JP2021018339A - 光源装置およびプロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】波長変換層の放熱性を維持しつつ光利用効率を向上させることができる光源装置およびプロジェクターを提供する。【解決手段】本発明の光源装置は、励起光を射出する発光素子と、励起光が入射される光入射面22aと、光入射面とは異なる光射出面22bとを有し、励起光を波長変換して蛍光を生成する波長変換層22と、波長変換層における励起光が入射する入射領域とは異なる領域に当接して設けられ、波長変換層で生じる熱を放熱する放熱部材21と、を備え、波長変換層は、光射出面から少なくとも蛍光Yを射出し、波長変換層は、賦活剤および蛍光体を含有する蛍光体相25と、蛍光体相よりも熱伝導率の高い透光性セラミックスを含有するマトリックス相26と、を有し、放熱部材の少なくとも波長変換層に当接する部分は、非透光性部材で構成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、光源装置およびプロジェクターに関する。
下記の特許文献1には、プロジェクターに用いる光源装置として、光源から射出された励起光を蛍光体に照射し、蛍光体で生成された蛍光を利用する光源装置が開示されている。この光源装置では、励起光の入射面と反対の面から蛍光を射出させる透過型の波長変換層を用いている。
特開2012−169049号公報
上記光源装置においては、蛍光体の入射面側にガラス基板を設けることで、蛍光体の温度を低下させるようにしている。しかしながら、蛍光体で生成された蛍光の一部がガラス基板に漏れ出すため、波長変換層の光利用効率が低下してしまう。
上記の課題を解決するために、本発明の第1態様の光源装置は、励起光を射出する発光素子と、前記励起光が入射される光入射面と、前記光入射面とは異なる光射出面とを有し、前記励起光を波長変換して蛍光を生成する波長変換層と、前記波長変換層における前記励起光が入射する入射領域とは異なる領域に当接して設けられ、前記波長変換層で生じる熱を放熱する放熱部材と、を備え、前記波長変換層は、前記光射出面から少なくとも前記蛍光を射出し、前記波長変換層は、賦活剤および蛍光体を含有する蛍光体相と、前記蛍光体相よりも熱伝導率の高い透光性セラミックスを含有するマトリックス相と、を有し、前記放熱部材の少なくとも前記波長変換層に当接する部分は、非透光性部材で構成されていることを特徴とする。
上記第1態様の光源装置において、前記蛍光体相は、酸化物蛍光体を含み、前記マトリックス相は、金属酸化物を含んでもよい。
上記第1態様の光源装置において、前記酸化物蛍光体は、YAl12、Y(Al,Ga)12、LuAl12、TbAl12、(Y,Gd)Al12の少なくともいずれか一つを含んでもよい。
上記第1態様の光源装置において、前記金属酸化物は、Al、MgO、ZnO、TiO、Y、YAlO、BeO、MgAlの少なくともいずれか一つを含んでもよい。
上記第1態様の光源装置において、前記蛍光体相は、窒化物蛍光体を含み、前記マトリックス相は、金属窒化物を含んでもよい。
上記第1態様の光源装置において、前記蛍光体相に添加される賦活剤は、Ce、Euの少なくともいずれか一つを含んでもよい。
上記第1態様の光源装置において、前記マトリックス相の構成材料の熱伝導率は、10W/m・K以上であってもよい。
上記第1態様の光源装置において、前記波長変換層は、前記励起光の入射位置が時間的に変化しない固定型蛍光体であってもよい。
上記第1態様の光源装置において、前記波長変換層を所定の回転軸の周りに回転させる駆動部を備え、前記駆動部は、前記波長変換層を前記所定の回転軸周りに回転させることにより、前記波長変換層に対する前記励起光の入射位置を時間的に変化させていてもよい。
本発明の第2態様のプロジェクターは、本発明の一つの態様の光源装置と、前記光源装置から射出される光を画像情報に応じて変調して画像光を形成する光変調装置と、前記画像光を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とする。
第1実施形態に係るプロジェクターの概略構成を示す図である。 光源装置の概略構成を示す図である。 波長変換素子の要部構成を示す断面図である。 YAG比とBY比との関係を示した図である。 第2実施形態の波長変換素子の要部構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るプロジェクターの概略構成を示す図である。図2は光源装置の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態のプロジェクター1は、スクリーンSCR上に映像を表示する投射型画像表示装置である。プロジェクター1は、光源装置2と、色分離光学系3と、光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bと、合成光学系5と、投射光学装置6とを備えている。
光源装置2は、色分離光学系3に向けて白色の照明光WLを射出する。
色分離光学系3は、光源装置2から射出された照明光WLを赤色光LRと、緑色光LGと、青色光LBとに分離する。色分離光学系3は、第1のダイクロイックミラー7a及び第2のダイクロイックミラー7bと、第1の全反射ミラー8a、第2の全反射ミラー8b及び第3の全反射ミラー8cと、第1のリレーレンズ9a及び第2のリレーレンズ9bとを備えている。
第1のダイクロイックミラー7aは、光源装置2からの照明光WLを赤色光LRと、その他の光(緑色光LG及び青色光LB)とに分離する。第1のダイクロイックミラー7aは、赤色光LRを透過すると共に、その他の光(緑色光LG及び青色光LB)を反射する。一方、第2のダイクロイックミラー7bは、緑色光LGを反射すると共に青色光LBを透過することによって、その他の光(緑色光LG及び青色光LB)を緑色光LGと青色光LBとに分離する。
第1の全反射ミラー8aは、赤色光LRの光路中に配置されて、第1のダイクロイックミラー7aを透過した赤色光LRを光変調装置4Rに向けて反射する。一方、第2の全反射ミラー8b及び第3の全反射ミラー8cは、青色光LBの光路中に配置されて、第2のダイクロイックミラー7bを透過した青色光LBを光変調装置4Bに導く。緑色光LGは、第2のダイクロイックミラー7bから光変調装置4Gに向けて反射される。
第1のリレーレンズ9a及び第2のリレーレンズ9bは、青色光LBの光路中における第2の全反射ミラー8bの光射出側に配置されている。第1のリレーレンズ9a及び第2のリレーレンズ9bは、青色光LBの光路長が赤色光LRや緑色光LGの光路長よりも長くなることに起因した青色光LBの光損失を補償する機能を有している。
光変調装置4Rは、赤色光LRを画像情報に応じて変調し、赤色光LRに対応した画像光を形成する。光変調装置4Gは、緑色光LGを画像情報に応じて変調し、緑色光LGに対応した画像光を形成する。光変調装置4Bは、青色光LBを画像情報に応じて変調し、青色光LBに対応した画像光を形成する。
光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bには、例えば透過型の液晶パネルが用いられている。また、液晶パネルの入射側及び射出側各々には、偏光板(図示せず。)が配置されている。
また、光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bの入射側には、それぞれフィールドレンズ10R,フィールドレンズ10G,フィールドレンズ10Bが配置されている。フィールドレンズ10R,フィールドレンズ10G,フィールドレンズ10Bは、光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bそれぞれに入射する赤色光LR,緑色光LG,青色光LBそれぞれを平行化する。
合成光学系5には、光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bからの画像光が入射する。合成光学系5は、各々が赤色光LR,緑色光LG,青色光LBに対応した画像光を合成し、この合成された画像光を投射光学装置6に向けて射出する。合成光学系5には、例えばクロスダイクロイックプリズムが用いられている。
投射光学装置6は、投射レンズ群からなり、合成光学系5により合成された画像光をスクリーンSCRに向けて拡大投射する。これにより、スクリーンSCR上には、拡大された映像が表示される。
(光源装置)
続いて、光源装置2の構成について説明する。
図2に示すように、光源装置2は、励起光源ユニット10と、アフォーカル光学系11と、ホモジナイザー光学系12と、集光光学系13と、波長変換素子20と、ピックアップ光学系30と、均一照明光学系80と、を備える。
励起光源ユニット10は、レーザー光からなる青色の励起光Bを射出する複数の半導体レーザー(発光素子)10aと、複数のコリメーターレンズ10bとから構成される。励起光Bの発光強度のピークは、例えば445nmである。複数の半導体レーザー10aは、照明光軸100axと直交する一つの平面内においてアレイ状に配置されている。なお、半導体レーザー10aとしては、445nm以外の波長、例えば455nmや460nmの青色光を射出するものを用いることもできる。
コリメーターレンズ10bは、各半導体レーザー10aに対応するように、照明光軸100axと直交する一つの平面内においてアレイ状に配置されている。コリメーターレンズ10bは、対応する半導体レーザー10aから射出された励起光Bを平行光に変換する。
アフォーカル光学系11は、例えば凸レンズ11aと、凹レンズ11bと、を備えている。アフォーカル光学系11は、励起光源ユニット10から射出された平行光束からなる励起光Bの光束径を縮小する。
ホモジナイザー光学系12は、例えば第1マルチレンズアレイ12aと、第2マルチレンズアレイ12bと、を備えている。ホモジナイザー光学系12は、励起光の光強度分布を後述する波長変換層上で均一な状態、いわゆるトップハット分布にする。ホモジナイザー光学系12は、第1マルチレンズアレイ12aおよび第2マルチレンズアレイ12bの複数のレンズから射出された複数の小光束を、集光光学系13とともに、波長変換素子20上で互いに重畳させる。これにより、波長変換素子20上に照射する励起光Bの光強度分布を均一な状態とする。
集光光学系13は、例えば第1レンズ13aと、第2レンズ13bと、を備えている。本実施形態において、第1レンズ13aおよび第2レンズ13bは、それぞれ凸レンズから構成されている。集光光学系13は、ホモジナイザー光学系12から波長変換素子20までの光路中に配置され、励起光Bを集光させて波長変換素子20に入射させる。波長変換素子20の構成については後述する。
ピックアップ光学系30は、例えば第1コリメートレンズ31と、第2コリメートレンズ32と、を備えている。ピックアップ光学系30は、波長変換素子20から射出された光を略平行化する平行化光学系である。第1コリメートレンズ31および第2コリメートレンズ32は、それぞれ凸レンズから構成されている。
ピックアップ光学系30で平行化された光は均一照明光学系80に入射する。均一照明光学系80は、第1レンズアレイ81と、第2レンズアレイ82と、偏光変換素子83と、重畳レンズ84とを含む。
第1レンズアレイ81は、光源装置2からの照明光WLを複数の部分光束に分割するための複数の第1レンズ81aを有する。複数の第1レンズ81aは、照明光軸100axと直交する面内においてマトリクス状に配列されている。
第2レンズアレイ82は、第1レンズアレイ81の複数の第1レンズ81aに対応する複数の第2レンズ82aを有する。複数の第2レンズ82aは、照明光軸100axに直交する面内においてマトリクス状に配列されている。
第2レンズアレイ82は、重畳レンズ84とともに、第1レンズアレイ81の各第1レンズ81aの像を光変調装置4R、光変調装置4G、および光変調装置4Bの画像形成領域の近傍にそれぞれ結像する。
偏光変換素子83は、第2レンズアレイ82から射出された光を直線偏光に変換する。偏光変換素子83は、例えば、偏光分離膜及び位相差板(図示略)を備えている。
重畳レンズ84は、偏光変換素子83から射出された各部分光束を集光して光変調装置4R,光変調装置4G,および光変調装置4Bの画像形成領域の近傍にそれぞれ重畳する。
(波長変換素子)
次に、波長変換素子の構成について説明する。
図3は、波長変換素子20の要部構成を示す断面図である。なお、図3は、図2の照明光軸100axを含む平面で波長変換素子20を切断した断面に相当する。
図3に示すように、波長変換素子20は、放熱基板(放熱部材)21と、波長変換層22と、ダイクロイック膜23と、接合部材24とを備えている。本実施形態の波長変換素子20は、波長変換層22に対する励起光Bの入射位置を時間的に変化させない固定型蛍光体である。
放熱基材21は、例えばアルミニウムや銅等の放熱性に優れた金属材料で構成されている。放熱基材21は、波長変換層22を支持する支持部材である。波長変換層22は、接合部材24を介して放熱基材21に固定されている。
本実施形態の放熱基材21は非透光性部材で構成されている。放熱基材21は、アルミニウム、銅等の放熱性に優れた金属材料で構成されている。
励起光Bは、放熱基材21に形成された貫通孔21bを介して波長変換層22に入射する。すなわち、放熱基材21は、波長変換層22の励起光Bが入射される入射領域とは異なる領域に当接して設けられ、波長変換層22で生じる熱を放熱する部材である。放熱基材21は、貫通孔21bの除いた部分で波長変換層22に当接している。本実施形態において、放熱基材21の波長変換層22に当接する部分は非透光性部材で構成されている。
波長変換層22は、励起光源ユニット10から射出された励起光Bが入射する光入射面22aと、光入射面22aとは異なる光射出面22bと、を有する。
波長変換層22は、光入射面22aから入射した励起光Bにより生成された蛍光Yを光射出面22bから射出させる、透過型の波長変換層である。
ダイクロイック膜23は、波長変換層22の光入射面22aに設けられている。ダイクロイック膜23は、励起光Bを透過し、波長変換層22から射出される蛍光Yを反射する特性を有する。このようなダイクロイック膜23を設けることで、波長変換層22内で生成された蛍光Yが外部に射出されるのを防止できる。これにより、波長変換層22で生成した蛍光Yを波長変換層22から効率良く取り出すことができる。
波長変換層22は、蛍光体相25とマトリックス相26とを有する。蛍光体相25は、賦活剤が添加された酸化物蛍光体を含有している。蛍光体相25は、複数の蛍光体粒子で構成されている。蛍光体相25は、例えば、賦活剤としてセリウム(Ce)が添加されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG(YAl12):Ce)を含んでいる。
YAG:Ceを例にとると、蛍光体粒子として、Y、Al、CeO等の構成元素を含む原料粉末を混合して固相反応させた材料、共沈法、ソルゲル法等の湿式法により得られるY−Al−Oアモルファス粒子、噴霧乾燥法、火炎熱分解法、熱プラズマ法等の気相法により得られるYAG粒子等を用いることができる。
蛍光体相25を構成する酸化物蛍光体は、YAl12の他、Y(Al,Ga)12,LuAl12,TbAl12の少なくともいずれか一つを含んでいてもよい。また、蛍光体相25は、賦活剤として、セリウム(Ce)に代えて、ユーロピウム(Eu)を含んでいてもよい。
マトリックス相26は、蛍光体相25を構成する複数の蛍光体粒子同士を結合するバインダーとして機能する。マトリックス相26は、例えばアルミナ(Al)等の金属酸化物を含む材料で構成されている。例えば、マトリックス相26を構成するアルミナの熱伝導率は約30W/m・Kであり、蛍光体相25を構成するYAGの熱伝導率は約12W/m・Kである。本実施形態において、マトリックス相26は、蛍光体相25よりも熱伝導率の高い透光性セラミックスを含有する。マトリックス相26の構成材料の熱伝導率は、10W/m・K以上であることが望ましい。
マトリックス相26を構成する金属酸化物は、上記のAlの他、MgO,ZnO,TiO,Y,YAlO,BeO,MgAlの少なくともいずれか一つを含んでいてもよい。
MgOの熱伝導率は約45W/m・Kであり、ZnOの熱伝導率は約25W/m・Kであり、TiOの熱伝導率は約43W/m・Kであり、Yの熱伝導率は約27W/m・Kであり、YAlOの熱伝導率は約12W/m・Kであり、BeOの熱伝導率は約250W/m・Kであり、MgAlの熱伝導率は約14W/m・Kである。YAGの熱伝導率は約12W/m・Kであるため、上記の金属酸化物のうち、YAlOとYAGとを組み合わせて用いることはできないが、熱伝導率がYAGよりも低い酸化物蛍光体と組み合わせる場合には、YAlOを用いることも可能である。
上記構成の波長変換層22は、例えば、以下の工程によって製造することができる。
YAG:Ceの原料粉体である所定量のAl粉体、Y粉体、およびCeO粉体と所定量のエタノールとを混ぜ、ポット内でボールミーリングを行ってスラリーを生成する。スラリーを乾燥させ、造粒後に脱脂、焼結させてYAG:Ce粉体を得る。
上記工程で得られた所定量のYAG:Ce粉体と、Al粉体と所定量のエタノールとを混ぜ、ポット内でボールミーリングを行ってスラリーを生成する。その後、スラリーを乾燥させて造粒し、成形、脱脂、焼結を順次行うことによって、YAG:Ce,YAGとアルミナ(Al)とのコンポジット焼結体からなる本実施形態の波長変換層22を得ることができる。なお、焼結体の密度を上げるために、圧力を加えた状態で焼結する熱間等方圧加圧加工工程を加えてもよい。
本実施形態の波長変換層22は、励起光源ユニット10から射出された青色の励起光Bのうち、波長変換されずに光射出面22bから射出される励起光Bの一部である青色光B1と、波長変換層22による励起光Bの波長変換によって生成される黄色の蛍光Yと、を合成した白色の照明光WLを射出する。
ここで、波長変換層22から射出される照明光WLのホワイトバランスは、青色光B1の光量と蛍光Yの光量との光量比で決まる。以下、本明細書において、この光量比をBY比と呼ぶ。
プロジェクター1において、照明光WLとして実用的なホワイトバランスを得るための条件はBY比30%〜50%である。BY比は、少なくとも波長変換層22における蛍光体相25の含有量に応じて決まる。
ここで、蛍光体相25の含有量は、マトリックス相26と蛍光体相25とを含む相全体における体積比で規定される。以下、本明細書において、この体積比をYAG比と呼ぶ。
BY比は波長変換層22の厚さの影響を受けることが分かっている。例えば、一定のYAG比を有する波長変換層22の厚さを相対的に薄くすると波長変換層22を透過する青色光B1の光量を増やすことができる。しかしながら、波長変換層22の厚さが40μmよりも薄くなると、波長変換層22を製造することが難しくなる。そのため、製造の観点から、波長変換層22の厚さの下限値は40μmとするのが望ましい。
また、一定のYAG比を有する波長変換層22の厚さを相対的に厚くすると波長変換層22を透過する青色光B1の光量が減少してしまう。さらに、波長変換層22の厚さが300μmを超えると、波長変換層22内において蛍光Yの再吸収が発生するため、光射出面22bから取り出せる蛍光Yの光量が減少してしまう。そのため、蛍光Yの光利用効率の観点から、波長変換層22の厚さの上限値は300μmとするのが望ましい。
以上の観点に基づいて、本実施形態の波長変換層22の厚さは40μm以上300μm以下に設定される。
図4はYAG比とBY比との関係を示した図である。図4において、横軸はYAG比(単位はvol%)に相当し、縦軸はYAG比(単位は%)に相当する。図4において実線のグラフは波長変換層22の厚さが下限値(40μm)である場合のYAG比とBY比との関係を示している。また、図4において破線のグラフは波長変換層22の厚さが上限値(300μm)である場合のYAG比とBY比との関係を示している。
図4からは、波長変換層22の厚さによらず、YAG比が低くなるにつれてBY比が高くなることが確認できる。
まず、波長変換層22の厚さを下限値(40μm)とした場合について考える。
波長変換層22の厚さを40μmとする場合において、波長変換層22から射出される照明光WLとして所望のホワイトバランスを得るBY比30%を実現するためには、YAG比を20vol%以下とすることが好適であることが分かる。また、BY比50%を実現するためには、YAG比を7vol%以上とすることが好適であることが分かる。
すなわち、本実施形態の波長変換素子20によれば、厚さ40μmの場合にYAG比を7vol%以上20vol%以下に設定することで、所望のホワイトバランスを持つ照明光WLを生成して射出できる。
続いて、波長変換層22の厚さを上限値(300μm)とした場合について考える。
波長変換層22の厚さを300μmとする場合において、波長変換層22から射出される照明光WLとして所望のホワイトバランスを得るBY比50%を実現するためには、YAG比を0.75vol%以上とすることが好適であることが分かる。すなわち、本実施形態の波長変換素子20によれば、厚さ300μmの場合にYAG比を0.75vol%以上に設定することで、所望のホワイトバランスを持つ照明光WLを生成して射出できる。
以上のように本実施形態の波長変換素子20によれば、波長変換層22の厚さを40μm以上300μm以下に設定するとともに、所望のホワイトバランスを得るようにYAG比を設定した波長変換層22を備えている。そのため、波長変換素子20は、所望のホワイトバランスを有し、光利用効率の高い照明光WLを生成して射出することができる。
また、本実施形態の波長変換素子20においては、波長変換層22に当接する放熱基材21が非透光性部材で構成されている。これにより、波長変換素子20においては、波長変換層22で生成された蛍光Yが放熱基材21に漏れ出さすことなく、外部に効率良く取り出される。
放熱基材21は貫通孔21bの除いた部分で波長変換層22に当接するため、放熱基材21と波長変換層22との接触面積は小さくなる。そのため、波長変換層22の熱が放熱基材21側に伝わり難くなるおそれがある。これに対し、本実施形態の波長変換素子20によれば、蛍光体相25よりも熱伝導率の高い透光性セラミックスを含有するマトリックス相26を備えることで、波長変換層22の熱伝導率が高いため、波長変換層22から放熱基材21側に効率良く放熱することができる。
したがって、本実施形態の光源装置2によれば、波長変換層22における放熱性を維持しつつ、波長変換層22で生成した蛍光Yの利用効率を向上させることができる。
また、本実施形態のプロジェクター1によれば、上記光源装置2を備えることによって品質の高い画像を表示することができる。また、本実施形態の波長変換素子20は、波長変換層22の光入射面22aに透光性部材が設けられていない。そのため、光入射面22a上に形成される励起光Bの照射スポットが小さくなるので、波長変換層22から射出される蛍光Yの拡がりを抑制することができる。よって、本実施形態のプロジェクター1によれば、エテンデューを小さくすることで波長変換素子20から射出される照明光WLを効率良く利用できる。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について、図5を用いて説明する。
第2実施形態のプロジェクターの概略構成は第1実施形態と同様であり、光源装置における波長変換素子の構成が第1実施形態と異なる。そのため、以下では波長変換素子の構成を説明し、他の構成については説明を省略する。
図5は本実施形態の波長変換素子の要部構成を示す断面図である。図5に示すように、本実施形態の波長変換素子120は、放熱基板(放熱部材)121と、波長変換層122と、ダイクロイック膜123と、接合部材124と、モーター(駆動装置)125とを備えている。本実施形態の波長変換素子120は、波長変換層122に対する励起光Bの入射位置を時間的に変化させる回転ホイール型波長変換素子である。
本実施形態の放熱基材121は非透光性部材で構成された円板である。放熱基材121は、アルミニウム、銅等の放熱性に優れた金属材料で構成されている。放熱基材121は所定の回転軸Oの周りに回転可能とされている。回転軸Oは放熱基材121の中心を通る。モーター125は、円板状の放熱基材121を回転軸Oの周りに回転させる。
本実施形態の波長変換層122は、回転軸Oの周りに環状に形成されている。波長変換層122は、第1実施形態の波長変換層22を環状に整形することで構成される。
波長変換層122の光入射面122aにダイクロイック膜123が設けられている。環状の波長変換層122は、光入射面122aの径方向内側端部122a1が接合部材124を介して放熱基材121に固定されている。すなわち、回転軸Oに沿う方向から平面視した際、波長変換層122は放熱基材121よりも径方向外側に張り出した状態に設けられている。励起光Bは、波長変換層122における放熱基材121の径方向外側に張り出した部分に入射する。本実施形態において、放熱基材121は、波長変換層122における励起光Bの入射領域とは異なる領域に当接し、波長変換層122で生じる熱を放熱する。
本実施形態の波長変換素子120では、励起光Bが回転した状態の波長変換層122に入射する。波長変換層122に励起光Bが入射した際には、波長変換層122において熱が発生する。本実施形態では、モーター125によって波長変換層122を回転させることにより、波長変換層122における励起光Bの入射位置を時間的に移動させている。これにより、波長変換層122の同じ位置に励起光Bが常時照射されることにより、波長変換層122の一部のみが局所的に加熱され、波長変換層122が劣化することが抑制される。
本実施形態の場合、波長変換層122を回転させることに加えて、波長変換層122が熱伝導率の高いアルミナ等の材料からなるマトリックス相26を含んでいるため、放熱性をさらに高めることができる。
本実施形態の波長変換素子120においても、波長変換層122に当接する放熱基材121が非透光性部材で構成されている。これにより、波長変換素子120においては、波長変換層122で生成された蛍光Yが放熱基材121に漏れ出さすことなく、外部に効率良く取り出される。
本実施形態の波長変換素子120によれば、熱伝導率の高い波長変換層122を備えるため、波長変換層122から放熱基材121側に効率良く放熱することができる。
したがって、本実施形態の波長変換素子120を用いた光源装置においても、波長変換層122における放熱性を維持しつつ、波長変換層122で生成した蛍光Yの利用効率を向上させることができる。よって、この光源装置を用いることで、エテンデューを小さくするとともに、品質の高い画像を表示可能なプロジェクターを提供できる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態においては、放熱基材21の全体を非透光性部材(金属)で構成する場合を例に挙げたが、放熱基材21は少なくとも波長変換層22に当接する部分が非透光性部材で構成されていればよい。そのため、放熱基材21は波長変換層22に当接する部分以外は透光性部材で構成されていてもよい。
例えば上記実施形態の蛍光体においては、蛍光体相25は酸化物蛍光体を含み、マトリックス相26は金属酸化物を含んでいた。この構成に代えて、蛍光体相25は窒化物蛍光体を含み、マトリックス相26は金属窒化物を含んでいてもよい。窒化物蛍光体として、例えばα−SiAlON,β−SiAlON等のサイアロン蛍光体を用いることができる。金属窒化物としては、例えばAlN等を用いることができる。AlNの熱伝導率は約255W/m・Kである。このように、蛍光体相25が窒化物蛍光体を含み、マトリックス相26が金属酸化物を含む場合、各相において無用な酸化反応等が生じることなく、波長変換層22を安定して製造することができる。
その他、蛍光体、波長変換層、光源装置、およびプロジェクターの各構成要素の形状、数、配置、材料、製造方法等の具体的な記載については、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。上記実施形態では、本発明に係る光源装置を、液晶ライトバルブを用いたプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限定されない。例えば本発明に係る光源装置を、光変調装置としてデジタルマイクロミラーデバイスを用いたプロジェクターに搭載してもよい。
上記実施形態では、本発明による光源装置をプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。本発明による光源装置は、照明器具や自動車のヘッドライト等にも適用することができる。
1…プロジェクター、2…光源装置、4B,4G,4R…光変調装置、6…投射光学装置、10a…半導体レーザー(発光素子)、21,121…放熱基板(放熱部材)、22,122…波長変換層、22a,122a…光入射面、22b…光射出面、25…蛍光体相、26…マトリックス相、B…励起光、O…回転軸、Y…蛍光。

Claims (10)

  1. 励起光を射出する発光素子と、
    前記励起光が入射される光入射面と、前記光入射面とは異なる光射出面とを有し、前記励起光を波長変換して蛍光を生成する波長変換層と、
    前記波長変換層における前記励起光が入射する入射領域とは異なる領域に当接して設けられ、前記波長変換層で生じる熱を放熱する放熱部材と、を備え、
    前記波長変換層は、前記光射出面から少なくとも前記蛍光を射出し、
    前記波長変換層は、賦活剤および蛍光体を含有する蛍光体相と、前記蛍光体相よりも熱伝導率の高い透光性セラミックスを含有するマトリックス相と、を有し、
    前記放熱部材の少なくとも前記波長変換層に当接する部分は、非透光性部材で構成されている
    ことを特徴とする光源装置。
  2. 前記蛍光体相は、酸化物蛍光体を含み、
    前記マトリックス相は、金属酸化物を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記酸化物蛍光体は、YAl12、Y(Al,Ga)12、LuAl12、TbAl12、(Y,Gd)Al12の少なくともいずれか一つを含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
  4. 前記金属酸化物は、Al、MgO、ZnO、TiO、Y、YAlO、BeO、MgAlの少なくともいずれか一つを含む
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の光源装置。
  5. 前記蛍光体相は、窒化物蛍光体を含み、
    前記マトリックス相は、金属窒化物を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  6. 前記蛍光体相に添加される賦活剤は、Ce、Euの少なくともいずれか一つを含む
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光源装置。
  7. 前記マトリックス相の構成材料の熱伝導率は、10W/m・K以上である
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光源装置。
  8. 前記波長変換層は、前記励起光の入射位置が時間的に変化しない固定型蛍光体である
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光源装置。
  9. 前記波長変換層を所定の回転軸の周りに回転させる駆動部を備え、
    前記駆動部は、前記波長変換層を前記所定の回転軸周りに回転させることにより、前記波長変換層に対する前記励起光の入射位置を時間的に変化させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光源装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の光源装置と、
    前記光源装置から射出される光を画像情報に応じて変調して画像光を形成する光変調装置と、
    前記画像光を投射する投射光学装置と、を備える
    ことを特徴とするプロジェクター。
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