JP2021017821A - カムシャフト組立体およびこれを備える内燃機関 - Google Patents

カムシャフト組立体およびこれを備える内燃機関 Download PDF

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中村 健太郎
Kentaro Nakamura
中村  健太郎
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Abstract

【課題】バルブの開閉挙動の改善を図ること。【解決手段】吸気カムシャフト40の軸線方向の第1および第2位置にそれぞれストッパー50,52を配置すると共に、ストッパー50,52に係合可能な突起43,43,44,44を吸気カムキャリア42に配置する。ストッパー50,52は、突起50b,50b,52b,52bを有している。突起50b,50b,52b,52bは、傾斜面50c,50c,52c,52cを有している。ストッパー50,52は、傾斜面50c,50cと傾斜面52c,52cが向かい合うように配置されている。そして、傾斜面50c,50cと傾斜面52c,52cとは、互いに離れる方向に向かって上り傾斜を有している。また、突起43,43,44,44は、傾斜面50c,50c,52c,52cに係合可能な傾斜面43a,43a,44a,44aを有している。これにより、吸気カムキャリア42の吸気カムシャフト40に対するガタ詰めが実現される。【選択図】図2

Description

本発明は、軸線方向に延在する少なくとも1条のスプライン突条を外周面に有するカムシャフトと、第1および第2カムプロフィールを有する第1および第2カムを有すると共にスプライン突条に係合可能な少なくとも1条のスプライン凹条を内周面に有し、カムシャフトと一体回転可能かつ軸線方向に移動可能に前記カムシャフト上に配置されたカムキャリアと、を備えるカムシャフト組立体およびこれを備える内燃機関に関する。
特開2014−77443号公報(特許文献1)には、軸線方向に延在するスプライン突条を外周面に有するカムシャフトと、第1および第2カムプロフィールを有する第1および第2カムを有すると共にスプライン突条に係合可能なスプライン凹条を内周面に有し、カムシャフトと一体回転可能かつ軸線方向に移動可能にカムシャフト上に配置されたカムキャリアと、を備えるカムシャフト組立体が記載されている。
当該カムシャフト組立体は、カムシャフトの中心からカムキャリアの基礎円までの半径と、カムシャフトの中心からスプライン突条の外歯の歯先円までの半径と、の比を1.55未満とすることによって、カムキャリアの動的挙動の向上を図っている。
特開2014−77443号公報
ところで、カムキャリアをカムシャフト上で軸線方向に移動可能とするためには、カムシャフトのスプライン突条とカムキャリアのスプライン凹条との間に適度なクリアランスが必要となる。しかしながら、当該クリアランスは、カムキャリアによるバルブの開閉挙動に悪影響を及ぼす。即ち、当該クリアランスが存在すると、滑らかなバルブリフト曲線を得ることができず、バルブスプリング系の耐久性や吸気慣性流の抵抗となってエンジン性能に悪影響を及ぼす場合がある。上述した公報に記載のカムシャフト組立体は、バルブの開閉挙動の改善という点において、なお改良の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、バルブの開閉挙動の改善を図ることが可能なカムシャフト組立体およびこれを備える内燃機関を提供することを目的とする。
本発明のカムシャフト組立体およびこれを備える内燃機関は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係るカムシャフト組立体の好ましい形態によれば、軸線方向に延在する少なくとも1条のスプライン突条を外周面に有するカムシャフトと、第1および第2カムプロフィールを有する第1および第2カムを有すると共にスプライン突条に係合可能な少なくとも1条のスプライン凹条を内周面に有し、カムシャフトと一体回転可能かつ軸線方向に移動可能にカムシャフト上に配置されたカムキャリアと、を備えるカムシャフト組立体が構成される。当該カムシャフト組立体は、少なくとも1つの第1突起と、少なくとも1つの第2突起と、少なくとも1つの第3突起と、少なくとも1つの第4突起と、を備えている。第1突起は、カムシャフトの軸線方向の第1位置に、当該軸線方向と交差する方向に突出状に配置されている。また、第1突起は、第2位置側から第1位置側に向かって第1突起を見た場合に、上り傾斜を有する第1傾斜面を有している。第2突起は、第1位置から軸線方向に離れたカムシャフトの第2位置に、当該軸線方向と交差する方向に突出状に配置されている。また、第2突起は、第1位置側から第2位置側に向かって第2突起を見た場合に、上り傾斜を有する第2傾斜面を有している。第3突起は、第1位置側に向かってカムシャフトの軸線方向に沿って突出するようにカムキャリアに配置されている。第4突起は、第2位置側に向かってカムシャフトの軸線方向に沿って突出するようにカムキャリアに配置されている。そして、第3および第4突起は、第1および第2傾斜面に係合可能である。
本発明によれば、カムキャリアがカムシャフト上を第1または第2位置まで軸線方向に移動した際に、カムキャリアの第3または第4突起がカムシャフトの第1または第2突起の第1または第2傾斜面に係合される。これにより、スプライン突条とスプライン凹条との間にクリアランスを有していたとしても、第1または第2位置では、カムキャリアが当該クリアランス分だけ第1および第2傾斜面の上り傾斜方向に押圧されるため、カムキャリアとカムシャフトとのガタが抑制され得る。この結果、バルブの開閉挙動の改善を図ることができる。もとより、第1または第2位置以外では、スプライン突条とスプライン凹条との間のクリアランスによって、カムキャリアがカムシャフト上を当該カムシャフトの軸線方向に円滑に移動することができる。
本発明に係るカムシャフト組立体の更なる形態によれば、第3および第4突起は、第1および第2傾斜面に係合可能な第3および第4傾斜面を有している。そして、第3および第4傾斜面は、第3および第4突起の突出方向に向かって上り傾斜を有している。
本形態によれば、第3および第4突起の第1および第2傾斜面への係合を円滑なものとすることができる。
本発明に係るカムシャフト組立体の更なる形態によれば、第3および第4傾斜面は、第1および第2傾斜面と略同じ傾斜角度を有している。
本形態によれば、第3および第4傾斜面と第1および第2傾斜面とを面接触させることができる。これにより、第3および第4突起の第1および第2突起への係合を安定したものとすることができる。
本発明に係るカムシャフト組立体の更なる形態によれば、第1および第2カムは、第1および第2ベース部と、第1および第2ノーズ部と、を有している。そして、第3および第4突起は、当該第3および第4突起を軸線方向の一方側から見た場合に、第1および第2突起に関して第1および第2ノーズ部が配置された側とは反対側に配置されている。
本形態によれば、バルブスプリング反力の最大値が作用する方向とカムキャリアのガタ詰め方向とを同じ方向にすることができる。これにより、第1または第2突起と、第3または第4突起と、の係合によって第1および第2傾斜面の上り傾斜方向に押圧されてガタ詰めされたカムキャリアが、バルブスプリング反力によって、第1および第2傾斜面の上り傾斜方向とは異なる方向にガタ詰めし直される不都合を効果的に抑制できる。
本発明に係るカムシャフト組立体の更なる形態によれば、第1および第2カムは、第1および第2ベース部と、第1および第2ノーズ部と、を有している。また、第3突起は、当該第3突起を軸線方向の一方側から見た場合に、第1突起に関して第1ノーズ部が配置された側とは反対側に配置されている。そして、第4突起は、当該第4突起を軸線方向の一方側から見た場合に、第2突起に関して第2ノーズ部が配置された側に配置されている。
本形態によれば、カムキャリアの軸中心とカムシャフトの軸中心とを略一致させた状態でカムキャリアをガタ詰め(位置決め)することができる。これにより、設計通りのバルブリフト曲線を得ることができる。
本発明に係る内燃機関の好ましい形態によれば、シリンダヘッドと、吸気バルブと、バルブリフターと、上述したいずれかの態様の本発明に係るカムシャフト組立体と、移動機構と、を備えている。シリンダヘッドは、燃焼室と、当該燃焼室に開口された吸気ポートを有する吸気通路と、を有している。吸気バルブは、吸気ポートを開閉可能に当該吸気ポートに配置された弁部と、当該弁部に一体にされた軸部と、を有している。バルブリフターは、軸部の軸線方向の一端部に配置されている。カムシャフト組立体は、第1または第2カムがバルブリフターに当接可能に配置されている。そして、移動機構は、カムキャリアに当接または係合する当接係合部を有し、当該当接係合部によってカムキャリアをカムシャフトの軸線方向に移動させる。
本発明によれば、上述したいずれかの態様の本発明に係るカムシャフト組立体を備えているため、当該カムシャフト組立体が奏する効果と同様の効果、例えば、バルブの開閉挙動の改善を図ることができるという効果などを奏することができる。これにより、エンジン性能の更なる向上を図ることができる。
本発明によれば、バルブの開閉挙動の改善を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る内燃機関1の構成の概略を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る吸気カムシャフト組立体4の構成の概略を示す分解斜視図である。 ストッパー50,52の構成を示す説明図である。 吸気カムキャリア42の構成を示す説明図である。 吸気カムシャフト組立体4がカムブラケット70によって支持された様子を上方から見た平面図である。 突起43,43がストッパー50に係合するまで吸気カムキャリア42が吸気カムシャフト40上を当該吸気カムシャフト40の軸線方向に移動した状態を示す説明図である。 突起44,44がストッパー52に係合するまで吸気カムキャリア42が吸気カムシャフト40上を当該吸気カムシャフト40の軸線方向に移動した状態を示す説明図である。 図6のA−A断面を示す断面図である。 図6のB−B断面を示す断面図である。 図5のC−C断面を示す断面図である。 図10の断面図において、突起44,44がストッパー52に係合するまで吸気カムキャリア42が吸気カムシャフト40上を当該吸気カムシャフト40の軸線方向に移動した状態を示す断面図である。 変形例の吸気カムシャフト組立体104の構成の概略を示す分解斜視図である。 ストッパー150の構成を示す説明図である。 ストッパー152の構成を示す説明図である。 カムキャリア142の構成を示す説明図である。 変形例の吸気カムシャフト組立体104がカムブラケット70によって支持された様子を上方から見た平面図である。 突起143,144がストッパー150に係合するまで吸気カムキャリア142が吸気カムシャフト140上を当該吸気カムシャフト140の軸線方向に移動した状態を示す説明図である。 図17のD−D断面を示す断面図である。 図16のE−E断面を示す断面図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
本実施の形態に係る内燃機関1は、図1に示すように、シリンダヘッド2と、当該シリンダヘッド2に回転可能に支持された吸気カムシャフト組立体4および排気カムシャフト6と、吸気カムシャフト組立体4および排気カムシャフト6を覆うようにシリンダヘッド2の上部に取り付けられたロッカーカバー8と、シリンダヘッド2の下部に取り付けられたシリンダブロック10と、シリンダブロック10に回転可能に支持されたクランクシャフト12と、クランクシャフト12にコンロッド14を介して連結されたピストン16と、シリンダブロック10の下部に取り付けられたオイルパン18と、を備えている。
シリンダヘッド2は、図1に示すように、燃焼室CCと、当該燃焼室CCに連通する吸気通路22および排気通路24と、を有している。吸気通路22および排気通路24は、燃焼室CCに開口する吸気ポート22aおよび排気ポート24aを有している。当該吸気ポート22aおよび排気ポート24aは、吸気バルブ32および排気バルブ34によって開閉される。吸気バルブ32および排気バルブ34は、吸気ポート22aおよび排気ポート24aに配置された弁部32a,34aと、当該弁部32a,34aに一体にされた軸部32b,34bと、を有している。軸部32b,34bの軸端部のうち弁部32a,34aが一体にされた側とは反対側の軸端部には、バルブリフター36,38が接続されている。吸気カムシャフト組立体4は、本発明における「カムシャフト組立体」に対応する実施構成の一例である。
シリンダブロック10は、図1に示すように、シリンダボア10aを有している。当該シリンダボア10a内にピストン16が摺動自在に収容される。ピストン16がシリンダボア10a内をシリンダ軸線方向に往復直線運動することによって、クランクシャフト12が回転される。
吸気カムシャフト組立体4は、図2に示すように、吸気カムシャフト40と、当該吸気カムシャフト40に摺動自在に配置された複数の吸気カムキャリア42と(図2には1つのみが記載)、を有している。吸気カムシャフト40は、本発明における「カムシャフト」に対応し、吸気カムキャリア42は、本発明における「カムキャリア」に対応する実施構成の一例である。
吸気カムシャフト40は、外周面にスプライン突条40aを有している。スプライン突条40aは、少なくとも吸気カムキャリア42が配置される部分に軸線方向に沿って配置されている。また、吸気カムシャフト40は、径方向に貫通する矩形状の複数の貫通孔40b,40cと、径方向に延在する円形状の複数の袋小路孔40dと、を有している。なお、吸気カムシャフト40は、図5に示すように、複数のカムブラケット70によってシリンダヘッド2(図6ないし図8参照)に回転可能に支持されている。
貫通孔40b,40cは、図2に示すように、吸気カムシャフト40の軸線方向に所定距離離れて配置されている。当該所定距離についての詳細は後述する。貫通孔40b,40cは、同一形状を有している。貫通孔40b,40cには、図2に示すように、ストッパー50,52が圧入される。ストッパー50,52は、基本的には同じ構成を有している。ストッパー50,52は、図3に示すように、直方体状の本体50a,52aと、当該本体50a,52aに一体にされた一対の突起50b,50b,52b,52bと、を有している。本体50a,52aは、貫通孔40b,40cの長辺寸法および短辺寸法よりも小さい長辺寸法L1および短辺寸法L2を有すると共に、貫通孔40b,40cの深さ方向寸法(吸気カムシャフト40の直径と略同じ値)と同じか若干小さい高さ寸法(長手方向寸法)L3を有している。吸気カムシャフト40の軸線方向のうちストッパー50が配置された位置は、本発明における「第1位置」に対応し、吸気カムシャフト40の軸線方向のうちストッパー52が配置された位置は、本発明における「第2位置」に対応する実施構成の一例である。
突起50b,50b,52b,52bは、図3に示すように、本体50a,52aの長手方向の両端面から突出している。突起50b,50b,52b,52bは、直方体の一部の角部を切り落とした略台形柱形状を有している。即ち、突起50b,50b,52b,52bは、傾斜面50c,50c,52c,52cを有している。傾斜面50c,50c,52c,52cは、同じ方向を向いており、本体50a,52aの一方の長辺を含む側面50a1,52a1から他方の長辺を含む側面50a2,52a2に向かって上り傾斜を有している。なお、傾斜面50c,50c,52c,52cは、それぞれ同じ傾斜角度を有している。突起50b,50bは、本発明における「第1突起」に対応し、突起52b,52bは、本発明における「第2突起」に対応する実施構成の一例である。また、傾斜面50c,50cは、本発明における「第1傾斜面」に対応し、傾斜面52c,52cは、本発明における「第2傾斜面」に対応する実施構成の一例である。
こうして構成されたストッパー50,52は、図2および図9に示すように、本体50a,52aが貫通孔40b,40cに圧入されることによって、吸気カムシャフト40に固定される。このとき、突起50b,50b,52b,52bは、貫通孔40b,40cから突出されている。なお、ストッパー50,52は、傾斜面50c,50cと傾斜面52c,52cとが、互いに向かい合う向きで吸気カムシャフト40に取り付けられる。
ここで、ストッパー50は、図6に示すように、吸気カムキャリア42の後述する第2吸気カム62がバルブリフター36と当接する位置まで吸気カムシャフト40上を軸線方向に移動したときに、突起50b,50bが吸気カムキャリア42の後述する突起43,43に係合する位置に配置され、ストッパー52は、図7に示すように、吸気カムキャリア42の後述する第1吸気カム60がバルブリフター36と当接する位置まで吸気カムシャフト40上を軸線方向に移動したときに、突起52b,52bが吸気カムキャリア42の後述する突起44,44に係合する位置に配置されている。換言すれば、ストッパー50,52の吸気カムシャフト40上の配置が上述した位置関係となるように、貫通孔40b,40c間の距離(所定距離)を含む貫通孔40b,40cの吸気カムシャフト40上の配置が決定されている。
袋小路孔40dは、図2に示すように、吸気カムシャフト40の貫通孔40b,40c間に配置されている。袋小路孔40dには、コイルスプリングCSPRおよびボールBが収容される。当該ボールBは、コイルスプリングCSPRのバネ力によって、吸気カムキャリア42の後述する凹溝60c,62cの一方に選択的に係合される。
吸気カムキャリア42は、図4に示すように、バルブリフター36に当接可能な第1吸気カム60と、バルブリフター36に当接可能かつ第1吸気カム60に一体に接続された第2吸気カム62と、第1吸気カム60の第2吸気カム62が接続された側とは反対側に一体に接続された円筒状のボス部63と、第2吸気カム62の第1吸気カム60が接続された側とは反対側に一体に接続された円筒状のボス部64と、を有している。第1吸気カム60は、本発明における「第1カム」に対応し、第2吸気カム62は、本発明における「第2カム」に対応する実施構成の一例である。
第1吸気カム60、第2吸気カム62、ボス部63、および、ボス部64は、図2に示すように、吸気カムキャリア42の軸線方向に沿って、図2の右側からボス部63、第1吸気カム60、第2吸気カム62および、ボス部64の順に配置されている。また、吸気カムキャリア42は、内周面にスプライン凹条42aを有している。スプライン凹条42aは、吸気カムシャフト40のスプライン突条40aに係合可能に吸気カムキャリア42の軸線方向に沿って配置されている。スプライン凹条42aは、吸気カムキャリア42が吸気カムシャフト40上を当該吸気カムシャフト40の軸線方向に円滑に移動可能なように、スプライン突条40aの外径よりも若干大きい内径およびスプライン突条40aの歯幅よりも若干小さい歯幅を有している。即ち、スプライン突条40aとスプライン凹条42aとの間は、クリアランスを有している。なお、吸気カムシャフト40の回転に伴って吸気カムキャリア42が回転することによって、バルブリフター36を介して吸気バルブ32が軸部32bの軸線方向に往復直線運動される。これにより、吸気ポート22aが開閉される(図1参照)。
第1および第2吸気カム60,62は、図4に示すように、ベース円部60a,62aと、当該ベース円部60a,62aよりも径方向において外方に突出したノーズ部60b,62bと、を有している。第1および第2吸気カム60,62の内周面には、環状の凹溝60c,62cが設けられている。ベース円部60a,62aは、それぞれ本発明における「第1ベース部」および「第2ベース部」に対応し、ノーズ部60b,62bは、それぞれ本発明における「第1ノーズ部」および「第2ノーズ部」に対応する実施構成の一例である。
ボス部63,64は、図4に示すように、吸気カムキャリア42の軸線方向を向く端面、換言すれば、第1および第2吸気カム60,62に接続された側とは反対側の端面に、それぞれ一対の突起43,43,44,44を有している。突起43,43,44,44は、吸気カムキャリア42の軸線方向に沿って突出している。突起43,43,44,44は、直方体の一部の角部を切り落とした略台形柱形状を有している。即ち、突起43,43,44,44は、傾斜面43a,43a,44a,44aを有している。傾斜面43a,43a,44a,44aは、ノーズ部60b,62bの突出方向を向いている。傾斜面43a,43a,44a,44aは、突起43,43,44,44の突出方向に向かって上り傾斜を有している。傾斜面43a,43aおよび傾斜面44a,44aは、それぞれ同じ方向を向いており、ストッパー50,52の突起50b,50b,52b,52bの傾斜面50c,50c,52c,52cの傾斜角度と略同じ傾斜角度を有している。
なお、突起43,43および突起44,44は、傾斜面43a,43aおよび傾斜面44a,44aがそれぞれストッパー50,52の突起50b,50bおよび突起52b,52bの傾斜面50c,50cおよび傾斜面52c,52cに係合可能な位置に配置されている。具体的には、突起43,43および突起44,44は、図8に示すように、吸気カムシャフト40の軸線方向の一方側から見た場合に、ストッパー50,52の突起50b,50bおよび突起52b,52bに関して、ノーズ部60b,62bが配置された側とは反対側に配置されている(図8には、突起43,43およびストッパー50の突起50b,50bのみが記載されている)。突起43,43は、本発明における「第3突起」に対応し、突起44,44は、本発明における「第4突起」に対応し、傾斜面43a,43aは、本発明における「第3傾斜面」に対応し、傾斜面44a,44aは、本発明における「第4傾斜面」に対応する実施構成の一例である。
複数のカムブラケット70は、図5に示すように、吸気カムキャリア42を挟むように当該吸気カムキャリア42の両側に配置される。なお、吸気カムシャフト40の軸線方向におけるカムブラケット70の両側には、ストッパー50,52が配置されている。換言すれば、カムブラケット70は、ストッパー50,52に挟まれた位置に配置されていると言うことができる。
また、カムブラケット70には、図10に示すように、吸気カムシャフト40の軸線方向に沿って延在すると共に当該吸気カムシャフト40の軸線方向の両側が開口されたシリンダ72a,72bと、当該シリンダ72a,72bに連通する連通路74a,74bと、を有している。シリンダ72a,72bには、プランジャ76a,76bと、コイルスプリング78a,78bと、が収容されている。プランジャ76a,76bは、同じ構成を有している。プランジャ76a,76bは、コイルスプリング78a,78bのバネ力によって、吸気カムキャリア42側に向かって付勢されている。これにより、プランジャ76a,76bの先端部が、コイルスプリング78a,78bのバネ力をもって吸気カムキャリア42、具体的には、ボス部63,64(図7参照)に当接している。プランジャ76a,76bは、本発明における「当接係合部」に対応する実施構成の一例である。また、シリンダ72a,72b、連通路74a,74b、プランジャ76a,76b、および、コイルスプリング78a,78bを有するカムブラケット70は、本発明における「移動機構」に対応する実施構成の一例である。
連通路74a,74bは、図10に示すように、シリンダ72a,72bの延在方向の一方側、具体的には、吸気カムキャリア42が配置された側寄りの位置に配置されている。より詳細には、シリンダ72a,72bのうちプランジャ76a,76bの末端部(コイルスプリング78a,78bが当接している部分)に関して、コイルスプリング78a,78bが配置された側とは反対側の領域に連通するように配置されている。
連通路74a,74bには、図10に示すように、油圧配管P1,P2が接続されている。当該油圧配管P1,P2は、切替弁98を介してオイルポンプOPに接続されている。1つの切替弁98には、油圧配管P1,P2が各1本ずつ接続されており、当該油圧配管P1,P2が、それぞれ隣接するカムブラケット70,70の連通路74a,74bに接続される。換言すれば、切替弁98は、隣接するカムブラケット70,70の対向するシリンダ72a,72bに対して1つ配置されていると言うことができる。したがって、複数の切替弁98がオイルポンプOPに接続されている。
切替弁98は、オイルポンプOPからの油圧を油圧配管P1,P2の一方を介して隣接するカムブラケット70,70の対向するシリンダ72a,72bの一方に供給すると共に、油圧配管P1,P2の他方を介して隣接するカムブラケット70,70の対向するシリンダ72a,72bの他方の油圧を排出する。油圧が供給された側のシリンダ72a,72b内では、油圧の大きさがコイルスプリング78a,78bのバネ力を上回るため、プランジャ76a,76bがコイルスプリング78a,78bのバネ力に抗しながらシリンダ72a,72b内に没する方向に移動する。一方、油圧が排出された側のシリンダ72a,72b内では、油圧の大きさがコイルスプリング78a,78bのバネ力を下回るため、プランジャ76a,76bが突出する方向に移動する。当該プランジャ76a,76bの軸線方向の移動によって、吸気カムキャリア42が吸気カムシャフト40の軸線方向に移動される。シリンダ72a,72bと、連通路74a,74bと、プランジャ76a,76bと、コイルスプリング78a,78bと、を有するカムブラケット70、オイルポンプOP、油圧配管P1,P2、および、切替弁98は、本発明における「移動機構」に対応する実施構成の一例である。
排気カムシャフト6は、図1に示すように、複数の排気カム6aを有している(図1には1つの排気カム6aのみが記載されている)。排気カム6aは、バルブリフター38に当接している。排気カムシャフト6の回転に伴って排気カム6aが回転することによって、バルブリフター38を介して排気バルブ34が軸部34bの軸線方向に往復直線運動される。これにより、排気ポート24aが開閉される。
次に、こうして構成された内燃機関1の動作、特に、バルブリフター36に当接するカムを第1吸気カム60から第2吸気カム62へ切り替える際、あるいは、バルブリフター36に当接するカムを第2吸気カム62から第1吸気カム60へ切り替える際の動作について説明する。
まず、バルブリフター36に当接するカムを第1吸気カム60から第2吸気カム62へ切り替える際の動作について説明する。図7および図11に示すように、第1吸気カム60がバルブリフター36に当接している状態において、第2吸気カム62がバルブリフター36に当接するように吸気カムキャリア42の切り替え指示がなされると、油圧配管P1を介してシリンダ72aに油圧を供給すると共に油圧配管P2を介してシリンダ72b内の油圧を排出するべく切替弁98が切り替えられる(図11参照)。これにより、図10に示すように、プランジャ76aが突出する方向に移動すると共に、プランジャ76bがシリンダ72b内に没する方向に移動する。この結果、吸気カムキャリア42が図6および図10の右方向に移動して、第2吸気カム62とバルブリフター36との当接が実現される。なお、吸気カムキャリア42が図6および図10の右方向へ移動する際には、吸気カムキャリア42の突起44,44とストッパー52の突起52b,52bとの係合が解除される。
そして、吸気カムキャリア42が図6および図10の右方向への移動が完了したときには、図6に示すように、吸気カムキャリア42の突起43,43の傾斜面43a,43aが、ストッパー50の突起50b,50bの傾斜面50c,50cに係合される。当該傾斜面43a,43aと傾斜面50c,50cとの係合によって、吸気カムキャリア42は、スプライン突条40aとスプライン凹条42aとの間のクリアランス分だけノーズ部60b,62bの突出方向とは反対方向に押し上げられる。即ち、ノーズ部60b,62bの突出方向とは反対方向に、吸気カムキャリア42と吸気カムシャフト40との間のガタ詰めが行われる(図8および図9参照)。当該ガタ詰め方向は、図示しないバルブスプリングからのバネ力の最大値が吸気カムキャリア42に作用する方向と同じとなっている。なお、吸気カムキャリア42が図6および図10の右方向への移動が完了したときには、図10に示すように、コイルスプリングCSPRによって付勢されたボールBが凹溝62cに係合されることで、吸気カムキャリア42の位置決めが行われる。
続いて、バルブリフター36に当接するカムを第2吸気カム62から第1吸気カム60へ切り替える際の動作について説明する。図6および図10に示すように、第2吸気カム62がバルブリフター36に当接している状態において、第1吸気カム60がバルブリフター36に当接するように吸気カムキャリア42の切り替え指示がなされると、油圧配管P1を介してシリンダ72a内の油圧を排出すると共に油圧配管P2を介してシリンダ72bに油圧を供給するべく切替弁98が切り替えられる(図10参照)。これにより、図11に示すように、プランジャ76aがシリンダ72a内に没する方向に移動すると共に、プランジャ76bが突出する方向に移動する。この結果、吸気カムキャリア42が図7および図11の左方向に移動して、第1吸気カム60とバルブリフター36との当接が実現される。なお、吸気カムキャリア42が図7および図11の左方向へ移動する際には、吸気カムキャリア42の突起43,43の傾斜面43a,43aとストッパー50の突起50b,50bの傾斜面50c,50cとの係合が解除される。
そして、吸気カムキャリア42が図7および図11の左方向への移動が完了したときには、図7に示すように、吸気カムキャリア42の突起44,44の傾斜面44a,44aが、ストッパー52の突起52b,52bの傾斜面52c,52cに係合される。当該傾斜面44a,44aと傾斜面52c,52cとの係合によって、吸気カムキャリア42は、スプライン突条40aとスプライン凹条42aとの間のクリアランス分だけノーズ部60b,62bの突出方向とは反対方向に押し上げられる。即ち、ノーズ部60b,62bの突出方向とは反対方向に、吸気カムキャリア42と吸気カムシャフト40との間のガタ詰めが行われる(図8および図9参照)。当該ガタ詰め方向は、図示しないバルブスプリングからのバネ力の最大値が吸気カムキャリア42に作用する方向と同じとなっている。なお、吸気カムキャリア42が図7および図11の左方向への移動が完了したときには、図11に示すように、コイルスプリングCSPRによって付勢されたボールBが凹溝60cに係合されることで、吸気カムキャリア42の位置決めが行われる。
このように、吸気カムキャリア42が、第1吸気カム60とバルブリフター36とが当接する位置および第2吸気カム62とバルブリフター36と当接する位置のいずれに移動された場合でも、吸気カムキャリア42がノーズ部60b,62bの突出方向とは反対方向にガタ詰めされるため、吸気バルブ32による吸気ポート22aの開閉挙動の安定化を図ることができる。しかも、バルブスプリングからのバネ力の最大値が吸気カムキャリア42に作用する方向と同じ方向にガタ詰めが行われるため、ノーズ部60b,62bの突出方向とは反対方向にガタ詰めされた吸気カムキャリア42が、バルブスプリングからのバネ力によって、当該ガタ詰め方向とは異なる方向にガタ詰めし直される不都合を良好に抑制することができる。なお、こうした吸気カムキャリア42の切り替えは、ベース円部60a,62aがバルブリフター36に当接しているタイミングで行われる。
本実施の形態では、吸気カムキャリア42の突起43,43,44,44およびストッパー50,52の突起50b,50b,52b,52bによって吸気カムキャリア42を、ノーズ部60b,62bの突出方向とは反対方向にガタ詰めする構成としたが、これに限らない。例えば、図12に例示する変形例の吸気カムシャフト組立体104に示すように、吸気カムキャリア142の軸中心と、吸気カムシャフト140の軸中心と、が略一致する位置に、吸気カムキャリア142を位置決め(ガタ詰め)する構成としても良い。
変形例の吸気カムシャフト組立体104は、図12に示すように、吸気カムシャフト140と、当該吸気カムシャフト140に摺動自在に配置された複数の吸気カムキャリア142と(図12には1つのみが記載)、を有している。吸気カムシャフト組立体104は、本発明における「カムシャフト組立体」に対応し、吸気カムシャフト140は、本発明における「カムシャフト」に対応し、吸気カムキャリア142は、本発明における「カムキャリア」に対応する実施構成の一例である。なお、重複した説明を避けるため、吸気カムシャフト140および吸気カムキャリア142のうち上述した本実施の形態の吸気カムシャフト40および吸気カムキャリア42の構成と同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
吸気カムシャフト140は、上述した本実施の形態の貫通孔40b,40cを貫通孔140b,140cに替えた点を除いて、基本的には本実施の形態の吸気カムシャフト40と同一の構成を有している。貫通孔140b,140cは、本実施の形態の貫通孔40b,40cに対して長辺寸法および短辺寸法を変更したのみである。貫通孔140b,140cは、同一形状を有しており、後述するストッパー150,152を圧入可能な形状を有している。なお、吸気カムシャフト140は、本実施の形態の吸気カムシャフト40と同様、複数のカムブラケット70によってシリンダヘッド2に回転可能に支持されている(図16参照)。吸気カムシャフト140の軸線方向のうちストッパー150が配置された位置は、本発明における「第1位置」に対応し、吸気カムシャフト140の軸線方向のうちストッパー152が配置された位置は、本発明における「第2位置」に対応する実施構成の一例である。
貫通孔140bに圧入されるストッパー150は、図13に示すように、直方体状の本体150aと、当該本体150aに一体にされた一対の突起150b,151bと、を有している。本体150aは、貫通孔140bの長辺寸法および短辺寸法よりも小さい長辺寸法L4(本体150aの側面150a5および側面150a6間の距離)および短辺寸法L5(本体150aの側面150a3および側面150a4間の距離)を有すると共に、貫通孔140bの深さ方向寸法(吸気カムシャフト140の直径と略同じ値)と同じか若干小さい高さ寸法(長手方向寸法)L3(本体150aの端面150a1および端面150a2間の距離)を有している。
突起150b,151bは、図13に示すように、本体150aの長手方向の端面150a1,150a2から突出している。突起151bは、端面150a1の側面150a5寄りの位置に配置されている。また、突起150bは、端面150a2の側面150a6寄りの位置に配置されている。即ち、突起150bと突起151bとは、本体150aの側面150a3,150a4に直交する方向から見た場合に、上下方向(本体150aの側面150a6側が上方向で側面150a5側が下方向)に互い違いとなるように配置されている。具体的には、本体150aの側面150a6側が上方向で側面150a5側が下方向とした場合に、突起150bが上側に配置され、突起151bが下側に配置されている。突起150b,151bは、本発明における「第1突起」に対応する実施構成の一例である。
また、突起150b,151bは、直方体の一部の角部を切り落とした略台形柱形状を有している。即ち、突起150b,151bは、傾斜面150c,151cを有している。傾斜面150cは、本体150aの側面150a6側を向いており、本体150aの側面150a3から本体150aの側面150a4に向かって上り傾斜を有している。一方、傾斜面151cは、本体150aの側面150a5側を向いており、本体150aの側面150a3から本体150aの側面150a4に向かって下り傾斜を有している。なお、傾斜面150c,151cは、それぞれ同じ傾斜角度を有している。傾斜面150c,151cは、本発明における「第1傾斜面」に対応する実施構成の一例である。
貫通孔140cに圧入されるストッパー152は、図14に示すように、直方体状の本体152aと、当該本体152aに一体にされた一対の突起152b,153bと、を有している。本体152aは、貫通孔140cの長辺寸法および短辺寸法よりも小さい長辺寸法L4(本体152aの側面152a5および側面152a6間の距離)および短辺寸法L5(本体152aの側面152a3および側面152a4間の距離)を有すると共に、貫通孔140cの深さ方向寸法(吸気カムシャフト140の直径と略同じ値)と同じか若干小さい高さ寸法(長手方向寸法)L3(本体152aの端面152a1および端面152a2間の距離)を有している。
突起152b,153bは、図14に示すように、本体152aの長手方向の端面152a1,152a2から突出している。突起153bは、端面152a1の側面152a5寄りの位置に配置されている。また、突起152bは、端面152a2の側面152a6寄りの位置に配置されている。即ち、突起152bと突起153bとは、本体152aの側面152a3,152a4に直交する方向から見た場合に、上下方向(本体152aの側面152a6側が上方向で側面152a5側が下方向)に互い違いとなるように配置されている。具体的には、本体152aの側面152a6側が上方向で側面152a5側が下方向とした場合に、突起152bが上側に配置され、突起153bが下側に配置されている。突起152b,153bは、本発明における「第2突起」に対応する実施構成の一例である。
また、突起152b,153bは、直方体の一部の角部を切り落とした略台形柱形状を有している。即ち、突起152b,153bは、傾斜面152c,153cを有している。傾斜面152cは、本体152aの側面152a6側を向いており、本体152aの側面152a3から本体152aの側面150a4に向かって上り傾斜を有している。一方、傾斜面153cは、本体152aの側面152a5側を向いており、本体152aの側面152a3から本体152aの側面152a4に向かって下り傾斜を有している。なお、傾斜面152c,153cは、それぞれ同じ傾斜角度を有している。傾斜面152c,153cは、本発明における「第2傾斜面」に対応する実施構成の一例である。
こうして構成されたストッパー150,152は、図12に示すように、本体150a,152aが貫通孔140b,140cに圧入されることによって、吸気カムシャフト140に固定される。このとき、突起150b,151b,152b,153bは、貫通孔140b,140cから突出されている。なお、ストッパー150,152は、傾斜面150c,151cと傾斜面152c,153cとが、互いに向かい合う向きで吸気カムシャフト140に取り付けられる。
ここで、ストッパー150は吸気カムキャリア142の第2吸気カム62がバルブリフター36と当接する位置まで吸気カムシャフト140上を軸線方向に移動したときに、突起150b,151bが吸気カムキャリア142の後述する突起143,144に係合する位置に配置され、ストッパー152は、吸気カムキャリア142の第1吸気カム60がバルブリフター36と当接する位置まで吸気カムシャフト140上を軸線方向に移動したときに、突起152b,153bが吸気カムキャリア142の後述する突起145,146に係合する位置に配置されている(図17参照)。換言すれば、ストッパー150,152の吸気カムシャフト140上の配置が上述した位置関係となるように、貫通孔140b,140c間の距離(所定距離)を含む貫通孔140b,140cの吸気カムシャフト140上の配置が決定されている。
吸気カムキャリア142は、図15に示すように、上述した本実施の形態の吸気カムキャリア42の突起43,43,44,44を突起143,144,145,146に替えた点を除いて基本的には本実施の形態の吸気カムキャリア42と同一の構成を有している。
突起143,144,145,146は、図15に示すように、吸気カムキャリア142の軸線方向に沿って突出している。突起143,145および突起144,146は、吸気カムキャリア142を当該吸気カムキャリア142の長手方向(軸線方向)の一方側から見た場合に、上下方向(吸気カムキャリア142の軸中心およびノーズ部60b,62bの最突出部を通る仮想直線VLの延在方向)に互い違いとなるように配置されている。具体的には、ノーズ部60b,62bの突出方向とは反対方向を上方向、ノーズ部60b,62bの突出方向を下方向とした場合に、突起143,145が上側に配置され、突起144,146が下側に配置されている。
より具体的には、突起143,145は、吸気カムシャフト140の軸線方向の一方側から見た場合に、ストッパー150,152の突起150b,152bに関して、ノーズ部60b,62bが配置された側とは反対側に配置されており、突起144,146は、吸気カムシャフト140の軸線方向の一方側から見た場合に、ストッパー150,152の突起151b,153bに関して、ノーズ部60b,62bが配置された側に配置されている(図18参照。なお、図18には、突起143,144およびストッパー150の突起150b,151bのみが記載されている)。
また、突起143,144,145,146は、直方体の一部の角部を切り落とした略台形柱形状を有している。即ち、突起143,144,145,146は、傾斜面143a,144a,145a,146aを有している。傾斜面143a,145aは、ノーズ部60b,62bの突出方向を向いている。傾斜面143a,145aは、突起143,145の突出方向に向かって上り傾斜を有している。また、傾斜面144a,146aは、ノーズ部60b,62bの突出方向とは反対方向を向いている。傾斜面144a,146aは、突起144,146の突出方向に向かって下り傾斜を有している。なお、傾斜面143a,145aは、ストッパー150,152の突起150b,152bの傾斜面150c,152cの傾斜角度と略同じ傾斜角度を有しており、傾斜面144a,146aは、ストッパー150,152の突起151b,153bの傾斜面151c,153cの傾斜角度と略同じ傾斜角度を有している。
突起143,145および突起144,146は、傾斜面143a,145aおよび傾斜面144a,146aがそれぞれストッパー150,152の突起150b,152bおよび突起151b,153bの傾斜面150c,152cおよび傾斜面151c,153cに係合可能な位置に配置されている。突起143,144は、本発明における「第3突起」に対応し、突起145,146は、本発明における「第4突起」に対応し、傾斜面143a,144aは、本発明における「第3傾斜面」に対応し、傾斜面145a,146aは、本発明における「第4傾斜面」に対応する実施構成の一例である。
こうして構成された変形例の吸気カムシャフト組立体104によれば、第2吸気カム62がバルブリフター36に当接する位置(図17および図19の右側)に吸気カムキャリア142が移動した場合には、吸気カムキャリア142の突起143,144の傾斜面143a,144aが、ストッパー150の突起150b,151bの傾斜面150c,151cに係合されて(図18参照)、当該吸気カムキャリア142の軸中心と吸気カムシャフト140の軸中心とが略一致するように吸気カムキャリア142が位置決めされる。これにより、スプライン突条40aとスプライン凹条42aとの間にクリアランスを有していたとしても、吸気カムキャリア142は、ガタつきが抑制された状態で吸気カムシャフト140と一体に回転することができる。この結果、吸気バルブ32による吸気ポート22aの開閉挙動の安定化を図ることができる。なお、第2吸気カム62がバルブリフター36に当接する位置(図17および図19の右側)まで吸気カムキャリア142の移動が完了したときには、コイルスプリングCSPRによって付勢されたボールBが凹溝62cに係合されることで、吸気カムキャリア142の位置決めが行われる(図19参照)。
一方、第1吸気カム60がバルブリフター36に当接する位置(図17および図19の左側)に吸気カムキャリア142が移動した場合には、吸気カムキャリア142の突起145,146の傾斜面145a,146aが、ストッパー152の突起152b,153bの傾斜面152c,153cに係合されて、当該吸気カムキャリア142の軸中心と吸気カムシャフト140の軸中心とが略一致するように吸気カムキャリア142が位置決めされる。これにより、スプライン突条40aとスプライン凹条42aとの間にクリアランスを有していたとしても、吸気カムキャリア142は、ガタつきが抑制された状態で吸気カムシャフト140と一体に回転することができる。この結果、吸気バルブ32による吸気ポート22aの開閉挙動の安定化を図ることができる。なお、第2吸気カム62がバルブリフター36に当接する位置(図17および図19の左側)まで吸気カムキャリア142の移動が完了したときには、コイルスプリングCSPRによって付勢されたボールBが凹溝60cに係合されることで、吸気カムキャリア142の位置決めが行われる(図19参照)。
本実施形態および上述した変形例では、カムブラケット70がシリンダ72a,72bや連通路74a,74b、プランジャ76a,76b、コイルスプリング78a,78bを有する構成としたが、これに限らない。例えば、カムブラケット70とは別体の筐体を備え、当該筐体がシリンダ72a,72bや連通路74a,74b、プランジャ76a,76b、コイルスプリング78a,78bを有する構成としても良い。
本実施形態および上述した変形例では、油圧によって吸気カムキャリア42,142を軸線方向に移動させる構成としたが、これに限らない。例えば、電気的に吸気カムキャリア42,142を軸線方向に移動させる構成や、メカ的に吸気カムキャリア42,142を軸線方向に移動させる構成としても良い。
本実施形態および上述した変形例では、吸気側の本発明を適用したが、これに限らない。例えば、排気側に本発明を適用しても良いし、吸気側および排気側の両方に本発明を適用しても良い。
本実施形態および上述した変形例では、ストッパー50,52,150,152を吸気カムシャフト40,140とは別体に成形する構成としたが、ストッパー50,52,150,152を吸気カムシャフト40,140と一体に成形する構成としても良い。
本実施形態および上述した変形例では、ストッパー50,52,150,152がそれぞれ一対の突起50b,50b,52b,52b,150b,151b,152b,153bを有する構成としたが、これに限らない。ストッパー50,52,150,152が1つの突起、あるいは、3つ以上の突起を有する構成としても良い。なお、突起が1つのみ場合には、当該突起は、仮想直線VL(図15参照)上に配置することが望ましい。
本実施形態および上述した変形例では、突起43,43,44,44,143,144,145,146が傾斜面43a,43a,44a,44a,143a,144a,145a,146aを有する構成としたが、突起43,43,44,44,143,144,145,146は傾斜面43a,43a,44a,44a,143a,144a,145a,146aを有していなくても良い。
本実施形態および上述した変形例では、傾斜面43a,43a,44a,44a,143a,144a,145a,146aの傾斜角度と、傾斜面50c,50c,52c,52c,150c,151c,152c,153cの傾斜角度と、を略同じに構成したが、傾斜面43a,43a,44a,44a,143a,144a,145a,146aの傾斜角度と、傾斜面50c,50c,52c,52c,150c,151c,152c,153cの傾斜角度と、は異なる傾斜角度としても良い。
本実施形態および上述した変形例では、吸気カムシャフト40,140が複数条のスプライン突条40aを有すると共に、吸気カムキャリア42,142が当該複数条のスプライン突条40aに係合する複数条のスプライン凹条42aを有する構成としたが、これに限らない。例えば、吸気カムシャフト40,140が1条のスプライン突条40aを有すると共に、吸気カムキャリア42,142が当該1本のスプライン突条40aに係合する1条のスプライン凹条42aを有する構成としても良い。なお、この場合、1条のスプライン突条40aに替えて1本のキーを吸気カムシャフト40,140に嵌め込むと共に、吸気カムキャリア42,142には当該キーが係合可能な1条のキー溝を設ける構成としても良い。この場合、キーが本発明における「スプライン突条」に対応し、キー溝が本発明における「スプライン凹状」対応する実施構成の一例である。
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
1 内燃機関(内燃機関)
2 シリンダヘッド(シリンダヘッド)
4 吸気カムシャフト組立体(カムシャフト組立体)
6 排気カムシャフト
6a 排気カム
8 ロッカーカバー
10 シリンダブロック
10a シリンダボア
12 クランクシャフト
14 コンロッド
16 ピストン
18 オイルパン
22 吸気通路(吸気通路)
22a 吸気ポート(吸気ポート)
24 排気通路
24a 排気ポート
32 吸気バルブ(吸気バルブ)
32a 弁部(弁部)
32b 軸部(軸部)
34 排気バルブ
34a 弁部
34b 軸部
36 バルブリフター(バルブリフター)
38 バルブリフター
40 吸気カムシャフト(カムシャフト)
40a スプライン突条(スプライン突条)
40b 貫通孔
40c 貫通孔
40d 袋小路孔
42 吸気カムキャリア(カムキャリア)
42a スプライン凹条(スプライン凹条)
43 突起(第3突起)
43a 傾斜面(第3傾斜面)
44 突起(第4突起)
44a 傾斜面(第4傾斜面)
50 ストッパー
50a 本体
50a1 側面
50a2 側面
50b 突起(第1突起)
50c 傾斜面(第1傾斜面)
52 ストッパー
52a 本体
52a1 側面
52a2 側面
52b 突起(第2突起)
52c 傾斜面(第2傾斜面)
60 第1吸気カム(第1カム)
60a ベース円部(第1ベース部)
60b ノーズ部(第1ノーズ部)
60c 凹溝
62 第2吸気カム(第2カム)
62a ベース円部(第2ベース部)
62b ノーズ部(第2ノーズ部)
62c 凹溝
63 ボス部
64 ボス部
70 カムブラケット(移動機構)
72a シリンダ
72b シリンダ
74a 連通路
74b 連通路
76a プランジャ(当接係合部)
76b プランジャ(当接係合部)
78a コイルスプリング
78b コイルスプリング
98 切替弁(移動機構)
104 吸気カムシャフト組立体(カムシャフト組立体)
140 吸気カムシャフト(カムシャフト)
140b 貫通孔
140c 貫通孔
142 吸気カムキャリア(カムキャリア)
143 突起(第3突起)
143a 傾斜面(第3傾斜面)
144 突起(第3突起)
144a 傾斜面(第3傾斜面)
145 突起(第4突起)
145a 傾斜面(第4傾斜面)
146 突起(第4突起)
146a 傾斜面(第4傾斜面)
150 ストッパー
150a 本体
150a1 端面
150a2 端面
150a3 側面
150a4 側面
150a5 側面
150a6 側面
150b 突起(第1突起)
150c 傾斜面(第1傾斜面)
151b 突起(第1突起)
151c 傾斜面(第1傾斜面)
152 ストッパー
152a 本体
152a1 端面
152a2 端面
152a3 側面
152a4 側面
152a5 側面
152a6 側面
152b 突起(第2突起)
152c 傾斜面(第2傾斜面)
153b 突起(第2突起)
153c 傾斜面(第2傾斜面)
CC 燃焼室(燃焼室)
L1 長辺寸法
L2 短辺寸法
L3 高さ寸法
CSPR コイルスプリング
B ボール
P1 油圧配管(移動機構)
P2 油圧配管(移動機構)
OP オイルポンプ(移動機構)
VL 仮想直線

Claims (6)

  1. 軸線方向に延在する少なくとも1条のスプライン突条を外周面に有するカムシャフトと、第1および第2カムプロフィールを有する第1および第2カムを有すると共に前記スプライン突条に係合可能な少なくとも1条のスプライン凹条を内周面に有し、前記カムシャフトと一体回転可能かつ前記軸線方向に移動可能に前記カムシャフト上に配置されたカムキャリアと、を備えるカムシャフト組立体であって、
    前記カムシャフトの前記軸線方向の第1位置に、該軸線方向と交差する方向に突出状に配置された少なくとも1つの第1突起と、
    前記第1位置から前記軸線方向に離れた前記カムシャフトの第2位置に、該軸線方向と交差する方向に突出状に配置された少なくとも1つの第2突起と、
    前記第1位置側に向かって前記軸線方向に沿って突出するよう前記カムキャリアに配置された少なくとも1つの第3突起と、
    前記第2位置側に向かって前記軸線方向に沿って突出するよう前記カムキャリアに配置された少なくとも1つの第4突起と、
    を備え、
    前記第1突起は、前記第2位置側から前記第1位置側に向かって前記第1突起を見た場合に、上り傾斜を有する第1傾斜面を有しており、
    前記第2突起は、前記第1位置側から前記第2位置側に向かって前記第2突起を見た場合に、上り傾斜を有する第2傾斜面を有しており、
    前記第3および第4突起は、前記第1および第2傾斜面に係合可能である
    カムシャフト組立体。
  2. 前記第3および第4突起は、前記第1および第2傾斜面に係合可能な第3および第4傾斜面を有しており、
    該第3および第4傾斜面は、前記第3および第4突起の突出方向に向かって上り傾斜を有している
    請求項1に記載のカムシャフト組立体。
  3. 前記第3および第4傾斜面は、前記第1および第2傾斜面と略同じ傾斜角度を有している
    請求項2に記載のカムシャフト組立体。
  4. 前記第1および第2カムは、第1および第2ベース部と、第1および第2ノーズ部と、を有しており、
    前記第3および第4突起は、該第3および第4突起を前記軸線方向の一方側から見た場合に、前記第1および第2突起に関して前記第1および第2ノーズ部が配置された側とは反対側に配置されている
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカムシャフト組立体。
  5. 前記第1および第2カムは、第1および第2ベース部と、第1および第2ノーズ部と、を有しており、
    前記第3突起は、該第3突起を前記軸線方向の一方側から見た場合に、前記第1突起に関して前記第1ノーズ部が配置された側とは反対側に配置されており、
    前記第4突起は、該第4突起を前記軸線方向の一方側から見た場合に、前記第2突起に関して前記第2ノーズ部が配置された側に配置されている
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカムシャフト組立体。
  6. 燃焼室と、該燃焼室に開口する吸気ポートを有する吸気通路と、を有するシリンダヘッドと、
    前記吸気ポートを開閉可能に該吸気ポートに配置された弁部と、該弁部に一体にされた軸部と、を有する吸気バルブと、
    前記軸部の軸線方向の一端部に配置されたバルブリフターと、
    前記第1または第2カムが前記バルブリフターに当接可能に配置された請求項1ないし5のいずれか1項に記載のカムシャフト組立体と、
    前記カムキャリアに当接または係合する当接係合部を有し、該当接係合部によって前記カムキャリアを前記カムシャフトの前記軸線方向に移動させる移動機構と、
    を備える内燃機関。
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