JP2021012257A - スクリーン - Google Patents

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Tatsuo Uchida
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Abstract

【課題】外光が存在する環境であっても観察者により観察される映像の明るさを確保しつつ、視野角を広げることができるスクリーンを得ること。【解決手段】プロジェクタから自身の表面に入射される光を反射させて出射するスクリーン1であって、複数の微小光学構造11を有し、複数の微小光学構造11のそれぞれは、プロジェクタから入射される光を所望の方向を基準として拡散させて反射する曲面15を有する。【選択図】図10

Description

本発明は、プロジェクタにより映像または画像が投影されるスクリーンに関する。
プロジェクタとスクリーンを用いたプロジェクションシステムでは、拡散光を制御することは技術的に難しく、明所での、輝度、コントラストの確保が難しい。このため、プロジェクタから入射される光以外の外光が存在する場合であっても、輝度、コントラストを確保できるスクリーンが望まれている。
プロジェクタにより映像をスクリーンに投影するシステムにおいて、外光の存在する環境下においても輝度、コントラストを確保するために、スクリーンに再帰性反射材を用いる場合がある。例えば、特許文献1には、車両を運転する運転者の視界を妨げるピラーによる死角をなくすために、ピラーの外方をカメラで撮影し、撮影した画像をリアルタイムでプロジェクタから車室内のピラーの再帰性反射面に投影する技術が開示されている。
特許第4280648号公報
しかしながら、スクリーンに再帰性反射材を用いた場合、出射方向がプロジェクタに向いて映像が明るく見えるが、観察できる範囲すなわち視野角は極めて狭い。このため、特許文献1に記載されているようにプロジェクタをスクリーンの観察者とほぼ同じ位置に設置する必要があり、プロジェクタの配置位置に制約が生じる。
例えば、上記特許文献1に記載されているように、ピラーの部分に対応する映像を撮影し、撮影した映像を車両内に設置されたプロジェクタによりピラーの部分に投影する技術において、ピラー部分に再帰性反射材を用いると、運転者の座席の高さの違いや運転者の運動により運転者の眼の位置が想定された位置とずれると、運転者が映像を正しく視認できない場合がある。また、デジタルサイネージなどの他の用途への適用を考慮した場合も、観察者とプロジェクタの位置を一致させることができない場合も想定される。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、外光が存在する環境であっても観察者により観察される映像の明るさを確保しつつ、視野角を広げることが可能なスクリーンを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、プロジェクタから自身の表面に入射される光を反射させて出射するスクリーンであって、複数の微小光学構造を有し、前記複数の微小光学構造のそれぞれは、前記プロジェクタから入射される光を所望の方向を基準として拡散させて反射する第1の面を有することを特徴とする。
本発明によれば、外光が存在する環境であっても観察者により観察される映像の明るさを確保しつつ、視野角を広げることができるという効果を奏する。
図1は、プロジェクションシステムの構成例を示す図である。 図2は、プロジェクションシステムを上方向からみた図である。 図3は、スクリーンの一例を示す模式図である。 図4は、車両のピラーを示す図である。 図5は、スクリーンとプロジェクタの配置例を示す図である。 図6は、スクリーンとプロジェクタの配置例を示す図である。 図7は、スクリーンとプロジェクタの配置例を示す図である。 図8は、スクリーンの形状の決定方法の概念を示す図である。 図9は、図8に示した状態から、平面が基準面と直交するように平面を回転させた後の状態を示す図である。 図10は、スクリーンの微小光学構造を説明するための図である。 図11は、図10に示したスクリーンの中心付近の1つの微小光学構造を拡大した図である。 図12は、Ym軸方向に正弦波形状を有する曲面を用いた微小光学構造の一例を示す図である。 図13は、表面が平でないピラーの一例を示す図である。 図14は、θsxの決定方法の一例を示す図である。 図15は、曲面の曲率半径Rの算出方法の一例を示す図である。 図16は、θsyの決定方法の一例を示す図である。 図17は、短軸Yc方向の入射角の変化を示す図である。 図18は、2面コーナーリフレクターの機能を持つ微小光学系を有するスクリーンの一例を示す図である。 図19は、2面コーナーリフレクターの機能を持つ微小光学系を有するスクリーンの一例を示す図である。 図20は、2面コーナーリフレクターの機能を持たない微小光学構造の形状の一般化した決定方法の一例を説明するための図である。 図21は、2面コーナーリフレクターの機能を持たない微小光学構造の形状の一般化した決定方法の一例を説明するための図である。 図22は、図21に示した微小光学構造の断面を模式的に示す図である。 図23は、ピラーのうちスクリーンが設けられる平面の長軸上の任意の点を基準とした場合の微小光学構造の形状の決定方法の一例を説明するための図である。 図24は、ピラーのうちスクリーンが設けられる平面の長軸上の任意の点を基準とした場合の微小光学構造の形状の決定方法の一例を説明するための図である。 図25は、図24に示した微小光学構造の断面を模式的に示す図である。
以下に、本発明の実施の形態にかかるスクリーンを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明にかかる実施の形態のプロジェクションシステムの構成例を示す図である。図1に示すように、プロジェクションシステムは、スクリーン1とプロジェクタ2を備える。図1は、本実施の形態のプロジェクションシステムを横方向から見た場合の概略の配置を示している。図2は、本実施の形態のプロジェクションシステムを上方向からみた図である。なお、図1に示した例では、スクリーン1の投影面が鉛直方向および水平方向の2方向に広がる平面である例を示しており、横方向は水平方向であり、上方向は鉛直方向の上側である。なお、図1、図2に示したプロジェクションシステムの配置は、一例であり、スクリーン1とプロジェクタ2の配置は、図1、図2に示した例に限定されない。
図1、図2に示すように、第1の方向である上下方向のスクリーン1の長さをL1とし、第1の方向に直交する第2の方向である横方向のスクリーン1の長さをL2とする。図1、図2に示すように、本実施の形態では、L1がL2に比べて長く、スクリーン1の投影面が長方形となっている。本実施の形態では、スクリーン1の投影面が、長方形、楕円形といったように、一方向に長い形状であることを前提としている。
観察者3はプロジェクタ2から出射されてスクリーン1で反射された光を観測する。したがって、本実施の形態のスクリーン1の代わりに一般的な白色のスクリーンを使用すると、外光4が多くなるほどスクリーンに投影された映像または画像は外光4の影響により品質が劣化する。詳細には、スクリーンに投影された映像または画像は、白く曇ったような画像となり、コントラストが低下する。
また、観察者3により観察される映像の明るさ、コントラストを得るためには、スクリーン1に再帰性反射材を用いることが考えられるが、一般的な再帰性反射材を用いると、視野角が狭いためプロジェクタ2から射出される光はプロジェクタ2へ戻る。このため、観察者3とプロジェクタ2の位置を一致させる必要がある。したがって、一般的な再帰性反射材を用いると、観察者3とプロジェクタ2の配置位置の自由度がなくなる。本実施の形態では、外光4が存在する環境であっても観察者3により観察される映像の明るさを確保しつつ、視野角を広げるために、微小光学構造を有するスクリーン1を用いる。これにより、図1、図2に示すように、プロジェクタ2の位置と、観察者3の位置とが異なっていても、観察者3により観察される映像の明るさ、コントラストを確保することができる。
図3は、本実施の形態のスクリーン1の一例を示す模式図である。本実施の形態のスクリーン1は、プロジェクタ2から自身の表面に入射される光を反射させて出射する。図3に示すように、本実施の形態のスクリーン1は、複数の微小光学構造11を有する。詳細には、微小光学構造11は、図3に示すように、スクリーン1の長手方向である長さL1の方向に並んでいる。複数の微小光学構造11のそれぞれは、プロジェクタ2から入射される光を所望の方向を基準として拡散させて反射する第1の面を有する。なお、図3では、形状をわかりやすくするために微小光学構造11を大きく記載しており、図3は、スクリーン1の実際の大きさと微小光学構造11の実際の大きさを示すものではない。
微小光学構造11の大きさは、一般的には、スクリーン1に投影される映像または画像の1画素より小さく設定される。1画素が、例えば1mm四方程度であるとすると、微小光学構造11は1mmより小さい。詳細は、後述するが、本実施の形態では、長手方向については、微小光学構造11により、スクリーン1で反射される光を制御する。短手方向である長さL2の方向については、正反射されることを前提として微小光学構造11の形状を決定する。例えば、第1の面の中心点と図1、図2に示した観察者3の位置とプロジェクタ位置との中間点Mとを結ぶ線が、微小光学構造11の第1の面の中心点の法線となる。これにより、プロジェクタ2から出射されて第1の面で反射された光は観察者3の位置へ到達する。
外光4が存在する環境としては、屋外、室内の明るい場所、屋外で使用される車両などの内部などが挙げられる。本実施の形態のスクリーン1はこれらの環境で用いられる任意の用途に適用可能であるが、以下では、本実施の形態のスクリーン1が車両のピラーに設けられる例を説明する。
図4は、車両のピラーを示す図である。図4に示すように、車両は、車両の前方に設けられるピラー101、車両の横に設けられるピラー102,103などを有する。図4では、車両の進行方向に向かって左側に設けられるピラー101,102,103を図示しているが、一般には、同様に車両の進行方向に向かって右側にも同様にピラー101,102,103が設けられる。これらのピラー101,102,103は、車両の搭乗者の視界の妨げとなる。特に、車両の前方の運転席側に設けられるピラー101は、運転者にとって、進行方向の視野の妨げとなり、影響が大きい。
そこで、ピラー101の外側を撮影するカメラを設け、カメラにより撮影された画像を車両内に設けられたプロジェクタでピラー101に設けられたスクリーンに投影するピラーの透明化と呼ばれる技術が検討されている。本実施の形態のスクリーン1は、ピラーの透明化技術に用いることができる。この場合、本実施の形態のプロジェクタ2は車両内に設けられ、本実施の形態のスクリーン1はピラー101に設けられる。なお、スクリーン1は、例えば、ピラー101に貼付されてもよいし、ピラー101の一部として形成されてもよい。以下では、車両の運転席側のピラー101にスクリーン1が設けられる場合を例に挙げて説明するが、本実施の形態のスクリーン1が設けられる位置は、車両の運転席側のピラー101に限定されない。例えば、車両内の助手席側のピラー101、またはピラー102,103等側面にスクリーン1が設けられてもよいし、ピラー101,102,103以外の位置にスクリーン1が設けられてもよい。また、プロジェクタ2が投影する画像または映像も、各ピラーの透明化のために車両の外側を撮影するカメラで撮影されたものであってもよいし、それ以外の映像であってもよい。また、上述したとおり、本実施の形態のスクリーン1は車両内ではなく、屋外、室内などで、デジタルサイネージなどの他の用途に使用されてもよい。また、1つのスクリーン1と、異なる位置に設けられた複数のプロジェクタを用いて、観察者3の位置に応じてスクリーン1に異なる映像を投影してもよい。
以下、スクリーン1の微小光学構造11の形状の決定方法について、車両内の運転席側のピラー101にスクリーン1が設けられる場合を例に挙げて説明する。図5〜図7は、スクリーン1とプロジェクタ2の配置例を示す図である。図5〜図7に示した例では、運転席側のピラー101にスクリーン1が設けられ、スクリーン1に投影された画像または映像を観察する観察者3は運転者であると想定している。なお、図5〜図7に示すように、運転席側は車両の進行方向に向かって右側に設けられている。運転席が車両の進行方向に向かって左側に設けられる場合にも、以下に述べる例と同様の考え方でスクリーン1の微小光学構造11の形状を決定することができる。なお、ここでは、まず、微小光学構造11の形状を、短軸に直交する切断面で切断したときの断面が短軸方向の位置によらずに同一ののこぎり歯形状となるように簡素化した例を説明し、より厳密な形状の決定方法については後述する。
図5は、車両の側面側から観た図であり、図6は、車両の背面側から見た図であり、図7は、車両の上面側から観た図である。図5〜図7に示すように、プロジェクタ2は、車両の天井の運転席より中央よりに設けられる。図5〜図7に示したプロジェクタ2の位置は一例であり、プロジェクタ2はヘッドレストなど他の位置に設けられていてもよい。図5〜図7に示すように、プロジェクタ2の位置をプロジェクタ位置Pとし、観察者3の両眼の中心位置を観察者位置Dとする。図5〜図7に示すように、ピラー101の表面は、一般的に一方向(長手方向)の長さが他方向の長さに比べて長い形状となる。スクリーン1も概ねピラー101の形状にあわせて形成されるため、一方向(長手方向)の長さが他方向の長さに比べて長い。
図8は、本実施の形態のスクリーン1の形状の決定方法の概念を示す図である。まず、プロジェクタ位置Pと観察者位置Dを決定する。観察者位置Dは、観察者3の想定される位置である。なお、観察者位置Dは実際に観察者3が車両に搭乗するときには変化するが、ここでは、代表的な位置を定義しておく。後述するように、本実施の形態では、スクリーン1の視野を広げておくため、観察者位置Dが多少変化しても、観察者3はスクリーン1に投影された画像または映像を視認する際に、明るく高いコントラストで視認できる。
図8に示すように、プロジェクタ位置Pと観察者位置Dの中間点を中間点Mとする。ピラー101のうちスクリーン1が設けられる面を平面12とし、平面12の中心位置を原点Oとする。Xc軸は、後述するピラー座標系における1つの軸であり、原点Oを通るピラー101の長手方向を示す。また、ピラー101の表面である平面12の中心である原点Oを原点としXc軸、Yc軸、Zc軸の3軸で構成される右手系の直交座標系をピラー座標系と定義する。Xc軸およびYc軸は、平面12内の軸であり、Xc軸は、ピラー101の長手方向すなわち長軸であり、Yc軸は、ピラー101の短軸である。Xc軸の正方向は、紙面の右上へ向かう方向、すなわち原点Oよりプロジェクタ2側とし、Zc軸の正方向は、平面12からプロジェクタ2側へ向かう方向とする。
次に、原点Oから中間点Mに向かう軸をZmとし、平面12へのZm軸の投影をZma軸とする。また、Xc軸と中間点Mを含む面を基準面Smとする。さらに原点Oを通り、基準面Smに垂直な軸をYm軸とする。Ym軸とYc軸のなす角度をθcとする。
ピラー101の位置および形状、プロジェクタ位置P、観察者位置Dの組み合わせによっては、平面12が基準面Smと直交する場合もあるが、一般には、平面12は基準面Smと直交しない。図8に示した例でも、平面12と基準面Smは直交していない。そこで、平面12を、Xc軸を中心に図8に示した状態のYm軸とYc軸のなす角度であるθc回転させることにより、平面12が基準面Smと直交するように調整する。図9は、図8に示した状態から、平面12が基準面Smと直交するように平面12を回転させた後の状態を示す図である。これにより、図9に示した状態では、Ym軸とYc軸のなす角度は0°となりYm軸とYc軸が一致し、また、Zma軸がXc軸と一致する。
図9に破線で示した平面21は、図8の状態におけるすなわちXc軸を中心に回転させる前の平面12である。図9に示した状態で、平面12の原点Oに対応する位置に、スクリーン1の一部である微小光学面13を形成するとする。以下では、平面12の原点Oと微小光学面13の中心点とは一致するとして説明する。なお、平面12の上に微小光学面13を形成すると微小光学面13が傾斜しているので、微小光学面13の中心点は平面12上には存在しなくなるが、ここでは、微小光学面13が微小であり、傾斜角もそれほど大きくないと仮定して、平面12の中心点と微小光学面13の中心点とは同一とみなせるとして説明する。微小光学面13は、Zm軸を垂線とする面である。平面12に対する傾斜角をθtとする。本実施の形態では、まず、平面12の中心に対応する位置で微小光学面13がZm軸と直交するように微小光学面13の傾斜角θtを決定する。このように、微小光学面13がZm軸と直交するようにしておけば、プロジェクタ2から出射された光は微小光学面13で正反射することにより、観察者位置Dに到達する。ここで、厳密には、中間点Mは、観察者位置Dとプロジェクタ位置Pの中点ではなく、原点Oから見て観察者位置Dの方向とプロジェクタ位置Pの方向の中間の角度の点である。ただし、一般に長さOMに比べてDPが短いので、観察者位置Dとプロジェクタ位置Pの中点と原点Oから見てD方向とP方向の中間の角度の点とはほぼ一致する。従って、簡略して以下中間点Mは観察者位置Dとプロジェクタ位置Pの中点であるとする。また、微小光学面13の傾斜角をYm軸方向に一定であるとすると、微小光学面13と平面12の交線14は、図9に示すように、Ym軸に平行となる。図9に示した例では、微小光学面13の傾斜角θtは、(90°−θz)となる。θzは、平面12とプロジェクタ位置Pと観察者位置Dとに基づいて求めることができるので、(90°−θz)によりθtを求めることができる。
本実施の形態では、図9を用いて説明したように、まず傾斜角θtをもつ平面である微小光学面13を決定した。次に、円筒の表面を用いて微小光学構造11を形成する。図10は、スクリーン1の微小光学構造11を説明するための図である。円筒の表面を曲面15とし、その断面を図9の微小光学面13と一致させた例を示している。曲面15の法線は位置により若干異なるが、曲面15の中心点における法線は微小光学面13の垂線と一致する。したがって、曲面15の中心点の法線が、原点Oから中間点Mに向かう軸と一致する。なお、曲面15の中心点の法線と、原点Oから中間点Mに向かう軸とは、完全に一致していなくてもよく概ね一致していればよい。図10に示すように、スクリーン1は、Xc軸方向に、ピッチPxで複数並んだ微小光学構造11を有する。すなわち、図10に示すように、本実施の形態のスクリーン1は、のこぎり波状に複数の微小光学構造11を有している。図10に示したスクリーン1のうち、Zm軸とZma軸の交点が存在する微小光学面13(図10の破線で示した面)は、図9に示した微小光学面13をYm軸方向に延長したものである。
図11は、図10に示したスクリーン1の中心付近の1つの微小光学構造11を拡大した図である。曲面15は、微小光学構造が延伸する方向を高さとする円筒の内側の面の一部である。詳細には、微小光学構造11を構成する曲面15は、曲率半径Rの円筒の内側の面を傾斜角θtだけ傾斜させたものである。微小光学構造11を構成する面を曲面15にする理由は、スクリーン1で反射される光を拡散させて視野を広げるためである。曲面15の中央のへこみ長、すなわち、曲面15の中央と微小光学面13の中央との距離をHxとし、曲面15の両端の曲面15の接線が微小光学面13となす角、すなわち、曲面15の微小光学面13に対する最大傾斜角を、θsxとする。θsxは、光を拡散させるべき範囲によって決定される。θsxの決定方法の一例は後述する。なお、図10および図11に示した例では、曲面15を円筒の内側の面の形状としたが、曲面の形状はこれに限定されない。曲面15により反射される光を、所望の範囲に拡散させることができるような形状であればよい。なお、ここでは、微小光学構造11の曲面15をXc軸方向に並べるためには、隣接する微小光学構造11の間に空間を設ける必要がある。図10および図11に示した例では、Ym軸方向に平行であってYm軸方向に傾いた平面16を設けて、平面16が平面12と曲面15とに接するようにしている。平面16の形状および傾きは、曲面15を所望の形状に形成できるように決定されればよく、図10および図11に示した例に限定されない。
図11では、スクリーン1の中央付近の微小光学構造11を例に示したが、Xc軸方向の位置の異なる他の微小光学構造11についても、同様に、原点Oを、Xc軸方向に並ぶ各微小光学構造11の中央となる点として、同様に、Zm軸と直交するように微小光学面13の傾斜角θtを求め、この傾斜角に基づいて曲面15を決定する。なお、図10では模式的に示しているため傾斜角θtの差異は明確ではないが、実際には、傾斜角θtは、Xc軸方向の位置によって異なる。
また、曲面15で反射される光がさらに拡散されるように、微小光学構造11を構成する曲面15に、Ym軸方向に正弦波形状を形成してもよい。図12は、Ym軸方向に正弦波形状の凹凸を有する曲面15を用いた微小光学構造11の一例を示す図である。図12に示した例では、曲面15は、Ym軸方向にピッチPyの正弦波形状を有する。この正弦波の山と谷との距離をHyとすると、Hyは拡散角などに応じて決定することができる。なお、曲面15は正弦波形状に限定されない。曲面15により反射される光を、所望の範囲に拡散させることができるような形状であればよい。
図10および図11に示したような、のこぎり状のスクリーン1は、例えば、基材をバイトで削ることにより形成することができる。このとき、図10および図11に示した例では、Xc軸だけに微小光学構造を持たせている。すなわち、スクリーン1を構成する複数の微小光学構造11のそれぞれは、第2の方向である短軸(Yc軸)方向に直交する断面がYm軸上の位置によらず等しい。このため、製造が容易である。また、図12に示すように、正弦波形状を有する曲面15を用いる場合でも、例えば、バイトで基材を削る際に、バイトを深さ方向に動かしながら削ることで形成することができる。
なお、以上の説明では、図9に示したように、平面12が基準面Smと直交するように平面12を回転させることができる例について説明した。一方で、ピラー101の設計上の制約などにより、平面12を回転させることができない場合も考えられる。この場合含む一般化した例については、後述する。
図13は、表面が平でないピラー101の一例を示す図である。図13に示すように、ピラー101の表面が平でなく曲面状である場合でも、微小光学構造11を有するスクリーン1を形成することができる。この場合も、平面12上の各位置において、Zm軸を垂線とする微小光学面13を定義して傾斜角を求め、傾斜角に基づいて曲面を決定すればよい。ただし、この場合、微小光学面13と平面12との交線14がYc軸に平行にならず、またYc軸方向において交線14が曲がる可能性もあるが、例えば、Yc軸方向をいくつかの区分に区切って直線状につなぎ合わせた交線14となるように微小光学面13を定義すれば、基材をバイトで削ることによりスクリーン1を形成することができる。
次に、上述した微小光学構造11における拡散を考慮した各パラメータの決定方法の一例について説明する。本実施の形態では、上述したように、まず、中間点Mと微小光学面13の中心点とを結ぶZm軸に直交する面を求めることにより、正反射によってプロジェクタ2から出射された光が観察者位置Dに到達するようにする。その上で、微小光学構造11の構成する面を曲面15とすることで、観察者位置Dからずれた位置でも、プロジェクタ2から出射されてスクリーン1で反射された光を観察できるように、スクリーン1で反射される光を拡散させる。観察者3の眼の位置がどこまでずれてもスクリーン1で反射される光を観察できるか、すなわち、観察者3が観察できる範囲を定義し、その範囲に光が到達するように、曲面15の形状を決定する。
図14は、θsxの決定方法の一例を示す図である。図14に示すように、観察者位置Dと原点Oとの距離をLdとし、観察者3が座高の違いなどにより観察者位置Dから移動し得る距離を±ΔLxとする。観察者3が±ΔLxだけ移動しても、プロジェクタ2から出射されてスクリーン1で反射された光を観察できるようにするように、θsxは、例えば、以下の式(1)を満たすように決定される。なお、式(1)は一例であり、θsx決定方法は式(1)に限定されない。
tan2θsx=ΔLx/Ld ・・・(1)
図15は、曲面15の曲率半径Rの算出方法の一例を示す図である。図15に示すように、曲面15の幅Lmは、以下の式(2)により算出することができる。
Lm=Px・cosθt ・・・(2)
曲率半径Rは、以下の式(3)により算出することができる。
R=(Lm/2)・sinθsx・・・(3)
以上のように、プロジェクタ2、観察者3の位置、ピラー101の位置および形状などに応じて、微小光学構造11を構成する曲面15を決定することができる。
図14ではピラーの長軸方向Xcに対して、図11の面15を円筒の曲面として反射光を拡散させ、観察者3が移動し得ることを示した。これと同様にピラーの短軸Yc方向に対して曲面を形成して反射光を拡散させ、観察者3が観察者位置Dから移動し得る距離を図16のようにΔLyとする。なお、この曲面として正弦波を用いる例を図12に示したが、図16は正弦波の傾斜角の最大値θsyの決定方法の一例を示す図である。観察者3がΔLyだけ移動しても、プロジェクタ2から出射されてスクリーン1で反射された光を観察できるようにするために、θsyは上述の(1)式と同様に決定することができる。なお、これによってθsyが決定されれば、図12におけるHyとPyの関係は次式(4)のように表される。
Hy/Py=(tanθsy)/π・・・(4)
また、図17は、短軸Yc方向の入射角の変化を示す図である。図17に示すように、プロジェクタ2からピラー101のXc軸上の点への光の入射角とピラー101の短軸方向の端部となる位置への光の入射角との差をΔθpyとする。この入射角の差Δθpyにより、プロジェクタ位置Pから短軸の端に入射した光は図15に示すように観察者位置Dから2Δθpyだけずれた位置に反射される。このために反射光の拡散角度をより大きくさせる必要がある。すなわち、このための拡散を考慮すると、前記の観測者の移動を想定したθsyにΔθpyを加えた傾斜角となる。従って、この場合の図12のHyとPyの関係は(4)式のθsyの代わりにΔθpy+θsyを代入すれば良い。
以上、車両のピラー101にスクリーン1が設けられる例を説明したが、ピラー101以外の位置にスクリーン1が設けられる場合にも、同様に、スクリーン1の位置と、プロジェクタ2、観察者3の位置に基づいて、微小光学構造11を構成する曲面15を決定することができる。また、本実施の形態では、曲面15を用いることにより、反射する光を拡散させたが、曲面15を用いずにランダムな凹凸を有する面などを用いることにより光を拡散させてもよい。
なお、スクリーン1は、例えば、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの基材、およびアルミ、銀などの金属膜あるいは誘電体反射膜(屈折率の異なる単層あるいは多層薄膜)により形成される。例えば、基材をバイトで削ることによりスクリーン1の微小光学構造11を形成し、アルミ、銀などの金属膜を蒸着することによりスクリーン1が形成される。上述したように、本実施の形態では、一方向に微小光学構造11を有するようにしているので、2方向にそれぞれ微小光学構造を有する場合に比べて製造が容易である。なお、図12に示すようにY方向にさらに微小な構造を有する場合もあるが、このような場合でもバイトで削る際のバイトの深さだけを変更すればよい。なお、金属膜を保護する必要がある場合は、その表面を透明樹脂等でカバーすれば良い。あるいは、その代わりに、透明樹脂の薄膜または薄板の裏側にこれまで述べた微小光学構造を形成して、これをピラーに貼って使う方法もある。ただし、これらの場合、傾斜角θtや拡散のためのθsx、θsy、Δθpy等の値は樹脂等による屈折を考慮して修正する必要がある。
なお、表面反射のために上記のように金属膜などを形成するのが一般的であるが、それなしで樹脂基材の表面反射だけを用いても良い。その場合の反射率rは樹脂の屈折率をnとすると以下の式(5)で表すことができる。
r=(1−n)/(1+n) ・・・(5)
反射率rの値は0.04(4%)程度と小さいが、拡散を限定した正反射を利用するのでスクリーンとしては十分な明るさが得られる。ただし、残りの96%の光は樹脂内に入射して、拡散光として戻ることになる。従って、いろいろな方向から入射する外光があると、この樹脂内で拡散して戻る光が画像のコントラストを大幅に低下させることになる。これを避けるために樹脂に黒色色素を混入させるなどして樹脂内に入射した光を吸収させ、拡散光を無くす必要がある。
なお、図10および図11に示した例では、平面16については特に制約を設けなかったが、隣り合う微小光学構造の向かい合う面のなす角度を90°とすることにより、2面コーナーリフレクターとして機能させることもできる。図18および図19は、2面コーナーリフレクターの機能を持つ微小光学系を有するスクリーンの一例を示す図である。図18および図19に示した例では、スクリーン1aは、第1の面である曲面15aと、第2の面である平面16aとを有する微小光学構造11aを、複数有する。曲面15aの決定方法は図10および図11に示した例と同様である。第1の面は、スクリーン1aの設けられる平面12と交わる面であり、第2の面は、第1の面と交わるとともに、平面12と交わる。
本実施の形態では、図19に示すように、複数の微小光学構造11aのうちの1つである第1の微小光学構造の円筒曲面を曲面15aとし、その断面を断面13aとする。第1の微小光学構造の断面13aと複数の微小光学構造11aのうちの1つであり第1の微小光学構造に隣接する第2の微小光学構造の平面16aとのなす角θmを90°とする。このθmは、90°に完全に一致してなくてもよく、約90°であればよい。これにより、曲面15aの中心点に入射された光は隣接する微小光学構造11aの平面16aで反射されて、入射された方向へ戻る。微小光学構造11aに曲面15aを用いるなどにより拡散させることにより、プロジェクタ2から入射された光がプロジェクタ2だけでなく観察者3の方向へ到達することになる。また、プロジェクタ2から中心点以外に入射した光も拡散して観察者3の方向へ到達することになる。
本実施の形態では、スクリーン1に微小光学構造11を設け、微小光学構造11の曲面15の傾斜角をプロジェクタ2と観察者3の位置の中間点と、微小光学構造11の中心点とを結ぶ線が曲面15の傾斜角を定める微小光学面13の垂線となるように微小光学構造11を決定するようにした。また、微小光学構造11に曲面15を用いることにより、反射させる光を拡散させるようにした。これにより、本実施の形態のスクリーン1は、観察者3により観察される映像の明るさを確保しつつ、視野角を一定の角度に広げることができる。このために、外光が存在する環境であってもプロジェクタ近傍以外からの外光入射についてはその反射光は観察者3には到達せず、影響を抑える機能を有する。
以上説明した例では、ピラー101のうちスクリーン1が設けられる平面12の長軸上の点における微小光学構造11の曲面15の中心点の法線が、この点から観察者3の位置とプロジェクタ位置との中間点の方向に向くという簡易条件によって、微小光学構造11の曲面15の傾斜角を決定した。すなわち、観察者3とプロジェクタ2間の距離に比べて、ピラー101とプロジェクタ2間の距離の方が十分長いという前提で、微小光学構造11の光学面の法線が観察者3の位置とプロジェクタ位置との中間点を向けば、鏡面反射によりプロジェクタ2から出射した光が観察者3により観察されると仮定した。以下では、より厳密な微小光学構造11の形状の決定方法と形状の簡素化の例について説明する。
まず、2面コーナーリフレクターの機能を持たない微小光学構造11について説明する。図20、図21および図22は、2面コーナーリフレクターの機能を持たない微小光学構造11の形状の一般化した決定方法の一例を説明するための図である。以下の(1)〜(7)により、図20に示すように、平面12の長軸X上の任意の点Aを基準にして、これに関連する点AおよびAを決定する。
(1)平面12を含む面を面Sとする。
(2)平面12の長軸X上の任意の点を点Aとする。
(3)プロジェクタ2の位置をプロジェクタ位置Pとし、観察者3の眼の位置を観察者位置Dとする。
(4)観察者位置Dとプロジェクタ位置Pを結ぶ線上で、ADとAPのなす角θを2等分する線と交わる点を中点Mとする。
(5)中点Mから面Sへ下した垂線と面Sの交点を点Oとし、中点M、点Oおよび点Aを含む面を面Sとする。
(6)中点Mを中心としたMAを半径とする円板で、面Sに垂直な面を円板Sとする。
(7)円板Sの外周端の点Aおよび点Aを、点Aおよび点Aから面Sへ下した垂線が平面12の長軸Xと平行な両端の辺とそれぞれ交わる点とする。点Aおよび点Aから面Sへ下した垂線と平面12との交点をそれぞれ点Oおよび点Oとする。
そして、図21に示すように、円弧Aを稜線(ridge line)とする屋根型の形状の微小光学構造11を決定する。図22は、微小光学構造11の点Aにおいて円弧Aに直交する面を切断面としたときの断面を模式的に示している。また、図22に示した長軸Xは、ピラーの平面12の長軸Xである。なお、図20のように点Aが平面12内にあるため、図21、22では、点Aおよび点Aは平面12よりわずかにずれた位置となり、それらを平面12に下した垂線の足がOおよびOである。微小光学構造11の高さは、微小光学構造11の稜線から底辺までの距離である。点Aおよび点Aと観察者位置Dおよびプロジェクタ位置Pとの相対的な位置関係は点Aと若干異なるが、微小光学構造11は実際には非常に小さいため、実質的にこの差は無視できる。
図21に示すように、微小光学構造11の屋根となる面のうち、中点M側の面を鏡面である微小光学面13とし、他方の面を平面16とする。微小光学面13の法線が、中点Mを通るように微小光学面13の傾斜角θtを設定する。図22の破線で示すように、微小光学面13の法線が中点Mを通るようにすると、断面における微小光学面13は円弧ALとなる。しかし、円弧ALの曲率が大きく、円弧ALの中心角も微小であるため、円弧ALを点Aにおける円弧ALの接線ALで近似することができる。このため、微小光学構造11の断面は三角形ALとなり、接線ALと辺Lのなす角が傾斜角θtとなる。したがって、円弧Aの各点を点Aとすると、直線Aを含み平面12に垂直な面が微小光学構造11の切断面となりその面上の点Aを含み、直線Aを法線とするように、微小光学面13を決定することになる。
辺ALと接線ALのなす角θrについては、任意の角度に設定することができる。図22に示すように、接線ALの長さをW、微小光学構造11の幅であるLの長さであるピッチPxは、以下の式(6)で表すことができる。
Px=W(cosθt+sinθt・tan(θr+θt−90°))・・・(6)
ピラー101のうちスクリーン1が設けられる平面12の長軸上の別の点についても、点Aと同様に、微小光学構造11を決定することができる。そして、反射光を拡散させるためには、上述したように、微小光学面13を曲面とする。ピッチPxごとに、平面12の長軸上の各点に対応した微小光学構造11を上述したように決定して、微小光学構造11を並べたものを微小鏡面アレイMMA(Micro Mirror Array)方式と呼ぶ。
以上述べた、微小鏡面アレイ方式MMAの微小光学構造11の形状の決定方法を、以下のように変形することにより、簡素化することも可能である。
・変形タイプ1:平面12の長軸上の点の位置が異なると、観察者位置Dとプロジェクタ位置Pを結ぶ線上の中点の位置が少し異なる。しかし、そのずれはわずかであるので、簡素化のために、このずれを無視して、長軸上の点の位置によらず、観察者位置Dとプロジェクタ位置Pを結ぶ線上の中点を固定して微小光学構造11の形状を決定してもよい。例えば、平面12の長軸上の中央の点に対応する中点を、上記の固定した中点とする。
・変形タイプ2:図20において、点Aは平面12上であるが、点Aおよび点Aは平面12からわずかに上にずれている。微小光学構造11の形状を簡素化するために、円弧Aの代わりに、対応する平面12上の円弧Oを稜線として、図21および図22で説明した方法と同様に、微小光学構造11の形状を決定する。これによって微小光学構造11の形状の形成が簡単化される。反射光の方向が場所によって少しずれるが、このずれはわずかであるため、拡散角を少し大きめにすればこのずれを包含することができる。
・変形タイプ3:図20において、円弧Aの代わりに、対応する平面12上の円弧Oを用い、円弧Oを直線で近似する。この直線を稜線として、図21および図22で説明した方法と同様に、微小光学構造11の形状を決定する。これによって、微小光学構造11は全て直線的に形成することができ製造が容易になる。反射光の方向が場所によって変形タイプ2よりさらにずれるが、このずれは変形タイプ2よりさらに拡散角を大きくすればこのずれを包含することができる。
また、平面12を長軸Xを中心として回転させた設計が可能な場合は、さらに、微小光学構造11の形状を、簡素化させることができる。具体的には、図20に示した点Oが長軸X上または長軸Xの延長線上にくるように、長軸Xを中心として平面12および面Sを回転させる。この場合、円弧Oが、平面12の長軸Xに対して対称の位置となり、形状が簡素化される。この平面12の回転に加えて、変形タイプ2または変形タイプ3を適用すると、さらに形状が簡素化される。図10,11に例示した形状は、平面12の回転に加えて、変形タイプ3を適用した例に相当する。
次に、2面コーナーリフレクター機能を持つ微小光学構造11aのより厳密な形状の決定方法と簡素化の例について説明する。図23、図24および図25は、ピラー101のうちスクリーン1が設けられる平面12の長軸X上の任意の点を基準とした場合の微小光学構造11aの形状の決定方法の一例を説明するための図である。以下の(1)〜(9)により、図23に示すように、平面12の長軸X上の任意の点Aを基準にして、これに関連する点AおよびAを決定する。
(1)平面12の長軸X上の任意の点を点Aとする。
(2)プロジェクタ2の位置をプロジェクタ位置Pとし、観察者3の眼の位置を観察者位置Dとする。
(3)観察者位置Dとプロジェクタ位置Pを結ぶ線上で、ADとAPのなす角θを2等分する線と交わる点を中点Mとする。
(4)観察者位置D、プロジェクタ位置Pおよび点Aを含む面を面Sとする。
(5)中点Mと点Aを通り面Sに垂直な面を面Sとする。
(6)面S上で、中点Mを中心としたMAを半径とする扇形を面Sとする。
(7)平面12を長軸Xを中心として回転させ、平面12が面Sと垂直になるようにする。
(8)面Sを平面12を含む面とする。
(9)面Sの外周端の点Aおよび点Aを、点Aおよび点Aから面Sへ下した垂線が平面12の長軸Xと平行な両端の辺とそれぞれ交わる点とする。点Aおよび点Aから面Sへ下した垂線と平面12との交点をそれぞれ点Oおよび点Oとする。
そして、図24に示すように、円弧Aを稜線(ridge line)とする屋根型の形状の微小光学構造11aを決定する。図25は、微小光学構造11aの点Aにおいて円弧Aに直交する面を切断面としたときの断面を模式的に示している。また、図25に示した長軸Xは、ピラーの平面12の長軸Xである。なお、図23のように点Aが平面12内にあるため、図24、25では、点Aおよび点Aは平面12よりわずかにずれた位置となり、それらを平面12に下した垂線の足がOおよびOである。
図25において、点Aは平面12の長軸X上の点である。点LおよびLは、微小光学構造11aの断面を示す三角形の頂点のうち、点A以外の頂点であり、辺Lは長軸Xと平行で、長さは屋根型形状のピッチPxに対応する。円弧Aを稜線(ridge line)とする両側の屋根にあたる面15bおよび面16bは、いずれも鏡面とし、両者は直交するものとする。すなわち、辺ALと辺ALのなす角は90°とする。面15bは、両側の屋根のうちM側の屋根に相当する面である。面15bの傾斜角すなわち辺ALと辺Lのなす角θtは、光学的には任意であるが、光の利用効率をもとに最適化するのが望ましい。
ピラー101のうちスクリーン1が設けられる平面12の長軸上の別の点についても、点Aと同様に、微小光学構造11aを決定することができる。そして、反射光を拡散させるためには、上述したように、面15bおよび面16bのうち少なくとも一方を曲面とする。ピッチPxごとに、平面12の長軸上の各点に対応した微小光学構造11aを上述したように決定して、微小光学構造11aを並べたものを変形ルーフミラーアレイD−RMA(Diverted Roof Mirror Array)方式と呼ぶ。
変形ルーフミラーアレイD−RMAも、微小鏡面アレイMMAと同様に、変形タイプ1〜変形タイプ3の変形により簡素化することができる。また、観察者位置Dとプロジェクタ位置Pの位置を調整できる場合は、以下のように簡素化させることができる。中点Mを中心として線分DPを回転させ、線分DPが長軸Xに垂直となるようにする。これによって長軸Xは面S上となる。この線分DPの回転に加えて、変形タイプ2または変更タイプ3を適用すると、さらに形状が簡素化される。図18,19に例示した形状は、平面12の回転に加えて、変形タイプ3を適用した例に相当する。
1,1a スクリーン、2 プロジェクタ、3 観察者、11,11a 微小光学構造、12,16,16a 平面、13 微小光学面、14 交線、15,15a 曲面、101〜103 ピラー。

Claims (9)

  1. プロジェクタから自身の表面に入射される光を反射させて出射するスクリーンであって、
    複数の微小光学構造を有し、
    前記複数の微小光学構造のそれぞれは、前記プロジェクタから入射される光を所望の方向を基準として拡散させて反射する第1の面を有することを特徴とするスクリーン。
  2. 前記スクリーンの第1の方向の長さは前記第1の方向に直交する第2の方向の長さより長く、
    前記複数の微小光学構造は、前記第1の方向に並ぶことを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
  3. 前記第1の面の法線は、前記プロジェクタと観察者の想定される位置との中間点と、前記第1の面の中心点と、を結ぶ線を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン。
  4. 前記第1の面は曲面であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のスクリーン。
  5. 前記第1の面は、前記微小光学構造が延伸する方向を高さとする円筒の内面であることを特徴とする請求項4に記載のスクリーン。
  6. 前記第1の面は、前記微小光学構造が延伸する方向に正弦波状の凹凸を有することを特徴とする請求項5に記載のスクリーン。
  7. 前記複数の微小光学構造のそれぞれは、前記第1の方向に直交する断面が等しいことを特徴とする請求項2に記載のスクリーン。
  8. 前記第1の面は、前記スクリーンの設けられる平面と交わる面であり、
    前記複数の微小光学構造のそれぞれは、
    前記第1の面と交わるとともに、前記平面と交わる第2の面を有し、
    前記複数の微小光学構造のうちの1つである第1の微小光学構造の前記第1の面と、前記複数の微小光学構造のうちの1つであり前記第1の微小光学構造に隣接する第2の微小光学構造を構成する前記第2の面とのなす角は90°であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載のスクリーン。
  9. 車両内のピラーに設けられることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載のスクリーン。
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