以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。まず、図14及び図15を参照して、実施形態に係る遊技機の一例としてのパチンコ遊技機1の構成について説明する。図14は、パチンコ遊技機1の正面図であり、図15は、パチンコ遊技機1の背面図である。図14において、パチンコ遊技機1の額縁状に形成された前面枠2の開口には、扉保持枠3が周設され、該扉保持枠3にガラス扉枠4と前面扉板5とが一側(左側)を軸として開閉自在に設けられている。ガラス扉枠4の後方には、遊技盤11が配置され、前面扉板5の前面には、打球供給皿6が取り付けられている。この打球供給皿6は、払い出された景品玉を貯留し且つ打玉として発射位置に1個ずつ供給するものであり、その上流側の内部空間に遊技に関連する効果音を発生するスピーカ7が内蔵されている。また、前記前面枠2の下方には、打玉を発射する際に操作する操作ハンドル9と、前記打球供給皿6に貯留し切れない余剰の景品玉を貯留する余剰玉受皿8とが設けられている。また、前面枠2には、その上部前面に特定遊技状態となったことを報知する遊技効果ランプ装置10が設けられている。
ところで、前記遊技盤11の表面には、発射された打玉を誘導するための誘導レール12がほぼ円状に植立され、該誘導レール12で区画された領域が遊技領域13を構成している。遊技領域13のほぼ中央上部には、複数(3つ)の回転ドラム15a〜15cを有する可変表示装置14が配置されている。この可変表示装置14の回転ドラム15a〜15cは、独立したドラムモータ(図示しない)によって回転駆動され、その図柄停止位置を検出するためにドラムセンサ(図示しない)が内蔵され、更に表示される図柄を照射装飾するためのドラムランプ(図示しない)を内蔵している。
また、可変表示装置14には、その上部に飾りLED20が設けられ、該飾りLED20の下部に始動記憶LED21が設けられている。飾りLED20は、0〜9までの符号のついた10個のLEDから構成され、後述する特定遊技状態となったときに所定のランダム数から抽出される値に対応するLEDが点灯するようになっている。そして、飾りLED20は、特定遊技状態の発生に関連していずれか1つがランダムに点灯表示されるもので、遊技内容には直接関係しないが、遊技場が所定のサービス(例えば、特定遊技状態で獲得した多量の景品玉を使用して継続して遊技を行うことを許可するサービス)を提供する場合に使用できる。例えば、「7」の飾りLED20で点灯停止したときに所定のサービスを提供するようにすれば良い。また、始動記憶LED21は、後述する始動入賞口23に入賞した打玉のうち記憶したものを表示するものである。更に、可変表示装置14の両サイドには、回転ドラム15a〜15cの縦横3つの図柄によって構成される5本の当りラインを表示するライン表示LED22が設けられている。本実施形態における当りラインは、図示するように、上段水平の当りライン1と、右下がり対角線の当りライン2と、中断水平の当りライン3と、右上り対角線の当りライン4と、下段水平の当りライン5と、があり、いずれかの当りライン上に所定の図柄(大当り図柄という場合がある)が並んだときに大当りとなって特定遊技状態を生起せしめる。
上記のように構成される可変表示装置14の下方には、前記回転ドラム15a〜15cの回転を許容する始動入賞口23が設けられている。この始動入賞口23に入賞した入賞玉は、遊技盤11の裏面に導かれて始動口スイッチ24によって検出される。なお、始動入賞口23への入賞に基づく可変表示装置14の回転は、所定回数(例えば、4回)記憶され、その旨が可変表示装置14に設けられる始動記憶LED21によって表示されるようになっている。
前記可変表示装置14の下方に入賞領域26を有する可変入賞球装置25が設けられている。可変入賞球装置25の入賞領域26には、下端両サイドを軸支して、遊技盤11面に対して垂直方向に開閉自在とされる開閉板27によって塞がれている。この開閉板27は、開閉板用ソレノイド28によって開閉制御され、開成中には、遊技盤11の表面を落下する打玉を受止めて入賞領域26に導き入賞玉とする。また、入賞領域26の内部は、3つに区画され、その中央に特定領域29が形成され、その左右に通常領域が形成されている。特定領域29には、特定領域スイッチ30が設けられ、また、通常入賞領域にも10カウントスイッチ31a,31bが設けられている。
なお、入賞領域26の後面壁には、その中央に打玉が特定領域29に入賞して特定領域スイッチ30をONしたときに、継続権が成立した旨を報知するV表示LED32が設けられ、その一側に特定遊技状態における開閉板27の開放回数を表示する開成回数表示器33が設けられている。また、入賞領域26の下方には、特定領域スイッチ30及び10カウントスイッチ31a,31bで検出された打玉数を表示する個数表示LED34が設けられている。更に、可変入賞球装置25の取付基板7の左右部には、通常の入賞口(符号なし)が一体的に形成され、入賞口の外側にアタッカーランプ35が設けられている。
しかして、上記のように構成される可変入賞球装置25は、以下のように作動する。即ち、打玉がいずれかの始動入賞口23に入賞して始動口スイッチ24をONさせると、可変表示装置14の回転ドラム15a〜15cが回転を開始し、一定時間(例えば、5秒)が経過すると、左側の回転ドラム15aから順次停止され、すべての回転ドラム15a〜15cの停止時の図柄の組み合せが大当り図柄の組合せとなったときに特定遊技状態となる。そして、この特定遊技状態においては、可変入賞球装置25の開閉板27が所定期間(例えば、20秒経過するまで、あるいは10個の入賞玉が発生するまで)開放するように設定され、その開放している間遊技盤11の表面を落下する打玉を受止めるようになっている。そして、入賞領域26内に設けられた特定領域29に入賞すると、再度上記した開放状態を繰り返し、特定領域29に入賞玉が入賞する毎に継続権が成立して開放状態を最高16回繰り返すことができるようになっている。
更に、遊技盤11の表面には、前記可変表示装置14の上部左右側方に風車ランプ37が設けられ、下部側方に入賞口(符号なし)が設けられている。また、前記風車ランプ37は、前記特定遊技状態時や始動入賞時等に点灯又は点滅してその旨を報知するものであり、同様な機能を有するものとして、遊技領域13の左右にサイドランプ36が設けられている。また、遊技盤11の表面の最下方には、上記したいずれの入賞領域にも入賞しなかった打玉が遊技盤11の後方に導かれるアウト口(図示しない)が設けられている。また、誘導レール12の外周に沿ってレール飾りランプ38が設けられている。
一方、パチンコ遊技機1の裏面構成においては、図15に示すように、機構板41が開閉自在に設けられている。この機構板41の中央には、窓開口42が開設され、該窓開口42に対応する遊技盤11の裏面には、入賞玉集合カバー体39が設けられている。入賞玉集合カバー体39には、前記可変表示装置14の後面突出部が貫通しており、その後面突出部の裏面に可変表示装置14の表示動作を制御するドラム表示制御回路基板を収納するドラム表示制御回路基板ボックス19が設けられている。このドラム表示制御回路基板ボックス19に収納される回路基板には、前記ドラムモータ、ドラムランプ、ドラムセンサ等からの配線がコネクタを介して接続される一方、後述する遊技制御回路基板110及び中継基板ボックス40に収納される中継基板と接続される配線もコネクタ19bを介して接続されるようになっている。
また、入賞玉集合カバー体39の裏面には、可変表示装置14の一部の電気機器及び遊技盤11に設けられる電気機器(例えば、始動口スイッチ24、ソレノイド28、特定領域スイッチ30、10カウントスイッチ31a,31b、各種の表示器及びランプ等)からの配線がコネクタを介して接続される一方、遊技制御回路基板110からの配線もコネクタ40bを介して接続される中継基板を収納する中継基板ボックス40も設けられている。
ところで、機構板41には、周知のように発生した入賞玉に基づいて所定個数の景品玉を払い出すための景品玉タンク43、景品玉払出装置(詳細に図示しないが景品玉払出装置ボックス44内にセット化されて組み込まれている)、入賞玉処理装置(図示しない)等の各種の機構が設けられるものであるが、更に、前記した遊技盤11に設けられる可変表示装置14や可変入賞球装置25等の遊技装置の遊技動作を制御する遊技制御回路基板110を収納する基板収納ボックス60、景品玉払出装置の動作を制御する景品玉払出制御基板を収納する景品玉払出制御基板ボックス45、パチンコ遊技機1に隣接して設置されるカードユニット47とパチンコ遊技機1の各装置との配線を中継するユニット中継基板が収納される中継基板ボックス46、遊技制御回路基板110に電源を供給するターミナル基板を収納するターミナル基板ボックス51も機構板41の裏面に取り付けられている。なお、機構板41ではないが、パチンコ遊技機1の裏面には、遊技制御回路基板110からの指令又はデータに基づいてパチンコ遊技機1の前面に設けられる電気的装飾部品(ランプ等)の動作を制御する装飾制御基板ボックスを収納する装飾制御基板ボックス48、打球の発射動作を制御する発射制御基板49を含む打球発射装置50が取り付けられている。
上記した基板収納ボックス60を除く各基板ボックス19,40,44,45,46,48,51には、基板収納ボックス60の後述する封印シール98とほぼ同じ構造を有する封印シール19a,40a,44a,45a,46a,48a,51aが貼付されており、収納される各基板の被覆状態を担保している。このように構成することにより、各基板への不正な目的を持った端子の接続や電子部品の交換等の不正行為を極めて容易に見極めることができるようになっている。なお、図示においては、各基板及び装置には、所定の配線を接続するためのコネクタ19b,40b,44b,45b,46b,47b,48b,51bが設けられており、特に、ターミナル基板ボックス51に収納されるターミナル基板は、遊技制御回路基板110に電源を供給するだけでなく、パチンコ遊技機1に設けられる各種電気的装置、例えば、上記した各基板及び打球発射装置50にも電源を供給すると共に、パチンコ遊技機1の内部での信号線の中継、あるいはパチンコ遊技機1と外部との信号線の中継を行うための端子も設けられている。
次に、本実施形態の要部を構成する基板収納ボックス60の構成について図1乃至図11を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係る基板収納ボックス60の平面図であり、図2は、基板収納ボックス60の分解斜視図であり、図3乃至図6は、図1のA−A線で切断した断面図であって第1の固着手段及び第2の固着手段の作用を説明するためのものであり、図7は、第1の固着手段及び第2の固着手段で使用するワンウェイ取付ネジ99,102の平面図・側面図であり、図8は、ワンウェイ取付ネジと同等の機能を有する破断取付ネジ103の平面図・側面図であり、図9は、予備取付ネジ100の収納構造の側面図であり、図10は、予備封印シール101の収納構造を示す側面図であり、図11は、図1のB−B線で切断した断面図である。
しかして、基板収納ボックス60は、遊技制御回路基板110を収納支持する箱体61と、該箱体61の上面を閉塞するカバー体80とが組付構成され、そのように組付構成された基板収納ボックス60は、前記機構板41の裏面に突設される取付ボス(図示しない)に止着される取付台120に着脱自在に取り付け得るようになっている。以下、基板収納ボックス60の各組付構成部品毎に説明する。
まず、箱体61は、上面が開放した直方体状に合成樹脂(金属でも良い)で形成され、その側壁のほぼ全域に内部で発生する熱を放熱するための放熱孔62が多数穿設されている。また、箱体61の底面には、比較的大きな長方形状の底面開口63が開設され、該開口63の長手方向開口縁には、取付台120の後述する係合レール121に係合するL字状の係合片64が垂下形成されている。
更に、箱体61の底面には、その前方部中央に係止孔73が形成され、その一側長辺部左右に支持位置決め突起65が突設され、その他側長辺部左右に止め突起66が突設され、支持位置決め突起65の近傍に再閉塞用取付ボス68が突設されている。係止孔73は、基板収納ボックス60を取付台120に装着した際に取付台120に形成される係止突起124と係合して基板収納ボックス60全体を機構板41の裏面に支持固定するものである。また、支持位置決め突起65は、遊技制御回路基板110の一側長辺部両端をカバー体80に設けられる後述する押え部材87と挟持して支持するものであり、止め突起66は、遊技制御回路基板110の他側長辺部両端をネジ117で止着支持するものである。なお、支持位置決め突起65及び止め突起66については、後に詳述する。また、再閉塞用取付ボス68には、止着穴69が穿設されており、後述するようにカバー体80を再閉塞する際に、カバー体80の凹部92に形成される取付穴93に一致させて予備ワンウェイ取付ネジ100を螺着するものである。
また、箱体61の長手方向一側側壁の2カ所及び短辺方向両側側壁の1カ所には、係合穴70が形成されている。この係合穴70は、カバー体80を箱体61に被覆したときにカバー体80の裏面に垂下形成される係止垂下片84と係合するようになっており、この係合穴70と係止垂下片84との係合状態は、通常時に、外部から操作してその係合状態を解除することができるようになっているが、本実施形態においては、箱体61の短辺側側壁に外側に向かって突設される取付突片74の止着穴75とカバー体80の短辺側に外側に向かって突設される取付部88の取付穴90にワンウェイ取付ネジ99を螺着している。このため、ワンウェイ取付ネジ99を緩める方向に回動させることができないので、箱体61とカバー体80とを分離することはできない。仮に、これらを分離しようとする場合には、後述するようにカバー体80の取付部88をカバー体80と連結している切断用連結リブ91を破壊しなければならないので、その切断用連結リブ91部分が破壊されているか否かを見ることにより、極めて容易に箱体61とカバー体80とを分離したか否かが分かるようになっている。なお、取付突片74と取付部88との構成及び作用については、後に詳述する。
更に、箱体61の長手方向一側側壁及び短辺方向両側側壁の各1カ所には、被覆状態を担保するための封印シール98,101が貼付されるようになっており、その貼付箇所に封印シール98の外形形状に沿って凹部を形成するように剥離防止壁71が突設されている。ただし、長手方向一側側壁に形成される剥離防止壁71に貼付される封印シール101は、再閉塞後に貼付される予備封印シール101である。また、箱体61の長手方向の他側辺側壁は、高さが低く形成された配線引き出し凹部72となっており、また、箱体61の底面開口63の両側部には、複数の楕円形状の開口67が開設されている。開口67は、次に説明する透明板76によって閉塞されてしまうので、放熱孔としての機能を有さないが、箱体61を形成する原材料の軽減に寄与するものである。
また、箱体61の前記底面開口63を閉塞するために透明板76が箱体61の内側から底面に当接して設けられる。このため、透明板76の四隅には、間隔保持筒部77が上面に形成され、この間隔保持筒部77に前記支持位置決め突起65及び止め突起66を貫通させて所定の位置に保持され、また、間隔保持筒部77の上面に遊技制御回路基板110の下面が当接して透明板76と遊技制御回路基板110との間隔を保持している。しかして、箱体61の底面を透明板76で閉塞することにより、遊技制御回路基板110の裏面(ハンダ面)が外部から透視し得ることとなり、仮にハンダ面に不正な工作(例えば、ジャンパー配線を接続したり、電子部品を実装したりする不正工作)をした場合には、直ちにわかるようになっている。この意味で、透明板76によって閉塞される底面開口63の大きさは、基板収納ボックス60を傾けながらハンダ面の全域が見える程度の大きさがあれば十分である。なお、透明板76には、その長手方向端縁中央部分に支持突起78が突設され、後述するコネクタ113に配線を接続する際に加わる上からの力によって遊技制御回路基板110が変形しないように遊技制御回路基板110の裏面を支持するようになっている。更に、透明板76には、前記再閉塞用取付ボス68を貫通させるための貫通穴79が穿設されている。
一方、上記した箱体61の上面を閉塞するカバー体80は、透明な合成樹脂によって一体的に成形されるもので、その長手方向の他側辺部が下方向に曲折された仕切片81となっている。この仕切片81の位置は、カバー体80を箱体61に装着したときに図1に示すように、遊技制御回路基板110のコネクタ実装領域114が外部に現れて接続開口82を形成するような位置で曲折される。これにより、箱体61にカバー体80を組付構成した状態で接続開口82に臨むコネクタ113に外部からの配線を接続することができる。また、カバー体80の表面には、内部で発生した熱を外部に放出するための放熱孔83(図1の二点鎖線で囲んだ範囲)が多数形成されている。
更に、カバー体80の長辺方向端縁及び短辺方向端縁には、箱体61の側壁上端縁と係合する掛止部85が適宜間隔を置いて突設され、該掛止部85の間のカバー体80には、下方に向かって垂下される係止垂下片84が形成されている。係止垂下片84には、先端に爪部が形成され、この爪部が箱体61の前記係合穴70に係合するようになっている。
また、カバー体80の一側辺部両側に押え部材87が垂下されており、また、カバー体80を箱体61に組み付けた状態で、カバー体80の上面と箱体61の側壁との間を差し渡すように封印シール98が貼付される。そして、このカバー体80にも封印シール98を貼付する箇所に封印シール98の外形形状に沿って凹部を形成するように剥離防止壁86が突設されている。
上記した押え部材87の詳細な説明をする前に、遊技制御回路基板110の構造について簡単に説明すると、遊技制御回路基板110は、周知のようにプリント配線基板によって構成され、その上面がROM111を含む電子部品の実装面とされ、その実装面の大部分が電子部品実装領域112として使用され、後方の一部がコネクタ113が実装されるコネクタ実装領域114とされる。また、遊技制御回路基板110には、その一側長辺左右に前記支持位置決め突起65に対応する係止穴115が形成され、その他側長辺左右に前記止め突起66に対応する止め穴116が形成され、前記再閉塞用取付ボス68を貫通する貫通穴118も形成されている。
上記のように構成されるカバー体80の押え部材87の作用について以下説明する。透明板76が装着された状態の箱体61において、遊技制御回路基板110の一側長辺の係止穴115を支持位置決め突起65の先端突起部に差し込み、他側長辺の止め穴116を止め突起66に載置する。この状態で止め穴116と止め突起66の穴を一致させてネジ117を螺着することにより、一応、遊技制御回路基板110を箱体61に止着したこととなる。そして、その後、カバー体80を箱体61の上方から装着する。この際、押え部材87の先端部が遊技制御回路基板110の上面に当接すると共に、係止穴115を貫通している支持位置決め突起65の先端突起部が押え部材87の中心に形成された穴に係合するので、遊技制御回路基板110の一側長辺部が支持位置決め突起65と押え部材87とによって挟持止着された状態となり、他側長辺部のネジ117による止着とで完全に遊技制御回路基板110を基板収納ボックス60内に止着した状態となるものである。
上記のように遊技制御回路基板110を箱体61に固定し且つカバー体80で被覆した後に、箱体61とカバー体80とを破壊しない限り分離できない構成として、カバー体80の短辺側の手前側には、一対の切断用連結リブ91を介して取付部88が一体的に形成されている。取付部88には、底面が閉塞された凹部89が形成され、その凹部89の底面中心に取付穴90が穿設され、その取付穴90が前記取付突片74の止着穴75に対応している。一方、取付部88に対応する位置のカバー体80のやや内側にも底面が閉塞される凹部92が形成され、その凹部92の底面中心にも取付穴93が穿設され、その取付穴90が前記再閉塞用取付ボス68の止着穴69に対応している。上記した構成のうち、箱体61の取付突片74の止着穴75とカバー体80の取付部88の取付穴90とは、前述したように初期の段階でカバー体80と箱体61との閉塞状態を保持するためのワンウェイ取付ネジ99を止着するものであり、箱体61の再閉塞用取付ボス68の止着穴69と凹部92の取付穴93とは、再閉塞(再被覆)時にカバー体80と箱体61との閉塞状態を保持するための予備ワンウェイ取付ネジ100を止着するものである。
しかして、再閉塞時に使用する予備ワンウェイ取付ネジ100は、仕切片81の対称位置にカバー体80から垂下される予備ネジ収納板94の内側面に一体的に形成される予備ネジ取付部95に着脱自在に収納支持されるようになっている。この予備ネジ取付部95は、図9及び図11に示すように、予備ワンウェイ取付ネジ100を挟持するように断面C字状に形成されている。なお、予備ネジ取付部95は、左右の再閉塞用取付ボス68に対応するように2個形成されている。一方、仕切片81の内側面には、再閉塞時に箱体61及びカバー体80の長手方向に形成される剥離防止壁71,86に貼付される予備封印シール101を収納する突起96,97が一体的に形成されている。この2種類の突起96,97のうち、図10に示すように、突起96は、長方形状の予備封印シール101の下部隅角部を下方から支える予備シール収納支持突起96として機能し、突起97は、予備シール収納支持突起96に支持されている予備封印シール101が前方に向かって脱落しないように当接支持する予備シール収納当接突起97として機能する。なお、予備シール収納支持突起96及び予備シール収納当接突起97に収納される予備封印シール101は、1個である。
なお、予備ネジ取付部95に形成される予備ネジ収納板94及び予備シール収納支持突起96及び予備シール収納当接突起97が形成される仕切片81には、図9及び図10に示すように、予備のネジ及びシールである旨を表示する表示部105,106が形成されている。また、予備ネジや予備シールを収納する構造は、上記した図示のものに限定されるものではなく、脱落しないような構造であればどのような構造であっても良い。
ここで、ワンウェイ取付ネジ99の構造について図7を参照して説明する。図7(A)に示すワンウェイ取付ネジ99は、その頭部99aに形成される窪みの形状が三点係止構造のドライバー工具を時計回転方向(図示のa方向)に回転したときに係止する掛止部99bと、ドライバー工具を反時計回転方向(図示のb方向)に回転したときにドライバー工具の先端が係合することなく滑る傾斜部99cとを有し、しかもその傾斜部99cがテーパー面99dとなっている。このため、a方向の回転によりドライバー工具の先端が掛止部99bと係合してネジを締着することができるが、逆に、b方向の回転によりドライバー工具の先端が傾斜部99cとテーパー面99dとによって外側に飛び出すようになって緩めることができない。つまり、このワンウェイ取付ネジ99は、締着することができるものの、一旦締着した後には、緩めることができないという機能を有するものである。
なお、図7(B)に示すように、ワンウェイ取付ネジ102の頭部102aに形成される窪みの形状が通常のマイナスドライバー工具を使用したときに、係止し得る掛止部102bと、滑る傾斜テーパー部102cとを有する構造としても良い。この場合にも、図示のc方向の回転によりマイナスドライバー工具の先端が掛止部102bと係合して締着することができ、逆に図示のd方向の回転によりマイナスドライバー工具の先端が傾斜テーパー部102cによって滑って外側に飛び出しネジを緩めることができないという機能を有するものである。
上記したワンウェイ取付ネジ99,102と同様な機能を有するネジとして、図8に示す破断取付ネジ103と言われるものがある。この破断取付ネジ103は、その頭部103aに径の細い破断部103cを介して係合部103bが一体的に形成され、その係合部103bにボックスレンチ工具を差し込んで一方向(図示のe方向)に回転せしめることにより締着でき、その締着後にさらに同一方向に回転せしめて過剰なトルクを掛けたときに破断部103cから工具が係合し得る係合部103bが破断して分離し、その後、ネジを緩めることができないようになっている。
しかして、上記のように構成される基板収納ボックス60においては、遊技制御回路基板110を箱体61の支持位置決め突起65及び止め突起66に係合及びネジ117で止着し、その後、カバー体80を上方から覆うようにして係止垂下片84と係合穴70とを係合させる。このとき、取付突片74の止着穴75と取付部88の凹部89内の取付穴90とが一致しているので、その一致している止着穴75及び取付穴90に、図3に示すように、ワンウェイ取付ネジ99を螺着し、その後、短辺側の剥離防止壁86,71に封印シール98を貼付して基板収納ボックス60を完成することができる。
上記のように完成された基板収納ボックス60は、図2に示すような機構板41に止着される取付台120に着脱自在に取り付けられるようになっている。ここで簡単に取付台120の構成について説明すると、取付台120は、合成樹脂(金属でも良い)によって一体的に形成され、その中央に前記係合片64と係合する一対の係合レール121が逆L字状に形成され、その上下端縁に基板収納ボックス60の側壁を案内するガイド片122(このガイド片122は必ずしも必要でない)が突設されている。一方、取付台120の一側端部には、弾性変形する係止解除レバー123が形成され、該係止解除レバー123の基部に前記係止孔73と係合する係止突起124が突設されている。また、取付台120の底面には、止め穴125が形成され、該止め穴125にビスを螺着することにより機構板41の取付ボスに取付台120が固着されるようになっている。
しかして、基板収納ボックス60を取付台120に装着するときには、取付台120の側方から係合片64が係合レール121に係合するように押し込み、更に強く押し込むことにより係止突起124上面の傾斜面に沿って係止解除レバー123が下方に弾性変形し、遂には、係止突起124と係止孔73とが係合して装着を完了する。一方、基板収納ボックス60を取り外すには、係止解除レバー123を下方に押圧して係止孔73と係止突起124との係合を解除した状態で基板収納ボックス60を押し込み方向とは逆の方向に引き抜くことにより簡単に取り外すことができる。
ところで、箱体61とカバー体80とによる被覆状態は、前述したワンウェイ取付ネジ99による止着により簡単に解除することができないので、関係官庁等による検査の必要性が生じたときには、図4に示すように、ニッパー工具104等で切断用連結リブ91部分を破断することにより、図5に示すように、カバー体80を開放することができる。この開放した状態では、封印シール98が破損されることとなる。カバー体80を開放した状態で遊技制御回路基板110上のROM111を抜き出して検査した後、ROM111を差し込み、それと同時にカバー体80の予備ネジ収納板94の予備ネジ取付部95から予備ワンウェイ取付ネジ100を取り出し、また、仕切片81の予備シール収納突起96及び予備シール当接突起97から予備封印シール101を抜き出す。その後、図6に示すように、再度カバー体80を被覆し、その被覆した状態で一致している凹部92の取付穴93と再閉塞用取付ボス68の止着穴69とに抜き出した予備ワンウェイ取付ネジ100を螺着し、長辺側の剥離防止壁86,71に抜き出した予備封印シール101を貼付する。これによって簡単に且つ確実に再閉塞することができる。
つまり、本実施形態においては、箱体61とカバー体80とをワンウェイ取付ネジ99で止着したことによって遊技制御回路基板100の被覆状態が解除できないように構成された基板収納ボックス60に対して、切断用連結リブ91をニッパー工具104等で破壊して被覆状態を解除することができ、解除後に遊技制御回路基板110のROM116等を検査した後、再度被覆する場合には、カバー体80の予備ネジ収納板94の内側に形成される予備ネジ取付部95に収納支持される予備ワンウェイ取付ネジ100を取り出して、再度被覆したカバー体80の凹部92の取付穴93と箱体61の再閉塞用取付ボス68の止着穴69に予備ワンウェイ取付ネジ100を螺合することにより、極めて簡単に再閉塞することができる。そして、この場合、再閉塞作業に必要な部品が予め基板収納ボックス60内に予備的に設けられているので、特別な部品等を用意する必要がなく、極めて簡単に再閉塞作業を行うことができる。
また、本実施形態に係る基板収納ボックス60には、再閉塞後の被覆状態を担保する予備封印シール101が予め基板収納ボックス60内に予備的に設けられているので、特別に封印シールを用意する必要がなく、極めて簡単に再閉塞後の被覆状態を担保することができる。
上記した第1実施形態に係る基板収納ボックス60の固着手段に使用する部品としては、締着する方向にだけ回転し得るワンウェイ取付ネジ99,102,103を示したが、これ以外の部品を使用した固着手段でも良い。そのような部品を使用した実施形態(以下、第2実施形態という)に係る基板収納ボックス60Aについて図12及び図13を参照して簡単に説明する。図12は、第2実施形態に係る基板収納ボックス60Aの断面図であり、図13は、要部の断面図である。なお、この第2実施形態に係る基板収納ボックス60Aは、箱体とカバー体とによって遊技制御回路基板を収納する構成であるので、第1実施形態の基板収納ボックス60と同じ構成要素には、同一の符号であってその末尾に「a」を付した符号を使用した。
図12において、第2実施形態に係る基板収納ボックス60Aにおいては、遊技制御回路基板110aを箱体61aの側壁に形成される係合穴70aとカバー体80aの係止垂下片84aとの係合により取り外しできないように被覆するものであり、係合穴70aと係止垂下片84aとの係合を外せないように箱体61aの外側からロックピン130を係合させている。ロックピン130は、図示するように係合穴70aの全域を閉塞する平板の中心に矢印状の係止部131が突設されたものであり、ロックピン130を係合穴70aに係合させた状態では、係止部131が係止垂下片84aの後方を押圧した状態となっている。ところで、カバー体80aの仕切片81aの内側には、収納突部133が一体的に形成され、その収納突部133に予備のロックピン132が着脱自在に装着されている。なお、予備ロックピン132の数は、係合穴70aの数と同じ数だけ予備的に設けられるものである。
しかして、係止垂下片84aと係合穴70aとの係合状態を解除しようとするには、図13(A)に示すように、ドライバー工具134等でロックピン130を破損し且つ係止垂下片84aを係合穴70aから外すことにより、カバー体80aによる遊技制御回路基板110aの被覆状態を解除することができる。そして、検査後に再度カバー体80aを被覆するためには、図13(B)に示すように、カバー体80aを箱体61aの上方から被覆して係止垂下片84aを係合穴70aに係合させ、その後、収納突部133から取り外しておいた予備ロックピン132を箱体61aの外側から係合穴70aに差し込み、係止垂下片84aと係合穴70aとの係合を解除できないようにする。
このように第2実施形態に係る基板収納ボックス60Aにおいても、再閉塞作業に必要な部品である予備ロックピン132が予め基板収納ボックス60A内に予備的に設けられているので、特別な部品等を用意する必要がなく、極めて簡単に再閉塞作業を行うことができる。なお、この第2実施形態においては、予備封印シールを基板収納ボックス60A内に収納した点について詳細に示さなかったが、当然のことながら予備封印シールを収納する収納部を基板収納ボックス60A内に形成しても良い。
なお、上記した各実施形態では、基板収納ボックス60の組付構成部品として、箱体61とカバー体80と遊技制御回路基板110とからなるものを示したが、遊技制御回路基板110を収納するものであれば、どのような構造のものでも良い。この場合、上記した実施形態では、カバー体80による箱体61の被覆構造がコネクタ実装領域114を露出した状態としているが、本実施形態を含めてカバー体80による被覆状態をコネクタ実装領域114まで拡大して、簡単にコネクタ113の脱着を行えないようにしても良い。また、基板収納ボックス60に収納される基板も遊技動作を制御するものに限らず、不正行為が行われ易い回路基板(例えば、景品玉の払出動作を制御する景品玉払出制御回路基板、表示器用の表示制御回路基板、発射動作を制御する発射制御回路基板、配線を中継する中継端子回路基板、電源端子や信号端子が設けられるターミナル回路基板等)を収納する基板収納ボックスにも応用することができる。更に、遊技機としては、パチンコ遊技機以外の遊技機であっても良い。