JP2022142972A - アルミニウムろう付用ブレージングシートおよびアルミニウムろう付用ブレージングシートの製造方法 - Google Patents

アルミニウムろう付用ブレージングシートおよびアルミニウムろう付用ブレージングシートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明はフラックスフリーろう付用に好適なアルミニウムろう付用ブレージングシートとその製造方法の提供を目的とする。【解決手段】本発明のアルミニウムろう付用ブレージングシートは、少なくとも心材及びろう材の二層以上の複層構造を有するアルミニウムブレージングシートであって、質量%で、Siを5.0~14.0%、Mgを0.2~1.3%、Biを0.05~0.25%含有し、残部がAlと不可避不純物からなるAl-Si-Mg-Bi系ろう材が心材の片面または両面にクラッドされて最表面に位置し、かつ、心材がSiを0.4~0.6%、Mnを1.0~1.5%、Cuを0.4~0.6%含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、ろう付後のろう材表面の酸化皮膜層において、グロー放電発光分析で取得される厚さ方向の元素濃度分布でのBi濃度が最も高い部位が質量%で15%以上となることを特徴とする。【選択図】図2

Description

この発明は、フラックスフリーによる接合がなされるフラックスフリーろう付用に好適なアルミニウムろう付用ブレージングシートおよびアルミニウムろう付用ブレージングシートの製造方法に関する。
ラジエータなどのアルミニウム製自動車用熱交換器は、これまでの小型軽量化と共にアルミニウム材料の薄肉高強度化が進んできている。アルミニウム製熱交換器の製造では、継手を接合するろう付が行われるが、現在主流のフッ化物系フラックスを使用するろう付方法では、フラックスが材料中のMgと反応して不活性化し、ろう付不良を生じ易いため、Mg添加高強度部材の利用が制限される。このため、フラックスを使用せずにMg添加アルミニウム合金を接合するろう付方法が望まれている。
Al-Si-Mgろう材を用いるフラックスフリーろう付では、溶融して活性となったろう材中のMgが接合部表面のAl酸化皮膜(Al)を還元分解することで接合が可能となる。閉塞的な面接合継手などでは、Mgによる酸化皮膜の分解作用によりろう材を有するブレージングシート同士を組合せた継手や、ブレージングシートとろう材を有さない被接合部材(ベア材)を組合せた継手で良好な接合状態が得られる。
特開2014-50861号公報
しかし、チューブとフィン接合部など、雰囲気の影響を受け易い継手形状では、Mg添加ろう材の表面でMgO皮膜が成長し易くなるが、MgO皮膜は分解され難い安定な酸化皮膜であるため、接合が著しく阻害される。このため、開放部を有する継手で安定した接合状態が得られるフラックスフリーろう付方法が強く望まれている。
フラックスフリーろう付の接合状態を安定させる方法として、例えば特許文献1に示すAl-Si-Mg-Bi系ろう材を用い、ろう材中のBi粒子やBi-Mg化合物の分布状態を制御する技術が提案されている。この技術によれば、円相当径5.0~50μmの単体BiあるいはBi-Mg化合物をろう材中に分散させておくことで、これら化合物を材料製造時にろう材表面に露出させ、露出部における酸化皮膜形成を抑制することで、短時間のろう付加熱により、フラックスフリーろう付性を向上できるとしている。
しかし、現在主流のフッ化物系フラックスを使用するろう付方法を代替できるほどに安定した接合性が得られているとは言い難く、一般的な熱交換器に広く適用するためにはさらなる技術の向上が必要である。
そこで本発明者らは前記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、Bi添加Al-Si-Mg系ろう材において、ろう付性をさらに向上させるためには、ろう溶融後の表面Bi濃度を均一で一定値以上に調整し、Biによる酸化皮膜の分断作用を促進させることが重要であることを見出した。さらに、ろう溶融開始時に接合が開始されるが、継手に溶融ろうを十分に充填するためには、ろう溶融開始時の表面Bi濃度を一定値以上に調整し、酸化皮膜が分断される起点を増やすことが重要であることを見出した。
また、本発明者らの研究により、ろう付昇温過程では、Mg-Bi化合物粒子が溶融して生成する金属Biがろう材表面に濃化することがわかっている。更に、研究の結果、材料作製時にろう材表面から10μm深さ以内に分布する円相当径0.01μm以上5.0μm未満の微細なMg-Bi化合物粒子を所定の数密度以上に分散させることで前記一定値以上の表面Bi濃度が実現することを確認し、本発明に至った。
さらに、本発明では、心材の合金組成を最適化することでろう付後の強度や耐食性も優れるブレージングシートを実現できることを知見した。
本願発明は、以上説明の背景に鑑みなされたもので、フラックスフリーろう付において良好な接合性が得られ、かつ、ろう付後の強度と耐食性に優れるアルミニウムろう付用ブレージングシートおよびアルミニウムろう付用ブレージングシートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ろう付前のAl-Si-Mg-Bi系ろう材の表層部に着目し、Mg-Bi系化合物粒子を微細かつ密に分散させることで、減圧を伴わない非酸化性雰囲気中のフラックスフリーろう付で優れた接合状態が得られることを見出した。
(1)アルミニウムろう付用ブレージングシートの第1形態は、少なくとも心材及びろう材の二層以上の複層構造を有するアルミニウムブレージングシートであって、質量%で、Siを5.0~14.0%、Mgを0.2~1.3%、Biを0.05~0.25%含有し、残部がAlと不可避不純物からなるAl-Si-Mg-Bi系ろう材が前記心材の片面または両面にクラッドされて最表面に位置し、かつ、前記心材がSiを0.4~0.6%、Mnを1.0~1.5%、Cuを0.4~0.6%含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、さらに、ろう付後のろう材表面の酸化皮膜層において、グロー放電発光分析で取得される厚さ方向の元素濃度分布でのBi濃度が最も高い部位が質量%で15%以上となることを特徴とする。
(2)アルミニウムろう付用ブレージングシートの第2形態は、前記Al-Si-Mg-Bi系ろう材に含まれるMg-Bi系化合物が、ろう付前の圧延方向に平行な断面(RD-ND)の観察において、円相当径で0.01μm以上5.0μm未満の径を有する微細Mg-Bi系化合物であり、該微細Mg-Bi系化合物が、ろう材最表面から10μm深さ以内の領域において10000μm視野あたり50個以上存在することを特徴とする。
(3)アルミニウムろう付用ブレージングシートの第3形態は、ろう付昇温過程のろう溶融開始温度(固相線温度)に到達した前記ろう材表面の酸化皮膜層において、グロー放電発光分析で取得される厚さ方向の元素濃度分布でのBi濃度が最も高い部位が質量%で1.0%以上となることを特徴とする。
(4)アルミニウムろう付用ブレージングシートの第4形態は、ろう付前の前記ろう材表面の平均酸化皮膜厚さが20nm以下であることを特徴とする。
(5)アルミニウムろう付用ブレージングシートの第5形態は、(1)~(4)の何れか一項に記載のろう材および心材を用いたブレージングシートであって、ろう材/心材/犠牲材のクラッド構成を有し、前記犠牲材が質量%で、Zn:1.5~6.0%、Si:0.2~0.8%、Mn:0.7~1.3%、Mg:0.1%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする。
(6)アルミニウムろう付用ブレージングシートの第6形態は、(1)~(4)の何れか一項に記載のろう材および心材を用いたブレージングシートであって、ろう材/心材/犠牲材/ろう材のクラッド構成を有し、前記犠牲材が質量%で、Zn:1.5~6.0%、Si:0.2~0.8%、Mn:0.7~1.3%、Mg:0.1%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする。
(7)アルミニウムろう付用ブレージングシートの第7形態は、(1)~(6)のいずれかに記載のアルミニウムろう付用ブレージングシートにおいて、少なくともSi粒子および、Mg-Bi化合物の一部が最表面に露出したエッチング面であることを特徴とする。
(8)第8の形態のアルミニウムろう付用ブレージングシートの製造方法は、(1)~(7)のいずれか一項に記載のアルミニウムろう付用ブレージングシートを用いてろう付を行うまでの間に、アルカリまたは酸を用いて前記アルミニウムろう付用ブレージングシートの表面をエッチングすることを特徴とする。
本発明によれば、良好で安定したフラックスフリーろう付接合を行うことが可能になる。
アルミニウムブレージングシート試料に関し、ろう溶融開始温度となった試料をろう付炉から取り出し、急冷後、試料に対しグロー放電発光分析により試料表面から深さ方向に元素濃度の分布を求めた結果の一例を示すグラフである。 本発明の一実施形態におけるフラックスフリーろう付用ブレージングシートとろう付対象部材を示す図である。 本発明の一実施形態に係るアルミニウム製自動車用熱交換器を示す斜視図である。 本発明の一実施例におけるろう付モデルを示す図である。
以下、実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
本実施形態のアルミニウムブレージングシートは、シート状の心材と上述のろう材、犠牲材などとのクラッド圧延によりシート状に製造される。
本実施形態のアルミニウムブレージングシートにおいて、ろう付後の前記Al-Si-Mg-Bi系ろう材表面の酸化皮膜において、グロー放電発光分析で取得される厚さ方向の各種元素濃度分布内でのBi濃度が最も高い部位が質量%で15%以上であることが好ましい。また、前記ろう材は、質量%で、Siを5.0~14.0%、Mgを0.2~1.3%、Biを0.05~0.25%含有し、残部Alの組成を有するAl-Si-Mg-Bi系ろう材であることが好ましい。
以下、本実施形態のブレージングシートにおいて、含有量の記載はいずれも質量比で示され、質量比の範囲について「~」を用いて表記する場合、特に指定しない限り、下限と上限を含む表記とする。よって、例えば、5.0~14.0%は、5.0質量%以上14.0質量%以下を意味する。
前記Al-Si-Mg-Bi系ろう材に含まれるMg-Bi系化合物粒子であって、圧延方向に平行な断面(RD-ND)の観察において、円相当径で0.01μm以上5.0μm未満の径を有する微細Mg-Bi系化合物粒子が、ろう材最表面から10μmの深さ以内の領域において、10000μm視野あたり50個以上存在することが好ましい。
また、後述するろう付昇温過程のろう溶融開始温度(固相線温度)に到達した前記Al-Si-Mg-Bi系ろう材表面の酸化皮膜において、グロー放電発光分析で取得される厚さ方向の各種元素濃度分布内でのBi濃度が最も高い部位が質量%で1.0%以上であることが好ましい。
以下、ろう材に含まれる合金成分について説明する。
「ろう材(ろう材層)」
Mg:0.2~1.3%
Mgは、Al酸化皮膜(Al)を還元分解する。但し、Mgの含有量が過小であると、効果が不十分であり、一方、過剰に含有すると、ろう付雰囲気中の酸素と反応して接合を阻害するMgOが生成することや、材料が硬く脆くなるため、素材製造が困難になる。このため、本形態のろう材におけるMgの含有量を前記範囲に定める。
なお、同様の理由でMg含有量を、下限で0.3%、上限で1.0%とするのが一層望ましい。
Si:5.0~14.0%
Siは、ろう付時に溶融ろうを形成し、接合部のフィレットを形成する。但し、Siの含有量が過小であると、フィレットを形成するための溶融ろうが不足する。一方、Siを過剰に含有すると、効果が飽和するだけでなく、材料が硬く脆くなるため、素材製造が困難になる。このため、本形態のろう材において、Siの含有量を前記範囲に定める。
なお、同様の理由でSi含有量を、下限で6.0%、上限で12.0%とするのが一層望ましい。
Bi:0.05~0.25%
Biは、ろう付昇温過程で材料表面に濃化し酸化皮膜まで入り込むため、緻密な酸化皮膜の成長を阻害する。ろう溶融時には、ろう材中のMgにより酸化皮膜中のAlが還元分解されるが、Biが入り込み酸化皮膜が脆弱になっているため、酸化皮膜層が破壊され易くなる。さらに、Biは溶融ろうの表面張力を低下させるため、隙間充填性が向上する。
ただし、Biの含有量が過小であると、効果が不十分となる。一方、Biを過剰に含有すると、効果が飽和するだけでなく、母材Alへの固溶限が小さいBiが材料作製時の熱処理やろう付昇温過程の低温域で材料表面に偏析し、Biの酸化物が生成し易くなり接合が阻害される。このため、本形態のろう材においてBiの含有量を前記範囲に定める。
なお、同様の理由でBi含有量を、下限で0.1%、上限で0.2%とするのが一層望ましい。
また、ろう材における不可避不純物としてアルミニウム中にFeを0.3%以下の範囲で含有しても良い。
「微細Mg-Bi系化合物粒子」
本形態のろう材には、円相当径で、0.01μm以上5.0μm未満の微細Mg-Bi系化合物粒子が、ろう材最表面から10μm深さ以内の領域において10000μm視野あたりに50個以上含まれていることが好ましい。
微細Mg-Bi系化合物粒子がろう材表層部に分散することで、ろう付昇温過程で微細Mg-Bi系化合物粒子が溶融した際に、Biが材料表面に均一に濃縮し易くなり、接合を阻害する酸化皮膜の分断作用が高まる。前記微細Mg-Bi系化合物粒子が50個未満であると、酸化皮膜の分断効果が不十分となり易く、ろう付性が低下する。同様の理由により、微細Mg-Bi系化合物粒子の数が100個以上であることが一層望ましい。
なお、ろう材表層部の微細Mg-Bi系化合物粒子の数は、作製したアルミニウムブレージングシートの圧延方向に平行な断面(RD-ND)を平均粒径0.1μmの砥粒で鏡面処理し、ろう材層の最表面から10μm深さ(ろう材層厚みが10μm未満の場合はろう材層の全厚み)までの範囲をEPMA(電子線マイクロアナライザ)で全自動粒子解析を行う。更に、1μm以下の微細な化合物を測定するため、切出したろう材層の圧延方向に平行な断面(RD-ND)を機械研磨、および電解研磨をして薄膜を作製し、TEM(透過型電子顕微鏡)でろう材層の最表面から10μm深さ(ろう材層厚みが10μm未満の場合はろう材層の全厚み)までの範囲を10000μm(100μm角)相当の視野を観察し、0.01~5.0μmのMg-Bi系化合物粒子数をカウントすることで求められる。
なお、前記(RD-ND)において、RDはRolling Direction(圧延方向)を示し、NDはNormal Direction(圧延面法線方向)を示す。
また、Mg-Bi系化合物粒子を細かく密に分布させる手段として、鋳造時に、溶湯温度が高いところから早い冷却速度で鋳込むこと、熱延時には、一定以上の大きな総圧下量をとること、高温域での圧延時間を長くとること、熱延仕上り温度を一定以上低くかつその後の冷却速度を早くすること、冷延負荷1回当りの圧下量を小さくすることなどを適正に組み合わせることで調整できる。
「ろう付前のろう材表面の平均酸化皮膜厚さ:20nm以下」
ろう付前酸化皮膜の主組成であるAlは、ろう付過程でろう材中のMgにより還元されMgAlなどに分解されるが、MgAlはろう付中に再分解し難い安定な酸化物のため、多量に生成すると活性な溶融ろう表面が減少し、溶融ろうの充填性が低下する。このため、MgAlの原料となるAlを減らすことを目的として、ろう付前のブレージングシートにおいてろう材表面の平均酸化皮膜厚さを20nm以下にすることが望ましい。
同様の理由でろう付前のブレージングシートにおいて平均酸化皮膜厚さを10nm以下とするのが一層望ましい。
ただし、選択される継手形状やろう付条件などにより前記の平均酸化皮膜厚さ以上でも十分な接合性が確保できる場合には、前記の平均酸化皮膜厚さに限定されるものではない。
なお、ろう付前のブレージングシートにおける酸化皮膜厚さは、グロー放電発光分析(GD-OES)によりブレージングシートの表面方向(RD-TD)から内部方向にスパッタしながら深さ方向の元素分布を示す図を取得し、最表面からO量を示す線と最表面からAl量を示す線が交差する点までの最表面からの距離を酸化皮膜厚さとして定義することで求められる。なお、前記(RD-TD)において、TDはTransverse Direction(圧延直角方向)を示す。
ろう付前のブレージングシートにおける酸化皮膜の組成や厚さは、ブレージングシートの基となる材料作製時の熱処理条件により制御できる。本願発明に用いるMg添加材料では、熱処理温度が高過ぎる場合や熱処理時間が長くなり過ぎると、ろう付時に分解され難いMgO皮膜が成長し、接合が著しく阻害される。このため、例えば、冷延後の中間焼鈍や最終焼鈍で行う熱処理では、到達温度400℃以下、最高到達温度での保持時間を12時間未満にすることでろう付前酸化皮膜の主組成をAlに調整し、所定の厚さに制御することができる。
なお、本願発明のブレージングシートの基となる材料を得る方法としては、目的とするろう付前のブレージングシートにおける酸化皮膜組成と厚さが達成できれば良いため、その手法は前記に限定されるものではない。
「ろう溶融開始温度到達時のろう材表面の酸化皮膜において、厚さ方向の各種元素濃度分布内でBi濃度が最も高い部位が質量%で1.0%以上」
ろう材表面に濃化したBiは、酸化皮膜に入り込み、酸化皮膜を分断することでろう付接合性を向上させる。ろう付過程では、Biによる酸化皮膜分断作用と、ろう材中のMgによるAl皮膜の還元分解作用との相乗効果により優れたろう付接合性が得られる。このとき、ろう溶融開始時の酸化皮膜中のBi濃度が1.0%未満であると、酸化皮膜を分断する起点が不十分になり、ろう付接合性が低下するため、Bi濃度を1.0%以上にすることが望ましい。
同様の理由で、ろう溶融開始時の表面Bi濃度は3.0%以上にすることが一層望ましい。
図1は、後述する実施例において得られたアルミニウムブレージングシート試料に関し、ろう付相当熱処理を施し、ろう溶融開始温度となった試料をろう付炉から取り出し、急冷した後、試料に対しグロー放電発光分析により試料表面から深さ方向に元素濃度の分布を求めた結果の一例を示すグラフである。
ろう材の溶融開始温度は、ろう材を構成するアルミニウム合金の固相線温度-5℃と定義する。アルミニウム合金の固相線温度は、熱力学計算ソフト(Jmat Pro)を利用し、合金組成から算出することができる。
図1に示すようにこの試料では、試料表面(材料表面)側において酸素濃度(酸素含有量)が高く、Al濃度(Al含有量)が低いが、分析位置が深くなるにつれてAlの濃度が徐々に上昇し、酸素の濃度は逆に徐々に減少する。本願明細書では、深さ方向へのグロー放電発光分析結果におけるO原子濃度を示すプロファイルとAl原子濃度を示すプロファイルの交点までの深さを酸化皮膜の厚さと定義する。図1の例では酸化皮膜厚さ4nmと見積もることができる。
図1に示すグラフから明らかなように、酸化皮膜にはBiの濃度勾配が形成されており、酸化皮膜の厚さ方向中心領域にピーク濃度を有し、ピーク濃度位置から表面側とその反対側(奥側)に向かってBi濃度が順次減少する山型のBi濃度勾配が形成されていることがわかった。
本願明細書において、厚さ方向の元素濃度分布内におけるBi濃度が最も高い部位とは、この山型のBi濃度勾配のピーク位置のBi濃度(質量%)を意味する。
なお、図1に示すグラフでは、Biの濃度プロファイルのみ濃度を20倍に拡大して表示しているので、Biの濃度ピークは0.68原子%(at%)と読み取ることができるが、このピーク位置におけるBi含有量は質量%に換算すると6.7質量%となる。
以上説明のように、ろう付昇温過程のろう溶融開始温度(固相線温度)に到達した時点における、ろう材表面の酸化皮膜におけるBi濃度が最も高い部位のBi濃度とは、炉から取り出して急冷した試料表面のBiのピーク濃度を意味する。
「ろう付後のろう材表面の酸化皮膜において、厚さ方向の各種元素濃度分布内でBi濃度が最も高い部位が質量%で15%以上」
前記の表面濃化したBiによる酸化皮膜の分断作用は、ろう溶融温度以上になるとBiの表面濃化が促進することで作用が強くなるが、材料やろう付条件を適切に選択し、ろう付後のろう材表面のBi濃度を15%以上にすることで良好なろう付接合状態となる。材料の一例としては、本形態のブレージングシートが好適に選択でき、ろう付条件の一例として、ろう付昇温時間が3~60分、最高到達温度が580~610℃、最高到達温度から5℃低い温度からの昇温中の保持時間が3~10分などが挙げられる。
同様の理由でろう付後の表面Bi濃度は20%以上に調整することが一層望ましい。
前記の表面Bi濃度は、ろう溶融直後にろう付炉から取り出したブレージングシート、または、ろう付後のブレージングシートについて、グロー放電発光分析(GD-OES)によりブレージングシートの表面方向(RD-TD)から内部方向にスパッタしながら深さ方向の元素分布を取得し、前記酸化皮膜中のBi濃度分布で最も高い濃度を示す部位を表面Bi濃度と定義した。
「心材(心材層)」
本実施形態のブレージングシートにおける心材の組成は特定のものに限定されるものではないが、以下の成分が好適に示される。
心材は、一例として、質量%で、Si:0.4~0.6%、Mn:1.0~1.5%、Cu:0.4~0.6%を含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金から構成できる。
Si:0.4~0.6%
Siは、固溶により材料強度を向上させる他、Al-Mn-Si化合物粒子として析出し材料強度を向上させる効果がある。但し、Siの含有量が過小であると、効果が不十分となる。一方、Siの含有量が過大であると、心材の固相線温度が低下し、ろう付時に溶融するおそれがある。これらのため、心材にSiを含有させる場合、Si含有量は前記範囲とする。
Mn:0.1~1.5%
Mnは、金属間化合物として組織に析出し、材料強度を向上させる。さらに固溶により材料の電位を貴にして耐食性を向上させる。ただし、Mnの含有量が過小であると効果が不十分であり、一方、Mgを過大に含有すると、材料が硬くなり素材圧延性が低下する。これらのため、Mnを含有させる場合、Mn含有量は前記範囲とする。
なお、同様の理由から、Mn含有量を下限で1.1%、上限で1.4%とするのが望ましい。
Cu:0.4~0.6%
Cuは、Alに固溶して材料強度を向上させる。ただし、Cuの含有量が過小であると効果が不十分であり、一方、Cuを過大に含有すると、心材の固相線温度が低下し、ろう付時に溶融するおそれがある。これらのため、心材にCuを含有させる場合、Cu含有量は前記範囲とする。
「犠牲材(犠牲材層)」
本実施形態では、ろう材をクラッドした心材の反対側の面に犠牲材をクラッドしたアルミニウムブレージングシートとすることができる(犠牲材/心材/ろう材の3層構造)。また、犠牲材の上にさらにろう材をクラッドすることもできる(ろう材/犠牲材/心材/ろう材の4層構造)。
本願発明における犠牲材の組成は特定のものに限定されるものではないが、以下の成分が好適に示される。
犠牲材は、一例として、質量%で、Zn:1.5~6.0%、Si:0.2~0.8%、Mn:0.7~1.3%、Mg:0.1%以下を含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金で構成できる。
Zn:1.5~6.0%
Znは、材料の自然電位を他部材よりも卑にし、犠牲防食効果を発揮させ、クラッド材の耐孔食性を向上させるために犠牲材に添加される。Znの含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、Znの含有量が上限超えであると電位が卑となりすぎて犠牲材の腐食消耗速度が速くなり、犠牲材の早期消失によってクラッド材の耐孔食性が低下する。
なお、同様の理由で、犠牲材に含まれるZn量を下限で0.7%、上限で5.7%とするのが望ましい。
Si:0.2~0.8%
Siは、単体Si、Al-Fe-Si、Al-Mn-Si、Al-Mn-Si-Feなどの金属間化合物として組織に析出し、腐食の起点を分散させることでクラッド材の耐孔食性を向上させるため、所望により犠牲材に添加される。Siの含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、Siの含有量が上限超えであると腐食速度が速くなり、犠牲材の早期消失によってクラッド材の耐孔食性が低下する。
なお、同様の理由で、犠牲材に含まれるSi量を下限で0.3%、上限で0.7%とするのが望ましい。
Mn:0.7~1.3%
Mnは、Al-Mn-Si、Al-Mn-Si-Feなどの金属間化合物として析出して腐食の起点を分散させることでクラッド材の耐孔食性を向上させるため、所望により犠牲材に添加される。Mn含有量が下限未満であると、効果が不十分であり、Mn含有量が上限超えであると腐食速度が速くなり、犠牲材の早期消失によってクラッド材の耐孔食性が低下する。
なお、同様の理由で、犠牲材に含まれるMn量を下限で0.8%、上限で1.2%とするのが望ましい。
Mg:0.1%以下
Mgは蒸気圧が高く、さらに、Al酸化皮膜を還元分解するため、Mgが多いほどろう付中に材料表面の酸化皮膜が破壊されやすい。破壊された酸化皮膜下にZnが存在すると、破壊された酸化皮膜の隙間からZnが蒸発してしまう。したがって、Zn蒸発が生じ得る環境においてはZn含有層のMg添加量を所定値以下とすることでMgの蒸発と酸化皮膜の破壊に起因したZnの蒸発を抑制することができる。
なお、同様の理由で、Mg含有量を0.05%以下とするのが望ましい。
本実施形態に係るアルミニウムブレージングシートに用いるアルミニウム合金材は、例えば以下の方法により製造することができる。
ろう材用アルミニウム合金として、質量%で、Mgを0.2~1.3%、Siを5.0~14.0%、Biを0.05~0.25%含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成のAl-Si-Mg-Bi系ろう材を調製する。
また、心材用アルミニウム合金として、質量%で、Si:0.4~0.6%、Mn:1.0~1.5%、Cu:0.4~0.6%含有し、残部Alと不可避不純物とからなる組成に調整する。
さらに、犠牲材を用いる場合は、犠牲材用アルミニウム合金として、例えば、質量%で、Zn:1.5~6.0%を含有し、さらに、Si:0.2~0.8%、Mn:0.7~1.3%の内、1種または2種以上を含有し、残部Alと不可避不純物とからなる組成に調整する。
本形態の組成に調製してアルミニウム合金を溶製する。該溶製は半連続鋳造法によって行うことができる。
本形態では、ろう付前時点で微細なMg-Bi化合物を分散させるため、ろう材の鋳造時に高い溶湯温度から急冷することでMgとBiを鋳塊内で過飽和に固溶させる。具体的には、溶湯温度を700℃以上とし、鋳造時の冷却速度を速くすることでMgとBiの固溶度を高めることができる。
得られたアルミニウム合金鋳塊に対し、所定条件で均質化処理を行う。均質化処理温度が低いと粗大なMg-Bi化合物が析出し、ろう付前時点で本発明のMg-Bi化合物の分布状態が得られにくくなるため、処理温度400℃以上で1~10時間行うことが望ましい。例えば、400~500℃で2~8時間程度行うことができる。
また、本形態では、ろう材に含まれるMg-Bi化合物粒子であって、円相当径で0.01μm以上5μm未満の径をもつMg-Bi化合物粒子が、ろう材最表面から10μm深さ以内の10000μm視野あたり50個以上とすることが望ましい。
本形態のブレージングシート作製に当り、クラッド前のろう材を準備する際には、前記鋳造条件の他、熱間圧延時の一度の圧下率を大きくすることでMg-Bi化合物粒子を微細に破砕することが望ましい。
次に、前記組成のアルミニウム合金のろう材を前記組成のアルミニウム合金の心材などと組み付けて熱間でクラッド圧延するが、このとき、本形態では、熱延時の所定温度での圧延時間、熱延開始から終了までの相当ひずみ、熱延仕上げ温度、熱延後の冷却速度、冷延時の圧下率を制御し、Mg-Bi化合物粒子を所定のサイズと数密度に調整する。
先ず熱延時所定の温度域での圧延時間を満たすことで、本実施形態で定義する所定サイズのMg-Bi化合物粒子の析出を動的ひずみが入る環境下で促進する。具体的には、熱延時の材料温度が400~500℃の間の圧延時間を10min以上とすることで微細なMg-Bi化合物粒子の析出を促進する。
また、熱延開始から終了までの相当ひずみを制御することで、鋳造時に生成した粗大なMg-Bi晶出物を破砕し微細化することができる。具体的には、以下の式(1)で示す相当ひずみεが、ε>5.0となるようにスラブ厚みや仕上げ厚みを調整することでMg-Bi晶出物を十分に微細化することができる。
ε=(2/√3)ln(t/t)・・・式(1)
:熱延開始厚み(スラブ厚み)
t:熱延仕上げ厚み
さらに、熱延の仕上げ温度が高く、動的ひずみがない状態が維持されることや、熱延後の冷却速度が遅くなると、結晶粒界などに本実施形態が目的とするよりも粗大なMg-Bi化合物粒子が析出するため、熱延仕上げ温度を所定温度まで低くし、一定以上の冷却速度を確保することで粗大なMg-Bi化合物粒子の析出を抑制する。具体的には、熱延仕上げ温度を250~360℃に調整し、仕上げ温度から200℃までの冷却速度を-20℃/hrよりも早くなるように、例えば、冷却速度を-20~-55℃に制御することで粗大なMg-Bi化合物の析出を抑制する。
また、熱間圧延時の圧延に関しては、なるべく低圧下での多パス圧延を行うことが好ましい。1パス当たりの圧延率を低くすることで、圧延ひずみが表層付近に集中しやすくなり、せん断ひずみが導入されやすくなる。そのため、表層付近における動的析出が促進される。また、晶出物の破砕・微細化が促進される。
また、冷延工程では、材料板厚に対し低い圧下率による圧延を少なくとも一度は行う。例えば、15~25%程度の圧延率で冷間圧延することができる。
圧下率を低くすると材料表層部にひずみが集中しやすくなり、その後の熱処理時にろう材表層部に微細Mg-Bi粒子が析出し易くなる。具体的には、圧下率25%以下の比較的低い冷間圧延を少なくとも1度は行い、その後、200~400℃の焼鈍を行うことでろう材最表面から10μm深さまでのMg-Bi粒子を微細に析出させる。例えば、350~400℃で6~12時間程度中間焼鈍を施しても良い。
なお、材料作製時に熱処理を行わない場合でも、ろう付昇温過程でろう材表層部に微細なMg-Bi粒子が析出するため、低い圧下率による冷延後の材料作製工程中で熱処理を行わないものとしてもよい。
熱間圧延、冷間圧延を行って心材の一方または両方の面にろう材が重ね合わされて接合されたクラッド材を得る。
前記工程を経ることにより、図2に示すように、アルミニウム合金からなる心材2の一方の面にアルミニウム合金ろう材3がクラッドされた熱交換器用のアルミニウムブレージングシート1が得られる。なお、図2では、心材2の片面にろう材3がクラッドされているものが記載されているが、心材2の両面にろう材がクラッドされているものであってもよい。また、心材2の他の面に犠牲材10などがクラッドされているものであってもよい。
また、ろう材3は2層以上の複層構造であって良く、例えば図2に示すように最表面に位置する第1のろう材3Aとその下に位置する第2のろう材3Bからなる2層構造を採用しても良い。この場合、上述のBi濃度の条件を満たすAl-Si-Mg-Bi系ろう材から第1のろう材3Aを構成すれば良い。また、第1のろう材3Aと第2のろう材3Bについては、心材2の両面に形成されていても良い。例えば、犠牲材10の外側に第1のろう材3Aと第2のろう材3Bが積層された構造を採用できる。
また、複層構造の場合、ろう材/心材/犠牲材の3層構造のブレージングシート、ろう材/心材/犠牲材/ろう材の4層構造のブレージングシートでもよい。
ろう付対象部材4として、例えば、A3003組成などのアルミニウム合金を調製し、適宜接合部材に加工される。なお、本発明としては、ろう付対象部材の組成が特に限定されるものではない。
前記冷間圧延などによって熱交換機用のフィン材を得た場合には、その後、必要に応じてコルゲート加工などを施す。コルゲート加工は、回転する2つの金型の間を通すことによって行うことができ、良好に加工を行うことを可能とし、優れた成形性を示す。
前記工程で得られたフィン材は、熱交換器の構成部材として、他の構成部材(チューブやヘッダーなど)と組み合わされた組み付け体として、ろう付に供される。
前記組み付け体は、常圧下の非酸化性雰囲気とされた加熱炉内に配置される。非酸化性ガスには窒素ガス、あるいは、アルゴンなどの不活性ガス、または、水素、アンモニアなどの還元性ガス、あるいはこれらの混合ガスを用いて構成することができる。ろう付炉内雰囲気の圧力は常圧を基本とするが、例えば、製品内部のガス置換効率を向上させるためにろう材溶融前の温度域で100kPa~0.1Pa程度の中低真空とすることや、炉内への外気(大気)混入を抑制するために大気圧よりも5~100Pa程度陽圧としてもよい。これらの圧力範囲は、本発明における「減圧を伴わない」の範囲に含まれる。
加熱炉は密閉した空間を有することを必要とせず、ろう付組み付け体の搬入口、搬出口を有するトンネル型であってもよい。このような加熱炉でも、不活性ガスを炉内に吹き出し続けることで非酸化性が維持される。該非酸化性雰囲気としては、酸素濃度として体積比で100ppm以下が望ましい。
前記雰囲気下で、例えば、昇温速度10~200℃/minで加熱して、組み付け体の到達温度が559~630℃となる熱処理条件にてろう付接合を行う。ろう付条件において、昇温速度が速くなるほどろう付時間が短くなるため、材料表面の酸化皮膜成長が抑制されてろう付性が向上する。到達温度は少なくとも前述のアルミニウム合金製ろう材の固相線温度以上とすればろう付可能であるが、液相線温度に近づけることで流動ろう材が増加し、開放部を有する継手で良好な接合状態が得られ易くなる。ただし、あまり高温にすると、ろう浸食が進み易く、ろう付後の組み付け体の構造寸法精度が低下するため好ましくない。
図3は、前記アルミニウムブレージングシート1を用いてフィン6を形成し、ろう付対象材としてアルミニウム合金製のチューブ7を用いたアルミニウム製熱交換器5を示している。フィン6、チューブ7を、補強材8、ヘッダプレート9と組み付け、上述のろう付炉に収容し、ろう付温度に加熱後冷却することにより、フラックスフリーろう付によって自動車用などのアルミニウム製熱交換器5を得ることができる。
図4は、フィン11の湾曲部とチューブ12との間に形成されたフィレットからなる接合部13の幅W(フィン6の湾曲部頂点とチューブ12の接点部分を挟むようにチューブ12の長さ方向に沿って存在するフィレットの全幅)を示す。
図4は接合部13の幅Wが大きく形成された例と小さく形成された例について、左右に対比して示す。
図4に示すように接合部13の幅Wが大きいならば、良好なろう付接合ができたこととなる。
本実施形態に係るブレージングシート1からなるフィン6を用いてろう付接合し、製造された熱交換器5であるならば、ろう付接合部分に十分に大きなフレットを形成できるので、良好なろう付接合部分を有する熱交換器5を提供できる。
なお、本実施形態のアルミニウムろう付用ブレージングシートにおいては、必要に応じて、アルカリまたは酸を用いてその表面をエッチングしても差し支えない。エッチングすることで、熱間圧延や焼鈍などの材料製造工程中に生成した酸化皮膜を除去することができ、その結果、ブレージングシートのろう付性をさらに向上させることができる。
エッチングを行うタイミングは、熱間圧延後であれば、ブレージングシートを用いてろう付熱処理を行うまでの間であればいつでも良く、ブレージングシートの製造後にエッチングしても良いし、ブレージングシートを素材として部品加工した後に行ってもよい。
エッチングに用いるエッチング液の組成やエッチングの条件は特に限定されることはないが、エッチングによりブレージングシートの表層が0.05~3μm程度除去されていることが望ましい。
アルカリによるエッチングの場合には水酸化ナトリウム水溶液、酸によるエッチングの場合には、硫酸、硝酸、塩酸などの水溶液を使用することができる。
ブレージングシートの表層を0.05~3μm程度除去することで、(ブレージングシートの最表面に位置するAl-Si-Mg-Biろう材表面の不要な酸化皮膜を除去することができ、清浄なAl-Si-Mg-Biろう材をブレージングシートの最表面に露出させることができる。また、Mg-Bi化合物が表面に露出することで、Bi濃化が促進される。こられの効果によって、ろう付性をさらに向上させることができる。
表1~表4に示す組成(心材、ろう材、犠牲材;いずれも各表に記載の組成以外の残部はAlと不可避不純物)の各種ブレージングシートを表5に示す鋳造条件、均質化条件、熱間圧延条件、冷間圧延条件、中間焼鈍条件にて熱間圧延板から作製した。なお、表3、表4に示す犠牲材組成について成分の全てを「-」で示した供試材は、該当する犠牲材を用いていないものである。また、心材の片面に表1、表2に示す組成のろう材を貼り合わせた以外に表3,表4に示す組成のろう材組成を記載した供試材46~53については、心材の他面側に別の組成のろう材を備えた両面クラッド材の構成としている。
具体的に、供試材1~23は、ろう材/心材の2層構造のブレージングシート、供試材24~45は、ろう材/心材/犠牲材の3層構造のブレージングシート、供試材46~53はろう材/心材/犠牲材/ろう材の4層構造のブレージングシートである。また、供試材54~69は、ろう材/心材の2層構造のブレージングシート、供試材70~74は、ろう材/心材/犠牲材の3層構造のブレージングシートである。
熱間圧延後、中間焼鈍を含む冷間圧延によって、H14相当調質の0.30mm厚の冷間圧延板を作製した。なお、各層のクラッド率は、ろう材10%、犠牲材15%とした。また、ろう付対象部材としてA3003合金、H14のアルミニウムベア材(0.06mm厚)のコルゲートフィンを用意した。
なお、上述の圧延板のクラッド率は、ろう材/心材の2層の場合、ろう材=10%、ろう材/心材/犠牲材の3層構造の場合、ろう材=10%、犠牲材=15%であり、ろう材/心材/犠牲材/ろう材の4層構造の場合、ろう材=10%、犠牲材=15%、ろう材=10%である。
「ろう付前のろう材表面の酸化皮膜厚さ」
作製した各アルミニウムブレージングシートについて、グロー放電発光分析(GD-OES)によりブレージングシートの表面方向(RD-TD)から内部方向にスパッタしながら深さ方向の元素分布を示す図を取得し、最表面からO量(酸素量)を示す線と最表面からAl量を示す線が交差する点までの最表面からの距離をろう付前のろう材表面の酸化皮膜厚さとして測定した。ブレージングシート表面の5箇所において同様に酸化皮膜の厚さを測定し、それらの平均値を表1、表2に示した。
「ろう材表層部における円相当径0.01~5.0μmの微細Mg-Bi系化合物粒子の数」
作製したアルミニウムブレージングシートについて、圧延方向に平行な断面(RD-ND)を作製し、0.1μmの砥粒で鏡面処理し、ろう材層の最表面から10μm深さまでの範囲をEPMA(電子線マイクロアナライザ)で全自動粒子解析を行った。EPMAは、日本電子製JXA-8530Fを用い、解析ソフトは、JXA-8530Fに付随の粒子解析プログラムを用いた。観察倍率は1000倍、加速電圧は15kVとしている。
なお、X線発生領域は化合物サイズよりも広いため、マトリックスの固溶Mgを拾ってしまって、単体BiをMg-Bi系化合物と誤認してしまう懸念がある。そのため、別途、晶析出物が無い領域を分析し、固溶Mg濃度を特定し(例えば、晶析出物がない領域をN=10で分析して平均Mg濃度を算出する)、特定された固溶Mg濃度<化合物のMg濃度となっている化合物をMg-Bi系化合物と定義した。
さらに、1μm以下の微細な化合物粒子を測定するため、切出したろう材層の圧延方向に平行な断面(RD-ND)を機械研磨し、および電解研磨を施して薄膜を作製した、
この薄膜に対し、TEM(透過型電子顕微鏡)とEDS(エネルギー分散型X線分光)分析によって、Mg-Bi化合物を計測した。
TEMにより、ろう材層の最表面から10μm深さまでの範囲を10000μm(100μm角)相当観察し、円相当径0.01~5.0μmの微細Mg-Bi系化合物粒子数をカウントした。観察倍率10000倍(特に微細なものは50000倍)としている。EDSによる成分分析でMg-Bi化合物か否かが不明確な場合は、必要に応じてSAED(制限視野電子回折)解析も併用した。
各測定はアルミニウムブレージングシートにおいて5箇所測定し、測定結果の平均値を表1、表2に示した。
前記アルミニウムブレージングシートを用いて幅25mmの扁平型のチューブを製作し、該チューブとコルゲートフィンを該チューブろう材とコルゲートフィンが接するように組み合わせ、ろう付評価モデルとしてチューブ15段、長さ300mmのコアを作製した。前記コアを、窒素雰囲気中(酸素含有量20ppm)のろう付炉にて、600℃まで加熱して5分間保持し、常温まで冷却後に得られた各コア試料のろう付状態を評価した。評価の基準を以下に示す。
「ろう付性」
フィンの接合率を以下の式で求め、各コア試料間の優劣を評価した。
フィン接合率=(フィンとチューブの総ろう付長さ/フィンとチューブの総接触長さ)×100
判定は以下の基準によって行い、その結果を表6、表7に示した。
ろう付後のフィン接合率
◎:98%以上、○:90%以上98%未満、△:80%以上90%未満、
×:80%未満。
「接合部フィレット長さ」
ろう付した各コア試料の一部を切り出し、樹脂に包埋、鏡面研磨し、光学顕微鏡を用いて接合部におけるフィレット長さを測定した。計測方法は、図3に示す接合部13の幅Wを各試料で20点計測し、その平均値をもって優劣を評価した。判定は以下の基準とし、表6、表7に示した。
◎:1.0mm以上、○:0.8mm以上1.0mm未満、
△:0.6mm以上0.8mm未満、×:0.6mm未満。
「ろう付後の強度」
各ブレージングシートをドロップ形式で炉に設置し、前記ろう付条件にてろう付相当熱処理を行った。その後、サンプルを切り出し、JIS Z2241に準拠した方法により、室温にて引張試験を実施して引張強さを評価し、その結果を表6、表7にろう付後強度として示した。ろう付後強度の評価は以下の基準とし、表6,表7に示した。
◎:145MPa超、○:140~145MPa、×:140MPa未満。
「ろう溶融開始温度、または、ろう付後のろう材表面のBi濃度」
ろう溶融直後、または、ろう付後にろう付炉から取り出した各ブレージングシートについて、グロー放電発光分析(GD-OES)によりブレージングシートの表面方向(RD-TD)から内部方向にスパッタしながら深さ方向の元素分布を取得し、前記酸化皮膜中のBi濃度分布で最も高い濃度を示す部位を表面Bi濃度として測定した。測定は各ブレージングシートにおいて5箇所について行い、平均値を求め、表6、表7に示した。
「耐食性」
犠牲材を有するブレージングシートをドロップ形式で炉に設置し、前記ろう付条件にてろう付相当熱処理を行った。その後、各ブレージングシートを30mm×80mmのサイズに切り出し、犠牲材面以外をマスキングしたのち、SWAAT(Sea Water Acetic Acid.Test,ASTMG85-A3)に40日間供した。腐食試験後のサンプルはリン酸クロム酸によって腐食生成物を除去し、最大腐食部の断面観察を行って腐食深さを測定した。判定は以下の基準とし、表6、表7に示した。
◎:犠牲材層内、○:板厚の半分以内、△:貫通なし、×:貫通。
以上の結果を以下の表1~表7に記載する。
Figure 2022142972000002
Figure 2022142972000003
Figure 2022142972000004
Figure 2022142972000005
Figure 2022142972000006
Figure 2022142972000007
Figure 2022142972000008
供試材No.1~55は、表1~表7に示すように、質量%で、Siを5.0~14.0%、Mgを0.2~1.3%、Biを0.05~0.25%含有し、残部がAlと不可避不純物からなるAl-Si-Mg-Bi系ろう材が前記心材の片面または両面にクラッドされて最表面に位置し、かつ、前記心材がSiを0.4~0.6%、Mnを1.0~1.5%、Cuを0.4~0.6%含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、さらに、ろう付後のろう材表面の酸化皮膜層において、グロー放電発光分析で取得される厚さ方向の元素濃度分布でのBi濃度が最も高い部位が質量%で15%以上となるアルミニウムろう付用ブレージングシートである。
これら実施例のブレージングシートは、いずれも、ろう付の接合率が高く、ろう付接合部のフィレット長さは良好であり、これら供試材のろう付後強度も十分であると考えられる。
供試材54、55は、ろう付前のブレージングシートを60℃の5%NaOH水溶液にて表面エッチングした後、ろう付に供した試料である。ろう付前に表面エッチングした供試材54、55は、ろう付前酸化皮膜の厚さを他の実施例供試材よりも薄くできている。供試材54、55のろう付後表面Bi濃度は20%、30%であるが、同等のろう付後表面Bi濃度が20%、30%の供試材1,2と比較すると、供試材54、55の方がろう付後フィレット長さを長くできている。このため、ろう付前にエッチングにより表面酸化皮膜を薄くしておくことにより、ろう付性が向上すると考えられる。
このため、実施例のブレージングシートを用いてろう付する場合、ろう付前にブレージングシートの表面をエッチングすることで、ブレージングシートによるろう付性を向上できることが判る。
供試材No.56、57は、Mg含有量が望ましい範囲より少ないか多い試料であるが、いずれもろう付接合率が実施例より劣る結果となった。
供試材58、59は、Si含有量が望ましい範囲より少ないか多い試料であるが、Si含有量が少ない供試材58はフィレット長さが不足し、Si含有量が多すぎる供試材59は圧延時に破断し、ブレージングシートを製造することができない状況となった。
供試材60、61は、Bi含有量が望ましい範囲より少ないか多い試料であるが、Bi含有量が少ない供試材60はろう付後Bi表面濃度とろう熔融開始時表面Bi濃度がいずれも望ましい範囲より少なくなり、フィレット長さが不足した。
供試材62は、心材のSi含有量が望ましい範囲より低い供試材、供試材63は、心材のMn含有量が望ましい範囲より低い供試材、供試材64は、心材のCu含有量が望ましい範囲より低い供試材であるが、何れの供試材もフィレット長さが不足した。
供試材65は、心材のSi含有量が望ましい範囲より多い供試材、供試材66は、心材のMn含有量が望ましい範囲より多い供試材、供試材67は、心材のCu含有量が望ましい範囲より多い供試材であるが、供試材65、67はフィレット長さが不足し、供試材66は圧延時に破断した。
供試材68は、望ましい製造方法から外れた方法により製作した供試材であり、ろう材表層部のMg-Bi化合物粒子の個数がより好ましい範囲より少ない供試材であるが、フィレット長さが不足した。
供試材69は、望ましい製造方法から外れた方法により製作した供試材であり、ろう付前酸化皮膜厚さが望ましい範囲より厚すぎた供試材であるが、ろう付接合率が低下し、フィレット長さも不足した。
供試材70、71は、ブレージングシートに犠牲材を適用する場合、望ましいZn含有量の範囲を外した供試材、供試材72は犠牲材のSi含有量を望ましい範囲より多くした供試材、供試材73は犠牲材のMg含有量を望ましい範囲より多くした供試材、供試材74は犠牲材のMn含有量を望ましい範囲より多くした供試材である。これらの供試材70~74では、犠牲材を適用した実施例24~53の供試材に対し、耐食性に劣る結果となった。
供試材75、76は、ろう材のMg含有量が少ない試料、供試材77はSi含有量の少ない試料、供試材78はBi含有量が少ない試料であるが、接合率が低下するか、フィレット長さが不足した。
本発明に係るブレージングシートは、空調設備の室内機、室外機などの熱交換器あるいは自動車用熱交換器などのろう付に広く用いることができる。
1…アルミニウムブレージングシート、2…心材、3…ろう材、4…ろう付対象部材、5…アルミニウム製熱交換器、6…フィン、7…チューブ、11…フィン、12…チューブ、13…接合部、W…接合部13の幅。

Claims (8)

  1. 少なくとも心材及びろう材の二層以上の複層構造を有するアルミニウムブレージングシートであって、質量%で、Siを5.0~14.0%、Mgを0.2~1.3%、Biを0.05~0.25%含有し、残部がAlと不可避不純物からなるAl-Si-Mg-Bi系ろう材が前記心材の片面または両面にクラッドされて最表面に位置し、かつ、前記心材がSiを0.4~0.6%、Mnを1.0~1.5%、Cuを0.4~0.6%含有し、残部がAlと不可避不純物からなり、さらに、ろう付後のろう材表面の酸化皮膜層において、グロー放電発光分析で取得される厚さ方向の元素濃度分布でのBi濃度が最も高い部位が質量%で15%以上となることを特徴とするアルミニウムろう付用ブレージングシート。
  2. 前記Al-Si-Mg-Bi系ろう材に含まれるMg-Bi系化合物が、ろう付前の圧延方向に平行な断面(RD-ND)の観察において、円相当径で0.01μm以上5.0μm未満の径を有する微細Mg-Bi系化合物であり、該微細Mg-Bi系化合物が、ろう材最表面から10μm深さ以内の領域において10000μm視野あたり50個以上存在することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウムろう付用ブレージングシート。
  3. ろう付昇温過程のろう溶融開始温度(固相線温度)に到達した前記ろう材表面の酸化皮膜層において、グロー放電発光分析で取得される厚さ方向の元素濃度分布でのBi濃度が最も高い部位が質量%で1.0%以上となることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアルミニウムろう付用ブレージングシート。
  4. ろう付前の前記ろう材表面の平均酸化皮膜厚さが20nm以下であることを特徴とする請求項1~請求項3の何れか一項に記載のアルミニウムろう付用ブレージングシート。
  5. 請求項1~請求項4の何れか一項に記載のろう材および心材を用いたブレージングシートであって、ろう材/心材/犠牲材のクラッド構成を有し、前記犠牲材が質量%で、Zn:1.5~6.0%、Si:0.2~0.8%、Mn:0.7~1.3%、Mg:0.1%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とするアルミニウムろう付用ブレージングシート。
  6. 請求項1~請求項4の何れか一項に記載のろう材および心材を用いたブレージングシートであって、ろう材/心材/犠牲材/ろう材のクラッド構成を有し、前記犠牲材が質量%で、Zn:1.5~6.0%、Si:0.2~0.8%、Mn:0.7~1.3%、Mg:0.1%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とするアルミニウムろう付用ブレージングシート。
  7. 請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のアルミニウムろう付用ブレージングシートにおいて、少なくともSi粒子および、Mg-Bi化合物の一部が最表面に露出したエッチング面を有することを特徴とするアルミニウムろう付用ブレージングシート。
  8. 請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のアルミニウムろう付用ブレージングシートを用いてろう付を行うまでの間に、アルカリまたは酸を用いて前記アルミニウムろう付用ブレージングシートの表面をエッチングすることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のアルミニウムろう付用ブレージングシートの製造方法。
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