JP2021011632A - アルミニウム合金クラッド材 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラックスフリーで、ろう付を安定して行う。【解決手段】アルミニウム合金クラッド材は、心材の片面に犠牲材、他の片面にSi:6.0〜14.0%、Mg:0.05〜1.5%、Bi:0.05〜0.25%、Sr:0.0001〜0.1%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなり、質量%で(Bi+Mg)×Sr≦0.1の関係を満たすAl−Si−Mg−Bi系ろう材が配置され、Al−Si−Mg−Bi系ろう材に含まれるMg−Bi系化合物が、ろう付前の表層面方向の観察で円相当径で0.1μm以上5.0μm未満の直径を有するものが10000μm2視野あたり20個よりも多く、5.0μm以上の径を有するものが10000μm2視野あたり2個未満であり、心材が、Mn:0.9〜1.7%、Si:0.2〜1.0%、Fe:0.1〜0.5%、Cu:0.08〜1.0%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる。【選択図】図1

Description

この発明は、フラックスフリーにより接合がされるフラックスフリーろう付用のアルミニウム合金クラッド材に関する。
コンデンサやエバポレーターなどのアルミニウム製自動車用熱交換器は、これまでの小型軽量化と共にアルミニウム材料の薄肉高強度化が進んできている。アルミニウム製熱交換器の製造では、継手を接合するろう付が行われるが、現在主流のフッ化物系フラックスを使用するろう付方法では、フラックスが材料中のMgと反応して不活性化し、ろう付不良を生じ易いため、Mg添加高強度部材の利用が制限される。このため、フラックスを使用せずにMg添加アルミニウム合金を接合するろう付方法が望まれている。
Al−Si−Mgろう材を用いるフラックスフリーろう付では、溶融して活性となったろう材中のMgが接合部表面のAl酸化皮膜(Al)を還元分解することで接合が可能となる。閉塞的な面接合継手などでは、Mgによる酸化皮膜の分解作用によりろう材を有するブレージングシート同士を組合せた継手や、ブレージングシートとろう材を有さない被接合部材(ベア材)を組合せた継手で良好な接合状態が得られる(特許文献1参照)。
しかし、コンデンサやエバポレーターなど一般的な熱交換器の代表的な継手形状である、チューブとフィン接合部などでは雰囲気の影響を受け易く、Mg添加ろう材の表面でMgO皮膜が成長し易くなる。MgO皮膜は分解され難い安定な酸化皮膜であるため接合が著しく阻害される。
このため、一般的な熱交換器にフラックスフリー技術を適用するためには開放部を有する継手で安定した接合状態が得られるフラックスフリーろう付用ブレージングシートが強く望まれている。
従来、フラックスフリーろう付の接合状態を安定させる方法として、例えば特許文献2に示すAl−Si−Mg−Bi系ろう材を用い、ろう材中のBi粒子やMg−Bi化合物粒子の分布状態を制御する技術が提案されている。この技術によれば、円相当径5.0〜50μmの単体BiあるいはBi−Mg化合物をろう材中に分散させておくことで、これら化合物が材料製造時にろう材表面に露出し、露出部での酸化皮膜形成が抑制されることで短時間のろう付加熱時間でのフラックスフリーろう付性が向上するとされている。
特許公報第4547032号明細書 特開2014−50861号公報
しかし、従来提案されているフラックスフリーろう付方法では、現在主流のフッ化物系フラックスを使用するろう付方法を代替できるほどに安定した接合性が得られているとは言い難く、一般的な熱交換器に広く適用するためにはさらなる技術の向上が必要である。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、フラックスフリーによってろう付を安定して行うことができるフラックスフリーろう付用のアルミニウム合金クラッド材を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、Bi添加Al−Si−Mg系ろう材においてろう付性をさらに向上させるためにはろう溶融時に表面にBiを均一に濃化させることが最も重要であること、また、5μm以上の粗大なMg−Bi化合物は材料製造時の酸化皮膜生成抑制には効果があるものの、ろう付加熱時に溶解しにくく、むしろある程度微細な0.1μm以上5.0μm未満のBi−Mg化合物を所定の数密度以上に分散させることで、ろう付加熱時に確実にMg−Bi化合物が溶解し、金属Biを生成、かつ生成したBiが表面に均一に濃化することで、良好なろう付性が得られることを見出した。
さらに、フラックスフリーろう付におけるろう溶融挙動とろう付性の関係を調査し、フラックスフリーろう付においては酸化を抑制しつつ、短時間のうちに活性な溶融ろうを生成させ、フィレットを形成することが重要となるため、液相線温度が低く、固液共存域が短いろう材が好ましいため、高Siろう材が好適であることを明らかにするとともに、高Siろう材で問題となる鋳造時に生成する粗大な初晶Siの抑制手法についても検討を重ねた。
さらに、心材成分に関しても鋭意検討を重ね、各層の成分および組み合わせを適正化し、上記のようにMg−Bi化合物の分散状態を適切に制御したAl−Si−Mg−Biろう材と組み合わせることで、開放部を有する継手で安定した接合状態が得られ、かつろう付後の耐食性や強度に優れるフラックスフリーろう付用ブレージングシートを発明するに至った。
すなわち、本発明のアルミニウム合金クラッド材のうち、第1の形態は、心材の片面に犠牲材が配置され、もう一方の片面に、質量%で、Si:6.0〜14.0%、Mg:0.05〜1.5%、Bi:0.05〜0.25%、Sr:0.0001〜0.1%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、かつ、成分含有量の質量%において、(Bi+Mg)×Sr≦0.1の関係を満たすAl−Si−Mg−Bi系ろう材が配置された3層のAl合金クラッド材であって、前記Al−Si−Mg−Bi系ろう材に含まれるMg−Bi系化合物が、ろう付前の表層面方向の観察において、円相当径で0.1μm以上5.0μm未満の直径を有するものが、10000μm視野あたり20個よりも多く存在し、かつ、5.0μm以上の径を有するものが10000μm視野あたり2個未満であり、
さらに、前記心材が、質量%で、Mn:0.9〜1.7%、Si:0.2〜1.0%、Fe:0.1〜0.5%、Cu:0.08〜1.0%、Mg:0.1〜0.7%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなることを特徴とする。
第2の形態のアルミニウム合金クラッド材の発明は、前記形態の発明において、前記心材がさらに、Mg:0.1〜0.7%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなることを特徴とする。
第3の形態のアルミニウム合金クラッド材の発明は、前記形態の発明において、前記心材がさらに、Ti:0.05〜0.3%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなることを特徴とする。
第4の形態のアルミニウム合金クラッド材の発明は、前記形態の発明において、さらに、ろう溶融温度におけるろう材表面のMg濃度が0.15〜1.0%の範囲であることを特徴とする。
第5の形態のアルミニウム合金クラッド材の発明は、前記形態の発明において、前記犠牲材が、質量%で、Zn:0.2〜6.0%、Mn:0.3〜1.3%、Si:0.2〜0.8%、Mg:0.02〜0.3%、Fe:0.2〜0.8%、Cr:0.05〜0.5%、Ti:0.05〜0.3%の1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、さらに、ろう付後の犠牲材表面のCu濃度が0.12%以下であることを特徴とする。
以下に、本発明で規定した内容について、その作用とともに説明する。
以下で説明する成分は、いずれも質量%で示されている。
<ろう材>
Si:6.0〜14.0%
Siは、ろう付時に溶融ろうを形成し、接合部のフィレットを形成するために添加される。開放部におけるフラックスフリーろう付では、酸化を抑制しつつ、短時間のうちに活性な溶融ろうを生成させ、フィレットを形成することが重要となるため、液相線温度が低く、固液共存域が短いろう材が好ましい。含有量が下限未満であると、溶融ろう生成時間が長くなるとともに溶融ろうが不足する。一方、上限超であると、やはり溶融ろう生成時間が長くなるとともに材料が硬く脆くなるため、素材製造が困難になる。このため、Siの含有量を上記範囲に定める。
なお、同様の理由でSi含有量を、下限で9.0%、上限で13.0%とするのが望ましい。
Mg:0.05〜1.5%
Mgは、Al酸化皮膜(Al)を還元分解するために添加される。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると、ろう付雰囲気中の酸素と反応して接合を阻害するMgOが生成することや、材料が硬く脆くなるため、素材製造が困難になる。このため、Mgの含有量を上記範囲に定める。
なお、同様の理由でMg含有量を、下限で0.1%、上限で1.2%とするのが望ましく、さらに、下限で0.2%、上限で1.0%とするのがより望ましい。
Bi:0.05〜0.25%
Biは、ろう付昇温過程で材料表面に濃化し、ろう付中の酸化を抑制するとともに溶融ろうの表面張力を低下させることで開放部での接合性を向上させるために添加される。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると効果が飽和するだけでなく、材料表面でBiの酸化物が生成し易くなり接合が阻害される。このため、Biの含有量を上記範囲に定める。
なお、同様の理由でBi含有量を、下限で0.08%、上限で0.23%とするのが望ましい。
Sr:0.0001〜0.1%
Srは、Si含有量が高いろう材で発生する粗大な初晶Si生成を抑制するために添加される。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると鋳造時に溶湯表面で酸化してドロスが増加したり、粗大な化合物を形成することで鋳造性が低下したりする。このため、Srの含有量を上記範囲に定める。
なお、同様の理由でSr含有量を、下限で0.0005%、上限で0.06%とするのが望ましい。
(Bi+Mg)×Sr≦0.1
フラックスフリーろう付用のAl−Si−Mg−Bi系ろう材では活性なMgやBiを含有しているため、所定量以上のSrと共存すると鋳造時に溶湯中に粗大なBi−Mg−Sr化合物が生成し鋳造性が低下する。この化合物はBiとMgの総量が多いほど、また、Sr含有量が多いほど生成しやすくなる。(Bi+Mg)×Srはこの粗大なBi−Mg−Sr化合物生成の臨界条件を示すものであり、(Bi+Mg)×Sr≦0.1とすることで、Al−Si−Mg−Bi系ろう材にSrを添加しても粗大なBi−Mg−Sr化合物が生成せず、かつ、Sr本来の添加目的である初晶Si生成抑制効果を得ることができる。このため、上記範囲に定める。
なお、同様の理由で(Bi+Mg)×Sr≦0.08とするのが望ましい。
ろう材の不可避不純物としてFe:0.3%以下の範囲で含有してもよい。
Mg−Bi系化合物:円相当径で、0.1〜5.0μm径未満のものが10000μm視野あたり20個よりも多い
微細なMg−Bi系化合物が分散することで、ろう付昇温過程でこの化合物が溶解した際に、Biが材料表面に均一に濃縮し易くなり、材料の酸化が抑制される。0.1μm未満の化合物は溶解しても、溶解量が少ないため上記効果が得られない。5.0μm以上の化合物はろう付昇温過程で溶融しにくく、化合物のまま残存してしまうため上記効果が得られない。また、上記化合物が10000μm視野あたり20個以下であると、溶解箇所が少なく、Biが材料表面に均一に濃縮しにくい。同様の理由で、さらに30個以上であるのが望ましく、さらに、40個以上であるのがより望ましい。
なお、ろう材表面のMg−Bi系化合物の数は、例えば、作製した材料のろう材表面を0.1μmの砥粒で鏡面処理し、FE−EPMA(電界放出型電子線マイクロアナライザ)を用いた全自動粒子解析を行うと共に、さらに、1μm以下の微細な化合物を測定するため、切出したろう材層の表面から機械研磨、および電解研磨をして薄膜を作製し、TEM(透過型電子顕微鏡)で観察し、表面方向10000μm(100μm角)の観察視野において、0.1〜5.0μmのMg−Bi系化合物粒子数をカウントすることで求められる。
また、Mg−Bi系化合物を細かく密に分布させる手段としては、鋳造時に、溶湯温度が高いところから早い冷却速度で鋳込むこと(Mg−Bi化合物の粗大晶出を抑制、Mg、Biの鋳造時の固溶を促進し、その後の熱処理で所望の状態で分散させる)、熱延時には、一定以上の大きな総圧下量をとること(晶出物の破砕促進による微細化と数密度の増加)、高温域での圧延時間を長くとること(熱間圧延時の動的析出を促進)、熱延仕上り温度を低くしてその後の冷却速度を速くする(緩慢冷却による粗大析出を抑制)ことなどを適正に組み合わせることで調整することができる。
Mg−Bi系化合物:円相当径で、5.0μm径以上のものが10000μm視野あたり2個未満
粗大なMg−Bi系化合物は、ろう付昇温過程で溶融し難く材料表面にBiが均一に濃化しにくく、また、粗大な化合物ができることで5.0μm未満の微細なMg−Bi化合物の生成量が減ってしまうため、所定値よりも低くする必要がある。
なお、ろう材表面のMg−Bi系化合物の数は、前述したFE−EPMAによる全自動粒子解析により求められる。また、粗大なMg−Bi系化合物の生成を抑制する手段としては、前述の鋳造条件や熱延条件を適切に制御することで調整することができる。
例えば、鋳造時に、溶湯温度が高いところから早い冷却速度で鋳込むこと(Mg−Bi化合物の粗大晶出を抑制)、熱延時には、一定以上の大きな総圧下量をとること(晶出物の破砕促進による微細化)、熱延仕上り温度を低くしてその後の冷却速度を速くする(緩慢冷却による粗大析出を抑制)ことなどを適正に組み合わせることで調整することができる。
<心材>
Mn:0.9〜1.7%
Mnは、Al−Mn、Al−Mn−Si、Al−Mn−Fe、Al−Mn−Si−Feなどの金属間化合物として析出して材料強度を向上させるために添加される。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると鋳造時に巨大な金属間化合物(晶出物)が生成し、圧延性が低下する。
なお、同様の理由で、下限で1.1%、上限で1.6%とするのが望ましく、下限を1.2%とするのが一層望ましい。
Si:0.2〜1.0%
Siは、固溶により材料強度を向上させる他、MgSiやAl−Mn−Si、Al−Mn−Si−Fe金属間化合物として析出し、材料強度を向上させるために添加される。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると材料の融点が低下してろう付時にエロージョンは発生する。
なお、同様の理由で、下限で0.6%、上限で0.9%とするのが望ましい。
Fe:0.1〜0.5%
FeはAl−Mn−Fe、Al−Mn−Si−Feなどの金属間化合物として析出して材料強度を向上させるために添加される。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると鋳造時に巨大な金属間化合物(晶出物)が生成し、圧延性が低下する。
なお、同様の理由で、下限で0.12%、上限で0.4%とするのが望ましい。
Cu:0.08〜1.0%
Cuは、固溶して材料強度を向上させるために添加される。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると耐食性が低下する。
なお、同様の理由で、下限で0.15%、上限で0.85%とするのが望ましい。
Mg:0.1〜0.7%
Mgは、Siなどとの化合物が析出することで材料強度がを向上させること、およびろう材表面に拡散し、酸化皮膜(Al)を還元分解させ、接合性を向上させるので、所望により添加する。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると材料が硬くなりすぎて、素材製造が困難になる。
なお、同様の理由で、下限で0.2%、上限で0.65%とするのが望ましい。
また、Mgは、不可避不純物として0.05%以下を含有するものであってもよい。
Ti:0.05〜0.3%
Tiは、Al−Ti系金属間化合物として析出して腐食の起点を分散させることや、固溶Tiの濃淡部を形成させることで腐食形態を層状とすることでクラッド材の耐孔食性を向上させるため所望により添加する。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると鋳造時に巨大な金属間化合物を形成し圧延性が低下する。
なお、同様の理由で、下限で0.07%、上限で0.25%とするのが望ましい。
また、Tiは、不可避不純物として0.05%未満を含有するものであってもよい。
ろう溶融温度におけるろう材表面のMg濃度0.15〜1.0%
Al−Si−Mgろう材によるAl酸化皮膜の還元分解作用についても研究を重ねた結果、ろう材中のMgの添加量よりも、ろう溶融時に接合部表面に存在するMg濃度が非常に重要であることが明らかになっている。
フラックスフリーろう付では、Al−Si−Mgろう材を用いて、溶融して活性となったろう材中のMgが接合部表面のAl酸化皮膜(Al)を還元分解することで接合を可能としている。一方で、環境中の酸素と反応してしまうと強固はMgO皮膜が生成してろう付性が低下してしまう。したがって、フラックスろう付において安定した接合を達成するためには、ろう溶融温度までは材料表面(すなわちろう材表面)にMgが必要以上に存在しないことで酸化を抑制し、ろう溶融温度では材料表面(すなわちろう材表面)に所定量以上のMgが存在することでAl酸化皮膜の還元分解をすることが重要となる。
また、クラッド材においては各層へのMgの拡散が生じる。具体的にはろう材のみにMgが添加されていても心材方向へMgが拡散して、ろう溶融時にろう材表面に残存するMg量が所定値以下になった場合にはフラックス接合性が低下してしまう。つまり、クラッド材では初期Mg添加量に加えて、ろう溶融温度におけるろう材表面でのMg量が重要となり、所定範囲にすることで酸化を抑制しつつ、Al酸化皮膜の還元分解を達成することができる。
ろう溶融温度におけるMg濃度が0.15%未満の場合、分解還元に必要なMg量が不足することでろう付性が低下する。一方、Mg濃度が1.0%超の場合には酸化によって強固なMgO皮膜が生成することでやはりろう付性が低下する。したがって、ろう溶融温度におけるろう材表面のMg濃度0.15〜1.0%とするのが望ましい。
なお、同様の理由で、下限0.2%、上限で0.85%とするのが一層望ましい。
ろう溶融温度は材料成分によって変化するが、本発明では、固相線温度−10℃の温度をろう溶融温度として扱う。
本発明では、心材の片面に犠牲材が配置されており、その成分は第1の形態の発明においては特定されていない。以下に、犠牲材として好適な成分について説明する。
好適な成分では、各層の成分および組み合わせがより適正化され、開放部を有する継手で安定した接合状態が得られ、かつろう付後の耐食性や強度に優れる。
犠牲材
Zn:0.2〜6.0%
Znは、材料の自然電位を他部材よりも卑にし、犠牲防食効果を発揮させ、クラッド材の耐孔食性を向上させるために所望により添加される。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると電位が卑となりすぎて犠牲材の腐食消耗速度が速くなり、犠牲材の早期消失によってクラッド材の耐孔食性が低下する。
なお、同様の理由で、下限で0.4%、上限で5.7%とするのが望ましく、さらに、下限を0.6%とするのがさらに好ましい。
Znを含有しない場合、Znは不可避不純物として0.1%以下を含有するものであってもよい。
Mn:0.3〜1.3%
Mnは、Al−Mn、Al−Mn−Si、Al−Mn−Fe、Al−Mn−Si−Feなどの金属間化合物として析出して腐食の起点を分散させることでクラッド材の耐孔食性を向上させるため所望により添加される。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると腐食速度が速くなり、犠牲材の早期消失によってクラッド材の耐孔食性が低下する。
なお、同様の理由で、下限で0.4%、上限で1.2%とするのが望ましい。
Mnを含有しない場合、Mnは不可避不純物として0.05%以下を含有するものであってもよい。
Si:0.2〜0.8%
Siは、単体Si、Al−Fe−Si、Al−Mn−Si、Al−Mn−Si−Feなどの金属間化合物として析出して腐食の起点を分散させることでクラッド材の耐孔食性を向上させるため所望により添加される。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると腐食速度が速くなり、犠牲材の早期消失によってクラッド材の耐孔食性が低下する。
なお、同様の理由で、下限で0.3%、上限で0.7%とするのが望ましい。
Siを含有しない場合、Siは不可避不純物として0.05%以下を含有するものであってもよい。
Mg:0.02〜0.3%
Mgは、酸化皮膜を強固にすることで耐食性を向上させるため所望により添加される。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると材料が硬くなりすぎて圧延製造性が低下する。
なお、同様の理由で、下限で0.05%、上限で0.25%とするのが望ましい。
Mgを含有しない場合、Mgは不可避不純物として0.01%以下を含有するものであってもよい。
Fe:0.2〜0.8%
Feは、Al−Fe、Al−Fe−Si、Al−Mn−Fe、Al−Mn−Si−Feなどの金属間化合物として析出して腐食の起点を分散させることでクラッド材の耐孔食性を向上させるために所望により添加される。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると腐食速度が速くなり、犠牲材の早期消失によってクラッド材の耐孔食性が低下する。
なお、同様の理由で、下限で0.3%、上限で0.7%とするのが望ましい。
Feを含有しない場合、Feは不可避不純物として0.05%以下を含有するものであってもよい。
Cr:0.05〜0.5%
Crは、Al−Cr系金属間化合物として析出して腐食の起点を分散させることや固溶Crの濃淡部を形成させることで腐食形態を層状とすることでクラッド材の耐孔食性を向上させるため所望により添加される。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると鋳造時に巨大な金属間化合物を形成し圧延性が低下する。
なお、同様の理由で、下限で0.1%、上限で0.4%とするのが望ましい。
Crを含有しない場合、Crは不可避不純物として0.05%未満を含有するものであってもよい。
Ti:0.05〜0.3%
Tiは、Al−Ti系金属間化合物として析出して腐食の起点を分散させることや、固溶Tiの濃淡部を形成させることで腐食形態を層状とすることでクラッド材の耐孔食性を向上させるため所望により添加される。含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、上限超えであると鋳造時に巨大な金属間化合物を形成し圧延性が低下する。
なお、同様の理由で、下限で0.07%、上限で0.25%とするのが望ましい。
Tiを含有しない場合、Tiは不可避不純物として0.05%未満を含有するものであってもよい。
ろう付後の犠牲材表面のCu濃度が0.12%以下
犠牲材表面にろう材から拡散するなどしたCuが存在すると、孔食が発生しやすくなるとともに、腐食によって溶出したCuが金属Cuとして材料表面に析出することで腐食速度を増大させてしまう。したがって、ろう付後の犠牲材表面のCu濃度を所定値以下とすることでクラッド材の耐食性を向上させることができる。
なお、同様の理由で、Cu濃度は0.10%以下とするのが望ましい。
すなわち、本発明によれば、フラックスフリーのろう付において、安定したろう付が可能であり、ろう付後において、高い強度と優れた耐食性を有することができるという効果が得られる。
本発明の一実施形態におけるフラックスフリーろう付用のブレージングシートを示す図である。 本発明の一実施形態におけるアルミニウム製自動車用熱交換器を示す斜視図である。 本発明の実施例におけるろう付評価モデルを示す図である。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。
心材の片面に犠牲材が配置され、もう一方の片面に、ろう材が配置された本実施形態のアルミニウム合金クラッド材は、例えば以下の方法により製造することができる。
心材用アルミニウム合金としては、質量%で、Mn:0.9〜1.7%、Si:0.2〜1.0%、Fe:0.1〜0.5%、Cu:0.08〜1.0%、Mg:0.1〜0.7%を含有し、さらに所望によりMg:0.1〜0.7%およびTi:0.05〜0.3%の1種または2種を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成に調整する。
また、ろう材用アルミニウム合金としては、質量%で、Si:6.0〜14.0%、Mg:0.05〜1.5%、Bi:0.1〜0.25%、Sr:0.0001〜0.1%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成のAl−Si系ろう材が用いられる。
本実施形態では、ろう付前時点で微細なMg−Bi化合物を分散させるため、ろう材の鋳造時に溶湯温度が高いところから速い冷却速度で鋳造することでMg−Bi化合物の粗大晶出を抑制しつつ、MgとBiを鋳塊内に固溶させる。
具体的には、溶湯温度を700℃以上とすることでMgとBiの固溶度を高めることができる。
得られたアルミニウム合金鋳塊に対しては、所定条件で均質化処理を行う。均質化処理温度が低いと粗大なMg−Bi化合物が析出し、ろう付前時点で本発明のMg−Bi化合物の分布状態が得られにくくなるため、処理温度400℃以上で1〜10時間行うことが望ましい。
犠牲材のアルミニウム合金としては、質量%で、Zn:0.2.0〜6.0%、Mn:0.3〜1.3%、Si:0.2〜0.8%、Mg:0.02〜0.3%、Fe:0.2〜0.8%、Cr:0.05〜0.5%、Ti:0.05〜0.3%の1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避不純物から組成に調整する。ただし、本発明としては、犠牲材の組成が上記に限定されるものではない。
次に、上記ろう材を心材、犠牲材と組み付けて熱間でクラッド圧延するが、このとき、本実施形態では、熱延時の所定温度での圧延時間、熱延開始から終了までの相当ひずみ、熱延仕上げ温度、熱延後の冷却速度を制御し、Mg−Bi化合物を所定のサイズと数密度に調整する。
先ず熱延時所定の温度域での圧延時間を満たすことで、本発明で定義する所定サイズのMg−Bi化合物の析出を動的ひずみが入る環境下で促進する。具体的には、熱延時の材料温度が400〜500℃の間の圧延時間を10min以上とすることで微細なMg−Bi化合物の析出を促進する。
また、熱延開始から終了までの相当ひずみを制御することで、鋳造時に生成した粗大なMg−Bi晶出物を破砕して微細化するとともに数密度を増やすとができる。具体的には、式(1)で示す相当ひずみεが、ε>5.0となるようにスラブ厚みや仕上げ厚みを調整することでMg−Bi晶出物が十分に微細化し、数密度が増加する。

ε=(2/√3)ln(t0/t) ・・・式(1)
t0:熱延開始厚み(スラブ厚み)
t :熱延仕上げ厚み
さらに、熱間圧延の仕上げ温度が高く、動的ひずみがない状態で高温で維持されることや、熱延後の冷却速度が遅くなると、結晶粒界などに本発明が目的とするよりも粗大なMg−Bi化合物が析出するため、熱延仕上げ温度を所定温度まで低くし、一定以上の冷却速度を確保することで粗大なMg−Bi化合物の析出を抑制する。
具体的には、熱延仕上げ温度を250〜350℃とし、仕上げ温度から200℃までの冷却速度を−20℃/hrよりも早く制御することで粗大なMg−Bi化合物の析出を抑制する。
その後、冷間圧延などを経て、図1に示すように、心材2の片面にろう材3が配置され、心材2の他面に犠牲材4が配置された本発明のアルミニウム合金クラッド材1が得られる。
冷間圧延では、例えば、75%以上の総圧下率で冷間圧延を行い、温度200〜450℃にて中間焼鈍を行い、その後圧延率40%の最終圧延を行うことができる。冷間圧延では、Mg−Bi化合物は破砕されにくいため、本発明が目的とするサイズや数密度を逸脱することはないため、特に条件が限定されるものではない。また、中間焼鈍は行わないものとしても良いし、最終焼鈍で終了させたH2n調質ものものでもよい。
上記工程で得られたアルミニウム合金クラッド材1は、熱交換器の構成部材として、他の構成部材10(図1に示すフィンやチューブやサイドプレートなど)と組み合わされた組み付け体として、ろう付に供される。
上記組み付け体は、常圧下の非酸化性雰囲気とされた加熱炉内に配置される。非酸化性ガスには窒素ガス、あるいは、アルゴンなどの不活性ガス、または、水素、アンモニアなどの還元性ガス、あるいはこれらの混合ガスを用いて構成することができる。ろう付炉内雰囲気の圧力は常圧を基本とするが、例えば、製品内部のガス置換効率を向上させるためにろう材溶融前の温度域で100kPa〜0.1Pa程度の中低真空とすることや、炉内への外気(大気)混入を抑制するために大気圧よりも5〜100Pa程度陽圧としてもよい。
加熱炉は密閉した空間を有することを必要とせず、ろう付材の搬入口、搬出口を有するトンネル型であってもよい。このような加熱炉でも、不活性ガスを炉内に吹き出し続けることで非酸化性が維持される。該非酸化性雰囲気としては、酸素濃度として体積比で50ppm以下が望ましい。
上記雰囲気下で、例えば、昇温速度10〜200℃/minで加熱して、組み付け体の到達温度が559〜630℃となる熱処理条件にてろう付接合を行う。
ろう付条件において、昇温速度が速くなるほどろう付時間が短くなるため、材料表面の酸化皮膜成長が抑制されてろう付性が向上する。到達温度は少なくともろう材の固相線温度以上とすればろう付可能であるが、液相線温度に近づけることで流動ろう材が増加し、開放部を有する継手で良好な接合状態が得られ易くなる。ただし、あまり高温にするとろう浸食が進み易く、ろう付後の組付け体の構造寸法精度が低下するため好ましくない。
図2は、上記アルミニウム合金クラッド材1を用いてフィン6を形成し、ろう付対象材としてアルミニウム合金製のチューブ7を用いたアルミニウム製熱交換器5を示している。フィン6、チューブ7を、補強材8、ヘッダプレート9と組み込んで、フラックスフリーろう付によって自動車用などのアルミニウム製熱交換器5を得ている。
表1〜表3および表5〜表7に示す組成(残部がAlと不可避不純物)の各種アルミニウム合金クラッド材を、表9に示す、鋳造条件および均質化条件(ろう材)、ならびに熱間圧延条件にて熱間圧延板を作製した。なお、成分中の「−」は、含有量が0または不可避不純物量であることを示している。
その後、中間焼鈍を含む冷間圧延によって、H14相当調質の0.30mm厚の冷間圧延板を作製した。なお、各層のクラッド率は犠牲材10%、ろう材8%とした。
また、ろう付対象部材としてJIS A3003合金、H14のアルミニウムベア材(0.06mm厚)のコルゲートフィンを用意した。
前記アルミニウムクラッド材を用いて幅25mmのチューブを製作し、該チューブとコルゲートフィンとを該チューブろう材とコルゲートフィンが接するように組み合わせ、ろう付評価モデルとしてチューブ15段、長さ300mmのコアとした。前記コアを、窒素雰囲気中(酸素含有量30ppm)のろう付炉にて、600℃まで加熱し、5分間保持して、そのろう付状態を評価した。その際、室温から550℃までの入熱量(ろう付熱処理中のZnの拡散係数と時間の積の積算値)は6×10−11、ろう付完了までの入熱量は8×10−10とし、ろう付終了後に100℃/minの冷却速度で室温まで冷却した。なお、ろう付条件は上記に限定されるものではない。
実施例における各供試材について、以下の評価を行い、評価結果を表4、表8に示した。
ろう付性
○接合率
以下式にて接合率を求め、各試料間の優劣を評価した。
フィン接合率=(フィンとチューブの総ろう付長さ/フィンとチューブの総接触長さ)×100
接合率では、90%以上を○、90%未満を×と評価した。
○フィレット長さ
前記コアから切り出したサンプルを樹脂包埋、鏡面研磨し、光学顕微鏡を用いて、図3に示すようにフィン11とチューブ12との間の接合部13におけるフィレット長さWを測定した。測定する接合部13は20箇所とし、その平均をフィレット長さとして、優劣を評価した。
フィレット長さでは、800μm以上を◎、700μm以上800μm未満を○○○、600μm以上700μm未満を○○、500μm以上600μm未満を○、500μm未満を×と評価した。
○粗大初晶Si粒
作製したブレージングシートを樹脂埋めし、圧延方向平行断面を鏡面研磨し、バーカー氏液で組織を現出後、光学顕微鏡で観察してろう材層中の粗大な初晶Siの形成状態を評価した。観察は300μmの視野を10箇所とした。
円相当直径で30μm以上の粗大Si粒が2個未満の場合を○○、2〜9個の範囲を○、10個以上見られた場合を×とした。
ろう付後の強度
ブレージングシートをドロップ形式で炉に設置し、前記ろう付条件にてろう付相当熱処理を行った。その後、サンプルを切り出し、JISに準拠した通常の方法にて室温にて引張試験を実施して引張強さを評価した。
ろう付後の強度では、190MPa以上を◎、180MPa以上、190MPa未満を○○、145MPa以上180MPa未満を○、145MPa未満を×と評価した。
耐食性
ブレージングシートをドロップ形式で炉に設置し、前記ろう付条件にてろう付相当熱処理を行った。その後、サンプルを30mm×80mmのサイズに切り出し、犠牲材面以外をマスキングしたのち、SWAATに30日間供した。腐食試験後のサンプルはリン酸クロム酸混合溶液によって腐食生成物を除去し、最大腐食部の断面観察を行って腐食深さを測定した。
耐食性では、腐食深さが犠牲材層内である場合を◎、犠牲材層を超えて板厚の1/4までを○○○、犠牲材層を超えて板厚の半分までを○○、板厚の半分を超えたが貫通なしを○、30日間で貫通した供試材のうちで、SWAATに20日間の腐食試験では貫通せず、その後、貫通したものは△、20日間のうちに貫通したものを×と評価した。
ろう溶融温度でのろう材表面のMg濃度
上記ろう付条件にてろう付相当熱処理を行い、ろう溶融温度(成分から状態図計算ソフトJMatProを用いて固相線温度を算出し、その−10℃の温度)になった瞬間に炉からサンプルを取り出し、サンプルを樹脂包埋、鏡面研磨し、断面方向のEPMA分析によってろう材表面のMg濃度を測定した。測定されたEPMAデータのうち、ろう材表面から5μmの範囲の平均Mg濃度をろう材表面のMg濃度とした。
ろう溶融温度は材料成分によって変化するため、状態図計算ソフト(JMatPro)を用いて固相線温度を求め、固相線温度−10℃の温度をろう溶融温度として扱った。
ろう付後の犠牲材表面のCu濃度
上記ろう付条件にてろう付相当熱処理を行い、ろう付後のサンプルについて、樹脂包埋、鏡面研磨し、断面方向のEPMA分析によって犠牲材表面のCu濃度を測定した。測定されたEPMAデータのうち、表面から5μmの範囲の平均Cu濃度を犠牲材表面のCu濃度とした。
Figure 2021011632
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以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明の範囲は上記説明の内容に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは、上記実施形態に対する適宜の変更が可能である。
1 アルミニウム合金クラッド材
2 心材
3 ろう材
4 犠牲材
5 アルミニウム製熱交換器
6 フィン
7 チューブ
10 他の構成部材
11 フィン
12 チューブ
13 接合部

Claims (5)

  1. 心材の片面に犠牲材が配置され、もう一方の片面に、質量%で、Si:6.0〜14.0%、Mg:0.05〜1.5%、Bi:0.05〜0.25%、Sr:0.0001〜0.1%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、かつ、成分含有量の質量%において、(Bi+Mg)×Sr≦0.1の関係を満たすAl−Si−Mg−Bi系ろう材が配置された3層のAl合金クラッド材であって、
    前記Al−Si−Mg−Bi系ろう材に含まれるMg−Bi系化合物が、ろう付前の表層面方向の観察において、円相当径で0.1μm以上5.0μm未満の直径を有するものが、10000μm視野あたり20個よりも多く存在し、かつ、5.0μm以上の径を有するものが10000μm視野あたり2個未満であり、
    さらに、前記心材が、質量%で、Mn:0.9〜1.7%、Si:0.2〜1.0%、Fe:0.1〜0.5%、Cu:0.08〜1.0%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなることを特徴とするアルミニウム合金クラッド材。
  2. 前記心材がさらに、Mg:0.1〜0.7%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム合金クラッド材。
  3. 前記心材がさらに、Ti:0.05〜0.3%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなることを特徴とする請求項1記載または2に記載のアルミニウム合金クラッド材。
  4. さらに、ろう溶融温度におけるろう材表面のMg濃度が0.15〜1.0%の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金クラッド材。
  5. 前記犠牲材が、質量%で、Zn:0.2〜6.0%、Mn:0.3〜1.3%、Si:0.2〜0.8%、Mg:0.02〜0.3%、Fe:0.2〜0.8%、Cr:0.05〜0.5%、Ti:0.05〜0.3%の1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、さらに、ろう付後の犠牲材表面のCu濃度が0.12%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金クラッド材。
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