JP2021017814A - 排気ガス浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な構造や大がかりな設備を要することなく、排気ガス中の有害成分を除去できる構成を提供する。【解決手段】排気ガス中の有害成分を洗浄液との接触により除去する排気ガス浄化システム1であって、前記洗浄液は、前記排気ガスと接触する気液接触部4に向け噴射される前の段階で微細粒化された状態で前記噴射のために準備されることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、排気ガス浄化システムに関し、さらに詳しくは、排気ガス中に含まれている有害成分を除去するための構成に関する。
船舶や発電機さらには大型重機などの動力源に用いられるディーゼルエンジンは、低コストで入手可能なC重油などの低質燃料油を用いられる場合が多い。
しかし、この低質燃料油は、燃焼後に発生する排気ガス中に、パテキュレートを主体とする微粒子状物質(PM)や硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)等を含んでいる。これらの成分は大気汚染や機器類の腐食を生じさせる原因物質であり、人体への悪影響を及ぼす有害成分でもある。
有害成分の一つである窒素酸化物(NOx)は、排気ガスの一部をエンジンに戻す排気再循環方法によって発生率を低下させられる。
しかし、再循環される排気ガス中には、大気汚染や機器類への悪影響を及ぼす虞のある微粒子状物質(PM)や硫黄酸化物(SOx)が多く含まれている場合がある。このため、再循環される排気ガス中からこれらの成分を取り除く必要がある。
従来、排気ガス中に含まれる微粒子状物質(PM)や硫黄酸化物(SOx)を除去する方法として、洗浄液に排気ガスを接触させるスクラバ装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、洗浄液に排気ガスを接触させることにより、排気ガス中の微粒子状物質や硫黄酸化物を液滴により捕捉する技術が開示されている。
スクラバ装置内で洗浄液と接触した排気ガスは、大量の水分を含んでいる。この水分を含んだ排気ガスは再循環されると内燃機関の腐食を招く原因となるので、除去される必要がある。
そこで、スクラバ装置を通過した排気ガスを冷却し、凝縮液として回収することにより排気ガス中の水分を除去することが知られている(例えば、特許文献2)。
これらの技術に加え、スクラバ装置内での気液接触方式として、スクラバ装置内で排気ガスを旋回させながら、噴霧される洗浄液と接触させる技術も知られている(例えば、特許文献3)。
スクラバ装置内で排気ガスに接触する洗浄液は、特許文献1にも開示されているように、蒸発などにより洗浄液として機能しなくなる量を考慮して、大量に供給する必要がある。
特に、船舶では、洗浄液として海水を用いる場合がある。
大量の海水を排気ガスと接触させる場合には、海水の大量消費を賄うために供給機関の運転コストが上昇すること、さらに、大量の洗浄液が抵抗となって排気ガスが円滑な移動を妨げられやすくなるという新たな不具合が生じる。
そこで、特許文献2には、冷却により得られる凝縮液を一旦回収し、回収した凝縮液を洗浄液として再利用する方法が提案されている。
しかし、回収した凝縮液は、排気ガス中の硫黄酸化物(SOx)を含むためにpH値が低下し、酸性になる。このため、pH値の低い凝縮液を洗浄液として再利用すると脱硫反応が良好に行えなくなり、結果としてSOxの除去効率が低下する虞がある。SOxの除去効率が低下するのを防ぐためには、回収された凝縮液のpH値を管理する行程が必要となる。
pH値を管理する場合、pH値を高くしすぎると、特許文献2に記載されているように、中和の際に生じる塩が固着することや、COまでも溶解する虞がある。このため、pH値において中和させるための中和剤の投入量を多くしなければならない。
この結果、海水を使用した場合も含めて、SOx除去処理済みの洗浄液を海に投棄する際のpH値を管理するためのコストが上昇するという新たな不具合がある。
一方、スクラバ内での気液接触により排気ガス中のSOxを除去する際には、効率よく除去する必要がある。そこで、特許文献3に記載されているように、旋回する排気ガスに対して、ミスト状に噴霧される洗浄液を接触させることも行われている。
しかし、洗浄液は噴射ノズルにより噴霧されるが、噴霧された洗浄液と排気ガスとの接触時間や接触面積が十分確保されない場合には、洗浄液によるSOxの捕捉が十分得られない虞がある。この理由は、特許文献3において明らかにされているが、噴霧角度によって洗浄液の滞留時間が異なることにある。
特開2011−157959号公報 特許第5940727号公報 特許第5998915号公報
本発明の課題は、コストの上昇を招くことなく効率よく排気ガス中の有害成分を除去して排気ガスの浄化を可能にする排気ガス浄化システムを提供することにある。特に、複雑な構造や大がかりな設備を要することなく、排気ガス中の有害成分を除去できる構成を提供することにある。
この課題を解決するため、本発明は、排気ガス中の有害成分を洗浄液との接触により除去する排気ガス浄化システムにおいて、前記洗浄液は、前記排気ガスと接触する気液接触部に向け噴射される前の段階で微細粒化された状態で前記噴射のために準備されることを特徴としている。
本発明によれば、通常、噴射位置からの噴射により微細粒となる洗浄液が、噴射前に微細粒化されて噴射されるので、通常の噴射時よりも微細粒化が向上することにより気液接触部で洗浄液の拡散性が高められる。
この結果、気液接触部の構造に特別な変更などを加えることなく、洗浄液自体の形態変化のみで、排気ガスとの接触面積、接触時間が増加されて排気ガス中の有害成分の除去効率が高められる。
本発明の実施形態にかかる排気ガス浄化システムを説明するための構成図である。 図1に示した排気ガス浄化システムに用いられる構成部一つである気液接触部周りの構成を説明するための模式図である。 図2に示した気液接触部に対する洗浄液の供給部の構成を説明するための模式図である。 図3に示した洗浄液の供給部に用いられる制御部の構成を説明するためのブロック図である。 図4に示した制御部で実行される作用の一つを説明するためのフローチャートである。 図4に示した制御部で実行される作用の他の一つを説明するためのフローチャートである。
以下に、本発明を実施するための形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は、排気ガス中の有害成分の一つであるSOxを捕集対象としているが、これ以外の有害成分の一つであるNOxを捕集対象とすることも可能である。
図1において、本発明の実施形態にかかる排気ガス浄化システム1は、船体2に設けられている機関室内に配置されたエンジン3の付属施設として備えられている。
排気ガス浄化システム1は、排気ガスと洗浄液とを接触させる気液接触部4と、気液接触部4に向け洗浄液の一つである海水を供給する洗浄液供給部5とを備えている。
気液接触部4は、図2に示されているように、エンジン3の排気ポートに連通する排気管4Aが下方に接続され、浄化済みガスを排出する排気口4Bが上部に備えられた湿式スクラバが用いられる。
気液接触部4は、内部空間に設けられている排気管4Aおよび排気口4Bとの間に、排気ガスの流れる方向に逆らう向きに洗浄液を噴射する噴射ノズル6が備えられている。
噴射ノズル6は、後で説明する洗浄液供給部5との間で接続される配管6Aの末端に位置し、配管6Aの途中に配置された開閉弁LV1を備えている。
開閉弁LV1は、排気ガスの量や温度などに応じて開閉される数や開閉量が選択される部材である。
排気ガスの流れる方向において、噴射ノズル6の後方には捕集部材7が配置されている。
捕集部材7は、洗浄液および排気ガスが接触可能な貫通孔を有するハニカム構造体が用いられる。捕集部材7は、洗浄液との接触によりミスト状となった排気ガス中の有害成分の一つであるSOxを貫通孔壁面に付着させて捕集することができる。
気液接触部4の下方空間は、排気管4Aよりも下方に洗浄液貯留部4Cが設けられている。捕集部材7から落下して洗浄液貯留部4Cに溜められた洗浄液は、処理装置8に向け繰り出されることが可能である。
処理装置8は、SOxを捕集した後、強酸性を有する洗浄液に中和剤を導入することにより、洗浄液のpH値を中和状態に相当する値に矯正するために設けられている。
処理装置8においてpH値を中和状態に矯正された洗浄液は、海に放出されて廃棄される場合と、再度、洗浄液供給部5に向け環流される場合とのいずれかが選択される。
洗浄液供給部5に向け洗浄液を環流させるため、および洗浄液供給部5に向けて海水を取り込むために管路P1が備えられている。
管路P1は、延長方向一端が船体2に形成されている開口(図示されず)に連通され、延長方向他端が洗浄液供給部5に接続されている。
管路P1の延長方向一端と他端との間には、処理装置8から延長された環流路P2が接続されている。環流路P2が接続されている管路P1には、処理装置8から海に向け洗浄液を廃棄するときに閉じられる開閉弁LV2が配置されている。
管路P1には、環流路P2との接続位置よりも海水取り込み側の位置に、正逆回転可能なポンプ9および方向切換弁10がそれぞれ配置されている。
ポンプ9は、海水の取り込みおよび海水への洗浄液の廃棄を行える方向に回転することができる。
方向切換弁10は、海水の取り込み時や洗浄済みの洗浄液を海に廃棄する場合あるいは洗浄液供給部5に向けて洗浄液を環流させる場合の海水および洗浄液の流通状態を設定するために設けられている。
気液接触部4は、噴射ノズル6から噴射された洗浄液に排気ガスを接触させて排気ガス中のSOxがミスト化される部分である。
洗浄液と接触した排気ガスは、捕集部材7を通過する際にミスト化されたSOxが捕集される。この結果、捕集部材7を通過した排気ガスはSOxを除去されて浄化された状態で排気口4Bから外部に排出される。
一方、捕集部材7に捕集されたミスト状のSOxおよび捕集部材7に付着した洗浄液は、落下することにより、気液接触部4の洗浄液貯留部4Cに溜まる。
洗浄液貯留部4Cに溜められた洗浄液は、所定量に達した時点で処理装置8に向け送られ、中和剤添加などの処置が執られて無害化される。無害化された洗浄済みの洗浄液は、ポンプ9および方向切換弁10の流路切換が行われることにより、再度、洗浄液供給部5に向け環流される場合と、海に向け廃棄される場合とが選択される。
以上の構成を備えた気液接触部4は、洗浄液供給部5から洗浄液を供給される。
洗浄液供給部5は、本実施形態における特徴部分である。
洗浄液供給部5の機能は、噴射ノズル6により噴射される前の段階で洗浄液を、噴射ノズル6で噴射されて得られるミストとは別に微細粒化した状態で噴射のために準備することにある。
以下、この構成について説明する。
図3は、洗浄液供給部5の構成を示す模式図であり、(A)と(B)に示されている構成は、微細粒化する機構が異なる。
洗浄液供給部5は、微細粒発生部5A、5A1と、温度管理部5Bと、を主要部として備えている。
図3(A)に示されている微細粒発生部5Aは、ハニカム構造体が用いられている。ハニカム構造体は、複数積層され、各ハニカム構造体同士で貫通孔の一部が互いに連通されて重ねられている。この構造体は、貫通孔の連通部分を洗浄液が通過するときに発生する摩擦力によって洗浄液に分裂を起こさせる。
洗浄液は、分裂することにより元の液膜サイズから微細粒化されたサイズのミストに変化する。
摩擦力を利用して洗浄液を分裂させる方式の別例としては、洗浄液を高速で曲路内に流す方式がある。この方式によれば、曲路内面へ洗浄液を衝突させたときに発生する摩擦力を利用して洗浄液を剪断して分裂させることにより細かくすることができる。
図3(B)に示されている微細粒発生部5A1は、洗浄液を振動させて粉砕状態にすることにより微細粒化する発振部が用いられている。
以上の微細粒発生部5A、5A1は、洗浄液が流れる際に発生する摩擦力や振動による粉砕、破粋、分裂を起こさせることに限らず、気流を印加した際の気流のエネルギーによる洗浄液の粉砕等も用いられる。また、微細粒発生部内で洗浄液同士を衝突させる際の圧力により洗浄液を粉砕する構成や、遠心力を用いて破粋する構成、さらには洗浄液を通過させるフィルタの粗さを利用する構成などを採用することも可能である。
洗浄液の微細粒化は、洗浄液の分子を振動させてクラスタ化する方式を用いることができる。この方式は洗浄液が流れる配管の外側から高周波振動を与えるコイルを配置し、設定される周波数に応じたサイズに分裂させることができる。
微細粒発生部5A、5A1において微細粒化される洗浄液は、噴射ノズルから噴射されると、排気ガスに含まれる有害成分であるSOxを捕捉可能なサイズを持つミストに形成される。具体的には、捕捉対象であるSOxの分子サイズを元に、噴射ノズル6からの噴射時点で、複数のSOxが捕捉できるサイズで準備されることが望ましい。
微細粒発生部5A、5A1を通過する洗浄液は、ミスト化する際に温度管理を受ける場合がある。
洗浄液に対する温度管理は、次の目的を達成するためである。
第1の目的は、洗浄液のミストサイズが排気ガスからの熱を受けて当初サイズから変化するのを防止することにある。
第2の目的は、排気ガスの有害成分が変質する露点を基準として、変質した有害成分の捕捉を可能にすることにある。
第1の目的は、次の理由に基づき設定されている。
洗浄液はこれと接触する排気ガスの熱によりミストになる状態が変化する。特に、排気ガスと接触した時点で排気ガスからの熱を受けて蒸発熱が増加する。これにより、洗浄液の一部が蒸発すると、微細粒発生部5A、5A1において形成されたミストサイズが変化し当初のサイズ以下となることがある。この結果、排気ガス中のSOxを捕捉できるだけのサイズを維持できなくなる虞を招く。
そこで、本実施形態では、排気ガスと接触したときに排気ガスの熱によって洗浄液のミストが蒸発熱を増加させるのを抑えられる温度を洗浄液に持たせることに着目している。
第2の目的は、次の理由に基づき設定されている。
排気ガス自体も温度が急変すると、含まれている有害成分を変質させることがあり、変質した成分により新たな不具合が発生する虞がある。この場合の新たな不具合とは、排気ガスの温度が急低下したときに発生する有害成分によって金属が腐食されることである。
有害成分の変質について今少し説明を加えると次の通りである。
排気ガスに含まれるSOxは、主にSOであることが多いが、その一部が酸化してSOに変化することが知られている。このSOは、排気ガス中の水分に反応して硫酸になる。硫酸は、排気ガスの温度が低下して露点以下でミスト化して硫酸ミストに変質する。硫酸ミストは、サイズがきわめて小さい成分であると共に、金属を腐食させる不具合を持つ成分であることが知られている。
硫酸ミストは小径であるために、移動速度が小さいことが理由となって、洗浄液のミストとの衝突確率が低くい。従って、硫酸ミストを捕捉する効率は悪くなることが知られている。
この理由に基づき、硫酸ミストの粒径が洗浄液のミストに捕捉されやすい大きさに維持されることが望まれる。
そこで、本実施形態では、排気ガスの温度低下により変質する排気ガス中の硫酸ミストを捕捉しやすいサイズを維持させることに着目している。
以上の理由により洗浄液の温度を管理するための温度管理部5Bに用いられる部材として、図3において符号103,104で示されている加熱源および冷却源が用いられる。
加熱源103,冷却源104は、洗浄液供給部5の内部において、管路P1に対する連通状態を切り換えられるチャンバーC1〜C3を備えた位置切換部材Cに備えられている。
位置切換部材Cは、管路P1と連通可能な補助管路P1Aが各チャンバーC1〜C3内に備えられている。
補助管路P1Aは、チャンバーが、符号C3で示す中立位置(図2において符号(N)で示す位置)に移動したとき、取り込んだときの温度のままで海水を管路P1に向けて移送することができる。
補助管路P1Aのうちで、加熱源103に設けられている補助管路P1Aは、チャンバーC1内に配置されている加熱媒体通路HRにより加熱されることによって温度を上昇された海水を管路P1に向け移送するために用いられる。
補助管路P1Aのうち、冷却源104に設けられている補助管路P1Aは、チャンバーC2内に配置されている冷却媒体通路CRにより冷却されることによって温度を下降された海水を管路P1に向け移送するために用いられる。
加熱源103は、排気ガスの温度を利用するヒートパイプが加熱媒体通路HRに用いられている。ヒートパイプは、管路P1に連通可能な補助管路P1Aが配置されているチャンバーC1内で、補助管路P1Aを取り巻いている。
冷却源104は、図示しない冷却装置に連通する冷却パイプが冷却媒体通路CRに用いられる。冷却パイプは、上記補助管路P1Aが配置されているチャンバーC2内で補助管路P1Aを取り巻いている。
位置切換部材Cは、各チャンバーの補助管路P1Aと管路P1との連通状態を、図4に示されている制御部100によって切り換えられる。
制御部100は、排気ガスの流量に応じた洗浄液ミストの噴射量を決定するため、および、前記した第1,第2の目的を達成する際に用いられる部材の駆動制御を行うために設けられている。
制御部100は、排気ガス流量および排気ガス、洗浄液の各温度が入力されると、ポンプ9の駆動条件、方向切換弁10の位置切換設定および加熱源103あるいは冷却源104の駆動制御を実行する。
図4において、制御部100の入力側には、排気ガス流量計101,排気ガス温度計LT、洗浄液温度計102が接続され、出力側にはポンプ9,方向切換弁10,加熱源103,冷却源104が接続されている。
制御部100の出力側には、上記各機器に加えて、噴射ノズル6への洗浄液の量を決めるために開閉制御される流量可変な開閉弁LV1と、処理装置8と洗浄液供給部5とを接続する管路P1に配置された開閉弁LV2がそれぞれ接続されている。
開閉弁LV1は、排気ガス量に応じて噴射される洗浄液の量を、噴射する噴射ノズル6の数や開閉度により設定するために開閉制御される。
開閉弁LV2は、処理装置8から管路P1に向け洗浄済みの洗浄液を環流させるときに開放される。
なお、図4において、制御部100の出力側に表示されている矢印は、出力信号の方向を示し、制御部100の入力側に表示されている矢印(両側に矢の表示がある)は、フィードバック処理のための信号の向きを意味している。
制御部100は、排気ガス温度と洗浄液温度とをそれぞれ検知した結果、洗浄液の温度管理を必要としない温度であると判断すると、海水を海から気液接触部4に向けて直接供給する処理が実行される。このとき、制御部100は、方向切換弁10に備えられている位置切換部Cのチャンバーを中立位置(図3中、符号C3で示す中立位置)に設定する。
制御部100は、第1の目的を達成するための温度管理の際に、排気ガス温度と洗浄液温度との温度差を用いる。
温度差は、洗浄液のミストサイズが当初のサイズから変化するかどうかを判断する指標として用いられる。つまり、排気ガスの熱を受けて洗浄液の蒸発熱が増加すると、洗浄液のミストサイズが当初のサイズから変化しやすくなる結果を導くことができる。
制御部100では、温度差が所定値(K1)と比較され、所定値(K1)以上であるときには、排気ガスの熱を受けて洗浄液の蒸発熱が増加しているときであることを判断する。この判断がなされたときには、洗浄液の温度を上昇させて温度差が小さくされる。この結果、温度差により排気ガスから洗浄液に移行する熱量によって得られる両者間の温度勾配も小さくされることになり、洗浄液の蒸発熱が増加するのを抑えてサイズの変化が抑制される。
制御部100は、第2の目的を達成するための温度管理の際に、排気ガス温度と露点との比較結果を用いる。
露点は、排気ガス中のSOがミスト化して硫酸ミストに変質するときの温度である。
制御部100では、排気ガスの温度を検知した結果が、排気ガス中のSOが硫酸ミストに変質する温度(露点)以上である場合には、排気ガス中のSOをミスト化する温度に設定すると共に、洗浄液のミストにより捕捉できるサイズに硫酸ミストのサイズを維持させる。
具体的には、排気ガスの温度を露点以下の温度に設定して硫酸ミストを生成させ、生成された硫酸ミストを洗浄液のミストにより捕捉できるサイズを維持できるように、洗浄液の温度設定により排気ガスの温度を調整する。
以上の構成を備えた排気ガス浄化システムの動作を、制御部100の動作を示す図5のフローチャートに基づき説明すると次の通りである。
制御部100は、排気ガス流量、排気ガス温度、洗浄液温度の各データを取り込む(ST1)。
取り込んだデータを用いて、排気ガス流量を判断し、排気ガスの流量に応じた洗浄液の噴霧量が得られるように、噴射ノズル6に連通する開閉弁LV1の開閉制御を実行する(ST2)。
開閉弁LV1が開閉制御されると、制御部100は、排気ガスの温度と洗浄液の温度との温度差を判別する(ST3)。
洗浄液供給部5において噴射前の段階に微細粒化されたミストは、噴射ノズル6から噴射されると、噴射ノズル6単体でのミストサイズよりも小さいサイズのミストが気液接触空間内に拡散する。
気液接触空間内では、微細粒化された洗浄液ミストが拡散率を高められて存在するので、多くの洗浄液ミストが排気ガスと接触することになる。この結果、排気ガスに対する洗浄ミストの接触面積、接触時間が高められて排気ガス中の有害成分を除去する効率が高められる。
ステップST3において、温度差が所定値(K1)以上である場合には、第1の目的を達成するための処理が実行される。
図5において、温度差が所定値(K1)以上である場合には、洗浄液供給部5の位置切換部材Cの位置が加熱源103を洗浄液が通過する状態に切り換えられる(ST4,5)。
位置切換部材Cのチャンバー位置が、加熱源103を洗浄液が通過する状態に切り換えられると、洗浄液は温度を上昇されて、排気ガスの温度との間の温度差が小さくされる。この結果、洗浄ガスが排気ガスから受ける熱によって蒸発熱が増加するのを抑えられるので、発泡、破泡などの弊害による洗浄液ミストが変化してしまうのを抑制される。
一方、第2の目的を達成するための処理は図6に示されている。
図6において、排気ガス温度が検知され、温度が露点以上であるかどうか判別される(ST3A)。
排気ガス温度が露点以上であると判断された場合には、洗浄液供給部5の位置切換部材Cの位置が、冷却源104の補助管路P1Aと管路P1とが連通する位置に切り換えられる(ST4A、ST5A)。
位置切換部材Cのチャンバー位置が、冷却源104を洗浄液が通過する状態に切り換えられると、洗浄液は温度を下げられて、排気ガスの温度を露点以下に矯正する。この結果、排気ガス中に存在する硫酸は、ミスト化されて硫酸ミストに変質する。
ガス状のSOから変化した硫酸が変質してミスト化された硫酸ミストは、洗浄液ミストとの接触により温度が下げられると、ミストが増大化しやすくなる。これにより、硫酸ミストのサイズを洗浄液のミストサイズに適応するサイズに設定すると共にそのサイズを維持することによって硫酸ミストの捕捉を確保できる。
この状態は、排気ガス温度と露点との対比判別を継続することにより、温度調整の監視が行われることになる(ST6A)。
以上の実施形態によれば、噴射ノズル6による噴射の前に、洗浄液が微細粒化される構成を付加するだけで、噴射ノズル6単体からの洗浄液ミストのサイズよりも小さいサイズのミストを噴射できる。これにより、気液接触空間での洗浄液のミストが拡散性を高められて排気ガスとの接触面積、接触時間が増やされることになる。この結果、排気ガス中の有害成分の除去率を向上させることが可能となる。
一方、噴射ノズル6単体からのミストサイズよりも小さくされたミストは、排気ガスから受ける熱によって蒸発熱が増加するのを抑制されるので、排気ガスの有害成分を捕捉する割合に影響するミストサイズを変化させることがない。
さらに加えて、排気ガスの温度変化によって変質した排気ガス中の有害成分も、洗浄液の温度調整によって捕捉されやすくできるので有害成分の除去効率が下がるのを防止できる。
本発明は、洗浄液を噴射ノズルによる噴射前に微細粒化するという簡単な構成を用いるだけで、気液接触空間での拡散率を高めて有害成分との接触時間、接触面積を増大させて有害成分の捕捉率を高めることを期待できる。
しかも、洗浄液のミストは、浄化システム内に新たな構造を用いることなく所定サイズに維持されると共に、このミストに接触する排気ガスの温度変化を抑えて有害成分の捕捉性の悪化を防ぐことができる点で利用可能性が高い。
1 排気ガス浄化システム
4 気液接触部
5 洗浄液供給部
5A、5A1 微細粒発生部
6 噴射ノズル
100 制御部
103 加熱源
104 冷却源

Claims (5)

  1. 排気ガス中の有害成分を洗浄液との接触により除去する排気ガス浄化システムであって、前記洗浄液は、前記排気ガスと接触する気液接触部に向け噴射される前の段階で微細粒化された状態で前記噴射のために準備されることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  2. 請求項1記載の排気ガス浄化システムにおいて、
    前記洗浄液は、前記噴射時点で前記有害成分を捕捉可能なサイズが得られるサイズに設定されて前記噴射のために準備されることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  3. 請求項1又は2記載の排気ガス浄化システムにおいて、
    前記洗浄液は、前記排気ガスに含まれる有害成分のミスト化が可能な温度に維持されて噴射前に準備されることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  4. 請求項3記載の排気ガス浄化システムにおいて、
    前記洗浄液は、前記有害成分のミスト化が可能な温度に冷却もしくは加熱されて噴射前に準備されることを特徴とする排気ガス浄化システム。
  5. 請求項1乃至4のうちの一つに記載の排気ガス浄化システムにおいて、
    前記洗浄液は、流路内での摩擦もしくは振動による粉砕状態により微細粒化されることを特徴とする排気ガス浄化システム。
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