以下、本発明に係る遊技機の第一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠10によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図6参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠10の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り8の左側を流下し、所定の強度以上で発射された遊技球は、センター飾り8の右側を流下する。以下、遊技球がセンター飾り8の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、遊技球がセンター飾り8の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
センター飾り8は、表示画面28及び第一電チュー13を主に備える。表示画面28は、センター飾り8の上部の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成されており、様々な数字・文字等を表示可能である。表示画面28は、報知演出を実行可能である。報知演出は、演出用の図柄である演出図柄(図示略)を変動させた後に、後述する第一普通当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示させることで、第一普通当たり判定の結果を遊技者に報知する演出である。
第一電チュー13は、センター飾り8において表示画面28の右方に設けられる。第一電チュー13は、パチンコ機1の遊技領域4に設けられる普通電動役物(普通当たり判定の結果に基づき入賞口の大きさを変化する役物)として設けられる電動チューリップ(以下、「電チュー」という。)の一つである。第一電チュー13は、開閉部材131を備え、開閉部材131が開放された場合にのみ、遊技球は第一電チュー13に入賞できる。第一電チュー13は、第二普通図柄の作動口として機能する。
センター飾り8の左方には、第一ゲート11が設けられている。センター飾り8のうち第一電チュー13の左下方には、第二ゲート12が設けられている。第一ゲート11及び第二ゲート12は、それぞれ遊技球が通過可能に構成されており、ともに第一普通図柄の作動ゲートとして機能する。第一ゲート11には、左打ちされた遊技球が通過しうる。第二ゲート12には、右打ちされた遊技球が通過しうる。
第二ゲート12の右下方には、第二電チュー14が設けられている。第二電チュー14は、第三普通図柄の作動口として機能する。第二電チュー14の左下方には、第三電チュー15が設けられている。第二電チュー14の右上方には、第四電チュー16が設けられている。第四電チュー16は、第一電チュー13と同様に、第二普通図柄の作動口として機能する。第二電チュー14、第三電チュー15、第四電チュー16のそれぞれは、第一電チュー13と同様に、開閉部材141,151,161を備える。第二電チュー14、第三電チュー15及び第四電チュー16のそれぞれの開閉部材141,151,161が開放された場合にのみ、遊技球は第二電チュー14、第三電チュー15及び第四電チュー16に入賞できる。以下、第一電チュー13、第二電チュー14、第三電チュー15及び第四電チュー16を総称する場合、単に、電チューという。電チューの各開閉部材131,141,151,161は、ソレノイドによって開閉される。電チューは、それぞれの開閉部材131,141,151,161が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材131,141,151,161が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
第三電チュー15の左斜め上方には、非電動役物17が設けられている。非電動役物17は、第二種非電動役物に係る入賞口として構成されている。第二種非電動役物は、電動役物(電気的動力によって動作する役物)以外の役物であり、遊技球が当該入賞口以外の特定の入賞口に入賞した場合又は特定のゲートを通過した場合に作動する役物である。すなわち、非電動役物17の開閉部材171は、ソレノイド等によって電気的に開閉されるものではなく、機械的に開閉される。本実施形態では、開閉部材171が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は非電動役物17に入賞できる。なお、非電動役物17は、開閉部材171が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材171が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。非電動役物17は、第四普通図柄の作動口として機能する。
遊技領域4には、上記以外に、アウト口20、各種の電飾部材、その他の入賞口及び遊技くぎ(図示略)等が設けられている。アウト口20は、遊技盤2の下部に設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、電チュー、非電動役物17及びその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口20を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
なお、遊技領域4において、各遊技部材が上記のように配設されるため、左打ちされた遊技球は、右打ちされた遊技球よりも、第一ゲート11を通過しやすい。また、右打ちされた遊技球は、左打ちされた遊技球よりも、第二ゲート12、第一電チュー13、第二電チュー14、第三電チュー15、第四電チュー16、非電動役物17を通過又は入賞しやすい。右打ちされた遊技球が第一ゲート11を通過することは困難である。また、左打ちされた遊技球が、第二ゲート12、第一電チュー13、第二電チュー14、第三電チュー15、第四電チュー16、非電動役物17を通過又は入賞することは困難である。したがって、遊技者は、後述する大当たり遊技中には右打ちによって遊技を進め、それ以外の場合は左打ちによって遊技を進める。
遊技盤2の右下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一普通図柄表示部、第二普通図柄表示部、第三普通図柄表示部、第四普通図柄表示部、第一普通図柄記憶数表示LED、第二普通図柄記憶数表示LED、第三普通図柄記憶数表示LED及び第四普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一〜第四普通図柄表示部は、それぞれ1〜複数個のLEDからなり、第一〜第四普通当たり判定の結果を示す第一〜第四普通図柄を、LEDの点灯及び消灯によって表示する。第一〜第四普通図柄記憶数表示LEDは、第一〜第四普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球である保留球の個数(いわゆる「保留球数」)を表示する。以下では、第一〜第四普通図柄を総称する場合、単に普通図柄という。
普通電動役物である電チューの搭載個数には、射幸性の観点等から一定の制限が設けられている。パチンコ機1は、非電動役物17を、第二種非電動役物に係る入賞口として構成している。したがって、パチンコ機1は、普通電動役物の搭載個数の制限に関わらず、電チューに加えて非電動役物17を設けることができる。このようにして、パチンコ機1は、種々の制約にとらわれることなく多くの役物を搭載し、斬新な遊技仕様を実現している。
図3及び図4を参照して、入賞後遊技球通路31について説明する。入賞後遊技球通路31は、第一電チュー13へ入賞した遊技球が通過する通路であり、センター飾り8において表示画面28(図2参照)の右下側に設けられる。図3及び図4では、表示画面28及び第一電チュー13の図示を省略する。入賞後遊技球通路31は、遊技球が通過可能な溝状に形成される。
入賞後遊技球通路31は、通路入口31A、通路出口31B、第一通路31C、第二通路31D及び第三通路31Eを備える。通路入口31Aは、第一電チュー13に連結しており、第一電チュー13に入賞した遊技球は、通路入口31Aから入賞後遊技球通路31に進入することができる。第一通路31C、第二通路31D及び第三通路31Eは、通路入口31Aから浸入した遊技球Yの通路である。第一通路31Cは、通路入口31Aに接続し、通路入口31Aから左下方へ向けて傾斜して延びる。第二通路31Dは、第一通路31Cの左側端部に接続し、第一通路31Cから略直角に折れ曲り、後下方へ向けて傾斜して延びる。第三通路31Eは、第二通路31Dの後側端部に接続し、第二通路31Dから略直角に折れ曲り、左下方へ向けて傾斜して延びる。第三通路31Eは、第一通路31C、第二通路31Dよりも長く延びる。第三通路31Eの右側端部は通路出口31Bである。通路出口31Bは、表示画面28の下側で左右方向の略中央に位置する。通路出口31Bは、第一通路31C、第二通路31D及び第三通路31Eを通過した遊技球Yを入賞後遊技球通路31から排出する。
入賞後遊技球通路31の通路出口31Bは、クルーン33に接続する。クルーン33は、平面視円形状で、上側が開口し、縁部が立った皿状の遊技部材である。クルーン33は、表示画面28(図2参照)の下方で左右方向の略中央に設けられる。入賞後遊技球通路31を案内された遊技球Yは、クルーン33の内部へ誘導される。入賞後遊技球通路31からクルーン33内に進入する遊技球Yは、クルーン33の縁部に沿ってクルーン33内を旋回することができる。
クルーン33の底部には、当たり穴33Aと、2つのはずれ穴33Bとが形成される。2つのはずれ穴33Bは、底部の前側で左右に並んで開口され、それぞれ底部を貫通する。当たり穴33Aは、底部において2つのはずれ穴33Bよりも後側に設けられ、左右方向においては2つのはずれ穴33Bの中間に配置される。当たり穴33Aの直下には、当たり穴33Aに接続する遊技球の通路である当たり通路18が設けられる。クルーン33の底部中央は、上方へ盛り上がって形成される。クルーン33内に進入して旋回する遊技球Yは、旋回力が弱まると、2つのはずれ穴33Bの一方を通過するか、当たり穴33Aを通過する。はずれ穴33Bを通過した遊技球Yは、図示しない排出路を経由して、遊技盤2の後側へ排出される。当たり穴33Aは、当たり穴33Aを通過した遊技球Yが通過する当たり通路18に接続する。当たり穴33Aを通過した遊技球Yは、当たり通路18の下端に設けられる通過領域181(図3参照)を通過する。
当たり穴33Aの内径は、2つのはずれ穴33Bのそれぞれの内径よりも小さい。この構成により、入賞後遊技球通路31を通りクルーン33へ進入した遊技球Yは、当たり穴33Aよりもはずれ穴33Bに入りやすい。パチンコ機1では、入賞後遊技球通路31を通り当たり穴33Aを通過する遊技球の割合が1/4になるように、当たり穴33Aの内径よりも大きな内径のはずれ穴33Bがクルーン33に2つ設けられている。なお、当たり穴33Aを通過する遊技球の割合は、任意に変更できる。
通過領域181の後方には、非電動役物17を開放させるための所定の作動機構(図示略)が設けられている。作動機構は、例えばフックである。遊技球が通過領域181を通過すると、作動機構が作動して(例えば、フックが外れて)、非電動役物17の開閉部材171が開放される。すなわち、通過領域181は、第二種非電動役物に係る非電動役物17を作動させるための特定のゲートに相当する。通過領域181を通過した遊技球は、その後、遊技盤2の後側へ排出される。
また、非電動役物17の開閉部材171には、非電動役物17を開放させるための所定の閉鎖機構(図示略)が設けられている。閉鎖機構は、例えばギアである。非電動役物17に所定個数(本実施形態では、2個)の遊技球が入賞すると、閉鎖機構が作動して(例えば、ギアが回転して)、非電動役物17の開閉部材171が閉鎖される。このように、非電動役物17の開閉部材171は、電気的動力を用いることなく、機械的に開閉される。開放された非電動役物17を閉鎖させるために必要な非電動役物17への入賞球数を、以下では、「閉鎖入賞数」という。パチンコ機1において、閉鎖入賞数は「2」である。
図5を参照して、非電動役物17の作動態様について説明する。図5(A)に示すように、第一電チュー13(図2参照)に入賞した遊技球Yが、入賞後遊技球通路31を通過する。パチンコ機1の第一電チュー13の内部には、公知の貯留手段が設けられている。貯留手段は、開放した第一電チュー13に入賞した遊技球を1個だけ貯留する。貯留手段によって貯留されない遊技球は、第一電チュー13の内部から遊技盤2の後側に排出される。貯留手段は、第一電チュー13の開放が終了した後に、貯留していた遊技球を入賞後遊技球通路31に向けて排出する。入賞後遊技球通路31を通過した遊技球Yは、その後、クルーン33内に進入し、クルーン33内を旋回したとする。
遊技球Yがクルーン33内を旋回した後、遊技球Yが当たり穴33Aを通過したとする。この場合、当たり穴33Aを通過した遊技球Yは、(B)に示すように当たり通路18の通過領域181を通過する。これにより、作動機構が作動して、非電動役物17の開閉部材171が開放状態になる。なお、前述したように、遊技球Yがはずれ穴33B(図4参照)を通過した場合には、遊技球Yは当たり通路18を通過することなく遊技盤2の後側に排出されるので、非電動役物17が開放しない。
(C)に示すように、開放状態の非電動役物17には、遊技領域4を流下する遊技球が入賞可能である。(C)では、開放された非電動役物17に、閉鎖入賞数である2個の遊技球が入賞したとする。これにより、閉鎖機構が作動して、(D)に示すように非電動役物17の開閉部材171が閉鎖状態になる。
図2を参照して、パチンコ機1の遊技例について説明する。パチンコ機1では、左打ちで遊技を開始して、遊技球が第一ゲート11を通過することを契機として、第一当たり乱数が取得される。取得された第一当たり乱数に基づいて、第一普通当たり判定が行われる。パチンコ機1では、第一普通当たり判定において当たりと判定される確率(以下、「第一普通当たり確率」という。)は、約1/120である。なお、第一普通当たり確率は、約1/120より低くても高くてもよい。以下、第一普通当たり判定によって当たりと判定されることを、「第一普通当たり」ともいう。本実施形態において、第一ゲート11を通過した遊技球に対して、第一普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第一保留球数)は「4」である。
第一普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第一普通図柄表示部に表示される第一普通図柄が変動を開始する。第一普通図柄の変動に同期して、表示画面28、スピーカ48等によって報知演出が行われる。普通図柄の変動のうち、当たりを示す図柄が確定表示される変動を当たり変動といい、はずれを示す図柄が確定表示される変動をはずれ変動という。第一普通当たり判定によって第一普通当たりと判定されると、第一普通図柄の当たり変動の終了後に、第一電チュー13が開放される第一普通当たり遊技が実行される。なお、第一電チュー13は、第一普通当たりを示す第一普通図柄が確定表示された後に開放される。開放された第一電チュー13に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。このため、第一普通当たり遊技が実行されると、遊技者は、第一電チュー13に遊技球を入賞させるため、以降の遊技を右打ちによって進行する。一旦開放された第一電チュー13は、所定の開放時間(以下、「第一開放時間」という。)の経過、及び4個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。なお、第一普通当たり遊技が実行されている間には、第一普通図柄は変動しない。
第一電チュー13は、遊技球を獲得するための入賞口であるとともに、第二普通図柄の作動口でもある。したがって、第一電チュー13へ遊技球が入賞することを契機として、第二当たり乱数が取得される。取得された第二当たり乱数に基づいて、第二普通当たり判定が行われる。本実施形態では、第二普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第二普通当たり確率」という。)は100%である。以下、第二普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第二普通当たり」ともいう。なお、第二普通当たり確率は、100%でなくてもよく、100%未満であってもよい。本実施形態において、第一電チュー13に入賞した遊技球に対して、第二普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第二保留球数)は「4」である。したがって、第一普通当たり遊技が1回行われることに応じて第二普通当たり判定は最大で4回行われ、第二普通当たり遊技も最大で4回行われる。なお、第二普通当たり遊技中には、第二普通図柄は変動しない。第二普通当たり判定では、第二普通当たり及びはずれのいずれであるかが、第二当たり乱数に基づいて判定される。第一電チュー13に4個の遊技球が入賞することによって記憶された4個の第二保留球のうち、1個目の第二保留球に対して、1回目の第二普通当たり判定が行われる。なお、第二普通当たり遊技中には、第二普通図柄は変動しない。
第二普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第二普通図柄表示部に表示される第二普通図柄が変動を開始する。第二普通当たり判定によって第二普通当たりと判定されると、第二電チュー14の開閉部材141が開放される第二普通当たり遊技が実行される。なお、第二電チュー14は、第二普通当たりを示す第二普通図柄が確定表示された後に開放される。開放された第二電チュー14に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放された第二電チュー14は、所定の開放時間(以下、「第二開放時間」という。)の経過、及び4個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。
第二電チュー14は、遊技球を獲得するための入賞口であるとともに、第三普通図柄の作動口でもある。したがって、第二電チュー14へ遊技球が入賞することを契機として、第三当たり乱数が取得される。取得された第三当たり乱数に基づいて、第三普通当たり判定が行われる。本実施形態では、第三普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第三普通当たり確率」という。)は100%である。以下、第三普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第三普通当たり」ともいう。なお、第三普通当たり確率は、100%でなくてもよく、100%未満であってもよい。本実施形態において、第二電チュー14に入賞した遊技球に対して、第三普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第三保留球数)は「4」である。したがって、第二普通当たり遊技が1回行われることに応じて第三普通当たり判定は最大で4回行われ、第三普通当たり遊技も最大で4回行われる。なお、第三普通当たり遊技中には、第三普通図柄は変動しない。第三普通当たり判定では、第三普通当たり及びはずれのいずれであるかが、第三当たり乱数に基づいて判定される。第二電チュー14に4個の遊技球が入賞することによって記憶された4個の第三保留球のうち、1個目の第三保留球に対して、1回目の第三普通当たり判定が行われる。
第三普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第三普通図柄表示部に表示される第三普通図柄が変動を開始する。第三普通当たり判定によって第三普通当たりと判定されると、第三電チュー15の開閉部材151が開放される第三普通当たり遊技が実行される。開放された第三電チュー15に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放された第三電チュー15は、所定の開放時間(以下、「第三開放時間」という。)の経過、及び7個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。以下、第三保留球数が「0」になるまで、第三普通図柄の変動と第三普通当たり遊技とが、最大4回繰り返して実行される。以下、第二電チュー14へ入賞した4個の遊技球のそれぞれに対して実行される最大4回の第三普通当たり遊技を合わせて、以下では、「一連の第三普通当たり遊技」という。第三電チュー15は、第三普通当たりを示す第三普通図柄が確定表示された後に開放される。
また、第一普通当たり遊技において第一電チュー13に入賞した遊技球が入賞後遊技球通路31を通過した後、クルーン33の当たり穴33Aを通過した場合、遊技球が当たり穴33Aの通過領域181を通過する。遊技球が通過領域181を通過すると、作動機構が作動して、非電動役物17の開閉部材171が開放される。開放された非電動役物17には遊技球が入賞可能であり、非電動役物17に閉鎖入賞数(2個)の遊技球が入賞すると、閉鎖機構が作動して、非電動役物17の開閉部材171が閉鎖される。非電動役物17は、第二大当たり遊技及び第三大当たり遊技の実行中にも、開放を開始しうる。
非電動役物17は、遊技球を獲得するための入賞口であるともに、第四普通図柄の作動口でもある。したがって、非電動役物17へ遊技球が入賞することを契機として第四当たり乱数が取得される。取得された第四当たり乱数に基づいて、第四普通当たり判定が行われる。本実施形態では、第四普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第四普通当たり確率」という。)は100%である。以下、第四普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第四普通当たり」ともいう。なお、第四普通当たり確率は、100%でなくてもよく、100%未満であってもよい。本実施形態において、非電動役物17に入賞した遊技球に対して、第四普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第四保留球数)は「2」である。
第四普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第四普通図柄表示部に表示される第二普通図柄が変動を開始する。第四普通当たり判定によって第四普通当たりと判定されると、第四電チュー16の開閉部材161が開放される第二普通当たり遊技が実行される。なお、第四電チュー16は、第四普通当たりを示す第四普通図柄が確定表示された後に開放される。開放された第四電チュー16に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放された第四電チュー16は、所定の開放時間(以下、「第四開放時間」という。)の経過、及び4個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。
第四電チュー16は、遊技球を獲得するための入賞口であるとともに、第一電チュー13と同様に、第二普通図柄の作動口でもある。したがって、第四電チュー16へ遊技球が入賞することを契機として、第二普通当たり判定が行われる。第二普通当たり判定によって第二普通当たりと判定されると、第二電チュー14の開閉部材141が開放される第二普通当たり遊技が実行される。以降は前述したように、第二普通当たり遊技が1回行われることに応じて、一連の第三普通当たり遊技が行われる。
これらの第一普通当たり遊技に伴う第一電チュー13の開放、第二普通当たり遊技に伴う第二電チュー14の開放、一連の第三普通当たり遊技に伴う第三電チュー15の複数回の開放によって、複数の電チュー及び非電動役物17が連続的に開放する遊技を、「大当たり遊技」という。
パチンコ機1において、第一普通当たり遊技の後にクルーン33へ進入した遊技球が当たり穴33Aを通過した場合には、大当たり遊技が非電動役物17の開放を含む。第一普通当たり遊技の後にクルーン33へ進入した遊技球がはずれ穴33Bを通過した場合には、大当たり遊技が非電動役物17の開放を含まない。大当たり遊技が非電動役物17の開放を含む場合には、含まない場合よりも連続的に電チューが開放する回数が多くなるので、払い出される賞球も多くなる。つまり、クルーン33へ進入した遊技球が当たり穴33Aを通過した場合には、はずれ穴33Bを通過した場合よりも、遊技者にとって有利な大当たり遊技が行われる。クルーン33に遊技球が進入した後、当たり穴33A又ははずれ穴33Bを通過することを、以下では、「クルーン抽せん」という。クルーン抽せんにおいて遊技球が当たり穴33Aを通過することを「クルーン抽せんに当せんする」とし、クルーン抽せんにおいて遊技球がはずれ穴33Bを通過することを「クルーン抽せんにはずれる」とする。パチンコ機1は、クルーン33を遊技者が視認しやすいセンター飾り8に設けているので、クルーン抽せんに当せんするか否かに対して、遊技者の注目を集めることができる。
なお、大当たり遊技の間には、遊技者によって遊技球が右打ちされる。第二ゲート12は、遊技領域4において右打ちされた遊技球が通過可能な位置に配置されている。このため、大当たり遊技中に右打ちされた遊技球の一部が第二ゲート12を通過しうる。第二ゲート12は、第一ゲート11と同様に、第一普通図柄の作動ゲートとして機能する。したがって、遊技球が第二ゲート12を通過することを契機として行われた第一普通当たり判定によって第一普通当たりと判定された場合、第一電チュー13が開放する第一普通当たり遊技が、大当たり遊技中に行われる。この場合において、第二保留球数が最大第二保留球数に達していないときには、第一電チュー13へ遊技球が入賞することによって、第二保留球が最大第二保留球数まで新たに記憶される。したがって、新たに記憶された第二保留球の個数に応じた回数だけ、1回の第二普通当たり遊技及び1回の一連の第三普通当たり遊技の繰り返しが、実行中の大当たり遊技に対して追加して(上乗せして)行われる。
図6を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47及び電源基板42を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、乱数発生回路56及び割込信号発生回路57が接続されている。乱数発生回路56は、所定範囲の乱数を発生させる。割込信号発生回路57は、一定周波数のクロック信号を出力するクロック回路(図示略)からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、後述する主制御プログラムのメイン処理を実行する。
主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、外部端子板55、第一ゲートスイッチ61、第二ゲートスイッチ62に接続している。サブ制御基板58は、CPU581、RAM582及びROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9及びスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、電飾基板35に接続している。電飾基板35は、例えばLEDを搭載しており、前述の各種の電飾部材の内部に設けられている。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、電飾基板35の発光動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431、CGROM(図示略)等を備え、サブ制御基板58から送信されるコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。
払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として賞球払出装置49に払い出させる。
中継基板47は、第一電チューソレノイド64、第二電チューソレノイド65、第三電チューソレノイド66、第四電チューソレノイド67、第一電チュースイッチ71、第二電チュースイッチ72、第三電チュースイッチ73、第四電チュースイッチ74、非電動役物スイッチ75及び図柄表示部24に接続している。
第一電チューソレノイド64は、第一普通当たり遊技中に第一電チュー13の開閉部材131を開閉する。第二電チューソレノイド65は、第二普通当たり遊技中に第二電チュー14の開閉部材141を開閉する。第三電チューソレノイド66は、第三普通当たり遊技中に第三電チュー15の開閉部材151を開閉する。第四電チューソレノイド67は、第四普通当たり遊技中に第四電チュー16の開閉部材161を開閉する。第一電チュースイッチ71は、第一電チュー13に設けられており、第一電チュー13への遊技球の入賞を検出する。第二電チュースイッチ72は、第二電チュー14に設けられており、第二電チュー14への遊技球の入賞を検出する。第三電チュースイッチ73は、第三電チュー15に設けられており、第三電チュー15への遊技球の入賞を検出する。第四電チュースイッチ74は、第四電チュー16に設けられており、第四電チュー16への遊技球の入賞を検出する。
外部端子板55は、パチンコホールに設置されている遊技機を統括的に管理する遊技場管理用コンピュータ(いわゆるホールコンピュータ、図示略)にパチンコ機1の情報を接点出力する。第一ゲートスイッチ61は、第一ゲート11に設けられており、第一ゲート11への遊技球の通過を検出する。第二ゲートスイッチ62は、第二ゲート12に設けられており、第二ゲート12への遊技球の通過を検出する。
電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図7を参照して、RAM52の第一普通当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第一普通当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の第一普通図柄処理(図10参照)において使用される。第一普通当たり関係情報記憶エリアには、複数の記憶エリアが設けられている。本実施形態では、最大第一保留球数が「4」である。このため、第一普通当たり関係情報記憶エリアに、No.1からNo.4の4つの記憶エリアが設けられている。遊技球が第一ゲート11又は第二ゲート12を通過した際に、第一保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。
第一保留球数とは、第一ゲート11又は第二ゲート12を通過した遊技球に対応する乱数のうち、第一普通当たり判定の実行が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数を、第一判定エリア(図示略)にシフトする。第一判定エリアは、第一普通当たり判定を行う乱数を格納するために、RAM52に設けられている記憶エリアである。CPU51は、第一判定エリアにシフトされた乱数について第一普通当たり判定等の各種処理を行う。最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数が第一判定エリアにシフトされると、次の番号以下に記憶されている乱数が、1つ小さな番号の記憶エリアにシフトされる。以降は、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数が、順次、第一判定エリアにシフトされて、第一普通当たり判定等の処理が繰り返される。第一判定エリアに記憶されている乱数についての各種処理には、例えば、第一普通当たり判定の判定結果を報知する報知演出及び判定結果が第一普通当たりの場合に実行される第一普通当たり遊技に関する処理が含まれる。なお、第一判定エリアの乱数は、第一普通当たり判定等の処理が終了した後に消去される。第一普通当たり乱数とともに取得されて第一普通当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、第一乱数ともいう。
各記憶エリアには、第一当たり乱数欄、第一図柄決定乱数欄及び第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一当たり乱数欄には、乱数発生回路56(図6参照)によって発生された大当たり乱数の値が記憶される。第一図柄決定乱数欄には、乱数発生回路56によって発生された第一図柄決定乱数の値が記憶される。第一変動パターン決定乱数欄には、乱数発生回路56によって発生された第一変動パターン決定乱数の値が記憶される。遊技球が第一ゲート11又は第二ゲート12を通過すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、各欄に記憶される。第一当たり乱数は、第一普通当たり判定のために用いられる。第一図柄決定乱数は、第一普通図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一普通図柄表示部に表示される第一普通図柄の変動時間を示す第一変動パターンを決定するために用いられる。
パチンコ機1において、第一普通図柄の変動時間は、第一普通当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主基板41で決定された第一変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主基板41は、第一変動パターンに従って、第一普通図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一普通図柄の変動開始に同期して、演出図柄の変動表示を開始する。主基板41は、変動を開始した第一普通図柄の変動時間が終了すると、変動させていた第一普通図柄を、所定の時間(本実施形態では、0.8秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、第一普通図柄の確定表示に同期して、演出図柄を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、表示画面28における演出図柄の表示による他、スピーカ48等によっても、第一変動パターンと同期した報知演出を実行する。
なお、RAM52には、第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア及び第四普通当たり関係情報エリアが設けられている。第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア及び第四普通当たり関係情報エリアも、第一普通当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。本実施形態では、第二普通図柄の変動時間及び第三普通図柄第四普通図柄の変動時間は、それぞれ一定の時間(2.0秒間)に定められている。このような場合には、第二普通当たり関係情報記憶エリア及び第三普通当たり関係情報記憶エリアに、第二変動パターン決定乱数欄及び第三変動パターン決定乱数欄が設けられなくてもよい。第二普通当たり乱数、第三普通当たり乱数、第四普通当たり乱数とともに取得されて第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア、第四普通当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、それぞれ第二乱数、第三乱数、第四乱数ともいう。第一〜第四普通当たり関係情報エリアに記憶されている第一〜第四乱数のうち、後述する判定エリア以外のエリアに記憶されている第一〜第四乱数が、第一〜第四保留球に相当する。以下の説明では、第一当たり乱数、第二当たり乱数、第三当たり乱数及び第四当たり乱数を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、単に、当たり乱数ともいう。
図8を参照して、ROM53に記憶されている第一変動パターン決定テーブルについて説明する。第一変動パターン決定テーブルは、第一普通当たり判定による判定結果(第一普通当たり又ははずれ)に応じて、複数のテーブルを設けている。それぞれのテーブルには、第一変動パターン毎に第一変動パターン決定乱数の値(0〜511)、及び第一普通図柄の変動時間(報知演出の変動時間)が対応付けられている。第一普通当たり判定が行われると、判定結果に応じたテーブルが参照され、第一当たり乱数とともに取得されている第一変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。
第一普通当たり判定による判定結果が第一普通当たりである場合には、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。一方、第一普通当たり判定による判定結果がはずれである場合には、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、第一普通当たり判定による判定結果が第一普通当たりとなる期待度は、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に高くなる。なお、リーチ演出とは、演出図柄が所定のリーチ状態を構成した後に、判定結果が第一普通当たりである可能性のあることを示す演出を実行する報知演出である。本実施形態において、「非リーチ」の第一変動パターンは、リーチ状態に至ることなく、演出図柄がはずれの判定結果を示す組合せで確定表示されて演出が終了する報知演出に対応している。本実施形態では、「非リーチ」の変動パターンは、第一普通当たり判定による判定結果がはずれである場合にのみ決定される。
主基板41は、決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを生成し、生成された変動パターン指定コマンドをサブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28及びスピーカ48等を制御することで、報知演出を実行する。なお、報知演出に、演出図柄が用いられなくてもよい。また、主基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一普通図柄を変動させる。
パチンコ機1では、いずれかの電チューが開放されている間には、第一〜第四当たり遊技の重複を避けるため等の理由で、第一〜第四普通図柄の変動時間の計測が行われない。変動時間の計測が中断される期間における第一〜第四普通図柄は、予め定められた変動時間の計測を中断した上で、変動が停止せず継続される。このため、第一〜第四普通図柄の変動中にいずれかの電チューが開放される場合には、予め定められている変動時間に、計測が中断される期間が加わった時間だけ、第一〜第四普通図柄の変動が継続される。したがって、複数の電チューが連続的に開放する大当たり遊技中における第一〜第四普通図柄の実質的な変動時間は、各普通図柄に予め定められている変動時間よりも長くなることがある。
従来の一般電役タイプの遊技機では、複数の電チューを設計者が意図する順序で連動させるため、普通図柄の変動時間を、電チューの連動態様に応じた時間に設計する必要がある。例えば、従来の遊技機は、第二普通図柄の変動時間を、一連の第三普通当たり遊技の実行にかかる時間と同程度の長さの時間になるように設計している。これにより、一連の第三普通当たり遊技が実行される間に第二普通図柄が次の変動を行い、一連の第三普通当たり遊技が終了する頃に、第二普通図柄の変動が終了して第二普通当たり遊技が行われるようにされている。すなわち、大当たり遊技中に、第二普通当たり遊技と一連の第三普通当たり遊技とが交互に行われるようにするため、第二普通図柄の変動時間が、一連の第三普通当たり遊技の実行にかかる時間と同程度の時間になるように設計されている。電チューの開放時間が長くなるほど、遊技球が電チューへ入賞しやすくなるので、遊技機の出玉設計等の観点から、電チューの開放時間は慎重に設計される。また、複数の電チューが開放する大当たり遊技中に変動する普通図柄の変動時間の設計は、上記した変動時間の計測が中断される期間も勘案して行う必要がある。このため、大当たり遊技中における普通図柄の変動時間の設計は繁雑になりがちである。
普通図柄の変動時間が上記のように設計されている場合において、遊技者が大当たり遊技中の遊技球の発射を中断する等、何らかの理由で、一の電チューの開放契機となるゲート又は普通図柄作動口に遊技球が通過又は入賞しないことがある。上記の例において、第二普通当たり遊技において開放された第二電チュー14に遊技球が入賞しなかった場合、第二普通当たりの終了後に第二普通図柄が変動する間に第三普通当たり遊技が行われない。この場合、第二普通図柄の変動が終了するまでの間にいずれの電チューも開放されない期間が大当たり遊技中に生ずることとなり、大当たり遊技が間延びした印象を遊技者に与えがちである。また、遊技仕様によっては、第二普通当たり確率及び第三普通当たり確率のうち少なくともいずれかが100%未満であり、第二普通当たり判定及び第三普通当たり判定においてはずれと判定されることもある。例えば、第二普通当たり確率が100%未満の場合、第二普通当たり判定においてはずれと判定されることがあり、このときには、第二普通図柄の変動終了後に第二普通当たり遊技が行われず、一連の第三普通当たり遊技も行われない。このとき、はずれ変動の次に変動する第二普通図柄が、第二電チュー14及び第三電チュー15が開放しないにもかかわらず、第二電チュー14及び第三電チュー15の開放時間が勘案された変動時間で変動するため、大当たり遊技が間延びする可能性がある。
パチンコ機1は、複数の普通図柄の少なくとも一部に、他の普通図柄に対して優先的に変動するか否かを示す変動優先順位を定める。このため、大当たり遊技において、変動優先順位に応じた順に普通当たり判定が行われるので、変動優先順に応じた順序で複数の電チューが順に作動しうる。また、パチンコ機1は、変動優先順位を定めた普通図柄については、電チューの開放時間等を勘案した変動時間を設計することなく、設計者の意図する順序で電チューを連動させることができる。したがって、パチンコ機1は、普通図柄の変動時間を電チューの開放時間等を勘案した時間よりも短い時間に設計できる。このため、例えば、普通図柄の作動口として機能する電チューに遊技球が入賞しなかった場合や、電チューへの入賞を契機とした普通当たり判定においてはずれと判定された場合にも、大当たり遊技の間延びが生じにくい。
図9から図17を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図12参照)は、割込信号発生回路57(図6参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が検知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
図9に示すように、パチンコ機1の電源がONにされると、CPU51は、メイン処理を開始する。まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、第一ゲート11、第二ゲート12、第一電チュー13、第二電チュー14、第三電チュー15、第四電チュー16、非電動役物17に設けられた各スイッチ(図6参照)の検出結果から、遊技球の通過又は入賞を検知するための処理が行われる。各スイッチが遊技球の通過を検出すると、RAM52に記憶されている各スイッチに対応するフラグが「ON」になる。次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている各種の時間カウンタの値が更新される。
次いで、第一普通電動役物処理が行われる(S13)。詳細は後述するが、第一普通電動役物処理では、第一普通当たりを示す第一普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第一普通当たり遊技の動作(主に第一電チュー13の開閉部材131の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図11参照)。
次いで、第一普通図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、第一普通図柄処理では、第一普通当たり判定、第一変動パターンの決定等の処理が行われる(図10参照)。
次いで、第二普通電動役物処理が行われる(S15)。詳細は後述するが、第二普通電動役物処理では、第二普通当たりを示す第二普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第二普通当たり遊技の動作(主に第二電チュー14の開閉部材141の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図13参照)。
次いで、第二普通図柄処理が行われる(S16)。詳細は後述するが、第二普通図柄処理では、第二普通当たり判定等の処理が行われる(図12参照)。
次いで、第三普通電動役物処理が行われる(S17)。詳細は後述するが、第三普通電動役物処理では、第三普通当たりを示す第三普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第三普通当たり遊技の動作(主に第三電チュー15の開閉部材151の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図15参照)。
次いで、第三普通図柄処理が行われる(S18)。詳細は後述するが、第三普通図柄処理では、第三普通当たり判定等の処理が行われる(図14参照)。
次いで、第四普通電動役物処理が行われる(S19)。詳細は後述するが、第四普通電動役物処理では、第四普通当たりを示す第四普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第四普通当たり遊技の動作(主に第四電チュー16の開閉部材161の開閉動作)を制御するための処理が行われる(図17参照)。
次いで、第四普通図柄処理が行われる(S20)。詳細は後述するが、第四普通図柄処理では、第四普通当たり判定等の処理が行われる(図16参照)。
次いで、払出処理(S21)、エラーチェック(S22)、及び情報出力処理(S23)が行われ、メイン処理が終了する。払出処理では、スイッチ読込処理によって各スイッチに対応するフラグが「ON」とされた場合に、各スイッチに対応する入賞口へ遊技球が入賞したことを示すコマンドが、払出制御基板45に送信される。このコマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、コマンドに対応する入賞口について予め定められている個数の賞球を、入賞口への入賞球数に応じて賞球払出装置49に払い出させる。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28及びスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、外部端子板55を介して、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。
メイン処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には大当たり遊技状態フラグ、第一普通当たり遊技中フラグ、第二普通当たり遊技中フラグ、第三普通当たり遊技中フラグ、第四普通当たり遊技中フラグ、第一変動フラグ、第二変動フラグ、第三変動フラグ、第四変動フラグ、第一開放フラグ、第二開放フラグ、第三開放フラグ、第四開放フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。第一普通当たり遊技中フラグは、第一普通当たり判定において第一普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」となり、第一普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」となる。第二普通当たり遊技中フラグは、第二普通当たり判定において第二普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」となり、第二普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」となる。第三普通当たり遊技中フラグは、第三普通当たり判定において第三普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」となり、第三普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」となる。第四普通当たり遊技中フラグは、第四普通当たり判定において第四普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」となり、第四普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」となる。
第一変動フラグは、第一普通図柄が変動している場合(変動中)に「1」が記憶されて「ON」となり、第一普通図柄が変動中でない場合には、「0」が記憶されて「OFF」となる。第二変動フラグは、第二普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」となり、第二普通図柄が変動中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。第三変動フラグは、第三普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」となり、第三普通図柄が変動中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。第四変動フラグは、第四普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」となり、第四普通図柄が変動中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。
第一開放フラグは、第一電チュー13の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第一電チュー13の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。第二開放フラグは、第二電チュー14の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第二電チュー14の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。第三開放フラグは、第三電チュー15の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第三電チュー15の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。第四開放フラグは、第四電チュー16の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第四電チュー16の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」となる。
図10を参照して、第一普通図柄処理(S14、図9参照)の詳細について説明する。第一普通図柄処理が開始されると、遊技球が第一ゲート11を通過したかが判断される(S31)。第一ゲート11に設けられた第一ゲートスイッチ61が遊技球の通過を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図9参照)において、第一ゲートスイッチ61に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」の場合には、遊技球が第一ゲート11を通過したと判断されて(S31:YES)、処理はS33の判断へ移行する。このフラグが「OFF」の場合には、遊技球が第一ゲート11を通過していないと判断されて(S31:NO)、遊技球が第二ゲート12を通過したかが判断される(S32)。第二ゲートスイッチ62が遊技球の通過を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理において第二ゲートスイッチ62に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「ON」の場合には、遊技球が第二ゲート12を通過したと判断されて(S32:YES)、処理はS33の判断へ移行する。このフラグが「OFF」の場合には、遊技球が第二ゲート12を通過していないと判断されて(S32:NO)、処理はS41の判断へ移行する。
次いで、第一保留球数が「4」であるかが判断される(S33)。第一保留球数が「4」である場合(S33:YES)、処理はS41の判断へ移行する。第一保留球数が「4」でない場合(S33:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S35)。次いで、第一乱数が取得され、第一普通当たり関係情報記憶エリア(図7参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S36)。具体的には、第一当たり乱数欄には第一当たり乱数の値が、第一図柄決定乱数欄には第一図柄決定乱数の値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定乱数の値がそれぞれ格納される。なお、第一乱数にこれら以外の種類の乱数が含まれていてもよい。処理はS41へ移行する。
次いで、全ての電チューが閉鎖中であるかが判断される(S41)。第一〜第四普通当たり遊技中フラグのうちいずれかが「ON」の場合には、いずれかの電チューが開放中であると判断されて(S41:NO)、処理はメイン処理へ戻る。例えば、第一普通当たりの判定結果が導出され、その後に第二普通当たり、第三普通当たり又は第四普通当たりの各判定結果が導出された場合には、大当たり遊技において電チュー及び非電動役物17が連動する。パチンコ機1は、いずれかの電チューが作動中の場合には、第一〜第四普通図柄の変動時間を計測しないこととすることで、第一〜第四普通当たり遊技が重複して行われないようにしている。
第一〜第四普通当たり遊技中フラグのいずれもが「OFF」の場合、全ての電チューが閉鎖中であると判断されて(S41:YES)、第一普通図柄が変動中であるかが判断される(S42)。第一変動フラグが「OFF」の場合には、第一普通図柄が変動中でないと判断されて(S42:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」以上であるかが判断される(S51)。第一保留球数が「0」である場合(S51:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第一保留球数が「1」以上である場合(S51:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S52)。第一普通当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一当たり乱数が、第一判定エリア(図示略)にシフトされる(S53)。
次いで、第一普通当たり判定が行われる(S55)。ROM53には、第一普通当たり判定を行うためのテーブルである第一普通当たり判定テーブルが記憶されている。第一普通当たり判定テーブルは、第一普通当たり判定について「第一普通当たり」又は「はずれ」にそれぞれ対応する第一当たり乱数の乱数値を定義している。S55の処理では、第一普通当たり判定テーブルが参照されて、S53の処理で第一判定エリアにシフトされた第一当たり乱数が、「第一普通当たり」又は「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、第一普通当たり関係情報記憶エリアに記憶された未判定の第一当たり乱数に基づく第一普通当たり判定が、第一当たり乱数の記憶された順に行われる。本実施形態では、第一普通当たり判定において、第一普通当たり確率(約1/120)で第一普通当たりと判定される。
次いで、第一変動パターン決定テーブル(図8参照)が参照されて、第一普通当たり判定の判定結果に応じた第一変動パターンの一つが、第一変動パターン決定乱数の値によって決定される。決定された第一変動パターンを指定するための第一変動パター指定コマンドが生成される(S56)。生成された第一変動パターン指定コマンドは、RAM52に記憶される。記憶された第一変動パターン指定コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)によってサブ制御基板58及び中継基板47に送信され、報知演出の開始及び第一普通図柄の変動開始が指示される。決定された第一変動パターンに応じて定められている第一普通図柄の変動時間が、第一普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S58)。第一普通図柄が変動中であることを示す「1」が第一変動フラグに記憶されて「ON」になり(S59),処理はメイン処理へ戻る。
一方、S42の判断において、第一変動フラグが「ON」の場合には、第一普通図柄が変動中であると判断されて(S42:YES)、第一普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S61)。次いで、第一普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第一普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S62)。第一普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には、第一普通図柄の変動時間がまだ経過していないと判断されて(S62:NO)、第一普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。第一普通図柄変動時間カウンタの値が「0」である場合には、第一普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S62:YES)、第一普通図柄停止コマンドが生成され(S63)、RAM52に記憶される。記憶された第一普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によってサブ制御基板58に、また、中継基板47を介して図柄表示部24に送信され、報知演出の終了及び第一普通図柄の変動停止が指示される。第一普通図柄停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第一普通図柄の変動を停止する。次いで、第一普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第一変動フラグに記憶され「OFF」になる(S65)。
次いで、S55で行われた第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりであるかが判断される(S66)。第一普通当たり判定の結果がはずれの場合(S66:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりの場合(S66:YES)、大当たり遊技状態フラグが「ON」とされ(S68)、第一普通当たり遊技中フラグが「ON」とされる(S69)。処理はメイン処理へ戻る。
図11を参照して、第一普通電動役物処理(S13、図9参照)の詳細について説明する。第一普通電動役物処理が開始されると、大当たり遊技中であるかが判断される(S71)。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合には、大当たり遊技中でないと判断されて(S71:NO)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合には、大当たり遊技中であると判断されて(S71:YES)、第一普通当たり遊技中であるかが判断される(S72)。第一普通当たり遊技中フラグが「OFF」である場合には、第一普通当たり遊技中でないと判断されて(S72:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合には、第一普通当たり遊技中であると判断されて(S72:YES)、第一普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第一電チュー13が開放中であるかが判断される(S73)。第一開放フラグが「OFF」である場合には、第一電チュー13が開放中でない(閉鎖中である)と判断されて(S73:NO)、第一電チュー13を開放させるための第一電チュー開放コマンドが生成され(S91)、RAM52に記憶される。第一電チュー開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第一電チュー開放コマンドを受信した第一電チューソレノイド64は、第一電チュー13の開閉部材131を開放させる。次いで、第一開放時間が第一開放時間カウンタに記憶される(S92)。次いで、第一開放フラグが「ON」となり(S93)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第一開放フラグが「ON」である場合、第一電チュー13が開放中であると判断されて(S73:YES)、第一電チュー13へ入賞した遊技球の処理及び第一電チュー13を閉鎖するための処理が行われる。まず、第一開放時間が経過したかが判断される(S75)。第一開放時間カウンタの値が「0」でない場合には、第一開放時間はまだ経過していないと判断されて(S75:NO)、第一電チュー13へ遊技球が入賞したかが判断される(S76)。第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第一電チュー13へ遊技球が入賞していないと判断されて(S76:NO)、処理はS79の判断へ移行する。
一方、第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「ON」となっている場合、第一電チュー13へ遊技球が入賞したと判断される(S76:YES)。このため、第一電チュー13へ入賞した遊技球の個数である第一入賞球数を計数するRAM52の第一入賞球数カウンタに「1」が加算される(S77)。次いで、第一入賞球数が「4」以上であるかが判断される(S79)。第一入賞球数が「4」未満である場合(S79:NO)、継続して第一電チュー13が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
第一入賞球数が「4」以上の場合(S79:YES)又は第一開放時間が経過している場合(S75:YES)、第一電チュー13を閉鎖するための第一電チュー閉鎖コマンドが生成される(S81)。生成された第一電チュー閉鎖コマンドはRAM52に記憶され、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第一電チュー開放コマンドを受信した第一電チューソレノイド64は、第一電チュー13の開閉部材131を閉鎖させる。次いで、第一開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S82)、第一普通当たり遊技中フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる(S83)。処理はメイン処理へ戻る。
図12を参照して、第二普通図柄処理(S16、図9参照)の詳細について説明する。第二普通図柄処理が開始されると、第一電チュー13に遊技球が入賞したかが判断される(S101)。第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「ON」の場合には、第一電チュー13に遊技球が入賞したと判断されて(S101:YES)、処理はS103の判断へ移行する。第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第一電チュー13へ遊技球が入賞していないと判断されて(S101:NO)、第四電チュー16に遊技球が入賞したかが判断される(S102)。第四電チュースイッチ74に対応するフラグが「ON」の場合には、第四電チュー16に遊技球が入賞したと判断されて(S102:YES)、処理はS103の判断へ移行する。このフラグが「OFF」の場合には、第四電チュー16に遊技球が入賞していないと判断されて(S102:NO)、処理はS111の判断へ移行する。
次いで、第二保留球数が「4」であるかが判断される(S103)。第二保留球数が「4」である場合(S103:YES)、処理はS111の判断へ移行する。第二保留球数が「4」でない場合(S103:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数に「1」が加算される(S105)。次いで、第二乱数が取得され、第二普通当たり拡径情報エリア(図示略)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S106)。処理はS111の判断へ移行する。
次いで、全ての電チューが閉鎖中であるかが判断される(S111)。第一〜第四普通当たり遊技中フラグのうちいずれかが「ON」の場合には、いずれかの電チューが開放中であると判断されて(S111:NO)、処理はメイン処理へ戻る。このようにして、パチンコ機1は、いずれかの電チューの開放中には、第二普通図柄の変動時間を計測しない。
第一〜第四普通当たり遊技中フラグのいずれもが「OFF」の場合、全ての電チューが閉鎖中であると判断されて(S111:YES)、第二普通図柄が変動中であるかが判断される(S112)。第二変動フラグが「OFF」の場合には、第二普通図柄が変動中でないと判断されて(S112:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S113)。第三保留球数が「1」以上である場合(S113:YES)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第三保留球数が「0」である場合(S113:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S121)。第二保留球数が「0」である場合(S121:NO)、第二普通図柄の変動は行われず、処理はメイン処理へ戻る。一方、第二保留球数が「1」以上である場合(S121:YES)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」減算される(S122)。第二普通当たり関係情報エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第二当たり乱数が、第二判定エリア(図示略)にシフトされる(S123)。
次いで、第二普通当たり判定が行われる(S125)。ROM53には、第二普通当たり判定を行うためのテーブルである第二普通当たり判定テーブルが記憶されている。第二普通当たり判定テーブルは、第二普通当たり判定について「第二普通当たり」又は「はずれ」にそれぞれ対応する第二当たり乱数の乱数値を定義している。S125の処理では、第二普通当たり判定テーブルが参照されて、S123の処理で第二判定エリアにシフトされた第二当たり乱数が「第二普通当たり」又は「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、第二普通当たり関係情報記憶エリアに記憶された未判定の第二当たり乱数に基づく第二普通当たり判定が、第二当たり乱数の記憶された順に行われる。本実施形態では、第二普通当たり判定において、第二普通当たり確率(100%)で第二普通当たりと判定される。
次いで、第二普通図柄の変動を開始させるための第二普通図柄変動開始コマンドが生成され(S126)、RAM52に記憶される。第二普通図柄変動開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第二普通図柄の変動を開始する。次いで、予め定められている第二普通図柄の変動時間(本実施形態では、2秒)が、第二普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S128)。第二普通図柄が変動中であることを示す「1」が第二変動フラグに記憶されて「ON」になり(S129)、処理はメイン処理へ戻る。
このように、パチンコ機1では、第三保留球が記憶されている状態において、第三普通当たり判定が第二普通当たり判定に優先して行われる。よって、第二普通当たり遊技の後に第二保留球数が「1」以上であっても、第三保留球数が「1」以上である限り、第二普通当たり判定の実行が制限され、第三普通当たり判定が第二普通当たり判定に優先して行われる。このため、第二普通当たり遊技の終了後に、第三普通図柄が第二普通図柄に優先して変動を開始する。第二普通図柄の変動開始は、第三保留球数が「0」になるまでの間、制限される。この第二普通図柄と第三普通図柄との間の変動優先順位の関係を、以下では、「第三普通図柄>第二普通図柄」と表すこととする。
一方、S112の判断において第二変動フラグが「ON」の場合には、第二普通図柄が変動中であると判断されて(S112:YES)、第二普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S131)。次いで、第二普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第二普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S132)。第二普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には、第二普通図柄の変動時間がまだ経過していないと判断されて(S132:NO)、第二普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。第二普通図柄変動時間カウンタの値が「0」である場合には、第二普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S132:YES)、第二普通図柄停止コマンドが生成され(S133)、RAM52に記憶される。記憶された第二普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によって、中継基板47を介して図柄表示部24に送信される。第二普通図柄停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第二普通図柄の変動を停止する。次いで、第二普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第二変動フラグに記憶されて「OFF」になる(S135)。
次いで、S125で行われた第二普通当たり判定の結果が第二普通当たりであるかが判断される(S136)。第二普通当たり判定の結果がはずれの場合(S136:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第二普通当たり判定の結果が第二普通当たりの場合(S136:YES)、第二普通当たり遊技中フラグが「ON」とされる(S138)。処理はメイン処理へ戻る。
図13を参照して、第二普通電動役物処理(S15、図9参照)の詳細について説明する。第二普通電動役物処理が開始されると、第二普通当たり遊技中であるかが判断される(S141)。第二普通当たり遊技中フラグが「OFF」である場合には、第二普通当たり遊技中でないと判断されて(S141:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第二普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合には、第二普通当たり遊技中であると判断されて(S141:YES)、第二普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第二電チュー14が開放中であるかが判断される(S142)。第二開放フラグが「OFF」である場合には、第二電チュー14が閉鎖中であると判断されて(S142:NO)、第二電チュー14を開放させるための第二電チュー開放コマンドが生成され(S161)、RAM52に記憶される。第二電チュー開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第二電チュー開放コマンドを受信した第二電チューソレノイド65は、第二電チュー14の開閉部材141を開放させる。次いで、第二開放時間が、第二開放時間カウンタに記憶される(S162)。次いで、第二開放フラグが「ON」となり(S163)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第二開放フラグが「ON」である場合には、第二電チュー14が開放中であると判断されて(S142:YES)、第二電チュー14へ入賞した遊技球の処理及び第二電チュー14を閉鎖するための処理が行われる。まず、第二開放時間が経過したかが判断される(S143)。第二開放時間カウンタの値が「0」でない場合には、第二開放時間はまだ経過していないと判断されて(S143:NO)、第二電チュー14へ遊技球が入賞したかが判断される(S145)。第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第二電チュー14へ遊技球が入賞していないと判断されて(S145:NO)、処理はS149の判断へ移行する。
一方、第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている場合、第二電チュー14へ遊技球が入賞したと判断される(S145:YES)。このため、第二電チュー14へ入賞した遊技球の個数である第二入賞球数を計数するRAM52の第二入賞球数カウンタに「1」が加算される(S146)。次いで、第二入賞球数が「4」以上であるかが判断される(S149)。第二入賞球数が「4」未満である場合(S149:NO)、継続して第二電チュー14が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
第二入賞球数が「4」以上の場合(S149:YES)又は第二開放時間が経過した場合(S143:YES)、第二電チュー14を閉鎖するための第二電チュー閉鎖コマンドが生成され(S151)、RAM52に記憶される。記憶された第二電チュー閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第二電チュー開放コマンドを受信した第二電チューソレノイド65は、第二電チュー14の開閉部材141を閉鎖させる。次いで、第二開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S152)、第二普通当たり遊技中フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる(S153)。処理はメイン処理へ戻る。
図14を参照して、第三普通図柄処理(S18、図9参照)の詳細について説明する。第三普通図柄処理が開始されると、第二電チュー14へ遊技球が入賞したかが判断される(S171)。第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「OFF」の場合には、第二電チュー14へ遊技球が入賞していないと判断されて(S171:NO)、処理はS181の判断へ移行する。
一方、第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている場合、第二電チュー14へ遊技球が入賞したと判断されて(S171:YES)、第三保留球数が「4」であるかが判断される(S172)。第三保留球数が「4」である場合(S172:YES)、第三保留球数が最大第三保留球数に達しているため、処理はS181の判断へ移行する。第三保留球数が「4」でない場合(S172:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数に「1」が加算される(S173)。次いで、第三乱数が取得され、第三普通当たり関係情報エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S175)。処理はS181の判断へ移行する。
次いで、全ての電チューが閉鎖中であるかが判断される(S181)。第一〜第四普通当たり遊技中フラグのうち少なくともいずれかが「ON」の場合には、いずれかの電チューが開放中であると判断されて(S181:NO)、処理はメイン処理へ戻る。このようにして、パチンコ機1は、いずれかの電チューの開放中には、第三普通図柄の変動時間を計測しない。
第一〜第四普通当たり遊技中フラグのいずれもが「OFF」の場合、全ての電チューが閉鎖中であると判断されて(S181:YES)、第三普通図柄が変動中であるかが判断される(S182)。第三変動フラグが「OFF」の場合には、第三普通図柄が変動中でないと判断されて(S182:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S189)。第三保留球数が「1」以上である場合(S189:YES)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」減算される(S191)。第三普通当たり関係情報エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第三当たり乱数が、第三判定エリア(図示略)にシフトされる(S192)。
次いで、第三普通当たり判定が行われる(S193)。ROM53には、第三普通当たり判定を行うためのテーブルである第三普通当たり判定テーブルが記憶されている。第三普通当たり判定テーブルは、第三普通当たり判定について「第三普通当たり」又は「はずれ」にそれぞれ対応する第三当たり乱数の乱数値を定義している。S193の処理では、第三普通当たり判定テーブルが参照されて、S192の処理で第三判定エリアにシフトされた第三当たり乱数が「第三普通当たり」又は「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、第三普通当たり関係情報記憶エリアに記憶された未判定の第三当たり乱数に基づく第三普通当たり判定が、第三当たり乱数の記憶された順に行われる。本実施形態では、第三普通当たり判定において、第三普通当たり確率(100%)で第三普通当たりと判定される。
次いで、第三普通図柄の変動を開始させるための第三普通図柄変動開始コマンドが生成され(S195)、RAM52に記憶される。第三普通図柄変動開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第三普通図柄の変動を開始する。次いで、予め定められている第三普通図柄の変動時間(本実施形態では、2秒)が、第三普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S196)。第三普通図柄が変動中であることを示す「1」が第三変動フラグに記憶されて「ON」となり(S198)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、S182の判断において、第三変動フラグが「ON」の場合には、第三普通図柄が変動中であると判断されて(S182:YES)、第三普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S211)。次いで、第三普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第三普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S212)。第三普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には、第三普通図柄の変動時間がまだ経過していないと判断されて(S212:NO)、第三普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。
第三普通図柄変動時間カウンタの値が「0」である場合には、第三普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S212:YES)、第三普通図柄の変動を停止させるための第三普通図柄停止コマンドが生成され(S213)、RAM52に記憶される。第三普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によって、中継基板47を介して図柄表示部24に送信される。第三普通図柄停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第三普通図柄の変動を停止する。次いで、第三普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第三変動フラグに記憶されて「OFF」となる(S215)。
次いで、S193で行われた第三普通当たり判定の結果が第三普通当たりであるかが判断される(S216)。第三普通当たり判定の結果がはずれの場合(S216:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第三普通当たり判定の結果が第三普通当たりの場合(S216:YES)、第三普通当たり遊技中フラグが「ON」とされる(S219)。処理はメイン処理へ戻る。
また、S189の判断において、第三保留球数が「0」の場合には(S189:NO)、まだ第三普通当たり判定の行われていない第三保留球が存在せず、一連の第三普通当たり遊技が終了する。この場合、一連の第三普通当たり遊技が終了される際に、大当たり遊技も終了される場合があり、この場合には、大当たり遊技を終了させる処理を行う必要がある。そこで、まず、大当たり遊技中であるかが判断される(S201)。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合には、大当たり遊技中でないと判断されて(S201:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合には、大当たり遊技中であると判断されて(S201:YES)、第一普通当たり遊技が終了しているかが判断される(S202)。第一普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合には、第一普通当たり遊技が終了していないと判断されて(S202:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一普通当たり遊技中フラグが「OFF」である場合には、第一普通当たり遊技が終了していると判断されて(S202:YES)、第四普通当たり遊技が終了しているかが判断される(S203)。第四普通当たり遊技中フラグが「ON」であれば、第四普通当たり遊技が終了していないと判断されて(S203:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第四普通当たり遊技中フラグが「OFF」である場合、第四普通当たり遊技が終了していると判断されて(S203:YES)、第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S205)。第二保留球数が「1」以上の場合には、まだ第二普通当たり判定の行われていない第二保留球が存在する。この場合、この時点では一連の第三普通当たり遊技が終了するのみであり、一連の第三普通当たり遊技が終了した後に第二普通当たり判定によって第二普通当たりであると判定されて、第二普通当たり遊技が行われることを契機として、大当たり遊技が継続する。したがって、第二保留球数が「1」以上の場合(S205:YES)、大当たり遊技は終了せず、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第二保留球数が「0」の場合(S205:NO)、第四保留球数が「1」以上であるかが判断される(S206)。第四保留球数が「1」以上の場合には、まだ第四普通当たり判定の行われていない第四保留球が存在する。この場合、この時点では一連の第三普通当たり遊技が終了するのみであり、一連の第三普通当たり遊技が終了した後に第四普通当たりによって第四普通当たりであると判断されて、第四普通当たり遊技が行われることを契機として、大当たり遊技が継続する。したがって、第四保留球数が「1」以上の場合(S2:YES)、大当たり遊技は終了せず、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第四保留球数が「0」の場合(S206:NO)、一連の第三普通当たり遊技が終了し、第二保留球及び第四保留球が存在せず、第一普通当たり遊技及び第四普通当たり遊技も行われていないので、大当たり遊技が終了する。したがって、大当たり遊技状態フラグが「OFF」になる(S208)。その後、処理はメイン処理へ戻る。
図15を参照して、第三普通電動役物処理(S17、図9参照)の詳細について説明する。第三普通電動役物処理が開始されると、第三普通当たり遊技中であるかが判断される(S221)。第三普通当たり遊技中フラグが「OFF」である場合には、第三普通当たり遊技中でないと判断されて(S221:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第三普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合には、第三普通当たり遊技中であると判断されて(S221:YES)、第三普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第三電チュー15が開放中であるかが判断される(S222)。第三開放フラグが「OFF」であれば、第三電チュー15が閉鎖中であると判断されて(S222:NO)、第三電チュー15を開放させるための第三電チュー開放コマンドが生成され(S241)、RAM52に記憶される。第三電チュー開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第三電チュー開放コマンドを受信した第三電チューソレノイド66は、第三電チュー15の開閉部材151を開放させる。次いで、第三開放時間が、第三開放時間カウンタに記憶される(S242)。次いで、第三開放フラグが「ON」とされ(S243)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第三開放フラグが「ON」であれば、第三電チュー15が開放中であると判断されて(S222:YES)、第三電チュー15へ入賞した遊技球の処理及び第三電チュー15を閉鎖するための処理が行われる。まず、第三開放時間が経過したかが判断される(S223)。第三開放時間カウンタの値が「0」でない場合には、第三開放時間はまだ経過していないと判断されて(S223:NO)、第三電チュー15へ遊技球が入賞したかが判断される(S225)。第三電チュースイッチ73に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第三電チュー15へ遊技球が入賞していないと判断されて(S225:NO)、処理はS229の判断へ移行する。
一方、第三電チュースイッチ73に対応するフラグが「ON」となっている場合、第三電チュー15へ遊技球が入賞したと判断される(S225:YES)。このため、第三電チュー15へ入賞した遊技球の個数である第三入賞球数を計数するRAM52の第三入賞球数カウンタに「1」が加算される(S226)。次いで、第三入賞球数が「7」以上であるかが判断される(S229)。第三入賞球数が「7」未満である場合(S229:NO)、継続して第三電チュー15が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
第三入賞球数が「7」以上の場合(S229:YES)又は第三開放時間が経過した場合(S223:YES)、第三電チュー15を閉鎖するための第三電チュー閉鎖コマンドが生成され(S231)、RAM52に記憶される。第三電チュー閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第三電チュー開放コマンドを受信した第三電チューソレノイド66は、第三電チュー15の開閉部材151を閉鎖させる。次いで、第三開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S232)、第三普通当たり遊技中フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる(S233)。処理はメイン処理へ戻る。
図16を参照して、第四普通図柄処理(S20、図9参照)の詳細について説明する。第四普通図柄処理が開始されると、非電動役物17へ遊技球が入賞したかが判断される(S251)。非電動役物スイッチ75に対応するフラグが「OFF」の場合には、非電動役物17へ遊技球が入賞していないと判断されて(S251:NO)、処理はS261の判断へ移行する。
一方、非電動役物スイッチ75に対応するフラグが「ON」になっている場合、非電動役物17へ遊技球が入賞したと判断されて(S251:YES)、第四保留球数が「2」であるかが判断される(S252)。第四保留球数が「2」である場合(S252:YES)、第四保留球数が最大第四保留球数に達しているため、処理はS261の判断へ移行する。第四保留球数が「2」でない場合(S252:NO)、RAM52に記憶されている第四保留球数に「1」が加算される(S253)。次いで、第四乱数が取得され、第四普通当たり関係情報エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S255)。処理はS261の判断へ移行する。
次いで、全ての電チューが閉鎖中であるかが判断される(S261)。第一〜第四普通当たり遊技中フラグのうち少なくともいずれかが「ON」の場合には、いずれかの電チューが開放中であると判断されて(S261:NO)、処理はメイン処理へ戻る。このようにして、パチンコ機1は、いずれかの電チューの開放中には、第四普通図柄の変動時間を計測しない。
第一〜第四普通当たり遊技中フラグのいずれもが「OFF」の場合、全ての電チューが閉鎖中であると判断されて(S261:YES)、第四普通図柄が変動中であるかが判断される(S262)。第四変動フラグが「OFF」の場合には、第四普通図柄が変動中でないと判断されて(S262:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S263)。第三保留球数が「1」以上である場合(S263:YES)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第三保留球数が「0」である場合(S263:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S265)。第二保留球数が「1」以上である場合(S265:YES)処理はメイン処理へ戻る。一方、第二保留球数が「0」である場合(S265:NO)、RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」以上であるかが判断される(S271)。第四保留球数が「0」である場合(S271:NO)、第四普通図柄の変動は行われず、処理はメイン処理へ戻る。一方、第四保留球数が「1」以上である場合(S271:YES)、RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」減算される(S272)。第四普通当たり関係情報エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第四当たり乱数が、第四判定エリア(図示略)にシフトされる(S273)。
次いで、第四普通当たり判定が行われる(S275)。ROM53には、第四普通当たり判定を行うためのテーブルである第四普通当たり判定テーブルが記憶されている。第四普通当たり判定テーブルは、第四普通当たり判定について「第四普通当たり」又は「はずれ」にそれぞれ対応する第四当たり乱数の乱数値を定義している。S275の処理では、第四普通当たり判定テーブルが参照されて、S273の処理で第四判定エリアにシフトされた第四当たり乱数が「第四普通当たり」又は「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、第四普通当たり関係情報記憶エリアに記憶された未判定の第四当たり乱数に基づく第四普通当たり判定が、第四当たり乱数の記憶された順に行われる。本実施形態では、第四普通当たり判定において、第四普通当たり確率(100%)で第四普通当たりと判定される。
次いで、第四普通図柄の変動を開始させるための第四普通図柄変動開始コマンドが生成され(S276)、RAM52に記憶される。第四普通図柄変動開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)によって、中継基板47を介して図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第四普通図柄の変動を開始する。次いで、予め定められている第四普通図柄の変動時間(本実施形態では、2秒)が、第四普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S278)。第四普通図柄が変動中であることを示す「1」が第四変動フラグに記憶されて「ON」になり(S279)、処理はメイン処理へ戻る。
このように、パチンコ機1では、第二保留球が記憶されている状態において、第二普通当たり判定が第四普通当たり判定に優先して行われる。また、第三保留球が記憶されている状態において、第三普通当たり判定が第四普通当たり判定に優先して行われる。よって、第四保留球数が「1」以上であっても、第二保留球及び第三保留球のいずれかが「1」以上である限り、第四普通当たり判定の実行が制限され、第二普通当たり判定及び第三普通当たり判定が第四普通当たり判定に優先して行われる。第二普通図柄及び第三普通図柄に対する第四普通図柄の変動優先順の関係は「第二普通図柄>第四普通図柄」、「第三普通図柄>第四普通図柄」と表すことができる。前述したように、第二普通図柄と第三普通図柄との間の変動優先順位の関係は「第三普通図柄>第二普通図柄」であるので、第二〜第四普通図柄間の変動優先順位の関係は「第三普通図柄>第二普通図柄>第四普通図柄」となる。
なお、パチンコ機1において、第二〜第四普通図柄に対する第一普通図柄の変動優先順位は定められていない。このため、第一普通図柄は、全ての電チューが閉鎖した状態であれば、第二〜第四保留球数に関わらず、第一ゲート11又は第二ゲート12を通過することを契機として変動を開始する。
一方、S262の判断において第四変動フラグが「ON」の場合には、第四普通図柄が変動中であると判断されて(S262:YES)、第四普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S281)。
次いで、第四普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第四普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S282)。第四普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には、第四普通図柄の変動時間がまだ経過していないと判断されて(S282:NO)、第四普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。第四普通図柄変動時間カウンタの値が「0」である場合には、第二普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S282:YES)、第四普通図柄停止コマンドが生成され(S283)、RAM52に記憶される。記憶された第四普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によって、中継基板47を介して図柄表示部24に送信される。第四普通図柄停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第四普通図柄の変動を停止する。次いで、第四普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第四変動フラグに記憶されて「OFF」になる(S285)。
次いで、S275で行われた第四普通当たり判定の結果が第四普通当たりであるかが判断される(S286)。第四普通当たり判定の結果がはずれの場合(S286:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第四普通当たり判定の結果が第四普通当たりの場合(S286:YES)、第四普通当たり遊技中フラグが「ON」になり(S289)、処理はメイン処理へ戻る。
図17を参照して、第四普通電動役物処理(S19、図9参照)の詳細について説明する。第四普通電動役物処理が開始されると、第四普通当たり遊技中であるかが判断される(S291)。第四普通当たり遊技中フラグが「OFF」である場合には、第四普通当たり遊技中でないと判断されて(S291:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第四普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合には、第二普通当たり遊技中であると判断されて(S291:YES)、第四普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第四電チュー16が開放中であるかが判断される(S293)。第二開放フラグが「OFF」である場合には、第四電チュー16が閉鎖中であると判断されて(S293:NO)、第四電チュー16を開放させるための第四電チュー開放コマンドが生成され(S311)、RAM52に記憶される。第四電チュー開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第四電チュー開放コマンドを受信した第四電チューソレノイド67は、第四電チュー16の開閉部材161を開放させる。次いで、第四開放時間が、第四開放時間カウンタに記憶される(S312)。次いで、第四開放フラグが「ON」となり(S313)、処理はメイン処理へ戻る。
一方、第四開放フラグが「ON」である場合には、第四電チュー16が開放中であると判断されて(S293:YES)、第四電チュー16へ入賞した遊技球の処理及び第四電チュー16を閉鎖するための処理が行われる。まず、第四開放時間が経過したかが判断される(S295)。第四開放時間カウンタの値が「0」でない場合には、第四開放時間はまだ経過していないと判断されて(S295:NO)、第四電チュー16へ遊技球が入賞したかが判断される(S296)。第四電チュースイッチ74に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第四電チュー16へ遊技球が入賞していないと判断されて(S296:NO)、処理はS299の判断へ移行する。
一方、第四電チュースイッチ74に対応するフラグが「ON」となっている場合、第四電チュー16へ遊技球が入賞したと判断される(S296:YES)。このため、第四電チュー16へ入賞した遊技球の個数である第四入賞球数を計数するRAM52の第四入賞球数カウンタに「1」が加算される(S297)。次いで、第四入賞球数が「4」以上であるかが判断される(S299)。第四入賞球数が「4」未満である場合(S299:NO)、継続して第四電チュー16が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
第四入賞球数が「4」以上の場合(S299:YES)又は第四開放時間が経過した場合(S295:YES)、第四電チュー16を閉鎖するための第四電チュー閉鎖コマンドが生成され(S301)、RAM52に記憶される。記憶された第四電チュー閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第四電チュー開放コマンドを受信した第四電チューソレノイド67は、第四電チュー16の開閉部材161を閉鎖させる。次いで、第四開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S302)、第四普通当たり遊技中フラグに「0」が記憶されて「OFF」となる(S303)。処理はメイン処理へ戻る。
図18から図20を参照して、パチンコ機1の大当たり遊技における普通図柄、電チュー、非電動役物17の基本動作について説明する。以下では、「(1)第一電チュー13へ入賞した遊技球がクルーン抽せんに当せんする場合」(図18)、「(2)クルーン抽せんに当せんしたことによるトリプル大当たり遊技」(図19)、「(3)大当たり遊技中に遊技球が第二ゲート12を通過することに起因する上乗せ大当たり遊技」(図20)の三つの段階に分けて説明する。
図18に示すように、大当たり遊技が開始される前の遊技(以下、「通常遊技」という。)では、左打ちによって遊技が進行する。左打ちされた遊技球はセンター飾り8の左側を流下し、流下する遊技球の一部が第一ゲート11を通過する。これを契機として第一普通当たり判定が行われる。第一普通当たり判定によってはずれと判定された場合には、はずれの判定結果を報知する第一普通図柄の変動及び報知演出が行われる。
第一普通当たり判定によって第一普通当たりと判定された場合には、第一普通当たりの判定結果を報知する第一普通図柄の変動及び報知演出が行われる。第一普通図柄の当たり変動が終了すると、第一電チュー13が開放する第一普通当たり遊技が行われる。これにより、大当たり遊技が開始される。開放された第一電チュー13に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。遊技者は、第一電チュー13に遊技球を入賞させるため、以降の大当たり遊技を右打ちによって進行する。開放された第一電チュー13は、第一開放時間の経過及び4個の遊技球の入賞のうちいずれかの条件が満たされると閉鎖される。なお、第一普通当たり遊技中に、第一普通図柄は変動しない。図18において、開放された第一電チュー13に4個の遊技球が入賞したとする。
第一電チュー13は第二普通図柄の作動口であるので、第一電チュー13へ遊技球が入賞すると、最大第二保留球数(本実施形態では「4」)を上限に第二保留球が記憶される。ここでは、4個の第二保留球が記憶されたとする。第一普通当たり遊技の終了直後においては、第三保留球数が「0」である。このため、1個目に記憶された第二保留球に基づく第二普通図柄の変動が開始される。第二普通図柄の当たり変動が終了すると、第二電チュー14が開放する第二普通当たり遊技が行われる。開放された第二電チュー14に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。開放された第二電チュー14は、第二開放時間の経過及び4個の遊技球の入賞のうちいずれかの条件が満たされると閉鎖される。なお、第二普通当たり遊技中に、第二普通図柄は変動しない。図18において、開放された第二電チュー14に4個の遊技球が入賞したとする。
第二電チュー14は第三普通図柄の作動口であるので、第二電チュー14へ遊技球が入賞すると、最大第三保留球数(本実施形態では「4」個)を上限に第三保留球が記憶される。ここでは、4個の第三保留球が記憶されたとする。前述したように、第二普通図柄は第三普通図柄よりも変動優先順位が低い。したがって、以降は、第三保留球数が「1」以上である限り、第二保留球数が「1」以上であっても、第二普通図柄が変動せず、第二普通当たり判定が行われない。このため、第三保留球に基づく第三普通図柄の変動が開始される。
第三普通図柄の当たり変動が終了すると、第三電チュー15が開放する第三普通当たり遊技が行われる。開放された第三電チュー15は、第三開放時間の経過及び7個の遊技球の入賞のうちいずれかの条件が満たされると閉鎖される。なお、第三普通当たり遊技中に第三普通図柄は変動しない。以降は、第三保留球数が「0」になるまでの間、第三普通図柄の当たり変動と第三普通当たり遊技とが繰り返して行われる。これにより、一連の第三普通当たり遊技が行われる。このようにして、パチンコ機1は、第二保留球を消化せずに記憶したまま、一連の第三普通当たり遊技を実行する。
なお、一連の第三普通当たり遊技に含まれる最後の第三普通当たり遊技の終了後に、所定のインターバルが設けられる。このインターバルは、第三電チュー15へ入賞した遊技球が第三電チュー15から外部に排出されるまでに必要な時間を勘案して設けられており、本実施形態においては、2秒のインターバルが設けられている。インターバルの期間も第三電チュー15の作動中とみなされる。したがって、第三保留球数が「0」になり第三普通図柄の変動が終了してから、インターバルが終了するまでの間の期間(図18において「☆」で示す期間)にも、第二普通図柄は変動を開始しない。なお、以降の一連の第三普通当たり遊技に関するチャートでは、「☆」で示す期間についての記載を省略している。
一連の第三普通当たり遊技が終了すると、第三保留球数が「0」となっている。このとき、第二保留球数は「3」である。よって、一連の第三普通当たり遊技が終了することで、第三普通図柄の次に変動優先順位の高い第二普通図柄が変動を開始する。以降は、第二保留球数が「0」になるまでの間、第二普通当たり遊技と一連の第三普通当たり遊技とが繰り返して行われる。
また、第一普通当たり遊技において第一電チュー13へ入賞した遊技球のうち1個が、クルーン33に進入することによって、クルーン抽せんが行われる。クルーン抽せんに当せんすると(遊技球が当たり穴33A及び当たり通路18の通過領域181を通過すると)、作動機構が作動して、非電動役物17の開閉部材171が開放される。開放された非電動役物17には遊技球が入賞可能であり、非電動役物17に閉鎖入賞数(2個)の遊技球が入場すると、閉鎖機構が作動して、非電動役物17の開閉部材171が閉鎖される。なお、非電動役物17の開放は、普通図柄が変動中であるか、電チューが開放中であるかによらずに、クルーン抽せんに当せんしたタイミングに応じて行われる。
非電動役物17は第四普通図柄の作動口であるので、非電動役物17へ遊技球が入賞すると、最大第四保留球数(本実施形態では「2」個)を上限に第四保留球が記憶される。ここでは、2個の第四保留球が記憶されたとする。前述したように、第四普通図柄は、第二普通図柄及び第三普通図柄よりも変動優先順位が低い。したがって、以降は、第二保留球数及び第三保留球数が「1」以上である限り、第四保留球に基づいて第四普通図柄が作動せず、第四普通当たり判定が行われない。つまり、パチンコ機1は、第四保留球を消化せずに記憶したまま、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技を繰り返して実行する。
図19に示す(2)の場面は、図18に示す(1)の場面の続きに相当する。なお、大当たり遊技中にクルーン抽せんにはずれた場合には、図18に示す第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が、第二保留球数及び第三保留球数が「0」になるまで繰り返して行われた後に、大当たり遊技が終了する。
図19に示すように、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が繰り返して行われ、第二保留球数及び第三保留球数が「0」になった後に、第二普通図柄及び第三普通図柄よりも変動優先順位の低い第四普通図柄が変動を開始する。1個目に記憶された第二保留球に基づく第二普通図柄の当たり変動が終了すると、第四電チュー16が開放する第四普通当たり遊技が行われる。開放された第四電チュー16に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。開放された第四電チュー16は、第四開放時間の経過及び4個の遊技球の入賞のうちいずれかの条件が満たされると閉鎖する。なお、第四普通当たり遊技中に第四普通図柄は変動しない。図19において、開放された第四電チュー16に4個の遊技球が入賞したとする。
第四電チュー16は、第一電チュー13と同様に、第二普通図柄の作動口であるので、第四電チュー16へ遊技球が入賞すると、最大第二保留球数(前述の「4」個)を上限に第二保留球が記憶される。ここでは、4個の第二保留球が記憶されたとする。この状態において第三保留球数が「0」であり、第四保留球数が「1」である。第二〜第四普通図柄間の変動優先順位の関係は「第三普通図柄>第二普通図柄>第四普通図柄」であるので、第四普通図柄の変動が制限され、第二普通図柄の変動が開始する。第二普通図柄の当たり変動の終了後には、第二普通当たり遊技が行われる。第二普通当たり遊技において第二電チュー14へ最大4個の遊技球が入賞し、第三保留球数が「4」になる。第三普通図柄は第二普通図柄及び第四普通図柄よりも変動優先順位が高いので、第二普通当たり遊技の終了後に第三普通図柄が変動する。以降は、第三保留球数が「0」になるまでの間、第三普通図柄の当たり変動と第三普通当たり遊技とが繰り返して行われる。すなわち、パチンコ機1は、第四保留球を消化せずに記憶したまま、第二保留球数が「0」になるまで、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技を、図18に示したものと同様の態様で繰り返して行う。
第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が繰り返して行われて、第二保留球数及び第三保留球数が「0」になると、2個目に記憶された第四保留球に基づいて第四普通図柄が当たり変動を開始する。この当たり変動が終了すると、第四普通当たり遊技が行われる。その後は再び、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が、第二保留球数が「0」になるまで繰り返して行われ、大当たり遊技が終了する。
このように、大当たり遊技中にクルーン抽せんに当せんした場合には、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が12回繰り返して行われる。一方、クルーン抽せんにはずれた場合には、非電動役物17が開放しないことにより、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が繰り返して行われる回数は4回である。このため、クルーン抽せんに当せんした場合の大当たり遊技において払い出される賞球総数の期待値は、クルーン抽せんにはずれた場合の大当たり遊技において払い出される賞球総数の期待値の約3倍となる。以下では、クルーン抽せんに当せんした場合の大当たり遊技を「トリプル大当たり遊技」、クルーン抽せんにはずれた場合の大当たり遊技を「シングル大当たり遊技」ともいう。このように、大当たり遊技中にクルーン抽せんに当せんするか否かによって、大当たり遊技の賞球総数が大きく異なる。パチンコ機1は、このような遊技性を搭載することによって、クルーン抽せんに遊技者の注目を集め、また、大当たり遊技に従来にない変化を与えることができる。
図20の「(3)大当たり遊技中に遊技球が第二ゲート12を通過することに起因する上乗せ大当たり遊技」は、図19に示す場面において、右打ちされた遊技球が第二ゲート12を通過することに起因して第一普通当たり遊技が行われる場合を示す。前述したように、第二〜第四普通図柄に対する第一普通図柄の変動優先順位は定められていないので、大当たり遊技中に第二ゲート12を通過することを契機として第一普通図柄は随時変動する。第一普通当たり判定によって第一普通当たりと判定された場合には、第一普通図柄の当たり変動の終了後に第一普通当たり遊技が行われる。第一普通当たり遊技で開放する第一電チュー13は第二普通図柄の作動口である。よって、大当たり遊技の進行により、第二保留球数が最大第二保留球数よりも少なくなっている場合には、第一電チュー13へ遊技球が入賞することに伴い、最大第二保留球数を上限に第二保留球が新たに記憶される。図20の例は、第二保留球数が「1」になっている状態で第一普通当たり遊技が行われ、第一電チュー13への遊技球の入賞に伴い第二保留球数が「1」から「4」に追加された(上乗せされた)場合を示す。
このような、大当たり遊技中の第一普通当たり遊技に伴う第二保留球数の上乗せが生じた場合には、上乗せされた第二保留球の数に応じた回数で、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技の実行が、大当たり遊技に追加される。このような第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技の上乗せを含む大当たり遊技を、上乗せ大当たり遊技という。大当たり遊技が上乗せ大当たり遊技となった場合にも、第二保留球数及び第三保留球数が「1」以上である限り、第四普通図柄の変動が制限される。したがって、トリプル大当たり遊技中に上乗せ大当たり遊技となった場合において、第四保留球が記憶されているときには、上乗せされた分の第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たりが終了するまでの間、第四保留球が消化されずに記憶される。上乗せされた分の第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たりが終了した後に、第四保留球に基づく第四普通図柄の変動が開始される。なお、図20の例では、トリプル大当たり遊技において上乗せが生ずる場面を示したが、シングル大当たり遊技においても上乗せが生じ得る。このように、パチンコ機1は、大当たり遊技がシングル大当たり遊技になるかトリプル大当たり遊技になるかの他に、上乗せ大当たり遊技になるかについても遊技者の興味を惹きつけ、また、一般電役タイプの大当たり遊技を多様化できる。
なお、図示しないが、上乗せ大当たり遊技が行われた場合には、上乗せ大当たり遊技に係る第一普通当たり遊技において第一電チュー13へ入賞した遊技球がクルーン抽せんに当せんすることがある。この場合、非電動役物17が開放する。第四保留球数が最大第四保留球よりも少ない場合には、非電動役物17へ遊技球が入賞することによって第四保留球が最大第四保留球数を上限に追加される(上乗せされる)。この場合、追加された第四保留球の数に応じた回数で、第四普通当たり遊技、第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が上乗せして行われる。パチンコ機1は、大当たり遊技中に遊技球が通過し得る第二ゲート12を設けることによって、大当たり遊技における電チュー及び非電動役物17の連動態様に、更なる変化を与えることができる。
図21を参照して、以上に説明したパチンコ機1の大当たり遊技の流れを整理する。通常遊技を左打ちで進めるうちに、第一普通当たり判定によって第一普通当たりと判定された場合には、第一普通当たり遊技が行われる。第一普通当たり遊技を契機として大当たり遊技が開始され、遊技が左打ちから右打ちに変更する。なお、第一普通当たり遊技において第一電チュー13へ入賞した遊技球のうち1個の遊技球については、クルーン抽せんが行われる。
第一普通当たり遊技において第一電チュー13へ遊技球が入賞することによって、第二普通当たり遊技が行われる。第二普通当たり遊技において第二電チュー14へ遊技球が入賞することによって、一連の第三普通当たり遊技が行われる。第三電チュー15は普通図柄の作動口でないので、ここで一旦電チューの連動が終了する。それぞれの電チューに遊技球が入賞することに伴い、所定の賞球が払い出される。1回の第二普通当たり遊技と1回の一連の第三普通当たり遊技とによる遊技を、(A)ブロックの遊技とする。
第一普通当たり遊技において最大第二保留球数(本実施形態では「4」)を上限に第二保留球が記憶される。このため、(A)ブロックの遊技は最大で4回繰り返して行われる。この、(A)ブロックの遊技が最大4回繰り返して行われる遊技を、(B)ブロックの遊技とする。(B)ブロックの遊技が行われる間にクルーン抽せんが行われる。クルーン抽せんに当せんするか否かによって、以降の大当たり遊技の態様が変化する。クルーン抽せんにはずれた場合には、(B)ブロックの遊技の終了後、遊技は通常遊技に戻る。この場合の大当たり遊技は、(B)ブロックの遊技が1回行われる、シングル大当たり遊技である。
クルーン抽せんに当せんした場合には、(B)ブロックの遊技の終了後に非電動役物17が開放し、開放した非電動役物17へ遊技球が入賞することに起因して、第四普通当たり遊技が行われる。第四普通当たり遊技において第四電チュー16へ遊技球が入賞することによって、第二普通当たり遊技が行われる。以降は、(B)ブロックの遊技が行われる。第四普通当たり遊技において最大第四保留球数(本実施形態では「2」)を上限に第四保留球が記憶される。このため、1回の第四普通当たり遊技と(B)ブロックの遊技とが、最大2回繰り返して行われる。この、1回の第四普通当たり遊技と(B)ブロックの遊技とを、(C)ブロックの遊技とする。(C)ブロックの遊技は、2回の(B)ブロックの遊技を含むので、この場合の大当たり遊技に伴い払い出される賞球数は、シングル大当たり遊技に伴い払い出される賞球数の約3倍となる。したがって、クルーン抽せんに当せんした場合には大当たり遊技がトリプル大当たり遊技となる。トリプル大当たり遊技の終了後、遊技は通常遊技に戻る。
なお、シングル大当たり遊技及びトリプル大当たり遊技のいずれの場合においても、大当たり遊技中に右打ちされた遊技球が第二ゲート12を通過することを契機として、大当たり遊技中に第一普通当たり判定が行われる。この第一普通当たり判定によって第一普通当たりと判定された場合には、第一普通当たり遊技が行われ、第一電チュー13へ遊技球が入賞することを契機として第二保留球が上乗せされ得る。また、この第一普通当たり遊技に伴って行われるクルーン抽せんに当せんした場合には、第四保留球が上乗せされ得る。
以上説明したように、パチンコ機1は、第一普通当たり判定による判定結果に応じて第一普通当たり遊技を行う。第一普通当たり遊技において第一電チュー13へ遊技球が入賞することに起因して、第二普通当たり遊技が行われる。また、第一普通当たりにおいて第一電チュー13へ入賞した遊技球に基づくクルーン抽せんに当せんした場合、非電動役物17が開放する。非電動役物17へ遊技球が入賞することに起因して第四普通当たり遊技が行われる。パチンコ機1では、第二普通図柄と第四普通図柄との間の変動優先順の関係は「第二普通図柄>第四普通図柄」である。よって、大当たり遊技において、第四普通当たり遊技は、第二普通当たり遊技が最大で4回行われた後に行われる。つまり、パチンコ機1は、第一普通当たり遊技と(B)ブロック(図21参照)の遊技とを実行した後に、第四普通当たり遊技が行われるチャンスを遊技者に与えることができる。このようにして、パチンコ機1は、一般電役タイプの遊技機の大当たり遊技における電チュー等の連動態様に、従来にない変化を与えることができる。
第四普通当たり遊技において開放する第四電チュー16が、第一電チュー13と同様に第二普通図柄の作動口として機能する。よって、パチンコ機1は、クルーン抽せんに当せんした場合には、第一普通当たり遊技と(B)ブロックの遊技とを実行した後に、(C)ブロック(図21参照)の遊技を実行することができる。このように、パチンコ機1は、クルーン抽せんに当せんした場合には、更なる電チューの連動の機会を設けることで、大当たり遊技に従来にない変化を与えることができる。
パチンコ機1は、第二普通図柄と第四普通図柄との間の変動優先順の関係を「第二普通図柄>第四普通図柄」とする一方、第一普通図柄の変動については、第二〜第四普通図柄との関係において優先順位を設けていない。このため、大当たり遊技の実行中に遊技球が第二ゲート12を通過することを契機として、第二保留球数及び第四保留球数に関わらず、第一普通当たり判定が随時行われ得る。第一普通当たり判定によって第一普通当たりと判定された場合には、第一普通当たり遊技が行われる。第一普通当たり遊技において第一電チュー13へ遊技球が入賞することに応じて、第二保留球が最大第二保留球数を上限に上乗せして記憶される。この場合、第二普通当たり遊技が新たに実行される。また、この大当たり遊技中に行われた第一普通当たり遊技に起因するクルーン抽せんに当せんした場合には、非電動役物17がさらに開放し、非電動役物17へ遊技球が入賞することに起因して第四普通当たり遊技が新たに行われる。このように、パチンコ機1は、実行中の大当たり遊技に対して電チュー等の連動を上乗せして行うことができるので、大当たり遊技の態様に変化を与えることができる。
パチンコ機1における第二〜第四普通図柄間の変動優先順位の関係は「第三普通図柄>第二普通図柄>第四普通図柄」である。これにより、パチンコ機1は、大当たり遊技において、第一普通当たり遊技の後に、第二普通当たり遊技と一連の第三普通当たり遊技とを最大で4回繰り返す(B)ブロックの遊技を行う。また、クルーン抽せんに当せんした場合には、非電動役物17が開放し、開放した非電動役物17へ遊技球が入賞することに起因して、その後に(C)ブロック(図21参照)の遊技を行う。すなわち、パチンコ機1は、大当たり遊技において(B)ブロックの遊技の実行を確保しつつ、クルーン抽せんの結果に応じて(C)ブロックの遊技がさらに行われるか否かを決定する。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技が開始された場合に、クルーン抽せんに当せんするか否かに遊技者の注目を集めることができる。
上記実施形態において、第一ゲート11及び第二ゲート12が、本発明の「通過口」に相当する。第一電チュー13が、本発明の「第一作動入賞口」に相当する。第二電チュー14が、本発明の「第二作動入賞口」に相当する。第四電チュー16が、本発明の「第三作動入賞口」に相当する。当たり通路18の通過領域181が、本発明の「特定の領域」に相当し、非電動役物17が、本発明の「特定入賞口」に相当する。図10のS55で第一普通当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「第一判定手段」として機能する。図11のS91の処理を行う主基板41のCPU51が、本発明の「第一当たり遊技実行手段」として機能する。図12のS125で第二普通当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「第二判定手段」として機能する。図13のS161の処理を行う主基板41のCPU51が、本発明の「第二当たり遊技実行手段」として機能する。図16のS275で第四普通当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「第三判定手段」として機能する。図17のS311の処理を行う主基板41のCPU51が、本発明の「第三当たり遊技実行手段」として機能する。図16のS263及びS265の判断を行う主基板41のCPU51が、本発明の「判定制御手段」として機能する。
図10のS36で第一乱数をRAM52の第一普通当たり関係情報記憶エリアに記憶する主基板41のCPU51が、本発明の「第一記憶手段」として機能する。図12のS106で第二乱数をRAM52の第二普通当たり関係情報記憶エリアに記憶する主基板41のCPU51が、本発明の「第二記憶手段」として機能する。図16のS255で第四乱数をRAM52の第四普通当たり関係情報記憶エリアに記憶する主基板41のCPU51が、本発明の「第三記憶手段」として機能する。第三電チュー15が、本発明の「第四作動入賞口」に相当する。図14のS175で第三乱数をRAM52の第三普通当たり関係情報記憶エリアに記憶する主基板41のCPU51が、本発明の「第四記憶手段」として機能する。図14のS193で第三普通当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「第四判定手段」として機能する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。パチンコ機1では第一ゲート11又は第二ゲート12を通過することを契機として第一普通当たり判定が行われ、第一普通図柄が変動する。普通図柄の作動契機を与える部材は、ゲートの他、遊技球が入賞可能な入賞口であってもよい。すなわち、入賞口及びゲートのいずれもが、本発明の「通過口」を構成しうる。
上記実施形態において、第三電チュー15が設けられなくてもよい。この場合、第二電チュー14が第三普通図柄の作動口として機能しなくてもよい。すなわち、(A)ブロック(図21参照)の遊技が、第二普通当たり遊技のみによって構成されており、第二普通当たり遊技の後に一連の第三普通当たり遊技が行われない構成であってもよい。
上記実施形態において、第四電チュー16が第三普通図柄の作動口であってもよい。すなわち、(A)ブロック(図21参照)の遊技が、一連の第三普通当たり遊技のみによって構成されてもよい。この変形例において、第三電チュー15が、本発明の「第四作動入賞口」に相当する。
非電動役物17の閉鎖入賞数が「1」であってもよい。最大第四保留球数が「1」であってもよい。最大第四保留球数が「1」である場合には、大当たり遊技が開始されて最初に(B)ブロック(図21参照)の遊技が行われた後に、(C)ブロックの遊技が1回行われる。この場合には、クルーン抽せんにはずれた場合に払い出される賞球の約2倍の賞球が払い出されることとなる。また、最大第四保留球数は「3」以上であってもよい。この場合、大当たり遊技が開始されて最初に(B)ブロック(図21参照)の遊技が行われた後に、(C)ブロックの遊技が3回以上行われる。この場合には、クルーン抽せんにはずれた場合に払い出される賞球の約4倍以上の賞球が払い出されることとなる。いずれの場合にも、大当たり遊技における電チュー及び非電動役物17の連動態様が多様になるので、パチンコ機1は、大当たり遊技に対する遊技者の興味を向上させることができる。
第二〜第四普通当たり確率が100%未満であってもよい。すなわち、第二〜第四普通当たり判定によってはずれの判定結果が導出されてもよい。また、第一普通当たり確率が100%であってもよい。
1回の第一普通当たり遊技において、クルーン33に進入する遊技球が2個以上であってもよい。すなわち、複数の遊技球を用いてクルーン抽せんが行われてもよい。
遊技球が第一ゲート11又は第二ゲート12を通過することに起因して、第一普通当たり判定が行われることなく第一普通当たり遊技が行われてもよい。すなわち、パチンコ機1において、図10のS55で第一普通当たり判定が行われなくてもよい。遊技球が第一電チュー13へ入賞することに起因して、第二普通当たり判定が行われることなく第二普通当たり遊技が行われてもよい。すなわち、図12のS125で第二普通当たり判定が行われなくてもよい。遊技球が第二電チュー14又は第四電チュー16へ入賞することに起因して、第三普通当たり判定が行われることなく、第三普通当たり遊技が行われてもよい。すなわち、図14のS193で第三普通当たり判定が行われなくてもよい。遊技球が非電動役物17へ入賞することに起因して、第四普通当たり判定が行われることなく第四普通当たり遊技が行われてもよい。すなわち、図16のS275で第四普通当たり判定が行われなくてもよい。
非電動役物17とは別に、クルーン抽せんにはずれた場合にクルーン33のはずれ穴33Bを通過することを条件として開放する第二種非電動役物が設けられてもよい。この場合、この第二種非電動役物が、第三普通図柄の作動口として機能してもよい。この場合、クルーン抽せんにおいて遊技球が当たり穴33Aを通過した場合には第二普通当たり遊技及び一連の第三普通当たり遊技が最大第二保留球数と同じ回数繰り返して行われる。一方、クルーン抽せんにおいて遊技球がはずれ穴33Bを通過した場合には一連の第三普通当たり遊技が1回行われるのみであり、第二普通当たり遊技が行われない。すなわち、クルーン抽せんに当せんした場合に払い出される賞球数は、クルーン抽せんにはずれた場合に払い出される賞球数よりも多くなる。このように、パチンコ機1は、クルーン抽せんにはずれた場合にも開放する第二種非電動役物を設けつつ、クルーン抽せんに当せんした場合をはずれた場合よりも遊技者にとって有利にすることで、大当たり遊技をより多様化できる。なお、この場合の第二種非電動役物が、第二種非電動役物への遊技球の入賞に起因して、第三普通当たり判定を行うことなく第三普通当たり遊技を行ってもよい。
第一ゲート11は、左打ちされた遊技球が通過可能な位置に配置されていればよい。したがって、例えば、第一ゲート11がセンター飾り8の下方等に配置されていてもよい。
請求項、明細書及び図面に記載される全ての要素(例えば、通過口、第一作動入賞口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「第一作動入賞口」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。