JP2021010982A - インパクト工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】打撃動作中のインパクト機構の挙動の種類を判別することが可能なインパクト工具を提供する。【解決手段】インパクト工具1は、電動機3と、インパクト機構40と、取得部90と、判別部84と、を備える。電動機3は、永久磁石312及びコイル321を有する。インパクト機構40は、電動機3から動力を得て打撃力を発生させる打撃動作を行う。取得部90は、コイル321に供給される励磁電流の値を取得する。励磁電流は、永久磁石312の磁束を変化させる磁束をコイル321に発生させる。判別部84は、取得部90で取得された励磁電流の値である励磁電流取得値(電流測定値id1)に基づいて、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別する。【選択図】図1

Description

本開示は一般にインパクト工具に関し、より詳細には、電動機を備えるインパクト工具に関する。
特許文献1に記載のインパクト回転工具は、インパクト機構と、打撃検出部と、制御部と、電圧検出部とを備える。インパクト機構は、ハンマを有し、モータ出力によって出力軸に打撃衝撃を加える。打撃検出部は、インパクト機構による打撃を検出する。制御部は、打撃検出部の検出結果に基づいてモータの回転を停止させる。電圧検出部は、打撃検出部の電圧を検出する。制御部は、モータが回転していないときに電圧検出部が検出した電圧に基づいて、打撃検出部が異常であるか否かを判定する。
特開2017−132021号公報
特許文献1記載のインパクト回転工具(インパクト工具)は、打撃検出部が異常であるか否かを判定することはできるが、打撃検知部にどのような異常が発生しているか等の、打撃動作中のインパクト機構の挙動の種類を判別することはできなかった。
本開示は、打撃動作中のインパクト機構の挙動の種類を判別することが可能なインパクト工具を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係るインパクト工具は、電動機と、インパクト機構と、取得部と、判別部と、を備える。前記電動機は、永久磁石及びコイルを有する。前記インパクト機構は、前記電動機から動力を得て打撃力を発生させる打撃動作を行う。前記取得部は、前記コイルに供給される励磁電流の値を取得する。前記励磁電流は、前記永久磁石の磁束を変化させる磁束を前記コイルに発生させる。前記判別部は、前記取得部で取得された前記励磁電流の値である励磁電流取得値に基づいて、前記打撃動作中の前記インパクト機構の挙動の種類を判別する。
本開示は、打撃動作中のインパクト機構の挙動の種類を判別することが可能であるという利点がある。
図1は、一実施形態に係るインパクト工具のブロック図である。 図2は、同上のインパクト工具の斜視図である。 図3は、同上のインパクト工具の側断面図である。 図4は、同上のインパクト工具の要部の斜視図である。 図5は、同上のインパクト工具の駆動軸及び2つの鋼球の側面図である。 図6は、同上のインパクト工具の駆動軸及び2つの鋼球の上から見た図である。 図7A〜図7Cは、同上のインパクト工具の適正打撃の動作を説明する図である。 図8A〜図8Dは、同上のインパクト工具の二度打ちの動作を説明する図である。 図9A〜図9Dは、同上のインパクト工具のV底打ちの動作を説明する図である。 図10は、同上のインパクト工具の最大後退の動作を説明する図である。 図11A〜図11Cは、同上のインパクト工具の天面擦りの動作を説明する図である。
以下、実施形態に係るインパクト工具1について、図面を用いて説明する。ただし、下記の各実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。下記の各実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の各実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(1)概要
本実施形態のインパクト工具1は、図1に示すように、電動機3(交流電動機)と、インパクト機構40と、取得部90と、判別部84と、を備えている。電動機3は、永久磁石312及びコイル321を有している。インパクト機構40は、電動機3から動力を得て打撃力を発生させる打撃動作を行う。取得部90は、コイル321に供給される励磁電流の値を取得する。励磁電流は、永久磁石312の磁束を変化させる磁束をコイル321に発生させる。判別部84は、取得部90で取得された励磁電流の値である励磁電流取得値に基づいて、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別する。
「永久磁石312の磁束を変化させる磁束をコイル321に発生させる」とは、言い換えると、コイル321で発生する磁束により、永久磁石312の周囲の磁束密度を変化させることである。
「インパクト機構40の挙動の種類を判別」するとは、実際のインパクト機構40の挙動の種類を、他の種類と区別することである。例えば、挙動の種類が、適正な挙動である「適正打撃」であると判定することは、インパクト機構40の挙動の種類を「適正打撃」以外の挙動と区別することに該当する。すなわち、挙動の種類が「適正打撃」であると判定することは、挙動の種類を判別することに該当する。
このように、インパクト工具1では、励磁電流取得値を用いることにより、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別することが可能となる。
本実施形態のインパクト機構40は、ハンマ42と、アンビル45と、を含んでいる。インパクト機構40で発生する打撃力は、具体的には、ハンマ42がアンビル45に衝突することにより発生する衝撃力である。打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類は、例えば、ハンマ42とアンビル45との接触(衝突)位置、及び、ハンマ42がアンビル45に衝突してからハンマ42がアンビル45から離れるときのハンマ42の移動量等により分類される。
(2)構成
インパクト工具1の構成について、まずは図2〜図4を参照してより詳細に説明する。以下の説明では、後述する駆動軸41と出力軸61とが並んでいる方向を前後方向と規定し、駆動軸41から見て出力軸61側を前とし、出力軸61から見て駆動軸41側を後とする。また、以下の説明では、後述する胴体部21とグリップ部22とが並んでいる方向を上下方向と規定し、グリップ部22から見て胴体部21側を上とし、胴体部21から見てグリップ部22側を下とする。
本実施形態のインパクト工具1は、電動機3と、伝達機構4と、出力軸61(ソケット装着部)と、ハウジング2と、トリガボリューム23と、制御部7(図1、図3参照)と、を備えている。
ハウジング2は、電動機3、伝達機構4及び制御部7と、出力軸61の一部と、を収容している。ハウジング2は、胴体部21と、グリップ部22と、を有している。胴体部21の形状は、円筒状である。グリップ部22は、胴体部21から突出している。
トリガボリューム23は、グリップ部22から突出している。トリガボリューム23は、電動機3の回転を制御するための操作を受け付ける操作部である。トリガボリューム23を引く操作により、電動機3のオンオフを切替可能である。また、トリガボリューム23を引く操作の引込み量で、電動機3の回転速度を調整可能である。上記引込み量が大きいほど、電動機3の回転速度が速くなる。制御部7(図1参照)は、トリガボリューム23を引く操作の引込み量に応じて、電動機3を回転又は停止させ、また、電動機3の回転速度を制御する。本実施形態のインパクト工具1では、先端工具としてのソケット62が、出力軸61に装着される。出力軸61は、電動機3の回転力を受けてソケット62と共に回転する。そして、トリガボリューム23への操作によって電動機3の回転速度が制御されることで、ソケット62の回転速度が制御される。
インパクト工具1には、充電式の電池パックが着脱可能に取り付けられる。インパクト工具1は、電池パックを電源として動作する。すなわち、電池パックは、電動機3を駆動する電流を供給する電源である。電池パックは、インパクト工具1の構成要素ではない。ただし、インパクト工具1は、電池パックを備えていてもよい。電池パックは、複数の二次電池(例えば、リチウムイオン電池)を直列接続して構成された組電池と、組電池を収容したケースと、を備えている。
電動機3は、例えばブラシレスモータである。特に、本実施形態の電動機3は、同期電動機であり、より詳細には、永久磁石同期電動機(PMSM(Permanent Magnet Synchronous Motor))である。電動機3は、回転軸311及び永久磁石312を有する回転子31と、コイル321を有する固定子32と、を含んでいる。永久磁石312とコイル321との電磁的相互作用により、回転子31は、固定子32に対して回転する。
出力軸61には、先端工具としてのソケット62が装着される。伝達機構4は、電動機3の回転軸311の回転を、出力軸61を介してソケット62に伝達する。これにより、ソケット62が回転する。ソケット62が締結部材(ボルト、ビス(木ねじ等)又はナット等)に当てられた状態でソケット62が回転することにより、締結部材を締め付ける又は緩めるといった作業が可能となる。伝達機構4は、インパクト機構40を有している。本実施形態のインパクト工具1は、インパクト機構40による打撃動作を行いながらねじ締めを行う、電動式のインパクトドライバである。打撃動作では、出力軸61を介してねじ等の締結部材に打撃力が加えられる。
なお、ソケット62は、出力軸61に着脱可能である。出力軸61には、ソケット62の代わりにソケットアンビルを装着可能である。出力軸61には、ソケットアンビルを介して、先端工具としてのビット(例えばドライバビット又はドリルビット)を装着することができる。
このように、出力軸61は、先端工具(ソケット62又はビット)を保持するための構成である。本実施形態では、先端工具は、インパクト工具1の構成に含まれていない。ただし、先端工具は、インパクト工具1の構成に含まれていてもよい。
伝達機構4は、インパクト機構40に加えて、遊星歯車機構48を有している。インパクト機構40は、駆動軸41と、ハンマ42と、復帰ばね43と、アンビル45と、2つの鋼球49と、を含んでいる。電動機3の回転軸311の回転は、遊星歯車機構48を介して、駆動軸41に伝達される。駆動軸41は、電動機3と出力軸61との間に配置されている。
ハンマ42は、アンビル45に対して移動し、電動機3から動力を得てアンビル45に回転打撃を加える。ハンマ42は、ハンマ本体420と、2つの突起425と、を含んでいる。2つの突起425は、ハンマ本体420のうち出力軸61側の面から突出している。ハンマ本体420は、駆動軸41が通される貫通孔421を有している。また、ハンマ本体420は、貫通孔421の内周面に、2つの溝部423を有している。駆動軸41は、その外周面に、2つの溝部413(図5参照)を有している。2つの溝部413は、つながっている。2つの溝部423と2つの溝部413との間には、2つの鋼球49が挟まれている。2つの溝部423と2つの溝部413と2つの鋼球49とは、カム機構を構成している。2つの鋼球49が移動しながら、ハンマ42は、駆動軸41に対して、駆動軸41の軸方向に移動可能であり、かつ、駆動軸41に対して回転可能である。ハンマ42が駆動軸41の軸方向に沿って出力軸61に近づく向き又は出力軸61から遠ざかる向きに移動するのに伴って、ハンマ42が駆動軸41に対して回転する。
アンビル45は、出力軸61と一体に形成されている。アンビル45は、出力軸61を介して先端工具(ソケット62又はビット)を保持する。アンビル45は、アンビル本体450と、2つの爪部455と、を含んでいる。アンビル本体450の形状は、円環状である。2つの爪部455は、アンビル本体450からアンビル本体450の径方向に突出している。アンビル45は、駆動軸41の軸方向においてハンマ本体420と対向している。また、インパクト機構40が打撃動作を行っていない場合には、駆動軸41の回転方向においてハンマ42の2つの突起425とアンビル45の2つの爪部455とが接しながら、ハンマ42とアンビル45とが一体に回転する。そのため、このとき、駆動軸41と、ハンマ42と、アンビル45と、出力軸61とが一体に回転する。
復帰ばね43は、ハンマ42と遊星歯車機構48との間に挟まれている。本実施形態の復帰ばね43は、円錐コイルばねである。インパクト機構40は、ハンマ42と復帰ばね43との間に挟まれた複数(図3では2つ)の鋼球50と、リング51と、を更に含んでいる。これにより、ハンマ42は、復帰ばね43に対して回転可能となっている。ハンマ42は、駆動軸41の軸方向に沿った方向において、出力軸61に向かう向きの力を復帰ばね43から受けている。
以下では、駆動軸41の軸方向においてハンマ42が出力軸61に向かう向きに移動することを、「ハンマ42が前進する」と称する。また、以下では、駆動軸41の軸方向においてハンマ42が出力軸61から遠ざかる向きに移動することを、「ハンマ42が後退する」と称す。
インパクト機構40では、負荷トルクが所定値以上となると、打撃動作が開始される。すなわち、負荷トルクが大きくなってくると、ハンマ42とアンビル45との間で発生する力のうち、ハンマ42を後退させる向きの分力も大きくなってくる。負荷トルクが所定値以上となると、ハンマ42は、復帰ばね43を圧縮させながら後退する。そして、ハンマ42が後退することにより、ハンマ42の2つの突起425がアンビル45の2つの爪部455を乗り越えつつ、ハンマ42が回転する。その後、ハンマ42が復帰ばね43からの復帰力を受けて前進する。そして、駆動軸41が略半回転すると、ハンマ42の2つの突起425がアンビル45の2つの爪部455の側面4550に衝突する。インパクト機構40では、駆動軸41が略半回転するごとにハンマ42の2つの突起425がアンビル45の2つの爪部455に衝突する。つまり、駆動軸41が略半回転するごとにハンマ42がアンビル45に回転打撃を加える。
このように、インパクト機構40では、ハンマ42とアンビル45との衝突が繰り返し発生する。この衝突によるトルクにより、衝突が無い場合と比較して、ボルト、ビス又はナット等の締結部材を強力に締め付けることができる。
ここで、図6に示すように、駆動軸41の2つ(図5参照)の溝部413はそれぞれ、上下方向から見てV字状に形成されている。V字の中央に相当する位置に鋼球49が位置するとき(図5、図6に実線で示す状態)、ハンマ42は移動可能な範囲における前端まで前進している。インパクト機構40が打撃動作を行っていない場合には、V字の中央に相当する位置に鋼球49が留まる。V字の両端のうち任意のいずれか一方に相当する位置に鋼球49が位置するとき(図5、図6に2点鎖線で示す状態)、ハンマ42は移動可能な範囲における後端まで後退している。本明細書では、ハンマ42が移動可能な範囲における後端まで後退することを、「最大後退」と称す。つまり、本明細書では、ハンマ42の移動可能な範囲においてハンマ42がアンビル45から最も離れた位置に移動することを、「最大後退」と称す。ハンマ42の最大後退は、インパクト機構40が打撃動作を行っている場合であって、例えば、電動機3の回転数が比較的大きい場合、又は、インパクト工具1の出力軸61に加わる負荷の大きさが急増した場合等に発生し得る。また、ハンマ42の最大後退は、ハンマ42を前進させる復帰ばね43のばね力が不足している場合に発生することがある。また、ハンマ42の最大後退は、電動機3の回転数が、先端工具の種類、形状及び剛性等に応じて適切に調整されていない場合にも発生し得る。
また、最大後退とは逆に、ハンマ42の後退する距離が不十分となる場合がある。この場合、ハンマ42の後退する距離が適正な場合と比較して、ハンマ42の挙動が不安定となることがある。判別部84は、ハンマ42の後退する距離が不十分である状況を、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類の1つとして検出する。
打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別部84が検出(判別)する態様についての詳細は、「(4)動作例」の欄で説明する。
(3)制御部
制御部7は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、制御部7の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
図1に示すように、制御部7は、指令値生成部71と、速度制御部72と、電流制御部73と、第1の座標変換器74と、第2の座標変換器75と、磁束制御部76と、推定部77と、脱調検出部78と、判別部84と、出力部85と、カウンタ86と、を有している。また、インパクト工具1は、制御部7と、インバータ回路部81と、モータ回転測定部82と、複数(図1では2つ)の電流センサ91、92と、を備えている。
制御部7は、電動機3の動作を制御する。より詳細には、制御部7は、電動機3に電流を供給するインバータ回路部81と共に用いられ、フィードバック制御により電動機3の動作を制御する。制御部7は、電動機3に供給される励磁電流(d軸電流)とトルク電流(q軸電流)とを独立に制御するベクトル制御を行う。
また、制御部7は、判別部84の判別結果に基づいて電動機3の動作を制御する。例えば、制御部7は、判別部84で判別された、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類に応じて、電動機3の回転数を増加又は減少させる。本実施形態の判別部84は、制御部7に含まれている。ただし、判別部84は、制御部7に含まれていなくてもよい。
2つの電流センサ91、92は、上述の取得部90に含まれている。取得部90は、2つの電流センサ91、92と、第2の座標変換器75と、を有している。取得部90は、電動機3に供給される励磁電流(d軸電流の電流測定値id1)及びトルク電流(q軸電流の電流測定値iq1)を取得する。取得部90は、取得部90自身により電流測定値id1、iq1を算出することで、電流測定値id1、iq1を取得する。すなわち、2つの電流センサ91、92で測定された2相の電流が第2の座標変換器75で変換されることで、電流測定値id1、iq1が得られる。
複数の電流センサ91、92はそれぞれ、例えば、ホール素子電流センサ又はシャント抵抗素子を含んでいる。複数の電流センサ91、92は、電池パックからインバータ回路部81を介して電動機3に供給される電流を測定する。ここで、電動機3には、3相電流(U相電流、V相電流及びW相電流)が供給されており、複数の電流センサ91、92は、少なくとも2相の電流を測定する。図1では、電流センサ91がU相電流を測定して電流測定値i1を出力し、電流センサ92がV相電流を測定して電流測定値i1を出力する。
モータ回転測定部82は、電動機3の回転角を測定する。モータ回転測定部82としては、例えば、光電式エンコーダ又は磁気式エンコーダを採用することができる。
推定部77は、モータ回転測定部82で測定された電動機3の回転角θ1を時間微分して、電動機3の角速度ω1(回転軸311の角速度)を算出する。
第2の座標変換器75は、複数の電流センサ91、92で測定された電流測定値i1、i1を、モータ回転測定部82で測定された電動機3の回転角θ1に基づいて座標変換し、電流測定値id1、iq1を算出する。すなわち、第2の座標変換器75は、3相電流に対応する電流測定値i1、i1を、磁界成分(d軸電流)に対応する電流測定値id1と、トルク成分(q軸電流)に対応する電流測定値iq1とに変換する。
指令値生成部71は、電動機3の角速度の指令値cω1を生成する。指令値生成部71は、例えば、トリガボリューム23(図2参照)を引く操作の引込み量に応じた指令値cω1を生成する。すなわち、指令値生成部71は、上記引込み量が大きいほど、角速度の指令値cω1を大きくする。
速度制御部72は、指令値生成部71で生成された指令値cω1と推定部77で算出された角速度ω1との差分に基づいて、指令値ciq1を生成する。指令値ciq1は、電動機3のトルク電流(q軸電流)の大きさを指定する指令値である。すなわち、制御部7は、電動機3のコイル321に供給されるトルク電流(q軸電流)を指令値ciq1(目標値)に近づけるように電動機3の動作を制御する。速度制御部72は、指令値cω1と角速度ω1との差分を小さくするように指令値ciq1を決定する。
磁束制御部76は、推定部77で算出された角速度ω1と、電流測定値iq1(q軸電流)と、に基づいて、指令値cid1を生成する。指令値cid1は、電動機3の励磁電流(d軸電流)の大きさを指定する指令値である。すなわち、制御部7は、電動機3のコイル321に供給される励磁電流(d軸電流)を指令値cid1(目標値)に近づけるように電動機3の動作を制御する。
磁束制御部76で生成される指令値cid1は、例えば、励磁電流の大きさを0にするための指令値である。磁束制御部76は、常時励磁電流の大きさを0にするための指令値cid1を生成してもよいし、必要に応じて、励磁電流の大きさを0よりも大きく又は小さくするための指令値cid1を生成してもよい。励磁電流の指令値cid1が0より小さくなると、電動機3にマイナスの励磁電流(弱め磁束電流)が流れ、弱め磁束により、永久磁石312の磁束が弱まる。
電流制御部73は、磁束制御部76で生成された指令値cid1と第2の座標変換器75で算出された電流測定値id1との差分に基づいて、指令値cvd1を生成する。指令値cvd1は、電動機3の励磁電圧(d軸電圧)の大きさを指定する指令値である。電流制御部73は、指令値cid1と電流測定値id1との差分を小さくするように指令値cvd1を決定する。
また、電流制御部73は、速度制御部72で生成された指令値ciq1と第2の座標変換器75で算出された電流測定値iq1との差分に基づいて、指令値cvq1を生成する。指令値cvq1は、電動機3のトルク電圧(q軸電圧)の大きさを指定する指令値である。電流制御部73は、指令値ciq1と電流測定値iq1との差分を小さくするように指令値cvq1を生成する。
第1の座標変換器74は、指令値cvd1、cvq1を、モータ回転測定部82で測定された電動機3の回転角θ1に基づいて座標変換し、指令値cv1、cv1、cv1を算出する。すなわち、第1の座標変換器74は、磁界成分(d軸電圧)に対応する指令値cvd1と、トルク成分(q軸電圧)に対応する指令値cvq1とを、3相電圧に対応する指令値cv1、cv1、cv1に変換する。指令値cv1はU相電圧に、指令値cv1はV相電圧に、指令値cv1はW相電圧に対応する。
インバータ回路部81は、指令値cv1、cv1、cv1に応じた3相電圧を電動機3に供給する。制御部7は、インバータ回路部81をPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより、電動機3に供給される電力を制御する。
電動機3は、インバータ回路部81から供給された電力(3相電圧)により駆動され、回転動力を発生させる。
この結果、制御部7は、電動機3のコイル321に流れる励磁電流(d軸電流)が、磁束制御部76で生成された指令値cid1に対応した大きさとなるように励磁電流を制御する。また、制御部7は、電動機3の角速度が、指令値生成部71で生成された指令値cω1に対応した角速度となるように電動機3の角速度を制御する。
脱調検出部78は、第2の座標変換器75から取得した電流測定値id1、iq1と、電流制御部73から取得した指令値cvd1、cvq1と、に基づいて、電動機3の脱調を検出する。脱調が検出された場合は、脱調検出部78は、インバータ回路部81に停止信号cs1を送信して、インバータ回路部81から電動機3への電力供給を停止させる。
出力部85は、判別部84の判別結果を出力する。例えば、判別部84の判別結果は、制御部7のメモリに記憶され、出力部85は、判別部84の判別結果をメモリから読み出して、電気信号として出力する。出力部85は、判別部84の判別結果をメモリカード等の非一時的記録媒体へ出力してもよいし、インパクト工具1の外部の装置へ有線通信又は無線通信により出力してもよい。また、出力部85は、判別部84の判別結果をリアルタイムで出力してもよいし、インパクト工具1による作業の終了後に、作業中の判別結果をまとめて出力してもよい。
また、出力部85は、提示部を有している。提示部は、判別部84の判別結果を、音又は光等により提示する。つまり、出力部85は、判別部84の判別結果を音又は光等として提示する。例えば、提示部は、発光ダイオード等の光源を有し、判別部84の判別結果に応じて光源の点灯状態を変化させてもよい。あるいは、提示部は、スピーカ又はブザー等を有し、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類に応じて音を発生させてもよい。あるいは、提示部は、判別部84の判別結果を表示するディスプレイを有していてもよい。
カウンタ86は、インパクト機構40において打撃力が発生した回数をカウントする。より詳細には、カウンタ86は、判別部84で判別されたインパクト機構40の挙動が特定の挙動である状態で打撃力が発生した回数をカウントする。特定の挙動は、例えば、適正な挙動である「適正打撃」である。
(4)動作例
次に、図7A〜図11Cを参照して、インパクト工具1の動作例を説明する。
判別部84は、取得部90で取得された励磁電流取得値に基づいて、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別する。本実施形態では、取得部90は、励磁電流の実測値である電流測定値id1を、励磁電流取得値として取得する。判別部84は、電流測定値id1を励磁電流取得値として用いる。
図7A、図8A、図9A、図10A、図11Aの各々は、電流測定値id1の時間変化の一例を表す。図7A、図8A、図9A、図10A、図11Aの各々の横軸の時点T1、T5間の時間の長さは、駆動軸41が略半回転するのに要する時間の長さと等しい。駆動軸41が略半回転するのに要する時間の長さは、約20ミリ秒である。駆動軸41が略半回転するごとに、ハンマ42の2つの突起425は、アンビル45の2つの爪部455に衝突し回転打撃を加える。時点T1、T5の各々において、ハンマ42の2つの突起425がアンビル45の2つの爪部455に衝突する。
すなわち、インパクト機構40は、打撃動作において所定の打撃周期ごとに打撃力を発生させる。本実施形態における打撃周期は、時点T1から時点T5までの間の時間の長さに等しく、例えば約20ミリ秒である。判別部84は、打撃周期の始点(時点T1)と終点(時点T5)との間の励磁電流取得値(電流測定値id1)に基づいて打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別する。
より詳細には、判別部84は、打撃周期に対応する期間を複数(4つ)の期間に区分する。判別部84は、打撃周期に対応する期間を4等分して、時点T1と時点T2との間の期間、時点T2と時点T3との間の期間、時点T3と時点T4との間の期間、及び、時点T4と時点T5との間の期間とする。判別部84は、例えば、これら4つの期間のうちある期間において、電流測定値id1が閾値を超えるか否か等に基づいて、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別する。なお、ある打撃周期における時点T5は、次の打撃周期における時点T1に一致する。つまり、時点T5は、打撃周期の終点であり、始点でもある。
判別部84は、打撃周期ごとに、インパクト機構40の挙動の種類を判別することができる。一例として、判別部84は、打撃開始後のK(Kは自然数)番目の打撃周期における挙動の種類の判別を、L(LはKとは異なる任意の自然数)番目の打撃周期における挙動の種類の判別とは独立に行う。打撃周期がN(Nは自然数)周期繰り返される場合は、判別部84は、最大でN個の判別結果を出力できる。
打撃周期は、電動機3の回転数に基づいて算出される。本実施形態では、回転数の逆数の1/2倍の時間が、打撃周期として算出される。本実施形態では、打撃周期の算出は、推定部77が行う。推定部77は、電動機3の回転角θ1を時間微分して、電動機3の角速度ω1を算出する。推定部77は、角速度ω1から回転数を算出し、回転数から打撃周期を算出する。なお、推定部77は、角速度ω1から直接、打撃周期を算出してもよい。
図7B、図7C、図8B〜図8D、図9B〜図9D、図11B、図11Cの各々は、ハンマ42とアンビル45との相対的な位置関係を模式的に表した図である。実際には、図4に示すように、ハンマ42が1回転する間に、2つの突起425の各々がアンビル45の2つの爪部455を順に乗り越える。このようにハンマ42が1回転する動作を、図7B、図7C、図8B〜図8D、図9B〜図9D、図11B、図11Cでは、ハンマ42が紙面左向きに移動して1つの突起425がアンビル45の2つの爪部455を順に乗り越えるとして表現している。つまり、図7B、図7C、図8B〜図8D、図9B〜図9D、図11B、図11Cでは、ハンマ42及びアンビル45のうち、ハンマ42の2つの突起425の相対的な回転の軌跡の周囲の領域を、直線状に展開して図示している。図7B、図7C、図8B〜図8D、図9B〜図9D、図11B、図11C中の2点鎖線は、アンビル45の2つの爪部455をハンマ42の回転方向に結ぶ線であり、実体を伴わない。図7B、図7C、図8B〜図8D、図9B〜図9D、図11B、図11C中の突起425から延びている矢印は、ハンマ42の2つの突起425のうち一方の軌跡であり、実体を伴わない。
図7A〜図11Cに示す動作例において、励磁電流の指令値cid1は常に0である。
図7A〜図11Cを参照する以下の説明では、特に断りの無い限り、ハンマ42の2つの突起425のうち、一方の突起425に着目して説明する。
図7A〜図7Cは、インパクト機構40の打撃動作が適正である「適正打撃」の事例に相当する。すなわち、図7A〜図7Cでは、ハンマ42が少なくとも最大後退しておらず、ハンマ42の後退の距離が適正である。さらに、図7A〜図7Cでは、ハンマ42が後退した後に、復帰ばね43のばね力によりハンマ42が前進する際の前進の速度が適正である。そのため、図7A〜図7Cでは、ハンマ42の前進に伴ってアンビル45に対して回転するハンマ42の回転速度が適正である。また、図7A〜図7Cでは、ハンマ42の突起425とアンビル45の2つの爪部455との接触面積が大きい。より詳細には、ハンマ42の突起425は、爪部455の側面4550の略全体に接するように爪部455に衝突する。なお、ハンマ42が移動可能な範囲における前端まで前進したとき、ハンマ本体420のうち出力軸61側の面(前面4201)と、爪部455のうち駆動軸41側の面(後面4551)との間には、隙間が存在する。
時点T1に対応する図7Bの状態では、ハンマ42の突起425(図7B、図7Cでは1つのみを図示)がアンビル45の2つの爪部455のうち一方に接している。この状態から、ハンマ42が後退する(紙面上向きに移動する)ことでハンマ42がアンビル45の2つの爪部455を乗り越えて回転する。これにより、ハンマ42の突起425が次の爪部455に衝突する。すなわち、時点T5に対応する図7Cの状態となる。時点T1から時点T5までの間にハンマ42が半回転する。その後、同様の動作により、ハンマ42が半回転して、図7B(時点T1)の状態に戻る。つまり、ハンマ42が半回転するごとに、突起425が2つの爪部455に交互に衝突する。言い換えると、ハンマ42が半回転するごとに、図7B、図7Cに示す動作が繰り返される。
図7Aでは、時点T1と時点T5との各々において、電流測定値id1に1つのパルスが発生している。言い換えれば、図7Aでは、打撃周期の始点ごとに、電流測定値id1に1つのパルスが発生している。判別部84は、例えば、時点T1及び時点T5の各々(言い換えれば、打撃周期の始点)を中心とする所定の期間において1つのパルスが発生し、それ以外の時点にはパルスが発生しないことをもって、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類が「適正打撃」であると判定する。ここで、所定の期間の長さの一例は、時点T1と時点T2との間の時間の長さの20%である。言い換えれば、所定の期間の長さの一例は、打撃周期の5%である。
図8Aは、インパクト機構40の打撃動作が「二度打ち」又は「擦り上がり」である事例に相当する。図8B〜図8Dは、インパクト機構40の打撃動作が「二度打ち」である事例に相当する。「二度打ち」とは、ハンマ42の突起425がアンビル45の2つの爪部455のうち一方に衝突した(図8B参照)後、この爪部455に再び衝突してから(図8C参照)、他方の爪部455に衝突する(図8D参照)動作である。「擦り上がり」とは、ハンマ42の突起425がアンビル45の2つの爪部455の一方に衝突してから、この爪部455の側面4550を擦るように移動して(つまり、側面4550に接した状態を維持しながら)爪部455を乗り越える動作である。
「二度打ち」及び「擦り上がり」は、例えば、ハンマ42を前進させる復帰ばね43のばね力が過剰である場合に発生することがある。また、「二度打ち」及び「擦り上がり」は、電動機3の回転数が不足している場合にも発生し得る。また、「二度打ち」及び「擦り上がり」は、インパクト機構40の打撃動作の打撃力の不足の原因となる場合がある。
「二度打ち」の事例では、ハンマ42の突起425がアンビル45の2つの爪部455のうち一方に衝突する時点T1から、他方に衝突する時点T5までの間において、図8Cに示すように、時点T1で衝突した爪部455に再び衝突する。これにより、図8Aに示すように、時点T1から時点T2までの間に、複数のパルスが発生する。言い換えれば、図8Aに示すように、打撃周期の始点から一定期間を経るまでに、複数のパルスが発生する。
判別部84は、例えば、時点T1から時点T2まで(言い換えれば、打撃周期の始点から一定期間を経るまで)の間に所定数以上のパルスが発生することをもって、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類が「二度打ち又は擦り上がり」であると判定する。
図9B〜図9Dでは、図7B、図7C、図8B〜図8Dと比較して、ハンマ42のハンマ本体420のうち図示を省略していない領域が大きいが、ハンマ42の寸法は同一である。
図9A〜図9Dは、インパクト機構40の打撃動作が「V底打ち」の動作である事例に相当する。「V底打ち」とは、ハンマ42の突起425がアンビル45の2つの爪部455のうち一方に衝突した(図9B参照)後、ハンマ42が移動可能な範囲における前端まで前進し、その後、突起425が2つの爪部455のうち他方に衝突する(図9D参照)動作である。ハンマ42が移動可能な範囲における前端まで前進することで、図5、図6に実線で示すように、V字状の2つの溝部413上にそれぞれ配置された鋼球49が、溝部413のうちV字の中央に相当する内面に衝突する。「V底打ち」では、ハンマ42の突起425は、2つの爪部455のうち一方を乗り越えてからV字状に移動して、他方の爪部455に衝突する。すなわち、ハンマ42の突起425が爪部455を乗り越えてからハンマ42が前進し(図9C参照)、前進した勢いで、各鋼球49が、溝部413のうちV字の中央に相当する内面に衝突する。その後、ハンマ42が後退し始めてから、図9Dに示すように、ハンマ42の突起425とアンビル45の爪部455とが衝突する。図9Dでは、ハンマ42が後退しているため、ハンマ42の突起425とアンビル45の爪部455との接触面積が、図9Bの場合と比較して小さい。
「V底打ち」は、例えば、ハンマ42を前進させる復帰ばね43のばね力が過剰である場合に発生することがある。また、「V底打ち」は、電動機3の回転数が不足している場合にも発生し得る。また、「V底打ち」は、インパクト機構40の打撃動作の打撃力の不足の原因となる場合がある。
「V底打ち」の事例では、ハンマ42の突起425がアンビル45の2つの爪部455のうち一方に衝突する時点T1から、他方に衝突する時点T5までの間において、各鋼球49が、溝部413のうちV字の中央に相当する内面に衝突する。これにより、図9Aに示すように、時点T4から時点T5までの間に、複数のパルスが発生する。言い換えれば、図9Aに示すように、打撃周期の終点よりも一定期間前の時点から終点までの間に、複数のパルスが発生する。
判別部84は、例えば、時点T4から時点T5(言い換えれば、打撃周期の終点よりも一定期間前の時点から終点)までの間に所定数以上のパルスが発生することをもって、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類が「V底打ち」であると判定する。
図10は、インパクト機構40の打撃動作が「最大後退」の動作である事例に相当する。すなわち、図10は、ハンマ42が最大後退するときの電流測定値id1の一例である。図10では、時点T1と時点T5との各々において、電流測定値id1に1つのパルスが発生している。さらに、時点T2と時点T3との間の期間において、複数のパルスが発生している。言い換えれば、打撃周期の前半の半周期において、複数のパルスが発生している。
判別部84は、例えば、時点T2と時点T3との間の期間(言い換えれば、打撃周期の前半の半周期)において所定数以上のパルスが発生することをもって、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類が「最大後退」であると判定する。
ハンマ42が最大後退しているときは、ハンマ42の後退する距離が適正な場合と比較して、ハンマ42の挙動が不安定となる。すなわち、このときは、ハンマ42に後退する向きの力が作用した場合に、ハンマ42が後退することができない。また、後退する向きの力は、ハンマ42に吸収されることになる。このようなことは、ハンマ42の寿命を低下させる可能性がある。判別部84が最大後退を検出することで、例えば、これに応じて、制御部7が最大後退を解消するために、電動機3の回転数を減少させる等の応答を行うことができる。
図11A〜図11Cは、インパクト機構40の打撃動作が「天面擦り」の動作である事例に相当する。「天面擦り」とは、ハンマ42の前進する向きにおいてハンマ42の突起425がアンビル45の2つの爪部455のうち一方に接する(図11C参照)動作である。つまり、「天面擦り」では、突起425の前面4251(出力軸61側の面)が爪部455の後面4551(駆動軸41側の面)に接する。
図11Bでは、ハンマ42の突起425がハンマ42の回転方向において2つの爪部455のうち一方に衝突する。その後、突起425がこの爪部455を乗り越えてから、突起425の前面4251が他方の爪部455の後面4551に接する。突起425は、後面4551を擦るように移動する。
「天面擦り」は、例えば、電動機3の回転数が比較的大きい場合等に発生し得る。また、「天面擦り」は、ハンマ42を前進させる復帰ばね43のばね力が不足している場合にも発生し得る。また、「天面擦り」は、インパクト機構40の打撃動作の打撃力が過剰となる原因になり得る。
図11Aでは、時点T1と時点T5との各々において、電流測定値id1に1つのパルスが発生している。さらに、時点T3と時点T4との間の期間において、複数のパルスが発生する。言い換えれば、打撃周期の後半の半周期において、複数のパルスが発生する。判別部84は、例えば、時点T3と時点T4との間の期間(言い換えれば、打撃周期の後半の半周期)において所定数以上のパルスが発生することをもって、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類が「天面擦り」であると判定する。
上述の通り、カウンタ86は、判別部84で判別されたインパクト機構40の挙動が「適正打撃」である状態で打撃力が発生した回数をカウントする。例えば、打撃周期がN(Nは自然数)周期繰り返される場合は、判別部84は、N周期に対応するN個の判別結果を出力し、カウンタ86は、N個の判別結果のうち「適正打撃」という判別結果の数をカウントする。
判別部84は、カウンタ86のカウント数に基づいて、インパクト機構40の打撃動作の状態を判定する。判別部84の判定結果として出力される打撃動作の状態は、例えば、打撃動作に異常がある状態又は打撃動作に異常が無い状態である。言い換えると、判別部84は、カウンタ86のカウント数に基づいて、インパクト機構40の打撃動作の異常の有無を判定する。出力部85は、判別部84の判定結果を報知する。例えば、打撃周期がN(Nは自然数)周期繰り返されたときに、カウンタ86のカウント数が所定回数未満の場合に、判別部84は、インパクト機構40の打撃動作に異常があると判定する。これに応じて、出力部85は、インパクト機構40の打撃動作に異常があることを、音又は光により報知する。つまり、ここでいう「打撃動作に異常が無い状態」とは、「適性打撃」以外の種類の打撃動作が全く含まれない状態だけでなく、「適性打撃」以外の種類の打撃動作が許容範囲内において含まれる状態をも含み得る。
制御部7は、判別部84の判別結果に基づいて電動機3の動作を制御する。判別部84の判別結果は、例えば、カウンタ86のカウント数の情報を含む。例えば、打撃周期がN(Nは自然数)周期繰り返されたときに、カウンタ86のカウント数が所定回数未満の場合に、制御部7は、電動機3の回転数を増加又は減少させる等の制御を行う。また、制御部7は、電動機3の回転数を増加させるか、減少させるかを、判別部84で判別された打撃動作の種類に応じて決定してもよい。電動機3の回転数を減少させる、とは、電動機3を停止させることも含む。
制御部7は、インパクト機構40が打撃動作を行っている最中に、判別部84の判別結果に基づいて電動機3の動作を制御する。これにより、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類が「適正打撃」でない場合に、「適正打撃」となるように電動機3に対する制御を変更することができる。つまり、制御部7は、判別部84の判別結果を用いて電動機3をフィードバック制御する。
なお、判別部84は、木ねじ等のビスを締める際よりも、ボルトを締める際に、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別するのに適する。これは、ビスと比較してボルトの締め付けにはより高いトルクを要することが多く、その結果、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類に応じた電流測定値id1の変化がより顕著に現れるためである。
以上説明したように、本実施形態のインパクト工具1では、判別部84は、励磁電流取得値(電流測定値id1)を用いることにより、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別することができる。これにより、判別部84の判別結果に応じた対処を行うことが可能となる。
対処の一例は、判別部84の判別結果に応じて、電動機3の回転数を増加又は減少させることである。例えば、制御部7の指令値生成部71は、判別部84の判別結果に応じて、電動機3の角速度の指令値cω1を生成してもよい。また、電動機3の回転数を増加させるために、電動機3のコイル321に弱め磁束電流を流してもよい。また、電動機3の回転数を減少させるために、電動機3のコイル321に強め磁束電流を流してもよい。
対処の別の一例は、復帰ばね43等の部材を交換又は補修することである。
対処の別の一例は、判別部84の判別結果が「適正打撃」である場合に、制御部7が、電動機3に対して実行していた制御を継続することである。
また、本実施形態のインパクト工具1では、d軸電流及びq軸電流の電流測定値id1、iq1に基づいて電動機3に供給される電流を制御するベクトル制御を採用している。インパクト工具1では、電流測定値id1を取得するための構成として、ベクトル制御のための構成でもある取得部90を用いることができる。そして、判別部84は、取得部90で取得された電流測定値id1に基づいて、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別する。つまり、インパクト工具1は、ベクトル制御のための構成とは別に、電流測定値id1を取得するための構成を備えていなくてもよい。これにより、インパクト工具1の部材点数の増加を抑制できる。
また、出力軸61には、種類、形状及び剛性等が異なる複数の先端工具の中から1つを装着できる。先端工具の種類、形状及び剛性等の違いに起因して、インパクト機構40の挙動の種類は変化する場合がある。この場合にも、判別部84は、励磁電流取得値(電流測定値id1)に基づいてインパクト機構40の挙動の種類を判別することができる。さらに、判別部84の判別結果に基づいて制御部7が電動機3の動作を制御するので、先端工具の種類、形状及び剛性等を変更しても、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類が「適正打撃」となるように電動機3を制御することができる。
また、設計者等は、判別部84の判別結果に基づいて、インパクト工具1の異常の原因を分析することができる。
(変形例1)
実施形態で説明したように、判別部84は、打撃周期ごとに、インパクト機構40の挙動の種類を判別することができる。ここで、判別部84は、打撃周期ごとに求められた判別結果に基づいて、複数の打撃周期を含む期間におけるインパクト機構40の挙動の種類を判別してもよい。例えば、判別部84は、打撃周期がN(Nは自然数)周期繰り返される場合に、打撃周期ごとのN個の判別結果を出力し、N個の判別結果に含まれる数が最も多い挙動の種類を、N周期における判別結果として出力してもよい。
(変形例2)
判別部84は、電流測定値id1を複数のモデル波形の各々と比較し、電流測定値id1と各モデル波形とのマッチング率に基づいて、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別してもよい。複数のモデル波形は、「適正打撃」、「二度打ち」及び「擦り上がり」等の複数の挙動と一対一で対応する。複数のモデル波形は、例えば、制御部7を構成するコンピュータシステムのメモリに予め記録されている。判別部84は、電流測定値id1と複数のモデル波形の各々とを比較し、電流測定値id1とのマッチング率が最も高いモデル波形に対応する挙動を、判別結果として出力する。
(変形例3)
判別部84が判別する、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類は、実施形態で説明した「適正打撃」、「二度打ち」、「擦り上がり」、「V底打ち」、「最大後退」及び「天面擦り」のみに限定されない。判別部84は、例えば、「浅打撃」を、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類の1つとして検出してもよい。「浅打撃」とは、図8Cに示すように、ハンマ42の突起425とアンビル45の爪部455とが、突起425の前端付近と爪部455の後端付近との限られた領域において衝突する動作である。「浅打撃」では、「二度打ち」とは異なって、突起425は、同じ爪部455に2回以上続けて衝突しない。
「浅打撃」は、例えば、電動機3の回転数が比較的大きい場合等に発生し得る。また、「浅打撃」は、ハンマ42を前進させる復帰ばね43のばね力が不足している場合にも発生し得る。また、「浅打撃」は、インパクト機構40の打撃動作の打撃力が過剰となる原因になり得る。
判別部84は、例えば、「浅打撃」に対応したモデル波形と電流測定値id1とのマッチング率に基づいて、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類が「浅打撃」であるか否かを判定してもよい。
判別部84は、最大後退の特定の発生状況を、インパクト機構40の挙動の種類の1つとして判別してもよい。判別部84は、例えば、最大後退の予兆が現れている状況を、インパクト機構40の挙動の種類の1つとして判別してもよい。
制御部7は、電動機3の回転数の過剰に対応する挙動を判別部84が検出すると、電動機3の回転数を減少させてもよい。電動機3の回転数の過剰に対応する挙動の一例は、「最大後退」、「天面擦り」及び「浅打撃」である。また、制御部7は、電動機3の回転数の不足に対応する挙動を判別部84が検出すると、電動機3の回転数を増加させてもよい。電動機3の回転数の不足に対応する挙動の一例は、「二度打ち」、「擦り上がり」及び「V底打ち」である。
(実施形態のその他の変形例)
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、上述の各変形例と適宜組み合わせて実現されてもよい。
カウンタ86は、判別部84の各判別結果の数をカウントしてもよい。カウンタ86は、例えば、「適正打撃」の数のカウントと、「二度打ち」及び「擦り上がり」の数のカウントと、「V底打ち」の数のカウントと、「最大後退」の数のカウントと、「天面擦り」の数のカウントと、のうち少なくとも1つを行ってもよい。
判別部84の判別結果に応じて制御部7が電動機3の回転数を変化させる場合に、回転数の最大変化幅が設定されていてもよい。制御部7は、判別部84の判別結果が特定の結果である場合に、最大変化幅よりも小さい大きさだけ電動機3の回転数を変化させてもよい。そして、制御部7は、電動機3の回転数の変化量が最大変化幅に達すると、それ以上は電動機3の回転数を変化させないように構成されていてもよい。あるいは、制御部7は、電動機3の回転数の変化量が最大変化幅に達するまで所定の時間ごとに電動機3の回転数を変化させてもよい。また、制御部7は、判別部84の判別結果が特定の結果である場合に、直ちに、電動機3の回転数を最大変化幅だけ変化させてもよい。
判別部84が打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別するアルゴリズムは、先端工具の種類、剛性、重量及び寸法、並びに、作業対象である負荷の種類等に応じて変更されてもよい。負荷の種類としては、例えば、ボルト、ビス及びナットが挙げられる。
判別部84は、電流測定値id1から特定の周波数成分を除去した値を、励磁電流取得値として用いて、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別してもよい。
カウンタ86のカウント数に基づいてインパクト機構40の打撃動作の状態を判定する機能は、判別部84以外の構成が有していてもよい。
取得部90は、励磁電流取得値としての電流測定値id1を取得する構成に限定されない。取得部90は、励磁電流取得値としての励磁電流の指令値cid1を取得する構成であってもよい。この場合、取得部90は、少なくとも磁束制御部76を含む。
取得部90は、取得部90自身により電流測定値id1、iq1を算出することで、電流測定値id1、iq1を取得する構成に限定されない。取得部90は、取得部90以外の構成から電流測定値id1、iq1を取得してもよい。
インパクト工具1は、インパクトドライバに限定されず、例えば、インパクトレンチ、インパクトドリル又はインパクトドリルドライバ等であってもよい。
本実施形態のインパクト工具1は、先端工具を用途に応じて交換可能であるが、先端工具が交換可能であることは必須ではない。例えば、インパクト工具1は、特定の先端工具のみ用いることができる電動工具であってもよい。
アンビル45は、アンビル45に連結された出力軸61等を介して先端工具を保持していてもよいし、先端工具を直接保持していてもよい。
出力軸61は、先端工具と一体に形成されていてもよい。
インパクト工具1は、ハンマ42の最大後退時にハンマ42に加えられる衝撃を緩和するための緩衝部材を備えていてもよい。緩衝部材は、例えば、ゴムを材料として形成される。ハンマ42が最大後退するとき、ハンマ42が緩衝部材に当たることで、ハンマ42に加えられる衝撃が緩和される。
インパクト工具1は、トルク測定部を備えていてもよい。トルク測定部は、電動機3の動作トルクを測定する。トルク測定部は、例えば、ねじり歪みの検出が可能な磁歪式歪センサである。磁歪式歪センサは、電動機3の出力軸61にトルクが加わることにより発生する歪みに応じた透磁率の変化を、電動機3の非回転部分に設置したコイルで検出し、歪みに比例した電圧信号を出力する。
インパクト工具1は、ビット回転測定部を備えていてもよい。ビット回転測定部は、出力軸61の回転角を測定する。ここでは、出力軸61の回転角は、先端工具(ソケット62)の回転角に等しい。ビット回転測定部としては、例えば、光電式エンコーダ又は磁気式エンコーダを採用することができる。
インパクト工具1は、ショックセンサを備えていてもよい。ショックセンサは、ショックセンサに加えられた振動の大きさに応じた大きさの電圧又は電流を出力する。カウンタ86は、ショックセンサの出力に基づいて、インパクト機構40において打撃力が発生した回数をカウントしてもよい。ショックセンサは、インパクト機構40で発生する振動が伝わる位置に配置されていればよい。例えば、インパクト機構40の付近に配置されてもよいし、制御部7の付近に配置されてもよい。
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
第1の態様に係るインパクト工具1は、電動機3と、インパクト機構40と、取得部90と、判別部84と、を備える。電動機3は、永久磁石312及びコイル321を有する。インパクト機構40は、電動機3から動力を得て打撃力を発生させる打撃動作を行う。取得部90は、コイル321に供給される励磁電流の値を取得する。励磁電流は、永久磁石312の磁束を変化させる磁束をコイル321に発生させる。判別部84は、取得部90で取得された励磁電流の値である励磁電流取得値(電流測定値id1)に基づいて、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別する。
上記の構成によれば、励磁電流取得値(電流測定値id1)を用いることにより、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別することが可能となる。
また、第2の態様に係るインパクト工具1では、第1の態様において、インパクト機構40は、打撃動作において所定の打撃周期ごとに打撃力を発生させる。判別部84は、打撃周期の始点と終点との間の励磁電流取得値(電流測定値id1)に基づいて打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類を判別する。
上記の構成によれば、判別部84は、1回の打撃力の発生に対応して、インパクト機構40の挙動の種類を判別できる。つまり、打撃力が複数回発生する期間に亘っての励磁電流取得値(電流測定値id1)に基づいてインパクト機構40の挙動の種類を判別する場合と異なって、1回1回の打撃力の発生に対応したインパクト機構40の挙動の種類の判別が可能となる。
また、第3の態様に係るインパクト工具1では、第2の態様において、打撃周期は、電動機3の回転数に基づいて算出される。
上記の構成によれば、打撃周期を容易に算出できる。
また、第4の態様に係るインパクト工具1は、第1〜3の態様のいずれか1つにおいて、出力部85を更に備える。出力部85は、判別部84の判別結果を出力する。
上記の構成によれば、判別部84の判別結果をユーザ等が確認できる。
また、第5の態様に係るインパクト工具1は、第1〜4の態様のいずれか1つにおいて、制御部7を更に備える。制御部7は、判別部84の判別結果に基づいて電動機3の動作を制御する。
上記の構成によれば、打撃動作中のインパクト機構40の挙動の種類に応じて電動機3の動作を制御できる。
また、第6の態様に係るインパクト工具1は、第1〜5の態様のいずれか1つにおいて、カウンタ86を更に備える。カウンタ86は、打撃力が発生した回数をカウントする。
上記の構成によれば、カウンタ86の出力と判別部84の出力とを併せて参照することにより、ユーザ等は、カウンタ86の出力の性質(例えば、正常な出力であるか否か)を推定できる。
また、第7の態様に係るインパクト工具1では、第6の態様において、カウンタ86は、判別部84で判別されたインパクト機構40の挙動が特定の挙動である状態で打撃力が発生した回数をカウントする。
上記の構成によれば、ユーザ等は、カウンタ86の出力に基づいて、インパクト機構40の特定の挙動が継続しているか否かを判断できる。
第1の態様以外の構成については、インパクト工具1に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1 インパクト工具
3 電動機
7 制御部
40 インパクト機構
84 判別部
85 出力部
86 カウンタ
90 取得部
312 永久磁石
321 コイル
id1 電流測定値(励磁電流取得値)

Claims (7)

  1. 永久磁石及びコイルを有する電動機と、
    前記電動機から動力を得て打撃力を発生させる打撃動作を行うインパクト機構と、
    前記コイルに供給され前記永久磁石の磁束を変化させる磁束を前記コイルに発生させる励磁電流の値を取得する取得部と、
    前記取得部で取得された前記励磁電流の値である励磁電流取得値に基づいて、前記打撃動作中の前記インパクト機構の挙動の種類を判別する判別部と、を備える、
    インパクト工具。
  2. 前記インパクト機構は、前記打撃動作において所定の打撃周期ごとに前記打撃力を発生させ、
    前記判別部は、前記打撃周期の始点と終点との間の前記励磁電流取得値に基づいて前記打撃動作中の前記インパクト機構の挙動の種類を判別する、
    請求項1に記載のインパクト工具。
  3. 前記打撃周期は、前記電動機の回転数に基づいて算出される、
    請求項2に記載のインパクト工具。
  4. 前記判別部の判別結果を出力する出力部を更に備える、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のインパクト工具。
  5. 前記判別部の判別結果に基づいて前記電動機の動作を制御する制御部を更に備える、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のインパクト工具。
  6. 前記打撃力が発生した回数をカウントするカウンタを更に備える、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のインパクト工具。
  7. 前記カウンタは、前記判別部で判別された前記インパクト機構の挙動が特定の挙動である状態で前記打撃力が発生した回数をカウントする、
    請求項6に記載のインパクト工具。
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