JP2021014008A - 電動工具 - Google Patents

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洋樹 内田
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

【課題】電動工具においてトルク設定ダイヤルの意図しない回転をより確実に抑制する。【解決手段】電動工具1は、モータを収容するハウジング14と、先端工具を保持する工具保持部と、上記モータから出力される動力を上記工具保持部に伝達する動力伝達機構と、上記動力伝達機構に設けられ、上記先端工具に作用する負荷トルクが閾値に到達すると上記動力の伝達を遮断する動力遮断部と、を有している。さらに、上記閾値の大きさを設定する筒状のクラッチダイヤル24を有しており、上記動力遮断部は、クラッチダイヤル24の内周面に接触するクリックスプリング(第1弾性体)5と、クラッチダイヤル24の外周面に接触するゴム部材(第2弾性体)6と、を備えている。【選択図】図4

Description

本発明は、トルク設定ダイヤルを有した電動工具に関する。
トルク設定ダイヤルが設けられたドライバドリル等の電動工具が知られている。このような電動工具では、高出力化に伴って、作業時に工具にかかる振動が増加する傾向にある。
上記電動工具の一例として、特許文献1には、作業時の振動によって発生するトルク設定ダイヤルの回転を抑制する弾性部材が設けられた電動工具が記載されている。
特開2009−285814号公報
上記特許文献1に記載された電動工具では、ギヤケースの外周部に弾性部材(板ばね)が配設されており、この弾性部材に、トルク設定ダイヤル(クラッチダイヤル)に設けた凹凸に係合する突部が設けられている。
しかしながら、トルク設定ダイヤルの凹凸に弾性部材の突部が係合する構造では、工具にかかる振動が増加するとトルク設定ダイヤルの固定が不十分となり、トルク設定ダイヤルが意図せずに回転してしまう虞れがあった。
本発明の目的は、トルク設定ダイヤルの意図しない回転がより確実に抑制された電動工具を実現することである。
本発明の電動工具は、モータと、前記モータの回転軸の方向と平行に取り付けられる先端工具と、を備えた電動工具であって、前記モータを収容するハウジングと、前記先端工具を保持する工具保持部と、前記モータから出力される動力を前記工具保持部に伝達する動力伝達機構と、前記動力伝達機構に設けられ、前記先端工具に作用する負荷トルクが閾値に到達すると前記動力の伝達を遮断する動力遮断部と、前記閾値の大きさを設定する筒状のトルク設定ダイヤルと、前記トルク設定ダイヤルの内周面に接触する第1弾性体と、前記トルク設定ダイヤルの外周面に接触する第2弾性体と、を備えている。
また、本発明の他の電動工具は、モータと、前記モータの回転軸の方向と平行に取り付けられる先端工具と、を備えた電動工具であって、前記モータを収容するハウジングと、 前記先端工具を保持する工具保持部と、前記モータから出力される動力を前記工具保持部に伝達する動力伝達機構と、前記動力伝達機構に設けられ、前記先端工具に作用する負荷トルクが閾値に到達すると前記動力の伝達を遮断する動力遮断部と、前記閾値の大きさを設定する筒状のトルク設定ダイヤルと、前記トルク設定ダイヤルの内周面、または、外周面に接触する第1弾性体と、前記トルク設定ダイヤルの内周面、または、外周面に接触する第2弾性体と、を備え、前記第1弾性体、または、前記第2弾性体の少なくともどちらか一方は、ゴム部材、または、エラストマ材である。
本発明によれば、電動工具において、トルク設定ダイヤルの意図しない回転をより確実に抑制することができる。
本発明の実施の形態1の電動工具の構造を示す外観側面図である。 図1に示す電動工具の内部を示す内部構造図である。 図1に示す電動工具のトルククラッチ部の構造を示す部分断面図である。 図1に示す電動工具のA−A線に沿って切断した構造を示す断面図である。 図1に示す電動工具のA−A線に沿って切断した変形例の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態2の電動工具を図1のA−A線と同じ位置で切断した構造を示す断面図である。 実施の形態2の電動工具を図1のA−A線と同じ位置で切断した変形例の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態3の電動工具を図1のB−B線に沿って一部切断した構造を示す断面図である。
(実施の形態1)
以下、本実施の形態1の電動工具について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付している。
図1及び図2に示される電動工具1は、モータ(電動モータ)12の動力により被加工物を加工する先端工具3を備えた工具であり、電動工具1の一例としてドリルドライバを取り上げて説明する。
電動工具1の構成について説明する。電動工具1は、モータ12を収容するハウジング14を有している。ハウジング14の下方には、グリップ15が設けられており、そのグリップ15の上部には、トリガ18が設けられている。また、グリップ15の下部、すなわちグリップ15におけるハウジング14とは反対側の端部に装着部16が設けられ、この装着部16には、繰り返し充電が可能な電池パック17が設けられている。また、ハウジング14の前端には、チャック(工具保持部)13が設けられており、チャック13により、例えばねじ締めまたは穴あけをするためのビット等の先端工具3を保持することが可能となっている。つまり、先端工具3は、チャック13によって保持される。そして、先端工具3は、モータ12の回転軸方向(図3に示す回転軸21の方向)と平行に取り付けられている。作業者がトリガ18を操作することによって、電池パック17からモータ12へと通電可能となっている。なお、電池パック17は、電池セルを収容したケースである。
モータ12から出力される動力は、チャック13に伝達される。図3に示すように、ハウジング14の開口端14aには、筒状のクラッチダイヤル(トルク設定ダイヤル)24が設けられている。クラッチダイヤル24は、先端工具3に作用する締付けトルク(負荷トルク)の閾値を設定するものであり、上記締付けトルク(負荷トルク)がクラッチダイヤル24によって設定された閾値に到達すると、モータ12からのチャック13への動力の伝達が遮断される。そして、先端工具3を保持するチャック13は、クラッチダイヤル24の外に配置される。さらに、ハウジング14内にフロントケース25が設けられ、ハウジング14内からクラッチダイヤル24内に亘ってリヤケース26が設けられている。リヤケース26は、軸線20に沿った方向でモータ12とフロントケース25との間に配置されている。
フロントケース25及びリヤケース26は、ハウジング14に対して回転しないように設けられており、フロントケース25及びリヤケース26は、共に筒状である。フロントケース25は、大径部25a及び小径部25bを備えており、大径部25aの外径は、小径部25bの外径よりも大きい。
また、フロントケース25内及びリヤケース26内に亘って、変速装置28が配置されている。変速装置28は、回転軸21の回転数とチャック13の回転数との比を変更する装置であり、モータ12から出力される動力をチャック13に伝達する動力伝達機構である。
変速装置28は、第1遊星歯車機構29、第2遊星歯車機構30及び第3遊星歯車機構31を有している。第1遊星歯車機構29、第2遊星歯車機構30及び第3遊星歯車機構31のそれぞれは、変速装置28のトルク伝達経路を形成する機構である。そして、フロントケース25の大径部25a内には、第3遊星歯車機構31のリングギヤ27が配置されている。第1遊星歯車機構29、第2遊星歯車機構30及び第3遊星歯車機構31は、全てシングルピニオン型の遊星歯車機構である。
また、図3に示すように、スピンドル33の出力トルクを調節する調節機構22が設けられている。小径部25bの外周面に雄ねじ54が設けられ、雄ねじ54に噛み合う雌ねじを有するナット55が設けられている。クラッチダイヤル24は、軸線20を中心としてハウジング14に対して回転可能に取り付けられている。ナット55はクラッチダイヤル24内に配置されている。ナット55はクラッチダイヤル24に対して軸線20に沿った方向に移動可能に、かつ、クラッチダイヤル24と一体回転するように設けられている。このため、作業者がクラッチダイヤル24を回転させると、ナット55は小径部25bの外周面に沿って軸線20方向に移動する。
クラッチダイヤル24内にプレート56が設けられている。プレート56は環状であり、プレート56の内径は、小径部25bの外径よりも大きく、かつ、大径部25aの外径よりも小さい。プレート56は、小径部25bの外周に配置されており、ナット55とプレート56との間に圧縮ばね57が配置されている。
また、フロントケース25は、軸線20を中心とする円周方向に間隔をおいて配置した複数の保持孔58を備えている。複数の保持孔58にそれぞれスチールボール59が配置されている。スチールボール59は、プレート56に接触する。さらに、フロントケース25とリヤケース26との間に、金属製のプレート60が介在されている。プレート60は環状であり、プレート60はキャリヤ32の外側に設けられている。プレート60は軸線20の方向に固定されており、リングギヤ27は、軸線20に沿った方向でプレート60とスチールボール59との間に配置されている。
調節機構22は、クラッチダイヤル24、ナット55、圧縮ばね57、スチールボール59、プレート56,60により構成されている。圧縮ばね57の力は、プレート56、スチールボール59を介してリングギヤ27に伝達され、リングギヤ27はプレート60に押し付けられる。つまり、リングギヤ27は、軸線20の方向において、プレート60とスチールボール59とにより挟まれて、リングギヤ27に制動力が加えられる。リングギヤ27に加えられる制動力は、軸線20の方向におけるナット55の位置に応じた値となる。ナット55が軸線20の方向でリングギヤ27に近づくほど、リングギヤ27に加えられる制動力が増加する。
なお、本実施の形態1の電動工具1における動力伝達機構(変速装置28)は、先端工具3に作用する締付けトルク(負荷トルク)がクラッチダイヤル24によって設定される設定値(閾値)に到達すると、モータ12からチャック13への動力の伝達を遮断するトルククラッチ部(動力遮断部)4を有している。
ここで、モータ12の出力は、第1遊星歯車機構29及び第2遊星歯車機構30と、圧縮ばね57による付勢でスチールボール59が係止することにより回転が妨げられているリングギヤ27を備えた第3遊星歯車機構31と、を含む動力伝達機構(変速装置28)によって減速されて出力軸2に伝達される。そして、リングギヤ27にかかる負荷トルクが、圧縮ばね57によって与えられたスチールボール59とリングギヤ27の一部との間の係合力よりも高くなれば、リングギヤ27が圧縮ばね57に抗してスチールボール59を押し出して空転を始める。すなわち、リングギヤ27とスチールボール59とからなるトルククラッチが滑るために、締付けトルク(負荷トルク)の制限がなされ、モータ12からのチャック13への動力の伝達が遮断される。
また、クラッチダイヤル24を回転させることにより、圧縮ばね57を圧縮したならば、スチールボール59とリングギヤ27との係合力が大きくなるために、リングギヤ27が空転を始める負荷トルクが大きく、つまりは締付けトルクが大きくなる。
次に、本実施の形態1の電動工具1におけるクラッチダイヤル24の回転防止構造について説明する。図4は、モータ12の回転軸21(軸線20)と直交する方向の切断面であり、この切断面に示すように、クラッチダイヤル24の内周面には複数の凹凸部が形成されている。また、クラッチダイヤル24の内側には円筒形のフロントケース25が配置されており、フロントケース25の外側にはリング状のギヤケース23が配置されている。ギヤケース23の外周面には、クラッチダイヤル24の内周面の複数の凹部24aのそれぞれと係合するように、複数の凸部23aが設けられている。
また、フロントケース25の外周面の一部には、その周方向に対して所定の間隔で2つの溝25cが形成されている。そして、フロントケース25の周方向に沿って円弧状を成す板ばねであるクリックスプリング(第1弾性体)5が上記2つの溝25cに跨がるように設けられている。クリックスプリング5は、その円弧状の両端に折り曲げ部5aを有しており、両端の折り曲げ部5aがフロントケース25の外周面に形成された2つの溝25cにそれぞれ配置され、それぞれの溝25cの内壁25dに引っ掛けられて固定されている。すなわち、円弧状のクリックスプリング5は、フロントケース25の外周面に対して容易に外れないように取り付けられている。さらに、クリックスプリング5は、その円弧状の部分の中央部に外側に向けて突出した凸部5bを有しており、ギヤケース23の複数の凸部23aのうちの何れかがクリックスプリング5の凸部5bと係合して、クリックスプリング5の周方向のギヤケース23に対する位置、言い換えると、ギヤケース23のフロントケース25に対する周方向の位置が容易に変わらないようになっている。
そして、ギヤケース23の凸部23aと係合するすクリックスプリング5の中央部の凸部5bが、クラッチダイヤル24の複数の凹部24aの何れかと合わさっている(係合している)。別の表現で述べると、クリックスプリング5は、クラッチダイヤル24の内周面に接触しており、クラッチダイヤル24の周方向の移動を制限している。そして、クラッチダイヤル24の凹部24aとクリックスプリング5の凸部5bとが合わさる位置でクラッチダイヤル24がセットされる。
なお、本実施の形態1の電動工具1では、クラッチダイヤル24の外周面に接触する第2弾性体を、図3に示すトルククラッチ部4に有している。すなわち、電動工具1は、そのトルククラッチ部4に、クラッチダイヤル24の内周面に接触するクリックスプリング(第1弾性体)5と、クラッチダイヤル24の外周面に接触する第2弾性体と、を備えている。
図4に示す構造では、上記第2弾性体は、クラッチダイヤル24の外周面の形状に沿った円弧状を成す部材であり、ハウジング14とクラッチダイヤル24との径方向におけるハウジング14とクラッチダイヤル24との間に、クラッチダイヤル24の外周面に接触するように設けられている。言い換えると、上記第2弾性体は、ハウジング14とクラッチダイヤル24との径方向におけるハウジング14とクラッチダイヤル24との間の隙間7に、クラッチダイヤル24の外周面に接触するように設けられている。上記第2弾性体は、ハウジング14の材質より硬度が小さく柔らかなゴム部材6であることが好ましい。一例として、ハウジング14は硬質なナイロン材等からなり、一方、ゴム部材(第2弾性体)6は、ハウジング14より軟質なポリアミド系樹脂(ナイロン材)等からなる。つまり、円弧状のゴム部材6がクラッチダイヤル24の外周面とハウジング14の内周面との間に挟み込まれている。例えば、円弧状のゴム部材6がハウジング14の溝14bにはめ込まれており、クラッチダイヤル24の外側にハウジング14を組み付けた際に、円弧状のゴム部材6がクラッチダイヤル24の外周面に接触するような寸法関係となっている。
なお、円弧状のゴム部材6は、クラッチダイヤル24の外周面に対して複数設けられている。図4に示す構造では、円弧状のゴム部材6がクラッチダイヤル24の外周面に対して2つ設けられており、この2つの円弧状のゴム部材6がクラッチダイヤル24の外周面の径方向に、互いに対向して配置されている。
したがって、クラッチダイヤル24の外周面において互いに対向して配置された円弧状のゴム部材6の内径L1は、クラッチダイヤル24の外径L2より僅かに小さくなっており(L1<L2)、これにより、対向して配置された円弧状の2つのゴム部材6のそれぞれは、クラッチダイヤル24の外周面に接触している。
なお、円弧状のゴム部材6のクラッチダイヤル24の周方向に対する長さは、特に限定されるものではない。さらに、クラッチダイヤル24の外周面の周方向に対して設けられる円弧状のゴム部材6の数は1個であってもよく、または3個以上の複数個であってもよい。
ここで、ハウジング14の外周部の表面の一部には、緩衝ハウジング19が設けられている。緩衝ハウジング19は、その突起部19aがハウジング14の表面に設けられた溝14cにはめ込まれてハウジング14の外周部に固定されている。緩衝ハウジング19は、電動工具1の本体を保護するとともに、作業者の操作感を高めるためにハウジング14の外周部の一部に設けられた部材である。緩衝ハウジング19は、例えば、エラストマ材からなる。
本実施の形態1の電動工具1によれば、クラッチダイヤル24の外周面にゴム部材(第2弾性体)6が接触していることにより、クラッチダイヤル24とゴム部材6との間で摩擦力が発生し、クラッチダイヤル24が、加工時の振動などによって作業者の意図がない状態で回転をすることをより確実に抑制することができる。その結果、電動工具1の性能の向上を図ることができる。
なお、クラッチダイヤル24の外周面に接触するゴム部材6の周方向に対する数が多ければ多いほど(クラッチダイヤル24の外周面とゴム部材6との接触面積が大きければ大きいほど)、クラッチダイヤル24とゴム部材6との間で発生する摩擦力が大きくなるため、クラッチダイヤル24の意図しない回転をさらに防ぐことができる。
次に、本実施の形態1の変形例について説明する。
図5に示す変形例の電動工具1では、クラッチダイヤル24とハウジング14との径方向におけるクラッチダイヤル24とハウジング14との間(図4に示す隙間7)に、第2弾性体であるゴム部材6が、クラッチダイヤル24の外周面の全周に亘って設けられている。言い換えると、クラッチダイヤル24の外周面の全周がゴム部材6によって覆われている。さらに、別の表現で述べると、クラッチダイヤル24とハウジング14との径方向における間(隙間7)に、ゴム部材6が埋め込まれている。なお、ゴム部材6は、クラッチダイヤル24の外周面の全周を覆うため、リング状(筒状)でもある。
また、図5に示す構造においても、ゴム部材6の内径L1を、クラッチダイヤル24の外径L2より僅かに小さくしておくことで(L1<L2)、リング状(筒状)のゴム部材6は、クラッチダイヤル24の外周面の全周に亘って接触している。
図5に示す変形例の電動工具1によれば、図4に示す電動工具1と同様に、クラッチダイヤル24の外周面にゴム部材(第2弾性体)6が接触していることにより、クラッチダイヤル24が、加工時の振動などによって作業者の意図がない状態で回転をすることを抑制することができる。その結果、図4に示す構造と同様に、電動工具1の性能の向上を図ることができる。
また、クラッチダイヤル24の外周面において、ゴム部材6が全周に亘って設けられていることにより、クラッチダイヤル24とハウジング14との径方向における隙間(図4参照)7がほぼ無くなるため、クラッチダイヤル24とハウジング14との間に塵を入りにくくすることができる。
その結果、電動工具1における防塵性を高めることができる。
また、クラッチダイヤル24の外周面において、ゴム部材6が全周に亘ってクラッチダイヤル24に接触するように設けられていることにより、クラッチダイヤル24の振動の低減化を図ることができる。その結果、電動工具1の性能の向上を図ることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2の電動工具1は、ハウジング14の外周部を覆う緩衝ハウジング19の一部を第2弾性体として使用するものであり、緩衝ハウジング19の一部をハウジング14の外側(外周部)から内部まで延伸させてクラッチダイヤル24の外周面に接触させるものである。したがって、緩衝ハウジング19とゴム部材(第2弾性体)6とが一体で形成されており、緩衝ハウジング19のゴム部材6がクラッチダイヤル24の外周面に接触する。この場合の第2弾性体の材質は、緩衝ハウジング19と同様の材質であり、例えば、エラストマ材等である。
図6に示す電動工具1では、クラッチダイヤル24とハウジング14との径方向におけるクラッチダイヤル24とハウジング14との間(隙間7)に、クラッチダイヤル24の周方向に対して第2弾性体であるゴム部材6が複数個配置されており、複数のゴム部材6と緩衝ハウジング19とが一体に形成されている。具体的には、緩衝ハウジング19と複数のゴム部材6とがそれぞれ連結部19bを介して一体に形成されている。その際、ハウジング14に形成された貫通孔14dに連結部19bが配置され、ハウジング14の外側に配置される緩衝ハウジング19と、クラッチダイヤル24の外周面に接触する複数のゴム部材6と、がそれぞれ連結部19bを介して一体に成形されている。すなわち、緩衝ハウジング19と複数のゴム部材6と複数の連結部19bとが一体弾性体8となっている。そして、2つの一体弾性体8がクラッチダイヤル24の周方向において互いに対向して配置されている。
なお、図6に示す構造の場合、ハウジング14を成形する際に、ハウジング14と、緩衝ハウジング19、複数のゴム部材6及び複数の連結部19bからなる一体弾性体8と、を一体成形してもよい。
ただし、ハウジング14を形成した後、ハウジング14とは別体で一体成形した一体弾性体8を準備し、ハウジング14の外側からゴム部材6のそれぞれを押し潰してハウジング14の貫通孔14dに挿入してハウジング14に一体弾性体8を取り付けてもよい。
また、図6に示す構造においても、対向して配置される一体弾性体8のそれぞれのゴム部材6の内径L1を、クラッチダイヤル24の外径L2より僅かに小さくしておくことで(L1<L2)、複数のゴム部材6は、クラッチダイヤル24の外周面に接触することができる。
本実施の形態2の電動工具1によれば、クラッチダイヤル24の外周面に、緩衝ハウジング19と一体に形成された複数のゴム部材(第2弾性体)6が接触していることにより、クラッチダイヤル24と複数のゴム部材6との間で摩擦力が発生し、クラッチダイヤル24が、加工時の振動などによって作業者の意図がない状態で回転をすることをより確実に抑制することができる。その結果、電動工具1の性能の向上を図ることができる。
次に、本実施の形態2の変形例について説明する。
図7に示す変形例の電動工具1は、クラッチダイヤル24とハウジング14との径方向におけるクラッチダイヤル24とハウジング14との間(隙間7)に、第2弾性体として円弧状のゴム部材6が配置され、この円弧状のゴム部材6がクラッチダイヤル24の外周面に接触するように設けられている。そして、円弧状のゴム部材6と緩衝ハウジング19とが一体に形成されている。具体的には、緩衝ハウジング19と円弧状のゴム部材6とが連結部19bを介して一体に形成されている。その際、ハウジング14に形成された貫通孔14dに連結部19bが配置され、ハウジング14の外周部に配置される緩衝ハウジング19と、クラッチダイヤル24の外周面に接触する円弧状のゴム部材6とが連結部19bを介して一体に成形されている。すなわち、緩衝ハウジング19と円弧状のゴム部材6と複数の連結部19bとが一体弾性体8となっている。そして、図6の構造と同様に、2つの一体弾性体8がクラッチダイヤル24の周方向において互いに対向して配置されている。
なお、図7に示す構造の場合においても、ハウジング14を成形する際に、ハウジング14と、緩衝ハウジング19、円弧状のゴム部材6及び複数の連結部19bからなる一体弾性体8と、を一体成形する。
また、図7に示す構造においても、対向して配置される一体弾性体8のそれぞれの円弧状のゴム部材6の内径L1を、クラッチダイヤル24の外径L2より僅かに小さくしておくことで(L1<L2)、円弧状のゴム部材6は、クラッチダイヤル24の外周面に接触することができる。
図7に示す変形例の電動工具1によれば、図6に示す電動工具1と同様に、クラッチダイヤル24の外周面に、緩衝ハウジング19と一体に形成された円弧状のゴム部材(第2弾性体)6が接触していることにより、クラッチダイヤル24と円弧状のゴム部材6との間で摩擦力が発生し、クラッチダイヤル24が、加工時の振動などによって作業者の意図がない状態で回転をすることをより確実に抑制することができる。その結果、電動工具1の性能の向上を図ることができる。
また、クラッチダイヤル24の外周面に接触するゴム部材6を円弧状にすることで、図6に示す電動工具1に比較してゴム部材6とクラッチダイヤル24の外周面との接触面積を増やすことができ、クラッチダイヤル24の意図しない回転をさらに抑制することができる。その結果、電動工具1の性能をさらに向上させることができる。
(実施の形態3)
図8に示す本実施の形態3の電動工具1は、実施の形態2と同様に、ハウジング14の外周部を覆う緩衝ハウジング19の一部を第2弾性体として使用するものであり、緩衝ハウジング19の一部をハウジング14の外周部から内部まで延伸させてクラッチダイヤル24の外周面に接触させるものである。本実施の形態3では、クラッチダイヤル24の断面構造を示す図として図7を用いて説明する。
図8に示す構造においても、実施の形態2と同様に、図7に示す緩衝ハウジング19とゴム部材(第2弾性体)6とが一体で形成されており、緩衝ハウジング19のゴム部材6がクラッチダイヤル24の外周面に接触する。この場合の第2弾性体の材質は、緩衝ハウジング19と同様の材質であり、例えば、エラストマ材等である。
図8に示す電動工具1では、図7に示すように、クラッチダイヤル24とハウジング14との径方向におけるクラッチダイヤル24とハウジング14との間(隙間7)に、第2弾性体として円弧状のゴム部材6がクラッチダイヤル24の外周面に接触するように配置されている。そして、円弧状のゴム部材6と緩衝ハウジング19とが一体に形成されている。具体的には、緩衝ハウジング19と円弧状のゴム部材6とが図8に示す連結部19bを介して一体に形成されている。その際、円弧状のゴム部材6は、図8に示すように、ハウジング14の外周部からハウジング14の先端工具3側の端部を介して図7に示すクラッチダイヤル24の外周面まで延伸されている。すなわち、円弧状のゴム部材6は、図8に示すように、ハウジング14の外周部の緩衝ハウジング19からハウジング14の先端工具3側の端部を回り込むように配置された連結部19bを介して図7に示す内部のクラッチダイヤル24の外周面に接触している。
このように図8に示す電動工具1は、ハウジング14の外周部に配置された緩衝ハウジング19と、ハウジング14の内側に配置された円弧状のゴム部材6と、を繋ぐ連結部19bをハウジング14の先端工具3側の端部を回り込むよう配置したものである。
図8に示す電動工具1においても、クラッチダイヤル24が、加工時の振動などによって作業者の意図がない状態で回転をすることをより確実に抑制することができる。その結果、電動工具1の性能の向上を図ることができる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、ハウジング14とクラッチダイヤル24との径方向の隙間7に配置されるゴム部材(第2弾性体)6のクラッチダイヤル24の周方向における設置数は、少なくとも1つであればよく、ゴム部材6が複数個設けられている場合、その設置数は何個であってもよい。また、クラッチダイヤル24の外周面に複数の凹凸部が形成された場合、第1弾性体はクラッチダイヤル24の外周面と接触すればよい。また、第2弾性体はクラッチダイヤル24と接触し、クラッチダイヤル24に摩擦力を与えればよいものであるため、第2弾性体はクラッチダイヤル24の内周面、または、外周面の少なくともどちらか一方に配置されればよい。
1…電動工具、2…出力軸、3…先端工具、4…トルククラッチ部(動力遮断部)、5…クリックスプリング(第1弾性体)、5a…折り曲げ部、5b…凸部、6…ゴム部材(第2弾性体)、7…隙間、8…一体弾性体、12…モータ、13…チャック(工具保持部)、14…ハウジング、14a…開口端、14b,14c…溝、14d…貫通孔、15…グリップ、16…装着部、17…電池パック、18…トリガ、19…緩衝ハウジング、19a…突起部、19b…連結部、20…軸線、21…回転軸、22…調節機構、23…ギヤケース、23a…凸部、24…クラッチダイヤル(トルク設定ダイヤル)、24a…凹部、25…フロントケース、25a…大径部、25b…小径部、25c…溝、25d…内壁、26…リヤケース、27…リングギヤ、28…変速装置(動力伝達機構)、29…第1遊星歯車機構、30…第2遊星歯車機構、31…第3遊星歯車機構、32…キャリア、33…スピンドル、54…雄ねじ、55…ナット、56…プレート、57…圧縮ばね、58…保持孔、59…スチールボール、60…プレート

Claims (9)

  1. モータと、前記モータの回転軸の方向と平行に取り付けられる先端工具と、を備えた電動工具であって、
    前記モータを収容するハウジングと、
    前記先端工具を保持する工具保持部と、
    前記モータから出力される動力を前記工具保持部に伝達する動力伝達機構と、
    前記動力伝達機構に設けられ、前記先端工具に作用する負荷トルクが閾値に到達すると前記動力の伝達を遮断する動力遮断部と、
    前記閾値の大きさを設定する筒状のトルク設定ダイヤルと、
    前記トルク設定ダイヤルの内周面に接触する第1弾性体と、
    前記トルク設定ダイヤルの外周面に接触する第2弾性体と、
    を備えている、電動工具。
  2. 前記第2弾性体は、前記ハウジングと前記トルク設定ダイヤルとの径方向において、前記ハウジングと前記トルク設定ダイヤルとの間に設けられている、請求項1に記載の電動工具。
  3. 前記第2弾性体は、前記トルク設定ダイヤルの前記外周面の径方向に、互いに対向して配置された複数の弾性体である、請求項1または2に記載の電動工具。
  4. 前記第2弾性体は、前記トルク設定ダイヤルの前記外周面の全周に亘って配置されている、請求項1または2に記載の電動工具。
  5. 前記第2弾性体は、ゴム部材である、請求項1〜4の何れか1項に記載の電動工具。
  6. 前記第2弾性体は、前記ハウジングの外周部の一部を覆い、かつエラストマ材からなり、さらに前記ハウジングの外周部から前記トルク設定ダイヤルの前記外周面まで延伸されている、請求項1に記載の電動工具。
  7. 前記第2弾性体は、前記ハウジングに形成された貫通孔を介して前記トルク設定ダイヤルの前記外周面まで延伸されている、請求項6に記載の電動工具。
  8. 前記第2弾性体は、前記ハウジングの外周部から前記ハウジングの先端工具側の端部を介して前記トルク設定ダイヤルの前記外周面まで延伸されている、請求項6に記載の電動工具。
  9. モータと、前記モータの回転軸の方向と平行に取り付けられる先端工具と、を備えた電動工具であって、
    前記モータを収容するハウジングと、
    前記先端工具を保持する工具保持部と、
    前記モータから出力される動力を前記工具保持部に伝達する動力伝達機構と、
    前記動力伝達機構に設けられ、前記先端工具に作用する負荷トルクが閾値に到達すると前記動力の伝達を遮断する動力遮断部と、
    前記閾値の大きさを設定する筒状のトルク設定ダイヤルと、
    前記トルク設定ダイヤルの内周面、または、外周面に接触する第1弾性体と、
    前記トルク設定ダイヤルの内周面、または、外周面に接触する第2弾性体と、
    を備え、
    前記第1弾性体、または、前記第2弾性体の少なくともどちらか一方は、ゴム部材、または、エラストマ材である、電動工具。
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