JP2021009925A - 端子付き基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路基板のスルーホールに圧入される端子によって孔内面に生じる応力を低減可能な端子付き基板、を提供すること。【解決手段】端子付き基板1は、回路基板10と、回路基板10に設けられたスルーホール12に圧入される端子20とを備える。端子20は、スルーホール12への挿入方向に交差する幅方向に弾性変形可能な圧入部23と、圧入部23に対応した位置にある空洞部24とを有する。圧入部23は、挿入方向に直交する断面にて、スルーホール12の孔内面に向かい合う圧入部23の接触面25が、前記孔内面の湾曲形状に対応した湾曲形状を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、回路基板と、その回路基板に設けられたスルーホールに圧入される端子と、を備える端子付き基板、に関する。
従来から、回路基板に設けられたスルーホールに圧入される端子(以下「プレスフィット端子」という。)を用いて回路基板と端子とを電気的に接続する構造が提案されている。従来のこの種の接続構造の一つにおいて、プレスフィット端子は、スルーホールの孔内面に押圧接触するように幅方向に膨らんだ形状を有する圧入部を有している(例えば、特許文献1を参照)。なお、一般に、圧入部はコンプライアント部とも称呼され、プレスフィット端子はコンプライアントピンとも称呼される。
特開2015−225701号公報
上述した従来のプレスフィット端子は、スルーホールへの挿入方向に直交する断面において、圧入部の角部に対し、特定の曲率半径の丸み面取り(いわゆるR面取り)が施されている。従来のプレスフィット端子は、この特殊な面取りにより、隣接するスルーホールの各々にプレスフィット端子が圧入されたとき、プレスフィット端子の角部に挟まれる位置にある回路基板に過大な応力が生じることを抑制するようになっている。
ところが、実際には、圧入部の角部に丸みを付けても、個々のプレスフィット端子の角部とスルーホールの孔内面とは、ほぼ点接触することになる。そのため、個々のプレスフィット端子の角部が接触する孔内面に生じる応力自体は、従来のプレスフィット端子によっても実質的には低減され難いと考えられる。よって、回路基板の個々のスルーホールの孔内面に生じる応力を低減する観点から、プレスフィット端子の更なる改善が望まれる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路基板のスルーホールに圧入される端子によって孔内面に生じる応力を低減可能な端子付き基板、を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る端子付き基板は、下記[1]〜[2]を特徴としている。
[1]
回路基板と、前記回路基板に設けられたスルーホールに圧入される端子と、を備える端子付き基板であって、
前記端子は、
前記スルーホールへの挿入方向に交差する方向に弾性変形可能な圧入部を有し、
前記圧入部は、
前記挿入方向に直交する断面において、前記スルーホールの孔内面に向かい合う当該圧入部の接触面が、前記孔内面の湾曲形状に対応するように湾曲した形状を有する、ように構成される、
端子付き基板であること。
[2]
上記[1]に記載の端子付き基板において、
前記挿入方向に直交する断面にて、前記孔内面が正円状の形状を有し、且つ、前記圧入部の前記接触面が所定の曲率半径にて定義される単一の曲面からなる形状を有し、
前記断面における前記接触面の前記曲率半径に対する前記孔内面の半径の比が、0.9以上1.1以下である、
端子付き基板であること。
上記[1]の構成の端子付き基板によれば、挿入方向に直交する断面において、スルーホールの孔内面に向かい合う圧入部の接触面が、孔内面の湾曲形状に対応した湾曲形状を有するようになっている。これにより、圧入部の角部に面取りを施さない場合や、従来のプレスフィット端子のように圧入部の角部に単に面取りを施す場合に比べ、挿入方向に直交する断面において、圧入部の接触面と孔内面とが点接触することをより確実に抑制できる。したがって、本構成の端子付き基板は、回路基板のスルーホールに圧入される端子によって孔内面に生じる応力を低減可能である。
上記[2]の構成の端子付き基板によれば、圧入部の接触面が孔内面の湾曲形状に対応した湾曲形状を有する一例として、スルーホールの孔内面の断面形状が正円状であり、且つ、端子の圧入部の接触面が単一の曲面からなる形状を有する。そして、接触面の曲率半径に対する孔内面の半径の比が、0.9以上1.1以下である。これにより、スルーホールに生じる応力を適正に低減できる。なお、本定義から明らかなように、この比が1であることは、接触面の曲率半径と孔内面の半径とが同一であることを表し、この比が上記範囲内の値であることは、接触面の曲率半径と孔内面の半径とが実質的に同一であることを表す。
本発明によれば、回路基板のスルーホールに圧入される端子によって孔内面に生じる応力を低減可能な端子付き基板を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る回路基板と端子との接続構造に使用される回路基板及び端子を示す斜視図である。 図2は、回路基板のスルーホールへの端子の挿入が完了する前の段階を示す主要断面図である。 図3は、回路基板のスルーホールへの端子の挿入が完了して本発明の実施形態に係る回路基板と端子との接続構造が得られた状態における図2に対応する図である。 図4(a)は、図2のA−A断面図であり、図4(b)は、図3のB−B断面図である。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る端子付き基板1(図3参照)について説明する。端子付き基板1は、図1に示すように、回路基板10と、回路基板10に設けられたスルーホール12に圧入される端子20と、を備える。端子20は、いわゆるプレスフィット端子(コンプライアントピンともいう。)である。
以下、説明の便宜上、図1〜図3に示すように、「前後方向」、「幅方向」、「上下方向」、「上」及び「下」を定義する。「前後方向」、「幅方向」及び「上下方向」は、互いに直交している。上下方向は、端子20のスルーホール12への挿入方向と平行であり、「上」及び「下」はそれぞれ、挿入方向(挿入の向き、図2の白矢印を参照)の「後方」及び「前方」と一致している。
図1に示す例では、複数本の同形の端子20が、回路基板10に実装されることになる基板実装型の直方体状のコネクタ30に、幅方向に並ぶように、且つ、コネクタ30の前端面から突出するように設けられている。
図1に示すように、回路基板10は、矩形平板状の樹脂製の基板母材11を有する。基板母材11には、幅方向に並ぶ複数の端子20に対応して、複数のスルーホール12(上下方向に貫通する孔)が幅方向に並ぶように形成されている。各スルーホール12の孔内面は、本例では、上下方向に直交する断面にて正円形状を有し且つ上下方向に延びる円筒内面形状を有している。
図2に示すように、回路基板10には、スルーホール12の孔内面に位置する(孔内面を覆う)導電性の回路体13が設けられている。よって、回路体13の表面で構成される孔内面も、上下方向に直交する断面にて正円形状を有し且つ上下方向に延びる円筒内面形状を有している。
回路体13は、典型的には、銅(Cu)製の薄膜で構成される。回路体13は、回路基板10の表面に設けられた所定の回路パターン(図示省略)を介して、回路基板10の表面に搭載されている複数の電子部品(図示省略)又はアースポイント(図示省略)と電気的に接続されている。回路体13の防食性を高める等の観点から、回路体13は、保護膜14(プリフラックス。OSP。Organic Solderability Preservative)で覆われている。
図1に示すように、金属製の各端子20は、コネクタ30の前端面から前方に延びる基端部21と、基端部21の先端部(前端部)から下方に延びる先端部22と、からなるL字状の形状を有している。本例では、端子20の断面(延在方向に垂直な方向の断面)は、後述する圧入部23を除いて、基端部21及び先端部22共に矩形状を有している。各端子20の先端部22が、回路基板10の対応するスルーホール12にそれぞれ圧入されることになる。
図2に示すように、端子20の先端部22には、幅方向両側に膨出する圧入部23が形成されている。圧入部23には、圧入部23に対応した位置にて、前後方向に貫通し且つ上下方向に延びる空洞部24が形成されている。空洞部24の形成により、圧入部23は、幅方向に弾性変形可能となっている。なお、圧入部23は、幅方向には膨出しているが、前後方向には膨出していない。
圧入部23の一対の頂面は、端子20の先端部22がスルーホール12に圧入された状態にてスルーホール12の孔内面に向かい合う接触面25として機能する。各接触面25は、図4(a)に示すように、上下方向に直交する断面にて正円状の形状を有し且つ上下方向に延びる円筒外面における周方向の一部分の形状を有している。よって、接触面25は、所定の曲率半径にて定義される単一の曲面からなる形状を有している。
ここで、接触面25の曲率半径(より具体的には、接触面25を一部に含む円筒外面の曲率半径)に対する、スルーホール12の孔内面の半径(より具体的には、回路体13の表面で構成される孔内面の半径)の比が、0.9以上1.1以下となっている。換言すれば、接触面25は、スルーホール12の孔内面の湾曲形状に対応した湾曲形状を有している。
接触面25の下側(挿入方向の前方側)の端部(膨出する圧入部23の下側の斜面部と接触面25との境界部)を、第1接点部26と呼び、接触面25の上側(挿入方向の後方側)の端部(膨出する圧入部23の上側の斜面部と接触面25との境界部)を、第2接点部27と呼ぶものとすると、第1、第2接点部26,27の各々は、一対の円弧状の部分である。
各端子20の先端部22の圧入部23をスルーホール12に圧入する際には、複数の端子20の先端部22が、回路基板10の複数のスルーホール12の上方にそれぞれ位置するように、回路基板10の上方にコネクタ30を配置し、コネクタ30を回路基板10に向けて下方に近づけていく。この結果、複数の端子20の圧入部23が、回路基板10の複数のスルーホール12に一度に挿入されていく。
図2に示すように、端子20の圧入部23が、回路基板10のスルーホール12に挿入される際、圧入部23の第1接点部26が保護膜14を削り取りながら下方(挿入方向の前方)に進む。そして、図3及び図4(b)に示すように、第1接点部26の上側且つ第2接点部27の下側に位置する接触面25の一部又は全体が、保護膜14が削り取られて露出した回路体13に接触する。そして、第1接点部26と第2接点部27との双方がスルーホール12の孔内に位置する状態で、端子20の圧入が完了する。
これにより、本発明の実施形態に係る端子付き基板1(図3参照)が得られると共に、コネクタ30の回路基板10への実装が完了する。この結果、コネクタ30に設けられた複数の端子20が、回路基板10の複数のスルーホール12を介して、回路基板10の表面に搭載されている複数の電子部品又はアースポイントと電気的に接続される。
以上、本発明の実施形態に係る端子付き基板1によれば、挿入方向に直交する断面において、スルーホール12の孔内面に向かい合う圧入部23の接触面25が、孔内面の湾曲形状に対応した形状を有するようになっている。これにより、挿入方向に直交する断面において、圧入部23の接触面25とスルーホール12の孔内面とが点接触することを抑制できる。したがって、本実施形態に係る端子付き基板1は、回路基板10のスルーホール12に圧入される端子20によってスルーホール12の孔内面に生じる応力を低減可能である。
更に、本実施形態に係る端子付き基板1によれば、スルーホール12の孔内面の断面形状が正円状であり、且つ、端子20の圧入部23の接触面25が単一の曲面からなる形状を有する。そして、接触面25の曲率半径に対するスルーホール12の孔内面の半径の比が、0.9以上1.1以下である。これにより、スルーホール12に生じる応力を適正に低減できる。
<他の態様>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、スルーホール12の孔内面が、上下方向に直交する断面にて正円状の形状を有し且つ上下方向に延びる円筒内面形状を有し、接触面25が、上下方向に直交する断面にて正円形状を有し且つ上下方向に延びる円筒外面における周方向の一部分の形状を有している。これに対し、例えば、スルーホール12の孔内面が楕円状の断面形状を有し、且つ、端子20の圧入部23の接触面25がその楕円の一部分と同じ形状を有するように湾曲した断面形状を有してもよい。即ち、接触面25が、スルーホール12の孔内面の湾曲形状に対応した湾曲形状である限りにおいて、スルーホール12の孔内面が、上下方向に直交する断面にて正円形状を有し且つ上下方向に延びる円筒内面形状とは異なる形状を有していてもよいし、接触面25が、上下方向に直交する断面にて正円形状を有し且つ上下方向に延びる円筒外面における周方向の一部分の形状とは異なる形状を有していてもよい。
ここで、上述した本発明に係る端子付き基板1の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[2]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
回路基板(10)と、前記回路基板(10)に設けられたスルーホール(12)に圧入される端子(20)と、を備える端子付き基板(1)であって、
前記端子(20)は、
前記スルーホール(12)への挿入方向に交差する方向に弾性変形可能な圧入部(23)を有し、
前記圧入部(23)は、
前記挿入方向に直交する断面において、前記スルーホール(12)の孔内面に向かい合う当該圧入部(23)の接触面(25)が、前記孔内面の湾曲形状に対応するように湾曲した形状を有する、ように構成される、
端子付き基板(1)。
[2]
上記[1]に記載の端子付き基板(1)において、
前記挿入方向に直交する断面にて、前記孔内面が正円状の形状を有し、且つ、前記圧入部(23)の前記接触面(25)が所定の曲率半径にて定義される単一の曲面からなる形状を有し、
前記断面における前記接触面(25)の前記曲率半径に対する前記孔内面の半径の比が、0.9以上1.1以下である、
端子付き基板(1)。
1 端子付き基板
10 回路基板
12 スルーホール
20 端子
23 圧入部
24 空洞部
25 接触面

Claims (2)

  1. 回路基板と、前記回路基板に設けられたスルーホールに圧入される端子と、を備える端子付き基板であって、
    前記端子は、
    前記スルーホールへの挿入方向に交差する方向に弾性変形可能な圧入部を有し、
    前記圧入部は、
    前記挿入方向に直交する断面において、前記スルーホールの孔内面に向かい合う当該圧入部の接触面が、前記孔内面の湾曲形状に対応するように湾曲した形状を有する、ように構成される、
    端子付き基板。
  2. 請求項1に記載の端子付き基板において、
    前記挿入方向に直交する断面にて、前記孔内面が正円状の形状を有し、且つ、前記圧入部の前記接触面が所定の曲率半径にて定義される単一の曲面からなる形状を有し、
    前記断面における前記接触面の前記曲率半径に対する前記孔内面の半径の比が、0.9以上1.1以下である、
    端子付き基板。
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