JP2021011996A - 廃棄物溶融処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融スラグの性状を安定化することが可能な廃棄物溶融処理方法を提供すること。【解決手段】廃棄物を炭材と共に溶融炉40に装入して廃棄物を溶融する廃棄物を溶融処理方法であって、溶融炉に廃棄物と製鋼スラグを装入する工程と、溶融炉から溶融スラグを出滓する工程とを有し、溶融炉に装入される製鋼スラグの粒径が2mmを超え40mm以下としたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本開示は廃棄物溶融処理方法に関する。
溶融炉を用いて一般廃棄物及び産業廃棄物を溶融処理する廃棄物溶融処理方法が知られている。このような溶融炉には、廃棄物に加えて、石炭及びコークス等の熱源と、石灰石等の副資材が装入される。このうち、石灰石は、溶融炉から排出される溶融スラグの塩基度を調整するために装入される。
石灰石の装入量が増えると、溶融炉において分解COガスの発生量が増加する現象が生じることが知られている。そこで、特許文献1のように、溶融スラグの塩基度調整剤として、高炉スラグ及び転炉スラグを用いることが検討されている。特許文献1では、溶融スラグの塩基度を0.6〜1.2の範囲に調整することで連続出滓を可能にしている。
特開2006−343073号公報
ところが、特許文献1のように、廃棄物溶融炉に溶融スラグの塩基度調整剤として種々のスラグを用いると、溶融炉から出滓される溶融スラグの性状が大きく変動し、出滓作業に支障を来たすことが懸念される。そこで、本開示では、溶融スラグの成分をコントロールすることで性状を安定化することが可能な廃棄物溶融処理方法を提供する。
本開示の一側面に係る廃棄物溶融処理方法は、廃棄物を溶融炉に装入して廃棄物を溶融する廃棄物溶融処理方法であって、溶融炉に廃棄物と製鋼スラグを装入する工程と、溶融炉から溶融スラグを出滓する工程と、を有し、溶融炉に装入される製鋼スラグの粒径が40mm以下である。
上記廃棄物処理方法では、溶融炉に粒径が40mm以下の製鋼スラグを装入している。製鋼スラグは、高炉スラグに比べて石灰成分の含有率が高い傾向にあるため、塩基度調整剤の使用量が少なくなり、高炉スラグを用いる場合に比べて溶融スラグの出滓量の増加を抑制することができる。また、粒径が40mm以下の製鋼スラグを用いていることから、製鋼スラグが溶融炉内で円滑に溶融され、塩基度調整剤としての機能を十分に発揮することができる。したがって、溶融炉から出滓される溶融スラグの性状を安定化することができる。
上記廃棄物溶融処理方法では、溶融炉に供給される製鋼スラグの含水率は8質量%以下であってよい。製鋼スラグの含水率が8質量%を超えると、製鋼スラグの粒子同士が凝集して結着する傾向、及び、製鋼スラグが溶融炉の内壁に固着する傾向にある。製鋼スラグの含水率を8質量%以下にすれば、製鋼スラグの結着及び固着が抑制され、製鋼スラグが塩基度調整剤として一層有効に作用する。これによって、溶融炉から出滓される溶融スラグの性状を一層安定化することができる。
上記廃棄物処理方法では、溶融炉から排出される溶融スラグのFeO含有率を1.5質量%以上に維持してもよい。溶融スラグ中のFeO含有率を高く維持するほどFeOからFeへの還元反応が抑制され、出滓口における溶融スラグの温度低下を緩和することができる。また、溶融スラグ中のFeOは、溶融スラグの主成分であるSiOの網目構造を切断して、溶融スラグの粘度を低下させる作用を有する。したがって、溶融スラグの出滓を間欠的に行う間欠出滓であっても、溶融炉からの溶融スラグの出滓を円滑に行うことができる。
上記廃棄物処理方法では、溶融炉から溶融スラグを間欠的に出滓してもよい。間欠的に出滓を行うと、溶融スラグの出滓口が閉塞し易くなる傾向にあるが、上記廃棄物処理方法では、溶融スラグの性状が安定化されているため、溶融スラグの性状変動に伴って溶融スラグの出滓口が閉塞することを十分に抑制できる。したがって、出滓方法を連続出滓に限定する必要がなくなり、間欠出滓でも安定的に出滓することができる。また、出滓方法を柔軟に選択できるという利点もある。
上記廃棄物処理方法では、溶融炉に供給される製鋼スラグのAl含有率が22質量%以下であってよい。これによって、溶融炉から出滓される溶融スラグの粘度を低くして、出滓作業を円滑にすることができる。
上記廃棄物処理方法では、粒径の大きさに応じて製鋼スラグを分別する工程を有していてもよい。通常の製鋼スラグは、粒径のばらつきが大きいことから、このような工程を有することによって、効率よく粒径が40mm以下の製鋼スラグを溶融炉に装入することができる。
上記廃棄物処理方法では、溶融スラグを出滓する工程において、出滓口における溶融スラグの粘度が18P未満(1.8Pa・s未満)であってよい。このような粘度の溶融スラグであれば、間欠出滓であっても、出滓を十分円滑に行うことができる。
本開示によれば、溶融スラグの性状を安定化することが可能な廃棄物溶融処理方法を提供することができる。
図1は、溶融炉とこれを備える廃棄物溶融設備の一例を模式的に示す図である。 図2は、各種塩基度調整剤の粒径と溶融スラグ中の遊離CaO含有率との関係を示すグラフである。 図3は、溶融スラグ中のFeO含有率と出滓時の溶融スラグの粘度との関係を示すグラフである。 図4は、製鋼スラグ中のAl含有率と出滓時の溶融スラグの粘度との関係を示すグラフである。 図5は、分別工程及び粉砕工程を行う装置構成の一例を示す図である。
以下、場合により図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。
一実施形態に係る廃棄物溶融処理方法は、溶融炉(廃棄物溶融炉)に廃棄物と炭材と製鋼スラグを装入する工程と、溶融炉中で廃棄物を熱分解して熱分解残渣を溶融する工程と、溶融炉から溶融スラグを出滓する工程と、を有する。この廃棄物溶融処理方法は、例えば、図1の廃棄物溶融設備100を用いて行うことができる。この廃棄物溶融設備100を用いた廃棄物溶融処理方法を以下に説明する。
図1の廃棄物溶融設備100は、溶融炉40と溶融炉40の上部に設けられた装入装置50とを備えている。溶融炉40は、シャフト部42と該シャフト部42の下端に設けられる朝顔部44と、朝顔部44の下部に設けられる炉底部46と、を有する。シャフト部42から炉底部46には、上から順に、熱分解帯用の上段羽口45と、燃焼溶融帯用の下段羽口47とが設けられている。上段羽口45及び下段羽口47は、それぞれ複数段で設けられていてもよい。
熱源となる炭材、廃棄物及び製鋼スラグは、装入装置50によって、溶融炉40に装入される。廃棄物としては、一般廃棄物、産業廃棄物、これらに乾燥、焼却、破砕等の処理を施して得られた処理物、及び、これらを一度埋め立て処理した後、再度掘り起こした土砂分を含む埋め立てごみ等が挙げられる。炭材としては、石炭、コークス又は成型炭等を用いることができる。
製鋼スラグとしては、転炉系スラグ及び電気炉系スラグ等が挙げられる。製鋼スラグは、高炉スラグよりも石灰成分の割合が高いことから、塩基度調整剤として有効に機能する。このため、石灰石の代わりに製鋼スラグを用いても、溶融スラグの増加を抑制することができる。
溶融炉40に装入される製鋼スラグの粒径は40mm以下である。このような粒径を有する製鋼スラグは溶融炉40内で円滑に溶融される。このため、塩基度調整剤としての機能を十分に発揮することができる。本開示における40mm以下の粒径の製鋼スラグは、JIS Z8801−1:2006に規定する公称目開き53.0mmの金属製網ふるいを全量通過し、公称目開き37.5mmの金属製網ふるいを質量百分率95%〜100%の割合で通過するものである。なお、JIS A1102:2014「骨材のふるい分け試験方法」の3.2には、JIS Z8801−1に規定する公称目開き37.5mmのふるいを、40mmふるいと呼ぶことができると記載されている。
製鋼スラグの粒径は、30mm以下であってもよく、20mm以下であってもよい。このように粒径を小さくすることによって、溶融炉40内での溶融が一層早くなり、塩基度調整剤としての機能を一層有効に発揮することができる。なお、粒径30mm以下の粒径の製鋼スラグは、JIS Z8801−1:2006に規定する公称目開き31.5mmの金属製網ふるいを質量百分率で95%〜100%の割合で通過するものである。また、粒径20mm以下の粒径の製鋼スラグは、JIS Z8801−1:2006に規定する公称目開き19mmの金属製網ふるいを質量百分率で95%〜100%の割合で通過するものである。JIS A1102:2014「骨材のふるい分け試験方法」の3.2には、JIS Z8801−1に規定する公称目開き31.5mm及び19mmのふるいを、それぞれ30mmふるい及び20mmと呼ぶことができると記載されている。
製鋼スラグの粒径が小さくなり過ぎると、溶融スラグは含水率が高くなる傾向にある。含水率が高くなり過ぎると、製鋼スラグの粒子同士が凝集して結着し易くなる傾向、及び、溶融炉40内の内壁に固着し易くなる傾向にある。このような固着及び凝集を抑制する観点から、製鋼スラグの粒径は2mm超であってよく、5mm超であってよい。なお、「粒径が2mm超」とは、JIS Z8801−1:2006に規定する公称目開きが1.7mmの金属製網ふるいを用いて得られるふるい上のものをいい、「粒径が5mm超」とは、同規定の公称目開き4.75mmのふるいを用いて得られるふるい上のものをいう。
溶融炉40に装入される製鋼スラグの粒径は、例えば振動フィーダーにスクリーンが取り付けられたものを用いて調整してもよい。そのようなスクリーンを備える装入装置50を用いて、製鋼スラグの粒径の大きさに応じて製鋼スラグを分別する工程を行ってもよい。分別された製鋼スラグのうち、粒径が40mmを超えるものは、例えば粉砕機において粉砕する粉砕工程を行った後、再び装入装置50において分別工程を行ってもよい。
図5は、分別工程及び粉砕工程を行う装置構成の一例を示す図である。分別工程では、製鋼スラグ10がスクリーン20に供給され、粒径に応じて分別される。粒径が40mm以下の製鋼スラグ10は溶融炉40に供給される。一方、粒径が40mmを超える製鋼スラグは粉砕機30に供給され粉砕される。粉砕された製鋼スラグは、再びスクリーン20に供給される。このようにして、粒径が40mmを超える製鋼スラグも有効利用することができる。
装入装置50から溶融炉40に装入される製鋼スラグの含水率は、例えば8質量%以下であってよく、7質量%以下であってよく、5質量%以下であってもよい。製鋼スラグの含水率を低くすることによって、製鋼スラグの粒子同士が凝集して結着したり、溶融炉40内の内壁に固着したりすること抑制できる。製鋼スラグの含水率は、JIS A 1125:2015の「骨材の含水率試験方法」に準拠して、市販の水分計を用いて測定される。外に保管される製鋼スラグのうち、粒径が小さいもの(2mm以下)は、雨水等によって水分を吸収し含水率が高くなる傾向にある。このため、乾燥機等によって製鋼スラグを乾燥する乾燥工程を行うか、上述の分別工程を行うことが好ましい。乾燥工程と分別工程の両方を行う場合、乾燥工程は分別工程の前に行ってもよいし、後に行ってもよい。
製鋼スラグの中には、Alの含有率が高いものがある。製鋼スラグのAlの含有率が高くなると、溶融スラグの粘度が高くなる傾向にある。溶融炉から出滓される溶融スラグを低くして出滓を円滑にする観点から、製鋼スラグにおけるAlの含有率は22質量%以下であってよく、20質量%以下であってもよい。
装入装置50からは、廃棄物、炭材及び製鋼スラグが装入されるのに対し、下段羽口47からは酸素又は酸素富化空気が供給され、上段羽口45からは燃焼支持ガスとして空気が供給される。溶融炉40に装入された炭材は、下段羽口47から供給された酸素又は酸素富化空気によって燃焼され熱源として機能する。溶融炉40に装入された廃棄物48は、炭材の燃焼によって加熱されて、熱分解残渣43となる。熱分解残渣43は、主に上段羽口45から供給された空気によって燃焼される。
溶融炉40の内部は、炭材等の燃焼によって温度勾配が生じている。具体的には、溶融炉40は、上方から下方に向けて乾燥・予熱帯40a(約300〜400℃)、熱分解帯40b(約600〜800℃)、及び燃焼・溶融帯40c(約1000〜1800℃)を有する。溶融炉40の内部に導入された廃棄物48は、乾燥・予熱帯40a、熱分解帯40b及び燃焼・溶融帯40cの順に通過する。これによって、廃棄物48中の可燃分は熱分解ガス化して燃焼室に導入され、灰分は、熱分解残渣43を経て溶融スラグとなる。溶融スラグは、炉底部46に設けられた出滓口49から排出される。
出滓口49からの溶融スラグの出滓は、連続的に行ってもよいし(連続出滓)、間欠的に行ってもよい(間欠出滓)。間欠出滓は連続出滓に比べて、溶融スラグの出滓口49が閉塞し易くなる傾向にあるが、本実施形態の廃棄物溶融処理方法では、溶融スラグの性状が安定化されているため、溶融スラグの性状変動に伴って溶融スラグの出滓口49が閉塞することを十分に抑制できる。したがって、間欠出滓であっても、溶融スラグを円滑に出滓することができる。なお、間欠出滓の際の出滓の間隔は、例えば30分間以上であってよく、1時間以上であってもよい。
出滓口49から出滓される溶融スラグの粘度は、出滓口49の閉塞を抑制する観点から低い方が好ましく、溶融スラグのFeO含有率を高く維持することによって、溶融炉40におけるFeOの還元反応(吸熱反応)が抑制され、溶融スラグの温度低下を緩和することができる。このような観点から、後述する表3及び図3に示すとおり、溶融スラグの粘度は18P(ポアズ)未満が好ましい。そのため、溶融スラグのFeO含有率が1.5質量%以上に維持されてよく、2質量%以上に維持されてもよく、2.5質量%以上に維持されてもよい。溶融スラグのFeO含有率の上限に特に制限はなく、例えば5質量%以下であってよく、4質量%以下であってもよい。
出滓口49から出滓される溶融スラグの塩基度(CaO/SiO)は、溶融スラグの流動性を高くする観点から、0.5〜1.2であってよく、0.7〜1.0であってよい。溶融スラグの遊離CaOの含有率は、0.05質量%未満であってよく、0.02質量%未満であってもよい。遊離CaOの含有率を十分に低くすることで、セメント原料として有効活用することができる。なお、遊離CaOの含有率は、JIS A 6207:2011の付属書Aに準拠して測定することができる。
溶融炉40で生成した熱分解ガスは、シャフト部42を上昇し、装入装置50の下部に接続された排ガス管52から燃焼室へ導入される。燃焼排ガスは可燃ガスとして燃焼された後、ボイラで廃熱回収される。その後、排ガスは、減温塔で温度が調整された後、集塵機及び触媒反応塔を通過して、煙突から排出される。
廃棄物溶融設備100では、溶融スラグの塩基度調整剤として所定の粒径を有する製鋼スラグを用いている。このため、溶融スラグの性状を安定化することができる。なお、製鋼スラグとは異なる塩基度調整剤を用いることを排除するものではないが、石灰石を用いなくてもよい。
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、溶融炉には、炭材及び製鋼スラグ以外の副資材を装入してもよい。
実施例を参照して本開示の内容をより詳細に説明するが、本開示は下記の実施例に限定されるものではない。
<製鋼スラグを用いることによる遊離CaO低減効果>
図1に示すような溶融炉を備える廃棄物溶融設備において、塩基度調整剤として以下の3種類を用いて運転を行い溶融スラグを得た。
・貝殻
・石灰石
・製鋼スラグ
各種塩基度調整剤について、目開きが異なるスクリーンを用いて粒径が異なるものを採取した。そして、塩基度調整剤の種類及び粒径が異なる場合の溶融スラグ中の遊離CaO含有率の変化を調べた。その結果は、図2に示すとおりであった。図2中、黒三角のデータは貝殻を、白四角のデータは石灰石を、黒丸は製鋼スラグのデータを示している。
図2に示すとおり、石灰石及び貝殻に比べて製鋼スラグを用いた場合は、溶融スラグ中の遊離CaOを安定的に低減することができた。製鋼スラグを用いた場合の溶融スラグ中の遊離CaOの含有率はいずれも0.01質量%であった。一方、石灰石及び貝殻を用いる場合、溶融スラグ中のCaOを低くするためには、粒径を小さくすることが必要であった。
<製鋼スラグの粒径の影響>
試料として、粒径の異なる3種類の製鋼スラグ(4mm、20mm、40mm)と、粒径1mmの石灰石を準備した。各試料を白金坩堝に入れ、1300℃の加熱炉の中に設置し、5℃/分で昇温しながら試料が完全に溶融するまでの所要時間を測定した。結果は、表1に示すとおりであった。
Figure 2021011996
表1に示すとおり、製鋼スラグは粒径が40mm以下であれば、30分間以内に溶融が完了することが確認された。一方、塩基度調整剤として通常使用される石灰石は、粒径が1mmであっても、完全に溶融するまで40分間所要した。したがって、粒径が40mm以下の製鋼スラグは、溶融炉の中で円滑に溶融し、塩基度調整剤としての機能を十分に発揮できるといえる。
<製鋼スラグの含水率の影響>
製鋼スラグのふるい分けを行って、粒径が2mm以下の製鋼スラグと、粒径が2mm超且つ40mm以下の製鋼スラグを採取した。準備した製鋼スラグを十分に吸水させた後に、乾燥機で乾燥し、含水率が異なる複数の試料を準備した。各試料の含水率は、JIS A 1125:2015の「骨材の含水率試験方法」に準拠して、AND(エー・アンド・デイ)製の加熱乾燥式水分計(商品名:MX−50)を用いて測定した。各試料について、固着性の評価を行った。固着性の評価は、JIS A 1109:2006に規定されるフローコーンに詰めて引き抜いた時にスランプしたものを「A」、スランプしなかったものを「B」とした。評価結果は、表2に示すとおりであった。
Figure 2021011996
表2に示すとおり、粒径が2mm以下の製鋼スラグは、含水率が最大で15質量%であった。一方、粒径が2mm超且つ40mm以下の製鋼スラグの含水率は、最大で2質量%であり、これ以上は吸水しなかった。このことから、粒径が小さい製鋼スラグは含水率が高くなる場合があり、含水率が高くなり過ぎると固着し易くなることが確認された。
<溶融スラグの粘度評価1>
図1に示すような溶融炉を備える廃棄物溶融設備において、塩基度調整剤として製鋼スラグを用いて運転を行った。運転中、異なるタイミングで複数の溶融スラグのサンプルを採取した。サンプル採取時の出滓口における溶融スラグの粘度と、各サンプルのFeO含有率を求めた。FeO含有率は、JIS A 5011−3:2016に準拠して測定した。粘度は、以下の手順で求めた。白金坩堝に試料を入れ、坩堝内でローターを回転させながら徐々に温度を下げていき、ローターが検出する抵抗値を基に粘度を算出した。この結果を基に、サンプル採取時の出滓口の温度(1280〜1500℃)における粘度を求めた。結果を表3と図3に示す。表3には、溶融スラグの排出性能も示した。
Figure 2021011996
表3及び図3に示すとおり、溶融スラグのFeO含有率が高いほど、出滓時の溶融スラグの粘度が低くなることが確認された。その要因としては、FeOからFeへの還元反応が抑制され、出滓口における溶融スラグの温度低下を緩和することができること、及び、溶融スラグ中のFeOが溶融スラグの主成分であるSiOの網目構造を切断する作用を有すること等が挙げられる。
<溶融スラグの粘度評価2>
図1に示すような溶融炉を備える廃棄物溶融設備において、塩基度調整剤としてAl含有率が互いに異なる複数種の製鋼スラグを用いて運転を行った。運転中、異なるタイミングでAl含有率の異なる製鋼スラグを供給し、連続供給を開始してから1日以上経過した後、溶融スラグのサンプルを採取した。サンプル採取時の出滓口における溶融スラグの粘度と、製鋼スラグのAl含有率を求めた。Al含有率は、JIS A 5011−3:2016に準拠して測定した。粘度は、以下の手順で求めた。白金坩堝に試料を入れ、坩堝内でローターを回転させながら徐々に温度を下げていき、ローターが検出する抵抗値を基に粘度を算出した。この結果を基に、サンプル採取時の出滓口の温度(1280〜1500℃)における粘度を求めた。結果を表4と図4に示す。表4には、溶融スラグの排出性能も示した。
Figure 2021011996
表4及び図4に示すとおり、製鋼スラグにおけるAl含有率を小さくすれば溶融スラグの粘度を低くできることが確認された。
本開示によれば、溶融スラグの性状を安定化することが可能な廃棄物溶融処理方法が提供される。
40…溶融炉、40a…乾燥・予熱帯、40b…熱分解帯、40c…燃焼・溶融帯、42…シャフト部、43…熱分解残渣、44…朝顔部、45…上段羽口、46…炉底部、47…下段羽口、48…廃棄物、49…出滓口、50…装入装置、52…排ガス管、100…廃棄物溶融設備。

Claims (7)

  1. 廃棄物を溶融炉に装入して前記廃棄物を溶融する廃棄物溶融処理方法であって、
    前記溶融炉に前記廃棄物と製鋼スラグを装入する工程と、
    前記溶融炉から溶融スラグを出滓する工程と、を有し、
    前記溶融炉に装入される前記製鋼スラグの粒径が40mm以下である、廃棄物溶融処理方法。
  2. 前記溶融炉に供給される前記製鋼スラグの含水率が8質量%以下である、請求項1に記載の廃棄物溶融処理方法。
  3. 前記溶融炉から排出される前記溶融スラグのFeO含有率を1.5質量%以上に維持する、請求項1又は2に記載の廃棄物溶融処理方法。
  4. 前記溶融炉から前記溶融スラグを間欠的に出滓する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の廃棄物溶融処理方法。
  5. 前記溶融炉に供給される前記製鋼スラグのAl含有率が22質量%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の廃棄物溶融処理方法。
  6. 粒径の大きさに応じて製鋼スラグを分別する工程を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の廃棄物溶融処理方法。
  7. 溶融スラグを出滓する工程において、出滓口における前記溶融スラグの粘度が18P未満である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の廃棄物溶融処理方法。
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