JP2021015464A - 機器診断装置、機器診断システム及び機器診断方法 - Google Patents
機器診断装置、機器診断システム及び機器診断方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】稼動環境や稼動状態が変化する機器を構成する各装置の状態を、高信頼度で診断する。【解決手段】本発明の一態様は、移動する機器を構成する装置と診断項目ごとに診断条件を定めた診断ルールと、診断ルールに定義された装置と診断項目に対応した、機器の装置を診断するための診断モデルと、指定された装置と診断項目に対応する診断ルールを取得する診断ルール取得部と、読み出された診断ルールに定義された装置と診断項目に対応する診断モデルを取得する診断モデル取得部と、診断ルールに従って機器の稼動データを診断モデルに適用し、指定された装置の診断項目について診断する診断部と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、機器診断装置、機器診断システム及び機器診断方法に関する。
従来、運転中の機器(例えば車両)から取得した様々なセンサ値(稼動データ)を診断することによって、機器の故障を予測し、本格的な故障を未然に防ぐ技術が一般的に普及している。時系列データを扱う当該技術においては、稼動データから特有の時系列パターンを抽出して異常を判断する方法が用いられる。
異常判定のための基準値は、機器の稼動状態により様々であるため、各稼動状態に対応した基準値の設定が必要となる。そこで、特許文献1に記載の車両用基準値生成装置は、車両の運転シーン(自動車の加速、減速などの稼動状態)ごとに分類した稼動データの時系列パターンの特徴から、対象装置の異常を判別するための基準値を生成する。運転シーンごとに機器状態を診断する特徴量を算出して診断を行うことで、各々の運転シーンにおいて機器の異常が判断できるようになり、結果として機器診断の精度を向上させている。
特許文献1に記載の車両用基準値生成装置は、各運転シーンの時系列パターンの特徴に基づいて、各運転シーンに対応した稼動データを抽出し分類した上で、各運転シーンにおける異常判定のための基準値を予め算出しておき、その基準値を用いて、各運転シーンにおける車両の稼動データから車両状態の正常/異常を判定できるようしている。したがって、車両の一部の装置(又は部品、機能)に不具合が発生していたとしても、その装置を特定することが困難である。
また、診断を実施する対象装置(ブレーキ装置や動力装置など)によって、診断に用いるセンサデータやその特徴量(センサデータの変化パターン)などが異なる。しかし、特許文献1には、診断対象の装置やその診断内容に応じてセンサデータやその変化パターンを抽出することは開示されていない。特に、車両を対象とした診断においては、走行中に取得されるセンサデータが、運転環境(路面や天候などの機器の稼動環境)、運転状態(加速、減速などの機器の稼動状態)、ブレーキ装置やアクセル装置などの制御状態により時系列に変化する。したがって、診断を実施する対象装置に応じたセンサデータの選定や、その時系列変化を考慮することが、正しい診断結果を得るために必要である。
上記の状況から、稼動環境や稼動状態が変化する機器を構成する各装置の状態を高信頼度で診断する手法が望まれている。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の機器診断装置は、移動する機器を構成する装置と診断項目ごとに診断条件を定めた診断ルールを記憶する診断ルール記憶部と、診断ルールに定義された装置と診断項目に対応した、機器の装置を診断するための診断モデルを記憶する診断モデル記憶部と、機器の稼動データを記憶する稼動データ記憶部と、を備える。さらに、機器診断装置は、指定された装置と診断項目に対応する診断ルールを、上記診断ルール記憶部から読み出す診断ルール取得部と、読み出された診断ルールに定義された装置と診断項目に対応する診断モデルを、上記診断モデル記憶部から読み出す診断モデル取得部と、上記稼動データ記憶部から診断ルールに従って読み出された稼動データを診断モデルに適用し、指定された装置の診断項目について診断する診断部と、を備える。
本発明の少なくとも一態様によれば、稼動環境や稼動状況が時々刻々と変化する機器を構成する各装置の状態を、高信頼度で診断できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)の例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び添付図面において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<1.第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態に係る機器診断システムについて説明する。
本実施形態において、具体的には、道路上を走行する自動車を構成する各装置(制動系、動力系、操舵系、冷却系、・・・)が正常であるか否かを診断する例を説明する。なお、本発明は、自動車以外の車両、例えば、自動二輪車、大型バス、鉄道車両、及び航空機等にも適用可能である。さらに本発明は、人間等が搭乗しない機器にも適用可能である。本実施形態において“車両”と言う語は、“移動する機器”を意味する。以下、本明細書で使用する主な語句について説明する。
まず、本発明の第1の実施形態に係る機器診断システムについて説明する。
本実施形態において、具体的には、道路上を走行する自動車を構成する各装置(制動系、動力系、操舵系、冷却系、・・・)が正常であるか否かを診断する例を説明する。なお、本発明は、自動車以外の車両、例えば、自動二輪車、大型バス、鉄道車両、及び航空機等にも適用可能である。さらに本発明は、人間等が搭乗しない機器にも適用可能である。本実施形態において“車両”と言う語は、“移動する機器”を意味する。以下、本明細書で使用する主な語句について説明する。
稼動データとは、運転中の車両から取得され得る、車両の各装置についての任意の物理量である。多くの場合、稼動データは、車載のセンサが取得するセンサ値(測定値)である。センサが取得した一次的なデータの他に、一次的なデータを加工、演算した結果算出される二次データも稼動データに含まれる。稼動データの例として、車速、エンジン回転速度、制動時間、冷却水温度、ファン回転速度、及び冷却水流量等、多くの種類が存在する。
運転環境とは、車両の稼動環境であり、車両が走行する外部環境についての任意の物理量である。運転環境は、車載のセンサによって取得されてもよいし、車載のセンサ以外によって取得されてもよい。運転環境は、天候、道路属性、及び交通状況の3つに分けられる。天候の例としては、気温、湿度、大気圧、風向、風速、及び降水量のうちの少なくとも一つを含む。道路属性の例としては、勾配、標高、交通量、交差点数、車線数、幅員、路面状態、及び道路形状(例えばトンネル、橋梁)のうちの少なくとも一つを含む。例えば、道路属性は地図データ(図1の地図情報記憶部34)等から得られる。交通状況の例としては、混雑、渋滞、順調、速度、及び道路区間ごとの旅行時間のうちの少なくとも1つを含む。
運転状態とは、車両の稼動状態であり、発進、加速、巡航(一定の速度を維持して走行を継続している状態)、減速、及び停止などの車両の走行形態(走行モード)を意味する。運転状態は、稼動データの特定の時系列パターンに対応付けられる。例えば、速度データにおいて、速度値が0から増加する所定時間帯の運転状態を発進、所定の速度値から減少し続ける所定時間の運転状態を減速している状態とする。本実施形態において、各運転状態に対応した稼動データの時系列パターンは予め定義され、診断ルール(図1の診断ルールデータベース31)として記憶されているものとする。
本実施形態の機器診断装置が診断の対象とするデータは、稼動データである。機器診断装置は、冷却水温度、及び冷却水流量等の、複数の種類の稼動データから予め診断モデルを生成して記憶しておき、診断用として取得した稼動データと診断モデルとから、車両を構成する各装置の異常の度合いを取得する。
本実施形態が前提とする診断モデルは、稼動データに含まれる所定のセンサデータ、あるいは稼動データから抽出された特徴量から算出した主成分を軸(以下「診断軸」と記す。)とした空間における、正常ないし異常稼動時のセンサデータの分布領域ないしその代表点(例えば、重心点)である。本実施形態では、診断を実施する装置やその診断内容に対応した複数の診断モデルを備える。
すなわち、診断モデルは、複数の機器(車両2)や装置の稼動データに基づき装置ごとに生成され、所定の診断空間における正常もしくは異常、あるいはその両方の稼動状態における空間領域又はその代表点の情報を含む。したがって、複数の機器(車両2)や装置の稼動データに基づき装置ごとに生成された診断モデルを使用して、精度の高い機器診断が可能となる。
[機器診断システムの全体構成及び機器診断装置の内部構成]
図1は、第1の実施形態に係る機器診断システム10の全体構成及び機器診断装置1の内部構成の例を示すブロック図である。機器診断システム10は、機器診断装置1、車両2に搭載された端末装置3、及び稼動データ収集装置4、及び外部装置5から構成される。各装置は、インターネット等の広域のネットワーク6を介して、相互に通信可能である。
図1は、第1の実施形態に係る機器診断システム10の全体構成及び機器診断装置1の内部構成の例を示すブロック図である。機器診断システム10は、機器診断装置1、車両2に搭載された端末装置3、及び稼動データ収集装置4、及び外部装置5から構成される。各装置は、インターネット等の広域のネットワーク6を介して、相互に通信可能である。
図1に沿って、機器診断装置1の構成を説明する。
機器診断装置1は、一般的なコンピューターである。例えば機器診断装置1は、中央制御装置11、入力装置14、出力装置15、主記憶装置12、補助記憶装置13、及び、ネットワークインターフェイス16を備える。これらのブロックはバスにより接続されている。
機器診断装置1は、一般的なコンピューターである。例えば機器診断装置1は、中央制御装置11、入力装置14、出力装置15、主記憶装置12、補助記憶装置13、及び、ネットワークインターフェイス16を備える。これらのブロックはバスにより接続されている。
補助記憶装置13には、診断ルールデータベース31、診断モデルデータベース32、診断結果記憶部33、地図情報記憶部34、及び稼動データデータベース35が格納される。
また、主記憶装置12には、稼動データ取得部21、診断ルール取得部22、診断モデル取得部23、特徴量抽出部24、及び診断部25のプログラムが記憶されている。以降の説明において、“○○部は”と動作主体を記した場合、それは、中央制御装置11が補助記憶装置13から○○部のプログラムを読み出し、主記憶装置12にロードした上で○○部の機能を実現することを意味する。中央制御装置11にはCPU(Central Processing Unit)が用いられるが、MPU(Micro Processing Unit)等の他のプロセッサを用いてもよい。
入力装置14には、例えばマウスやタッチパネル等のポインティングデバイス、キーボードなどが用いられ、ユーザは入力装置14を操作し、情報や指示を入力することが可能である。入力装置14は、ユーザの操作に応じた入力信号を生成して中央制御装置11へ送信する。出力装置15は、例えば液晶ディスプレイモニタであり、GUI画面や中央制御装置11で行われた処理の結果等を表示する。
ネットワークインターフェイス16には、例えばNIC(Network Interface Card)やモデム等が用いられ、ネットワーク6を介して、稼動データ収集装置4及び外部装置5に対し各種のデータを送受信することが可能に構成されている。
機器診断装置1は、ネットワークインターフェイス16により、ネットワーク6を介して、外部装置5及び稼動データ収集装置4と通信可能である。外部装置5は、天候及び道路属性を位置情報に関連付けて記憶している。車両2は、端末装置3を搭載している。端末装置3は、車両2の各センサからセンサ値を収集し、GPS(Global Positioning System)衛星などの位置計測システムから電波を受信し、その電波に基づいて自身の位置情報(緯度及び経度)を算出することができる。稼動データ収集装置4は、無線技術を使用して端末装置3と通信可能である。
以上から明らかなように、機器診断装置1は、ネットワーク6及び稼動データ収集装置4を介して、車両2の稼動データ及び位置情報を取得することができる。さらに、機器診断装置1は、ネットワーク6及び稼動データ収集装置4を介して、車両2の運転環境を取得することができる。機器診断装置1は、車両2の位置情報に基づいて、ネットワーク6を介して外部装置5から車両2の運転環境の情報を取得することもできる。
機器診断装置1の構成について更に詳細に説明する。
診断ルールデータベース31(診断ルール記憶部の一例)には、移動する機器(本例では車両2)を構成する装置と診断項目ごとに診断条件を定めた診断ルールが記憶されている。
診断モデルデータベース32(診断モデル記憶部の一例)には、診断ルールに定義された装置と診断項目に対応した、機器の装置を診断するための診断モデルが記憶されている。
診断結果記憶部33には、診断部25による対象機器の診断結果が記憶される。
地図情報記憶部34には、地図データが記憶されている。
稼動データデータベース35(稼動データ記憶部の一例)に、機器診断装置1が機器から取得した稼動データが記憶されている。
診断ルールデータベース31(診断ルール記憶部の一例)には、移動する機器(本例では車両2)を構成する装置と診断項目ごとに診断条件を定めた診断ルールが記憶されている。
診断モデルデータベース32(診断モデル記憶部の一例)には、診断ルールに定義された装置と診断項目に対応した、機器の装置を診断するための診断モデルが記憶されている。
診断結果記憶部33には、診断部25による対象機器の診断結果が記憶される。
地図情報記憶部34には、地図データが記憶されている。
稼動データデータベース35(稼動データ記憶部の一例)に、機器診断装置1が機器から取得した稼動データが記憶されている。
稼動データ取得部21は、使用する診断ルールに基づいて、稼動データデータベース35から対象機器の稼動データを抽出し、特徴量抽出部24へ出力する。
診断ルール取得部22は、対象機器の指定された装置と診断項目に対応する診断ルールを、診断ルール記憶部から抽出し、診断モデル取得部23へ出力する。
診断モデル取得部23は、診断ルール取得部22により読み出された診断ルールに定義された装置と診断項目に対応する診断モデルを、診断モデルデータベース32から抽出し、診断部25へ出力する。
特徴量抽出部24は、稼動データの時系列パターンから特徴量を抽出し、診断部25へ出力する。
診断部25は、稼動データデータベース35から診断ルールに従って読み出された稼動データ(特徴量)を診断モデルに適用し、指定された装置の診断項目について診断する。診断部25が特徴量抽出部24を兼ねてもよいし、その他のブロックを兼ねてもよい。
診断ルール取得部22は、対象機器の指定された装置と診断項目に対応する診断ルールを、診断ルール記憶部から抽出し、診断モデル取得部23へ出力する。
診断モデル取得部23は、診断ルール取得部22により読み出された診断ルールに定義された装置と診断項目に対応する診断モデルを、診断モデルデータベース32から抽出し、診断部25へ出力する。
特徴量抽出部24は、稼動データの時系列パターンから特徴量を抽出し、診断部25へ出力する。
診断部25は、稼動データデータベース35から診断ルールに従って読み出された稼動データ(特徴量)を診断モデルに適用し、指定された装置の診断項目について診断する。診断部25が特徴量抽出部24を兼ねてもよいし、その他のブロックを兼ねてもよい。
[端末装置]
図2は、端末装置3の内部構成例を示すブロック図である。
端末装置3は、中央制御装置41、主記憶装置42、補助記憶装置43、種々のセンサ44、測位部45、及び稼動データ収集装置インターフェイス46を備える。
図2は、端末装置3の内部構成例を示すブロック図である。
端末装置3は、中央制御装置41、主記憶装置42、補助記憶装置43、種々のセンサ44、測位部45、及び稼動データ収集装置インターフェイス46を備える。
中央制御装置41が、補助記憶装置43に記憶されたプログラムを主記憶装置42に読み出して実行することで、端末装置3の本実施形態における機能が実現される。測位部45は、車両2の各センサ44からセンサ値を収集し、GPS衛星などの位置計測システムから電波を受信し、その電波に基づいて自身の位置情報(緯度及び経度)を算出する。
稼動データ収集装置インターフェイス46は、無線通信により稼動データ収集装置4に車両2の稼動データを送信する無線通信装置である。
[稼動データ収集装置]
図3は、稼動データ収集装置4の内部構成例を示すブロック図である。
稼動データ収集装置4は、一般的なコンピューターである。例えば稼動データ収集装置4は、中央制御装置51、主記憶装置52、補助記憶装置53、ネットワークインターフェイス54、及び端末装置インターフェイス55を備える。これらのブロックはバスにより接続されている。
図3は、稼動データ収集装置4の内部構成例を示すブロック図である。
稼動データ収集装置4は、一般的なコンピューターである。例えば稼動データ収集装置4は、中央制御装置51、主記憶装置52、補助記憶装置53、ネットワークインターフェイス54、及び端末装置インターフェイス55を備える。これらのブロックはバスにより接続されている。
中央制御装置51が、補助記憶装置53に記憶されたプログラムを主記憶装置52に読み出して実行することにより、稼動データ収集装置4の機能が実現される。ネットワークインターフェイス54には、例えばNIC(Network Interface Card)やモデム等が用いられ、ネットワーク6を介して、稼動データ収集装置4及び外部装置5に対し各種のデータを送受信することが可能に構成されている。端末装置インターフェイス55は、無線通信により端末装置3から車両2の稼動データを受信する無線通信装置である。
[診断ルール]
次に、診断ルールデータベース31に記憶される診断ルールについて説明する。
図4は、診断ルールデータベース31に記憶される診断ルールの例を示す。診断ルールは、図4に示すように、装置61、診断項目62、診断に用いる稼動データ63、運転状態64、運転環境65、及び制御状態66の項目を有する。診断ルールは、診断対象の装置61、その装置61のどのような状態を診断するのかを示す診断項目62(診断内容に相当)によって異なる。ゆえに、装置61及び診断項目62に関連付けて、診断に必要な稼動データ63、さらに稼動データ63から診断に必要なデータを抽出するための条件として、運転状態64、運転環境65、及び制御状態66などが記憶されている。
次に、診断ルールデータベース31に記憶される診断ルールについて説明する。
図4は、診断ルールデータベース31に記憶される診断ルールの例を示す。診断ルールは、図4に示すように、装置61、診断項目62、診断に用いる稼動データ63、運転状態64、運転環境65、及び制御状態66の項目を有する。診断ルールは、診断対象の装置61、その装置61のどのような状態を診断するのかを示す診断項目62(診断内容に相当)によって異なる。ゆえに、装置61及び診断項目62に関連付けて、診断に必要な稼動データ63、さらに稼動データ63から診断に必要なデータを抽出するための条件として、運転状態64、運転環境65、及び制御状態66などが記憶されている。
運転状態64は、車両の発進、加速などの走行形態(走行モード又は運転シーンに対応)の情報を含む。本実施形態では、運転状態64(稼動状態の一例)には、車両の発進、加速、減速、停止、駐車、及び巡航のうちの少なくとも1つを含むとする。これにより、種々の運転状態64を反映した機器診断が可能となる。
運転環境65は、診断に用いる稼動データ63の対象エリア、道路種別や経路などの場所に関わる情報、気象情報、交通状況(渋滞/非渋滞)、車線数や道路勾配、路面状態などの地図(道路)情報などである。本実施形態では、運転環境65(稼動環境の一例)には、天候、道路属性、又は交通状況を少なくとも一つ含むとする。これにより、種々の運転環境65を反映した機器診断が可能となる。
制御状態66は、ブレーキ制御やアクセル制御などの稼動/非稼動など、対象装置の診断に関わる当該装置の制御状態ないし操作状態である。本実施形態では、制御状態66には、ブレーキ制御、エンジン制御、アクセル制御、クラッチ制御、及びハンドル制御のうちの少なくとも1つを含むとする。これにより、種々の制御状態を反映した機器診断が可能となる。
一例として図4に示す診断ルールの一番上のレコードには、装置61が“ブレーキ”、診断項目62が“ブレーキドラムの摩耗”、診断に用いる稼動データ63が“速度、加速度、ブレーキ踏込み有無”、運転状態64が“加減速”、運転環境65が“下り坂、上り坂、平坦”、制御状態66が“フットブレーキON/OFF繰返し”が登録されている。運転状態64、運転環境65、及び制御状態66の各要素について診断ルールを作成する。例えば、運転環境65における下り坂、上り坂、平坦の各要素又は組み合わせに対して、それぞれ診断ルールが作成される。
診断ルールを構成する項目は、図4に示した各項目の他にも、装置61及び診断項目62に関連付けて必要に応じて拡張される。例えば、診断に必要十分な稼動データの期間(時間帯)、車両の種類(車種)、装置の種類、年式、及びドライバ数などが挙げられる。
このように、診断ルールは、機器を構成する各装置の稼動環境、稼動状態、又は制御状態に対応し、各装置の診断に必要な稼働データ(センサデータ)とその変化パターンの情報を含んで構成される。
これにより、稼動環境や稼動状態が変化する機器を構成する各装置に対し、適切な診断ルールを適用することができ、各装置の状態を高信頼度で診断することが可能となる。
[診断モデルの第1の例]
次に、診断モデルデータベース32に記憶される診断モデルについて説明する。
図5は、ある装置Jを診断するための診断モデルの第1の例を示す。診断モデルは、診断ルールにおける装置61及びその診断項目62に対応し、過去の稼動データから生成され、診断モデルデータベース32に記憶される。
次に、診断モデルデータベース32に記憶される診断モデルについて説明する。
図5は、ある装置Jを診断するための診断モデルの第1の例を示す。診断モデルは、診断ルールにおける装置61及びその診断項目62に対応し、過去の稼動データから生成され、診断モデルデータベース32に記憶される。
本実施形態では、診断モデルは、稼動環境、稼動状態、及び制御状態に含まれる項目の組み合わせで決まる診断ルール(図4参照)ごとに設けられる。これにより、稼動環境や稼動状態等が変化する機器を構成する各装置の状態を、高信頼度で診断することができる。
診断モデル自体は、所定のセンサデータ又はそのセンサデータを元に算出された主成分を軸とする所定の空間(以下「診断空間」と記す。)における正常稼動時又は異常稼動時の領域、ないしその領域を代表する代表点で表現される。
図5に示す診断モデルにおいて、診断空間は、診断軸1と診断軸2を軸とする二次元空間で表現される。“○”は、当該装置Jが正常に稼動しているときに観測された稼動データ71である。装置Jが正常に稼動しているときの稼動データ71の分布に基づき、一点鎖線で示す正常稼動領域72が算出される。過去の稼動データに、装置Jの稼動状態が異常な時の稼動データ73が含まれている場合、正常稼動時と同様に、異常稼動データの分布により異常稼動領域が算出される(図示しない)。算出された正常/異常の稼動領域、あるいはその各稼動領域の代表点74の座標(ここでは、正常点/異常点とする)が装置Jの診断モデルとして記憶される。後述するように、診断部25は、対象稼動データ(図5では稼動データ73)から代表点74までの距離D(i,j)を対象稼動データの異常度として計算し出力する。
診断モデルは、装置Jの診断項目に応じて生成される。すなわち、診断モデルは、診断する装置や診断項目によって様々であり(診断空間を構成する軸や次元数など)、複数の診断モデルが診断モデルデータベース32に記憶される。
[診断モデルの第2の例]
図6は、診断モデルの第2の例を示す。
図6に示す診断モデルでは、診断空間を複数の区画に分割する。例えば区画A1は正常な稼動データ71が含まれる区画、区画A2は異常度小の稼動データ73が含まれる区画、斜線で示す区画A3は異常度大の稼動データが含まれる区画である。例えば診断部25は、区画A3に含まれる稼動データを検出すると、アラームを出力する。
図6は、診断モデルの第2の例を示す。
図6に示す診断モデルでは、診断空間を複数の区画に分割する。例えば区画A1は正常な稼動データ71が含まれる区画、区画A2は異常度小の稼動データ73が含まれる区画、斜線で示す区画A3は異常度大の稼動データが含まれる区画である。例えば診断部25は、区画A3に含まれる稼動データを検出すると、アラームを出力する。
[診断モデルの第3の例]
図7は、診断モデルの第3の例を示す。図7に示す診断モデルでは、右肩上がりの直線91と右肩下がりの直線92とにより診断空間を分割する。正常な稼動データ71は、直線91及び直線92よりも下側に分布する。一方、異常な稼動データ73は、直線91及び直線92よりも上側に分布する。
図7は、診断モデルの第3の例を示す。図7に示す診断モデルでは、右肩上がりの直線91と右肩下がりの直線92とにより診断空間を分割する。正常な稼動データ71は、直線91及び直線92よりも下側に分布する。一方、異常な稼動データ73は、直線91及び直線92よりも上側に分布する。
本実施形態では、診断空間を二次元空間としたが、三次元などの多次元空間においても同様であり、多次元空間上に正常/異常を分割する診断モデルを生成する。また、診断空間の分割は直線に限らず非線形に分割される場合もあるなど、対象装置により様々である。
[診断全体処理]
次に、機器診断装置1において実行される診断全体処理について説明する。
図8は、機器診断装置1において実行される診断全体処理の手順例を示すフローチャートである。
次に、機器診断装置1において実行される診断全体処理について説明する。
図8は、機器診断装置1において実行される診断全体処理の手順例を示すフローチャートである。
診断全体処理の手順を開始する前提として、車両2に搭載された端末装置3(図1参照)は、車両2の稼動データ及び位置情報をリアルタイム又はオフラインで機器診断装置1に送信する。
機器診断装置1は、車両2から取得した稼動データに基づき、車両2を構成する各装置が正常に稼動しているか否かを診断する。診断に用いる診断モデルは、機器診断装置1において生成してもよいし、外部装置5にて生成された診断モデルをネットワークインターフェイス16により取得してもよい。生成ないし取得した診断モデルは、診断モデルデータベース32に記憶される。
ステップS1において、機器診断装置1の入力装置14は、ユーザから診断する車両iの車種や型式などの情報を受け付け、続いてステップS2において、診断する装置jとその型式などの情報を受け付ける。
次に、ステップS3において、診断ルール取得部22は、診断ルールデータベース31に記憶されている、車両iの装置jに対応した診断ルールを読み込む。機器診断装置1は、この診断ルールに従い診断項目k(図4の診断項目62)ごとにステップS4〜S8を実行し、装置jが正常に稼動しているか否かを診断する。
ステップS4において、稼動データ取得部21は、装置jの各診断項目62に対応付けて設定されている稼動データの項目63を読み込む。
ステップS5において、特徴量抽出部24は、稼動データの項目63に基づき、装置jの診断に用いる稼動データを稼動データデータベース35から読み込み、運転状態64、運転環境65、及び制御状態66に定義された特徴量の抽出条件に従い、少なくとも一つ以上の条件に一致する特徴量を稼動データから抽出する。なお、稼動データ取得部21が、稼動データデータベース35から装置jの診断に用いる稼動データを読み込むようにしてもよい。
次に、ステップS6において、診断モデル取得部23は、装置jの当該診断項目62に対応する診断モデルを診断モデルデータベース32から読み込む。
次に、ステップS7において、診断部25は、抽出された特徴量の代表値(平均値、中央値等)を算出し、診断モデルを構成する診断空間上にその代表値(仮にここでは、診断点とする)をプロットする。この診断空間における診断点と、診断モデルから得られた正常点との距離D(i,j)を算出し、異常度を得る。正常点は、図5〜図7の代表点74に相当する。
次に、ステップS8において、診断部25は、距離D(i,j)に基づき、装置jが正常に稼動しているか否かを診断する。診断部25は、対象車両iの装置jの診断項目全てについてステップS4〜S8の処理が完了したら、本診断全体処理を終了する。
[特徴量抽出処理]
図9は、特徴量抽出部24において実行される特徴量抽出処理(ステップS5)の手順例を示すフローチャートである。図10は、図9の特徴量抽出処理を説明するための図である。以下、図9及び図10を参照して、特徴量抽出処理の手順をより詳細に説明する。
図9は、特徴量抽出部24において実行される特徴量抽出処理(ステップS5)の手順例を示すフローチャートである。図10は、図9の特徴量抽出処理を説明するための図である。以下、図9及び図10を参照して、特徴量抽出処理の手順をより詳細に説明する。
まず、ステップS11において、特徴量抽出部24は、診断ルール取得部22が診断ルールデータベース31より取得した車両iの装置jの診断ルールを読み込む。
次に、ステップS12において、特徴量抽出部24は、読み込んだ診断ルールに設定されている稼動データの項目63に従い、稼動データデータベース35に記憶している車両iの稼動データから、車両iの装置jの診断に必要な稼働データ(センサデータ)を読み込む。
次に、ステップS13において、特徴量抽出部24は、当該診断ルールに設定されているセンサデータの抽出条件(運転状態64、運転環境65、制御状態66)に一致している区間のデータを各々センサデータから切り出し、診断のための特徴量を得る。特徴量抽出部24は、対象車両iの装置jの診断に必要なすべての稼働データについてステップS13の処理が完了したら、本特徴量抽出処理を終了してステップS6(図8参照)へ移行する。
例えば図10に示す例では、ステップS13により、診断に必要な稼動データとして読み込んだセンサデータ100(図10上段)から複数の特徴量101,102(図10下段)が抽出される。具体例として、ディスクブレーキの摩耗を診断する場合、速度、加速度、及びブレーキ踏込みデータが診断用センサデータとして取り込まれ、運転状態が“減速”、制御状態が“フットブレーキON(ブレーキ稼動)”の状態にあるデータ区間(矢印で示す区間)が、各センサデータから抽出される。
[異常度算出処理]
図11は、診断部25において実行される異常度算出処理(ステップS7)の手順例を示すフローチャートである。異常度算出処理は、装置の異常度を算出する。以下、図11を参照して、異常度算出処理の手順をより詳細に説明する。
図11は、診断部25において実行される異常度算出処理(ステップS7)の手順例を示すフローチャートである。異常度算出処理は、装置の異常度を算出する。以下、図11を参照して、異常度算出処理の手順をより詳細に説明する。
まず、ステップS21において、診断部25は、特徴量抽出部24によりセンサデータから抽出された特徴量を読み込む。次に、ステップS22において、診断部25は、診断モデル取得部23が診断モデル32から読み込んだ装置jの各診断項目62に対応する診断モデルを取得する。
次に、ステップS23において、診断部25は、診断空間における特徴量の代表値(診断点)を算出し、各診断項目62において診断モデルによって規定されている診断空間上に診断点をプロットする。
次に、ステップS24において、診断部25は、当該診断点と、診断モデルに規定されている正常稼動時の代表点(正常点)との診断空間上の距離D(i,j)を算出し、車両iの装置jの異常度として出力する。ステップS24の処理後、本異常度算出処理を終了してステップS8(図8参照)へ移行する。
以上のとおり、本実施形態に係る診断部25は、機器を構成する各装置において、診断ルールに従い稼動データから特徴量を抽出し、診断モデルに定められている診断空間上に投影したその特徴量の座標点と、正常ないし異常稼動時の領域ないしその代表点との距離を算出し、各装置の異常の度合い(異常度)として出力するように構成されている。
これにより、稼動環境や稼動状態等が変化する機器を構成する各装置の異常度を算出し、異常度を用いて各装置の診断を行うことができる。
[診断処理]
図12は、診断部25において実行される診断処理(ステップS8)の手順例を示すフローチャートである。診断処理は、異常度から装置の正常/異常を診断する。以下、図12を参照して、診断処理の手順をより詳細に説明する。
図12は、診断部25において実行される診断処理(ステップS8)の手順例を示すフローチャートである。診断処理は、異常度から装置の正常/異常を診断する。以下、図12を参照して、診断処理の手順をより詳細に説明する。
まず、ステップS31において、診断部25は、ステップS7で算出した車両iを構成する装置jの診断項目62の異常度D(i,j)を読み込む。続いて、ステップS32において、診断部25は、異常判定閾値Dth(i,j)を読み込む。異常判定閾値Dth(i,j)は、予め補助記憶装置13又は主記憶装置12に記憶しておく。
次に、ステップS33において、診断部25は、異常度D(i,j)を異常判定閾値Dth(i,j)と比較し、2つの値の大小を判定する。ここで、異常度D(i,j)が異常判定閾値Dth(i,j)を超える場合には(S33のYES)、診断部25は、ステップS34において車両iの装置jが“異常”であると判断し、その結果を出力装置48に出力する。
一方、異常度D(i,j)が異常判定閾値Dth(i,j)以下である場合には(S33のNO)、診断部25は、ステップS35において車両iの装置jは“正常”であると判断し、その結果を出力装置48に出力する。ステップS34又はS35の処理後、本診断処理を終了する。
以上のとおり、本実施形態に係る診断部25は、機器を構成する各装置において、過去の稼動データから算出した異常度の確率密度分布から、正常/異常を識別するための閾値(異常判定閾値Dth(i,j))を予め設定し、装置ごとにその閾値と異常度を比較して正常/異常を判断するように構成されている。
これにより、稼動環境や稼動状態等が変化する機器を構成する各装置の異常度を算出し、異常度と閾値を比較して各装置の正常/異常を診断することができる。
[異常判定閾値]
図13は、異常判定閾値Dth(i,j)を説明するための図である。
本実施形態では、異常判定閾値Dth(i,j)は、正常稼動している装置jから取得した過去の稼動データ(診断モデル生成時のデータ)から算出する。所定時間及び複数回観測した正常稼動時のセンサデータを取得し、各観測時間帯のセンサデータに対してステップS4〜S7を実行し、複数の異常度を計算する。その複数の異常度から確率密度分布110を求め、異常度の高い確率値が所定の比率(例えば5%)となる異常度111を、車両iの装置jの異常判定閾値Dth(i,j)に設定する。
図13は、異常判定閾値Dth(i,j)を説明するための図である。
本実施形態では、異常判定閾値Dth(i,j)は、正常稼動している装置jから取得した過去の稼動データ(診断モデル生成時のデータ)から算出する。所定時間及び複数回観測した正常稼動時のセンサデータを取得し、各観測時間帯のセンサデータに対してステップS4〜S7を実行し、複数の異常度を計算する。その複数の異常度から確率密度分布110を求め、異常度の高い確率値が所定の比率(例えば5%)となる異常度111を、車両iの装置jの異常判定閾値Dth(i,j)に設定する。
異常判定閾値Dth(i,j)の算出及び設定は、装置jが正常状態であるときに取得した稼動データで算出及び設定(更新)することが望ましいため、車両iが新車である所定期間、あるいは装置jの交換ないし修理後の所定期間に実施する。
前述の実施形態では、装置jが正常に稼動しているときの診断モデルが得られた場合を前提に、異常判定閾値Dth(i,j)により、装置jの正常/異常を識別する方法を示したが、この例に限らない。例えば、装置jの整備(保守記録)データが得られ、整備データにより装置jの正常/異常が既知であり、装置jの診断モデルに異常稼動時の診断モデルが更に含まれる場合、装置jの診断点が上記診断モデルの正常領域又は異常領域のいずれの領域に属するかにより、装置jの正常/異常を識別できる。あるいは、診断点と異常点との距離D’(i,j)を算出し、距離D’(i,j)と異常度D(i,j)との比較結果に応じて、装置jの正常/異常を識別することもできる。
以上のとおり、第1の実施形態に係る機器診断システム10は、移動する機器(車両2)を構成する装置と診断項目(診断項目62)ごとに診断条件を定めた診断ルールを記憶する診断ルール記憶部(診断ルールデータベース31)と、診断ルールに定義された装置と診断項目に対応した、機器の装置を診断するための診断モデルを記憶する診断モデル記憶部(診断モデルデータベース32)と、機器の稼動データを記憶する稼動データ記憶部(稼動データデータベース35)と、を備える。さらに、機器診断システム10は、指定された装置と診断項目に対応する診断ルールを、診断ルール記憶部から読み出す診断ルール取得部(診断ルール取得部22)と、読み出された診断ルールに定義された装置と診断項目に対応する診断モデルを、診断モデル記憶部から読み出す診断モデル取得部(診断モデル取得部23)と、稼動データ記憶部から診断ルールに従って読み出された稼動データを診断モデルに適用し、指定された装置の診断項目について診断する診断部(診断部25)と、を備える。
このように構成された第1の実施形態によれば、稼動環境や稼動状況が時々刻々と変化する機器を構成する各装置の状態を、高信頼度で診断することができる。
<2.第2の実施形態>
第2の実施形態は、第1の実施形態に係る車両2に搭載された端末装置3が、機器診断装置1の診断機能を備える構成とした機器診断システムである。第2の実施形態の機器診断システムを構成する装置とその接続関係は、第1の実施形態の機器診断システム10(図1)と同じである。ただし、端末装置が診断機能を備える場合には、機器診断装置1を削除することができる。
第2の実施形態は、第1の実施形態に係る車両2に搭載された端末装置3が、機器診断装置1の診断機能を備える構成とした機器診断システムである。第2の実施形態の機器診断システムを構成する装置とその接続関係は、第1の実施形態の機器診断システム10(図1)と同じである。ただし、端末装置が診断機能を備える場合には、機器診断装置1を削除することができる。
[端末装置]
まず、第2の実施形態に係る診断機能を備えた端末装置の内部構成を説明する。
図14は、第2の実施形態に係る診断機能を備えた端末装置3Aの内部構成の例を示すブロック図である。端末装置3Aは、第1の実施形態(図1)における端末装置3のブロックに加え、入力装置47と出力装置48を備える。入力装置47と出力装置48は、例えば表示パネルにタッチパネルを重ねた装置により構成できる。
まず、第2の実施形態に係る診断機能を備えた端末装置の内部構成を説明する。
図14は、第2の実施形態に係る診断機能を備えた端末装置3Aの内部構成の例を示すブロック図である。端末装置3Aは、第1の実施形態(図1)における端末装置3のブロックに加え、入力装置47と出力装置48を備える。入力装置47と出力装置48は、例えば表示パネルにタッチパネルを重ねた装置により構成できる。
また、端末装置3Aの補助記憶装置43には、診断ルールデータベース31、診断モデルデータベース32、診断結果記憶部33、地図情報記憶部34、及び稼動データデータベース35が格納されている。さらに、端末装置3Aの主記憶装置42には、稼動データ取得部21、診断ルール取得部22、診断モデル取得部23、特徴量抽出部24、及び診断部25のプログラムが記憶されている。
診断ルール取得部22は、広域のネットワーク6を介して後述する外部装置5A(配信サーバ)から、診断を実施する車種や機器を構成する装置に応じて診断ルールを取得する。また、診断モデル取得部23は、広域のネットワーク6を介して後述する外部装置5A(配信サーバ)から、診断を実施する車種や機器を構成する装置に応じて診断モデルを取得する。補助記憶装置43に格納されているデータ、及び主記憶装置42に記憶されているプログラムは、それぞれ機器診断装置1が備えるデータ及びプログラムと同様であるため、その他の説明を省略する。
[外部装置]
次に、第2の実施形態に係る外部装置の内部構成を説明する。
図15は、第2の実施形態に係る外部装置5Aの内部構成の例を示すブロック図である。外部装置5Aは、第1の実施形態における外部装置5(図1)と基本的なハードウェア構成が同じである。外部装置5Aは、一般的なコンピューターである。例えば外部装置5Aは、中央制御装置121、主記憶装置122、補助記憶装置123、及びネットワークインターフェイス124を備える。これらのブロックはバスにより接続されている。
次に、第2の実施形態に係る外部装置の内部構成を説明する。
図15は、第2の実施形態に係る外部装置5Aの内部構成の例を示すブロック図である。外部装置5Aは、第1の実施形態における外部装置5(図1)と基本的なハードウェア構成が同じである。外部装置5Aは、一般的なコンピューターである。例えば外部装置5Aは、中央制御装置121、主記憶装置122、補助記憶装置123、及びネットワークインターフェイス124を備える。これらのブロックはバスにより接続されている。
中央制御装置121が、補助記憶装置123に記憶されたプログラムを主記憶装置122に読み出して実行することで、外部装置5Aの機能が実現される。補助記憶装置123には、診断ルールデータベース123a、診断モデルデータベース123bが格納されている。主記憶装置122には、情報配信部122aのプログラムが記憶されている。
情報配信部122aは、機器を構成する装置と診断項目に対応した、機器の装置を診断するための診断モデルを、ネットワーク6を介して端末装置3Aへ配信する。
本実施形態では、外部装置5Aが、複数の車両2の各々から稼動データを随時収集して、診断ルールデータベース123a及び診断モデルデータベース123bを更新することを前提とする。したがって、外部装置5Aの診断ルールと診断モデルは、機器診断装置1(図1)が有する診断ルールと診断モデル、並びに図14の端末装置3Aが有する診断ルールと診断モデルよりも新しい。
端末装置3Aは、ネットワーク6(図1参照)を介して、外部装置5Aに対し診断ルール及び/又は診断モデルを要求するコマンドを送信する。外部装置5Aは、端末装置3Aから診断ルール及び/又は診断モデルの要求コマンドを受信すると、要求に応じて診断ルールデータベース123aの診断ルール及び/又は診断モデルデータベース123bの診断モデルを、端末装置3Aに送信する。外部装置5Aは、配信サーバと言える。端末装置3Aは、外部装置5Aから診断ルール及び/又は診断モデルを受信し、それぞれ診断ルールデータベース31、診断モデルデータベース32に保存して各データベースの内容を更新する。
このとき、端末装置3Aは診断を実施する車種や装置を指定して、診断ルール及び/又は診断モデルを要求してもよい。これにより、端末装置3Aは、指定した診断ルール及び/又は診断モデルを取得することができる。また、外部装置5Aは、端末装置3Aからの配信要求がなくても、診断ルール及び/又は診断モデルを定期的に端末装置3Aに配信してもよい。
このように構成することで、例えば端末装置3Aの処理能力が低く、端末装置3Aが自身で診断ルール及び/又は診断モデルを作成できない場合でも、端末装置3Aは、最新の診断ルール及び/又は診断モデルを外部装置5Aから取得することができる。それにより、車両2に搭載された端末装置3Aが、最新の診断ルール及び/又は診断モデルを用いて、精度の高い機器診断を行うことができる。
なお、第1の実施形態において外部装置5が診断モデルを生成して機器診断装置1に提供する構成であってもよいことを記載したように、第1の実施形態の機器診断システム10が外部装置5Aを備えていてもよい。
<3.その他>
さらに、本発明は上述した各実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
さらに、本発明は上述した各実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために機器診断システム及び機器診断装置の構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成要素に置き換えることは可能である。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成要素を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成要素の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、上述した本開示の各実施形態にかかる機器診断システムの各構成要素は、それぞれのハードウェアがネットワークを介して互いに情報を送受信できるならば、いずれのハードウェアに実装されてもよい。また、ある処理部により実施される処理が、1つのハードウェアにより実現されてもよいし、複数のハードウェアによる分散処理により実現されてもよい。
1…機器診断装置、 2…車両、 3A…端末装置、 4…稼動データ収集装置、 5A…外部装置、 6…ネットワーク、 10…機器診断システム、 11…中央制御装置、 12…主記憶装置、 13…補助記憶装置、 14…入力装置、 15…出力装置、 16…ネットワークインターフェイス、 21…稼動データ取得部、 22…診断ルール取得部、 23…診断モデル取得部、 24…特徴量抽出部、 25…診断部、 31…診断ルール記憶部、 32…診断モデル記憶部、 33…診断結果記憶部、 34…地図情報記憶部、 35…稼動データ記憶部、 41…中央制御装置、 42…主記憶装置、 43…補助記憶装置、 44…センサ、 45…測位部、 121…中央制御装置、 122…主記憶装置、 122a…情報配信部、 123…補助記憶装置、 123a…診断ルール記憶部、 123b…診断モデル記憶部
Claims (13)
- 移動する機器を構成する装置と診断項目ごとに診断条件を定めた診断ルールを記憶する診断ルール記憶部と、
前記診断ルールに定義された装置と診断項目に対応した、前記機器の装置を診断するための診断モデルを記憶する診断モデル記憶部と、
前記機器の稼動データを記憶する稼動データ記憶部と、
指定された装置と診断項目に対応する前記診断ルールを、前記診断ルール記憶部から読み出す診断ルール取得部と、
読み出された前記診断ルールに定義された前記装置と前記診断項目に対応する前記診断モデルを、前記診断モデル記憶部から読み出す診断モデル取得部と、
前記稼動データ記憶部から前記診断ルールに従って読み出された前記稼動データを前記診断モデルに適用し、指定された前記装置の前記診断項目について診断する診断部と、を備える
機器診断装置。 - 前記診断ルールは、各装置の稼動環境、稼動状態、又は制御状態に対応し、各装置の診断に必要なセンサデータとその変化パターンの情報を含む
請求項1に記載の機器診断装置。 - 前記稼動環境は、天候、道路属性、又は交通状況を少なくとも一つ含み、
前記天候は、気温、湿度、大気圧、風向、風速、及び降水量のうちの少なくとも1つを含み、
前記道路属性は、勾配、標高、交通量、交差点数、車線数、幅員、路面状態、及び道路形状のうちの少なくとも1つを含み、
前記交通状況は、混雑、渋滞、順調、速度、及び道路区間ごとの旅行時間のうちの少なくとも1つを含む
請求項2に記載の機器診断装置。 - 前記稼動状態は、
前記機器の発進、加速、減速、停止、駐車、及び巡航のうちの少なくとも1つを含む
請求項2に記載の機器診断装置。 - 前記制御状態は、
ブレーキ制御、エンジン制御、アクセル制御、クラッチ制御、及びハンドル制御のうちの少なくとも1つを含む
請求項2に記載の機器診断装置。 - 前記診断ルール取得部は、広域のネットワークを介して配信サーバから、診断を実施する車種や装置に応じて前記診断ルールを取得する
請求項1に記載の機器診断装置。 - 前記診断モデルは、複数の車両や装置の稼動データに基づき装置ごとに生成され、所定の診断空間における正常もしくは異常、あるいはその両方の稼動状態における空間領域又はその代表点の情報を含む
請求項1に記載の機器診断装置。 - 前記診断モデル取得部は、広域のネットワークを介して配信サーバから、診断を実施する車種や装置に応じて前記診断モデルを取得する
請求項1に記載の機器診断装置。 - 前記診断モデルは、前記稼動環境、前記稼動状態、及び前記制御状態に含まれる項目の組み合わせで決まる前記診断ルールごとに設けられる
請求項2乃至5のいずれか一項に記載の機器診断装置。 - 前記診断部は、各装置において、前記診断ルールに従い稼動データから特徴量を抽出し、前記診断モデルに定められている診断空間上に投影したその特徴量の座標点と、正常ないし異常稼動時の領域ないしその代表点との距離を算出し、各装置の異常の度合いとして出力する
請求項1に記載の機器診断装置。 - 前記診断部は、各装置において、過去の稼動データから算出した異常度の確率密度分布から、正常/異常を識別するための閾値を予め設定し、装置ごとにその閾値と異常度を比較して正常/異常を判断する
請求項9に記載の機器診断装置。 - サーバと、移動する機器に搭載された端末装置とがネットワークを介して通信する機器診断システムであって、
前記サーバは、
前記機器を構成する装置と診断項目に対応した、前記機器の装置を診断するための診断モデルを、前記ネットワークを介して前記端末装置へ配信する情報配信部、を備え、
前記端末装置は、
移動する機器を構成する装置と診断項目ごとに診断条件を定めた診断ルールを記憶する診断ルール記憶部と、
前記診断ルールに定義された装置と診断項目に対応した、前記サーバから受信した前記診断モデルを記憶する診断モデル記憶部と、
前記機器の稼動データを記憶する稼動データ記憶部と、
指定された装置と診断項目に対応する前記診断ルールを、前記診断ルール記憶部から読み出す診断ルール取得部と、
読み出された前記診断ルールに定義された前記装置と前記診断項目に対応する前記診断モデルを、前記診断モデル記憶部から読み出す診断モデル取得部と、
前記稼動データ記憶部から前記診断ルールに従って読み出された前記稼動データを前記診断モデルに適用し、指定された前記装置の前記診断項目について診断する診断部と、を備える
機器診断システム。 - 移動する機器を構成する装置と診断項目ごとに診断条件を定めた診断ルールを記憶する診断ルール記憶部と、前記診断ルールに定義された装置と診断項目に対応した、前記機器の装置を診断するための診断モデルを記憶する診断モデル記憶部と、前記機器の稼動データを記憶する稼動データ記憶部と、診断ルール取得部と、診断モデル取得部と、診断部とを備える機器診断装置による機器診断方法であって、
前記診断ルール取得部により、指定された装置と診断項目に対応する前記診断ルールを、前記診断ルール記憶部から読み出す処理と、
前記診断モデル取得部により、読み出された前記診断ルールに定義された前記装置と前記診断項目に対応する前記診断モデルを、前記診断モデル記憶部から読み出す処理と、
前記診断部により、前記稼動データ記憶部から前記診断ルールに従って読み出された前記稼動データを前記診断モデルに適用し、指定された前記装置の前記診断項目について診断する処理と、を含む
機器診断方法。
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