JP2021015932A - 封止樹脂組成物およびモールドコイル - Google Patents

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Abstract

【課題】放熱性が良好な封止樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明の封止樹脂組成物は、コイルを封止するために用いられるものであって、熱硬化性樹脂(A)と、無機充填材(B)と、を含み、以下の手順により算出される熱伝導率が、2W/mK以上、50W/mK以下である、封止樹脂組成物。手順:金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で当該封止樹脂組成物の成形体(1.0×1.0mm、厚さ1.0mm)を作製し、175℃、2時間で後硬化し、試験片を得る。得られた試験片を用いて、レーザーフラッシュ法で熱拡散率を測定し、さらに、比重および比熱を測定し、得られた各測定値から、当該試験片の厚さ方向の熱伝導率を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、封止樹脂組成物およびモールドコイルに関する。
従来、各種の電気・電子製品の部品として、磁性コア/外装部材を備えるコイル(応用分野によっては「リアクトル」、「インダクタ」などとも呼ばれる)が知られている。これらは、構成部品の保護等を目的として、樹脂組成物により封止されている。
コイルの製造方法として、従来、コイルをケース内にセットし、軟磁性粉末を含有した封止樹脂をケース内に充填してコイルを封止しコイルコアを形成する、いわゆるポッティング法が知られている。このようなケース入りのリアクトルコイルとして、例えば、特許文献1に記載のものがある。特許文献1には、コイルが埋設される軟磁性樹脂成形コアとそれを囲覆するケースとの間に弾性変形性に優れた熱膨脹差吸収層を介設させたリアクトルコイルが開示されている。
特開2007−27185号公報
本発明者は、従来のポッティング法に替え、トランスファー成形を採用することにより、封止樹脂組成物中の無機充填材を高充填化することが可能であり、これにより機械的強度や磁気特性を高められることに着目した。
一方、リアクトルは、電磁エネルギ変換に伴い、リアクトルコアが発熱し、これによりリアクトルを利用する昇圧コンバータでの電圧変換効率が低下する等の問題が生じる。そのため、リアクトルコイルにおいて発生した熱をより効果的に放熱させる技術が求められている。
そこで、本発明者は、トランスファー成形用のコイル封止用の樹脂組成物に着目し、鋭意検討を行った結果、熱硬化性樹脂と無機充填材を含む封止樹脂組成物であっても、コイルに求められる放熱性を実現できるものと、そうでないものとがあることを知見した。そして、両者を区別する観点から検討を重ねた結果、所定の熱伝導率を指標とし、これを制御することが有効であることを知見した。
本発明によれば、コイルを封止するために用いられる封止樹脂組成物であって、
熱硬化性樹脂(A)と、
無機充填材(B)と、を含み、
以下の手順により算出される熱伝導率が、2W/mK以上、50W/mK以下である、封止樹脂組成物が提供される。
手順:金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で当該封止樹脂組成物の成形体(1.0×1.0mm、厚さ1.0mm)を作製し、175℃、2時間で後硬化し、試験片を得る。得られた試験片を用いて、レーザーフラッシュ法で熱拡散率を測定し、さらに、比重および比熱を測定し、得られた各測定値から、当該試験片の厚さ方向の熱伝導率を算出する。
また本発明によれば、上記封止樹脂組成物により、前記コイルが封止されてなる、モールドコイルが提供される。
本発明によれば、優れた放熱性が得られる封止樹脂組成物が提供できる。
本実施形態に係る構造体の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。なお、「〜」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。
本実施形態の封止樹脂組成物は、コイルを封止するために用いられるものであって、なかでも効果的に良好な放熱性が得られる観点からリアクトルコイルに好適に用いられる。本実施形態の封止樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂(A)と、無機充填材(B)と、を含む。以下、本実施形態の封止樹脂組成物の各成分について詳述する。
[熱硬化性樹脂(A)]
熱硬化性樹脂(A)としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シアネートエステル樹脂、シリコーン樹脂、オキセタン樹脂(オキセタン化合物)、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱硬化性樹脂(A)としては、具体的な一例としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂等のフェノール樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂;ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;ビスマレイミド化合物等のマレイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ジアリルフタレート樹脂;シリコーン系樹脂;ベンゾオキサジン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ベンゾシクロブテン樹脂、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のシアネート樹脂等のシアネートエステル樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂(A)では、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用してもよい。熱硬化性樹脂は、室温25℃において半硬化(固形)状のものを使用してもよい。
熱硬化性樹脂(A)は、機械的特性を良好にし、安定的な放熱性を得る観点から、例えば、エポキシ樹脂を含むことができる。上記エポキシ樹脂は、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂を含むことができる。上記エポキシ樹脂として、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、およびテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂からなる群より選択される1種以上の固形のエポキシ樹脂を用いることができる。なかでも、ノボラック型フェノール樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂の中から選ばれる2種以上を併用することが好ましい。これにより、放熱性に優れ、耐熱性が高く、成形に適した樹脂組成物が得られる。
本実施形態の熱硬化性樹脂(A)の含有量は、封止樹脂組成物の固形分全体100質量%に対して、好ましくは0.5質量%〜20質量%であり、より好ましくは1質量%〜15質量%である。このような数値範囲とすることにより、成形性および機械的特性を向上させることができる。また、熱硬化性樹脂(A)の含有量を、上記下限値以上とすることにより、良好な成形性を保持しつつ放熱性を保持でき、一方、上記上限値以下とすることにより、放熱性がより向上できる。
本実施形態において、「樹脂組成物の固形分」とは、封止樹脂組成物中における不揮発分を指し、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。封止樹脂組成物全体に対する含有量とは、溶媒を含む場合には、封止樹脂組成物のうちの溶媒を除く固形分全体に対する含有量を指す。
[無機充填材(B)]
無機充填材(B)は後述の磁性体粒子と区別され、非磁性体である。
無機充填材(B)としては、例えば、シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、クレイ、マイカ、ロックウール、ウォラストナイト、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスファイバー、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミ、カーボンブラック、グラファイト、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、セルロース、アラミド、または木材等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、良好な放熱性を得る点から、シリカおよびアルミナを含むことが好ましい。
上記のシリカとしては、結晶性シリカ(破砕状の結晶性シリカ)、溶融シリカ(破砕状のアモルファスシリカ、球状のアモルファスシリカ)、および液状封止シリカ(液状封止用の球状のアモルファスシリカ)が挙げられる。なかでも、放熱性を良好にできる観点から、少なくとも結晶性シリカを含むことが好ましい。
無機充填材(B)の平均粒径は、好ましくは1〜60μmであり、より好ましくは10〜50μmであり、さらに好ましくは15〜35μmである。
無機充填材(B)の平均粒径を、上記下限値以上とすることにより、機械的強度を得つつ、放熱性が良好になり、一方、上記上限値以下とすることにより、均等な放熱性が安定的に得られる。
また、無機充填材(B)は、体積基準粒度分布が、1〜60μmの体積基準粒径の範囲に2つ以上の粒径ピークを有することが好ましい。すなわち、平均粒径が異なる2種以上の無機充填材を含むことが好ましい。これにより、封止樹脂組成物の充填性を向上し、低温・低圧封止をより効果的に向上させることが可能となる。
なお、無機充填材(B)の平均粒径、体積基準粒度分布は、市販のレーザー式粒度分布計(たとえば、株式会社島津製作所製、SALD−7000)で測定することができる。
無機充填材(B)の含有量は、とくに限定されないが、たとえば封止樹脂組成物全体に対して、40質量%以上99質量%以下であることが好ましく、60質量%以上98質量%以下であることがより好ましく、80質量%以上95質量%以下であることがさらに好ましい。
無機充填材(B)の含有量を上記下限値以上とすることにより、封止樹脂組成物により封止されたコイルの機械特性を効果的に向上させつつ、良好な放熱性を得ることができる。また、無機充填材(B)の含有量を上記上限値以下とすることにより、封止樹脂組成物の流動性を良好なものとし、成形性を向上させることができる。
[硬化剤(C)]
本実施形態の封止樹脂組成物は、熱硬化性樹脂(A)の硬化剤(C)を含むことができる。硬化剤(C)は、室温25℃において半硬化(固形)状のものを使用してもよい。
熱硬化性樹脂(A)がノボラック型フェノール樹脂等のフェノール樹脂を含む場合、硬化剤(C)としては例えばヘキサメチレンテトラミン等を用いることができる。
また、熱硬化性樹脂(A)がエポキシ樹脂を含む場合、硬化剤(C)として、例えば脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、芳香族ジアミン、ジシアミンジアミドのようなアミン化合物、脂環族酸無水物、芳香族酸無水物のような酸無水物、ノボラック型フェノール樹脂のようなポリフェノール化合物(フェノール系硬化剤)、イミダゾール化合物等を用いることができる。また、熱硬化性樹脂(A)がマレイミド樹脂を含む場合、硬化剤(C)としては例えばイミダゾール化合物を用いることができる。
なかでも、効果的に放熱性を高める点から、熱硬化性樹脂(A)がエポキシ樹脂を含み、硬化剤(C)がノボラック型フェノール樹脂のようなポリフェノール化合物(フェノール系硬化剤)を含むことが好ましい。
これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の硬化剤(C)の含有量は、封止樹脂組成物の固形分全体100体積%に対して、例えば、0.01質量%〜20質量%であり、好ましくは0.05質量%〜15質量%である。このような数値範囲とすることにより、コイルに求められる放熱性を保持しつつ、成形性および機械的特性を向上させることができる。
本実施形態の封止樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含むことができる。これにより、封止樹脂組成物の成形性をより高めることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂(例えばナイロン等)、熱可塑性ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリカーボネート、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂では、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用してもよい。
本実施形態の封止樹脂組成物は、上記以外に、以下の成分を含んでもよい。
本実施形態の封止樹脂組成物は、硬化促進剤(D)を含むことができる。これにより、封止樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。
硬化促進剤(D)としては、例えば、熱硬化性樹脂(A)の架橋反応を促進させるものであればよく、例えば有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類(イミダゾール系硬化促進剤);1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、ベンジルジメチルアミン等が例示されるアミジンや3級アミン、前記アミジンやアミンの4級塩等の窒素原子含有化合物から選択される1種類または2種類以上を含むことができる。
なかでも、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類(イミダゾール系硬化促進剤)であることが好ましい。
硬化促進剤(D)の含有量は、例えば、封止樹脂組成物の固形分全体100質量%に対して、0.01質量%〜1質量%であり、好ましくは0.05質量%〜0.8質量%である。このような数値範囲とすることにより、硬化性を向上させることができる。
本実施形態の封止樹脂組成物は、カップリング剤(E)を含むことができる。これにより、封止樹脂組成物の流動性を高めることができる。
カップリング剤(E)としては、例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニア系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。
本実施形態の封止樹脂組成物は、離型剤を含むことができる。これにより、成形時の封止樹脂組成物の離型性を高めることができる。
上記離型剤としては、例えばカルナバワックス等の天然ワックス、モンタン酸エステルワックスや酸化ポリエチレンワックス等の合成ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸およびその金属塩類、ならびにパラフィン等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記離型剤の含有量は、例えば、封止樹脂組成物の固形分全体100質量%に対して、0.01質量%〜3質量%であり、好ましくは0.05質量%〜2質量%である。これにより、成形時における離型性を向上させることができる。
本実施形態の封止樹脂組成物は、低応力剤を含むことができる。これにより、封止樹脂組成物の硬化物におけるクラックや割れなどの発生を抑制し、脆弱性を改善することができる。
上記低応力剤としては、ポリブタジエン化合物、アクリロニトリルブタジエン共重合化合物、シリコーンオイル、シリコーンゴム等のシリコーン化合物が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の封止樹脂組成物は、磁性体粒子を含むことができる。
磁性体粒子は、全体として上記の分布等を満たす限りにおいて、任意のもの、公知のものを用いることができる。具体的には、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、銀およびマンガンからなる群より選択される1種以上の元素を含む磁性体粒子を挙げることができる。このような磁性体粒子を選択することで、磁気特性を一層高めることができる。
磁性体粒子は、結晶材料であってもよく、アモルファス材料であってもよく、これらが混在した材料であってもよい。また、磁性体粒子としては、1種の化学組成からなるものを用いてもよいし、異なる化学組成のものを2種以上併用してもよい。
磁性体粒子としては、鉄基粒子を含むものが好ましい。なお、鉄基粒子とは、鉄原子を主成分とする(化学組成において鉄原子の含有質量が一番多い)粒子のことを言い、より具体的には化学組成において鉄原子の含有質量が一番多い鉄合金のことをいう。
鉄基粒子としてより具体的には、軟磁性を示し、鉄原子の含有率が85質量%以上である粒子(軟磁性鉄高含有粒子)を用いることができる。なお、軟磁性とは、保磁力が小さい強磁性のことを指し、一般的には、保磁力が800A/m以下である強磁性のことを軟磁性という。
このような粒子の構成材料としては、構成元素としての鉄の含有率が85質量%以上である金属含有材料が挙げられる。このように構成元素としての鉄の含有率が高い金属材料は、透磁率や磁束密度等の磁気特性が比較的良好な軟磁性を示す。このため、例えばコイルの磁性コアや外装部材等に成形されたとき、良好な磁気特性を示し得る樹脂組成物が得られる。
上記の金属含有材料の形態としては、例えば、単体の他、固溶体、共晶、金属間化合物のような合金等が挙げられる。このような金属材料で構成された粒子を用いることにより、鉄に由来する優れた磁気特性、すなわち、高透磁率や高磁束密度等の磁気特性を有する樹脂組成物を得ることができる。
また、上記の金属含有材料は、構成元素として鉄以外の元素を含んでいてもよい。鉄以外の元素としては、例えば、B、C、N、O、Al、Si、P、S、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Sn等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いられる。
上記の金属含有材料の具体例としては、例えば、純鉄、ケイ素鋼、鉄−コバルト合金、鉄−ニッケル合金、鉄−クロム合金、鉄−アルミニウム合金、カルボニル鉄、ステンレス鋼、またはこれらのうちの1種もしくは2種以上を含む複合材料等が挙げられる。入手性などの観点からカルボニル鉄を好ましく用いることができる。
上記では鉄基粒子を中心に説明したが、もちろん、磁性体粒子(D)はそれ以外の粒子であってもよい。例えば、Ni基軟磁性粒子、Co基軟磁性粒子等を含む磁性体粒子(D)であってもよい。
また、磁性体粒子は、表面処理が施されていてもよい。例えば、表面をカップリング剤で処理したり、プラズマ処理したりすることが挙げられる。
磁性体粒子は、別観点として、真円(真球)に近い形状であることが好ましい。これにより、粒子同士の摩擦が少なくなり、流動性を一層高めることができると考えられる。
具体的には、以下で定義される「真円度」を、磁性体粒子の任意の10個以上(好ましくは50個以上)について求め、その値を平均することで求められる平均真円度が0.60以上であることが好ましく、0.75以上であることがより好ましい。
真円度の定義:磁性体粒子の輪郭を走査型電子顕微鏡で観察したときの、当該輪郭から求められる等面積円相当径をReq、当該輪郭に外接する円の半径をRcとしたときの、Req/Rcの値。
(その他の成分)
本実施形態の封止樹脂組成物は、上述した成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、例えば、密着助剤、着色剤、酸化防止剤、耐食剤、染料、顔料、難燃剤等が挙げられる。
本実施形態の封止樹脂組成物は、室温25℃において固形とすることができ、粉末状、顆粒状またはタブレット状等の所定の形状を有することができる。
次に、本実施形態の封止樹脂組成物の特性について説明する。
本実施形態の熱硬化性樹脂(A)と、無機充填材(B)と、を含み、以下の手順により算出される熱伝導率が、2W/mK以上、50W/mK以下である。
手順:金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で当該封止樹脂組成物の成形体(1.0×1.0mm、厚さ1.0mm)を作製し、175℃、2時間で後硬化し、試験片を得る。得られた試験片を用いて、レーザーフラッシュ法で熱拡散率を測定し、さらに、比重および比熱を測定し、得られた各測定値から、当該試験片の厚さ方向の熱伝導率を算出する。
すなわち、所定の条件で測定され、算出された熱伝導率を2W/mK以上、50W/mK以下の範囲内に制御することによって、コイルの用途に適した放熱性が得られる。当該熱伝導率は、好ましくは2.1W/mK以上、より好ましくは5W/mK以上である。一方、当該熱伝導率は、好ましくは40W/mK以下、より好ましくは30W/mK以下、さらに好ましくは20W/mK以下、ことさら好ましくは10W/mK以下である。
当該熱伝導率を、上記下限値以上とすることにより、上記下限値以上とすることにより、放熱性が良好になる。一方、当該熱伝導率を、上記上限値以下とすることにより、生産安定性が良好になる。
本実施形態において、当該熱伝導率は、材料の選択、または製法上の工夫を施すことにより、実現することができる。例えば、後述する熱硬化性樹脂(A)の種類に応じて硬化剤(C)を選択したり、無機充填材(B)の種類の選択、含有量の調整、無機充填材(B)として平均粒子径が互いに異なる2種以上の粒子を用いること、または、後述する封止樹脂組成物の製造時の混練条件を制御することなどが挙げられる。より詳細には、例えば、無機充填材(B)の含有量を高くしつつ熱硬化性樹脂(A)の含有量を低くすることで、当該熱伝導率を高めることができる。
ただし、本実施形態の封止樹脂組成物は、かかる材料や製造方法に限定されるものではない。
本実施形態の封止樹脂組成物を175℃、2分の条件で硬化させたときの硬化物の、室温25℃における曲げ強度が、70MPa以上300MPa以下であり、好ましくは90MPa以上250MPa以下であり、より好ましくは100MPa以上200MPa以下である。室温25℃における曲げ強度を上記下限値以上とすることにより、機械的強度を向上させることができる。
本実施形態の封止樹脂組成物を175℃、2分の条件で硬化させたときの硬化物の、室温25℃における曲げ弾性率が、5GPa以上80GPa以下であり、好ましくは12GPa以上60GPa以下であり、より好ましくは15GPa以上50GPa以下である。室温25℃における曲げ弾性率を上記下限値以上とすることにより、機械的強度を向上させることができる。
本実施形態の樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が、例えば、120℃以上300℃以下であり、好ましくは130℃以上280℃以下であり、より好ましくは150℃以上220℃以下である。ガラス転移温度を上記下限値以上とすることにより、耐熱性を向上しつつ、良好な放熱性が保持される。
本実施形態の樹脂組成物の硬化物の、室温25℃から70℃の範囲における平均線膨張係数αが、例えば、30ppm/℃以下であり、好ましくは28ppm/℃以下であり、より好ましくは25ppm/℃以下である。これにより、室温近傍の環境下における寸法安定性を向上させ、良好な放熱性が保持される。なお、室温25℃から70℃の範囲における平均線膨張係数αの下限値は、特に限定されないが1ppm/℃以上としてもよい。
本実施形態の樹脂組成物の硬化物の、270℃から290℃の範囲における平均線膨張係数αが、例えば、20ppm/℃以上80ppm/℃以下であり、好ましくは22ppm/℃以上75ppm/℃以下であり、より好ましくは25ppm/℃以上68ppm/℃以下である。平均線膨張係数αを上記上限値以下とすることにより、高温環境下における寸法安定性を向上させ、良好な放熱性が保持される。
本実施形態では、例えば封止樹脂組成物中に含まれる各成分の種類や配合量、封止樹脂組成物の調製方法等を適切に選択することにより、上記特性を制御することが可能である。これらの中でも、例えば、無機充填材(B)として平均粒子径が互いに異なる2種の粒子を用いることや、無機充填材(B)を表面処理すること、硬化促進剤の含有量を適切に選択すること等が、上記特性を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
次に本実施形態の封止樹脂組成物の製造方法について説明する。
本実施形態の封止樹脂組成物の製造方法は、上述の熱硬化性樹脂(A)および無機充填材(B)などの原料成分を公知の方法により混合する工程を含むことができる。例えば、熱硬化性樹脂(A)および無機充填材(B)および、必要に応じてその他の添加物を、ミキサーを用いて混合した後、ロールを用いて、例えば120℃、5分混練することにより混練物を得る。得られた混練物を冷却後粉砕することにより、粉末状の封止樹脂組成物(成形材料)を得ることができる。なお、その後、必要に応じて粉末状の封止樹脂組成物を打錠し、顆粒状、タブレット状に圧粉してもよい。これにより、トランスファー成形に適する封止樹脂組成物が得られる。また、封止樹脂組成物を室温25℃で固形とすることにより、搬送性や保管性を高めることが可能である。
このような封止樹脂組成物は、例えばトランスファー成形法、射出成形法、押出成形法、プレス成形法等の各種成形法により成形される。これにより、熱硬化性樹脂(A)が溶融するとともに流動し、目的とする形状に成形される。この中でも、本実施形態の封止樹脂組成物は、トランスファー成形に好適に用いることができる。
その後、得られた封止樹脂組成物(A)を硬化することにより、成形体(硬化物)が得られる。このような成形体は、リアクトル等のインダクタ中のコイルを封止する外装部材に使用することができる。
本実施形態の封止樹脂組成物の硬化物で構成された外装部材を備える構造体(インダクタ)の概要について図1を用いて説明する。
図1(a)は、構造体100の上面からみた構造体の概要を示す。図1(b)は、図1(a)におけるA−A'断面視における断面図を示す。
本実施形態の構造体100は、図1に示すように、コイル10および磁性コア20を備えることができる。磁性コア20は、空芯コイルであるコイル10の内部に充填されている。図1(a)に示す一対のコイル10は、並列した状態で連結されている。この場合、環状の磁性コア20は、図1(b)に示す1対のコイル10の内部を貫通する構造を有する。これらの磁性コア20とコイル10とは、それぞれ個別に作成し、組み合わせた組合せ構造を有することができる。
なお、上記構造体100は、コイル10と磁性コア20との間に、これらの絶縁を確保する観点から、不図示のインシュレータを介在させた構造としてもよい。
本実施形態の構造体100において、コイル10および磁性コア20は、外装部材30(封止部材)で封止されている。例えば、コイル10に充填された磁性コア20を金型に配置し、本実施形態の封止樹脂組成物を用いて、トランスファー成形等の金型成形することにより、当該封止樹脂組成物を硬化させて、コイル10および磁性コア20の周囲に外装部材30を形成することができる。このときコイル10は、巻線の端部を外装部材30の外部に引き出した不図示の引き出し部を有してもよい。
コイル10は、通常、金属線の表面に絶縁被覆を施した巻線を巻回した構造により構成される。金属線は、導電性の高いものが好ましく、銅、銅合金が好適に利用できる。また、絶縁被覆は、エナメルなどの被覆が利用できる。巻線の断面形状は、円形や矩形、六角形などが挙げられる。
一方、磁性コア20の断面形状は、特に限定されないが、例えば、断面視において、円形形状や、四角形や六角形などの多角形状とすることができる。磁性コア20は、例えば、磁性粉とバインダーとで構成された圧粉鉄芯を用いることができる。
本実施形態の封止樹脂組成物の硬化物によれば、成形性および高透磁率などの磁気特性に優れた外装部材30を実現できるため、磁性コア20を備えるリアクトル等の構造体100においては、低磁気損失が期待される。また、機械的特性に優れた外装部材30を実現できるため、構造体100の耐久性や信頼性、製造安定性を高めることが可能である。このため、本実施形態の構造体100は、昇圧回路用や大電流用のリアクトルに用いることができる。
以上、実施形態に基づいて本発明を具体的に説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
<封止樹脂組成物の調製>
[実施例1〜6、比較例1,2]
各実施例・比較例のそれぞれについて、次のようにして封止樹脂組成物を調製した。まず、表1に示す原料成分およびその配合比率に従い、各原料成分をミキサーにより混合した。次いで、得られた混合物をロール混練した後、冷却、粉砕して、打錠成形することでタブレット状の封止樹脂組成物を得た。
[原料成分]
熱硬化性樹脂(A)
・エポキシ樹脂1:YDCN−800−55(新日鉄住金化学社製)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
・エポキシ樹脂2:エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、E1032H60、室温25℃で固形)
・エポキシ樹脂3:エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、YL6810、室温25℃で固形)
無機充填材(B)
・無機充填材1:溶融球状シリカ(電気化学工業社製、FB−950FC、d50:22μm)
・無機充填材2:結晶シリカ(ヒューズレックスRD120、龍森社製、平均粒径33μm)
・無機充填材3:球状アルミナ(昭和電工株式会社製AS20、平均粒径21μm)
硬化剤(C)
・硬化剤:PR−HF−3(住友ベークライト社製)、フェノールノボラック樹脂
硬化促進剤(D)
・硬化促進剤1:イミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業株式会社製、キュアゾール2PZ−PW)
・硬化促進剤2:イミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業株式会社製、キュアゾール2P4MZ)
カップリング剤(E)
・カップリング剤:フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、CF4083)
その他
・着色剤:カーボンブラック(三菱化学社製、カーボン#5)
・離型剤1:合成ワックス(クラリアントケミカルズ株式会社製、エステルワックスWE−4)
・離型剤2:カルナバワックス(日興ファイン社製、ニッコウカルナバ)
・イオン捕捉剤:ハイドロタルサイト(協和化学社製、DHT−4H)
・低応力剤:アクリロニトリルブタジエン共重合体化合物(PTIジャパン社製、CTBN1008SP)
<封止樹脂組成物の評価>
上記実施例・比較例で得られた封止樹脂組成物について、以下の評価項目に基づいて評価を行った。評価結果を表1に示す。
(放熱性)
得られた封止樹脂組成物を低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製「KTS−30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒間で注入成形し、幅10mm、厚み4mm、長さ80mmの成形品を得た。次いで、得られた成形品を金型内で175℃、4時間で後硬化して試験片を作製した。
その後、試験片を金型から取り出し、室温にて、1分間放置したあと、当該試験片の表面温度を測定し、以下の基準に従い評価した。
◎:表面温度が、90℃以下
〇:表面温度が、90℃超、100℃以下
×:表面温度が、100℃超
(曲げ強度(25℃))
得られた封止樹脂組成物を低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製「KTS−30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒間で注入成形し、幅10mm、厚み4mm、長さ80mmの成形品を得た。次いで、得られた成形品を175℃、4時間で後硬化して試験片を作製した。次に得られた試験片の25℃における曲げ強度(MPa)をJIS K 6911に準拠して測定した。
(曲げ弾性率(25℃))
得られた封止樹脂組成物を低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製「KTS−30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒間で注入成形し、幅10mm、厚み4mm、長さ80mmの成形品を得た。次いで、得られた成形品を175℃、4時間で後硬化して試験片を作製した。そして得られた試験片の25℃における曲げ弾性率(GPa)をJIS K 6911に準拠して測定した。
(ガラス転移温度(Tg)、平均線膨張係数α(25−70℃)、平均線膨張係数α(270−290℃))
得られた樹脂組成物を低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製「KTS−30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒間で注入成形し、15mm×4mm×4mmの成形品を得た。次いで、得られた成形品を175℃、4時間で後硬化して試験片を作製した。そして、得られた試験片に対して、熱機械分析装置(セイコーインスツル社製、TMA100)を用いて、測定温度範囲0℃〜400℃、昇温速度5℃/分の条件下で、ガラス転移温度(℃)、25−70℃における平均線膨張係数α(ppm/℃)、270−290℃における平均線膨張係数α(ppm/℃)を測定した。
(熱伝導率)
得られた封止樹脂組成物を低圧トランスファー成形機(コータキ精機株式会社製「KTS−30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒間で注入成形し、幅1mm、厚み1mm、長さ1mmの成形体を得た。次いで、得られた成形体を175℃、2時間で後硬化し、試験片を得た。得られた試験片について、レーザーフラッシュ法(NETZSCH製のキセノンフラッシュアナライザーLFA447)を用いて熱拡散率を測定した。また、アルファーミラージュ株式会社製の電子比重計SD?200Lを用いて、熱伝導率測定に用いた試験片の比重を測定し、更に、株式会社リガク製の示差走査熱量計DSC8230を用いて、熱伝導率及び比重測定に用いた試験片の比熱を測定した。測定した熱拡散率、比重及び比熱の各測定値から、当該試験片の厚さ方向の熱伝導率を算出した。
Figure 2021015932
100 構造体
10 コイル
20 磁性コア
30 外装部材

Claims (9)

  1. コイルを封止するために用いられる封止樹脂組成物であって、
    熱硬化性樹脂(A)と、
    無機充填材(B)と、を含み、
    以下の手順により算出される熱伝導率が、2W/mK以上、50W/mK以下である、封止樹脂組成物。
    手順:金型温度175℃、注入圧力6.9MPa、硬化時間120秒の条件で当該封止樹脂組成物の成形体(1.0×1.0mm、厚さ1.0mm)を作製し、175℃、2時間で後硬化し、試験片を得る。得られた試験片を用いて、レーザーフラッシュ法で熱拡散率を測定し、さらに、比重および比熱を測定し、得られた各測定値から、当該試験片の厚さ方向の熱伝導率を算出する。
  2. 前記封止樹脂組成物を175℃、2分の条件で硬化させたときの硬化物の、室温25℃における曲げ強度が、70MPa以上300MPa以下である、請求項1に記載の封止樹脂組成物。
  3. 前記封止樹脂組成物を175℃、2分の条件で硬化させたときの硬化物の、室温25℃における曲げ弾性率が、5GPa以上80GPa以下である、請求項1または2に記載の封止樹脂組成物。
  4. 熱硬化性樹脂(A)が、エポキシ樹脂を含む、請求項1乃至3いずれか一項に記載の封止樹脂組成物。
  5. 無機充填材(B)が、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク及びマイカの中から選ばれる1種または2種以上を含む、請求項1乃至4いずれか一項に記載の封止樹脂組成物。
  6. 無機充填材(B)の含有量が、前記封止樹脂組成物全体に対して60質量%以上、95質量%以下である、請求項1乃至5いずれか一項に記載の封止樹脂組成物。
  7. 硬化剤(C)を含む、請求項1乃至6いずれか一項に記載の封止樹脂組成物。
  8. リアクトルコイルを封止するために用いられる、請求項1乃至7いずれか一項に記載の封止樹脂組成物。
  9. 請求項1乃至8いずれか一項に記載の封止樹脂組成物により、前記コイルが封止されてなる、モールドコイル。
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