JP2021010207A - 冷却ジャケット及び冷却ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】密着性、メンテナンス性に優れた組立式の冷却ジャケットを提供することにある。【解決手段】電動機用冷却ジャケット1は複数の冷却ユニット10が列状に連結されてなる。冷却ユニット各々は、内部に冷却媒体が流通する流路12を有する板形状の冷却ユニット本体11と、冷却ユニット本体に固定される受口継手16及び差口継手15とを有する。受口継手への差口継手の嵌合により冷却ユニット本体どうしが接続され、冷却ユニット本体をその連結方向に直交する軸回りに回動自在に且つ着脱自在に接続するために、受口継手は球形状又は円筒形状の内面161を有し、差口継手は受口継手に回動自在に嵌入するように受口継手の内面161に適合する球形状又は円筒形状の外面151を有する。冷却ユニット本体の流路を連通するために、受口継手と差口継手はそれぞれ先後に渡って貫通する貫通孔162,152を有する。【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、冷却ジャケット及び冷却ユニットに関する。
電動機を運転すると、内部損失により発熱し、電動機の温度が上昇する。電動機の温度が上昇すると、電動機の内部の絶縁物の劣化を早めたり、絶縁物が焼損したり、軸受や整流子などを損傷してしまう可能性がある。発熱による電動機の温度上昇を抑えるために、電動機の外側に冷却構造体を付設する技術が知られている。例えば、引用文献1参照。
特開2010-268667号公報
電動機を冷却する冷却構造体には、外形形状の異なる電動機のいずれに対しても同様の高い冷却効果を発揮するために、これら電動機に対して、密着性高く組み付け可能であることが望まれている。また、メンテナンス性の向上とともに交換コストの低減を実現するために、冷却構造体の一部分で不具合が発生した場合であっても、冷却構造体の全体を交換するのではなく、不具合が生じた一部分だけを交換すればよい構造が望まれている。さらに、電動機内で熱分布にバラツキがある場合であっても、熱が籠る部位については特に厚みを持たせるように付設可能であることが望まれている。
本開示の一態様は、電動機を冷却するための電動機用冷却ジャケットに関する。電動機用冷却ジャケットは、複数の冷却ユニットが列状に連結されてなり、前記冷却ユニット各々は、内部に冷却媒体が流通する流路を有する板形状の冷却ユニット本体と、前記流路の一端から延出するように前記冷却ユニット本体に取り付けられる受口継手と、前記流路の他端から延出するように前記冷却ユニット本体に取り付けられる差口継手とを有し、前記受口継手への前記差口継手の嵌合により前記冷却ユニット本体どうしが接続され、前記冷却ユニット本体をその連結方向に直交する軸回りに回動自在に且つ着脱自在に接続するために、前記受口継手は球形状又は円筒形状の内面を有し、前記差口継手は前記受口継手に回動自在に嵌入するように前記受口継手の前記内面に適合する球形状又は円筒形状の外面を有し、前記冷却ユニット本体の前記流路を連通するために、前記受口継手と前記差口継手はそれぞれ先後に渡って貫通する貫通孔を有する。
本開示の一態様は、電動機を冷却するための電動機用冷却ジャケットを構成する冷却ユニットに関する。冷却ユニットは、内部に冷却媒体が流通する流路を有する板形状の冷却ユニット本体と、前記流路の一端から延出するように前記冷却ユニット本体に取り付けられる受口継手と、前記流路の他端から延出するように前記冷却ユニット本体に取り付けられる差口継手とを有する。前記受口継手への前記差口継手の嵌合により前記冷却ユニットは他の冷却ユニットに連結され、前記冷却ユニットを前記他の冷却ユニットとの連結方向に直交する軸回りに回動自在に且つ着脱自在に接続するために、前記受口継手は球形状又は円筒形状の内面を有し、前記差口継手は前記受口継手に回動自在に嵌入するように前記受口継手の前記内面に適合する球形状又は円筒形状の外面を有する。前記冷却ユニット本体の前記流路を連通するために前記受口継手と前記差口継手とはそれぞれ先後に渡って貫通する貫通孔を有する。
一態様によれば、密着性、メンテナンス性に優れた組立式の冷却ジャケットを提供することができる。
第1実施形態に係る冷却ジャケットを示す斜視図である。 図1の冷却ジャケットの使用例を示す斜視図である。 図1の冷却ユニットを示す斜視図である。 図3の冷却ユニットの正面図である。 図3の冷却ユニットの平面図である。 図3の冷却ユニットの側面図である。 図3の冷却ユニットの分解図である。 図6のA−A´端面図である。 冷却ユニットの連結部分を示す端面図である。 図6のB−B´端面図である。 図3の冷却ユニットを連結した状態を示す正面図である。 図1の冷却ジャケットの他の使用例を示す斜視図である。 図1の冷却ジャケットの他の使用例を示す正面図である。 図4の冷却ユニットの変形例を示す正面図である。 図10の冷却ユニットの変形例を示す端面図である。 第2実施形態に係る冷却ジャケットを示す斜視図である。 図16の冷却ユニットを示す斜視図である。 図17の冷却ユニットの正面図である。 図17の冷却ユニットを連結した状態を示す正面図である。 第2実施形態に係る冷却ジャケットを示す斜視図である。 図20の冷却ジャケットの正面図である。 図20の冷却ユニットを示す斜視図である。 図22の冷却ユニットの平面図である。
以下、図面を参照して本開示の実施形態を列記する。第1、第2及び第3実施形態に係る冷却ジャケットは、電動機を冷却するために使用されるものである。第1、第2及び第3実施形態に係る冷却ジャケットは、そのほとんどの構造が共通するが、冷却ジャケットを構成する冷却ユニットの外形形状が互いに相違する。第1実施形態は、典型的には外形多角柱体をなす電動機に対して好適に使用することができる冷却ジャケットに関する。第2実施形態は、典型的には外形多角錐体をなす電動機に対して好適に使用することができる冷却ジャケットに関する。第3実施形態は、典型的には外形円柱体をなす電動機に対して好適に使用することができる冷却ジャケットに関する。
(第1実施形態)
以下、図1乃至図15を参照して、第1実施形態に係る冷却ジャケットを説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係る冷却ジャケット1は、同形同寸の複数の冷却ユニット10が列状に連結されてなる。冷却ジャケット1の一端をなす冷却ユニット10は冷媒流入用継手81を有し、これを介して電動機Mの外部の冷媒供給装置に接続される。冷却ジャケット1の他端をなす冷却ユニット10は冷媒流出用継手82を有し、これを介して電動機Mの外部の冷媒処理装置に接続される。冷媒供給装置により発生された冷却液などの冷却媒体は、冷媒流入用継手81を介して最先端の冷却ユニット10の内部の流路に導入され、複数の冷却ユニット10の内部の流路を順に巡って、最後端の冷却ユニット10の冷媒流出用継手82を介して、冷媒処理装置に排出される。冷却ユニット内部の流路を冷却媒体が流通することにより、電動機Mの表面から熱が奪われ、電動機Mは冷却される。なお、流路を流通する冷却媒体は液体に限らず、気体でもよい。
図2に示すように、第1実施形態に係る冷却ジャケット1は、例えば多角柱体の電動機Mの多角形状の外周面に沿って変形可能であり、その外周面のほぼ全面に渡って密接させることができる。電動機Mの外周面に密接させることができることにより冷却ジャケット1による電動機Mの冷却効果の向上が期待できる。
図3、図6に示すように、冷却ジャケット1を構成する冷却ユニット10は概略短冊板形状を有する。以下、冷却ユニット本体11の短軸方向をX軸、冷却ユニット本体11の厚み方向をY軸、冷却ユニット本体11の長軸方向をZ軸として適宜使用する。なお、冷却ユニット10はX軸に沿って一列に連結される。
図4に示すように、冷却ユニット本体11は平面視で略Z字形状を有する。冷却ユニット本体11の左側面の長軸方向に関する中央付近より上側の部分は右側に窪み、段差が付けられている。反対側の右側面の長軸方向に関する中央付近より下側の部分は左側に、同距離だけ窪み、段差が付けられている。このように冷却ユニット本体11には左右に逆向きに段差が付けられている。左右両側の段差の段差面11a、11bの幅は同一であり、例えば冷却ユニット本体11の全幅の約1/3の幅を有する。冷却ユニット本体11に左右逆向きに同距離だけ窪んだ段差を設けることにより、段差同士をかみ合わせて冷却ユニット本体11を稠密に配列させることができる。冷却ユニット本体11の稠密な配列により冷却面が拡大するので、冷却ジャケット1の冷却性能の向上が期待できる。なお、冷却ユニット本体11の右側の段差面11aと、左側における段差面11bとは長軸方向に関する中央に近い位置に配置されている。実際には後述する継手15,16の接続余地を設けるために、互いに上下に離れる方向に僅かにずらされている。
図5に示すように、冷却ユニット本体11の両側面は円弧形状に面取りされている。冷却ユニット本体11の横断面は長円形状をなす。これにより、隣り合う冷却ユニット本体11の対峙する側面どうしが緩衝することなく、冷却ユニット本体11の自在な回動が実現されている。
図3、図7に示すように、左右の段差面11a,11bは、冷却ユニット10の連結方向(X軸方向)と冷却ユニット本体11の厚み方向(Y軸方向)とに平行、換言すると長軸方向(Z軸方向)に直交するように形成されている。左右の段差面11a、11bには差口継手15と受口継手16とが当該面に対して垂直に取り付けられる。具体的には、一方の段差面11aには、差口継手挿入孔13が段差面11aに垂直に形成されている。この差口継手挿入孔13の内面にはネジ山が切られており、差口継手15がねじ込まれる。同様に、他方の段差面11bには、受口継手挿入孔14が段差面11bに垂直に形成されている。この受口継手挿入孔14に受口継手16がねじ込まれている。なお、左右の段差面11a、11bに対して差口継手15と受口継手16とが、当該面に直交する軸に対して傾斜した向きで取り付けられてもよい。この場合、冷却ユニット10の差口継手15に対して受口継手16が装着される方向は、連結方向に直交する軸に対して傾斜する。
図7、図8、図9に示すように、差口継手15は、外面球形状の凸部151を有し、それを受け入れる受口継手16には、差口継手15の凸部151に適合する内面球状の凹部161が設けられる。差口継手15と受口継手16とはいわゆる自在継手構造を成している。これら差口継手15と受口継手16はある程度変形可能な樹脂製で構成されており、また凹部161の開口164は、凸部151の径よりも狭い円形であって、先方に向かって径が徐々に拡大する断面テーパー形状に形成されている。それにより人力で凸部151を凹部161に嵌入することができ、また人力で凸部151を凹部161から引き抜くことができ、それとともに強く外力を受けないときには少なくともZ軸周りの回動が確保されながらもその嵌合状態が維持され得る。つまり、図11に示すように、冷却ユニット本体11の側面形状及び自在継手構造の採用により、冷却ジャケット1は連結方向と直交する軸Rz周りに自在に屈曲されることができる。
上記説明した継手構造によれば、冷却ユニット10の差口継手15を隣の冷却ユニット10の受口継手16に嵌合することにより、屈曲自在に連結させることができる。図11に示すように、冷却ユニット10の差口継手15と受口継手16とを連結方向に直交する方向にユニット本体11に取り付け、その方向に差口継手15を受口継手16に差し込み嵌合させることにより、何らかの理由で冷却ユニット10にその連結方向(X軸方向)に沿った引っ張り力(外力)がかかったとしても、その外力は差口継手15と受口継手16とに対して垂直にかかるため、差口継手15が受口継手16から抜けることはほぼない。例えば、冷却ジャケット1を電動機Mに巻き付ける過程で、冷却ジャケット1が引っ張られた場合であっても、冷却ユニット10の連結状態は確保されるため、電動機Mに装着する作業性を向上することができる。もちろん、冷却ユニット10にその厚み方向(Y軸方向)に沿った外力がかかったとしても、その外力は差口継手15と受口継手16とに対して垂直にかかるため、差口継手15が受口継手16から抜けることはほぼない。
冷却ジャケット1のある冷却ユニット10に連結方向に垂直な方向(Z軸方向)に沿って外力がかかったとき、その方向は差口継手15が受口継手16に差し込まれる方向に平行であるので、差口継手15が受口継手16から抜けてしまい、その冷却ユニット10が冷却ジャケット1から脱落してしまう恐れがある。
例えば図11に示すように、隣り合う連結された3つの冷却ユニット10の中央の冷却ユニット10に、何らかの理由で連結方向に垂直な方向(Z軸方向)に外力がかかったと仮定する。これら3つの冷却ユニット10は、左右逆向きに設けられた段差が互いにかみ合うように配列されている。中央の冷却ユニット10はその左隣の冷却ユニット10に上方から抑えられ、その右隣の冷却ユニット10には下方から抑えられている。従ってある冷却ユニット10に連結方向に垂直な方向(Z軸方向)に下向きの外力又は上向きの外力がかかったとしても、その単独での移動は両隣の冷却ユニット10で抑えられる。従って連結方向に垂直な方向(Z軸方向)に沿った冷却ユニット10の脱落は抑止され得る。
図8に示すように、冷却ユニット本体11は、その内部に冷却媒体が流通する流路12を有する。流路12は、上下に蛇行した略S字形状を有し、その一端が段差面11aに形成された差口継手挿入孔13に連通し、他端が段差面11bに形成された受口継手挿入孔14に連通する。冷却ユニット本体11のほぼ全域に渡って流路12を這わすことができるため、流路12に流通する冷却媒体により冷却ユニット本体11の全体を効果的に冷却することができる。
図10に示すように、典型的には、冷却ユニット本体11は、それを厚み方向に半割した第1、第2冷却ユニット本体部分111,112を接着材等により接合してなる。第1、第2冷却ユニット本体部分111,112の接合面には、S字状に蛇行した半円状に窪んだ溝121,122がそれぞれ設けられる。第1、第2冷却ユニット本体部分111,112を接合したとき、溝121,122どうしが横断面円形状の流路12を構成する。このように、冷却ユニット本体11に流路12を直接形成することにより、流路12を流通する冷却媒体は第1、第2冷却ユニット本体部分111,112との間で直接的に熱交換をする。そのため、流路12として別体のパイプ等を冷却ユニット本体11に内蔵した場合に比べて、流路12を流通する冷却媒体による冷却効果を向上させることができる。
図8、図9に示すように、隣接する冷却ユニット10の内部の流路12を連通するために、差口継手15と受口継手16とは、その内部を上下に貫通する貫通孔152,162をそれぞれ有する。図9に示すように、差口継手15の貫通孔152は受口継手16の貫通孔162よりも若干幅が狭い。これにより、何らかの理由により冷却ユニット10がY軸と平行な軸周りに少し回転した場合であっても、差口継手15の貫通孔152を流通する冷却媒体が受口継手16の内面に直接当たることを回避することができ、差口継手15の貫通孔152から受口継手16の貫通孔162への冷却媒体の流れを阻害しない。つまり、継手部分からの冷却媒体の漏れを抑制することができる。
図9に示すように、継手部分からの冷却媒体の漏れ止めのために、環状弾性部材、いわゆるOリング等の封止材が適用される。差口継手15の外側底面に円環スリット153が形成され、このスリット153にOリング100が嵌め込まれている。このOリング100は差口継手挿入孔13の底面に圧接されるので、差口継手15と差口継手挿入孔13との間からの冷却媒体の漏れを抑えることができる。
受口継手16の底面に円環スリット163を設け、このスリット163にOリング101が嵌め込まれる。Oリング101は受口継手挿入孔14の底面に圧接する。それにより受口継手16と受口継手挿入孔14との間からの冷却媒体の漏れが抑えられる。
差口継手15の球形状の凸部151の外周面に円環スリット154を設け、このスリット154にOリング102が嵌め込まれる。Oリング102は受口継手16の凹部161の内周面に圧接する。それにより差口継手15と受口継手16との間からの冷却媒体の漏れが抑えられる。
以上説明した第1実施形態に係る冷却ジャケット1によれば、連結方向に対して直交するZ軸周りに屈曲自在に連結した複数の冷却ユニット10からなり、多角柱体の電動機Mの外面に冷却ユニット10を密接させて巻き付けることができる。冷却ジャケット1と電動機Mとの間の接触面積が増えることで効率的に電動機Mを冷却することができる。また、冷却ジャケット1は組み立て式であって、冷却ユニット同士の連結構造は継手による嵌め合い構造であるため、冷却ジャケット1を構成する冷却ユニット10の数を容易に増減することができ、冷却対象の電動機Mの大きさに柔軟に対応することができる。しかも、冷却ユニット10は、冷却ユニット本体11に差口継手15と受口継手16と装着しただけに過ぎないもので、部品点数も少なく、組立性も高い。また、不具合が生じた部品だけを交換すればよいため、交換コストも抑えられる。また、冷却ユニット10における差口継手15と受口継手16との位置及び向きが同様であれば、寸法、形状が異なる冷却ユニット本体を有する冷却ユニットを冷却ジャケット1に使用することができる。例えば、冷却ユニット本体11の全幅を短くした冷却ユニット、全幅を長くした冷却ユニット、全長を長くした冷却ユニット、及び全長を短くした冷却ユニットを冷却ジャケット1に含めることができる。冷却対象物の外形に応じて、複数種類の冷却ユニットを組み合わせた冷却ジャケット1を構成することで、冷却対象物への密着性を向上させ、冷却効果を高めることができる。予め複数種類の冷却ユニットを用意しておけば、作業員はその場で冷却対象物に応じた冷却効果の高い冷却ジャケットを簡単に組み立てることができる。
なお、図12に示すように、第1実施形態に係る冷却ジャケット1は、発熱が集中する箇所や熱が籠る部位の表面に冷却ユニット10を2重、3重にして配置するために、途中部分を折り畳んで使用することができる。
また、図13に示すよう、第1実施形態に係る冷却ジャケット1は、冷却ユニット10同士が回動自在に連結されているので、自在に形態を変えることができ、それにより様々な形状、様々な寸法の多角柱状の回転型の電動機Mに適合させることができるものであるが、さらに他のタイプの電動機に対しても自在に適合させることができる。例えば図13に例示するように、第1実施形態に係る冷却ジャケット1を直線状に広げた形態に設けて、直動型の電動機、いわゆるリニアモーターM1に装着することも可能である。
なお、第1実施形態において、差口継手15は球形状の凸部151を有し、受口継手16は球形状の凸部151を受ける球面状の凹部161を有するとしたが、冷却ジャケット1は、ほぼZ軸回りの回転しか許可されていない。そのため、差口継手15の凸部151は円筒状であってもよく、これを受ける受口継手16の凹部161は円筒状の内面を有するものとしてもよい。
なお、冷却ジャケット1の部品の交換コスト、冷却ジャケット1の組立性の観点から、ネジ止めにより、差口継手15(受口継手16)を差口継手挿入孔13(受口継手挿入孔14)に締結することが望ましい。しかしながら、少なくとも差口継手15(受口継手16)を差口継手挿入孔13(受口継手挿入孔14)に固定できればよく、その方法はネジ止めに限定されない。例えば、差口継手15(受口継手16)を差口継手挿入孔13(受口継手挿入孔14)に接着により固定するようにしてもよい。
冷却ジャケット1の剛性の確保の観点から冷却ユニット本体同士の接続箇所は長さ中央付近であることが望ましい。また、冷却ジャケット1の制作容易性の観点から、冷却ユニット本体11は回転対象であることが望ましい。しかしながら、これは、冷却ユニット本体同士の接続箇所が長さ中央から上下にシフトした位置であることを否定するものではない。つまり、冷却ユニット本体11の上端面から段差面11aまでの高低差(距離)は、下端面から段差面11bまでの高低差(距離)と等価でなくてもよい。図14に示すように、例えば、冷却ユニット本体11の上端面から段差面11aまでの高低差(距離)を冷却ユニット本体11の全長の約1/3よりも若干長くし、下端面から段差面11bまでの高低差(距離)を冷却ユニット本体11の全長の約2/3よりも若干長くすることができる。
冷却ユニット10の内部の流路12の横断面形状は円形状に限定されない。図15に示すように、例えば、冷却ユニット10の流路12は、横断面形状が楕円形状とすることができる。また、図示しないが、流路12の一部分の横断面形状と他の部分の横断面形状とが異なっていてもよい。さらに、冷却ユニット10の全体を冷却する観点から、流路12の平面形状は上下に蛇行する略S字形状であることが望ましい。しかしながら、冷却ユニット本体11が電動機Mに接触している接触面の全体を冷却するのではなく、接触面の一部分だけを冷却したい場合や、接触面の一部分をより冷却したいような場合がある。このような場合においては、冷却したい部分に集中して流路12を這わせるなど、冷却ユニット10の流路12を自由に設計することができる。
(第2実施形態)
以下、図16乃至図19を参照して、第2実施形態に係る冷却ジャケット2を説明する。図16に示すように、第2実施形態に係る冷却ジャケット2は、多角錐体の電動機Mを冷却する部材として好適に使用できるために、多角錐台形状に変形させることができるものである。第1実施形態に係る冷却ジャケット1と第2実施形態に係る冷却ジャケット2との間の構造的な差異は、冷却ユニットの形状にあり、それ以外の構造は第1実施形態と同様である。したがって、第2実施形態に係る冷却ジャケット2を構成する冷却ユニット20の冷却ユニット本体21以外の説明は省略する。
図17、図18に示すように、冷却ユニット本体21は、その長さ中央部分から上端面に向かって徐々に幅が狭くなるテーパー形状を有する。図19に示すように、冷却ユニット本体同士が継手を介して接続された状態で、接続箇所から上部において冷却ユニット本体21の間に隙間29が生じる。この隙間29は、冷却ユニット20の厚み方向と平行な軸Ry周りの若干の回転を許容する。これにより、図16に示すように、冷却ジャケット2を、下側に対して上側を窄めた多角錐台形状に変形させることができる。
以上説明した第2実施形態に係る冷却ジャケット2によれば、第1実施形態に係る冷却ジャケット1と同様の効果を奏し、特に、多角錐体の電動機Mの外面に密着させることができ、効果的に冷却することができる。
(第3実施形態)
以下、図20乃至図23を参照して、第3実施形態に係る冷却ジャケット2を説明する。図20、図21に示すように、第3実施形態に係る冷却ジャケット3は、円柱体の電動機Mを冷却する部材として好適に使用できるものである。第1実施形態に係る冷却ジャケット1と第3実施形態に係る冷却ジャケット3との間の構造的な差異は、冷却ユニットの形状にあり、それ以外の構造は第1実施形態と同様である。したがって、第3実施形態に係る冷却ジャケット3を構成する冷却ユニット30の冷却ユニット本体31以外の説明は省略する。
図22、図23に示すように、冷却ユニット本体31は湾曲板形状を有する。そのため、冷却ユニット30の回転角度を調整することで、図21に示すように、冷却ジャケット3の内周面は円形状を示す。これにより、第3実施形態に係る冷却ジャケット3によれば、第1実施形態に係る冷却ジャケット1と同様の効果を奏し、特に、円柱体の電動機Mの外周面に、その内周面を密着させ、効果的に冷却することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…冷却ジャケット、10…冷却ユニット、M…電動機。

Claims (14)

  1. 電動機を冷却するための電動機用冷却ジャケットにおいて、
    複数の冷却ユニットが列状に連結されてなり、
    前記冷却ユニット各々は、
    内部に冷却媒体が流通する流路を有する板形状の冷却ユニット本体と、
    前記流路の一端から延出するように前記冷却ユニット本体に取り付けられる受口継手と、
    前記流路の他端から延出するように前記冷却ユニット本体に取り付けられる差口継手とを有し、
    前記受口継手への前記差口継手の嵌合により前記冷却ユニット本体どうしが接続され、
    前記冷却ユニット本体を前記冷却ユニットの連結方向に直交する軸回りに回動自在に且つ着脱自在に接続するために、前記受口継手は球形状又は円筒形状の内面を有し、前記差口継手は前記受口継手に回動自在に嵌入するように前記受口継手の前記内面に適合する球形状又は円筒形状の外面を有し、
    前記冷却ユニット本体の前記流路を連通するために前記受口継手と前記差口継手とはそれぞれ先後に渡って貫通する貫通孔を有する、
    電動機用冷却ジャケット。
  2. 前記受口継手と前記差口継手とはそれぞれ、前記冷却ユニットの連結方向に対して直交又は傾斜する向きに前記冷却ユニット本体に取り付けられる、請求項1記載の電動機用冷却ジャケット。
  3. 前記冷却ユニット本体は平面視で略Z字形状に段付けされており、前記冷却ユニットの連結方向と平行であって互いに逆向きをなす一対の段差面を有し、
    前記受口継手は前記一対の段差面の一方の段差面に垂直に取り付けられ、
    前記差口継手は前記一対の段差面の他方の段差面に垂直に取り付けられる、請求項1又は2記載の電動機用冷却ジャケット。
  4. 前記冷却ユニットは、前記差口継手の外周面に嵌め込まれて前記受口継手の内面に接する環状弾性部材をさらに備える、請求項1乃至3のいずれか一項記載の電動機用冷却ジャケット。
  5. 前記冷却ユニット本体の両側面は円弧形状をなし、
    前記冷却ユニット本体各々は隣り合う前記冷却ユニット本体に対して側面を対峙して稠密に配列される、請求項1乃至4のいずれか一項記載の電動機用冷却ジャケット。
  6. 前記冷却ユニット本体は湾曲板形状を有する、請求項1乃至5のいずれか一項記載の電動機用冷却ジャケット。
  7. 前記冷却ユニット本体は前記連結方向に直交する方向に沿って幅が細くなるテーパー形状を有する、請求項1乃至5のいずれか一項記載の電動機用冷却ジャケット。
  8. 電動機を冷却するための電動機用冷却ジャケットを構成する冷却ユニットにおいて、
    内部に冷却媒体が流通する流路を有する板形状の冷却ユニット本体と、
    前記流路の一端から延出するように前記冷却ユニット本体に取り付けられる受口継手と、
    前記流路の他端から延出するように前記冷却ユニット本体に取り付けられる差口継手とを有し、
    前記受口継手への前記差口継手の嵌合により前記冷却ユニットは他の冷却ユニットに連結され、
    前記冷却ユニットを前記他の冷却ユニットとの連結方向に直交する軸回りに回動自在に且つ着脱自在に接続するために、前記受口継手は球形状又は円筒形状の内面を有し、前記差口継手は前記受口継手に回動自在に嵌入するように前記受口継手の前記内面に適合する球形状又は円筒形状の外面を有し、
    前記冷却ユニット本体の前記流路を連通するために前記受口継手と前記差口継手とはそれぞれ先後に渡って貫通する貫通孔を有する、
    冷却ユニット。
  9. 前記受口継手と前記差口継手とはそれぞれ、前記冷却ユニットの連結方向に対して直交又は傾斜する向きに前記冷却ユニット本体に取り付けられる、請求項8記載の冷却ユニット。
  10. 前記冷却ユニット本体は平面視で略Z字形状に段付けされており、前記冷却ユニットの連結方向と平行であって互いに逆向きをなす一対の段差面を有し、
    前記受口継手は前記一対の段差面の一方の段差面に垂直に取り付けられ、
    前記差口継手は前記一対の段差面の他方の段差面に垂直に取り付けられる、請求項8又は9記載の冷却ユニット。
  11. 前記冷却ユニットは、前記差口継手の外周面に嵌め込まれて前記受口継手の内面に接する環状弾性部材をさらに備える、請求項8乃至10のいずれか一項記載の冷却ユニット。
  12. 前記冷却ユニット本体の両側面は円弧形状をなす、請求項8乃至11のいずれか一項記載の冷却ユニット。
  13. 前記冷却ユニット本体は湾曲板形状を有する、請求項8乃至12のいずれか一項記載の冷却ユニット。
  14. 前記冷却ユニット本体は前記連結方向に直交する方向に沿って幅が細くなるテーパー形状を有する、請求項8乃至13のいずれか一項記載の冷却ユニット。
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