JP2021016821A - 膜分離装置の運転方法および膜分離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】分離膜のろ過流量またはろ過流量の変動に基づいて最適な分離膜表面の蓄積物の除去を行うことで、低コストで処理水を長期にわたり安定に得ることが可能となる膜分離装置の運転方法を提供する。【解決手段】被処理液を分離膜に送液し、間欠もしくは連続的に膜面の洗浄操作を行いながら分離膜モジュールで分離処理する膜分離装置の運転方法において、被処理液もしくは分離されたろ過液の流量に応じて次の膜面の洗浄操作を制御することを特徴とする膜分離装置の運転方法。(1)ろ過膜の一次側膜面において液体と気体の片方もしくは両方を強制的に流すフラッシング操作(2)ろ過膜の二次側から一次側に液体を供給する逆液洗浄操作(3)被処理液もしくはろ過液の平均流量を維持しつつろ過流量を短時間のうちに変動させるリラクゼーション操作【選択図】図3
Description
本発明は、分離膜を用いて河川水・湖水・海水などの自然水や下廃水・工業排水を処理する膜分離装置の運転方法、および膜分離装置に関するものである。
膜分離法は、省エネルギー・スペース、およびろ過水質向上等の特長を有するため、様々な分野での使用が拡大している。例えば、精密ろ過膜や限外ろ過膜の河川水や地下水や下水処理水から工業用水や水道水を製造する浄水プロセスへの適用や、食品工業分野での製造プロセスへの適用、逆浸透膜やナノろ過膜の海水淡水化プロセスへの適用があげられる。
液体を分離膜によって膜ろ過する膜分離装置において、膜分離装置に流入する被処理液の流量に変動があると、ろ過流量を適宜調整しながら運転をすることが求められる場合がある。
しかしながら、被処理液の流入量の増加に合わせてろ過流量を高くしたり、高ろ過流量を維持するために膜ろ過の駆動力となる膜ろ過圧力を高くすると、被処理液に含まれる非膜透過物質が膜表面に蓄積し易く、蓄積された物質が膜抵抗の上昇を引き起こすこととなる。膜抵抗が上昇すると、膜間差圧が上昇する。このような膜間差圧の上昇が発生すると、次第に分離膜の透水性能が低下し膜ろ過装置の運転が困難となるので、分離膜の薬洗や交換が頻繁に必要となる。
しかしながら、被処理液の流入量の増加に合わせてろ過流量を高くしたり、高ろ過流量を維持するために膜ろ過の駆動力となる膜ろ過圧力を高くすると、被処理液に含まれる非膜透過物質が膜表面に蓄積し易く、蓄積された物質が膜抵抗の上昇を引き起こすこととなる。膜抵抗が上昇すると、膜間差圧が上昇する。このような膜間差圧の上昇が発生すると、次第に分離膜の透水性能が低下し膜ろ過装置の運転が困難となるので、分離膜の薬洗や交換が頻繁に必要となる。
上記問題を解決するために、特許文献1では、被ろ過液の構成成分の種類および構成成分量、ろ過流量の時系列的変化を表すデータに基づいて、被処理液用改質剤を注入することにより、被処理液に含まれる非膜透過物質を膜表面に蓄積しにくくさせ、ろ過流量を高くしたり、高ろ過流量を維持するために膜ろ過の駆動力となる膜ろ過圧力を高くしても、膜抵抗および膜間差圧の上昇、あるいはろ過流量の低下を抑制する方法が開示されている。
また、特許文献2では、被処理液槽内に分離膜が浸漬され、吸引ポンプにより膜ろ過液を取出す膜分離装置において、分離膜の直下に散気ノズルを備えた散気管を複数設け、ブロワーから散気管に送風される空気の膜分離装置への供給をバルブにより切り替えることにより、膜表面の空気流および水流を頻繁に変化させて膜表面全体に洗浄効果が及ぶようにする膜洗浄方法が開示されている。
しかし、特許文献1に記載されたような被処理液改質剤を注入する方法では、改質剤および改質剤添加設備が追加で必要となり、水処理装置全体のコストが高騰してしまう。
また、特許文献2では、気液混合の散気流により、膜分離処理過程で膜表面の洗浄を行なうものであるが、膜分離条件に応じた必要な散気流量が開示されていない。一般に、ブロワー動力費等の散気コストは、全体の運転コストに大きく影響するため、必要以上に散気流量を多くすることは動力費の無駄となって散気コストが上昇する。
そこで本発明は、効果的に膜ろ過流量に合った分離膜表面の蓄積物の除去を行い、安定運転かつ省エネルギーを図ることが可能となる運転方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、次の特徴を有するものである。
(1)被処理液を分離膜に接触させ、間欠もしくは連続的に膜面の洗浄操作を行いながら分離膜モジュールで分離処理する膜分離装置の運転方法において、被処理液もしくは分離されたろ過流量に応じて(A)〜(C)に示す膜面の洗浄操作の少なくとも一つを制御することを特徴とする膜分離装置の運転方法。
(1)被処理液を分離膜に接触させ、間欠もしくは連続的に膜面の洗浄操作を行いながら分離膜モジュールで分離処理する膜分離装置の運転方法において、被処理液もしくは分離されたろ過流量に応じて(A)〜(C)に示す膜面の洗浄操作の少なくとも一つを制御することを特徴とする膜分離装置の運転方法。
A:分離膜の一次側膜面に液体と気体の片方もしくは両方を強制的に流すフラッシング操作
B:分離膜の二次側から一次側に液体を供給する逆液洗浄操作
C:被処理液もしくはろ過液の平均流量を維持しつつろ過流量を短時間のうちに変動させるリラクゼーション操作
(2)(1)のAにおける液体が供給液、ろ過液、薬液のいずれかからなるとともに、制御因子が流量、時間、薬液濃度、洗浄間隔の少なくともいずれかであることを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
(3)(1)のAにおける気体が、空気もしくは蒸気のいずれかからなるとともに、制御因子が流量、時間、洗浄間隔の少なくともいずれかであることを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
(4)(1)のBにおける液体がろ過液、薬液のいずれかからなるとともに、制御因子が、流量、時間、濃度、洗浄間隔の少なくともいずれかであることを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
(5)(1)のCにおけるリラクゼーション操作が、ろ過流量を平均流量より上げる操作(X)、ろ過流量を平均流量より下げる操作(Y)の上げ下げの程度変更(流量変化率)、Xの時間変更、Yの時間変更、XとYの時間比率変更の少なくともいずれかであることを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
(6)(1)のAの制御において、(5)におけるYを実施しているときにフラッシング流量を増加させて制御することを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
(7)(1)のAの制御において、請求項5におけるXの流量とYの流量の平均流量に対する変化率以上となるようにフラッシング流量を変化させ制御することを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
(8)(1)のAの制御において、フラッシング流量の変化率が、ろ過流量が増加傾向よりも減少傾向の方が、変化率が大きいことを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
(9)(1)のAの制御において、フラッシング流量はフィードバック制御により制御されるものであり、ろ過流量が減少する場合は、ろ過流量が減少傾向であることを確認してからフラッシング流量を減少させ、ろ過流量が増加する場合は、下記いずれかの方法によりフラッシング流量を制御することを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
B:分離膜の二次側から一次側に液体を供給する逆液洗浄操作
C:被処理液もしくはろ過液の平均流量を維持しつつろ過流量を短時間のうちに変動させるリラクゼーション操作
(2)(1)のAにおける液体が供給液、ろ過液、薬液のいずれかからなるとともに、制御因子が流量、時間、薬液濃度、洗浄間隔の少なくともいずれかであることを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
(3)(1)のAにおける気体が、空気もしくは蒸気のいずれかからなるとともに、制御因子が流量、時間、洗浄間隔の少なくともいずれかであることを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
(4)(1)のBにおける液体がろ過液、薬液のいずれかからなるとともに、制御因子が、流量、時間、濃度、洗浄間隔の少なくともいずれかであることを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
(5)(1)のCにおけるリラクゼーション操作が、ろ過流量を平均流量より上げる操作(X)、ろ過流量を平均流量より下げる操作(Y)の上げ下げの程度変更(流量変化率)、Xの時間変更、Yの時間変更、XとYの時間比率変更の少なくともいずれかであることを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
(6)(1)のAの制御において、(5)におけるYを実施しているときにフラッシング流量を増加させて制御することを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
(7)(1)のAの制御において、請求項5におけるXの流量とYの流量の平均流量に対する変化率以上となるようにフラッシング流量を変化させ制御することを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
(8)(1)のAの制御において、フラッシング流量の変化率が、ろ過流量が増加傾向よりも減少傾向の方が、変化率が大きいことを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
(9)(1)のAの制御において、フラッシング流量はフィードバック制御により制御されるものであり、ろ過流量が減少する場合は、ろ過流量が減少傾向であることを確認してからフラッシング流量を減少させ、ろ過流量が増加する場合は、下記いずれかの方法によりフラッシング流量を制御することを特徴とする(1)に記載の膜分離装置の運転方法。
D:ろ過流量の増加と同時にフラッシング流量を増加させる。
E:フラッシング流量増加は、フラッシング流量制御の応答が早くなるようフィードバック制御のパラメータをフラッシング流量減少時とは切り換えてフラッシング流量を制御する。
(10)前記膜分離装置が、被処理液を貯留した被処理液槽内に浸漬設置された分離膜と
前記分離膜の膜面に気体を供給する散気装置と
前記分離膜のろ過流量を測定する流量計およびろ過流量調整手段と、
前記散気流量を測定する流量計および散気流量調整手段を備えた浸漬型膜分離装置であって、
少なくとも、(1)のAとして、散気流量を前記分離膜のろ過流量の変動に基づいて、変動制御しながら運転することを特徴とする(1)〜(9)に記載の膜分離装置の運転方法。
(11)被処理液からろ過液を得る分離膜と
前期分離膜の一次側膜面に液体と気体の片方もしくは両方を強制的に流すフラッシング手段と
前記分離膜のろ過流量を測定する流量計およびろ過流量調整手段と、
前記フラッシング流量を測定する流量計およびフラッシング流量調整手段と
被処理液もしくは分離されたろ過流量に応じてフラッシング流量を制御するフラッシング流量制御手段を備えることを特徴とする浸漬型膜分離装置。
(10)前記膜分離装置が、被処理液を貯留した被処理液槽内に浸漬設置された分離膜と
前記分離膜の膜面に気体を供給する散気装置と
前記分離膜のろ過流量を測定する流量計およびろ過流量調整手段と、
前記散気流量を測定する流量計および散気流量調整手段を備えた浸漬型膜分離装置であって、
少なくとも、(1)のAとして、散気流量を前記分離膜のろ過流量の変動に基づいて、変動制御しながら運転することを特徴とする(1)〜(9)に記載の膜分離装置の運転方法。
(11)被処理液からろ過液を得る分離膜と
前期分離膜の一次側膜面に液体と気体の片方もしくは両方を強制的に流すフラッシング手段と
前記分離膜のろ過流量を測定する流量計およびろ過流量調整手段と、
前記フラッシング流量を測定する流量計およびフラッシング流量調整手段と
被処理液もしくは分離されたろ過流量に応じてフラッシング流量を制御するフラッシング流量制御手段を備えることを特徴とする浸漬型膜分離装置。
本発明の膜分離装置の運転方法および膜分離装置によれば、分離膜のろ過流量の変動に基づいて最適な分離膜表面の蓄積物の除去を行うことで、低コストで処理水を長期にわたり安定に得ることが可能となる。
以下、図面に示す実施態様に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施態様に限定されるものではない。
本発明の膜分離装置の運転方法は、被処理液もしくは分離膜のろ過流量の変動に応じて、少なくとも(1)分離膜の一次側膜面において液体と気体の片方もしくは両方を強制的に流すフラッシング操作、(2)分離膜の二次側から一次側に液体を供給する逆液洗浄操作、(3)被処理液もしくは分離膜の処理液の流量の平均流量を維持しつつろ過流量を短時間のうちに変動させるリラクゼーション操作のうち1つの膜面の洗浄操作を制御することを特徴とする。
このような本発明の膜分離装置の運転方法が適用される膜分離装置は、例えば、図1に示すように、被処理水を供給する被処理液供給ポンプ1と、被処理液をろ過する分離膜モジュール2と、処理液を貯留する処理液貯留槽3と、処理液を分離膜モジュール2に供給して逆液洗浄する逆液洗浄ポンプ4と、被処理水あるいは分離膜モジュールに薬液を供給する薬液供給ポンプ5と、薬液を貯留する薬液貯留槽6と、分離膜モジュール2の空気洗浄の空気供給源であるエアブロワー7と、被処理液流量計8と処理液流量計9と空気流量計10が設けられている。
また、本発明の膜分離装置の運転方法が適用される膜分離装置として、別の例では、図2に示すように、浸漬型膜分離ユニット12が設けられる。本形態では、被処理液を浸漬型膜分離ユニット12でろ過するために、浸漬型膜分離ユニット12と処理液貯留槽3との間にポンプ等を設けていてもかまわないし、水頭圧力差を駆動力としてろ過をするため、処理液貯留槽3内の処理液面が、被処理液槽13内の液面よりも低くなるようにしていてもよい。なお、図2においては、吸引ポンプ15によるろ過を実施している。
被処理液とは分離膜を用いて処理する溶液のことであり、河川水、地下水、海水、下水処理水、工場廃水、活性汚泥、培養液などが例として挙げられる。
ここにおいて、分離膜とは、被処理液に圧力を加えて、もしくは透過側から吸引することによって、被ろ過液中に含まれる一定粒子径以上の物質を捕捉する機能を有するものであり、その捕捉粒子径の違いにより、ダイナミックろ過膜、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜などがある。本発明で用いられる分離膜としては、好ましくは、ダイナミックろ過膜、精密ろ過膜、限外ろ過膜である。また、分離膜の形状としては、中空糸膜、平膜、管状膜、モノリス膜等があるが、形状は特に限定しない。なお、図1においては、中空糸膜を用いた膜分離装置、図2は平膜を用いた膜分離装置を示している。
なお、「一次側」とは、分離膜で仕切られた空間の内、被処理液が供給される側であり、「二次側」とは、被処理液を分離膜でろ過した処理液側のことである。
本発明における加圧方式は、内圧式または外圧式のいずれの方式でも良い。なお、図1,2に示す膜分離装置は外圧式によるものである。
被処理液は被処理液供給ポンプ1によって分離膜モジュール2または浸漬型膜分離ユニット12に供給され、分離膜モジュール2または浸漬型膜分離ユニット12によって固液分離を行われる。図1においては被処理液供給ポンプ1の加圧によって、図2においては吸引ポンプ15または水頭圧力差によって分離膜を通過し、処理液が得られる。この固液分離過程で分離膜表面には懸濁物質等が蓄積し目詰まりが進行するため、適宜、フラッシング操作などの洗浄操作を行うことによって分離膜表面の蓄積物を除去する。
本発明においては、高ろ過流量で運転した場合など、膜への負荷が高い条件では負荷を軽減するように洗浄の効果が高まるように制御し、低ろ過流量で運転した場合など、膜への負荷が低い場合には省エネルギーを図るため、洗浄の効果が低くなるように制御することが好ましい。
ここで、膜ろ過流量の変動に応じて制御する洗浄方法に制限はないが、分離膜の一次側膜面において液体と気体の片方もしくは両方を強制的に流すフラッシング操作や分離膜の二次側から一次側に液体を供給する逆液洗浄操作、被処理液もしくは分離膜の処理液の流量の平均流量を維持しつつろ過流量を短時間のうちに変動させるリラクゼーション操作などを挙げることができる。
図3は、ろ過流量に応じて、フラッシング流量を増減させた例である。フラッシング操作は、例えば、図1においては、連続的または間欠的にエアブロワー7から供給される空気によって空気洗浄を行うことや、被処理液を被処理液供給ポンプによって排水ライン11から排出しながら分離膜モジュールに供給するといった操作である。また、図2においては、連続的または間欠的にエアブロワー7から散気管14を通して浸漬型分離膜ユニットに空気を供給する。これらによって生じる液体または気液混相の膜面に平行な流れが膜面に付着した懸濁物を膜面から剥離する。
ここで、散気管14は、粗大気泡散気管および微細気泡散気管のいずれでも良く、散気量低減の観点から微細気泡散気管が好ましい。さらに、微細気泡散気管としては、散気孔が設けられた部分が金属管等の非伸縮性材質から構成される微細気泡散気管、あるいは、少なくとも、筒状の支持管と、微細スリットが形成された弾性シートとを有し、前記弾性シートが前記支持管の外周を覆うように配置され、前記弾性シートと前記支持管の間に気体を供給した際に、前記弾性シートの微細スリットが開くことにより、微細気泡が散気管外に発生する機能を有する微細気泡散気管であることが好ましい。
フラッシング操作に用いる液体は、被処理液の他、処理液や薬液または処理液に薬液を注入したものを用いることも好ましい。薬液としては、分離膜が劣化しない程度の濃度および接触時間を適宜設定した上で選択することが出来るが、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、過酸化水素、オゾン等を少なくとも1つ以上含有した方が、有機物に対して洗浄効果が高くなるので好ましく、また、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、シュウ酸等を1つ以上含有した方が、アルミニウム、鉄、マンガン等に対して洗浄効果が高くなるので好ましい。薬液濃度は5mg/Lから10000mg/Lであることが好ましい。5mg/Lより薄くなると洗浄効果が十分でなく、100000mg/Lより濃くなると薬液のコストが高くなり不経済となるからである。薬液は1種類とするよりも2種類以上を順番に使用することが好ましく、例えば、酸と次亜塩素酸ナトリウムを交互に使用するとより好ましい。
さらに本発明においては、ろ過流量に応じて、例えばろ過流量が平均ろ過流量よりも高くなる時には、液体の送液流量を高く、送液時間を長く、薬液の濃度を高く、洗浄間隔を短くなるように、逆にろ過流量が平均ろ過流量よりも低くなる時には、液体の送液流量を低く、送液時間を短く、薬液の濃度を低く、洗浄間隔を長くなるように、少なくともいずれかを制御すると効果的である。
フラッシング操作に用いる気体は、空気の他、蒸気を用いることも好ましい。また気体は油分やミストを除去したものを用いた方が、油分等が分離膜に付着するリスクが低減するので好適である。本発明においては、ろ過流量に応じて、液体と同様に気体の送気流量や送気時間、洗浄間隔を制御することが効果的である。
液体の送液流量や薬液濃度、気体の送液流量は、被処理液供給ポンプや薬液供給ポンプ、エアブロワー7のモータの回転数をインバーター制御することや流量調整弁によって制御されるのが一般的である。また、ろ過流量の変化に応じて調整できるようフィードバック制御を行うことが好ましい。
逆液洗浄操作は、例えば、逆液洗浄ポンプ4によって分離膜の二次側から分離膜の一次側に処理水を供給する洗浄操作であり、膜表面や膜細孔内に付着していた懸濁物を除去する。供給する液体は処理液および/または薬液からなり、本発明においては、ろ過流量に応じて、例えばろ過流量が平均ろ過流量よりも高くなる時には、逆液洗浄の送液流量を高く、送液時間を長く、薬液の濃度を高く、洗浄間隔を短くなるように、逆にろ過流量が平均ろ過流量よりも低くなる時には、逆液洗浄の送液流量を低く、送液時間を短く、薬液の濃度を低く、洗浄間隔を長くなるように、少なくともいずれかを制御すると効果的である。
リラクゼーション操作は、例えば、図1において被処理液を排水ライン11から排出しながら供給する運転方法、または図2においてろ過運転中に連続的にエアブロワー7から空気を供給する方法において、被処理液または処理液の平均ろ過流量を維持しつつろ過流量を短時間低下、またはろ過を停止した状態で空気を供給、または被処理水を供給し、膜面に付着した懸濁物を除去する操作である。本発明においては、図4のようなリラクゼーション操作において、膜ろ過流量に応じて、膜ろ過流量を平均流速よりも上げる操作(X)と膜ろ過流量を平均流量より下げる操作(Y)の上げ下げの程度の変更、Xの時間またはYの時間の変更、XとYの時間比率の変更の少なくともいずれかを制御すると効果的である。
また、本発明では、フラッシング操作、逆液洗浄操作、リラクゼーション操作を組み合わせることも好適である。
分離膜表面に懸濁付着物が多量に蓄積している場合には、図5のようにろ過流量の変動によって膜ろ過流量が低下したタイミング、もしくはリラクゼーション操作によってろ過流量が低下したタイミングでフラッシング流量を増加させるなど、フラッシングによる洗浄効果を高めるよう制御することも効果的である。これによって、フラッシング操作のみ、またはリラクゼーション操作のみでは除去できなかった膜面付着物を除去することが可能である。本操作は、省エネルギーの観点から懸濁付着物が多量に蓄積した場合のみ行うことが好ましく、本操作を運転中に間欠的に実施しても良い。
被処理液の流入量に変動があり、ろ過流量を変動して運転する場合、高膜ろ過流量で運転したとき、つまり高負荷運転時は膜間差圧への影響が大きくなる。そこで、この負荷を低減させるために、高負荷運転時に洗浄効果を一定以上高めることが求められる。一方で、低負荷運転時には、洗浄効果を高める必要が無いため、省エネルギーの観点から、分離膜の閉塞が顕著に進行しない範囲でできる限り洗浄に関わる出力を低くすることが求められる。つまり、図6に示すようにろ過流量に応じて変化させる洗浄効果の制御因子の変化率をろ過流量の変化率よりも大きくすることで、膜間差圧を抑制しつつ省エネルギーを図ることができる。
さらに、省エネルギーの観点から、図7に示すように高負荷運転時よりも低負荷運転時の変化率を大きくすることが好ましい。つまり、液体および/または気体の流量の制御する変化率が、ろ過流量が平均流速よりも増加傾向の場合よりも、減少傾向の場合に変化率を大きくすることで、効率良く省エネルギー運転を実施することができる。
また、フラッシング流量の変化制御は、どのタイミングでも分離膜面へ被処理液に含まれる被膜透過物質の蓄積を抑制できるよう、フラッシング流量を増加させるタイミングと減少させるタイミングを異ならせることが好ましい。具体的には、図8に示すように高ろ過流量から低ろ過流量へ移行する場合は、フィードバック制御により制御されるフラッシング流量をろ過流量が変化してからフラッシング流量を低下させ、低ろ過流量から高ろ過流量へ移行する場合には、可能な限り早く洗浄に関わる出力を高めることが好ましい。よって、ろ過流量が増加する場合は、このような制御の方法として、ろ過流量の増加と同時にフラッシング流量を増加させる制御を行う、もしくは、フラッシング流量の応答が早くなるよう、フラッシング流量減少時とはことなるフィードバック制御パラメータと切り換えて制御する方法があげられる。
ここでフィードバック制御はPID制御を用いるのが一般的であり、フィードバック制御のパラメータとは、このP(比例制御)、I(積分制御)、D(微分制御)各々の各ゲインの係数である。
図9は、特許文献3に記載されている膜ろ過予測プログラムを用いて、本発明の効果を検証した例である。図9において、分離膜の単位面積あたりの膜ろ過流量、即ち膜ろ過流束を0.36〜0.84m3/m2/dで変動させながら計算した。また、ろ過運転中には適宜散気によるフラッシングを行い、分離膜表面に付着した懸濁物の除去操作を実施している。
図9(a)は一定のフラッシング流量で連続運転した場合の、分離膜表面の懸濁物由来のろ過抵抗についてのものである。連続してろ過を行うことで分離膜表面に懸濁物が蓄積し、ろ過抵抗が増加する。
図9(b)に示すグラフは、本発明の分離膜装置の運転方法によって、ろ過流量の時間変動に応じて、フラッシング流量を制御したグラフである。ろ過流量が増加した際に、フラッシング流量をろ過流量の変動率の1.5倍の変動率で増加させ、ろ過流量が減少した際に、フラッシング流量をろ過流量の変動率の1.5倍の変動率で減少させることで、図9(a)と比べて、ろ過流量の変動による懸濁物由来のろ過抵抗値の変動を抑制するとともに、ろ過抵抗値の上昇速度も小さくなり、膜間差圧の上昇を抑えることができている。
このことから、本発明によって、フラッシング流量一定で運転した場合と比べ、同じ平均フラッシング流量において膜間差圧の上昇をより抑制可能であり、また、同じ洗浄効果を得るためのフラッシング流量を低減できることから、省エネルギーを図ることが可能であることが分かった。
このような本発明の膜分離装置の運転方法が適用される膜分離装置は、例えば、図1に示すように、被処理水を供給する被処理液供給ポンプ1と、被処理液をろ過する分離膜モジュール2と、処理液を貯留する処理液貯留槽3と、処理液を分離膜モジュール2に供給して逆液洗浄する逆液洗浄ポンプ4と、被処理水あるいは分離膜モジュールに薬液を供給する薬液供給ポンプ5と、薬液を貯留する薬液貯留槽6と、分離膜モジュール2の空気洗浄の空気供給源であるエアブロワー7と、被処理液流量計8と処理液流量計9と空気流量計10が設けられている。
また、本発明の膜分離装置の運転方法が適用される膜分離装置として、別の例では、図2に示すように、浸漬型膜分離ユニット12が設けられる。本形態では、被処理液を浸漬型膜分離ユニット12でろ過するために、浸漬型膜分離ユニット12と処理液貯留槽3との間にポンプ等を設けていてもかまわないし、水頭圧力差を駆動力としてろ過をするため、処理液貯留槽3内の処理液面が、被処理液槽13内の液面よりも低くなるようにしていてもよい。なお、図2においては、吸引ポンプ15によるろ過を実施している。
被処理液とは分離膜を用いて処理する溶液のことであり、河川水、地下水、海水、下水処理水、工場廃水、活性汚泥、培養液などが例として挙げられる。
ここにおいて、分離膜とは、被処理液に圧力を加えて、もしくは透過側から吸引することによって、被ろ過液中に含まれる一定粒子径以上の物質を捕捉する機能を有するものであり、その捕捉粒子径の違いにより、ダイナミックろ過膜、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜などがある。本発明で用いられる分離膜としては、好ましくは、ダイナミックろ過膜、精密ろ過膜、限外ろ過膜である。また、分離膜の形状としては、中空糸膜、平膜、管状膜、モノリス膜等があるが、形状は特に限定しない。なお、図1においては、中空糸膜を用いた膜分離装置、図2は平膜を用いた膜分離装置を示している。
なお、「一次側」とは、分離膜で仕切られた空間の内、被処理液が供給される側であり、「二次側」とは、被処理液を分離膜でろ過した処理液側のことである。
本発明における加圧方式は、内圧式または外圧式のいずれの方式でも良い。なお、図1,2に示す膜分離装置は外圧式によるものである。
被処理液は被処理液供給ポンプ1によって分離膜モジュール2または浸漬型膜分離ユニット12に供給され、分離膜モジュール2または浸漬型膜分離ユニット12によって固液分離を行われる。図1においては被処理液供給ポンプ1の加圧によって、図2においては吸引ポンプ15または水頭圧力差によって分離膜を通過し、処理液が得られる。この固液分離過程で分離膜表面には懸濁物質等が蓄積し目詰まりが進行するため、適宜、フラッシング操作などの洗浄操作を行うことによって分離膜表面の蓄積物を除去する。
本発明においては、高ろ過流量で運転した場合など、膜への負荷が高い条件では負荷を軽減するように洗浄の効果が高まるように制御し、低ろ過流量で運転した場合など、膜への負荷が低い場合には省エネルギーを図るため、洗浄の効果が低くなるように制御することが好ましい。
ここで、膜ろ過流量の変動に応じて制御する洗浄方法に制限はないが、分離膜の一次側膜面において液体と気体の片方もしくは両方を強制的に流すフラッシング操作や分離膜の二次側から一次側に液体を供給する逆液洗浄操作、被処理液もしくは分離膜の処理液の流量の平均流量を維持しつつろ過流量を短時間のうちに変動させるリラクゼーション操作などを挙げることができる。
図3は、ろ過流量に応じて、フラッシング流量を増減させた例である。フラッシング操作は、例えば、図1においては、連続的または間欠的にエアブロワー7から供給される空気によって空気洗浄を行うことや、被処理液を被処理液供給ポンプによって排水ライン11から排出しながら分離膜モジュールに供給するといった操作である。また、図2においては、連続的または間欠的にエアブロワー7から散気管14を通して浸漬型分離膜ユニットに空気を供給する。これらによって生じる液体または気液混相の膜面に平行な流れが膜面に付着した懸濁物を膜面から剥離する。
ここで、散気管14は、粗大気泡散気管および微細気泡散気管のいずれでも良く、散気量低減の観点から微細気泡散気管が好ましい。さらに、微細気泡散気管としては、散気孔が設けられた部分が金属管等の非伸縮性材質から構成される微細気泡散気管、あるいは、少なくとも、筒状の支持管と、微細スリットが形成された弾性シートとを有し、前記弾性シートが前記支持管の外周を覆うように配置され、前記弾性シートと前記支持管の間に気体を供給した際に、前記弾性シートの微細スリットが開くことにより、微細気泡が散気管外に発生する機能を有する微細気泡散気管であることが好ましい。
フラッシング操作に用いる液体は、被処理液の他、処理液や薬液または処理液に薬液を注入したものを用いることも好ましい。薬液としては、分離膜が劣化しない程度の濃度および接触時間を適宜設定した上で選択することが出来るが、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、過酸化水素、オゾン等を少なくとも1つ以上含有した方が、有機物に対して洗浄効果が高くなるので好ましく、また、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、シュウ酸等を1つ以上含有した方が、アルミニウム、鉄、マンガン等に対して洗浄効果が高くなるので好ましい。薬液濃度は5mg/Lから10000mg/Lであることが好ましい。5mg/Lより薄くなると洗浄効果が十分でなく、100000mg/Lより濃くなると薬液のコストが高くなり不経済となるからである。薬液は1種類とするよりも2種類以上を順番に使用することが好ましく、例えば、酸と次亜塩素酸ナトリウムを交互に使用するとより好ましい。
さらに本発明においては、ろ過流量に応じて、例えばろ過流量が平均ろ過流量よりも高くなる時には、液体の送液流量を高く、送液時間を長く、薬液の濃度を高く、洗浄間隔を短くなるように、逆にろ過流量が平均ろ過流量よりも低くなる時には、液体の送液流量を低く、送液時間を短く、薬液の濃度を低く、洗浄間隔を長くなるように、少なくともいずれかを制御すると効果的である。
フラッシング操作に用いる気体は、空気の他、蒸気を用いることも好ましい。また気体は油分やミストを除去したものを用いた方が、油分等が分離膜に付着するリスクが低減するので好適である。本発明においては、ろ過流量に応じて、液体と同様に気体の送気流量や送気時間、洗浄間隔を制御することが効果的である。
液体の送液流量や薬液濃度、気体の送液流量は、被処理液供給ポンプや薬液供給ポンプ、エアブロワー7のモータの回転数をインバーター制御することや流量調整弁によって制御されるのが一般的である。また、ろ過流量の変化に応じて調整できるようフィードバック制御を行うことが好ましい。
逆液洗浄操作は、例えば、逆液洗浄ポンプ4によって分離膜の二次側から分離膜の一次側に処理水を供給する洗浄操作であり、膜表面や膜細孔内に付着していた懸濁物を除去する。供給する液体は処理液および/または薬液からなり、本発明においては、ろ過流量に応じて、例えばろ過流量が平均ろ過流量よりも高くなる時には、逆液洗浄の送液流量を高く、送液時間を長く、薬液の濃度を高く、洗浄間隔を短くなるように、逆にろ過流量が平均ろ過流量よりも低くなる時には、逆液洗浄の送液流量を低く、送液時間を短く、薬液の濃度を低く、洗浄間隔を長くなるように、少なくともいずれかを制御すると効果的である。
リラクゼーション操作は、例えば、図1において被処理液を排水ライン11から排出しながら供給する運転方法、または図2においてろ過運転中に連続的にエアブロワー7から空気を供給する方法において、被処理液または処理液の平均ろ過流量を維持しつつろ過流量を短時間低下、またはろ過を停止した状態で空気を供給、または被処理水を供給し、膜面に付着した懸濁物を除去する操作である。本発明においては、図4のようなリラクゼーション操作において、膜ろ過流量に応じて、膜ろ過流量を平均流速よりも上げる操作(X)と膜ろ過流量を平均流量より下げる操作(Y)の上げ下げの程度の変更、Xの時間またはYの時間の変更、XとYの時間比率の変更の少なくともいずれかを制御すると効果的である。
また、本発明では、フラッシング操作、逆液洗浄操作、リラクゼーション操作を組み合わせることも好適である。
分離膜表面に懸濁付着物が多量に蓄積している場合には、図5のようにろ過流量の変動によって膜ろ過流量が低下したタイミング、もしくはリラクゼーション操作によってろ過流量が低下したタイミングでフラッシング流量を増加させるなど、フラッシングによる洗浄効果を高めるよう制御することも効果的である。これによって、フラッシング操作のみ、またはリラクゼーション操作のみでは除去できなかった膜面付着物を除去することが可能である。本操作は、省エネルギーの観点から懸濁付着物が多量に蓄積した場合のみ行うことが好ましく、本操作を運転中に間欠的に実施しても良い。
被処理液の流入量に変動があり、ろ過流量を変動して運転する場合、高膜ろ過流量で運転したとき、つまり高負荷運転時は膜間差圧への影響が大きくなる。そこで、この負荷を低減させるために、高負荷運転時に洗浄効果を一定以上高めることが求められる。一方で、低負荷運転時には、洗浄効果を高める必要が無いため、省エネルギーの観点から、分離膜の閉塞が顕著に進行しない範囲でできる限り洗浄に関わる出力を低くすることが求められる。つまり、図6に示すようにろ過流量に応じて変化させる洗浄効果の制御因子の変化率をろ過流量の変化率よりも大きくすることで、膜間差圧を抑制しつつ省エネルギーを図ることができる。
さらに、省エネルギーの観点から、図7に示すように高負荷運転時よりも低負荷運転時の変化率を大きくすることが好ましい。つまり、液体および/または気体の流量の制御する変化率が、ろ過流量が平均流速よりも増加傾向の場合よりも、減少傾向の場合に変化率を大きくすることで、効率良く省エネルギー運転を実施することができる。
また、フラッシング流量の変化制御は、どのタイミングでも分離膜面へ被処理液に含まれる被膜透過物質の蓄積を抑制できるよう、フラッシング流量を増加させるタイミングと減少させるタイミングを異ならせることが好ましい。具体的には、図8に示すように高ろ過流量から低ろ過流量へ移行する場合は、フィードバック制御により制御されるフラッシング流量をろ過流量が変化してからフラッシング流量を低下させ、低ろ過流量から高ろ過流量へ移行する場合には、可能な限り早く洗浄に関わる出力を高めることが好ましい。よって、ろ過流量が増加する場合は、このような制御の方法として、ろ過流量の増加と同時にフラッシング流量を増加させる制御を行う、もしくは、フラッシング流量の応答が早くなるよう、フラッシング流量減少時とはことなるフィードバック制御パラメータと切り換えて制御する方法があげられる。
ここでフィードバック制御はPID制御を用いるのが一般的であり、フィードバック制御のパラメータとは、このP(比例制御)、I(積分制御)、D(微分制御)各々の各ゲインの係数である。
図9は、特許文献3に記載されている膜ろ過予測プログラムを用いて、本発明の効果を検証した例である。図9において、分離膜の単位面積あたりの膜ろ過流量、即ち膜ろ過流束を0.36〜0.84m3/m2/dで変動させながら計算した。また、ろ過運転中には適宜散気によるフラッシングを行い、分離膜表面に付着した懸濁物の除去操作を実施している。
図9(a)は一定のフラッシング流量で連続運転した場合の、分離膜表面の懸濁物由来のろ過抵抗についてのものである。連続してろ過を行うことで分離膜表面に懸濁物が蓄積し、ろ過抵抗が増加する。
図9(b)に示すグラフは、本発明の分離膜装置の運転方法によって、ろ過流量の時間変動に応じて、フラッシング流量を制御したグラフである。ろ過流量が増加した際に、フラッシング流量をろ過流量の変動率の1.5倍の変動率で増加させ、ろ過流量が減少した際に、フラッシング流量をろ過流量の変動率の1.5倍の変動率で減少させることで、図9(a)と比べて、ろ過流量の変動による懸濁物由来のろ過抵抗値の変動を抑制するとともに、ろ過抵抗値の上昇速度も小さくなり、膜間差圧の上昇を抑えることができている。
このことから、本発明によって、フラッシング流量一定で運転した場合と比べ、同じ平均フラッシング流量において膜間差圧の上昇をより抑制可能であり、また、同じ洗浄効果を得るためのフラッシング流量を低減できることから、省エネルギーを図ることが可能であることが分かった。
1:被処理液供給ポンプ
2:分離膜モジュール
3:ろ過液貯留槽
4:逆液洗浄ポンプ
5:薬液供給ポンプ
6:薬液貯留槽
7:エアブロワー
8:被処理液流量計
9:処理液流量計
10:空気流量計
11:排液ライン
12:浸漬型膜分離ユニット
13:被処理液槽
14:散気管
15:吸引ポンプ
2:分離膜モジュール
3:ろ過液貯留槽
4:逆液洗浄ポンプ
5:薬液供給ポンプ
6:薬液貯留槽
7:エアブロワー
8:被処理液流量計
9:処理液流量計
10:空気流量計
11:排液ライン
12:浸漬型膜分離ユニット
13:被処理液槽
14:散気管
15:吸引ポンプ
Claims (11)
- 被処理液を分離膜に接触させ、間欠もしくは連続的に膜面の洗浄操作を行いながら分離膜モジュールで分離処理する膜分離装置の運転方法において、被処理液もしくは分離されたろ過流量に応じて次の(1)〜(3)に示す膜面の洗浄操作の少なくとも一つを制御することを特徴とする膜分離装置の運転方法。
(1)分離膜の一次側膜面に液体と気体の片方もしくは両方を強制的に流すフラッシング操作
(2)分離膜の二次側から一次側に液体を供給する逆液洗浄操作
(3)被処理液もしくはろ過液の平均流量を維持しつつろ過流量を短時間のうちに変動させるリラクゼーション操作 - 請求項1の(1)における液体が供給液、ろ過液、薬液のいずれかからなるとともに、制御因子が流量、時間、薬液濃度、洗浄間隔の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置の運転方法。
- 請求項1の(1)における気体が、空気もしくは蒸気のいずれかからなるとともに、制御因子が流量、時間、洗浄間隔の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置の運転方法。
- 請求項1の(2)における液体がろ過液、薬液のいずれかからなるとともに、制御因子が、流量、時間、濃度、洗浄間隔の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置の運転方法。
- 請求項1の(3)におけるリラクゼーション操作が、ろ過流量を平均流量より上げる操作(X)、ろ過流量を平均流量より下げる操作(Y)の上げ下げの程度変更(流量変化率)、Xの時間変更、Yの時間変更、XとYの時間比率変更の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置の運転方法。
- 請求項1の(1)の制御において、請求項5におけるYを実施しているときにフラッシング流量を増加させて制御することを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置の運転方法。
- 請求項1の(1)の制御において、請求項5におけるXの流量とYの流量の平均流量に対する変化率以上となるようにフラッシング流量を変化させ制御することを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置の運転方法。
- 請求項1の(1)の制御において、フラッシング流量の変化率が、ろ過流量が増加傾向よりも減少傾向の方が、変化率が大きいことを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置の運転方法。
- 請求項1の(1)の制御において、フラッシング流量はフィードバック制御により制御されるものであり、ろ過流量が減少する場合は、ろ過流量が減少傾向であることを確認してからフラッシング流量を減少させ、ろ過流量が増加する場合は、下記いずれかの方法によりフラッシング流量を制御することを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置の運転方法。
(4):ろ過流量の増加と同時にフラッシング流量を増加させる。
(5):フラッシング流量増加時は、フラッシング流量制御の応答が早くなるようフィードバック制御のパラメータをフラッシング流量減少時とは切り換えてフラッシング流量を制御する。 - 前記膜分離装置が、被処理液を貯留した被処理液槽内に浸漬設置された分離膜と
前記分離膜の膜面に気体を供給する散気装置と
前記分離膜のろ過流量を測定する流量計およびろ過流量調整手段と、
前記散気流量を測定する流量計および散気流量調整手段を備えた浸漬型膜分離装置であって、
少なくとも、請求項1の(1)として、散気流量を前記分離膜のろ過流量の変動に基づいて、変動制御しながら運転することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の膜分離装置の運転方法。 - 被処理液からろ過液を得る分離膜と
前期分離膜の一次側膜面に液体と気体の片方もしくは両方を強制的に流すフラッシング手段と
前記分離膜のろ過流量を測定する流量計およびろ過流量調整手段と、
前記フラッシング流量を測定する流量計およびフラッシング流量調整手段と
被処理液もしくは分離されたろ過流量に応じてフラッシング流量を制御するフラッシング流量制御手段を備えることを特徴とする浸漬型膜分離装置。
Priority Applications (1)
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JP2019133410A JP2021016821A (ja) | 2019-07-19 | 2019-07-19 | 膜分離装置の運転方法および膜分離装置 |
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Family Applications (1)
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JP2019133410A Pending JP2021016821A (ja) | 2019-07-19 | 2019-07-19 | 膜分離装置の運転方法および膜分離装置 |
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2019
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