すように、前枠106の背面側の上部には、前枠上部フック71が設けられている。前枠上部フック71は、前枠106背面の上部に配置された前枠側本止部404の中央領域において、後方、つまり内枠104に向かって突出して設けられている。前枠上部フック71は、前枠106の背面上部から垂直に突出しており、前枠106の左方向に直角に屈曲する被係止部71aを有している。
上述のように、前枠106の前面側には、所定の重量を有する第一部材14、第二部材15および第三部材16を有する上部ユニット4が取り付けられている。このため、遊技機100において、上部ユニット4が設置された状態の前枠106には、主に音声出力装置206の重量によって上部ユニット4が前枠106の下側方向に回転する力(回転力)が加えられている。常態として前枠106に当該回転力が加わっていると、施錠機構60(図1参照)によって前枠106が施錠された前枠施錠状態であっても、前枠106の上部と基体(内枠104および外枠102)上部との間に浮きが生じ得る。また浮きの発生に伴い、当該浮き部分に針金等の不正器具を挿入して不正解錠を図る等の不正行為が行われるおそれが生じる。そこで本実施形態による遊技機100は、上部ユニット4の背面側において、上部浮き防止機構7を構成する前枠上部フック71を配置することで、内枠104の上部に設けられた内枠上部浮き防止ユニット70との間に係止関係を形成可能に構成されている。これにより、前枠106の上部において浮きの発生を防止することができ、不正行為に対する強度を向上することができる。
次に、下部浮き防止機構8を構成する前枠下部フック81について説明する。図19に示すように、前枠106の背面側の下部中央領域には、前枠下部フック81が設けられている。なお、本例において前枠下部フック81は、前枠上部フック71よりも右寄り、つまり前枠106の自由端(右端部)寄りに設けられている。つまり、前枠下部フック81は、内枠104に対する前枠106の閉鎖時において、前枠上部フック71よりも施錠機構60寄りとなるように設けられている。しかしながら、本発明はこれに限られない。前枠下部フック81は、前枠106の背面下部において、前枠上部フック71と同様に中央領域に設けられていてもよい。また前枠上部フック71を、前枠106の背面上部において、前枠下部フック81に合わせて前枠106の右端部寄りに設けてもよい。
また前枠下部フック81は、前枠106の背面下部から垂直に突出しており、前枠106の左方向に直角に屈曲する被係止部81aを有している。本例において、前枠下部フック81と前枠上部フック71とは、同等のサイズ、形状を有している。しかしながら、本発明はこれに限られない。前枠上部フック71と前枠下部フック81とは、上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8のそれぞれへの負荷状態に応じて、サイズや形状が異なっていてもよい。
例えば上部ユニット4の重量が増加し、これに伴って前枠106の上部を係止する上部浮き防止機構7への負荷が増大する場合には、前枠上部フック71の形状を大きくしたり、前枠上部フック71をより強固にする形状に形成したりしてもよい。これにより、上部浮き防止機構7は、負荷が増大した場合にも前枠106の上部と内枠104との係止関係を安定して維持することができる。また、例えば遊技球が貯留される下皿の重量が増加し、これに伴って前枠106の下部を係止する下部浮き防止機構8への負荷が増大する場合には、前枠下部フック81の形状を大きくしたり、前枠下部フック81をより強固にする形状に形成したりしてもよい。これにより、下部浮き防止機構8は、負荷が増大した場合にも前枠106の下部と内枠104との係止関係を安定して維持することができる。また、負荷状態に応じて前枠上部フック71および前枠下部フック81のそれぞれを形成する場合、前枠上部フック71のサイズが前枠下部フック81よりも大きくなってもよいし、前枠下部フック81のサイズが前枠上部フック71より大きくなってもよい。
また、前枠106の前面下部には払い出された遊技球が貯留される下皿(不図示)が設けられており、前枠下部フック81は下皿の背面に配置されている。下皿は、遊技球を貯留するという特性上、遊技機100の正面側に突出する凹凸形状をなしており、例えば針金を用いた不正解錠、所謂「針金ゴト」を行う者は、下皿を把持して前枠106の下部と基体(内枠104および外枠102)の下部との間に隙間(浮き)を生じさせ、前枠106をこじ開ける場合がある。そこで本実施形態による遊技機100は、下皿の背面側において、下部浮き防止機構8を構成する前枠下部フック81を配置することで、内枠104の下部に設けられた内枠下部浮き防止ユニット80との間に係止関係を形成可能に構成されている。これにより、前枠106の下部、特に下皿近傍におけるにおいて浮きの発生を防止することができ、不正行為に対する強度を向上することができる。
なお、前枠上部フック71は、前枠106の左方向に直角に屈曲する被係止部71aを有し、前枠下部フック81の被係止部81aも同様の構成であるとしたが、本発明はこれに限られない。浮き防止機構115において前枠106の上部および下部に設けられるフック(前枠上部フック71、前枠下部フック81)の被係止部(被係止部71a,81a)は、同一の方向に屈曲していてもよいし、互いに異なる方向に屈曲していてもよい。例えば、前枠上部フック71の被係止部71aおよび前枠下部フック81の被係止部81aは、いずれも右方向に屈曲していてもよい。また、前枠上部フック71の被係止部71aは左方向に屈曲し、前枠下部フック81の被係止部81aは右方向に屈曲していてもよい。また、その逆に、前枠上部フック71の被係止部71aは右方向に屈曲し、前枠下部フック81の被係止部81aは左方向に屈曲していてもよい。
次に、図1を参照しつつ図20および図21を用いて、内枠104に設けられた施錠に関する機構について説明する。図20は施錠に関する機構のうち内枠104(図1参照)に設けられた構成要素(錠前6、施錠機構60、内枠上部浮き防止ユニット70および内枠下部浮き防止ユニット80)の前面側斜視図であり、図21は施錠に関する機構のうち内枠104に設けられた構成要素の背面側斜視図である。図20および図21では、理解を容易にするため、施錠に関する機構の各構成を内枠104から取り外した状態で図示している。また図20および図21では、内枠上部浮き防止ユニット70を覆う上部カバー72、および内枠下部浮き防止ユニット80を覆う下部カバー82(図1参照)の図示は省略している。
図20および図21に示すように、内枠104(図1参照)側には施錠に関する機構の構成要素として、錠前6と連動する施錠機構60、上部浮き防止機構7を構成する内枠上部浮き防止ユニット70、下部浮き防止機構8を構成する内枠下部浮き防止ユニット80が設けられている。施錠機構60は、上下方向に延在する長尺の部材であって、錠前6の鍵穴6aに挿入されたキーの反時計回り方向の回転(左回転)操作に連動して上方向にスライド(上動)可能な第1連動部材62と、錠前6の鍵穴6aに挿入された不図示のキーの時計回り方向の回転(右回転)に連動して下方向にスライド(下動)可能な第2連動部材63と、を有している。施錠機構60は、第1連動部材62および第2連動部材63が左右に積層された状態で、内枠104の自由端(右端部)の内側に上下方向に沿って配置されている(図1参照)。内枠104の自由端側に配置された状態において、第1連動部材62に設けられた3つの前枠係止爪621(前枠係止爪621a,621b,621c)は、前枠106に向かって突出している。これにより、施錠機構60は、前枠106の閉鎖時において、前枠106の背面の自由端側に配置された施錠被係止部5と係止関係を形成可能に構成されている。
図20および図21に戻って、施錠機構60の上端部の左側には内枠上部浮き防止ユニット70が配置されている。内枠上部浮き防止ユニット70は、左右方向に延在する長尺の部材であって、施錠機構60の第1連動部材62の上動に連動して左方向にスライド可能な上部フック係止竿73と、施錠機構60の第2連動部材63の下動に連動して左方向にスライド可能な内枠解錠連動竿75とを有している。
詳しくは後述するが、上部フック係止竿73は、第1連動部材62の上端部と上部フック係止竿73の右端部との間に配置された上部第1連動カム74によって、第1連動部材62と連動している。また、内枠解錠連動竿75は、第2連動部材63の上端部と内枠解錠連動竿75の右端部との間に配置された上部第2連動カム76によって、第2連動部材63と連動している。また、上部フック係止竿73は、中央領域に上部フック係止部731を有しており、前枠106に設けられた前枠上部フック71(図1参照)を係止可能に構成されている。また、内枠解錠連動竿75は内枠104の開閉時における上部ユニット4の変形に用いられる構成であって、施錠に関する構成には該当しない。内枠解錠連動竿75の構成の詳細については、上部ユニット4の変形に係る構成として後述する。
内枠上部浮き防止ユニット70は、上部フック係止竿73および内枠解錠連動竿75が上下に積層された状態で内枠104の上辺の内側に左右方向に沿って配置されており、上面および前面側を上部カバー72に覆われている(図1参照)。上部フック係止竿73および内枠解錠連動竿75は、不図示のかしめ部品により、上部カバー72に対して左右方向に可動(スライド)可能に支持されている。つまり、内枠上部浮き防止ユニット70の上部フック係止竿73および内枠解錠連動竿75は、上部カバー72を介して内枠104の上辺に接続され、内枠104の上片を幅(左右)方向に沿ってスライド可能に構成される。
内枠104の上辺内側に配置された状態において、上部カバー72の中央に設けられた開口端72aからは上部フック係止部731が露出している。また開口端72aは、前枠106の背面の上部中央に設けられた前枠上部フック71と対向する位置に設けられている。これにより、内枠上部浮き防止ユニット70は、前枠106の閉鎖時において、前枠106の背面上部に設けられた前枠上部フック71と係止関係を形成可能に構成されている。内枠上部浮き防止ユニット70と前枠上部フック71とが係止関係を形成することで、上部浮き防止機構7は、前枠106への外力によって前枠106の上部と基体(内枠104および外枠102)の上部との間に間隙が生じる上部浮き状態(浮き状態の一例)の発生を防止する浮き防止状態となる。
ここで、上部浮き状態を生じさせる前枠106への外力とは、前枠106に対して外部から作用する力であり、例えば上述した音声出力装置206の重量により上部ユニット4が前枠106の下側方向に回転する力(回転力)や、不正解錠(所謂「針金ゴト」)を行う者が不正用器具(例えば針金等)を差し込む意図で前枠106を手前方向に引っ張る力等を示す。なお、遊技機100は、設計上の隙間(クリアランス)として0.5ミリメートル以上0.9ミリメートル以下程度の範囲(以下、「設計範囲」という)内の幅を有する間隙が前枠106と基体との間に生じることを許容している。この設計範囲内の幅の間隙であれば、不正用器具の差し込みや異物の混入等が生じるおそれは極めて低い。一方で、例えば上述の外力等によって前枠106と基体との間に約1.5ミリメートル以上の幅の間隙が生じると、不正用器具の差し込みや異物の混入等が生じるおそれがある。つまり、上部浮き防止機構7は、内枠上部浮き防止ユニット70と前枠上部フック71とが係止関係を形成することで上部浮き防止状態なり、これにより、前枠106と基体との間に許容可能な所定幅(ここでは、上述の設計範囲内の幅)を超える幅(例えば、約1.5ミリ以上の幅)の間隙が生じることを防止することができる。
図20および図21に戻って、施錠機構60の下端部の左側には内枠下部浮き防止ユニット80が配置されている。内枠下部浮き防止ユニット80は、左右方向に延在する部材であって、施錠機構60の第1連動部材62の上動に連動して左方向にスライド可能な下部フック係止竿83を有している。詳しくは後述するが、下部フック係止竿83は、第1連動部材62の下端部と下部フック係止竿83の右端部との間に配置された下部連動カム86によって、第1連動部材62と連動している。また、下部フック係止竿83は、左領域に下部フック係止部830を有しており、前枠106の下部に設けられた前枠下部フック81(図1参照)を係止可能に構成されている。
内枠下部浮き防止ユニット80は、下部フック係止竿83の上面および前面側を下部カバー82に覆われて、内枠104の下辺の内側に左右方向に沿って配置されている(図1参照)。また、下部フック係止竿83は、不図示のかしめ部品により、下部カバー82に対して左右方向に可動(スライド)可能に支持されている。つまり、内枠下部浮き防止ユニット80の下部フック係止竿83は、下部カバー82を介して内枠104の下部背面に接続され、内枠104の下部背面の幅(左右)方向に沿ってスライド可能に構成される。
内枠104の下辺内側に配置された状態において、下部カバー82の中央に設けられた開口端82aからは下部フック係止部830が露出している。また開口端82aは、前枠106の背面の下部に設けられた前枠下部フック81と対向する位置に設けられている。これにより、内枠下部浮き防止ユニット80は、前枠106の閉鎖時において、前枠106の背面下部に設けられた前枠下部フック81と係止関係を形成可能に構成されている。内枠下部浮き防止ユニット80と前枠下部フック81とが係止関係を形成することで、下部浮き防止機構8は、前枠106への外力によって前枠106の下部と基体(内枠104および外枠102)の下部との間に間隙が生じる上部浮き状態(浮き状態の一例)の発生を防止する浮き防止状態となる。
ここで、下部浮き状態を生じさせる前枠106への外力は、上述した上部浮き状態を生じさせる前枠106への外力と同様(上部ユニット4の回転力や不正解錠を行う者が前枠106を引っ張る力等)である。下部浮き防止機構8は、内枠下部浮き防止ユニット80と前枠下部フック81とが係止関係を形成することで下部浮き防止状態なり、これにより、前枠106と基体との間に許容可能な所定幅(ここでは、上述の設計範囲内の幅)を超える幅(例えば、約1.5ミリ以上の幅)の間隙が生じることを防止することができる。
ここで、図19から図21を参照しつつ、図22を用いて、内枠104に設けられた施錠機構60および内枠上部浮き防止ユニット70の構成の詳細を説明する。図22は施錠機構60および上部浮き防止機構7の構成例を示す図である。具体的には、図22(a)は施錠機構60および上部浮き防止機構7の正面図、図22(b)は施錠機構60および上部浮き防止機構7の背面図、図22(c)は施錠機構60および上部浮き防止機構7の左側面図、図22(d)は施錠機構60および上部浮き防止機構7の右側面図、図22(e)は施錠機構60および上部浮き防止機構7の平面図、図22(f)は施錠機構60および上部浮き防止機構7の底面図である。なお、説明の都合上、図22(a)から図22(f)では、施錠機構60および上部浮き防止機構7とともに錠前6と前枠上部フック71とを示している。また図22(a)から図22(f)では、上部浮き防止機構7の構成要素のうち、施錠や浮き防止に係る構成に含まれない内枠解錠連動竿75および上部第2連動カム76の図示は省略している。
(施錠機構)
まず、施錠機構60の詳細な構成を説明する。図22(a)および図22(c)に示すように、施錠機構60は、金属製の薄板部材で形成された第1連動部材62を有している。第1連動部材62は、上下方向に延在する長尺部材である。第1連動部材62には複数(本例では、3つ)の前枠係止爪621が形成されている。本実施形態による遊技機100において、第1連動部材62には、上下両端と中央付近の合計3か所に前枠係止爪621が形成されており、これら3つの前枠係止爪621は内枠104(図1参照)の前方向へ突出している。本例では、3つの前枠係止爪621を、上から順番に前枠係止爪621a,621b,621cとする。
前枠係止爪621a,621b,621cのそれぞれは、先端が下方向に直角に屈曲する係止部62bと、係止部62bと対向して設けられた斜面62aとを有している。また、前枠係止爪621a,621b,621cのそれぞれは、前枠106(図1参照)が内枠104に対して閉じられた前枠施錠状態において、対向する前枠106の施錠被係止部5a,5b,5cそれぞれの開口端250(図19参照)に挿通しており、係止部62bが開口端250の周縁を係止している。これにより、施錠被係止部5が前枠係止爪621に係止され、内枠104に設けられた施錠機構60と前枠106との間に係止関係が形成される。このようにして、前枠106が内枠104に対して閉鎖された前枠施錠状態(施錠状態の一例)に維持される。
また、図22(a)に示すように、第1連動部材62の上端には、上部第1連動カム74と接触可能に構成された第1連動カム当接面624が設けられている。第1連動カム当接面624は、第1連動部材62の上端部に連接され、第1連動部材62の上端部から左方向に向けて直角に屈曲形成された平坦面である。詳しくは後述するが、第1連動部材62は、第1連動カム当接面624において上部第1連動カム74と接触することにより、第1連動部材62の上動に伴って、上部第1連動カム74を駆動することができる。
また、図22(a)に示すように、第1連動部材62の下端には、下部連動カム86と接触可能に構成された下部連動カム当接面626が設けられている。下部連動カム当接面626は、第1連動部材62の下端部において前枠係止爪621cの底部に連接され、前枠係止爪621cの底部から左方向に向けて直角に屈曲形成された平坦面である。詳しくは後述するが、第1連動部材62は、下部連動カム当接面626において下部連動カム86と接触することにより、第1連動部材62の上動に伴って、下部連動カム86を駆動することができる。
第2連動部材63は、第1連動部材62と同様に金属製の薄板部材で形成され、上下方向に延在する長尺部材である。第2連動部材63には複数(本例では、2つ)の外枠被係止爪631が形成されている。本実施形態による遊技機1100において、第2連動部材63には、上下両端の合計2か所に外枠被係止爪631が形成されており、これら2つの外枠被係止爪631は、内枠104の後方へ突出している。本例では、2つの外枠被係止爪631を、上から順番に外枠被係止爪631a,631bとする。また、外枠被係止爪631a,631bのそれぞれは、先端が上方向に直角に屈曲する被係止部63bを有している。外枠102(図1参照)の右端部(右辺)の前面には、上下方向に離間して不図示の係止孔が2つ設けられており、外枠被係止爪631a,631bのそれぞれは、内枠104が外枠102に対して閉じられた内枠施錠状態において、対向する外枠102の被係止孔に挿通しており、被係止部63bにおいて係止孔の周縁に係止されている。これにより、外枠102の係止孔が外枠被係止爪631を係止し、内枠104に設けられた施錠機構60と外枠102との間に係止関係が形成される。このようにして、内枠104が外枠102に対して閉鎖された内枠施錠状態(施錠状態の一例)に維持される。
また、第2連動部材63の上端には、上部第2連動カム76(図21参照)と接触可能に構成された第2連動カム当接面632が設けられている。図22(a)に示すように、第2連動カム当接面632は、第2連動部材63の上端部に連接され、第2連動部材63の上端部から、上部第2連動カム76が配置される左方向に向けて直角に屈曲形成された平坦面である。詳しくは後述するが、図21に示すように第2連動部材63は、第2連動カム当接面632において上部第2連動カム76と接触することにより、第2連動部材63の下動に伴って、上部第2連動カム76を駆動することができる。
図22(b)に戻って、第1連動部材62と第2連動部材63との間には弾性体であるコイルばね65が張架されている。コイルばね65は、例えば引っ張りコイルばねである。錠前6に設けられた鍵穴6aに挿入した不図示のキーを反時計回り方向に回転させる前枠解錠操作を行うと、この回転に伴って第1連動部材62が上方向へスライド(上動)する。これにより、コイルばね65が上方に引っ張られて付勢される。また、錠前6に設けられた鍵穴6aに挿入した不図示のキーを時計回り方向に回転させる内枠解錠操作を行うと、この回転に伴って第2連動部材63が下方向へスライド(下動)する。これにより、コイルばね65が下方に引っ張られて付勢される。
第1連動部材62および第2連動部材63は、図22(a)に示すように積層された状態で、内枠104(図1参照)の自由端(右端部)の内側に配置されている。具体的には、内枠104の自由端内部には不図示のベース部材(板金部材)が固定されており、積層された第1連動部材62および第2連動部材63は、不図示のかしめ部品によって当該ベース部材に対して上下方向に可動(スライド)可能に接続されている。つまり、施錠機構60の第1連動部材62および第2連動部材63は、当該ベース部材を介して内枠104の自由端内部に接続され、当該自由端の上下方向に沿ってスライド可能に構成される。
次に、施錠機構60と、錠前6と関連について説明する。図22(b)に示すように、錠前6は、背面側にカム板61が設けられている。カム板61は、錠前6の錠軸に取り付けられている。カム板61は、鍵穴6aに差し込んだキーを回転操作(解錠操作)した際に、その回転方向に応じて所定角度の範囲内を回転するようになっている。カム板61は、二股形状の駆動腕61a,61bを有しており、駆動腕61a,61bは、第1連動部材62と第2連動部材63とに挿通されている。具体的には、図22(d)に示すように、施錠機構60の下部において第1連動部材62と第2連動部材63とを貫通する長孔67a,67bが設けられており、駆動腕61aが長孔67aに挿通され、駆動腕61bが長孔67bに挿通されている。これにより、カム板61の回転方向に応じて、第1連動部材62と第2連動部材63とが上下いずれかの方向へ移動するようになっている。
遊技機100は、常態では、上述のように施錠機構60と前枠106との間に係止関係が形成されて前枠106が内枠104に対して施錠されるとともに、施錠機構60と外枠102との間に係止関係が形成されて内枠104が外枠102に対して施錠されている。そして、錠前6の鍵穴6aに差し込んだ図示せぬキーを一方向(例えば反時計回り)に回転操作(前枠解錠操作)すると、錠前6に設けられたカム板61が反時計回りに回転して、駆動腕61bによって第1連動部材62が上方に押し上げられる。これにより、第1連動部材62が上動する。第1連動部材62が上方向にスライド(上動)すると、第1連動部材62の前枠係止爪621a,621b,621cが一体となって上方向に移動し、3つの前枠係止爪621それぞれが有する係止部62bと、前枠106側において対応する3つの施錠被係止部5の開口端250(図19参照)との係止関係が断たれる。このため、施錠機構60と前枠106との係止関係が断たれて基体(内枠104、外枠102)に対して前枠106が解錠される。こうして施錠機構60は、基体に対する前枠106の開放を規制する前枠施錠状態から、基体に対する前枠106の開放を許容する前枠解錠状態となる。つまり、施錠機構60は、前枠解錠操作に基づいて前枠施錠状態から前枠解錠状態に遷移可能である。
また、錠前6の鍵穴6aに差し込んだキーを他方向(例えば時計回り)に回転操作(内枠解錠操作)すると、錠前6に設けられたカム板61が時計回りに回転して、駆動腕61aによって第2連動部材63が下方に押し下げられる。これにより、第2連動部材63が下方向へスライド(下動)すると、第2連動部材63の外枠被係止爪631a,631bが一体となって下方向に移動し、2つの外枠被係止爪631それぞれが有する被係止部63bと、外枠102側(図1参照)において対応する2つの係止孔(不図示)の周縁との係止関係が断たれる。このため、施錠機構60と外枠102との係止関係が断たれて、外枠102に対して内枠104が解錠される。こうして施錠機構60は、外枠102に対する内枠104の開放を規制する内枠施錠状態から、外枠102に対する内枠104の開放を許容する内枠解錠状態となる。つまり、施錠機構60は、内枠解錠操作に基づいて内枠施錠状態から内枠解錠状態に遷移可能である。このように、本実施形態において施錠機構60は、内枠104また前枠106の開放を規制する施錠状態(内枠施錠状態または前枠施錠状態)、又は、内枠104または前枠106の開放を許容する解錠状態(内枠解錠状態または前枠解錠状態)に可逆的に遷移可能に構成されている。
(内枠上部浮き防止ユニット)
次に、施錠機構60の上端側に上部第1連動カム74を挟んで配置された内枠上部浮き防止ユニット70について説明する。上述のように、内枠上部浮き防止ユニット70は、上部浮き防止機構7の構成要素である。ここでは、内枠上部浮き防止ユニット70のうち、前枠106(図1参照)に設けられた前枠上部フック71と係止関係を形成することで浮き防止状態を施錠に関する機構に相当する上部フック係止竿73の構成について詳細に説明する。
図22(a)に示すように、内枠上部浮き防止ユニット70は、金属製の薄板部材で形成された上部フック係止竿73を有している。図22(b)に示すように、上部フック係止竿73は、左右方向に延在する長尺部材であって、上部第1連動カム74に設けられた後述する駆動突起部744と当接する第1カム当接面735と、第1カム当接面735に連接され、第1カム当接面735の上方側の端部から左方向に向けて直角に屈曲形成される上面部730とを有している。
図21に示すように、第1カム当接面735は、矩形状の平坦面である。詳しくは後述するが、第1カム当接面735において上部第1連動カム74と接触することで、上部フック係止竿73は上部第1連動カム74を介して第1連動部材62の上動に連動可能に構成される。また、図20に示すように、上部フック係止竿73において上面部730の左端部は前方向に屈曲しており、当該左端部の先端には、樹脂製部材で形成されたリンクレバー第1解除部732が取り付けられている。図20に示すように、リンクレバー第1解除部732は上面部730の左端部からさらに前方に突出して設けられており、突出した前側の端部は右方向に屈曲している。詳しくは後述するが、リンクレバー第1解除部732は、前枠106の開放時において上部ユニット4の背面側の左上部に設けられたリンクレバー460(図8参照)を作動させるための構成である。上述のように、リンクレバー460は上部ユニット4を変形させる際に用いられる部材である。したがって、リンクレバー第1解除部732を有する上部フック係止竿73は、内枠解錠連動竿75と同様に上部ユニット4の変形に係る構成でもある。
図22(a)および図22(b)に戻って、上部フック係止竿73において上面部730の中央領域には、上部フック係止部731が形成されている。上部フック係止部731は、上部フック係止竿73の上面部730の中央領域から下向きに突出した矩形状の平坦面である。上部フック係止部731は、前枠106(図1参照)が内枠104に対して閉じられた前枠施錠状態において、前枠106の背面上部の中央領域に対面する。つまり、上部フック係止部731は、前枠上部フック71と対向するように設けられている。
前枠施錠状態において、前枠上部フック71は内枠上部浮き防止ユニット70の上面および前面を覆う上部カバー72(図1参照)の開口端72aに挿通し、前枠上部フック71の被係止部71aは対向する内枠104側に設けられた上部フック係止部731の左端部に係止される(図22(a)、図22(f)参照)。これにより、前枠上部フック71および上部フック係止部731を有する上部浮き防止機構7は、浮き防止状態となる。
遊技機100において、常態では、施錠機構60によって前枠106が内枠104に対して施錠された前枠施錠状態であることに伴い、上部浮き防止機構7は浮き防止状態となっている。また遊技機100において、前枠解錠操作により前枠106が解錠状態となることに伴い、内枠上部浮き防止ユニット70と前枠106に設けられた前枠上部フック71との間の係止関係が断たれ、上部浮き防止機構7の上部浮き防止発生状態が解除される。
(上部第1連動カム)
次に、施錠機構60の第1連動部材62および内枠上部浮き防止ユニット70のそれぞれと接触して、第1連動部材62と上部フック係止竿73とを連動させる上部第1連動カム74の構成を説明する。
図22(a)に示すように、上部第1連動カム74は、第1連動部材62の上端と、内枠上部浮き防止ユニット70における上部フック係止竿73の右端部との間に配置されている。上部第1連動カム74は、第1連動部材62の上端部に形成された第1連動カム当接面624および上部フック係止竿73の右端部に形成された第1カム当接面735に接触している。上部第1連動カム74は、第1連動部材62の上動を反時計回り方向の回転動作に変換して上部フック係止竿73を左方向にスライドさせる作用を奏する。
具体的には、上部第1連動カム74は、薄板部材で形成されたカム板741と、カム板741の下端部に設けられたカムベース部742とを有している。カム板741は、右側面視においてN形状に屈曲している(図22(c)参照)。図20に示すように、カムベース部742は円筒形状を有し、カム板741の前面から前方に向かって突出している。上部第1連動カム74のカム板741は、カムベース部742内に挿通されたかしめ部品742aによって内枠上部浮き防止ユニット70の上部カバー72(図1参照)に対して回転可能に接続されている。したがって、上部第1連動カム74はカムベース部742を軸として回転可能に構成されている。
図22(a)に戻って、上部第1連動カム74は、第1連動部材62に形成された第1連動カム当接面624と当接し、第1連動部材62の上動に伴って駆動される被駆動腕743を有している。被駆動腕743はカム板741と一体形成されており、カムベース部742の右側から後方に突出してさらに下向きに屈曲形成されている(図20参照)。また被駆動腕743は、円弧形状を有する下端部において、第1連動部材62の第1連動カム当接面624と当接している。このため、本実施形態において、被駆動腕743と第1連動カム当接面624との接触面積は、平坦面同士が接触する場合よりも小さくなっている。
また、上部第1連動カム74は、上部フック係止竿73の右端部に形成された第1カム当接面735と当接し、第1連動部材62の上動に伴って上部フック係止竿73を左方向にスライドさせる駆動突起部744を有している。図21に示すように、駆動突起部744は、カム板741においてカムベース部742の上方の端部に固定された円筒形状の突起部材であってカム板741の後方に突出している。駆動突起部744は、円弧形状の外周部において上部フック係止竿73の右端部の第1カム当接面735と当接している。このため、本実施形態において、駆動突起部744と第1カム当接面735との接触面積は、平坦面同士が接触する場合よりも小さくなっている。したがって、遊技機100における上部第1連動カム74は、連動する部材(第1連動部材62および内枠上部浮き防止ユニット70の上部フック係止竿73)との接触抵抗が小さくなるように構成されている。
施錠機構60の第1連動部材62が上述の前枠解錠操作によって上動すると、第1連動部材62の第1連動カム当接面624が上部第1連動カム74の被駆動腕743を上方向に押し上げる。これにより、被駆動腕743と一体形成されたカム板741はカムベース部742を軸に左方向(反時計回り)に回転する。これに伴い、駆動突起部744が固定されたカム板741の上端が第1カム当接面735に接触しながら左方向に倒れる。これにより、駆動突起部744に当接した上部フック係止竿73の第1カム当接面735に左方向への力が加わり、上部フック係止竿73が左方向に移動(スライド)される。上部フック係止竿73が左方向にスライドされると、前枠上部フック71の被係止部71aと、上部フック係止部731との係止関係が断たれる。これにより上部浮き防止機構7は、前枠解錠操作に基づいて浮き防止状態が解除された浮き防止解除状態となる。つまり、上部浮き防止機構7は前枠解錠操作に基づいて、浮き防止状態から浮き防止解除状態に遷移可能に構成されている。
図22(a)に示すように、上部第1連動カム74において、第1連動部材62に駆動される被駆動腕743の下端部とカム板741の回転軸となるカムベース部742との距離(上部第1カムベース距離)は、上部フック係止竿73の第1カム当接面735に当接する駆動突起部744とカムベース部742との距離(上部第2カムベース距離)よりも短い。このため、被駆動腕743の上動によりカムベース部742を軸にカム板741が回転する場合に、被駆動腕743および駆動突起部744の揺動角が同一であっても、揺動による移動量は、被駆動腕743の下端部よりも駆動突起部744が設けられたカム板741の上端の方が大きくなる。
このため、第1連動部材62が施錠機構60を前枠解錠状態に遷移させるほどには上動していない状態であっても、第1カムベース距離よりも第2カムベース距離が長くなるように形成されたカム板741を反時計回りに回転させることで、上部第1連動カム74は第1連動部材62の上動による被駆動腕743の下端部の移動量よりも大きく駆動突起部744が設けられたカム板741の上端を左方向に移動させることができる。つまり、上部第1連動カム74は、第1連動部材62の上動が施錠機構60を前枠解錠状態に遷移させるほどではない場合であっても、前枠上部フック71の被係止部71aと上部フック係止部731との係止関係が断たれる程度に上部フック係止竿73を左方向にスライドさせることができる。
したがって、上部浮き防止機構7は、上部第1連動カム74を介して第1連動部材62の上端部と連動することにより、前枠解錠操作が行われた場合において施錠機構60が前枠施錠状態から前枠解錠状態に遷移する前に、浮き防止状態から浮き防止解除状態に遷移可能に構成されている。このように、本実施形態による遊技機100は、上部浮き防止機構7が浮き防止解除状態になるタイミングが、施錠機構60が前記解錠状態になるタイミングと異なるように構成されている。
(内枠下部浮き防止ユニット)
次に、施錠機構60の下端側に下部連動カム86を挟んで配置された内枠下部浮き防止ユニット80について説明する。上述のように、内枠下部浮き防止ユニット80は、下部浮き防止機構8の構成要素である。図23(a)に示すように、内枠下部浮き防止ユニット80は、金属製の薄板部材で形成された下部フック係止竿83を有している。図21に示すように、下部フック係止竿83は、下部連動カム86に設けられた後述する駆動突起部864と当接する下部カム当接面835と、下部カム当接面835に連接され、下部カム当接面835の前方側の端部から左方向に向けて直角に屈曲形成される前面部84とを有している。下部カム当接面835と前面部84とは一体形成されている。
図21に示すように、下部カム当接面835は、矩形状の平坦面である。詳しくは後述するが、下部カム当接面835において下部連動カム86と接触することで、下部フック係止竿83は下部連動カム86を介して第1連動部材62の上動に連動可能に構成される。図23(a)に戻って、下部フック係止竿83の前面部84は、右端部において下部カム当接面835に連接されて幅方向(左右方向)に延在する延在部83aと、延在部83aの左端部から上方に向けてほぼ直角に屈曲形成された逆L字型の屈曲部83bとを有している。延在部83aと屈曲部83bとは一体形成されている。
延在部83aの左端部に連接された屈曲部83bの左端部には前枠下部フック81を係止可能な下部フック係止部830が設けられている。下部フック係止部830は、前枠106(図1参照)の開閉に伴って前枠下部フック81が挿通される挿通孔831と、前枠下部フック81を係止可能な下部フック係止面832とを有している。挿通孔831は、前方、つまり前枠106方向に開口した矩形状の貫通孔である。また、下部フック係止面832は、挿通孔831の左側縁部、つまり屈曲部83bの左端部に形成された平坦面である。下部フック係止部830は、前枠106が内枠104に対して閉じられた前枠施錠状態において、前枠106の背面下部の中央領域に対面する。つまり、下部フック係止部830は、前枠下部フック81と対向するように設けられている。
前枠施錠状態において前枠下部フック81は、内枠下部浮き防止ユニット80の上面および前面を覆う下部カバー82(図1参照)の開口端82aを介して下部フック係止部830に係止される。具体的には、て前枠下部フック81は、開口端82a(図1参照)を介して下部フック係止竿83の挿通孔831(図23(b)参照)に挿通し、さらに、前枠下部フック81の被係止部81aは、対向する内枠104側に設けられた下部フック係止面832に係止される。これにより、前枠下部フック81および下部フック係止部830を有する下部浮き防止機構8は、浮き防止状態となる。
遊技機100において、常態では、施錠機構60によって前枠106が内枠104に対して施錠された前枠施錠状態であることに伴い、下部浮き防止機構8は浮き防止状態となっている。また遊技機100において、前枠解錠操作により前枠106が解錠状態となることに伴い、内枠下部浮き防止ユニット80と前枠106に設けられた前枠下部フック81との間の係止関係が断たれ、下部浮き防止機構8の上部浮き防止発生状態が解除される。
(下部連動カム)
次に、施錠機構60の第1連動部材62および内枠下部浮き防止ユニット80のそれぞれと接触して、第1連動部材62と下部フック係止竿83とを連動させる下部連動カム86の構成を説明する。
図23(a)に示すように、下部連動カム86は、第1連動部材62の下端と、内枠下部浮き防止ユニット80における下部フック係止竿83の右端部との間に配置されている。下部連動カム86は、第1連動部材62の下端部に形成された下部連動カム当接面626および下部フック係止竿83の右端部に形成された下部カム当接面835に接触している。下部連動カム86は、第1連動部材62の上動を反時計回り方向の回転動作に変換して下部フック係止竿83を左方向にスライドさせる作用を奏する。
具体的には、下部連動カム86は、薄板部材で形成されカム板861と、カム板861の下端部に設けられたカムベース部862とを有している。図20に示すように、カムベース部862は円筒形状を有し、カム板861の前面から前方に向かって突出している。下部連動カム86のカム板861は、カムベース部862内に挿通されたかしめ部品862aによって内枠下部浮き防止ユニット80の下部カバー82(図1参照)に対して回転可能に接続されている。したがって、下部連動カム86はカムベース部862を軸として回転可能に構成されている。
また、図23(a)に示すように下部連動カム86は、第1連動部材62の上動に伴って駆動される被駆動腕863と、下部フック係止竿83の右端部に形成された下部カム当接面835と当接し、第1連動部材62の上動に伴って下部フック係止竿83を左方向にスライドさせる駆動突起部864を有している。下部連動カム86は、カム板861が屈曲しておらず、右側面視において平坦状である(図23(c)参照)ことを除いて、上部第1連動カム74(図22(a)参照)と同じ構造を有している。したがって、下部連動カム86は上部第1連動カム74と同等の作用効果を奏する。
このため、本実施形態において、下部連動カム86の被駆動腕863の下端部も被駆動腕743と同様に円弧形状を有しており、被駆動腕863と下部連動カム当接面626との接触面積は、平坦面同士が接触する場合よりも小さくなっている。また、駆動突起部864も上部第1連動カム74の駆動突起部744と同様に円筒形状を有しており、駆動突起部744と下部フック係止竿83の右端部に設けられた下部カム当接面835との接触面積は、平坦面同士が接触する場合よりも小さくなっている。したがって、遊技機100における下部連動カム86は、連動する部材(第1連動部材62および内枠下部浮き防止ユニット80の下部フック係止竿83)との接触抵抗が小さくなるように構成されている。
施錠機構60の第1連動部材62が上述の前枠解錠操作によって上動すると、第1連動部材62の下部連動カム当接面626が下部連動カム86の被駆動腕863を上方向に押し上げる。これにより、被駆動腕863と一体形成されたカム板861はカムベース部862を軸に左方向(反時計回り)に回転する。これに伴い、駆動突起部864が固定されたカム板861の上端が下部カム当接面835に接触しながら左方向に倒れる。これにより、駆動突起部864に当接した下部フック係止竿83の下部カム当接面835に左方向への力が加わり、下部フック係止竿83が左方向に移動(スライド)される。下部フック係止竿83が左方向にスライドされると、前枠下部フック81の被係止部81aと、下部フック係止部830の下部フック係止面832との係止関係が断たれる。これにより下部浮き防止機構8は、前枠解錠操作に基づいて浮き防止状態が解除された浮き防止解除状態となる。つまり、下部浮き防止機構8は前枠解錠操作に基づいて、浮き防止状態から浮き防止解除状態に遷移可能に構成されている。
図23(a)に示すように、上部第1連動カム74とほぼ同等の形状を有し、同等の作用効果を奏する下部連動カム86において、第1連動部材62に駆動される被駆動腕863の下端部とカム板861の回転軸となるカムベース部862との距離(下部第1カムベース距離)は、下部フック係止竿83の下部カム当接面835に当接する駆動突起部864とカムベース部862との距離(下部第2カムベース距離)よりも短い。このため、カムベース部862を軸にカム板8611が回転する場合に、被駆動腕863および駆動突起部864の揺動角が同一であっても、揺動による移動量は、被駆動腕863の下端部よりも駆動突起部864の方が設けられたカム板861の上端の方が大きくなる。
このため、第1連動部材62が施錠機構60を前枠解錠状態に遷移させるほどには上動していない状態であっても、下部第1カムベース距離よりも下部第2カムベース距離が長くなるように形成されたカム板861を反時計回りに回転させることで、下部連動カム86は、第1連動部材62の上動による被駆動腕863の下端部の移動量よりも大きく駆動突起部864が設けられたカム板741の上端を左方向に移動させることができる。つまり、下部連動カム86は、第1連動部材62の上動が施錠機構60を前枠解錠状態に遷移させるほどではない場合であっても、前枠下部フック81の被係止部81aと下部フック係止部830との係止関係が断たれる程度に下部フック係止竿83を左方向にスライドさせることができる。
したがって、下部浮き防止機構8は、内枠下部浮き防止ユニット80が下部連動カム86を介して第1連動部材62の下部と連動することにより、前枠解錠操作が行われた場合において施錠機構60が前枠施錠状態から前枠解錠状態に遷移する前に、浮き防止状態から浮き防止解除状態に遷移可能に構成されている。このように、本実施形態による遊技機100は、下部浮き防止機構8が浮き防止解除状態になるタイミングが、施錠機構60が解錠状態(本例では、前枠解除状態)になるタイミングと異なるように構成されている。なお、詳しくは後述するが、本実施形態による遊技機100において、浮き防止機構115を構成する上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8は、同等の作用効果を有するカム(上部第1連動カム74、下部連動カム86)を介して第1連動部材62と連動しているため、ほぼ同等のタイミングで浮き防止状態から浮き防止解除状態に遷移する。
(前枠解錠操作時における施錠に関する機構の動作)
次に、図24から図26を用いて、前枠開錠操作時における施錠機構60および浮き防止機構115の動作について説明する。図24は、基体(内枠104および外枠102)に対して前枠106を開放する場合に反時計回り方向に回転操作(前枠解錠操作)される錠前6と、錠前6の前枠解錠操作に連動した上部浮き防止機構7の動作説明図である。具体的には、図24(a)左側は、前枠施錠状態における錠前6、施錠機構60および浮き防止状態の上部浮き防止機構7の正面図であり、図24(a)右側は、前枠施錠状態における錠前6、施錠機構60および浮き防止状態の上部浮き防止機構7の背面図である。また、図24(b)左側は、錠前6に対する前枠解錠操作による施錠機構60の上動に連動して浮き防止解除状態となった上部浮き防止機構7の正面図であり、図24(b)右側は、錠前6に対する前枠解錠操作による施錠機構60の上動に連動して浮き防止解除状態となった上部浮き防止機構7の背面図である。図24(a)および図24(b)では、理解を容易にするため、長尺部材である施錠機構60および上部浮き防止機構7の一部の図示を省略している。
また、図25は、前枠解錠操作される錠前6と、錠前6の前枠解錠操作に連動した下部浮き防止機構8の動作説明図である。具体的には、図25(a)左側は、前枠施錠状態における錠前6、施錠機構60および浮き防止状態の下部浮き防止機構8の正面図であり、図25(a)右側は、前枠施錠状態における錠前6、施錠機構60および浮き防止状態の下部浮き防止機構8の背面図である。また、図25(b)左側は、錠前6に対する前枠解錠操作による施錠機構60の上動に連動して浮き防止解除状態となった下部浮き防止機構8の正面図であり、図25(b)右側は、錠前6に対する前枠解錠操作による施錠機構60の上動に連動して浮き防止解除状態となった下部浮き防止機構8の背面図である。図25(a)および図25(b)では、理解を容易にするため、長尺部材である施錠機構60および下部浮き防止機構8の一部の図示を省略している。
また、図26は、前枠106を開放するための錠前6の前枠解錠操作に連動して上動する第1連動部材62の動作の説明図である。具体的には、図26(a)は、前枠施錠状態における第1連動部材62および前枠106において施錠被係止部5(本例では施錠被係止部5c)が設けられた領域の左側面図であり、図26(b)は、前枠解錠状態における第1連動部材62および前枠106において施錠被係止部5cが設けられた領域の左側面図である。なお、理解を容易にするため、図26(a)および図26(b)において、前枠106は透過した状態で図示し、下部浮き防止機構8および下部連動カム86の図示は省略している。
図24(a)および図25(a)に示すように、施錠機構60の前枠施錠状態では、錠前6がいずれの方向にも解錠操作されていない。したがって、錠前6のカム板61が有する駆動腕61a,61bは、第1連動部材62と第2連動部材63とに挿通して静止している。これに伴い、第1連動部材62および第2連動部材63は、いずれも上下方向にスライドしていない。
このため、第1連動部材62上端の第1連動カム当接面624は、第2連動部材63上端の第2連動カム当接面632の下方に所定の間隔を設けた初期位置に維持されている(図24(a)参照)。初期位置に維持された第1連動部材62の第1連動カム当接面624は、上部第1連動カム74の被駆動腕743に対して力を加えていない状態で静止している。したがって、上部第1連動カム74のカム板741は回転せずに静止しており、これに伴って上部第1連動カム74の駆動突起部744も内枠上部浮き防止ユニット70の上部フック係止竿73の右端部に形成された第1カム当接面735に対して力を加えていない状態で静止している。
このため、上部フック係止竿73は左方向にスライドしていない初期位置に維持される。これにより図24右側に示すように、上部フック係止竿73の上部フック係止部731が前枠上部フック71の被係止部71aを係止した状態が維持される。このように、施錠機構60前枠施錠状態において、上部浮き防止機構7は内枠上部浮き防止ユニット70と前枠106とが係止関係を形成した浮き防止状態に維持される。
また、上述のように施錠機構60の前枠施錠状態では、第1連動部材62および第2連動部材63は、いずれも上下方向にスライドしていない。このため、第1連動部材62下端において、前枠係止爪621cの底部に連接された下部連動カム当接面626は、第2連動部材63下端に設けられた外枠被係止爪631bに近接する初期位置に維持されている(図25(a)右側参照)。初期位置に維持された第1連動部材62の下部連動カム当接面626は、下部連動カム86の被駆動腕863に対して力を加えていない状態で静止している。したがって、下部連動カム86のカム板861は回転せずに静止している。これに伴って、下部連動カム86の駆動突起部864も、内枠下部浮き防止ユニット80における下部フック係止竿83右端部の下部カム当接面835に対して力を加えていない状態で静止している。
このため、下部フック係止竿83は左方向にスライドしていない初期位置に維持される。これにより図25(a)右側に示すように、下部フック係止竿83の下部フック係止部830において前枠下部フック81が挿通孔831に挿通されて、前枠下部フック81の被係止部81aが下部フック係止面832に係止された状態が維持される。このように、施錠機構60の前枠施錠状態において、下部浮き防止機構8は内枠下部浮き防止ユニット80と前枠106とが係止関係を形成した浮き防止状態に維持される。
また、図26(a)に示すように、施錠機構60の前枠施錠状態において、前枠106の右背面板150に設けられた施錠被係止部5cの開口端250には、第1連動部材62の前枠係止爪621cが挿通している。具体的には前枠施錠状態において、前枠係止爪621cの係止部62bは開口端250の下側端部を係止し、前枠係止爪621cの斜面62a全体が開口端250内部(右背面板150の前面150cと背面150bとの間)に収容されている。なお、図26(a)において図示していないが、第1連動部材62において前枠係止爪621cの上方の設けられた前枠係止爪621a,621bも、それぞれ対応する施錠被係止部5a,5bの開口端250の下端部を係止している。これにより、前枠係止爪621a〜621cを有する施錠機構60と前枠106とが係止関係を形成した前枠施錠状態が維持される。なお、図示は省略するが、遊技店における特定の作業時などを除いて、施錠機構の前枠施錠状態中には通常、外枠被係止爪631a,631bが外枠103の係止孔(不図示)に係止された内枠施錠状態になっている。
このように、施錠機構60が前枠施錠状態である期間には、施錠機構60と前枠106とが係止関係を形成するとともに、上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8が前枠106と係止関係を形成し、前枠と基体(内枠104および外枠102)との間に間隙が生じる浮き状態の発生を防止する浮き防止状態となる。したがって、本実施形態による遊技機100は、施錠機構60による前枠106の施錠時(前枠施錠状態)において、不正解錠等の不正行為を防止可能である。
図24(a)左側に示す前枠施錠状態の施錠機構60において、前枠106を基体(内枠104および外枠102)に対して開放すべく鍵穴6aに不図示のキーを差し込み、反時計回り方向に回転させる前枠解錠操作を行うと、施錠機構60は前枠106の開放が可能な前枠解錠状態となる。
具体的には、図24(b)に示すように、前枠解錠操作に応じて錠前6のカム板61はキーの回転方向(本例では、反時計回り)に回転するため、駆動腕61aが第1連動部材62および第2連動部材63から離脱するとともに、駆動腕61bは第1連動部材62および第2連動部材63に挿通した状態で反時計回り方向へ回転し、駆動腕61bの回転に応じて第1連動部材62が上方向にスライドされる。これにより、第1連動部材62上端の第1連動カム当接面624も上動するため、第2連動部材63上端の第2連動カム当接面632との間隔は、図24(a)で示した前枠施錠状態における初期位置に比べて近接した状態となる。
ここで、施錠機構60の前枠解錠操作時における上部第1連動カム74および上部浮き防止機構7の動作について説明する。
第1連動カム当接面624の上動に伴い、上部第1連動カム74の被駆動腕743を上方向に押し上げる力が加えられて被駆動腕743が駆動される。これにより、図24(b)に示すように、被駆動腕743と一体形成されたカム板741はカムベース部742を軸に左方向(反時計回り)に回転する。これに伴い、駆動突起部744が設けられたカム板741の上端部が上部フック係止竿73の第1カム当接面735に接触しながら左方向に倒れことにより、第1カム当接面735に対して左方向に力が加わり、上部フック係止竿73が左方向にスライドする。
なお、図示は省略するが、内枠上部浮き防止ユニット70の背面側において上部フック係止竿73と上部カバー72(図1参照)との間には引っ張りばねが架け渡されている。当該引っ張りばねは、右端部が上部カバー72に支持され、左端部が上部フック係止竿73背面のばね支持部733(図21参照)に支持されている。例えば、錠前6に対して前枠解錠操作を行うと、上部フック係止竿73が左方向にスライドすることにより、内枠104の上辺に固定された上部カバー72とに張り渡された引っ張りばねは、左方向に引っ張られて付勢される。このため、前枠解錠操作時には、上部第1連動カム74の駆動突起部744から第1カム当接面735に対して当該引っ張りばねの付勢力に抗する強さで左方向への力が加わっている。
内枠上部浮き防止ユニット70において上部フック係止竿73が図24(a)に示す初期位置から左方向にスライドすると、これに伴って上部フック係止部731が左方向に移動する(図24(b)参照)。したがって、図24(b)左側に示すように、前枠上部フック71の被係止部71aが上部フック係止部731の右端部から離脱して上部フック係止部731と前枠上部フック71との係止関係が断たれる。このように、施錠機構60前枠解錠操作に伴って、上部浮き防止機構7は内枠上部浮き防止ユニット70と前枠106との係止関係が断たれて、浮き防止状態から浮き防止解除状態に遷移する。上部浮き防止機構7における浮き防止解除状態は、前枠106の開放を許容する開放許容状態にも相当する。
次に、施錠機構60の前枠解錠操作時における下部連動カム86および下部浮き防止機構8の動作について説明する。
また、上述のように、施錠機構60の前枠解錠操作が行われると、第1連動部材62に連動して前枠係止爪621cも上方向にスライドするため、前枠係止爪621c底部に連接された第1連動カム当接面624も合わせて上動する。このため、図25右側に示すように、下部連動カム当接面626は、第2連動部材63下端に設けられた外枠被係止爪631bとの間隔が初期位置に比べて離間した状態となる。
下部連動カム当接面626の上動に伴い、下部連動カム86の被駆動腕863を上方向に押し上げる力が加えられて被駆動腕863が駆動される。これにより、図25(b)に示すように、被駆動腕863と一体形成されたカム板861はカムベース部862を軸に左方向(反時計回り)に回転する。これに伴い、駆動突起部864が設けられたカム板861の上端部が下部フック係止竿83の下部カム当接面835に接触しながら左方向に倒れることにより、下部カム当接面835に対して左方向に力が加わり、下部フック係止竿83が左方向にスライドする。
なお、図示は省略するが、内枠下部浮き防止ユニット80の背面側において下部フック係止竿83と下部カバー82(図1参照)との間には、内枠上部浮き防止ユニット70の上部フック係止竿73と上部カバー72(図1参照)との間の引っ張りばねと同様の引っ張りばねが架け渡されている。当該引っ張りばねは、右端部が下部カバー82に支持され、左端部が下部フック係止竿83背面のばね支持部833(図21参照)に支持されている。例えば、錠前6に対して前枠解錠操作を行うと、下部フック係止竿83が左方向にスライドすることにより、内枠104の下部に固定された下部カバー82とに張り渡された引っ張りばねは、左方向に引っ張られて付勢される。このため、前枠解錠操作時には、下部連動カム86の駆動突起部864から下部カム当接面835に対して当該引っ張りばねの付勢力に抗する強さで左方向への力が加わっている。
内枠下部浮き防止ユニット80において下部フック係止竿83が図25(a)に示す初期位置から左方向にスライドすると、これに伴って下部フック係止部830(挿通孔831および下部フック係止面832)が左方向に移動する(図25(b)参照)。したがって、図25左側に示すように、前枠下部フック81の被係止部81aが下部フック係止面832の右端部から離脱して下部フック係止部830と前枠下部フック81との係止関係が断たれる。このように、施錠機構60前枠解錠操作に伴って、下部浮き防止機構8は内枠下部浮き防止ユニット80と前枠106との係止関係が断たれて、浮き防止状態から浮き防止解除状態に遷移する。下部浮き防止機構8における浮き防止解除状態は、前枠106の開放を許容する開放許容状態にも相当する。
次に、施錠機構60の前枠解錠操作時における前枠係止爪621の動作について説明する。上述のように、施錠機構60の前枠解錠操作が行われると、第1連動部材62が上方向にスライドする。このとき、図26(b)に示すように、前枠係止爪621cは施錠被係止部5cの開口端250に挿通しているものの前枠係止爪621cの係止部62bは開口端250の下側端部から離脱し、係止部62bと施錠被係止部5cとの係止関係が断たれる。また、図26(b)では図示しないが、前枠解錠操作が行われると、第1連動部材62の前枠係止爪621a,621bの係止部62bも、施錠被係止部5a,5bとの係止関係が断たれる。これにより、前枠係止爪621a〜621cを有する施錠機構60と前枠106との係止関係が断たれて、前枠施錠状態から前枠解除状態に遷移する。
このように、施錠機構60と前枠106との係止関係が断たれて、施錠機構60が前枠施錠状態から前枠解錠状態に遷移した時点では、すでに上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8において前枠106との係止関係が断たれて、浮き防止状態から浮き防止解除状態に遷移している。つまり、本実施形態において、一連の前枠解錠操作時において、浮き防止機構115(上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8)が浮き防止解除状態になるタイミングは、施錠機構60が前枠解錠状態になるタイミングと異なっている。
具体的には、上述のように上部浮き防止機構7は、内枠上部浮き防止ユニット70が上部第1連動カム74を介して第1連動部材62と連動している。これにより、第1連動部材62が施錠機構60を前枠解錠状態に遷移させるほどには上動していない状態であっても、上部第1連動カム74の作用によって、上部フック係止竿73は前枠上部フック71の被係止部71aと上部フック係止部731との係止関係が断たれる程度に左方向にスライドされる。また、同様に、下部浮き防止機構8は、内枠下部浮き防止ユニット80が下部連動カム86を介して第1連動部材62と連動している。これにより、第1連動部材62が施錠機構60を前枠解錠状態に遷移させるほどには上動していない状態であっても、下部連動カム86の作用によって、下部フック係止竿83は前枠下部フック81の被係止部81aと下部フック係止部830との係止関係が断たれる程度に左方向にスライドされる。したがって、下部浮き防止機構8は、下部連動カム86を介して第1連動部材62の上端部と連動することにより、前枠解錠操作が行われた場合において施錠機構60が前枠施錠状態から前枠解錠状態に遷移する前に、浮き防止状態から浮き防止解除状態に遷移可能に構成されている。
つまり、施錠機構60が前枠解錠状態(図26(a)参照)から前枠解錠状態(図26(b)参照)に移行したときには、上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8はすでに、浮き防止解除状態に移行している。したがって、本実施形態による遊技機100は、施錠機構60が前枠解錠状態となるものの、浮き防止機構115(上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8)が浮き防止状態に維持されて、前枠106が内枠104に対して係止されたままとなる状況の発生を防止することができる。
また、例えば前枠解錠操作時において、何らかの原因で第1連動部材62に設けられた前枠係止爪621(例えば前枠係止爪621c)の下端部62c(図26参照)が施錠被係止部5(例えば施錠被係止部5c)の開口端250の下端部上に乗り上げた状態(乗り上げ状態)となり、この乗り上げ状態のまま前枠解錠操作が中断される(鍵穴6aにおけるキーの回転操作が行われなくなる)場合がある。この場合、例えば浮き防止機構115の少なくともいずれか(例えば下部浮き防止機構8)が錠前6のカム板61と連動していると、キーの回転操作が行われなることに伴って、カム板61が前枠施錠状態(図24(a)参照)に近い状態に戻ることで、浮き防止機構115が浮き防止状態に戻ってしまい、その後に前枠解錠操作が再開された場合に、施錠機構60が前枠解除状態になっても、浮き防止機構115によって前枠106が内枠104に対して係止されたままとなる状況が発生するおそれがある。
これに対し、本実施形態による遊技機100では、上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8がそれぞれ、上部第1連動カム74、下部連動カム86を介して第1連動部材62と連動している。これにより、遊技機100は、乗り上げ状態においてわずかでも第1連動部材62が上動していれば、浮き防止機構115(上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8)が浮き防止解除状態に維持される。このため、乗り上げ状態において、前枠解錠操作が中断されて錠前6のカム板61が前枠施錠状態(図24(a)参照)に近い状態に戻っても、浮き防止機構115は浮き防止状態に戻らず浮き防止解除状態に維持される。したがって、遊技機100は、乗り上げ状態後に前枠解錠操作が再開された場合にもスムーズに前枠106を開放することができる。
なお、上部第1連動カム74と下部連動カム86とは同等の作用効果を奏する。また、本実施形態において、上部浮き防止機構7の浮き防止状態を解除するために必要な上部フック係止竿73の左方向への移動量と、下部浮き防止機構8の浮き防止状態を解除するために必要な下部フック係止竿83の左方向への移動量とは、ほぼ同等である。このため、上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8はほぼ同時に浮き防止状態が解除される。
したがって、遊技機100は、施錠機構60が前枠解錠状態に移行した場合に、スムーズに前枠106を開放することができる。さらに、遊技機100は、例えば、施錠機構60が前枠解錠状態に移行しても浮き防止機構115が浮き防止状態のままであることに気付かない作業者が前枠106を開放方向に移動させようとして、浮き防止機構115の構成部品が破損するといった事象の発生も防止することができる。このように、遊技機100は、施錠機構60の解錠時(本例では前枠解錠時)において、前枠106の開放が容易となるように構成されている。
図24から図26に示すように、本実施形態による遊技機100は、施錠機構60に取り付けられた錠前6に対する前枠解錠操作時において、上部浮き防止機構7、下部浮き防止機構8および施錠機構60の3つの施錠に関する機構を連動させるように構成されている。したがって、遊技機100には前枠解錠操作における作業者の負荷を軽減させるように構成されている。具体的には、遊技機100において、上部第1連動カム74は、連動する部材(第1連動部材62および内枠上部浮き防止ユニット70の上部フック係止竿73)との接触抵抗が小さくなるように構成されている。また同様に、下部連動カム86は、連動する部材(第1連動部材62および内枠下部浮き防止ユニット80の下部フック係止竿83)との接触抵抗が小さくなるように構成されている。これにより、遊技機100は、前枠解錠操作時における作業者の作業負荷を軽減することができる。したがって、作業者は、従来の施錠機構(例えば、施錠に関する機構が複数連動されていない施錠機構)に対する解錠操作時よりも大きな作業負荷を感じることなく、遊技機100における前枠解錠作業を行うことができる。
(前枠施錠操作時における施錠に関する機構の動作)
次に、開放した前枠106を再度閉鎖して、施錠機構60を前枠解錠状態から前枠施錠状態に移行させる前枠施錠操作時における施錠に関する機構の動作について説明する。
開放された前枠106を内枠104に対して閉鎖する際において、前枠解錠操作と同様に鍵穴6aに不図示のキーを差し込み反時計回り方向に回転させると、第1連動部材12が上方向にスライドする(図24(b)参照)。この状態で、前枠106の自由端側を内枠104側に近付けるように移動させると、前枠係止爪621cが施錠被係止部5cの開口端250に挿通される(図26(b)参照)。同様に前枠係止爪621a,621b(図22(c)参照)も施錠被係止部5a,5b(図19参照)の開口端250に挿通される。前枠係止爪621a〜621cそれぞれの斜面62aの全体を開口端250の内部に進入させると、前枠106の自由端と内枠104の自由端とが対面した状態となる。
その後、例えば、鍵穴6aにおけるキーを時計回り方向に戻して回転操作を止める前枠施錠操作に伴って、第1連動部材62が下方向にスライドし、前枠係止爪621cが係止部62bにおいて開口端250の下側端部250aを係止する(図26(a))。またこのとき、前枠係止爪621a,621bも施錠被係止部5a,5bを係止する。このようにして、施錠機構60は、前枠解錠状態における前枠施錠操作に基づいて、前枠解錠状態から前枠施錠状態に遷移可能である。つまり施錠機構60は、前枠施錠操作に基づいて前枠解錠状態から前枠施錠状態に遷移可能であり、前枠解錠操作に基づいて前枠施錠状態から前枠解錠状態に遷移可能である。つまり、施錠機構60は、前枠施錠状態または前枠解錠状態に可逆的に遷移可能に構成されている。
また、上述したように、第1連動部材62と第2連動部材63との間にはコイルばね65が張架されており、第1連動部材62が上方向へスライドすると、コイルばね65が付勢される。鍵穴6aにおけるキーの回転操作を止めるとコイルばね65の付勢力が放出される。このため、第1連動部材62はスムーズに下方向にスライド可能となる。
また、施錠機構60が前枠施錠状態に遷移すると、次いで浮き防止機構115(上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8)も浮き防止状態に遷移する。具体的には、前枠106の閉鎖時において、前枠106の自由端と内枠104の自由端とが対面した状態になると、上部浮き防止機構7において前枠上部フック71は被係止部71aが上部フック係止部731の右端部から離脱した状態で、上部フック係止竿73と対面する(図24(b)参照)。鍵穴6aにおけるキーの回転操作を止めると、上部フック係止竿73と内枠上部浮き防止ユニット70の上部カバー72(図1参照)との間に張架された引っ張りばねの付勢力が放出される。これにより、上部フック係止竿73は右方向にスムーズにスライドして前枠上部フック71の被係止部71aを係止する(図24(a)参照)。これにより、上部浮き防止機構7は施錠機構60が前枠施錠状態となることに基づいて、浮き防止状態となる。
同様に、前枠106の閉鎖時において、前枠106の自由端と内枠104の自由端とが対面した状態になると、下部浮き防止機構8において前枠下部フック81は被係止部81aが下部フック係止部830の挿通孔831に挿通し、下部フック係止面832の右端部から離脱した状態で、下部フック係止竿83と対面する(図25(b)参照)。鍵穴6aにおけるキーの回転操作を止めると、下部フック係止竿83と内枠下部浮き防止ユニット80の下部カバー82(図1参照)との間に張架された引っ張りばねの付勢力が放出される。これにより、下部フック係止竿83は右方向にスムーズにスライドして、下部フック係止面832の右端部において前枠下部フック81の被係止部81aを係止する(図25(a)参照)。これにより、下部浮き防止機構8は施錠機構60が前枠施錠状態となることに基づいて、浮き防止状態となる。なお、本実施形態において上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8はほぼ同時に浮き防止解除状態から浮き防止状態に遷移する。
このように、浮き防止機構115(上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8)は、前枠106への外力によって前枠106と基体との間に間隙が生じる浮き状態の発生を防止する浮き防止状態または浮き防止状態が解除された浮き防止解除状態に遷移可能に構成されている。つまり浮き防止機構115は、前枠施錠操作に基づいて施錠機構60が前枠解錠状態から前枠施錠状態に遷移することに連動して、浮き防止解除状態から浮き防止状態に遷移可能であり、前枠解錠操作に基づいて施錠機構60が前枠施錠状態から前枠解錠状態に遷移することに連動して、浮き防止状態から浮き防止解除状態に遷移可である。したがって、浮き防止機構115は、浮き防止状態または浮き防止解除状態に可逆的に遷移可能に構成されている。また、浮き防止機構115と施錠機構60とが連動していることで、前枠解錠操作時における前枠106の開放を容易とすることができる。
また、浮き防止機構115は、浮き防止状態となることで、前枠106と基体との間に許容可能な所定幅(ここでは、上述の設計範囲内の幅)を超える幅(例えば、約1.5ミリ以上の幅)の間隙が生じることを防止することができる。これにより、遊技機100は前枠106の施錠時において不正行為を防止可能であり、さらには、前枠106と基体との間からの異物の混入等のおそれも低減させることができる。
以上説明したように、本実施形態による遊技機100は、基体(内枠104および外枠102)の正面側に設けられ、基体の幅方向の一端側(本例では左端部側)を軸として基体に対して開閉可能な前枠106と、前枠106の開放を規制する前枠施錠状態または前枠106の開放を許容する前枠解錠状態に遷移可能な施錠機構60と、前枠106と基体との間に間隙が生じる浮き状態の発生を防止する浮き防止状態または浮き防止状態が解除された浮き防止解除状態に遷移可能な浮き防止機構115(上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8)と、を備えている。また、施錠機構60は、前枠解錠操作(所定の解錠操作の一例)に基づいて前枠施錠状態から前枠解錠状態に遷移し、浮き防止機構115は、解錠操作に基づいて浮き防止状態から浮き防止解除状態に遷移し、浮き防止機構115が浮き防止解除状態になるタイミングが、施錠機構60が前枠解錠状態になるタイミングと異なっている。例えば、遊技機100は、施錠機構60が前枠施錠状態から前枠解錠状態に遷移する前に、浮き防止機構115が浮き防止状態から浮き防止解除状態に遷移可能に構成されている。これにより、遊技機100は、施錠機構60による前枠106の施錠時において不正解錠等の不正行為を防止可能であり、かつ施錠機構60の解錠時において前枠106を容易に開放することができる。
また、本実施形態による遊技機100において、浮き防止機構115のうち上部浮き防止機構7は、基体および前枠106の上部に設けられている。これにより、遊技機100は、常態において、所定の重量を有する音声出力装置206が設けられた上部ユニット4の上述の回転力が加えらている前枠106の上部において、浮きの発生を防止して、不正行為に対する強度を向上することができる。
次に、図19から図21および図24を参照しつつ、図27および図28を用いて、内枠上部浮き防止ユニット70における上部ユニット4の変形に係る構成(リンクレバー第1解除部732および後述するリンクレバー第2解除部752)について説明する。図27は、施錠機構60および内枠上部浮き防止ユニット70の背面斜視図であって、リンクレバー第1解除部732の作用を説明する図である。また、図28は施錠機構60および内枠上部浮き防止ユニット70の背面斜視図であって、リンクレバー第2解除部752の作用を説明する図である。
本実施形態において、内枠上部浮き防止ユニット70には、上部ユニット4の変形に係る構成としてリンクレバー第1解除部732およびリンクレバー第2解除部752が設けられている。上述のようにリンクレバー第1解除部732は、上部フック係止竿73の左端部に設けられている(図20参照)。また、図20に示すように、リンクレバー第2解除部752は、上部フック係止竿73の下側に積層された内枠解錠連動竿75の左端部に設けられている。
(リンクレバー第1解除部の作用)
まず、上部ユニット4の変形に係る構成のうち、上部フック係止竿73が有するリンクレバー第1解除部732の作用について説明する。上部フック係止竿73およびリンクレバー第1解除部732の形状、構造については上述のとおりである。本実施形態において、施錠機構60が前枠施錠状態かつ中枠施錠状態であって、解錠操作が行われていない場合、つまり上部フック係止竿73が左方向にスライドしていない場合、リンクレバー第1解除部732は、リンクレバー第2解除部752の上部を覆う位置に配置されている(図20参照)。
ここで、前枠106を基体(内枠104および外枠102)に対して開放すべく、施錠機構60において前枠解錠操作を行うと、施錠機構60は第1連動部材62が上動して前枠106の開放が可能な前枠解錠状態となる(図26(b)参照)。また、このとき上部浮き防止機構7は、第1連動部材62の上動に連動して上部フック係止竿73が左方向にスライドして浮き防止解除状態(図24(b)参照)となる。浮き防止解除状態において上部フック係止竿73が左方向にスライドすることに伴い、リンクレバー第1解除部732は、リンクレバー第2解除部752の上部を覆う初期位置から左方向に移動する(図27参照)。左方向に移動したリンクレバー第1解除部732は、前枠106に設けられた上部ユニット4の変形に係る構成であるリンクレバー460(図19参照)に左方向への力を加えて、作動させる。
リンクレバー460は、上部ユニット4の背面側に設けられており(図8参照)、前枠106の背面上部の左端部側に設けられた第二リンクレバー開口部490内から突出している(図19参照)。リンクレバー460は、前枠106の後方、つまり内枠104に向かう方向に突出している。詳しくは後述するが、リンクレバー460は左方向に力が加えられることで図19に示す通常位置から左側に移動した作動状態となり、上部ユニット4を第一形態から第二形態に変形可能とするように構成されている。このように、本実施形態による遊技機100は、前枠解錠操作に連動してリンクレバー第1解除部732が左方向に移動し(図27参照)、リンクレバー460を押して左方向に移動させる(後述する図45参照)。これにより、前枠解錠操作に連動してリンクレバー460が作動状態となる。つまり、遊技機100は、施錠機構60が前枠施錠状態から前枠解錠状態に遷移することに連動して、上部ユニット4が第一形態から第二形態に変形可能に構成されている。
上部ユニット4は、例えば施錠機構60が前枠解錠状態になった後の前枠106の開放時において第一形態(後述の図29)から第二形態(後述の図31)に変形され、前枠106が内枠104に対して閉鎖される際に、作業者によって手動で第二形態から第一形態に復帰する。リンクレバー460は、上部ユニット4が第二形態から第一形態に復帰すると非作動位置(図19参照)に戻る。このように、上部ユニット4は、前枠106の開閉に基づいて変形可能に構成されている。なお、上部ユニット4の変形の詳細については後述する。
(リンクレバー第2解除部の作用)
次に、リンクレバー第2解除部752の作用について説明する。まず、リンクレバー第2解除部752が設けられている内枠解錠連動竿75の構成から説明する。図21に示すように内枠解錠連動竿75は、上部フック係止竿73と同様に金属製の薄板部材で形成された長尺部材である。内枠解錠連動竿75は、上部第2連動カム76に設けられた後述する駆動突起部764と当接する第2カム当接面755と、第2カム当接面755に連接され、第2カム当接面755の上方側の端部から左方向に向けて直角に屈曲形成される上面部750とを有している。
図28に示すように、第2カム当接面755は、上部フック係止竿73の第1カム当接面735と同様に、矩形状の平坦面である。詳しくは後述するが、第2カム当接面755において上部第2連動カム76と接触することで、内枠解錠連動竿75は上部第2連動カム76を介して第2連動部材63の下動に連動可能に構成される。また、図27に示すように、内枠解錠連動竿75において上面部750の左端部は前方向に屈曲しており、当該左端部の先端には、樹脂製部材で形成されたリンクレバー第2解除部752が取り付けられている。リンクレバー第2解除部752は、リンクレバー第1解除部732と同様の形状を有している。リンクレバー第2解除部752は、内枠104の外枠102に対する開放時において上部ユニット4に設けられたリンクレバー460(図8参照)を作動させるための構成であって、上部フック係止竿73のリンクレバー第1解除部732と同様に、上部ユニット4の変形に係る構成である。
次に、第2連動部材63と内枠解錠連動竿75とを連動させる上部第2連動カム76の構成を説明する。図27に示すように、上部第2連動カム76は、第2連動部材63の上端と、内枠上部浮き防止ユニット70における内枠解錠連動竿75の右端部との間に配置されている。上部第2連動カム76は、第2連動部材63の上端部に形成された第2連動カム当接面632および内枠解錠連動竿75の右端部に形成された第2カム当接面755に接触している。上部第2連動カム76は、第2連動部材63の下動を左方向(反時計回り方向)の回転動作に変換して内枠解錠連動竿75を左方向にスライドさせる作用を奏する。
具体的には、上部第2連動カム76は、薄板部材で形成された2枚のカム板(カム板761a,761b)を左右に連結して形成されている。図27に示すように、上部第2連動カム76においてカム板761aは第2連動部材63側、つまり上部第2連動カム76における右側に設けられており、カム板761bは内枠解錠連動竿75側、つまり上部第2連動カム76における左側に設けられている。詳しくは後述するが、カム板761aの左端部とカム板761bの右端部とは前後に積層するように配置されており、カム板761a,761bは、当該積層部分において連結されている。これにより、第2連動部材63の可動と連動するカム板761aの回転動作によってカム板761bも回転し、カム板761bの回転によって内枠解錠連動竿75がスライドされる。
なお、図示は省略するが、内枠上部浮き防止ユニット70の背面側において上部フック係止竿73と同様に内枠解錠連動竿75と上部カバー72(図1参照)との間には引っ張りばねが架け渡されている。当該引っ張りばねは、右端部が上部カバー72に支持され、左端部が内枠解錠連動竿75背面のばね支持部753に支持されている。例えば、錠前6に対して内枠解錠操作を行うと、内枠解錠連動竿75が左方向にスライドすることにより、ばね支持部753と内枠104の上辺に固定された上部カバー72との間に張り渡された引っ張りばねは、左方向に引っ張られて付勢される。このため、内枠解錠操作時には、上部第2連動カム76の駆動突起部764から第2カム当接面755に対して当該引っ張りばねの付勢力に抗する強さで左方向への力が加わっている。
まずカム板761aの構成について説明する。図27に示すように、カム板761aは左右に延伸する平板部材である。カム板761aの左端部には、カム板761aの背面から後方に突出する円筒形状の連結突起765aが設けられている。詳しくは後述するが、連結突起765aは、カム板761aとカム板761bとの連結に用いられる構成である。
また、カム板761aの右端部には、第2連動部材63の第2連動カム当接面632と当接する被駆動腕763が設けられている。被駆動腕763は、カム板761aと一体形成されており、カム板761aの右端部から延伸して上向きに屈曲形成されている。被駆動腕763は、第2連動部材63に形成された第2連動カム当接面632の底面側と当接している。これにより、被駆動腕763は第2連動部材63の下動に伴って駆動される。また被駆動腕763において第2連動カム当接面632と当接する上端部は、円弧形状を有している。このため、本実施形態において、被駆動腕763と第2連動カム当接面632との接触面積は、平坦面同士が接触する場合よりも小さくなっている。
また、カム板761aにおいて被駆動腕763よりも中央よりには、円筒形状の右カムベース部762が設けられている。右カムベース部762は、カム板761の背面から後方に向かって突出している。右カムベース部762は、右内部に挿通されたかしめ部品762aによって、上部第2連動カム76の後方に配置された板状部材であるリンクベース部(不図示)に対して回転可能に接続されている。リンクベース部は、内枠上部浮き防止ユニット70の上部カバー72(図1参照)と連結されて上部カバー72の背面を構成する部材である。したがって、カム板761aは右カムベース部762を軸として上部カバー72に対して回転可能に取り付けられている。
次に、カム板761bの構成について説明する。図27に示すように、カム板761bは逆L字型に屈曲した部材であって、一端が第2連動部材63方向に向かって右方向に延伸しており、他端が内枠解錠連動竿75方向に向かって上方に延伸している。カム板761bの一端側(右端部側)には、長孔形状を有してカム板761aの連結突起765aを挿通可能な連結孔765bが設けられている。図27に示すように、連結孔765にはカム板761bの前面側から、カム板761aの連結突起765aが挿通されている。これにより、カム板761aの左端部の背面側にカム板761bの右端部が積層された状態で、カム板761aおよびカム板761bが連結される。また、カム板761aおよびカム板761bは、連結突起765aが長孔形状の連結孔765b内を移動可能な状態で連結されている。
また、カム板761bにおいて連結孔765bよりも中央よりには、円筒形状の左カムベース部768が設けられている。左カムベース部768は、カム板761bの背面から後方に向かって突出しており、右カムベース部762と同様に、内部に挿通されたかしめ部品768aによって、上部第2連動カム76の後方に配置された上述のリンクベース部(不図示)に対して回転可能に接続されている。したがって、カム板761bは右カムベース部762を軸として、カム板761aと同様に上部カバー72(図1参照)に対して回転可能に取り付けられている。
また、カム板761bの一端側(上端側)には、内枠解錠連動竿75の第2カム当接面755に当接する駆動突起部764が設けられている。図27に示すように、駆動突起部764は、カム板761bにおいて左カムベース部768の上方に固定された円筒形状の突起部材であってカム板761bの前方に突出している。駆動突起部764は、円弧形状の外周部において内枠解錠連動竿75の第2カム当接面755と当接している。このため、本実施形態において、駆動突起部764と第2カム当接面755との接触面積は、平坦面同士が接触する場合よりも小さくなっている。また、上述のように、被駆動腕763と第2連動カム当接面632との接触面積も平坦面同士が接触する場合よりも小さくなっている。したがって、遊技機100における上部第2連動カム76は、上部第1連動カム74と同様に、連動する部材(第2連動部材63および内枠上部浮き防止ユニット70の内枠解錠連動竿75)との接触抵抗が小さくなるように構成されている。
次に、施錠機構60に対する内枠解錠操作時における上部第2連動カム76の動作と、リンクレバー第2解除部752の作用を合わせて説明する。
前枠施錠状態かつ中枠施錠状態の施錠機構60において、前枠106および内枠104を外枠102に対して開放すべく鍵穴6aに不図示のキーを差し込み、時計回り方向に回転させる内枠解錠操作を行う。これにより、施錠機構60は内枠104を外枠102に対して開放可能な内枠解錠状態となる。
具体的には、図28に示すように、内枠解錠操作に応じて錠前6のカム板61はキーの回転方向(本例では、時計回り)に回転するため、駆動腕61bが第1連動部材62および第2連動部材63から離脱するとともに、駆動腕61aは第1連動部材62および第2連動部材63に挿通した状態で時計回り方向へ回転し、駆動腕61aの回転に応じて第2連動部材63が下方向にスライドされる。これにより、外枠102の係止孔(不図示)と第2連動部材63に設けられた外枠被係止爪631a,631bとの係止関係が断たれて、施錠機構60が内枠解錠状態となる。
また、内枠解錠操作時において第2連動部材63が下動することに伴い、第2連動部材63上端の第2連動カム当接面632も下動する。第2連動部材63が上述の内枠解錠操作によって下動すると、第2連動部材63の第2連動カム当接面632が上部第2連動カム76の被駆動腕763を下方向に押し下げる。これにより、上部第2連動カム76は、第2連動部材63の可動に連動して回転動作を行う。
具体的には、被駆動腕763が第2連動カム当接面632によって押し下げられると、被駆動腕763と一体形成されたカム板761aは、右カムベース部762を軸に右方向(時計回り)に回転する。これに伴い、連結突起765aが設けられたカム板761a左端部が上方向に移動する。カム板761bの左端部が上方向に移動すると、カム板761aに連結されたカム板761bの右端部が上方向に移動される。具体的には、カム板761aの左端部に設けられた連結突起765aが、カム板761bの右端部に設けられた連結孔765b内を左端部から右方向に向かって移動しながら、カム板761bの右端部を引き上げる。これにより、カム板761aに連結されたカム板761bが左カムベース部768を軸に左方向(反時計回り)に回転する。つまり、カム板761a,761bの連結部分において、カム板761aの時計回り方向の回転が、カム板761bの反時計回り方向の回転に変換される。
カム板761bの反時計回り方向の回転に伴い、カム板761bの上端は、駆動突起部764が内枠解錠連動竿75の第2カム当接面755に接触した状態で左方向に倒れる。これにより、第2カム当接面755に左方向への力が加わり、内枠解錠連動竿75が左方向に移動(スライド)される(図28)。このようにして、施錠機構60の内枠解錠操作による第2連動部材63の下動に連動して、内枠解錠連動竿75が左方向にスライドする。つまり、内枠解錠連動竿75は、施錠機構60が前枠106および内枠104を外枠102に対して開放可能な内枠解除状態となることに連動して、左方向にスライド可能に構成されている。
図28に示すように、内枠解錠連動竿75が左方向にスライドすると、これに伴って、リンクレバー第2解除部752も左方向にスライドし、リンクレバー第1解除部732の下側に重なる初期位置(図20参照)から左方向に移動する。左方向に移動したリンクレバー第2解除部752は、リンクレバー第1解除部732と同様に、前枠106に設けられた上部ユニット4の変形に係る構成であるリンクレバー460(図19参照)に左方向への力を加える。これにより、リンクレバー460は上部ユニット4を第一形態から第二形態に変形可能な作動状態となる。つまり、遊技機100は、施錠機構60が内枠施錠状態から内枠解錠状態に遷移することに連動して、上部ユニット4が第一形態から第二形態に変形可能に構成されている。
上部ユニット4は、例えば施錠機構60が内枠解錠状態になった後の内枠104の開放時において第一形態(後述の図29)から第二形態(後述の図31)に変形され、内枠104が外枠102に対して閉鎖される際に、作業者によって手動で第二形態から第一形態に復帰する。このように、上部ユニット4は、内枠104の開閉に基づいて変形可能に構成されている。
このように、本実施形態による遊技機100は、前枠解錠操作に連動する上部フック係止竿73と内枠解錠操作に連動する内枠解錠連動竿75とのそれぞれに上部ユニット4の変形に係る構成(リンクレバー第1解除部732、リンクレバー第2解除部752)が設けられている。これにより、遊技機100は、施錠機構60が外枠102又は内枠104に対する前枠106の開放を規制する施錠状態、または前枠106の開放を許容する解錠状態のいずれか一方から他方に遷移すること(前枠施錠状態と前枠解除状態との可逆的な遷移、内枠施錠状態と内枠解除状態との可逆的な遷移)に連動して、上部ユニット4を変形可能に構成されている。
(上部ユニットの変形構造)
本実施形態において上部ユニット4は、前枠106または内枠104の開閉に基づいて変形可能に構成されている。ここで、上部ユニット4の変形構造について説明する。まず、上部ユニット4の変形前後の形態の概要について、図29から図32を用いて説明する。図29および図30は、上部ユニット4の変形前の形態を示す図であり、図31および図32は上部ユニット4の変形後の形態を示す図である。以下、上部ユニット4の変形前の形態を第一形態と称し、上部ユニット4の変形後の形態を第二形態と称する場合がある。
(第一形態の概要)
図29および図30に示すように、第一形態の上部ユニット4において第一部材14は、音声出力装置206を前側に突き出すように配置されている。このとき第一部材14の演出照明装置204は前側に向かって配置されている。また、第一形態の上部ユニット4において第二部材15は、第三部材16を挟んで第一部材14と左右対称に配置されている。また、第一形態の上部ユニット4において第一部材14と同様に第二部材15は、音声出力装置206を前側に突き出すように設けられている。このとき第一部材14の演出照明装置204は、第一部材14の演出照明装置204と同様に前側に配置されている。本実施形態の遊技機100において、上部ユニット4の形態は、前枠106および内枠104が外枠102に対して閉鎖されている場合には第一形態となる。つまり遊技機100は、遊技機100が遊技可能な場合には第一形態となる。
(第二形態の概要)
図31および図32に示すように、第二形態の上部ユニット4は、第一部材14の音声出力装置206を第三部材16に近づける回転動作によって、第一部材14が第三部材16に重なるように折り畳まれた状態となる。このため、第二形態の上部ユニット4において、第一部材14は、音声出力装置206が右側に向かって配置され、第二部材15の音声出力装置206とほぼ直行する状態になっている。また、第二形態の上部ユニット4において第二部材15は、上部ユニット4の第一形態と同様に音声出力装置206を前に突出させて配置されている。つまり、上部ユニット4が変形(第一形態から第二形態、または第二形態から第一形態に変形)する場合、第一部材14の状態がするのに対し、第二部材15の状態は変形しない。第二部材15は、上部ユニット4の第一形態および第二形態のいずれおいても、前枠106に対する相対位置が変化しない。
また、図32では図示を省略するが、上部ユニット4が第二形態となっている遊技機100を上面視したとき、第一部材14が折り畳まれていることで前枠106に設けられた上皿135(図13参照)の左側部は視認可能となる。すなわち、第二形態の上部ユニット4における第一部材14は、前枠106の前面に設置された上皿135と同等、または上皿135よりも後方に位置するように折り畳まれている。
上部ユニット4の第一形態において、第一部材14の回転動作(以下、「変形動作」と称する場合がある)は規制されており、上部ユニット4を変形させることができない。しかし、第一部材14の変形動作の規制は、前枠106または内枠104の開放に基づいてリンクレバー460(図8参照)が作動することによって解除される。具体的には、前枠解錠操作または内枠解錠操作に連動してリンクレバー460が作動する。これにより、第一部材14が前枠106または内枠104の開放に基づいて折り畳み可能となり、上部ユニット4は第一形態から第二形態に変形可能となる。このように、本実施形態の遊技機100において、上部ユニット4は、前枠106または内枠104の開放が許容されている場合に第一形態から第二形態に変形可能となる。つまり、上部ユニット4は、前枠106および内枠104の開放が規制されて遊技機100が遊技可能な場合には、第一形態から第二形態には変形しない。
遊技機100は、上部ユニット4が第一形態から第二形態に変形可能であることで、前枠106や内枠104の開閉時に上部ユニット4が左側の隣台(島設備において、遊技機100と左側に隣接して配置された遊技機)に干渉することを防ぐことできる。ここで干渉とは、例えば、前枠106や内枠104の開放時に上部ユニット4が隣台に接触すること等を示す。これにより、上部ユニット4や隣台の破損を防止することができるとともに、前枠106や内枠104の開閉を円滑に行うことができる。また、上部ユニット4が第二形態に変形することで、前枠106や内枠104を大きく開くことができるので、遊技店において遊技機100に対する種々の作業(例えばエラーの復旧作業等)がし易くなる。
また、本実施形態において上部ユニット4は、第一部材14が折り畳まれた第二形態であっても、上部ユニット4に配置された音声出力装置206からの音声出力および上部ユニット4に配置された演出照明装置204の発光を可能に構成される。なお、本発明はこれに限られず、例えば遊技機100は、上部ユニット4が第二形態であるか否かを検出可能に構成され、第二形態であることが検出された場合には、上部ユニット4における音声出力装置206からの音声出力または演出照明装置204の発光のいずれか一方、又は当該音声出力および当該発光のいずれも行わないように構成されてもよい。例えば、遊技機100は、上部ユニット4が第二形態であるか否かを検出する上部ユニット変形検出部(不図示)を備え、当該上部ユニット変形検出部によって上部ユニット4が第二形態であるか否かを検出すればよい。当該上部ユニット変形検出部は、例えば近接センサ、近接スイッチであってもよい。上部ユニット変形検出部は、第一部材14の変形動作の規制が解除されたことを検出すると、主制御基板300に検出信号(オン信号)を出力すればよい。
また、遊技機100は、前枠106および内枠104が閉鎖されている(前枠開放スイッチ141s、内枠開放スイッチ145sがオン信号を出力していない)状態において上部ユニット4が第二形態のままである(上部ユニット変形検出部がオン信号を出力している)場合は、第二形態が解消される(上部ユニット変形検出部からオン信号が出力されなくなる)まで、前枠106および内枠104が閉鎖中に上部ユニット4が第二形態となっている旨を報知するように構成されてもよい。また、当該報知は、第二形態が解消されるまでの期間ではなく、一定時間に亘って行うものでもよい。また、当該報知は、例えば音声出力装置206からの音声メッセージ又は警告音等の出力や、演出表示部200aにおけるメッセージ画像の表示や、演出照明装置204の点灯等、複数の演出装置のうちのいずれか1つ、または2つ以上を用いて実行すればよい。
(上部ユニットの規制解除に係る構成)
上述のとおり、第一形態から第二形態に変形可能である上部ユニット4は、第一形態において第一部材14の変形動作が規制されている。そこで、本実施形態による遊技機100では、第一部材14の変形動作を行うにあたり、まずリンクレバー460を作動させて、第一部材14の変形動作の規制を解除する。ここで、リンクレバー460の詳細な構成について図30および図32を参照しつつ図33から図35(a)を用いて説明する。図33は、上部ユニット4に設けられたリンクレバー460を斜め上方から見た拡大図である。図33では、上部ユニット4の後側の樹脂板400b、リンクレバー460、第一リンクレバー開口部489が図示されている。また図34は、前枠106に取り付けられた上部ユニット4内のリンクレバー460を上方から見た拡大図である。図34は前枠施錠状態における前枠106を図示している。このため図34では、前枠106と係止関係にある内枠104に設けられた内枠上部浮き防止ユニット70と、上部ユニット4に設けられているリンクレバー460および左軸ベース461が図示されている。図35(a)は、左軸部46の上面図である。図35(a)では、上部ユニット4に設けられているリンクレバー460と左軸部46が図示されている。
図30および図32に示すように、リンクレバー460は上部ユニット4の後側に突出して設けられている。リンクレバー460は、一端部に形成されたリンクレバー鉤状部460cを有している。リンクレバー460の中央部から一端部にかけて、上部ユニット4の背面左端部から後方に飛び出している。このため、リンクレバー鉤状部460cは、カバー部材411bから露出して配置される。一方、リンクレバー460の中央部から他端部にかけては、カバー部材411bに覆われている。このため、リンクレバー460の他端部は、カバー部材411bから露出せずに配置される。リンクレバー鉤状部460cが形成されたリンクレバー460の一端部は上端部に相当する。一方、リンクレバー鉤状部460cが形成されていないリンクレバー460の他端部は下端部に相当する。
より詳細には、図33に示すように、ベース部材40の後側の樹脂板400bには第一リンクレバー開口部489が設けられている。第一リンクレバー開口部489は、後側の樹脂板400bの上部左側に形成されている横長の長方形状の貫通孔である(図8参照)。ベース部材40においてリンクレバー鉤状部460cは第一リンクレバー開口部489の長手方向の中央付近から突出している。詳しくは後述するが、リンクレバー鉤状部460cを第一リンクレバー開口部489の中央部分から左端に移動させると(図44参照)、第一部材14の変形動作の規制が解除される。
図34に示すように、リンクレバー460は細長く形成された樹脂製の板状部材である。リンクレバー460の上端部には、リンクレバー鉤状部460cが設けられている。リンクレバー鉤状部460cは右向きに屈曲する鉤状に形成されている。また、上部ユニット4が取り付けられた前枠106が内枠104に係止された前枠施錠状態において、リンクレバー460の右側には、内枠104上部の内枠上部浮き防止ユニット70におけるリンクレバー第1解除部732およびリンクレバー第2解除部752が配置される。つまり、リンクレバー460のリンクレバー鉤状部460cは、リンクレバー第1解除部732およびリンクレバー第2解除部752の方向に屈曲する形状を有している。このため、リンクレバー460は、前枠解錠操作に連動した第一部材14の規制解除時において、リンクレバー第1解除部732によってリンクレバー鉤状部460cが左側に向かって押され易くなっている。また、同様に、リンクレバー460は、内枠解錠操作に連動した第一部材14の規制解除時において、リンクレバー第2解除部752によってリンクレバー鉤状部460cが左側に向かって押され易くなっている。つまりリンクレバー460は、第一部材14の規制解除時に左方向(反時計回り)に回転し易く形成されている。
図35(a)に示すように、リンクレバー460の中央部には、第一リンクレバー孔460aが形成されている。第一リンクレバー孔460aは、円筒状の貫通孔であり、後述する左軸部46の一部である左軸ベース461上に設けられた左軸ベース突起体461aを挿通可能である。第一リンクレバー孔460aに左軸ベース突起体461aを挿通することで、リンクレバー460が左軸ベース461に対して回転可能に連結される。例えば、リンクレバー鉤状部460cがリンクレバー第1解除部732(図34参照)により左方向に押されると、リンクレバー460は第一リンクレバー孔460aに挿通された左軸ベース突起体461aを回転軸として左回りに回転する。これにより、第一部材14の変形動作は規制解除状態となる。詳しくは後述するが、図36に示すように、リンクレバー460は第一部材14の回転動作を規制する部材である左軸部46に取り付けられており、上部ユニット4の変形時に規制を解除するために用いられる。左軸部46は、上部ユニット4においてベース部材40の前側の樹脂板400aと金属部材400c(図17参照)との間に配置されている。
図35(a)に示すように、リンクレバー460の下端部には、第二リンクレバー孔460bが形成されている。第二リンクレバー孔460bはリンクレバー鉤状部460cに向かって延伸する長孔状の貫通孔である。第二リンクレバー孔460bには、後述する左軸スライド板462上に設けられた左軸スライド突起体462aを挿通されている。第二リンクレバー孔460bに左軸スライド突起体462aを挿通することで、リンクレバー460は後述する左軸スライド板462に連結される。リンクレバー鉤状部460cが例えばリンクレバー第1解除部732により左方向に押されて、リンクレバー460が左軸ベース突起体461aを軸に反時計回りに回転すると、リンクレバー460の下端側の第二リンクレバー孔460bは右方向に移動する。これに伴い、左軸スライド突起体462aによってリンクレバー460と連結された左軸スライド板462も右方向に移動する。このように、リンクレバー460は、リンクレバー第1解除部732またはの動作に応じて左軸ベース461に対して左軸スライド板462が移動できるように、左軸ベース461と左軸スライド板462とを連結している。
次に、リンクレバー460と連結された左軸ベース461および左軸スライド板462の構成を説明する。左軸ベース461および左軸スライド板462は左軸部46の一部である。左軸部46は、第一部材14と同じく上部ユニット4の左端部に設けられている。左軸部46は、上部ユニット4が第一形態をとっている場合に、第一部材14の変形動作を規制して第一部材を規制状態とする。また左軸部46は、リンクレバー460が作動して左方向に回転することに基づいて、第一部材14の規制解除に係る動作を行い、上部ユニット4を第一形態から第二形態に変形可能とする。ここで、左軸部46の詳細な構成について、図35(a)を参照しつつ図35(b)から図38を用いて説明する。図35(b)は、左軸部46のリンクレバー460を取り外した上面図である。図36は、左軸部46を前方左下から後方右上に向かって見た状態を示す図である。図37は、左軸部46を前方右上から後方左下に向かって見た状態を示す図である。図38は、左軸部46の正面図である。
図36に示すように、左軸部46は最上部に左軸ベース461を有している。左軸ベース461は樹脂製のL字型の板状部材であって、下向きに屈曲している。左軸ベース461は、左軸ベース上面部461eと左軸ベース上面部461eに連接された左軸ベース側面部461dとで構成されている。左軸ベース側面部461dは、最下部まで延伸する長尺部材であり、規制解除に係る種々の部材が設けられるベースとして用いられる。まず、左軸ベース上面部461eの詳細な構成について説明する。
図37に示すように、左軸ベース上面部461eは左軸ベース461の上面を構成する。左軸ベース上面部461eは平坦面であり、左軸ベース突起体461aと、第一左軸ベース孔部461bと、第二左軸ベース孔部461cとを有している。
左軸ベース突起体461aは、左軸ベース上面部461eの後方に設けられた円筒状の突起であり、左軸ベース上面部461eから突出して形成されている。図37に示すように、左軸ベース突起体461aは、中心軸方向の長さがリンクレバー460の厚みより長く形成され、直径が第一リンクレバー孔460aの内径より短く形成されている。このため、左軸ベース突起体461aは、第一リンクレバー孔460aに貫通可能であり、リンクレバー460の回転軸として用いられる。
図35(b)に戻って、第一左軸ベース孔部461bは左軸ベース上面部461eの左前側領域に形成されている。第一左軸ベース孔部461bは、左右方向に延伸する長孔状の貫通孔である。第一左軸ベース孔部461bには、第一左軸スライドねじ462bがスライド可能に貫通して配置されている。第一左軸ベース孔部461bの縦幅は、後述する第一左軸スライドねじ462bの円筒部より大きく、第一左軸ベース孔部461bの横の長さはリンクレバー460の左方向の回転により左軸スライド板462が移動できる長さよりも長く形成されている。これにより、第一左軸スライドねじ462bが第一左軸ベース孔部461bを左右に移動できる。リンクレバー460が回転する前は、第一左軸スライドねじ462bが第一左軸ベース孔部461bの左端側に位置している。また、リンクレバー460が回転した後は、第一左軸スライドねじ462bが第一左軸ベース孔部461bの右端側に位置している(図46参照)。
第二左軸ベース孔部461cは左軸ベース上面部461eの中央前側領域に形成されている左右方向に延伸する長孔状の貫通孔である。第二左軸ベース孔部461cには、第二左軸スライドねじ462cがスライド可能に貫通しており、第一左軸ベース孔部461bの右側に所定の間隙を設けて配置されている。第二左軸ベース孔部461cの縦幅は、後述する第二左軸スライドねじ462cの円筒部より大きく、第二左軸ベース孔部461cの横の長さはリンクレバー460の左方向の回転により左軸スライド板462が移動できる長さよりも長く形成されている。これにより、第二左軸スライドねじ462cが第二左軸ベース孔部461cを左右に移動できる。リンクレバー460が回転する前は、第二左軸スライドねじ462cが第二左軸ベース孔部461cの左端側に位置している。また、リンクレバー460が回転した後は、第二左軸スライドねじ462cが第二左軸ベース孔部461cの右端側に位置している(図46参照)。
次に、左軸スライド板462について説明する。図36に示すように、左軸スライド板462は、左軸ベース上面部461eの下側に重なるように設けられている。左軸スライド板462は樹脂製のL字型の板状部材であって下向きに屈曲しており、リンクレバー460と左軸ベース上面部461eとに連結されている。左軸スライド板462は、左軸スライド突起体462aと、第一左軸スライドねじ462bと、第二左軸スライドねじ462cとを有している。
図35(b)に示すように、左軸スライド突起体462aは左軸スライド板462の前方側に形成された円筒状の突起である。図37に示すように、左軸スライド突起体462aは、中心軸方向の長さがリンクレバー460の厚みより長く形成され、第二リンクレバー孔460bの長孔状の開口端の短手方向の長さより短く形成されている。このため、図35(a)に示すように、左軸スライド突起体462aは、第二リンクレバー孔460bを貫通可能である。リンクレバー460が左方向に回転することに基づいて、左軸スライド突起体462aは第二リンクレバー孔460bの外側端部から内側(左軸ベース突起体461a側)端部に向かって移動しながら右方向に移動する。これに伴い、左軸スライド板462も左方向に移動する。このように、リンクレバー460の回転動作は、左軸スライド板462の左右方向の動作に変換される。
図38に示すように、第一左軸スライドねじ462bは、左軸スライド板462の左端部に設けられている。第一左軸スライドねじ462bは左軸スライド板462を左軸ベース上面部461eに対してスライド可能に連結するねじ形状の留具である。第一左軸スライドねじ462bは第一左軸ベース孔部461b(図37参照)を貫通して左軸スライド板462に固定されている。第一左軸スライドねじ462bは、第一スライドねじ胴部491b(図37参照)と第一スライドねじ胴部491bの上面に設けられた円盤形状の第一スライドねじ頭部491aを有している。第一スライドねじ胴部491bは、円筒形状を有している。第一スライドねじ胴部491bの直径は、第一左軸ベース孔部461bの短手方向の直径よりも短く形成されている。第一スライドねじ頭部491aは、第一スライドねじ胴部491bの直径および第一左軸ベース孔部461bの短手方向の長さよりも長い直径を有している。第一スライドねじ頭部491aと左軸スライド板462との間隙は左軸ベース上面部461eの厚さよりわずかに長い。これにより、図35(b)に示すように、第一スライドねじ胴部491bは、第一スライドねじ頭部491aを左軸ベース上面部461e上に配置させた状態で第一左軸ベース孔461部bに貫通可能である。また、左軸スライド板462および第一スライドねじ頭部491aは、左軸ベース上面部461eを挟んでいるため、第一左軸スライドねじ462bは第一スライドねじ胴部491bが第一左軸ベース孔部461bから外れることなく第一左軸ベース孔部461b内をスライド可能である。つまり、第一左軸スライドねじ462bのスライドに伴い第一左軸スライドねじ462bが固定された左軸スライド板462は、第一左軸ベース孔部461bが設けられた左軸ベース上面部461eに対してスライド可能となる。
第一左軸ベース孔部461bは、左軸スライド板462が前後に動かないようにする役割を果たしている。第一左軸スライドねじ462bが第一左軸ベース孔部461bに貫通することにより、左軸スライド板462は前後にはほとんど移動せずに左右に移動することができる。また、左軸スライド板462は、前後方向の移動が規制され左右方向に円滑に移動できる。
図38に示すように、第二左軸スライドねじ462cは、左軸スライド板462の中央部に設けられている。第二左軸スライドねじ462cは左軸スライド板462を左軸ベース上面部461eに対してスライド可能に連結するねじ形状の留具である。第二左軸スライドねじ462cは第二左軸ベース孔部461cを貫通して左軸スライド板462に固定されている。第二左軸スライドねじ462cは第二スライドねじ胴部492b(図37参照)と第二スライドねじ胴部492bの上面に設けられた円形状の第二スライドねじ頭部492aを有している。第二スライドねじ胴部492bは円筒形状を有している。第二スライドねじ胴部492bの直径は第二左軸ベース孔部461cの長孔の開口端の短半径よりも短く形成されている。これにより、第二スライドねじ胴部492bは第二左軸ベース孔部461cに貫通可能である。第二スライドねじ頭部492aは、第二スライドねじ胴部492bの直径および第二左軸ベース孔部461cの短手方向の長さよりも長い直径を有している。第二スライドねじ頭部492aと左軸スライド板462との間隙は左軸ベース上面部461eの厚さよりわずかに長い。これにより、図35(b)に示すように、第二スライドねじ胴部492bは、第二スライドねじ頭部492aを左軸ベース上面部461e上に配置させた状態で第二左軸ベース孔部461cに貫通可能である。また、左軸スライド板462および第二スライドねじ頭部492aは、左軸ベース上面部461eを挟んでいるため、第二左軸スライドねじ462cは第二スライドねじ胴部492bが第二左軸ベース孔部461cから外れることなく第二左軸ベース孔部461c内をスライド可能である。つまり、第二左軸スライドねじ462cのスライドに伴い第二左軸スライドねじ462cが固定された左軸スライド板462は、第二左軸ベース孔部461cが設けられた左軸ベース上面部461eに対してスライド可能となる。
第二左軸ベース孔部461cは、第一左軸ベース孔部461bと同様に左軸スライド板462が前後に動かないようにする役割を果たしている。第一左軸スライドねじ462cが第二左軸ベース孔部461cに貫通することにより、左軸スライド板462は前後にはほとんど移動せずに左右に移動することができる。また、左軸スライド板462は、前後方向の移動が規制され左右方向に円滑に移動できる。
図36に示すように、左軸スライド補助部462dは、左軸スライド板462の左後方の側面に下方向に屈曲して形成されており、左軸ベース側面部461dと対向している。左軸スライド補助部462dは左軸ベース側面部461dの手前側に所定の間隙を設けて配置されている。左軸スライド補助部462dの下端部は、左軸ベース側面部461d方向に屈曲している。詳細は後述するが、左軸スライド補助部462dは、リンクレバー460の回転に伴って、左軸スライド補助部462dの手前側に配置されて左軸リンク板463に下方向に力を加えるようになっている。
次に、左軸ベース側面部461dに取り付けられた第一部材14の変形動作の規制解除に係る種々の構成について説明する。図36に示すように、左軸ベース側面部461dは左軸ベース461の側面を構成しており、左軸ベース上面部461eに対して下方向に垂直に形成されている。左軸ベース側面部461dには、左軸リンク板463と、左軸フックリンクガイド464と、左軸ストッパー465と、フックベース466と、左軸ばね459とが設けられている。まず、左軸リンク板463の詳細な構成について説明する。
図36に示すように、左軸リンク板463は左軸ベース側面部461dの上部において左軸スライド補助部462dを挟んで左軸ベース側面部461dの手前側に設けられている。左軸リンク板463は、くの字形状に屈曲した樹脂製の板状部材である。左軸リンク板463は、リンク板第一補助部463aと、リンク板第二補助部463bと、リンク板第三補助部463cとを有している。
図36に示すように、リンク板第一補助部463aは、左軸リンク板463の右端部に形成されている。リンク板第一補助部463aは、左軸リンク板463の背面側に突出したねじであって、左軸ベース側面部461dに固定されている。これにより、左軸リンク板463は左軸ベース461に対して回転可能に連結される。
図36に示すように、リンク板第三補助部463cは、左軸リンク板463の左端部に形成されている。リンク板第三補助部463cの背面側は、円柱形状の軸部が突出しており、当該軸部は後述する左軸フックリンクガイド464に連結されている。
図36に示すように、リンク板第二補助部463bは、リンク板第一補助部463aとリンク板第三補助部463cとの中間に位置し、左軸リンク板463の中央部に形成されている。リンク板第二補助部463bは、左軸スライド補助部462dと接触している。具体的には、リンク板第二補助部463bは、左軸リンク板463の背面側に突出した円柱形状の軸部を有している。この軸部の外周は環状部材に覆われている。左軸リンク板463の背面側において、リンク板第二補助部463bの軸部は、環状部材を介して左軸スライド補助部462dと接触している。
リンクレバー460が回転(反時計回り)して、左軸スライド補助部462dが右方向に移動すると、左軸スライド補助部462dがリンク板第二補助部463bの環状部材上に乗り上げる。これにより、左軸スライド補助部462dと環状部材を介して接触しているリンク板第二補助部463bに下方向の力が働き、左軸リンク板463を駆動させる。具体的には、左軸スライド補助部462dの稼働により左軸リンク板463はリンク板第一補助部463aを軸に下方向に回転(反時計回り)する。リンク板第二補助部463bの環状部材は、リンク板第二補助部463bが左軸スライド補助部462dから力を加えられたときに、左軸スライド補助部462dとリンク板第二補助部463bとの緩衝材として機能するとともに、左軸スライド補助部462dによる動力を左軸リンク板463に効率的に伝達して左軸リンク板463の回転を補助する機能を発揮する。これにより、左軸リンク板463の回転による動力が左軸フックリンクガイド464に伝達される。
次に、左軸フックリンクガイド464の詳細な構成について説明する。図36に示すように、左軸フックリンクガイド464は、樹脂製の板状部材であり、左軸ベース側面部461dの上下方向の中央領域に設けられている。左軸フックリンクガイド464は、左右方向に延伸する長孔状に形成された第一フックリンクガイド孔464cと、第一フックリンクガイド孔464cの直下で左右方向に延伸する長孔状に形成された第二フックリンクガイド孔464dとを有している。
図36に示すように、第二フックリンクガイド孔464dは、左軸フックリンクガイド464の上端に形成された貫通孔である。第二フックリンクガイド孔464dには、リンク板第三補助部463cが挿通されている。リンクレバー460の作動前(回転していない状態)では、リンク板第三補助部463cは第二フックリンクガイド孔464d内の左端に位置している。リンクレバー460が作動(反時計回り)して、左軸リンク板463が回転することに伴い、リンク板第三補助部463cも反時計回りに回転する。このとき第二フックリンクガイド孔464dにはリンク板第三補助部463cから下方向の力が働く。これにより、左軸フックリンクガイド464は下方向に移動する。左軸リンク板463の回転に伴い、リンク板第三補助部463cは第二フックリンクガイド孔464d内の左端から中央を通って右方向に移動しながら、左軸フックリンクガイド464を下方向に駆動させる。このようにリンク板第三補助部463cは、左軸リンク板463から受けた動力を左軸フックリンクガイド464に伝達する機能を発揮する。
左軸フックリンクガイド464の上端側に形成された第一フックリンクガイド孔464cは、ストッパー第二補助部465bが挿通されている(図48参照)。左軸フックリンクガイド464は左軸ストッパー465と連結されている。詳しくは後述するが、左軸ストッパー465は左軸フックリンクガイド464の下方への移動を規制する機能を発揮する。
図37に示すように、左軸フックリンクガイド464は、第一左軸フックリンクガイド接続部464aと第二左軸フックリンクガイド接続部464bとを有している。第一左軸フックリンクガイド接続部464aは、第二フックリンクガイド孔464dの下部に設けられている。第二左軸フックリンクガイド接続部464bは、第一左軸フックリンクガイド接続部464aの下方であって左軸フックリンクガイド464の下端部に設けられている。第一左軸フックリンクガイド接続部464aおよび第二左軸フックリンクガイド接続部464bは、左端部側が開口され、右端部側が閉じられた円筒状を有している(図38参照)。第一左軸フックリンクガイド接続部464aおよび第二左軸フックリンクガイド接続部464bは、内側の側壁面にねじが切られている。第一左軸フックリンクガイド接続部464aおよび第二左軸フックリンクガイド接続部464bの内部空間がねじ穴を構成している。第一左軸フックリンクガイド接続部464aおよび第二左軸フックリンクガイド接続部464bに設けられたねじ穴には、後述するフックベース466をねじ止めするためのねじ(不図示)が固定される。これにより、フックベース466と左軸フックリンクガイド464とが連結され、フックベース466と左軸フックリンクガイド464とは連動する。左軸フックリンクガイド464が下方向に移動することに伴って、フックベース466も下方向に移動する。
次に、左軸ストッパー465の詳細な構成について説明する。図36に示すように、左軸ストッパー465は、左軸ベース側面部461dの左上部に設けられている。左軸フックリンクガイド464と連結された部材である。左軸ストッパー465は、樹脂製のくの字形状に屈曲した板状部材で形成されている。左軸ストッパー465は、ストッパー第一補助部465aと、ストッパー第二補助部465b(図48参照)とを有している。
ストッパー第一補助部465aは、左軸ストッパー465の中央部に設けられ、左軸ベース側面部461dに対して左軸ストッパー465を回転可能に支持する。詳しくは後述するが、リンクレバー460の作動時、つまり第一部材14の規制解除時において、左軸ストッパー465は、ストッパー第一補助部465aを回転軸として時計回りに回転する。
ストッパー第二補助部465b(図48参照)は、左軸フックリンクガイド464の端部に設けられた円柱形状の突起物である。ストッパー第二補助部465bは、左軸ストッパー465の前面から前方に向かって突出している。ストッパー第二補助部465bは、左軸フックリンクガイド464の上端部に形成された第一フックリンクガイド孔464cに挿通されている。リンクレバー460の作動前、つまり第一部材14の回転(変形動作)の規制状態ではストッパー第二補助部465bは第一フックリンクガイド孔464c内の右端部に位置している。このため、第一部材14の規制状態においてストッパー第二補助部465bは左軸リンク板463の後方に隠れて正面からは視認できない(図38参照)。リンクレバー460が作動すると、上述のように左軸フックリンクガイド464が下方向に移動する。これに伴い、第一フックリンクガイド孔464cからストッパー第二補助部465bに下方向の力が加えられる。ストッパー第二補助部465bに下方向の力が加わると、左軸ストッパー465はストッパー第一補助部465aを回転軸として時計回りに回転する。このとき、ストッパー第二補助部465bは第一フックリンクガイド孔464c内を左方向に移動する。このため、リンクレバー460が回転した後は、ストッパー第二補助部465bが第一フックリンクガイド孔464c内の左端に位置している。(図48参照)
次に、左軸フックリンクガイド464に取り付けられたフックベース466の詳細な構成について説明する。図37に示すように、フックベース466は、板状の長尺部材であり、左軸ベース側面部461dの左端部において左軸ベース側面部461dの上下方向に沿って延伸している。フックベース466は、左軸ベース側面部461dの前面に直立して突出するように配置されている。フックベース466には、第一左軸フックリンクガイド接続部464aおよび第二左軸フックリンクガイド接続部464bと対応する位置にねじを挿通可能な貫通孔が形成されている。フックベース466は、これらの貫通孔を通って第一左軸フックリンクガイド接続部464aおよび第二左軸フックリンクガイド接続部464bのそれぞれに固定されたねじによって、左軸フックリンクガイド464にねじ止めされている。このように、フックベース466はリンクレバー460に固定されているので、リンクレバー460が回転して左軸フックリンクガイド464が下方向に移動すると、フックベース466も下方向に移動する。
また、図37に示すように、フックベース466は、フックベース466の上部に形成された左軸第一フック467と、フックベース466の下端部に形成された左軸第二フック468と、左軸第一フック467および左軸第二フック468の間に設けられたフックロック469とを有している。左軸第一フック467は、フックベース466と一体形成された鉤状の金属部材に、樹脂製のカバーをかぶせた構成を有している。左軸第一フック467は、フックベース466において左軸ベース側面部461dの前方に向かって突出して形成されている。つまり、左軸第一フック467は、上部ユニット4において背面(後側の樹脂板400b)側から第一部材14が突き出している方向(前方)に向かって突出して形成されている。より詳細には、左軸第一フック467は、左軸第一フック係止部467aと、左軸第一フック頂部467bとを有している。左軸第一フック係止部467aは、左軸第一フック467がフックベース466から前方へ向かう所定箇所で上方に折り曲げられた形状をしている。
左軸第一フック467の下方には、所定の間隔を設けて左軸第一フック467と同様の構造を有する左軸第二フック468が形成されている。左軸第二フック468は、左軸第一フック係止部467aと同様の形状に形成された左軸第二フック係止部468aと、左軸第一フック頂部467bと同様の形状に形成された左軸第二フック頂部468bとを有している。左軸第二フック係止部468aは、左軸第二フック468がフックベース466から前方へ向かう所定箇所で上方に折り曲げられた形状をしている。
詳しくは後述するが、図39に示すように、第一部材14の変形動作の規制解除前(上部ユニット4が第一形態の場合)において、左軸第一フック467の左軸第一フック係止部467aには、第一部材14に設けられた第一フック受け457が係止され、左軸第二フック468の左軸第二フック係止部468aには第一部材14において第一フック受け457の下側に設けられた第二フック受け458が係止される。これにより、第一部材14の左端部がベース部材40に係止されて上部ユニット4の左端部に対する第一部材14の変形動作(回転動作)が規制される。したがって、上部ユニット4が第一形態をとる場合には、第一部材14は、上部ユニット4の左端部に維持される(図29参照)。
また、上述のように、左軸部46は、上部ユニット4内において、ベース部材40の前側の樹脂板400aと金属部材400cとの間に配置されている。このとき、左軸ベース側面部461dは、左軸部46において金属部材400cの内面側に固定されている。詳しくは後述するが、図39に示すように、左軸第一フック467は、上部ユニット4内において前側の樹脂板400aに設けられた第一フック貫通孔457aに挿通されて前方に突出するように配置される。左軸第二フック468は、上部ユニット4内において前側の樹脂板400aに設けられた第二フック貫通孔458aに挿通されて前方に突出するように配置される。これにより、左軸第一フック467は、第一フック受け457に引っ掛かって係止される。左軸第二フック468は、第二フック受け458に引っ掛かって係止される。
図36および図37に示すように、フックロック469は、ねじ部材であるフックロックねじ469cによってフックベース466の左側面の上下方向の中央部分でフックベース466に対して回転可能に取り付けられている。フックロック469の前面側上部には下方向に向かって傾斜する斜面469aが設けられており、フックロック469の前面側下部には斜面469aの下端部に連接された下部平坦面469bが設けられている。また、フックロック469は斜面469aの上端に連接された平坦なフックロック頂部469dが設けられている。フックロック469は、斜面469aおよびフックロック頂部469dが形成された上部側の体積が、下部平坦面469bが設けられた下部側の体積よりも大きく形成されている。このため、フックロック469は、フックロックねじ469cを回転軸として自重によって斜面469aが前傾して前方向に倒れる前傾動作を行うように構成されている。
リンクレバー460(図37参照)が作動していない状態、つまり上部ユニット4が第一形態をとる場合、図39に示すように、フックロック469は、上部ユニット4内において前側の樹脂板400aに設けられたフックロック貫通孔488から斜面469aの下部領域のみが露出されており、斜面469aの上部およびフックロック頂部469dは、フックロック貫通孔488上部の前側の樹脂板400aの背面側に配置されている。これにより、フックロック469は、前傾動作が前側の樹脂板400aによって規制される。これに対し、リンクレバー460が作動してフックベース466が下方に移動すると、フックロック469の斜面469aの全体およびフックロック頂部469dがフックロック貫通孔488から露出される。これにより、フックロック469は、前傾動作が可能となる(図49参照)。詳しくは後述するが、フックロック469は、リンクレバー460の作動時において前傾動作を行うことで、フックベース466の上方への移動を規制している。つまり、フックロック469は、第一部材14の変形動作の規制解除中、つまり上部ユニット4が第二形態をとっている場合に、フックベース466が第一部材14が規制状態の場合における位置(図39参照)に戻ることを規制可能な構成である。また、フックロック469の前傾動作は、フックベース466においてフックロック469の下端部後方に設けられたフックロックストッパー469eによって規制される(図36参照)。
また、図38に示すように、フックベース466の下部には、左軸ばね459が左軸ベース側面部461dとフックベース466との間に上下方向に張架されている。左軸ばね459は、例えば引っ張りばねであって、下端側がフックベース466に支持され、上端側が左軸ベース側面部461dに支持されている。リンクレバー460が左方向に回転すると、フックベース466が左軸ベース側面部461dに対して下方向に移動する。これにより、左軸ばね459が下方向に引っ張られて付勢される。
また、図37に示すように、左軸ベース側面部461dの上部右側には、左軸受け板456が設けられている。左軸受け板456は、薄板状の金属部材を前方に屈曲した形状を有している。左軸受け板456は、上面を貫通する受け板孔456aを有している。詳細は後述するが、受け板孔456aには、左軸部46と上部ユニット4の第一部材14と第三部材16とを接続する部材が挿通される。第一部材14は、左軸部46による変形動作の規制が解除されると、受け板孔456aに挿通されたロゴリンクピン479(詳細は後述する)を回転軸として回転(変形動作)することができる。
次に、上部ユニット4のベース部材40内に設置された左軸部46における左軸第一フック467および左軸第二フック468と、第一部材14に設けられた第一フック受け457および第二フック受け458との配置関係、および構造について図39を用いて説明する。図39は、第一形態の上部ユニット4の左側面の一部を拡大して示す斜視図である。図39では、理解を容易にするため、カバー部材を取り外した状態の上部ユニット4の左側面の一部が図示されている。図39には、ベース部材40に取り付けられた左軸部46の左軸第一フック467および左軸第二フック468と、第一部材14に設けられている第一フック受け457および第二フック受け458が図示されている。
図39に示すように、第一フック受け457および第二フック受け458は、第一部材14の後方側つまりベース部材40の前側の樹脂板400a側に、左軸部46と対面する位置に設けられている。第一フック受け457および第二フック受け458は、円柱形状の金属部材であり、第一部材14の内部の板金部材455(図39では不図示。図41参照)に設けられた部材の一部である。より具体的には、板金部材455は、第一部材14の左側面を形成する板金部材である。板金部材455の後方下部には、第一フック受け457および第二フック受け458が側面側から内部に向かって突出して設けられている。図39に示すように、第一フック受け457は、上部ユニット4が第一形態をとる場合に、左軸第一フック467の左軸第一フック係止部467aが引っ掛かった状態で左軸第一フック係止部467a上に配置される。これにより、左軸第一フック467は、左軸第一フック係止部467aに係止される。第二フック受け458は、上部ユニット4が第一形態をとる場合に、左軸第二フック468の左軸第二フック係止部468aが引っ掛かった状態で左軸第二フック係止部468a上に配置される。これにより、左軸第二フック468は、左軸第二フック係止部468aに係止される。
これにより、第一形態の上部ユニット4において第一部材14が上部ユニット4の左軸部46に係止され、第一部材14の変形動作が規制される。一方、第一部材14の変形動作の規制が解除された規制解除状態では、左軸第一フック467に設けられている左軸第一フック頂部467bが第一フック受け457よりも低い位置に移動する。同様に、左軸第二フック468に設けられている左軸第二フック頂部468bが第二フック受け458よりも低い位置に移動する。これにより、左軸第一フック係止部467aが左軸第一フック467に引っ掛からなくなり、第一フック受け457による左軸第一フック467の係止が解除される。また、左軸第二フック係止部468aが左軸第二フック468に引っ掛からなくなり、第二フック受け458による左軸第二フック468の係止が解除される。その結果、第一部材14の変形動作が可能となる。
第一部材14の変形動作が可能になると、上部ユニット4は第一形態から第二形態に変形可能となる。上部ユニット4の第一形態から第二形態への変形時において、第一部材14は第三部材16に重なるように折り畳まれる(図42参照)。第一部材14の規制解除状態において、第一部材14に取り付けられているロゴリンク470が作動することで第一部材14は折り畳み可能となる。
ここで、第一部材14の折り畳みに用いられるロゴリンク470の詳細な構成について図40および図41を用いて説明する。図40は、ロゴリンク470を上方から見た拡大図である。図41は、第一部材14および第三部材16に取り付けられたロゴリンク470を後方右上から前方左下に見た状態の図である。図41では、理解を容易にするため、第三部材16に設けられたロゴ上部カバー474およびロゴ裏カバー475の図示が省略されている。
図41に示すように、ロゴリンク470は、ロゴリンク上面部493、ロゴリンク底面部494、ロゴリンク左側面部495、ロゴリンク右側面部496、ロゴリンク接続部497で構成されている。図40に示すように、ロゴリンク470の上面を形成しているロゴリンク上面部493およびロゴリンク470の底面部を形成しているロゴリンク底面部494(図41参照)は、同様のくの字形状に屈曲した板状部材である。ロゴリンク上面部493とロゴリンク底面部494との間には、コの字形状に形成されているロゴリンク右側面部496が設けられている。また、ロゴリンク右側面部の内部には、コの字形状に形成されているロゴリンク左側面部495(図41参照)が設けられており、ロゴリンク右側面部496に挟み込まれるように配置されている。
図40に示すように、ロゴリンク470は、第一ロゴリンク孔470aと、第二ロゴリンク孔470bと、第三ロゴリンク孔470cを有している。第三ロゴリンク孔470cは、ロゴリンク470の左下端に形成された貫通孔であって、後述するロゴリンクピン479が挿通されている。ロゴリンク底面部494、ロゴリンク左側面部495およびロゴリンク右側面部496には、ロゴリンク上面部493に設けられている第一ロゴリンク孔470aと対応する位置に貫通孔が設けられている。図41に示すように、これらの貫通孔および第三ロゴリンク孔470cには、後述するロゴリンク軸部材471が挿通されている。また、ロゴリンク左側面部495およびロゴリンク右側面部496には、ロゴリンク上面部493に設けられている第二ロゴリンク孔470bと対応する位置に貫通孔が設けられている。図42に示すように、これらの貫通孔および第二ロゴリンク孔470bには、後述するロゴリンクねじ478が挿通されている。また、ロゴリンク底面部494、ロゴリンク左側面部495およびロゴリンク右側面部496には、ロゴリンク上面部493に設けられている第三ロゴリンク孔470cと対応する位置に貫通孔が設けられている。図42に示すように、これらの貫通孔および第三ロゴリンク孔470cには、後述するロゴリンクピン479が挿通されている。
図41に示すように、ロゴリンク上面部493はロゴリンク接続部497を有している。ロゴリンク接続部497は、円筒状に形成された樹脂製部材である。ロゴリンク接続部497は、ロゴリンク右側面部496およびロゴリンク左側面部495を介して下方向に突出している。ロゴリンク接続部497は、ロゴリンク底面部494にねじ止めされている。
図41に示すように、ロゴリンク470は、第一部材14の後方に配置されている。ロゴリンク470は、左下側領域上でロゴリンク補助部455aに取り付けられている。ロゴリンク補助部455aは、第一部材14とロゴリンク470とを接続するための部材である。
図41に示すように、第一部材14の左側面を覆う板金部材455の上部に形成されているロゴリンク補助部455aとロゴリンク470の第三ロゴリンク孔470cとにロゴリンクピン479が挿通される。これにより、ロゴリンク補助部455aを介して、ロゴリンク470が第一部材14に対して回転可能に取り付けられる。また、図示は省略するが、第三ロゴリンク孔470cの下方には左軸部46の左軸受け板456に形成されている受け板孔456aが第三ロゴリンク孔470cとほぼ重なる位置に配置されている(図37参照)。第三ロゴリンク孔470cと受け板孔456aとを介してロゴリンクピン479が挿通することにより、ロゴリンク470は左軸部46に対して回転可能に支持される。これにより、第一部材14の変形動作の規制が解除されると、第一部材14およびロゴリンク470が、第一部材14およびベース部材40に取り付けられた左軸部46に対して回転可能となる。
図41に示すように、ロゴリンクピン479は、円筒状に形成された金属部材である。ロゴリンクピン479は、ロゴリンク補助部455a、第三ロゴリンク孔470cおよび受け板孔456aを貫通しており、ロゴリンク補助部455a上面の上方に突出している。第一部材14の変形動作の規制が解除されると、第一部材14およびロゴリンク470は、ロゴリンクピン479を回転軸として回転可能になる。
図40に示すように、第二ロゴリンク孔470bは、第三ロゴリンク孔470cの左上に形成された貫通孔であって、ロゴリンクねじ478が挿通されている。図41に示すように、第二ロゴリンク孔470bの上方には、ロゴリンク補助部455aが重ねて配置されている。第二ロゴリンク孔470bとロゴリンク補助部455aにロゴリンクねじ478が挿通することにより、ロゴリンク補助部455aを介してロゴリンク470が第一部材14に固定される。このように、ロゴリンク470は、第一部材14に設けられているロゴリンク補助部455aに対して、ロゴリンクねじ478およびロゴリンクピン479の2点で回転可能に支持される。
第一ロゴリンク孔470aは、ロゴリンク470の上端に形成された貫通孔であって、後述するロゴリンク軸部材471が挿通されている。図41に示すように、ロゴリンク470の右上端は後述するロゴリンク軸受け472に挟まれている。第一ロゴリンク孔470aの上方には、第一スライド孔472aが重ねて設けられている。また、第一ロゴリンク孔470aの下方には、第二スライド孔472bが重ねて設けられている。ロゴリンク軸部材471が第一スライド孔472a、第一ロゴリンク孔470aおよび第二スライド孔472bを貫通することで、ロゴリンク470とロゴリンク軸受け472とが接続される。また、第一スライド孔472aおよび第二スライド孔472bはそれぞれ、長孔形状を有している。このため、ロゴリンク470の上端部分は、第一スライド孔472aおよび第二スライド孔472bを左右にスライドすることができる。
図41に示すように、ロゴリンク軸部材471は、円柱形状に形成された棒状部材である。ロゴリンク軸部材471は、第一スライド孔472aと第二スライド孔472bとの間の長さよりも長く形成されている。ロゴリンク軸部材471は、第一スライド孔472a、第一ロゴリンク孔470aおよび第二スライド孔472bを貫通して配置されている。ロゴリンク軸部材471の上端部分および下端部分には、第一スライド孔472aおよび第二スライド孔472bのそれぞれの短手方向の長さよりも長い直径の留具が設けられている。これにより、ロゴリンク軸部材471が第一スライド孔472aおよび第二スライド孔472bから抜け落ちなくなる。第一部材14が回転動作を行うと、ロゴリンク470もロゴリンクピン479を回転軸として回転動作を行い、ロゴリンク軸部材471が第一スライド孔472aおよび第二スライド孔472bを左右にスライドする。
ロゴリンク軸部材471がロゴリンク470とロゴリンク軸受け472とを接続することにより、ロゴリンク470と第三部材16が接続する。つまり、第三部材16はロゴリンク470により第一部材14と接続されている。これにより、第一部材14が回転すると第三部材16も作動する。
第一部材14に取り付けられているロゴリンク470は、第一部材14が回転動作を行うと、合わせてロゴリンクピン479を回転軸として回転動作を行う。具体的には、第一部材14が第一部材14に設けられている音声出力装置206を第三部材16に近づける回転動作を行うのに合わせて、ロゴリンク470が、第一ロゴリンク孔470aを第一樹脂板カバー481a(図29参照)に近づける回転動作を行う。詳しくは後述するが、上部ユニット4が第二形態をとっている場合、ロゴリンク470は、第一樹脂板カバー481aに接触する。
上部ユニット4の変形において、第一部材14の回転動作により、ロゴリンク470も第一ロゴリンク孔470aを第一樹脂板カバー481aに近づける回転動作を行う。その際に、ロゴリンク軸部材471によりロゴリンク470と接続されている第三部材16も回転動作を行う。ここで、上部ユニット4の変形にかかる第三部材16の詳細な構成について図41および図42を用いて説明する。図41は、第一部材14および第三部材16に取り付けられたロゴリンク470を後方右上から前方左下に見た状態の図である。
図41に示すように、第三部材16は第三部材16の上面を覆うロゴ上部カバー474と第三部材16の背面を覆うロゴ裏カバー475とを有している。ロゴ裏カバー475は第一ロゴ裏カバー475aと第二ロゴ裏カバー475bとで構成されている。詳しくは後述するが、上部ユニット4の第二形態において第一ロゴ裏カバー475aが第一樹脂板カバー481a(図29参照)に接する。同時に上部ユニット4の第二形態において、第二ロゴ裏カバー475bが第二樹脂板カバー481b(図29参照)に接する。また、第三部材16の左端の上面にロゴ上部カバー三角部474aが設けられている。ロゴ上部カバー三角部474aは、上部ユニット4の第一形態において、第一ロゴリンク孔およびロゴリンク軸部材の上方に位置している(図30参照)。
また、図41に示すように、第三部材16はロゴベース473を有している。ロゴベース473は、第一ロゴ裏カバー475aおよび第二ロゴ裏カバー475bに覆われて視認できないようになっている(図42参照)。ロゴベース473は、第三部材16の背面側に設けられている樹脂製の板状部材である。ロゴベース473の左右方向の幅は第三部材16の左右方向の幅とほぼ同じ幅に構成されている。
図42に示すように、ロゴベース473は、第一ロゴ接続部476および第二ロゴ接続部477を有している。第一ロゴ接続部476および第二ロゴ接続部477は、ロゴベース473の右端部において前枠106(図42では不図示)側に向かって飛び出すように一体形成されている。第一ロゴ接続部476は、ロゴベース473の上部領域に形成されている。第一ロゴ接続部476の端部には、第一ロゴ接続孔476aが形成されている。第一ロゴ接続孔476aは、貫通孔であって、前側の樹脂板400aに設けられたロゴ接続棒状部材483(図43参照)を挿通可能に構成されている。第二ロゴ接続部477は、ロゴベース473の下部領域に形成されており、第一ロゴ接続部476の下方向に位置している。第一ロゴ接続孔476aと同様に、第二ロゴ接続孔477aは、貫通孔であって、前側の樹脂板400aに設けられたロゴ接続棒状部材483を挿通可能に構成されている。第一ロゴ接続孔476aおよび第二ロゴ接続孔477aにロゴ接続棒状部材483を挿通することで、第三部材16が前側の樹脂板400aに回転可能に支持される。
また、第三部材16はハーネスカバー482を有している。ハーネスカバー482は、コの字形状の樹脂製部材であり、第三部材16の左領域において第一ロゴ接続部476および第二ロゴ接続部477を挟み込むように設けられている。
また、ロゴベース473の左端部分はコの字形状をしており、後述するロゴリンク軸受け472で挟み込まれている。ロゴベース473の左端部分において、第一スライド孔472aおよび第二スライド孔472bとほぼ重なる位置に貫通孔が形成されている。
第三部材16はロゴリンク軸受け472を有している。図41に示すように、ロゴリンク軸受け472の一部は、第一ロゴ裏カバー475aに覆われて視認できないようになっている。ロゴリンク軸受け472は、コの字形状の樹脂製部材である。ロゴリンク軸受け472は、第三部材16の左端に第一ロゴリンク孔470aが形成されているロゴリンク470および後述するロゴベース473を挟み込むように設けられている。
ロゴリンク軸受け472は、ロゴリンク軸受け472の上面に形成されている第一スライド孔472aと、ロゴリンク軸受け472の下面に形成されている第二スライド孔472bを有している。第一スライド孔472aおよび第二スライド孔472bは、同じ大きさの長孔形状の貫通孔である。第一スライド孔472aおよび第二スライド孔472bには、ロゴリンク軸部材471が貫通している。これにより、ロゴリンク470の回転に合わせてロゴリンク軸部材471が第一スライド孔472aおよび第二スライド孔472bを左右方向にスライドする。
上部ユニット4の変形において、第一部材14が回転動作を行い、第三部材16も前枠106方向に折り畳まれる。その際に、第三部材16が前側の樹脂板400aに接する。ここで、上部ユニット4の変形に係る前側の樹脂板400aの詳細な構成について、図29を参照しつつ図43を用いて説明する。図43は、第三部材16を取り外した上部ユニット4を前方左側から後方右側に見た状態の斜視図である。図43には、上部ユニット4に設けられている第一部材14と、第二部材15と、前側の樹脂板400aが図示されている。
図29に示すように、前側の樹脂板400aは、第一樹脂板カバー481aと第二樹脂板カバー481bとを有している。第一樹脂板カバー481aは、前側の樹脂板400aの左領域に設けられている。第一形態の上部ユニット4において、第一樹脂板カバー481aは露出しており、視認可能である。第二形態の上部ユニット4において、第一樹脂板カバー481aは第一ロゴ裏カバー475a(図41参照)およびロゴリンク470が接しており、視認できない。
また、第二樹脂板カバー481bは、前側の樹脂板400aの右領域に設けられている。第一形態の上部ユニット4において、第二樹脂板カバー481bは露出しており、視認可能である。第二形態の上部ユニット4において、第二樹脂板カバー481bは第二ロゴ裏カバー475b(図41参照)が接しており、視認できない。
図43に示すように、第二樹脂板カバー481bは、ロゴ接続棒状部材483を有している。ロゴ接続棒状部材483は円筒状の金属部材であり、第二樹脂板カバー481bの左領域に埋め込まれて設けられている。ロゴ接続棒状部材483は、第一ロゴ接続孔476aおよび第二ロゴ接続孔aを挿通することにより、第三部材16がロゴ接続棒状部材483を回転軸として回転する。
次に、本実施形態における上部ユニット4の規制解除の流れについて図33および図35(a)を参照しつつ図44から図50を用いて説明する。ここでは、前枠施錠状態の施錠機構60に対して、前枠解錠操作を行った場合における上部ユニット4の第一形態から第二形態への変化の流れの一例を説明する。
図44は、上部ユニット4に設けられた作動状態のリンクレバー460および内枠上部浮き防止ユニット70左端部を斜め上方から見た拡大図である。図45は、前枠106に取り付けられた上部ユニット4内の作動状態のリンクレバー460を上方から見た拡大図である。図46は、作動状態のリンクレバー460を含む左軸部46の上面図である。図47は、作動状態のリンクレバー460および規制解除状態の左軸部46を前方右上から後方左下に向かって見た状態を示す図である。図48は、規制解除状態の左軸部46の正面図である。また、図49は、第二形態の上部ユニット4の左側面の一部を拡大して示す斜視図である。図50は、第二形態の上部ユニット4の第一部材14および第三部材16の背面図である。
前枠解錠操作を行った場合における上部ユニット4の第一形態から第二形態への変化は、「作業者による前枠解錠操作→上部ユニット4の第一部材14の変形動作の規制解除動作→当該作業者による第一部材14の折り畳み作業」の3段階に大別される。
(作業者による前枠解錠操作)
施錠機構60が前枠施錠状態であり、上部ユニット4が第一形態(図29参照)である場合に、作業者が施錠機構60において、錠前6の鍵穴6aに不図示のキーを差し込み、左方向(反時計回り)に回転させる前枠解錠操作(図24(b)参照)を行うと、リンクレバー460は、この前枠開錠操作に伴って、図33に示す非作動状態から図44に示す作動状態となる。具体的には、前枠解錠操作に基づいて、施錠機構60において第1連動部材62が上動し、これに連動して内枠上部浮き防止ユニット70の上部フック係止竿73が左方向にスライドする。これに伴って、図34に示す上部フック係止竿73に設けられたリンクレバー第1解除部732が左方向にスライドする。図45に示すように、左方向にスライドしたリンクレバー第1解除部732によってリンクレバー460のリンクレバー鉤状部460cに左方向への力が加わる。これにより、図35(a)に示すリンクレバー460は、図46に示すように、第一リンクレバー孔460aに挿通された左軸ベース突起体461aを回転軸として左回りに回転する。こうして、図33に示すリンクレバー460のリンクレバー鉤状部460cは、図44に示すように、第一リンクレバー開口部489の中央部分から左端に移動した作動状態となる。
(第一部材14の変形動作の規制解除動作)
リンクレバー鉤状部460cがリンクレバー第1解除部732によって左方向に押されて作動状態となったリンクレバー460は、図35(a)に示す通常の状態から左軸ベース突起体461aを回転軸として左回り(反時計回り)に回転している(図46参照)。リンクレバー460が作動状態になると、これに連動してリンクレバー460が取り付けられた左軸部46に設けられている種々の部材が可動し、上部ユニット4の第一部材は回転動作の規制が解除されて第一形態から第二形態に変形可能となる。
具体的には、リンクレバー460の左回りの回転動作は、まず、左軸部46の上部に設けられた左軸スライド板462伝達される。具体的には、リンクレバー460が反時計回りに回転すると、リンクレバー460に形成されている第二リンクレバー孔460b(図35(a)参照)が、図46に示すように、右方向に移動する。これに伴い、第二リンクレバー孔460bを貫通している左軸スライド突起体462aも右方向に移動して、左軸スライド突起体462aによってリンクレバー460と連結されている左軸スライド板462が右方向に移動する。つまり、リンクレバー460の反時計回りの回転動作が、左軸スライド板462の右方向の動作に変換される。
したがって、図46および図47に示すように、左軸スライド板462が右方向に移動すると、これに伴い、左軸スライド板462に設けられた第一左軸スライドねじ462b(図35(b)および図37参照)が、左軸ベース上面部461eに設けられた第一左軸ベース孔部461bの左端部から右端部に移動している。同様に、左軸スライド板462に設けられた第二左軸スライドねじ462cが、左軸ベース上面部461eに設けられた第二左軸ベース孔部461cの左端部から右端部に移動している。また、左軸スライド板462が右方向に移動すると、左軸スライド板462の側面に一体形成されている左軸スライド補助部462d(図38参照)が、図48に示すように、右方向に移動する。
図48に示すように、左軸スライド補助部462dが右方向に移動することにより、上述のように左軸スライド補助部462dがリンク板第二補助部463bを介して左軸リンク板463に下方向の力を加える。これにより、左軸リンク板463(図38参照)が、図48に示すように、リンク板第一補助部463aを回転軸として左回り(反時計回り)に回転する。これにより、左軸リンク板463の回転による動力が左軸フックリンクガイド464に伝達される。
具体的には、左軸リンク板463が回転することに伴い、左軸リンク板463の左端部に設けられているリンク板第三補助部463c(図38参照)が、図48に示すように、右下方向に移動する。これにより、リンク板第三補助部463c(図38参照)は、リンク板第一補助部463aを回転軸として左回りに回転して左側端部が右下方向に移動する(図48参照)。リンク板第三補助部463cの右下方向への移動に基づく動力が、第二フックリンクガイド孔464dを介して、左軸フックリンクガイド464(図38参照)に伝達される。これにより、図48に示すように、左軸フックリンクガイド464は下方向に移動する。具体的には、左軸リンク板463の回転に伴い、リンク板第三補助部463cは、第二フックリンクガイド孔464d内の左端から中央に移動しながら、左軸フックリンクガイド464に下方向の力を加える。このようにして、リンク板第三補助部463cが左軸リンク板463から受けた動力が、左軸フックリンクガイド464に伝達される。
左軸フックリンクガイド464がリンク板第三補助部463cによって下方向に移動すると、左軸ストッパー465(図38参照)が、図48に示すように、ストッパー第一補助部465aを回転軸として時計回りに回転する。具体的には、左軸ストッパー465に設けられているストッパー第二補助部465bが、左軸フックリンクガイド464に設けられている第一フックリンクガイド孔464c内の右側端部から左側端部に移動しながら第一フックリンクガイド孔464cを介して左軸フックリンクガイド464に下方向の力を与える。これにより、図48に示すように、左軸フックリンクガイド464は下方向に移動する。
左軸フックリンクガイド464が下方向に移動すると、左軸フックリンクガイド464と一体化しているフックベース466(図38参照)も、図48に示すように、下方向に移動する。フックベース466に形成されている左軸第一フック467および左軸第二フック468は、左軸フックリンクガイド464の移動に伴う下方向へ移動前では、図39に示すように、第一フック受け457および第二フック受け458に引っ掛かった状態で係止されている。しかしながら、左軸第一フック467および左軸第二フック468は、フックベース466の下方向への移動に伴って下方向に移動して、左軸第一フック頂部467bが第一フック受け457よりも下側に配置され、かつ左軸第二フック頂部468bが第二フック受け458よりも下側に配置されると、図49に示すように、左軸第一フック467が第一フック受け457から外れ、左軸第二フック468が第二フック受け458から外れる状態となる。これにより、第一部材14の変形動作の規制が解除され、第一部材14が可動になる。つまり、上部ユニット4が第一形態から第二形態に変形可能となる。
なお、上部ユニット4の第二形態を検出する上述の上部ユニット変形検出部(不図示)は、例えば第一部材14において、図49に示す第一フック受け457または第二フック受け458の近傍に設置されていてもよい。また上部ユニット変形検出部は、ベース部材40の前側の樹脂板400aに設けられていてもよい。上部ユニット変形検出部は、例えば上部ユニット4において第一部材14とベース部材40との係止関係を形成する部材(左軸第一フック467、左軸第二フック468、第一フック受け457および第二フック受け458)の近傍に設置されることで、上部ユニット4が第二形態か否かを検出することができる。
また、左軸第一フック頂部467bが第一フック受け457よりも下側に配置され、かつ左軸第二フック頂部468bが左軸第二フック受け458よりも下側に配置されると、図49に示すように、フックロック469の斜面469aの全体およびフックロック頂部469dは、左軸第一フック467および左軸第二フック468の間にフックロック貫通孔488から飛び出して配置される。第一部材14の変形動作の規制が解除されている場合、左軸ばね459は、付勢された状態(すなわち弾性エネルギーを蓄えた状態)である。このため、左軸ばね459は、上方向に移動させる力をフックベース466に付与している。このため、第一部材14の変形動作の規制が解除されている場合にフックベース466は、上方向に移動しようとするが、フックロック頂部469dがフックロック貫通孔488の上縁部に当接されるので、フックベース466の上方向への移動が規制される。これにより、第一部材14の変形動作の規制が解除されている場合、左軸第一フック頂部467bが第一フック受け457よりも下側に配置され、かつ左軸第二フック頂部468bが第二フック受け458よりも下側に配置された状態が維持される。
(第一部材14の折り畳み作業)
図31および図32に示すように、上部ユニット4は、第一部材14の音声出力装置206を第三部材16に近づける回転動作によって、第一部材14が第三部材16に重なるように折り畳まれた状態となる。ここで、第一部材14の折り畳み作業、すなわち本実施形態の上部ユニット4の変形時におけるロゴリンク470および第一部材14の変形動作について図30、図32、図40、図41から図43を参照しつつ図50を用いて説明する。図50は、第二形態における第一部材14および第三部材16に取り付けられたロゴリンク470を後方右上から前方左下に見た状態の図である。
第一部材14の折り畳み作業において作業者は、変形動作の規制解除状態の第一部材14を内側に(すなわちベース部材40(図30参照)に近づけるように)回転動作させる。第一部材14が内側に回転するのに合わせて、ロゴリンク470(図41および図42参照)もロゴリンクピン479を回転軸にして同方向に回転する。具体的には、ロゴリンク470の第一ロゴリンク孔470a(図40参照)がベース部材40に向かって回転移動する。これに伴い、第一ロゴリンク孔470aに挿通しているロゴリンク軸部材471(図41参照)が第一スライド孔472aおよび第二スライド孔472bの右端から左端に移動する(図50では不図示)。ロゴリンク軸部材471は、第一スライド孔472aおよび第二スライド孔472bの右端から左端に移動しながら、第三部材16に対してベース部材40側に向かう力を付与する。第三部材16は、ロゴリンク軸部材471からベース部材40側に向かう力を受けると、ロゴ接続棒状部材483(図43参照)を回転軸としてベース部材40に向かう方向に回転する。これにより、図32および図50に示すように、第三部材16と第一部材14とが向かい合ってほぼ平行な状態となる。また、第一ロゴ裏カバー475aと第一樹脂板カバー481a(図29参照)が向かい合い、第二ロゴ裏カバー475bと第二樹脂板カバー481b(図43参照)とが向かい合った状態となる。これにより、上部ユニット4は、第一状態から第二状態への変形が完了する。
このように、本実施形態による遊技機100において上部ユニット4は、前枠解錠操作によって施錠機構60が前枠施錠状態から前枠解錠状態に遷移することに連動して、第一形態から第二形態に変形可能に構成されている。つまり、遊技機100は前枠解錠操作に連動して、施錠機構60の第1連動部材62、上部第1連動カム74、上部フック係止竿73およびリンクレバー460を動作させることができる。これにより遊技機100は、前枠106の開閉時に上部ユニット4が隣台に干渉することを防止することができるとともに、前枠106の開放時における作業者の作業負荷を低減させることができる。
また、ここでは前枠解錠操作を行った場合における上部ユニット4の第一形態から第二形態への変化の流れを説明したが、遊技機100は、内枠解錠操作を行った場合も同様に、上部ユニット4が第一形態から第二形態に変化可能に構成されている。
例えば、作業者が施錠機構60において、錠前6の鍵穴6aに不図示のキーを差し込み、右方向(時計回り)に回転させる内枠解錠操作(図28参照)を行うと、リンクレバー460は、この内枠開錠操作に伴って作動状態となる。具体的には、内枠解錠操作に基づいて、施錠機構60において第2連動部材63が上動し、これに連動して内枠上部浮き防止ユニット70の内枠解錠連動竿75が左方向にスライドする。これに伴って、図34に示す内枠解錠連動竿75に設けられたリンクレバー第2解除部752が左方向にスライドする。図45に示すように、左方向にスライドしたリンクレバー第2解除部752によってリンクレバー460のリンクレバー鉤状部460cに左方向への力が加わる。これにより、図35(a)に示すリンクレバー460は、図46に示すように、第一リンクレバー孔460aに挿通された左軸ベース突起体461aを回転軸として左回りに回転する。こうして、図33に示すリンクレバー460のリンクレバー鉤状部460cは、図44に示すように、第一リンクレバー開口部489の中央部分から左端に移動した作動状態となる。以降、前枠解錠操作時と同様にして第一部材14の回転動作の規制が解除され、上部ユニット4は第一形態から第二形態に変形する。
このように、本実施形態による遊技機100において上部ユニット4は、内枠解錠操作によって施錠機構60が内枠施錠状態から内枠解錠状態に遷移することに連動して、第一形態から第二形態に変形可能に構成されている。つまり、遊技機100は内枠解錠操作に連動して、施錠機構60の第2連動部材63、上部第2連動カム76、内枠解錠連動竿75およびリンクレバー460を動作させることができる。これにより遊技機100は、内枠104の開閉時に上部ユニット4が隣台に干渉することを防止することができるとともに、内枠104の開放時における作業者の作業負荷を低減させることができる。
次に、本実施形態における上部ユニット4の規制の流れについて説明する。上部ユニット4の第二形態から第一形態への変化は、前枠施錠操作時における作業者による内枠104に対する前枠106の閉作業または内枠施錠操作時における外枠102に対する内枠104の閉作業(第1段階)と、当該作業者による折り畳まれた第一部材14の立ち上げ作業(第2段階)と、上部ユニット4の第一部材14の変形動作の規制動作(第3段階)の3段階に大別される。
(前枠または内枠の閉作業)
上部ユニット4の第二形態から第一形態への変化における第1段階において作業者は、例えば施錠機構60が前枠解錠状態であって、内枠104に対して前枠106が開放されている場合には、前枠106を内枠104に対して閉鎖する前枠閉作業を行い、前枠施錠操作によって施錠機構60を前枠施錠状態とする。一方、作業者は、例えば施錠機構60が内枠解錠状態であって、外枠102に対して前枠106とともに内枠104が開放されている場合には、前枠106とともに内枠104を閉鎖する内枠閉作業を行い、内枠施錠操作によって施錠機構60を内枠施錠状態とする。
(第一部材の立ち上げ作業)
上部ユニット4の第二形態から第一形態への変化における第2段階において、作業者は、上部ユニット4においてベース部材40および第三部材16から第一部材14を遠ざける、すなわち第一部材14が第二部材15とほぼ平行となるように立ち上げる立ち上げ作業を行う。詳細な説明は省略するが、第一部材14の立ち上げ作業において、第一部材14およびロゴリンク470は、第一部材14の折り畳み作業の場合と逆の動作によって、第一部材14が第二部材15とほぼ平行な状態となる。
(第一部材の変形動作の規制動作)
上部ユニット4の第二形態から第一形態への変化における第3段階では、第一部材の変形動作の規制動作が行われる。具体的には、第一部材14の立ち上げ作業(第2段階)において、第一部材14の後側の面が左軸部46に方向に向かって近づくように回転する。第一部材14のこの回転において、図49に示すように、フックロック469に形成されている斜面469aがフックロック接触部487に接触する。斜面469aがフックロック接触部487に接触した後、さらに第一部材14が立ち上がる方向に回転すると、フックロック469の斜面469aは、フックロック接触部487によって後側に向かって押される。これにより、フックロック469が後側に向かって回転し、斜面469aの上部およびフックロック頂部469dは、フックロック貫通孔488上部の前側の樹脂板400aの背面側に収容される。その結果、フックロック469のフックロック頂部469dがフックロック貫通孔488の上縁部に係止されなくなる。フックロック469がフックロック貫通孔488に係止されなくなると、左軸ばね459の付勢力(すなわち弾性力)によって、フックベース466が上方向に移動し、左軸第一フック467および左軸第二フック468も上方向に移動する。
これにより、左軸第一フック467の左軸第一フック係止部467aが第一フック受け457に引っ掛かった状態となって係止される。同様に、左軸第二フック468の左軸第二フック係止部468aが第二フック受け458引っ掛かった状態となって係止される。これにより、上部ユニット4の変形動作が規制される。詳細な説明は省略するが、左軸部46は、上述の上部ユニット4の規制解除に係る左軸部46の変形動作と逆の動作によって、上部ユニット4の変形動作を規制し、第一部材14の変形動作の規制動作が完了する。当該規制動作が完了すると、リンクレバー460は非作動位置(図35参照)に戻る。このようにして、第二形態をとっていた上部ユニット4は、第一形態に復帰する。
以上説明したように、本実施形態による遊技機100は、外枠102に対して開閉可能に取り付けられる内枠104と、外枠102及び内枠104に対して開閉可能に取り付けられる前枠106と、前枠106に対して取り付けられ、内枠104または前枠106の開閉に基づいて変形可能な上部ユニットと、を備える。これにより、遊技機100は、前枠106や内枠104の開閉時に上部ユニット4が隣台に干渉することを防止することができる。
また、遊技機100は、内枠104または前枠106の開放を規制する施錠状態(前枠施錠状態、内枠施錠状態)、又は内枠104または前枠106の開放を許容する解錠状態(前枠解錠状態、内枠解錠状態)に可逆的に遷移可能な施錠機構60を備え、上部ユニット4は、施錠機構60が施錠状態から解錠状態に遷移することに連動して変形可能である。これにより、遊技機100は、前枠106または内枠104が開放時において前枠解錠操作または内枠解錠操作のみで上部ユニット4を変化形可能な状態(第一部材14の規制解除状態)とすることができる。つまり、遊技機100は、前枠106に上部ユニット4が取り付けられていない遊技機と同様の操作で、上部ユニット4が取り付けられた前枠106および内枠104を安全に開放することができる。さらに、遊技機100は作業者の作業負荷を低減させることができる。
(変形例)
上記実施形態において、上部ユニット4の第二形態は、第一部材14が第三部材16に重なるように折り畳まれる態様となっているが、本発明はこれに限られない。第一部材14は、前枠106や内枠104の開放時において、隣台に干渉しない態様(前方に突出する第一形態以外の態様)に変形可能に構成されていればよい。例えば、上部ユニット4の第二形態において、第一部材14は、上方または下方に可動するように構成されていてもよい。
上記実施形態において、左軸部46が上部ユニット4のベース部材40に設けられ、第一部材14の規制状態において、左軸部46の左軸第一フック467、左軸第二フック468を係止する第一フック受け457、第二フック受け458が第一部材14に設けられているとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、左軸部46が第一部材14に設けられ、第一フック受け457、第二フック受け458がベース部材40に設けられていてもよい。
また、遊技機100において上部ユニット4は、前枠106または内枠104の開閉時における変形とは別に、遊技者の遊技中に可動する演出動作を実行可能に構成されていてもよい。
上記実施形態において、遊技機100には、浮き防止機構115として上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8が設けられているとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、遊技機100には、上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8のうちいずれか一方のみが設けられていてもよい。つまり、遊技機100において前枠106の上部および内枠104の上部にのみ浮き防止機構が設けられてもよいし、前枠106の上部および内枠104の下部にのみ設けられた浮き防止機構が設けられてもよい。
また、上記実施形態において、上部浮き防止機構7は、前枠上部フック71と内枠上部浮き防止ユニット70とで構成されているとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、上部浮き防止機構7は内枠104側に設けられた内枠上部フックと、前枠106側に設けられた前枠上部浮き防止ユニットとを有し、内枠上部フックが前枠上部浮き防止ユニットに設けられた上部フック係止部に係止されるように構成されていてもよい。この場合、内枠上部フックが施錠機構60に連動してスライド可能に構成されていてもよいし、前枠上部浮き防止ユニットのフック係止竿が施錠機構60に連動してスライド可能に構成されていてもよい。
また、同様に、下部浮き防止機構8は、前枠下部フック81と内枠下部浮き防止ユニット80とで構成されているとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、下部浮き防止機構8は内枠104側に設けられた内枠下部フックと、前枠106側に設けられた前枠下部浮き防止ユニットとを有し、内枠下部フックが前枠下部浮き防止ユニットに設けられた下部フック係止部に係止されるように構成されていてもよい。この場合、内枠下部フックが施錠機構60に連動してスライド可能に構成されていてもよいし、前枠下部浮き防止ユニットのフック係止竿が施錠機構60に連動してスライド可能に構成されていてもよい。
また、上記実施形態において、第1連動部材62および第2連動部材63を有する施錠機構60は内枠104側に設けられ、施錠被係止部5a〜5cは前枠106側に設けられているとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、施錠機構60の第1連動部材62および第2連動部材63が前枠106側に設けられ、施錠被係止部5(5a〜5c)が内枠104側に設けられていてもよい。
また、上記実施形態において、浮き防止機構115(上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8)は施錠機構60と連動して動作する(浮き防止状態または浮き防止解除状態に遷移する)としたが本発明はこれに限られない。例えば遊技機100は、浮き防止機構115が施錠機構60の動作とは関連せずに独立して動作可能に構成されていてもよい。この場合、遊技機100には、施錠機構60とは別に、浮き防止機構115を操作する機構(浮き防止機構操作部)が設けられていてもよい。浮き防止機構操作部は、例えば前枠106が閉鎖された状態であっても浮き防止機構115のスライド部材(上部フック係止竿73、下部フック係止竿83)を動作させることが可能に構成されていればよい。この場合、浮き防止機構115は、例えば内枠104に対して前枠106を閉鎖して浮き防止機構操作部を操作することで、施錠機構60の状態(ここでは前枠施錠状態または前枠解錠状態)に関連なく、浮き防止解除状態から浮き防止状態に遷移可能となる。
このため遊技機100は、例えば施錠機構60に何らかの不具合が発生して、前枠106の施錠(施錠機構60を前枠施錠状態とすること)が困難になった場合であっても、浮き防止機構115を浮き防止状態にして、内枠104に前枠106を係止させることができる。つまり、浮き防止機構115によって簡易な前枠施錠状態を形成することができる。なお浮き防止機構操作部は、安全性の観点から、施錠可能なカバー部材に覆われて遊技者が操作できないように構成されていてもよい。また、浮き防止機構115は、上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8のそれぞれが個別に動作可能に構成されてもよい。この場合、上部浮き防止機構7および下部浮き防止機構8のそれぞれは、異なる浮き防止機構操作部を設けることで個別に操作されてもよいし、一の浮き防止機構操作部の操作方法を変更することで個別に操作可能に構成されていてもよい。
上記実施形態に示す取付補助部41、仮止部42および本止部43は一例であって、本発明における取付補助部41、仮止部42および本止部43の位置や数はこれに限定されない。例えば、仮止部42は複数設けられていてもよい。また、本止部43における上部ユニット側本止部403の貫通孔431、前枠側本止部404の貫通孔および本止ねじ433の数は6つに限られず、上部ユニット4を前枠106に固定可能であれば6つ未満であってもよいし、6つ以上であってもよい。また、上部ユニット4の前枠106への取り付けを確実にする点において、本止部43の数は仮止部42よりも多い方が望ましい。
また、上部ユニット側本止部403の貫通孔431および前枠側本止部404の貫通孔の位置は、上記実施形態に示す位置に限られない。上部ユニット側本止部403の貫通孔431および前枠側本止部404の貫通孔は、仮止め状態において対応する箇所に設けられ、かつ本止め状態において本止部43からベース部材40に対して掛かる力がベース部材40全体に分散可能に配置されていればよい。
上記実施形態では、仮止部42において上部ユニット側仮止部421が棒状部材421aを有し、前枠側仮止部423が棒状部材421aを引掛けるフック423aを有していたが、本発明はこれに限られない。例えば、仮止部42において、上部ユニット側仮止部421がフックを有し、前枠側仮止部423が棒状部材を有していてもよい。この場合、例えば上部ユニット側仮止部421が有するフックは、フック423aとは逆に、棒状部材の上側を把持するように引掛ける形状を有する。これにより、前枠側仮止部423の棒状部材に上部ユニット側仮止部421のフックを引掛けることで、上記実施形態と同様に上部ユニット4を前枠106に仮止めすることができる。
また、上記実施形態では、上部ユニット側仮止部421において、C字型部材406によって棒状部材421aの両端を留具421bに固定するとしたが、本発明はこれに限られない。棒状部材421aは、留具421bに安定して固定されていればよく、例えば棒状部材421aの両端が留具421bの貫通孔の直径よりも大きく形成されており、これにより棒状部材421aが留具421bに固定されていてもよい。また、棒状部材421aの両端に、留具421bの貫通孔の直径よりも大きいキャップ状の部材を取り付けることで、棒状部材421aを留具421bに固定してもよい。
また、上部ユニット側仮止部421が、棒状部材421aに代えて、前枠側仮止部423のフック423aを挿通可能な孔部を有し、当該孔部にフック423aを引掛けることで、上部ユニット4を前枠106に仮止めしてもよい。
また、遊技機100において、上部ユニット4と前枠106との仮止めには、遊技機100に対して着脱可能な別部品を用いてもよい。例えば、遊技機100は、上部ユニット4および前枠106の上部をまとめて挟持可能な弾性を有するクリップ状の部材を有し、当該クリップ状の部材を装着することで、上部ユニット4を前枠106に仮止めしてもよい。この場合、当該クリップ状の部材を取り外すことで、上部ユニット4と前枠106との仮止め状態が解除される。また、この場合、当該クリップ状の部材は上部ユニット4および前枠106の上部に限らず、上部ユニット4および前枠106の左右側部を挟持可能に構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、取付補助部41において上部ユニット側取付補助部411がピン411aを有し、前枠側取付補助部413がピン差込口413aを有していたが、本発明はこれに限られない。例えば、取付補助部41において、上部ユニット側取付補助部411がピン差込口を有し、前枠側取付補助部413がピンを有していてもよい。
また、上記実施形態では、上部ユニット4は前枠106に取り付けられているとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、上部ユニット4は外枠102または内枠104に取り付けられていてもよい。この場合、少なくとも本止部は、前枠106が開状態の場合に露出し、前枠106が閉鎖状態の場合に露出しない領域に設けられていればよい。また、上部ユニット4が外枠102または内枠104に取り付けられる場合、遊技機100には取付補助部が設けられていなくてもよい。
また、遊技機100において、上部ユニット4の代わりに、または上部ユニット4に加えて、装飾ユニットとして下部ユニットや側部ユニットが前枠106に対して着脱可能に取り付けられている場合、下部ユニットや側部ユニットに仮止部および本止部が設けられていればよい。これにより、下部ユニットや側部ユニットは、上部ユニット4と同様に、容易かつ安全に前枠106、または内枠104に対して着脱することができる。
上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機を例にとって説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、機種対応ユニットは、スロットマシンに適用することができる。
また、上記実施形態においては、遊技の進行を制御する主制御基板300と、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて演出を実行制御する副制御基板330とにおいて、上記のとおりに協働することで変動演出が実行されることとした。しかしながら、主制御基板300および副制御基板330において、上記の各機能をどのように分担するかは適宜設計することが可能である。
また、上記実施形態では、大当たりの当選確率を異にする2つの遊技状態と、第2始動口122への遊技球の入球容易性を異にする2つの遊技状態とを組み合わせた4つの遊技状態が設けられているが、遊技状態の内容や種類はこれに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、特2保留が特1保留に優先して読み出されることとしたが、特1保留および特2保留を、入賞順すなわち記憶された順に読み出してもよいし、特1保留が特2保留に優先して読み出されることとしてもよい。いずれにしても、予め設定された始動条件が成立すると、保留情報を予め設定された順に読み出し、保留情報として読み出した大役用乱数値に基づいて、大役遊技の実行可否が抽選により決定されればよい。
また、上記実施形態では、第1始動口120および第2始動口122の2つの始動口を設ける場合について説明したが、始動口は1つでもよいし、3つ以上でもよい。なお、第2始動口122が閉状態にあるときには、当該第2始動口122に遊技球が入球不可能となるように構成したが、第2始動口122が閉状態にあるときにも、一定の頻度で遊技球が入球することとしてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 遊技機
102 外枠
104 内枠
106 前枠
108 遊技盤
110 透過板
116 遊技領域
116a 第1遊技領域
116b 第2遊技領域
250 開口端
300 主制御基板
330 副制御基板
4 上部ユニット
5、5a、5b、5c 施錠被係止部
6 錠前
7 上部浮き防止機構
8 下部浮き防止機構
14 第一部材
15 第二部材
16 第三部材
40 ベース部材
41 取付補助部
42 仮止部
43 本止部
60 施錠機構
61 カム板
62 第1連動部材
63 第2連動部材
70 内枠上部浮き防止ユニット
71 前枠上部フック
73 上部フック係止竿
74 上部第1連動カム
75 内枠解錠連動竿
76 上部第2連動カム
80 内枠下部浮き防止ユニット
81 前枠下部フック
83 下部フック係止竿
86 下部連動カム
115 浮き防止機構
400a、400b 樹脂板
400c 金属部材
731 上部フック係止部
830 下部フック係止部
831 挿通孔
832 下部フック係止面

Claims (2)

  1. 基体の正面側に設けられ、該基体の幅方向の一端側を軸として該基体に対して開閉可能な扉体と、
    前記扉体の開放を規制する施錠状態または前記扉体の開放を許容する解錠状態に遷移可能な施錠機構と、
    前記扉体に対する外力により前記扉体と前記基体との間に間隙が生じる浮き状態の発生を防止する浮き防止状態または前記浮き防止状態が解除された浮き防止解除状態に遷移可能な浮き防止機構と、
    を備え、
    前記施錠機構は、所定の解錠操作に基づいて前記施錠状態から前記解錠状態に遷移し、
    前記浮き防止機構は、前記解錠操作に基づいて前記浮き防止状態から前記浮き防止解除状態に遷移し、
    前記浮き防止機構が前記浮き防止解除状態になるタイミングが、前記施錠機構が前記解錠状態になるタイミングと異なっていること
    を特徴とする遊技機。
  2. 前記浮き防止機構は、前記基体および前記扉体の上部に設けられていること
    を特徴とする請求項1記載の遊技機。
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